JP2019073743A - 成膜装置及び成膜方法 - Google Patents

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Takeshi Kijima
健 木島
浩之 成嶋
Hiroyuki Narushima
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【課題】成膜される膜の品質を向上させ、且つ、成膜速度を向上させることができる成膜装置を提供する。【解決手段】成膜装置は、ターゲットTGを保持するターゲット保持部18と、基板SBを、基板SBの表面に垂直な回転軸RA1を中心として回転可能に保持する基板保持部15と、ターゲットTGに高周波電力を供給する電力供給部21と、を有する。ターゲットTGの表面は、基板SBの表面に対して傾斜し、ターゲットTGの表面の中心を通り、且つ、回転軸RA1に平行な直線LN1が、回転軸RA1と離隔している。電力供給部21は、10kHz〜30MHzの周波数を有する高周波電力を、1/20ms〜1/3msの周期、及び、25%〜90%のデューティー比を有するパルス状に変調して供給する。【選択図】図1

Description

本発明は、成膜装置及び成膜方法に関する。
基板の表面に膜を成膜する成膜方法として、スパッタリング装置を用いた成膜方法が行われている。スパッタリング装置を用いた成膜方法では、スパッタリング装置のチャンバー内にアルゴン(Ar)等の希ガスを導入し、チャンバー内に保持されたターゲットと、チャンバー内に保持された基板との間に電圧を印加して放電させることにより希ガスをイオン化し、イオン化された希ガスをターゲットの表面に衝突させてターゲットの表面をスパッタすることにより基板の表面に膜を成膜する。
スパッタリング装置を用いた成膜方法を行うためには、希ガスがイオン化された陽イオンをターゲットの表面に衝突させるため、ターゲットに負の電圧を印加する必要がある。しかし、ターゲットが絶縁物よりなる場合、ターゲットと基板との間に直流電圧を印加する方法では、ターゲットに負の電圧を印加することができない。そのため、基板の表面に絶縁膜を成膜する場合、スパッタリング装置として、RF(Radio Frequency)スパッタリング装置を用い、絶縁膜よりなるターゲットに高周波電力を供給してターゲットの表面をスパッタすることにより絶縁膜を成膜する。
このようなRFスパッタリング装置を用いて、絶縁膜として、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PbZr1−xTi:PZT)を成膜する成膜方法がある。特開2014−40651号公報(特許文献1)には、PZT膜の形成方法において、処理対象物に対し、チタン酸ジルコン酸鉛膜を構成する元素のうちの一種若しくは二種以上の元素のターゲットを用い、酸素含有雰囲気中でこのターゲットをスパッタリングすることでPZT膜を成膜する技術が開示されている。
一方、RFスパッタリング装置として、基板の表面に対してターゲット表面が傾斜するようにターゲットが配置されるものがある。特開2012−149305号公報(特許文献2)には、スパッタ成膜装置において、真空槽内に配置されたターゲットに接続されたターゲット電極に高周波電力を出力する高周波電源と、基板を基板の周方向に回転させる基板回転装置と、を備え、基板の表面に対してターゲット表面が傾斜するようにターゲットが配置される技術が開示されている。
特開2014−40651号公報 特開2012−149305号公報
RFスパッタリング装置において、ターゲットの表面を基板の表面に対して傾斜させた場合、ターゲットの表面を基板の表面に対して傾斜させない場合に比べて、基板の表面に成膜される膜が受ける損傷の程度が小さく、基板の表面に成膜される膜の例えば結晶性又は圧電性等の品質を向上させることができる。
一方、ターゲットに高周波電力が連続的に供給される場合を考える。また、ターゲットとして、例えば窒化アルミニウム(AlN)等の絶縁物、又は、例えばチタン酸ジルコン酸鉛等の一般式ABOで表されるペロブスカイト構造を有する絶縁物よりなるターゲットを用いるものとする。
このような場合、RFスパッタリング装置を用いた成膜方法を行うと、ターゲットに徐々に電荷が溜まり、溜まった電荷によって強いアーク放電が発生し、発生したアーク放電によってターゲットに穴が開いて破損するおそれがある。そのため、絶縁物よりなるターゲットは、ターゲットに供給される高周波電力の電力値が高いほど、破損しやすくなる。従って、ターゲットの破損を防止又は抑制するためには、ターゲットに供給される高周波電力の電力値を高くすることができず、成膜速度を高くすることができない。
本発明は、上述のような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、ターゲットに高周波電力を供給してターゲットの表面をスパッタすることにより基板の表面に膜を成膜する成膜装置において、成膜される膜の品質を向上させ、且つ、成膜速度を向上させることができる成膜装置を提供することを目的とする。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
本発明の一態様としての成膜装置は、チャンバー内でターゲットの表面をスパッタすることにより基板の表面に膜を成膜する成膜装置である。当該成膜装置は、チャンバー内で、ターゲットを保持するターゲット保持部と、チャンバー内で、基板を、基板の表面に垂直な第1回転軸を中心として回転可能に保持する基板保持部と、を有する。また、当該成膜装置は、基板保持部に保持されている基板を、第1回転軸を中心として回転駆動する基板回転駆動部と、ターゲットに、高周波電力をパルス状に変調して供給する電力供給部と、を有する。ターゲットの表面は、基板の表面に対して傾斜した状態で基板の表面と対向し、ターゲットの表面の中心を通り、且つ、第1回転軸に平行な第1直線が、第1回転軸と離隔している。そして、電力供給部は、10kHz〜30MHzの周波数を有する高周波電力を、1/20ms〜1/3msの周期、及び、25%〜90%のデューティー比を有するパルス状に変調して供給し、デューティー比は、周期の1周期分の期間のうち、ターゲットに高周波電力が供給される期間の割合である。
また、他の一態様として、当該成膜装置は、第1回転軸に対して傾斜した第2回転軸を中心として回転可能に設けられた磁石部と、第2回転軸を中心として磁石部を回転駆動し、回転駆動されている磁石部により、ターゲットに磁界を印加する磁石回転駆動部と、を有してもよい。そして、ターゲットは、磁石部と基板保持部との間に配置され、第2回転軸は、ターゲットの表面に垂直であり、且つ、ターゲットの表面の中心を通ってもよい。
また、他の一態様として、当該成膜装置は、ターゲットの表面の、基板の表面に対する傾斜角度を調整する角度調整部を有してもよい。
また、他の一態様として、当該成膜装置は、第1直線が第1回転軸と離隔した第1距離を調整する第1距離調整部を有してもよい。
また、他の一態様として、当該成膜装置は、基板の表面に垂直な方向における、基板とターゲットとの間の第2距離を調整する第2距離調整部を有してもよい。
また、他の一態様として、基板の表面と同一面と、第2回転軸との交点を第1交点とするとき、第1交点は、第1回転軸と1直線との間に配置されていてもよい。
また、他の一態様として、当該成膜装置は、チャンバー内を真空排気する真空排気部と、チャンバー内に希ガスを供給するガス供給部と、を有してもよい。
