JP2014020723A - 流下液膜式蒸発器 - Google Patents
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Abstract
【課題】液冷媒がガス冷媒によりキャリーオーバーされるのを抑制する。
【解決手段】伝熱管群30と、冷媒散布装置50と、ガス冷媒用出口管22bとを備えた流下液膜式蒸発器10。伝熱管群30は、水平方向に延び、多段多列に配置された複数の伝熱管からなる。冷媒散布装置50は、伝熱管群30の上方に配置され、供給された気液二相冷媒のうち液冷媒を溜めて伝熱管群30に液冷媒を流下させる。ガス冷媒用出口管22bは、冷媒散布装置50の上方に位置している。ガス冷媒用出口管22bには、伝熱管群30の表面で蒸発したガス冷媒が排気される排気口E1、E2、E3が形成されている。冷媒散布装置50の直上空間と、ガス冷媒が排気口に向かうガス流路空間とが連通している。排気口E1、E2、E3が冷媒散布装置50の長手方向に分かれて複数設けられている。
【選択図】図2
【解決手段】伝熱管群30と、冷媒散布装置50と、ガス冷媒用出口管22bとを備えた流下液膜式蒸発器10。伝熱管群30は、水平方向に延び、多段多列に配置された複数の伝熱管からなる。冷媒散布装置50は、伝熱管群30の上方に配置され、供給された気液二相冷媒のうち液冷媒を溜めて伝熱管群30に液冷媒を流下させる。ガス冷媒用出口管22bは、冷媒散布装置50の上方に位置している。ガス冷媒用出口管22bには、伝熱管群30の表面で蒸発したガス冷媒が排気される排気口E1、E2、E3が形成されている。冷媒散布装置50の直上空間と、ガス冷媒が排気口に向かうガス流路空間とが連通している。排気口E1、E2、E3が冷媒散布装置50の長手方向に分かれて複数設けられている。
【選択図】図2
Description
本発明は、流下液膜式蒸発器に関する。
空気調和装置の室外ユニットや給湯装置の熱源ユニット等には、空気を加熱したり冷却したりするための蒸発器や凝縮器が用いられている。蒸発器の種類としては、例えば特許文献1(特開平8−189726号公報)に開示されているように、流下液膜式蒸発器が挙げられる。流下液膜式蒸発器とは、水平に設置された伝熱管群上に液冷媒を散布することで、伝熱管内部を通る熱媒体と液冷媒との間で熱交換させる蒸発器である。
しかし、上記特許文献1に示されている流下液膜式蒸発器等の従来の流下液膜式蒸発器においては、液冷媒が、伝熱管群の表面で蒸発したガス冷媒に同調(エントレインメント)し、ガス冷媒に連れ去られ(キャリーオーバー)、ガス冷媒と一緒に圧縮機に吸入され、圧縮機の性能低下をもたらすという問題がある。
そこで、本発明の課題は、液冷媒がガス冷媒によりキャリーオーバーされるのを抑制可能な流下液膜式蒸発器を提供することにある。
本発明の第1観点に係る流下液膜式蒸発器は、伝熱管群と、冷媒散布装置と、排気部材とを備えている。伝熱管群は、水平方向に延び、多段多列に配置された複数の伝熱管からなる。冷媒散布装置は、伝熱管群の上方に配置され、供給された気液二相冷媒のうち液冷媒を溜めて伝熱管群に液冷媒を流下させる。排気部材は、冷媒散布装置の上方に位置している。排気部材には、伝熱管群の表面で蒸発したガス冷媒が排気される排気口が形成されている。冷媒散布装置の直上空間と、ガス冷媒が排気口に向かうガス流路空間とが連通している。排気口が冷媒散布装置の長手方向に分かれて複数設けられている。
本発明の第1観点に係る流下液膜式蒸発器では、排気口が冷媒散布装置の上方に複数設けられているため、排気口に向かうガス冷媒が分散され、その流速を抑制することが出来る。その結果、液冷媒が排気口に向かうガス冷媒により連れ去られるのを抑えることができる。即ち、本発明の第1観点に係る流下液膜式蒸発器では、液冷媒がガス冷媒によりキャリーオーバーされるのが抑制される。
本発明の第2観点に係る流下液膜式蒸発器は、第1観点に係る流下液膜式蒸発器であって、冷媒散布装置は、第1段桶と、第2段桶とを有する。第1段桶は、液冷媒を落下させるための多数の孔が形成された底を有し、長手方向に延び、液冷媒を長手方向に分散させる。第2段桶は、第1段桶の下方に配置され、液冷媒を伝熱管群に滴下するための多数の孔が形成された底を有する。
ここでは、冷媒散布装置は、2段構造の冷媒桶を有しているため、液冷媒をなるべく平均して伝熱管群に散布することができる。排気口が複数設けられているので、ガス冷媒が第1段桶と第2段桶との間を排気口に向かって流れる速度を抑制する。その結果、ガス冷媒が液冷媒をキャリーオーバーするのを抑制する。
本発明の第3観点に係る流下液膜式蒸発器は、第2観点に係る流下液膜式蒸発器であって、冷媒散布装置の上方を覆うカバーを更に有する。
