JP2019073335A - 収納容器、巻回体入り収納容器、および、切断刃 - Google Patents
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Abstract
【課題】長尺物の切断性を向上可能にした収納容器、巻回体入り収納容器、および、収納容器に設けられる切断刃を提供する。【解決手段】蓋体30における掩蓋片32の下端に沿って設けられた切断刃40を備え、切断刃40は、巻回体の軸方向での中央部40Cと、中央部40Cを挟む端部40Eとを備え、中央部40Cは、閉蓋状態において下方に突き出るV字状、または、円弧状の線上に並ぶ複数の歯を備え、端部40Eは、切断刃40の軸方向での端に近い部位ほど下方に位置する傾きを有した線上に並ぶ複数の歯を備え、端部40Eは、切断刃40の歯先のなかで最も下方に位置する歯先を含む。【選択図】図2
Description
本発明は、長尺物の巻回体を収納するための収納容器、巻回体入り収納容器、および、収納容器に設けられる切断刃に関する。
上述した収納容器は、上面が開口した箱状の容器本体と、開口を開閉するための蓋体とを備える。容器本体は、底板から立設する周壁を備え、容器本体の開口は、周壁の上辺によって区画される。容器本体の周壁は、互いに向かい合う前板と後板とを含む。蓋体は、後板の上辺に回動可能に連設された上板と、上板に連設された掩蓋片とを備える。上板は、蓋体が閉じられている状態で、後板の上辺から前板に向けて延びる形状を有し、容器本体の開口を覆う。掩蓋片は、蓋体が閉じられている状態で、上板の前辺から底板に向けて延びる形状を有し、前板の上部を前板の前側から覆う。
収納容器は、切断刃を備える。切断刃は、蓋体が閉じられている状態で、掩蓋片の下端に設けられている。切断刃は、鋸刃状を有し、掩蓋片から下方に向けて突出する複数の歯先を備える。長尺物は、例えば、ラップフィルムの巻回体であり、ラップフィルムの幅方向を巻回体の軸方向として、容器本体に収納される。ラップフィルムは、容器本体の開口から引き出されて、切断刃によって切断される。この際、ラップフィルムの利用者は、掩蓋片と前板との間からラップフィルムを引き出し、掩蓋片と切断刃とを前板に向けて押し付け、切断刃をラップフィルムに刺し込み、それによって、ラップフィルムを切断し始める。
切断刃の形状は、例えば、V字状であり、蓋体が閉じられている状態で、幅方向での中央が最も下方に位置する。V字状の切断刃は、長尺物の幅方向における中央から長尺物を切断することに適している。一方、長尺物の利用者が行う切断の方法は様々であり、長尺物の幅方向における中央部から長尺物を切断し始めることもあれば、長尺物の幅方向における一方の端部から長尺物を切断し始めることもある。そこで、長尺物の幅方向における中央部から長尺物を切断し始める方式であれ、長尺物の幅方向における一方の端部から長尺物を切断し始める方式であれ、いずれにおいても、長尺物の切断を可能とするよう、M字状の切断刃が提案されている(例えば、特許文献1,2を参照)。
上述したM字状の切断刃は、軸方向での中央部と、中央部を挟む端部とを備える。切断刃の中央部は、切断刃の幅方向における中央を含み、蓋体が閉じられている状態で、下方に突き出るV字状を有する。切断刃の端部は、切断刃の幅方向における端に近い部位ほど下方に位置する線状を有する。
ここで、巻回体の軸方向と直交し、容器本体の底板から開口に向く方向が、高さ方向である。上記M字状の切断刃では、高さ方向において最も下方に位置する部位が、切断刃の中央部に含まれ、幅方向における端部は、この最も下方に位置する部位以上の高さに位置する。そのため、上記M字状の切断刃では、長尺物を端部から切断し始める方式での切断性を、V字状の切断刃と比べて向上することは可能ではあるが、長尺物を中央部から切断し始める方式では、長尺物を切断するための力のほとんどが、長尺物の中央部と切断刃の中央部との間のみに作用するようになる。結果として、長尺物を中央部から切断し始める方式では、切断刃の端部を長尺物の端部に刺し込み難く、中央部の切断が先行し端部の切断が遅れるため、長尺物の端部に切れ残りが生じてしまい、長尺物の切断が端部において円滑に進まないおそれがある。
本発明は、長尺物の切断性を向上可能にした収納容器、巻回体入り収納容器、および、収納容器に設けられる切断刃を提供することを目的とする。
本発明は、長尺物の切断性を向上可能にした収納容器、巻回体入り収納容器、および、収納容器に設けられる切断刃を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための収納容器は、上面が開口した直方体状を有して長尺物の巻回体を収納するための容器本体と、前記容器本体の後板における上辺に回動可能に連設されて前記容器本体の開口を開閉するための上板と、前記上板の前辺に連設されて前記上板が前記開口を閉じる閉蓋状態では前記容器本体の前板の上部を前記前板の前側から覆う掩蓋片とを備える蓋体と、前記掩蓋片の下端に沿って設けられた切断刃と、を備え、前記切断刃は、前記巻回体の軸方向での中央部と、前記中央部を挟む端部とを備え、前記中央部は、前記閉蓋状態において下方に突き出るV字状、または、円弧状の線上に並ぶ複数の歯を備え、前記端部は、前記切断刃の前記軸方向での端に近い部位ほど下方に位置する傾きを有した線上に並ぶ複数の歯を備え、前記端部は、前記切断刃の歯先のなかで最も下方に位置する歯先を含む。
上記課題を解決するための巻回体入り収納容器は、長尺物が巻かれた巻回体と、上記収納容器とを備える。
上記課題を解決するための巻回体入り収納容器は、長尺物が巻かれた巻回体と、上記収納容器とを備える。
