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Description
本発明は概して、蒸気圧縮システムにおいて用いられるよう構成される熱交換器に関する。より具体的には、本発明は、冷媒分配アッセンブリの上方の位置から延びるキャノピー部材を有する熱交換器に関する。
蒸気圧縮冷却は、大規模な建築物などの空気調和に最も一般的に用いられている方法である。従来の蒸気圧縮冷却システムは典型的には蒸発器を有する。蒸発器は、冷媒を液体から蒸気へと蒸発させると同時に蒸発器を通過する被冷却液体から熱を吸収することができる熱交換器である。あるタイプの蒸発器は、複数の水平に延びる伝熱管を有する管束を備える。伝熱管内を通って被冷却液体が循環される。管束は円筒シェル内に収容されている。このタイプの蒸発器において冷媒を蒸発させる方法がいくつか知られている。浸漬式蒸発器(flooded evaporator)においては、シェルが液体冷媒で満たされているとともに、液体冷媒が沸騰するかつ/又は蒸気として蒸発するよう伝熱管が液体冷媒のプールに浸漬されている。流下液膜式蒸発器(falling film evaporator)においては、伝熱管の外部表面上が上方から液体冷媒で被覆されて、これにより、層状あるいは薄膜状の液体冷媒が伝熱管の外部表面に沿って形成される。伝熱管の壁部からの熱は、対流及び/又は液体膜を通じた伝導によって、液体冷媒の一部が蒸発している気液界面へと伝達され、これにより、伝熱管内を流れる水から熱を取り去る。蒸発しなかった液体冷媒は、重力により伝熱管の上方位置から伝熱管の下方位置に向かって鉛直方向に落下する。また、管束における伝熱管のうちのいくつかの外部表面上が液体冷媒で被覆され、管束における他の伝熱管はシェルの底部に集められた液体冷媒に浸漬される、ハイブリッド流下液膜式蒸発器もある。
浸漬式蒸発器の伝熱性能は高いが、浸漬式蒸発器では相当量の冷媒が必要となる。伝熱管を液体冷媒のプールに浸漬するからである。最近開発された新しい冷媒(R1234ze又はR1234yfなど)は地球温暖化係数が非常に低いが、コストが高く、蒸発器における冷媒充填を低減することが望ましい。流下液膜式蒸発器の主たる利点は、良好な伝熱性能を確実に提供しながら冷媒充填を低減できることにある。したがって、流下液膜式蒸発器は、大規模な冷房システムにおいて浸漬式蒸発器と置き換えられる可能性が十分にある。
米国特許5,839,294号には、浸漬方式で動作する部分と、流下液膜方式で動作する部分と、を有するハイブリッド流下液膜式蒸発器が開示されている。より具体的には、この公報において開示された蒸発器は、管束の複数の水平方向伝熱管が通る外側シェルを有する。シェルへ入る冷媒が管の上部に分配されるよう、分配システムは、管束における伝熱管の最上部レベルと重なる関係に配置される。液体冷媒は、液体冷媒の一部が蒸気冷媒として蒸発するそれぞれの伝熱管の外壁に沿って、膜を形成する。残りの液体冷媒はシェルの下部に収集される。定常状態動作において、外側シェル内の冷媒の液位は、シェルの下端の近傍の水平方向伝熱管の少なくとも25パーセントが液体冷媒に浸漬される液位に保持される。したがって、この公報においては、シェルの下側部分の伝熱管が浸漬伝熱方式で動作すると同時に、液体冷媒に浸漬されていない伝熱管は流下液膜伝熱方式で動作する状態で、蒸発器は動作する。
米国特許7,849,710号には、蒸発器シェルの下部に集められた液体冷媒が再循環される流下液膜式蒸発器が開示されている。より具体的には、この公報において開示された蒸発器は、シェルにおいてほぼ水平に延びる複数の伝熱管を備えた管束を有するシェルを備えている。シェルに流入する液体冷媒は分配器から伝熱管に送られる。液体冷媒は、液体冷媒の一部が蒸気冷媒として蒸発するそれぞれの伝熱管の外壁に沿って、膜を形成する。残りの液体冷媒はシェルの下部に収集される。この公報において、シェルの下部に集められた液体冷媒を吸引し、液体冷媒をシェルの下部から分配器に再循環させるため、ポンプすなわち放出器が備えられている。
上述の通り米国特許5,839,294号に開示されたハイブリッド流下液膜式蒸発器には、シェルの底部に浸漬部分があるので、比較的大量の冷媒充填を必要とするという問題がまだ残っている。一方、米国特許7,849,710号に開示された、集められた液体冷媒をシェルの底部から分配器に再循環させる蒸発器では、蒸発器の性能の変動によりドライパッチが形成された場合に、伝熱管上のドライパッチを再度湿った状態にするために、余分な量の循環冷媒が必要となる。さらに、蒸気圧縮システムのコンプレッサが潤滑油(冷凍機油)を利用する場合、油が冷媒ほど揮発性ではないので、コンプレッサから蒸気圧縮システムの冷媒回路へと移送された油は蒸発器に貯留される傾向がある。このため、米国特許7,849,710号に開示された冷媒再循環システムでは、油が液体冷媒と共に蒸発器内で再循環され、蒸発器において循環液体冷媒中の油の濃度が高くなる。したがって、蒸発器の性能が低下する。また、非常によく機能する流下液膜式蒸発器であっても、分配部からの蒸気冷媒速度が大きくなる場合があり、その結果、気体と一緒に液滴が出口へと向かって運ばれてしまう場合があることがわかった。
上記の点に鑑みて、本発明の一の目的は、熱交換器の高性能を確実に保ちながら冷媒充填の量を低減することができる熱交換器を提供することにある。
本発明の他の目的は、コンプレッサから蒸気圧縮システムの冷媒回路へと移送された冷凍機油を貯留し、冷凍機油を蒸発器の外部に移送する熱交換器を提供することにある。
本発明の他の目的は、キャノピー部材の自由端周囲における蒸気冷媒速度を低減し、液滴が気体と一緒に運ばれてしまうことなく、したがって、液滴のほとんどすべてが落下する熱交換器を提供することを目的とする。この目的が達成されることにより、液体冷媒が気体冷媒パイプへと入っていくことがほとんどなくなる。
本発明の第一の面に係る熱交換器は、蒸気圧縮システムにおいて用いられるよう構成される。熱交換器は、シェルと、冷媒分配アッセンブリと、熱伝達ユニットと、キャノピー部材とを有する。シェルは、水平面と略平行に延びる長手方向中心軸を有する。冷媒分配アッセンブリは、シェルの内部に配置される。冷媒分配アッセンブリは、シェルに入る冷媒を受けて冷媒を放出するよう、シェルの長手方向中心軸と略平行に延びる。冷媒分配アッセンブリは、少なくとも一つの横方向最外側端部を有する。熱伝達ユニットは、シェルの内部の冷媒分配アッセンブリの下方に配置され、冷媒分配アッセンブリから放出された冷媒は熱伝達ユニットに供給される。熱伝達ユニットは、長手方向中心軸と略平行に延びる複数の伝熱管を有する。キャノピー部材は、シェルの内部に配置され、長手方向の中心軸に沿って見て冷媒分配アッセンブリの上方の位置から横方向外側にかつ下方へ延びる少なくとも一つの側方部を有する。側方部は、長手方向中心軸に沿って見て、長手方向中心軸を通る鉛直面から冷媒分配アッセンブリよりもさらに遠方に、かつ長手方向中心軸に沿って見て、冷媒分配アッセンブリの横方向最外側端部の上部縁より下側に配置される自由端を有する。
これら及び他の目的、特徴、態様、及び利点は、添付の図面と組み合わせて、本発明の好ましい態様を開示する以下の説明から当業者に明らかとなろう。
当開示の一部をなす添付の図面を参照しながら以下に説明を行う。
本発明の第一実施形態に係る熱交換器を有する蒸気圧縮システムの全体的概略斜視図である。
本発明の第一実施形態に係る熱交換器を有する蒸気圧縮システムの冷媒回路を示すブロック図である。
本発明の第一実施形態に係る熱交換器の概略斜視図である。
本発明の第一実施形態に係る熱交換器の内部構造の概略斜視図である。
本発明の第一実施形態に係る熱交換器の内部構造の分解組立図である。
図3の切断線6−6'に沿って見た本発明の第一実施形態に係る熱交換器の概略長手方向断面図である。
図3の切断線7−7'に沿って見た本発明の第一実施形態に係る熱交換器の概略横方向断面図である。
本発明の第一実施形態に係る熱交換器が使用されている状態を示す、図7の領域Xに配置された伝熱管及びトラフ部の拡大概略断面図である。
本発明の第一実施形態に係る、伝熱管と、トラフ部のトラフ部分のうちの一つと、の拡大断面図である。
図9の矢印10に沿った方向から見た、本発明の第一実施形態に係る、伝熱管及びトラフ部分の部分側面図である。
本発明の第一実施形態に係る、総伝熱係数、対、トラフ部と伝熱管との間の重なり距離のグラフである。
図11Aにおいて示すグラフにプロットしたサンプルの概略断面図である。
図11Aにおいて示すグラフにプロットしたサンプルの概略断面図である。
図11Aにおいて示すグラフにプロットしたサンプルの概略断面図である。
本発明の第一実施形態に係る管束及びトラフ部の配置の第一変形例を示す熱交換器の概略横方向断面図である。
本発明の第一実施形態に係る管束及びトラフ部の配置の第二変形例を示す熱交換器の概略横方向断面図である。
本発明の第一実施形態に係る管束及びトラフ部の配置の第三変形例を示す熱交換器の概略横方向断面図である。
本発明の第一実施形態に係る管束及びトラフ部の配置の第四変形例を示す熱交換器の概略横方向断面図である。
本発明の第一実施形態に係る熱交換器が使用されている状態を示す図15の、領域Yに配置された伝熱管及びトラフ部分の拡大概略断面図である。
本発明の第一実施形態に係る管束及びトラフ部の配置の第五変形例を示す熱交換器の概略横方向断面図である。
本発明の第一実施形態に係る管束及びトラフ部の配置の第六変形例を示す熱交換器の概略横方向断面図である。
本発明の第二実施形態に係る熱交換器の概略横方向断面図である。
本発明の第三実施形態に係る熱交換器の概略横方向断面図である。
本発明の第三実施形態に係る管束及びトラフ部の配置の第一変形例を示す熱交換器の概略横方向断面図である。
本発明の第三実施形態に係る管束及びトラフ部の配置の第二変形例を示す熱交換器の概略横方向断面図である。
本発明の第三実施形態に係る管束及びトラフ部の配置の第三変形例を示す熱交換器の概略横方向断面図である。
本発明の第四実施形態に係る熱交換器の概略横方向断面図である。
本発明の第四実施形態に係る熱交換器の概略長手方向断面図である。
本発明の第五実施形態に係る熱交換器の内部構造の概略斜視図である。
本発明の第五実施形態に係る熱交換器の内部構造の分解組立図である。
見やすくするために一部を破断した本発明の第五実施形態に係る熱交換器の概略長手方向断面図(図3の切断線6−6'に沿って見た図6と同じ断面図)である。
図26の切断線29−29'に沿って見た本発明の第五実施形態に係る熱交換器の概略横方向断面図である。
図29に示した熱交換器の上部をさらに拡大した断面図である。
第五実施形態のバッフル構造の逆向きの斜視図である。
本発明の第五実施形態に係る熱交換器が使用されている状態を示す図29の領域Xに配置された、伝熱管とトラフ部とガイド部との拡大概略断面図である。
図32の、伝熱管と、トラフ部のトラフ部分のうちの一つと、の拡大断面図である。
図33の矢印34に沿った方向から見た、図33の伝熱管及びトラフ部分の部分側面図である。
本発明の第五実施形態に係る管束及びトラフ部の配置の変形例を示す熱交換器の概略横方向断面図である。
本発明の第五実施形態の変形例に係る熱交換器が使用されている状態を示す図35の領域Xに配置された、伝熱管とトラフ部とガイド部との拡大概略断面図である。
図36の伝熱管と、トラフ部のトラフ部分のうちの一つと、の拡大断面図である。
図37の矢印38に沿った方向から見た、図37の伝熱管及びトラフ部分の部分側面図である。
本発明の第六実施形態に係る管束及びトラフ部の配置を示す熱交換器の概略横方向断面図である。
本発明の第六実施形態に係る管束及びトラフ部の配置の変形例を示す熱交換器の概略横方向断面図である。
本発明の第七実施形態に係る管束及びトラフ部の配置を示す熱交換器の概略横方向断面図である。
本発明の第八実施形態に係る管束及びトラフ部の配置を示す熱交換器の概略横方向断面図である。
本発明の第八実施形態に係る管束及びトラフ部の配置の変形例を示す熱交換器の概略横方向断面図である。
本発明の選択的な実施形態を、図面を用いて説明する。以下の本発明に係る実施形態の説明は単なる例示であって、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物によって定義される本発明を限定するものではないことは、本開示から当業者には明らかであろう。
まず図1及び図2を参照して、第一実施形態に係る熱交換器を有する蒸気圧縮システムを説明する。図1から分かる通り、第一実施形態に係る蒸気圧縮システムは、大きな建築物等の、暖房、換気及び空調(HVAC)システムにおいて用いることができるチラーである。第一実施形態の蒸気圧縮システムは、蒸気圧縮冷却サイクルを介して被冷却液(例えば水、エチレン、エチレングリコール、塩化カルシウムブライン等)から熱を取り去るよう構成され配置される。
