JP2019075487A - 太陽電池およびその太陽電池の製造方法 - Google Patents

太陽電池およびその太陽電池の製造方法 Download PDF

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大基 田中
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Abstract

【課題】変換効率を高め、大気中で安定した太陽電池およびその製造方法を提供する。【解決手段】太陽電池10は、基板12の上に第1電極14、電子輸送層16、光電変換層18、ペロブスカイト構造を有する化合物の層20、正孔輸送層22、第2電極24が順番に積層されている。このペロブスカイト結晶は、I100/I210が5以上の高い(100)結晶配向性を有する。ペロブスカイト構造の化合物(CH3NH3PbI3)のヨウ素の原子位置にハロゲン元素をドーピングする。ドーピングする元素はたとえばCl、BrまたはFなどである。ペロブスカイト構造の化合物(CH3NH3PbI3)において、14族元素であるPbの原子位置に、Cu、Zn等の遷移金属や、Ge等の半導体元素をドーピングしても良い。ドーピングする量はPb全体の0.01〜50mol%程度までである。【選択図】図1

Description

本発明は、ペロブスカイト構造を有する化合物を用いた太陽電池の製造方法および太陽電池に関するものである。
近年、化石燃料に代わる新エネルギーとして、ほとんど無尽蔵でクリーンな太陽光を電気に変えることができる太陽電池が普及している。シリコン系の太陽電池が主流であるが、材料面や製造プロセス面から高価格である。
そこで、シリコン系以外の太陽電池の開発も盛んにおこなわれている。例えば、下記の特許文献1に、ペロブスカイト構造を有する太陽電池が報告されている。窒素ガス雰囲気中または真空中でPb原子位置にスズ(Sn)原子のドーピングをおこなってペロブスカイト構造を形成し、変換効率5.78%であったことが報告されている。
しかし、特許文献1の太陽電池の変換効率は低く、高くする必要がある。また、ペロブスカイト構造を有する太陽電池は短寿命であり、長期間使用できる太陽電池にする必要もある。
特願2014−229747号公報
本発明の目的は、変換効率を高め、大気中で安定した太陽電池およびその製造方法を提供することにある。
本発明の太陽電池の製造方法は、基板を準備する工程、前記基板の一面上に第1電極を形成する工程、前記第1電極の上に電子輸送層を形成する工程、前記電子輸送層の上にn型半導体をメソポーラスに形成する工程、前記メソポーラスに形成されたn型半導体に存在する隙間にペロブスカイト構造を有する化合物を形成し、光電変換層を形成する工程、前記光電変換層の上にペロブスカイト構造を有する化合物の層を形成する工程、前記ペロブスカイト構造を有する化合物の層の上に正孔輸送層を形成する工程、前記正孔輸送層の上に第2電極を形成する工程を備える。また、前記光電変換層を形成する工程およびペロブスカイト構造を有する化合物の層を形成する工程は、ペロブスカイト構造の化合物の材料に高温気体を吹き付けながらスピンコートする工程である。
前記ペロブスカイト構造の化合物の材料は、CHNHPbI前駆体溶液に、塩化アンモニウムなどの光沢剤、臭化銅・ヨウ化銅・塩化銅・ヨウ化亜鉛・塩化亜鉛・臭化亜鉛などの遷移金属ハロゲン化物、臭化ドデシルトリメチルアンモニウム・塩化ドデシルトリメチルアンモニウム・臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム・塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム・臭化トリメチルステアリルアンモニウムなどの陽イオン(カチオン)系界面活性剤、塩化ベンザルコニウム、臭化ベンザルコニウムなどの第四級アンモニウム化合物、または、塩化鉛もしくは臭化鉛等を添加したものである。これらの物質を添加することにより、トレランスファクターが1に近づき、ペロブスイカイト結晶構造が安定化する。
前記ペロブスカイト構造の化合物の材料は、CHNHPbI前駆体溶液にClを添加したものである。
