JP2019075547A - 半導体発光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光透過層に対する光反射層の密着力を向上できる半導体発光装置を提供する。【解決手段】半導体発光装置1は、主面を有し、光を生成する化合物半導体層21と、光透過性を有し、化合物半導体層21の主面を被覆する光透過層22と、光反射性を有し、光透過層22を被覆する第2光反射層23と、光透過層22および第2光反射層23の間の境界部において第2光反射層23の表層部に形成され、第2光反射層23を構成する元素よりも光透過層22に対する密着力が高い性質を有する元素を有する接合材料拡散領域41と、を含む。【選択図】図2

Description

本発明は、半導体発光装置に関する。
特許文献1には、半導体発光素子が開示されている。この半導体発光素子は、非発光部分および発光部分が、第1接合金属層および第2接合金属層によって接合された構造を有している。
非発光部分は、シリコン基板と、シリコン基板を被覆する第2接合金属層と、を含む。発光部分は、光を生成する半導体領域と、半導体領域の主面を被覆する光透過層と、光透過層を被覆する光反射層と、光反射層を被覆する第1接合金属層と、を含む。
発光部分は、半導体領域の主面を、非発光部分に係るシリコン基板の主面に対向させた姿勢で発光部分の上に配置されている。この状態で、発光部分に係る第1接合金属層は、非発光部分に係る第2接合金属層に接合されている。
特開2005−175462号公報
特許文献1に係る半導体発光素子のように光透過層が光反射層によって被覆された構造では、光透過層に対する光反射層の親和性が議論されることがある。
たとえば、光透過層に対する光反射層の親和性が低い場合、光反射層に対する光透過層の密着力が不十分になり、光反射層による光反射率が低下する可能性がある。
そこで、本発明の一実施形態は、光透過層に対する光反射層の密着力を向上できる半導体発光装置を提供することを一つの目的とする。
本発明の一実施形態は、主面を有し、光を生成する半導体層と、光透過性を有し、前記半導体層の前記主面を被覆する光透過層と、光反射性を有し、前記光透過層を被覆する光反射層と、前記光透過層および前記光反射層の間の境界部において前記光反射層の表層部に形成され、前記光反射層を構成する元素よりも前記光透過層に対する密着力が高い性質を有する元素を有する接合材料拡散領域と、を含む、半導体発光装置を提供する。
この半導体発光装置によれば、接合材料拡散領域が、光透過層および光反射層の間の境界部において光反射層の表層部に形成されている。接合材料拡散領域は、光反射層を構成する元素よりも光透過層に対する密着力が高い性質を有する元素を含む。これにより、光透過層に対する光反射層の密着力を向上できる。
本発明の一実施形態は、一方側の第1表面および他方側の第1裏面を有する基板、ならびに、光反射性を有し、前記基板の前記第1表面を被覆する第1光反射層を含む、非発光体部と、一方側の第2表面および他方側の第2裏面を有し、光を生成する半導体層、光透過性を有し、前記半導体層の前記第2表面を被覆する光透過層、光反射性を有し、前記光透過層を被覆する第2光反射層、ならびに、前記光透過層および前記第2光反射層の間の境界部において前記第2光反射層の表層部に形成され、前記第2光反射層を構成する元素よりも前記光透過層に対する密着力が高い性質を有する元素を有する接合材料拡散領域を含み、前記半導体層の前記第2表面を前記非発光体部に係る前記基板の前記第1表面に対向させた姿勢で、前記非発光体部の上に配置された発光体部と、を含む、半導体発光装置を提供する。
この半導体発光装置によれば、接合材料拡散領域が、光透過層および第2光反射層の間の境界部において第2光反射層の表層部に形成されている。接合材料拡散領域は、第2光反射層を構成する元素よりも光透過層に対する密着力が高い性質を有する元素を含む。これにより、光透過層に対する第2光反射層の密着力を向上できる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体発光装置の平面図である。 図2は、本発明の第1実施形態に係る半導体発光装置の断面図であって、図1のII−II断面を示す図である。 図3は、図2に示す半導体層の構造を示す断面図である。 図4Aは、図2に示す半導体発光装置の製造方法を説明するための断面図である。 図4Bは、図4Aの次に説明される工程を示す断面図である。 図4Cは、図4Bの次に説明される工程を示す断面図である。 図4Dは、図4Cの次に説明される工程を示す断面図である。 図4Eは、図4Dの次に説明される工程を示す断面図である。 図4Fは、図4Eの次に説明される工程を示す断面図である。 図4Gは、図4Fの次に説明される工程を示す断面図である。 図4Hは、図4Gの次に説明される工程を示す断面図である。 図4Iは、図4Hの次に説明される工程を示す断面図である。 図4Jは、図4Iの次に説明される工程を示す断面図である。 図4Kは、図4Jの次に説明される工程を示す断面図である。 図5は、本発明の第2実施形態に係る半導体発光装置の断面図である。 図6Aは、図5に示す半導体発光装置の製造方法を説明するための断面図である。 図6Bは、図6Aの次に説明される工程を示す断面図である。 図6Cは、図6Bの次に説明される工程を示す断面図である。 図6Dは、図6Cの次に説明される工程を示す断面図である。 図6Eは、図6Dの次に説明される工程を示す断面図である。 図6Fは、図6Eの次に説明される工程を示す断面図である。 図7は、本発明の第3実施形態に係る半導体発光装置の断面図である。 図8は、本発明の第4実施形態に係る半導体発光装置の平面図である。 図9は、本発明の第4実施形態に係る半導体発光装置の断面図であって、図8のIX−IX断面を示す図である。 図10は、図9の半導体発光装置の要部拡大図である。 図11Aは、図9に示す半導体発光装置の製造方法を説明するための断面図である。 図11Bは、図11Aの次に説明される工程を示す断面図である。 図11Cは、図11Bの次に説明される工程を示す断面図である。 図11Dは、図11Cの次に説明される工程を示す断面図である。 図11Eは、図11Dの次に説明される工程を示す断面図である。 図11Fは、図11Eの次に説明される工程を示す断面図である。 図11Gは、図11Fの次に説明される工程を示す断面図である。 図11Hは、図11Gの次に説明される工程を示す断面図である。 図11Iは、図11Hの次に説明される工程を示す断面図である。 図12は、第2光反射層と、光度および反射率それぞれとの関係を示すグラフである。
以下では、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体発光装置1の平面図である。図2は、本発明の第1実施形態に係る半導体発光装置1の断面図であって、図1のII−II断面を示す図である。
図2を参照して、半導体発光装置1は、非発光体部2、発光体部3、接合材料層4、アノード電極層5(第1電極)およびカソード電極層6(第2電極)を含む。発光体部3は、接合材料層4を介して非発光体部2に接合されている。半導体発光装置1の強度は、非発光体部2によって高められている。
非発光体部2は、基板10、下地電極層11および第1光反射層12を含む。基板10は、一方側の第1表面13、他方側の第1裏面14、ならびに、第1表面13および第1裏面14を接続する第1側面15を含む。基板10の厚さは、50μm以上300μm以下(たとえば150μm程度)であってもよい。
基板10は、金属材料製の導体基板を含んでいてもよい。導体基板は、Al(アルミニウム)、Cu(銅)、Au(金)またはAg(銀)のうちの少なくとも1種を金属材料として含んでいてもよい。
基板10は、導体基板に代えてまたはこれに加えて、半導体材料製の半導体基板を含んでいてもよい。半導体基板は、Si(シリコン)、炭化シリコン(SiC)、ゲルマニウム(Ge)、化合物半導体または窒化物半導体のうちの少なくとも1種を半導体材料として含んでいてもよい。以下では、基板10がSi製の半導体基板からなる例について説明する。
