JP6654219B2 - 発光素子および発光素子パッケージ - Google Patents

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Description

この発明は、発光素子および発光素子をパッケージで覆った発光素子パッケージに関する。
下記特許文献1に開示された半導体発光素子では、光が取り出されるサファイア基板上に、n−GaN層、発光層、p−GaN層、透明電極、絶縁層、バリア層、AuSn層が、サファイア基板側からこの順番で積層されている。AuSn層は、配線基板に接合される。透明電極とバリア層とは、絶縁層の側方に配置されたp電極によって直接接続されている。絶縁層中には、Alからなる金属反射層が埋設されていて、金属反射層は、ITOからなる透明電極との間で、絶縁層(透明電極側の絶縁層)を挟んでいる。
発光層が発光すると、大部分の光は、サファイア基板から取り出されるが、一部の光は、サファイア基板でなく、透明電極側へ向かう。透明電極側へ向かった光は、透明電極を透過した後に、金属反射層と絶縁層との界面で反射し、透明電極を経て、サファイア基板から取り出される。
特開2008−263130号公報
本発明の目的は、輝度の向上を図ることができる発光素子および発光素子をパッケージで覆った発光素子パッケージを提供する。
本発明は、発光層の発光波長に対して透明な基板と、前記基板上に積層された第1導電型半導体層と、前記第1導電型半導体層上に積層された前記発光層と、前記発光層上に積層された第2導電型半導体層と、前記基板に対して対向配置されたITO層と、前記ITO層に対して前記基板とは反対側に積層された反射層と、屈折率差を有する2種類以上の膜を交互に積層した多層反射鏡であって、前記反射層に対して前記基板とは反対側に積層された多層反射鏡と、前記多層反射鏡に対して前記基板とは反対側に積層され、前記発光層の発光のために電圧が印加される外部接続部とを含む発光素子であって、前記多層反射鏡は、前記基板の厚さ方向から見た平面視において前記反射層および前記外部接続部に重ならない領域を有する、発光素子である。ここで、「ITO層が基板に対して対向配置されている」ということは、ITO層が基板に接触している場合だけでなく、ITO層と基板とが非接触であって、これらの間に別の層が介在されている場合も含む。前記多層反射鏡は、前記反射層の側面に接していてもよい。前記多層反射鏡は、前記ITO層の側面に接していてもよい。前記多層反射鏡は、前記第2導電型半導体層の側面に接していてもよい。前記多層反射鏡は、前記発光層の側面に接していてもよい。前記多層反射鏡は、前記反射層において前記外部接続部側の面に接していてもよい。前記多層反射鏡は、前記ITO層において前記外部接続部側の面に接していてもよい。前記多層反射鏡は、前記第2導電型半導体層において前記外部接続部側の面に接していてもよい。前記多層反射鏡は、前記第2導電型半導体層から前記反射層へ向かうにつれて前記平面視においてずれていてもよい。前記多層反射鏡は、前記第2導電型半導体層から前記反射層へ向かうにつれて階段状に延びていてもよい。前記多層反射鏡は、前記第1導電型半導体層において前記外部接続部側の面に接していてもよい。前記発光素子と、前記基板の光取出し面側が露出されるように前記発光素子を覆うパッケージとを含む、発光素子パッケージを構成することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る発光素子の模式的な平面図である。 図2は、図1の切断面線II−IIにおける断面図である。 図3は、図1の切断面線III−IIIにおける断面図である。 図4は、発光素子の模式的な斜視図である。 図5は、反射層の第1層の厚さを変化させた場合における波長と反射率との関係を示すグラフである。 図6は、反射層の第1層の厚さと反射率との関係を示すグラフである。 図7は、反射層の第1層が1nmの厚さのTiNからなる場合における波長と反射率との関係を示すグラフである。 図8は、反射層の第1層が2nmの厚さのTiNからなる場合における波長と反射率との関係を示すグラフである。 図9Aは、図2に示す発光素子の製造方法を示す図解的な断面図である。 図9Bは、図9Aの次の工程を示す図解的な断面図である。 図9Cは、図9Bの次の工程を示す図解的な断面図である。 図9Dは、図9Cの次の工程を示す図解的な断面図である。 図9Eは、図9Dの次の工程を示す図解的な断面図である。 図9Fは、図9Eの次の工程を示す図解的な断面図である。 図9Gは、図9Fの次の工程を示す図解的な断面図である。 図10は、サブマウントの構造を図解的に示す断面図である。 図11は、サブマウントの模式的な平面図である。 図12Aは、発光装置の構造を図解的に示す断面図である。 図12Bは、発光装置の構成例を示す図解的な斜視図である。 図13は、発光素子パッケージの模式的な斜視図である。 図14は、本発明の別の実施形態に係る発光装置の模式的な断面図である。 図15は、本発明のさらに別の実施形態に係る発光素子の模式的な断面図である。 図16は、本発明において絶縁層に多層反射鏡を適用した場合の実施形態に係る発光素子の模式的な断面図である。 図17は、絶縁層に多層反射鏡を適用した場合および適用しない場合のそれぞれにおける電流と輝度との関係を示すグラフである。 図18は、本発明において絶縁層に多層反射鏡を適用した場合の別の実施形態に係る発光素子の模式的な断面図である。
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る発光素子1の模式的な平面図である。図2は、図1の切断面線II−IIにおける断面図である。図3は、図1の切断面線III−IIIにおける断面図である。図4は、発光素子1の模式的な斜視図である。
図2を参照して、発光素子1は、基板2と、第1導電型半導体層3と、発光層4と、第2導電型半導体層5と、ITO層6と、反射層7と、絶縁層8と、絶縁管層9と、第1外部接続部10と、第1コンタクト11と、第2外部接続部12と、第2コンタクト13と、バリア層15と、接合層16とを含んでいる。
基板2上に、第1導電型半導体層3、発光層4、第2導電型半導体層5、ITO層6、反射層7および絶縁層8が、この順番で積層されている。
基板2は、発光層4の発光波長(たとえば450nm)に対して透明な材料(たとえばサファイア、GaNまたはSiC)からなり、所定の厚さを有している。「発光波長に対して透明」とは、具体的には、たとえば、発光波長の透過率が60%以上の場合をいう。基板2は、その厚さ方向から見た平面視において、図2における左右方向に長手方向を有し、図2における奥行き方向に短手方向を有する矩形形状に形成されている(図1参照)。基板2の長手方向寸法は、たとえば、約1000μmであり、基板2の短手方向寸法は、たとえば、約500μmである。基板2では、図2における下面が、光取出し面となる表面2Aであり、図2における上面が、表面2Aとは反対側の反対面となる裏面2Bである。裏面2Bは、基板2における第1導電型半導体層3との接合面である。基板2の裏面2Bには、第1導電型半導体層3側へ突出する凸部17が複数形成されている。複数の凸部17は、離散配置されている。具体的には、複数の凸部17は、基板2の裏面2Bにおいて、互いに間隔を空けて行列状に配置されていてもよいし、千鳥状に配置されていてもよい。各凸部17は、SiNで形成されていてもよい。
第1導電型半導体層3は、基板2上に積層されている。第1導電型半導体層3は、基板2の裏面2Bの全域を覆っている。第1導電型半導体層3は、n型の窒化物半導体(たとえば、GaN)からなっていて、発光層4の発光波長に対して透明である。第1導電型半導体層3について、図2において基板2の裏面2Bを覆う下面を表面3Aといい、表面3Aとは反対側の上面を裏面3Bということにする。基板2の厚さ方向(第1導電型半導体層3の厚さ方向でもある)から見た平面視において、第1導電型半導体層3の裏面3Bの端部には、表面3A側へ凹んだ段付部分3Cが形成されている。
発光層4は、第1導電型半導体層3上に積層されている。発光層4は、第1導電型半導体層3の裏面3Bにおいて段付部分3C以外の全域を覆っている。発光層4は、この実施形態では、Inを含む窒化物半導体(たとえばInGaN)からなり、その厚さは、たとえば、約100nmである。発光層4の発光波長は、400nm以上であり、430nm〜530nmが好ましい。本実施例における発光層4の発光波長は、たとえば440nm〜460nmである。
