JP2019075342A - 発光素子、赤外光源、及び発光素子の製造方法 - Google Patents

発光素子、赤外光源、及び発光素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】グラファイト薄膜を安定的に支持すると共にグラファイト薄膜から基板への熱伝導を抑制する。【解決手段】一実施形態に係る発光素子4は、基板41と、基板41上に配置されたグラファイト薄膜42と、グラファイト薄膜42における基板41に対向する第1面42aとは反対側の第2面42bにおいて、グラファイト薄膜42の縁部42c,42dに設けられた電極43と、を備え、基板41におけるグラファイト薄膜42に対向する表面には、少なくとも基板41の厚さ方向から見てグラファイト薄膜42の縁部42c,42dを除いた部分と基板41とが重なる領域A1の全体に亘って、グラファイト薄膜42を支持する複数の突状部10(突状部形成領域P)が形成されている。【選択図】図3

Description

本発明は、発光素子、赤外光源、及び発光素子の製造方法に関する。
赤外光源として、グラファイト薄膜(例えば単層又は多層のグラフェン)を用いた発光素子を備えた光源が知られている(特許文献1〜3参照)。
特許第6155012号公報 特開2014−67544号公報 国際公開第2013/090774号
特許文献1に記載の構造では、グラファイト薄膜の一方の面の全体が基板表面の絶縁膜と接触しているため、グラファイト薄膜から基板への熱伝導(放熱)が顕著となる。このため、グラファイト薄膜を効率良く加熱して高輝度化を図る上で、改善の余地がある。また、上記構造では、グラファイト薄膜からの熱によって基板が損傷するおそれもある。一方、特許文献2に記載されているようにグラファイト薄膜の縁部を一対の電流端子で支える構造によれば、グラファイト薄膜から基板への熱伝導を抑制できる可能性があるが、このような構造によってグラファイト薄膜を安定的に支持することは極めて困難である。特に長尺なグラファイト薄膜を使用する場合において、グラファイト薄膜の支持が不安定となる。このように、特許文献1,2に記載の構造では、グラファイト薄膜を安定的に支持すると共にグラファイト薄膜から基板への熱伝導を抑制することは困難である。また、特許文献3にも、このような課題を解決するための構造について何ら開示されていない。
そこで、本発明は、グラファイト薄膜を安定的に支持すると共にグラファイト薄膜から基板への熱伝導を抑制することができる発光素子、赤外光源、及び発光素子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る発光素子は、基板と、基板上に配置されたグラファイト薄膜と、グラファイト薄膜における基板に対向する第1面とは反対側の第2面において、グラファイト薄膜の縁部に設けられた電極と、を備え、基板におけるグラファイト薄膜に対向する表面には、少なくとも基板の厚さ方向から見てグラファイト薄膜の縁部を除いた部分と基板とが重なる領域の全体に亘って、グラファイト薄膜を支持する複数の突状部が形成されている。
本発明の一側面に係る発光素子では、グラファイト薄膜の中央部分(縁部を除いた部分)と基板とが重なる領域全体に亘って、グラファイト薄膜を支持する複数の突状部が形成されている。グラファイト薄膜の中央部分が複数の突状部によって複数の場所で支持されることにより、グラファイト薄膜が基板に対して安定的に支持される。また、グラファイト薄膜は、複数の突状部と部分的に接触することになるため、グラファイト薄膜から基板への熱伝導が抑制される。以上により、上記発光素子によれば、グラファイト薄膜を安定的に支持すると共にグラファイト薄膜から基板への熱伝導を抑制することができる。
突状部におけるグラファイト薄膜と接触する部分は、絶縁性を有していてもよい。この場合、グラファイト薄膜から基板へのリーク電流を抑制し、効率良くグラファイト薄膜のみを加熱することができる。
突状部は、基板の厚さ方向から見てグラファイト薄膜と基板とが重なる領域に設けられていてもよい。この場合、グラファイト薄膜の第1面の全域に亘って、グラファイト薄膜と基板との間の熱絶縁を図ることができる。これにより、グラファイト薄膜から基板への熱伝導をより一層効果的に抑制できる。
突状部は、基板の厚さ方向から見て電極と基板とが重なる領域には設けられていなくてもよい。この場合、基板の厚さ方向から見て電極と基板とが重なる領域に突状部が設けられないことにより、グラファイト薄膜における電極と重なる部分から基板への熱伝導は、突状部によって抑制されない。これにより、グラファイト薄膜における電極と重なる部分の熱については効率良く基板に逃すことが可能となり、グラファイト薄膜における電極と重なる部分が高温になることを抑制することができる。その結果、グラファイト薄膜における電極と重なる部分からの熱による電極の損傷を抑制し得る。
突状部におけるグラファイト薄膜と接触する部分の高さ位置は、基板におけるグラファイト薄膜に対向する表面のうち突状部が形成されていない部分の高さ位置と同一であってもよい。この構成によれば、突状部が形成された部分と突状部が形成されていない部分との両方の部分にグラファイト薄膜が跨る場合であっても、グラファイト薄膜を平坦な状態で支持することができる。これにより、グラファイト薄膜の反りを抑制し、グラファイト薄膜の損傷を抑制することができる。
基板は、基板部材と、基板部材におけるグラファイト薄膜に対向する表面に設けられた絶縁層と、を有し、突状部は、絶縁層に形成されていてもよい。この構成によれば、基板部材上に設けられた絶縁層の微細加工により、突状部を形成することができる。
基板部材は、シリコンにより形成されており、絶縁層は、二酸化ケイ素により形成されていてもよい。この構成によれば、シリコン(基板部材)の表面に形成された二酸化ケイ素(絶縁層)の微細加工により、比較的容易なプロセスで突状部を形成することができる。
突状部とグラファイト薄膜との接触面積は、突状部と基板部材との接触面積よりも小さくてもよい。突状部と基板部材との接触面が大きい程、突状部を基板部材に対して安定的に支持することができる。また、突状部とグラファイト薄膜との接触面が小さい程、グラファイト薄膜から突状部への熱伝導を抑制でき、突状部を介した基板部材への熱伝導を効果的に抑制することができる。
突状部は、柱状に形成されていてもよい。この構成によれば、複数の柱状の突状部により、グラファイト薄膜を複数の場所で部分的且つ安定的に支持する構造を実現できる。
複数の突状部は、一方向に沿って並設された複数の壁部を含んでいてもよい。この構成によれば、複数の壁部によってグラファイト薄膜を部分的に支持することでグラファイト薄膜から基板への熱伝導を抑制しつつ、グラファイト薄膜をより一層安定的に支持することが可能となる。
突状部におけるグラファイト薄膜に対向する表面には、微細な凹凸構造を有する微細構造部が形成されていてもよい。この構成によれば、突状部の表面に形成された微細構造部によって、グラファイト薄膜と突状部との接触面積を更に減少させることができるため、グラファイト薄膜から基板への熱伝導をより一層効果的に抑制することができる。