本発明の一態様としての成膜方法は、チャンバー内でターゲットの表面をスパッタすることにより基板の表面に膜を成膜する成膜方法である。当該成膜方法は、チャンバー内で、ターゲット保持部によりターゲットを保持する(a)工程と、チャンバー内で、基板を、基板保持部により、基板の表面に垂直な第1回転軸を中心として回転可能に保持する(b)工程と、を有する。また、当該成膜方法は、基板保持部に保持されている基板を、基板回転駆動部により、第1回転軸を中心として回転駆動する(c)工程と、ターゲットに、電力供給部により、高周波電力をパルス状に変調して供給する(d)工程と、を有する。ターゲットの表面は、基板の表面に対して傾斜した状態で基板の表面と対向し、ターゲットの表面の中心を通り、且つ、第1回転軸に平行な第1直線が、第1回転軸と離隔している。そして、(d)工程では、電力供給部により、10kHz〜30MHzの周波数を有する高周波電力を、1/20ms〜1/3msの周期、及び、25%〜90%のデューティー比を有するパルス状に変調して供給し、デューティー比は、周期の1周期分の期間のうち、ターゲットに高周波電力が供給される期間の割合である。
また、他の一態様として、当該成膜方法は、第1回転軸に対して傾斜した第2回転軸を中心として回転可能に設けられた磁石部を、磁石回転駆動部により、第2回転軸を中心として回転駆動し、回転駆動されている磁石部により、ターゲットに磁界を印加する(e)工程を有してもよい。そして、ターゲットは、磁石部と基板保持部との間に配置され、第2回転軸は、ターゲットの表面に垂直であり、且つ、ターゲットの表面の中心を通ってもよい。
また、他の一態様として、当該成膜方法は、ターゲットの表面の、基板の表面に対する傾斜角度を、角度調整部により調整する(f)工程を有してもよい。
また、他の一態様として、当該成膜方法は、第1直線が第1回転軸と離隔した第1距離を、第1距離調整部により調整する(g)工程を有してもよい。
また、他の一態様として、当該成膜方法は、基板の表面に垂直な方向における、基板とターゲットとの間の第2距離を、第2距離調整部により調整する(h)工程を有してもよい。
また、他の一態様として、基板の表面と同一面と、第2回転軸との交点を第1交点とするとき、第1交点は、第1回転軸と第1直線との間に配置されていてもよい。
また、他の一態様として、当該成膜方法は、チャンバー内を、真空排気部により真空排気する(i)工程と、チャンバー内に、ガス供給部により希ガスを供給する(j)工程と、を有してもよい。
本発明の一態様を適用することで、ターゲットに高周波電力を供給してターゲットの表面をスパッタすることにより基板の表面に膜を成膜する成膜装置において、成膜される膜の品質を向上させ、且つ、成膜速度を向上させることができる。
実施の形態の成膜装置を模式的に示す断面図である。 実施の形態の成膜装置を模式的に示す断面図である。 実施の形態の成膜装置における基板とターゲットとの配置を示す断面図である。 パルス状に変調された高周波電力を説明するための図である。
以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実施の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
また本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
更に、実施の形態で用いる図面においては、構造物を区別するために付したハッチング(網掛け)を図面に応じて省略する場合もある。
なお、以下の実施の形態においてA〜Bとして範囲を示す場合には、特に明示した場合を除き、A以上B以下を示すものとする。
(実施の形態)
<成膜装置>
初めに、本発明の一実施形態である実施の形態の成膜装置について説明する。本実施の形態の成膜装置は、チャンバー内でターゲットの表面をスパッタすることにより基板の表面に膜を成膜するスパッタリング装置である。
図1及び図2は、実施の形態の成膜装置を模式的に示す断面図である。図2は、図1の断面図のうち二点鎖線で囲まれた領域AR1を拡大して示す。図3は、実施の形態の成膜装置における基板とターゲットとの配置を示す断面図である。なお、図2では、磁石部の図示を省略している。また、図3では、理解を簡単にするために、ハッチングを省略している。
図1に示すように、成膜装置は、チャンバー11と、真空排気部12と、ガス供給部13及び14と、基板SBを保持する基板保持部15と、基板回転駆動部16と、基板加熱部17と、ターゲットTGを保持するターゲット保持部18と、電力供給部21と、を有する。
チャンバー11は、真空排気可能に設けられている。真空排気部12は、チャンバー11を真空排気する。ガス供給部13は、チャンバー内に例えばアルゴン(Ar)ガス等の希ガスを供給する。ガス供給部14は、チャンバー内に例えば酸素(O)ガス又は窒素(N)ガス等の原料ガスを供給する。
チャンバー11は、例えば底板部11aと、側板部11bと、天板部11cと、を含む。底板部11aには、開口11dが形成され、開口11dには、チャンバー11を真空排気する真空排気部12が接続されている。真空排気部12として、例えばクライオポンプを用いることができる。
図1に示す例では、天板部11cには、開口11eが設けられ、チャンバー11は、開口11eを気密に塞ぐスライド板部11fを含む。スライド板部11fには、開口11gが設けられ、チャンバー11は、開口11gよりも上方に設けられた蓋部11hと、蓋部11hとスライド板部11fとを気密に接続するベローズ11iと、を含む。ベローズ11iは、基板SBの表面に垂直な方向、即ち鉛直方向に伸縮可能に設けられている。なお、側板部11bには、基板SBをチャンバー11内に搬入するための搬入口11jが形成されている。
ガス供給部13は、流量制御器13aを介してガス供給管13bに接続され、ガス供給部13から供給された希ガスは、流量制御器13aで流量が調整され、ガス供給管13bからチャンバー11内に供給される。また、ガス供給部14は、流量制御器14aを介してガス供給管14bに接続され、ガス供給部14から供給された原料ガスは、流量制御器14aで流量が調整され、ガス供給管14bからチャンバー11内に供給される。なお、図1に示す例では、ガス供給管13bとガス供給管14bとが同一である場合を図示しているが、ガス供給管13bとガス供給管14bとは、別々に設けられていてもよい。
基板保持部15は、チャンバー11内で、基板SBを、基板SBの表面に垂直な回転軸RA1を中心として回転可能に保持する。基板保持部15は、底板部11a上に設けられている。具体的には、基板保持部15は、ベアリング15aと、基板回転伝達歯車15bと、回転ステージ支柱15cと、回転ステージ15dと、チャック15eと、を含む。
ベアリング15aは、底板部11a上に設けられている。基板回転伝達歯車15bが、後述する基板回転駆動部16の基板回転伝達歯車16eと噛合することにより、基板回転駆動部16からの回転駆動力が、回転ステージ支柱15cに伝達される。回転ステージ支柱15cは、底板部11a上に、ベアリング15aを介して、回転軸RA1を中心として回転可能に設けられている。また、回転ステージ支柱15cは、円筒形状を有し、基板回転伝達歯車15bは、円筒形状を有する回転ステージ支柱15cの内周面に接続されている。回転ステージ15dは、回転ステージ支柱15c上に設けられ、且つ、回転ステージ支柱15cにより支持されている。チャック15eは、回転ステージ15d上に設けられ、且つ、基板SBを把持して保持する。