第2導電型半導体層5は、発光層4と同一パターンで発光層4上に積層されている。そのため、平面視において、第2導電型半導体層5の領域は、発光層4の領域と一致している。第2導電型半導体層5は、p型の窒化物半導体(たとえば、GaN)からなっていて、発光層4の発光波長に対して透明である。このように、n型半導体層である第1導電型半導体層3とp型半導体層である第2導電型半導体層5とで発光層4を挟んだ発光ダイオード構造が形成されている。第2導電型半導体層5の厚さは、たとえば、約200nmである。この場合、第1導電型半導体層3、発光層4および第2導電型半導体層5の全体の厚さは、たとえば、約4.5μmである。
ITO層6は、第2導電型半導体層5とほぼ同一のパターンで第2導電型半導体層5上に積層されている。第2導電型半導体層5とその下の第1導電型半導体層3および発光層4が基板2に対して裏面2B側に配置されていることから、ITO層6も基板2に対して裏面2B側に配置されていて、基板2に対して厚さ方向から対向配置されている。ITO層6は、ITO(酸化インジウム錫)からなり、発光層4の発光波長に対して透明である。平面視において、ITO層6は、第2導電型半導体層5における外側の輪郭と内側の輪郭との間(つまり、第2導電型半導体層5の領域の内側)に位置している。そのため、第2導電型半導体層5には、平面視においてITO層6の輪郭よりもはみ出した段付き部分5Aが存在する。ITO層6は、第2導電型半導体層5にオーミック接触し、反射層7を第2導電型半導体層5に接着させる機能を有する。
反射層7は、ITO層6とほぼ同一パターンでITO層6上に積層されている。つまり、反射層7は、ITO層6に対して基板2とは反対側に積層されている。反射層7は、ITO層6を介することによって第2導電型半導体層5にオーミック接触することができる。反射層7は、ITO層6に接触するようにITO層6に積層された第1層71と、第1層71に対してITO層6とは反対側に積層された第2層72とを含む。
第1層71は、Tiを含む材料(たとえば、TiN)からなる。第1層71は、Ti単体で構成されていてもよい。
次に、図5〜図8のグラフを参照しながら、第1層71の最適な厚さについて説明する。図5は、第1層71の厚さを変化させた場合における波長と反射率との関係を示すグラフである。図6は、第1層71の厚さと反射率との関係を示すグラフである。図7は、第1層71が1nmの厚さのTiNからなる場合における波長と反射率との関係を示すグラフである。図8は、第1層71が2nmの厚さのTiNからなる場合における波長と反射率との関係を示すグラフである。
まず、両面研磨が施されたAl層の上に、ITO層6、第1層71および第2層72を、この順番で積層することで構成されたサンプルを複数種類準備した。第1層71は、TiNからなり、第2層72は、Alからなる。各サンプルでは、Al層、ITO層6(厚さ100nm)および第2層72(厚さ1000nm)の構成は同一であるが、第1層71の厚さが、1nm、2nm、5nm、10nm、15nmと異なる。図5では、各サンプルに波長の異なる光を当てた場合における、波長と、各サンプルでの反射率との関係を示している。各サンプルの特性カーブに付された引き出し線には、各サンプルの構成を示す説明(Al/ITO/TiN(1、2、5、10、15)/Al)が示されているが、当該説明における括弧書きの数字が、前述した第1層71の厚さ(1nm、2nm、5nm、10nm、15nm)を示している。また、これらのサンプルと比較するために、Al層の上に、ITO層6(厚さ100nm)、Cr層(厚さ30nm)およびAu層(厚さ2000nm)を、この順番で積層することで構成された従来型のサンプル(引き出し線の説明:Al/ITO/Cr/Au)の特性カーブも図5に示している。さらに、Al層の上にITO層6を積層しただけのサンプル(引き出し線の説明:Al/ITO)の特性カーブも図5に示している。図5を参照すると、ITO層6と(Alからなる)第2層72との間に(TiNからなる)第1層71が存在する方が、広い波長域において高い反射率を得られることが分かる。
第1層71が存在する各サンプルについて、図5における450nmの波長での反射率と、第1層71の厚さ(TiN膜厚)との関係は、図6のグラフで表される。なお、図6では、参考のため、TiN膜厚が50nmである場合における反射率も示している。図6より、高反射率(前述した従来型より高い反射率)を得るためには、第1層71の厚さは、10nm以下であり、5nm以下であることが好ましい。
図5を参照して、特に、発光波長が400nm以上450nm以下の場合、第1層71の厚さは2nm以下であることが好ましい。また、発光波長が450nm以上の場合、第1層71の厚さは5nm以下であることが好ましい。
次に、第1層71の厚さが1nmであるサンプルについて、異なる加熱温度(200℃、250℃、300℃、330℃)による加熱処理を3時間加えた4種類のサンプルを新たに準備した。そして、図7は、当該4種類のサンプルと、加熱処理を加えていない基本サンプルとについて、波長の異なる光を当てた場合における、波長と、各サンプルでの反射率との関係を示している。第1層71の厚さが1nmであるサンプルでは、加熱温度が200℃〜300℃である場合には、基本サンプルとほぼ一致する特性カーブを描くが、加熱温度が330℃まで上昇すると反射率が全体的に低下することが分かった。第1層71の厚さが1nmである(薄い)サンプルの場合、加熱温度が330℃まで上昇すると、ガルバニック腐食の影響により、反射率が低下するものと思われる。
一方で、第1層71の厚さが2nmであるサンプルについて、330℃の加熱温度による加熱処理を異なる時間(2時間または3時間)加えた2種類のサンプルを新たに準備した。そして、図8は、当該2種類のサンプルと、加熱処理を加えていない基本サンプルとについて、波長の異なる光を当てた場合における、波長と、各サンプルでの反射率との関係を示している。第1層71の厚さが2nmであるサンプルでは、加熱温度が330℃であって加熱時間に違いがあっても、基本サンプルとほぼ一致する特性カーブを描くことが分かった。つまり、第1層71の厚さが2nmであるサンプルの場合には、加熱温度が330℃まで上昇しても、反射率は低下せずに高い値で安定している。
第1層71が薄すぎると、第2層72がITO層6に(ガルバニック腐食による)影響を与えるため、第1層71の厚さは1nm以上であることが好ましい。ただし、第1層71(TiN)がない場合には反射率が低下し、第1層71の厚さが1nmである場合には、高温状況下で反射率が多少低下するが(図7参照)、第1層71の厚さが2nmである場合には、高温状況下でも反射率の低下はほとんどない(図8参照)。よって、第1層71の厚さが2nmより大きい場合には反射率の低下はないと考えられる。
図2に戻り、第2層72は、Alを含む材料(Al単体でもよい)からなる。第2層72は、第1層71と同一パターンで第1層71上に積層されている。そのため、平面視において、第1層71の輪郭(領域)と第2層72の輪郭(領域)とは一致している。また、ITO層6に積層された第1層71上に第2層72が積層されていることから、第2層72とITO層6との間には、第1層71だけが存在する。
そして、反射層7全体は、平面視において、ITO層6における外側の輪郭と内側の輪郭との間(つまり、ITO層6の領域の内側)に位置している。そのため、ITO層6には、平面視において反射層7の輪郭よりもはみ出した段付き部分6Aが存在する。
絶縁層8は、SiO(酸化シリコン)、SiON(窒化酸化シリコン)およびSiN(窒化シリコン)のうちの一種以上を含む絶縁性材料で形成されている。絶縁層8は、反射層7上に積層されている。絶縁層8は、反射層7の表面7A(第2層72の上面)の全域を覆う被覆部8Aと、平面視における被覆部8Aの端部から基板2側へ延びる延設部8Bとを一体的に有している。延設部8Bは、平面視における発光層4、第2導電型半導体層5、ITO層6および反射層7のそれぞれの外側端面(第2導電型半導体層5の段付き部分5AおよびITO層6の段付き部分6Aも含む)と、第1導電型半導体層3の段付部分3Cとを全域に亘って覆っている。
絶縁管層9は、絶縁性材料(ここでは、絶縁層8と同じ材料)で形成されている。絶縁管層9は、絶縁層8の被覆部8Aから連続しており、基板2の厚さ方向に沿って基板2側へ延びる管状の層であり、絶縁層8の一部とみなすことができる。この実施形態では、絶縁管層9は、円管状であり、その外側の直径は、30μm以上50μm以下であり、その厚さは1μm〜3μm程度である。絶縁管層9は、反射層7、ITO層6、第2導電型半導体層5および発光層4を貫通して、第1導電型半導体層3の厚さ途中まで到達している。絶縁管層9の外側の直径は、第2導電型半導体層5の段付き部分5AとITO層6の段付き部分6Aとに応じて、基板2側へ向けて階段状に変化している。
絶縁管層9は、複数設けられており、複数の絶縁管層9は、平面視において離散して配置されている。具体的に、複数の絶縁管層9は、平面視において、均等に分散配置されている。
