JP2019073615A - 4−メチル−1−ペンテン系重合体を含む樹脂組成物から形成される微多孔フィルム、電池用セパレータおよびリチウムイオン電池 - Google Patents

4−メチル−1−ペンテン系重合体を含む樹脂組成物から形成される微多孔フィルム、電池用セパレータおよびリチウムイオン電池 Download PDF

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貞彦 松浦
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健士朗 高峯
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豊明 佐々木
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Abstract

【課題】4−メチル−1−ペンテン系重合体の高い耐熱性等の特性を損なうことなく、開孔率が高く、しかも低汚染性を有する微多孔フィルムを提供することにある。【解決手段】本発明は、4−メチル−1−ペンテン由来の構成単位の含有量が90〜100モル%であり、エチレンおよび炭素原子数3〜20の4−メチル−1−ペンテン以外のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィン由来の構成単位の含有量が0〜10モル%であり、23℃デカン可溶部量が5.0質量%以下である、4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)を含む樹脂組成物から形成され、下記要件(I)を満たす、微多孔フィルムに係る。(I)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した、Z平均分子量Mzが100万〜200万の範囲にある。【選択図】なし

Description

本発明は、特定の物性を有する4−メチル−1−ペンテン系重合体を含む樹脂組成物から形成される微多孔フィルム、電池用セパレータおよびリチウムイオン電池に関する。
4−メチル−1−ペンテンを主たる構成モノマーとする4−メチル−1−ペンテン重合体あるいは4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体は(以下、これらを4−メチル−1−ペンテン系重合体ともいう)、耐熱性、離型性、耐薬品性に優れているので、各種用途に広く使用されている。例えば、該共重合体からなるフィルムは良好な離型性などの特長を活かして、FPC離型フィルム、複合材料成形用や離型フィルムなどに使用され、あるいは耐薬品性、耐水性、透明性などの特長を活かして、実験器具およびゴムホース製造用マンドレルなどに使用されている。
4−メチル−1−ペンテン系重合体の耐熱性の特徴を活かしてリチウムイオン電池のセパレータ用の微多孔フィルムに使用することについては、例えば特許文献1〜3に開示されている。
一方で特許文献4には、立体規則性が高く、高い融解熱量を有する4−メチル−1−ペンテン系重合体が開示され、特許文献5には前記重合体の特性を活かした離型フィルムが開示されている。
国際公開2010−013467号パンフレット 特開2011−228056号公報 特開2004−224915号公報 国際公開2014−050817号パンフレット 特開2016−098257号公報
特許文献1に開示の技術により、4−メチル−1−ペンテン系重合体の微多孔フィルムが得られるが、本発明者らはさらに高い開孔率の微多孔フィルムが必要であると考えた。また、特許文献1に開示の重合体は、分子量制御の低さから、低分子量成分(オリゴマー)を含み、これが得られたセパレータからの溶出し汚染源となりうることが考えられた。
すなわち本発明の課題は、上記4−メチル−1−ペンテン系重合体の高い耐熱性等の特性を損なうことなく、開孔率が高く、しかも低汚染性を有する微多孔フィルムを提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、特定の要件を満たす4−メチル−1−ペンテン系重合体を用いることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の[1]〜[7]に関する。
[1]4−メチル−1−ペンテン由来の構成単位の含有量が90〜100モル%であり、エチレンおよび炭素原子数3〜20の4−メチル−1−ペンテン以外のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィン由来の構成単位の含有量が0〜10モル%であり、23℃デカン可溶部量が5.0質量%以下である、4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)を含む樹脂組成物から形成され、下記要件(I)を満たす、微多孔フィルム。
(I)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した、Z平均分子量Mzが100万〜200万の範囲にある。
[2]さらに下記要件(II)を満たす[1]に記載の微多孔フィルム。
(II)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した、重量平均分子量Mwが40万〜100万の範囲にある。
[3]さらに下記要件(III)を満たす[1]または[2]に記載の微多孔フィルム。
(III)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn)が3.5〜20の範囲にある。
[4]前記樹脂組成物が、核剤を0.1〜800ppm含む、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の微多孔フィルム。
[5]前記核剤が、リン系核剤である、[4]に記載の微多孔フィルム。
[6][1]〜[5]のいずれか一項に記載の微多孔フィルムを含む電池用セパレータ。
[7][6]に記載の電池用セパレータを含む、リチウムイオン電池。
本発明の微多孔フィルムは、4−メチル−1−ペンテン系重合体が有する高い耐熱性を維持しながら、開孔率が高く、しかも低汚染性を有し、特に電池セパレータとして好適に用い得る。
図1は、リチウムイオン電池の構成の一例を示す断面斜視図である。
以下、本発明に係わる4−メチル−1−ペンテン系重合体、前記重合体を含む樹脂組成物、微多孔フィルム、電池用セパレータおよびリチウムイオン電池について詳説する。
<微多孔フィルム>
本発明の微多孔フィルムは、4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)を含む樹脂組成物から形成され、下記要件(I)を満たす。
(要件(I))
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した、Z平均分子量Mzが100万〜200万の範囲にあり、好ましくは101万〜180万の範囲にある。上記範囲にあることで開孔率向上に好適である。製膜引き取り時に強い配向をかけることができるためと考えられる。
本発明の微多孔フィルムは、要件(I)に加え、下記要件(II)〜(IV)のうち一つ以上を満たすことが好ましい。
(要件(II))
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した、重量平均分子量Mwが40万〜100万の範囲にある。前記下限値以上であることは、靱性の観点から望ましく、また、前期上限値以下であることは、開孔性の観点から望ましい。
(要件(III))
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn)が3.5〜20の範囲にある。比(Mw/Mn)が上記範囲にあることで、4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)を含むフィルムなどの成形体は靭性に優れるようになり、白化の原因である内部クラックが減少し、フィルムの伸びが優れる。また、比(Mw/Mn)が上記範囲にあることは、4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)中に分子量の大きい重合体が相当量あることを示唆している。4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)の比(Mw/Mn)を上記範囲に調節する方法は詳しくは後述する。
(要件(IV))
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した、Z平均分子量Mzと重量平均分子量Mwとの比(Mz/Mw)が1.5〜20の範囲にあり、好ましくは1.6〜15、より好ましくは1.7〜15、更に好ましくは1.9〜15の範囲にある。比(Mz/Mw)が上記範囲にあることで、開孔性が優れる。また、比(Mz/Mw)が上記範囲にあることは、4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)中に分子量の大きい重合体が相当量含まれることを示唆している。比(Mz/Mw)を上記範囲に調節する方法は詳しくは後述する。
<4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)>
本発明に係わる4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)は、重合体(X)に含まれる全構成単位に対する4−メチル−1−ペンテン由来の構成単位の含有量が90〜100モル%であり、エチレンおよび炭素原子数3〜20の4−メチル−1−ペンテン以外のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィン(以下、コモノマーともいう)由来の構成単位の含有量が0〜10モル%であり、23℃デカン可溶部量が5.0質量%以下である。
本発明に係わる4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)は、単独の重合体に限らず、複数の重合体のブレンド物(混合物)であってもよく、ブレンド物である場合は、そのブレンド物が上記規定を満たすことを意味する。
(構成単位の含有量)
本発明に係わる4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)としては、例えば、4−メチル−1−ペンテンの単独重合体(すなわち、4−メチル−1−ペンテン由来の構成単位の含有量が100モル%である重合体)、および4−メチル−1−ペンテンと他のオレフィンとの共重合体が挙げられる。
ここで、透明性と耐熱性の観点から、4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)における、重合体(X)に含まれる全構成単位に対する4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位の含有量は好ましくは92〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%であり、エチレンおよび炭素原子数3〜20のα−オレフィン(4−メチル−1−ペンテンを除く)から選ばれる少なくとも1種のオレフィン由来の構成単位の含有量の総和は、好ましくは0〜8モル%、より好ましくは0〜5モル%である。
4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)が共重合体である場合、4−メチル−1−ペンテンと共重合するエチレン及び炭素原子数3〜20のα−オレフィンとして具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンおよび1−エイコセンなどが挙げられる。これらのうち好ましくは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンであり、これらのα−オレフィンは、1種単独でもよく、または2種以上の組み合わせでもよい。
本発明において、4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)中の4−メチル−1−ペンテン由来の構成単位、ならびに、エチレンおよび炭素原子数3〜20のα−オレフィン(4−メチル−1−ペンテンを除く)から選ばれる少なくとも1種のオレフィンに由来の構成単位の量は、重合反応中に添加する4−メチル−1−ペンテン、ならびに、エチレンおよび炭素原子数3〜20のα−オレフィン(4−メチル−1−ペンテンを除く)から選ばれる少なくとも1種のオレフィンの量によって調整することができる。
(23℃デカン可溶部量)
本発明に係わる4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)は、23℃デカン可溶部量が5.0質量%以下であり、好ましくは3.0質量%以下、より好ましくは1.0質量%以下である。