図1及び図2に示すように、蒸気圧縮システムは次の四つの主要な構成要素を有する。蒸発器1、コンプレッサ2、凝縮器3及び膨張装置4である。
蒸発器1は、蒸発器1を通過する被冷却液(この例では水)から熱を取り去る熱交換器である。循環する冷媒が蒸発器1において蒸発すると、水の温度が低下する。蒸発器1に入る冷媒は、二相の気体/液体状態にある。液体冷媒は、水から熱を吸収し、蒸発器1において蒸気冷媒として蒸発する。
低圧低温の蒸気冷媒が蒸発器1から放出され、吸引によってコンプレッサ2に入る。コンプレッサ2において、蒸気冷媒は高圧高温の蒸気になるよう圧縮される。コンプレッサ2は、任意のタイプの従来のコンプレッサ、例えば遠心式コンプレッサ、スクロールコンプレッサ、往復式コンプレッサ、スクリューコンプレッサ等とできる。
次に、高温高圧の蒸気冷媒は、凝縮器3へと入る。凝縮器は、蒸気冷媒から熱を取り去り、気体状態から液体状態に凝縮させる他の熱交換器である。凝縮器3は、空冷式、水冷式又は任意の適当なタイプの凝縮器とできる。熱は凝縮器3を通過する冷却水又は空気の温度を上昇させ、そして、熱は、冷却水又は空気で運ばれるとき、システムの外部へと排出される。
その後、凝縮された液体冷媒は、冷媒が圧力の急激な低下を受ける膨張装置4に導入される。膨張装置4は、オリフィスプレートと同程度に簡単な構成とすることができ、又は電子可変熱膨張弁と同程度に複雑な構成とすることもできる。急激な減圧により、液体冷媒は部分的に蒸発し、その結果、蒸発器1に入る冷媒は二相の気体/液体状態となる。
蒸気圧縮システムにおいて用いられる冷媒の例として、ハイドロフルオロカーボン(hydrofluorocarbon(HFC))ベースの冷媒(例えばR−410A、R−407CやR−134a)、ハイドロフルオロオレフィン(hydrofluoro olefin(HFO))、不飽和HFCベースの冷媒(例えばR−1234zeやR−1234yf)、自然冷媒(例えばR−717やR−718)、又は他の適当なタイプの冷媒が挙げられる。
蒸気圧縮システムは、蒸気圧縮システムの動作を制御するようコンプレッサ2の駆動機構に機能的に連結される制御ユニット5を有する。
本発明を実施するために、従来のコンプレッサ、凝縮器及び膨張装置をそれぞれ、コンプレッサ2、凝縮器3及び膨張装置4として用いることができることは、本開示からの当業者には明らかであろう。言いかえれば、コンプレッサ2、凝縮器3及び膨張装置4は、当該技術において周知の従来の構成要素である。コンプレッサ2、凝縮器3及び膨張装置4が、当該技術において周知であるので、これらの構造をここでは詳細に説明・例示しない。蒸気圧縮システムは、複数の蒸発器1、コンプレッサ2及び/又は凝縮器3を有することもできる。
次に図3〜図5を参照して、第一実施形態に係る熱交換器である蒸発器1の詳細な構造を説明する。図3及び図6に示す通り、蒸発器1は、長手方向中心軸C(図6)が略水平方向に延びる略円筒形状のシェル10を有する。シェル10は、入口水室13a及び出口水室13bを有する接続ヘッド部材13と、水室14aを有する戻りヘッド部材14と、を有する。接続ヘッド部材13及び戻りヘッド部材14は、シェル10の円筒状本体の長手方向両端部に固定して連結される。入口水室13a及び出口水室13bは、水バッフル13cによって分割される。接続ヘッド部材13は、シェル10へと水を導入する水入口管15と、シェル10から水を放出する水出口管16と、を有する。図3及び図6に示す通りに、シェル10はさらに、冷媒入口管11と冷媒出口管12とを有する。冷媒入口管11は、供給導管6(図7)を介して膨張装置4と流体が通るよう接続され、これにより、二相の冷媒がシェル10へと導入される。膨張装置4を、冷媒入口管11に直接連結することもできる。二相の冷媒における液体成分は、蒸発器1を通る水から熱を吸収すると、蒸発器1において沸騰しかつ/又は蒸発し、液体から蒸気へと相転移を受ける。蒸気冷媒は冷媒出口管12からコンプレッサ2へと吸引によって吸い込まれる。
図4は、シェル10内に収容される内部構造を示す概略斜視図である。図5は、図4に示される内部構造の分解組立図である。図4及び図5に示す通り、蒸発器1は基本的に、分配部20と、管束30と、トラフ(trough)部40とを有する。蒸発器1は好ましくはさらに、図7に示すようなバッフル構造50を有する。しかしながら、図4〜図6においては簡単化のため、バッフル構造50の図示を省略している。
分配部20は、気液分離器と冷媒分配器との両方として機能するよう構成され配置される。図5に示す通り、分配部20は、入口管部21と、第一トレー部22と、複数の第二トレー部23と、を有する。
図6に示す通り、入口管部21はシェル10の長手方向中心軸Cと略平行に延びる。入口管部21は、シェル10の冷媒入口管11に流体が通るよう接続され、これにより、二相の冷媒が冷媒入口管11を介して入口管部21へと導入される。入口管部21は、二相の冷媒を放出するよう入口管部21の長手方向長さに沿って配置される複数の開口部21aを有する。二相の冷媒が入口管部21の開口部21aから放出されると、入口管部21の開口部21aから放出される二相の冷媒の液体成分を、第一トレー部22が受ける。一方、二相の冷媒の蒸気成分は上方へと流れて、図7に示すバッフル構造50に衝突し、これにより、蒸気中に含まれていた液滴がバッフル構造50によって収集される。バッフル構造50によって収集された液滴は、バッフル構造50の傾斜面に沿って第一トレー部22に向かって案内される。バッフル構造50は、プレート部材、メッシュスクリーン等として構成できる。蒸気成分は、バッフル構造50に沿って下方へ流れ、その後、出口管12に向かって上方へと方向を変える。蒸気冷媒は出口管12を介してコンプレッサ2に向かって放出される。
図5及び図6に示す通り、第一トレー部22はシェル10の長手方向中心軸Cと略平行に延びる。図7に示す通り、第一トレー部22の底面は入口管部21の下方に配置されて、入口管部21の開口部21aから放出される液体冷媒を受ける。第一実施形態において、図7に示す通り、第一トレー部22の底面と入口管部21との間には鉛直方向の隙間が形成されないよう、入口管部21は第一トレー部22内に配置される。言いかえれば、第一実施形態においては、図6に示す通り、シェル10の長手方向中心軸Cに垂直な水平方向から見て、入口管部21の大部分が第一トレー部22と重なっている。この構成では、第一トレー部22に貯留される液体冷媒の液位(高さ)を比較的高く維持しながら、第一トレー部22において貯留される液体冷媒の総体積を低減することができるので、この構成には利点がある。あるいは、第一トレー部22の底面と入口管部21と間に鉛直方向に大きい隙間が形成されるよう、入口管部21及び第一トレー部22を配置することもできる。入口管部21、第一トレー部22及びバッフル構造50は、好ましくは互いに連結され、シェル10の上部において適当な方法で上方から吊るされる。
図5及び図7に示す通り、第一トレー部22は複数の第一放出孔22aを有する。第一トレー部22に貯留された液体冷媒は複数の第一放出孔22aから下方へと放出される。第一トレー部22の第一放出孔22aから放出される液体冷媒は、第一トレー部22の下方に配置された第二トレー部23のうちの一つによって受けられる。
図5及び図6に示す通り、第一実施形態の分配部20は同じ構成の三つの第二トレー部23を有する。第二トレー部23は、シェル10の長手方向中心軸Cに沿って近接して並んで配置されている。図6に示す通り、三つの第二トレー部23の全体的長手方向長さは、図6に示す通り、第一トレー部22の長手方向長さと実質的に同じである。図7に示す通り、第二トレー部23が管束30のほぼ全幅にわたって延びるように、第二トレー部23の横方向幅は第一トレー部22の横方向幅より大きく設定されている。第二トレー部23に貯留された液体冷媒が第二トレー部23間で連通しないように、第二トレー部23は配置される。図5及び図7に示す通り、第二トレー部23はそれぞれ、複数の第二放出孔23aを有する。液体冷媒は複数の第二放出孔23aから管束30に向かって下方へと放出される。
分配部20の構造及び構成はここで説明したものに限定されないことは、本開示から当業者には明らかであろう。液体冷媒を下方へと管束30上に分配するあらゆる従来の構造を、本発明を実行するために用いることができる。例えば、スプレーノズル及び/又はスプレーツリー管を用いる従来の分配システムを分配部20として用いることができる。つまり、流下液膜式蒸発器に対応しているあらゆる従来の分配システムを、本発明を実行するために分配部20として用いることができる。
管束30は分配部20の下方に配置されており、これにより、分配部20から放出される液体冷媒が管束30上へと供給される。図6に示す通り、管束30は、シェル10の長手方向中心軸Cと略平行に延びる複数の伝熱管31を有する。伝熱管31は金属等の高い熱伝導率を有する材料で形成されている。伝熱管31は、好ましくは冷媒と伝熱管31の内部で流れる水との間の熱交換をさらに促進するために内部溝及び外部溝が形成されている。このような内部溝及び外部溝を有する伝熱管は当該技術において周知である。例えば、日立電線株式会社のサーモエクセル(登録商標)Eを本実施形態の伝熱管31として用いることができる。図5に示す通り、伝熱管31は、シェル10に固定して連結される複数の鉛直延設支持板32によって支持される。第一実施形態において、管束30は、二経路(ツーパス)システムを構成するよう配置される。ツーパスシステムでは、伝熱管31は、管束30の下部に配置された供給ライングループと、管束30の上部に配置された戻りライングループと、に分割される。図6に示す通り、供給ライングループにおける伝熱管31の入口端部は、接続ヘッド部材13の入口水室13aを介して水入口管15から流体が通るよう接続されており、これにより、蒸発器1に入る水が供給ライングループにおける伝熱管31へと分配される。供給ライングループにおける伝熱管31の出口端部及び戻りライン管の伝熱管31の入口端部は、戻りヘッド部材14の水室14aと流体が通るよう連通されている。したがって、供給ライングループにおける伝熱管31の内部を流れる水は水室14aへと放出され、戻りライングループにおける伝熱管31へと再分配される。戻りライングループにおける伝熱管31の出口端部は、接続ヘッド部材13の出口水室13bを介して水出口管16と流体が通るよう連通されている。このように、戻りライングループにおける伝熱管31の内部を流れる水は、水出口管16を通って蒸発器1から出ていく。典型的なツーパス蒸発器において、水入口管15に入る水の温度を華氏約54度(約12℃)とでき、水出口管16から出るときには、水は華氏約44度(約7℃)に冷却されている。本実施形態においては、水が蒸発器1の同じ側で出入りするツーパスシステムを構成するよう蒸発器1が配置されているが、一経路(ワンパス)あるいは三経路(スリーパス)システム等の他の従来のシステムを用いることができることは本開示から当業者には明らかであろう。また、ツーパスシステムにおいて、ここで例示した構成の代わりに、戻りライングループを供給ライングループの下方に又は横に並べて配置することもできる。
第一実施形態に係る蒸発器1の伝熱機構の詳細な配置を、図7を参照して説明する。図7は、図3の切断線7−7'に沿って見た蒸発器1の概略横方向断面図である。
上述の通り、二相状態の冷媒は、供給導管6を通って入口管11を介して分配部20の入口管部21に供給される。図7において、冷媒回路における冷媒のフローを概略的に示す。簡単化のため、入口管11を省略している。分配部20に供給された冷媒の蒸気成分は、分配部20の第一トレー部22における液体成分から分離されて、出口管12を通って蒸発器1から出ていく。一方、二相の冷媒の液体成分は、第一トレー部22に貯留され、その後第二トレー部23に貯留されて、そして、第二トレー部23の放出孔23aから管束30に向かって下方へ放出される。
図7に示すように、第一実施形態の管束30は流下液膜領域Fと貯留領域Aとを有する。流下液膜領域Fにおける伝熱管31は、液体冷媒の流下液膜式蒸発を行うよう構成され配置される。より具体的には、分配部20から放出される液体冷媒が、流下液膜領域Fにおける伝熱管31のそれぞれの外壁に沿って層(すなわち膜)を形成するよう、伝熱管31は配置される。伝熱管31のそれぞれの外壁では、液体冷媒は、伝熱管31の内部を流れる水から熱を吸収し、蒸気冷媒として蒸発する。図7に示す通り、シェル10の長手方向中心軸Cと平行な方向から見て(図7で見て)、流下液膜領域Fにおける伝熱管31は、互いに平行に延びる複数の鉛直方向列に配置されている。したがって、冷媒は、伝熱管31の複数の列のそれぞれにおいて、重力によって一の伝熱管から他の伝熱管へと下方へ流下する。伝熱管31の列は、第二放出開口部23aから放出される液体冷媒が、それぞれの列において最も上に配置された伝熱管31の上へと落ちるよう、第二トレー部23の第二放出開口部23aに対して配置される。第一実施形態において、図7に示す通り、流下液膜領域Fにおける伝熱管31の列は、千鳥状(staggered pattern)に配置される。第一実施形態において、流下液膜領域Fにおける伝熱管31の、二つの隣接する管の間の鉛直方向ピッチは実質的に一定である。同様に、流下液膜領域Fにおける伝熱管31の列の二つの隣接する列の間の水平方向ピッチは実質的に一定である。