複数の絶縁管層9は、図1に示すように、平面視において交差する2方向(基板2の長手方向および短手方向)に沿って行列状に規則配列されていてもよいし、平面視で千鳥状に配列されていてもよい。この実施形態では、絶縁管層9の数は、15であり、3行5列の行列状に配置されている。この場合、行方向が基板2の短手方向に一致し、列方向が基板2の長手方向に一致している。
図2を参照して、第1外部接続部10は、絶縁層8の被覆部8A上において図2における左側に偏った領域に積層されている。第1外部接続部10は、絶縁層8から露出している。第1外部接続部10は、平面視において、図1および図2における左右方向(基板2の長手方向)において長手の矩形状に形成されており、平面視における絶縁層8(被覆部8A)の半分以上の領域を占めていて、当該領域における絶縁層8に接触している(図1参照)。第1外部接続部10は、導電性材料(たとえば、Al(アルミニウム)やAg(銀))からなる。第1外部接続部10の厚さは、100nm以上であり、好ましくは、約350nmである。図1を参照して、第1外部接続部10は、図1において左右方向に延びる1対の長手縁10Aと、1対の長手縁10Aと直交して延びる1対の短手縁10Bとを含んでいる。長手縁10Aおよび短手縁10Bは、平面視における第1外部接続部10の外形(輪郭)を規定する辺である。
平面視において、複数の絶縁管層9のうち、1つの絶縁管層9は、矩形状の第1外部接続部10の重心位置Gに配置されていて、残りの絶縁管層9は、重心位置Gを基準(対称の中心)として点対称となるように配置されている。また、複数の絶縁管層9は、第1外部接続部10の長手縁10Aおよび短手縁10Bに沿って配置された縁側絶縁管層9Aを含んでいる。図1では、12個の縁側絶縁管層9Aが、全体で矩形の額縁状をなしていて、第1外部接続部10の外形線(長手縁10Aおよび短手縁10B)を縁取るように外形線に隣接して配置されている。
第1コンタクト11は、導電性材料(ここでは、第1外部接続部10と同じ材料)で形成されている。第1コンタクト11は、第1外部接続部10と同じ材料で形成されている場合、第1外部接続部10と一体化していてもよく、第1外部接続部10の一部と考えることもできる。第1コンタクト11は、第1外部接続部10から連続しており、基板2の厚さ方向に沿って基板2側へ延びる柱状に形成されている。この実施形態では、第1コンタクト11は、直線状の円柱形状である。第1コンタクト11は、複数設けられている。この実施形態では、第1コンタクト11は、絶縁管層9と同じ数(15個)だけ設けられている。
図2を参照して、各第1コンタクト11は、絶縁層8を貫通して、対応する絶縁管層9の中空部分に埋め込まれている。この状態で、各第1コンタクト11は、絶縁層8(被覆部8A)および絶縁管層9を通って、第1導電型半導体層3に接続されている。第1コンタクト11は、絶縁管層9を通ることによって、反射層7、ITO層6、第2導電型半導体層5および発光層4から分離絶縁されている。つまり、絶縁層8(絶縁管層9を含む)は、ITO層6および反射層7を保護しつつ、第1導電型半導体層3と、第2導電型半導体層5とを互いに絶縁している。
第1導電型半導体層3に対する円柱形状の第1コンタクト11の接触部18は、円形状である。接触部18の直径は、たとえば20μm以上40μm以下であってもよく、第1コンタクト11の寸法誤差や隣り合う第1コンタクト11の間隔の誤差を踏まえると、好ましくは、30μm程度である。接触部18の直径を20μmよりも小さくすると、接触部18における電気抵抗(接触抵抗)が増大する。
図1を参照して、平面視において、円管状の絶縁管層9の円中心と、絶縁管層9の中空部分に埋め込まれた円柱状の第1コンタクト11の円中心とは、一致している。したがって、平面視において、複数の第1コンタクト11は、複数の絶縁管層9と同じ配列パターンで配列されている。つまり、複数の第1コンタクト11は、平面視において、行列状をなすように、均等に分散配置されている。
図2を参照して、第2外部接続部12は、この実施形態では、第1外部接続部10と同じ材料からなり、絶縁層8(被覆部8A)上において図2における右側に偏った領域に積層されている。第2外部接続部12は、平面視において、第1外部接続部10よりも小さいが、たとえば、第1外部接続部10と同じ厚さを有している。第2外部接続部12は、第1外部接続部10の長手方向(図1および図2における左右方向)に対して直交する方向(図2の紙面に直交する方向)に長手である(図1参照)。絶縁層8上において、左側に偏って形成された第1外部接続部10と、右側に偏って形成された第2外部接続部12とは、たとえば約60μmの距離を隔てることによって分離絶縁されている。
第2コンタクト13は、導電性材料(ここでは、第2外部接続部12と同じ材料)で形成されている。第2コンタクト13は、第2外部接続部12から連続しており、基板2の厚さ方向に沿って基板2側へ延びる柱状に形成されている。第2コンタクト13は、複数(ここでは、3つ)設けられている。複数の第2コンタクト13は、第2外部接続部12の長手方向(図2の紙面に直交する方向)に沿って並んでいる(図1参照)。各第2コンタクト13は、絶縁層8を貫通して、反射層7の第2層72に接続されている。
バリア層15は、第1外部接続部10上に、第1外部接続部10と同一パターンで積層されているとともに、第2外部接続部12上に、第2外部接続部12と同一パターンで積層されている。バリア層15は、Ti(チタン)およびPtを第1外部接続部10および第2外部接続部12側からこの順番で積層して構成されている。
接合層16は、第1外部接続部10上のバリア層15上に、第1外部接続部10と同一パターンで積層されているとともに、第2外部接続部12上のバリア層15上に、第2外部接続部12と同一パターンで積層されている。接合層16は、たとえば、Ag、TiもしくはPtまたはこれらの合金からなる。接合層16は、半田またはAuSn(金錫)からなってもよい。この実施形態では、接合層16は、AuSnからなる。バリア層15によって、接合層16から第1外部接続部10および第2外部接続部12へのSn(錫)の拡散が抑えられている。
第1外部接続部10および第1コンタクト11と、第1外部接続部10上のバリア層15および接合層16は、第1電極41を構成している。第2外部接続部12および第2コンタクト13と、第2外部接続部12上のバリア層15および接合層16は、第2電極42を構成している。
接合層16において、第1外部接続部10上および第2外部接続部12上のバリア層15と接する面が下面であり、この下面とは反対側の上面を接合面16Aということにする。第1外部接続部10側の接合層16の接合面16Aと、第2外部接続部12側の接合層16の接合面16Aとはいずれも平坦面であり、同じ高さ位置(基板2の厚さ方向における位置)において面一になっている。前述したように第1外部接続部10と第2外部接続部12とが分離絶縁されているので、第1外部接続部10側の接合層16と、第2外部接続部12側の接合層16とは、分離絶縁されている。
第1導電型半導体層3において段付部分3Cを除く部分と、発光層4と、第2導電型半導体層5と、ITO層6と、反射層7とは、平面視においてほぼ一致していて、図1および図2の左右方向(基板2の長手方向)に長手の矩形状である(図1参照)。第1導電型半導体層3、発光層4、第2導電型半導体層5、ITO層6および反射層7のそれぞれは、絶縁管層9および第1コンタクト11が形成されていない領域では、基板2の長手方向における全域に亘って存在している(図3参照)。平面視において、第1外部接続部10、第2外部接続部12、バリア層15および接合層16は、発光層4(第2導電型半導体層5、ITO層6、反射層7)の内側に位置している(図1参照)。
この発光素子1では、第1外部接続部10と第2外部接続部12との間に順方向電圧を印加すると、第2外部接続部12から第1外部接続部10へ向かって電流が流れる。電流は、第2外部接続部12から第1外部接続部10へ向かって、第2コンタクト13および反射層7を、この順番で流れる。反射層7は、導電性が良好なので、電流は、反射層7において平面視における全域に広がり、その後、ITO層6、第2導電型半導体層5、発光層4、第1導電型半導体層3および第1コンタクト11を、この順番で流れる。このように電流が流れることによって、第1導電型半導体層3から発光層4に電子が注入され、第2導電型半導体層5から発光層4に正孔が注入され、これらの正孔および電子が発光層4で再結合することにより、波長440nm〜460nmの青色の光が発生する。この光は、第1導電型半導体層3および基板2をこの順で透過して基板2の表面2Aから外部に取り出される。
この際、発光層4から第2導電型半導体層5側に向かう光も存在し、この光は、第2導電型半導体層5およびITO層6をこの順で透過する。そして、この光は、ITO層6と反射層7との界面や、反射層7内における第1層71と第2層72との界面で反射される。
