JP2018026597A - 発光素子および発光素子パッケージ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】発光素子は、サファイア基板と、サファイア基板の表面上に形成された第1導電型の第1半導体層と、第1半導体層上に形成された第1電極と、第1半導体層上において第1電極から離間して形成された発光層と、発光層上に形成された第2導電型の第2半導体層と、第2半導体層上に形成された第2電極と、第1金属層とを含む。第1金属層は、第1半導体層と絶縁され、且つ、サファイア基板の厚さ方向から見た平面視においてサファイア基板の周縁の内側に位置してサファイア基板の周縁から離間してサファイア基板の裏面上に形成されている。第1電極および第2電極は、平面視において第1金属層の周縁の内側に配置されている。
【選択図】図3
Description
本発明の目的は、高輝度化および密着性の向上を図ることができる発光素子および発光素子パッケージを提供することである。
また、本発明の別の目的は、高放熱化を図ることができる発光素子および発光素子パッケージを提供することである。
また、本発明は、前記発光素子が、前記基板の前記表面に形成され、前記第1半導体層側に突出する凸部を含むことを特徴とする。
また、本発明は、前記発光素子が、前記第1金属層と前記第1半導体層との間に形成された反射層を含むことを特徴とする。
また、本発明は、前記第2透明導電層の厚さが、20nm以下であることを特徴とする。
また、本発明は、前記第2透明導電層が、前記第1金属層を前記サファイア基板の前記裏面に接着させることを特徴とする。
また、本発明は、前記発光素子が、前記第1金属層に対して前記第2透明導電層とは反対側に配置され、Auを含む接合メタルを含むことを特徴とする。
また、本発明は、前記発光素子が、前記第1金属層と前記接合メタルとの間に配置され、前記接合メタルよりも融点が高いバリアメタルを含むことを特徴とする。
また、本発明は、前記発光素子と、前記発光素子を収容するパッケージとを含む、発光素子パッケージである。
また、本発明は、前記発光素子パッケージが、前記第1金属層と前記接合メタルとの間に配置され、前記接合メタルよりも融点が高いバリアメタルを含むことを特徴とする。
図1は、本発明の一実施形態に係る発光素子1の模式的な平面図である。図2は、図1の発光素子1の模式的な底面図である。図3は、図1の発光素子1の模式的な断面図であって、図1の切断線A−Aでの断面を示している。
発光素子1は、たとえば、図1および図2に示すように、長辺および短辺を有する平面視長方形のチップ状である。チップ状の発光素子1の長辺は0.2mm〜3.0mm、短辺は0.1mm〜2.0mmである。
導電性多層反射鏡9は、その側面(外郭)14がサファイア基板2の側面5と面一に揃うようにサファイア基板2の裏面4全域に形成されている。導電性多層反射鏡9では、図2における上面が、サファイア基板2の裏面4との接合面となる表面15であり、図2における下面が、接着層10との接合面となる裏面16である。つまり、導電性多層反射鏡9は、サファイア基板2と接着層10との間に配置されている。
図4において、導電性多層反射鏡9の上側が、表面15側(サファイア基板2側)であり、導電性多層反射鏡9の下側が、裏面16側(接着層10側)である。
導電性多層反射鏡9は、屈折率差を有する2種の層のそれぞれの厚さを、反射させる光の波長の4分の1の厚さとし、当該2種の層を交互に積層することで構成されており、95%以上の高い反射率を有している。当該2種の層として、SiO2、SiN、Al2O3、TiO2、Ta2O5の各層の中から、屈折率差の大きい2種類が選択される。この実施形態では、当該2種の層として、SiO2からなるSiO2層17と、TiO2からなるTiO2層18とが挙げられる。SiO2の屈折率は、約1.46であり、TiO2の屈折率は、約2.66である。ここで、導電性多層反射鏡9の表面15および裏面16のいずれにもSiO2層17が位置するようになっている。
第1パターン:第1層厚T1と第3層厚T3と第5層厚T5とが等しく、第2層厚T2と第4層厚T4と第6層厚T6とが等しい(つまり、第1周期厚S1と第2周期厚S2と第3周期厚S3とが等しい)。この場合、第1多層反射鏡部91と第2多層反射部42と第3多層反射部43とは、いずれも同一構成となる。
