JP2019075288A - 荷電粒子線装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】意図しない形で電子光学系の状態が変化してしまう可能性を低減できる荷電粒子線装置を提供する。【解決手段】荷電粒子線装置100は、荷電粒子光学系を含む荷電粒子線装置本体2と、荷電粒子光学系のパラメータの変更指示を受け付ける操作部4と、変更指示に応じて、荷電粒子光学系を制御する制御部6と、を含み、制御部6は、操作部4が変更指示を受け付けた場合に、荷電粒子線装置本体2の状態に基づいて、荷電粒子光学系のパラメータの変更が可能か否かを判定し、荷電粒子光学系のパラメータの変更が可能でないと判定した場合、変更指示を無効にする。【選択図】図1
Description
本発明は、荷電粒子線装置に関する。
電子顕微鏡などの荷電粒子線装置は、一般的に、複数のレンズおよび複数の偏向器を含んで構成された電子光学系を備えている。ユーザーは、電子顕微鏡を制御するための制御用PC(パーソナルコンピュータ)に表示されるGUI(Graphical User Interface)の操作や、操作パネルの操作によって、電子光学系のパラメータ(印加される電圧値等)を調整して、電子光学系の状態を制御することができる(例えば特許文献1参照)。
電子光学系の状態を制御する場合、ユーザーは、電子銃から電子光学系に電子線が供給されている状態で、電子線の断面形状や、電子顕微鏡像の質を確認しながら、これらが望ましい状態となるように各レンズや各偏向器のパラメータを調整する。
このようにして、電子光学系が調整できたら、試料への電子線の照射を抑制する等の理由で、ビームバルブを一旦閉じる。そして、電子顕微鏡像を取得したいタイミングで、ビームバルブを開く。
従来の電子顕微鏡では、例えば、ビームバルブが開いていない場合であっても、GUIや操作パネルの操作によって、レンズや偏向器のパラメータを操作できてしまう。このような操作が行われてしまうと、意図しない形で電子光学系の状態が変化してしまい、再度、電子光学系の調整を行わなければならない。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、意図しない形で荷電粒子光学系の状態が変化してしまう可能性を低減できる荷電粒子線装置を提供することにある。
本発明に係る荷電粒子線装置は、
荷電粒子光学系を含む荷電粒子線装置本体と、
前記荷電粒子光学系のパラメータの変更指示を受け付ける操作部と、
前記変更指示に応じて、前記荷電粒子光学系を制御する制御部と、
を含み、
前記制御部は、
前記操作部が前記変更指示を受け付けた場合に、前記荷電粒子線装置本体の状態に基づいて、前記荷電粒子光学系のパラメータの変更が可能か否かを判定し、
前記荷電粒子光学系のパラメータの変更が可能でないと判定した場合、前記変更指示を無効にする。
荷電粒子光学系を含む荷電粒子線装置本体と、
前記荷電粒子光学系のパラメータの変更指示を受け付ける操作部と、
前記変更指示に応じて、前記荷電粒子光学系を制御する制御部と、
を含み、
前記制御部は、
前記操作部が前記変更指示を受け付けた場合に、前記荷電粒子線装置本体の状態に基づいて、前記荷電粒子光学系のパラメータの変更が可能か否かを判定し、
前記荷電粒子光学系のパラメータの変更が可能でないと判定した場合、前記変更指示を無効にする。
このような荷電粒子線装置では、制御部は、操作部が変更指示を受け付けた場合に、荷電粒子線装置本体の状態に基づいて、荷電粒子光学系のパラメータの変更が可能か否かを
判定し、荷電粒子光学系のパラメータの変更が可能でないと判定した場合、変更指示を無効にするため、例えば、荷電粒子光学系に荷電粒子線が供給されていない状態で、荷電粒子光学系のパラメータが変更されてしまうことを防止することができる。これにより、意図しない形で、荷電粒子光学系の状態が変化してしまう可能性を低減できる。
判定し、荷電粒子光学系のパラメータの変更が可能でないと判定した場合、変更指示を無効にするため、例えば、荷電粒子光学系に荷電粒子線が供給されていない状態で、荷電粒子光学系のパラメータが変更されてしまうことを防止することができる。これにより、意図しない形で、荷電粒子光学系の状態が変化してしまう可能性を低減できる。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