前記高温気体の温度は30〜150℃程度であり、たとえば90℃でもよい。
本発明の太陽電池は、基板、前記基板上の第1電極、前記第1電極上の電子輸送層、前記電子輸送層の上において、メソポーラスに形成されたn型半導体および該n型半導体の隙間に形成されたペロブスカイト構造を有する化合物を有する光電変換層、前記光電変換層の上のペロブスカイト構造を有する化合物の層、前記ペロブスカイト構造を有する化合物の層の上の正孔輸送層、前記正孔輸送層上の第2電極を備える。また、前記ペロブスカイト構造を有する化合物は、Pbの位置にCu、Znなど遷移金属元素や、Geなど半導体元素がドーピングされている場合も含む。
本発明によると、高温気体を吹き付けてペロブスカイト構造の化合物の材料をスピンコートした結果、ペロブスカイト構造を有する化合物の結晶は、I100/I210が5以上の緻密で(100)結晶配向性が高い結晶であり、粒界や欠陥などを抑制した太陽電池が製造できた。緻密で結晶配向性が高く、粒界や欠陥などが抑制されているため、キャリアの散乱などが起こりにくく、光電変換効率の高い太陽電池である。緻密で結晶配向性が高くなることで、従来に比べて耐久性が向上した長寿命の太陽電池である。またペロブスカイト前駆体溶液に、陽イオン系界面活性剤、第四級アンモニウム化合物などを添加し高温気体を吹き付けることで、緻密でI100/I210が5以上の高い(100)結晶配向性を有するペロブスカイト構造を有する化合物の結晶層を形成できる。
太陽電池の構成を示す図である。 太陽電池の分光感度特性を示すグラフである。
本発明の太陽電池およびその製造方法について図面を使用して説明する。
図1に示す太陽電池10は、基板12の上に第1電極14、電子輸送層16、光電変換層18、ペロブスカイト構造を有する化合物の層20、正孔輸送層22、第2電極24が順番に積層されている。
基板12は、ガラスや樹脂でできた透明基板である。基板12の一面上に第1電極14が形成され、他面が光入射面となる。他面に反射防止膜を設けて、光電変換層18への光の入射効率を高めても良い。基板12はフレキシブルなものであっても良い。
第1電極14は、FTO(Fluorine-doped Tin Oxide)、ITO(Indium Tin Oxide)、またはZnO(Zinc Oxide)などの透明電極である。第1電極14が陰極になる。1枚の基板12に対して、第1電極14は1つであっても良いし、複数に分割されていても良い。
電子輸送層16は、電子の流れを良くし、変換効率を高めるための層である。また、電子輸送層16によって光電変換層18にあるn型半導体とp型半導体とが接合されたpn半導体混合層のうちのp型半導体層が、第1電極14に短絡することを防止する。電子輸送層16は、酸化チタン(TiO)または酸化亜鉛(ZnO)などの透明導電性物質で構成される。電子輸送層16の層厚は5〜100nm程度であり、たとえば30nm程度である。
電子輸送層16の金属原子位置に、価数の多い原子をドーピングしても良い。ドーピングによって光電変換効率などを向上させる。電子輸送層16がTiOの場合、Ti4+よりも価数の多いNb5+、V5+、Ta5+等をドーピングし、電子輸送層16がZnOの場合、Zn2+よりも価数の多いGa3+、In3+、Al3+等をドーピングする。
光電変換層18は、n型半導体とp型半導体とが不規則な形状で接合されたpn半導体混合層である。n型半導体がメソポーラス(多孔性)になっており、不規則な形状の隙間(微細空間)を多数有する。その隙間にp型半導体が入り込んでいる。そのため、n型半導体とp型半導体の接触面積が増加し、変換効率(発電効率)を高めることができる。
メソポーラスなn型半導体はTiOまたはZnOが用いられる。n型半導体の層厚は0〜1000nm程度、好ましくは0〜300nm程度である。層厚が厚くなればn型半導体とp型半導体の接触面積が広くなり、変換効率が高まるが、製造効率が悪化する。上記層厚の範囲内で変換効率と製造効率の最適なものを選択する。
電子輸送層16と同様に、メソポーラスなn型半導体の金属原子位置に、価数の多い原子をドーピングしても良い。ドーピングする原子は上記の電子輸送層16と同じである。
