JP2014020725A - 流下液膜式蒸発器 - Google Patents
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Abstract
【課題】液冷媒がガス冷媒によりキャリーオーバーされるのを抑制する。
【解決手段】伝熱管群と、冷媒散布装置50と、ガス冷媒用出口管と、カバー60とを備えた流下液膜式蒸発器。伝熱管群は、複数の伝熱管からなる。冷媒散布装置50は、伝熱管群の上方に配置され、供給された気液二相冷媒のうち液冷媒を溜めて伝熱管群に液冷媒を流下させる。ガス冷媒用出口管は、冷媒散布装置50の上方に位置しており、伝熱管群の表面で蒸発したガス冷媒が排気される排気口が形成されている。カバー60は、隙間を空けて冷媒散布装置50の上方を覆う。冷媒散布装置50およびカバー60は、ともに流下液膜式蒸発器のケーシングの長手方向に長く延びている。冷媒散布装置50とカバー60との長手方向Lの第1部L1における隙間よりも、冷媒散布装置50とカバー60との長手方向Lの第2部L2における隙間の方が大きい。
【選択図】図5
【解決手段】伝熱管群と、冷媒散布装置50と、ガス冷媒用出口管と、カバー60とを備えた流下液膜式蒸発器。伝熱管群は、複数の伝熱管からなる。冷媒散布装置50は、伝熱管群の上方に配置され、供給された気液二相冷媒のうち液冷媒を溜めて伝熱管群に液冷媒を流下させる。ガス冷媒用出口管は、冷媒散布装置50の上方に位置しており、伝熱管群の表面で蒸発したガス冷媒が排気される排気口が形成されている。カバー60は、隙間を空けて冷媒散布装置50の上方を覆う。冷媒散布装置50およびカバー60は、ともに流下液膜式蒸発器のケーシングの長手方向に長く延びている。冷媒散布装置50とカバー60との長手方向Lの第1部L1における隙間よりも、冷媒散布装置50とカバー60との長手方向Lの第2部L2における隙間の方が大きい。
【選択図】図5
Description
本発明は、流下液膜式蒸発器に関する。
空気調和装置の室外ユニットや給湯装置の熱源ユニット等には、空気を加熱したり冷却したりするための蒸発器や凝縮器が用いられている。蒸発器の種類としては、例えば特許文献1(特開平8−189726号公報)に開示されているように、流下液膜式蒸発器が挙げられる。流下液膜式蒸発器とは、水平に設置された伝熱管群上に液冷媒を散布することで、伝熱管内部を通る熱媒体と液冷媒との間で熱交換させる蒸発器である。
しかし、上記特許文献1に示されている流下液膜式蒸発器等の従来の流下液膜式蒸発器においては、液冷媒が、ガス冷媒に同調(エントレインメント)し、ガス冷媒に連れ去られ(キャリーオーバー)、ガス冷媒と一緒に圧縮機に吸入され、圧縮機の性能低下をもたらすという問題がある。
そこで、本発明の課題は、液冷媒がガス冷媒によりキャリーオーバーされるのを抑制可能な流下液膜式蒸発器を提供することにある。
本発明の発明者は、液冷媒がガス冷媒によりキャリーオーバーされるのを抑制可能な流下液膜式蒸発器について鋭意研究を行った結果、
(i)排気口の直下近傍では、冷媒散布装置内の空間に存在するガス冷媒が排気口に向かって0.7m/s以上の速い流速で流れ、このような部分において液冷媒とガス冷媒とのエントレインメントが発生し、液冷媒がガス冷媒によりキャリーオーバーされること、
(ii)排気口から遠い流下液膜式蒸発器の両端部近傍では、伝熱管群表面で蒸発したガス冷媒が冷媒散布装置内の空間に流入すること、
を見出した。
(i)排気口の直下近傍では、冷媒散布装置内の空間に存在するガス冷媒が排気口に向かって0.7m/s以上の速い流速で流れ、このような部分において液冷媒とガス冷媒とのエントレインメントが発生し、液冷媒がガス冷媒によりキャリーオーバーされること、
(ii)排気口から遠い流下液膜式蒸発器の両端部近傍では、伝熱管群表面で蒸発したガス冷媒が冷媒散布装置内の空間に流入すること、
を見出した。
本発明は、このような知見に鑑みてなされたものであり、本発明の第1観点に係る流下液膜式蒸発器は、伝熱管群と、冷媒散布装置と、排気部材と、カバーとを備える。伝熱管群は、水平方向に延び、多段多列に配置された複数の伝熱管からなる。冷媒散布装置は、伝熱管群の上方に配置され、供給された気液二相冷媒のうち液冷媒を溜めて伝熱管群に液冷媒を流下させる。排気部材は、冷媒散布装置の上方に位置し、伝熱管群の表面で蒸発したガス冷媒が排気される排気口が形成されている。カバーは、隙間を空けて冷媒散布装置の上方を覆う。冷媒散布装置およびカバーは、ともに第1方向に長く延びている。冷媒散布装置とカバーとの第1方向の第1部における隙間よりも、冷媒散布装置とカバーとの第1方向の第2部における隙間の方が大きい。
本発明の第1観点に係る流下液膜式蒸発器では、冷媒散布装置とカバーとの隙間が、第1方向の第1部では狭く、第2部では広くなっている。このため、冷媒散布装置とカバーとの隙間が狭い第1部では、ガス冷媒が冷媒散布装置内に入りにくくなっている。すなわち、第1部ではガス冷媒が冷媒散布装置内に流入するのを抑えている。これにより、冷媒散布装置を出入りするガス冷媒の量を抑制でき、液冷媒がガス冷媒の流れによりキャリーオーバーされるのが抑制される。
本発明の第2観点に係る流下液膜式蒸発器は、第1観点に係る流下液膜式蒸発器であって、第1部は、排気口から離れて位置する。第2部は、排気口の近傍に位置する。