基板保持部15が保持する基板SBとして、平面視において円形形状を有するウェハよりなる基板SBを用いることができる。このとき、基板保持部15は、回転軸RA1が基板SBの表面の中心CN1(図3参照)を通っている状態で、基板SBを回転可能に保持する。具体的には、回転ステージ支柱15cは、回転軸RA1が基板SBの表面の中心CN1を通っている状態で、回転軸RA1を中心として回転可能に設けられている。
なお、回転軸RA1が延在する方向を、鉛直方向と平行な方向とすることができる。このとき、基板保持部15に保持されている基板SBの表面は、水平面に平行である。
基板回転駆動部16は、基板保持部15に保持された基板SBを回転軸RA1を中心として回転駆動する。基板回転駆動部16は、モータ16aと、回転軸16bと、磁気シール16cと、回転軸16dと、基板回転伝達歯車16eと、を含む。モータ16aは、底板部11a下に、即ちチャンバー11外に設けられている。回転軸16bは、モータ16aに回転駆動される回転軸であり、チャンバー11外に設けられている。一方、回転軸16dも、回転軸16bと同様に、モータ16aに回転駆動される回転軸であるが、回転軸16dは、回転軸16bと異なり、チャンバー11内に設けられている。磁気シール16cは、回転軸16bと、回転軸16dと、をチャンバー11の気密を保ったまま磁気吸引力により接続する。基板回転伝達歯車16eが、前述した基板保持部15の基板回転伝達歯車15bと噛合することにより、基板回転駆動部16からの回転駆動力を、回転ステージ支柱15cに伝達する。
基板加熱部17は、基板SBを加熱する。基板加熱部17は、回転ステージ15d下に設けられている。基板加熱部17として、例えば赤外線ランプを備えたランプユニットを用いることができる。
なお、成膜装置は、ターゲットTGの表面をスパッタすることにより基板保持部15の回転ステージ15dよりも下方の部分に膜が付着することを防止する、防着板15fを有してもよい。防着板15fは、基板保持部15の側面を覆う。
ターゲット保持部18は、チャンバー11内で、ターゲットTGを保持する。ターゲット保持部18に保持されているターゲットTGの表面は、基板SBの表面に対して傾斜した状態で基板SBの表面と対向している。また、ターゲットTGの表面の中心CN2(図3参照)を通り、且つ、回転軸RA1に平行な直線LN1が、回転軸RA1と離隔している。言い換えれば、ターゲット保持部18は、基板SBの表面に垂直な方向から視たときに、ターゲットTGの表面の中心CN2が基板SBの表面の中心CN1と離隔した状態で、ターゲットTGを保持する。
ターゲットTGの表面を基板SBの表面に対して傾斜させた場合、ターゲットTGがスパッタされることにより、ターゲットTGから放出された原料が基板SBに入射する入射角が、基板SBに垂直な方向に対して傾斜する。そのため、ターゲットTGの表面を基板SBの表面に対して傾斜させる場合、ターゲットTGの表面を基板SBの表面に対して傾斜させない場合に比べて、基板SBの表面に成膜される膜が受ける損傷の程度が小さく、基板SBの表面に成膜される膜の例えば結晶性又は圧電性等の品質を向上させることができる。
また、基板SBが回転軸RA1を中心として回転する場合、ターゲットTGの表面の中心CN2を通り回転軸RA1に平行な直線LN1が回転軸RA1と同一の直線であるときは、例えば基板SBの表面に成膜される膜が、その膜の膜厚が基板SBの表面の中心CN1から周縁に向かって一様に減少するような膜厚分布を有する。しかし、直線LN1を回転軸RA1と離隔させた場合、直線LN1が回転軸RA1と同一の直線である場合に比べて、基板SBの表面の中心CN1付近における膜の膜厚を減少させることができる。そのため、基板SBの表面に成膜される膜の膜厚分布が、基板SBの表面の中心CN1から周縁に向かって膜厚が一様に減少するような膜厚分布から、基板SBの表面の中心CN1から周縁にかけてのいずれの部分における膜厚も略等しくなるような膜厚分布に近づく。従って、基板SBの表面に成膜される膜の例えば結晶性又は圧電性等の品質を向上させることができる。
図2に示す例では、ターゲット保持部18は、吊持部材18aと、絶縁スペーサ18bと、絶縁ボルト18cと、Oリング18dと、を含む。また、ターゲットTGは、バッキングプレートBP1と、バッキングプレートBP1の一方の側に固定されたターゲット材TM1と、を含む。
吊持部材18aは、蓋部11hから蓋部11hの下方に突出して設けられている。絶縁スペーサ18bは、高い絶縁性を有する例えばセラミック材料よりなり、ターゲットTGのバッキングプレートBP1と吊持部材18aとの間を電気的に絶縁する。絶縁ボルト18cは、高い絶縁性を有する例えばセラミック材料よりなる。ターゲットTGのバッキングプレートBP1の周縁部には、周縁部を厚さ方向に貫通する貫通孔18eが形成され、絶縁スペーサ18bには、絶縁スペーサ18bを厚さ方向に貫通する貫通孔18fが形成され、吊持部材18aの下面には、ネジ穴18gが形成されている。
吊持部材18a、絶縁スペーサ18b及びバッキングプレートBP1は、上方から下方に向かって、吊持部材18a、絶縁スペーサ18b及びバッキングプレートBP1の順に配置されている。そして、バッキングプレートBP1の貫通孔18e、及び、絶縁スペーサ18bの貫通孔18fを通った絶縁ボルト18cが、吊持部材18aのネジ穴18gに螺挿され、バッキングプレートBP1が絶縁スペーサ18bを介して吊持部材18aの下面に押圧されることにより、ターゲットTGがターゲット保持部18の吊持部材18aに保持される。なお、絶縁スペーサ18bとバッキングプレートBP1との間にOリング18dが挟まれることにより、ターゲットTGよりも上方に配置され、且つ、ターゲット保持部18に囲まれた空間に対して、チャンバー11内の空間の気密性を保つ。
電力供給部21は、ターゲットTGに、高周波電力をパルス状に変調して供給する。即ち、本実施の形態の成膜装置は、RF(Radio Frequency)スパッタリング装置である。
電力供給部21は、高周波電源21aと、整合器21bと、を有する。高周波電源21aは、高周波電力をパルス状に変調するパルス変調機能付き高周波電源である。高周波電源21aは、整合器21bに接続され、整合器21bは、ターゲットTGのバッキングプレートBP1に接続されている。図2に示す例では、整合器21bは、蓋部11h上に設けられ、整合器21bは、接続部21cを介して、バッキングプレートBP1と電気的に接続されている。なお、本実施の形態では、電力供給部21は、高周波電力を、ターゲットTGに直接供給するが、電力供給部21は、高周波電力を、ターゲット保持部18を介してターゲットTGに供給してもよい。
電力供給部21は、10kHz〜30MHzの周波数を有する高周波電力を、1/20ms〜1/3ms(1/20ミリ秒〜1/3ミリ秒)の周期、及び、25%〜90%のデューティー比を有するパルス状に変調して供給する。デューティー比は、周期の1周期分の期間のうち、ターゲットTGに高周波電力が供給される期間の割合である。
高周波電力が、例えば25%のデューティー比を有するパルス状に変調される場合は、1周期分の期間のうち25%の期間が、ターゲット保持部18に高周波電力が供給される期間(高周波電力オンの期間)となり、1周期分の期間のうち75%の期間が、ターゲット保持部18に高周波電力が印加されない期間(高周波電力オフの期間)となる。従って、高周波電力が、例えば1/20msの周期(20kHzの周波数)、及び、25%のデューティー比を有するパルス状に変調される場合は、1/20ms(1周期)の25%の1/80msの期間が高周波電力オンの期間となり、1/20ms(1周期)の75%の3/80msの期間が高周波電力オフの期間となる。