図7に示すように、流下液膜領域Fにおいて蒸発しなかった液体冷媒は重力によって、トラフ部40が配置される貯留領域A内へと、継続的に流下する。トラフ部40に貯留された液体冷媒に貯留領域Aにおける伝熱管31が少なくとも部分的に浸漬されるように、トラフ部40は上方から流下する液体冷媒を貯留するように構成され配置される。トラフ部40が配置される貯留領域Aにおける伝熱管31の行の数は、好ましくは管束30の伝熱管31の行の総数の約10%〜約20%である。つまり、貯留領域Aにおける伝熱管31の行の数と、流下液膜領域Fにおける一列の伝熱管31の数と、の比は好ましくは約1:9〜約2:8である。あるいは、伝熱管31が不規則なパターンに配置される(例えば、それぞれの列における伝熱管の数が異なる)場合、貯留領域Aに配置された(つまり、トラフ部40に貯留された液体冷媒に少なくとも部分的に浸漬された)伝熱管31の数は、好ましくは管束30における伝熱管の総数の約10%から約20%である。図7に示す例において、トラフ部40は、貯留領域Aの二行の伝熱管31に備えられており、流下液膜領域Fにおいて伝熱管31のそれぞれの列は十行を含んでいる(つまり、管束30における行の総数は12である)。蒸発器がより大きい容量を有し、より多くの伝熱管を有する場合、流下液膜領域Fにおける伝熱管の列の数及び/又は貯留領域Aにおける伝熱管の行の数も増加することは、本開示からの当業者には明らかであろう。
図7に示すように、トラフ部40は、第一トラフ部分41と、一対の第二トラフ部分42と、を有する。図6から分かる通り、第一トラフ部分41及び第二トラフ部分42は、伝熱管31の長手方向長さと実質的に同じである長手方向長さにわたってシェル10の長手方向中心軸Cと略平行に延びる。図7から分かる通り、長手方向中心軸Cに沿って見て、トラフ部40の第一トラフ部分41及び第二トラフ部分42は、シェル10の内面から間隔を空けて配置される。第一トラフ部分41及び第二トラフ部分42を、金属、合金、樹脂等の種々の材料で形成できる。第一実施形態においては、第一トラフ部分41及び第二トラフ部分42は、鋼板(鋼シート)等の金属材料で形成されている。第一トラフ部分41及び第二トラフ部分42は、支持板32によって支持される。支持板32は、第一トラフ部分41の内部領域に対応する位置に配置された開口部(図示せず)を有しており、これにより、トラフ部分41のすべてのセグメントが第一トラフ部分41の長手方向長さに沿って流体連通状態にある。したがって、第一トラフ部分41に貯留された液体冷媒は、トラフ部分41の長手方向長さに沿って、支持板32における開口部を介して流動する。同様に、支持板32に開口部(図示せず)が、それぞれの第二トラフ部分42の内部領域に対応する位置に配置されており、これにより、第二トラフ部分42のすべてのセグメントが第二トラフ部分42の長手方向長さに沿って流体連通状態にある。したがって、トラフ部分42に貯留された液体冷媒は、第二トラフ部分42の長手方向長さに沿って、支持板32における開口部を介して流動する。
図7に示されるように、第一トラフ部分41は貯留領域Aにおける伝熱管31の最も下の行の下方に配置されており、第二トラフ部分42は伝熱管31の下から二番目の行の下方に配置されている。図7に示すように、貯留領域Aにおける下から二番目の行の伝熱管31は、二つのグループに分割されており、第二トラフ部分42は、対応する二つのグループの下方にそれぞれ配置されている。隙間が第二トラフ部分42の間に形成されており、これにより、液体冷媒が第二トラフ部分42から第一トラフ部分41に向かってオーバーフローすることができる。
第一実施形態においては、図7に示すように、管束30のそれぞれの側において、貯留領域Aのそれぞれの行における伝熱管31のうち最も外側の管が、流下液膜領域Fにおける伝熱管31の最も外側の列の外側に配置されるよう、貯留領域Aにおける伝熱管31は配置される。シェル10内の蒸気フローにより管束30の下側領域に向かうにつれて液体冷媒のフローは揺らぐ傾向があるので、図7に示すように、貯留領域Aのそれぞれの行において少なくとも一つの伝熱管を、流下液膜領域Fにおける伝熱管31の最も外側の列の外側に配置することが好ましい。
図8は、蒸発器1が通常条件で使用されている状態を概略的に示す図7の領域Xの拡大断面図を示す。簡単化のため、図8には伝熱管31の内部で流れる水を示していない。図8に示すように、液体冷媒は流下液膜領域Fにおいて伝熱管31の外面に沿った膜を形成し、そして、液体冷媒の一部は蒸気冷媒として蒸発する。しかしながら、管束30の下側領域に向かうにつれて、液体冷媒は蒸気冷媒として蒸発し、伝熱管31に沿って流下する液体冷媒の量は減少する。さらに、もしも分配部20からの液体冷媒の分配が均一でない場合、管束30の下側領域に配置された伝熱管31にドライパッチが形成される可能性が高くなる。ドライパッチの形成は伝熱に不利益である。このように、本発明の第一実施形態において、トラフ部40は、管束30の下側領域に配置される貯留領域Aに配置され、これにより、上方から流下する液体冷媒を貯留し、貯留された冷媒をシェルの長手方向Cに沿って再分配する。したがって、貯留領域Aにおけるすべての伝熱管31は、第一実施形態に係るトラフ部40に集められた液体冷媒に少なくとも部分的に浸漬される。こうして、管束30の下側領域におけるドライパッチの形成を防止することができ、また、蒸発器1の熱伝達効率を確保できる。
例えば、「1」と印した伝熱管31が冷媒をほとんど受けないとき、図8に示すように、「1」と印した伝熱管の直下に配置された「2」と印した伝熱管31は上方からの液体冷媒を受けない。しかしながら、液体冷媒が他の伝熱管31に沿って流れるので、液体冷媒は第二トラフ部分42に貯留される。したがって、第二トラフ部分42直上の伝熱管31は、第二トラフ部分42に貯留された液体冷媒に少なくとも部分的に浸漬される。さらに、伝熱管31が第二トラフ部分42に貯留された液体冷媒に部分的にのみ浸漬される(つまり、それぞれの伝熱管31の一部が露出されている)場合であっても、トラフ部分42に貯留された液体冷媒は、毛管現象により図8に示す矢印によって表されているように伝熱管31の外壁の露出面に沿って上昇する。したがって、第二トラフ部分42に貯留された液体冷媒は、伝熱管31を通る水から熱を吸収し、沸騰かつ/又は蒸発する。さらに、液体冷媒が第二トラフ部分42から第一トラフ部分41へとオーバーフローすることができるよう、第二トラフ部分42は設計されている。第二トラフ部分42からオーバーフローした液体冷媒を受け易くするために、図7及び図8に示すように、第一トラフ部分41の外縁は第二トラフ部分42の外縁の外側に配置される。図8に示すように、第一トラフ部分41直上に配置された伝熱管31は、第一トラフ部分41に貯留された液体冷媒に少なくとも部分的に浸漬される。さらに、伝熱管31が第二トラフ部分41に貯留された液体冷媒に部分的にのみ浸漬される(つまり、それぞれの伝熱管31の一部が露出されている)場合であっても、トラフ部分41の液体冷媒は、毛管現象により、貯留された冷媒に少なくとも部分的に浸漬された伝熱管31の外壁の露出面に沿って上昇する。したがって、第一トラフ部分41に貯留された液体冷媒は、伝熱管31の内部を通る水から熱を吸収し、沸騰かつ/又は蒸発する。したがって、液体冷媒と、貯留領域Aにおける伝熱管31の内部を流れる水と、の間で伝熱が効果的に行われる。
図4〜図8を参照して、蒸発器1は好ましくは、拡散した冷媒をトラフ部40の上方の伝熱管31に向かって戻るよう案内するガイド部70を有する。シェル10の構造が円筒状である例示の実施形態において、ガイド部70は、基本的に、トラフ部40の上端における両側方の鉛直位置で、管束30から上方にかつ横方向外側に延びる一対の側方部分72を有する。いずれの場合も、図7からよくわかる通り、ガイド部70は、トラフ部40の上端の鉛直位置で管束30から上方にかつ横方向外側に延びる、少なくとも一つの側方部分72を有する。図4〜図6からよくわかる通り、側方部分72はそれぞれ、鉛直板32に溶接される複数の別々の部分から形成される。
ガイド部70の側方部分72はそれぞれ、シェル10の長手方向中心軸Cを通る水平面Pに対して10度から45度の間の角度で傾斜する傾斜部分72aを有する。より好ましくは、傾斜部分72aはそれぞれ、水平面Pに対して30度から45度の間の角度で傾斜する。例示の実施形態では、傾斜部分72aはそれぞれ、水平面Pに対して40度傾斜する。図7に示す通り、側方部分72及び傾斜部分72aは、それらの配置が互いの鏡像であること以外は、互いに同一である。例示の実施形態において、それぞれの側方部分72は、傾斜部分72aの一方からのみ構成されている。ただし、必要に応じて及び/又は所望により、それぞれの側方部分72が1以上の追加部分を有することができることは、本開示から当業者には明らかであろう。
図9及び図10を参照して、第一トラフ部分41及び第二トラフ部分42の詳細な構造と、第一トラフ部分41及び第二トラフ部分42の伝熱管31に対する配置とを、第二トラフ部分42の一つを例として説明する。図9から分かる通り、第二トラフ部分42は、底部壁部42aと、底部壁部42aの横方向端部から上方へと延びる一対の側壁部42bと、を有する。第一実施形態においては、側壁部42bは上方へと広がる輪郭を有しているが、第二トラフ部分42の形状はこの構成に限定されない。例えば、第二トラフ部分42の側壁部42bを互いに平行に延設させることもできる(図11B〜図11D参照)。
底部壁部42a及び側壁部42bにより、凹部が形成されている。凹部には、蒸発器1が通常条件で動作する時、伝熱管31が第二トラフ部分42に貯留された液体冷媒に少なくとも部分的に浸漬されるよう、液体冷媒が貯留される。具体的には、シェル10の長手方向中心軸Cに垂直な水平方向に沿って見て、第二トラフ部分42の側壁部42bが、第二トラフ部分42の直上に配置された伝熱管31と部分的に重なっている。図10は、シェル10の長手方向中心軸Cに垂直な水平方向に沿って見た、トラフ部分42及び伝熱管31を示す。伝熱管31が第二トラフ部分42に貯留された液体冷媒に少なくとも部分的に浸漬されるよう、シェル10の長手方向中心軸Cに垂直な水平方向に沿って見た、側壁部42bと、第二トラフ部分42の直上に配置された伝熱管31と、の間の重なり距離D1が設定される。また、蒸発器1が通常条件で動作する時、液体冷媒が第二トラフ部分42からオーバーフローするように、重なり距離D1は設定される。好ましくは、重なり距離D1は、伝熱管31の高さ(外径)D2の二分の一以上(D1/D2≧0.5)に設定される。より好ましくは、重なり距離D1は、伝熱管31の高さ(外径)の四分の三以上(D1/D2≧0.75)に設定される。言いかえれば、第二トラフ部分42が縁まで液体冷媒で満たされたとき、それぞれの伝熱管31の高さ(外径)の少なくとも二分の一(又はより好ましくは少なくとも四分の三)が液体冷媒に浸漬されるよう、第二トラフ部分42は配置される。重なり距離D1を伝熱管31の高さD2以上とすることもできる。このような場合、伝熱管31は、第二トラフ部分42に貯留された液体冷媒に完全に浸漬される。しかしながら、第二トラフ部分42の容量が増加するにつれて、冷媒充填の量が増加するので、重なり距離D1は実質的に伝熱管31の高さD2以下あることが好ましい。
伝熱管31と第二トラフ部分42との間で液体冷媒が流れることができるのに十分な空間が伝熱管31と第二トラフ部分42との間で形成される限り、底部壁部42aと伝熱管31との間の距離D3、及び側壁部42bと伝熱管31との間の距離D4は、特定の距離に限定されない。例えば、距離D3及び距離D4をそれぞれ約1mm〜約4mmに設定できる。また、距離D3及び距離D4は、同じでも異なってもよい。
第一トラフ部分41の高さを第二トラフ部分の高さと同じか異なるようにできることを除いて、第一トラフ部分41は上述した第二トラフ部分42と同様の構造を有する。第一トラフ部分41が最も下の行の伝熱管31の下方に配置されるので、第一トラフ部分41からの液体冷媒をオーバーフローさせる必要はない。したがって、第一トラフ部分41の全体的高さは、第二トラフ部分42より高く設定できる。いずれの場合も、上述の通り、第一トラフ部分41と伝熱管31との間の重なり距離D1は、伝熱管31の高さ(外径)D2の二分の一(又は、より好ましくは四分の三)以上に設定されることが好ましい。