冷媒散布装置とカバーとの隙間が狭い第1部は、排気口から離れている。隙間が広い第2部は、排気口の近傍に位置する。これにより、排気口から遠い部分ではガス冷媒が冷媒散布装置内に流入するのを抑え、排気口の近傍では、ガス冷媒が冷媒散布装置から抜けやすくしている。その結果、液冷媒がガス冷媒の流れによりキャリーオーバーされるのが抑制される。
本発明の第3観点に係る流下液膜式蒸発器は、第1観点又は第2観点に係る流下液膜式蒸発器であって、カバーは、中央部と、中央部から下方に傾斜した側縁部とを有する。側縁部の傾斜角は、第1部における角度の方が、第2部における角度よりも大きい。
ここでは、カバーは、中央部と、中央部から下方に傾斜した側縁部とを有する。側縁部の傾斜角は、第1部の角度の方が第2部の角度よりも大きくなっている。これにより、カバーと冷媒散布装置との隙間については、第1部の隙間の方が第2部の隙間よりも小さくなっている。これにより、排気口から遠い部分ではガス冷媒が冷媒散布装置内に流入するのを抑え、排気口の近傍では、ガス冷媒が冷媒散布装置から抜けやすくしている。その結果、液冷媒がガス冷媒の流れによりキャリーオーバーされるのが抑制される。
本発明の第4観点に係る流下液膜式蒸発器は、第1観点又は第2観点に係る流下液膜式蒸発器であって、カバーは、中央部と、中央部から下方に傾斜した側縁部とを有する。側縁部は、第1部において第2部におけるよりも長く延びている。
ここでは、カバーの長さにより、隙間を変える。カバーは、第1部では、第2部よりも長く延びている。即ち、第1部の隙間の方が第2部の隙間よりも小さくなっている。これにより、排気口から遠い部分ではガス冷媒が冷媒散布装置内に流入するのを抑え、排気口の近傍では、ガス冷媒が冷媒散布装置から抜けやすくしている。その結果、液冷媒がガス冷媒の流れによりキャリーオーバーされるのが抑制される。
本発明の第5観点に係る流下液膜式蒸発器は、第1観点又は第2観点に係る流下液膜式蒸発器であって、カバーは、中央部と、中央部から下方に傾斜した側縁部とを有する。側縁部の傾斜角は、第1部における角度の方が、第2部における角度よりも大きい。側縁部は、第1部において第2部におけるよりも長く延びている。
ここでは、上部カバーの角度と長さとにより、第1部の隙間の方が第2部の隙間よりも小さくしている。これにより、排気口から遠い部分ではガス冷媒が冷媒散布装置内に流入するのを抑え、排気口の近傍では、ガス冷媒が冷媒散布装置から抜けやすくしている。その結果、液冷媒がガス冷媒の流れによりキャリーオーバーされるのが抑制される。
本発明の第6観点に係る流下液膜式蒸発器は、第3観点〜第5観点のいずれかに係る流下液膜式蒸発器であって、第2部における側縁部は、その先端に凹凸形状を有する。
ここでは、第2部におけるカバーの側縁部が凹凸形状になっている。すなわち、ガス冷媒が流れやすい第2部では、液滴が付着する凸部とは別にガス冷媒の通路として凹部が設けられている。これにより、ガス冷媒の流れに液冷媒がキャリーオーバーされるのを抑制する。
本発明の第7観点に係る流下液膜式蒸発器は、第3観点〜第6観点のいずれかに係る流下液膜式蒸発器であって、冷媒散布装置は、第1段桶と、第2段桶と、ヘッダ管とを有する。第1段桶は、液冷媒を落とす多数の孔が形成された底を有し、長手方向に延び、液冷媒を長手方向に分散させる。第2段桶は、第1段桶の下方に配置され、液冷媒を伝熱管群に滴下するための多数の孔が形成された底を有する。ヘッダ管は、第1段桶の上に配置され、多くの孔が形成された壁を二重に有し、気液二相冷媒を長手方向に流す。カバーの側縁部は、第2段桶の側壁の近傍まで延びている。
ここでは、カバーの側縁部は、冷媒散布装置の第2段桶の側壁の近傍まで延びている。冷媒散布装置内にガス冷媒が流入すると、第1段桶から第2段桶に落下する液冷媒を連れ去る恐れがあるところ、第1部でのカバーと第2段桶の側壁との隙間を狭くすることにより、冷媒散布装置内にガス冷媒が流れ込みにくくする。また、第2部において隙間を広くすることによりヘッダ管の壁の孔から抜けるガス冷媒が、冷媒散布装置から蒸気出口へ流れるようになっている。これにより、ガス冷媒の流れに液冷媒がキャリーオーバーされるのを抑制する。
本発明の第1観点に係る流下液膜式蒸発器によると、冷媒散布装置を出入りするガス冷媒の量を抑制でき、液冷媒がガス冷媒の流れによりキャリーオーバーされるのが抑制される。
本発明の第2観点〜第5観点のいずれかに係る流下液膜式蒸発器によると、排気口から遠い部分ではガス冷媒が冷媒散布装置内に流入するのを抑え、排気口の近傍では、ガス冷媒が冷媒散布装置から抜けやすくすることができる。
本発明の第6観点又は第7観点に係る流下液膜式蒸発器によると、液冷媒がガス冷媒の流れによりキャリーオーバーされるのが抑制される。
以下、本発明に係る流下液膜式蒸発器について、図面を参照しつつ詳述する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(1)構成
図1は、本発明の一実施形態に係る流下液膜式蒸発器10の外観図である。流下液膜式蒸発器10は、図1に示すように、略円筒形状を有しており、その長手方向が水平方向となるようにして設置される。
図1は、本発明の一実施形態に係る流下液膜式蒸発器10の外観図である。流下液膜式蒸発器10は、図1に示すように、略円筒形状を有しており、その長手方向が水平方向となるようにして設置される。