図4は、パルス状に変調された高周波電力を説明するための図である。図4は、((T1/T0)×100)%のデューティー比の場合を示し、1周期の((T1/T0)×100)%の期間が高周波電力オンの期間となり、1周期の残りの((T2/T0)×100)%の期間が高周波電力オフの期間となる。
ターゲットに高周波電力が連続的に供給される場合を考える。また、ターゲットとして、例えば窒化アルミニウム(AlN)等の絶縁物、又は、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PbZr1−xTi)等の一般式ABOで表されるペロブスカイト構造を有する絶縁物よりなるターゲットを用いるものとする。
このような場合、RFスパッタリング装置を用いた成膜方法を行うと、ターゲットに徐々に電荷が溜まり、溜まった電荷によって強いアーク放電が発生し、発生したアーク放電によってターゲットに穴が開いて破損するおそれがある。ターゲットが一旦破損すると、破損したターゲットを続けて使用することができず、破損したターゲットを新しいターゲットに交換する必要が生ずる。材料にもよるが、ターゲットは、通常極めて高価である。そのため、製造コストを低減する観点、また、ターゲットを交換する交換作業に要する時間を削減する観点から、ターゲットの破損を防止又は抑制する必要がある。
また、絶縁物よりなるターゲットは、ターゲットに高周波電力が供給されると破損するおそれがあるため、ターゲットに供給される高周波電力の電力値が高いほど、破損しやすくなる。従って、ターゲットの破損を防止又は抑制するためには、ターゲットに供給される高周波電力の電力値を高くすることができず、成膜速度を高くすることができない。
一方、本実施の形態では、前述したように、電力供給部21は、10kHz〜30MHzの周波数を有する高周波電力を、1/20ms〜1/3msの周期(3kHz〜20kHzの周波数)、及び、25%〜90%のデューティー比を有するパルス状に変調して供給する。
このように高周波電力をパルス状に変調して供給することにより、高周波電力オンの期間に絶縁物を含むターゲットTGに電荷が溜まっても、高周波電力オフの期間に溜まった電荷をターゲットTGから逃がすことができるので、ターゲットTGが破損することを防止又は抑制することができる。そのため、ターゲットTGに印加する高周波電力の電力値を多くすることができ、成膜速度を向上させることができる。
また、高周波電力オンの期間と高周波電力オフの期間とが交互に繰り返されるため、新たなRFプラズマが次々に発生し、これらの新たなRFプラズマの発生の数だけ新たなスパッタリング現象が生じ、成膜速度が飛躍的に向上する。一方、高周波電力オンの期間と高周波電力オフの期間とが交互に繰り返されることにより、ターゲットTGの表面へのRFプラズマの照射が停止するプラズマオフの期間が生じるが、このプラズマオフの期間においても、基板SBの表面に既に到達した原料の原子又は分子の基板の表面上での移動、即ちマイグレーションが発生するために、基板SBの表面に形成された膜上で、結晶が成長し続ける。
デューティー比が25%未満の場合、高周波電力オフの期間において、結晶成長が完全に途切れてしまい、次の高周波電力オンの期間における結晶成長が上手く繋がらず、基板の表面に成膜される膜の品質が低下する。そのため、デューティー比は25%以上であることが好ましく、これにより、基板SBの表面に成膜される膜の品質を向上させることができる。
デューティー比が90%を超える場合、基板SBの表面に成膜される膜の成膜速度が、高周波電力をパルス状に変調せず連続的に供給する場合の成膜速度と略等しい成膜速度にまで減少する。そのため、デューティー比は90%以下であることが好ましく、これにより、高周波電力をパルス状に変調せず連続的に供給する場合に比べて、基板SBの表面に成膜される膜の成膜速度を向上させることができる。
なお、成膜装置は、電力供給部21により高周波電力を供給する際にターゲットTGに発生する直流成分である電圧VDCを−200V以上−80V以下に制御するVDC制御部22を有してもよい。VDC制御部22は、VDCセンサを有し、電力供給部21に電気的に接続されている。
好適には、成膜装置は、磁石部23と、磁石回転駆動部24と、を有する。磁石部23は、回転軸RA1に対して傾斜した回転軸RA2を中心として回転可能に設けられている。磁石回転駆動部24は、回転軸RA2を中心として磁石部23を回転駆動し、回転駆動されている磁石部23により、ターゲットTGに磁界を印加する。即ち、本実施の形態の成膜装置は、RFマグネトロンスパッタリング装置である。
これにより、ターゲットTGと基板SBとの間の電子がターゲットTG付近に閉じ込められ、ターゲットTG付近で電子とArガスとのイオン化衝突の頻度を増大させ、ターゲットTG付近に高密度プラズマを生成し、成膜速度を向上させることができる。
また、このような場合、ターゲット保持部18に保持されているターゲットTGは、磁石部23よりも、基板保持部15に保持されている基板SB側に配置されている。即ち、ターゲットTGは、磁石部23と基板保持部15との間に配置されている。回転軸RA2は、ターゲット保持部18に保持されているターゲットTGの表面に垂直である。そして、回転軸RA2は、ターゲット保持部18に保持されているターゲットTGの表面の中心CN2を通る。
本実施の形態では、磁石部23は、基板SBの回転軸RA1に対して傾斜した回転軸RA2を中心として回転可能に設けられている。このような場合、回転軸RA2の回転軸RA1に対する傾斜角度TA2(図3参照)を、ターゲットTGの表面の基板SBの表面に対する傾斜角度TA1(図3参照)と等しくすることができる。
好適には、成膜装置は、ターゲットTGの表面の、基板SBの表面に対する傾斜角度TA1を調整する角度調整部25を有する。ターゲット保持部18及び磁石部23は、チャンバー11の天板部11cに垂直な方向(例えば鉛直方向)に対して回転軸RA2が傾斜可能に設けられ、回転軸RA2の鉛直方向に対する傾斜角度TA2が調整可能に設けられている。そして、角度調整部25は、回転軸RA2を鉛直方向に対して傾斜させ、回転軸RA2の鉛直方向に対する傾斜角度TA2を調整することにより、ターゲットTGの表面の、基板SBの表面に対する傾斜角度TA1を調整する。なお、前述したように、傾斜角度TA2を、傾斜角度TA1に等しくすることができる。
これにより、例えば成膜中でも、成膜する膜の材料に応じて、ターゲットTGの表面の、基板SBの表面に対する傾斜角度TA1を調整することができるので、成膜する膜の材料に応じて膜の品質を容易に最適化することができる。
具体的には、角度調整部25は、蓋部11hのうち、回転軸RA1よりも直線LN1側と反対側の部分の高さ位置を調整する高さ調整部25aと、直線LN1よりも回転軸RA1側と反対側の部分の高さ位置を調整する高さ調整部25bと、を含む。
高さ調整部25aは、モータ25cと、モータ25cに接続されたギヤ25dと、ギヤ25dと噛合され、且つ、蓋部11hのうち回転軸RA1よりも直線LN1側と反対側の部分に設けられたギヤ25eと、を含む。高さ調整部25bは、モータ25fと、モータ25fに接続されたギヤ25gと、ギヤ25gと噛合され、且つ、蓋部11hのうち直線LN1よりも回転軸RA1側と反対側の部分に設けられたギヤ25hと、を含む。モータ25cがギヤ25dを回転駆動することにより、蓋部11hのうち回転軸RA1よりも直線LN1側と反対側の部分の高さ位置を調整でき、モータ25fがギヤ25gを回転駆動することにより、蓋部11hのうち直線LN1よりも回転軸RA1側と反対側の部分の高さ位置を調整できる。そして、回転軸RA2の鉛直方向に対する傾斜角度(傾斜角度TA2)を調整することができ、ターゲットTGの表面の、基板SBの表面に対する傾斜角度TA1を調整することができる。