グラファイト薄膜は、単層又は多層のグラフェンであってもよい。特に、グラファイト薄膜は、層数が100〜2000である多層のグラフェンであってもよい。発光強度を向上させるためには、グラファイト薄膜の層数は多い方がよい。一方、熱応答速度を改善する観点からは、グラファイト薄膜の熱容量を低くするために、グラファイト薄膜の層数は少ない方がよい。グラファイト薄膜の層数を100〜2000とすることにより、上記観点において好適な発光素子が得られる。
グラファイト薄膜は、基板の厚さ方向から見て矩形状に形成されており、グラファイト薄膜の長辺の長さは、100μm以上であってもよい。グラファイト薄膜は、非常に薄く柔軟性に富む。このため、例えば、長尺なグラファイト薄膜の両端2点を支持する架橋構造を採用した場合、グラファイト薄膜の中央部分が大きく撓み、損傷するおそれがある。一方、上記発光素子では、グラファイト薄膜は、複数の突状部によって複数の場所で支持されるため、上記のような架橋構造を採用した場合に生じ得るグラファイト薄膜の損傷が抑制される。これにより、グラファイト薄膜の長尺化を実現できる。また、長辺の長さが100μm以上の長尺なグラファイト薄膜を採用することにより、発光素子の設計自由度を向上させることができる。
本発明の他の側面に係る発光素子は、基板と、基板上に配置されたグラファイト薄膜と、グラファイト薄膜における基板に対向する第1面とは反対側の第2面において、グラファイト薄膜の縁部に設けられた電極と、基板におけるグラファイト薄膜に対向する表面のうち、少なくとも基板の厚さ方向から見てグラファイト薄膜の縁部を除いた部分と基板とが重なる領域に設けられた、ポーラス構造を有する被覆層と、を備える。
本発明の他の側面に係る発光素子では、少なくともグラファイト薄膜の中央部分(縁部を除いた部分)が、被覆層によって支持される。これにより、グラファイト薄膜が基板に対して安定的に支持される。また、被覆層がポーラス構造を有するため、グラファイト薄膜から被覆層を介した基板への熱伝導が抑制される。以上により、上記発光素子によれば、グラファイト薄膜を安定的に支持すると共にグラファイト薄膜から基板への熱伝導を抑制することができる。
本発明の一側面に係る赤外光源は、光透過窓を有し、真空状態に保持された内部空間を形成するパッケージと、パッケージ内に配置されたステムと、ステム上に配置された発光素子と、を備え、発光素子は、基板と、基板上に配置されたグラファイト薄膜と、グラファイト薄膜における基板に対向する第1面とは反対側の第2面において、グラファイト薄膜の縁部に設けられた電極と、を有し、基板におけるグラファイト薄膜に対向する表面には、少なくとも基板の厚さ方向から見てグラファイト薄膜の縁部を除いた部分と基板とが重なる領域の全体に亘って、グラファイト薄膜を支持する複数の突状部が形成されており、グラファイト薄膜から発光された光は、光透過窓を介してパッケージの外部に出射される。
本発明の一側面に係る赤外光源は、上述した効果を有する発光素子を有する。したがって、この赤外光源によれば、発光素子において、グラファイト薄膜を安定的に支持すると共にグラファイト薄膜から基板への熱伝導を抑制することができる。
本発明の他の側面に係る赤外光源は、ステムと、光透過窓が設けられたキャップと、を有し、真空状態に保持された内部空間を形成するパッケージと、ステム上に配置された発光素子と、を備え、発光素子は、基板と、基板上に配置されたグラファイト薄膜と、グラファイト薄膜における基板に対向する第1面とは反対側の第2面において、グラファイト薄膜の縁部に設けられた電極と、基板におけるグラファイト薄膜に対向する表面のうち、少なくとも基板の厚さ方向から見てグラファイト薄膜の縁部を除いた部分と基板とが重なる領域に設けられた、ポーラス構造を有する被覆層と、を有し、グラファイト薄膜から発光された光は、光透過窓を介してパッケージの外部に出射される。
本発明の他の側面に係る赤外光源は、上述した効果を有する発光素子を有する。したがって、この赤外光源によれば、発光素子において、グラファイト薄膜を安定的に支持すると共にグラファイト薄膜から基板への熱伝導を抑制することができる。
本発明の一側面に係る発光素子の製造方法は、基板を準備する準備工程と、基板の表面における少なくとも一部の領域に複数の突状部を形成する形成工程と、グラファイト薄膜の第1面のうち少なくともグラファイト薄膜の縁部を除いた部分が複数の突状部に接触するように、グラファイト薄膜を基板上に配置する配置工程と、グラファイト薄膜の第1面とは反対側の第2面において、グラファイト薄膜の縁部に電極を形成する電極形成工程と、を含む。
本発明の一側面に係る発光素子の製造方法では、基板の表面における少なくとも一部の領域に複数の突状部が形成され、グラファイト薄膜の中央部分(縁部を除いた部分)が当該複数の突状部に接触した構造が得られる。このようにグラファイト薄膜の中央部分が複数の突状部によって複数の場所で支持されることにより、グラファイト薄膜が基板に対して安定的に支持される。また、グラファイト薄膜は、複数の突状部と部分的に接触することになるため、グラファイト薄膜から基板への熱伝導が抑制される。以上により、上記発光素子の製造方法によれば、グラファイト薄膜を安定的に支持すると共にグラファイト薄膜から基板への熱伝導を抑制することが可能な発光素子が得られる。
上記発光素子の製造方法は、準備工程は、基板部材を準備する工程と、基板部材の表面に絶縁層を設ける工程と、を含み、形成工程において、絶縁層の少なくとも一部の領域をエッチングすることにより、複数の突状部を形成してもよい。この場合、基板部材の表面に設けられた絶縁層のエッチングという比較的容易なプロセスによって突状部を形成することができる。
本発明の他の側面に係る発光素子の製造方法は、基板を準備する準備工程と、基板の表面における少なくとも一部の領域に、ポーラス構造を有する被覆層を形成する被覆層形成工程と、グラファイト薄膜の第1面のうち、少なくともグラファイト薄膜の縁部を除いた部分と被覆層とが重なるように、グラファイト薄膜を被覆層上に配置する配置工程と、グラファイト薄膜の第1面とは反対側の第2面において、グラファイト薄膜の縁部に電極を形成する電極形成工程と、を含む。
本発明の他の側面に係る発光素子の製造方法では、基板の表面における少なくとも一部の領域に、ポーラス構造を有する被覆層が形成され、グラファイト薄膜の中央部分(縁部を除いた部分)が当該被覆層に接触した構造が得られる。このようにグラファイト薄膜の中央部分が、被覆層によって支持されることにより、グラファイト薄膜が基板に対して安定的に支持される。また、被覆層がポーラス構造であるため、グラファイト薄膜から被覆層を介した基板への熱伝導が抑制される。以上により、上記発光素子の製造方法によれば、グラファイト薄膜を安定的に支持すると共にグラファイト薄膜から基板への熱伝導を抑制することが可能な発光素子が得られる。
本発明によれば、グラファイト薄膜を安定的に支持すると共にグラファイト薄膜から基板への熱伝導を抑制することができる発光素子、赤外光源、及び発光素子の製造方法を提供することができる。