下地電極層11は、基板10の第1表面13を被覆している。下地電極層11は、基板10の第1表面13に接している。下地電極層11は、基板10の第1表面13側からこの順に積層された第1下地電極層16および第2下地電極層17を含む積層構造を有している。
第1下地電極層16は、Ti(チタン)を含んでいてもよい。第1下地電極層16の厚さは、0.01μm以上0.1μm以下(たとえば0.05μm程度)であってもよい。
第2下地電極層17は、Auを含んでいてもよい。第2下地電極層17の厚さは、0.05μm以上1.0μm以下(たとえば0.1μm程度)であってもよい。
第1光反射層12は、光反射性を有する層である。第1光反射層12は、下地電極層11を被覆している。第1光反射層12は、下地電極層11に接している。
第1光反射層12は、この形態では、Auを含む導電性光反射層からなる。これにより、第1光反射層12は、下地電極層11を介して基板10に電気的に接続されている。第1光反射層12の厚さは、0.1μm以上3.0μm以下(たとえば0.5μm程度)であってもよい。
発光体部3は、化合物半導体層21、光透過層22および第2光反射層23を含む。化合物半導体層21は、4元材料を含む。4元材料は、Al、Ga(ガリウム)、In(インジウム)またはP(リン)のうちの少なくとも1種を含む。
化合物半導体層21は、この形態では、緑色から赤外の間の領域の波長を有する光を生成する。化合物半導体層21によって生成される光は、500nm以上1000nm以下の波長を有していてもよい。
化合物半導体層21は、一方側の第2表面24、他方側の第2裏面25、ならびに、第2表面24および第2裏面25を接続する第2側面26を含む。発光体部3の第2側面26は、接合材料層4を介して非発光体部2の第1側面15に面一に形成されていてもよい。化合物半導体層21の厚さは、2.5μm以上13.5μm以下(たとえば5.5μm程度)であってもよい。
化合物半導体層21は、この形態では、エピタキシャル成長法によって形成されたエピタキシャル層からなる。化合物半導体層21は、具体的には、図3に示される構造を有している。図3は、図2に示す化合物半導体層21の構造を示す断面図である。
図3を参照して、化合物半導体層21は、第2裏面25側から第2表面24側に向かってこの順に積層された、n型ウィンドウ層31、n型クラッド層32、多重量子井戸層33、p型クラッド層34、p型コンタクト層35を含む。多重量子井戸層33は、MQW層(Multi Quantum Well layer)とも称される。
化合物半導体層21の第2表面24は、p型コンタクト層35によって形成されている。化合物半導体層21の第2裏面25は、n型ウィンドウ層31によって形成されている。
n型ウィンドウ層31は、AlInGaPを含んでいてもよい。n型ウィンドウ層31の厚さは、2.0μm以上5.0μm以下(たとえば2.5μm程度)であってもよい。
n型クラッド層32は、AlInPを含んでいてもよい。n型クラッド層32の厚さは、0.1μm以上2.5μm以下(たとえば1.0μm程度)であってもよい。
多重量子井戸層33は、複数(この形態では18個)の量子井戸層36が積層された積層構造を有している。複数の量子井戸層36は、化合物半導体層21の第2裏面25側からこの順に積層されたバリア層37およびウェル層38をそれぞれ含む。
バリア層37は、AlInGaPを含んでいてもよい。バリア層37の厚さは、3.0nm以上7.0nm以下(たとえば3.5nm程度)であってもよい。
ウェル層38は、AlInGaPを含んでいてもよい。ウェル層38は、バリア層37の厚さよりも大きい厚さを有していてもよい。ウェル層38の厚さは、3.0nm以上7.0nm以下(たとえば5.0nm程度)であってもよい。
p型クラッド層34は、AlInPを含んでいてもよい。p型クラッド層34の厚さは、0.1μm以上2.5μm以下(たとえば1.0μm程度)であってもよい。
p型コンタクト層35は、GaPを含んでいてもよい。p型コンタクト層35の厚さは、0.1μm以上2.5μm以下(たとえば1.0μm程度)であってもよい。
図2を再度参照して、光透過層22は、光透過性を有する層である。光透過性には、透明または透光性が含まれる。光透過層22は、化合物半導体層21の第2表面24を被覆している。光透過層22は、化合物半導体層21の第2表面24に接している。
光透過層22は、この形態では、ITO(酸化インジウムスズ)を含む導電性光透過層からなる。これにより、光透過層22は、化合物半導体層21(p型コンタクト層35)に電気的に接続されている。光透過層22の厚さは、0.1μm以上0.5μm以下(たとえば0.3μm程度)であってもよい。
第2光反射層23は、光反射性を有する層である。第2光反射層23は、光透過層22を被覆している。第2光反射層23は、光透過層22に接している。
第2光反射層23は、この形態では、Auを含む導電性光反射層からなる。これにより、第2光反射層23は、光透過層22を介して化合物半導体層21に電気的に接続されている。第2光反射層23の厚さは、0.1μm以上1.0μm以下(たとえば0.5μm程度)であってもよい。
発光体部3は、化合物半導体層21の第2表面24を、基板10の第1表面13に対向させた姿勢で非発光体部2の上に配置されている。この構造において、接合材料層4は、第1光反射層12および第2光反射層23の間の領域に介在している。
接合材料層4は、導電材料を含む導電性接合材料層からなる。これにより、発光体部3は、接合材料層4を介して非発光体部2に電気的に接続されている。接合材料層4は、第2光反射層23を挟んで光透過層22に対向している。基板10の第1主面の法線方向から見た平面視において、接合材料層4のほぼ全域は、光透過層22に重なっている。
接合材料層4は、第2光反射層23を構成する元素(つまりAu)よりも光透過層22に対する密着力が高い性質を有する元素(以下、単に「密着力が高い元素」という。)を有している。接合材料層4は、密着力が高い元素を、第2光反射層23に拡散させて供給する元素供給源として形成されている。
接合材料層4の厚さは、第2光反射層23の厚さよりも小さい。第2光反射層23の厚さに対する接合材料層4の厚さの比は、0.04以上0.004以下であってもよい。接合材料層4の厚さは、0.001μm以上0.01μm以下であってもよい。
光透過層22および第2光反射層23の間の境界部において、第2光反射層23の表層部には、接合材料拡散領域41が形成されている。図2では、接合材料拡散領域41が、第2光反射層23内に記載された破線によって示されている。
接合材料拡散領域41は、接合材料層4に含まれる元素と同一種からなり、光透過層22に対する密着力が高い元素を有している。密着力が高い元素は、接合材料層4から第2光反射層23の表層部に拡散する。そのため、密着力が高い元素は、実際には、第2光反射層23のほぼ全域に拡散している。
第2光反射層23内において密着力が高い元素の含有率は、接合材料層4に近づくほど高くなる。密着力が高い元素の含有率とは、より具体的には、第2光反射層23内における密着力が高い元素の含有量の割合である。
したがって、接合材料拡散領域41は、第2光反射層23内のほぼ全域に形成されている。接合材料拡散領域41は、光透過層22側の密着力が高い元素の含有率が、接合材料層4側の密着力が高い元素の含有率よりも低い濃度勾配を有している。接合材料拡散領域41において光透過層22に接する部分の密着力が高い元素の含有率は、0%を超えて25%以下であってもよい。
接合材料層4は、光透過層22に対する密着力が高い元素として、Cr(クロム)を含んでいてもよい。したがって、接合材料拡散領域41は、密着力が高い元素として、Crを含んでいてもよい。
アノード電極層5は、基板10の第1裏面14に接続されている。アノード電極層5は、この実施形態では、基板10の第1裏面14の全面に形成されている。
カソード電極層6は、化合物半導体層21の第2裏面25に接続されている。カソード電極層6は、略円形状のパッド電極部67と、当該パッド電極部67の周囲に放射状に延びる枝状電極部68とを一体的に含む。この実施形態では、平面視において、パッド電極部67が発光体部3の略中央に配置されており、複数の枝状電極部68は、パッド電極部67から基板10の4つの第1側面15および4つの角部へ向かう8方向に延びている。この実施形態では、図1に示すように、基板10の4つの角部へ向かう枝状電極部68(第1部分69)が、基板10の4つの第1側面15へ向かう枝状電極部68(第2部分70)に比べて長くなっている。