ここで、この流下液膜式蒸発器10は、比較的大容量の冷凍サイクルの蒸発器として用いられる。具体的には、冷凍サイクルには、当該蒸発器10の他、圧縮機や凝縮器等が含まれている。圧縮機からは蒸気となったガス冷媒が吐出されるが、このガス冷媒は凝縮器にて凝縮され液冷媒に変化する。流下液膜式蒸発器10は、この液冷媒を、ケーシング20内部の伝熱管群30(後述)の上方から散布することで、伝熱管群30内の熱媒体である水と熱交換を行わせる。そして、流下液膜式蒸発器10は、当該蒸発器10内に流入した液冷媒を、一部分はガス冷媒とし残りは液冷媒として当該蒸発器10から流出させ、ガス冷媒を圧縮機に戻す。
このような流下液膜式蒸発器10は、図1〜3に示すように、主として、ケーシング20、伝熱管群30、冷媒散布装置50、カバー60、及びガス冷媒用出口管22bを備えている。
尚、以下の説明においては、「上」「下」「右」「左」「水平」「長手」「幅」等の方向を示す表現を適宜用いているが、これらは、流下液膜式蒸発器10が図1の状態で設置された状態での各方向を表す。
(1−1)ケーシング
ケーシング20は、図1に示すように、水平方向に延びた円筒形状を有している。ケーシング20の内部には、伝熱管群30、冷媒散布装置50、カバー60、及びガス冷媒用出口管22bが設置されている。
ケーシング20は、図1に示すように、水平方向に延びた円筒形状を有している。ケーシング20の内部には、伝熱管群30、冷媒散布装置50、カバー60、及びガス冷媒用出口管22bが設置されている。
水平方向に延びるケーシング20の一端部分には、水用入口管21a及び水用出口管21bが1つずつ設けられている。本実施形態においては、図1に示すように、水用入口管21a及び水用出口管21bがケーシング20の左側端部20aに設けられている場合を例に採る。水用入口管21aには、高温の水が、ケーシング20の外部から内部へと流入され、水用出口管21bからは、液冷媒と熱交換された後の水が、ケーシング20内部から外部へと流出されるようになっている。なお、本実施形態においては、水用入口管21aが、水用出口管21bよりも下方に位置している場合を例に採る。
ケーシング20の側面上方には、図1〜3に示すように、液冷媒用入口管22a及びガス冷媒用出口管22bが設けられており、側面下方には、液冷媒用出口管22cが設けられている。液冷媒用入口管22aには、凝縮器(図示せず)からの冷媒が気液二相の状態でケーシング20内部に流入される。ガス冷媒用出口管22bからは、ケーシング20内部にて蒸発した後のガス冷媒がケーシング20内部から流出し、液冷媒用出口管22cからは、ケーシング20内部にて蒸発しきれず液体の状態のままケーシング20の下面に溜まった液冷媒(図2のlq)が、ケーシング20内部から流出する。
また、図3に示すように、本実施形態に係るケーシング20は、その内部において、蒸発空間sq1、入口空間sq2、折り返し空間sq3、及び出口空間sq4を有している。蒸発空間sq1は、熱媒体である水と液冷媒とが熱交換を行い、当該液冷媒が蒸発する空間である。入口空間sq2は、蒸発空間sq1に流入する前の水が通る空間である。折り返し空間sq3は、蒸発空間sq1を通過した水が折り返される空間である。出口空間sq4は、折り返し空間sq3にて折り返された後、再び蒸発空間sq1を通過して該蒸発空間sq1から流出した水が通る空間である。本実施形態においては、図3に示すように、蒸発空間sq1はケーシング20内部の約中央に位置し、入口空間sq2は、蒸発空間sq1の左側、より具体的にはケーシング20の左側端部20aに位置している。折り返し空間sq3は、ケーシング20の内部において、入口空間sq2とは逆側である蒸発空間sq1の右側、つまりはケーシング20の右側端部20bに位置している。出口空間sq4は、ケーシング20内部において、入口空間sq2と同様にケーシング20の左側端部20aに位置している。
そして、入口空間sq2は、水用入口管21aと接続されており、水は水用入口管21aを介して入口空間sq2内に流入される。一方で、出口空間sq4は、水用出口管21bと接続されており、蒸発空間sq1から出口空間sq4に流入した水は、水用出口管21bを介して流下液膜式蒸発器10の外部へと流出する。
(1−2)伝熱管群
伝熱管群30は、図4に示すように、複数の伝熱管30a,30b,30c,・・・によって構成されている。各伝熱管30a,30b,30c,・・・の内部には、熱媒体である水が通過し、各伝熱管30a,30b,30c,・・・の外部には、液冷媒またはガス冷媒が接触する。これにより、各伝熱管30a,30b,30c,・・・上においては、冷媒と当該管30a,30b,30c,・・・内部の水とが熱交換を行うようになる。
伝熱管群30は、図4に示すように、複数の伝熱管30a,30b,30c,・・・によって構成されている。各伝熱管30a,30b,30c,・・・の内部には、熱媒体である水が通過し、各伝熱管30a,30b,30c,・・・の外部には、液冷媒またはガス冷媒が接触する。これにより、各伝熱管30a,30b,30c,・・・上においては、冷媒と当該管30a,30b,30c,・・・内部の水とが熱交換を行うようになる。
各伝熱管30a,30b,30c,・・・は、例えば銅やアルミニウム等によって形成されており、ケーシング20内部の蒸発空間sq1において水平方向に延びるようにして配置されている。特に、複数の伝熱管30a,30b,30c,・・・は、図2,3に示すように、蒸発空間sq1において、多段多列に積み重ねられている。