上記課題を解決するための切断刃は、長尺物の巻回体を収納する収納容器の掩蓋片に設けられて前記収納容器から引き出される長尺物を切断するための切断刃であって、前記収納容器は、上面が開口した直方体状を有する容器本体と、前記容器本体の後板における上辺に回動可能に連設されて前記容器本体の開口を開閉するための上板と、前記上板の前辺に連設されて前記上板が前記開口を閉じる閉蓋状態では前記容器本体の前板の上部を前記前板の前側から覆う前記掩蓋片とを備える蓋体と、を備え、前記切断刃は、前記掩蓋片の下端に沿って設けられるものであり、前記巻回体の軸方向での中央部と、前記中央部を挟む端部とを備え、前記中央部は、前記閉蓋状態において下方に突き出るV字状、または、円弧状の線上に並ぶ複数の歯を備え、前記端部は、前記切断刃の前記軸方向での端に近い部位ほど下方に位置する傾きを有した線上に並ぶ複数の歯を備え、前記端部は、前記切断刃の歯先のなかで最も下方に位置する歯先を含む。
上記各構成によれば、切断刃の中央部が、下方に突き出るV字状、または、円弧状を有する。また、切断刃の端部が、切断刃の端に近い位置ほど下方に位置する傾きを有した線状を有する。そして、切断刃の端部における歯先が、切断刃の中央部における歯先よりも下方に位置する部位を含む。そのため、長尺物を中央部から切断し始めるとき、まず、切断刃の端部が長尺物の端部に刺し込まれ、また、切断刃の中央部が長尺物の中央部に刺し込まれる。これによって、切断刃の中央部と長尺物の中央部との間に、長尺物を切断するための力を作用させる際に、切断刃の端部を長尺物の端部に刺し込むことが可能となる。他方、長尺物を端部から切断し始めるときには、まず、切断刃の一方の端部が長尺物の一方の端部に刺し込まれ、次いで、切断刃の刺し込みが、長尺物の一方の端部から長尺物の中央部、さらに、長尺物の中央部から長尺物の他方の端部にまで進む。結果として、長尺物を中央部から切断し始める方式であれ、長尺物を端部から切断し始める方式であれ、いずれの方式でも、長尺物の切断を円滑に進めることが可能である。
上記収納容器は、前記軸方向において、前記中央部の長さは、前記切断刃の長さの60%以上であってもよい。
上記収納容器は、前記軸方向において、前記中央部の長さは、前記切断刃の長さの60%以上であってもよい。
この収納容器によれば、切断刃の中央部が60%以上と長い分だけ、それに対応する長尺物の中央部も長い。ここで、長尺物を端部から切断し始める方式では、まず、長尺物の端部が、利用者の手によって把持される。こうした長尺物の端部は、利用者によって特定されやすい部位であり、利用者の間でばらつくことの少ない部位である。他方、長尺物を中央部から切断し始める方式では、まず、長尺物の中央部付近が、利用者の手によって把持される。この際、利用者が把持する長尺物の中央部の付近は、利用者の間で区々となりやすい。この点、上記収納容器であれば、切断刃の中央部の長さが、切断刃の長さの60%以上である。そのため、長尺物を中央部から切断し始める方式において、利用者の把持する部位を、中央部内に含めることが容易である。それゆえに、利用者の把持する部位がばらつくことによる切断性のばらつきを抑えることが容易でもある。
上記収納容器において、前記端部の歯は、第1端歯と、第1端歯よりも大きい第2端歯とを備え、前記中央部の歯は、前記第2端歯よりも小さい第1中央歯と、前記第1中央歯よりも大きい第2中央歯とを備えてもよい。この際、前記第1端歯は、前記第2端歯よりも前記中央部寄りに位置し、前記第1中央歯は、前記第2中央歯よりも前記端部寄りに位置してもよい。また、第1端歯と前記第2端歯とが交互に位置し、前記第1中央歯と前記第2中央歯とが交互に位置してもよい。
この収納容器によれば、切断刃において、第2中央歯と第2端歯とが、第1中央歯よりも大きく、これらにおいては、長尺物に対する刺し込みが深い。そのため、長尺物を中央部から切断し始める方式と、長尺物を端部から切断し始める方式とに、さらに適した構成を提供することができる。
上記収納容器は、前記端部の歯先のなかで最も下方に位置する歯先と上板との上下方向における距離と、前記中央部の歯先のなかで最も下方に位置する歯先と上板との上下方向における距離との差は、5mm以下であってもよい。この収納容器によれば、長尺物を中央部から切断し始める方式での切断性と、長尺物を端部から切断し始める方式での切断性との差異を抑えることが可能ともなる。
上記収納容器において、前記端部の歯先のなかで最も下方に位置する歯先は、前記切断刃の歯先のなかで前記軸方向における最も端に位置してもよい。この収納容器によれば、切断刃の歯先のなかで最も下方に位置する歯先が、切断刃における軸方向の端に位置する。そのため、長尺物を端部から切断し始める方式においては、長尺物の切断をさらに円滑に進められる。また、長尺物を中央部から切断し始める方式においては、軸方向における最も端の歯が長尺物に刺し込まれるため、端部における切れ残りを、さらに確実に抑えることが可能ともなる。
本発明によれば、収納容器に収納された長尺物の切断性を向上することが可能である。
図1〜図5を参照して、収納容器、巻回体入り収納容器、および、切断刃の一実施形態について説明する。図1は、閉蓋状態の収納容器を、収納容器から引き出された長尺物、および、長尺物を引き出す利用者の手と共に示す図である。
図1が示すように、巻回体入り収納容器は、収納容器10と、長尺物の一例であるラップフィルム50の巻回体50Rとを備える。収納容器10は、容器本体20と蓋体30とを備える。収納容器10は、蓋体30が閉じている状態で、一方向に延びる直方体状を有する。
容器本体20は、上面が開口した箱状を有し、前板21、後板22、底板23、および、2つの側板24を備える。前板21、後板22、および、側板24は、底板23から立設する周壁を構成する。周壁の上辺は、容器本体20の開口20Tを区画する。容器本体20は、水平面に沿った一方向に延び、水平面と直交する上方向に向けて開口している。容器本体20は、ラップフィルム50の巻回体50Rを収納する。巻回体50Rは、例えば、円筒状を有する紙製の管を備え、ラップフィルム50が管に巻き付けられている。巻回体50Rの軸方向は、収納容器10が延びる左右方向とほぼ平行である。
なお、図1では、底板23が水平面と当接するように収納容器10が配置された状態、これを基準として、底板23に対する開口20T側を上側、開口20Tに対する底板23側を下側として説明する。また、水平面と直交する方向であって、底板23から開口20Tに向けた方向を高さ方向として説明する。
