JP2015518132A - 熱交換器 - Google Patents

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Abstract

熱交換器(1)は、蒸気圧縮システムにおいて用いられるよう構成されており、シェル(10)と、分配部(20)と、管束(30)と、トラフ部(40)と、を有する。シェル(10)は、水平面と略平行に延びる長手方向中心軸(C)を有する。分配部(20)は、冷媒を分配するよう構成され配置される。管束(30)は、分配部から放出される冷媒が管束(30)上に供給されるよう、分配部(20)の下方に配置されている複数の伝熱管(31)を有する。伝熱管(31)は、長手方向中心軸(C)と略平行に延びる。トラフ部(40)は、少なくとも1つの伝熱管(31)の下方で長手方向中心軸(C)と略平行に延び、内部に冷媒を貯留する。トラフ部(40)は、長手方向中心軸(C)に垂直な水平方向に沿って見て、前記の少なくとも1つの伝熱管(31)と、少なくとも部分的に重なっている。【選択図】図7

Description

本発明は概して、蒸気圧縮システムにおいて用いられるよう構成される熱交換器に関する。より具体的には、本発明は、少なくとも1つの伝熱管の下方に延設され、内部に冷媒を貯留するトラフ部を有する熱交換器に関する。
蒸気圧縮冷凍は、大規模な建築物等の空調に最も一般的に用いられている方法である。従来の蒸気圧縮冷凍システムは典型的には蒸発器を有する。蒸発器は、冷媒を液体から蒸気へと蒸発させると同時に蒸発器を通過する被冷却液体から熱を吸収することのできる熱交換器である。あるタイプの蒸発器は、内部を被冷却液体が循環する水平に延びる複数の伝熱管を含む管束(tube bundle)を有し、管束は円筒シェル内に収容されている。このタイプの蒸発器において冷媒を蒸発させる方法がいくつか知られている。浸漬式蒸発器(flooded evaporator)においては、シェルが液体冷媒で満たされているとともに、液体冷媒が、沸騰するおよび/又は蒸気として蒸発するよう、伝熱管が液体冷媒のプールに浸漬されている。流下膜式蒸発器(falling film evaporator)においては、上方から液体冷媒が伝熱管の外部表面に落ち、これにより、液体冷媒の層あるいは薄膜が伝熱管の外部表面に沿って形成される。伝熱管の壁部からの熱は、対流および/又は液体膜を通じた伝導によって、液体冷媒の一部が蒸発している気液界面へと伝達され、これにより、伝熱管内を流れる水から熱が取り去られる。蒸発しなかった液体冷媒は、重力により上部位置の伝熱管から下部位置の伝熱管に向かって鉛直に流下する。また、管束におけるいくつかの伝熱管の外部表面に液体冷媒が落ち、管束における他の伝熱管はシェルの底部に集められた液体冷媒に浸漬される、ハイブリッド式の流下膜式蒸発器も存在する。
浸漬式蒸発器の伝熱性能は高いが、伝熱管を液体冷媒のプールに浸漬するため、浸漬式蒸発器では相当量の冷媒が必要となる。最近開発された新しい冷媒(R1234ze又はR1234yf等)は地球温暖化係数が非常に低いが、コストが高いので、蒸発器における冷媒充填を低減することが望ましい。流下膜式蒸発器の主たる利点は、良好な伝熱性能を確保しながら冷媒充填を低減できることにある。したがって、流下膜式蒸発器は、大規模な冷房システムにおいて浸漬式蒸発器と置き換えられる可能性が大いにある。
米国特許5,839,294号には、浸漬方式で動作する部分と、流下膜方式で動作する部分と、を有するハイブリッド式の流下膜式蒸発器が開示されている。より具体的には、この公報に開示された蒸発器は、管束において、複数の水平方向伝熱管が通る外側シェルを有する。シェルへと入る冷媒が管の上部に分配されるよう、分配システムは、管束における最上位の伝熱管を覆うような関係に配置される。液体冷媒は、液体冷媒の一部が蒸気冷媒として蒸発する、それぞれの伝熱管の外壁に沿って膜を形成する。残りの液体冷媒は、シェルの下部に溜まる。定常状態動作において、外側シェル内の冷媒の液位は、シェルの下端近傍の水平方向伝熱管の少なくとも25パーセントが液体冷媒に浸漬される液位に保持される。したがって、この公報においては、シェルの下側部分における伝熱管が浸漬伝熱方式で動作すると同時に、液体冷媒に浸漬されていない伝熱管が流下膜伝熱方式で動作する状態で、蒸発器は動作する。
米国特許7,849,710号には、蒸発器シェルの下部に集められた液体冷媒が再循環される流下膜式蒸発器が開示されている。より具体的には、この公報において開示された蒸発器は、シェル内を実質的に水平に延びる複数の伝熱管を含む管束を有するシェルを備えている。シェルに入る液体冷媒は、分配器から伝熱管に送られる。液体冷媒は、液体冷媒の一部が蒸気冷媒として蒸発するそれぞれの伝熱管の外壁に沿って膜を形成する。残りの液体冷媒は、シェルの下部に溜まる。この公報においては、シェルの下部に溜まった液体冷媒を吸引し、シェルの下部から分配器に液体冷媒を再循環させるよう、ポンプ又はエジェクタが備えられている。
米国特許5,839,294号に開示されたハイブリッド流下膜式蒸発器には、上述のように、シェルの底部に浸漬部分があるので、比較的大量の冷媒充填を必要とするという問題が未だ残っている。一方、米国特許7,849,710号に開示された、集められた液体冷媒をシェルの底部から分配器に再循環させる蒸発器では、蒸発器の運転の変動によりドライパッチ(dry patch)が形成された場合に、伝熱管上のドライパッチを再度湿った状態にするためには、過量の循環冷媒が必要となる。さらに、蒸気圧縮システムにおけるコンプレッサが潤滑油(冷凍機油)を利用する場合、油が冷媒ほど揮発性ではないので、コンプレッサから蒸気圧縮システムの冷凍回路へと移動した油が蒸発器に貯留されやすい。このため、米国特許7,849,710号に開示された冷媒再循環システムでは、油が液体冷媒と共に蒸発器内で再循環され、蒸発器において循環する液体冷媒中の油の濃度が高くなる。したがって、蒸発器の性能が低下する。
上記の点に鑑みて、本発明の一の目的は、熱交換器の高い性能を確保しながら冷媒充填の量を低減することができる熱交換器を提供することにある。
本発明の他の目的は、コンプレッサから蒸気圧縮システムの冷凍回路へと移動した冷凍機油を貯留し、冷凍機油を蒸発器の外部に排出する熱交換器を提供することにある。
本発明の一の観点にかかる熱交換器は、蒸気圧縮システムにおいて用いられるよう構成されており、シェルと、分配部と、管束と、トラフ部とを有する。シェルは、水平面と略平行に延設される長手方向中心軸を有する。分配部は、シェルの内部に配置されて、冷媒を分配するよう構成され配置される。管束は、複数の伝熱管を有する。複数の伝熱管は、分配部から放出される冷媒が管束上に供給されるよう、シェルの内部において、分配部の下方に配置されている。伝熱管は、シェルの長手方向中心軸と略平行に延びる。トラフ部は、少なくとも1つの伝熱管の下方でシェルの長手方向中心軸と略平行に延び、内部に冷媒を貯留する。トラフ部は、シェルの長手方向中心軸に垂直な水平方向に沿って見て、前記の少なくとも1つ伝熱管と少なくとも部分的に重なっている。
本発明の他の観点にかかる熱交換器は、蒸気圧縮システムにおいて用いられるよう構成されており、シェルと、分配部と、管束と、トラフ部とを有する。シェルは、水平面と略平行に延設される長手方向中心軸を有する。分配部は、シェルの内部に配置されて、冷媒を分配するよう構成され配置される。管束は、複数の伝熱管を有する。複数の伝熱管は、分配部から放出される冷媒が管束上に供給されるよう、シェルの内部において、分配部の下方に配置されている。伝熱管は、シェルの長手方向中心軸と略平行に延びる。トラフ部は、少なくとも1つの伝熱管の下方でシェルの長手方向中心軸と略平行に延び、熱交換器が通常条件で動作する時、前記の少なくとも1つの伝熱管の少なくとも一部がトラフ部に貯留される冷媒に浸漬されように、内部に冷媒を貯留する。