以下では、本発明に係る荷電粒子線装置として、透過電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope、TEM)を例に挙げて説明するが、本発明に係る荷電粒子線装置は、電子線以外の荷電粒子線(イオンビーム等)を利用した装置であってもよい。本発明に係る荷電粒子線装置は、例えば、走査透過電子顕微鏡(Scanning Transmission Electron Microscope、STEM)、走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)、集束イオンビーム装置(Focused Ion Beam system、FIB)であってもよい。
1. 電子顕微鏡
まず、本実施形態に係る電子顕微鏡について図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る電子顕微鏡100の構成を示す図である。
まず、本実施形態に係る電子顕微鏡について図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る電子顕微鏡100の構成を示す図である。
電子顕微鏡100は、図1に示すように、電子顕微鏡本体2(荷電粒子線装置本体の一例)と、操作パネル4(操作部の一例)と、制御装置6(制御部の一例)と、を含む。
電子顕微鏡本体2は、電子光学系(荷電粒子光学系の一例)、試料を保持する試料ステージ、TEM像を取得するための検出器などを含んで構成されている。また、電子顕微鏡本体2は、制御装置6からの制御信号を受けて電子光学系や試料ステージなどを動作させる駆動回路などを含んで構成されている。また、電子顕微鏡本体2は、検出器の出力信号を画像データとして制御装置6に送る信号処理回路などを含んで構成されている。
操作パネル4は、ユーザーからの指示を受け付ける。ユーザーが操作パネル4を操作することで、操作パネル4からユーザーの操作に応じた入力情報、すなわち、ユーザーからの指示が、制御装置6に入力される。例えば、操作パネル4のつまみを回転させることで、そのつまみに割り当てられているレンズ(または偏向器)のパラメータ(電圧値等)を変化さえることができる。
制御装置6(制御用コンピュータ)は、電子顕微鏡本体2を制御する。制御装置6は、電子顕微鏡本体2および操作パネル4に接続されている。制御装置6は、例えば、操作パネル4で受け付けたユーザーからの指示に応じて、電子光学系を制御する。制御装置6は、操作パネル4からの入力情報に基づき制御信号を生成し、電子顕微鏡本体2に送る。これにより、電子光学系を構成するレンズや偏向器のパラメータを変更することができる。
図2は、電子顕微鏡本体2を模式的に示す図である。電子顕微鏡本体2は、電子光学系10と、試料ステージ20と、撮像装置30と、を含む。
電子光学系10は、電子銃(電子源、荷電粒子源の一例)110と、照射系レンズ120と、対物レンズ130と、中間レンズ140と、投影レンズ150と、を含む。電子光学系10は、鏡筒内に収容されている。鏡筒内は、真空排気装置(図示せず)により高い真空度に維持されている。
電子銃110は、エミッタ111と、引き出し電極112と、静電レンズ113と、加速管114と、ガンアライメントコイル115,116と、ガン固定絞り117と、を含んで構成されている。電子銃110では、ガンアライメントコイル115,116およびガン固定絞り117によってビームバルブ102が構成されている。
電子銃110では、引き出し電極112に印加された電圧によりエミッタ111から放出された電子線EBは、静電レンズ113により集束する方向の力を受けながら加速管114を通過し、ガンアライメントコイル115,116付近にクロスオーバーを形成する。
このとき、ガンアライメントコイル115,116の磁場出力を電子線EBが撮像装置30まで到達するように設定することにより、電子銃110から電子線EBが放出される。このようにビームバルブ102を開くことで、電子線EBが試料Sに照射される。
一方、ガンアライメントコイル115,116の磁場出力を電子線EBがガン固定絞り117でカットされるように設定することにより、電子銃110から電子線EBは放出されない。このようにビームバルブ102を閉じることで、電子線EBが試料Sに照射されない。
電子顕微鏡100では、ビームバルブ102を用いて、電子線EBが試料Sに照射される状態と、電子線EBが試料Sに照射されない状態と、を切り替えることができる。
照射系レンズ120は、電子銃110から放出された電子線EBを集束させて試料Sに照射する。照射系レンズ120は、図示の例では、3つのレンズで構成されている。
電子銃110と照射系レンズ120との間には、コンデンサー固定絞り121が配置されている。