前板21、後板22、および、底板23は、左右方向に延びる矩形板状を有する。前板21と後板22とは、前後方向に向かい合う。底板23は、前板21と後板22との間に位置し、底板23の前辺は、前板21の下辺であり、底板23の後辺は、後板22の下辺である。2つの側板24は、互いにほぼ同形の矩形板状を有し、左右方向に向かい合う。2つの側板24の下辺は、前板21の下辺、後板22の下辺、および、底板23の左右辺に繋がる。
蓋体30は、上板31と、掩蓋片32と、2つの側板33とを備える。上板31は、底板23とほぼ同形の矩形板状を有し、後板22の上辺に回動可能に連設されている。上板31は、上板31の後辺を軸として、容器本体20に対して回転し、容器本体20の開口20Tを開閉する。蓋体30が閉じられている状態で、上板31は、開口20Tを覆い、底板23と上下方向で向かい合う。
2つの側板33は、互いにほぼ同形の矩形板状を有する。2つの側板33の上辺は、上板31における左右辺である。2つの側板33は、蓋体30が閉じられている状態で、側板24の側方から側板24の上部を覆う。
掩蓋片32は、蓋体30が閉じられている状態で、上板31の前辺から底板23に向けて延びる板状を有し、前板21の前側から前板21の上部を覆う。掩蓋片32における上下方向の幅は、蓋体30が閉じられている状態で、左右方向の端部で最も大きく、次いで、左右方向の中央部で大きい。掩蓋片32の下辺32aは、左右方向に延びる屈曲線である。掩蓋片32の下辺32aは、蓋体30が閉じられている状態で、下辺32aと上板31との距離が、左右方向の端部で最も大きく、次いで、左右方向の中央部で大きい。掩蓋片32の内面には、切断刃40が設けられている。
切断刃40は、屈曲線上に並ぶ歯先を有した鋸刃状の刃である。切断刃40は、蓋体30が閉じられている状態で、複数の歯先が下辺32aから下方に突出するように、下辺32aに沿って設けられている。切断刃40を構成する材料は、特に限定されず、例えば、樹脂、あるいは、金属である。切断刃40は、例えば、樹脂と添加剤とを含み、添加剤の種類やその添加量によって、切断刃40の剛性や、掩蓋片32に対する切断刃40の接着性が調整される。切断刃40を構成する樹脂は、例えば、ポリ乳酸などのポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アセタール樹脂、ポリフェニレンサルファイド、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂、PES(ポリエーテルサルフォン)樹脂である。切断刃40を構成する添加剤は、例えば、オレフィン系樹脂などの樹脂や、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、シリカ、タルクなどの無機材料である。
容器本体20と蓋体30とは、例えば、1枚の厚紙を折り曲げることによって形成される。容器本体20を構成する各板、および、蓋体30を構成する上板31、掩蓋片32、側板33の各々は、複数の板部材が積層された積層体として構成することも可能であり、樹脂などの紙以外の材料で構成することも可能である。掩蓋片32に切断刃40を設ける方法は、例えば、掩蓋片32と切断刃40との間にシーラント材や接着層を介在させて、超音波接着によって行われる。なお、切断刃40の歯先は、ラップフィルム50の利用時に、掩蓋片32から露出する構成であればよく、例えば、巻回体入り収納容器の保管時や運搬時には、他の板部材で覆われていてもよい。
ラップフィルム50は、例えば、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリメチルペンテンからなる群から選択されるいずれか1つを原材料とするフィルム、もしくは、これらを組み合わせた多層フィルムなどが挙げられ、これらに限定されるものではない。
収納容器10に収納されたラップフィルム50を利用するとき、利用者は、例えば、ラップフィルム50の先端を右手で把持し、蓋体30を閉じた収納容器10を左手で握る。そして、掩蓋片32と前板21との間からラップフィルム50を引き出し、掩蓋片32の中央部を左手の親指で押さえながら、左右方向に沿う中心軸を中心として収納容器10を回転させる。これによって、切断刃40の歯先がラップフィルム50に刺し込まれ、ラップフィルム50が切断される。この際、左右方向におけるラップフィルム50の中央部を右手で把持することによって(図1における一方の右手)、ラップフィルム50を中央部から切断し始めることが可能となる。また、左右方向におけるラップフィルム50の端部を右手で把持することによって(図1における他方の右手)、ラップフィルム50を端部から切断し始めることが可能となる。
図2は、掩蓋片32、および、掩蓋片32に設けられた切断刃40の一例を示す。図3は、掩蓋片32、および、掩蓋片32に設けられた切断刃40の他の例を示す。なお、図2,3では、中央部と端部とを説明する便宜上、中央部と端部との境界を示す境界線BLを二点鎖線で示し、また、掩蓋片32の左右方向における中央を通る中心線CLを二点鎖線で示す。
図2,3が示すように、掩蓋片32は、左右方向での中央部32Cと、中央部32Cを左右方向で挟む端部32Eを備える。中央部32Cにおける下辺32aは、蓋体30が閉じた状態である閉蓋状態において、下方に突き出るV字状の屈曲線である。右側の端部32Eにおける下辺32aは、ほぼ直線状であり、閉蓋状態においては、右方向での端に近い部位ほど下方に位置する傾きを有する。左側の端部32Eにおける下辺32aは、これもほぼ直線状であり、閉蓋状態においては、左方向での端に近い部位ほど下方に位置する傾きを有する。中央部32Cにおける下辺32aと、端部32Eにおける下辺32aとの交点は、境界線BLを通る下辺32aの屈曲点である。