これらおよび他の本発明に係る目的、特徴、態様、および利点は、添付の図面と組み合わせて、好ましい態様を開示する以下の詳細な説明から当業者に明らかとなろう。
当開示の一部をなす添付の図面を参照しながら以下に説明を行う。
本発明の第一実施形態にかかる熱交換器を有する蒸気圧縮システムの概略全体斜視図である。 本発明の第一実施形態にかかる熱交換器を有する蒸気圧縮システムの冷凍回路を示すブロック図である。 本発明の第一実施形態にかかる熱交換器の概略斜視図である。 本発明の第一実施形態にかかる熱交換器の内部構造の概略斜視図である。 本発明の第一実施形態にかかる熱交換器の内部構造の分解図である。 図3の切断線6−6’に沿って見た、本発明の第一実施形態にかかる熱交換器の概略長手方向断面図である。 図3の切断線7−7’に沿って見た、本発明の第一実施形態にかかる熱交換器の概略横方向断面図である。 本発明の第一実施形態にかかる、熱交換器が使用されている状態における、図7の領域Xに配置された伝熱管およびトラフ部の拡大概略断面図である。 本発明の第一実施形態にかかる、伝熱管と、トラフ部の複数のトラフ部分のうちの1つと、の拡大断面図である。 図9の矢印10に沿った方向から見た、本発明の第一実施形態にかかる、伝熱管およびトラフ部分の部分側面図である。 本発明の第一実施形態にかかる、熱貫流率に対する、トラフ部と伝熱管との間の重なり距離のグラフである。 図11Aに示すグラフをプロットするために用いられたサンプルの概略断面図である。 図11Aに示すグラフをプロットするために用いられたサンプルの概略断面図である。 図11Aに示すグラフをプロットするために用いられたサンプルの概略断面図である。 本発明の第一実施形態にかかる、管束およびトラフ部の構成の第一変形例を描画する、熱交換器の概略横方向断面図である。 本発明の第一実施形態にかかる、管束およびトラフ部の構成の第二変形例を描画する、熱交換器の概略横方向断面図である。 本発明の第一実施形態にかかる、管束およびトラフ部の構成の第三変形例を描画する、熱交換器の概略横方向断面図である。 本発明の第一実施形態にかかる、管束およびトラフ部の構成の第四変形例を描画する、熱交換器の概略横方向断面図である。 本発明の第一実施形態にかかる、熱交換器が使用されている状態における、図15の領域Yに配置された伝熱管およびトラフ部分の拡大概略断面図である。 本発明の第一実施形態にかかる、管束およびトラフ部の構成の第五変形例を描画する、熱交換器の概略横方向断面図である。 本発明の第一実施形態にかかる、管束およびトラフ部の構成の第六変形例を描画する、熱交換器の概略横方向断面図である。 本発明の第二実施形態にかかる熱交換器の概略横方向断面図である。 本発明の第三実施形態にかかる熱交換器の概略横方向断面図である。 本発明の第三実施形態にかかる、管束およびトラフ部の構成の第一変形例を描画する、熱交換器の概略横方向断面図である。 本発明の第三実施形態にかかる、管束およびトラフ部の構成の第二変形例を描画する、熱交換器の概略横方向断面図である。 本発明の第三実施形態にかかる、管束およびトラフ部の構成の第三変形例を描画する、熱交換器の概略横方向断面図である。 本発明の第四実施形態にかかる熱交換器の概略横方向断面図である。 本発明の第四実施形態にかかる熱交換器の概略長手方向断面図である。
本発明の選択的な実施形態を、図面を参照して説明する。以下の本発明にかかる実施形態の説明は単なる例示であって、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって定義される本発明を限定するものではないことは、本開示から、当業者には明らかであろう。
まず図1および図2を参照して、第一実施形態にかかる熱交換器を有する蒸気圧縮システムを説明する。図1から分かるように、第一実施形態にかかる蒸気圧縮システムは、大きな建築物等の空調のための、暖房、換気および空調(HVAC)システムにおいて用いることができる冷凍機である。第一実施形態の蒸気圧縮システムは、蒸気圧縮冷却サイクルを介して被冷却液(例えば水、エチレン、エチレングリコール、塩化カルシウムブライン等)から熱を取り去るよう構成され配置される。
図1および図2に示すように、蒸気圧縮システムは次の4つの主要な構成要素、蒸発器1、コンプレッサ2、凝縮器3および膨張装置4を有する。
蒸発器1は、蒸発器1を通過する被冷却液(この例では水)から熱を取り去る熱交換器であり、循環する冷媒が蒸発器1において蒸発すると、水の温度が低下する。蒸発器1に入る冷媒は、二相の気体/液体状態にある。液体冷媒は蒸発器1において蒸気冷媒として蒸発すると同時に、水から熱を吸収する。
低圧低温蒸気冷媒は、蒸発器1から放出され、そして吸引によってコンプレッサ2に入る。コンプレッサ2において、蒸気冷媒は高圧高温蒸気へと圧縮される。コンプレッサ2は、任意のタイプの従来のコンプレッサ、例えば遠心式コンプレッサ、スクロールコンプレッサ、往復式コンプレッサ、およびスクリューコンプレッサ等とできる。
次に、高温高圧蒸気冷媒が、凝縮器3へと入る。凝縮器3は、蒸気冷媒から熱を取り去って気体状態から液体状態に凝縮させる他の熱交換器である。凝縮器3は、空冷式、水冷式又は任意の適切なタイプの凝縮器とできる。熱は、凝縮器3を通過する冷却水又は空気の温度を上昇させ、そして、熱は、冷却水又は空気により運ばれるとき、システムの外部へと排出される。
その後、凝縮された液体冷媒は、冷媒が圧力の急激な低下を受ける膨張装置4に入る。膨張装置4は、オリフィスプレートと同程度に簡単な構成とすることができ、あるいは電子可変熱膨張弁と同程度に複雑な構成とすることもできる。急激な減圧により、液体冷媒は部分的に蒸発し、その結果、蒸発器1に入る冷媒は二相の気体/液体状態となる。
蒸気圧縮システムにおいて用いられる冷媒の例として、ハイドロフルオロカーボン(HFC)ベースの冷媒(例えばR−410A、R−407CやR−134a)、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)、不飽和HFCベースの冷媒(例えばR−1234zeやR−1234yf)、自然冷媒(例えばR−717やR−718)、又は他の適切なタイプの冷媒が挙げられる。
蒸気圧縮システムは、蒸気圧縮システムの動作を制御するようコンプレッサ2の駆動機構に機能的に連結される制御ユニット5を有する。
本発明を実施するために、従来のコンプレッサ、凝縮器および膨張装置を、それぞれ、コンプレッサ2、凝縮器3および膨張装置4として用いることができることは、本開示から当業者には明らかであろう。言いかえれば、コンプレッサ2、凝縮器3および膨張装置4は、当該技術において周知の従来の構成要素である。コンプレッサ2、凝縮器3および膨張装置4が、当該技術において周知であるので、これらの構造をここでは詳細に説明・例示しない。蒸気圧縮システムは、複数の蒸発器1、コンプレッサ2および/又は凝縮器3を有することもできる。
次に図3〜図5を参照して、第一実施形態にかかる熱交換器である蒸発器1の詳細な構造を説明する。図3および図6に示すように、蒸発器1は、長手方向中心軸C(図6)が略水平方向に延びる略円筒形状のシェル10を有する。シェル10は、入口水室13aおよび出口水室13bを有する接続ヘッド部材13と、水室14aを有する戻りヘッド部材14と、を有する。接続ヘッド部材13および戻りヘッド部材14は、シェル10の円筒状本体の長手方向両端部に固定して連結される。入口水室13aおよび出口水室13bは、水バッフル13cによって分割される。接続ヘッド部材13は、シェル10に入る水が通過する水入口管15と、シェル10から放出される水が通過する水出口管16と、を有する。図3および図6に示すように、シェル10は、冷媒入口管11と冷媒出口管12とを更に有する。冷媒入口管11は、供給導管6(図7)を介して膨張装置4に流体的に接続され、これにより、二相の冷媒がシェル10へと導入される。膨張装置4は、冷媒入口管11と直接連結されてもよい。二相の冷媒における液体成分は、蒸発器1を通る水から熱を吸収し、蒸発器1において沸騰および/又は蒸発し、液体から蒸気へと相変化する。蒸気冷媒は冷媒出口管12からコンプレッサ2へと吸引によって流出する。