対物レンズ130は、試料Sを透過した電子線EBで透過電子顕微鏡像(TEM像)を結像するための初段のレンズである。対物レンズ130は、上部磁極(ポールピースの上極)と、下部磁極(ポールピースの下極)と、上部磁極と下部磁極との間に磁場を発生させるためのコイルと、を有している。
中間レンズ140および投影レンズ150は、対物レンズ130で結像されたTEM像をさらに拡大し、撮像装置30上に結像する。
試料ステージ20は、試料Sを保持する。試料Sは、試料ホルダー22に固定されており、試料ステージ20は、試料ホルダー22を介して、試料Sを保持している。また、試料ステージ20は、試料Sを移動させたり、試料Sを傾斜させたりすることができる。
試料ホルダー22は、試料Sを支持している。試料ホルダー22は、電子顕微鏡本体2に装着可能に構成されている。試料ホルダー22が電子顕微鏡本体2に装着されることで
、試料Sを電子顕微鏡本体2に導入することができる。
、試料Sを電子顕微鏡本体2に導入することができる。
撮像装置30は、TEM像を撮影する。撮像装置30は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)カメラなどのデジタルカメラである。
電子顕微鏡100では、電子銃110から放出された電子線EBは、コンデンサー固定絞り121を通過し、照射系レンズ120および対物レンズ130で集束されて、試料ステージ20に支持された試料Sに照射される。試料Sを透過した電子線EBは、対物レンズ130、中間レンズ140、および投影レンズ150を通過し、撮像装置30にTEM像が結像される。このTEM像を撮像装置30で撮影することにより、TEM像を取得することができる。
図3は、制御装置6の構成を示す図である。制御装置6は、図3に示すように、処理部60と、操作部62と、表示部64と、記憶部66と、を含む。
操作部62は、ユーザーによる操作に応じた操作信号を取得し、処理部60に送る処理を行う。操作部62は、例えば、ボタン、キー、タッチパネル型ディスプレイ、マイクなどである。
表示部64は、処理部60によって生成された画像を表示するものであり、その機能は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)などにより実現できる。
記憶部66は、処理部60が各種の計算処理や制御処理を行うためのプログラムやデータ等を記憶している。また、記憶部66は、処理部60の作業領域として用いられ、処理部60が各種プログラムに従って実行した算出結果等を一時的に記憶するためにも使用される。記憶部66の機能は、ROM(Read On Memory)や、RAM(Random Access Memory)などの記憶装置により実現することができる。
処理部60は、記憶部66に記憶されているプログラムに従って、各種の制御処理や計算処理を行う。処理部60の機能は、各種プロセッサ(CPU(Central Processing Unit)等)で記憶部66に記憶されているプログラムを実行することにより実現することができる。なお、処理部60の機能の少なくとも一部を、ASIC(ゲートアレイ等)などの専用回路により実現してもよい。処理部60は、検知部602と、判定部604と、制御信号生成部606と、を含む。
検知部602は、電子顕微鏡本体2の状態を検知する。検知部602は、例えば、電子光学系10を構成する各種レンズや、各種偏向器の状態を検知する。また、検知部602は、例えば、鏡筒内の真空度を検知する。また、検知部602は、試料ホルダー22が装着されているか否かを検知する。検知部602は、あらかじめ設定された時間間隔で電子顕微鏡本体2の状態を検知する。なお、検知部602は、後述する操作パネル4が電子光学系10のパラメータを変更する指示を受け付けた場合に、電子顕微鏡本体2の状態を検知してもよい。
判定部604は、操作パネル4が電子光学系10のパラメータを変更する指示を受け付けた場合に、電子顕微鏡本体2の状態に基づいて、電子光学系10のパラメータの変更が可能か否かを判定する。
制御信号生成部606は、判定部604の判定結果に基づいて、制御信号を生成する処理を行う。制御信号生成部606は、判定部604が電子光学系10のパラメータの変更が可能と判定した場合、パラメータの変更指示に応じた制御信号を生成し、電子顕微鏡本
体2に送る処理を行う。制御信号生成部606は、判定部604が電子光学系10のパラメータの変更が可能でないと判定した場合、パラメータの変更指示を無効にする処理を行う。すなわち、制御信号は生成されず、電子光学系10のパラメータは変更されない。