以上のように反射した光は、ITO層6、第2導電型半導体層5、発光層4、第1導電型半導体層3および基板2をこの順で透過して基板2の表面2Aから取り出される。
また、反射層7で反射されずに、絶縁管層9内を進む光も存在し、この光は、絶縁管層9および絶縁層8を透過して、絶縁層8と第1外部接続部10および第2外部接続部12との界面で反射される。反射した光は、絶縁層8、絶縁管層9、ITO層6、第2導電型半導体層5、発光層4、第1導電型半導体層3および基板2を透過して基板2の表面2Aから取り出される。つまり、この発光素子1は、第1の反射電極層としての反射層7のほかに、第2の反射電極層としての第1外部接続部10および第2外部接続部12を備えている。第1および第2外部接続部10,12が反射電極層としての機能を有すためには、第1および第2外部接続部10,12の厚さは、100nm以上である必要がある。
前述したように、基板2の裏面2Bには、複数の凸部17が形成されている。これらの凸部17によって、第1導電型半導体層3側から基板2へ向かって様々な角度から基板2の裏面2Bに入射される光が基板2の裏面2Bで全反射することを抑制できる。これにより、第1導電型半導体層3から基板2へ向かう光が、第1導電型半導体層3と基板2との界面において第1導電型半導体層3側へ反射することが抑制される。また、各凸部17は、第1導電型半導体層3内で乱反射することでとどまっている光を基板2側へ導くこともできる。よって、光の取り出し効率が向上する。
以上のように、発光素子1では、発光層4からの光は、直ちに基板2の表面2Aから放出されたり、一旦基板2の裏面2B側へ向かってITO層6を透過して反射層7で反射した後に基板2の表面2Aから放出されたりする。
ITO層6に積層された反射層7では、Alを含む第2層72とITO層6との間に、Tiを含む第1層71が介在されている。そのため、第2層72とITO層6との接触が回避され、第1層71が第2層72からITO層6を保護しているので、ITO層6がガルバニック腐食することを防止できる。ITO層6の腐食を防止できることによって、発光素子1における電気特性を向上させることができる。一方で、Tiを含む第1層71は、第2層72の反射率に影響を与えることなくITO層6を保護できるため、第1層71が無い場合に比べて、反射層7における反射率の向上を図ることができる。
つまり、ITO層6の腐食を防止しつつ、反射層7における反射率の向上を図ることができる。換言すれば、このような第1層71および第2層72を有する2層構造の反射層7を採用することによって、発光素子1の信頼性を向上させることができる。
また、第1層71の厚さと反射層7における反射率との間には、前述した相関関係(図5〜図8参照)があり、第1層71の厚さが、1nm以上10nm以下であると、反射層7における反射率の更なる向上を図ることができる。
そして、第2層72とITO層6との間には、第1層71だけが存在するので、第1層71以外に他の層も存在する場合に比べて、反射層7における反射率の更なる向上を図ることができる。
図9A〜図9Gは、図2に示す発光素子1の製造方法を示す図解的な断面図である。
まず、図9Aに示すように、基板2の裏面2Bに、SiNからなる層(SiN層)を形成し、レジストパターン(図示せず)をマスクとするエッチングにより、このSiN層を、複数の凸部17に分離する。次いで、基板2を反応容器(図示せず)内に配置して反応容器内にガス(シランガス等)を流すことによって、基板2の裏面2B上に半導体層をエピタキシャル成長させる処理が行われる。その際、ガスの流量比を変えることで、基板2の裏面2B上に、第1導電型半導体層3、発光層4および第2導電型半導体層5を、この順番で連続的に形成することができる。
次いで、図9Bに示すように、たとえばリフトオフ法を用いて、ITO層6をパターン形成する。なお、エッチングによってITO層6を形成してもよい。ITO層6は、各絶縁管層9(図1および図2参照)と一致する位置に、ITO層6を貫通する貫通穴19を有するパターンに形成され。各貫通穴19から第2導電型半導体層5が露出することになる。
次いで、ITO層6の上、および、第2導電型半導体層5において各貫通穴19からが露出された部分の上の全域に亘って、反射層7を形成する。
この実施形態の場合、具体的には、まず、Tiを含む材料(この実施形態では、TiN)からなる層(第1層)を、ITO層6の上、および、第2導電型半導体層5において各貫通穴19からが露出された部分の上の全域に亘って形成する。次いで、当該第1層の上の全域に亘って、Alを含む材料(この実施形態では、Al単体)からなる層(第2層)を形成する。第1層および第2層は、スパッタリングによって形成することができる。
そして、これらの第1層および第2層に対して、ITO層6とほぼ同一のパターンのレジストパターン(図示せず)をマスクとするドライエッチングを施す。これにより、第1層および第2層の各層が選択的に一括除去される。
図9Cを参照して、除去後に残った第1層が、第1層71となって、ITO層6上に、ITO層6とほぼ同一のパターンで形成される。また、除去後に残った第2層が、第2層72となって、第1層71と同一パターンで形成される。以上により、第1層71および第2層72を有する反射層7が形成される。なお、ここでのエッチングに用いたレジストパターンは、前述した貫通穴19より少し大きい貫通穴を有している。そのため、反射層7には、平面視でITO層6の各貫通穴19と一致する位置に、貫通穴19より少し大きい貫通穴21が形成されている。よって、反射層7が形成された後のITO層6には、前述した段付き部分6Aが存在する。このように段付き部分6Aを設定することによって、反射層7の大きさに多少の誤差があっても、反射層7を、確実に、ITO層6上からはみ出さないように形成することができる。
次いで、図9Dに示すように、先ほどのレジストパターン(図示せず)を除去してから、別のレジストパターン22を反射層7上に形成する。レジストパターン22には、平面視でITO層6の各貫通穴19と一致する位置に、貫通穴19より少し小さい開口23が形成されている。開口23は、平面視で同じ位置にある貫通穴19,21に連続している。また、レジストパターン22は、ITO層6および反射層7のそれぞれの側面部分を覆っている。一方、レジストパターン22は、平面視において、第1導電型半導体層3の段付部分3Cが位置する予定の部分には存在しない。
次いで、レジストパターン22をマスクとするドライエッチングにより、第2導電型半導体層5、発光層4および第1導電型半導体層3のそれぞれを選択的に除去する。これにより、平面視においてレジストパターン22の各開口23と一致する位置には、第2導電型半導体層5および発光層4を貫通して、第1導電型半導体層3の厚さ途中まで到達するトレンチ24(この実施形態では円筒状のトレンチ)が形成され、第1導電型半導体層3に段付部分3Cが形成される。各トレンチ24は、平面視で同じ位置にある開口23および貫通穴19,21に連続している。各トレンチ24の直径は、開口23の直径と同じであって、ITO層6の貫通穴19より少し小さいので、トレンチ24が形成された後の第2導電型半導体層5には、前述した段付き部分5Aが存在する。
そして、平面視で同じ位置で連続する貫通穴19,21およびトレンチ24は、1つのトレンチ25を構成している。トレンチ25は、平面視で絶縁管層9と一致する複数(ここでは、15個)の分散した位置に形成されている。各トレンチ25は、この実施形態では、基板2の厚さ方向に円筒状である。各トレンチ25の直径は、第2導電型半導体層5の段付き部分5AとITO層6の段付き部分6Aとに応じて、基板2側へ向けて階段状に変化している。各トレンチ25は、反射層7、ITO層6、第2導電型半導体層5および発光層4を貫通して、第1導電型半導体層3の厚さ途中まで到達している。トレンチ25の半導体層表面(第2導電型半導体層5の表面)からの深さ(基板2の厚さ方向における寸法)は、たとえば、約1.5μmである。また、第1導電型半導体層3、発光層4および第2導電型半導体層5のそれぞれにおいて平面視で段付部分3Cと一致する部分(図9C参照)は、ドライエッチングによるトレンチ25の形成と同時に除去されている。
次いで、レジストパターン22を除去してから、図9Eに示すように、反射層7上に、たとえばCVD法によって、SiNからなる層(SiN層)26を形成する。SiN層26は、各トレンチ25内に埋め尽くされるとともに、平面視における発光層4、第2導電型半導体層5、ITO層6および反射層7のそれぞれの外側端面(第2導電型半導体層5および段付き部分5AおよびITO層6の段付き部分6Aも含む)と、第1導電型半導体層3の段付部分3Cとを全域に亘って覆うように形成される。SiN層26において、反射層7上にある部分は、絶縁層8の被覆部8Aとなり、平面視における発光層4、第2導電型半導体層5、ITO層6および反射層7のそれぞれの外側端面と、第1導電型半導体層3の段付部分3Cとを覆っている部分は、延設部8Bとなる。また、SiN層26において、トレンチ25内に埋め込まれた部分は、絶縁管層9を形成することになる。