なお、蓋部11h上には、マッチングボックス26が設けられてもよく、整合器21bは、マッチングボックス26内に設けられてもよい。
好適には、成膜装置は、直線LN1が回転軸RA1と離隔した距離DS1(図3参照)を調整する距離調整部27を有する。ターゲット保持部18及び磁石部23は、チャンバー11に対して基板SBの表面に平行な方向に移動可能に設けられ、距離DS1が調整可能に設けられている。そして、距離調整部27は、ターゲット保持部18及び磁石部23を、チャンバー11に対して基板SBの表面に平行な方向に移動させることにより、距離DS1を調整する。
これにより、成膜中でも、例えば成膜する膜の材料に応じて、直線LN1が回転軸RA1と離隔した距離DS1を調整することができるので、成膜する膜の材料に応じて膜の品質を容易に最適化することができる。
具体的には、距離調整部27は、水平面内で、且つ、回転軸RA1から直線LN1に向かう方向において、スライド板部11fの水平方向の位置を調整する位置調整部27aを含む。位置調整部27aは、モータ27bと、モータ27bに接続されたギヤ27cと、ギヤ27cと噛合され、且つ、スライド板部11fに接続されたギヤ27dと、を含む。モータ27bがギヤ27cを回転駆動することにより、スライド板部11fを水平面内で、且つ、回転軸RA1から直線LN1に向かう方向又はその逆方向に移動させることができる。
好適には、成膜装置は、基板SBの表面に垂直な方向における、基板SBとターゲットTGとの間の距離DS2(図3参照)を調整する距離調整部28を有する。ターゲット保持部18及び磁石部23は、チャンバー11に対して基板SBの表面に垂直な方向に移動可能に設けられ、基板SBとターゲットTGとの間の距離DS2が調整可能に設けられている。そして、距離調整部28は、ターゲット保持部18及び磁石部23を、チャンバー11に対して基板SBの表面に垂直な方向に移動させることにより、基板SBとターゲットTGとの間の距離DS2を調整する。
これにより、例えば成膜中でも、成膜する膜の材料に応じて、基板SBとターゲットTGとの間の距離DS2を調整することができるので、成膜する膜の材料に応じて膜の品質を容易に最適化することができる。なお、基板SBとターゲットTGとの間の距離DS2とは、例えば基板SBの表面に垂直な方向における、基板SBの表面の中心CN1とターゲットTGの表面の中心CN2との間の距離を意味する。また、基板SBの表面の中心CN1とは、例えば基板SBの表面と回転軸RA1との交点を意味し、ターゲットTGの中心とは、例えばターゲットTGの表面と回転軸RA2との交点を意味する。
具体的には、距離調整部28は、角度調整部25と同様に、蓋部11hのうち、回転軸RA1よりも直線LN1側と反対側の部分の高さ位置を調整する高さ調整部28aと、直線LN1よりも回転軸RA1側と反対側の部分の高さ位置を調整する高さ調整部28bと、を含む。
高さ調整部28aは、モータ28cと、モータ28cに接続されたギヤ28dと、ギヤ28dと噛合され、且つ、蓋部11hのうち回転軸RA1よりも直線LN1側と反対側の部分に設けられたギヤ28eと、を含む。高さ調整部28bは、モータ28fと、モータ28fに接続されたギヤ28gと、ギヤ28gと噛合され、且つ、蓋部11hのうち直線LN1よりも回転軸RA1側と反対側の部分に設けられたギヤ28hと、を含む。モータ28cがギヤ28dを回転駆動することにより、蓋部11hのうち回転軸RA1よりも直線LN1側と反対側の部分の高さ位置を調整でき、モータ28fがギヤ28gを回転駆動することにより、蓋部11hのうち直線LN1よりも回転軸RA1側と反対側の部分の高さ位置を調整できる。そして、蓋部11hのうち回転軸RA1よりも直線LN1側と反対側の部分の高さ位置と、蓋部11hのうち直線LN1よりも回転軸RA1側と反対側の部分の高さ位置とが等しくなるように調整することにより、基板SBとターゲットTGとの間の距離DS2を調整することができる。
基板保持部15に保持されている基板SBの表面と同一面と、回転軸RA2との交点である交点を交点CP1(図3参照)とする。このとき、好適には、交点CP1は、回転軸RA1と直線LN1との間に配置されている。このような場合、交点CP1と回転軸RA1との間の距離は、距離DS1よりも短い。
このような場合、交点CP1が直線LN1よりも回転軸RA1側と反対側に配置されている場合に比べ、基板SBの表面に成膜される膜の膜厚分布が、基板SBの表面の中心CN1から周縁に向かって膜厚が一様に減少するような膜厚分布から、基板SBの表面の中心CN1から周縁にかけてのいずれの部分における膜厚も略等しくなるような膜厚分布に近づく。従って、基板SBの表面に成膜される膜の例えば結晶性又は圧電性等の品質を向上させることができる。
好適には、成膜装置は、ターゲットTGと磁石部23との間の距離を調整する距離調整部29(図2参照)を有する。例えばターゲット保持部18は、磁石部23に対して回転軸RA2に沿って移動可能に設けられ、ターゲットTGと磁石部23との間の距離が調整可能に設けられている。そして、距離調整部29は、ターゲット保持部18を、磁石部23に対して回転軸RA2に沿って移動させることにより、ターゲットTGと磁石部23との間の距離を調整する。
これにより、例えば成膜する膜の材料に応じて、ターゲットTGと磁石部23との間の距離を調整することができるので、成膜する膜の材料に応じて膜の品質を容易に最適化することができる。
例えば互いに異なる厚さを有する複数の絶縁スペーサ18bを用意しておき、それらの複数の絶縁スペーサ18bを交換することにより、ターゲットTGと磁石部23との間の距離を調整することができる。
<成膜方法>
次に、本実施の形態の成膜方法について説明する。本実施の形態の成膜方法は、チャンバー内でターゲットの表面をスパッタすることにより基板の表面に膜を成膜するスパッタリング方法である。
まず、チャンバー11(図1参照)内で、ターゲット保持部18(図1参照)によりターゲットTG(図1参照)を保持する(ステップS11)。
このステップS11では、まず、チャンバー11を大気開放する。そして、例えばスライド板部11f(図1参照)を天板部11c(図1参照)から取り外すことにより、ターゲット保持部18をチャンバーから取り外す。そして、取り外したターゲット保持部18にターゲットTGを取り付けることにより、ターゲットTGを保持する。このとき、ターゲットTGの表面が基板保持部15(図1参照)に保持される基板SB(図1参照)の表面と対向し、ターゲットTGの表面が基板保持部15に保持される基板SBの表面に対して傾斜し、且つ、ターゲットTGの表面の中心CN2(図3参照)を通り回転軸RA1(図3参照)に平行な直線LN1(図3参照)が回転軸RA1と離隔するように、ターゲット保持部18によりターゲットTGを保持する。
このステップS11では、次に、スライド板部11fを天板部11c上に装着し、真空排気部12(図1参照)によりチャンバー11内を真空排気する。