第1実施形態に係る発光素子を含む赤外光源を示す平面図である。 図1のII−II線に沿った断面図である。 図1に示される発光素子を示す平面図である。 図3のIV−IV線に沿った断面図である。 図1に示される発光素子の突状部形成領域を含む部分の概略構成を示す斜視図である。 図1に示される発光素子の熱解析モデルを説明するための図である。 図6に示される熱解析モデルのシミュレーション結果を示す図である。 図1に示される発光素子の製造工程を示す概略図である。 図1に示される発光素子の製造工程を示す概略図である。 第1実施形態の変形例を示す概略図である。 第2実施形態に係る発光素子を示す概略図である。 第3実施形態及び第4実施形態に係る発光素子を示す概略図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、各図において同一部分又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、各図に示される各部材(又は部位)の寸法又は寸法の比率は、説明をわかり易くするために、実際の寸法又は寸法の比率とは異なることがある。
[第1実施形態]
図1及び図2を参照して、本実施形態に係る赤外光源1の構成について説明する。図1は、第1実施形態に係る発光素子4を含む赤外光源1を示す平面図である。図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。図1においては、後述する光透過窓23の図示を省略している。図1及び図2に示されるように、赤外光源1は、真空状態に保持された内部空間Sを形成するパッケージ2と、パッケージ2内に配置されたステム3と、ステム3上に配置された発光素子4と、ベース板5と、ステムピン6と、ボンディングワイヤ7と、スペーサ8と、ハトメ9と、を備えている。発光素子4は、基板41と、グラファイト薄膜42と、電極43(ソース電極43a及びドレイン電極43b)と、を備えている。
パッケージ2は、例えば金属からなる円板状のベース部材21と、例えば金属からなる円筒状のキャップ22と、光透過窓23と、を有している。ベース部材21とキャップ22とは、ベース部材21の縁部とキャップ22のベース部材21側において外側に延びるリング状のフランジ部22aとが接触した状態で、気密に接合されている。キャップ22の上端部(フランジ部22aとは反対側の端部)には、内側に延びるリング状のフランジ部22bが形成されている。
光透過窓23は、円板状に形成されている。光透過窓23は、例えばCaF2(フッ化カルシウム)等の赤外光透過率の高い材料によって形成されている。光透過窓23は、キャップ22のフランジ部22bに接触すると共にキャップ22の上端部の内側表面に気密に接合されることにより、キャップ22に固定されている。以上のようにベース部材21、キャップ22、及び光透過窓23が気密に接合されることにより、パッケージ2の内側に、真空状態に保持された内部空間Sが形成されている。ベース部材21の内側表面(内部空間S側の表面)には、ベース部材21よりも一回り小さい円板状の金属からなるベース板5が接合されている。
ステム3は、ベース板5よりも一回り小さい円板状の部材である。ステム3は、例えばセラミックからなる。ステム3、ベース板5、及びベース部材21には、ステムピン6aを挿通させるための貫通孔3a、貫通孔5a、及び貫通孔21aと、ステムピン6bを挿通させるための貫通孔3b、貫通孔5b、及び貫通孔21bとが形成されている。貫通孔3a、貫通孔5a、及び貫通孔21aは、ステム3の厚さ方向から見て互いに重なる位置に形成されている。貫通孔3b、貫通孔5b、及び貫通孔21bは、ステム3の厚さ方向から見て互いに重なる位置に形成されている。ステムピン6aを挿通させるための貫通孔(貫通孔3a、貫通孔5a、及び貫通孔21a)とステムピン6bを挿通させるための貫通孔(貫通孔3b、貫通孔5b、及び貫通孔21b)とは、ソース電極43aとドレイン電極43bとが対向する方向に、互いに対向している。具体的には、ステム3の厚さ方向から見て、貫通孔3a、貫通孔5a、及び貫通孔21aは、ソース電極43aよりも外側に位置しており、貫通孔3b、貫通孔5b、及び貫通孔21bは、ドレイン電極43bよりも外側に位置している。すなわち、ステム3の厚さ方向から見て、ステムピン6aは、ソース電極43aの外側に位置しており、ステムピン6bは、ドレイン電極43bの外側に位置している。
各ステムピン6は、導電性を有する部材であり、例えばコバール金属にニッケルめっき(1〜10μm)と金めっき(0.1〜2μm)等を施した金属からなり、ステム3の厚さ方向に延在している。各ステムピン6とベース部材21の貫通孔21a,21bとは、例えば低融点ガラスからなるシール部材Gにより、気密に接合されている。各ステムピン6においてステム3から突出している一部分とステム3とは、ハトメ9を介して互いに固定されている。これにより、各ステムピン6は、ステム3に対して固定されている。ステムピン6aにおいてパッケージ2の外側に延びる部分は、図示しない外部電源等に接続される。一方、ステムピン6aにおいてステム3から突出している部分(本実施形態ではステムピン6aの先端)は、ボンディングワイヤ7を介して、ソース電極43aと電気的に接続されている。これにより、ソース電極43aと外部電源との間の導通が確保されている。同様に、ステムピン6bにおいてパッケージ2の外側に延びる部分は、図示しない外部電源等に接続される。一方、ステムピン6bにおいてステム3から突出している部分(本実施形態ではステムピン6bの先端)は、ボンディングワイヤ7を介して、ドレイン電極43bと電気的に接続されている。これにより、ドレイン電極43bと外部電源との間の導通が確保されている。
ステム3とベース板5との間には、各ステムピン6の周囲を覆うように、円筒状のスペーサ8が配置されている。スペーサ8は、例えばセラミックからなる。スペーサ8により、ステム3は、ベース板5から離間した位置に配置されている。
発光素子4は、基板41におけるグラファイト薄膜42が設けられる側とは反対側の面がダイボンディング等によってステム3の上面に固定されることにより、ステム3上に固定されている。電極43によって発光素子4のグラファイト薄膜42に電圧が印加されることによりグラファイト薄膜42から発光された光は、光透過窓23を介してパッケージ2の外部に出射される。
なお、赤外光源1の構成は上記構成に限られない。例えば、赤外光源1では、ステム3は、ソース電極43aとドレイン電極43bとが対向する方向に対向する2つのステムピン6a,6bによって固定されているが、ステム3をより安定的に固定するために、3つ以上のステムピンがステム3、ベース板5、及びベース部材21に挿通されてもよい。
図3及び図4を参照して、本実施形態に係る発光素子4の構成について説明する。図3は、発光素子4を示す平面図である。図4は、図3のIV−IV線に沿った断面図である。図3及び図4に示されるように、発光素子4は、基板41と、基板41上に配置されたグラファイト薄膜42と、基板41の厚さ方向から見てグラファイト薄膜42の縁部42c,42dに設けられた電極43(ソース電極43a及びドレイン電極43b)と、を有している。