p型半導体はペロブスカイト構造を有する化合物が用いられる。ペロブスカイト構造を有する化合物としては、CHNHPbI、CHNHPb1−xSb、CHNHPb1−xBi、CHNHPb1−xAs、CHNHPb1−xTe、CHNHPb1−xTl、CHNHPb1−xIn、CHNHPb1−xGa、CHNHPb1−xSb3−xBr、CHNHPb1−xSb3−xCl、CHNHPb1−xSbBr3−yCl、CHNHPb1−xSb3−2yBrCl、CHNHPb1−xCu、CHNHPb1−xZn、CHNHPb1−xCu3−xCl、CHNHPb1−xZn3−xCl、CHNHPb1−xCu3−xBr、CHNHPb1−xZn3−xBr、CHNHPb1−xCu3−xClBr、CHNHPb1−xZn3−xClBr、CHNHPb1−xGe、CHNHPb1−xGe3−xCl、CHNHPb1−xGe3−xBr、またはCHNHPb1−xGe3−xClBr、などが挙げられる。またこれら添加元素と、ハロゲン元素は、混合して添加しても良い。添加元素により、トレランスファクターが1に近づき、ペロブスイカイト結晶構造が安定化することが期待される。
ペロブスカイト構造を有する化合物(たとえばCHNHPbI)のヨウ素の原子位置にハロゲン元素をドーピングする。ドーピングする元素はたとえばCl、BrまたはFなどである。ドーピングする量はたとえば0.01〜50mol%である。ドーピングによって光電変換効率を向上させるが、ドーピング量が多くなるとかえって光電変換効率が下がるため、上記の範囲でドーピングすることが好ましい。
さらに、ペロブスカイト構造を有する化合物(たとえばCHNHPbI)において、14族元素であるPbの原子位置に、Cu、Zn等の遷移金属や、Ge等の半導体元素をドーピングしても良い。ドーピングする量はたとえばPb全体の0.01〜50mol%程度までである。ドーピング量が増えすぎると、ペロブスカイト構造が形成しにくくなるため、上記の範囲でドーピングすることが好ましい。ドーピングによってPbを減らすことができ、ドーピングした分だけ環境負荷を低下させることができる。
ペロブスカイト構造を有する化合物の層20は、上記p型半導体と同じ材料によって形成されている。ペロブスカイト構造を有する化合物の層20によって、光電変換層18のn型半導体が正孔輸送層22に短絡するのを防止している。あまり層厚が厚くなると変換効率を悪化させるため、たとえば500nm以下の層厚にする。
正孔輸送層22は、ホールの流れを良くし、変換効率を高めるための層である。正孔輸送層22は、spiro-OMeTAD(2,2',7,7'-tetrakis-(N,N-di-pmethoxyphenylamine)9,9'-spirobifluoreneの略称)が挙げられる。また、カーボンペースト、ポリ−3−ヘキシルチオフェン(P3HT)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホネート)(通称PEDOT:PSS)、CsSnIであっても良い。正孔輸送層22の層厚は、約5〜50nm程度である。5nm未満では被覆率が不足するおそれがあり、50nmを超えると電気抵抗が増加するおそれがあるためである。spiro-OMeTADおよびペロブスカイト構造を有する化合物の層20の劣化を防ぐために、太陽電池10をカバーガラス、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、ポリビニルブチラール(PVB)もしくはシリコーン樹脂などで封止するのが好ましい。
正孔輸送層22は、spiro-OMeTADに代えて、フタロシアニン、ナフタロシアニン、サブフタロシアニンまたはポリシランなどを使用することもできる。フタロシアニン、ナフタロシアニン、サブフタロシアニンまたはポリシランは、spiro-OMeTADよりも大気中での安定性が高いため、大気中での長期間の使用に耐えられる。また、フタロシアニン、ナフタロシアニン、サブフタロシアニンまたはポリシランは、spiro-OMeTADよりも安価であり、太陽電池10のコストを下げられる。
第2電極24は、陽極である。第2電極24は、Au、Ag、Cu、Al、またはCなどの仕事関数が5.2eV以下の導電体を使用することができる。第2電極24の層厚は100nm以上あればよく、たとえば150〜300nm程度である。