掩蓋片32に設けられた切断刃40は、左右方向での中央部40Cと、中央部40Cを左右方向で挟む端部40Eを備える。中央部40Cを構成する複数の歯CBは、閉蓋状態において、下方に突き出るV字状の屈曲線上に並ぶ。中央部40Cを構成する複数の歯CBの歯先は、V字状の線上に位置する。右側の端部40Eを構成する複数の歯EBは、閉蓋状態において、右方向での端に近い部位ほど下方に位置する傾きを有したほぼ直線上に並ぶ。右側の端部40Eを構成する複数の歯EBの歯先は、その直線上に位置する。左側の端部40Eを構成する複数の歯EBは、閉蓋状態において、左方向での端に近い部位ほど下方に位置する傾きを有したほぼ直線上に並ぶ。左側の端部40Eを構成する複数の歯EBの歯先は、その直線上に位置する。
端部40Eは、切断刃40の歯先のなかで最も下方に位置する歯先を含む。切断刃40の歯先のなかで最も下方に位置する歯先は、2箇所であり、右側の端部40Eと、左側の端部40Eとで別々に位置する。切断刃40の歯先のなかで最も下方に位置する歯先は、切断刃40の左右方向において最も端に位置する。
中央部40Cの歯先のなかで最も下方に位置する歯先と、上板31との高さ方向における距離は、中央刺し込み距離HCである。端部40Eの歯先のなかで最も下方に位置する歯先と、上板31との高さ方向における距離は、端部刺し込み距離HEである。端部刺し込み距離HEは、中央刺し込み距離HCよりも大きい。
中央刺し込み距離HCは、図2,3に示す各構成において、例えば、30mmである。端部刺し込み距離HEと、中央刺し込み距離HCとの差は、例えば、図2の構成において2mmであり、図3の構成において5mmである。
端部刺し込み距離HEが中央刺し込み距離HCよりも大きいため、ラップフィルム50を中央部から切断するときは、切断刃40の端部40Eがラップフィルム50の端部に刺し込まれ、次いで、切断刃40の中央部40Cがラップフィルム50の中央部に刺し込まれる。これによって、端部40Eをラップフィルム50の端部に刺し込みながら、中央部40Cとラップフィルム50の中央部との間に切断するための力を作用させる、という状態を形成できる。したがって、ラップフィルム50を中央部から切断し始めるときに、ラップフィルム50の両方の端部で切れ残りが生じることを抑えられる。
また、ラップフィルム50を端部から切断するときは、切断刃40の一方の端部40Eがラップフィルム50の一方の端部に刺し込まれ、次いで、切断刃40の刺し込みが、ラップフィルム50の中央部、さらには、ラップフィルム50の他方の端部に進む。結果として、ラップフィルム50を中央部から切断し始める方式であれ、端部から切断し始める方式であれ、ラップフィルム50の切断を円滑に進めることができる。
側板24と境界線BLとの左右方向での距離、すなわち、端部32Eの左右方向での距離は、端部幅WEである。また、境界線BLと中心線CLとの左右方向での距離、すなわち、中央部32Cの左右方向での距離の半分は、中央幅WCである。
端部幅WEは、例えば、40mmであり、中央幅WCは、例えば、110mmである。中央部40Cの左右方向での長さは、中央幅WCの2倍、例えば、220mmである。切断刃40の左右方向での長さは、中央幅WCの2倍と、端部幅WEの2倍との総和、例えば、300mmである。中央部40Cの左右方向での長さは、例えば、切断刃40の左右方向での全長の60%以上である。
切断刃40の中央部40Cが60%以上と長い分だけ、それに対応するラップフィルム50の中央部も長くなる。ここで、ラップフィルム50を端部から切断し始める方式では、ラップフィルム50の端部を利用者は把持するが、こうしたラップフィルム50の端部は、利用者によって容易に特定される部位、すなわち、利用者の間でばらつきの少ない部位である。これに対して、ラップフィルム50を中央部から切断し始める方式では、ラップフィルム50の中央部付近を利用者は把持するが、こうしたラップフィルム50の中央部付近は、利用者の間で区々となりやすい。この点、中央部40Cが60%以上と長い構成であれば、利用者の把持する部位のばらつきを、中央部40Cの範囲に含めることが可能であり、ラップフィルム50を中央部から切断し始めることが容易となる。
また、ラップフィルム50を中央部から切断する方式においては、容器を持つ手とは反対の手でラップフィルム50の中央を持ち、中央部に位置するラップフィルム50がぴんと張るように、ラップフィルム50を引っ張りながら切断する。そのため、切断刃40の端部40Eにおいては、ラップフィルム50はややたるんだ状態となりやすく、ラップフィルム50は中央部からの切断が先行して進行しやすい。そのような状況で、端部40Eの左右方向での長さが切断刃40の左右方向での長さの40%以上あると、ラップフィルム50の両端部が切れ残り、切断の際に大きな抵抗が生じ、切断性を悪化させる要因となる。そのため、中央部からの切断性を悪化させないためにも、端部40Eの左右方向での長さは切断刃40の左右方向での長さの40%以下に抑えることが好ましい。
中央部40Cを構成する複数の歯CBは、第1中央歯CB1(中歯)と第2中央歯CB2(大歯)とを備える。第1中央歯CB1の高さ方向での歯の高さは、第2中央歯CB2の高さよりも小さく、第1中央歯CB1の歯元の長さは、第2中央歯CB2の歯元の長さよりも小さい。ここで、歯の高さとは、歯の頂点(歯先)から、歯の両脇に存在する歯元を結ぶ歯元線に対して垂線をおろしたときに、垂線と歯元線との交点と歯の頂点との距離をいう。また、歯元の長さとは、歯の両脇に存在する一方の歯谷から他方の歯谷までを結んだ距離をいう。すなわち、第1中央歯CB1の大きさは、第2中央歯CB2の大きさよりも小さい。
端部40Eを構成する複数の歯EBは、第1端歯EB1(中歯)と第2端歯EB2(大歯)とを備える。第1端歯EB1の高さ方向での歯の高さは、第2端歯EB2の高さよりも小さい。第1端歯EB1の歯元の長さは、第2中央歯CB2の歯元の長さよりも小さい。すなわち、第1端歯EB1の大きさは、第2端歯EB2の大きさよりも小さい。
第1中央歯CB1の大きさと、第1端歯EB1の大きさとは、互いにほぼ等しい。また、第2中央歯CB2の大きさと、第2端歯EB2の大きさとは、互いにほぼ等しい。第1端歯EB1は、第2端歯EB2よりも中央部40C寄りに位置し、第1中央歯CB1は、第2中央歯CB2よりも端部40E寄りに位置する。