基板41は、矩形板状に形成されている。本実施形態では、基板41は、矩形板状の基板部材411と、基板部材411におけるグラファイト薄膜42に対向する表面411aに設けられた絶縁層412と、を有している。
基板部材411は、Si(シリコン)によって形成されたシリコン基板である。基板部材411の厚さは、例えば600μm程度である。ただし、基板部材411は、グラファイト薄膜42と比べて電気抵抗が十分大きく、ソース電極43aとドレイン電極43bとの間で電気的に短絡しないような材料であればよく、例えばSiN、SiC、Al2O3、MgO等であってもよい。絶縁層412は、SiO2(二酸化ケイ素)によって形成されている。絶縁層412は、基板部材411の表面411aにコーティングされている。絶縁層412の厚さは、例えば2μm程度である。
グラファイト薄膜42は、基板41の厚さ方向から見て、基板41よりも一回り小さい矩形状(例えば短辺100μm×長辺200μm)に形成されており、基板41の中央部に配置されている。グラファイト薄膜42は、例えば層数が1〜2000である単層又は多層のグラフェン(又はグラファイト)である。グラフェン1層分の膜厚は、約3.3Å(0.33nm)である。グラファイト薄膜42の材料となる単層又は多層のグラフェンは、例えば、粘着テープ等によるグラファイトからの転写、化学気相成長法、SiC加熱法等により作製され得る。
グラファイト薄膜42は、電極43によって電圧を印加されて発熱することにより赤外光を発光する発光部として機能する。ここで、発光強度を向上させるためには、グラファイト薄膜42の層数は多い方がよい。一方、熱応答速度を改善する観点からは、グラファイト薄膜42の熱容量を低くするために、グラファイト薄膜42の層数は少ない方がよい。上記観点から、グラファイト薄膜42は、より好ましくは、層数が100〜2000の多層グラフェンであってもよい。グラファイト薄膜42の層数を100〜2000とすることにより、上記観点において好適な発光素子4が得られる。
電極43は、グラファイト薄膜42における基板41に対向する第1面42aとは反対側の第2面42bにおいて、グラファイト薄膜42の縁部42c,42dに設けられている。本実施形態では、基板41の厚さ方向から見て、グラファイト薄膜42の一方の短辺に沿った縁部42c上に矩形板状のソース電極43aが設けられており、グラファイト薄膜42の他方の短辺に沿った縁部42d上に矩形板状のドレイン電極43bが設けられている。なお、電極43の形状は、矩形板状以外の形状であってもよく、例えば櫛形等でもよい。また、本実施形態では電極43の全体がグラファイト薄膜42上に配置されているが、電極43の一部がグラファイト薄膜42の縁部42c,42dからはみ出していてもよい。この場合、グラファイト薄膜42の縁部42c,42dからはみ出した電極43の一部は、基板41の表面(本実施形態では、絶縁層412の表面)に接触していてもよい。また、電極43の材料は、電流が流れる材料であればどのような材料でもよく、例えばPd、Pt、Au、Ni、Co、Cr、Ti、Al等の金属であってもよいし、半導体であってもよい。ただし、グラファイト薄膜42の発光強度に関して高速変調が要求される場合には、電極43は、電気抵抗が小さい金属であることが好ましい。
基板41におけるグラファイト薄膜42に対向する表面には、少なくとも基板41の厚さ方向から見てグラファイト薄膜42の縁部42c,42dを除いた部分と基板41とが重なる領域A1の全体に亘って、グラファイト薄膜42を支持する複数の突状部が形成された突状部形成領域Pが設けられている。本実施形態では、絶縁層412が「基板41におけるグラファイト薄膜42に対向する表面」に相当する。突状部形成領域Pには、グラファイト薄膜42の中央部分(縁部42c,42dを除いた部分)を支持する複数の突状部(後述)が形成されている。基板41の厚さ方向から見て、突状部形成領域Pは、領域A1を包含するように設けられているが、電極43と基板41とが重なる領域A2には設けられていない。
図5は、発光素子4の突状部形成領域Pを含む部分の概略構成を示す斜視図である。図5に示されるように、本実施形態では一例として、突状部形成領域Pには、複数の突状部10が格子状に配置されている。突状部10は、例えば、基板41の表面(すなわち、絶縁層412)に対して微細加工技術を施すことによって、柱状に形成されている。具体的には、突状部10は、基板部材411から遠ざかるにつれて断面積が小さくなるテーパ状(本実施形態では、四角錐台状)に形成されている。例えば、突状部形成領域Pに含まれる絶縁層412に対して、CH3を用いたドライエッチング、或いはHF等を用いたウェットエッチング等が実行されることにより、複数の突状部10が形成されている。この場合、突状部10におけるグラファイト薄膜42と接触する部分の高さ位置(すなわち、突状部10の先端面の高さ位置)は、基板41におけるグラファイト薄膜42に対向する表面のうち突状部10が形成されていない部分の高さ位置(すなわち、絶縁層412のグラファイト薄膜42側の表面の高さ位置)と同一である。
図6及び図7を参照して、グラファイト薄膜42から基板部材411への熱伝導が突状部形成領域Pによって抑制されることを示した熱解析(シミュレーション)の結果について説明する。図6の(A)は、熱解析に用いられた実際の構造(ピラー構造)を概略的に示している。ここでは、グラファイト薄膜42は、膜厚が500nmの多層グラフェン(約1500層)である。グラファイト薄膜42の短辺の長さd1は100μmであり、長辺の長さd2は200μmである。グラファイト薄膜42は、3×7の格子状に配置された計21個のSiO2(絶縁層412の一部)からなる四角錐台状の突状部10によって支持されている。隣り合う突状部10同士の間隔d3は10μmである。突状部10において基板部材411に接する底面の形状は、1辺の長さd4が21μmの正方形である。突状部10においてグラファイト薄膜42に接する上面の形状は、1辺の長さd5が1μmの正方形である。突状部10の高さd6は10μmである。突状部10の傾斜角度(突状部10の側面と突状部10の底面とがなす角度)は45°である。なお、高さd6は、グラファイト薄膜42の一部が撓んで基板部材411に接触することがないような値に設定される。このため、突状部10の形状にもよるが、高さd6は、突状部形成領域Pに設けられる突状部10の密度が小さい(突状部10間の隙間が大きい)程大きい値に設定される。また、各突状部10とグラファイト薄膜42との接触熱抵抗は、10〜10W/(m・K)であり、各突状部10と基板部材411との接触熱抵抗(すなわち、絶縁層412と基板部材411との接触熱抵抗)は、1.25×10W/(m・K)である。
図6の(B)は、熱解析を簡易的に行うために、図6の(A)に示される実際の構造を置換することによって得られた解析モデルを示している。具体的には、解析モデルは、複数の突状部10を1つの突状部11に集約することにより得られたモデルである。本熱解析時におけるグラファイト薄膜42の設定条件(パラメータ)は、以下の通りである。
・熱伝導率:1000W/m/K
・入力電力:200mW
・輻射率:0.8
・グラファイト薄膜42と突状部11との接触熱抵抗:10W/(m・K)