本発明において、23℃デカン可溶部量とは、後記する実施例において詳述するように、4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)をn−デカンに添加し、145℃で1時間加熱溶解させた後に、n−デカン溶液を23℃まで降温したときにおける、添加した重合体(X)の重量に対する、n−デカン溶液に溶解している重合体(X)の重量の比率を示す。
4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)の23℃デカン可溶部量が少ないことは、重合体(X)に含まれる低分子量の重合体の量が少ないことを示す。4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)の23℃デカン可溶部量が上記範囲内にあることで、当該重合体を含む樹脂組成物から得られる微多孔フィルムから汚染成分となる低分子量成分の流出を抑えることが可能となるので、高純度を要求される電池用セパレータ用途に好適に用いることができる。
本発明において、4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)の23℃デカン可溶部量は、後述するオレフィン重合用触媒の種類によって調整することができる。
以下、4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)が満たすことが好ましい要件について説明する。
(要件(a))
13C−NMRで測定されるメソダイアッド分率(m)が98〜100%の範囲にあり、好ましくは98.5〜100%の範囲にある。
4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)のメソダイアッド分率(m)が前記下限値以上であることで、4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)を含む微多孔フィルムは十分な耐熱性や剛性等の性能を備えたものになる。
本発明において、4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)のメソダイアッド分率(m)は、後述するオレフィン重合用触媒の種類によって調整することができる。
(要件(b))
4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)は、ASTM D1238に準拠して260℃、5kg荷重の条件で測定したメルトフローレート(MFR)が0.1〜500g/10minであり、好ましくは1〜300g/10min、より好ましくは2〜100g/10min、さらに好ましくは5〜80g/10minである。
4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)の前記MFRが上記範囲にあると、成形時の樹脂流動性の点で好ましい。
本発明において、4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)の前記MFRの調整方法としては、重合反応中の反応器内水素量を調整したり、重合中または重合後に異なるMFRを持つ複数種類の重合体をブレンドする方法などがある。
<4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)の特徴>
本発明の微多孔フィルムおよび当該微多孔フィルムを含む電池用セパレータは、後述の実施例および比較例の対比から明らかなように、開孔率に優れる特性を有する。低分子量成分がより少ないことにより、延伸時に結晶部と非晶部の間の剥離部位に応力がかかりやすくなり、開孔率が向上するものと推測される。
<4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)の製造方法>
本発明に係わる4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)は、後述するオレフィン重合用触媒の存在下、4−メチル−1−ペンテンを重合することで、または4−メチル−1−ペンテンとエチレンおよび炭素原子数3〜20のα−オレフィン(4−メチル−1−ペンテンを除く)から選ばれる少なくとも1種のオレフィンとを共重合することで得ることができる。
[1−1]オレフィン重合用触媒
オレフィン重合用触媒としては、
架橋メタロセン化合物(A)と、
(B−1)有機金属化合物
(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物
(B−3)(A)と反応してイオン対を形成する化合物
から選ばれる少なくとも1種以上の化合物(B)と、を含む触媒が好ましい。
〈架橋メタロセン化合物(A)〉
架橋メタロセン化合物(A)は、一般式[A1]で表される化合物が好ましく、一般式[A2]で表される化合物がより好ましい。
Figure 2019073615
式[A1]中、Mは周期表第4族遷移金属、例えばチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、Qはハロゲン原子、炭化水素基、炭素数10以下の中性の共役もしくは非共役ジエン、アニオン配位子および孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選ばれ、jは1〜4の整数であり、RAおよびRBは、互いに同一でも異なっていてもよく、Mと共にサンドイッチ構造を形成することができる単核または多核炭化水素残基であり、Yは炭素原子またはケイ素原子であり、RCおよびRDは、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭化水素基、ケイ素含有基、ハロゲン原子およびハロゲン含有炭化水素基から選ばれ、互いに結合して環を形成していてもよい。
Figure 2019073615
式[A2]中、R1は炭化水素基、ケイ素含有基またはハロゲン含有炭化水素基であり、R2〜R10は水素原子、炭化水素基、ケイ素含有基、ハロゲン原子およびハロゲン含有炭化水素基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよく、それぞれの置換基は互いに結合して環を形成してもよい。Mは周期表第4族遷移金属であり、Qはハロゲン原子、炭化水素基、炭素数10以下の中性の共役もしくは非共役ジエン、アニオン配位子および孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一のまたは異なる組合せで選ばれ、jは1〜4の整数である。
一般式[A2]で表される架橋メタロセン化合物の中でも、重合特性、入手容易性、上記要件を満たす4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)を得る観点から、一般式[A3]で表される架橋メタロセン化合物が特に好ましい。
Figure 2019073615
式[A3]中、R1bは炭化水素基、ケイ素含有基またはハロゲン含有炭化水素基であり、R2b〜R12bは水素原子、炭化水素基、ケイ素含有基、ハロゲン原子およびハロゲン含有炭化水素基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよく、それぞれの置換基は互いに結合して環を形成してもよい。Mは周期表第4族遷移金属であり、nは1〜3の整数であり、Qはハロゲン原子、炭化水素基、炭素数10以下の中性の共役もしくは非共役ジエン、アニオン配位子および孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一のまたは異なる組合せで選ばれ、jは1〜4の整数である。
<R 1 からR 10 、R 1b からR 12b
1からR10およびR1bからR12bにおける炭化水素基としては、例えば、直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、環状飽和炭化水素基、環状不飽和炭化水素基、飽和炭化水素基が有する1または2以上の水素原子を環状不飽和炭化水素基に置換してなる基が挙げられる。炭化水素基の炭素数は、通常1〜20、好ましくは1〜15、より好ましくは1〜10である。
直鎖状炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デカニル基等の直鎖状アルキル基;アリル基等の直鎖状アルケニル基が挙げられる。
分岐状炭化水素基としては、例えば、イソプロピル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジエチルプロピル基、1,1−ジメチルブチル基、1−メチル−1−プロピルブチル基、1,1−プロピルブチル基、1,1−ジメチル−2−メチルプロピル基、1−メチル−1−イソプロピル−2−メチルプロピル基等の分岐状アルキル基が挙げられる。
環状飽和炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、メチルシクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ノルボルニル基、アダマンチル基、メチルアダマンチル基等の多環式基が挙げられる。
環状不飽和炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基等のアリール基;シクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基;5−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エニル基等の多環の不飽和脂環式基が挙げられる。
飽和炭化水素基が有する1または2以上の水素原子を環状不飽和炭化水素基に置換してなる基としては、例えば、ベンジル基、クミル基、1,1−ジフェニルエチル基、トリフェニルメチル基等のアルキル基が有する1または2以上の水素原子をアリール基に置換してなる基が挙げられる。
1からR10およびR1bからR12bにおけるケイ素含有基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリフェニルシリル基等の式−SiR3(式中、複数あるRはそれぞれ独立に炭素数1〜15のアルキル基またはフェニル基である。)で表される基が挙げられる。
1からR10およびR1bからR12bにおけるハロゲン含有炭化水素基としては、例えば、トリフルオロメチル基等の、上記炭化水素基が有する1または2以上の水素原子をハロゲン原子に置換してなる基が挙げられる。
2からR10およびR2bからR12bにおけるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
2からR10およびR2bからR12bまでの置換基のうち、2つの置換基(例:R2bとR3b、R3bとR4b、R5bとR6b、R6bとR7b、R8bとR9b、R9bとR10b、R10bとR11b、R11bとR12b)が互いに結合して環を形成していてもよく、前記環形成は、分子中に2箇所
以上存在してもよい。
本発明において、2つの置換基が互いに結合して形成された環(スピロ環、付加的な環)としては、例えば、脂環、芳香環が挙げられる。具体的には、シクロヘキサン環、ベンゼン環、水素化ベンゼン環、シクロペンテン環が挙げられ、好ましくはシクロヘキサン環、ベンゼン環および水素化ベンゼン環である。また、このような環構造は、環上にアルキル基等の置換基をさらに有していてもよい。
1bは、立体規則性の観点から、炭化水素基であることが好ましく、炭素数1〜20の炭化水素基であることがより好ましく、アリール基ではないことがさらに好ましく、直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基または環状飽和炭化水素基であることがとりわけ好ましく、遊離原子価を有する炭素(シクロペンタジエニル環に結合する炭素)が3級炭素である置換基であることが特に好ましい。
1bとしては、具体的には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、tert−アミル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−アダマンチル基が例示でき、より好ましくはtert−ブチル基、tert−ペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−アダマンチル基等の遊離原子価を有する炭素が3級炭素である置換基であり、特に好ましくはtert−ブチル基、1−アダマンチル基である。
一般式[A3]において、フルオレン環部分は公知のフルオレン誘導体から得られる構造であれば特に制限されないが、R4bおよびR5bは、立体規則性、分子量の観点から、好ましくは水素原子である。