また、中央部40Cでは、第1中央歯CB1(中歯)と第2中央歯CB2(大歯)が交互に位置してもよく、端部40Eでは、第1端歯EB1(中歯)と第2端歯EB2(大歯)が交互に位置してもよい。このように構成すると、最初にラップフィルム50に接する歯は、中央部40Cであれば大歯である第2中央歯CB2であり、端部40Eであれば大歯である第2端歯EB2であるため、突き刺しに要する力を小さくすることができる。
また、切断刃40において、左右方向での中央部分と、左右方向での端部分とは、互いにほぼ等しい大きさの大歯を備える。そして、中央部40Cにおける歯先のなかで最も下方に位置する歯と、端部40Eにおける歯先のなかで最も下方に位置する歯とが、大歯である。これら大歯刃と中歯とを備える切断刃40であれば、第2中央歯CB2と第2端歯EB2とにおいて、ラップフィルム50に対する刺し込みが深いため、ラップフィルム50を中央部から切断し始める方式と、長尺物を端部から切断し始める方式との両方に、さらに適している。
なお、端部40Eに第1端歯EB1(中歯)と第2端歯EB2(大歯)とを交互に配する場合は、最も端に位置する歯が第1端歯EB1(中歯)と第2端歯(大歯)EB2とのどちらの歯になってもよい。第1端歯EB1(中歯)が最も端に位置した場合は、当該第1端歯EB1の隣の第2端歯EB2(大歯)が最も下方に位置する場合もあるが、カット性を向上させる効果は、第1端歯EB1が大歯である構成と比べてほぼ同じ程度である。
また、中央部40C及び端部40Eは、第1中央歯CB1(中歯)、第2中央歯CB2(大歯)、第1端歯EB1(中歯)、及び第2端歯EB2(大歯)よりも小さい小歯を少なくとも1つ備えてもよい。
中央部40Cの小歯は、左右方向において、中央部40Cと端部40Eとの境界線BLから中央部のV字の頂点部よりやや端部よりの部位までの範囲(中間部)に設けるのが好ましい。このとき、中間部のなかに複数の小歯を設ける場合は、相互に同じ大きさを有してもよい。中間部に複数の小歯を設けることで、中央部または端部から切断されたラップフィルム50を伝播により切断することができ、スムーズな切断が可能になる。
また、端部40Eの小歯は、左右方向において、中央部40Cと端部40Eとの境界線BLから側板24に近づく部分であって、端部40Eの第1端歯EB1(中歯)または第2端歯EB2(大歯)までの間に設けるのが好ましい。端部40Eに小歯を設けることで、端部から切断されたラップフィルム50を伝播による切断にスムーズに移行することができ、ラップフィルム50の切断が容易になる。
[試験例]
収納容器、巻回体入り収納容器、および、切断刃について、試験例を用いて説明する。
ポリ乳酸を主成分とする切断刃40を以下の寸法で打ち抜いて、約250μmの厚さを有した試験例1〜6の切断刃40を得た。試験例1〜6の切断刃40では、端部刺し込み距離HEが互いに異なる一方で、中央刺し込み距離HC、中央幅WC、および、端部幅WEは互いに等しい。試験例1〜6の切断刃40に共通する寸法を以下に示し、次いで、試験例1〜6の各々の端部刺し込み距離HEを以下に示す。
・中央刺し込み距離HC :30mm
・中央幅WC :110mm(中央部40Cが切断刃40の73%)
・端部幅WE :40mm
・試験例1の端部刺し込み距離HE :20mm
・試験例2の端部刺し込み距離HE :25mm
・試験例3の端部刺し込み距離HE :28mm
・試験例4の端部刺し込み距離HE :30mm
・試験例5の端部刺し込み距離HE :32mm
・試験例6の端部刺し込み距離HE :35mm
なお、このとき、切断刃40の中央部のV字角度は、172.5°であった。
収納容器、巻回体入り収納容器、および、切断刃について、試験例を用いて説明する。
ポリ乳酸を主成分とする切断刃40を以下の寸法で打ち抜いて、約250μmの厚さを有した試験例1〜6の切断刃40を得た。試験例1〜6の切断刃40では、端部刺し込み距離HEが互いに異なる一方で、中央刺し込み距離HC、中央幅WC、および、端部幅WEは互いに等しい。試験例1〜6の切断刃40に共通する寸法を以下に示し、次いで、試験例1〜6の各々の端部刺し込み距離HEを以下に示す。
・中央刺し込み距離HC :30mm
・中央幅WC :110mm(中央部40Cが切断刃40の73%)
・端部幅WE :40mm
・試験例1の端部刺し込み距離HE :20mm
・試験例2の端部刺し込み距離HE :25mm
・試験例3の端部刺し込み距離HE :28mm
・試験例4の端部刺し込み距離HE :30mm
・試験例5の端部刺し込み距離HE :32mm
・試験例6の端部刺し込み距離HE :35mm
なお、このとき、切断刃40の中央部のV字角度は、172.5°であった。
次に、コートボール紙から形成された容器本体20、および、蓋体30を準備し、試験例1〜6の切断刃を超音波接着によって各別の蓋体30に設けて、試験例1〜6の収納容器を得た。また、巻回体50Rの一例として、ポリ塩化ビニリデンからなるラップフィルム50の巻回体50Rを用い、試験例1〜6の収納容器10に各別に巻回体50Rを収納して、試験例1〜6の巻回体入り収納容器を得た。
そして、試験例1〜6の巻回体入り収納容器からラップフィルム50を引き出し、中央部からラップフィルム50を切断し始める方式で、切断に要する力であるカット力を測定した。なお、カット力の測定は、まず、収納容器10から引き出されたラップフィルム50における幅方向の中央部を、ステージなどに固定されたフォースゲージにチャックさせる。次いで、軸方向(左右方向)に沿う中心軸を回転軸として、収納容器10を90度回転させて、この間に得られるフォースゲージの測定値のなかの最大値をカット力として測定した。カット力の測定条件は、以下の通りである。
・カット速度 : 0.5秒で90度回転
・収納容器10からチャックまでの距離: 200mm
・フォースゲージ : イマダ ZP−50N
試験例1〜6の各々の測定結果を表1、および、図4に示す。