体2に送る処理を行う。制御信号生成部606は、判定部604が電子光学系10のパラメータの変更が可能でないと判定した場合、パラメータの変更指示を無効にする処理を行う。すなわち、制御信号は生成されず、電子光学系10のパラメータは変更されない。
なお、上記では、パラメータの変更指示を操作パネル4で受け付ける場合について説明したが、パラメータの変更指示を受け付ける操作部は、操作パネル4に限定されない。例えば、処理部60が表示部64に表示させる制御GUIによって、パラメータの変更指示を受け付けてもよい。
2. 電子顕微鏡の動作
次に、電子顕微鏡100の動作について説明する。図4は、操作パネル4を模式的に示す図である。図5は、表示部64に表示される制御GUI610を模式的に示す図である。
次に、電子顕微鏡100の動作について説明する。図4は、操作パネル4を模式的に示す図である。図5は、表示部64に表示される制御GUI610を模式的に示す図である。
操作パネル4には、図4に示すように、複数のつまみ40および複数のボタン42が配置されている。例えば、つまみ40を回転させることで、つまみ40に割り当てられた電子光学系10を構成するレンズ(または偏向器)のパラメータ(電圧値等)の情報が制御装置6に入力される。
制御GUI610には、図5に示すように、電子光学系10を構成しているレンズおよび偏向器ごとにパラメータを入力するための入力欄612がある。この入力欄612に数値を入力することで、この入力欄612に対応するレンズ(または偏向器)のパラメータの情報が制御装置6に入力される。例えば、図5に示す「OL」に並んで表示されている入力欄612は、対物レンズ130のパラメータを入力するための入力欄である。
このように、電子顕微鏡100では、操作パネル4または制御GUI610が電子光学系10のパラメータを変更するための指示を受け付ける。
ここで、電子光学系10のパラメータは、電子銃110から電子線EBが放出されて電子光学系10に電子線EBが供給されている状態で、電子線EBの断面形状や、電子顕微鏡像の質を確認しながら、これらが望ましい状態となるように電子光学系10のパラメータを調整することで行われる。例えば、電子光学系10に電子線EBが供給されていない状態で、電子光学系10のパラメータが変更されてしまうと、意図しない形で電子光学系10の状態が変化してしまうこととなる。
そのため、本実施形態に係る電子顕微鏡100では、意図しない形で電子光学系10の状態が変化してしまう可能性を低減するために、操作パネル4または制御GUI610が電子光学系10のパラメータを変更する指示を受け付けた場合に、判定部604が電子顕微鏡本体2の状態に基づいて、電子光学系10のパラメータの変更が可能か否かを判定する処理を行う。
以下、電子光学系10のパラメータを変更するときの制御装置6の処理について詳細に説明する。図6は、制御装置6の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
操作パネル4(または制御GUI610)が電子光学系10のパラメータを変更する指示(以下「変更指示」ともいう)を受け付けた場合(S100のYes)、判定部604は、変更指示を受け付けたときのビームバルブ102の状態に応じて、電子光学系10のパラメータの変更が可能か否かを判定する(S102)。
具体的には、判定部604は、ビームバルブ102が開いている場合には、電子光学系
10のパラメータの変更が可能と判定する。判定部604は、ビームバルブ102が閉じている場合には、電子光学系10のパラメータの変更が可能でないと判定する。変更指示を受け付けたときのビームバルブ102の状態は、検知部602で検知する。
10のパラメータの変更が可能と判定する。判定部604は、ビームバルブ102が閉じている場合には、電子光学系10のパラメータの変更が可能でないと判定する。変更指示を受け付けたときのビームバルブ102の状態は、検知部602で検知する。
電子光学系10のパラメータの変更が可能と判定された場合(S102のYes)、制御信号生成部606は、変更指示を有効として(S104)、変更指示に基づき電子光学系10のパラメータを変更するための制御信号を生成する(S106)。生成された制御信号は、電子顕微鏡本体2に送られ、電子光学系10のパラメータが変更される。
電子光学系10のパラメータの変更が可能でないと判定された場合(S102のNo)、制御信号生成部606は、変更指示を無効として(S108)、制御信号を生成しない。