図11Aは、全体的な伝熱係数、対、第一実施形態に係るトラフ部分と伝熱管31の間の重なり距離D1のグラフである。図11Aに示すグラフでは、縦軸は重なり伝熱係数(overlapping heat transfer coefficient)(kw/m2K)を表し、横軸は重なり距離D1を伝熱管31の高さD2に対する比として表現して示している。図11B〜図11Dに示す三つのサンプルを用いて全体的な伝熱係数を測定するよう実験を行った。図11Bに示す第一サンプルにおいては、トラフ部40'と伝熱管31との間の重なり距離D1は伝熱管31の高さD2と等しく、したがって、伝熱管31の高さに対する比として表現する重なり距離は1.0であった。図11Cにおいて示す第二サンプルにおいては、トラフ部40"と伝熱管31との間の重なり距離D1は伝熱管31の高さD2の四分の三(0.75)と等しい。図11Cに示す第三サンプルにおいては、トラフ部40'''と伝熱管31との間の重なり距離D1は伝熱管31の高さD2の二分の一(0.5)と等しい。図11B〜図11Dに示す第一〜第三サンプルにおいては、トラフ部分の底部壁と伝熱管31との間の距離D3、及びトラフ部分の側壁と伝熱管31との間の距離D4は約1mmであった。第一〜第三サンプルでは、液体冷媒(R−134a)が縁まで満たされ、全体的な伝熱係数を、異なる熱流束レベル(30kw/m2、20kw/m2及び15kw/m2)で測定した。
図11Aのグラフに示すように、重なり距離が0.75である第二サンプル(図11C)の全体的な伝熱係数は、すべての熱流束レベルで、重なり距離が1.0である第一サンプル(図11B)の全体的な伝熱係数と実質的に同じであった。さらに、重なり距離が0.5である第三サンプル(図11D)の全体的な伝熱係数は、高い熱流束レベル(30kw/m2)では、第一サンプル(図11B)の全体的な伝熱係数の約80%であった。また、さらに、第三サンプル(図11D)の全体的な伝熱係数は、低い熱流束レベル(20kw/m2)では、第一サンプル(図11B)の全体的な伝熱係数の約90%であった。つまり、重なり距離D1が伝熱管31の高さの二分の一(0.5)に設定された場合でも、性能が大きく低下することはなかった。したがって、重なり距離D1は、好ましくは伝熱管31の高さの二分の一(0.5)以上に、より好ましくは四分の三(0.75)以上に設定される。
第一実施形態に係る蒸発器1では、管束30の下側領域に配置された伝熱管31がトラフ部に貯留された液体冷媒に少なくとも部分的に浸漬されるよう、液体冷媒は貯留領域Aにおけるトラフ部40に貯留される。したがって、液体冷媒が上方から均一に分配されない場合であっても、管束30の下側領域にドライパッチが形成されるのを容易に防止できる。さらに、第一実施形態に係る蒸発器1では、トラフ部40が伝熱管31に隣接して配置されるとともに、シェル10の内面から間隔を空けて配置されるので、蒸発器シェルの底部において冷媒のプールを形成する浸漬部分を有する従来のハイブリッド蒸発器と比較して、伝熱性能を保証しながら冷媒充填の量を大幅に低減できる。
管束30及びトラフ部40の配置は、図7に示す配置に限定されない。本発明の範囲を逸脱せずに、本発明に種々の変更及び変形が行えることは当業者には明らかであろう。いくつかの変形例を、図12〜図18を参照して説明する。
図12は、第一実施形態に係る管束30A及びトラフ部40Aの配置の第一変形例を示す蒸発器1Aの概略横方向断面図である。図12に示すように、管束30Aのそれぞれの側において、それぞれの行における貯留領域Aにおける伝熱管31の最も外側の管が、流下液膜領域Fにおける伝熱管31の最も外側の列に沿って鉛直方向に整列して配置されていることを除いて、蒸発器1Aは図2〜図7に示した蒸発器1と基本的に同じである。この場合も、第二トラフ部分42Aの最も外側の端部が外側に延びるので、管束30Aの下側領域に向かうにつれて液体冷媒のフローが外側に揺らぐ場合であっても、液体冷媒を第二トラフ部分42Aによって容易に受けることができる。
図13は、第一実施形態に係る管束30B及びトラフ部40Bの配置の第二変形例を示す蒸発器1Bの概略横方向断面図である。図13に示すように、流下液膜領域Fにおける管束30Bの伝熱管31が千鳥状ではなくマトリックス状に配置されていることを除いて、蒸発器1Bは図12に示した蒸発器1Aと基本的に同じである。
図14は、第一実施形態に係る管束30C及びトラフ部40Cの配置の第三変形例を示す蒸発器1Cの概略横方向断面図である。トラフ部40Cが横方向に連続的に延びる単一の第二トラフ部分42Cを有することを除いて、蒸発器1Cは図13に示される蒸発器1Bと基本的に同じである。この場合も、第二トラフ部分42Cに貯留された液体冷媒は、第一トラフ部分41Cに向かって第二トラフ部分42Cの両方の横方向側部からオーバーフローする。
図15は、第一実施形態に係る管束30D及びトラフ部40Dの配置の第四変形例を示す蒸発器1Dの概略横方向断面図である。図15に示す例においては、トラフ部40Dは、貯留領域Aにおける伝熱管31の下方にそれぞれ配置される独立した複数のトラフ部分43を有する。図16は、蒸発器1Dが使用されている状態を示す、図15の領域Yに配置された伝熱管31及びトラフ部分43の拡大概略断面図である。図16に示すように、貯留領域Aにおける最も上の行のトラフ部分43に貯留された液体冷媒は、下方に配置されたトラフ部分43に向かってオーバーフローする。したがって、貯留領域Aにおけるすべての伝熱管31は、トラフ部分43に貯留された液体冷媒に少なくとも部分的に浸漬される。したがって、液体冷媒と伝熱管31の内部を流れる水との間で伝熱が行われると、液体冷媒は蒸気冷媒として蒸発する。
トラフ部分43の形状は図15及び図16に示した構成に限定されない。例えば、トラフ部分43の断面を、C字状、V字状、U字状等とすることもできる。上述の例と同様に、長手方向中心軸Cに垂直な水平方向に沿って見て、トラフ部分43と、トラフ部分43の直上に配置された伝熱管31と、の間の重なり距離は、好ましくは伝熱管31の高さの二分の一(0.5)以上に、より好ましくは四分の三(0.75)以上に設定される。
図17は、第一実施形態に係る管束30E及びトラフ部40Eの配置の第五変形例を示す蒸発器1Eの概略横方向断面図である。図17に示すように、管束30Eのそれぞれの側において、それぞれの行における貯留領域A内の伝熱管31の最も外側の管が、流下液膜領域Fにおける伝熱管31の最も外側の列に沿って鉛直方向に整列して配置されていることを除いて、蒸発器1Eは図16に示した蒸発器1Dと基本的に同じである。
図18は、第一実施形態に係る管束30F及びトラフ部40Fの配置の第六変形例を示す蒸発器1Fの概略横方向断面図である。流下液膜領域Fにおける伝熱管31の配置パターンを除いて、蒸発器1Aは、図2〜図7に示した蒸発器1と基本的に同じである。より具体的には、図18に示す例においては、それぞれの列における伝熱管31の二つの隣接する管の間の鉛直方向ピッチは、流下液膜領域Fの上側領域の方が流下液膜領域Fの下側領域よりも大きくなるよう、流下液膜領域Fにおける伝熱管31は配置されている。さらに、伝熱管31の二つの隣接する管の間の水平方向ピッチは、流下液膜領域Fの横方向中心領域の方が流下液膜領域Fの外側領域よりも大きくなるよう、流下液膜領域Fにおける伝熱管31は配置されている。
シェル10における蒸気フローの量は、流下液膜領域Fの上側領域の方が流下液膜領域Fの下側領域よりも大きくなる傾向がある。同じく、シェル10における蒸気フローの量は、流下液膜領域Fの横方向中心領域の方が流下液膜領域Fの外側領域よりも大きくなる傾向がある。したがって、流下液膜領域Fの上側領域及び外側領域における蒸気速度はときには非常に高くなる。その結果、横方向蒸気フローにより、伝熱管31間の液体冷媒の鉛直方向フローが乱れる。また、液体冷媒が高速蒸気フローによってコンプレッサ2へと運ばれることもあり、蒸気フローと一緒に運ばれた液体冷媒によりコンプレッサ2が損傷するおそれがある。したがって、図18に示す例においては、流下液膜領域Fの上側領域及び外側領域における伝熱管31の間で形成される蒸気経路の断面積が大きくなるよう、伝熱管31の鉛直方向ピッチ及び水平方向ピッチが調整されている。これにより、流下液膜領域Fの上側領域及び外側領域における蒸気フローの速度を低減できる。したがって、液体冷媒の鉛直方向フローが乱れることを防止でき、また蒸気フローに液体冷媒が含まれてしまうことを防止できる。
<第二実施形態>
次に図19を参照して、第二実施形態に係る蒸発器101を説明する。第一実施形態と第二実施形態との類似点を考慮して、第一実施形態のパーツと同一の、第二実施形態のパーツには、第一実施形態の部材と同じ参照符号を付している。また、説明の簡略化のために、第二実施形態のパーツと同一の第二実施形態のパーツの説明を省略する。
次に図19を参照して、第二実施形態に係る蒸発器101を説明する。第一実施形態と第二実施形態との類似点を考慮して、第一実施形態のパーツと同一の、第二実施形態のパーツには、第一実施形態の部材と同じ参照符号を付している。また、説明の簡略化のために、第二実施形態のパーツと同一の第二実施形態のパーツの説明を省略する。
第二実施形態の蒸発器101が冷媒再循環システムを備えることを除いて、第二実施形態に係る蒸発器101は第一実施形態の蒸発器1と基本的に同じである。第二実施形態のトラフ部140は、第一実施形態のトラフ部40と基本的に同じである。上述したように第一実施形態においては、液体冷媒が分配部20から管束30上に比較的均等に(例えば±10%で)分配される場合、ほとんどすべての液体冷媒が流下液膜領域F又は貯留領域Aにおいて蒸発する所定量に、冷媒充填を設定することができる。このような場合、第一トラフ部分41からシェル10の底部に向かってオーバーフローする液体冷媒はほとんどない。しかしながら、分配部20から管束30上への液体冷媒の分配が相当に不均一(例えば±20%)である場合、管束30にドライパッチが形成される可能性が高くなる。したがって、このような場合、ドライパッチの形成を防止するために、所定量を超える量の冷媒をシステムに供給する必要がある。このため、第二実施形態では、トラフ部140からオーバーフローし、シェル110の底部に貯留された液体冷媒を再循環させるための冷媒再循環システムを、蒸発器101が備える。図19に示す通り、シェル110は、ポンプ装置7aに連結される導管7と流体連通状態にある底部出口管17を有する。シェル110の底部に貯留された液体冷媒が、導管6及び入口管11を介して蒸発器110の分配部20に再循環されるよう、ポンプ装置7aは選択的に動作する(図1)。底部出口管17を、シェル110の任意の長手方向位置に配置することができる。
あるいは、ベルヌーイの原理に基づいてシェル110の底部に貯留された液体冷媒を凝縮器3からの加圧冷媒を用いて吸い込むよう動作するエジェクタと、ポンプ装置7aを置き換えることもできる。このようなエジェクタは、膨張装置の機能とポンプの機能と合わせ持つ。
こうして、第二実施形態に係る蒸発器110では、蒸発しなかった液体冷媒を効率的に再循環して伝熱のために再利用でき、これにより、冷媒充填の量を低減できる。
第二実施形態において、管束130及びトラフ部140の配置は、図19に示す配置に限定されない。本発明の範囲を逸脱することなく、本発明に種々の変更及び変形が行えることは当業者には明らかであろう。例えば、図12〜図15、図17及び図18に示した管束及びトラフ部の配置を第二実施形態に係る蒸発器110においても用いることができる。
<第三実施形態>
次に図20〜図25を参照して、第三実施形態に係る蒸発器201を説明する。第一実施形態、第二実施形態及び第三実施形態の類似点を考慮して、第一実施形態又は第二実施形態のパーツと同一の、第三実施形態のパーツには、第一実施形態又は第二実施形態のパーツと同じ参照符号を付している。また、説明の簡略化のために、第一実施形態又は第二実施形態のパーツと同一の第三実施形態のパーツの説明を省略する。
次に図20〜図25を参照して、第三実施形態に係る蒸発器201を説明する。第一実施形態、第二実施形態及び第三実施形態の類似点を考慮して、第一実施形態又は第二実施形態のパーツと同一の、第三実施形態のパーツには、第一実施形態又は第二実施形態のパーツと同じ参照符号を付している。また、説明の簡略化のために、第一実施形態又は第二実施形態のパーツと同一の第三実施形態のパーツの説明を省略する。