・カット速度 : 0.5秒で90度回転
・収納容器10からチャックまでの距離: 200mm
・フォースゲージ : イマダ ZP−50N
試験例1〜6の各々の測定結果を表1、および、図4に示す。
また、試験例1〜6の巻回体入り収納容器10を用い、幅方向の中央部からラップフィルム50を切断し始める方式(中央官能評価)と、幅方向の端部からラップフィルム50を切断し始める方式(端官能評価)との各々について、10人のモニターによる感触を評価する官能評価を行った。この際、「切りやすい」という回答に5点、「やや切りやすい」という回答に4点、「どちらともいえない」という回答に3点、「やや切りにくい」という回答に2点、「切りにくい」という回答に1点を設定した。試験例1〜6の各々について、10人のモニターから得た点数の平均値(官能平均点)を表1、および、図5に示す。
[カット力]
表1、および、図4が示すように、端部刺し込み距離HEが20mmである水準(試験例1)によれば、最も小さいカット力(3.986N)でラップフィルム50を切断できることが認められた。これに対して、試験例1よりも端部刺し込み距離HEが5mmだけ大きい水準(試験例2)では、最も大きいカット力(6.938N)を要することが認められた。そして、25mmの端部刺し込み距離HEをピークとして、端部刺し込み距離HEが25mmから増すほど、カット力が徐々に減ることが認められた。さらには、端部刺し込み距離HEが中央刺し込み距離HCよりも大きい試験例5,6において、中央部40Cが端部40Eよりも上方に位置するにも係わらず、カット力が小さいことが認められた。すなわち、中央部40Cが最も下方に位置する構成(試験例2,3,4)よりも、端部40Eが最も下方に位置する構成(試験例5,6)で、中央部からラップフィルム50を切断し始めることに適した構成が得られることが認められた。
表1、および、図4が示すように、端部刺し込み距離HEが20mmである水準(試験例1)によれば、最も小さいカット力(3.986N)でラップフィルム50を切断できることが認められた。これに対して、試験例1よりも端部刺し込み距離HEが5mmだけ大きい水準(試験例2)では、最も大きいカット力(6.938N)を要することが認められた。そして、25mmの端部刺し込み距離HEをピークとして、端部刺し込み距離HEが25mmから増すほど、カット力が徐々に減ることが認められた。さらには、端部刺し込み距離HEが中央刺し込み距離HCよりも大きい試験例5,6において、中央部40Cが端部40Eよりも上方に位置するにも係わらず、カット力が小さいことが認められた。すなわち、中央部40Cが最も下方に位置する構成(試験例2,3,4)よりも、端部40Eが最も下方に位置する構成(試験例5,6)で、中央部からラップフィルム50を切断し始めることに適した構成が得られることが認められた。
[官能評価]
表1、および、図5が示すように、端部刺し込み距離HEが20mmである水準(試験例1)は、中央部からラップフィルム50を切断し始めることに対して、最も高い評価点(4.5)を得られる一方、端部からラップフィルム50を切断し始めることに対しては、最も低い評価点(3.3)しか得られていないことが認められた。
表1、および、図5が示すように、端部刺し込み距離HEが20mmである水準(試験例1)は、中央部からラップフィルム50を切断し始めることに対して、最も高い評価点(4.5)を得られる一方、端部からラップフィルム50を切断し始めることに対しては、最も低い評価点(3.3)しか得られていないことが認められた。
これに対して、試験例1よりも端部刺し込み距離HEが5mmだけ大きい水準(試験例2)は、端部からラップフィルム50を切断し始めることに対して、高い評価点(3.9)が得られる一方、中央部からラップフィルム50を切断し始めることに対しては、最も低い評価点(2.2)しか得られないことが認められた。
そして、25mmの端部刺し込み距離HEを徐々に大きくするほど、端部からラップフィルム50を切断し始めることに対しても、また、中央部からラップフィルム50を切断し始めることに対しても、切断性を高められることが認められた。すなわち、中央部40Cが最も下方に位置する構成(試験例2,3,4)よりも、端部40Eが最も下方に位置する構成(試験例5,6)で、中央部と端部との両方からラップフィルム50を切断し始めることに適した構成を得られることが認められた。そのうえ、端部40Eが最も下方に位置する構成(試験例5,6)であれば、中央部からラップフィルム50を切断し始めることよりも、端部からラップフィルム50を切断し始めることに適した構成を得られることも認められた。すなわち、試験例5,6の構成であれば、中央部からラップフィルム50を切断し始めた際には、両方の端部でも切断を始められる。そのため、ラップフィルム50の両方の端部に切れ残りが生じ、それに伴い、ラップフィルム50が切断刃40に引っ掛かるという不都合が抑えられることが認められた。なお、端部からラップフィルム50を切断し始めた際には、端部40Eがラップフィルム50に深く刺し込まれるため、ラップフィルム50の切断性をさらに高めることも可能となる。
以上、上記実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)ラップフィルム50を中央部から切断し始めるとき、まず、切断刃40の端部40Eがラップフィルム50の端部に刺し込まれ、次いで、切断刃40の中央部40Cがラップフィルム50の中央部に刺し込まれる。これによって、端部40Eをラップフィルム50の端部に刺し込みながら、中央部40Cとラップフィルム50の中央部との間に、切断するための力を作用させるという状態を形成できる。したがって、ラップフィルム50を中央部から切断し始めるときに、ラップフィルム50の両方の端部で切れ残りが生じることを抑えられる。