カソード電極層6およびアノード電極層5の間に、所定の閾値電圧以上の順方向電圧が印加されると、発光体部3(化合物半導体層21)において赤色光が生成される。
生成された赤色光は、光透過層22を通過した後、第2光反射層23および第1光反射層12(主に第2光反射層23)によって反射される。これにより、生成された赤色光が、化合物半導体層21の第2裏面25から取り出される。
以上、半導体発光装置1によれば、接合材料拡散領域41が、光透過層22および第2光反射層23の間の境界部において第2光反射層23の表層部に形成されている。
接合材料拡散領域41は、第2光反射層23を構成する元素よりも光透過層22に対する密着力が高い性質を有する元素を有している。これにより、光透過層22に対する第2光反射層23の密着力を向上できる。
特に、接合材料拡散領域41は、光透過層22に対する密着力が高い性質を有する元素としてのCrを含む。Crは、Auに比べてITOに対する親和性および密着力が高い。
したがって、光透過層22および第2光反射層23の間の境界部において、第2光反射層23の表層部にCrを含む接合材料拡散領域41を形成することによって、光透過層22に対する第2光反射層23の密着力を向上できる。
しかも、半導体発光装置1によれば、第2光反射層23を挟んで光透過層22に対向するように接合材料層4が形成されている。したがって、光透過層22および第2光反射層23の間の境界部に接合材料層4を介在させなくて済む。
これにより、光透過層22および第2光反射層23の間の境界部において、光が接合材料層4によって遮蔽されることを防止できる。その結果、第2光反射層23による光の反射率を保持しつつ、光透過層22に対する第2光反射層23の密着力を高めることができる。
光透過層22に対する第2光反射層23の密着力を向上することは、発光体部3に対する非発光体部2の接合強度を高める上でも有効である。
図4A〜図4Kは、図2に示す半導体発光装置1の製造方法を説明するための断面図である。
半導体発光装置1の製造方法では、非発光体部2および発光体部3が別々に製造される。製造された非発光体部2および発光体部3は、接合材料層4によって接合される。
以下では、非発光体部2の製造工程を説明した後、発光体部3の製造工程について説明する。その後、非発光体部2および発光体部3を接合材料層4によって接合する工程について説明する。
図4Aを参照して、非発光体部2の製造の際には、まず、Si製の半導体基板からなる基板10が用意される。基板10は、第1表面13および第1裏面14を有している。
次に、図4Bを参照して、基板10の第1表面13の上に下地電極層11が形成される。下地電極層11を形成する工程は、Tiを含む第1下地電極層16、および、Auを含む第2下地電極層17を基板10の第1表面13側からこの順に積層する工程を含む。第1下地電極層16および第2下地電極層17は、蒸着法によってそれぞれ形成されてもよい。
次に、図4Cを参照して、下地電極層11の上に、Auを含む第1光反射層12が形成される。第1光反射層12は、蒸着法によって形成されてもよい。以上の工程を経て、非発光体部2が形成される。
図4Dを参照して、発光体部3の製造の際には、まず、支持基板51が用意される。支持基板51は、主面52を有している。支持基板51は、化合物半導体層21を形成するための種結晶基板である。支持基板51は、GaAs製の化合物半導体基板であってもよい。
次に、図4Eを参照して、エピタキシャル成長法によって、支持基板51の主面52に化合物半導体層21が形成される。化合物半導体層21を形成する工程は、エピタキシャル成長法によって、n型ウィンドウ層31、n型クラッド層32、多重量子井戸層33、p型クラッド層34およびp型コンタクト層35を、支持基板51の主面52側からこの順に形成する工程を含む。
次に、図4Fを参照して、化合物半導体層21の上に、ITOを含む光透過層22が形成される。光透過層22は、蒸着法またはスパッタ法によって形成されてもよい。
次に、図4Gを参照して、光透過層22の上に、Auを含む第2光反射層23が形成される。第2光反射層23は、蒸着法によって形成されてもよい。以上の工程を経て、発光体部3が形成される。
次に、図4Hを参照して、第2光反射層23の上に、Crを含む接合材料層4が形成される。接合材料層4は、蒸着法によって形成されてもよい。
次に、図4Iを参照して、非発光体部2に、発光体部3が接合される。発光体部3は、第1光反射層12および第2光反射層23の間に接合材料層4が介在する姿勢で、非発光体部2の上に配置される。
次に、非発光体部2および発光体部3が、接合材料層4を介して熱圧着される。加熱温度は、250℃以上350℃以下であってもよい。圧力は、35kN以上45kN以下であってもよい。熱圧着時間は、5分以上20分以下であってもよい。
この工程は、接合材料層4を構成するCrを、第2光反射層23に拡散させる工程を含む。この工程は、第2光反射層23の表層部にCrが至るまで継続される。
第2光反射層23に対するCrの拡散量や拡散範囲は、加熱温度、圧力および/または熱圧着時間等の条件を調整することによって制御できる。
このような工程を経て、光透過層22および第2光反射層23の間の境界部において、第2光反射層23の表層部に、接合材料拡散領域41が形成される。接合材料拡散領域41によって、光透過層22に対する第2光反射層23の密着力が高められる。
次に、図4Jを参照して、支持基板51が、発光体部3から取り除かれる。支持基板51は、エッチング(たとえばウェットエッチング)や研削によって除去されてもよい。
これにより、化合物半導体層21において光透過層22によって被覆されていた面が第2表面24となり、支持基板51が取り除かれて露出した面が、第2裏面25となる。
次に、図4Kを参照して、アノード電極層5が、基板10の第1裏面14に形成される。また、化合物半導体層21の第2裏面25にカソード電極層6が接続される。以上を含む工程を経て、半導体発光装置1が製造される。
図5は、本発明の第2実施形態に係る半導体発光装置61の断面図である。以下では、半導体発光装置1について述べた構造に対応する構造については、同一の参照符号を付して説明を省略する。
半導体発光装置61は、導電性の光透過層22に代えて、絶縁性の光透過層62を含む。光透過層62は、単一の絶縁材料層を含む単層構造からなっていてもよい。光透過層62は、複数の絶縁材料層が積層された積層構造を有していてもよい。
光透過層62は、SiO(酸化シリコン)およびSiN(窒化シリコン)のいずれか一方または双方を含んでいてもよい。以下では、光透過層62がSiOを含む単層構造からなる例について説明する。
光透過層62には、コンタクト電極63が形成されている。コンタクト電極63は、Auを含んでいてもよい。コンタクト電極63は、化合物半導体層21および第2光反射層23を電気的に接続する。コンタクト電極63は、光透過層62に形成されたコンタクト孔64に埋め込まれている。
コンタクト電極63は、基板10の第1表面13の法線方向から見た平面視において、アノード電極層5と重ならない領域に形成されていてもよい。
半導体発光装置61は、接合材料層4に代えて、接合材料層65を含む。接合材料層65は、導電材料を含む導電性接合材料層からなる。これにより、発光体部3は、接合材料層65を介して非発光体部2に電気的に接続されている。
接合材料層65は、第2光反射層23を挟んで光透過層62に対向している。基板10の第1主面の法線方向から見た平面視において、接合材料層65のほぼ全域は、光透過層62に重なっている。
接合材料層65は、第2光反射層23を構成する元素(つまりAu)よりも光透過層62に対する密着力が高い性質を有する元素(以下、単に「密着力が高い元素」という。)を有している。接合材料層65は、密着力が高い元素を、第2光反射層23に拡散させて供給する元素供給源として形成されている。