太陽電池10の製造方法について説明する。(1)ガラスなどの透明な基板12を準備する。この準備には、基板12を所望形状に切断したり、洗浄したりすることを含む。
(2)基板12の一面上に第1電極14を形成する。FTOやITOなどの透明電極を、スパッタリング法、熱蒸着法、もしくはスプレー熱分解法などにより、成膜をおこなう。必要に応じて透明電極を所望形状にパターニング(エッチング)する。
(3)第1電極14の上に電子輸送層16を形成する。TiO前駆体溶液と溶媒とを撹拌した溶液を滴下、スピンコートし、熱処理することにより、TiOの電子輸送層16を形成する。電子輸送層16はメソポーラス構造ではない緻密な構造を有し、層内にペロブスカイト構造を有する化合物が浸入することはない。
TiO前駆体溶液として、Titanium diisopropoxide bis(acetyl acetonate)(ジイソプロポキシチタン(IV)ビス(4-オキソ-2-ペンテン-2-オラート))が使用できるが、titanium isopropoxide(オルトチタン酸テトライソプロピル)等のTi元素を含む溶液またはTiOゾルゲル溶液等も使用できる。溶媒として1-butanol(1−ブタノール)を使用し、TiO前駆体溶液と溶媒とを撹拌したものを滴下する。
(4)メソポーラス構造を有するn型半導体の層を形成する。TiO溶液をスピンコートし、熱処理することにより、TiOのn型半導体の層を形成する。
TiO溶液はTiO粉末と高分子化合物に超純水を加えて撹拌し、さらに撹拌した溶液に有機化合物と界面活性剤を加えてさらに撹拌した溶液を使用する。高分子化合物としてPolyethylene glycol(ポリエチレングリコール)やEthyl cellulose(エチルセルロース)が挙げられ、有機化合物としてAcetyl acetone(アセチルアセトン)が挙げられる。界面活性剤としてはポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの一種の非イオン系界面活性剤が使用でき、たとえばポリエチレングリコール p-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-フェニルエーテルなどの化合物を含む界面活性剤を使用する。
(5)ペロブスカイト構造を有する化合物をn型半導体の層の隙間および上に形成する。n型半導体の層はメソポーラスになっており、層内に不規則な隙間を有する。ペロブスカイト構造の化合物の溶液をスピンコートし、熱処理することにより、n型半導体の層の隙間およびその上にペロブスカイト構造を有する化合物が形成される。すなわち、光電変換層およびその上のペロブスカイト構造を有する化合物の層が同時に形成される。
スピンコートする材料は、ペロブスカイト構造を形成するCHNHPbI前駆体溶液に、添加剤としてCl化合物(塩化鉛:PbClなど)を添加し、さらに塩化アンモニウム(NHCl)、臭化銅(CuBr、CuBr)、ヨウ化銅(CuI)、塩化銅(CuCl)、ヨウ化亜鉛(ZnI)、塩化亜鉛(ZnCl)、臭化亜鉛(ZnBr)、ヨウ化ゲルマニウム(GeI)、臭化ドデシルトリメチルアンモニウム(C1534BrN)もしくは塩化ドデシルトリメチルアンモニウム(Cl34ClN)を添加したものである。さらに添加剤は、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(C19H42Br)、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(C19H42ClN)、臭化トリメチルステアリルアンモニウム(C21H46BrN)などの陽イオン系界面活性剤、塩化ベンザルコニウム[C6H5CH2N+(CH3)2R・Cl-(R = C8H17 〜 C18H37、長鎖アルキル)]、臭化ベンザルコニウム[C6H5CH2N+(CH3)2R・Br-(R = C8H17 〜 C18H37、長鎖アルキル)]などの第四級アンモニウム化合物であっても良い。
上記溶液のスピンコートは複数回おこなうことが好ましい。n型半導体の層の中にペロブスカイト構造の化合物が浸入するが、複数回のスピンコートによって、徐々に浸入させ、確実にn型半導体の層中にペロブスカイト構造の化合物が形成されるようにする。