図4は、シェル10内に収容される内部構造を示す概略斜視図である。図5は、図4に示される内部構造の分解図である。図4および図5に示すように、蒸発器1は基本的に、分配部20と、管束30と、トラフ(trough)部40と、を有する。蒸発器1は、好ましくは、図7に示すようなバッフル部材50を更に有する。しかしながら、図4〜図6においては簡潔化のため、バッフル部材50の図示を省略している。
分配部20は、気液分離器と冷媒分配器との両方として機能するよう構成され配置される。図5に示すように、分配部20は、入口管部21と、第一トレー部22と、複数の第二トレー部23と、を有する。
図6に示すように、入口管部21はシェル10の長手方向中心軸Cと略平行に延びる。入口管部21は、シェル10の冷媒入口管11と流体的に接続され、これにより、二相の冷媒が冷媒入口管11を介して入口管部21へと導かれる。入口管部21は、二相の冷媒を放出するために、入口管部21の長手方向長さに沿って配置される複数の開口部21aを有する。二相の冷媒が入口管部21の開口部21aから放出されると、入口管部21の開口部21aから放出される二相の冷媒の液体成分が、第一トレー部22に受けとられる。一方、二相の冷媒の蒸気成分は上方へと流れて、図7に示すバッフル部材50に衝突し、蒸気中に含まれる液滴がバッフル部材50によって捉えられる。バッフル部材50によって捉えられた液滴は、バッフル部材50の傾斜面に沿って第一トレー部22に向かって案内される。バッフル部材50は、プレート部材、メッシュスクリーン等として構成できる。蒸気成分は、バッフル部材50に沿って下方へ流れ、その後、出口管12に向かって上方へと方向を変える。蒸気冷媒は出口管12を介してコンプレッサ2に向かって放出される。
図5および図6に示すように、第一トレー部22は、シェル10の長手方向中心軸Cと略平行に延びる。図7に示すように、第一トレー部22の底面は、入口管部21の下方に配置され、入口管部21の開口部21aから放出される液体冷媒を受ける。第一実施形態において、図7に示すように、第一トレー部22の底面と入口管部21との間には鉛直方向の隙間が形成されないよう、入口管部21は第一トレー部22内に配置される。言いかえれば、第一実施形態においては、図6に示すように、シェル10の長手方向中心軸Cに垂直な水平方向から見て、入口管部21の大部分が第一トレー部22と重なっている。第一トレー部22に貯留される液体冷媒の液位(高さ)を比較的高く維持しながら、第一トレー部22において貯留される液体冷媒の総体積を低減することができるので、この構成には利点がある。あるいは、第一トレー部22の底面と入口管部21と間に鉛直方向に大きい隙間が形成されるよう、入口管部21および第一トレー部22を配置することもできる。入口管部21、第一トレー部22およびバッフル部材50は、好ましくは互いに連結され、シェル10の上部において適切な方法で上方から吊り下げられる。
図5及び図7に示すように、第一トレー部22は複数の第一放出孔22aを有し、第一トレー部22に貯留された液体冷媒が複数の第一放出孔22aから下方へと放出される。第一トレー部22の第一放出孔22aから放出される液体冷媒は、第一トレー部22の下方に配置された第二トレー部23のいずれかによって受けられる。
図5および図6に示すように、第一実施形態の分配部20は3つの同一構成の第二トレー部23を有する。複数の第二トレー部23は、シェル10の長手方向中心軸Cに沿って近接して並べて配置されている。図6に示すように、3つの第二トレー部23の総長手方向長さは、図6に示すように、第一トレー部22の長手方向長さと実質的に同一である。図7に示すように、第二トレー部23が管束30の全幅にわたって延設されるように、第二トレー部23の横方向幅は第一トレー部22の横方向幅より大きく設定されている。第二トレー部23は、第二トレー部23に貯留された液体冷媒が第二トレー部23間で移動しないように構成される。図5及び図7に示すように、第二トレー部23のそれぞれは、複数の第二放出孔23aを有し、液体冷媒は複数の第二放出孔23aから管束30に向かって下方へと放出される。
分配部20の構造および構成はここで説明したものに限定されないことは、本開示から当業者には明らかであろう。液体冷媒を下方へと管束30上に分配するあらゆる従来の構造を、本発明を実行するために用いることができる。例えば、スプレーノズルおよび/又はスプレーツリー管(spray tree tubes)を用いる従来の分配システムを、分配部20として用いることができる。つまり、流下膜式蒸発器に対応しているあらゆる従来の分配システムを、本発明を実行するために分配部20として用いることができる。
管束30は分配部20の下方に配置されており、これにより、分配部20から放出される液体冷媒が管束30上へと供給される。図6に示すように、管束30は、シェル10の長手方向中心軸Cと略平行に延びる複数の伝熱管31を有する。伝熱管31は、金属等の高い熱伝導率を有する材料で形成されている。伝熱管31は、好ましくは、冷媒と伝熱管31の内部を流れる水との間の熱交換をさらに促進するために内部溝および外部溝が形成されている。このような内部溝および外部溝を有する伝熱管は、当該技術において周知である。例えば、日立電線株式会社のサーモエクセル(登録商標)−Eを本実施形態の伝熱管31として用いることができる。図5に示すように、伝熱管31は、シェル10に固定して連結される鉛直方向に延びる複数の支持板32によって支持される。第一実施形態において、管束30は、二経路(ツーパス)システムを形成するよう構成される。ツーパスシステムでは、伝熱管31は、管束30の下部領域に配置された供給ライングループと、管束30の上部領域に配置された戻りライングループと、に分割される。図6に示すように、供給ライングループの伝熱管31の入口端部は、接続ヘッド部材13の入口水室13aを介して水入口管15と流体的に接続されており、これにより、蒸発器1に入る水が供給ライングループの伝熱管31へと分配される。供給ライングループの伝熱管31の出口端部および戻りライン管の伝熱管31の入口端部は、戻りヘッド部材14の水室14aと流体的に連通されている。したがって、供給ライングループの伝熱管31の内部を流れる水は水室14aへと放出され、戻りライングループの伝熱管31へと再分配される。戻りライングループの伝熱管31の出口端部は、接続ヘッド部材13の出口水室13bを介して水出口管16と流体的に連通されている。このように、戻りライングループの伝熱管31の内部を流れる水は、水出口管16を通って蒸発器1から出る。典型的なツーパス蒸発器において、水入口管15に入る水の温度を華氏約54度(約12℃)とでき、水出口管16から出ていく時、水は華氏約44度(約7℃)に冷却される。本実施形態においては、水が蒸発器1の同じ側で出入りするツーパスシステムを形成するよう蒸発器1が構成されているが、一経路(ワンパス)あるいは三経路(スリーパス)システム等の他の従来のシステムを用いることができることは、本開示から当業者には明らかであろう。また、ツーパスシステムにおいて、ここで例示した構成の代わりに、戻りライングループを供給ライングループの下方に又は横に並べて配置することもできる。
第一実施形態にかかる蒸発器1の伝熱機構の詳細な構成を、図7を参照して説明する。図7は、図3の切断線7−7’に沿って見た蒸発器1の概略横方向断面図である。
