JP2019073322A - 包装容器 - Google Patents

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秀人 酒井
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謙吾 酒井
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Abstract

【課題】 ユーザが梱包部材を取り出すことなく、容易に被梱包物を取り出すことができる包装容器を提供することができる。【解決手段】 被梱包物を収納する凹部に加え、凹部を覆う位置と、凹部に収容された被梱包物を露出させる位置と、を回動することによって取り得る開閉部を有する箱と、箱と被梱包物の間に配置された梱包部材と、を備えた梱包容器であって、箱は、開閉部に繋がり、凹部の一部を構成する面を有し、梱包部材は、箱の開閉部と被梱包物の間に配置される第1緩衝領域と、箱の凹部の一部を構成する面と被梱包物の間に配置される第2緩衝領域と、を有し、第1緩衝領域及び第2緩衝領域が樹脂で一体的に形成されたものであって、箱の開閉部を回動させることにより、第1緩衝領域を連動して移動させ、凹部に収納された被梱包物が取り出し可能となることを特徴とする。【選択図】 図5

Description

本発明は、被梱包物を梱包する際に使用する包装容器に関するものである。
ここで、包装容器とは、被梱包物を輸送する際に外部からの振動、衝撃から被梱包物を保護するためのものである。被梱包物としては、例えば画像形成装置のカートリッジがある。画像形成装置は、例えば電子写真複写機、電子写真プリンタ(例えば、レーザービームプリンタ、LEDプリンタ等)、ファクシミリ装置及びワードプロセッサ等が含まれる。またカートリッジとは、画像形成装置に対して着脱可能とするものであり、例えば像担持体である電子写真感光体を有するものと、電子写真感光体に作用する現像手段をカートリッジ化したもの、あるいは、主に現像剤のみをカートリッジ化したものなどがある。
電子写真プロセスを用いたプリンタ等の電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置)は、像担持体である電子写真感光体を一様に帯電させ、電子写真感光体への選択的な露光によって潜像を形成する。そして潜像は現像剤で現像され、現像剤像として顕在化される。そして現像剤像を記録媒体に転写する。
転写された現像剤像に熱や圧力を加えることで現像剤像を記録媒体に定着させて画像を記録している。従来、このような画像形成装置は現像剤補給や各種プロセス手段のメンテナンスを伴っていた。
この現像剤補給作業やメンテナンスを容易にする手段として電子写真感光体、帯電手段、現像手段、クリーニング手段等の全てもしくは一部を枠体内にまとめてカートリッジ化している。そして、このプロセスカートリッジ(以下、カートリッジ)を画像形成装置に着脱可能とするプロセスカートリッジ方式が採用されている。
このプロセスカートリッジ方式によれば、装置のメンテナンスをカートリッジの交換という形でユーザ自身が行えるため、格段に操作性を向上させることができる。このようにカートリッジを着脱可能とし、ユーザがカートリッジを交換できる構成としたことから、ユーザが画像形成装置本体からカートリッジを取り出し、新しいカートリッジと交換することが一般的となっている。
ここで、出荷された新品のカートリッジは、輸送時の振動や衝撃からカートリッジを保護するための包装容器に梱包されている。そして、画像形成装置本体への新品のカートリッジ装着時には、ユーザが包装容器を開梱し、カートリッジを包装容器から取り出し、画像形成装置本体に装着する。