次に、チャンバー11内で、基板SBを、基板保持部15により、基板SBの表面に垂直な回転軸RA1を中心として回転可能に保持する(ステップS12)。例えばチャンバー11外の空間に設けられた基板搬送部(図示は省略)により、搬入口11j(図1参照)の外部から搬入口11jを通ってチャンバー11内に基板SBを搬入し、搬入された基板SBを、基板搬送部から基板保持部15に受け渡して保持する。例えば搬入口11jの外部が真空排気されている場合には、搬入口11jを通ってチャンバー11内に基板SBを挿入する際に、チャンバー11を大気開放しなくてもよい。
基板SBとして、シリコン単結晶基板(Si基板)若しくはサファイア単結晶基板等の単結晶基板を用いることができる。或いは、基板SBとして、表面に形成され、且つ、例えば金属酸化膜、ポリシリコン膜又はシリサイド膜よりなる基板を用いることができる。
或いは、基板SBとして、Si基板上に酸化ジルコニウム(ZrO)膜を介して下部電極が形成された基板を用いることができる。このような場合、まず、(100)に配向したSi基板上に、ZrO膜を、550℃以下の温度(好ましくは500℃の温度)で、蒸着法により形成する。ZrO膜は、(100)に配向する。次に、ZrO膜上に、550℃以下の温度(好ましくは400℃の温度)で、エピタキシャル成長した白金(Pt)膜よりなる下部電極をスパッタ法により形成する。Pt膜は(200)に配向する。
次に、基板保持部15に保持された基板SBを、基板回転駆動部16(図1参照)により回転軸RA1を中心として回転駆動する(ステップS13)。
次に、ガス供給部13(図1参照)によりチャンバー11内に希ガスとしてのアルゴン(Ar)ガスを供給し、真空排気部12(図1参照)による真空排気速度又はガス供給部13によるガス供給速度を制御することにより、チャンバー11内の圧力を制御する(ステップS14)。
膜として金属酸化膜を形成するときは、ガス供給部13によりチャンバー11内にArガスを導入し、ガス供給部14により酸素(O)ガスを導入する。この際、Arガスの流量MF1に対するOガスの流量MF2の比FR1(MF2/MF1)が0.1≦FR1≦0.3を満たすように、流量制御部により制御することができる。また、真空排気部12によりチャンバー11内を真空排気することにより、チャンバー11内の圧力を、一定の圧力、例えば0.1〜2Paの圧力まで減圧することができる。
次に、基板保持部15に保持された基板SBを、基板加熱部17(図1参照)により成膜温度に加熱する(ステップS15)。
次に、ターゲットTGに、電力供給部21により高周波電力をパルス状に変調して供給する(ステップS16)。このステップS16では、電力供給部21により、10kHz〜30MHzの周波数を有する高周波電力を、1/20ms〜1/3msの周期、及び、25%〜90%のデューティー比を有するパルス状に変調して供給する。デューティー比は、周期の1周期分の期間のうち、ターゲットに高周波電力が供給される期間の割合である。これにより、基板SBの表面に絶縁膜を成膜する。
前述したように、ターゲットTGの表面は、基板SBの表面に対して傾斜した状態で基板SBの表面と対向している。これにより、基板のSB表面に成膜される膜が受ける損傷の程度が小さく、基板SBの表面に成膜される膜の例えば結晶性又は圧電性等の品質を向上させることができる。
また、前述したように、ターゲットTGの表面の中心CN2を通り、且つ、回転軸RA1に平行な直線LN1が、回転軸RA1と離隔している。このような場合、基板SBの表面に成膜される膜の膜厚分布が、基板SBの表面の中心CN1(図3参照)から周縁に向かって膜厚が一様に減少するような膜厚分布から、基板SBの表面の中心CN1から周縁にかけてのいずれの部分における膜厚も略等しくなるような膜厚分布に近づく。
ターゲットTGが、比抵抗が1×10Ω・cm以上の絶縁物よりなる場合を考える。このような場合として、ターゲットTGが、例えば窒化アルミニウム(AlN)等の絶縁物よりなる場合が考えられる。或いは、ターゲットTGが、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PbZr1−xTi)等の一般式ABOで表されるペロブスカイト構造を有する絶縁物よりなる場合が考えられる。
このような場合であって、ターゲットTGに高周波電力をパルス状に変調せずにそのまま供給してスパッタするときは、ターゲットTGに高周波電力が供給されて電荷が溜まることによって、ターゲットTGが破損するおそれがある。よって、ターゲットTGの破損を防止又は抑制するために、ターゲットTGに供給される高周波電力の電力値を抑制する必要があり、成膜速度を向上させることができない。
一方、ターゲットTGに高周波電力をパルス状態に変調して供給するときは、ターゲットTGに高周波電力が供給されている間、即ち高周波電力がオン状態の間は、ターゲットTGに電荷が溜まるものの、ターゲットTGに高周波電力が供給されていない間、即ち高周波電力がオフ状態の間に、ターゲットTGに溜まった電荷をターゲットから逃がすことができる。そのため、ターゲットTGが破損することを防止又は抑制することができるので、ターゲットTGに供給される高周波電力の電力値を高くすることができ、成膜速度を向上させることができる。
また、ターゲットTGが、例えば窒化アルミニウム等の絶縁物よりなる場合、又は、ターゲットが、例えばチタン酸ジルコン酸鉛等の一般式ABOで表されるペロブスカイト構造を有する絶縁物よりなる場合、成膜中にターゲットTGの表面抵抗が大きく変動しやすい。それに伴って、成膜中にターゲットTGの表面の組成が変動し、基板SBの表面に成膜される膜の組成が変動し、基板SBの表面に成膜される膜の品質が変動しやすい。そのため、上記のように高周波電力をパルス状に変調して供給し、ターゲットに電荷が溜まりにくくすることにより、成膜中のターゲットTGの表面抵抗の変動を抑制することができる。よって、成膜中のターゲットTGの表面の組成の変動を抑制し、基板SBの表面に成膜される膜の組成の変動を抑制し、基板SBの表面に成膜される膜の品質を向上させることができる。
好適には、回転軸RA1に対して傾斜した回転軸RA2を中心として回転可能に設けられた磁石部23(図1参照)を磁石回転駆動部24(図1参照)により回転駆動し、回転駆動されている磁石部23によりターゲットTGに磁界を印加する(ステップS17)。このとき、回転軸RA2は、ターゲット保持部18に保持されているターゲットTGの表面に垂直であり、且つ、ターゲット保持部18に保持されているターゲットTGの表面の中心CN2を通る。また、ターゲットTGは、磁石部23と基板保持部15との間に配置されている。
これにより、ターゲットTGと基板SBとの間の電子がターゲットTG付近に閉じ込められ、ターゲットTG付近で電子とArガスとのイオン化衝突の頻度を増大させ、ターゲットTG付近に高密度プラズマを生成し、成膜速度を向上させることができる。
好適には、ターゲット保持部18に保持されているターゲットTGの表面の、基板保持部15に保持されている基板SBの表面に対する傾斜角度TA1(図3参照)を、角度調整部25(図1参照)により調整する(ステップS18)。これにより、例えば成膜中でも、成膜する膜の材料に応じて、ターゲットTGの表面の、基板SBの表面に対する傾斜角度TA1を調整することができるので、成膜する膜の材料に応じて膜の品質を容易に最適化することができる。
好適には、直線LN1が回転軸RA1と離隔した距離DS1(図3参照)を、距離調整部27により調整する(ステップS19)。
これにより、例えば成膜中でも、成膜する膜の材料に応じて、距離DS1を調整することができるので、成膜する膜の材料に応じて膜の品質を容易に最適化することができる。