2b、R3b、R6bおよびR7bは、好ましくは水素原子または炭化水素基であり、より好ましくは炭化水素基であり、さらに好ましくは炭素数1〜20の炭化水素基である。また、R2bとR3bが互いに結合して環を形成し、かつR6bとR7bが互いに結合して環を形成していてもよい。このような置換フルオレニル基としては、例えば、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、オクタヒドロジベンゾフルオレニル基、1,1,4,4,7,7,10,10-オクタメチル-2,3,4,7,8,9,10,12-オクタヒドロ-1H-ジベンゾ[b,h]フルオレニル基、1,1,3,3,6,6,8,8-オクタメチル-2,3,6,7,8,10-ヘキサヒドロ-1H-ジシクロペンタ[b,h]フルオレニル基、1',1',3',6',8',8'-ヘキサメチル-1'H,8'H-ジシクロペンタ[b,h]フルオレニル基が挙げられ、特に好ましくは1,1,4,4,7,7,10,10-オクタメチル-2,3,4,7,8,9,10,12-オクタヒドロ-1H-ジベンゾ[b,h]フルオレニル基である。
8bは水素原子であることが好ましい。
9bは炭化水素基であることがより好ましく、R9bは直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基等の炭素数2以上のアルキル基、シクロアルキル基またはシクロアルケニル基であることがさらに好ましく、R9bは炭素数2以上のアルキル基であることがとりわけ好ましい。また、合成上の観点からは、R10bおよびR11bは水素原子であることも好ましい。
あるいは、n=1である場合、R9bおよびR10bが互いに結合して環を形成していることがより好ましく、当該環がシクロヘキサン環等の6員環であることが特に好ましい。この場合、R11bは水素原子であることが好ましい。
12bは、炭化水素基であることが好ましく、アルキル基であることが特に好ましい。
<M、Q、nおよびjについて>
Mは周期表第4族遷移金属であり、例えばTi、ZrまたはHfであり、好ましくはZrまたはHfであり、特に好ましくはZrである。
Qはハロゲン原子、炭化水素基、炭素数10以下の中性の共役もしくは非共役ジエン、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子を示す。
Qでのハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
Qにおける炭化水素基としては、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基が好ましい。炭素数1〜10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1,1−ジエチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1,1,2,2−テトラメチルプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,1,3−トリメチルブチル基、ネオペンチル基が例示され;炭素数3〜10のシクロアルキル基としては、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシル基、1−メチル−1−シクロヘキシル基が例示される。炭化水素基の炭素数は、5以下であることがより好ましい。
炭素数10以下の中性の共役または非共役ジエンとしては、s−シス−またはs−トランス−η4−1,3−ブタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−3−メチル−1,3−ペンタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−1,4−ジベンジル−1,3−ブタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−2,4−ヘキサジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−1,3−ペンタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−1,4−ジトリル−1,3−ブタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−1,4−ビス(トリメチルシリル)−1,3−ブタジエンが例示される。
アニオン配位子としては、メトキシ、tert−ブトキシ等のアルコキシ基;フェノキシ等のアリールオキシ基;アセテート、ベンゾエート等のカルボキシレート基;メシレート、トシレート等のスルホネート基が例示される。
孤立電子対で配位可能な中性配位子としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィン等の有機リン化合物;テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類が例示される。
Qの好ましい態様は、ハロゲン原子または炭素数1〜5のアルキル基である。
nは1〜3の整数であり、好ましくは1または2であり、より好ましくは1である。nが上記値であることにより、生成する4−メチル−1−ペンテン系重合体を効率的に得る観点から好ましい。
jは1〜4の整数であり、好ましくは2である。
以上、一般式[A2]または[A3]で表される架橋メタロセン化合物の構成、すなわちR1〜R10、R1b〜R12b、M、n、Qおよびjについて、好ましい態様を説明した。本発明では、それぞれの好適態様の任意の組合せも好ましい態様である。このような架橋メタロセン化合物は、上記物性を有する本発明に係わる4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)を得るために好適に使用することができる。
一般式[A3]で表される架橋メタロセン化合物としては、(8-オクタメチルフルオレン-12'-イル-(2-(アダマンタン-1-イル)-8-メチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン))ジルコニウムジクロライドまたは(8-(2,3,6,7-テトラメチルフルオレン)-12'-イル-(2-(アダマンタン-1-イル)-8-メチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン))ジルコニウムジクロライドが特に好ましい。ここで、上記オクタメチルフルオレンとは1,1,4,4,7,7,10,10-オクタメチル-2,3,4,7,8,9,10,12-オクタヒドロ-1H-ジベンゾ[b,h]フルオレンのことである。
〈化合物(B)〉
オレフィン重合用触媒は、
(B−1)有機金属化合物
(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物
(B−3)(A)と反応してイオン対を形成する化合物
から選ばれる少なくとも1種の化合物(以下「化合物(B)」ともいう。)
を含有することが好ましい。
化合物(B)および後述する担体(C)、有機化合物成分(D)の具体例は、特許文献3および4、あるいは国際公開第2014−123212号に開示のあるとおりである。担体(C)についてはさらに、国際公開第2010−055652号、国際公開第2011−142400号、国際公開第2013−146337号、特開2015−74645号公報に開示のある例を適用可能である。
〈担体(C)〉
オレフィン重合用触媒は、さらに担体(C)を含有することがより好ましい。
担体(C)としては、例えば、無機または有機の化合物であって、顆粒状ないしは微粒子状の固体が挙げられる。架橋メタロセン化合物(A)は、担体(C)に担持された形態で用いることが好ましい。
〈有機化合物成分(D)〉
本発明のオレフィン重合用触媒は、さらに必要に応じて、(D)有機化合物成分を含有することもできる。有機化合物成分(D)は、必要に応じて、重合性能および生成ポリマーの物性を向上させる目的で使用される。有機化合物(D)としては、例えば、アルコール類、フェノール性化合物、カルボン酸、リン化合物、アミド、ポリエーテルおよびスルホン酸塩等が挙げられる。
〈比(Mz/Mw)および比(Mw/Mn)の調節方法〉
本発明に係わる4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)の比(Mz/Mw)および比(Mw/Mn)は、単段もしくは二段重合等の多段重合法で、分子量の異なる複数の重合体を重合中もしくは重合後にブレンドすることによって調節が可能である。
また、単段重合でありながら、水素を分割して「重合初期」及び「重合体製造の途中」で投入することで比(Mz/Mw)および(Mw/Mn)を任意の値に調節することが可能である。より具体的には、重合初期に投入する水素を少量とすることで高分子量体を重合し、重合がある程度進んだ段階において水素をより多量にフィードすることによって比較的低分子量体を重合することによって、最終的に得られる重合体の比(Mz/Mw)および(Mw/Mn)を調整することができる。
<4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)を含む樹脂組成物>
本発明における4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)を含む樹脂組成物は、前記4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)を必須の構成成分とし、その他本発明にかかる成形体の用途に応じて各種成分を含む。
〔4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)以外の各種成分〕
4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)を含む樹脂組成物は、その用途に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲で他の樹脂や重合体、樹脂用添加剤等を任意に含有することができる。
添加する他の樹脂または重合体としては、下記の熱可塑性樹脂(E)を広く用いることができる。これら樹脂または重合体の添加量は樹脂組成物の総質量に対して、0.1〜30質量%であることが好ましい。
熱可塑性樹脂(E)は、本発明に係る4-メチル-1-ペンテン系重合体(X)と異なる限り、特に制限されないが、例えば、以下の樹脂が挙げられる。
熱可塑性ポリオレフィン系樹脂、たとえば、低密度、中密度、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリ3−メチル−1−ペンテン、ポリ3−メチル−1−ブテン、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、1−ブテン・α−オレフィン共重合体、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体、環状オレフィン共重合体、塩素化ポリオレフィン、およびこれらのオレフィン系樹脂を変性した変性ポリオレフィン樹脂;
熱可塑性ポリアミド系樹脂、たとえば、脂肪族ポリアミド(ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612)、
熱可塑性ポリエステル系樹脂;たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル系エラストマー;
熱可塑性ビニル芳香族系樹脂、たとえば、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、スチレン系エラストマー(スチレン・ブタジエン・スチレンブロックポリマー、スチレン・イソプレン・スチレンブロックポリマー、スチレン・イソブチレン・スチレンブロックポリマー、前述の水素添加物);
熱可塑性ポリウレタン;塩化ビニル樹脂;塩化ビニリデン樹脂;アクリル樹脂;エチレン・酢酸ビニル共重合体;エチレン・メタクリル酸アクリレート共重合体;アイオノマー;エチレン・ビニルアルコール共重合体;ポリビニルアルコール;フッ素系樹脂ポリカーボネート;ポリアセタール;ポリフェニレンオキシド;ポリフェニレンサルファイドポリイミド;ポリアリレート;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ロジン系樹脂;テルペン系樹脂および石油樹脂;
共重合体ゴム、たとえば、エチレン・α−オレフィン・ジエン共重合体、プロピレン・α−オレフィン・ジエン共重合体、1−ブテン・α−オレフィン・ジエン共重合体、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ネオプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、ポリイソブチレンゴム、天然ゴム、シリコーンゴム等が例示される。
ポリプロピレンとしては、アイソタクティックポリプロピレンとシンジオタクティックポリプロピレンが挙げられる。アイソタクティックポリプロピレンは、ホモポリプロピレンであっても、プロピレン・炭素数2〜20のα−オレフィン(ただしプロピレンを除く)ランダム共重合体であっても、プロピレンブロック共重合体であってもよい。
