JP2019074262A - 蒸発器及び冷凍システム - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1には、上記のような蒸発器において、液冷媒が蒸発したガス冷媒に液滴が含まれる場合があるため、この液滴が蒸発器の後段に設けられた圧縮機内に流入するキャリーオーバが発生しないように、吸込管と液面との間の空間を上下に仕切るようにして、液滴を捕集するデミスタを設ける技術が開示されている。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、キャリーオーバを抑制しつつ小型化又は熱交換量の増大を図ることができる蒸発器及び冷凍システムを提供するものである。
この発明の第一態様によれば、蒸発器は、液冷媒を収容する液相領域と、前記液冷媒が蒸発したガス冷媒を収容する気相領域とを内部に有し、前記気相領域に前記ガス冷媒を排出する蒸発器出口を備えたケーシングと、前記液相領域の前記液冷媒に浸漬されて前記液冷媒よりも高温の流体が内部に流れる複数の伝熱管と、前記液相領域に収容された前記液冷媒の液面を上方から覆うように設けられ、蒸発したガス冷媒に含まれる液滴を捕集するデミスタと、を備え、前記デミスタは、前記伝熱管の軸線と交差する断面視で、前記液面に沿って前記ケーシングの中央部に向かうほど前記液面から離れる傾斜部を備える。
このように構成することで、デミスタの面積を液面に沿って平坦にデミスタを配置する場合よりも増大させることができる。そのため、液面に沿って平坦にデミスタを配置する場合よりも、デミスタのガス通過率や捕集負荷の上限値を上昇させることができる。
さらに、傾斜部によってケーシングの中央部に向かってデミスタが液面から離れるので、ケーシングの中央部付近に生じるフロスレベルの盛り上がりによって、デミスタが液冷媒に没することを抑制できる。そのため、デミスタの出口側から液滴が飛散することを抑制できる。
したがって、キャリーオーバを抑制しつつ小型化又は熱交換量の増大を図ることができる。
このように構成することで、デミスタ7に捕集された液滴が、その自重により傾斜部を伝って端縁に至る。そして、この端縁に到達した液滴を、貫通部を通じて液相領域に落下させることができる。
このように構成することで、軸線方向で蒸発器出口と重なる位置に吹き上げ防止板が配置される。これにより、軸線方向で蒸発器出口と重なる位置に配置されたデミスタ7を通過したガス冷媒は、吹き上げ防止板を迂回してから蒸発器出口に至る。そのため、蒸発器出口と重なる位置に配置されたデミスタ7に捕集された液滴が蒸発器出口に吸い込まれることを抑制できる。さらに、吹き上げ防止板がデミスタに沿うように形成されることで、デミスタと吹き上げ防止板との間隔を十分に確保することができる。そのため、デミスタと吹き上げ防止板との間のガス冷媒の流速を均一化できる。また仮に、吹き上げ防止板の上に液滴が付着した場合、デミスタによって捕集された液滴と同様に、その自重によって吹き上げ防止板の傾斜によって蒸発器出口の直下から移動させることができる。そのため、液滴が、蒸発器出口に吸い込まれることをより一層抑制できる。
このように構成することで、ケーシングの端部に近い位置のフロスレベルが盛り上がることを抑制できる。そのため、フロスレベルが盛り上がってデミスタの端部が液冷媒に没することを抑制できる。
このように構成することで、蒸発器の熱交換量を小さくすることなしに蒸発器の小型化を図ることができる。また、蒸発器の大きさを維持したまま熱交換量を増大できる。そのため、冷凍システムの商品性を向上することができる。
次に、この発明の第一実施形態における蒸発器及び冷凍システムを図面に基づき説明する。
図1は、この第一実施形態の冷凍システムの概略構成を示す構成図である。この第一実施形態で例示する冷凍システムは、いわゆる蒸気圧縮式のターボ冷凍機である。
図1に示すように、この第一実施形態における冷凍システム100は、ヒートポンプサイクル(冷凍サイクル)を有しており、その基本的な構成として、ターボ圧縮機1と、蒸発器2と、膨張弁3と、凝縮器4と、を備えている。
図2に示すように、蒸発器2は、ケーシング5と、伝熱管群6と、デミスタ7と、を備えている。
ケーシング5は、伝熱管群6と、デミスタ7と、を覆う密閉された内部空間Sを形成している。このケーシング5の内部空間Sには、液冷媒RLが貯留可能となっている。このケーシング5は、蒸発したガス冷媒RGをターボ圧縮機1に向けて送り込むために外部に排出する蒸発器出口10と、液冷媒RLを供給するための外部配管と内部空間Sとを連通させるための蒸発器入口11と、がそれぞれ形成されている。この第一実施形態で例示しているケーシング5は、例えば、断面輪郭が円環状に形成された圧力容器となっている。また、上記した以外に、ケーシング5には、被冷却流体Cを供給するための外部配管(図示せず)と伝熱管12(伝熱管群6)とを連通させる開口部(図示せず)も形成されている。
さらに、傾斜部13によってケーシング5の幅方向Dwの中央部に向かってデミスタ7が液面Lsから離れるので、ケーシング5の軸線O1付近に生じるフロスレベルFLの盛り上がり(図2に破線で示す)によって、デミスタ7が液冷媒RLに没することを抑制できる。そのため、デミスタ7の出口7b側から液滴が飛散することを抑制できる。
その結果、液滴がターボ圧縮機1に引き込まれるキャリーオーバを抑制しつつ、小型化又は熱交換量の増大を図ることができる。