接合材料層65の厚さは、第2光反射層23の厚さ以上であってもよい。接合材料層65の厚さは、第2光反射層23の厚さ未満であってもよい。
第2光反射層23の厚さに対する接合材料層65の厚さの比は、0.5以上5.0以下であってもよい。接合材料層65の厚さは、0.05μm以上0.25μm以下であってもよい。
光透過層62および第2光反射層23の間の境界部において、第2光反射層23の表層部には、接合材料拡散領域66が形成されている。図5では、接合材料拡散領域66が、第2光反射層23内に記載された破線によって示されている。
接合材料拡散領域66は、接合材料層65に含まれる元素と同一種からなり、光透過層62に対する密着力が高い元素を有している。密着力が高い元素は、接合材料層65から第2光反射層23の表層部に拡散する。そのため、密着力が高い元素は、実際には、第2光反射層23のほぼ全域に拡散している。
第2光反射層23内において密着力が高い元素の含有率は、接合材料層65に近づくほど高くなる。密着力が高い元素の含有率とは、より具体的には、第2光反射層23に対する密着力が高い元素の含有量の割合である。
したがって、接合材料拡散領域66は、第2光反射層23内のほぼ全域に形成されている。また、接合材料拡散領域66は、光透過層62側の密着力が高い元素の含有率が、接合材料層65側の密着力が高い元素の含有率よりも低い濃度勾配を有している。接合材料拡散領域66において光透過層62に接する部分の密着力が高い元素の含有率は、0%を超えて5%以下であってもよい。
接合材料層65は、AuBe(ベリリウム金)合金を含んでいてもよい。AuBe合金のうちのBeが、光透過層62に対する密着力が高い元素として、第2光反射層23に拡散する。したがって、接合材料拡散領域66は、密着力が高い元素として、Beを含んでいてもよい。
接合材料層65においてAuの質量比は、95%以上99%以下(たとえば98%程度)であってもよい。接合材料層65においてBeの質量比は、1%以上5%以下(たとえば2%程度)であってもよい。
以上、半導体発光装置61によれば、接合材料拡散領域66が、光透過層62および第2光反射層23の間の境界部において第2光反射層23の表層部に形成されている。
接合材料拡散領域66は、第2光反射層23を構成する元素よりも光透過層62に対する密着力が高い性質を有する元素を有している。これにより、光透過層62に対する第2光反射層23の密着力を向上できる。
特に、接合材料拡散領域66は、光透過層62に対する密着力が高い性質を有する元素としてのAuBe合金を含む。AuBe合金のうちのBeは、Auに比べてSiOおよびSiNに対する親和性および密着力が高い。
したがって、光透過層62および第2光反射層23の間の境界部において、第2光反射層23の表層部にBeを含む接合材料拡散領域66を形成することによって、光透過層62に対する第2光反射層23の密着力を向上できる。
しかも、半導体発光装置61によれば、第2光反射層23を挟んで光透過層62に対向するように接合材料層65が形成されている。したがって、光透過層62および第2光反射層23の間の境界部に接合材料層65を介在させなくて済む。
これにより、光透過層62および第2光反射層23の間の境界部において、光が接合材料層65によって遮蔽されることを防止できる。その結果、第2光反射層23による光の反射率を保持しつつ、光透過層62に対する第2光反射層23の密着力を高めることができる。
また、光透過層62に対する第2光反射層23の密着力を向上することは、発光体部3に対する非発光体部2の接合強度を高める上でも有効である。
図6A〜図6Fは、図5に示す半導体発光装置61の製造方法を説明するための断面図である。半導体発光装置61の製造方法では、前述の図4D〜図4Iに代えて図6A〜図6Fに示される工程が実施される。その他の工程は、ほぼ同様であるので、説明を省略する。
まず、図6Aを参照して、支持基板51が用意される。支持基板51は、主面52を有している。支持基板51は、化合物半導体層21を形成するための種結晶基板である。支持基板51は、GaAs製の化合物半導体基板であってもよい。
次に、図6Bを参照して、エピタキシャル成長法によって、支持基板51の主面52に化合物半導体層21が形成される。化合物半導体層21を形成する工程は、エピタキシャル成長法によって、n型ウィンドウ層31、n型クラッド層32、多重量子井戸層33、p型クラッド層34およびp型コンタクト層35を、支持基板51の主面52側からこの順に形成する工程を含む。
次に、図6Cを参照して、化合物半導体層21の上に、SiOおよび/またはSiNを含む光透過層62が形成される。光透過層62は、蒸着法によって形成されてもよい。
次に、光透過層62に、化合物半導体層21を露出させるコンタクト孔64が選択的に形成される。コンタクト孔64は、マスクを介するエッチング(たとえばウェットエッチング)によって形成されてもよい。次に、コンタクト孔64に、Auを含むコンタクト電極63が埋め込まれる。
次に、図6Dを参照して、光透過層62の上に、Auを含む第2光反射層23が形成される。第2光反射層23は、蒸着法によって形成されてもよい。以上の工程を経て、発光体部3が形成される。
次に、図6Eを参照して、第2光反射層23の上に、AuBe合金を含む接合材料層65が形成される。接合材料層65は、蒸着法によって形成されてもよい。
次に、図6Fを参照して、非発光体部2に、発光体部3が接合される。発光体部3は、第1光反射層12および第2光反射層23の間に接合材料層65が介在する姿勢で、非発光体部2の上に配置される。
次に、非発光体部2および発光体部3が、接合材料層65を介して熱圧着される。加熱温度は、250℃以上350℃以下であってもよい。圧力は、35kN以上45kN以下であってもよい。熱圧着時間は、5分以上20分以下であってもよい。
この工程は、接合材料層65を構成するAuBe合金のうちのBeを、第2光反射層23に拡散させる工程を含む。この工程は、第2光反射層23の表層部にBeが至るまで継続される。
第2光反射層23に対するBeの拡散量や拡散範囲は、加熱温度、圧力および/または熱圧着時間等の条件を調整することによって制御できる。
このような工程を経て、光透過層62および第2光反射層23の間の境界部において、第2光反射層23の表層部に、接合材料拡散領域66が形成される。接合材料拡散領域66によって、光透過層62に対する第2光反射層23の密着力が高められる。
その後、図4J〜図4Kに示される工程と同様の工程が実行される。以上を含む工程を経て、半導体発光装置61が製造される。
図7は、本発明の第3実施形態に係る半導体発光装置71の断面図である。以下では、半導体発光装置1について述べた構造に対応する構造については、同一の参照符号を付して説明を省略する。
半導体発光装置71において、非発光体部2に係る下地電極層11は、基板10の第1表面13側からこの順に積層された第1下地電極層16、第2下地電極層17および第3下地電極層72を含む積層構造を有している。
第3下地電極層72は、Tiを含んでいてもよい。第3下地電極層72の厚さは、0.1μm以上2.0μm以下(たとえば0.6μm程度)であってもよい。
下地電極層11は、基板10の第1表面13側から、Tiを含む第1下地電極層16、Auを含む第2下地電極層17、および、Tiを含む第3下地電極層72をこの順に積層することによって形成される(図4Bも併せて参照)。第1下地電極層16、第2下地電極層17および第3下地電極層72は、蒸着法によってそれぞれ形成されてもよい。
このような構造によっても、前述の半導体発光装置1について述べた効果と同様の効果を奏することができる。下地電極層11が、第1下地電極層16、第2下地電極層17および第3下地電極層72を含む構造は、前述の半導体発光装置61にも適用可能である。
図8は、本発明の第4実施形態に係る半導体発光装置81の平面図である。図9は、本発明の第4実施形態に係る半導体発光装置81の断面図であって、図8のIX−IX断面を示す図である。