これにより、ガス冷媒が第1段桶、第2段桶の方へ流入するのを抑制するとともに、ガス冷媒が冷媒散布装置から直接排気口に向かうのを抑制し、その際に液冷媒をキャリーオーバーするのを抑制する。
本発明の第4観点に係る流下液膜式蒸発器は、第2観点又は第3観点に係る流下液膜式蒸発器であって、冷媒散布装置は、ヘッダ管を更に有する。ヘッダ管は、第1段桶の上に配置され、多くの孔が形成された壁を二重に有し、気液二相冷媒を長手方向に流す。
ここでは、ヘッダ管は、第1段桶の上に配置され、多くの孔が設けられた壁を二重に有する。気液二層冷媒が長手方向に流れる過程において、ガス冷媒は、壁に設けられた孔から抜けていく。これにより、液冷媒とガス冷媒を分離することができる。
本発明の第5観点に係る流下液膜式蒸発器は、第2観点から第4観点のいずれかに係る流下液膜式蒸発器であって、第2段桶は、複数の小桶に分割されている。
ここでは、第2段桶は、複数の小桶に分割されている。これにより、液冷媒がなるべく平均して伝熱管群に散布される。
本発明の第6観点に係る流下液膜式蒸発器は、第5観点に係る流下液膜式蒸発器であって、複数の排気口それぞれは、小桶の長手方向の中央付近の上方に設けられている。
これにより、ガス冷媒が、第2段桶の全体で流出し、排気口に向かうようになる。カバーと第2段桶の間におけるガス冷媒の流速を抑え、液冷媒とガス冷媒とのエントレインメントを抑制する。
本発明の第1観点〜第3観点のいずれかに係る流下液膜式蒸発器によると、液冷媒がガス冷媒によりキャリーオーバーされるのが抑制される。
本発明の第4観点に係る流下液膜式蒸発器によると、液冷媒とガス冷媒を分離することができる。
本発明の第5観点に係る流下液膜式蒸発器によると、液冷媒をなるべく平均して伝熱管群に散布することができる。
本発明の第6観点に係る流下液膜式蒸発器によると、液冷媒とガス冷媒とのエントレインメントが抑制される。
以下、本発明に係る流下液膜式蒸発器について、図面を参照しつつ詳述する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(1)構成
図1は、本発明の一実施形態に係る流下液膜式蒸発器10の外観図である。流下液膜式蒸発器10は、図1に示すように、略円筒形状を有しており、その長手方向が水平方向となるようにして設置される。
図1は、本発明の一実施形態に係る流下液膜式蒸発器10の外観図である。流下液膜式蒸発器10は、図1に示すように、略円筒形状を有しており、その長手方向が水平方向となるようにして設置される。
ここで、この流下液膜式蒸発器10は、比較的大容量の冷凍サイクルの蒸発器として用いられる。具体的に、冷凍サイクルには、当該蒸発器10の他、圧縮機や凝縮器等が含まれている。圧縮機からは蒸気となったガス冷媒が吐出されるが、このガス冷媒は凝縮器にて凝縮され液冷媒に変化する。流下液膜式蒸発器10は、この液冷媒を、ケーシング20内部の伝熱管群30(後述)の上方から散布することで、伝熱管群30内の熱媒体である水と熱交換を行わせる。そして、流下液膜式蒸発器10は、当該蒸発器10内に流入した液冷媒を、一部分はガス冷媒とし残りは液冷媒として当該蒸発器10から流出させ、ガス冷媒を圧縮機に戻す。
このような流下液膜式蒸発器10は、図1〜3に示すように、主として、ケーシング20、伝熱管群30、冷媒散布装置50、カバー60、及びガス冷媒用出口管22bを備えている。
尚、以下の説明においては、「上」「下」「右」「左」「水平」「長手」「幅」等の方向を示す表現を適宜用いているが、これらは、流下液膜式蒸発器10が図1の状態で設置された状態での各方向を表す。
(1−1)ケーシング
ケーシング20は、図1に示すように、水平方向に延びた円筒形状を有している。ケーシング20の内部には、伝熱管群30、冷媒散布装置50、カバー60、及びガス冷媒用出口管22bが設置されている。
ケーシング20は、図1に示すように、水平方向に延びた円筒形状を有している。ケーシング20の内部には、伝熱管群30、冷媒散布装置50、カバー60、及びガス冷媒用出口管22bが設置されている。
水平方向に延びるケーシング20の一端部分には、水用入口管21a及び水用出口管21bが1つずつ設けられている。本実施形態においては、図1に示すように、水用入口管21a及び水用出口管21bがケーシング20の左側端部20aに設けられている場合を例に採る。水用入口管21aには、高温の水が、ケーシング20の外部から内部へと流入され、水用出口管21bからは、液冷媒と熱交換された後の水が、ケーシング20内部から外部へと流出されるようになっている。なお、本実施形態においては、水用入口管21aが、水用出口管21bよりも下方に位置している場合を例に採る。