上述の通り、二相状態の冷媒は、供給導管6を通って入口管11を介して分配部20の入口管部21に供給される。図7において、冷凍回路における冷媒のフローを概略的に示す。簡潔化のため、入口管11を省略している。分配部20に供給された冷媒の蒸気成分は、分配部20の第一トレー部22における液体成分から分離されて、出口管12を通って蒸発器1から出る。一方、二相の冷媒の液体成分は、第一トレー部22に貯留され、その後第二トレー部23に貯留されて、そして、第二トレー部23の放出孔23aから管束30に向かって下方へ放出される。
図7に示すように、第一実施形態の管束30は、流下膜領域Fと、貯留領域Aとを有する。流下膜領域Fにおける伝熱管31は、液体冷媒の流下膜式蒸発を行うよう構成され配置される。より具体的には、分配部20から放出される液体冷媒が各伝熱管31の外壁に沿って層(すなわち膜)を形成し、そこで液体冷媒が蒸気冷媒として蒸発するとともに、伝熱管31の内部を流れる水から熱を吸収するように、流下膜領域Fにおける伝熱管31は構成される。図7に示すように、シェル10の長手方向中心軸Cと平行な方向から見て(図7のように)、流下膜領域Fにおける伝熱管31は、互いに平行に延びる複数の鉛直方向の列に配置されている。したがって、伝熱管31の列のそれぞれにおいて、冷媒は、重力によって一の伝熱管から他の伝熱管へと下方に落下する。伝熱管31の列は、第二トレー部23の第二放出開口部23aに対して配置され、第二放出開口部23aから放出される液体冷媒は、各列における伝熱管31のうち最も上方にある管上へと落ちる。第一実施形態において、図7に示すように、流下膜領域Fにおける伝熱管31の列は、千鳥状(staggered pattern)に配置される。第一実施形態において、流下膜領域Fにおける伝熱管31のうちの2つの隣接する管の間の鉛直方向ピッチは実質的に一定である。同様に、流下膜領域Fにおける伝熱管31の列の2つの隣接する列の間の水平方向ピッチは実質的に一定である。
図7に示すように、流下膜領域Fにおいて蒸発しなかった液体冷媒は、重力によって、トラフ部40が配置される貯留領域A内へと連続的に落下する。トラフ部40は、貯留領域Aにおける伝熱管31がトラフ部40に貯留された液体冷媒に少なくとも部分的に浸漬されるように、上方から流下する液体冷媒を貯留するように構成され配置される。トラフ部40が配置される貯留領域Aにおける伝熱管31の行の数は、好ましくは、管束30の伝熱管31の行の総数の約10%〜約20%である。つまり。貯留領域Aにおける伝熱管31の行の数と、流下膜領域Fにおける1の列の伝熱管31の数と、の比は、約1:9〜約2:8である。あるいは、伝熱管31が不規則なパターンに配置される(例えば、各列における伝熱管の数が異なる)場合、貯留領域Aに配置される(つまり、トラフ部40に貯留された液体冷媒に少なくとも部分的に浸漬された)伝熱管31の数は、好ましくは管束30における伝熱管の総数の約10%から約20%である。図7に示す例において、トラフ部40は、貯留領域Aにおける2行の伝熱管31に対して設けられ、流下膜領域Fにおける伝熱管31の各列は、10行を含んでいる(つまり、管束30における行の総数は12である)。蒸発器がより大きい容量を有し、より多くの伝熱管を有する場合、流下膜領域Fにおける伝熱管の列の数および/又は貯留領域Aにおける伝熱管の行の数も増加することは、本開示から当業者には明らかであろう。
図7に示すように、トラフ部40は、第一トラフ部分41と、1対の第二トラフ部分42と、を有する。図6のように、第一トラフ部分41および第二トラフ部分42は、伝熱管31の長手方向長さと実質的に同一の長手方向長さにわたって、シェル10の長手方向中心軸Cと略平行に延びる。図7のように、長手方向中心軸Cに沿って見て、トラフ部40の第一トラフ部分41および第二トラフ部分42は、シェル10の内面から間隔を空けて配置される。第一トラフ部分41および第二トラフ部分42は、金属、合金、樹脂等の種々の材料で形成できる。第一実施形態においては、第一トラフ部分41および第二トラフ部分42は、鋼板(薄板鋼板)等の金属材料で形成されている。第一トラフ部分41および第二トラフ部分42は、支持板32によって支持される。支持板32は、第一トラフ部分41の内部領域に対応する位置に配置された開口部(図示せず)を有しており、これにより、トラフ部分41のすべての区分(セグメント)が第一トラフ部分41の長手方向長さに沿って流体連通状態にある。したがって、第一トラフ部分41に貯留された液体冷媒は、トラフ部分41の長手方向長さに沿って、支持板32における開口部を介して流動する。同様に、開口部(図示せず)が、支持板32に、それぞれの第二トラフ部分42の内部領域に対応する位置に設けられており、これにより、第二トラフ部分42のすべての区分が第二トラフ部分42の長手方向長さに沿って流体連通状態にある。したがって、トラフ部分42に貯留された液体冷媒は、第二トラフ部分42の長手方向長さに沿って、支持板32における開口部を介して流動する。
図7に示すように、第一トラフ部分41は貯留領域Aにおける伝熱管31の最も下の行の下方に配置されており、第二トラフ部分42は伝熱管31の下から二番目の行の下方に配置されている。図7に示すように、貯留領域Aにおける下から二番目の行の伝熱管31は2つのグループに分割されており、第二トラフ部分42のそれぞれは、2つのグループのそれぞれの下方に配置されている。第二トラフ部分42の間に隙間が形成されており、これにより、液体冷媒が第二トラフ部分42から第一トラフ部分41に向かってオーバーフローする。
第一実施形態においては、貯留領域Aにおける伝熱管31は、図7に示すように、管束30の両側において、貯留領域Aのそれぞれの行における伝熱管31のうち最も外側の管が、流下膜領域Fにおける伝熱管31の最も外側の列の外側に配置されるよう構成される。シェル10内の蒸気フローにより、液体冷媒のフローは、管束30の下側領域に向かうにつれて外側に広がる傾向があるので、図7に示すように、貯留領域Aのそれぞれの行において少なくとも1つの伝熱管を、流下膜領域Fにおける伝熱管31の最も外側の列の外側に配置することが好ましい。
図8は、図7の領域Xの拡大断面図で、蒸発器1が通常条件で使用されている状態を概略的に示している。簡潔化のため、図8には伝熱管31の内部で流れる水を描画していない。図8に示すように、液体冷媒は流下膜領域Fにおいて伝熱管31の外面に沿って膜を形成し、液体冷媒の一部は蒸気冷媒として蒸発する。しかしながら、液体冷媒が蒸気冷媒として蒸発するうちに、伝熱管31を伝って落下する液体冷媒の量は、管束30の下側領域に向かうにつれて減少する。さらに、分配部20からの液体冷媒の分配が均一でない場合には、管束30の下側領域に配置された伝熱管31にドライパッチが形成される可能性が高くなり、伝熱には不利益である。そのため、本発明の第一実施形態において、トラフ部40は、管束30の下側領域に配置される貯留領域Aに配置され、これにより、上方から流下する液体冷媒を貯留し、貯留された冷媒をシェルの長手方向Cに沿って再分配する。したがって、貯留領域Aにおけるすべての伝熱管31は、第一実施形態にかかるトラフ部40に集められた液体冷媒に少なくとも部分的に浸漬される。こうして、管束30の下側領域におけるドライパッチの形成を防止することができ、また、良好な蒸発器1の熱伝達効率を確保することができる。