スピンコートする際に、ペロブスカイト構造の化合物の溶液に対して高温気体を吹き付ける。温度は30〜150℃程度であり、たとえば90℃の気体を溶液に吹き付ける。この吹き付けによって高い結晶配向性を示すペロブスカイト構造を有する化合物の層20になる。なお、気体温度が高くなるとペロブスカイト構造が形成されにくくなるので、上記温度が好ましい。
スピンコートを複数回した後に熱処理するが、1回のスピンコートごとに熱処理をおこなっても良い。このときの熱処理温度は90〜200℃程度であり、たとえば140℃である。
ペロブスカイト構造の化合物のスピンコートおよび熱処理は、大気圧下でおこなう。ペロブスカイト構造の化合物を大気中でスピンコートしており、容易にスピンコートできる。なお製造方法にこだわらないのであれば、窒素ガス雰囲気中もしくは減圧環境下でスピンコートをおこなっても良い。
スピンコートおよび熱処理する際に、n型半導体の層の上にペロブスカイト構造を有する化合物の層20が形成される。このペロブスカイト構造を有する化合物の層20によって、n型半導体が正孔輸送層22に短絡されるのを防止できる。
上述の例では、スピンコートを多数回行ったが、他の多層積層法を使用しても良い。たとえばスクリーン印刷、ドクターブレードなどの方法をおこなって、ペロブスカイト構造を有する化合物を形成しても良い。
(6)正孔輸送層22を形成する。正孔輸送材料の溶液をスピンコートすることで正孔輸送層22を形成する。正孔輸送層材料を蒸着して、正孔輸送層22を形成しても良い。
(7)第2電極24を形成する。蒸着装置によってAuなどの導電体を蒸着し、第2電極24とする。電極形成は、スピンコート、スクリーン印刷などの方法を用いてもよい。第2電極24を形成した段階で太陽電池10の製造が終了する。必要に応じて太陽電池10にカバーや封止をしたり、各電極14、24に配線を接続したりする。
実験例
次に、ペロブスカイト構造の化合物の溶液に対して添加剤を変更した場合の実験結果について説明する。実施例1〜4として、太陽電池10を以下のようにして製造した。先ず、洗浄したFTO基板にTiOx前駆体溶液をスピンコートして500℃で熱処理し、電子輸送層であるコンパクトTiO層を形成した。その上にTiOナノ粒子溶液をスピンコートして500℃で熱処理し、微細界面を増加させるメソポーラスTiOを形成した。その後、ペロブスカイト構造を形成するCHNHPbI前駆体溶液に、添加剤としてCl化合物(PbCl)を添加し、さらに塩化アンモニウム(NHCl:実施例1)、臭化銅(CuBr:実施例2)、ヨウ化銅(CuI:実施例3)、もしくは臭化ドデシルトリメチルアンモニウム(C1534BrN:実施例4)を添加し、90℃の気体を吹き付けながらスピンコート法により多層成膜法により形成し、140℃で10分間熱処理した。ペロブスカイト層を形成した基板上に、ホール輸送材料としてSpiro-OMeTADをスピンコートした。これらの成膜はすべて大気中で行った。最後に電極としてAuを蒸着した。
なお、比較例1として従来のペロブスカイト太陽電池を製造した。その際、ペロブスカイト構造を形成するCHNHPbI前駆体溶液への添加剤は無く、100℃、15分間熱処理した。また、ペロブスカイト構造を形成するときのスピンコートは90℃の気体を吹き付けなかった。それ以外は、上記の実施例と同じ方法で太陽電池を製造した。
光電変換素子特性をソーラーシミュレータ(株式会社三永電機製作所製)により評価した。また、X線回折によって結晶配向性について評価した。その結果を表1に示す。実施例1〜4に示す添加剤を添加することで、ペロブスカイト構造を有する化合物の層20において、Iの一部がClまたはBrに置換され、Pbの一部がCuに置換されている。本願で示す添加剤によって、添加剤を加えていない場合よりも光電変換効率が上がっていることが分かった。
Figure 2019075487
また、表1の結晶配向性はX線回折のピーク比である。結晶配向性は、X線回折における100面のピークと210面のピークの比である。実施例1が非常に高い値になっていて、結晶配向性が高いことがわかる。結晶配向性が高くなることで、キャリアの移動を阻害する結晶粒界や欠陥構造が減少していると考えられる。そのため、添加物の無い太陽電池に比べて高い光電変換効率になっている。なお、ハロゲン元素を添加する方法は従来から知られており、スピンコート時の高温のエアブローによって高結晶配向になっていることがわかる。