ケーシング20の側面上方には、図1〜3に示すように、液冷媒用入口管22a及びガス冷媒用出口管22bが設けられており、側面下方には、液冷媒用出口管22cが設けられている。液冷媒用入口管22aには、凝縮器(図示せず)からの冷媒が気液二相の状態でケーシング20内部に流入される。ガス冷媒用出口管22bからは、ケーシング20内部にて蒸発した後のガス冷媒がケーシング20内部から流出し、液冷媒用出口管22cからは、ケーシング20内部にて蒸発しきれず液体の状態のままケーシング20の下面に溜まった液冷媒が、ケーシング20内部から流出する。
また、図2に示すように、本実施形態に係るケーシング20は、その内部において、蒸発空間sq1、入口空間sq2、折り返し空間sq3、及び出口空間sq4を有している。蒸発空間sq1は、熱媒体である水と液冷媒とが熱交換を行い、当該液冷媒が蒸発する空間である。入口空間sq2は、蒸発空間sq1に流入する前の水が通る空間である。折り返し空間sq3は、蒸発空間sq1を通過した水が折り返される空間である。出口空間sq4は、折り返し空間sq3にて折り返された後、再び蒸発空間sq1を通過して該蒸発空間sq1から流出した水が通る空間である。本実施形態においては、図3に示すように、蒸発空間sq1はケーシング20内部の約中央に位置し、入口空間sq2は、蒸発空間sq1の左側、より具体的にはケーシング20の左側端部20aに位置している。折り返し空間sq3は、ケーシング20の内部において、入口空間sq2とは逆側である蒸発空間sq1の右側、つまりはケーシング20の右側端部20bに位置している。出口空間sq4は、ケーシング20内部において、入口空間sq2と同様にケーシング20の左側端部20aに位置している。
そして、入口空間sq2は、水用入口管21aと接続されており、水は水用入口管21aを介して入口空間sq2内に流入される。一方で、出口空間sq4は、水用出口管21bと接続されており、蒸発空間sq1から出口空間sq4に流入した水は、水用出口管21bを介して流下液膜式蒸発器10の外部へと流出する。
(1−2)伝熱管群
伝熱管群30は、図4に示すように、複数の伝熱管30a,30b,30c,・・・によって構成されている。各伝熱管30a,30b,30c,・・・の内部には、熱媒体である水が通過し、各伝熱管30a,30b,30c,・・・の外部には、液冷媒またはガス冷媒が接触する。これにより、各伝熱管30a,30b,30c,・・・上においては、冷媒と当該管30a,30b,30c,・・・内部の水とが熱交換を行うようになる。
伝熱管群30は、図4に示すように、複数の伝熱管30a,30b,30c,・・・によって構成されている。各伝熱管30a,30b,30c,・・・の内部には、熱媒体である水が通過し、各伝熱管30a,30b,30c,・・・の外部には、液冷媒またはガス冷媒が接触する。これにより、各伝熱管30a,30b,30c,・・・上においては、冷媒と当該管30a,30b,30c,・・・内部の水とが熱交換を行うようになる。
各伝熱管30a,30b,30c,・・・は、例えば銅やアルミニウム等によって形成されており、ケーシング20内部の蒸発空間sq1において水平方向に延びるようにして配置されている。特に、複数の伝熱管30a,30b,30c,・・・は、図2,3に示すように、蒸発空間sq1において、多段多列に積み重ねられている。
また、複数の伝熱管30a,30b,30c,・・・は、図2、3に示すように、入口側伝熱管41と出口側伝熱管42とのいずれかに属している。入口側伝熱管41は、入口空間sq2と折り返し空間sq3とを結ぶ伝熱管である。出口側伝熱管42は、折り返し空間sq3と出口空間sq4とを結ぶ伝熱管である。即ち、入口側伝熱管41と出口側伝熱管42とは、折り返し空間sq3を介して互いに接続されている。従って、入口側伝熱管41には、入口空間sq2から流入してきた水が通過する。入口側伝熱管41を通過した水は、折り返し空間sq3にて折り返されて、出口側伝熱管42内を流れることとなる。即ち、本実施形態においては、折り返し空間sq3において水が折り返される折り返し回数が1回である場合を例に採っている。
なお、複数の伝熱管30a,30b,30c,・・・の段数及び列数は、複数段及び複数列であればよく、本実施形態では、10段×10列であるが、これに限定されるものではない。特に、複数の伝熱管の段数及び列数は、2段×3列以上であることが好ましい。
(1−3)冷媒散布装置
図3は、図2のIII−III断面を模式的に示す図である。
図3は、図2のIII−III断面を模式的に示す図である。