例えば、図8に示すように、「1」と印した伝熱管31が冷媒をほとんど受けないとき、「1」と印した伝熱管の直下に配置された「2」と印した伝熱管31は、上方からの液体冷媒を受けない。しかしながら、液体冷媒が他の伝熱管31に沿って流れるため、液体冷媒は第二トラフ部分42に貯留される。したがって、第二トラフ部分42の直上の伝熱管31は、第二トラフ部分42に貯留された液体冷媒に少なくとも部分的に浸漬される。さらに、伝熱管31が第二トラフ部分42に貯留された液体冷媒に部分的にのみ浸漬される(つまり、それぞれの伝熱管31の一部が露出している)場合であっても、トラフ部分42に貯留された液体冷媒は、毛管現象により、図8に示す矢印のように、伝熱管31の外壁の露出面に沿って上昇する。したがって、第二トラフ部分42に貯留された液体冷媒は、伝熱管31を通る水から熱を吸収すると同時に、沸騰および/又は蒸発する。さらに、第二トラフ部分42は、液体冷媒が第二トラフ部分42から第一トラフ部分41へとオーバーフローするよう設計されている。第二トラフ部分42からオーバーフローした液体冷媒を受け易くするために、図7および図8に示すように、第一トラフ部分41の外縁は、第二トラフ部分42の外縁の外側に配置される。図8に示すように、第一トラフ部分41直上に配置された伝熱管31は、第一トラフ部分41に貯留された液体冷媒に少なくとも部分的に浸漬される。さらに、伝熱管31が第二トラフ部分41に貯留された液体冷媒に部分的にのみ浸漬される(つまり、それぞれの伝熱管31の一部が露出している)場合であっても、トラフ部分41に貯留された液体冷媒は、毛管現象により、貯留された冷媒に少なくとも部分的に浸漬された伝熱管31の外壁の露出面に沿って上昇する。したがって、第一トラフ部分41に貯留された液体冷媒は、伝熱管31の内部を通る水から熱を吸収すると同時に、沸騰および/又は蒸発する。したがって、液体冷媒と、貯留領域Aにおける伝熱管31の内部を流れる水と、の間で、効果的に伝熱が行われる。
図9および図10を参照して、第一トラフ部分41および第二トラフ部分42の詳細な構造と、第一トラフ部分41および第二トラフ部分42の伝熱管31に対する配置とを、第二トラフ部分42の1つを用いて一例として説明する。図9から分かるように、第二トラフ部分42は、底壁部42aと、底壁部42aの横方向端部から上方に延びる1対の側壁部42bと、を有する。第一実施形態においては、側壁部42bは上方へと広がる外形を有しているが、第二トラフ部分42の形状はこの構成に限定されない。例えば、第二トラフ部分42の側壁部42bは、互いに平行に延びてもよい(図11B〜図11D参照)。
底壁部42aおよび側壁部42bは、液体冷媒が貯留される凹部を形成し、これにより、蒸発器1が通常条件で動作する時、伝熱管31が第二トラフ部分42に貯留された液体冷媒に少なくとも部分的に浸漬される。具体的には、シェル10の長手方向中心軸Cに垂直な水平方向に沿って見て、第二トラフ部42の側壁部42bは、第二トラフ部42の直上に配置された伝熱管31と部分的に重なっている。図10は、シェル10の長手方向中心軸Cに垂直な水平方向に沿って見た、トラフ部分42および伝熱管31を示す。シェル10の長手方向中心軸Cに垂直な水平方向に沿って見た、側壁部42bと、第二トラフ部分42の直上に配置された伝熱管31との間の重なり距離D1は、伝熱管31が第二トラフ部分42に貯留された液体冷媒に少なくとも部分的に浸漬されるよう設定される。また、重なり距離D1は、蒸発器1が通常条件で動作する時、液体冷媒が第二トラフ部分42から確かにオーバーフローするように設定される。好ましくは、重なり距離D1は、伝熱管31の高さ(外径)D2の2分の1以上(D1/D2?0.5)に設定される。より好ましくは、重なり距離D1は、伝熱管31の高さ(外径)の4分の3以上(D1/D2?0.75)に設定される。言いかえれば、第二トラフ部分42は、第二トラフ部分42が縁まで液体冷媒で満たされたとき、それぞれの伝熱管31の高さ(外径)の少なくとも2分の1(またはより好ましくは少なくとも4分の3)が液体冷媒に浸漬されるよう構成される。重なり距離D1を伝熱管31の高さD2以上とすることもできる。このような場合、伝熱管31は、第二トラフ部分42に貯留された液体冷媒に完全に浸漬される。しかしながら、第二トラフ部分42の容量が増加するにつれて、冷媒充填の量が増加するので、重なり距離D1は実質的に伝熱管31の高さD2以下あることが好ましい。
伝熱管31と第二トラフ部分42との間で液体冷媒が流れる上で十分な空間が伝熱管31と第二トラフ部分42との間で形成される限り、底壁部42aと伝熱管31との間の距離D3、および、側壁部42bと伝熱管31との間の距離D4は、特定の距離に限定されない。例えば、距離D3および距離D4は、それぞれ約1mm〜約4mmに設定できる。また、距離D3および距離D4は、同一でも、異なってもよい。
第一トラフ部分41の高さを第二トラフ部分の高さと同一又は異なるようにできることを除いて、第一トラフ部分41は上述した第二トラフ部分42と同様の構造を有する。第一トラフ部分41が最も下の行の伝熱管31の下方に配置されるので、液体冷媒を第一トラフ部分41からオーバーフローさせる必要はない。したがって、第一トラフ部分41の全体高さは、第二トラフ部分42より高く設定できる。いずれの場合も、上述のように、第一トラフ部分41と伝熱管31との間の重なり距離D1は、伝熱管31の高さ(外径)D2の2分の1(または、より好ましくは4分の3)以上に設定されることが好ましい。
図11Aは、熱貫流率(overall heat transfer coefficient)に対する、第一実施形態にかかるトラフ部分と伝熱管31との間の重なり距離D1のグラフである。図11Aに示すグラフでは、縦軸は重なり伝熱係数(overlapping heat transfer coefficient)(kw/m2K)を表し、横軸は重なり距離D1を伝熱管31の高さD2に対する比として表現して示している。図11B〜図11Dに示す3つのサンプルを用いて、熱貫流率を測定するよう実験を行った。図11Bに示す第一サンプルにおいては、トラフ部40'と伝熱管31との間の重なり距離D1は伝熱管31の高さD2と等しく、したがって、伝熱管31の高さに対する比として表現される重なり距離は1.0である。図11Cに示す第二サンプルにおいては、トラフ部40’’と伝熱管31との間の重なり距離D1は、伝熱管31の高さD2の4分の3(0.75)と等しい。図11Cに示す第三サンプルにおいては、トラフ部40’’’と伝熱管31との間の重なり距離D1は、伝熱管31の高さD2の2分の1(0.5)と等しい。図11B〜図11Dに示す第一〜第三サンプルにおいては、トラフ部分の底壁と伝熱管31との間の距離D3、および、トラフ部分の側壁と伝熱管31との間の距離D4は、約1mmである。第一〜第三サンプルには液体冷媒(R−134a)が縁まで満たされ、異なる熱流束レベル(30kw/m2、20kw/m2および15kw/m2)に関し、熱貫流率が測定された。
図11Aのグラフに示すように、重なり距離が0.75である第二サンプル(図11C)の熱貫流率は、全ての熱流束レベルで、重なり距離が1.0である第一サンプル(図11B)の熱貫流率と実質的に同じであった。さらに、重なり距離が0.5である第三サンプル(図11D)の熱貫流率は、高い熱流束レベル(30kw/m2)では、第一サンプル(図11B)の熱貫流率の約80%であった。また、さらに、第三サンプル(図11D)の熱貫流率は、低い熱流束レベル(20kw/m2)では、第一サンプル(図11B)の熱貫流率の約90%であった。つまり、重なり距離D1が伝熱管31の高さの2分の1(0.5)に設定された場合でも、性能が大きく低下することはなかった。したがって、重なり距離D1は、好ましくは伝熱管31の高さの2分の1以上(0.5)に、より好ましくは4分の3(0.75)以上に設定される。
第一実施形態にかかる蒸発器1では、管束30の下側領域に配置された伝熱管31がトラフ部に貯留された液体冷媒に少なくとも部分的に浸漬されるよう、液体冷媒は貯留領域Aにおけるトラフ部40に貯留される。したがって、液体冷媒が上方から均一に分配されない場合であっても、管束30の下側領域にドライパッチが形成されるのを容易に防止できる。さらに、第一実施形態にかかる蒸発器1では、トラフ部40が、伝熱管31に隣接して配置されるとともに、シェル10の内面から間隔を空けて配置されるので、良好な伝熱性能を確保しながら、蒸発器シェルの底部において冷媒のプールを形成する浸漬部分を有する従来のハイブリッド蒸発器と比較して、冷媒充填の量を大幅に低減できる。