(1)ラップフィルム50を中央部から切断し始めるとき、まず、切断刃40の端部40Eがラップフィルム50の端部に刺し込まれ、次いで、切断刃40の中央部40Cがラップフィルム50の中央部に刺し込まれる。これによって、端部40Eをラップフィルム50の端部に刺し込みながら、中央部40Cとラップフィルム50の中央部との間に、切断するための力を作用させるという状態を形成できる。したがって、ラップフィルム50を中央部から切断し始めるときに、ラップフィルム50の両方の端部で切れ残りが生じることを抑えられる。
(2)ラップフィルム50を端部から切断し始めるとき、まず、切断刃40の一方の端部40Eがラップフィルム50の一方の端部に刺し込まれ、次いで、切断刃40の刺し込みが、ラップフィルム50の中央部、さらには、ラップフィルム50の他方の端部に進む。結果として、ラップフィルム50を中央部から切断し始める方式であれ、ラップフィルム50を端部から切断し始める方式であれ、ラップフィルム50の切断を円滑に進められる。
そして、巻回体入り収納容器に収納される巻回体50Rの種類が仮に変わる場合であっても、ラップフィルム50の性状に適した切断の方式を提供することが可能ともなる。それゆえに、ラップフィルム50の材質に係わらず、各フィルムに共通する切断刃40や収納容器10を用いることが可能となる。
(3)切断刃40の中央部40Cの長さが、切断刃40の長さの60%以上である。そのため、利用者の把持する部位がラップフィルム50でばらつくとしても、ラップフィルム50の切断を中央部から円滑に進めることが可能である。また、カット抵抗が大きくなりすぎることを防ぎ、ラップフィルム50の円滑な切断が可能となる。
(4)端部40Eの歯先のなかで最も下方に位置する歯先と上板31との上下方向における距離と、中央部40Cの歯先のなかで最も下方に位置する歯先と上板31との上下方向における距離との差が、5mm以下である。そのため、ラップフィルム50を中央部から切断し始める際の切断性と、ラップフィルム50を端部から切断し始める際の切断性との差異を抑えることが可能ともなる。
(5)端部40Eの歯先のなかで最も下方に位置する歯先は、切断刃40の歯先のなかで左右方向における最も端に位置する。そのため、ラップフィルム50を端部から切断し始める方式において、ラップフィルム50の切断をさらに円滑に進められる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
[中央部32C,40Cの形状]
・中央部32Cにおける下辺32aの形状は、下方に突き出る円弧状(曲線状)に変更することも可能である。また、端部32Eにおける下辺32aの形状は、左右方向の端に近い部位ほど下方に位置する曲線状に変更することも可能である。さらに、端部32Eにおける下辺32aの形状が円弧状(曲線状)の場合は、上方に突き出る形状であっても、下方に突き出る形状であってもよい。
[中央部32C,40Cの形状]
・中央部32Cにおける下辺32aの形状は、下方に突き出る円弧状(曲線状)に変更することも可能である。また、端部32Eにおける下辺32aの形状は、左右方向の端に近い部位ほど下方に位置する曲線状に変更することも可能である。さらに、端部32Eにおける下辺32aの形状が円弧状(曲線状)の場合は、上方に突き出る形状であっても、下方に突き出る形状であってもよい。
・中央部40Cを構成する複数の歯CBの歯先は、下方に突き出る円弧(曲線)上に位置することも可能である。また、端部32Eを構成する複数の歯EBの歯先は、左右方向での端に近い部位ほど下方に位置する曲線上に位置することも可能である。さらに、端部32Eを構成する複数の歯EBの歯先が円弧上(曲線上)に位置する場合は、その曲線が上方に突き出る曲線でも、下方に突き出る曲線であってもよい。
・中央部32Cの左右方向における両端部は、左右方向に延びる直線状や、上方または下方に突き出る曲線状に変更することも可能である。また、この中央部32Cの形状に合わせて、中央部40Cの左右方向における両方の端部も、左右方向に延びる直線状や、上方または下方に突き出る曲線状に変更することも可能である。
この際、端部32Eにおける中央部32C寄りの形状は、左右方向に延びる直線状や、中央部32Cに繋がる曲線状に変更することも可能である。また、端部40Eにおける中央部40C寄りの形状もまた、左右方向に延びる直線状や、中央部40Cに繋がる曲線状に変更することが可能である。すなわち、切断刃40の歯先のなかで最も下方に位置する歯先を端部40Eが含む構成であれば、中央部32Cと端部32Eとの境界は、屈曲した形状に限らず、直線状や他の形状に変更することも可能である。
[歯先の位置]
・切断刃40の歯先のなかで最も下方に位置する歯先は、1つに変更可能である。切断刃40の歯先のなかで最も下方に位置する歯先は、右側の端部40Eに位置することも可能であり、左側の端部40Eに位置することも可能である。
・切断刃40の歯先のなかで最も下方に位置する歯先は、切断刃40の左右方向において最も端よりも中央部40C側に位置することも可能である。
・切断刃40の歯先のなかで最も下方に位置する歯先は、1つに変更可能である。切断刃40の歯先のなかで最も下方に位置する歯先は、右側の端部40Eに位置することも可能であり、左側の端部40Eに位置することも可能である。
・切断刃40の歯先のなかで最も下方に位置する歯先は、切断刃40の左右方向において最も端よりも中央部40C側に位置することも可能である。
・中央部40Cにおける歯先の一部は、屈曲線上から外れた位置に配置されることも可能である。また、端部40Eにおける歯先の一部は、直線上から外れた位置に配置されることも可能である。要は、端部40Eが、切断刃40の歯先のなかで最も下方に位置する歯先を含む構成であればよい。
[歯のサイズ]
・第1中央歯CB1の大きさは、第1端歯EB1の大きさよりも大きくすることも可能であり、また、第1端歯EB1の大きさよりも小さくすることも可能である。また、第1中央歯CB1は互いに異なる複数の大きさ(中歯と小歯)を有し、第1端歯EB1は互いに異なる複数の大きさ(中歯と小歯)を有することも可能である。この際、第1中央歯CB1の一部の大きさと、第1端歯EB1の一部の大きさとを等しくすることも可能であり、全ての第1端歯EB1の大きさと異ならせることも可能である。また、第1端歯EB1の一部の大きさと、第1中央歯CB1の一部の大きさと等しくすることも可能であり、全ての第1中央歯CB1の大きさと異ならせることも可能である。