そして、カートリッジを輸送時の振動や衝撃から保護する包装容器については、種々のものが提案されている。例えば、特許文献1で示すように、パルプモールド材の梱包部材をカートリッジの両側側面を挟み込む形で装着し、その状態で包装箱に梱包している。
特許第3507377号公報
しかしながら上記従来例では、被梱包物を梱包部材と共に包装箱から取り出し、その後、梱包部材を被梱包物から取り外すという作業が必要であり、ユーザは開梱において、一定の作業工数が必要であった。
本発明は、前述の従来技術の課題を鑑みて考察したものである。その目的は、ユーザが梱包部材を取り出すことなく、容易に被梱包物を取り出すことができる包装容器を提供することである。
上記目的を達成するため、本出願に係る包装容器は、被梱包物を収納する凹部に加え、凹部を覆う位置と、凹部に収容された被梱包物を露出させる位置と、を回動することによって取り得る開閉部を有する箱と、箱と被梱包物の間に配置された梱包部材と、を備えた梱包容器であって、箱は、開閉部に繋がり、凹部の一部を構成する面を有し、梱包部材は、箱の開閉部と被梱包物の間に配置される第1緩衝領域と、箱の凹部の一部を構成する面と被梱包物の間に配置される第2緩衝領域と、を有し、第1緩衝領域及び第2緩衝領域が樹脂で一体的に形成されたものであって、箱の開閉部を回動させることにより、第1緩衝領域を連動して移動させ、凹部に収納された被梱包物が取り出し可能となる
ことを特徴とする。
本発明によれば、ユーザが梱包部材を取り出すことなく、容易に被梱包物を取り出すことができる包装容器を提供することができる。
実施例1に係る包装容器の斜視図 電子写真画像形成装置の側断面図 カートリッジの側断面図 実施例1に係る梱包部材、包装箱を示す斜視図 実施例1に係る梱包体の断面図 実施例1に係る梱包部材と包装箱の一部との係合状況を示す部分拡大図 実施例1に係る梱包部材と包装箱の一部との係合状況を示す図 実施例1に係る梱包部材と包装箱の一部との係合状況を示す上面図 実施例1に係る梱包部材での衝撃を吸収するメカニズムを説明する図 実施例1に係る梱包部材の変形例を説明する図 実施例1の変形例1に係る梱包体を示す図 実施例1の変形例2に係る梱包体を示す図 実施例2に係る梱包体を示す図 実施例2に係る梱包体で用いた梱包部材を示す図 実施例2の変形例に係る梱包体を示す図
[実施例1]
本発明に係る包装容器の一実施例について説明する。包装容器に梱包される被梱包物としては、画像形成装置に着脱可能なカートリッジとした場合を例に挙げ、説明する。まず初めに、画像形成装置、そしてこの画像形成装置に着脱可能とされた被梱包物となるカートリッジを説明した後、本実施例に係る梱包容器の説明を行う。
≪画像形成装置≫
図2を用いて、カートリッジが着脱される画像形成装置1について、説明を行う。この画像形成装置1は、画像形成に作用するプロセス手段をカートリッジとして着脱可能としたプロセスカートリッジ方式を用いたものである。画像形成装置1として、4個のカートリッジP(PY、PM、PC、PK)が着脱可能なフルカラー画像形成装置である場合を例示し、説明する。
画像形成装置1は、カートリッジPを装置本体2に取り外し可能に装着して、記録媒体Sにカラー画像形成を行う。記録媒体Sの一例としては、記録紙、ラベル紙、OHPシート、布等が挙げられる。より具体的には、画像形成装置1は、第1のカートリッジPY、第2のカートリッジPM、第3のカートリッジPC、第4のカートリッジPKの4つのカートリッジP(PY・PM・PC・PK)が装置本体2の内部で水平方向に配置され、構成されている。画像形成装置1のうちカートリッジPを除いた装置本体2は、光学手段LB、転写ローラ10等の転写手段、定着手段11の他、記録媒体Sの給送手段14等を有する。