管束30およびトラフ部40の構成は、図7に示す構成に限定されない。本発明の範囲を逸脱することなく、本実施形態に種々の変更および変形が行えることは、本開示から当業者には明らかであろう。いくつかの変形例を、図12〜図18を参照して説明する。
図12は、第一実施形態にかかる管束30Aおよびトラフ部40Aの構成の第一変形例を示す蒸発器1Aの概略横方向断面図である。図12に示すように、蒸発器1Aは、管束30Aの両側において、それぞれの行における貯留領域Aにおける伝熱管31の最も外側の管が、流下膜領域Fにおける伝熱管31の最も外側の列に沿って鉛直方向に整列して配置されていることを除いて、図2〜図7に示した蒸発器1と基本的に同じである。この場合も、第二トラフ部分42Aの最も外側の端部が外側に延びるので、液体冷媒のフローが管束30Aの下側領域に向かうにつれて外側に広がる場合であっても、液体冷媒を第二トラフ部分42Aによって容易に受けることができる。
図13は、第一実施形態にかかる管束30Bおよびトラフ部40Bの構成の第二変形例を示す蒸発器1Bの概略横方向断面図である。図13に示すように、蒸発器1Bは、流下膜領域Fにおける管束30Bの伝熱管31が千鳥状ではなくマトリックス状に配置されていることを除いて、図12に示した蒸発器1Aと基本的に同じである。
図14は、第一実施形態にかかる管束30Cおよびトラフ部40Cの構成の第三変形例を示す蒸発器1Cの概略横方向断面図である。蒸発器1Cは、トラフ部40Cが横方向に連続的に延びる単一の第二トラフ部分42Cを有することを除いて、図13に示される蒸発器1Bと基本的に同じである。この場合も、第二トラフ部分42Cに貯留された液体冷媒は、第一トラフ部分41Cに向かって第二トラフ部分42Cの両方の横方向側部からオーバーフローする。
図15は、第一実施形態にかかる管束30Dおよびトラフ部40Dの構成の第四変形例を示す蒸発器1Dの概略横方向断面図である。図15に示す例においては、トラフ部40Dは、貯留領域Aにおける伝熱管31の下方にそれぞれ独立して配置される複数のトラフ部分43を有する。図16は、図15の領域Yに配置された伝熱管31およびトラフ部分43の拡大概略断面図であり、蒸発器1Dが使用されている状態を示す。図16に示すように、貯留領域Aにおける最も上の行のトラフ部分43に貯留された液体冷媒は、下方に配置されたトラフ部分43に向かってオーバーフローする。したがって、貯留領域Aにおけるすべての伝熱管31は、トラフ部分43に貯留された液体冷媒に少なくとも部分的に浸漬される。したがって、液体冷媒と伝熱管31の内部を流れる水との間で伝熱が起こると、液体冷媒は蒸気冷媒として蒸発する。
トラフ部分43の形状は図15および図16に示した構成に限定されない。例えば、トラフ部分43の断面は、C字状、V字状、U字状等とすることもできる。上述の例と同様に、長手方向中心軸Cに垂直な水平方向に沿って見て、トラフ部分43と、トラフ部分43の直上に配置された伝熱管31と、の間の重なり距離は、好ましくは伝熱管31の高さの2分の1以上(0.5)に、より好ましくは4分の3(0.75)以上に設定される。
図17は、第一実施形態にかかる管束30Eおよびトラフ部40Eの構成の第五変形例を示す蒸発器1Eの概略横方向断面図である。図17に示すように、蒸発器1Eは、管束30Eの両側において、それぞれの行における貯留領域A内の伝熱管31の最も外側の管が、流下膜領域Fにおける伝熱管31の最も外側の列に沿って鉛直方向に整列して配置されていることを除いて、図16に示した蒸発器1Dと基本的に同じである。
図18は、第一実施形態にかかる管束30Fおよびトラフ部40Fの構成の第六変形例を示す蒸発器1Fの概略横方向断面図である。蒸発器1Aは、流下膜領域Fにおける伝熱管31の配置パターンを除いて図2〜図7に示した蒸発器1と基本的に同じである。より具体的には、図18に示す例においては、それぞれの列における伝熱管31の2つの隣接する管の間の鉛直方向ピッチが、流下膜領域Fの上側領域において流下膜領域Fの下側領域よりも大きくなるよう、流下膜領域Fにおける伝熱管31は配置されている。さらに、伝熱管の2つの隣接する列の間の水平方向ピッチが、流下膜領域Fの横方向における中央領域において流下膜領域Fの外側領域よりも大きくなるよう、流下膜領域Fにおける伝熱管31は配置されている。
シェル10における蒸気フローの量は、流下膜領域Fの上側領域において、流下膜領域Fの下側領域よりも大きくなる傾向がある。同様に、シェル10における蒸気フローの量は、流下膜領域Fの横方向における中央領域において、流下膜領域Fの外側領域よりも大きくなる傾向がある。したがって、流下膜領域Fの上側領域および外側領域における蒸気速度は、しばしば非常に大きくなる。その結果、横方向の蒸気フローが、伝熱管31間の液体冷媒の鉛直フローを乱す。また、液体冷媒が高速の蒸気フローによってコンプレッサ2へと持ちだされ、運ばれた液体冷媒によりコンプレッサ2が損傷するおそれがある。したがって、図18に示す例においては、流下膜領域Fの上側領域および外側領域における伝熱管31の間で形成される蒸気経路の断面積が大きくなるよう、伝熱管31の鉛直方向ピッチおよび水平方向ピッチが調整されている。これにより、流下膜領域Fの上側領域および外側領域における蒸気フローの速度を低減できる。したがって、液体冷媒の鉛直フローの乱れと、蒸気フローにより液体冷媒が運ばれることと、を防止できる。
<第二実施形態>
次に図19を参照して、第二実施形態にかかる蒸発器101を説明する。第一実施形態と第二実施形態との類似点を考慮して、第一実施形態のパーツと同一の、第二実施形態のパーツには、第一実施形態のパーツと同じ参照符号を付している。また、説明の簡潔化のために、第一実施形態のパーツと同一の第二実施形態のパーツの説明を省略する。
第二実施形態の蒸発器101は、第二実施形態にかかる蒸発器101が冷媒再循環システムを備えることを除いて、第一実施形態の蒸発器1と基本的に同じである。第二実施形態のトラフ部140は、第一実施形態のトラフ部40と基本的に同じである。上述したように第一実施形態においては、液体冷媒が分配部20から管束30上に比較的均等に(例えば±10%で)分配される場合、冷媒充填を、ほとんどすべての液体冷媒が流下膜領域F又は貯留領域Aにおいて蒸発する所定量に設定することができる。このような場合、第一トラフ部分41からシェル10の底部に向かってオーバーフローする液体冷媒はほとんどない。しかしながら、分配部20から管束30上への液体冷媒の分配がかなり不均一(例えば±20%)である場合、管束30にドライパッチが形成される可能性が高くなる。そのため、このような場合、ドライパッチの形成を防止するために、所定量を超える量の冷媒をシステムに供給する必要がある。このため、第二実施形態においては、トラフ部140からオーバーフローしシェル110の底部に貯留した液体冷媒を再循環させるための冷媒再循環システムを、蒸発器101が備える。図19に示すように、シェル110は、ポンプ装置7aに連結される導管7と流体連通状態にある底部出口管17を有する。シェル110の底部に貯留された液体冷媒が、導管6と入口管11を介して蒸発器110の分配部20に再循環されるよう、ポンプ装置7aは選択的に動作させられる(図1)。底部出口管17は、シェル110の任意の長手方向位置に配置することができる。
あるいは、ポンプ装置7aは、ベルヌーイの原理に基づいて、凝縮器3からの加圧冷媒を用いて、シェル110の底部に貯留された液体冷媒を吸い込むよう動作するエジェクタ装置と置き換えることができる。このようなエジェクタ装置は、膨張装置の機能とポンプの機能とを併せ持つ。
こうして、第二実施形態にかかる蒸発器110では、蒸発しなかった液体冷媒を効率的に再循環して伝熱のために再利用でき、これにより、冷媒充填の量を低減できる。