次に、この発明の第二実施形態における蒸発器及び冷凍システムを図面に基づき説明する。なお、この第二実施形態は、上述した第一実施形態と、支持部の形状が異なるだけである。そのため、第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複する説明を省略する。
図4に示すように、この第二実施形態における蒸発器202は、ケーシング5と、伝熱管群(図示せず)と、デミスタ7と、を備えている。伝熱管群6及びデミスタ7は、上述した第一実施形態の伝熱管群及びデミスタ7と同じ構成であるため、詳細説明を省略する。
その結果、デミスタ7で捕集された液滴を再び液相領域A1に戻し、伝熱管群6によって蒸発させることができる。
次に、この発明の第三実施形態を図面に基づき説明する。この第三実施形態は、上述した第一又は第二実施形態に対して、吹き上げ防止板を設けたものである。そのため、上述した第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複する説明を省略する。
図5に示すように、この第三実施形態における蒸発器302は、上述した第一、第二実施形態と同様に、ケーシング5と、伝熱管群6と、デミスタ7と、を備えている。そして、この第三実施形態における蒸発器302は、吹き上げ防止板30を更に備えている。
吹き上げ防止板30は、デミスタ7に捕集された液滴がデミスタ7の出口から蒸発器出口10に吸い上げられることを抑制する。吹き上げ防止板30は、軸線O1方向で蒸発器出口10と重なる位置すなわち、蒸発器出口10の鉛直下方に配置されている。図5の一例における蒸発器302は、蒸発器出口10が二箇所設けられているため、二つの吹き上げ防止板30を備えている。
次に、この発明の第四実施形態を図面に基づき説明する。なお、この第四実施形態は、上述した第一から第三実施形態の蒸発器302に対して、伝熱管12の配置を異ならせたものである。そのため、第一から第三実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複説明を省略する。
図7は、この発明の第四実施形態における図2に相当する蒸発器の断面図である。
図7に示すように、この第四実施形態における蒸発器402は、ケーシング5と、伝熱管群306と、デミスタ7と、吹き上げ防止板30と、を備えている。なお、吹き上げ防止板30は、省略しても良い。ケーシング5及びデミスタ7は、上述した第一から第三実施形態と同様の構成であるため、詳細説明を省略する。
例えば、上述した各実施形態では、デミスタ7の傾斜部13が平板状に形成されている場合について説明したが、例えば、軸線O2と交差する断面において上方又は下方に向かって凸となる弧状等で形成されていてもよい。
また、上述した各実施形態では、冷凍システム100がターボ圧縮機1を備える場合を一例に説明したが、冷凍システム100は、ターボ圧縮機1以外の圧縮機を備えていても良い。
2,202,302,402 蒸発器
3 膨張弁
4 凝縮器
5 ケーシング
5a 内面
6,406 伝熱管群
7 デミスタ
7A デミスタ本体
7B フレーム
7a 入口
7b 出口
7c 端縁
10 蒸発器出口
11 蒸発器入口
12,412 伝熱管
13 傾斜部
14,214 支持部
14a,214a 支持部本体
14au,214au 上面
14b 固定部
20 貫通部
30 吹き上げ防止板
31 傾斜板部
100 冷凍システム
A1 液相領域
A2 気相領域
B,B1,B2 ブロック
C 被冷却流体
Dw 幅方向
FL フロスレベル
H1,H2 高さ
h スリット
Ls 液面
O1,O2 軸線
Pt 頂点位置
RG ガス冷媒
RL 液冷媒
S 内部空間
S1 中心面
W 冷却水
Claims (5)
- 液冷媒を収容する液相領域と、前記液冷媒が蒸発したガス冷媒を収容する気相領域とを内部に有し、前記気相領域に前記ガス冷媒を排出する蒸発器出口を備えたケーシングと、
前記液相領域の前記液冷媒に浸漬されて前記液冷媒よりも高温の流体が内部に流れる複数の伝熱管と、
前記液相領域に収容された前記液冷媒の液面を上方から覆うように設けられ、蒸発したガス冷媒に含まれる液滴を捕集するデミスタと、を備え、
前記デミスタは、
前記伝熱管の軸線と交差する断面視で、前記液面に沿って前記ケーシングの中央部に向かうほど前記液面から離れる傾斜部を備える蒸発器。 - 前記ケーシングは、
前記液面に近い側の前記デミスタの端縁を下方から支持する支持部を備え、
前記支持部は、
前記伝熱管の軸線と交差する断面視で、前記端縁と前記ケーシングの内面との間に、上下に貫通する貫通部を備える請求項1に記載の蒸発器。 - 前記伝熱管の軸線と交差する断面視で、前記デミスタに沿うように形成され、前記軸線方向で前記蒸発器出口と重なる位置に配置された吹き上げ防止板を備える請求項1又は2に記載の蒸発器。
- 前記伝熱管の軸線と交差する断面視で、前記液面の広がる方向における前記ケーシングの端部に近い位置よりも前記中央部に近い位置の方が、前記液面と交差する方向に並ぶ前記伝熱管の数が多い請求項1から3の何れか一項に記載の蒸発器。
- 請求項1から4の何れか一項に記載の蒸発器を備える冷凍システム。
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