第三実施形態の蒸発器201は、シェル210の底部に貯留された液体冷媒を底部出口管17及び導管7を介して再循環させる冷媒再循環システムを備えている第二実施形態の蒸発器101と同様である。蒸気圧縮システムのコンプレッサ2(図1)が潤滑油を利用する場合、油がコンプレッサ2から蒸気圧縮システムの冷媒回路へと移送される傾向がある。言いかえれば、蒸発器201に導入される冷媒はコンプレッサ油(冷凍機油)を含んでいる。したがって、蒸発器201が冷媒再循環システムを備える場合、油が液体冷媒と共に蒸発器201内で再循環され、これにより、蒸発器201において液体冷媒における油が高濃度となり、その結果、蒸発器201の性能が低下する。したがって、第三実施形態の蒸発器201は、トラフ部240を用いて油を貯留し、貯留された油を蒸発器201の外部のコンプレッサ2に向かって放出するよう、構成され配置される。
より具体的には、蒸発器201は、管束230における伝熱管31の最も下の行の一部の下方に配置されるトラフ部240を有する。トラフ部240は、バイパス導管8を介してバルブ装置8aに流体が通るよう接続される。トラフ部240に貯留された油が所定レベルに達すると、トラフ部240から蒸発器201の外部へと油を放出するよう、バルブ装置8aは選択的に動作する。
上述の通り、蒸発器201に導入される冷媒がコンプレッサ油を含んでいる場合、冷媒再循環システムによって油が液体冷媒とともに再循環される。第三実施形態においては、トラフ部240に貯留された液体冷媒がトラフ部240からオーバーフローしないように、トラフ部240が配置される。トラフ部240に貯留された液体冷媒が、貯留された液体冷媒に浸漬された伝熱管31の内部を流れる水から熱を吸収すると、トラフ部240に貯留された液体冷媒は沸騰するかつ/又は蒸発するが、油はトラフ部240に残留する。したがって、蒸発器201において液体冷媒が再循環されるにつれて、トラフ部240における油の濃度は次第に高くなる。トラフ部240に貯留された油の量が所定レベルに達すると、バルブ装置8aが動作して、油が蒸発器201から放出される。第一実施形態と同様に、長手方向中心軸Cに垂直な水平方向に沿って見て、第三実施形態のトラフ部240と、トラフ部240の直上に配置された伝熱管31と、の間の重なり距離は、好ましくは伝熱管31の高さの二分の一(0.5)以上に、より好ましくは四分の三(0.75)以上に設定される。
第三実施形態において、トラフ部240が配置されている管束230の領域は貯留領域Aを構成し、一方、管束230の残りの領域は流下液膜領域Fを構成している。
したがって、第三実施形態の蒸発器201では、コンプレッサ2から冷媒回路に移送されたコンプレッサ油を、トラフ部240に貯留して蒸発器201から放出でき、その結果、蒸発器201の熱伝達効率を改善できる。
第三実施形態において、管束230及びトラフ部240の配置は、図20に示す配置に限定されない。本発明の範囲を逸脱すくことなく、本発明に種々の変更及び変形が行えることは当業者には明らかであろう。いくつかの変形例を、図21〜図23を参照して説明する。
図21は、第三実施形態に係る管束230A及びトラフ部240Aの配置の第一変形例を示す蒸発器201Aの概略横方向断面図である。図21に示すように、トラフ部240Aを、図20に示した側部領域の代わりに、伝熱管31の最も下の行の下方の中心領域に配置することができる。
図22は、第三実施形態に係る管束230B及びトラフ部240Bの配置の第二変形例を示す蒸発器201Bの概略横方向断面図である。管束230Bの伝熱管31は、千鳥状ではなく、図22に示すようにマトリックス状に配置される。
図23は、第三実施形態に係る管束230C及びトラフ部240Cの配置の第三変形例を示す蒸発器201Cの概略横方向断面図である。この例において、管束230Cの伝熱管31はマトリックス状に配置される。トラフ部240Cは、伝熱管31の最も下の行の下方の中心領域に配置される。
さらに、第三実施形態に係る管束230の伝熱管31を、図18に示した管束30Fの伝熱管31と同様に配置することができる。言いかえれば、伝熱管31間の鉛直方向ピッチは管束230の上側領域の方が管束230の下側領域よりも大きくなるよう、かつ伝熱管31間の水平方向ピッチは管束230の外側領域の方が管束230の中心領域よりも大きくなるよう、第三実施形態の管束230の伝熱管31を配置することができる。
<第四実施形態>
次に、図24及び図25を参照して、第四実施形態に係る蒸発器301を説明する。第一〜第四実施形態の類似点を考慮して、第一実施形態、第二実施形態又は第三実施形態のパーツと同一の、第四実施形態のパーツには、第一実施形態、第二実施形態又は第三実施形態のパーツと同じ参照符号を付している。また、説明の簡略化のために、第一実施形態、第二実施形態又は第三実施形態のパーツと同一の第四実施形態のパーツの説明を省略する。
次に、図24及び図25を参照して、第四実施形態に係る蒸発器301を説明する。第一〜第四実施形態の類似点を考慮して、第一実施形態、第二実施形態又は第三実施形態のパーツと同一の、第四実施形態のパーツには、第一実施形態、第二実施形態又は第三実施形態のパーツと同じ参照符号を付している。また、説明の簡略化のために、第一実施形態、第二実施形態又は第三実施形態のパーツと同一の第四実施形態のパーツの説明を省略する。
中間トレー部60が供給ライングループにおける伝熱管31と戻りライングループにおける伝熱管31との間の流下液膜領域Fに配置されていることを除いて、第四実施形態の蒸発器301は第一実施形態の蒸発器1と基本的に同じである。中間トレー部60は、液体冷媒が下方へ放出される複数の開口部60aを有する。
上述の通り、蒸発器301は、水がまず管束30の下部領域に配置される供給ライングループにおける伝熱管31の内部を流れ、その後、管束30の上部領域に配置される戻りライングループにおける伝熱管31の内部を流れるよう案内されるツーパスシステムを備える。したがって、入口水室13a近傍の供給ライングループにおける伝熱管31の内部を流れる水の温度が最も高く、したがって、より多くの量の伝熱が必要とされる。例えば、図25に示す入口水室13a近傍の伝熱管31の内部を流れる水の温度が最も高い。したがって、入口水室13a近傍の伝熱管31にはより多くの量の伝熱が必要とされる。分配部20からの冷媒の分配が不均一なために伝熱管31のこの領域が完全に乾いてしまうと、蒸発器301は乾いていない伝熱管31の限られた表面を用いて熱交換を行わねばならず、そのとき蒸発器301は圧力と平衡状態となる。このような場合、伝熱管31の乾いた部分を再度湿らせるために、定格を超えた冷媒充填(例えば二倍程度)が必要となろう。
したがって、第四実施形態において、より多くの量の伝熱を必要とする伝熱管31の上方の位置に、中間トレー部60が配置される。上から落下する液体冷媒は、中間トレー部60によって一度受けられ、そして、より多くの量の伝熱を必要とする伝熱管31に向かって均一に再分配される。したがって、伝熱管31のこうした部分が完全に乾いてしまうことを容易に防止し、良好な伝熱性能が確保される。
第四実施形態においては、図25に示すように、中間トレー部60が管束330の長手方向に部分的にのみ配置されているが、中間トレー部60又は複数の中間トレー部60を管束330の長手方向長さの実質的に全体にわたって延設するよう配置することもできる。
第一実施形態と同様に、第四実施形態における管束330及びトラフ部40の配置は、図24に示した配置に限定されない。本発明の範囲を逸脱することなく、本発明に種々の変更及び変形が行えることは当業者には明らかであろう。例えば、中間トレー部60は、図12〜図15及び図17〜図23に示したいずれの配置とも組み合わせることができる。
<第五実施形態>
次に、図26〜図34を参照して、第五実施形態に係る蒸発器401を説明する。第一実施形態〜第五実施形態との類似点を考慮して、他の実施形態の部材と同一の第五実施形態の部材には、他の実施形態の部材と同じ参照符号を付している。また、説明の簡略化のために、他の実施形態の部材と同一の第五実施形態の部材の説明を省略する。さらに、ここでの説明及び例示以外の、前記実施形態の説明及び例示が第五実施形態にもまた当てはまることは、本開示から当業者に明らかであろう。
次に、図26〜図34を参照して、第五実施形態に係る蒸発器401を説明する。第一実施形態〜第五実施形態との類似点を考慮して、他の実施形態の部材と同一の第五実施形態の部材には、他の実施形態の部材と同じ参照符号を付している。また、説明の簡略化のために、他の実施形態の部材と同一の第五実施形態の部材の説明を省略する。さらに、ここでの説明及び例示以外の、前記実施形態の説明及び例示が第五実施形態にもまた当てはまることは、本開示から当業者に明らかであろう。
この第五実施形態に係る蒸発器401は、基本的に、シェル10と、変形例としての分配部420と、変形例としての管束430(熱伝達ユニット)と、変形例としてのトラフ部440と、ガイド部70と、を有する。図31からよくわかる通り、蒸発器1は、好ましくは変形例としてのバッフル構造450を更に有する。
図26〜図31を参照して、変形例としての分配部420は、前記実施形態と同様に、気液分離器と冷媒分配器との両方として機能するよう構成され配置される。分配部420は、変形例としての入口管部421と、変形例としての第一トレー部422と、複数の第二トレー部23と、を有する。入口管部421は、入口管部21と機能的に同一であり、シェル10の長手方向中心軸Cと略平行に延びる。ただし、本実施形態における入口管部421は、断面が角型の構成を有する。同様に、第一トレー部422は、第一トレー部22と機能的に同一である。ただし、第一トレー部422は、入口管部421の断面角型形状の一部を形成するよう、入口管部421と係合する構造を有する。
入口管部421は、シェル10の冷媒入口管11に流体が通るよう接続され、これにより、二相の冷媒が冷媒入口管11を介して入口管部421へと導入される。入口管部421は、好ましくは、第一トレー部422に取り付けられる第一(供給)逆U字状部材421a及び第二(分配)逆U字状部材421bを有する。第一(供給)逆U字状部材421aは、液体及び気体の冷媒が通過することを防止する剛性金属板/板材から形成される。一方、第二(分配)逆U字状部材421bは、好ましくは、剛性金属メッシュ(網目)材料から形成され、液体及び気体の冷媒が第二(分配)逆U字状部材を通過することができる。第一逆U字状部材421a及び第二逆U字状部材421bは、別々の部材であり(図26〜図27では一体に示しているが)、第一トレー部422の長手方向の中心に取り付けられている。
図27〜図30を参照して、第一トレー部422は、その底面から上方へ延びる一対の長手方向延設フランジ422aを有し、これにより、中心長手方向軸Cと平行な方向に沿って中央長手方向通路422bを形成することができる。フランジ422aは、第一トレー部422と一体的に形成することができる。または、フランジ422aは、第一トレー部422に固定される(例えば溶接によって)別々のフランジとできる。または、フランジ422aは、第一トレー部422の底面に取り付けられるU字状通路の一部とできる。いずれの場合も、好ましくは中央長手方向の通路422bには開口がない。例示の実施形態においては、第二(分配)逆U字状部材421bが好ましくは剛性金属メッシュから形成されるので、通路422bに位置する液体冷媒が所定の高さを越えたときフランジ422aから溢れるよう、フランジ422aは好ましくは所定の高さまで延びる。
あるいは、第二(分配)逆U字状部材421bは、液体又は気体の冷媒を通過させる孔が形成されたシート/プレート金属から形成することもできる。この場合、孔を所定の高さに配置する必要がある。また、この場合、液体冷媒が第二(分配)逆U字状部材421bからいつ流れ出るかをフランジ422aの高さによって決めておく必要がなく、したがって、所望の場合、フランジ422aをより短くすることができる(つまり、どの高さで液体冷媒が孔を通って流れるかは第二(分配)逆U字状部材421bにおける孔の高さによって決まるからである)。
フランジ422a及び通路422bがあることを除いて、第一トレー部422は第一トレー部22と同一である。したがって、通路422b内に孔は形成されていない。第一逆U字状部材421a及び第二逆U字状部材421bは、好ましくは、その自由端が長手方向通路内に収容されて、第一トレー部422のフランジ422a及び底面とともに、断面角型管状構造を形成するよう、寸法付けられる/大きさにされる。第一逆U字状部材421a及び第二逆U字状部材421bは、第一トレー部22のフランジ又は底部に、溶接によって、又はナット/ボルトなどの留め具によって、又は他の適当な取り付け技術によって、取り付けられる。例示の実施形態においては、溶接が第一トレー部422への第一逆U字状部材421a及び第二逆U字状部材421bの取り付けに用いられている。