好適には、基板保持部15に保持されている基板SBに垂直な方向における、基板保持部15に保持されている基板SBとターゲット保持部18に保持されているターゲットTGとの間の距離DS2(図3参照)を、距離調整部28(図1参照)により調整する。
これにより、例えば成膜中でも、成膜する膜の材料に応じて、距離DS2を調整することができるので、成膜する膜の材料に応じて膜の品質を容易に最適化することができる。
好適には、基板保持部15に保持されている基板SBの表面と同一面と、回転軸RA2との交点を交点CP1(図3参照)とするとき、交点CP1は、回転軸RA1と直線LN1との間に配置されている。
このような場合、交点CP1が直線LN1よりも回転軸RA1側と反対側に配置されている場合に比べ、基板SBの表面に成膜される膜の膜厚分布が、基板SBの表面の中心CN1から周縁に向かって膜厚が一様に減少するような膜厚分布から、基板SBの表面の中心CN1から周縁にかけてのいずれの部分における膜厚も略等しくなるような膜厚分布に近づく。従って、基板SBの表面に成膜される膜の例えば結晶性又は圧電性等の品質を向上させることができる。
以下、実施例に基づいて本実施の形態を更に詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
図1に示すスパッタリング装置(基板SBの直径が200mmで、ターゲットTGの直径が200mmで、傾斜角度TA1が15°で、且つ、距離DS1が50mm)を用い、表1に示すスパッタ条件で基板上にPZT膜を成膜することで、実施例1(膜厚5μm)の試料、実施例2(膜厚10μm)の試料、実施例3(膜厚20μm)の試料及び比較例(膜厚2μm)の試料を作製した。
実施例1〜実施例3及び比較例では、基板SBとして、Si基板上にZrO膜を蒸着法により形成し、このZrO膜上にスパッタリングによってエピタキシャル成長によるPt膜を下部電極として形成したものを用いた。また、実施例1におけるPZTの膜厚は、5μmであり、実施例2におけるPZTの膜厚は、10μmであり、実施例3におけるPZTの膜厚は、20μmであり、比較例におけるPZTの膜厚は、2μmであった。
Figure 2019073743
表1に示すように、比較例では、パルスを用いずに高周波の連続波を用いた。このような場合、1800W以上(2.1W/cm以上)に出力を上げると、アークが発生して、プラズマが異常放電して成膜が停止してしまうため、1800W以上に出力を上げることができなかった。
一方、実施例1、実施例2及び実施例3では、ターゲットTGに13.56MHzの周波数を有する高周波電力を、5kHzのパルス周波数(1/5msの周期)、及び、90%のデューティー比を有するパルス状に供給した。そのため、高周波出力がオフ状態の時にターゲットTG表面付近にプラズマが発生していない時間ができ、その結果、短時間の成膜で膜厚が厚いPZT膜を容易に成膜することができた。
また、実施例1、実施例2及び実施例3の試料について、FIB(Focused Ion Beam)法により断面観察を行ったところ、実施例1、実施例2及び実施例3の試料では、成膜されたPZT膜に粒界が観察されず、単結晶状の膜が得られた。また、実施例1、実施例2及び実施例3の試料について、X線回折(X-Ray Diffration:XRD)法の2θ−θスキャン及び逆格子マッピングを行ったところ、基板SBの表面に垂直な方向、及び、基板SBの表面に平行で且つ互いに直交する2つの方向の、合計3方向のいずれの方向にも配向した単結晶状の膜が得られた。そのため、実施例1、実施例2及び実施例3の試料については、短時間の成膜で膜厚が厚い高品質のPZT膜を容易に成膜することができた。
また、詳細な結果の説明は省略するものの、ターゲットTGがAlNよりなる場合にも、ターゲットTGがPZTよりなる場合と同様に、上記のようにパルス状高周波電力をパルス状に変調して供給することにより、短時間の成膜で膜厚が厚い高品質のAlN膜を容易に成膜することができた。
次に、実施例1、実施例2及び実施例3の試料を作製する際の、成膜前のターゲットTGの表面抵抗値と、成膜後のターゲットTGの表面抵抗値とについて説明する。
まず、実施例1、実施例2、実施例3及び比較例の試料を作製する際の、ターゲットTGの組成と試料の組成は、以下の通りである。
[ターゲットの組成]
実施例1:Pb/Zr/Ti=130/58/42
実施例2:Pb/Zr/Ti=130/58/42
実施例3:Pb/Zr/Ti=130/58/42
比較例 :Pb/Zr/Ti=130/58/42
[試料の組成]
実施例1:Pb/Zr/Ti=109/55/45
実施例2:Pb/Zr/Ti=105/55/45
実施例3:Pb/Zr/Ti=102/55/45
比較例 :Pb/Zr/Ti=97/55/45
ここで、実施例1、実施例2及び実施例3の試料を作製する際の、成膜前のターゲットの表面抵抗値と、成膜後のターゲットの表面抵抗値を、強誘電体測定システムに相当する絶縁抵抗測定器(MODEL:ADC5450 (Ultra High Resistance Meter))を使用し、プローブ間距離を5mmとし、測定電圧を10Vとして測定した。測定結果は、以下の通りである。
[成膜前のターゲットの表面抵抗値]
ターゲットの中央部:2.03×1011Ω・cm
ターゲットの中央部と外周部との間:2.10×1011Ω・cm
ターゲットの外周部:5.39×1010Ω・cm
[成膜後のターゲットの表面抵抗値]
ターゲットの中央部:4.95×1011Ω・cm
ターゲットの中央部と外周部との間:1.45×1012Ω・cm
ターゲットの外周部:3.49×1011Ω・cm
前述したように、PZTは、一般式ABOで表されるペロブスカイト構造を有する複合酸化物であるので、成膜時にターゲットの表面抵抗が大きく変動しやすい。一方、実施例1、実施例2及び実施例3では、成膜前のターゲットの表面抵抗値と、成膜後のターゲットの表面抵抗値とは、略等しい。そのため、上記のように高周波電力をパルス状に変調して供給することにより、ターゲットに電荷が溜まりにくくすることができ、ターゲットの表面抵抗の変動を抑制することができた。
また、詳細な結果の説明は省略するものの、ターゲットがAlNよりなる場合にも、ターゲットがPZTよりなる場合と同様に、上記のようにパルス状高周波電力をパルス状に変調して供給することにより、ターゲットに電荷が溜まりにくくすることができ、ターゲットの表面抵抗の変動を抑制することができた。
また、詳細な結果の説明は省略するものの、傾斜角度TA1が5〜25°の場合、実施例1、実施例2又は実施例3と略同等の結果が得られ、傾斜角度TA1が5°未満又は25°を超える場合に比べて、短時間の成膜で膜厚が厚い高品質のPZT膜又はAlN膜を容易に成膜することができた。また、距離DS1が25〜75mmの場合、実施例1、実施例2又は実施例3と略同等の結果が得られ、距離DS1が25mm未満又は75mmを超える場合に比べて、短時間の成膜で膜厚が厚い高品質のPZT膜又はAlN膜を容易に成膜することができた。
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
例えば、前述の各実施の形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
11 チャンバー
11a 底板部
11b 側板部
11c 天板部
11d、11e、11g 開口
11f スライド板部