そして、接着層10は、導電性多層反射鏡9の裏面16の全面に形成されている。そのため、平面視において、導電性多層反射鏡9と接着層10とは、導電性多層反射鏡9の裏面16に一致する同一パターンで形成されており、導電性多層反射鏡9の領域と接着層10の領域とが一致している。
接合メタル13は、Auを含む材料からなる。この実施形態の接合メタル13は、AuSn合金からなる。前述したようにTiW合金の層とPtの層とで構成されたバリアメタル12は、接合メタル13よりも融点が高い。つまり、反射層11(AgPdCu合金)と接合メタル13(AuSn合金)との間に、接合メタル13よりも融点が高いバリアメタル12が介在することになるので、接合メタル13の成分(Sn)が反射層11へ拡散することを良好に抑制することができる。接合メタル13の厚さは、約2μmである。
一方、サファイア基板2の表面3には、第1導電型半導体層6へ向かって突出する複数の凸部35が形成されている。これらの凸部35は、隣り合うもの同士が互いに間隔を空けるように、サファイア基板2の表面3に離散して配置されている。複数の凸部35全体の配列形態は、たとえば、行列状であってもよいし、千鳥状であってもよい。各凸部35は、SiN(窒化シリコン)からなる。SiNからなる凸部35がサファイア基板2の表面3に形成されているので、反射層11で反射して、サファイア基板2と第1導電型半導体層6との界面に対して様々な角度で入射する光が、当該界面において反射層11側に全反射することを抑制することができる。その結果、光の取り出し効率を向上させることができる。
第1導電型半導体層6について、図3においてサファイア基板2の表面3を覆う下面を裏面61といい、裏面61とは反対側の上面を表面62ということにする。表面62には、裏面61側へ一段低くなった第1領域19と、第1領域19よりも高い第2領域20とが存在する。
第1メタル配線28は、たとえば、AlやCrからなる。この実施形態では、Alを引き出し部21(第1導電型半導体層6)に接するように形成し、そのAl上にCrを形成することで第1メタル配線28を構成している。第1メタル配線28の厚さは、たとえば、1000nm程度である。
第1電極27に関しては、第1メタル配線28が、平面視で反射層11を(発光素子1の)長手方向に横切って、サファイア基板2の厚さ方向に反射層11と対向することになる。しかし、第1メタル配線28が細線状に形成されているため(図1参照)、反射層11で反射した光の取り出し効率に与える影響が少なくて済む。一方、第1メタル配線28よりも幅が広い第1パッド29も反射層11に対向することになるが、この第1パッド29は反射層11の周縁部にしか対向していないので、第1メタル配線28と同様に、反射層11で反射した光の取り出し効率に与える影響が少ない。
第2導電型半導体層8は、発光層7と同一パターンで発光層7上に積層されている。そのため、平面視において、第2導電型半導体層8の領域は、発光層7の領域と一致している。第2導電型半導体層8は、p型の窒化物半導体(たとえば、GaN)からなっていて、発光層7の発光波長に対して透明である。このように、n型半導体層である第1導電型半導体層6とp型半導体層である第2導電型半導体層8とで発光層7を挟んだ発光ダイオード構造(半導体積層構造部90)が形成されている。
この実施形態では、第2パッド32は、半導体積層構造部90の長手方向における第1パッド29の反対側(図1における左側)に配置され、第2メタル配線33の一部(半導体積層構造部90の側面に沿っている部分)は、平面視において、直線部24上の第1メタル配線28と平行に延びている。とりわけ、第2メタル配線33は、直線部24上の第1メタル配線28を挟むように、当該第1メタル配線28に対して一方側および他方側に1本ずつ設けられ、それぞれの第2メタル配線33が、第2パッド32における第1パッド29から遠い側の端部(図1における左端部)に一体的に接続されている。