また、複数の伝熱管30a,30b,30c,・・・は、図3に示すように、入口側伝熱管41と出口側伝熱管42とのいずれかに属している。入口側伝熱管41は、入口空間sq2と折り返し空間sq3とを結ぶ伝熱管である。出口側伝熱管42は、折り返し空間sq3と出口空間sq4とを結ぶ伝熱管である。即ち、入口側伝熱管41と出口側伝熱管42とは、折り返し空間sq3を介して互いに接続されている。従って、入口側伝熱管41には、入口空間sq2から流入してきた水が通過する。入口側伝熱管41を通過した水は、折り返し空間sq3にて折り返されて、出口側伝熱管42内を流れることとなる。即ち、本実施形態においては、折り返し空間sq3において水が折り返される折り返し回数が1回である場合を例に採っている。
なお、複数の伝熱管30a,30b,30c,・・・の段数及び列数は、複数段及び複数列であればよく、本実施形態では、10段×10列であるが、これに限定されるものではない。特に、複数の伝熱管の段数及び列数は、2段×3列以上であることが好ましい。
(1−3)冷媒散布装置
図4は、流下液膜式蒸発器10を、ケーシング20の延びる方向に交差する方向に沿った縦断面図であって、当該縦断面を拡大し、模式的に示す図である。
図4は、流下液膜式蒸発器10を、ケーシング20の延びる方向に交差する方向に沿った縦断面図であって、当該縦断面を拡大し、模式的に示す図である。
冷媒散布装置50は、図3に示すように、ケーシング20の長手方向に延びており、ケーシング20の蒸発空間sq1において、伝熱管群30の上方に位置している。冷媒散布装置50は、冷媒用入口管22aから供給された気液二相冷媒のうち液冷媒を溜めて伝熱管群30に液冷媒を流下させる。冷媒散布装置50は、伝熱管群30の上方から液冷媒を流下することにより、該液冷媒と伝熱管30a,30b,30c,・・・内部の水との間で熱交換を行わせて液冷媒を蒸発させる。
冷媒散布装置50は、図4に示すように、ヘッダ管53と、第1段桶51及び第2段桶52からなる2段の冷媒桶とを有する。
ヘッダ管53は、第1段桶51の上に配置され、第1段桶51に沿って長く延びている。ヘッダ管53は、多くの孔が設けられた多孔板Pを有するバッフル板である壁53a、53bを二重に有する。多孔板Pは、壁53a、53bのヘッダ管53の上面を形成する部分と、側壁を形成する部分の下端よりも少し上方の部分とに設けられている。ヘッダ管53は、冷媒用入口管22aに接続されている。冷媒用入口管22aから供給された気液二相冷媒が、長手方向に流れる過程において、ガス冷媒は、壁に設けられた孔から雰囲気中へ抜け、冷媒散布装置50からガス流路空間でもある蒸発空間sq1に流出し、蒸発空間sq1内を排気口Eへと流れる。液冷媒は、孔から第1段桶51へと流れる。これにより、液冷媒とガス冷媒とが分離される。
第1段桶51は、液冷媒を第2段桶52に落とす多数の孔が形成された底B1を有し、伝熱管群30が水平方向に延びている方向に長く延びている。第1段桶51は、ヘッダ管53から供給された液冷媒をその長手方向に分散させる。
第2段桶52は、第1段桶51の下方に配置され、液冷媒を伝熱管群30に滴下するための多数の孔が形成された底B2を有する。第2段桶52は、第1段桶51よりも幅寸法が大きい。
このように冷媒散布装置50が2段構造になっているため、液冷媒をなるべく平均して伝熱管群30に散布することができるようになっている。
冷媒用入口管22aから流入した液冷媒は、第1段桶51によって第2段桶52側へと散布され、更に第2段桶52から伝熱管群30上へと散布されるようになる。これにより、伝熱管群30の表面には、液膜が形成される。
なお、図4において示されている冷媒散布装置50とカバー60との間の空間sq5を、冷媒散布装置50の直上空間sq5と呼ぶ。直上空間sq5は、冷媒散布装置50内の第1段桶51とその直上のカバー60との間の空間及び第2段桶52とその直上のカバー60との間の空間(第2段桶52と第1段桶51との間の空間を含む)である。
(1−4)カバー
カバー60は、冷媒散布装置50の上方且つ排気口Eよりは下方に位置し、冷媒散布装置50に沿って冷媒散布装置50の長手方向(流下液膜式蒸発器10の長手方向でもある)に延びており、冷媒散布装置50の上方を覆う。カバー60の幅寸法は、第1段桶51の幅寸法より大きく、第2段桶52の幅寸法とほぼ同じである。このように、カバー60により、冷媒散布装置50からガス冷媒が直線的に、即ち直接、排気口Eに流れないように構成されている。これにより、冷媒散布装置50から排気口Eに向かうガス冷媒の速い流れの発生を抑制し、ガス冷媒と液冷媒とのエントレインメント、及びガス冷媒による液冷媒のキャリーオーバーを抑制している。
カバー60は、冷媒散布装置50の上方且つ排気口Eよりは下方に位置し、冷媒散布装置50に沿って冷媒散布装置50の長手方向(流下液膜式蒸発器10の長手方向でもある)に延びており、冷媒散布装置50の上方を覆う。カバー60の幅寸法は、第1段桶51の幅寸法より大きく、第2段桶52の幅寸法とほぼ同じである。このように、カバー60により、冷媒散布装置50からガス冷媒が直線的に、即ち直接、排気口Eに流れないように構成されている。これにより、冷媒散布装置50から排気口Eに向かうガス冷媒の速い流れの発生を抑制し、ガス冷媒と液冷媒とのエントレインメント、及びガス冷媒による液冷媒のキャリーオーバーを抑制している。