冷媒散布装置50は、図2、3に示すように、ケーシング20の長手方向に延びており、ケーシング20の蒸発空間sq1において、伝熱管群30の上方に位置している。冷媒散布装置50は、冷媒用入口管22aから供給された気液二相冷媒のうち液冷媒を溜めて伝熱管群30に液冷媒を流下させる。冷媒散布装置50は、伝熱管群30の上方から液冷媒を流下することにより、該液冷媒と伝熱管30a,30b,30c,・・・内部の水との間で熱交換を行わせて液冷媒を蒸発させる。
冷媒散布装置50は、ヘッダ管53と、第1段桶51及び第2段桶52からなる2段の冷媒桶とを有する。
ヘッダ管53は、第1段桶51の上に配置され、第1段桶51に沿って長く延びている。ヘッダ管53は、多くの孔が設けられた多孔板Pを有するバッフル板である壁53a、53bを二重に有する。多孔板Pは、壁53a、53bのヘッダ管53の上面を形成する部分と、側壁を形成する部分の下端よりも少し上方の部分とに設けられている。ヘッダ管53は、冷媒用入口管22aに接続されている。冷媒用入口管22aから供給された気液二相冷媒が、長手方向に流れる過程において、ガス冷媒は、壁に設けられた孔から雰囲気中へ抜け、冷媒散布装置50からガス流路空間でもある蒸発空間sq1に流出し、蒸発空間sq1内を排気口E1、E2、E3へと流れる。液冷媒は、孔から第1段桶51へと流れる。これにより、液冷媒とガス冷媒とが分離される。
第1段桶51は、液冷媒を第2段桶52に落とす多数の孔が形成された底B1を有し、伝熱管群30が水平方向に延びている方向に長く延びている。第1段桶51は、ヘッダ管53から供給された液冷媒をその長手方向に分散させる。
第2段桶52は、第1段桶51の下方に配置され、液冷媒を伝熱管群30に滴下するための多数の孔が形成された底B2を有する。第2段桶52は、第1段桶51よりも幅寸法が大きい。第2段桶は、さらに複数(本実施形態では3つ)の小桶52a、52b、52cに分割されている。
このように冷媒散布装置50が2段構造になっており、第2段桶52がさらに複数の小桶52a、52b、52cに分割されているため、液冷媒をなるべく平均して伝熱管群30に散布することができるようになっている。
冷媒用入口管22aから流入した液冷媒は、第1段桶51によって第2段桶52側へと散布され、更に第2段桶52から伝熱管群30上へと散布されるようになる。これにより、伝熱管群30の表面には、液膜が形成される。
なお、図3において示されている冷媒散布装置50とカバー60との間の空間sq5を、冷媒散布装置50の直上空間sq5と呼ぶ。直上空間sq5は、冷媒散布装置50内の第1段桶51とその直上のカバー60との間の空間及び第2段桶52とその直上のカバー60との間の空間(第2段桶52と第1段桶51との間の空間を含む)である。
(1−4)カバー
カバー60は、冷媒散布装置50の上方に位置し、冷媒散布装置50に沿って冷媒散布装置50の長手方向(流下液膜式蒸発器10の長手方向でもある)に延びており、冷媒散布装置50の上方を覆う。カバー60の幅寸法は、第1段桶51よりも大きく、第2段桶52の幅寸法とほぼ同じである。カバー60により、冷媒散布装置50からガス冷媒が直線的に、即ち直接、排気口E1、E2、E3に流れないように構成されている。これにより、冷媒散布装置50から排気口E1、E2、E3に向かうガス冷媒の速い流れの発生を抑制し、ガス冷媒と液冷媒とのエントレインメント、及びガス冷媒による液冷媒のキャリーオーバーを抑制している。
カバー60は、冷媒散布装置50の上方に位置し、冷媒散布装置50に沿って冷媒散布装置50の長手方向(流下液膜式蒸発器10の長手方向でもある)に延びており、冷媒散布装置50の上方を覆う。カバー60の幅寸法は、第1段桶51よりも大きく、第2段桶52の幅寸法とほぼ同じである。カバー60により、冷媒散布装置50からガス冷媒が直線的に、即ち直接、排気口E1、E2、E3に流れないように構成されている。これにより、冷媒散布装置50から排気口E1、E2、E3に向かうガス冷媒の速い流れの発生を抑制し、ガス冷媒と液冷媒とのエントレインメント、及びガス冷媒による液冷媒のキャリーオーバーを抑制している。
カバー60は、図3のように長手方向から見て、中央部61と、中央部61から下方に傾斜した側縁部62とを有する。中央部61の下面には、下方鉛直に突出した壁63が設けられている。側縁部62の端縁と第2段桶52の側壁との間には、隙間が空いている。即ち、冷媒散布装置50の直上空間sq5は、ガス流路空間でもある蒸発空間sq1と連通している。したがって、蒸発空間sq1から冷媒散布装置50内の直上空間sq5にガス冷媒が流入したり、冷媒散布装置50内の直上空間sq5から蒸発空間sq1へガス冷媒が流れたりすることができるようになっている。