ポリ4−メチル−1−ペンテンおよび4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体は、4-メチル-1-ペンテン系重合体(X)とは異なる重合体であり、4−メチル−1−ペンテンの単独重合体、または4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィンランダム共重合体である。4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィンランダム共重合体の場合、4−メチル−1−ペンテンと共重合するα−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20 、好ましくは6〜20のα−オレフィンが挙げられる。これらは、1種単独で、あるいは2種以上組み合せて用いることができる。メルトフローレート(MFR;ASTMD1238 、260℃ 、5.0kg荷重)は、0.1〜200g/10分であることが好ましく、より好ましくは1〜150g/10分である。ポリ4-メチル-1-ペンテンは、市販品を使用することもでき、例えば三井化学(株)製のTPX(商標名)などが挙げられる。その他のメーカーのポリ4-メチル-1-ペンテンでも、上記要件を満たせば好ましく使用することができる。
ポリエチレンとしては、従来公知の手法で製造されている、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレンを使用することが出来る。
ポリ1−ブテンとしては、1−ブテンのホモポリマー、あるいは1−ブテンと、1−ブテンを除くオレフィンとの共重合体を挙げることができる。1−ブテンと共重合するオレフィンとしては、4−メチル−1−ペンテンと共重合するα−オレフィンとして挙げた前記α−オレフィンが挙げられ、これらのオレフィンは、単独で、または2種以上混合して用いられる。共重合体として、例えば、1−ブテン・エチレンランダム共重合体、1−ブテン・プロピレンランダム共重合体、1−ブテン・メチルペンテン共重合体、1−ブテン・メチルブテン共重合体、1−ブテン・プロピレン・エチレン共重合体などが挙げられる。このような共重合体において、耐熱性の点から、1−ブテン由来の構成単位の含有量が50モル%以上であることが好ましく、70モル%以上であることが更に好ましく、85%以上であることが特に好ましい。
変性ポリオレフィン樹脂は、上述したポリオレフィン樹脂にエチレン性不飽和結合含有モノマーを、有機過酸化物を用いてグラフト変性することにより得ることができる。変性ポリオレフィンが有する官能基の種類としては、ハロゲン原子、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、水酸基、アミノ基、アミド基、イミド基、エステル基、アルコキシシラン基、酸ハライド基およびニトリル基等が挙げられる。
ロジン系樹脂としては、天然ロジン、重合ロジン、マレイン酸、フマル酸、(メタ)アクリル酸などで変性した変性ロジン、ロジン誘導体が挙げられる。また、このロジン誘導体としては、前記の天然ロジン、重合ロジンまたは変性ロジンのエステル化物、フェノール変性物およびそのエステル化物などが挙げられる。さらに、これらの水素添加物も挙げることができる。
テルペン系樹脂としては、α−ピネン、β−ピネン、リモネン、ジペンテン、テルペンフェノール、テルペンアルコール、テルペンアルデヒドなどからなる樹脂が挙げられ、α−ピネン、β−ピネン、リモネン、ジペンテンなどにスチレンなどの芳香族モノマーを重合させた芳香族変性のテルペン系樹脂なども挙げられる。また、これらの水素添加物も挙げることができる。
石油樹脂としては、たとえば、タールナフサのC5留分を主原料とする脂肪族系石油樹脂、C9留分を主原料とする芳香族系石油樹脂およびそれらの共重合石油樹脂が挙げられる。すなわち、C5系石油樹脂(ナフサ分解油のC5留分を重合した樹脂)、C9系石油樹脂(ナフサ分解油のC9留分を重合した樹脂)、C5C9共重合石油樹脂(ナフサ分解油のC5留分とC9留分とを共重合した樹脂)が挙げられ、タールナフサ留分のスチレン類、インデン類、クマロン、その他ジシクロペンタジエンなどを含有しているクマロンインデン系樹脂、p−ターシャリブチルフェノールとアセチレンの縮合物に代表されるアルキルフェノール類樹脂、ο−キシレン、p−キシレンまたはm−キシレンをホルマリンと反応させてなるキシレン系樹脂なども挙げられる。
また、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂および石油樹脂からなる群より選ばれる1つ以上の樹脂は、耐候性および耐変色性に優れるために水素添加誘導体が好ましい。前記樹脂の環球法による軟化点は、40〜180℃の範囲にあることが好ましい。また、前記樹脂のGPCにより測定される数平均分子量(Mn)分子量は100〜10,000程度の範囲にあることが好ましい。ロジン系樹脂、テルペン系樹脂および石油樹脂は市販品を使用することもできる。
これらの熱可塑性樹脂(E)の中で、好ましいのは、低密度、中密度、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリ3−メチル−1−ペンテン、ポリ3−メチル−1−ブテン、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、1−ブテン・α−オレフィン共重合体、スチレン系エラストマー、酢酸ビニル共重合体、エチレン・メタクリル酸アクリレート共重合体、アイオノマー、フッ素系樹脂、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂および石油樹脂であり、より好ましいのは、耐熱性向上、低温耐性向上、柔軟性の点で、ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、ポリ1−ブテン、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、1−ブテン・α−オレフィン共重合体、酢酸ビニル共重合体、スチレン系エラストマー、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂および石油樹脂である。
また熱可塑性樹脂(E)として、好ましくはポリ3−メチル−1−ペンテン、ポリ3−メチル−1−ブテンなどが挙げられ、これらは本発明に係わる4-メチル-1-ペンテン系重合体(X)の核剤として働くことにより、得られるフィルム等の剛性の向上に寄与する。
熱可塑性樹脂(E)としては、上記熱可塑性樹脂の中から1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。
樹脂用添加剤としては、例えば、核剤、アンチブロッキング剤、顔料、染料、充填剤、滑剤、可塑剤、離型剤、酸化防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、界面活性剤、帯電防止剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、スリップ防止剤、ブ発泡剤、結晶化助剤、防曇剤、(透明)核剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、衝撃改良剤、架橋剤、共架橋剤、架橋助剤、粘着剤、軟化剤、加工助剤などが挙げられる。これらの添加剤は、1種単独でも、適宜2種以上を組み合わせても用いることができる。
核剤としては、4-メチル-1-ペンテン系重合体(X)の成形性をさらに改善させる、すなわち結晶化温度を高め、結晶化速度を速めるために、公知の核剤を使用することが可能である。とりわけ、微多孔フィルムの作製にあたり、結晶化度を高めることは、開孔率向上に寄与する。具体的には、ジベンジリデンソルビトール系核剤、リン酸エステル塩系核剤、ロジン系核剤、安息香酸金属塩系核剤、フッ素化ポリエチレン、2,2-メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)リン酸ナトリウム、ピメリン酸やその塩、2,6−ナフタレン酸ジカルボン酸ジシクロヘキシルアミド等が挙げられる。核剤の配合量は、特に限定されないが、4-メチル-1-ペンテン系重合体(X)100質量部に対して、好ましくは0.1〜1質量部である。核剤は、重合中、重合後、あるいは成形加工時などの時点で適宜添加することが可能である。
アンチブロッキング剤としては、公知のアンチブロッキング剤が使用可能である。具体的には、微粉末シリカ、微粉末酸化アルミニウム、微粉末クレー、粉末状もしくは液状のシリコン樹脂、テトラフロロエチレン樹脂、微粉末架橋樹脂、例えば架橋されたアクリル、メタクリル樹脂粉末等をあげることができる。これらのうちでは、微粉末シリカおよび架橋されたアクリル、メタクリル樹脂粉末が好ましい。
顔料としては、無機顔量(酸化チタン、酸化鉄、酸化クロム、硫化カドミウム等)、有機顔料(アゾレーキ系、チオインジゴ系、フタロシアニン系、アントラキノン系)が挙げられる。染料としてはアゾ系、アントラキノン系、トリフェニルメタン系等が挙げられる。これら顔料および染料の添加量は、特に限定されないが、4−メチル−1−ペンテン系重合体系樹脂組成物の総質量に対して、合計で、通常5質量%以下、好ましくは0.1〜3質量%である。
充填剤としてはガラス繊維、炭素繊維、シリカ繊維、金属(ステンレス、アルミニウム、チタン、銅等)繊維、カーボンブラック、シリカ、ガラスビーズ、珪酸塩(珪酸カルシウム、タルク、クレー等)、金属酸化物(酸化鉄、酸化チタン、アルミナ等)、金属の炭酸塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウム)および各種金属(マグネシウム、珪素、アルミニウム、チタン、銅等)粉末、マイカ、ガラスフレーク等が挙げられる。これらの充填剤は1種単独または2種以上の併用のいずれでもよい。
滑剤としては、ワックス(カルナバロウワックス等)、高級脂肪酸(ステアリン酸等)、高級アルコール(ステアリルアルコール等)、高級脂肪酸アミド(ステアリン酸アミド等)等が挙げられる。
可塑剤としては、芳香族カルボン酸エステル(フタル酸ジブチル等)、脂肪族カルボン酸エステル(メチルアセチルリシノレート等)、脂肪族ジアルボン酸エステル(アジピン酸−プロピレングリコール系ポリエステル等)、脂肪族トリカルボン酸エステル(クエン酸トリエチル等)、リン酸トリエステル(リン酸トリフェニル等)、エポキシ脂肪酸エステル(ステアリン酸エポキシブチル等)、石油樹脂等が挙げられる。
離型剤としては、高級脂肪酸の低級(C1〜4)アルコールエステル(ステアリン酸ブチル等)、脂肪酸(C4〜30)の多価アルコールエステル(硬化ヒマシ油等)、脂肪酸のグリコールエステル、流動パラフィン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤が使用可能である。具体的には、フェノール系(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等)、多環フェノール系(2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール等)、リン系(テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4−ビフェニレンジホスフォネート等)、イオウ系(チオジプロピオン酸ジラウリル等)、アミン系(N,N−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン等)、ラクトン系の酸化防止剤等が挙げられ、これらを数種類組み合わせても使用できる。
難燃剤としては、有機系難燃剤(含窒素系、含硫黄系、含珪素系、含リン系等)、無機系難燃剤(三酸化アンチモン、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛、赤リン等)が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸系、アクリレート系等が挙げられる。
抗菌剤としては、4級アンモニウム塩、ピリジン系化合物、有機酸、有機酸エステル、ハロゲン化フェノール、有機ヨウ素等が挙げられる。
界面活性剤としては非イオン性、アニオン性、カチオン性または両性の界面活性剤を挙げることができる。非イオン性界面活性剤としては、高級アルコールエチレンオキシド付加物、脂肪酸エチレンオキシド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキシド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキシド付加物等のポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤、ポリエチレンオキシド、グリセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビットもしくはソルビタンの脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミンの脂肪族アミド等の多価アルコール型非イオン性界面活性剤などが挙げられ、アニオン性界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸のアルカリ金属塩等の硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩、高級アルコールリン酸エステル塩等のリン酸エステル塩などが挙げられ、カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩などが挙げられる。両性界面活性剤としては、高級アルキルアミノプロピオン酸塩等のアミノ酸型両面界面活性剤、高級アルキルジメチルベタイン、高級アルキル時ヒドロキシエチルベタイン等のベタイン型両性界面活性剤などが挙げられる。