・グラファイト薄膜42の膜厚:500nm
本発明者らは、上記設定条件の下、電極43によってグラファイト薄膜42に与えられる入力電力を200mWとして熱解析を行った。その結果、図7に示されるように、グラファイト薄膜42の最高温度は3094℃に到達する一方で、突状部11の最高温度は715℃であり、突状部11の最低温度は144℃であるという結果が得られた。突状部11の最高温度は、突状部11のグラファイト薄膜42と接する上面11a付近で計測され、突状部11の最低温度は、突状部11の基板部材411と接する下面11b付近で計測された。このように、上記熱解析によって、図6の(A)に示した構造(突状部形成領域P)がグラファイト薄膜42と基板部材411との熱絶縁を図る上で有効であることが示された。
[製造方法]
次に、発光素子4の製造方法について説明する。まず、基板41を準備する(準備工程)。準備工程は、基板部材411を準備する工程(図8の(A)参照)と、基板部材411の表面に絶縁層412を設ける工程(図8の(B))と、を含む。本実施形態のように基板部材411がSiにより形成されている場合には、絶縁層412は、例えば熱酸化膜形成により、基板部材411の表面411aにコーティングされる。
続いて、図9の(A)に示されるように、基板41の表面(ここでは、絶縁層412)における少なくとも一部の領域(突状部形成領域P)に複数の突状部10を形成する(形成工程)。複数の突状部10は、例えば、CH3を用いたドライエッチング、或いはHF等を用いたウェットエッチング等により形成される。
続いて、図9の(B)に示されるように、グラファイト薄膜42の第1面42aのうち少なくともグラファイト薄膜42の縁部42c,42dを除いた部分(中央部分)が複数の突状部10(すなわち、突状部形成領域P)に接触するように、グラファイト薄膜42を基板41上に配置する(配置工程)。グラファイト薄膜42は、例えば転写によって、基板41上に配置される。
続いて、図4に示されるように、グラファイト薄膜42の第2面42bにおいて、グラファイト薄膜42の縁部42c,42dに電極43を形成する(電極形成工程)。以上により、発光素子4が製造される。その後、図2に示されるように、当該発光素子4がダイボンディング等によってステム3上に固定され、ステム3及び発光素子4を含むユニットがパッケージ2内に収容されることにより、赤外光源1が製造される。
[作用効果]
以上述べた発光素子4では、グラファイト薄膜42の中央部分(縁部42c,42dを除いた部分)と基板41とが重なる領域A1全体に亘って、グラファイト薄膜42を支持する複数の突状部10(すなわち、突状部形成領域P)が形成されている。グラファイト薄膜42の中央部分が複数の突状部10によって複数の場所で支持されることにより、グラファイト薄膜42が基板41に対して安定的に支持される。また、グラファイト薄膜42は、複数の突状部10と部分的に接触することになるため、グラファイト薄膜42から基板41への熱伝導が抑制される。以上により、発光素子4によれば、グラファイト薄膜42を安定的に支持すると共にグラファイト薄膜42から基板41への熱伝導を抑制することができる。その結果、熱による基板41の損傷を抑制すると共に、グラファイト薄膜42の加熱による高輝度化を実現できる。また、グラファイト薄膜42を低電力で効率的に加熱することができる。
また、突状部10は絶縁性を有している。このため、グラファイト薄膜42から基板(基板部材411)へのリーク電流を抑制し、効率良くグラファイト薄膜42のみを加熱することができる。なお、上記効果を得るためには、少なくとも突状部10におけるグラファイト薄膜42と接触する部分が絶縁性を有していればよく、突状部10の全体が絶縁性を有していなくてもよい。
突状部10は、基板41の厚さ方向から見て電極43と基板41とが重なる領域A2(すなわち、グラファイト薄膜42の縁部42c,42dと基板41とが重なる領域)には設けられていない。領域A2に突状部10(すなわち、突状部形成領域P)が設けられないことにより、グラファイト薄膜42の縁部42c,42dから基板41への熱伝導は、突状部10によって抑制されない。これにより、グラファイト薄膜42の縁部42c,42dの熱については効率良く基板41に逃すことが可能となり、グラファイト薄膜42の縁部42c,42dが高温になることを抑制することができる。その結果、グラファイト薄膜42の縁部42c,42dからの熱による電極43の損傷を抑制し得る。
突状部10におけるグラファイト薄膜42と接触する部分の高さ位置(すなわち、突状部10の先端面の高さ位置)は、基板41におけるグラファイト薄膜42に対向する表面のうち突状部10が形成されていない部分の高さ位置(すなわち、絶縁層412のグラファイト薄膜42側の表面の高さ位置)と同一である。このため、本実施形態のように、突状部10が形成された部分(領域A1)と突状部10が形成されていない部分(領域A2)との両方の部分にグラファイト薄膜42が跨る場合であっても、グラファイト薄膜42を平坦な状態で支持することができる。これにより、グラファイト薄膜42の反りを抑制し、グラファイト薄膜42の損傷を抑制することができる。
基板41は、基板部材411と、基板部材411におけるグラファイト薄膜42に対向する表面411aに設けられた絶縁層412と、を有しており、突状部10は、絶縁層412に形成されている。この構成によれば、基板部材411上に設けられた絶縁層412の微細加工(例えば、上述したドライエッチング、ウェットエッチング等)により、突状部10を形成することができる。特に、基板部材411は、シリコンにより形成されており、絶縁層412は、二酸化ケイ素により形成されている。このため、シリコン(基板部材411)の表面に形成された二酸化ケイ素(絶縁層412)の微細加工により、比較的容易なプロセスで突状部10を形成することができる。
突状部10とグラファイト薄膜42との接触面積は、突状部10と基板部材411との接触面積よりも小さい。具体的には、突状部10は、基板部材411から遠ざかるにつれて断面積が小さくなるテーパ状(本実施形態では、四角錐台状)に形成されている。ここで、突状部10と基板部材411との接触面が大きい程、突状部10を基板部材411に対して安定的に支持することができる。また、突状部10とグラファイト薄膜42との接触面が小さい程、グラファイト薄膜42から突状部10への熱伝導を抑制でき、突状部10を介した基板部材411への熱伝導を効果的に抑制することができる。
突状部10は、柱状に形成されている。複数の柱状の突状部10により、グラファイト薄膜42を複数の場所で部分的且つ安定的に支持する構造を実現できる。