(1−5)ガス冷媒用出口管
ガス冷媒用出口管22bは、冷媒散布装置50及びカバー60の上方に位置する。ガス冷媒用出口管22bには、伝熱管群30の表面で蒸発したガス冷媒が排気される排気口が形成されている。排気口は、冷媒散布装置50の長手方向に分かれて複数形成されている。具体的には、ガス冷媒用出口管22bは、図2に示すようなケーシングの内側からケーシングの外側に鉛直に延びる鉛直管とケーシングの内側においてその長手方向に水平に延びる水平管とがT字形を形成するように接合された管である。排気口は、当該水平管と当該鉛直管と接合している部分に対向する当該水平管の壁に1つ(排気口E2)と、水平管の両端に1つずつ(排気口E1、E3)設けられている。排気口E2は、排気口E1、E3よりも径が小さい。複数の排気口E1、E2、E3それぞれは、第2段桶52の小桶52a、52b、52cの長手方向の中央付近の上方に設けられている。
ガス冷媒用出口管22bは、冷媒散布装置50及びカバー60の上方に位置する。ガス冷媒用出口管22bには、伝熱管群30の表面で蒸発したガス冷媒が排気される排気口が形成されている。排気口は、冷媒散布装置50の長手方向に分かれて複数形成されている。具体的には、ガス冷媒用出口管22bは、図2に示すようなケーシングの内側からケーシングの外側に鉛直に延びる鉛直管とケーシングの内側においてその長手方向に水平に延びる水平管とがT字形を形成するように接合された管である。排気口は、当該水平管と当該鉛直管と接合している部分に対向する当該水平管の壁に1つ(排気口E2)と、水平管の両端に1つずつ(排気口E1、E3)設けられている。排気口E2は、排気口E1、E3よりも径が小さい。複数の排気口E1、E2、E3それぞれは、第2段桶52の小桶52a、52b、52cの長手方向の中央付近の上方に設けられている。
(2)効果
(2−1)従来例解析結果
図4は、従来の流下液膜式蒸発器10’を、ケーシング20’の延びる方向に交差する方向に沿った縦断面図であって、当該縦断面図を模式的に示す図である。図5は、従来の流下液膜式蒸発器10’を、ケーシング20’の延びる方向に沿って切断した場合のケーシング20’内部の断面図であって、当該断面を模式的に示す図である。
(2−1)従来例解析結果
図4は、従来の流下液膜式蒸発器10’を、ケーシング20’の延びる方向に交差する方向に沿った縦断面図であって、当該縦断面図を模式的に示す図である。図5は、従来の流下液膜式蒸発器10’を、ケーシング20’の延びる方向に沿って切断した場合のケーシング20’内部の断面図であって、当該断面を模式的に示す図である。
図5に示すように従来の流下液膜式蒸発器10’には、排気口がその長手方向中央に1つだけ設けられていた。この場合のガス冷媒の流速のベクトル分布及び圧力分布を解析すると図6〜図9に示すようになっていることが分かった。
図6は、図5のVI−VI断面を模式的に示す図である。この部分では、排気口Eが近くに無いので、カバー60’の上の空間の圧力が、カバー60’の高さ位置より下方の圧力と比べてほとんど変わらない。そのため、ヘッダ管53’の多孔板の孔を抜けたガス冷媒は、冷媒散布装置50’から外に流れない。そして、伝熱管群30’の表面で蒸発したガス冷媒の一部は、カバー60’の上の空間へは流れずに、ブロック矢印D1で示すように冷媒散布装置50’内へ流入することが分かった。
図7は、図5のVII−VII断面を模式的に示す図である。この部分は、3つの小桶に分割された第2段冷媒桶52’の小桶と小桶との境界の近傍であり、矢印A2で示すように、第1段桶と第2段桶との間に流入したガス冷媒が小桶の端の壁に当たり、冷媒散布装置50’の外に向けてガス冷媒が0.7m/s以上の流速で流れることが分かった。また、矢印A1で示すように、ヘッダ管53’の多孔板の孔から抜けたガス冷媒が冷媒散布装置50’から排気口Eに向かって0.7m/s以上の流速で流れることが分かった。伝熱管群30’の表面で蒸発したガス冷媒の一部は、矢印A3で示すように縦に渦を巻くような流れを形成する。このように、この部分では、ブロック矢印D2で示す方向に、即ち冷媒散布装置50’の中から外に向かうガス冷媒の流れが発生することが分かった。そして、その結果、ガス冷媒と液冷媒とのエントレインメントが発生し、液冷媒がガス冷媒によりキャリーオーバーされることが分かった。