帯電防止剤としては、上記の界面活性剤、脂肪酸エステル、高分子型帯電防止剤が挙げられる。脂肪酸エステルとしてはステアリン酸やオレイン酸のエステルなどが挙げられ、高分子型帯電防止剤としてはポリエーテルエステルアミドが挙げられる。
上記充填剤、滑剤、可塑剤、離型剤、酸化防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、界面活性剤、帯電防止剤などの各種添加剤の添加量は、本発明の目的を損なわない範囲内で用途に応じて、特に限定されないが、4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)を含む樹脂組成物の総質量に対して、それぞれ、0.1〜30質量%であることが好ましい。
<4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)を含む樹脂組成物の製造方法>
本発明に係わる4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)を含む樹脂組成物の製造方法は特に限定されないが、例えば、4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)と他の成分とを上述の添加割合で混合したのち、溶融混練して得られる。
溶融混練の方法は、特に制限されず、一般的に市販されている押出機などの溶融混練装置を用いて行うことが可能である。
例えば、混練機における混練を行う部分のシリンダ温度は、通常220〜320℃、好ましくは250〜300℃である。シリンダ温度が220℃よりも低いと溶融不足により混練が不十分となり、樹脂組成物の物性の向上が見られにくい。一方、温度が320℃よりも高いと、4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)の熱分解が起こる場合がある。混練時間は、通常0.1〜30分間、特に好ましくは0.5〜5分間である。混練時間が0.1分に満たないと十分に溶融混練が行われず、また、混練時間が30分を超えると4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)の熱分解が起こる場合がある。
<微多孔フィルムの成形>
本発明の微多孔フィルムは、前記ポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂組成物からなるフィルムを成形するステップ;成形したフィルムを延伸するステップ;を経て得られる。
フィルムを成形するステップでは、前記ポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂組成物を、プレス成形法、押出成形法、インフレーション法、カレンダー法などの公知の方法でフィルム状に成形しうる。フィルムを押出成形法により成形する場合、Tダイ付きキャストフィルム成形機などの押出成形機により、ペレット化した本発明の樹脂組成物を溶融押出した後、冷却ロールで冷却固化してキャストフィルムを得ることができる。キャストフィルムの厚さは、フィルムの用途にもよるが、例えば20μmである。
フィルムを延伸するステップでは、成形したフィルムを一定方向に延伸することにより、微多孔を形成する。
延伸方法には、一方向に延伸する一軸延伸法の他に、一方向に延伸した後、もう一方の方向に延伸する逐次二軸延伸法;縦横方向に同時に延伸する同時二軸延伸法;一軸方向に多段延伸を行う方法;逐次二軸延伸や同時二軸延伸の後、さらに延伸する方法、などが含まれる。中でも、一軸延伸法あるいは二軸延伸法が好ましい。
フィルムを延伸する際の、延伸温度や延伸倍率などを変えることによって、微多孔フィルムの開孔度を制御しうる。
このようにして得られる本発明の微多孔フィルムの融点は、好ましくは220〜240℃である。微多孔フィルムの融点は、本発明に係わるポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂組成物に含まれるα‐オレフィンの種類や含有量によって制御されうる。
本発明の微多孔フィルムは、高い開孔率を有しうる。微多孔フィルムの開孔率は、以下のように測定される。微多孔フィルムの表面部分を、SEM走査型電子顕微鏡(日立製作所製 S−4700)を用いて倍率10000倍で撮影した後;得られた写真を、画像処理ソフト(プラネトロン社製、Image−Pro Plus)で孔の面積を測定し、全体の面積における孔の面積の割合を開孔率とする。
<電池用セパレータ >
本発明のポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂組成物からなる微多孔フィルムは、高融点であり、かつ高い開孔率を有する。このため、リチウムイオン電池、ニッケルカドミニウム電池、ニッケル水素電池等の電池用セパレータ、特に高温での形状保持性に優れ、かつ高いイオン伝導性が求められるリチウムイオン電池用セパレータに適している。
本発明の電池用セパレータは、本発明の微多孔フィルム単独であってもよいし、本発明の微多孔フィルムと他の微多孔フィルムとを積層した多層フィルムであってもよい。多層フィルムは、電池用セパレータの電気抵抗を低減する点から、好ましくは2層または3層である。
多層フィルムにおける他の微多孔フィルムは、特に制限されないが、例えば4−メチル−1−ペンテンよりも低融点の樹脂でありうる。低融点の樹脂の例には、ポリエチレン、ポリプロピレン、α−オレフィンの含有量が多い4−メチル−1−ペンテン共重合体等が含まれる。このような多層フィルムは、高温での形状安定性に優れるだけでなく、比較的低温でのシャットダウン特性にも優れる。
多層フィルムの製造方法は、多孔化と積層の順序によって、以下の2つに大別される。a)各層を多孔化したのち、多孔化された各層を熱圧着すること、または接着剤等により接着することにより積層する方法。
b)各層を積層して積層フィルムを得た後、該積層フィルムを多孔化する方法。
a)の方法には、本発明の微多孔フィルムと、他の微多孔フィルムとをドライラミネート法、押出ラミネート法、熱ラミネート法等により熱圧着する方法が含まれる。
b)の方法には、本発明のポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂組成物層と他の樹脂組成物層とを共押出することにより積層フィルムを得た後、延伸する方法等が含まれる。
電池用セパレータの厚みは、例えば5〜100μmであり、好ましくは10〜30μmである。電池用セパレータの厚みが5μm以上であれば、実質的に必要な電気絶縁性を得ることができ、例えば大きな電圧がかかった場合にも短絡しにくい。電池用セパレータの厚みが100μm以下であれば、リチウムイオン電池用セパレータの電気抵抗を小さくできるので電池の性能を十分に確保できるとともに、電池サイズを小型化できる。
<リチウムイオン電池>
リチウムイオン電池は、正極板と負極板が電池用セパレータを介して積層されて捲回された捲回体と、電解液と、これらを収納する電池ケースと、を有する。電池セパレータは、ポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂組成物からなる微多孔フィルムを含む。
正極板は、集電体と、正極活物質層とを有する。正極活物質層の主成分である正極活物質の例には、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムマンガン酸化物、二酸化マンガン等の金属酸化物などが含まれる。正極活物質層は、必要に応じて、導電助剤やポリテトラフルオロエチレンなどの結着剤を含んでもよい。正極板の集電体の例には、ステンレス鋼製網、アルミニウム箔等が含まれる。正極板の集電体には、金属製のリードが溶接されており、電池ケースの正極端子と接続している。
負極板は、集電体と、負極活物質層とを有する。負極活物質層の主成分である負極活物質の例には、炭素材料、金属酸化物等が含まれる。炭素材料の例には、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類などである。負極板の集電体の例には、銅箔等が含まれる。負極板の集電体には、それぞれ金属製のリードが溶接されており、電池ケースの負極端子と接続している。
正極板や負極板は、任意の方法で得られる。例えば、正極板は、正極活物質に導電助剤や結着剤などを配合した合剤を、集電用の金属箔上に塗布および乾燥後、圧延することにより得られる。
電解液は、リチウム塩等の電解質を有機溶媒に溶解させた溶液またはポリマー溶液である。有機溶媒の例には、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン等が含まれる。これらの有機溶媒は、単独で用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。電解質は、例えば六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)等である。
電池ケースは、絶縁板や安全弁等を内蔵している。電池ケースの形状は、特に制限はなく、円筒型、角型、ラミネート型などが含まれる。電池ケースの材質は、軽量であること等の観点から、アルミニウムなどである。
図1は、リチウムイオン電池の構成の一例を示す断面斜視図である。図1に示されるように、リチウムイオン電池10は、正極板12と負極板14とが電池用セパレータ16を介して一体的に捲回された捲回体18と、電解液(不図示)と、これらを収納する電池ケース20とを有し、該電池ケース20の開口周縁が、ガスケットを介して正極蓋24で封止されている。そして、正極板12に溶接されたリード12Aは、正極蓋24と導通しており、負極板14に溶接されたリード14Aは、電池ケース20内の底部と導通している。
このように、本発明に係わるポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂組成物から得られる微多孔フィルムを含む電池用セパレータは、高融点であり、開孔率も高い。このため、本発明の微多孔フィルムを含む電池用セパレータは、イオン伝導率が高く、電池の異常発熱時などの高温での形状保持性に優れており、両極の短絡を防止できる。したがって、電池用セパレータに起因する電気抵抗が小さく、安全性の高いリチウムイオン電池を提供できる。
次に本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[遷移金属錯体の合成]
(8−オクタメチルフルオレン−12’−イル−(2−(アダマンタン−1−イル)−8−メチル−3,3b,4,5,6,7,7a,8−オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン))ジルコニウムジクロライド(触媒A)の合成
(1)1−アダマンチルシクロペンタジエニルリチウムの合成
窒素雰囲気下、200ml三口フラスコに1.0M濃度のエチルマグネシウムブロマイドのtert−ブチルメチルエーテル溶液40mlを装入した。この溶液を氷浴で冷却しつつシクロペンタジエン2.64gを20分間かけて滴下し、室温に戻し17時間攪拌し、溶液Aを調製した。
窒素雰囲気下、500ml三口フラスコにジイソプロピルエーテル200ml、トリフルオロメタンスルホン酸銅(II)0.36gを装入した。水浴下、この溶液に、先に調製した溶液Aを20分間かけて滴下した。1−ブロモアダマンタン4.30gをジイソプロピルエーテル40mLに溶解させて調製した溶液を滴下し、70℃で10時間攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、水浴下、飽和塩化アンモニウム水溶液200mlを加えた。有機層を分離し、水層に対しヘキサン200mlで抽出を行い、抽出後のヘキサンを先の有機層と合わせて得られた有機液を水で洗浄した。この有機液を硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。得られた固形物を、シリカゲルカラムクロマトグラフを用いて精製することにより、4.2gの粗生成物を得た。
窒素雰囲気下、100mlシュレンクフラスコに、得られた粗生成物4.2g、ヘキサ
ン20mLを装入した。氷浴下、この溶液に1.6Mのn−ブチルリチウムのヘキサン溶
液13.8mLを20分間かけて滴下し、室温に戻し17時間攪拌した。この反応液から
析出物をろ取し、ヘキサンで洗浄することにより、目的物である1−アダマンチルシクロ
ペンタジエニルリチウムを得た。収量2.70g、収率66%であった。
1H−NMRの測定結果により、目的物を同定した。測定結果は以下のとおりである。
1H−NMR(THF−d8):δ5.57−5.55(2H,m),5.52−5.50(2H,m),1.96(3H,s),1.87(6H,s),1.74(6H,s).