グラファイト薄膜42は、基板41の厚さ方向から見て矩形状に形成されており、グラファイト薄膜42の長辺の長さは、100μm以上である。本実施形態では、グラファイト薄膜42の短辺の長さについても、50μm以上となっている。グラファイト薄膜42は、非常に薄く柔軟性に富む。このため、例えば特許文献2に記載されているように、上記のような長尺なグラファイト薄膜42の両端2点を支持する架橋構造を採用した場合、グラファイト薄膜42の中央部分が大きく撓み、損傷するおそれがある。一方、発光素子4では、グラファイト薄膜42は、複数の突状部10によって複数の場所で支持されるため、上記のような架橋構造を採用した場合に生じ得るグラファイト薄膜42の損傷が抑制される。これにより、グラファイト薄膜42の長尺化を実現できる。また、長辺の長さが100μm以上の長尺なグラファイト薄膜42を採用することにより、発光素子4の設計自由度を向上させることができる。
また、赤外光源1は、上述した効果を有する発光素子4を有する。したがって、赤外光源1によれば、発光素子4において、グラファイト薄膜42を安定的に支持すると共にグラファイト薄膜42から基板41への熱伝導を抑制することができる。
また、上述した発光素子4の製造方法では、基板41の表面(ここでは絶縁層412)における少なくとも一部の領域(突状部形成領域Pに対応する領域)に複数の突状部が形成され、グラファイト薄膜42の中央部分(縁部42c,42dを除いた部分)が当該複数の突状部10に接触した構造が得られる。このようにグラファイト薄膜42の中央部分が複数の突状部10によって複数の場所で支持されることにより、グラファイト薄膜42が基板41に対して安定的に支持される。また、グラファイト薄膜42は、複数の突状部10と部分的に接触することになるため、グラファイト薄膜42から基板41への熱伝導が抑制される。以上により、上記発光素子4の製造方法によれば、グラファイト薄膜42を安定的に支持すると共にグラファイト薄膜42から基板41への熱伝導を抑制することが可能な発光素子4が得られる。
また、上記製造方法では、準備工程は、基板部材411を準備する工程と、基板部材411の表面411aに絶縁層412を設ける工程と、を含む。また、形成工程において、絶縁層412の少なくとも一部の領域(突状部形成領域Pに対応する領域)をエッチングすることにより、複数の突状部10が形成される。これにより、基板部材411の表面に設けられた絶縁層412のエッチングという比較的容易なプロセスによって突状部10を形成することができる。
[変形例1]
図10の(A)に示されるように、突状部形成領域Pに形成される複数の突状部は、一方向に沿って並設された複数の壁部12であってもよい。すなわち、突状部形成領域Pには、上述した柱状(具体的には四角錐台状)の突状部10の代わりに、いわゆるラインアンドスペースのパターンで形成された複数の壁部12が設けられていてもよい。このような壁部12は、上述した突状部10と同様に、絶縁層412のエッチングによって形成され得る。この場合、複数の壁部12によってグラファイト薄膜42を部分的に支持することでグラファイト薄膜42から基板41(特に基板部材411)への熱伝導を抑制しつつ、グラファイト薄膜42をより一層安定的に支持することが可能となる。
さらに、突状部形成領域Pに形成される複数の突状部は、格子状(網目状)のパターンで形成された複数の壁部であってもよい。具体的には、図10の(A)において、壁部12の延在方向に交差する方向に延在する複数の壁部(以下「第2壁部」)がさらに設けられてもよい。この場合、複数の第2壁部の各々と複数の壁部12の各々とが交差する部分において、各第2壁部と各壁部12とが接続される。格子パターンは、比較的加工が容易であるため、格子パターンを採用することにより、複数の突状部を容易なプロセスによって形成することができる。また、突状部としての壁部は、上記のように一方向に延在するものではなく、例えば曲線状、渦巻き状等のパターンで形成されたものであってもよい。
[変形例2]
図10の(B)に示されるように、突状部10におけるグラファイト薄膜42に対向する表面には、微細な凹凸構造を有する微細構造部13が形成されていてもよい。このような微細構造部13は、突状部10の表面に対する表面処理によって形成され得る。表面処理は、例えば、エッチングによって突状部10の表面を原子オーダーから1nmオーダー程度の細かさで荒らす処理、表面が粗い物質(例えばポーラスシリカ、ポーラスアルミナ等のポーラス物質等)のコーティング等である。この構成によれば、突状部10の表面に形成された微細構造部13によって、グラファイト薄膜42と突状部10との接触面積を更に減少させることができるため、グラファイト薄膜42から基板41への熱伝導をより一層効果的に抑制することができる。なお、微細構造部13は、突状部10以外の形状の突状部(例えば、上述した壁部12及び第2壁部等)の表面にも形成され得る。
[その他の変形例]
上述した発光素子4では、突状部形成領域Pは、領域A2を避けるようにして形成されているが、例えば、グラファイト薄膜42からの熱による電極43の損傷のおそれがなく、むしろグラファイト薄膜42から基板41への熱伝導をより効果的に抑制したい場合には、突状部形成領域Pは、領域A2にも設けられてもよい。すなわち、複数の突状部10は、基板41の厚さ方向から見てグラファイト薄膜42と基板41とが重なる領域(図4に示される領域A1及び領域A2を併せた領域)に設けられてもよい。この場合、グラファイト薄膜42の第1面42aの全域に亘って、グラファイト薄膜42と基板41との間の熱絶縁を図ることができる。これにより、グラファイト薄膜42から基板41への熱伝導をより一層効果的に抑制でき、グラファイト薄膜42を効率的に加熱することが可能となる。
[第2実施形態]
図11は、第2実施形態に係る発光素子4Aを示している。図11の(A)は、発光素子4A全体の断面を示している。図11の(B)は、グラファイト薄膜42と基板41Aとの接触部分を拡大して示している。発光素子4Aは、基板41の代わりに基板41Aを備える点で発光素子4と相違しており、その他の構成については発光素子4と同様である。図11の(B)に示されるように、基板41Aにおけるグラファイト薄膜42に対向する表面には、少なくとも基板41Aの厚さ方向から見てグラファイト薄膜42の縁部42c,42dを除いた部分と基板41Aとが重なる領域の全体に亘って、グラファイト薄膜42を支持する複数の突状部14が形成されている。複数の突状部14は、例えば、原子オーダーから1nmオーダー程度の細かさの凹凸構造である。このような凹凸構造は、例えば、エッチングによって基板41Aの表面を原子オーダーから1nmオーダー程度の細かさで荒らすことで形成され得る。当該エッチングは、上述した第1実施形態の変形例2における「エッチングによって突状部10の表面を原子オーダーから1nmオーダー程度の細かさで荒らす処理」と同様の処理である。
このように、第1実施形態で説明したような柱状、壁状等の突状部を形成することなく、基板41Aの表面に原子オーダーから1nmオーダー程度の細かさの凹凸構造(複数の突状部14)を形成した場合であっても、上述した第1実施形態の複数の突状部10と同様の効果を得ることができる。すなわち、グラファイト薄膜42の少なくとも中央部分(縁部42c,42dを除いた部分)が、複数の突状部14の先端部によって複数の場所で支持されることにより、グラファイト薄膜42が基板41Aに対して安定的に支持される。また、グラファイト薄膜42は、複数の突状部14と部分的に接触することになるため、グラファイト薄膜42から基板41Aへの熱伝導が抑制される。以上により、発光素子4Aによれば、グラファイト薄膜42を安定的に支持すると共にグラファイト薄膜42から基板41Aへの熱伝導を抑制することができる。なお、基板41Aは、第1実施形態の基板部材411のみからなる部材であってもよいし、基板部材411の表面に絶縁層412が形成された部材であってもよい。前者の場合には、複数の突状部14は、基板部材411の表面に形成される。後者の場合には、複数の突状部14は、絶縁層412の表面に形成される。