さらに、表2に大気中での安定性について示す。実施例5は14日間大気中にあっても光電変換効率の減少は小さい。従来の太陽電池(比較例2)は、7日間でほとんど使用できなくなった。本願の太陽電池が、高結晶配向になり、緻密で欠陥の少ない構造を有するため、劣化しにくいものと考えられる。
Figure 2019075487
図2に示すように、従来に比べて添加剤を添加した場合は可視光領域を超える300〜800nmの波長の光に対して光電変換量子収率(IPCE)の向上が確認できた。光電変換可能な波長領域も長波長側と短波長側のいずれでも拡大されていることが分かった。
その他、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。
10:太陽電池
12:基板
14:第1電極
16:電子輸送層
18:光電変換層
20:ペロブスカイト構造を有する化合物の層
22:正孔輸送層
24: 第2電極

Claims (5)

  1. 基板を準備する工程と、
    前記基板の一面上に第1電極を形成する工程と、
    前記第1電極の上に電子輸送層を形成する工程と、
    前記電子輸送層の上にn型半導体をメソポーラスに形成する工程と、
    前記メソポーラスに形成されたn型半導体に存在する隙間にペロブスカイト構造を有する化合物を形成し、光電変換層を形成する工程と、
    前記光電変換層の上にペロブスカイト構造を有する化合物の層を形成する工程と、
    前記ペロブスカイト構造を有する化合物の層の上に正孔輸送層を形成する工程と、
    前記正孔輸送層の上に第2電極を形成する工程と、
    を備え、
    前記光電変換層を形成する工程およびペロブスカイト構造を有する化合物の層を形成する工程は、ペロブスカイト構造の化合物の材料に高温気体を吹き付けながらスピンコートする工程である太陽電池の製造方法。
  2. 前記ペロブスカイト構造の化合物の材料は、CHNHPbI前駆体溶液に、塩化アンモニウム、臭化銅、ヨウ化銅、塩化銅、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、塩化亜鉛、ヨウ化ゲルマニウム、臭化ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、臭化トリメチルステアリルアンモニウムなどの陽イオン系界面活性剤、塩化ベンザルコニウム、もしくは臭化ベンザルコニウムを含む第四級アンモニウム化合物を添加したものである請求項1の太陽電池の製造方法。
  3. 前記ペロブスカイト構造の化合物の材料は、CHNHPbI前駆体溶液に塩化鉛を含むCl化合物を添加したものである請求項1または2の太陽電池の製造方法。
  4. 前記高温気体の温度が90℃である請求項1から3のいずれかの太陽電池の製造方法。
  5. 基板と、
    前記基板上の第1電極と、
    前記第1電極上の電子輸送層と、
    前記電子輸送層の上において、メソポーラスに形成されたn型半導体および該n型半導体の隙間に形成されたペロブスカイト構造の化合物を有する光電変換層と、
    前記光電変換層の上のペロブスカイト構造を有する化合物の層と、
    前記ペロブスカイト構造の化合物の層の上の正孔輸送層と、
    前記正孔輸送層上の第2電極と、
    を備え、
    前記ペロブスカイト構造の化合物は、Pbの位置にCuまたはZnを含む遷移金属またはGeを含む半導体元素がドーピングされている太陽電池。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110534597A (zh) * 2019-09-18 2019-12-03 吉林大学 一种近红外光电探测器及其制备方法
CN114220880A (zh) * 2021-11-25 2022-03-22 浙江爱旭太阳能科技有限公司 太阳能叠层电池组件及其制备方法、光伏系统

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