さらに図27〜図30を参照して、追加の、より大きい第三(分配)逆U字状部材424が、第二(分配)逆U字状部材421bの上方に、間隔を空けて取り付けられる。具体的には、複数のボルト425が、第二(分配)逆U字状部材421bを貫通して上方へ延び、ナットを用いて第二(分配)逆U字状部材に取り付けられる。ナットは、第三(分配)逆U字状部材424を部材421bの上方に装着するためのスペーサーとして機能する。第三(分配)逆U字状部材424は、第二(分配)逆U字状部材421bより横方向に広く、高さは第二(分配)逆U字状部材421bとおよそ同じか又はわずかに小さい。ただし、図30からよくわかる通り、第三(分配)逆U字状部材424の自由端が、フランジ422aの上端より下まで下方へ突出するとともに第一トレー部422の底部の上方に配置されるように、スペーサーとして機能するナットは比較的薄い。ボルト425の自由端はまた、第三(分配)逆U字状部材424を貫通して延び、追加のナットが第三(分配)逆U字状部材424を第二(分配)逆U字状部材421bに固定するよう用いられる。これらの追加のナットもまた、バッフル構造450を第三(分配)逆U字状部材424から上方に間隔を空けて配置するためのスペーサーとして機能する。
第三(分配)逆U字状部材424は、そこを通る冷媒蒸気の流れの邪魔をする。二相の冷媒が入口管部421の第一逆U字状部材421aから放出されると、二相の冷媒の液体成分を第一トレー部422が受ける。一方、二相の冷媒の蒸気成分は上方へと流れて、バッフル構造450に衝突し、これにより、蒸気中に含まれていた液滴がバッフル構造450によって収集されて、バッフル構造450から出口管12への気体の冷媒の直接的な流れが低減される。
図26〜図31を参照して、バッフル構造450は基本的に、溶接又は他の適当な取り付け技術により互いに固定される、キャノピー部材452と、第一バッフル部材454と、第二バッフル部材456と、第三バッフル部材458とを有する。キャノピー部材452はバッフルの最上部分である。第三バッフル部材458は、キャノピー部材452の直ぐ下にある。第二バッフル部材456は、第三バッフル部材458の直ぐ下にある。第一バッフル部材454は、第二バッフル部材456の直ぐ下にある。第一バッフル部材454、第二バッフル部材456及び第三バッフル部材458のそれぞれは、金属シート/板材から逆U字状部材に形成されている。図31からよくわかる通り、第一バッフル部材454、第二バッフル部材456及び第三バッフル部材458の脚部には、直線的に間隔を空けて交互に配置される切欠きが形成されている。具体的には、第三バッフル部材458は、第一バッフル部材454の長手方向に間隔を空けて配置される板状タブ部分454aと長手方向に並んで配置される、複数の長手方向に間隔を空けて配置される板状タブ部分458aを有する。第二バッフル部材456は、タブ454aとタブ458aとの間の隙間に長手方向に配置される複数の長手方向に間隔を空けて配置される板状タブ456bを有する。タブ454a,456b,458aのこの配置により、気体の冷媒の流れが衝突するが、気体の冷媒がバッフル部材454,456,458を通ってある程度流れることができる、気体の冷媒の流れる蛇行ルートが(隙間において)形成される。
図30〜図31からよくわかる通り、キャノピー部材452は、中央部480と一対の側方部482とを有する。一対の側方部482は、互いに鏡像であること以外、互いに同一である。図30に示す通り、タブ454a、タブ456b及びタブ458aが装着位置において中央部480から下方へ突出するよう、第一バッフル部材454、第二バッフル部材456及び第三バッフル部材458は中央部480に取り付けられている。中央部480、第一バッフル部材454、第二バッフル部材456及び第三バッフル部材458には、ボルト425を受けるための開口部が形成されている。第三(分配)逆U字状部材424を固定するために用いられるナットは、第一バッフル部材454との接触によりバッフル構造450を上方に間隔を空けて配置している。その後、バッフル構造450を固定するためにナットがボルト425の自由端に取り付けられて、中央部480が分配部420の上方に配置される。分配部420も冷媒分配アッセンブリと呼ぶことができる。中央部480は、冷媒分配アッセンブリの上端に取り付けられるキャノピー部材452の取り付け部を形成する。
中央部480は平面状部である。一対の側方部482は中央部の両側端部から横方向に延びる。より具体的には、側方部482は、長手方向中心軸Cに沿って見て、冷媒分配アッセンブリ420の上方の位置から横方向外側にかつ下方へ延びる。側方部482はそれぞれ、傾斜部分482aと、鉛直部分482bと、フランジ部分を482cとを有する。図30に示す通り、側方部482は、それぞれ、鉛直部分482bの底部端に形成される自由端を有する。側方部482の自由端は、長手方向中心軸Cに沿って見て、長手方向中心軸Cを通る鉛直面Vから冷媒分配アッセンブリ420よりもさらに遠方に、かつ長手方向中心軸Cに沿って見て、冷媒分配アッセンブリ420の横方向最外側端部の上部縁(第二トレー部23の側端部の上部縁)より下側に配置される。
冷媒分配アッセンブリ420は、第二トレー部23の側端部に形成される、一対の横方向最外側端部を有する。トレー部23の上部縁は、冷媒分配アッセンブリ420の横方向における最外側端部の上部縁を形成する。例示の実施形態において、一対の側方部482は、冷媒分配アッセンブリ420の上方の位置から横方向外側にかつ下方へ延び、その自由端が鉛直板32と(つまり第二トレー部23の底部に対応する鉛直位置と)接触するよう配置される。ただし、側方部482の自由端を鉛直板32の上方に間隔を空けて配置することができることは、本開示から当業者には明らかであろう。例示の実施形態において、フランジ部分482cは、傾斜部分482aに対して垂直に冷媒分配アッセンブリ420に向かって延びるとともに、中央部480及び鉛直部分482bから略均一に間隔を空けて配置される。
バッフル構造450によって収集された液滴は、第一トレー部22及び/又は第二トレー部23に向かって案内される。蒸気成分は、第一バッフル部材454、第二バッフル部材456及び第三バッフル部材458を通って横方向に流れ、側方部482に沿って下方へ流れ、その後、側方部482の自由端において向きを変えて出口管12に向かって上方へと流れる。蒸気冷媒は、出口管12を介してコンプレッサ2に向かって放出される。バッフル構造450の構造(つまりキャノピー部材452)により、側方部482の自由端周囲の蒸気冷媒速度は、前記実施形態のバッフル部材50では約1.0m/sであるのに対し、約0.7m/秒である。この0.7m/sの速度範囲における液滴は、気体と一緒に運ばれることがなく、したがって、ほとんどすべてが落下する。これにより、液体冷媒が気体冷媒パイプへと入っていくことがほとんどなくなる。バッフル部材450(例えば、キャノピー部材452)により、熱伝達ユニット(管束430)の構造にかかわらず性能を向上することができる。このため、ここに図示した例示の熱伝達ユニット(管束)は単なる好ましい例である。
管束430は分配部420の下方に配置されており、これにより、分配部420から放出される液体冷媒が管束430上へと供給される。冷媒分配アッセンブリ420から放出された冷媒が熱伝達ユニットに供給されるよう、管束430は、変形例としてのトラフ部440とともに、シェル10の内部で冷媒分配アッセンブリ420の下方に配置される熱伝達ユニットの一部を形成する。このように、熱伝達ユニットは、シェル10の長手方向中心軸Cと略平行に延びる複数の伝熱管31を有する。管束430は、ここに説明し図示したこと以外、管束30と同一である。主として、変形例としてのトラフ部440では、貯留領域Aにおいて最も下にある伝熱管31が多少異なる構成を有することとなる。
図26〜図29及び図32〜図34を参照して、トラフ部440に貯留された液体冷媒に貯留領域Aにおける伝熱管31が少なくとも部分的に浸漬されるよう、トラフ部440は上方から流下する液体冷媒を貯留するように構成され配置される。ただし、トラフ部440は、変形例としての第一トラフ部分441と、変形例としての第二トラフ部分442と、を有する。第一トラフ部分441及び第二トラフ部分442は、伝熱管31の長手方向長さと実質的に同じである長手方向長さにわたって、シェル10の長手方向中心軸Cと略平行に延びる。
第一トラフ部分441は、第二トラフ部分442より広く、数が少ない。第一トラフ部分441は、第一トラフ部分41より狭く、数が多い。同様に、第二トラフ部分442は、第二トラフ部分42より狭く、数が多い。言い換えれば、トラフ部分441,442の数/幅の構成は、前記実施形態とは異なる(例えば、図29からよくわかる通り、異なる数の伝熱管31を収容する)。さらに、トラフ部分441,442は、トラフ部分41,42とは異なる形状の端部を有する。具体的には、それぞれのトラフ部分441は、底壁部441aと一対の側壁部441bとを有する。同様に、それぞれのトラフ部分442は、底壁部442aと一対の側壁部442bとを有する。側壁部441b,442bは、それらの位置に応じて高さが異なる。それぞれのトラフ部分の側壁部441b,442bは、位置に応じた高さを除いて、互いの鏡像である。(ある場合に)高さが異なること及び互いの鏡像であること以外、複数の側壁部441b,442bは互いに同一であり、そのため、簡略化のために同じ参照符号を付す。
貯留領域Aにおける伝熱管31は、シェル10の長手方向の中心軸Cに沿って見て、少なくとも二つの水平方向の行に配置される。長手方向の中心軸Cに沿って見て、貯留領域Aにおける伝熱管31の水平方向の行の数に対応する数の層(例えば本実施形態では二層)の、水平方向の行の下方に配置される複数のトラフ部分441,442を、トラフ部440は有する。第一(下部)層における側壁部441bのうちの二つは、第一(下部)層の横方向最外側端部を形成し、残りの側壁部441bは、第一(下部)層の内側壁部を形成する。第一(下部)層のどの内側壁部441bも、第一(下部)層の横方向最外側端部を形成している二つの側壁部441bよりも鉛直方向高さが低い。同様に、第二(上部)層における側壁部442bのうちの二つは、第二(上部)層の横方向最外側端部を形成し、残りの側壁部442bは、第二(上部)層の内側壁部を形成する。第二(上部)層のどの内側壁部442bも、第二(上部)層の横方向最外側端部を形成している二つの側壁部442bよりも鉛直方向高さが低い。この配置は、図29及び図32〜図34からよく理解されよう。
このように、それぞれの層におけるトラフ部分441/442の側壁部441b/442bのうちの二つは、その層の横方向最外側端部を形成し、残りの側壁部441b/442bは、その層の内側壁部を形成する。そして、それぞれの層のどの内側壁部441b/442bも、その層の横方向最外側端部を形成している二つの側壁部441b/442bの鉛直方向高さより高さが低い。それぞれの層の内側壁部441b/442bは、底壁部441a/442bからその層の上方の水平方向の行における伝熱管31の少なくとも50%と重なる位置まで鉛直方向に延びる。例示の実施形態においては、その層における伝熱管31の50%が、内側壁部441b/442bと重なっている。外側壁部441b/442bは、その層における伝熱管の約100%と鉛直方向に重なっている。
第一実施形態と同様に、シェル10の長手方向中心軸Cに沿って見て、貯留領域Aにおける最も外側の伝熱管は、流下液膜領域Fにおける伝熱管の最も外側の列の横方向外側に位置している。例示の実施形態において、シェル10の長手方向の中心軸Cに沿って見て、貯留領域Aにおける伝熱管31は二つの水平方向の行に配置され、そして、トラフ部分441は、貯留領域Aにおいて配置される複数の伝熱管31の下方で横方向に連続的に延びる。本実施形態において、D1は内側壁部441b/442bの重なり距離(高さ)を表し、また、D2は最も外側の側壁部441b/442bの重なり距離(高さ)を表している。好ましくは、上述の通り、D1/D2≧0.5である(例えば例示の実施形態においてはD1/D2は0.5)。
本実施形態において、トラフ部440は、一対のバイパス導管8を介して一対のバルブ装置8aに流体が通るよう接続される(例えば第三実施形態のように)。トラフ部440に貯留された油が所定レベルに達すると、トラフ部440から蒸発器401の外部へと油を放出するよう、バルブ装置8aが選択的に動作させられる。ただし、バルブ装置8a及びバイパス導管8を省略できることは、本開示から当業者には明らかであろう。さらに、一のバルブ装置8aを一対のバイパス導管8に接続できることは、本開示から当業者には明らかであろう。
<第五実施形態の変形例>