図8は、図5のVIII−VIII断面を模式的に示す図である。この部分では、排気口Eが近くにあり、矢印A4で示すように0.7m/s以上の速い流れで、伝熱管群30’の表面で蒸発したガス冷媒が排気口Eに向かって上昇する。また、矢印A5で示すように、ヘッダ管53’の多孔板の孔から抜けたガス冷媒が冷媒散布装置50’から排気口Eに向かって0.7m/s以上の流速で流れることが分かった。このように、この部分では、ブロック矢印D3で示す方向に、即ち冷媒散布装置50’の中から外に向かうガス冷媒の流れが発生することが分かった。そして、その結果、ガス冷媒と液冷媒とのエントレインメントが発生し、液冷媒がガス冷媒によりキャリーオーバーされることが分かった。
図9は、図5のIX−IX断面を模式的に示す図である。この部分では、直上に排気口Eがあり、伝熱管群30’の表面で蒸発したガス冷媒が、0.7m/s以上の速い流速で排気口に向かって流れる(矢印A6参照)。また、矢印A7で示すように、ヘッダ管53’の多孔板の孔から抜けたガス冷媒が冷媒散布装置50’から排気口Eに向かって0.7m/s以上の流速で流れることが分かった。このように、この部分では、ブロック矢印D4で示す方向に、即ち冷媒散布装置50’の中から外に向かうガス冷媒の流れが発生することが分かった。そして、その結果、ガス冷媒と液冷媒とのエントレインメントが発生し、液冷媒がガス冷媒によりキャリーオーバーされることが分かった。
(2−2)本発明の効果
流下液膜式蒸発器10では、排気口E1、E2、E3が冷媒散布装置50の長手方向に分かれて複数形成されており、それぞれ小桶52a、52b、52cの長手方向中央部付近の上方に配置されている。
流下液膜式蒸発器10では、排気口E1、E2、E3が冷媒散布装置50の長手方向に分かれて複数形成されており、それぞれ小桶52a、52b、52cの長手方向中央部付近の上方に配置されている。
これにより、上記図6に相当する部分で冷媒散布装置50に流入していたガス冷媒は、排気口E1に向かって流れるようになり、冷媒散布装置50に流入するのが抑制される。
上記図7に相当する部分では、上記図6に相当する部分で冷媒散布装置50に流入するガス冷媒が少ないので、冷媒散布装置50から流出するガス冷媒の量が少なく、流速も遅くなる。その結果、ガス冷媒による液冷媒のキャリーオーバーの発生が抑制される。
上記図8に相当する部分及び上記図9に相当する部分においては、排気口E2に向かって冷媒散布装置50から流出するガス冷媒の流速が低下し、ガス冷媒による液冷媒のキャリーオーバーの発生が抑制される。
また、排気口E1、E3を小桶同士の境界の上方に設けた場合についても解析したが、この場合、上記図6に相当する部分で冷媒散布装置にガス冷媒が流入するのを抑制することができなかった。また、伝熱管群からのガス冷媒の上昇流を直接受けることになり、冷媒散布装置内において流速が0.7m/s以上の領域が見られた。これに対し、流下液膜式蒸発器10では、ガス冷媒が、第2段桶52の全体で流出し、排気口E1、E2、E3に向かうようになっている。その結果、カバー60と第2段桶52の間におけるガス冷媒の流速を抑え、液冷媒とガス冷媒とのエントレインメントを抑制している。したがって、排気口E1、E3は、小桶の長手方向中央部付近の上方に配置するほうが好ましい。
(3)特徴
(3−1)
流下液膜式蒸発器10は、伝熱管群30と、冷媒散布装置50と、ガス冷媒用出口管22bとを備えている。伝熱管群30は、水平方向に延び、多段多列に配置された複数の伝熱管30a、30b、30c、・・・からなる。冷媒散布装置50は、伝熱管群30の上方に配置され、供給された気液二相冷媒のうち液冷媒を溜めて伝熱管群30に液冷媒を流下させる。ガス冷媒用出口管22bは、冷媒散布装置50の上方に位置している。ガス冷媒用出口管22bには、伝熱管群30の表面で蒸発したガス冷媒が排気される排気口E1、E2、E3が形成されている。冷媒散布装置50の直上空間sq5と、ガス冷媒が排気口E1、E2、E3に向かうガス流路空間sq1とが連通している。排気口E1、E2、E3が冷媒散布装置50の長手方向に分かれて複数設けられている。
(3−1)
流下液膜式蒸発器10は、伝熱管群30と、冷媒散布装置50と、ガス冷媒用出口管22bとを備えている。伝熱管群30は、水平方向に延び、多段多列に配置された複数の伝熱管30a、30b、30c、・・・からなる。冷媒散布装置50は、伝熱管群30の上方に配置され、供給された気液二相冷媒のうち液冷媒を溜めて伝熱管群30に液冷媒を流下させる。ガス冷媒用出口管22bは、冷媒散布装置50の上方に位置している。ガス冷媒用出口管22bには、伝熱管群30の表面で蒸発したガス冷媒が排気される排気口E1、E2、E3が形成されている。冷媒散布装置50の直上空間sq5と、ガス冷媒が排気口E1、E2、E3に向かうガス流路空間sq1とが連通している。排気口E1、E2、E3が冷媒散布装置50の長手方向に分かれて複数設けられている。