半導体発光装置81は、基板82と、基板82上の光反射層83と、光反射層83上の光透過層84と、光透過層84上の本発明の半導体層の一例としての化合物半導体層85と、基板82の第1裏面86(化合物半導体層85と反対側の表面)に接触するように形成されたアノード電極層87(第1電極)と、化合物半導体層85の第2裏面88に接触するように形成されたカソード電極層89(第2電極)とを含む。
基板82は、金属材料製の導体基板を含んでいてもよい。導体基板は、Al(アルミニウム)、Cu(銅)、Au(金)またはAg(銀)のうちの少なくとも1種を金属材料として含んでいてもよい。
基板82は、導体基板に代えてまたはこれに加えて、半導体材料製の半導体基板を含んでいてもよい。半導体基板は、Si(シリコン)、炭化シリコン(SiC)、ゲルマニウム(Ge)、化合物半導体または窒化物半導体のうちの少なくとも1種を半導体材料として含んでいてもよい。以下では、基板82がSi製の半導体基板からなる例について説明する。
光反射層83は、図9に示すように、基板82の第1表面90全域を覆うように形成されている。光反射層83は、この実施形態では後述するように、成長基板126(後述)と基板82との貼り合わせによって第1層121(後述)と第2層122(後述)とが接合して形成されるものである。そこで、図9では、便宜的に第1層121と第2層122との境界(貼り合わせ面)を示しているが、この境界は、明瞭に視認できなくてもよい。
光透過層84は、たとえば絶縁性材料からなる。たとえば、光透過層84は、単一の絶縁材料層を含む単層構造からなっていてもよいし、複数の絶縁材料層が積層された積層構造を有していてもよい。この実施形態では、光透過層84は、SiO(酸化シリコン)およびSiN(窒化シリコン)のいずれか一方または双方を含んでいてもよい。以下では、光透過層84がSiOを含む単層構造からなる例について説明する。
化合物半導体層85は、この形態では、エピタキシャル成長法によって形成されたエピタキシャル層からなる。
化合物半導体層85は、具体的には、発光層91と、p型半導体層92と、n型半導体層93とを含む。p型半導体層92は発光層91に対して基板82側に配置されており、n型半導体層93は発光層91に対してカソード電極層89側に配置されている。こうして、発光層91が、p型半導体層92およびn型半導体層93によって挟持されていて、ダブルヘテロ接合が形成されている。発光層91には、n型半導体層93から電子が注入され、p型半導体層92から正孔が注入される。これらが発光層91で再結合することによって、光が発生するようになっている。
p型半導体層92は、基板82側から順に、p型コンタクト層94(たとえば、0.1μm以上2.5μm以下厚)、p型ウィンドウ層95(たとえば、0.1μm以上2.5μm以下厚)およびp型クラッド層96(たとえば、0.1μm以上2.5μm以下厚)を積層して構成されている。一方、n型半導体層93は、発光層91の上に、順に、n型クラッド層97(たとえば、0.1μm以上2.5μm以下厚)、n型ウィンドウ層98(たとえば、2.0μm以上5.0μm以下厚)およびn型コンタクト層99(たとえば、0.1μm以上2.5μm以下厚)を積層して構成されている。
p型コンタクト層94およびn型コンタクト層99は、それぞれアノード側コンタクト層107(後述)およびカソード電極層89とのオーミックコンタクトをとるための低抵抗層である。p型コンタクト層94は、GaPにたとえばp型ドーパントとしてのC(カーボン)を高濃度にドープすることによってp型半導体とされていてもよい。また、n型コンタクト層99は、GaAsにたとえばn型ドーパントとしてのSiを高濃度にドープすることによってn型半導体層とされていてもよい。
p型ウィンドウ層95は、GaPにたとえばp型ドーパントとしてのMgをドープすることによってp型半導体とされていてもよい。一方、n型ウィンドウ層98は、AlInGaPにたとえばn型ドーパントとしてのSiをドープすることによってn型半導体層とされていてもよい。
p型クラッド層96は、AlInPにたとえばp型ドーパントとしてのMgをドープすることによってp型半導体とされていてもよい。一方、n型クラッド層97は、AlInPにn型ドーパントとしてのSiをドープすることによってn型半導体層とされていてもよい。
発光層91は、たとえばInGaPを含むMQW(multiple-quantum well)構造(多重量子井戸構造)を有しており、電子と正孔とが再結合することによって光が発生し、その発生した光を増幅させるための層である。発光層91は、より具体的には、図3に示した多重量子井戸(MQW:Multiple-Quantum Well)構造を有していてもよい。
図8および図9に示すように、半導体発光装置81は、その一部が除去されることによって、メサ部100を形成している。より具体的には、化合物半導体層85の表面から、n型半導体層93、発光層91およびp型半導体層92が化合物半導体層85の全周に亘ってエッチング除去され、横断面視略四角形状のメサ部100が形成されている。メサ部100の形状は、断面視略四角形状に限らず、たとえば台形状であってもよい。これにより、光透過層84が、メサ部100から横方向に引き出された引き出し部101を構成している。図8に示すように、平面視において、メサ部100は引き出し部101に取り囲まれている。
メサ部100の表面(化合物半導体層85の第2裏面88)には、微細な凹凸形状102が形成されている。この微細な凹凸形状102によって、化合物半導体層85から取り出される光を拡散させることができる。この実施形態では、後述するようにn型コンタクト層99がカソード電極層89の形状に合わせて選択的に除去されることによってn型ウィンドウ層98が露出しており、この露出面に微細な凹凸形状102が形成されている。なお、図8では、明瞭化のため微細な凹凸形状102を省略している。
裏面電極としてのアノード電極層87は、この実施形態では、AuまたはAuを含む合金で構成されている。具体的には、(基板82側)Ti/Auで示される積層構造であってもよい。また、アノード電極層87は、基板82の第1裏面86全域を覆うように形成されている。
表面電極としてのカソード電極層89は、この実施形態では、AuまたはAuを含む合金で構成されている。具体的には、(化合物半導体層85側)AuGeNi/Auで示される積層構造であってもよい。
また、カソード電極層89は、パッド電極部103と、当該パッド電極部103の周囲に一定の領域を区画するようにパッド電極部103から選択的に枝状に延びる枝状電極部104とを一体的に含む。
この実施形態では、平面視において、パッド電極部103がメサ部100の略中央に配置されている。そのパッド電極部103からメサ部100の各周縁に向かって十字状に延びる枝状電極部104と、当該十字型の枝状電極部104に交差してメサ部100の各周縁に沿って延びる枝状電極部104とが形成されている。そして、この実施形態では、n型コンタクト層99がカソード電極層89と同じ形状を有していることから、カソード電極層89の形成領域以外の領域から、n型ウィンドウ層98が露出している。
図10は、図9の半導体発光装置81の要部拡大図である。
化合物半導体層85、光透過層84および光反射層83の積層形態に関して、まず、光透過層84は、p型コンタクト層94の表面(化合物半導体層85の第2表面105)上に形成されている。
光透過層84には、p型コンタクト層94を選択的に露出させるコンタクト孔106が形成されている。コンタクト孔106は、図10に示すように、p型コンタクト層94に向かってコンタクト孔106の径が狭まるテーパ状に形成されていてもよい。
コンタクト孔106内には、p型コンタクト層94の第2表面105に接するように、アノード側コンタクト層107が配置されている。これにより、半導体発光装置81には、ODR(Omni-Directional-Reflector)構造が形成されている。
アノード側コンタクト層107の厚さTは、光透過層84の厚さT以下であることが好ましい。たとえば、厚さTが1500Å〜4500Åであり、厚さTが2000Å〜5000Åであってもよい。
アノード側コンタクト層107は、化合物半導体層85側から順に、第1層108、第2層109および第3層110が積層された構造を有していてもよい。