第1〜第4の各カートリッジP(PY・PM・PC・PK)は、クリーニングユニット8と現像装置9が互いに結合され、構成されており、それぞれ同様の電子写真プロセス機構を有している(図3)。クリーニングユニット8は、感光体ドラム(電子写真感光体)4(4Y・4M・4C・4K)を備えている。クリーニングユニット8は、さらに感光体ドラム4に作用するプロセス手段として、帯電ローラ5(5Y・5M・5C・5K)等の帯電手段や、クリーニングブレード7(7Y・7M・7C・7K)等のクリーニング手段を備えている。一方、現像装置9は、感光体ドラム4に作用するプロセス手段として現像ローラ(現像剤担持体)6等の現像手段と、この現像手段を支持する現像枠体13と、を有する。現像枠体13内に、第1のカートリッジPYはイエロー(Y)、第2のカートリッジPMはマゼンタ(M)、第3のカートリッジPCはシアン(C)、そして、第4のカートリッジPKはブラック(K)のトナー(現像剤)が収容されている。
感光体ドラム4は、装置本体2からの電圧印加によって、帯電ローラ5で感光体ドラム4の表面を一様に帯電する。そして、光学手段LBは、帯電した感光体ドラム4に画像情報に応じたレーザー光Lを帯電した感光体ドラム4に照射し、感光体ドラム4に画像情報に応じた静電潜像を形成する。この静電潜像は、現像手段によってトナーで現像され、感光体ドラム4表面に現像剤像が形成される。第1〜第4の各カートリッジPにおいて感光体ドラム4表面に形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色からなる現像剤像は、順次、中間転写ベルト3に一次転写され、中間転写ベルト3上にカラーの現像剤像が形成される。
一方、記録媒体Sは、現像剤像の形成と同期して、一枚ずつ分離給送される。そして、記録媒体Sは、転写手段としての転写ローラ10へと搬送される。転写ローラ10は、中間転写ベルト3の表面に接触するように付勢される。そして、記録媒体Sは、中間転写ベルト3と転写ローラ10とで形成されたニップ部を通される。このとき、転写ローラ10に現像剤像と逆極性の電圧を印加することで、中間転写ベルト3上に形成されたカラーの現像剤像が、記録媒体Sに転写される。現像剤像が転写された記録媒体Sは、定着手段11へ搬送される。そして、記録媒体Sは、定着手段11で熱及び圧力が加えられ、記録媒体Sに転写された現像剤像が定着される。これによって、記録媒体Sに画像が形成される。その後、記録媒体Sは、搬送され、排出部12へ排出される。
なお、転写後の感光体ドラム4の表面は、クリーニングブレード7によって、清掃され、再度、帯電ローラ5で表面が一様に帯電されることにより、画像形成可能とされる。
≪包装容器の構成≫
カートリッジPは、輸送時においては、振動や落下等で外部から加わる衝撃が緩和されるようにし、破損することを防止すべく、包装容器の内部に収容され、梱包体Uとされている。梱包体Uは、図1及び図5に示すように、被梱包物であるカートリッジPと、カートリッジPを収容する包装箱Aと、カートリッジPと包装箱Aの間に配置された梱包部材B(BR,BL)と、からなる。なお図1は、包装箱Aの開口部が開放され、カートリッジPが取り出し可能とされた梱包体Uを示す図である。図5(a)は、カートリッジPが梱包部材Bを介して包装箱Aの間に配置された構成を示す断面図であり、図5(b)は、包装箱Aの開口部が開放され、カートリッジPが取り出し可能とされた梱包体Uを示す図1におけるD−D断面図である。
包装箱Aは、段ボールなどの紙の他、樹脂など一定の強度を有する材質からなり、カートリッジPを収容する箱形状の構造体として形成され、包装箱Aが潰れることにより、衝撃を吸収し、カートリッジPに加わる衝撃を緩和することができるように構成される。この他、包装箱Aは、一定の強度を有する構造体とされることにより複数積み重ねることができるようにされる他、意匠性を高め、商品パッケージとしての機能を持たせた構成とされる。