上記実施形態では、排気口E1、E2、E3が冷媒散布装置50の上方に複数設けられているため、排気口E1、E2、E3に向かうガス冷媒が分散され、その流速を抑制することが出来る。その結果、液冷媒が排気口E1、E2、E3に向かうガス冷媒により連れ去られるのを抑えることができる。即ち、流下液膜式蒸発器10では、液冷媒がガス冷媒によりキャリーオーバーされるのが抑制されている。
(3−2)
上記実施形態では、冷媒散布装置50は、第1段桶51と第2段桶52とを有し、2段構造になっている。このため、液冷媒をなるべく平均して伝熱管群30に散布することができている。また、排気口E1、E2、E3が複数設けられているので、ガス冷媒が第1段桶51と第2段桶52との間を排気口E1、E2、E3に向かって流れる速度を抑制する。その結果、ガス冷媒が液冷媒をキャリーオーバーするのを抑制する。
上記実施形態では、冷媒散布装置50は、第1段桶51と第2段桶52とを有し、2段構造になっている。このため、液冷媒をなるべく平均して伝熱管群30に散布することができている。また、排気口E1、E2、E3が複数設けられているので、ガス冷媒が第1段桶51と第2段桶52との間を排気口E1、E2、E3に向かって流れる速度を抑制する。その結果、ガス冷媒が液冷媒をキャリーオーバーするのを抑制する。
(3−3)
上記実施形態では、カバー60がガス冷媒が第1段桶51、第2段桶52の方へ流入するのを抑制するとともに、ガス冷媒が冷媒散布装置50から直接排気口E1、E2、E3に向かい、その際に液冷媒をキャリーオーバーするのを抑制している。
上記実施形態では、カバー60がガス冷媒が第1段桶51、第2段桶52の方へ流入するのを抑制するとともに、ガス冷媒が冷媒散布装置50から直接排気口E1、E2、E3に向かい、その際に液冷媒をキャリーオーバーするのを抑制している。
(3−4)
上記実施形態では、ヘッダ管53は、第1段桶51の上に配置され、多くの孔が設けられた壁53a、53bを二重に有する。気液二層冷媒が長手方向に流れる過程において、ガス冷媒は、壁53a、53bに設けられた孔から抜けていく。これにより、液冷媒とガス冷媒とが分離されている。
上記実施形態では、ヘッダ管53は、第1段桶51の上に配置され、多くの孔が設けられた壁53a、53bを二重に有する。気液二層冷媒が長手方向に流れる過程において、ガス冷媒は、壁53a、53bに設けられた孔から抜けていく。これにより、液冷媒とガス冷媒とが分離されている。
(3−5)
上記実施形態では、第2段桶52は、複数の小桶52a、52b、52cに分割されている。これにより、液冷媒がなるべく平均して伝熱管群30に散布されている。
上記実施形態では、第2段桶52は、複数の小桶52a、52b、52cに分割されている。これにより、液冷媒がなるべく平均して伝熱管群30に散布されている。
(3−6)
上記実施形態では、複数の排気口E1、E2、E3それぞれは、小桶の長手方向の中央付近の上方に設けられている。
上記実施形態では、複数の排気口E1、E2、E3それぞれは、小桶の長手方向の中央付近の上方に設けられている。
これにより、ガス冷媒が、第2段桶52の全体で流出し、排気口E1、E2、E3に向かうようになる。カバー60と第2段桶52の間におけるガス冷媒の流速を抑え、液冷媒とガス冷媒とのエントレインメントを抑制している。
(4)変形例
(4−1)変形例A
上記実施形態では、ケーシング20内にT字型のガス冷媒用出口管22bが備えられていた。しかし、他の実施形態においては、図10に示すようにケーシング120の上部の壁に排気口E4、E5を2つ設けても良い。この場合、排気口E4、E5の位置は、小桶の長手方向中央付近の上方が好ましい。2つの排気口E4、E5からは、ガス冷媒用出口管122bが延びており、ガス冷媒をケーシング120の内部から外部へ排出する。
(4−1)変形例A
上記実施形態では、ケーシング20内にT字型のガス冷媒用出口管22bが備えられていた。しかし、他の実施形態においては、図10に示すようにケーシング120の上部の壁に排気口E4、E5を2つ設けても良い。この場合、排気口E4、E5の位置は、小桶の長手方向中央付近の上方が好ましい。2つの排気口E4、E5からは、ガス冷媒用出口管122bが延びており、ガス冷媒をケーシング120の内部から外部へ排出する。
なお、排気口の数は、本変形例のように2つ或いは上記実施形態のように3つに限られず、4つ以上設けても良い。
10 流下液膜式蒸発器
20 ケーシング
22b ガス冷媒用出口管(排気部材)
30 伝熱管群
30a,30b,30c,・・・ 伝熱管
50 冷媒散布装置
51 第1段桶
52 第2段桶