カバー60は、図4のように長手方向から見て、中央部61と、中央部61から下方に傾斜した側縁部62とを有する。側縁部62は、第2段桶52の側壁Wの近傍まで延びているが、側縁部62の端縁と第2段桶52の側壁との間には、隙間が空いている。即ち、冷媒散布装置50の直上空間sq5は、ガス流路空間でもある蒸発空間sq1と連通している。したがって、蒸発空間sq1から冷媒散布装置50内の直上空間sq5にガス冷媒が流入、及び、冷媒散布装置50内の直上空間sq5から蒸発空間sq1へガス冷媒が流出することができるようになっている。
図5は、カバー60を模式的に示す斜視図である。図5に示すように、カバー60の側縁部62は、側縁第1部62aと側縁第2部62bとを有している。側縁第1部62aと側縁第2部62bとは、カバー60の長手方向Lに並んで配置されており、側縁第1部62aは、長手方向Lの第1部L1に、側縁第2部62bは、長手方向Lの第2部L2に、位置する。カバー60の長手方向Lは、ケーシング20(流下液膜式蒸発器10)の長手方向でもあり、冷媒散布装置50の長手方向でもある。長手方向Lの第1部L1は、ケーシング20の左側端部20a或いは右側端部20bの付近に位置しているので、排気口Eから離れて位置している。長手方向Lの第2部L2は、ケーシング20の長手方向中央付近に位置しているので、排気口Eの近傍に位置する。また、側縁部62の下方への傾斜角は、側縁第1部62aの角度の方が、側縁第2部62bの角度よりも大きい。このため、第1部L1における冷媒散布装置50とカバー60との隙間(側縁部62と第2段桶52との隙間)は、第2部L2における当該隙間よりも小さい。すなわち、第1部L1における隙間よりも第2部L2における隙間の方が大きい。
一方、図6は、従来の流下液膜式蒸発器10’のカバー60’を模式的に示す斜視図である。図6に示すように、従来例では、カバー60’は、本発明に係る側縁第1部62aと側縁第2部62bとに相当する部分を有していない。即ち、冷媒散布装置50’とカバー60’との隙間(第2段桶52’と測縁部62’との隙間)は、長手方向Lにおいて一様であり、第1部L1における冷媒散布装置50とカバー60との隙間よりも大きい。冷媒散布装置50’とカバー60’との隙間は、第2部L2における冷媒散布装置50とカバー60との隙間とほぼ同じ大きさである。
(1−5)ガス冷媒用出口管
ガス冷媒用出口管22bは、冷媒散布装置50及びカバー60の上方に位置する。ガス冷媒用出口管22bには、伝熱管群30の表面で蒸発したガス冷媒が排気される排気口Eが形成されている。排気口Eは、ケーシング20の長手方向のほぼ中央に設けられており、そこからガス冷媒用出口管22bがケーシング20の外部に延びている。
ガス冷媒用出口管22bは、冷媒散布装置50及びカバー60の上方に位置する。ガス冷媒用出口管22bには、伝熱管群30の表面で蒸発したガス冷媒が排気される排気口Eが形成されている。排気口Eは、ケーシング20の長手方向のほぼ中央に設けられており、そこからガス冷媒用出口管22bがケーシング20の外部に延びている。
(2)効果
(2−1)従来例
上述のカバー60’を有する従来の流下液膜式蒸発器10’におけるガス冷媒の流速のベクトル分布及び圧力分布を解析すると図7及び図8に示すようになっていることが分かった。
(2−1)従来例
上述のカバー60’を有する従来の流下液膜式蒸発器10’におけるガス冷媒の流速のベクトル分布及び圧力分布を解析すると図7及び図8に示すようになっていることが分かった。
図7は、ケーシング20’の長手方向の左側端部近傍における幅方向に沿った断面を模式的に示す図である。この部分では、排気口E’が近くに無いので、カバー60’の上の空間の圧力が、カバー60’の高さ位置より下方の圧力と比べてほとんど変わらない。そのため、ヘッダ管53’の多孔板の孔を抜けたガス冷媒は、冷媒散布装置50’から外に流れない。そして、伝熱管群30’の表面で蒸発したガス冷媒の一部は、カバー60’の上の空間へは流れずに、ブロック矢印D1で示すように冷媒散布装置50’内へ流入することが分かった。
図8は、ケーシング20’の長手方向の中央における幅方向に沿った断面を模式的に示す図である。この部分では、直上に排気口E’があり、伝熱管群30’の表面で蒸発したガス冷媒が、0.7m/s以上の速い流速で排気口E’に向かって流れる(矢印A6参照)。また、矢印A7で示すように、ヘッダ管53’の多孔板の孔から抜けたガス冷媒が冷媒散布装置50’から排気口E’に向かって0.7m/s以上の流速で流れることが分かった。このように、この部分では、ブロック矢印D4で示す方向に、即ち冷媒散布装置50’の中から外に向かうガス冷媒の流れが発生することが分かった。そして、その結果、ガス冷媒と液冷媒とのエントレインメントが発生し、液冷媒がガス冷媒によりキャリーオーバーされることが分かった。
(2−2)本発明に係る流下液膜式蒸発器の場合
流下液膜式蒸発器10は、排気口Eから離れた位置(長手方向Lの第1部L1)に前述の側縁第1部62a、排気口Eの近傍(長手方向Lの第2部L2)に前述の側縁第2部62bをその側縁部62に有するカバー60を備える。このため、排気口Eから離れた位置においては、カバー60の側縁部62と冷媒散布装置50の第2段桶52との間の隙間が狭く、伝熱管群30の表面で蒸発したガス冷媒が冷媒散布装置50内の空間(直上空間sq5)に流入しにくくなっている。その結果、排気口Eの近傍においては、冷媒散布装置50内の空間(直上空間sq5)から排気口Eに向かって流出するガス冷媒の量が従来例に比べて少ない。その結果、従来例に比べてガス冷媒と液冷媒とのエントレインメントが発生しにくく、液冷媒がガス冷媒の流れによりキャリーオーバーされにくくなっている。