制御信号が生成された後、および変更指示を無効とした後、再び、ステップS100に戻って、ステップS100、ステップS102、ステップS104、ステップS106、ステップS108の処理が行われる。
なお、上記の電子光学系10のパラメータを変更するときの制御装置6の処理において、ビームバルブ102のパラメータを変更する処理は除外される。すなわち、ビームバルブ102が閉じている状態においても、ビームバルブ102を開く操作は有効となる。
上記では、判定部604が、ビームバルブ102の状態に基づいて、電子光学系10のパラメータの変更が可能か否かを判定する場合について説明したが、判定部604における判定の基準は、ビームバルブ102の状態に限定されない。
例えば、判定部604は、検知部602で検出された電子銃110の状態に基づいて、電子光学系10のパラメータの変更が可能か否かを判定してもよい。例えば、判定部604は、電子銃110に加速電圧が印加されている場合に、電子光学系10のパラメータの変更が可能と判定し、電子銃110に加速電圧が印加されていない場合(加速電圧が調整中の場合または加速電圧がOFFの場合)、電子光学系10のパラメータの変更が可能でないと判定する。
また、例えば、判定部604は、電子銃110から電子線EBが放出されている場合に、電子光学系10のパラメータの変更が可能と判定し、電子銃110から電子線EBが放出されていない場合に、電子光学系10のパラメータの変更が可能でないと判定する。検知部602は、例えば、エミッション電流の測定結果から、電子線EBが放出されているか否かを検出する。
また、例えば、判定部604は、検知部602において電子銃110が検出された場合に、電子光学系10のパラメータの変更が可能と判定し、検知部602において電子銃110が検出されなかった場合に、電子光学系10のパラメータの変更が可能でないと判定する。例えば、メンテナンスなどにより電子顕微鏡本体2から電子銃110が取り外されている場合に、検知部602において電子銃110が検出されない。
また、判定部604における判定の基準は、電子銃110の状態に限定されず、電子顕微鏡100を構成するその他の電子光学系10や、真空排気装置(真空ポンプ)、試料ホルダー22等の状態であってもよい。すなわち、判定部604は、電子顕微鏡100を構成する電子銃110以外の電子光学系10や、真空排気装置、試料ホルダー22等の状態に基づいて、電子光学系10のパラメータの変更が可能か否かを判定してもよい。
例えば、判定部604は、電子顕微鏡100の鏡筒内の真空度があらかじめ設定された真空度以上の場合(設定された圧力よりも鏡筒内の圧力が低い場合)、電子光学系10のパラメータの変更が可能と判定し、電子顕微鏡100の鏡筒内の真空度があらかじめ設定された真空度より低い場合(設定された圧力よりも鏡筒内の圧力が高い場合)、電子光学系10のパラメータの変更が可能でないと判定する。
また、例えば、判定部604は、電子顕微鏡本体2に試料ホルダー22が装着されている場合に、電子光学系10のパラメータの変更が可能と判定し、電子顕微鏡本体2に試料ホルダー22が装着されていない場合に、電子光学系10のパラメータの変更が可能でないと判定する。
また、判定部604は、電子顕微鏡100においてトモグラフィなどを取得するための自動連続撮影中でない場合、電子光学系10のパラメータの変更が可能であると判定し、自動連続撮影中である場合には、電子光学系10のパラメータの変更が可能でないと判断する。
上述した判定部604の各種判定基準は、どの判定基準を用いるのかを選択可能であってもよい。また、判定部604は、複数の判定基準が選択された場合は、複数の判定基準のうちの少なくとも1つにおいて、パラメータの変更が可能でないと判定された場合に、パラメータの変更を無効にする。例えば、制御GUIにおいて、どの判定基準を用いるのかを選択可能となっていてもよい。
電子顕微鏡100は、例えば、以下の特徴を有する。
電子顕微鏡100では、制御装置6は、操作部(操作パネル4または制御GUI610)が、電子光学系10のパラメータを変更する指示(変更指示)を受け付けた場合に、電子顕微鏡本体2の状態に基づいて電子光学系10のパラメータの変更が可能か否かを判定し、電子光学系10のパラメータの変更が可能でないと判定した場合、変更指示を無効にする。そのため、電子顕微鏡100では、電子光学系10に電子線EBが供給されていない状態で、電子光学系10のパラメータが変更されてしまうことを防止することができる。これにより、意図しない形で、電子光学系10の状態が変化してしまう可能性を低減できる。
