JP2014149976A - 赤外光源素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】赤外線の出力効率を向上する赤外光源素子を提供する。
【解決手段】上面の一部を開口する空隙部10を有する基板1と、それぞれ一端側が基板1に支持される複数の梁部22a〜22dと、空隙部10の開口部の上方において、梁部22a〜22dのそれぞれ他端側に支持される薄膜部23と、薄膜部23の上面に形成され、通電されることにより発熱するヒータ部31と、ヒータ部31の表面を覆うように形成された保護膜4と、下面の一部を開口する空隙部50と、ヒータ部31の発熱による赤外線を上方に集光するレンズ部51とを有し、空隙部10及び空隙部50によって、梁部22a〜22d、薄膜部23、ヒータ部31及び保護膜4を封止するキャップ部とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】上面の一部を開口する空隙部10を有する基板1と、それぞれ一端側が基板1に支持される複数の梁部22a〜22dと、空隙部10の開口部の上方において、梁部22a〜22dのそれぞれ他端側に支持される薄膜部23と、薄膜部23の上面に形成され、通電されることにより発熱するヒータ部31と、ヒータ部31の表面を覆うように形成された保護膜4と、下面の一部を開口する空隙部50と、ヒータ部31の発熱による赤外線を上方に集光するレンズ部51とを有し、空隙部10及び空隙部50によって、梁部22a〜22d、薄膜部23、ヒータ部31及び保護膜4を封止するキャップ部とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、赤外線を放射する赤外光源素子に関する。
薄膜部の上面に形成された抵抗体が通電されることにより、発熱し、赤外線を放射する赤外光源素子が知られている(特許文献1参照)。このような赤外光源素子は、薄膜部と、薄膜部に設けられた抵抗体(ヒータ部)と、抵抗体の上面を覆うように形成され、異物等から抵抗体を保護する保護膜とを備える。
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、抵抗体が保護されるものの、加熱される薄膜部全体が大気にさらされるため、熱絶縁性が低い他、異物等の付着により出力効率が低下する可能性があった。
本発明は、上記問題点を鑑み、赤外線の出力効率を向上する赤外光源素子を提供することを目的とする。
本発明は、上記問題点を鑑み、赤外線の出力効率を向上する赤外光源素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の態様は、上面の一部を開口する第1空隙部を有する基板と、それぞれ一端側が前記基板に支持される複数の梁部と、前記第1空隙部の開口部の上方において、前記梁部のそれぞれ他端側に支持される薄膜部と、前記薄膜部の上面に形成され、通電されることにより発熱するヒータ部と、前記ヒータ部の表面を覆うように形成された保護膜と、下面の一部を開口する第2空隙部と、前記ヒータ部の発熱による赤外線を上方に集光するレンズ部とを有し、前記第1空隙部及び前記第2空隙部によって、前記梁部、前記薄膜部、前記ヒータ部及び前記保護膜を封止するキャップ部とを備える赤外光源素子であることを要旨とする。
また、本発明の態様に係る赤外光源素子においては、前記レンズ部は、前記キャップ部の上面が凹状に加工されることにより形成された平凹レンズとすることができる。
また、本発明の態様に係る赤外光源素子においては、前記基板は、第1基板と、前記第1基板の上面に形成され、上面から下面に貫通する貫通孔を前記第1空隙部として有する第2基板とから構成されることができる。
また、本発明の態様に係る赤外光源素子においては、前記第1空隙部の底面に形成され、赤外線を反射する反射膜を更に備えることができる。
また、本発明の態様に係る赤外光源素子においては、前記第1空隙部の底面に形成され、赤外線を反射する反射膜を更に備えることができる。
本発明によれば、赤外線の放射効率を向上する赤外光源素子を提供することができる。