導電性多層反射鏡9では、最大反射率を上げるために、導電性多層反射鏡9内での光の反射回数を増加させるようにしており、そのために、SiO2層17およびTiO2層18(図4参照)の数(層数)を増加させている。具体的には、導電性多層反射鏡9全体での層数は、29層(=SiO2層17およびTiO2層18のペアが14ペア+導電性多層反射鏡9の表面15または裏面16のSiO2層17が1層)となっている。
図6において、2点鎖線は、反射層11の反射率を示しており、反射層11の反射率は、入射角θの全域において90%程度で一定となっている。そして、図6において、実線は、発光素子1全体での反射率を示しており、この反射率は、入射角θの領域ごとに、導電性多層反射鏡9および反射層11のうち高い方の反射率のライン(前述した1点鎖線および2点鎖線のいずれか)をつなぎ合わせたものである。つまり、50度の臨界角までの入射角θでは、導電性多層反射鏡9が反射層11よりも高い反射率を発揮し、50度の臨界角を超えた入射角θでは、反射層11が導電性多層反射鏡9よりも高い反射率を発揮する。
次に、発光素子1の製造方法の一例を説明する。
図3に示す発光素子1を製造するには、たとえば、基板ウエハ(たとえば、厚さ600μm〜1000μmのウエハ)の表面に、SiNからなる層(SiN層)を形成し、レジストパターン(図示せず)をマスクとするエッチングにより、このSiN層を複数の凸部35に分離する。次に、当該基板ウエハの表面に、これらの凸部35を覆うように、第1導電型半導体層6、発光層7および第2導電型半導体層8をエピタキシャル成長させることにより、半導体積層構造部90を形成する。次に、たとえば、スパッタ法により、透明電極層30の材料(ITO等)を半導体積層構造部90上に堆積させることにより、透明電極層30を形成する。
次に、引き出し部21(第1導電型半導体層6)上に第1電極27を形成し、透明電極層30上に第2電極31を形成する。
次に、当該基板ウエハの裏面に、前述した第2パターンに応じてSiO2層17およびTiO2層18を交互に積層して、導電性多層反射鏡9を形成する。
次に、導電性多層反射鏡9の裏面16の全域に、接着層10を形成する。そして、たとえば、スパッタ法により、反射層11の材料(AgPdCu合金等)を接着層10の裏面16の全面に堆積させて反射層11を形成する。
発光素子パッケージ51は、発光素子1と、支持基板52と、パッケージ53とを含む。支持基板52をパッケージ53の一部とみなしてもよい。
発光素子1は、接合メタル13が支持基板52に接合されることにより、支持基板52に配置されている。このときの発光素子1は、サファイア基板2の表面3が上を向くようなフェイスアップ姿勢となっている。
そして、発光素子1の第1電極27(第1パッド29)と第1外部電極55とが、第1ワイヤ57によって接続されている。また、発光素子1の第2電極31(第2パッド32)と第2外部電極56とが、第2ワイヤ58によって接続されている。
この発光素子70では、反射層11とサファイア基板2との間には、接着層10だけが存在しており、接着層10は、反射層11をサファイア基板2の裏面4に接着させている。また、サファイア基板2と接着層10との接着性を向上させるため、サファイア基板2と接着層10との界面は、粗面であることが好ましい。この発光素子70の製造方法は、前述した発光素子1の製造方法から導電性多層反射鏡9の製造工程を省いたものとなる。また、前述した発光素子パッケージ51(図8参照)は、この発光素子70と、支持基板52と、パッケージ53とを含んでいてもよい。
反射層11は、Alよりも反射率の高いAgを含むので、反射層11における反射率の向上を図ることでき、その分、発光素子1の高輝度化を図ることができる。一方、Agを含む反射層11とサファイア基板2との間に、ITOからなる接着層10を介在させることによって、反射層11とサファイア基板2との密着性の向上を図ることができる。
また、発光層7の発光により発光素子1が発熱しても、熱伝導率が高いAuを含む接合メタル13によって効果的に(パッケージ53側へ)放熱することができる。つまり、発光素子1の高放熱化を図ることができる。
このような発光素子1,70についての輝度および放熱性等についての効果を実証するため、発光素子1,70と、比較例に係る発光素子80,81とを作製した。発光素子80,81において、発光素子1,70で説明した部分と対応する部分には、同一の参照符号を付し、当該部分についての詳しい説明を省略する。