第1層108は、たとえば、AuBe(ベリリウム金)合金を含んでいてもよい。第2層109は、たとえば、Ni(ニッケル)を含んでいてもよい。第3層110は、たとえば、Au(金)を含んでいてもよい。むろん、第1層108、第2層109および第3層110は、これらの材料に限らず、互いに異なる材料を適宜採用することができる。
また、第1層108は、たとえば、1000Å〜3000Å、好ましくは、1000Å〜2500Åの厚さを有している。第2層109は、たとえば、50Å〜200Å、好ましくは、50Å〜100Åの厚さを有している。第3層110は、たとえば、300Å〜2500Å、好ましくは、500Å〜2000Åの厚さを有している。
アノード側コンタクト層107は、コンタクト孔106の開口サイズ(化合物半導体層85側とは反対側の開口端のサイズ)よりも小さく形成されており、コンタクト孔106の周縁とアノード側コンタクト層107の端縁111との間に空間112が形成されている。
光反射層83は、アノード側コンタクト層107および光透過層84を覆うように形成されている。
光反射層83は、接合材料層113と、接合材料層113を挟んで対向する第1光反射層114および第2光反射層115と、第1光反射層114上に積層されたバリア層116と、バリア層116上に積層された第3光反射層117とを含む。他の表現では、光反射層83は、基板82側から順に積層された、第3光反射層117、バリア層116、第1光反射層114、接合材料層113および第2光反射層115を含んでいてもよい。
第1光反射層114および第2光反射層115は、光反射性を有する層であり、たとえば、Auを含む導電性光反射層からなっていてもよい。
接合材料層113は、第1光反射層114および第2光反射層115を構成する元素(つまりAu)よりも光透過層84に対する密着力が高い性質を有する元素(以下、単に「密着力が高い元素」という。)を有している。接合材料層113は、密着力が高い元素を、第2光反射層23に拡散させて供給する元素供給源として形成されている。
光透過層84およびアノード側コンタクト層107と、第2光反射層115との間の境界部において、第2光反射層115の表層部には、接合材料拡散領域118が形成されている。図10では、接合材料拡散領域118が、第2光反射層115内に記載された破線によって示されている。
接合材料拡散領域118は、接合材料層113に含まれる元素と同一種からなり、光透過層84に対する密着力が高い元素を有している。密着力が高い元素は、接合材料層113から第2光反射層115の表層部に拡散する。そのため、密着力が高い元素は、実際には、第2光反射層115のほぼ全域に拡散している。
第2光反射層115内において密着力が高い元素の含有率は、接合材料層113に近づくほど高くなる。密着力が高い元素の含有率とは、より具体的には、第2光反射層115に対する密着力が高い元素の含有量の割合である。
したがって、接合材料拡散領域118は、第2光反射層115内のほぼ全域に形成されている。また、接合材料拡散領域118は、光透過層84側の密着力が高い元素の含有率が、接合材料層113側の密着力が高い元素の含有率よりも低い濃度勾配を有している。接合材料拡散領域118において光透過層84に接する部分の密着力が高い元素の含有率は、0%を超えて5%以下であってもよい。
接合材料層113は、AuBe(ベリリウム金)合金を含んでいてもよい。AuBe合金のうちのBeが、光透過層84に対する密着力が高い元素として、第2光反射層115に拡散する。したがって、接合材料拡散領域118は、密着力が高い元素として、Beを含んでいてもよい。
接合材料層113においてAuの質量比は、95%以上99%以下(たとえば98%程度)であってもよい。接合材料層113においてBeの質量比は、1%以上5%以下(たとえば2%程度)であってもよい。
Beを含む接合材料拡散領域118が形成されることによって、第2光反射層115と光透過層84との間には、密着層119が形成されていてもよい。この実施形態では、密着層119は、BeO(酸化ベリリウム)層を含んでいてもよい。この密着層119の形成によって、第2光反射層115と光透過層84との密着性が向上する。
バリア層116は、接合材料層113中のBeが第3光反射層117側に拡散することを防止するための層である。バリア層116は、たとえば、Ti(チタン)を含んでいてもよい。
第3光反射層117は、光反射性を有する層であり、たとえば、Auを含む導電性光反射層からなっていてもよい。また、第3光反射層117は、コンタクト孔106の周縁とアノード側コンタクト層107の端縁111との間の空間112と対向する部分に、空間120を有している。
この空間120を挟んで、化合物半導体層85側の層が第1層121(後述)であり、その反対側の層が第2層122(後述)である。つまり、第1層121は、化合物半導体層85側から順に積層された、第2光反射層115、接合材料層113、第1光反射層114、バリア層116および第3光反射層117(一部)を含んでいる。一方、第2層122は、基板82上に形成された第3光反射層117(一部)を含んでいる。
また、第3光反射層117は、基板82の第1裏面86に沿う横方向において、空間120を挟んで隣り合う第1層121と第2層122との第1界面124および第2界面125を有している。第1界面124は、アノード側コンタクト層107に対向する界面であり、第2界面125は、光透過層84におけるコンタクト孔106の外側領域に対向する界面である。これら第1界面124および第2界面125のうち第1界面124は、アノード側コンタクト層107の厚さTが光透過層84の厚さT未満である場合(T<T)、形成されていなくてもよい。つまり、第1界面124の位置において、第1層121と第2層122との間に隙間が形成されていてもよい。
また、上述した光反射層83の積層構造は、各層が空間112に突出するように積層されるため、空間112の位置に凸となる積層界面123を有して積層されている。これにより、基板82の第1裏面86に沿う横方向に応力が加わったときに、当該凸状の積層界面123が互いに引っ掛かり合うので、層剥がれを抑制することができる。
光反射層83の各層の厚さに関して、第3光反射層117は、たとえば、10000Å〜30000Å、好ましくは、12000Å〜20000Åの厚さを有している。バリア層116は、たとえば、100Å〜1000Å、好ましくは、300Å〜800Åの厚さを有している。第1光反射層114は、たとえば、1000Å〜6000Å、好ましくは、3000Å〜5000Åの厚さを有している。接合材料層113は、たとえば、1000Å〜4000Å、好ましくは、2000Å〜3000Åの厚さを有している。第2光反射層115は、たとえば、100Å〜1000Å、好ましくは、500Å〜1000Åの厚さを有している。
図11A〜図11Iは、図8〜図10の半導体発光装置81の製造工程を工程順に示す図である。
半導体発光装置81を製造するには、たとえば図11Aに示すように、GaAs等からなる成長基板126上に、エピタキシャル成長によって化合物半導体層85および光透過層84が形成される。化合物半導体層85の成長方法は、たとえば、分子線エピタキシャル成長法、有機金属気相成長法等、公知の成長方法を適用できる。この段階では、化合物半導体層85は、成長基板126の側から順に、n型エッチングストップ層127、n型コンタクト層99、n型ウィンドウ層98、n型クラッド層97、発光層91、p型クラッド層96、p型ウィンドウ層95およびp型コンタクト層94を含んでいる。
次に、図11Bに示すように、光透過層84が選択的にエッチングされることによってコンタクト孔106が形成される。
次に、図11Cに示すように、たとえば蒸着法によって金属材料が、コンタクト孔106内に選択的に形成されることによって、アノード側コンタクト層107が形成される。ここでは、図10に示す第1層108、第2層109および第3層110の材料が順に積層される。
次に、図11Dに示すように、たとえば蒸着法によって、光透過層84上に第1層121が形成される。ここでは、図10に示す第2光反射層115、接合材料層113、第1光反射層114、バリア層116および第3光反射層117(一部)の材料が順に積層される。