次に、図面を参照して、本発明の第1及び第2の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付し、重複する説明を省略する。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。また、以下に示す第1及び第2の実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る赤外光源素子は、図1(a)及び図1(b)に示すように、基板1と、基板1の上面に形成された絶縁膜2と、絶縁膜2の上面に形成されたヒータ部31と、ヒータ部31の上面に形成された保護膜4と、キャップ部5とを備える。第1の実施の形態に係る赤外光源素子は、概略として直方体状であり、半導体製造技術を発展させた微小電気機械システム(MEMS)技術により、ごく微小に製造される。なお、図1(a)においてキャップ部5は省略されている。
本発明の第1の実施の形態に係る赤外光源素子は、図1(a)及び図1(b)に示すように、基板1と、基板1の上面に形成された絶縁膜2と、絶縁膜2の上面に形成されたヒータ部31と、ヒータ部31の上面に形成された保護膜4と、キャップ部5とを備える。第1の実施の形態に係る赤外光源素子は、概略として直方体状であり、半導体製造技術を発展させた微小電気機械システム(MEMS)技術により、ごく微小に製造される。なお、図1(a)においてキャップ部5は省略されている。
基板1は、例えばシリコン(Si)基板から形成され、概略として矩形平板状である。基板1は、上面の一部を矩形状に開口する角錐台状の空隙部10を有する。空隙部10は、上方に向かうほど開口面積が大きくなるように形成される。空隙部10は、例えば、フォトリソグラフィ技術によりパターニングされたマスクを用いて異方性エッチングを行うことにより形成可能である。
絶縁膜2は、基板1の上面に、空隙部10の開口部を塞ぐように形成される。絶縁膜2は、例えば、シリコン酸化膜(SiO2)、シリコン窒化膜(Si3N4)等の絶縁体からなる。絶縁膜2は、例えば、スパッタリング法、化学気相成長(CVD)法等により他の支持基板上に形成され、上面を、基板1の上面に接合された後、支持基板を除去することにより形成可能である。
絶縁膜2は、空隙部10の開口部の上方において、空隙部10の開口部の4辺にそれぞれ沿うように形成された4本のスリット20を有する。絶縁膜2は、4本のスリット20が形成されることにより、空隙部10の開口部の周囲を囲むように形成された矩形のフレーム部21と、4本の梁部22a,22b,22c,22dと、矩形の薄膜部23とを有する。
4本の梁部22a〜22dは、それぞれ、フレーム部21の対角線上に帯状に形成され、一端側が、フレーム部21を介して基板1の上面に支持される。薄膜部23は、基板1の上面と接しないように、空隙部10の開口部の上方に位置する。薄膜部23は、空隙部10の開口部の上方において、4つの角部を、梁部22a〜22dのそれぞれ他端側に支持される。
ヒータ部31は、薄膜部23の上面に形成され、通電されることにより発熱する。ヒータ部31は、薄膜部23の上面において、蛇行するように互い違いに屈曲する帯状に形成される。ヒータ部31の両端は、それぞれ、フレーム部21の上面のうち、対角に位置する2つの角部に位置する電極部33a,33bまで配線部32a,32bとして延伸する。ヒータ部31は、配線部32a,32bにより、電極部33a,33bの間に接続される。ヒータ部31は、例えば、白金(Pt)、ニッケルクロム合金(NiCr)等の電熱金属やポリシリコン等からなり、通電されることにより抵抗加熱する。
ヒータ部31は、4本のスリット20により、薄膜部23において、基板1と熱的に分離することが可能であり、効率よく発熱することができる。ヒータ部31は、例えば、スパッタリング法、CVD法等により絶縁膜2の上面に形成された材料を、フォトリソグラフィ技術によりパターニングされたマスクを用いて、エッチングを行うことにより形成可能である。
保護膜4は、ヒータ部31及び薄膜部23の上面に、ヒータ部31の表面を覆うように形成される。保護膜4は、例えば、シリコン酸化膜(SiO2)、シリコン窒化膜(Si3N4)等からなる。保護膜4は、例えば、CVD法等によりヒータ部31及び絶縁膜2の上面に形成された材料を、フォトリソグラフィ技術によりパターニングされたマスクと同様のマスクを用いて、エッチングを行うことにより形成可能である。
キャップ部5は、例えばシリコン基板から形成され、概略として矩形平板状である。キャップ部5は、下面の一部を矩形状に開口する角柱状の空隙部50と、ヒータ部31の発熱による赤外線を上方に集光するレンズ部51とを有する。空隙部50は、例えば、フォトリソグラフィ技術によりパターニングされたマスクを用いてドライエッチングを行うことにより形成可能である。レンズ部51は、キャップ部5の上面が陽極酸化処理、熱処理等によって凹状に加工されることにより形成された平凹レンズである。