梱包部材Bは、対向する二方向からカートリッジPを挟み込むように設けられた梱包部材であり、カートリッジPの長手方向の一端(左)側に梱包部材BL、長手方向の他端(右)側に梱包部材BRがそれぞれ設けられている。カートリッジPは、梱包部材BL、BRが装着された状態で包装箱Aの内部に収容されることで、梱包部材BL、BRで包装箱Aの内部におけるカートリッジPの移動を規制し、外部から衝撃が加わった場合には、衝撃を吸収可能とされている。
なお、カートリッジPを埃等から守る為、樹脂製の収容袋(不図示)にカートリッジPを収容した後、梱包部材BL、BRを装着する構成としてもよい。包装箱Aと梱包部材Bだけを、さらには包装箱Aと梱包部材Bに収容袋を加えたものを総称して、包装容器Nとする。
≪包装容器の詳細≫
図4は、梱包部材BL、BRと包装箱Aの構成を詳細に示した図である。包装箱Aは、カートリッジPが開口部を介して収容可能とされた凹部と、この凹部を閉塞する開閉部と、を有する(図1、図4(b))。凹部は、長方形の底面板A9と、長方形の底面板A9の各辺に接続され、垂直に立ち上がる、左側板A3、右側板A4、正面板A6、背面板A8から構成されている。左側板A3における底面板A9に繋がる辺と対向する辺は、ヒンジA1hを介して左内フラップA1に、そして右側板A4における底面板A9に繋がる辺と対向する辺は、ヒンジA2hを介して右内フラップA2に、それぞれ接続されている。また同様にして、正面板A7における底面板A9に繋がる辺と対向する辺は、ヒンジA5hを介して正面フラップA5と、また背面板A8における底面板A9に繋がる辺と対向する辺は、ヒンジA7hを介して背面フラップA7と、それぞれ接続されている。左内フラップA1、右内フラップA2、正面フラップA5、そして背面フラップA7は、それぞれヒンジA1h、A2h、A5h、A7hを軸として回転可能な開閉部とされている。左内フラップA1、右内フラップA2、正面フラップA5、そして背面フラップA7は、それぞれ包装箱Aに収容されたカートリッジPが露出された開口部を閉塞するように折り畳むことができる。本実施例では、左内フラップA1、右内フラップA2が折り畳まれた後、正面フラップA5、背面フラップA7を折り畳み、左内フラップA1、右内フラップA2の上方に正面フラップA5、背面フラップA7が位置する構成とする。このために、ヒンジA1h、A2hよりヒンジA5h、A6hが上方にある構成とした。さらに本構成では、折り畳まれた際に、正面フラップA5を折り畳んだ後に、背面フラップA7(外フラップ)を折り畳み、正面フラップA5の上方に背面フラップA7が位置する、いわゆるオーバーフラップ形状とした。このため、ヒンジA5hに比べてヒンジA7hが上方にある構成とした。
梱包部材BL、BRは、図1及び図4(b)に示すように、それぞれポリプロピレン(PP)等の樹脂で一体成形されている。前述の通り、梱包部材BL、BRは、カートリッジPの梱包体とされたとき、カートリッジPの長手方向の一端、他端に、それぞれ対向するようにして設けられている。この梱包部材BL、BRは、包装箱Aの凹部の内部にカートリッジPが収納された時、カートリッジPと包装箱Aの間に介在し、カートリッジPと包装箱Aが直接接触しないように構成されている。