次いで、図9Fに示すように、絶縁層8上に、レジストパターン27を形成する。レジストパターン27には、平面視で各第1コンタクト11(図2参照)と一致する予定の位置に、開口28が形成されていて、平面視で各第2コンタクト13(図2参照)と一致する予定の位置に、開口29が形成されている。
次いで、レジストパターン27をマスクとするドライエッチングにより、絶縁層8と、各トレンチ25内のSiN層26とを選択的に除去する。これにより、平面視においてレジストパターン27の各開口28と一致する位置の絶縁層8およびSiN層26がレジストパターン27側から除去される。このドライエッチングの条件は、第1導電型半導体層3および反射層7がエッチングされない条件になっている。そのため、各開口28におけるエッチングは、トレンチ25の底面における第1導電型半導体層3の手前でストップする。また、各開口29におけるエッチングは、反射層7の手前でストップする。
ドライエッチングの結果、平面視においてレジストパターン22の各開口28と一致する位置には、絶縁層8およびSiN層26を貫通して第1導電型半導体層3まで到達するトレンチ30が形成される。
トレンチ30は、基板2の厚さ方向に延びる円筒状であり、その断面の円形状は、基板2の厚さ方向における全域に亘って同じ大きさである。トレンチ30は、第1コンタクト11と同じ数(ここでは、15個)形成されていて、各トレンチ30は、いずれかのトレンチ25の内側に配置されている。各トレンチ25が第1導電型半導体層3の厚さ途中まで到達しているので、各トレンチ30も、第1導電型半導体層3の厚さ途中まで到達している。各トレンチ30の底では、第1導電型半導体層3が露出されている。各トレンチ25内に埋め尽くされたSiN層26は、トレンチ30が形成されることによって、絶縁管層9となる。
また、ここでのドライエッチングによって、平面視においてレジストパターン27の各開口29と一致する位置には、絶縁層8を貫通して反射層7まで延びたトレンチ31が形成される。トレンチ31は、第2コンタクト13と同じ数(ここでは、3個)だけ形成され、これらのトレンチ31は、平面視における基板2の短手方向(図9Fの紙面に直交する方向)において等間隔で並んでいる。
次いで、レジストパターン27を除去してから、図9Gに示すように、たとえば蒸着により、Alからなる層(Al層32)を絶縁層8上の全域に形成する。Al層32は、各トレンチ30内および各トレンチ31内に埋め尽くされる。トレンチ30内のAl層32は、第1コンタクト11となり、トレンチ31内のAl層32は、第2コンタクト13となる。
次いで、絶縁層8上のAl層32上の全域に、たとえばスパッタ法によって、Tiからなる層(Ti層)と、Ptからなる層(Pt層)とをAl層32側からこの順番で積層する。これにより、Ti層およびPt層の積層構造からなるバリア層15がAl層32上に形成される。
次いで、バリア層15上の全域に、たとえば電解めっき法によって、AuSnからなる層(AuSn層)を形成する。AuSn層は、接合層16である。
次いで、レジストパターン(図示せず)をマスクとして用いるエッチングにより、絶縁層8上のAl層32、バリア層15および接合層16のそれぞれを、平面視における基板2の長手方向において、第2コンタクト13と、第2コンタクト13に最も近い第1コンタクト11との間で二分する(図9G参照)。これにより、図2に示すように、絶縁層8上のAl層32において、平面視で全ての第1コンタクト11を覆う部分が、第1外部接続部10となり、平面視で全ての第2コンタクト13を覆う部分が、第2外部接続部12となる。第1外部接続部10および第2外部接続部12は、分離絶縁された状態で絶縁層8上に形成されている。
また、図9GのAl層32、バリア層15および接合層16は、レジストパターンを用いたリフトオフ法で形成してもよい。リフトオフ法で形成する場合は、レジストパターンを形成した後に蒸着法、スパッタ法でAl層32、バリア層15および接合層16を順に形成し、レジストパターンを剥離することで図9Gの構造を形成する。
以上の結果、発光素子1が完成する。
発光素子1は、たとえば、基板2の元基板としての1枚のウエハ(図示せず)上に多数同時に形成される。そこで、必要に応じてウエハを研削・研磨して厚みを調整した後に、ウエハを、レーザスクライバ等を用いてダイシングすると、最終的に図1〜図4に示す構造の発光素子1が個別に切り出される。
第1コンタクト11が埋め込まれるトレンチ30は、第1コンタクト11と同じ大きさの円形状の断面を有しており、その直径(内径)は、20μm以上40μm以下である。これに対し、第2コンタクト13が埋め込まれるトレンチ31は、平面視においてトレンチ30よりも大きい(図1参照)。そのため、前述したように、絶縁層8上にAl層32を形成する際に(図9G参照)、各トレンチ31内にAl層32を埋め尽くすと、絶縁層8には、各トレンチ31の跡90が凹みとなって現れ、最終的には、第2外部接続部12上の接合層16の接合面16Aにも現れる(図4参照)。しかし、複数のトレンチ31は、基板2の短手方向において間隔を隔てているので(図1参照)、これらのトレンチ31が1列につながっている場合に比べて、各トレンチ31の跡90は、とても小さく目立たない。そのため、第2外部接続部12上の接合層16の接合面16Aはほとんど平坦になる。
図10は、サブマウント50の構造を図解的に示す断面図である。
図10に二点鎖線で示すように、発光素子1は、接合層16によってサブマウント50に接合され、発光素子1およびサブマウント50は、発光素子ユニット64を構成する。
サブマウント50は、サブマウント基板51と、絶縁層52と、電極層53と、接合層54とを備えている。
サブマウント基板51はたとえばSiからなる。絶縁層52は、たとえばSiOからなり、サブマウント基板51の主面51A(図10における上面)の全域を覆っている。
電極層53は、たとえばAlからなる。電極層53は、絶縁層52上において分離された2つの領域に設けられており、図10では、2つの電極層53が、左右に隔てた状態で絶縁層52上に形成されている。2つの電極層53のうち、図10における左側の電極層53を第1マウント電極層53Aといい、図10における右側の電極層53を第2マウント電極層53Bということにする。第1マウント電極層53Aと第2マウント電極層53Bとは、第1外部接続部10および第2外部接続部12の間隔とほぼ等しい間隔、たとえば、60μm程度の間隔を隔てて分離絶縁されて配置されている。
接合層54は各電極層53上に積層されている。接合層54は、この実施形態では、サブマウント基板51側のTi層55と、Ti層55上に積層されたAu層56とを含む2層構造である。接合層54において電極層53に接触している面とは反対側の面(図10における上面)が、表面54Aとされる。表面54Aは、平坦面であり、各電極層53上の接合層54の表面54Aは、面一になっている。
図11は、サブマウント50の模式的な平面図である。
平面視において、第1マウント電極層53A上の接合層54は、発光素子1の第1外部接続部10上の接合層16と同じ大きさであり、第2マウント電極層53B上の接合層54は、発光素子1の第2外部接続部12上の接合層16と同じ大きさである(図1参照)。
図12Aは、発光装置60の構造を図解的に示す断面図である。
図12Aを参照して、発光装置60は、発光素子ユニット64(発光素子1およびサブマウント50)と、支持基板61とを含んでいる。
支持基板61は、絶縁性材料で形成された絶縁基板62と、絶縁基板62の両端から露出するように設けられて、発光素子1と外部とを電気的に接続する金属製の一対のリード63とを有している。絶縁基板62は、たとえば平面視矩形に形成されており、その対向する一対の辺に沿って一対のリード63がそれぞれ帯状に形成されている。各リード63は、絶縁基板62の一対の端縁に沿って、上面から側面を渡って下面に至るように折り返され、横向きU字形断面を有するように形成されている。
発光素子ユニット64の組立に際しては、たとえば、サブマウント50を、図12Aに示すように、接合層54の表面54Aが上を向くような姿勢にする。また、図2に示す発光素子1を、接合層16の接合面16Aが下を向くような姿勢(図2とは上下が逆の姿勢)にし、図12Aの姿勢にあるサブマウント50に対して上から対向させる。