次の工程は、成長基板126と基板82との貼合わせ工程である。貼合わせ工程では、成長基板126上の第1層121と基板82上の第2層122とが接合される。第2層122は、AuまたはAuを含む合金で構成されており、少なくとも最表面がAu層で構成されている。この第2層122は、貼合わせ前に、たとえば蒸着法によって、基板82の第1表面90に形成されたものである。
より具体的には、図11Eに示すように、第1層121および第2層122同士を向い合せた状態で成長基板126と基板82とを重ね合わせ、第1層121および第2層122を接合する。第1層121および第2層122の接合は、たとえば熱圧着によって行ってもよい。熱圧着の条件は、たとえば、温度が250℃〜700℃、好ましくは約300℃〜400℃であり、圧力が35kN〜45kNであってもよい。この接合によって、図11Fに示すように、第1層121および第2層122が合わさって光反射層83が形成される。
次に、図11Fに示すように、たとえばウエットエッチングによって、成長基板126が除去される。ここで、化合物半導体層85の最表面にn型エッチングストップ層127が形成されていることから、当該ウエットエッチングの際に、半導体発光装置81の特性に寄与するn型コンタクト層99やn型ウィンドウ層98等に影響を与えなくて済む。その後、n型エッチングストップ層127も除去される。
次の工程は、カソード電極層89の形成工程である。この実施形態では、リフトオフ法によってカソード電極層89が形成される。より具体的には、図11Gに示すように、まず、カソード電極層89の電極パターンと同一パターンの開口を有するレジスト128が、n型コンタクト層99上に形成される。次に、たとえば蒸着法によって、化合物半導体層85上に電極材料129が積層される。
次に、図11Hに示すように、レジスト128上の電極材料129が、レジスト128と共に除去される。これにより、n型コンタクト層99上に残った電極材料129からなるカソード電極層89が形成される。その後、カソード電極層89から露出するn型コンタクト層99がエッチングによって除去される。これにより、カソード電極層89以外の部分にn型ウィンドウ層98が露出することになる。
次に、図11Iに示すように、たとえばフロスト処理(ウエットエッチング)等によって、n型ウィンドウ層98の表面に微細な凹凸形状102が形成される。なお、フロスト処理は、ドライエッチングによって行ってもよい。次に、化合物半導体層85の周縁部が選択的に除去されることによって、メサ部100および引き出し部101が形成される。メサ部100および引き出し部101の形成は、たとえば、ウエットエッチングによって行ってもよい。
次に、たとえば蒸着法によって、基板82の第1裏面86にアノード電極層87が形成される。以上の工程を経て、半導体発光装置81が得られる。
以上、半導体発光装置81によれば、図10に示すように、接合材料拡散領域118が、光透過層84と第2光反射層115との間の境界部において第2光反射層23の表層部に形成されている。これにより、たとえばBeO(酸化ベリリウム)層からなる密着層119が形成されている。その結果、光透過層84に対する第2光反射層115の密着力を向上できる。この結果は、以下の表1によって証明できる。
表1は、図8のパッド電極部103に、ボンディングワイヤを超音波および荷重を加えることによって接合したときに、光反射層83において層剥がれが発生したか否かを示す結果である(各条件サンプル数24)。表1において、「センター」は、ボンディングワイヤをパッド電極部103の中央に接合した場合を示し、「20μm」および「40μm」は、それぞれ、パッド電極部103の中央から20μmおよび40μmずらした位置にボンディングワイヤを接合した場合を示す。
Figure 2019075547
表1から明らかなように、いずれの条件においても、光反射層83における層剥がれは発生しなかった。
さらに、半導体発光装置81では、Beを含む接合材料層113が光透過層84に直接積層されるのではなく、第2光反射層115が介在していることによって、光反射層83の反射率を向上でき、半導体発光装置81の光度を向上させることができる。この結果は、図12に示されている。
図12は、第2光反射層115と、光度および反射率それぞれとの関係を示すグラフである。図12において、第2光反射層115の厚さ=0Åは、接合材料層113が光透過層84に直接接している場合を示している。
図12によれば、第2光反射層115が、光透過層84と接合材料層113との間に介在していることによって(第2光反射層115の厚さ>0Å)、光反射層83の反射率および半導体発光装置81の光度の両方が向上していることが分かる。特に、第2光反射層115の厚さが、100Å〜1000Åの範囲であれば十分な反射率および光度を得ることができ、500Å〜1000Åの範囲であれば、接合材料拡散領域118の存在下においても、Au層単層の反射率(=95%)と同程度の反射率を発現することができた。ただし、接合材料層113を設けないで、第2光反射層115をAu層単層とした場合には、半導体発光装置81の構造に比べて、光透過層84と第2光反射層115(Au層単層)との密着性が劣ることを付け加えておく。
また、第1光反射層114と第3光反射層117との間にバリア層116が介在しているため、接合材料層113中のBeが第3光反射層117側に拡散することを防止することができる。これにより、第1層121と第2層122との熱圧着(図11E)に先立って第1層121の表面にBeO層等の酸化物が形成され、熱圧着の際に、第1層121と第2層122との密着性が低下することを抑制することができる。これは、Crに比べてBeが、Au層全体に拡散しやすいため、バリア層116の形成が効果的である。
さらに、アノード側コンタクト層107の厚さTは、光透過層84の厚さT以下であることによって、図10の第1界面124が第2界面125に比べて、化合物半導体層85の反対側に突出することを防止することができる。つまり、化合物半導体層85の第2表面105を基準とする高さに関して、図8のODR構造(アノード側コンタクト層107)よりも大きな占有率を有する光透過層84上の第2界面125の高さを、第1界面124の高さよりも高くしておくことによって、光反射層83の第1層121と第2層122とを、より広い面積で密着させることができる。 以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はさらに他の形態で実施することもできる。
前述の半導体発光装置1の製造方法では、第2光反射層23の上に接合材料層4が形成される例について説明した(図4H参照)。これに代えて、接合材料層4は、非発光体部2に係る第1光反射層12の工程(図4C参照)後に、第1光反射層12の上に形成されてもよい。
前述の半導体発光装置61の製造方法では、第2光反射層23の上に接合材料層65が形成される例について説明した(図6E参照)。これに代えて、接合材料層65は、非発光体部2に係る第1光反射層12の工程(図4C参照)後に、第1光反射層12の上に形成されてもよい。
以下、括弧内の英数字は、前述の各実施形態における対応構成要素等を表すが、これらは技術的思想および/または着想を明確にすべく一例として記載しているに過ぎず、括弧内の構成要素に限定する趣旨で挿入されていない。
前述の第1実施形態に係る技術的思想および/または着想は、半導体発光装置の分野以外の種々の分野にも適用できる。つまり、光透過層(ITO層)に対する光反射層(Au層)の密着力を高めるため、光反射層(Au層)の表層部に、光透過層(ITO層)に対する密着力が高い性質を有する元素(Cr)を含む接合材料拡散領域(41)を形成するという技術的思想および/または着想は、種々の分野に適用できる。
たとえば、光透過層(22)と、前記光透過層を被覆する光反射層(23)と、前記光透過層および前記光反射層の間の境界部において前記光反射層の表層部に形成され、前記光反射層を構成する元素(Au)よりも前記光透過層に対する密着力が高い性質を有する元素(Cr)を有する接合材料拡散領域(41)と、を含む接合構造体が提供されてもよい。