[第3実施形態]
図12の(A)及び(B)は、第3実施形態に係る発光素子4Bを示している。図12の(A)は、発光素子4B又は4Cの全体の断面を示している。図12の(B)は、グラファイト薄膜42と被覆層44Aとの接触部分を拡大して示している。発光素子4Bは、基板41の代わりに基板41Bと基板41Bにおけるグラファイト薄膜42に対向する表面に設けられた被覆層44Aとを備える点で発光素子4と相違しており、その他の構成については発光素子4と同様である。基板41Bは、第1実施形態の基板部材411のみからなる部材であってもよいし、基板部材411の表面に絶縁層412が形成された部材であってもよい。基板41Bは、表面を荒らすエッチング処理がされていない点において第2実施形態の基板41Aと相違しており、その他の点については基板41Aと同様である。
被覆層44Aは、表面が粗い物質(例えばポーラスシリカ、ポーラスアルミナ等のポーラス物質等)を基板41Bの表面にコーティングすることによって形成されている。被覆層44Aは、基板41Bにおけるグラファイト薄膜42に対向する表面のうち、少なくとも基板41Bの厚さ方向から見てグラファイト薄膜42の縁部42c,42dを除いた部分と基板41Bとが重なる領域に設けられている。なお、本実施形態では一例として、被覆層44Aは、基板41Bの表面全体に設けられているが、被覆層44Aは、例えば、グラファイト薄膜42の中央部分(縁部42c,42dを除いた部分)の直下にのみ設けられてもよい。この場合、グラファイト薄膜42の中央部分の高さ位置は、被覆層44Aの高さ分だけ、縁部42c,42dの高さ位置よりも高くなってもよい。すなわち、グラファイト薄膜42は、中央部分が縁部42c,42dに比べて盛り上がった形状とされてもよい。
被覆層44Aの表面には、複数の突状部15が形成されている。グラファイト薄膜42の少なくとも中央部分(縁部42c,42dを除いた部分)が、当該複数の突状部15の先端部によって複数の場所で支持されることにより、グラファイト薄膜42が基板41Bに対して安定的に支持される。また、グラファイト薄膜42は、複数の突状部15と部分的に接触することになるため、グラファイト薄膜42から基板41Bへの熱伝導が抑制される。以上により、発光素子4Bによれば、グラファイト薄膜42を安定的に支持すると共にグラファイト薄膜42から基板41Bへの熱伝導を抑制することができる。
[第4実施形態]
図12の(A)及び(C)は、第3実施形態に係る発光素子4Cを示している。図12の(C)は、グラファイト薄膜42と被覆層44Bとの接触部分を拡大して示している。発光素子4Cは、被覆層44Aの代わりに被覆層44Bを備える点で発光素子4Bと相違しており、その他の構成については発光素子4Bと同様である。
被覆層44Bは、内部に多数の気孔(空孔)が形成されたポーラス構造を有している。被覆層44Bの材料は、例えば熱伝導率の低い酸化物等である。このような材料の具体例としては、例えばLow−k材料を添加したSOG(Spin on Glass)等が挙げられる。被覆層44Bは、基板41Bにおけるグラファイト薄膜42に対向する表面のうち、少なくとも基板41Bの厚さ方向から見てグラファイト薄膜42の縁部42c,42dを除いた部分と基板41Bとが重なる領域に設けられている。なお、本実施形態では一例として、被覆層44Bは、基板41Bの表面全体に設けられているが、被覆層44Bは、例えば、グラファイト薄膜42の中央部分(縁部42c,42dを除いた部分)の直下にのみ設けられてもよい。この場合、グラファイト薄膜42の中央部分の高さ位置は、被覆層44Bの高さ分だけ、縁部42c,42dの高さ位置よりも高くなってもよい。すなわち、グラファイト薄膜42は、中央部分が縁部42c,42dに比べて盛り上がった形状とされてもよい。
発光素子4Cでは、少なくともグラファイト薄膜42の中央部分(縁部42c,42dを除いた部分)が、被覆層44Bによって支持される。これにより、グラファイト薄膜42が基板41Bに対して安定的に支持される。また、被覆層44Bがポーラス構造を有するため、グラファイト薄膜42から被覆層44Bを介した基板41Bへの熱伝導が抑制される。具体的には、被覆層44Bは、内部に多数の気孔を有していることにより、熱伝導率が比較的小さいものとなっている。以上により、発光素子4Cによれば、グラファイト薄膜42を安定的に支持すると共にグラファイト薄膜42から基板41Bへの熱伝導を抑制することができる。
発光素子4Cは、以下のようにして製造され得る。すなわち、発光素子4の製造方法の形成工程の代わりに、基板41Bの表面における少なくとも一部の領域(グラファイト薄膜42の中央部分(縁部42c,42dを除いた部分)に対応する領域)に、ポーラス構造を有する被覆層44Bを形成する被覆層形成工程が実行される。また、発光素子4の製造方法の配置工程の代わりに、グラファイト薄膜42の第1面42aのうち、少なくとも基板41Bの厚さ方向から見てグラファイト薄膜42の縁部42c,42dを除いた部分と被覆層44Bとが重なるように、グラファイト薄膜42を被覆層44B上に配置する配置工程が実行される。
この発光素子4Cの製造方法では、基板41Bの表面における少なくとも一部の領域に、ポーラス構造を有する被覆層44Bが形成され、グラファイト薄膜42の中央部分(縁部42c,42dを除いた部分)が当該被覆層44Bに接触した構造が得られる。このようにグラファイト薄膜42の中央部分が、被覆層44Bによって支持されることにより、グラファイト薄膜42が基板41Bに対して安定的に支持される。また、被覆層44Bがポーラス構造であるため、グラファイト薄膜42から被覆層44Bを介した基板41Bへの熱伝導が抑制される。以上により、発光素子4Cの製造方法によれば、グラファイト薄膜42を安定的に支持すると共にグラファイト薄膜42から基板41Bへの熱伝導を抑制することが可能な発光素子4Cが得られる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。例えば、赤外光源1は、発光素子4の代わりに発光素子4A,4B,4Cのいずれかを備えてもよい。いずれの発光素子4A,4B,4Cを用いた場合においても、グラファイト薄膜42を安定的に支持すると共にグラファイト薄膜42から基板への熱伝導を抑制可能な赤外光源が得られる。すなわち、グラファイト薄膜42を効率的に加熱することができ、高輝度化を図ることが可能な赤外光源が得られる。
1…赤外光源、2…パッケージ、3…ステム、4,4A,4B,4C…発光素子、10,11,14,15…突状部、12…壁部、13…微細構造部、22…キャップ、23…光透過窓、41,41A,41B…基板、42…グラファイト薄膜、42a…第1面、42b…第2面、42c,42d…縁部、43…電極、44,44A,44B…被覆層、411…基板部材、412…絶縁層、P…突状部形成領域、S…内部空間。