発光素子1をサブマウント50に接近させると、図12Aに示すように、発光素子1の接合層16の接合面16Aと、サブマウント50の接合層54の表面54Aとが面接触する。具体的には、第1外部接続部10側の接合層16の接合面16Aが、第1マウント電極層53A側の接合層54の表面54Aに対して面接触し、第2外部接続部12側の接合層16の接合面16Aが、第2マウント電極層53B側の接合層54の表面54Aに対して面接触する。この状態でリフロー(熱処理)を行えば、第1外部接続部10と第1マウント電極層53Aとが接合層16,54を介して接合され、かつ第2外部接続部12と第2マウント電極層53Bとが接合層16,54を介して接合される。接合層16と接合層54とが融解・固着して互いに接合すると、発光素子1が、電極層53および接合層54を介してサブマウント50のサブマウント基板51に接合され、サブマウント50にフリップチップ接続される。フリップチップ接続の結果、発光素子1とサブマウント50とが一体化した発光素子ユニット64が得られる。
前述したように、第2外部接続部12上の接合層16の接合面16Aには、各トレンチ31の跡90があるがとても小さいので、この接合面16Aは、ほとんど平坦である(図4参照)。そのため、この接合面16Aと、第2マウント電極層53B側の接合層54の表面54Aとの面接触に対して、各トレンチ31の跡90が影響を与えることはなく、これらの接合面16Aおよび表面54Aは、ほぼ全域に亘って面接触している。また、発光素子1側の第1外部接続部10と第2外部接続部12とが、約60μmという十分な距離を隔てていて、サブマウント50側の第1マウント電極層53Aと第2マウント電極層53Bとが、同様に十分な距離を隔てている。そのため、多少の取り付け誤差があっても、第1外部接続部10が第2マウント電極層53Bに接続されたり、第2外部接続部12が第1マウント電極層53Aに接続されたりすることがないので、発光素子1をサブマウント50に確実にフリップチップ接続できる。
サブマウント50のサブマウント基板51を絶縁基板62の一表面に対向させることで、発光素子ユニット64は、当該絶縁基板62に接合される。そして、第1外部接続部10に接続された第1マウント電極層53Aと、第1マウント電極層53A側のリード63とが、ボンディングワイヤ65によって接続される。また、第2外部接続部12に接続された第2マウント電極層53Bと、第2マウント電極層53B側のリード63とが、ボンディングワイヤ65によって接続される。これにより、発光素子ユニット64と支持基板61とが一体化されて発光装置60が完成する。
図12Bに図解的な斜視図を示すように、支持基板61は、長尺形状(帯状)に形成されていてもよく、このような長尺な支持基板61の表面に、複数の発光素子ユニット64が実装されてLED(発光ダイオード)バーを構成していてもよい。図12Bには、支持基板61の一表面に複数の発光素子ユニット64が直線状に一列に配列された発光装置60が示されている。このような発光装置60は、たとえば、液晶表示装置のバックライト用光源として用いることができる。なお、支持基板61上の複数の発光素子ユニット64は、直線状に一列に配列されている必要はなく、2列に配列されていてもよいし、千鳥状に配列されていてもよい。また、各発光素子ユニット64上に、蛍光体を含んだ封止樹脂をポッティングしてもよい。
図13は、発光素子ユニット64を用いた発光素子パッケージ70の模式的な斜視図である。
発光素子パッケージ70は、図12Aに示した構造の発光装置60とパッケージ91と封止樹脂92とを含んでいる。
パッケージ91は、樹脂が充填されたリング状のケースであり、その内側に発光素子ユニット64(発光素子1)を収容して(覆って)側方から包囲して保護した状態で、支持基板61に固定されている。この状態で、発光素子ユニット64の発光素子1では、基板2において光取出し面となる表面2A側が露出されている。パッケージ91の内壁面は、発光素子ユニット64の発光素子1から出射された光を反射させて外部へ取り出すための反射面91aを形成している。この実施形態では、反射面91aは、内方に向かうに従って支持基板61に近づくように傾斜した傾斜面からなり、発光素子1からの光を光取り出し方向(基板2の表面2Aの法線方向)に向かって反射するように構成されている。
封止樹脂92は、発光素子1の発光波長に対して透明な透明樹脂(たとえば、シリコーンやエポキシなど)からなり、発光素子1およびボンディングワイヤ65などを封止している。または、この透明樹脂に蛍光体を混合してもよい。発光装置60が青色発光し、蛍光体として黄色発光のものを配置すると、白色発光が得られる。
図13には、支持基板61上に一つの発光素子ユニット64が実装されている構造を示したが、むろん、支持基板61上に複数個の発光素子ユニット64が共通に実装されていて、それらが封止樹脂92によって共通に封止されていてもよい。
図14は、本発明の別の実施形態に係る発光素子の模式的な断面図である。
前述した発光素子1は、いわゆるフリップタイプの発光素子であるが、図14に示す発光素子74は、いわゆる2ワイヤータイプの発光素子である。
発光素子74は、基板75と、第1導電型半導体層76と、発光層77と、第2導電型半導体層78と、第1電極79と、第2電極80と、前述したITO層6および反射層7とを含んでいる。
基板75は、たとえばサファイアからなり、所定の厚さを有している。基板75は、その厚さ方向から見た平面視において、図14における左右方向に長手方向を有し、図14における奥行き方向に短手方向を有する矩形形状に形成されている。基板75では、図14における上面が、光取出し面となる表面75Aであり、図14における下面が、光取出し面とは反対側の反対面となる裏面75Bである。表面75Aは、基板75における第1導電型半導体層76との接合面であり、裏面75Bは、基板75におけるITO層6との接合面である。基板75の表面75Aには、前述した凸部17が複数形成されている。基板75は、発光層77の発光波長に対して透明である。
第1導電型半導体層76は、基板75上に積層されている。第1導電型半導体層76は、基板75の表面75Aの全域を覆っている。第1導電型半導体層76は、n型の窒化物半導体(たとえば、GaN)からなる。第1導電型半導体層76について、図14において基板75の表面75Aを覆う下面を裏面76Aといい、裏面76Aとは反対側の上面を表面76Bということにする。表面76Bにおいて、図14における右寄りの第1領域76Cは、左寄りの第2領域76Dよりも裏面76A側へ一段低くなっている。
発光層77は、第1導電型半導体層76上に積層されている。発光層77は、第1導電型半導体層76の表面76Bにおける第2領域76Dの全域を覆っている。発光層77は、この実施形態では、Inを含む窒化物半導体(たとえばInGaN)からなる。
第2導電型半導体層78は、発光層77と同一パターンで発光層77上に積層されている。そのため、平面視において、第2導電型半導体層78の領域は、発光層77の領域と一致している。第2導電型半導体層78は、p型の窒化物半導体(たとえば、GaN)からなっていて、発光層77の発光波長に対して透明である。このように、n型半導体層である第1導電型半導体層76とp型半導体層である第2導電型半導体層78とで発光層77を挟んだ発光ダイオード構造が形成されている。
第1電極79は、第1導電型半導体層76の表面76Bにおける第1領域76C上に積層されている。第1電極79は、表面76B側からTiおよびAlを積層することによって構成されている。第2電極80は、第1電極79と同じ構成であり、第2導電型半導体層78上に積層されている。
ITO層6は、前述した実施形態(図2参照)と同様に、基板75に対して裏面75B側に配置されて対向配置されていて、裏面75Bの全域を覆っている。
反射層7は、前述した実施形態(図2参照)と同様に、ITO層6に対して基板75とは反対側に積層されている。また、反射層7は、前述した第1層71および第2層72を含んでいる。第1層71は、ITO層6に接触するようにITO層6に積層され、第2層72は、第1層71に対してITO層6とは反対側に積層されている。そのため、第2層72とITO層6との間には、第1層71だけが存在する。第1層71および第2層72のそれぞれの寸法(厚さ)や材料は、前述した実施形態(図2参照)と同様である。
このような発光素子74において、第1電極79と第2電極80との間に順方向電圧を印加すると、第2電極80から第1電極79へ向かって電流が流れる。電流は、第2電極80から、第2導電型半導体層78、発光層77、第1導電型半導体層76および第1電極79を、この順番で流れる。このように電流が流れることによって、第1導電型半導体層76から発光層77に電子が注入され、第2導電型半導体層78から発光層77に正孔が注入され、これらの正孔および電子が発光層77で再結合することにより、光が発生する。