11h 蓋部
11i ベローズ
11j 搬入口
12 真空排気部
13、14 ガス供給部
13a、14a 流量制御器
13b、14b ガス供給管
15 基板保持部
15a ベアリング
15b 基板回転伝達歯車
15c 回転ステージ支柱
15d 回転ステージ
15e チャック
15f 防着板
16 基板回転駆動部
16a モータ
16b、16d 回転軸
16c 磁気シール
16e 基板回転伝達歯車
17 基板加熱部
18 ターゲット保持部
18a 吊持部材
18b 絶縁スペーサ
18c 絶縁ボルト
18d Oリング
18e、18f 貫通孔
18g ネジ穴
21 電力供給部
21a 高周波電源
21b 整合器
21c 接続部
22 VDC制御部
23 磁石部
24 磁石回転駆動部
25 角度調整部
25a、25b、28a、28b 高さ調整部
25c、25f、27b、28c、28f モータ
25d、25e、25g、25h ギヤ
26 マッチングボックス
27、28、29 距離調整部
27a 位置調整部
27c、27d、28d、28e、28g、28h ギヤ
AR1 領域
BP1 バッキングプレート
CN1、CN2 中心
CP1 交点
DS1、DS2 距離
LN1 直線
RA1、RA2 回転軸
SB 基板
TA1、TA2 傾斜角度
TG ターゲット
TM1 ターゲット材

Claims (14)

  1. チャンバー内でターゲットの表面をスパッタすることにより基板の表面に膜を成膜する成膜装置において、
    前記チャンバー内で、前記ターゲットを保持するターゲット保持部と、
    前記チャンバー内で、前記基板を、前記基板の表面に垂直な第1回転軸を中心として回転可能に保持する基板保持部と、
    前記基板保持部に保持されている前記基板を、前記第1回転軸を中心として回転駆動する基板回転駆動部と、
    前記ターゲットに、高周波電力をパルス状に変調して供給する電力供給部と、
    を有し、
    前記ターゲットの表面は、前記基板の表面に対して傾斜した状態で前記基板の表面と対向し、
    前記ターゲットの表面の中心を通り、且つ、前記第1回転軸に平行な第1直線が、前記第1回転軸と離隔し、
    前記電力供給部は、10kHz〜30MHzの周波数を有する前記高周波電力を、1/20ms〜1/3msの周期、及び、25%〜90%のデューティー比を有するパルス状に変調して供給し、
    前記デューティー比は、前記周期の1周期分の期間のうち、前記ターゲットに前記高周波電力が供給される期間の割合である、成膜装置。
  2. 請求項1に記載の成膜装置において、
    前記第1回転軸に対して傾斜した第2回転軸を中心として回転可能に設けられた磁石部と、
    前記第2回転軸を中心として前記磁石部を回転駆動し、回転駆動されている前記磁石部により、前記ターゲットに磁界を印加する磁石回転駆動部と、
    を有し、
    前記ターゲットは、前記磁石部と前記基板保持部との間に配置され、
    前記第2回転軸は、前記ターゲットの表面に垂直であり、且つ、前記ターゲットの表面の中心を通る、成膜装置。
  3. 請求項1又は2に記載の成膜装置において、
    前記ターゲットの表面の、前記基板の表面に対する傾斜角度を調整する角度調整部を有する、成膜装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の成膜装置において、
    前記第1直線が前記第1回転軸と離隔した第1距離を調整する第1距離調整部を有する、成膜装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の成膜装置において、
    前記基板の表面に垂直な方向における、前記基板と前記ターゲットとの間の第2距離を調整する第2距離調整部を有する、成膜装置。
  6. 請求項2に記載の成膜装置において、
    前記基板の表面と同一面と、前記第2回転軸との交点を第1交点とするとき、
    前記第1交点は、前記第1回転軸と前記第1直線との間に配置されている、成膜装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の成膜装置において、
    前記チャンバー内を真空排気する真空排気部と、
    前記チャンバー内に希ガスを供給するガス供給部と、
    を有する、成膜装置。
  8. チャンバー内でターゲットの表面をスパッタすることにより基板の表面に膜を成膜する成膜方法において、
    (a)前記チャンバー内で、ターゲット保持部により前記ターゲットを保持する工程、
    (b)前記チャンバー内で、前記基板を、基板保持部により、前記基板の表面に垂直な第1回転軸を中心として回転可能に保持する工程、
    (c)前記基板保持部に保持されている前記基板を、基板回転駆動部により、前記第1回転軸を中心として回転駆動する工程、
    (d)前記ターゲットに、電力供給部により、高周波電力をパルス状に変調して供給する工程、
    を有し、
    前記ターゲットの表面は、前記基板の表面に対して傾斜した状態で前記基板の表面と対向し、
    前記ターゲットの表面の中心を通り、且つ、前記第1回転軸に平行な第1直線が、前記第1回転軸と離隔し、
    前記(d)工程では、前記電力供給部により、10kHz〜30MHzの周波数を有する前記高周波電力を、1/20ms〜1/3msの周期、及び、25%〜90%のデューティー比を有するパルス状に変調して供給し、
    前記デューティー比は、前記周期の1周期分の期間のうち、前記ターゲットに前記高周波電力が供給される期間の割合である、成膜方法。
  9. 請求項8に記載の成膜方法において、
    (e)前記第1回転軸に対して傾斜した第2回転軸を中心として回転可能に設けられた磁石部を、磁石回転駆動部により、前記第2回転軸を中心として回転駆動し、回転駆動されている前記磁石部により、前記ターゲットに磁界を印加する工程、
    を有し、
    前記ターゲットは、前記磁石部と前記基板保持部との間に配置され、
    前記第2回転軸は、前記ターゲットの表面に垂直であり、且つ、前記ターゲットの表面の中心を通る、成膜方法。
  10. 請求項8又は9に記載の成膜方法において、
    (f)前記ターゲットの表面の、前記基板の表面に対する傾斜角度を、角度調整部により調整する工程、
    を有する、成膜方法。
  11. 請求項8乃至10のいずれか一項に記載の成膜方法において、
    (g)前記第1直線が前記第1回転軸と離隔した第1距離を、第1距離調整部により調整する工程、
    を有する、成膜方法。
  12. 請求項8乃至11のいずれか一項に記載の成膜方法において、
    (h)前記基板の表面に垂直な方向における、前記基板と前記ターゲットとの間の第2距離を、第2距離調整部により調整する工程、
    を有する、成膜方法。
  13. 請求項9に記載の成膜方法において、
    前記基板の表面と同一面と、前記第2回転軸との交点を第1交点とするとき、
    前記第1交点は、前記第1回転軸と前記第1直線との間に配置されている、成膜方法。
  14. 請求項8乃至13のいずれか一項に記載の成膜方法において、
    (i)前記チャンバー内を、真空排気部により真空排気する工程、
    (j)前記チャンバー内に、ガス供給部により希ガスを供給する工程、
    を有する、成膜方法。
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