次に図35〜図38を参照して、第五実施形態の変形例に係る蒸発器401'を説明する。蒸発器401'は、蒸発器が変形例としてのトラフ部440'を有すること以外は、蒸発器401と同一である。第五実施形態と第五実施形態の本変形例との類似点を考慮して、他の実施形態の部材と同一である第五実施形態の本変形例の部材には、他の実施形態の部材と同じ参照符号を付している。また、説明の簡略化のために、他の実施形態の部材と同一である第五実施形態の本変形例の部材の説明を省略する。さらに、ここでの説明及び例示以外、前記第五実施形態の説明及び例示が第五実施形態の本変形例にも適用されることは、本開示から当業者に明らかであろう。
次に図35〜図38を参照して、第五実施形態の変形例に係る蒸発器401'を説明する。蒸発器401'は、蒸発器が変形例としてのトラフ部440'を有すること以外は、蒸発器401と同一である。第五実施形態と第五実施形態の本変形例との類似点を考慮して、他の実施形態の部材と同一である第五実施形態の本変形例の部材には、他の実施形態の部材と同じ参照符号を付している。また、説明の簡略化のために、他の実施形態の部材と同一である第五実施形態の本変形例の部材の説明を省略する。さらに、ここでの説明及び例示以外、前記第五実施形態の説明及び例示が第五実施形態の本変形例にも適用されることは、本開示から当業者に明らかであろう。
変形例としてのトラフ部440'は、変形例としてのトラフ部440'が変形例としてのトラフ部分441',442'を有すること以外は、トラフ部440と同一である。変形例としてのトラフ部分441',442'は、寸法D1が、層に配置される伝熱管の75%がトラフ部分441',442'の内側端部と重なるように設定されていること以外は、トラフ部分441,442と同一である。このように、それぞれのトラフ部分441'は、底壁部441a'と一対の側壁部441b'とを有する。同様に、それぞれのトラフ部分442'は、底壁部442a'と一対の側壁部442b'とを有する。側壁部441b',442b'は、それらの位置に応じて高さが異なる。それぞれのトラフ部分の側壁部441b',442b'は、位置に応じた高さを除いて、互いの鏡像である。(ある場合に)高さが異なること及び互いの鏡像であること以外、複数の側壁部441b',442b'は互いに同一であり、そのため、簡略化のために同じ参照符号を付す。
<第六実施形態>
次に、図39を参照して、第六実施形態に係る蒸発器501を説明する。本第六実施形態が変形例としてのトラフ部540を有すること以外は、本第六実施形態は第五実施形態と同一である。したがって、ここでの説明及び例示以外は、第五実施形態の説明及び例示は本第六実施形態にもまた適用される。第六実施形態と前記実施形態との類似点を考慮して、他の実施形態の部材と同一である第六実施形態の部材には、他の実施形態の部材と同じ参照符号を付している。また、説明の簡略化のために、他の実施形態の部材と同一である第六実施形態の部材の説明を省略する。上述の通り、本第六実施形態に係る蒸発器501は、蒸発器501が変形例としてのトラフ部540を有すること以外は、第五実施形態の蒸発器401と同一である。具体的には、変形例としてのトラフ部540はトラフ部分442を有するが、第五実施形態からトラフ部分441が省略されている。変形例としての管束530の形成に関して、トラフ部分441における伝熱管31もまた省略されている。以上のことを除いて、管束530(熱伝達ユニット)は管束430と同一である。
次に、図39を参照して、第六実施形態に係る蒸発器501を説明する。本第六実施形態が変形例としてのトラフ部540を有すること以外は、本第六実施形態は第五実施形態と同一である。したがって、ここでの説明及び例示以外は、第五実施形態の説明及び例示は本第六実施形態にもまた適用される。第六実施形態と前記実施形態との類似点を考慮して、他の実施形態の部材と同一である第六実施形態の部材には、他の実施形態の部材と同じ参照符号を付している。また、説明の簡略化のために、他の実施形態の部材と同一である第六実施形態の部材の説明を省略する。上述の通り、本第六実施形態に係る蒸発器501は、蒸発器501が変形例としてのトラフ部540を有すること以外は、第五実施形態の蒸発器401と同一である。具体的には、変形例としてのトラフ部540はトラフ部分442を有するが、第五実施形態からトラフ部分441が省略されている。変形例としての管束530の形成に関して、トラフ部分441における伝熱管31もまた省略されている。以上のことを除いて、管束530(熱伝達ユニット)は管束430と同一である。
第一トラフ部分441が本実施形態において省略されているので、トラフ部540は流体が通るよう三本のバイパス導管8を介して三つのバルブ装置8aに接続される。トラフ部540に貯留された油が所定レベルに達すると、トラフ部540から蒸発器501の外部へと油を放出するよう、バルブ装置8aは選択的に動作する。ただし、バルブ装置8a及びバイパス導管8を省略できることは、本開示から当業者には明らかであろう。さらに、一のバルブ装置8aを三本のバイパス導管8に接続できることは、本開示から当業者には明らかであろう。
上述した差異を除いて、本第六実施形態は第五実施形態と同一である。したがって、本第六実施形態において、シェル10の長手方向の中心軸Cに沿って見て、貯留領域Aにおける伝熱管31は(一つの)水平方向の行に配置され、長手方向の中心軸Cに沿って見て、トラフ部540は、貯留領域Aにおける伝熱管31の水平方向の行の下方に配置される複数の横方向配置トラフ部分442を有する。また、第五実施形態と同様に、トラフ部分442はそれぞれ、底壁部442aと一対の側壁部442bとを有しており、側壁部442bのうちの二つがトラフ部540の横方向最外側端部を形成しているとともに、残りの側壁部442bが内側壁部を形成している。第五実施形態と同様に、内側壁部442bは、トラフ部540の横方向最外側端部を形成している二つの側壁部442bよりも鉛直方向高さが低い。さらに第五実施形態と同様に、内側壁部442bは、水平方向の行における伝熱管31の少なくとも50%と重なる位置まで底壁部から鉛直方向に延びる。さらにまた第五実施形態と同様に、シェル10の長手方向中心軸Cに沿って見て、貯留領域Aにおける最も外側の伝熱管は、流下液膜領域Fにおける伝熱管の最も外側の列の横方向外側に位置している。
<第六実施形態の変形例>
次に図40を参照して、第六実施形態の変形例に係る蒸発器501'を説明する。蒸発器501'は、蒸発器が変形例としてのトラフ部540'を有すること以外は、蒸発器501と同一である。第六実施形態と第六実施形態の本変形例との類似点を考慮して、他の実施形態の部材と同一である第六実施形態の本変形例の部材には、他の実施形態の部材と同じ参照符号を付している。また、説明の簡略化のために、他の実施形態の部材と同一である第六実施形態の本変形例の部材の説明を省略する。さらに、ここでの説明及び例示以外は、前記第六実施形態の説明及び例示が第六実施形態の本変形例にも適用されることは、本開示から当業者に明らかであろう。
次に図40を参照して、第六実施形態の変形例に係る蒸発器501'を説明する。蒸発器501'は、蒸発器が変形例としてのトラフ部540'を有すること以外は、蒸発器501と同一である。第六実施形態と第六実施形態の本変形例との類似点を考慮して、他の実施形態の部材と同一である第六実施形態の本変形例の部材には、他の実施形態の部材と同じ参照符号を付している。また、説明の簡略化のために、他の実施形態の部材と同一である第六実施形態の本変形例の部材の説明を省略する。さらに、ここでの説明及び例示以外は、前記第六実施形態の説明及び例示が第六実施形態の本変形例にも適用されることは、本開示から当業者に明らかであろう。
変形例としてのトラフ部540'は、変形例としてのトラフ部540'が、変形例としてのトラフ部分442'を有すること以外はトラフ部540と同一である。変形例としてのトラフ部分442'は、第五実施形態の変形例に係る、変形例としてのトラフ部分442'と同一である。このように、寸法D1が層に配置される伝熱管の75%と重なるよう設定されていること以外は、変形例としてのトラフ部分442'はトラフ部分442と同一である。
<第七実施形態>
次に、図41を参照して、第七実施形態に係る蒸発器601を説明する。本第七実施形態が変形例としてのトラフ部640を有すること以外は、本第七実施形態は第五実施形態と同一である。したがって、ここでの説明及び例示以外は、第五実施形態の説明及び例示は本第七実施形態にも適用される。第七実施形態と前記実施形態との類似点を考慮して、他の実施形態の部材と同一である第七実施形態の部材には、他の実施形態の部材と同じ参照符号を付している。また、説明の簡略化のために、他の実施形態の部材と同一である第七実施形態の部材の説明を省略する。上述の通り、本第七実施形態に係る蒸発器601は、蒸発器601が変形例としてのトラフ部640を有すること以外は、第五実施形態の蒸発器401と同一である。具体的には、変形例としてのトラフ部640は、第五実施形態のトラフ部分441,442の代わりに、単一のトラフ部分642を有する。トラフ部分642の構成に応じて、変形例としての管束630が形成される。以上のことを除いて、管束630(熱伝達ユニット)は管束430と同一である。
次に、図41を参照して、第七実施形態に係る蒸発器601を説明する。本第七実施形態が変形例としてのトラフ部640を有すること以外は、本第七実施形態は第五実施形態と同一である。したがって、ここでの説明及び例示以外は、第五実施形態の説明及び例示は本第七実施形態にも適用される。第七実施形態と前記実施形態との類似点を考慮して、他の実施形態の部材と同一である第七実施形態の部材には、他の実施形態の部材と同じ参照符号を付している。また、説明の簡略化のために、他の実施形態の部材と同一である第七実施形態の部材の説明を省略する。上述の通り、本第七実施形態に係る蒸発器601は、蒸発器601が変形例としてのトラフ部640を有すること以外は、第五実施形態の蒸発器401と同一である。具体的には、変形例としてのトラフ部640は、第五実施形態のトラフ部分441,442の代わりに、単一のトラフ部分642を有する。トラフ部分642の構成に応じて、変形例としての管束630が形成される。以上のことを除いて、管束630(熱伝達ユニット)は管束430と同一である。
二層の冷媒管31を内部に配置することができるよう、トラフ部分642はトラフ部分441,442より深い(約二倍深い)。好ましくは、トラフ部分642は、底壁642aと一対の側壁642bとを有する。側壁642bは、好ましくは、内部に配置される二層の伝熱管31の100%と重なる。トラフ部分642は、バイパス導管8を介してバルブ装置8aに流体が通るよう接続される。トラフ部640に貯留された油が所定レベルに達すると、トラフ部640から蒸発器601の外部へと油を放出するよう、バルブ装置8aは選択的に動作する。ただし、バルブ装置8a及びバイパス導管8を省略できることは、本開示から当業者には明らかであろう。上述した差異を除いて、本第七実施形態は第五実施形態と同一である。
<第八実施形態>
次に、図42を参照して、第八実施形態に係る蒸発器701を説明する。本第八実施形態が変形例としてのトラフ部740を有すること以外は、本第八実施形態は第五実施形態と同一である。したがって、ここでの説明及び例示以外は、第五実施形態の説明及び例示は本第八実施形態にも適用される。第八実施形態と前記実施形態との類似点を考慮して、他の実施形態の部材と同一である第八実施形態の部材には、他の実施形態の部材と同じ参照符号を付している。また、説明の簡略化のために、他の実施形態の部材と同一である第八実施形態の部材の説明を省略する。上述の通り、本第八実施形態に係る蒸発器701は、蒸発器701が変形例としてのトラフ部740を有すること以外は、第五実施形態の蒸発器401と同一である。具体的には、変形例としてのトラフ部740は、(第五実施形態の)トラフ部分442及びトラフ部分441を有するだけでなく、トラフ部分441の下方に配置される追加の一つのトラフ部分744を有する。トラフ部分744は、底壁744aと一対の側壁744bとを有する。側壁744bの高さは、内側壁441b,442bに対応している。したがって、側壁744bの高さは、トラフ部分744に配置される伝熱管31の少なくとも50%と重なる高さである。例示の実施形態においては、この高さは、追加のトラフ部分744に配置された伝熱管の50%と重なる高さである。変形例としての管束730を形成するため、追加の伝熱管31がトラフ部分744に配置される。以上のことを除いて、管束730(熱伝達ユニット)は管束430と同一である。