発光層77からの光は、第2導電型半導体層78の表面78Aから放出される。
一方、発光層77から第1導電型半導体層76側に向かう光も存在し、この光は、第1導電型半導体層76、基板75およびITO層6をこの順で透過して、ITO層6と反射層7との界面や、反射層7における第1層71と第2層72との界面で反射される。反射した光は、ITO層6および基板75をこの順で透過して第2導電型半導体層78の表面78Aから取り出される。
この発光素子74でも、前述した発光素子1と同様の作用効果を奏することができる。
この発光素子74を作成する場合、まず、基板75の表面75Aに第1導電型半導体層76を形成し、第1導電型半導体層76の表面76Bの全域に発光層77および第2導電型半導体層78をこの順番で形成する。次いで、エッチングまたはリフトオフによって、第1導電型半導体層76、発光層77および第2導電型半導体層78のそれぞれをパターニングして、第1導電型半導体層76の表面76Bの第1領域76Cを露出させる。次いで、第1領域76Cに第1電極79を形成し、第2導電型半導体層78に第2電極80を形成する。その後、基板75の裏面75Bに、ITO層6ならびに反射層7の第1層71および第2層72をこの順番で形成する。そして、基板75の元基板となる1枚のウエハを、レーザスクライバ等を用いてダイシングすると、発光素子74が個別に切り出される。
また、この発光素子74は、Agや半田等のペーストからなる接合層85を介して、前述したサブマウント基板51の主面51Aに接合される。図14に示すサブマウント基板51の主面51Aにおいて接合層85を避けた位置には、前述した一対のリード63が設けられている。発光素子74の第1電極79および第2電極80は、最寄のリード63に対してボンディングワイヤ65を介して電気的に接続されている。発光素子74およびサブマウント基板51によって、発光素子ユニット64(発光装置60)が構成されている。もちろん、発光素子1の場合と同様に、発光素子74と、基板75の表面75A側が露出されるように発光素子74を覆うパッケージ91とによって、発光素子パッケージ70(図13参照)を構成してもよい。
図15は、発光素子74の変形例を示している。そのため、図14で説明した部分と対応する部分には、同一の参照符号を付し、当該部分についての詳しい説明を省略する。図14の発光素子74と図15の発光素子74との違いは、ITO層6および反射層7の位置だけであり、その他の構成はほとんど同じである。
図15に示す発光素子74では、ITO層6が、第2導電型半導体層78の表面78Aと、第1導電型半導体層76の表面76Bにおける第1領域76Cとのそれぞれに、積層されている。第1導電型半導体層76側のITO層6と、第2導電型半導体層78側のITO層6とは、つながっておらず、分離絶縁されている。そして、第1導電型半導体層76側のITO層6上には、反射層7を介して第1電極79が積層されている。第2導電型半導体層78側のITO層6上には、反射層7を介して第2電極80が積層されている。この場合も、各ITO層6は、前述した実施形態(図2および図14参照)と同様に、基板75に対して対向配置されていて、反射層7は、対応するITO層6に対して基板75とは反対側に積層されている。また、各ITO層6上の反射層7は、前述した第1層71および第2層72を含んでいる。第1層71は、ITO層6に接触するようにITO層6に積層され、第2層72は、第1層71に対してITO層6とは反対側に積層されている。そのため、第2層72とITO層6との間には、第1層71だけが存在する。第1層71および第2層72のそれぞれの寸法(厚さ)や材料は、前述した実施形態(図2および図14参照)と同様である。
図15に示す発光素子74では、発光層77からの光は、第2導電型半導体層78上のITO層6から放出される。その際、発光層77から第1電極79や第2電極80に向かう光が存在するのだが、この光は、反射層7によって反射されてから放出されるので、当該光が第1電極79や第2電極80で吸収されることを抑制できる。
この発光素子74でも、前述した発光素子1および74(図2および図14参照)と同様の作用効果を奏することができる。特に、第1電極79および第2電極80での光の反射率を上げることによって、発光素子74における光の取り出し効率を上げることができる。なお、前述した絶縁層8が、第1電極79および第2電極80のそれぞれの表面だけを露出させるように、第1導電型半導体層76の表面76B、第2導電型半導体層78の表面78A、ITO層6および反射層7を覆っていてもよい。
もちろん、ITO層6および反射層7を、第1電極79および第2電極80側だけでなく、基板75に対して裏面75B側にも設けた構成(図14および図15の構成を合体させた構成)の発光素子74もあり得る。
また、図15は、2ワイヤタイプの例だが、たとえば図2のようなフリップチップタイプにおいて電極(第1電極79および第2電極80に相当する部分)を除く表面を絶縁膜で覆う構成も考えられる。
以上のほかにも、この発明はさらに種々の実施形態をとり得る。
たとえば、前述の実施形態では、第1導電型がn型で、第2導電型がp型の例について説明したが、第1導電型をp型とし、第2導電型をn型として発光素子を構成してもよい。すなわち、前述の実施形態において、導電型をp型とn型とで反転した構造も、この発明の一つの実施形態である。また、前述の実施形態では、第1導電型半導体層および第2導電型半導体層を構成する窒化物半導体としてGaNを例示したが、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)などの他の窒化物半導体が用いられてもよい。窒化物半導体は、一般には、AlxInyGa1-x-yN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦x+y≦1)と表わすことができる。また、窒化物半導体に限らず、GaAs等の他の化合物半導体や、化合物半導体以外の半導体材料(たとえばダイヤモンド)を用いた発光素子にこの発明を適用してもよい。
また、前述した絶縁層8に、以下に述べる多層反射鏡95を用いてもよい。つまり、絶縁層8は、多層反射鏡95を含んでもよい。
図16は、本発明において絶縁層8に多層反射鏡95を適用した場合の実施形態に係る発光素子1の模式的な断面図である。図16に示す発光素子1と図12Aに示す発光素子1との違いは、絶縁層8に多層反射鏡95を適用するか否かだけであり、その他の構成は、ほとんど同じである。よって、図16において、図12Aで説明した部分と対応する部分には、同一の参照符号を付し、当該部分についての詳しい説明を省略する。なお、図16では、発光素子1がフリップチップ接続されるサブマウント50(サブマウント基板51)および支持基板61等を、図12Aよりも簡略化して示している(後述する図18でも同様)。
多層反射鏡95は、いわゆるDBR(Distributed Bragg Reflector:分布ブラッグ反射鏡)である。絶縁層8は、多層反射鏡95が適用された絶縁性のDBR反射層である。
多層反射鏡95は、屈折率差を有する2種類以上の膜(詳しくは、発光波長に対して透明な透明膜)を交互に積層することで構成される。ここでの「交互に積層する」とは、同じ種類の膜同士が重なって積層されないように複数類の膜を積層するということである。多層反射鏡95に用いられる膜の種類として、SiO、SiN、SiON、TiO、Al、Nb、ZrOおよびAlN等が挙げられるが、以下の説明では、SiOおよびSiNの2種類を用いて多層反射鏡95を構成することにする。
この実施形態の多層反射鏡95は、複数ペア(たとえば15ペア)のSiO膜96およびSiN膜97を交互に積層することによって構成されている。図16では、説明の便宜上、SiO膜96が白抜きの帯状に図示され、SiN膜97が黒い太線状に図示されている。なお、図16では、多層反射鏡95を模式的に図示しているので、SiO膜96およびSiN膜97の枚数は、実際の枚数と一致していない。これらのことは、後述する図18においても当てはまる。
SiO膜96およびSiN膜97のそれぞれは、前述した被覆部8Aに相当する領域では、反射層7の表面7Aに平行になるように、基板2の厚さ方向において交互に積層されている。しかし、SiO膜96およびSiN膜97のそれぞれは、前述した延設部8Bおよび各絶縁管層9に相当する領域では、トレンチ25において基板2の厚さ方向に延びる内周面や、発光層4、第2導電型半導体層5、ITO層6および反射層7のそれぞれの外側端面と平行になるように、基板2の厚さ方向と直交する方向において交互に積層されている。なお、説明の便器上、トレンチ25において基板2の厚さ方向に延びる内周面には、前述した段付き部分5Aおよび6A(図12A参照)が形成されておらず、当該内周面は、基板2の厚さ方向においては平坦である。また、発光層4、第2導電型半導体層5、ITO層6および反射層7のそれぞれの外側端面は、基板2の厚さ方向に沿って面一になっている。