(2)2−(アダマンタン−1−イル)−8−メチル−3,3b,4,5,6,7,7
a,8−オクタヒドロシクロペンタ[a]インデンの合成
窒素雰囲気下、100ml三口フラスコにTHF40ml、塩化マグネシウム1.57gを装入した。この溶液に、1−アダマンチルシクロペンタジエニルリチウム3.09gをTHF10mlに溶解させて得られた溶液を5分間かけて滴下し、室温で2時間、さらに50℃で3時間攪拌した。氷/アセトン浴下、1−アセチルシクロヘキセン1.96g(15.75mmol)をTHF10mlに溶解させて得られた溶液を10分間かけて滴下し、室温で19時間攪拌した。氷/アセトン浴下、酢酸1.0ml、ピロリジン3.1mlを装入し、室温で17時間攪拌した。氷/アセトン浴下、この溶液に飽和塩化アンモニウム水溶液30mlを加えた。この溶液にヘキサン100mlを加えた後、有機層を分離し、水層に対しヘキサン200mlで抽出を行い、抽出後のヘキサンを先の有機層と合わせて得られた有機液を水で二回洗浄した。この有機液を硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。得られた固形物をメタノールから再結晶することにより、目的物である2−(アダマンタン−1−イル)−8−メチル−3,3b,4,5,6,7,7a,8−オクタヒドロシクロペンタ[a]インデンを得た。収量2.134g、収率47%であった。
1H−NMR、GC−MSの測定結果により、目的物を同定した。測定結果は以下のとおりである。
1H−NMR(Toluene−d8):δ6.06(1H,s),5.98(1H,s),2.88−2.78(2H,m),1.98−1.13(26H,m).
GC−MS:m/Z=306(M+).
(3)8−オクタメチルフルオレン−12’−イル−(2−(アダマンタン−1−イル)−8−メチル−3,3b,4,5,6,7,7a,8−オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)の合成
窒素雰囲気下、30mlシュレンク管にオクタメチルフルオレン1.546g、tert−ブチルメチルエーテル40mlを装入した。氷/アセトン浴下、この溶液に1.6Mのn−ブチルリチウムのヘキサン溶液2.62mlを15分間かけて滴下した。徐々に室温に戻しながら22時間攪拌した。この溶液に2−(アダマンタン−1−イル)−8−メチル−3,3b,4,5,6,7,7a,8−オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン1.349gを加えた。室温で19時間、さらに50℃で8時間攪拌した後、反応溶液を飽和塩化アンモニウム水溶液100mlに加えた。有機層を分離し、水層に対しヘキサン100mlで抽出を行い、抽出後のヘキサンを先の有機層と合わせて得られた有機液を水で2回洗浄した。この有機液を硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。得られた固体をアセトンで洗浄することにより、目的物である8−オクタメチルフルオレン−12’−イル−(2−(アダマンタン−1−イル)−8−メチル−3,3b,4,5,6,7,7a,8−オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)を得た。収量1.51g、収率54%であった。
FD−MSの測定結果により、目的物を同定した。測定結果は以下のとおりである。
FD−MS:m/Z=693(M+).
1H−NMRの測定結果より、得られた8−オクタメチルフルオレン−12’−イル−(2−(アダマンタン−1−イル)−8−メチル−3,3b,4,5,6,7,7a,8−オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)は複数の異性体の混合物であることが確認された。
(4)遷移金属錯体(触媒A)の合成
窒素雰囲気下、100mlシュレンク管に8−オクタメチルフルオレン−12’−イル−(2−(アダマンタン−1−イル)−8−メチル−3,3b,4,5,6,7,7a,8−オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン)1.039g、α−メチルスチレン0.47ml、ヘキサン30ml、シクロペンチルメチルエーテル2.62mlを装入した。25℃のオイルバス下、この溶液に1.6Mのn−ブチルリチウムのヘキサン溶液2.18mlを10分間かけて滴下した。50℃で4時間攪拌した後、析出物をろ過し、ヘキサンで洗浄することにより、桃色粉末を得た。100mlシュレンク管に、この桃色粉末、ジエチルエーテル30mlを装入した。この溶液をドライアイス/アセトンバスで冷却した後、この溶液に、四塩化ジルコニウム0.385g(1.65mmol)をジエチルエーテル30mlにて懸濁させて加えた。その後徐々に室温まで昇温しながら16時間攪拌した。
溶媒を減圧留去した後、ジクロロメタン約70mlを用いて残留物から可溶分を抽出した。得られた抽出液を濃縮した後、ヘキサン50mlを加え、ろ過にて不溶物を取り除いた。この溶液を約10mlまで濃縮した後、−30℃で一晩静置した。析出した粉末をろ過によって取り出し、ヘキサンで洗浄し、0.384gの橙色粉を得た。この橙色粉にジエチルエーテル5mlを加えて溶解させ、−30℃で一晩静置した。析出した粉末をろ過によって取り出し、ヘキサンで洗浄し、目的物である(8−オクタメチルフルオレン−12’−イル−(2−(アダマンタン−1−イル)−8−メチル−3,3b,4,5,6,7,7a,8−オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン))ジルコニウムジクロライドを得た。収量0.220g、収率17%であった。
1H−NMRの測定結果により、目的物を同定した。測定結果は以下のとおりである。
1H−NMR(270MHz,CDCl3,TMS基準):δ7.98(1H,s),7.86(1H,s),7.60(1H,s),7.37(1H,s),6.19(1H,J=1.6Hz,d),5.33(1H,J=1.6Hz,d),3.58−3.44(2H,m),2.35−2.28(1H,m),2.18(3H,s),1.94−1.18(54H,m).
[固体触媒成分の調製]
30℃下、充分に窒素置換した100mLの攪拌機を付けた三つ口フラスコ中に、窒素気流下で精製デカン32mL及び固体状ポリメチルアルミノキサン(東ソーファインケム社製)をアルミニウム原子換算で14.65mmol装入し、懸濁液とした。その懸濁液に、先に合成した触媒(A)50mg(ジルコニウム原子換算で0.059mmol)を4.6mmol/Lのトルエン溶液とし、この溶液12.75mLを撹拌しながら加えた。1.5時間後攪拌を止め、得られた触媒成分をデカンテーション法によりデカン50mLで3回洗浄し、デカンに懸濁させてスラリー液(B)50mLを得た。この触媒成分においてZr担持率は100%であった。
[予備重合触媒成分の調製]
上記で調製したスラリー液(B)に、窒素気流下、トリエチルアルミニウムのデカン溶液(アルミニウム原子換算で0.2mmol/mL)を0.4mL、さらに3−メチル−1−ペンテンを7.5mL(5.0g)装入した。1.5時間後攪拌を止め、得られた予備重合触媒成分をデカンテーション法によりデカン50mLで3回洗浄した。この予備重合触媒成分をデカンに懸濁させて、デカンスラリー(C)50mLを得た。デカンスラリー(C)における予備重合触媒成分の濃度は20g/L、1.05mmol−Zr/Lであり、Zr回収率は90%であった。
[製造例1]4−メチル−1−ペンテン共重合体A(重合体[A])の製造
室温、窒素気流下で、内容積1Lの攪拌機を付けたSUS製重合器に、精製デカンを425mL、ジイソブチルアルミニウムハイドライドのデカン溶液(アルミニウム原子換算で2.0mmol/mL)を0.5mL(1mol)装入した。次いで、先に調製した予備重合触媒成分のデカンスラリー溶液(C)をジルコニウム原子換算で0.0005mmol加え、水素を30NmL装入した(1回目の水素装入)。次いで、4−メチル−1−ペンテン250mLと1−デセン3.3mLとの混合溶液を2時間かけて重合器内へ連続的に一定の速度で装入した。この装入開始時点を重合開始とし、重合開始から30分かけて45℃へ昇温した後、45℃で4時間保持した。重合開始から3時間後に水素を35NmL装入した(2回目の水素装入)。重合開始から4.5時間経過後、室温まで降温し、脱圧した後、ただちに白色固体を含む重合液を濾過して固体状物質を得た。この固体状物質を減圧下、80℃で8時間乾燥し、重合体[A]を得た。収量は135gであった。その極限粘度[η]は、2.3dl/g、1−デセン由来の構成単位の含有量は1.6モル%であった。極限粘度[η]の測定方法を次に記載する。1−デセン由来の構成単位の含有量は、後述する[構成単位の含量]の項に記載の方法に従った。
[極限粘度[η]]
移動粘度計(離合社製、タイプVNR053U型)を用い、樹脂0.25〜0.27g
を25mlのデカリンに溶解させたものを試料とした。そして、ASTM J1601に
準じ、135℃にて試料の比粘度ηSPを測定し、これと濃度との比を濃度0に外挿して
極限粘度[η]を求めた。
[製造例2]4−メチル−1−ペンテン共重合体B(重合体[B])の製造
室温、窒素気流下で、内容積1Lの攪拌機を付けたSUS製重合器に、精製デカンを425mL、ジイソブチルアルミニウムハイドライドのデカン溶液(アルミニウム原子換算で2.0mmol/mL)を0.5mL(1mol)装入した。次いで、先に調製した予備重合触媒成分のデカンスラリー溶液(C)をジルコニウム原子換算で0.0005mmol加え、水素を35NmL装入した(1回目の水素装入)。次いで、4−メチル−1−ペンテン250mLと1−デセン3.3mLとの混合溶液を2時間かけて重合器内へ連続的に一定の速度で装入した。この装入開始時点を重合開始とし、重合開始から30分かけて45℃へ昇温した後、45℃で4時間保持した。重合開始から3時間後に水素を35NmL装入した(2回目の水素装入)。重合開始から4.5時間経過後、室温まで降温し、脱圧した後、ただちに白色固体を含む重合液を濾過して固体状物質を得た。この固体状物質を減圧下、80℃で8時間乾燥し、重合体[A]を得た。収量は130gであった