第二実施形態において、管束130およびトラフ部140の構成は、図19に示す構成に限定されない。本発明の範囲を逸脱することなく、本実施形態に種々の変更および変形が行えることは、本開示から当業者には明らかであろう。例えば、図12〜図15、図17および図18に示した管束およびトラフ部の構成を、第二実施形態にかかる蒸発器110においても用いることができる。
<第三実施形態>
次に図20〜図25を参照して、第三実施形態にかかる蒸発器201を説明する。第一実施形態、第二実施形態および第三実施形態の類似点を考慮して、第一実施形態又は第二実施形態のパーツと同一の、第三実施形態のパーツには、第一実施形態又は第二実施形態のパーツと同じ参照符号を付している。また、説明の簡潔化のために、第一実施形態又は第二実施形態のパーツと同一の、第三実施形態のパーツの説明を省略する。
第三実施形態の蒸発器201は、シェル210の底部に貯留された液体冷媒を底部出口管17および導管7を介して再循環させる冷媒再循環システムを蒸発器201が備えている点で、第二実施形態の蒸発器101と同様である。蒸気圧縮システムのコンプレッサ2(図1)が潤滑油を利用する場合、油は、コンプレッサ2から蒸気圧縮システムの冷凍回路へと移動しやすい。言いかえれば、蒸発器201に入る冷媒は、コンプレッサ油(冷凍機油)を含んでいる。したがって、冷媒再循環システムが蒸発器201に備えられる場合、油が液体冷媒と共に蒸発器201内で再循環され、これにより、蒸発器201において液体冷媒中の油が高濃度となり、その結果、蒸発器201の性能が低下する。そのため、第三実施形態の蒸発器201は、トラフ部240を用いて油を貯留し、貯留された油を、蒸発器201の外部に、コンプレッサ2に向かって放出するよう構成され配置される。
より具体的には、蒸発器201は、管束230における伝熱管31の最も下の行の一部の下方に配置されるトラフ部240を有する。トラフ部240は、バイパス導管8を介してバルブ装置8aに流体的に接続される。トラフ部240に貯留された油が所定レベルに達すると、トラフ部240から蒸発器201の外部へと油を放出するよう、バルブ装置8aは選択的に動作させられる。
上述のように、蒸発器201に入る冷媒がコンプレッサ油を含んでいる場合、冷媒再循環システムによって油が液体冷媒とともに再循環される。第三実施形態においては、トラフ部240に貯留された液体冷媒がトラフ部240からオーバーフローしないように、トラフ部240が構成される。トラフ部240に貯留された液体冷媒は、貯留された液体冷媒に浸漬された伝熱管31の内部を流れる水から熱を吸収すると、沸騰および/又は蒸発するが、油はトラフ部240に残留する。そのため、蒸発器201において液体冷媒が再循環されるにつれて、トラフ部240における油の濃度は次第に高くなる。トラフ部240に貯留された油の量が所定レベルに達すると、バルブ装置8aが動作させられて、油が蒸発器201から放出される。第一実施形態と同様に、長手方向中心軸Cに垂直な水平方向に沿って見て、第三実施形態のトラフ部240と、トラフ部240の直上に配置された伝熱管31と、の間の重なり距離は、好ましくは伝熱管31の高さの2分の1以上(0.5)に、より好ましくは4分の3(0.75)以上に設定される。
第三実施形態において、トラフ部240が配置されている管束230の領域は貯留領域Aを構成し、一方、管束230の残りの領域は流下膜領域Fを構成している。
したがって、第三実施形態の蒸発器201では、コンプレッサ2から冷凍回路に移動したコンプレッサ油を、トラフ部240に貯留し、蒸発器201から放出でき、その結果、蒸発器201の熱伝達効率を改善できる。
第三実施形態において、管束230およびトラフ部240の構成は、図20に示す構成に限定されない。本発明の範囲を逸脱することなく、本実施形態に種々の変更および変形が行えることは、本開示から当業者には明らかであろう。いくつかの変形例を、図21〜図23を参照して説明する。
図21は、第三実施形態にかかる管束230Aおよびトラフ部240Aの構成の第一変形例を示す蒸発器201Aの概略横方向断面図である。図21に示すように、トラフ部240Aは、図20に示した側部領域の代わりに、伝熱管31の最も下の行の下方の中央領域に配置されてもよい。
図22は、第三実施形態にかかる管束230Bおよびトラフ部240Bの構成の第二変形例を示す蒸発器201Bの概略横方向断面図である。管束230Bの伝熱管31は、千鳥状ではなく、図22に示すようなマトリックス状に配置される。
図23は、第三実施形態にかかる管束230Cおよびトラフ部240Cの構成の第三変形例を示す蒸発器201Cの概略横方向断面図である。この例において、管束230Cの伝熱管31はマトリックス状に配置される。トラフ部240Cは、伝熱管31の最も下の行の下方の中央領域に配置される。
さらに、第三実施形態にかかる管束230の伝熱管31は、図18に示した管束30Fの伝熱管31と同様に配置することもできる。言いかえれば、伝熱管31の間の鉛直方向ピッチが管束230の上側領域において管束230の下側領域よりも大きくなるよう、かつ、伝熱管31の間の水平方向ピッチが管束230の外側領域において管束230の中央領域よりも大きくなるよう、第三実施形態の管束230の伝熱管31は配置されてもよい。
<第四実施形態>
次に、図24および図25を参照して、第四実施形態にかかる蒸発器301を説明する。第一〜第四実施形態の類似点を考慮して、第一実施形態、第二実施形態又は第三実施形態のパーツと同一の、第四実施形態のパーツには、第一実施形態、第二実施形態又は第三実施形態のパーツと同じ参照符号を付している。また、説明の簡潔化のために、第一実施形態、第二実施形態又は第三実施形態のパーツと同一の、第四実施形態のパーツの説明を省略する。
流下膜領域Fにおいて、中間トレー部60が、供給ライングループの伝熱管31と戻りライングループの伝熱管31との間に配置されていることを除いて、第四実施形態の蒸発器301は第一実施形態の蒸発器1と基本的に同じである。中間トレー部60は、複数の開口部60aを有し、そこを通って液体冷媒が下方へ放出される。
上述のように、蒸発器301は、水が初めに管束30の下部領域に配置される供給ライングループの伝熱管31の内部を流れ、その後、管束30の上部領域に配置される戻りライングループの伝熱管31の内部を流れるよう案内されるツーパスシステムを備える。したがって、入口水室13a近傍で供給ライングループの伝熱管31の内部を流れる水の温度が最も高く、したがって、より多くの伝熱量が必要とされる。例えば、図25に示すように、入口水室13a近傍の伝熱管31の内部を流れる水の温度が最も高い。したがって、より多くの伝熱量が入口水室13a近傍の伝熱管31で必要とされる。分配部20からの冷媒の分配の不均一により、伝熱管31のこの領域が完全に乾いてしまうと、蒸発器301は完全には乾いていない伝熱管31の限られた表面を用いて熱交換を行わねばならず、このとき蒸発器301は圧力と平衡状態になる。このような場合、伝熱管31の完全に乾いた部分を再度湿らせるためには、定格を超えた冷媒充填(例えば2倍程度)が必要となろう。
したがって、第四実施形態においては、より多くの伝熱量を必要とする伝熱管31の上方の位置に、中間トレー部60が配置される。上から落下する液体冷媒は、中間トレー部60によって一旦受けられ、そして、より多くの伝熱量を必要とする伝熱管31に向かって均一に再分配される。こうして、伝熱管31のこれらの部分が完全に乾くことが容易に防止され、良好な伝熱性能を確保できる。
第四実施形態においては、図25に示すように、中間トレー部60が管束330の長手方向に部分的にのみ配置されているが、中間トレー部60又は複数の中間トレー部60を、管束330の長手方向長さの実質的に全体にわたって延びるよう配置することもできる。
第一実施形態と同様に、第四実施形態における管束330およびトラフ部40の構成は、図24に示した構成に限定されない。本発明の範囲を逸脱することなく、本発明に種々の変更および変形が行えることは、本開示から当業者には明らかであろう。例えば、中間トレー部60は、図12〜図15および図17〜図23に示したいずれの構成とも組み合わせることができる。