Claims (20)

  1. 基板と、
    前記基板上に配置されたグラファイト薄膜と、
    前記グラファイト薄膜における前記基板に対向する第1面とは反対側の第2面において、前記グラファイト薄膜の縁部に設けられた電極と、
    を備え、
    前記基板における前記グラファイト薄膜に対向する表面には、少なくとも前記基板の厚さ方向から見て前記グラファイト薄膜の前記縁部を除いた部分と前記基板とが重なる領域の全体に亘って、前記グラファイト薄膜を支持する複数の突状部が形成されている、
    発光素子。
  2. 前記突状部における前記グラファイト薄膜と接触する部分は、絶縁性を有する、
    請求項1に記載の発光素子。
  3. 前記突状部は、前記基板の厚さ方向から見て前記グラファイト薄膜と前記基板とが重なる領域に設けられている、
    請求項1又は2に記載の発光素子。
  4. 前記突状部は、前記基板の厚さ方向から見て前記電極と前記基板とが重なる領域には設けられていない、
    請求項1又は2に記載の発光素子。
  5. 前記突状部における前記グラファイト薄膜と接触する部分の高さ位置は、前記基板における前記突状部が形成されていない部分の高さ位置と同一である、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の発光素子。
  6. 前記基板は、基板部材と、前記基板部材における前記グラファイト薄膜に対向する表面に設けられた絶縁層と、を有し、
    前記突状部は、前記絶縁層に形成されている、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の発光素子。
  7. 前記基板部材は、シリコンにより形成されており、
    前記絶縁層は、二酸化ケイ素により形成されている、
    請求項6に記載の発光素子。
  8. 前記突状部と前記グラファイト薄膜との接触面積は、前記突状部と前記基板部材との接触面積よりも小さい、
    請求項6又は7に記載の発光素子。
  9. 前記突状部は、柱状に形成されている、
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の発光素子。
  10. 複数の前記突状部は、一方向に沿って並設された複数の壁部を含む、
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の発光素子。
  11. 前記突状部における前記グラファイト薄膜に対向する表面には、微細な凹凸構造を有する微細構造部が形成されている、
    請求項1〜10のいずれか一項に記載の発光素子。
  12. 前記グラファイト薄膜は、単層又は多層のグラフェンである、
    請求項1〜11のいずれか一項に記載の発光素子。
  13. 前記グラファイト薄膜は、層数が100〜2000である多層のグラフェンである、
    請求項12に記載の発光素子。
  14. 前記グラファイト薄膜は、前記基板の厚さ方向から見て矩形状に形成されており、
    前記グラファイト薄膜の長辺の長さは、100μm以上である、
    請求項1〜13のいずれか一項に記載の発光素子。
  15. 基板と、
    前記基板上に配置されたグラファイト薄膜と、
    前記グラファイト薄膜における前記基板に対向する第1面とは反対側の第2面において、前記グラファイト薄膜の縁部に設けられた電極と、
    前記基板における前記グラファイト薄膜に対向する表面のうち、少なくとも前記基板の厚さ方向から見て前記グラファイト薄膜の前記縁部を除いた部分と前記基板とが重なる領域に設けられた、ポーラス構造を有する被覆層と、
    を備える、
    発光素子。
  16. 光透過窓を有し、真空状態に保持された内部空間を形成するパッケージと、
    前記パッケージ内に配置されたステムと、
    前記ステム上に配置された発光素子と、
    を備え、
    前記発光素子は、基板と、前記基板上に配置されたグラファイト薄膜と、前記グラファイト薄膜における前記基板に対向する第1面とは反対側の第2面において、前記グラファイト薄膜の縁部に設けられた電極と、を有し、
    前記基板における前記グラファイト薄膜に対向する表面には、少なくとも前記基板の厚さ方向から見て前記グラファイト薄膜の前記縁部を除いた部分と前記基板とが重なる領域の全体に亘って、前記グラファイト薄膜を支持する複数の突状部が形成されており、
    前記グラファイト薄膜から発光された光は、前記光透過窓を介して前記パッケージの外部に出射される、
    赤外光源。
  17. ステムと、光透過窓が設けられたキャップと、を有し、真空状態に保持された内部空間を形成するパッケージと、
    前記ステム上に配置された発光素子と、
    を備え、
    前記発光素子は、基板と、前記基板上に配置されたグラファイト薄膜と、前記グラファイト薄膜における前記基板に対向する第1面とは反対側の第2面において、前記グラファイト薄膜の縁部に設けられた電極と、前記基板における前記グラファイト薄膜に対向する表面のうち、少なくとも前記基板の厚さ方向から見て前記グラファイト薄膜の前記縁部を除いた部分と前記基板とが重なる領域に設けられた、ポーラス構造を有する被覆層と、を有し、
    前記グラファイト薄膜から発光された光は、前記光透過窓を介して前記パッケージの外部に出射される、
    赤外光源。
  18. 基板を準備する準備工程と、
    前記基板の表面における少なくとも一部の領域に複数の突状部を形成する形成工程と、
    グラファイト薄膜の第1面のうち少なくともグラファイト薄膜の縁部を除いた部分が前記複数の突状部に接触するように、前記グラファイト薄膜を前記基板上に配置する配置工程と、
    前記グラファイト薄膜の第1面とは反対側の第2面において、前記グラファイト薄膜の前記縁部に電極を形成する電極形成工程と、
    を含む発光素子の製造方法。
  19. 前記準備工程は、基板部材を準備する工程と、前記基板部材の表面に絶縁層を設ける工程と、を含み、
    前記形成工程において、前記絶縁層の少なくとも一部の領域をエッチングすることにより、前記複数の突状部を形成する、
    請求項18に記載の発光素子の製造方法。
  20. 基板を準備する準備工程と、
    前記基板の表面における少なくとも一部の領域に、ポーラス構造を有する被覆層を形成する被覆層形成工程と、
    グラファイト薄膜の第1面のうち、少なくともグラファイト薄膜の縁部を除いた部分と前記被覆層とが重なるように、前記グラファイト薄膜を前記被覆層上に配置する配置工程と、
    前記グラファイト薄膜の第1面とは反対側の第2面において、前記グラファイト薄膜の前記縁部に電極を形成する電極形成工程と、
    を含む発光素子の製造方法。
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