・第1中央歯CB1の大きさは、第1端歯EB1の大きさよりも大きくすることも可能であり、また、第1端歯EB1の大きさよりも小さくすることも可能である。また、第1中央歯CB1は互いに異なる複数の大きさ(中歯と小歯)を有し、第1端歯EB1は互いに異なる複数の大きさ(中歯と小歯)を有することも可能である。この際、第1中央歯CB1の一部の大きさと、第1端歯EB1の一部の大きさとを等しくすることも可能であり、全ての第1端歯EB1の大きさと異ならせることも可能である。また、第1端歯EB1の一部の大きさと、第1中央歯CB1の一部の大きさと等しくすることも可能であり、全ての第1中央歯CB1の大きさと異ならせることも可能である。
・第2中央歯CB2の大きさは、第2端歯EB2の大きさよりも大きくすることも可能であり、また、第2端歯EB2の大きさよりも小さくすることも可能である。また、第2中央歯CB2は互いに異なる複数の大きさ(大歯と中歯)を有し、第2端歯EB2は互いに異なる複数の大きさ(大歯と中歯)を有することも可能である。この際、第2中央歯CB2の一部の大きさと、第2端歯EB2の一部の大きさとを等しくすることも可能であり、全ての第2端歯EB2の大きさと異ならせることも可能である。また、第2端歯EB2の一部の大きさと、第2中央歯CB2の一部の大きさと等しくすることも可能であり、全ての第2中央歯CB2の大きさと異ならせることも可能である。
・切断刃40を構成する各歯の大きさは、歯の高さ、および、左右方向における歯の幅(歯元の長さ)の両方を大きくすることも可能である。
・切断刃40を構成する各歯の大きさは、全て同一とすることも可能である。
[その他]
・容器本体20と蓋体30とは、別体として構成することも可能である。
・長尺物は、アルミニウム箔やクッキングシートに変更することも可能である。
・切断刃40を構成する各歯の大きさは、歯の高さ、および、左右方向における歯の幅(歯元の長さ)の両方を大きくすることも可能である。
・切断刃40を構成する各歯の大きさは、全て同一とすることも可能である。
[その他]
・容器本体20と蓋体30とは、別体として構成することも可能である。
・長尺物は、アルミニウム箔やクッキングシートに変更することも可能である。
CB,EB…歯、CB1…第1中央歯、CB2…第2中央歯、EB1…第1端歯、EB2…第2端歯、10…収納容器、20…容器本体、20T…開口、21…前板、22…後板、30…蓋体、31…上板、32…掩蓋片、32C…中央部、32E…端部、40…切断刃、40C…中央部、40E…端部、50…ラップフィルム、50R…巻回体。
Claims (9)
- 上面が開口した直方体状を有して長尺物の巻回体を収納するための容器本体と、
前記容器本体の後板における上辺に回動可能に連設されて前記容器本体の開口を開閉するための上板と、前記上板の前辺に連設されて前記上板が前記開口を閉じる閉蓋状態では前記容器本体の前板の上部を前記前板の前側から覆う掩蓋片とを備える蓋体と、
前記掩蓋片の下端に沿って設けられた切断刃と、を備え、
前記切断刃は、前記巻回体の軸方向での中央部と、前記中央部を挟む端部とを備え、
前記中央部は、前記閉蓋状態において下方に突き出るV字状、または、円弧状の線上に並ぶ複数の歯を備え、
前記端部は、前記切断刃の前記軸方向での端に近い部位ほど下方に位置する傾きを有した線上に並ぶ複数の歯を備え、
前記端部は、前記切断刃の歯先のなかで最も下方に位置する歯先を含む
収納容器。 - 前記軸方向において、前記中央部の長さは、前記切断刃の長さの60%以上である
請求項1に記載の収納容器。 - 前記端部の歯は、第1端歯と、第1端歯よりも大きい第2端歯とを備え、
前記中央部の歯は、前記第2端歯よりも小さい第1中央歯と、前記第1中央歯よりも大きい第2中央歯とを備える
請求項1又は2に記載の収納容器。 - 前記第1端歯は、前記第2端歯よりも前記中央部寄りに位置し、
前記第1中央歯は、前記第2中央歯よりも前記端部寄りに位置する
請求項3に記載の収納容器。 - 前記第1端歯と前記第2端歯とは交互に位置し、
前記第1中央歯と前記第2中央歯とは交互に位置する
請求項3に記載の収納容器。 - 前記端部の歯先のなかで最も下方に位置する歯先と前記上板との上下方向における距離と、前記中央部の歯先のなかで最も下方に位置する歯先と前記上板との上下方向における距離との差は、5mm以下である
請求項1から5のいずれか一項に記載の収納容器。 - 前記端部の歯先のなかで最も下方に位置する歯先は、前記切断刃の歯先のなかで前記軸方向における最も端に位置する
請求項1から6のいずれか一項に記載の収納容器。 - 長尺物が巻かれた巻回体と、
請求項1から7のいずれか一項に記載の収納容器と、を備える
巻回体入り収納容器。 - 長尺物の巻回体を収納する収納容器の掩蓋片に設けられて前記収納容器から引き出される長尺物を切断するための切断刃であって、
前記収納容器は、
上面が開口した直方体状を有する容器本体と、
前記容器本体の後板における上辺に回動可能に連設されて前記容器本体の開口を開閉するための上板と、前記上板の前辺に連設されて前記上板が前記開口を閉じる閉蓋状態では前記容器本体の前板の上部を前記前板の前側から覆う前記掩蓋片とを備える蓋体と、を備え、
前記切断刃は、
前記掩蓋片の下端に沿って設けられるものであり、
前記巻回体の軸方向での中央部と、前記中央部を挟む端部とを備え、
前記中央部は、前記閉蓋状態において下方に突き出るV字状、または、円弧状の線上に並ぶ複数の歯を備え、
前記端部は、前記切断刃の前記軸方向での端に近い部位ほど下方に位置する傾きを有した線上に並ぶ複数の歯を備え、
前記端部は、前記切断刃の歯先のなかで最も下方に位置する歯先を含む
切断刃。
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