次に、図42を参照して、第八実施形態に係る蒸発器701を説明する。本第八実施形態が変形例としてのトラフ部740を有すること以外は、本第八実施形態は第五実施形態と同一である。したがって、ここでの説明及び例示以外は、第五実施形態の説明及び例示は本第八実施形態にも適用される。第八実施形態と前記実施形態との類似点を考慮して、他の実施形態の部材と同一である第八実施形態の部材には、他の実施形態の部材と同じ参照符号を付している。また、説明の簡略化のために、他の実施形態の部材と同一である第八実施形態の部材の説明を省略する。上述の通り、本第八実施形態に係る蒸発器701は、蒸発器701が変形例としてのトラフ部740を有すること以外は、第五実施形態の蒸発器401と同一である。具体的には、変形例としてのトラフ部740は、(第五実施形態の)トラフ部分442及びトラフ部分441を有するだけでなく、トラフ部分441の下方に配置される追加の一つのトラフ部分744を有する。トラフ部分744は、底壁744aと一対の側壁744bとを有する。側壁744bの高さは、内側壁441b,442bに対応している。したがって、側壁744bの高さは、トラフ部分744に配置される伝熱管31の少なくとも50%と重なる高さである。例示の実施形態においては、この高さは、追加のトラフ部分744に配置された伝熱管の50%と重なる高さである。変形例としての管束730を形成するため、追加の伝熱管31がトラフ部分744に配置される。以上のことを除いて、管束730(熱伝達ユニット)は管束430と同一である。
トラフ部分744が追加されるので、第五実施形態のバルブ装置8a及びバイパス導管8は、追加のトラフ部分744に接続される一のバルブ装置8a及び一のバイパス導管と置き換えられる。トラフ部740(トラフ部分744)に貯留された油が所定レベルに達すると、トラフ部740から蒸発器701の外部へと油を放出するよう、バルブ装置8aは選択的に動作する。ただし、バルブ装置8a及びバイパス導管8を省略できることは、本開示から当業者には明らかであろう。上述した差異を除いて、本第八実施形態は第五実施形態と同一である。
<第八実施形態の変形例>
次に図43を参照して、第八実施形態の変形例に係る蒸発器701'を説明する。蒸発器701'は、蒸発器が変形例としてのトラフ部740'を有すること以外は、蒸発器701と同一である。第八実施形態と第八実施形態の本変形例との類似点を考慮して、他の実施形態の部材と同一である第八実施形態の本変形例の部材には、他の実施形態の部材と同じ参照符号を付している。また、説明の簡略化のために、他の実施形態の部材と同一である第八実施形態の本変形例の部材の説明を省略する。さらに、ここでの説明及び例示以外は、前記第八実施形態の説明及び例示が第八実施形態の本変形例にも適用されることは、本開示から当業者に明らかであろう。
次に図43を参照して、第八実施形態の変形例に係る蒸発器701'を説明する。蒸発器701'は、蒸発器が変形例としてのトラフ部740'を有すること以外は、蒸発器701と同一である。第八実施形態と第八実施形態の本変形例との類似点を考慮して、他の実施形態の部材と同一である第八実施形態の本変形例の部材には、他の実施形態の部材と同じ参照符号を付している。また、説明の簡略化のために、他の実施形態の部材と同一である第八実施形態の本変形例の部材の説明を省略する。さらに、ここでの説明及び例示以外は、前記第八実施形態の説明及び例示が第八実施形態の本変形例にも適用されることは、本開示から当業者に明らかであろう。
変形例としてのトラフ部740'が、変形例としてのトラフ部分442',441'(第五実施形態の変形例から)と、変形例としての追加のトラフ部分744'と、を有すること以外は、変形例としてのトラフ部740'は、トラフ部740と同一である。変形例としてのトラフ部分744'は、層に配置される伝熱管31の75%と重なるよう設定されているが、それ以外は第八実施形態の追加のトラフ部分744と同一である。
<用語の概括的な説明>
本発明の範囲の理解において、ここで用いられる用語「備える」及びその派生語は、記載された特徴、要素、コンポーネント、群、構成要素、及び/又はステップが有ることを明記しているオープンエンドの用語を意味するのであって、記載されていない特徴、要素、コンポーネント、群、構成要素、及び/又はステップが有ることを排除するものではない。上記は、用語「有する」、「含む」及びそれらの派生語など同様の意味を持つ語にも当てはまる。また、単数形的に用いられる用語「パート」、「部分」、「部」、「部材」あるいは「要素」は、単一のパートあるいは複数のパーツの2つの意味を持ちうる。以上の実施形態の説明に用いられる、次の用語、「上側」、「下側」、「上方」、「下向き」、「鉛直」、「水平」、「下方」、「横方向」や、同じく他の同様な方向を示す用語が、図6及び図7に示すように蒸発器の長手方向中心軸が実質的水平に配置されたときの蒸発器の方向を示す用語として使用される。このように、本発明において用いられるこれらの用語は、通常の動作位置において用いられている蒸発器に対して解釈される。さらには、ここでは、「実質的」、「約」、「およそ」といった程度を示す用語は、最終結果が大きく変わらないような、妥当な変形の条件の変更量を意味するものとして用いる。
本発明の範囲の理解において、ここで用いられる用語「備える」及びその派生語は、記載された特徴、要素、コンポーネント、群、構成要素、及び/又はステップが有ることを明記しているオープンエンドの用語を意味するのであって、記載されていない特徴、要素、コンポーネント、群、構成要素、及び/又はステップが有ることを排除するものではない。上記は、用語「有する」、「含む」及びそれらの派生語など同様の意味を持つ語にも当てはまる。また、単数形的に用いられる用語「パート」、「部分」、「部」、「部材」あるいは「要素」は、単一のパートあるいは複数のパーツの2つの意味を持ちうる。以上の実施形態の説明に用いられる、次の用語、「上側」、「下側」、「上方」、「下向き」、「鉛直」、「水平」、「下方」、「横方向」や、同じく他の同様な方向を示す用語が、図6及び図7に示すように蒸発器の長手方向中心軸が実質的水平に配置されたときの蒸発器の方向を示す用語として使用される。このように、本発明において用いられるこれらの用語は、通常の動作位置において用いられている蒸発器に対して解釈される。さらには、ここでは、「実質的」、「約」、「およそ」といった程度を示す用語は、最終結果が大きく変わらないような、妥当な変形の条件の変更量を意味するものとして用いる。
本発明の説明のためにいくつかの実施例が選択されたに過ぎず、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の変更、変形ができることは、本開示から当業者には明らかであろう。例えば、必要に応じて及び/又は所望により、種々の部品の大きさ、形状、配置、向きを変更できる。互いと直接的に連結あるいは接触するよう示した部品は、それらの間に中間構造体を有することができる。一つの要素の機能は二つによって達成することができ、またその逆の場合も同様である。一の態様の構造及び機能を他の態様に適用することもできる。すべての利点が必ずしも同時に特定の態様にもたらされる必要はない。先行技術から区別されるそれぞれの特徴は、それ単独として、あるいは他の特徴との組み合わせとして、そのような特徴により実施される構造的あるいは機能的概念を含む出願人によるさらなる発明の内容として考慮されるものとする。このように、前述の本発明に係る実施例の説明は単なる例示であって、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物によって定められる本発明を限定するものではないことは、本開示から当業者には明らかであろう。
Claims (15)
- 蒸気圧縮システムにおいて用いられるよう構成される熱交換器であって、
水平面と略平行に延びる長手方向中心軸を有するシェルと、
前記シェルの内部に配置され、前記シェルに入る冷媒を受けて冷媒を放出するよう前記シェルの前記長手方向中心軸と略平行に延びる、少なくとも一つの横方向最外側端部を有する冷媒分配アッセンブリと、
前記シェルの内部の前記冷媒分配アッセンブリの下方に配置され、前記冷媒分配アッセンブリから放出される冷媒が供給される熱伝達ユニットであって、前記長手方向中心軸と略平行に延びる複数の伝熱管を有する熱伝達ユニットと、
前記シェルの内部に配置されるキャノピー部材であって、前記長手方向中心軸に沿って見て前記冷媒分配アッセンブリの上方の位置から横方向外側にかつ下方へ延びる少なくとも一つの側方部を有するキャノピー部材と、
を備え、
前記側方部は、前記長手方向中心軸に沿って見て、前記長手方向中心軸を通る鉛直面から前記冷媒分配アッセンブリよりもさらに遠方に、かつ前記長手方向中心軸に沿って見て、前記冷媒分配アッセンブリの横方向最外側端部の上部縁より下側に、配置される自由端を有する、
熱交換器。 - 前記冷媒分配アッセンブリは、一対の前記横方向最外側端部を有し、
前記キャノピー部材は、前記冷媒分配アッセンブリの上方の位置から横方向外側にかつ下方へ延びる一対の前記側方部を有し、
前記側方部のそれぞれは、前記長手方向中心軸に沿って見て、前記長手方向中心軸を通る鉛直面から前記冷媒分配アッセンブリよりもさらに遠方に、かつ前記長手方向中心軸に沿って見て、前記横方向最外側端部の一方の上部縁より下側に、配置される自由端を有する、
請求項1に記載の熱交換器。 - 前記キャノピー部材は前記冷媒分配アッセンブリの上端に取り付けられる中央部を有し、一対の前記側方部は前記中央部の両側端部から横方向に延びる、
請求項2に記載の熱交換器。 - 前記冷媒分配アッセンブリの前記横方向最外側端部は、前記長手方向中心軸に沿って見て、前記鉛直面から前記伝熱管よりも横方向にさらに遠方に配置されている、
請求項2又は3に記載の熱交換器。 - 前記側方部のそれぞれは、前記鉛直面に対して傾斜している傾斜部分を有する、
請求項2から4のいずれか1項に記載の熱交換器。 - 前記側方部のそれぞれはさらに、その傾斜部分から下方へ延びる鉛直部分を有し、前記鉛直部分の下端において前記自由端の一つを形成している、
請求項5に記載の熱交換器。 - 前記側方部のそれぞれは、前記傾斜部分から前記冷媒分配アッセンブリに向かって延びるフランジ部分を更に有する、
請求項5又は6に記載の熱交換器。 - 前記冷媒分配アッセンブリは、
前記シェルに入る冷媒を受けるよう前記シェルの内部に配置されるとともに前記シェルの前記長手方向中心軸に略平行に延び、かつ複数の第一放出孔を有する第一トレー部と、
前記第一放出孔から放出される冷媒を受けるよう、前記シェルの内部であって、前記第一トレー部の下方に配置される第二トレー部であって、複数の第二放出孔を有している第二トレー部と、
を有しており、
前記側方部の前記自由端は前記第二トレー部の上端より下方に配置されており、前記第二トレー部は前記冷媒分配アッセンブリの前記横方向最外側端部を形成している、
請求項2から7のいずれか1項に記載の熱交換器。 - 前記キャノピー部材は前記冷媒分配アッセンブリの上端に取り付けられる取り付け部を有し、前記側方部は前記取り付け部の両側端部から横方向に延びる、
請求項2から8のいずれか1項に記載の熱交換器。 - 前記冷媒分配アッセンブリの前記横方向最外側端部は、前記長手方向中心軸に沿って見て、前記鉛直面から前記伝熱管よりも横方向にさらに遠方に配置されている、
請求項1に記載の熱交換器。 - 前記側方部は、前記鉛直面に対して傾斜している傾斜部分を有する、
請求項1又は10に記載の熱交換器。 - 前記側方部は、前記傾斜部分から下方へ延びる鉛直部分を更に有し、前記鉛直部分の下端において前記自由端を形成している、
請求項11に記載の熱交換器。 - 前記側方部は、前記傾斜部分から前記冷媒分配アッセンブリに向かって延びるフランジ部分を更に有する、
請求項11又は12に記載の熱交換器。 - 前記冷媒分配アッセンブリは、
前記シェルに入る冷媒を受けるよう、前記シェルの内部に配置されるとともに前記シェルの前記長手方向中心軸に略平行に延び、かつ複数の第一放出孔を有する第一トレー部と、
前記第一放出孔から放出される冷媒を受けるよう、前記シェルの内部であって、前記第一トレー部の下方に配置される第二トレー部であって、複数の第二放出孔を有している第二トレー部と、
を有しており、
前記自由端は前記第二トレー部の上端より下方に配置されており、前記第二トレー部は前記冷媒分配アッセンブリの前記横方向最外側端部を形成している、
請求項1及び請求項10から13の、いずれか1項に記載の熱交換器。 - 前記キャノピー部材は前記冷媒分配アッセンブリの上端に取り付けられる取り付け部を有し、前記側方部は前記取り付け部の側端部から横方向に延びる、
請求項1及び請求項10から14の、いずれか1項に記載の熱交換器。
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