以下では、梱包体における梱包部材BLの構成について、順を追って説明する。梱包部材BLは、包装箱Aの左側板A3とカートリッジPの間に挟まれた左側面緩衝領域BL1を有する。梱包部材BLは、左側面緩衝領域BL1に繋がるように、カートリッジPと正面板A7の間に挟まれた正面緩衝領域BL2が設けられている。同様に、左側面緩衝領域BL1に繋がるように、カートリッジPと背面板A8の間に挟まれた背面緩衝領域BL3が設けられている。このようにして、カートリッジPは、正面緩衝領域BL2と背面緩衝領域BL3で挟まれるように構成されている。また、左側面緩衝領域BL1に繋がるようにカートリッジPと底面板A9の間に挟まれた底面緩衝領域BL4が設けられている。そして、開口部を閉塞するように左内フラップA1等が折り畳まれた状態において、左側面緩衝領域BL1に繋がる天面緩衝領域BL5がカートリッジPと左内フラップA1との間に挟まれるように設けられている(図5(a))。このようにして、カートリッジPは、底面緩衝領域BL4と天面緩衝領域BL5で挟まれるように構成されている。
本実施例では、左側面緩衝領域BL1に繋がるように、正面緩衝領域BL2、背面緩衝領域BL3、底面緩衝領域BL4、そして天面緩衝領域BL5が一体的に設けられている。このような構成とされることにより、ポリプロピレン(PP)等の樹脂を射出成形することによって簡易に形成することができるようにされている。なお本実施例では、正面緩衝領域BL2と底面緩衝領域BL4、背面緩衝領域BL3と底面緩衝領域BL4、がそれぞれ隣接する辺で繋がった構成とした。しかしこれに限らず、正面緩衝領域BL2、背面緩衝領域BL3、底面緩衝領域BL4は、それぞれ左側面緩衝領域BL1としか繋がらない構成としてもよい。このように、正面緩衝領域BL2、背面緩衝領域BL3、底面緩衝領域BL4は、直接もしくは他の緩衝領域を介して左側面緩衝領域BL1に繋がるように構成されていればよい。
また本実施例では左側面緩衝領域BL1に、カートリッジPと接触する面BL1aと、この面BL1aから包装箱Aの左側板A3へ向かって突出する緩衝部BL1bが設けられている。同様に正面緩衝領域BL2は、カートリッジPと接触する面BL2aと、この面BL2aから包装箱Aの正面板A6へ向かって突出する緩衝部BL2bと、が設けられている。背面緩衝領域BL3は、カートリッジPと接触する面BL3aと、この面BL3aから包装箱Aの背面板A8へ向かって突出する緩衝部BL3bと、が設けられている。底面緩衝領域BL4は、カートリッジPと接触する面BL4aと、この面BL4aから包装箱Aの底面板A9へ向かって突出する緩衝部BL4bと、が設けられている。そして天面緩衝領域BL5は、カートリッジPと接触する面BL5aと、この面BL5aから包装箱Aの左内フラップA1へ向かって突出する緩衝部BL5bと、が設けられている。
なお、長手方向において、正面緩衝領域BL2、背面緩衝領域BL3、底面緩衝領域BL4、そして天面緩衝領域BL5は、カートリッジPの左端部と包装箱Aとの間の距離に比べ、カートリッジPとの係合幅が大きくなるように構成した。つまり左側面緩衝領域BL1においてカートリッジPが接触する面BL1aを基準として、緩衝領域BL2〜BL5が長手方向に延在する長さは、カートリッジPの左端部と包装箱A間の距離に比べ大きくなるように構成した。これにより、複数回、落下等のさまざまな衝撃が加わった場合であっても梱包部材BLがカートリッジPと包装箱Aとの間に介在した状態とすることができ、梱包部材BLで衝撃を吸収し、カートリッジPに加わる衝撃を緩衝することができる。
同様に、梱包体における梱包部材BRの構成について、順を追って説明する。梱包部材BRは、包装箱Aの右側板A4とカートリッジPの間に挟まれた右側面緩衝領域BR1を有する。梱包部材BRは、右側面緩衝領域BR1に繋がるように、カートリッジPと正面板A6の間に挟まれた正面緩衝領域BR2が設けられている。同様に、右側面緩衝領域BR1に繋がるように、カートリッジPと背面板A8の間に挟まれた背面緩衝領域BR3が設けられている。このようにして、カートリッジPは、正面緩衝領域BR2と背面緩衝領域BR3で挟まれるように構成されている。また、右側面緩衝領域BR1に繋がるようにカートリッジPと底面板A9の間に挟まれた底面緩衝領域BR4が設けられている。そして、開口部を閉塞するように右内フラップA2等が折り畳まれた状態において、右側面緩衝領域BR1に繋がる天面緩衝領域BR5がカートリッジPと右内フラップA2との間に挟まれるように設けられている(図5(a))。このようにして、カートリッジPは、底面緩衝領域BR4と天面緩衝領域BR5で挟まれるように構成されている。