流下液膜式蒸発器10は、排気口Eから離れた位置(長手方向Lの第1部L1)に前述の側縁第1部62a、排気口Eの近傍(長手方向Lの第2部L2)に前述の側縁第2部62bをその側縁部62に有するカバー60を備える。このため、排気口Eから離れた位置においては、カバー60の側縁部62と冷媒散布装置50の第2段桶52との間の隙間が狭く、伝熱管群30の表面で蒸発したガス冷媒が冷媒散布装置50内の空間(直上空間sq5)に流入しにくくなっている。その結果、排気口Eの近傍においては、冷媒散布装置50内の空間(直上空間sq5)から排気口Eに向かって流出するガス冷媒の量が従来例に比べて少ない。その結果、従来例に比べてガス冷媒と液冷媒とのエントレインメントが発生しにくく、液冷媒がガス冷媒の流れによりキャリーオーバーされにくくなっている。
(3)特徴
(3−1)
上記実施形態では、冷媒散布装置50とカバー60との隙間が、カバー60の長手方向Lの第1部L1では狭く、第2部L2では広くなっている。このため、冷媒散布装置50とカバー60との隙間が狭い第1部L1では、ガス冷媒が冷媒散布装置50内に入りにくくなっている。すなわち、第1部L1ではガス冷媒が冷媒散布装置50内に流入するのを抑えている。これにより、冷媒散布装置50を出入りするガス冷媒の量を抑制でき、液冷媒がガス冷媒の流れによりキャリーオーバーされるのが抑制されている。
(3−1)
上記実施形態では、冷媒散布装置50とカバー60との隙間が、カバー60の長手方向Lの第1部L1では狭く、第2部L2では広くなっている。このため、冷媒散布装置50とカバー60との隙間が狭い第1部L1では、ガス冷媒が冷媒散布装置50内に入りにくくなっている。すなわち、第1部L1ではガス冷媒が冷媒散布装置50内に流入するのを抑えている。これにより、冷媒散布装置50を出入りするガス冷媒の量を抑制でき、液冷媒がガス冷媒の流れによりキャリーオーバーされるのが抑制されている。
(3−2)
上記実施形態では、冷媒散布装置50とカバー60との隙間が狭い第1部L1は、排気口Eから離れて位置している。隙間が広い第2部L2は、排気口Eの近傍に位置している。これにより、排気口Eから遠い部分ではガス冷媒が冷媒散布装置50内に流入するのを抑え、排気口Eの近傍では、ガス冷媒が冷媒散布装置50から抜けやすくしている。その結果、液冷媒がガス冷媒の流れによりキャリーオーバーされるのが抑制される。
上記実施形態では、冷媒散布装置50とカバー60との隙間が狭い第1部L1は、排気口Eから離れて位置している。隙間が広い第2部L2は、排気口Eの近傍に位置している。これにより、排気口Eから遠い部分ではガス冷媒が冷媒散布装置50内に流入するのを抑え、排気口Eの近傍では、ガス冷媒が冷媒散布装置50から抜けやすくしている。その結果、液冷媒がガス冷媒の流れによりキャリーオーバーされるのが抑制される。
(3−3)
上記実施形態では、カバー60は、中央部61と、中央部61から下方に傾斜した側縁部62とを有する。側縁部62のうち、傾斜角は、側縁第1部62aの角度の方が側縁第2部62bの角度よりも大きくなっている。これにより、カバー60と冷媒散布装置50との隙間について、第1部L1における隙間の方が第2部L2における隙間よりも小さくなっている。これにより、排気口Eから遠い位置(第1部L1)ではガス冷媒が冷媒散布装置50内に流入するのが抑えられ、排気口Eの近傍(第2部L2)では、ガス冷媒が冷媒散布装置50から抜けやすくなっている。その結果、液冷媒がガス冷媒の流れによりキャリーオーバーされるのが抑制されている。
上記実施形態では、カバー60は、中央部61と、中央部61から下方に傾斜した側縁部62とを有する。側縁部62のうち、傾斜角は、側縁第1部62aの角度の方が側縁第2部62bの角度よりも大きくなっている。これにより、カバー60と冷媒散布装置50との隙間について、第1部L1における隙間の方が第2部L2における隙間よりも小さくなっている。これにより、排気口Eから遠い位置(第1部L1)ではガス冷媒が冷媒散布装置50内に流入するのが抑えられ、排気口Eの近傍(第2部L2)では、ガス冷媒が冷媒散布装置50から抜けやすくなっている。その結果、液冷媒がガス冷媒の流れによりキャリーオーバーされるのが抑制されている。
(3−4)
上記実施形態では、カバー60の側縁部62は、冷媒散布装置50の第2段桶52の側壁Wの近傍まで延びている。冷媒散布装置50内にガス冷媒が流入すると、第1段桶51から第2段桶52に落下する液冷媒を連れ去る恐れがあるところ、側縁第1部62aと第2段桶52との隙間を狭くすることにより、冷媒散布装置50内にガス冷媒が流れ込みにくくしている。また、側縁第2部62bと第2段桶52との隙間を広くすることによりヘッダ管53の壁53a、53bの孔から抜けるガス冷媒が、冷媒散布装置50から排気口Eへ流れるようになっている。これにより、ガス冷媒の流れに液冷媒がキャリーオーバーされるのを抑制している。
上記実施形態では、カバー60の側縁部62は、冷媒散布装置50の第2段桶52の側壁Wの近傍まで延びている。冷媒散布装置50内にガス冷媒が流入すると、第1段桶51から第2段桶52に落下する液冷媒を連れ去る恐れがあるところ、側縁第1部62aと第2段桶52との隙間を狭くすることにより、冷媒散布装置50内にガス冷媒が流れ込みにくくしている。また、側縁第2部62bと第2段桶52との隙間を広くすることによりヘッダ管53の壁53a、53bの孔から抜けるガス冷媒が、冷媒散布装置50から排気口Eへ流れるようになっている。これにより、ガス冷媒の流れに液冷媒がキャリーオーバーされるのを抑制している。