この接合構造体は、半導体発光装置の他、電気電子分野に属する種々のアプリケーションに適用できる。種々のアプリケーションには、電子部品、半導体レーザ装置、半導体装置等が含まれてもよい。
この接合構造体は、さらに、前記光反射層を挟んで前記光透過層に対向するように、前記光反射層を被覆し、前記光反射層を構成する元素(Au)よりも前記光透過層に対する密着力が高い性質を有する元素(Cr)を有する接合材料層(4)を含んでいてもよい。
この接合構造体は、さらに、前記接合材料層を挟んで前記光反射層に対向するように前記接合材料層を被覆する第2の光反射層(12)を含んでいてもよい。第2の光反射層は、前記光反射層を構成する元素(Au)と同一種からなる元素(Au)を含んでいてもよい。
前述の第2実施形態に係る技術的思想および/または着想は、半導体発光装置の分野以外の種々の分野にも適用できる。つまり、光透過層(SiO層および/またはSiN層)に対する光反射層(Au層)の密着力を高めるため、光反射層(Au層)の表層部に、光透過層(SiO層および/またはSiN層)に対する密着力が高い性質を有する元素(Be)を含む接合材料拡散領域(66)を形成するという技術的思想および/または着想は、種々の分野に適用できる。
たとえば、光透過層(62)と、前記光透過層を被覆する光反射層(23)と、前記光透過層および前記光反射層の間の境界部において前記光反射層の表層部に形成され、前記光反射層を構成する元素(Au)よりも前記光透過層に対する密着力が高い性質を有する元素(Be)を有する接合材料拡散領域(66)と、を含む接合構造体を提供されてもよい。
この接合構造体は、半導体発光装置の他、電気電子分野に属する種々のアプリケーションに適用できる。種々のアプリケーションには、電子部品、半導体レーザ装置、半導体装置等が含まれてもよい。
この接合構造体は、さらに、前記光反射層を挟んで前記光透過層に対向するように、前記光反射層を被覆し、前記光反射層を構成する元素(Au)よりも前記光透過層に対する密着力が高い性質を有する元素(Be)を有する接合材料層(65)を含んでいてもよい。
この接合構造体は、さらに、前記接合材料層を挟んで前記光反射層に対向するように前記接合材料層を被覆する第2の光反射層(12)を含んでいてもよい。第2の光反射層は、前記光反射層を構成する元素(Au)と同一種からなる元素(Au)を含んでいてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 半導体発光装置
2 非発光体部
3 発光体部
4 接合材料層
5 アノード電極層
6 カソード電極層
10 基板
12 第1光反射層
13 第1表面
14 第1裏面
21 化合物半導体層
22 光透過層
23 第2光反射層
24 第2表面
25 第2裏面
41 接合材料拡散領域
61 半導体発光装置
62 光透過層
65 接合材料層
66 接合材料拡散領域
81 半導体発光装置
82 基板
83 光反射層
84 光透過層
85 化合物半導体層
86 第1裏面
87 アノード電極層
88 第2裏面
89 カソード電極層
91 第1表面
105 第2表面
113 接合材料層
114 第1光反射層
115 第2光反射層
116 バリア層
117 第3光反射層
118 接合材料拡散領域

Claims (17)

  1. 主面を有し、光を生成する半導体層と、
    光透過性を有し、前記半導体層の前記主面を被覆する光透過層と、
    光反射性を有し、前記光透過層を被覆する光反射層と、
    前記光透過層および前記光反射層の間の境界部において前記光反射層の表層部に形成され、前記光反射層を構成する元素よりも前記光透過層に対する密着力が高い性質を有する元素を有する接合材料拡散領域と、を含む、半導体発光装置。
  2. 前記光反射層を挟んで前記光透過層に対向するように前記光反射層を被覆し、前記光反射層を構成する元素よりも前記光透過層に対する密着力が高い性質を有する元素を有する接合材料層をさらに含む、請求項1に記載の半導体発光装置。
  3. 前記接合材料拡散領域は、前記接合材料層に含まれる元素と同一種からなる元素を含む、請求項2に記載の半導体発光装置。
  4. 前記接合材料層は、前記光透過層に対する密着力が高い性質を有する元素を、前記光反射層の表層部に拡散させて供給する元素供給源として形成されており、
    前記接合材料拡散領域は、前記接合材料層から前記光反射層の表層部に拡散した元素を含む、請求項2または3に記載の半導体発光装置。
  5. 前記光反射層は、金を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体発光装置。
  6. 前記光透過層は、酸化インジウムスズを含み、
    前記接合材料拡散領域は、前記光透過層に対する密着力が高い性質を有する元素としてのクロムを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導体発光装置。
  7. 前記光透過層は、酸化シリコンおよび窒化シリコンのいずれか一方または双方を含み、
    前記接合材料拡散領域は、前記光透過層に対する密着力が高い性質を有する元素としてのベリリウムを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導体発光装置。
  8. 一方側の第1表面および他方側の第1裏面を有する基板、ならびに、光反射性を有し、前記基板の前記第1表面を被覆する第1光反射層を含む、非発光体部と、
    一方側の第2表面および他方側の第2裏面を有し、光を生成する半導体層、光透過性を有し、前記半導体層の前記第2表面を被覆する光透過層、光反射性を有し、前記光透過層を被覆する第2光反射層、ならびに、前記光透過層および前記第2光反射層の間の境界部において前記第2光反射層の表層部に形成され、前記第2光反射層を構成する元素よりも前記光透過層に対する密着力が高い性質を有する元素を有する接合材料拡散領域を含み、前記半導体層の前記第2表面を前記非発光体部に係る前記基板の前記第1表面に対向させた姿勢で、前記非発光体部の上に配置された発光体部と、を含む、半導体発光装置。
  9. 前記非発光体部に係る前記第1光反射層および前記発光体部に係る前記第2光反射層の間に介在し、前記第2光反射層を構成する元素よりも前記光透過層に対する密着力が高い性質を有する元素を含む接合材料層をさらに含む、請求項8に記載の半導体発光装置。
  10. 前記接合材料拡散領域は、前記接合材料層に含まれる元素と同一種からなる元素を含む、請求項9に記載の半導体発光装置。
  11. 前記接合材料層は、前記光透過層に対する密着力が高い性質を有する元素を、前記第2光反射層の表層部に拡散させて供給する元素供給源として形成されており、
    前記接合材料拡散領域は、前記接合材料層から前記第2光反射層の表層部に拡散した元素を含む、請求項9または10に記載の半導体発光装置。
  12. 前記第2光反射層は、金を含む、請求項8〜11のいずれか一項に記載の半導体発光装置。
  13. 前記光透過層は、酸化インジウムスズを含み、
    前記接合材料拡散領域は、前記酸化インジウムスズに対する密着力が高い性質を有する元素としてのクロムを含む、請求項8〜12のいずれか一項に記載の半導体発光装置。
  14. 前記光透過層は、酸化シリコンおよび窒化シリコンのいずれか一方または双方を含み、
    前記接合材料拡散領域は、前記酸化シリコンに対する密着力が高い性質を有する元素としてのベリリウムを含む、請求項8〜12のいずれか一項に記載の半導体発光装置。
  15. 前記第2光反射層は、金を含む、請求項8〜14のいずれか一項に記載の半導体発光装置。
  16. 前記基板は、導体基板または半導体基板を含む、請求項8〜15のいずれか一項に記載の半導体発光装置。
  17. 前記基板の前記第1裏面を被覆する第1電極と、
    前記半導体層の前記第2裏面を被覆する第2電極と、をさらに含む、請求項8〜16のいずれか一項に記載の半導体発光装置。
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