また本実施例では、右側面緩衝領域BR1に繋がるように、正面緩衝領域BR2、背面緩衝領域BR3、底面緩衝領域BR4、そして天面緩衝領域BR5が一体的に設けられている。このような構成とされることにより、ポリプロピレン(PP)等の樹脂を射出成形することによって簡易に形成することができるようにされている。なお本実施例では、正面緩衝領域BR2と底面緩衝領域BR4、背面緩衝領域BR3と底面緩衝領域BR4、がそれぞれ隣接する辺で繋がった構成とした。しかしこれに限らず、正面緩衝領域BR2、背面緩衝領域BR3、底面緩衝領域BR4は、右側面緩衝領域BR1としか繋がらない構成としてもよい。このように、正面緩衝領域BR2、背面緩衝領域BR3、底面緩衝領域BR4は、直接もしくは他の緩衝領域を介して右側面緩衝領域BR1に繋がるように構成されていればよい。
また本実施例では右側面緩衝領域BR1に、カートリッジPと接触する面BR1aと、この面BR1aから包装箱Aの右側板A4へ向かって突出する緩衝部BR1bが設けられている構成とした。同様に正面緩衝領域BR2は、カートリッジPと接触する面BR2aと、この面BR2aから包装箱Aの正面板A6へ向かって突出する緩衝部BR2bと、が設けられている。背面緩衝領域BR3は、カートリッジPと接触する面BR3aと、この面BR3aから包装箱Aの背面板A8へ向かって突出する緩衝部BR3bと、が設けられている。底面緩衝領域BR4は、カートリッジPと接触する面BR4aと、この面BR4aから包装箱Aの底面板A9へ向かって突出する緩衝部BR4bと、が設けられている。そして天面緩衝領域BR5は、カートリッジPと接触する面BR5aと、この面BR5aから包装箱Aの右内フラップA2へ向かって突出する緩衝部BR5bと、が設けられている。
なお、長手方向において、正面緩衝領域BR2、背面緩衝領域BR3、底面緩衝領域BR4、そして天面緩衝領域BR5は、カートリッジPの右端部と包装箱A間の距離に比べ、カートリッジPとの係合幅が大きくなるように構成した。つまり右側面緩衝領域BR1においてカートリッジPが接触する面BR1aを基準として、緩衝領域BR2〜BR5が長手方向に延在する長さは、カートリッジPの右端部と包装箱A間の距離に比べ大きくなるようにした。これにより、落下等のさまざまな衝撃が加わった場合であっても梱包部材BLで衝撃を吸収することができる。
《梱包部材の緩衝性能》
図9は、本実施例に係る梱包部材Bを用いた梱包体Uの落下前後を示す図である。以下では、カートリッジPの長手方向と直交する正面から背面方向に延びるx軸、さらに長手方向と、x軸とに直交する底面から天面へ延びる方向をy軸として、説明を行う。
本実施例では、緩衝領域BL2〜BL5は、それぞれカートリッジPと接触する接触面BL1a〜BL5aと、接触面BL1a〜BL5aから包装箱Aへ向けて突出する緩衝部BL1b〜BL5bと、を有する構成とした(図9(a))。カートリッジPが梱包体として梱包された状態では、カートリッジPは接触面BL1a〜BL5aで囲われ、カートリッジPの荷重が緩衝部BL1b〜BL5bを介して支持された構成とされている。これにより、例えば図9(b)に示すように底面緩衝領域BL4がカートリッジPに対して下方となるように落下(W25方向)させた場合であっても、底面緩衝領域BL4の緩衝部BL4bが変形、又は潰れる。これにより、カートリッジPに加わる衝撃を吸収・緩和することができる。