(4)変形例
(4−1)変形例A
上記実施形態では、側縁部62の傾斜角は、第1部62aの角度の方が第2部62bの角度よりも大きくなっている。しかし、他の実施形態においては、上記実施形態とは異なる構成により、カバー60と冷媒散布装置50との隙間を長手方向Lの第1部L1と第2部L2とで変えても良い。
(4−1)変形例A
上記実施形態では、側縁部62の傾斜角は、第1部62aの角度の方が第2部62bの角度よりも大きくなっている。しかし、他の実施形態においては、上記実施形態とは異なる構成により、カバー60と冷媒散布装置50との隙間を長手方向Lの第1部L1と第2部L2とで変えても良い。
例えば、図9及び図10に示すように側縁部162、262が側方(長手方向Lと直交する幅方向)に延びる長さを変えることにより、カバー160、260と冷媒散布装置50との隙間を第1部L1と第2部L2とで変えても良い。具体的には、図9に示すカバー160の場合は、側縁部162の側方に延びる長さが、長手方向Lの中央に位置する第2部L2から第1部L1にかけて徐々に長くなっている。図10に示すカバー260の場合は、側縁部262の側方に延びる長さが、長手方向Lの中央に位置する第2部L2では短く、長手方向Lの両端に位置する第1部L1では急に長くなっている。このため、側縁部262をカバー260の幅方向から見ると中央が凹んでおり、ゲート形になっている。
このように、第1部L1におけるカバー160、260と冷媒散布装置50との隙間の方が第2部L2における当該隙間よりも小さくなっている。これにより、排気口Eから遠い部分ではガス冷媒が冷媒散布装置50内の空間に流入するのを抑え、排気口Eの近傍では、ガス冷媒が冷媒散布装置50内の空間から抜けやすくしている。その結果、液冷媒がガス冷媒の流れによりキャリーオーバーされるのが抑制される。
(4−2)変形例B
また、他の実施形態においては、カバー60の側縁部62の傾斜角度と長さとによりカバー60と冷媒散布装置50との隙間をカバー60の長手方向Lの第1部L1と第2部L2とで変えても良い。
また、他の実施形態においては、カバー60の側縁部62の傾斜角度と長さとによりカバー60と冷媒散布装置50との隙間をカバー60の長手方向Lの第1部L1と第2部L2とで変えても良い。
例えば、図11に示すカバー360の側縁部362のように、第1部L1に側縁第1部362aを、第2部L2に側縁第2部362bを設ける。そして、側縁第1部362aの傾斜角度を大きくすると共に側縁第1部362aを第2段桶52の近くまで側方に長く延ばす。一方、側縁第2部362bの傾斜角度を小さくすると共に側縁第2部362bを側方に長く延ばさず、第1部362aに比べて短くする。これにより、液冷媒がガス冷媒の流れによりキャリーオーバーされるのを抑制する。
(4−3)変形例C
また、他の実施形態においては、カバー60と冷媒散布装置50との隙間が比較的大きい第2部L2において、側縁部62の先端に凹凸形状を設けても良い。例えば、図12に示すカバー460では、長手方向Lの第2部L2に位置する側縁第2部462bには、その先端に凹凸形状OTが設けられている。このような構成をとることにより、ガス冷媒が冷媒散布装置50から流出する第2部L2では、排気口Eへ向かうガス冷媒は、最短経路を通ろうとして凹凸形状OTの凹部を抜けて流れ、冷媒の液滴は凸部に付着する。その結果、ガス冷媒の流れに液冷媒がキャリーオーバーされるのが抑制される。
また、他の実施形態においては、カバー60と冷媒散布装置50との隙間が比較的大きい第2部L2において、側縁部62の先端に凹凸形状を設けても良い。例えば、図12に示すカバー460では、長手方向Lの第2部L2に位置する側縁第2部462bには、その先端に凹凸形状OTが設けられている。このような構成をとることにより、ガス冷媒が冷媒散布装置50から流出する第2部L2では、排気口Eへ向かうガス冷媒は、最短経路を通ろうとして凹凸形状OTの凹部を抜けて流れ、冷媒の液滴は凸部に付着する。その結果、ガス冷媒の流れに液冷媒がキャリーオーバーされるのが抑制される。
なお、凹凸形状OTは、どのような形状の凹凸でもよく、また上述のどのカバー60、160、260、360に設けても良い。
10 流下液膜式蒸発器
20 ケーシング
22b ガス冷媒用出口管(排気部材)
30 伝熱管群
30a,30b,30c,・・・ 伝熱管
50 冷媒散布装置
51 第1段桶
52 第2段桶
53 ヘッダ管
53a、53b 壁
60、160、260、360、460 カバー
61、161、261、361、461 中央部
62、162、262、362、462 側縁部
62a、362a、462a 側縁第1部
62b、362b、462b 側縁第2部
B1 第1段桶底
B2 第2段桶底
E 排気口
L 長手方向(第1方向)
L1 第1部
L2 第2部
sq1 蒸発空間(ガス流路空間)
sq5 冷媒散布装置の直上空間
20 ケーシング
22b ガス冷媒用出口管(排気部材)
30 伝熱管群
30a,30b,30c,・・・ 伝熱管
50 冷媒散布装置
51 第1段桶
52 第2段桶
53 ヘッダ管
53a、53b 壁
60、160、260、360、460 カバー
61、161、261、361、461 中央部
62、162、262、362、462 側縁部