52a、52b、52c 小桶
53 ヘッダ管
53a、53b 壁
60 カバー
E1、E2、E3 排気口
sq1 蒸発空間(ガス流路空間)
sq5 冷媒散布装置の直上空間
20 ケーシング
22b ガス冷媒用出口管(排気部材)
30 伝熱管群
30a,30b,30c,・・・ 伝熱管
50 冷媒散布装置
51 第1段桶
52 第2段桶
52a、52b、52c 小桶
53 ヘッダ管
53a、53b 壁
60 カバー
E1、E2、E3 排気口
sq1 蒸発空間(ガス流路空間)
sq5 冷媒散布装置の直上空間
Claims (6)
- 水平方向に延び、多段多列に配置された複数の伝熱管(30a、30b、30c、・・・)からなる伝熱管群(30)と、
前記伝熱管群の上方に配置され、供給された気液二相冷媒のうち液冷媒を溜めて前記伝熱管群に前記液冷媒を流下させる冷媒散布装置(50)と、
前記冷媒散布装置の上方に位置し、前記伝熱管群の表面で蒸発したガス冷媒が排気される排気口(E1、E2、E3)が形成された排気部材(22b)と、
を備え、
前記冷媒散布装置の直上空間(sq5)と、前記ガス冷媒が前記排気口に向かうガス流路空間(sq1)とが連通しており、
前記排気口が前記冷媒散布装置の長手方向に分かれて複数設けられている、
流下液膜式蒸発器(10)。 - 前記冷媒散布装置は、
前記液冷媒を落下させるための多数の孔が形成された底(B1)を有し、前記長手方向に延び、前記液冷媒を前記長手方向に分散させる第1段桶(51)と、
前記第1段桶の下方に配置され、前記液冷媒を伝熱管群に滴下するための多数の孔が形成された底(B2)を有する第2段桶(52)と、
を有する、
請求項1に記載の流下液膜式蒸発器(10)。 - 前記冷媒散布装置の上方を覆うカバー(60)を更に有する、
請求項2に記載の流下液膜式蒸発器(10)。 - 前記冷媒散布装置は、前記第1段桶の上に配置され、多くの孔が形成された壁(53a、53b)を二重に有し、前記気液二相冷媒を前記長手方向に流すヘッダ管(53)を更に有する、
請求項2又は3に記載の流下液膜式蒸発器(10)。 - 前記第2段桶は、複数の小桶(52a、52b、52c)に分割されている、
請求項2〜4のいずれかに記載の流下液膜式蒸発器(10)。 - 前記複数の排気口それぞれは、前記小桶の前記長手方向の中央付近の上方に設けられている、
請求項5に記載の流下液膜式蒸発器(10)。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012161873A JP2014020723A (ja) | 2012-07-20 | 2012-07-20 | 流下液膜式蒸発器 |
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Family Applications (1)
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JP (1) | JP2014020723A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105042949A (zh) * | 2015-09-01 | 2015-11-11 | 南京冷德节能科技有限公司 | 一种强制再循环完全喷淋式蒸发器 |
JP6024030B1 (ja) * | 2016-03-03 | 2016-11-09 | 株式会社日本理水研 | 散水型熱交換装置 |
CN109690227A (zh) * | 2016-07-29 | 2019-04-26 | 泰克尼普法国公司 | 竖管式热交换器和热交换方法 |
CN111919075A (zh) * | 2018-04-06 | 2020-11-10 | 开利公司 | 一体式分离器和分配器 |
WO2023006763A1 (de) * | 2021-07-30 | 2023-02-02 | KMU LOFT Cleanwater SE | Wärmetauscher, verfahren zum betreiben eines wärmetauschers und prozesswasserdestillationsanlage |
-
2012
- 2012-07-20 JP JP2012161873A patent/JP2014020723A/ja active Pending
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---|---|---|---|---|
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