基板1及びキャップ部5は、空隙部10及び空隙部50によって形成される真空空間に、梁部22a〜22d、薄膜部23、ヒータ部31及び保護膜4を封止する。
本発明の第1の実施の形態に係る赤外光源素子は、保護膜4及びキャップ部5を備えるので、製造工程及び使用時における異物等の付着を防止することができる他、レンズ部51を備えるので、赤外線を集光できる為、赤外線の出力効率を向上することができる。
−変形例−
第1の実施の形態に係る赤外光源素子においては、図2に示すように、空隙部10の底面に形成された反射膜6を更に備えるようにしてもよい。反射膜6は、ヒータ部31の発熱による赤外線を上方に反射する。反射膜6は、空隙部10の側面に形成されるようにしてもよい。第1の実施の形態の変形例に係る赤外光源素子によれば、反射膜6を備えることにより、赤外線の出力効率を更に向上することができる。
第1の実施の形態に係る赤外光源素子においては、図2に示すように、空隙部10の底面に形成された反射膜6を更に備えるようにしてもよい。反射膜6は、ヒータ部31の発熱による赤外線を上方に反射する。反射膜6は、空隙部10の側面に形成されるようにしてもよい。第1の実施の形態の変形例に係る赤外光源素子によれば、反射膜6を備えることにより、赤外線の出力効率を更に向上することができる。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係る赤外光源素子は、基板1が2層構造である点で第1の実施の形態と異なる。第2の実施の形態において説明しない他の構成は、第1の実施の形態と実質的に同様であるので重複する説明を省略する。
本発明の第2の実施の形態に係る赤外光源素子は、基板1が2層構造である点で第1の実施の形態と異なる。第2の実施の形態において説明しない他の構成は、第1の実施の形態と実質的に同様であるので重複する説明を省略する。
第2の実施の形態に係る赤外光源素子は、下層基板1Aと、下層基板1Aの上面に形成され、上面から下面に貫通する矩形の貫通孔10Bを有する上層基板1Bとを、第1の実施の形態における基板1を構成する要素として備える。貫通孔10Bは、下方に向かうほど開口面積が大きくなるように形成された角錐台状であり、第1の実施の形態における空隙部10に相当する。
本発明の第2の実施の形態に係る赤外光源素子は、保護膜4及びキャップ部5を備えるので、製造工程及び使用時における異物等の付着を防止することができる他、レンズ部51を備えるので、赤外線を集光できる為、赤外線の出力効率を向上することができる。
−変形例−
第2の実施の形態に係る赤外光源素子においては、図4に示すように、貫通孔10Bの底面となる下層基板1Aの上面に形成された反射膜6を更に備えるようにしてもよい。反射膜6は、ヒータ部31の発熱による赤外線を上方に反射する。第2の実施の形態の変形例に係る赤外光源素子によれば、反射膜6を備えることにより、赤外線の出力効率を更に向上することができる。
第2の実施の形態に係る赤外光源素子においては、図4に示すように、貫通孔10Bの底面となる下層基板1Aの上面に形成された反射膜6を更に備えるようにしてもよい。反射膜6は、ヒータ部31の発熱による赤外線を上方に反射する。第2の実施の形態の変形例に係る赤外光源素子によれば、反射膜6を備えることにより、赤外線の出力効率を更に向上することができる。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は上記の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
上記のように、本発明は上記の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、既に述べた第1及び第2の実施の形態において、レンズ部51は、上面が凹状の平凹レンズである構成を説明したが、例示であり、レンズ部51は、下面が凸状の平凸レンズであってもよい。レンズ部51を平凸レンズとすることにより、ヒータ部31の発熱による赤外線を更に密に集光することができる。
また、既に述べた第1及び第2の実施の形態において、絶縁膜2、ヒータ部31等は、多層構造であってもよい。また、空隙部10の形状を角錐台状として説明したが、空隙部10は、例えばドーム状等の形状であってもよい。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
1 基板
1A 下層基板(第1基板)
1B 上層基板(第2基板)
4 保護膜