図13は、所定の電流(たとえば100mA)を注入し続けたときにおける、通電時間とジャンクション温度(発光素子内の温度)との関係を示している。ジャンクション温度が低いほど、放熱性が良いことになる。接合メタル13を有する発光素子1,70,81(丸ドット)は、接合メタル13を備えていない発光素子80(三角ドット)よりも、ジャンクション温度が低く(最大で20度程度であり、白抜き矢印参照)、放熱性が良好である。発光素子80では、熱がこもりやすいので、前述したペースト剤82(図10参照)が熱で劣化し、白濁化しやすくなり、これにより、反射率がさらに低下する虞がある。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はさらに他の形態で実施することもできる。
2 サファイア基板
3 表面
4 裏面
6 第1導電型半導体層
7 発光層
8 第2導電型半導体層
9 導電性多層反射鏡
10 接着層
11 反射層
12 バリアメタル
13 接合メタル
34 表面
51 発光素子パッケージ
53 パッケージ
70 発光素子
Claims (15)
- 表面および裏面を有するサファイア基板と、
前記サファイア基板の前記表面上に形成された第1導電型の第1半導体層と、
前記第1半導体層上に形成された第1電極と、
前記第1半導体層上において前記第1電極から離間して形成された発光層と、
前記発光層上に形成され、前記第1導電型とは異なる第2導電型の第2半導体層と、
前記第2半導体層上に形成された第2電極と、
前記第1半導体層と絶縁され、且つ、前記サファイア基板の厚さ方向から見た平面視において前記サファイア基板の周縁の内側に位置して前記サファイア基板の周縁から離間して前記サファイア基板の前記裏面上に形成された第1金属層とを含み、
前記第1電極および前記第2電極は、平面視において前記第1金属層の周縁の内側に配置されている、発光素子。 - 前記第2半導体層と前記第2電極との間に形成された第1透明導電層を含む、請求項1に記載の発光素子。
- 前記基板の前記表面に形成され、前記第1半導体層側に突出する凸部を含む、請求項1または2に記載の発光素子。
- 前記第1金属層と前記第1半導体層との間に形成された反射層を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発光素子。
- 前記基板の前記裏面と前記第1金属層との間に形成された第2透明導電層を含む、請求項4に記載の発光素子。
- 前記第2透明導電層の厚さは、20nm以下である、請求項5に記載の発光素子。
- 前記第2透明導電層は、前記第1金属層を前記サファイア基板の前記裏面に接着させる、請求項5または6に記載の発光素子。
- 前記反射層は、前記サファイア基板と前記第2透明導電層との間に配置され、屈折率差を有する2種の層を交互に積層した導電性多層反射鏡を含み、
前記第2透明導電層は、前記第1金属層を前記導電性多層反射鏡に接着させる、請求項5または6に記載の発光素子。 - 前記第1金属層に対して前記第2透明導電層とは反対側に配置され、Auを含む接合メタルを含む、請求項5〜8のいずれか一項に記載の発光素子。
- 前記接合メタルは、AuSnからなる、請求項9に記載の発光素子。
- 前記第1金属層と前記接合メタルとの間に配置され、前記接合メタルよりも融点が高いバリアメタルを含む、請求項9または10に記載の発光素子。
- 請求項1〜11のいずれか一項に記載の発光素子と、
前記発光素子を収容するパッケージとを含む、発光素子パッケージ。 - 請求項1〜8のいずれか一項に記載の発光素子と、
前記発光素子を収容するパッケージとを含み、
前記パッケージは、Auを含み、前記第1金属層が接合される接合メタルを含む、発光素子パッケージ。 - 前記第1金属層と前記接合メタルとの間に配置され、前記接合メタルよりも融点が高いバリアメタルを含む、請求項13に記載の発光素子パッケージ。
- 前記パッケージは、前記バリアメタルを有する、請求項14に記載の発光素子パッケージ。
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