62a、362a、462a 側縁第1部
62b、362b、462b 側縁第2部
B1 第1段桶底
B2 第2段桶底
E 排気口
L 長手方向(第1方向)
L1 第1部
L2 第2部
sq1 蒸発空間(ガス流路空間)
sq5 冷媒散布装置の直上空間
Claims (7)
- 水平方向に延び、多段多列に配置された複数の伝熱管(30a、30b、30c、・・・)からなる伝熱管群(30)と、
前記伝熱管群の上方に配置され、供給された気液二相冷媒のうち液冷媒を溜めて伝熱管群に液冷媒を流下させる冷媒散布装置(50)と、
前記冷媒散布装置の上方に位置し、前記伝熱管群の表面で蒸発したガス冷媒が排気される排気口(E)が形成された排気部材(22b)と、
隙間を空けて前記冷媒散布装置の上方を覆うカバー(60、160、260、360、460)と、
を備え、
前記冷媒散布装置および前記カバーは、ともに第1方向(L)に長く延びており、
前記冷媒散布装置と前記カバーとの前記第1方向の第1部(L1)における隙間よりも、前記冷媒散布装置と前記カバーとの前記第1方向の第2部(L2)における隙間の方が大きい、
流下液膜式蒸発器(10)。 - 前記第1部は、前記排気口から離れて位置し、
前記第2部は、前記排気口の近傍に位置する、
請求項1に記載の流下液膜式蒸発器(10)。 - 前記カバーは、中央部(61、161、261、361、461)と、前記中央部から下方に傾斜した側縁部(62、162、262、362、462)と、を有し、
前記側縁部の傾斜角は、前記第1部における角度の方が、前記第2部における角度よりも大きい、
請求項1又は2に記載の流下液膜式蒸発器(10)。 - 前記カバーは、中央部(61、161、261、361、461)と、前記中央部から下方に傾斜した側縁部(62、162、262、362、462)と、を有し、
前記側縁部は、前記第1部において前記第2部におけるよりも長く延びている、
請求項1又は2に記載の流下液膜式蒸発器(10)。 - 前記カバーは、中央部(61、161、261、361、461)と、前記中央部から下方に傾斜した側縁部(62、162、262、362、462)と、を有し、
前記側縁部の傾斜角は、前記第1部における角度の方が、前記第2部における角度よりも大きく、
前記側縁部は、前記第1部において前記第2部におけるよりも長く延びている、
請求項1又は2に記載の流下液膜式蒸発器(10)。 - 前記第2部における前記側縁部は、その先端に凹凸形状(OT)を有する、
請求項3〜5のいずれかに記載の流下液膜式蒸発器(10)。 - 前記冷媒散布装置は、
前記液冷媒を落とす多数の孔が形成された底(B1)を有し、前記長手方向に延び、前記液冷媒を前記長手方向に分散させる第1段桶(51)と、
前記第1段桶の下方に配置され、前記液冷媒を伝熱管群に滴下するための多数の孔が形成された底(B2)を有する第2段桶(52)と、
前記第1段桶の上に配置され、多くの孔が形成された壁(53a、53b)を二重に有し、前記気液二相冷媒を前記長手方向に流すヘッダ管(53)と、
を有し、
前記カバーの側縁部は、前記第2段桶の側壁(W)の近傍まで延びている、
請求項3〜6のいずれかに記載の流下液膜式蒸発器(10)。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012161875A JP2014020725A (ja) | 2012-07-20 | 2012-07-20 | 流下液膜式蒸発器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012161875A JP2014020725A (ja) | 2012-07-20 | 2012-07-20 | 流下液膜式蒸発器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014020725A true JP2014020725A (ja) | 2014-02-03 |
Family
ID=50195811
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012161875A Pending JP2014020725A (ja) | 2012-07-20 | 2012-07-20 | 流下液膜式蒸発器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2014020725A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN117065525A (zh) * | 2023-10-11 | 2023-11-17 | 山西紫罗蓝新材料科技有限公司 | 一种降膜吸收塔 |
-
2012
- 2012-07-20 JP JP2012161875A patent/JP2014020725A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN117065525A (zh) * | 2023-10-11 | 2023-11-17 | 山西紫罗蓝新材料科技有限公司 | 一种降膜吸收塔 |
CN117065525B (zh) * | 2023-10-11 | 2023-12-29 | 山西紫罗蓝新材料科技有限公司 | 一种降膜吸收塔 |
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