電子顕微鏡100では、電子顕微鏡本体2は、電子線EBが試料Sに照射される状態と、電子線EBが試料Sに照射されない状態と、を切り替えるビームバルブ102を含み、制御装置6は、ビームバルブ102が閉じている場合に、電子光学系10のパラメータの変更が可能でないと判定する。そのため、電子顕微鏡100では、ビームバルブ102が閉じて電子光学系10に電子線EBが供給されない状態で、電子光学系10のパラメータが変更されてしまうことを防ぐことができる。
電子顕微鏡100では、電子顕微鏡本体2は、電子線EBを放出する電子銃110を含み、制御装置6は、電子銃110に電子線EBを加速させる加速電圧が印加されていない場合に、電子光学系10のパラメータの変更が可能でないと判定する。そのため、電子顕微鏡100では、電子銃110に加速電圧が印加されていない状態で、電子光学系10のパラメータが変更されてしまうことを防ぐことができる。
電子顕微鏡100では、制御装置6は、電子銃110から電子線EBが放出されていない場合に、電子光学系10のパラメータの変更が可能でないと判定する。そのため、電子顕微鏡100では、電子銃110から電子線EBが放出されていない状態で、電子光学系10のパラメータが変更されてしまうことを防ぐことができる。
電子顕微鏡100では、電子顕微鏡本体2に装着可能な試料ホルダー22を含み、制御装置6は、試料ホルダー22が電子顕微鏡本体2に装着されていない場合に、電子光学系10のパラメータの変更が可能でないと判定する。そのため、電子顕微鏡100では、試料ホルダー22が装着されていない状態で、電子光学系10のパラメータが変更されてしまうことを防ぐことができる。
なお、上述した実施形態及び変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば各実施形態及び各変形例は、適宜組み合わせることが可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
2…電子顕微鏡本体、4…操作パネル、6…制御装置、10…電子光学系、20…試料ステージ、22…試料ホルダー、30…撮像装置、40…つまみ、42…ボタン、60…処理部、62…操作部、64…表示部、66…記憶部、100…電子顕微鏡、102…ビームバルブ、110…電子銃、111…エミッタ、112…引き出し電極、113…静電レンズ、114…加速管、115…ガンアライメントコイル、116…ガンアライメントコイル、117…ガン固定絞り、120…照射系レンズ、121…コンデンサー固定絞り、130…対物レンズ、140…中間レンズ、150…投影レンズ、602…検知部、604…判定部、606…制御信号生成部、610…制御GUI、612…入力欄
Claims (5)
- 荷電粒子光学系を含む荷電粒子線装置本体と、
前記荷電粒子光学系のパラメータの変更指示を受け付ける操作部と、
前記変更指示に応じて、前記荷電粒子光学系を制御する制御部と、
を含み、
前記制御部は、
前記操作部が前記変更指示を受け付けた場合に、前記荷電粒子線装置本体の状態に基づいて、前記荷電粒子光学系のパラメータの変更が可能か否かを判定し、
前記荷電粒子光学系のパラメータの変更が可能でないと判定した場合、前記変更指示を無効にする、荷電粒子線装置。 - 請求項1において、
前記荷電粒子線装置本体は、荷電粒子線が試料に照射される状態と、荷電粒子線が試料に照射されない状態と、を切り替えるビームバルブを含み、
前記制御部は、前記ビームバルブが閉じている場合に、前記荷電粒子光学系のパラメータの変更が可能でないと判定する、荷電粒子線装置。 - 請求項1または2において、
前記荷電粒子線装置本体は、荷電粒子線を放出する荷電粒子源を含み、
前記制御部は、前記荷電粒子源に荷電粒子線を加速させる加速電圧が印加されていない場合に、前記荷電粒子光学系のパラメータの変更が可能でないと判定する、荷電粒子線装置。 - 請求項1ないし3のいずれか1項において、
前記荷電粒子線装置本体は、荷電粒子線を放出する荷電粒子源を含み、
前記制御部は、前記荷電粒子源から荷電粒子線が放出されていない場合に、前記荷電粒子光学系のパラメータの変更が可能でないと判定する、荷電粒子線装置。 - 請求項1ないし4のいずれか1項において、
前記荷電粒子線装置本体に装着可能な試料ホルダーを含み、
前記制御部は、前記試料ホルダーが前記荷電粒子線装置本体に装着されていない場合に、前記荷電粒子光学系のパラメータの変更が可能でないと判定する、荷電粒子線装置。
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