<用語の一般的な説明>
本発明の範囲の理解において、ここで用いられる用語「備える」およびその派生語は、記載された特徴、要素、コンポーネント、群、整数(integer)、および/又はステップがあることを明記しているオープンエンドの用語を意味するのであって、記載されていない特徴、要素、コンポーネント、群、整数(integer)、および/又はステップがあることを排除するものではない。上記は、用語「有する」、「含む」およびそれらの派生語など同様の意味を持つ語にも当てはまる。また、単数形的に用いられる用語「パート」、「部分」、「部」、「部材」あるいは「要素」は、単一のパーツあるいは複数のパーツの2つの意味を持ちうる。以上の実施形態の説明に用いられる、次の用語、「上部」、「下部」、「上方」、「下向き」、「鉛直」、「水平」、「下方」、「横方向」や他の同様な方向を示す用語が、図6および図7に示すように蒸発器の長手方向中心軸が実質的水平に配置されたときの、蒸発器の方向を示す用語として使用される。このように、本発明の説明に用いられるこれらの用語は、通常の動作位置において用いられている蒸発器に対して相対的に解釈される。さらには、ここでは、「実質的」、「約」、「およそ」といった程度を示す用語は、最終結果が大きく変わらないような、妥当な変形の条件の変更量を意味するものとして用いられる。
本発明の説明のためにいくつかの選ばれた実施例だけが選択されたが、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の変更、変形ができることは、本開示から当業者には明らかであろう。例えば、必要に応じておよび/又は望まれるように、種々の構成要素の大きさ、形状、配置、向きを変更できる。互いに直接的に連結あるいは接触するよう示した構成要素は、それらの間に中間構造体を有することができる。1つの要素の機能は2つの要素によって達成することができ、またその逆の場合も同様である。一の態様の構造および機能を他の態様に適用することもできる。すべての利点が必ずしも同時に特定の態様にもたらされる必要はない。先行技術から区別されるそれぞれの特徴は、それ単独として、あるいは他の特徴と組み合わせとして、そのような特徴により実施される構造的なあるいは機能的な思想を含む出願人によるさらなる発明の別の内容として考慮されるものとする。このように、前述の本発明にかかる実施例の説明は単なる例示であって、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって定義される本発明を限定するものではないことは、本開示から当業者には明らかであろう。
米国特許5,839,294号 米国特許7,849,710号

Claims (15)

  1. 蒸気圧縮システムにおいて用いられるよう構成される熱交換器であって、
    長手方向中心軸が水平面と略平行に延びるシェルと、
    前記シェルの内部に配置され、冷媒を分配するよう構成され配置される分配部と、
    複数の伝熱管を有する管束であって、前記伝熱管が、前記分配部から放出される前記冷媒が該管束上に供給されるよう前記シェルの内部において前記分配部の下方に配置され、前記伝熱管が前記シェルの前記長手方向中心軸と略平行に延びる、管束と、
    少なくとも1つの前記伝熱管の下方で前記シェルの前記長手方向中心軸と略平行に延び、内部に前記冷媒を貯留するトラフ部であって、前記シェルの前記長手方向中心軸に垂直な水平方向に沿って見て、前記少なくとも1つの前記伝熱管と少なくとも部分的に重なっているトラフ部と、
    を備える熱交換器。
  2. 前記管束は、流下膜領域と、前記流下膜領域の下方に配置される貯留領域と、を有し、前記少なくとも1つの前記伝熱管は、前記貯留領域に配置されている、
    請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記流下膜領域における前記伝熱管は、前記シェルの前記長手方向中心軸に沿って見て、互いに平行に延びる複数の列に配置されている、
    請求項2に記載の熱交換器。
  4. 前記貯留領域における前記伝熱管は、前記シェルの前記長手方向中心軸に沿って見て、互いに平行に延びる複数の行に配置されており、
    前記トラフ部は、前記貯留領域における前記伝熱管の前記行の下方にそれぞれ配置される複数のトラフ部分を有する、
    請求項2又は3に記載の熱交換器。
  5. 前記トラフ部は、前記貯留領域に配置される2以上の前記伝熱管の下方に連続的に延びる、
    請求項2から4のいずれか1項に記載の熱交換器。
  6. 少なくとも1つの前記トラフ部分は、前記貯留領域における少なくとも1つの前記行における前記伝熱管の全部の下方に連続的に延びる、
    請求項4又は5に記載の熱交換器。
  7. 前記貯留領域における前記伝熱管の前記行の数は、前記流下膜領域における前記列のそれぞれにおける前記伝熱管の数より小さい、
    請求項4から6のいずれか1項に記載の熱交換器。
  8. 前記貯留領域における前記伝熱管の前記行の前記数と、前記流下膜領域における前記列のそれぞれにおける前記伝熱管の前記数と、の比は、約1:9から約2:8である、
    請求項7に記載の熱交換器。
  9. 前記シェルの前記長手方向中心軸に沿って見て、前記貯留領域における最も外側の前記伝熱管は、横方向に関し、前記流下膜領域における前記伝熱管の前記列の中の最も外側に位置している前記列の外側に位置する、
    請求項3から8のいずれか1項に記載の熱交換器。
  10. 前記伝熱管は、前記シェルの前記長手方向中心軸に沿って見て互いに平行に延びる複数の列に配置されており、前記列のそれぞれにおける少なくとも1の前記伝熱管が、前記貯留領域に配置されている、
    請求項2から9のいずれか1項に記載の熱交換器。
  11. 前記トラフ部は、前記列のそれぞれにおける前記少なくとも一つの前記伝熱管の下方にそれぞれ配置される複数のトラフ部分を有する、
    請求項10に記載の熱交換器。
  12. 前記列のそれぞれにおける前記貯留領域に配置される前記伝熱管の数は、前記列のそれぞれにおける前記流下膜領域に配置される前記伝熱管の数より小さい、
    請求項11に記載の熱交換器。
  13. 前記分配部に前記冷媒を供給するように、前記分配部と流体的に接続される供給導管と、
    前記シェルの底面に形成される開口部と流体的に接続されて、前記シェルの底部に貯留された前記冷媒を前記供給導管へと再循環させる再循環導管と、
    を更に備える、
    請求項1から12のいずれか1項に記載の熱交換器。
  14. 前記トラフ部と流体的に接続されて、前記トラフ部に貯留される流体を前記シェルの外部に向かって放出するバイパス導管を更に備える、
    請求項13に記載の熱交換器。
  15. 蒸気圧縮システムにおいて用いられるよう構成される熱交換器であって、
    長手方向中心軸が水平面と略平行に延びるシェルと、
    前記シェルの内部に配置され、冷媒を分配するよう構成され配置される分配部と、
    複数の伝熱管を有する管束であって、前記伝熱管が、前記分配部から放出される前記冷媒が該管束上に供給されるよう前記シェルの内部において前記分配部の下方に配置され、前記伝熱管が前記シェルの前記長手方向中心軸と略平行に延びる、管束と、
    少なくとも1つの前記伝熱管の下方で前記シェルの前記長手方向中心軸と略平行に延びるトラフ部であって、当該熱交換器が通常条件で動作する時、前記少なくとも1つの前記伝熱管の少なくとも一部が該トラフ部に貯留される前記冷媒に浸漬されるように、内部に前記冷媒を貯留するトラフ部と、
    を備える熱交換器。
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