。その極限粘度[η]は、2.3dl/g、1−デセン由来の構成単位の含有量は1.6モル%であった。
[製造例3]4−メチル−1−ペンテン共重合体C(重合体[C])の製造
室温、窒素気流下で、内容積1Lの攪拌機を付けたSUS製重合器に、精製デカンを425mL、ジイソブチルアルミニウムハイドライドのデカン溶液(アルミニウム原子換算で2.0mmol/mL)を0.5mL(1mol)装入した。次いで、先に調製した予備重合触媒成分のデカンスラリー溶液(C)をジルコニウム原子換算で0.0005mmol加え、水素を80NmL装入した(1回目の水素装入)。次いで、4−メチル−1−ペンテン250mLと1−デセン3.0mLとの混合溶液を2時間かけて重合器内へ連続的に一定の速度で装入した。この装入開始時点を重合開始とし、重合開始から30分かけて45℃へ昇温した後、45℃で4時間保持した。重合開始から3時間後に水素を80NmL装入した(2回目の水素装入)。重合開始から4.5時間経過後、室温まで降温し、脱圧した後、ただちに白色固体を含む重合液を濾過して固体状物質を得た。この固体状物質を減圧下、80℃で8時間乾燥し、重合体[C]を得た。収量は145gであった。その極限粘度[η]は、0.9dl/g、1−デセン由来の構成単位の含有量は1.4モル%であった。
[製造例4]4−メチル−1−ペンテン共重合体D(重合体[D])の製造
室温、窒素気流下で、内容積1Lの攪拌機を付けたSUS製重合器に、精製デカンを425mL、ジイソブチルアルミニウムハイドライドのデカン溶液(アルミニウム原子換算で2.0mmol/mL)を0.5mL(1mol)装入した。次いで、先に調製した予備重合触媒成分のデカンスラリー溶液(C)をジルコニウム原子換算で0.0005mmol加え、水素を35NmL装入した(1回目の水素装入)。次いで、4−メチル−1−ペンテン250mLを2時間かけて重合器内へ連続的に一定の速度で装入した。この装入開始時点を重合開始とし、重合開始から30分かけて45℃へ昇温した後、45℃で4時間保持した。重合開始から3時間後に水素を35NmL装入した(2回目の水素装入)。重合開始から4.5時間経過後、室温まで降温し、脱圧した後、ただちに白色固体を含む重合液を濾過して固体状物質を得た。この固体状物質を減圧下、80℃で8時間乾燥し、重合体[D]を得た。収量は133gであった。その極限粘度[η]は、2.3dl/gであった。
[製造例5]4−メチル−1−ペンテン共重合体E(重合体[E])の製造
室温、窒素気流下で、内容積1Lの攪拌機を付けたSUS製重合器に、精製デカンを425mL、ジイソブチルアルミニウムハイドライドのデカン溶液(アルミニウム原子換算で2.0mmol/mL)を0.5mL(1mol)装入した。次いで、先に調製した予備重合触媒成分のデカンスラリー溶液(C)をジルコニウム原子換算で0.0005mmol加え、水素を25NmL装入した(1回目の水素装入)。次いで、4−メチル−1−ペンテン250mLと1−デセン3.3mLとの混合溶液を2時間かけて重合器内へ連続的に一定の速度で装入した。この装入開始時点を重合開始とし、重合開始から30分かけて45℃へ昇温した後、45℃で4時間保持した。重合開始から3時間後に水素を25NmL装入した(2回目の水素装入)。重合開始から4.5時間経過後、室温まで降温し、脱圧した後、ただちに白色固体を含む重合液を濾過して固体状物質を得た。この固体状物質を減圧下、80℃で8時間乾燥し、重合体[E]を得た。収量は98gであった。その極限粘度[η]は、3.2dl/g、1−デセン由来の構成単位の含有量は1.5モル%であった。
[製造例6]4−メチル−1−ペンテン共重合体F(重合体[F])の製造
室温、窒素気流下で、内容積1Lの攪拌機を付けたSUS製重合器に、精製デカンを425mL、ジイソブチルアルミニウムハイドライドのデカン溶液(アルミニウム原子換算で2.0mmol/mL)を0.5mL(1mol)装入した。次いで、先に調製した予備重合触媒成分のデカンスラリー溶液(C)をジルコニウム原子換算で0.0005mmol加え、水素を25NmL装入した(1回目の水素装入)。次いで、4−メチル−1−ペンテン250mLと1−デセン3.0mLとの混合溶液を2時間かけて重合器内へ連続的に一定の速度で装入した。この装入開始時点を重合開始とし、重合開始から30分かけて45℃へ昇温した後、45℃で4時間保持した。重合開始から3時間後に水素を25NmL装入した(2回目の水素装入)。重合開始から4.5時間経過後、室温まで降温し、脱圧した後、ただちに白色固体を含む重合液を濾過して固体状物質を得た。この固体状物質を減圧下、80℃で8時間乾燥し、重合体[F]を得た。収量は93gであった。その極限粘度[η]は、3.2dl/g、1−デセン由来の構成単位の含有量は1.4モル%であった。
[製造例7]4−メチル−1−ペンテン共重合体G(重合体[G])の製造
室温、窒素気流下で、内容積1Lの攪拌機を付けたSUS製重合器に、精製デカンを425mL、ジイソブチルアルミニウムハイドライドのデカン溶液(アルミニウム原子換算で2.0mmol/mL)を0.5mL(1mol)装入した。次いで、先に調製した予備重合触媒成分のデカンスラリー溶液(C)をジルコニウム原子換算で0.0005mmol加え、水素を15NmL装入した(1回目の水素装入)。次いで、4−メチル−1−ペンテン250mLと1−デセン4.5mLとの混合溶液を2時間かけて重合器内へ連続的に一定の速度で装入した。この装入開始時点を重合開始とし、重合開始から30分かけて45℃へ昇温した後、45℃で4時間保持した。重合開始から3時間後に水素を15NmL装入した(2回目の水素装入)。重合開始から4.5時間経過後、室温まで降温し、脱圧した後、ただちに白色固体を含む重合液を濾過して固体状物質を得た。この固体状物質を減圧下、80℃で8時間乾燥し、重合体[G]を得た。収量は50gであった。その極限粘度[η]は、4.6dl/g、1−デセン由来の構成単位の含有量は2.1モル%であった。
[製造例8]4−メチル−1−ペンテン共重合体H(重合体[H])の製造
室温、窒素気流下で、内容積1Lの攪拌機を付けたSUS製重合器に、精製デカンを425mL、ジイソブチルアルミニウムハイドライドのデカン溶液(アルミニウム原子換算で2.0mmol/mL)を0.5mL(1mol)装入した。次いで、先に調製した予備重合触媒成分のデカンスラリー溶液(C)をジルコニウム原子換算で0.0005mmol加え、水素を25NmL装入した(1回目の水素装入)。次いで、4−メチル−1−ペンテン250mLと1−デセン1.6mLとの混合溶液を2時間かけて重合器内へ連続的に一定の速度で装入した。この装入開始時点を重合開始とし、重合開始から30分かけて45℃へ昇温した後、45℃で4時間保持した。重合開始から3時間後に水素を25NmL装入した(2回目の水素装入)。重合開始から4.5時間経過後、室温まで降温し、脱圧した後、ただちに白色固体を含む重合液を濾過して固体状物質を得た。この固体状物質を減圧下、80℃で8時間乾燥し、重合体[H]を得た。収量は120gであった。その極限粘度[η]は、2.9dl/g、1−デセン由来の構成単位の含有量は0.9モル%であった。
[製造例9]4−メチル−1−ペンテン共重合体I(重合体[I])の製造
室温、窒素気流下で、内容積1Lの攪拌機を付けたSUS製重合器に、精製デカンを425mL、ジイソブチルアルミニウムハイドライドのデカン溶液(アルミニウム原子換算で2.0mmol/mL)を0.5mL(1mol)装入した。次いで、先に調製した予備重合触媒成分のデカンスラリー溶液(C)をジルコニウム原子換算で0.0005mmol加え、水素を25NmL装入した(1回目の水素装入)。次いで、4−メチル−1−ペンテン250mLと1−デセン8.0mLとの混合溶液を2時間かけて重合器内へ連続的に一定の速度で装入した。この装入開始時点を重合開始とし、重合開始から30分かけて45℃へ昇温した後、45℃で4時間保持した。重合開始から3時間後に水素を25NmL装入した(2回目の水素装入)。重合開始から4.5時間経過後、室温まで降温し、脱圧した後、ただちに白色固体を含む重合液を濾過して固体状物質を得た。この固体状物質を減圧下、80℃で8時間乾燥し、重合体[I]を得た。収量は104gであった。その極限粘度[η]は、3.1dl/g、1−デセン由来の構成単位の含有量は0.6モル%であった。
[実施例1]
重合体(A)に加え、核剤(C)として、リン酸2,2−メチレンビス(4,6ジt−ブチルフェニル)ナトリウム(以下、「核剤(c−1)」ともいう。ADEKA社製:商品名 NA−11)を、重合体(A)の重量に対して80質量ppm添加して溶融混練してペレットを得た。次いで、製膜、延伸を行ない、微多孔フィルムを得た。ペレット物性及び、微多孔フィルムの物性を評価した結果を表1に示した。
[実施例2]
重合体(B)と重合体(C)及び重合体(F)の質量比を、重合体(B)/重合体(C)/ 重合体(F) =25/30/45とした以外は、実施例1と同様にして、核剤(c−1)を、重合体(B)/重合体(C)/重合体(F)の合計重量に対して80質量ppm添加して溶融混練してペレットを得た。次いで、製膜、延伸を行ない、微多孔フィルムを得た。ペレット物性及び、微多孔フィルムの物性を評価した結果を表1に示した。
[実施例3]
重合体(B)と重合体(E)及び重合体(G)の質量比を、重合体(B)/重合体(E)/ 重合体(G) =25/45/30とした以外は、実施例1と同様にして、核剤(c−1)を、重合体(B)/重合体(E)/重合体(G)の合計重量に対して80質量ppm添加して溶融混練してペレットを得た。次いで、製膜、延伸を行ない、微多孔フィルムを得た。ペレット物性及び、微多孔フィルムの物性を評価した結果を表1に示した。
[実施例4]
重合体(C)と重合体(D)及び重合体(G)の質量比を、重合体(C)/重合体(D)/重合体(G) =25/50/25とした以外は、実施例1と同様にして、核剤(c−1)を、重合体(B)/重合体(E)/重合体(G)の合計重量に対して80質量ppm添加して溶融混練してペレットを得た。次いで、製膜、延伸を行ない、微多孔フィルムを得た。ペレット物性及び、微多孔フィルムの物性を評価した結果を表1に示した。