多層反射鏡95では、SiO膜96およびSiN膜97の各光路長(=SiOまたはSiNの屈折率×各膜の膜厚T)が、多層反射鏡95で反射させたい光の波長の4分の1に一致している。そのため、多層反射鏡において、SiO膜96およびSiN膜97の各膜厚Tは、多層反射鏡95で反射させたい光の波長の4分の1をSiOまたはSiNの屈折率(SiO:1.46、SiN:1.9)で割ることで得られる。多層反射鏡95で反射させたい光の波長が450nmである場合、SiO膜96の1枚の膜厚Tは、約77nm(=450/(4×1.46))であり、SiN膜97の1枚の膜厚Tは、約59nm(=450/(4×1.9))である。
ただし、各膜の膜厚Tは、前述したように屈折率と波長を用いた式によって厳密に算出されなくてもよく、膜厚Tが不規則になった複数種類の膜を積層する多層反射鏡95を構成してもよい。
このような多層反射鏡95の製造方法としては、図9Dに示すようにトレンチ25および第1導電型半導体層3の段付部分3Cが形成された後に、レジストパターン22を除去してから、反射層7上に、前述した複数ペアのSiO膜96およびSiN膜97を交互に積層する。すると、図9Eに示すように、前述したSiN層26の代わりに、多層反射鏡95が各トレンチ25の内部空間を埋め尽くすとともに、発光層4、第2導電型半導体層5、ITO層6および反射層7のそれぞれの外側端面と、第1導電型半導体層3の段付部分3Cとを全域に亘って覆う。絶縁層8に多層反射鏡95を適用した発光素子1(改良品という)の製造工程は、多層反射鏡95の製造工程以外においては、絶縁層8に多層反射鏡95を適用していない発光素子1(通常品といい、図2および図12A等を参照)の製造工程と同じである。
図12Aに示す通常品の発光素子1と、図16に示す改良品の発光素子1との間で性能を比較した。図17は、通常品および改良品のそれぞれにおける電流と輝度との関係を示すグラフである。通常品についての特性カーブは、破線で示されていて、改良品についての特性カーブは、実線で示されている。
図12Aに示す通常品では、前述したように反射層7で反射されずに絶縁管層9内を進む光の一部が、単一の絶縁性材料(SiO等)で構成された絶縁管層9および絶縁層8を透過する。当該一部の光のほとんどは、第1および第2外部接続部10,12で反射される。しかし、当該一部の光には、平面視の発光素子1において反射層7ならびに第1および第2外部接続部10,12と重なっていない領域からサブマウント50側(パッケージ側)へ漏れてしまう光が存在し得る。一方、図16に示す改良品では、当該領域が、多層反射鏡95を適用した絶縁層8によって覆われているので、反射層7で反射されなかった光は、第1および第2外部接続部10,12よりも前に多層反射鏡95によって基板2側へ反射され、基板2の表面2A(光取出し面)から放出される。そのため、改良品では、ITO6層および反射層7に到達した光が基板2の表面2Aとは反対側へ漏れることを多層反射鏡95によって抑制し、反射層7で反射されなかった光を99%という非常に高い反射率で反射させることができるので、図17に示すように、通常品に比べて輝度の向上を図ることができる。
図16に示すように第1コンタクト11が複数設けられて立体的に離散配置される構成(図1も参照)とは異なり、図18に示すように簡略化した構成でも、絶縁層8に多層反射鏡95を適用することができる。図18に示す改良品の発光素子1(簡略化版)では、第1導電型半導体層3の裏面3Bにおいて、長手方向における一方領域3Dに、発光層4、第2導電型半導体層5、ITO層6および反射層7が偏って積層されていて、長手方向における他方領域3Eは、一方領域3Dよりも表面3A側へ一段窪んだ状態で露出されている。他方領域3Eに第1コンタクト11が接続されている。
第1コンタクト11および第1外部接続部10と、発光層4、第2導電型半導体層5、ITO層6および反射層7のそれぞれとの間は、絶縁層8の多層反射鏡95によって絶縁されている。また、発光素子1においてサブマウント50側の領域では、多層反射鏡95は、平面視で反射層7ならびに第1および第2外部接続部10,12と重なっていない領域を少なくとも覆っている。そのため、簡略化した構成の改良品でも、輝度の向上を図ることができる。
なお、前述した実施形態では、絶縁層8を、1種類の多層反射鏡95で構成したが、複数種類の多層反射鏡95を組み合わせて積層することによって構成してもよい。この場合、多層反射鏡95を構成する前述した膜の種類や膜厚Tが多層反射鏡95毎に異なっていてもよい。
1 発光素子
2 基板
2A 表面
3 第1導電型半導体層
4 発光層
5 第2導電型半導体層
6 ITO層
7 反射層
8 絶縁層
70 発光素子パッケージ
71 第1層
72 第2層
74 発光素子
75 基板
75A 表面
76 第1導電型半導体層
77 発光層
78 第2導電型半導体層
91 パッケージ
95 多層反射鏡

Claims (11)

  1. 発光層の発光波長に対して透明な基板と、
    前記基板上に積層された第1導電型半導体層と、
    前記第1導電型半導体層上に積層された前記発光層と、
    前記発光層上に積層された第2導電型半導体層と、
    前記基板に対して対向配置され、前記第2導電型半導体層上に積層されたITO層と、
    前記ITO層に対して前記基板とは反対側に積層された反射層と、
    屈折率差を有する2種類以上の膜を交互に積層した多層反射鏡であって、前記反射層に対して前記基板とは反対側に積層された多層反射鏡と、
    前記多層反射鏡に対して前記基板とは反対側に積層され、前記発光層の発光のために電圧が印加される外部接続部とを含む発光素子であって、
    前記多層反射鏡は、前記基板の厚さ方向から見た平面視において前記反射層および前記外部接続部に重ならない領域を有し、
    前記平面視における前記第2導電型半導体層は、外側の輪郭と、この外側の輪郭によって囲まれた領域に形成された貫通穴の周縁部をなす内側の輪郭とを有し、
    前記平面視における前記ITO層は、外側の輪郭と、この外側の輪郭によって囲まれた領域に形成された貫通穴の周縁部をなす内側の輪郭とを有し、
    前記平面視において、前記ITO層は、前記第2導電型半導体層における外側の輪郭と内側の輪郭との間に位置していて、前記反射層は、前記ITO層における外側の輪郭と内側の輪郭との間に位置していて、
    前記多層反射鏡は、前記反射層、前記ITO層、前記第2導電型半導体層および前記発光層のそれぞれの側面に接していて、
    前記平面視において、前記第2導電型半導体層の領域は、前記発光層の領域と一致している、発光素子。
  2. 前記反射層は、
    Tiを含む材料からなり、前記ITO層に接触するように前記ITO層に積層された第1層と、
    Alを含む材料からなり、前記第1層に対して前記ITO層とは反対側に積層された第2層とを含む、請求項1に記載の発光素子。
  3. 前記平面視において、前記第1層の領域と前記第2層の領域とが一致している、請求項に記載の発光素子。
  4. 前記多層反射鏡は、前記反射層において前記外部接続部側の面に接している、請求項1〜のいずれか一項に記載の発光素子。
  5. 前記多層反射鏡は、前記ITO層において前記外部接続部側の面に接している、請求項1〜のいずれか一項に記載の発光素子。
  6. 前記多層反射鏡は、前記第2導電型半導体層において前記外部接続部側の面に接している、請求項1〜のいずれか一項に記載の発光素子。
  7. 前記平面視における前記第1導電型半導体層の端部には、前記基板側へ凹んだ段付部分が形成され、
    前記多層反射鏡は、前記段付部分を覆っている、請求項1〜のいずれか一項に記載の発光素子。
  8. 前記平面視における前記多層反射鏡の外側面は、前記厚さ方向に沿って直線状に延びていて、前記平面視における前記第1導電型半導体層の外側面と面一になっている、請求項に記載の発光素子。
  9. 前記多層反射鏡において前記反射層、前記ITO層、前記第2導電型半導体層および前記発光層のそれぞれの側面に接する内側面は、前記第2導電型半導体層から前記反射層へ向かうにつれて階段状に延びている、請求項に記載の発光素子。
  10. 前記多層反射鏡は、前記第1導電型半導体層において前記外部接続部側の面に接している、請求項のいずれか一項に記載の発光素子。
  11. 請求項1〜1のいずれか一項に記載の発光素子と、
    前記基板の光取出し面側が露出されるように前記発光素子を覆うパッケージとを含む、発光素子パッケージ。
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