5 キャップ部
6 反射膜
10 空隙部(第1空隙部)
10B 貫通孔
22a,22b,22c,22d 梁部
23 薄膜部
31 ヒータ部
50 空隙部(第2空隙部)
51 レンズ部
1A 下層基板(第1基板)
1B 上層基板(第2基板)
4 保護膜
5 キャップ部
6 反射膜
10 空隙部(第1空隙部)
10B 貫通孔
22a,22b,22c,22d 梁部
23 薄膜部
31 ヒータ部
50 空隙部(第2空隙部)
51 レンズ部
Claims (4)
- 上面の一部を開口する第1空隙部を有する基板と、
それぞれ一端側が前記基板に支持される複数の梁部と、
前記第1空隙部の開口部の上方において、前記梁部のそれぞれ他端側に支持される薄膜部と、
前記薄膜部の上面に形成され、通電されることにより発熱するヒータ部と、
前記ヒータ部の表面を覆うように形成された保護膜と、
下面の一部を開口する第2空隙部と、前記ヒータ部の発熱による赤外線を上方に集光するレンズ部とを有し、前記第1空隙部及び前記第2空隙部によって、前記梁部、前記薄膜部、前記ヒータ部及び前記保護膜を封止するキャップ部と
を備えることを特徴とする赤外光源素子。 - 前記レンズ部は、前記キャップ部の上面が凹状に加工されることにより形成された平凹レンズであることを特徴とする請求項1に記載の赤外光源素子。
- 前記基板は、第1基板と、前記第1基板の上面に形成され、上面から下面に貫通する貫通孔を前記第1空隙部として有する第2基板とから構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の赤外光源素子。
- 前記第1空隙部の底面に形成され、赤外線を反射する反射膜を更に備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の赤外光源素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013018174A JP2014149976A (ja) | 2013-02-01 | 2013-02-01 | 赤外光源素子 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2013018174A JP2014149976A (ja) | 2013-02-01 | 2013-02-01 | 赤外光源素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014149976A true JP2014149976A (ja) | 2014-08-21 |
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ID=51572792
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2013018174A Pending JP2014149976A (ja) | 2013-02-01 | 2013-02-01 | 赤外光源素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2014149976A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020061214A (ja) * | 2018-10-05 | 2020-04-16 | 日本碍子株式会社 | 赤外線放射装置 |
JP2020098757A (ja) * | 2018-12-19 | 2020-06-25 | 旭化成エレクトロニクス株式会社 | 赤外線発光装置 |
-
2013
- 2013-02-01 JP JP2013018174A patent/JP2014149976A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020061214A (ja) * | 2018-10-05 | 2020-04-16 | 日本碍子株式会社 | 赤外線放射装置 |
JP6997060B2 (ja) | 2018-10-05 | 2022-01-17 | 日本碍子株式会社 | 赤外線放射装置 |
US11710628B2 (en) | 2018-10-05 | 2023-07-25 | Ngk Insulators, Ltd. | Infrared light radiation device |
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