[比較例1]
重合体(B)を用いた以外は、実施例1と同様にして、核剤(c−1)を、重合体(B)の重量に対して80質量ppm添加して溶融混練してペレットを得た。次いで、製膜、延伸を行ない、微多孔フィルムを得た。ペレット物性及び、微多孔フィルムの物性を評価した結果を表1に示した。
[比較例2]
重合体(C)と重合体(G)の質量比を、重合体(C)重合体(G) =60/40とした以外は、実施例1と同様にして、核剤(c−1)を、重合体(B)/ 重合体(E)/ 重合体(G)の合計重量に対して80質量ppm添加して溶融混練してペレットを得た。次いで、製膜、延伸を行ない、微多孔フィルムを得た。ペレット物性及び、微多孔フィルムの物性を評価した結果を表1に示した。
[比較例3]
重合体(H)を用いた以外は、実施例1と同様にして、核剤(c−1)を、重合体(H)の重量に対して80質量ppm添加して溶融混練してペレットを得た。次いで、製膜、延伸を行ない、微多孔フィルムを得た。ペレット物性及び、微多孔フィルムの物性を評価した結果を表1に示した。
[比較例4]
重合体(I)を用いた以外は、実施例1と同様にして、核剤(c−1)を、重合体(I)の重量に対して80質量ppm添加して溶融混練してペレットを得た。次いで、製膜、延伸を行ない、微多孔フィルムを得た。ペレット物性及び、微多孔フィルムの物性を評価した結果を表1に示した。
以下、重合体、評価用ペレットおよび微多孔フィルムの評価方法を具体的に記載する。
[構成単位の含量]
4−メチル−1−ペンテン系重合体中のエチレンおよび炭素原子数3〜20のα−オレフィン(4−メチル−1−ペンテンを除く)から選ばれる少なくとも1種のオレフィンに由来の構成単位(コモノマー)の含量は、以下の装置および条件により、13C−NMRスペクトルより算出した。
ブルカー・バイオスピン製AVANCEIIIcryo−500型核磁気共鳴装置を用いて、溶媒はo−ジクロロベンゼン/ベンゼン−d6(4/1 v/v)混合溶媒、試料濃度は55mg/0.6mL、測定温度は120℃、観測核は13C(125MHz)、シーケンスはシングルパルスプロトンブロードバンドデカップリング、パルス幅は5.0μ秒(45°パルス)、繰返し時間は5.5秒、積算回数は64回とし、ベンゼン−d6の128ppmをケミカルシフトの基準値として測定した。主鎖メチンシグナルの積分値を用い、下記式によってコモノマー由来の構成単位の含量を算出した。
コモノマー由来の構成単位の含量(%)=[P/(P+M)]×100
ここで、Pはコモノマー主鎖メチンシグナルの全ピーク面積を示し、Mは4−メチル−1−ペンテン主鎖メチンシグナルの全ピーク面積を示す。
[メソダイアッド分率]
4−メチル−1−ペンテン重合体のメソダイアドアイソタクティシティー(メソダイアッド分率)は、ポリマー鎖中の任意の2個の頭尾結合した4−メチル−1−ペンテン単位連鎖を平面ジグザグ構造で表現した時、そのイソブチル分岐の方向が同一である割合と定義し、13C−NMRスペクトルから下記式により求めた。
アイソダイアッドタクティシティー(%)=[m/(m+r)]×100
(式中、m、rは下記式で表される頭−尾で結合している4−メチル−1−ペンテン単位の主鎖メチレンに由来する吸収強度を示す。)
13C−NMRスペクトルは、バルカー・バイオスピン製AVANCEIIIcryo−500型核磁気共鳴装置を用いて、溶媒はo−ジクロロベンゼン/ベンゼン−d(4/1 v/v)混合溶媒、試料濃度は60mg/0.6mL、測定温度は120℃、観測核は13C(125MHz)、シーケンスはシングルパルスプロトンブロードバンドデカップリング、パルス幅は5.0μ秒(45°パルス)、繰返し時間は5.5秒とし、ベンゼン−d6の128ppmをケミカルシフトの基準値として測定した。
ピーク領域は、41.5〜43.3ppmの領域をピークプロファイルの極小点で区切り、高磁場側を第1領域、低磁場側を第2領域に分類した。
第1領域では、(m)で示される4−メチル−1−ペンテン単位2連鎖中の主鎖メチレンが共鳴するが、4−メチル−1−ペンテン単独重合体とみなした積算値を「m」とした。第2領域では、(r)で示される4−メチル−1−ペンテン単位2連鎖中の主鎖メチレンが共鳴し、その積算値を「r」とした。なお、0.01%未満を検出限界以下とした。
[メルトフローレート(MFR)](g/10min)
メルトフローレート(MFR)はASTM D1238に準拠して260℃、5kg荷重の条件で測定した。
[デカン可溶部量]
各重合体5gにn−デカン200mLを加え、145℃で1時間加熱溶解した。23℃まで冷却し、30分間放置した。その後、析出物(n−デカン不溶部)をろ別した。ろ液を約3倍量のアセトン中に入れ、n−デカン中に溶解していた成分を析出させた。析出物をアセトンからろ別し、乾燥した。その析出物の質量を測定した。なお、ろ液側を濃縮乾固しても残渣は認められなかった。n−デカン可溶部量は、以下の式によって求めた。
n−デカン可溶部量(質量%)=[析出物質量/重合体質量]×100
[融点、融解熱量]
セイコーインスツルメンツ社製DSC測定装置(DSC220C)を用い、測定用アルミパンに約5mgの試料をつめて、10℃/minで280℃まで昇温した。280℃で5分間保持した後、10℃/minで20℃まで降温させた。20℃で5分間保持した後、10℃/minで280℃まで昇温した。2回目の昇温時に観測された結晶溶融ピークの頂点が現れる温度を融点とした。また、この結晶溶融ピークの積算値から融解熱量を算出した。
[微多孔フィルムの製造]
Tダイ付きキャストフィルム成形機を用いて、シリンダー温度270℃、チルロール温度60℃でフィルム成形することで、厚さ25μmのキャストフィルムを得た。このフィルムを、フィルム製膜方向(MD方向)に室温で30%、次いで80℃恒温槽内で30%延伸して微多孔フィルムを得た。キャストフィルムの物性(破断伸び)および微多孔フィルムの物性(開孔率)を評価した結果を表1に示した。
[Mw/Mn、Mz/Mw]
重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)およびZ平均分子量(Mz)は、GPCにより測定した。GPC測定は、以下の条件で行った。また、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)およびZ平均分子量(Mz)は、市販の単分散標準ポリスチレンを用いて検量線を作成し、下記の換算法に基づいて求めた。
(測定条件)
装置:ゲル浸透クロマトグラフ HLC-8321 GPC/HT型 (東ソー社製)
有機溶媒:o−ジクロロベンゼン
カラム:TSKgel GMH6−HT 2本、TSKgel GMH6−HTLカラム 2本(何れも東ソー社製)
流速:1.0 ml/分
試料:0.15mg/mL o−ジクロロベンゼン溶液
温度:140℃
分子量換算 :PS換算/汎用較正法
なお、汎用較正の計算には、Mark−Houwink粘度式の係数を用いた。PSのMark−Houwink係数はそれぞれ、文献(J.Polym.Sci.,Part A−2,8,1803(1970))に記載の値を用いた。
[微多孔フィルム開孔率]
微多孔フィルムの表面部分を、SEM走査型電子顕微鏡(日立製作所製 S−4700)を用いて倍率10000倍で撮影した。その写真を画像処理ソフト(プラネトロン社製、Image−Pro Plus)で孔の面積を測定し、全体の面積における孔の面積の割合を開孔率とした。
[引張破断伸び]
引張破断伸びは、15ミリ幅短冊試験片を用い、JIS K7127-2に準拠して、島津製作所製「AG-X-5」を用い、試験速度200mm/minで測定した。
Figure 2019073615
[実施例と比較例の対比]
実施例1〜4の微多孔フィルムはいずれもデカン可溶分が少なく、低汚染性に優れ、開孔度は比較例1〜4と同等かそれ以上に優れていることがわかる。比較例1および2は、デカン可溶分が少なく低汚染性には優れるものの、開孔率に劣っており、これはMzが要件を満たさないためである。
10・・・リチウムイオン電池
12・・・正極板
14・・・負極板
16・・・電池用セパレータ

Claims (7)

  1. 4−メチル−1−ペンテン由来の構成単位の含有量が90〜100モル%であり、エチレンおよび炭素原子数3〜20の4−メチル−1−ペンテン以外のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィン由来の構成単位の含有量が0〜10モル%であり、23℃デカン可溶部量が5.0質量%以下である、4−メチル−1−ペンテン系重合体(X)を含む樹脂組成物から形成され、下記要件(I)を満たす、微多孔フィルム。
    (I)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した、Z平均分子量Mzが100万〜200万の範囲にある。
  2. さらに下記要件(II)を満たす請求項1に記載の微多孔フィルム。
    (II)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した、重量平均分子量Mwが40万〜100万の範囲にある。
  3. さらに下記要件(III)を満たす請求項1または2に記載の微多孔フィルム。
    (III)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn)が3.5〜20の範囲にある。
  4. 前記樹脂組成物が、核剤を0.1〜800ppm含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の微多孔フィルム。
  5. 前記核剤が、リン系核剤である、請求項4に記載の微多孔フィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の微多孔フィルムを含む電池用セパレータ。
  7. 請求項6記載の電池用セパレータを含む、リチウムイオン電池。
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