本実施例では、緩衝部BL1b〜BL5bが潰れ、梱包部材Bと包装箱Aとの間に空間t1が形成された場合であっても、カートリッジPと接触面BL1a〜BL5a、ひいてはカートリッジPと梱包部材Bの相対的な位置関係は変わらない(図9(c))。このため、再度、底面緩衝領域BL4がカートリッジPに対して下方となるように落下させられた場合であっても、カートリッジPは梱包部材Bの接触面BL1a〜BL5aと接触した状態のまま、緩衝部BL1b〜BL5bが包装箱Aと接触する。これにより、緩衝部BL1b〜BL5bを変形させることができるようにし、カートリッジPに大きな衝撃が加わることを抑制している。このように、本実施例の梱包部材Bの構成とすることにより、複数回の衝撃が梱包体Uに加わった場合でもカートリッジPを守ることができる。
なお本実施例に限らず図7(a)に示すように、緩衝領域BL2〜BL5は、それぞれ包装箱Aと接触する接触面BL1a´〜BL5a´と、接触面BL1a´〜BL5a´からカートリッジPへ向けて突出する緩衝部BL1b´〜BL5b´と、してもよい。これにより、例えば図7(b)に示すように底面緩衝領域BL4がカートリッジPに対して下方となるように落下させた場合であっても、本実施例同様、底面緩衝領域BL4の緩衝部BL1b´〜BL5b´が変形、又は潰れる。これにより、カートリッジPに加わる衝撃を吸収・緩和することができる。
上記の説明では、カートリッジPの長手方向の一端(左)側に設けた梱包部材BLについて説明した。他端(右)側に梱包部材BRにおいても、緩衝部BL1b〜BL5bが緩衝部BR1b〜BR5b、接触面BL1a〜BL5aが接触面BR1a〜BR5aにそれぞれ対応し、同様の緩衝構成を有する。つまり梱包部材BRは、カートリッジPは接触面BR1a〜BR5aと接触した状態で衝撃が加わるようにし、緩衝部BR1b〜BR5bが変形するようにすることで衝撃を緩衝することができるように構成されている。
≪梱包部材の開封方法≫
包装箱Aは、開口部を閉塞するように左内フラップA1、右内フラップA2、正面フラップA5、背面フラップA7を、それぞれヒンジA1h、A2h、A5h、A7hを中心として回動させる。これによって、凹部に収容されたカートリッジPが開口部を介して、把持可能とされている。そして、ユーザがカートリッジPを掴み、開口部を介して包装箱Aから外部(W1方向)へ取り出せるようにされている。
具体的には、梱包部材BL、BRは、包装箱Aに接着、または係合されるように構成されている。そして梱包部材BLは、天面緩衝領域BL5がヒンジBLhを介して左側面緩衝領域BL1に繋がるように構成されている。また梱包部材BRは天面緩衝領域BR5がヒンジBRhを介して左側面緩衝領域BR1に繋がるように構成されている。このため、カートリッジPがユーザによって引き出されると、梱包部材BL、BRが包装箱Aに留まった状態としたまま、カートリッジPが取り出せるように構成されている。
本実施例では、図4(a)に示すように、天面緩衝領域BL5に貫通孔H(被係合部)がそれぞれ設けられている。貫通孔Hは、カートリッジPに梱包部材BLが装着された状態において、カートリッジPと天面緩衝領域BL5との間に隙間が形成されるように構成された退避部BL5eにそれぞれ設けられている。一方、図4(b)に示すように、左内フラップA1には切り込みが設けられ、切り込みから係合部A1eが切り起こされている。つまり、係合部A1eが切り起こされた左内フラップA1には、貫通穴が設けられている。係合部A1eは、変形可能とされており、一端側の端部が左内フラップA1につながり、他端側の端部が自由端とされている。そして係合部A1eは、図6に示すように天面緩衝領域BL5に設けられた貫通孔Hに挿入されている。係合部A1eは、係合部A1eの一端側から他端側へ向かう方向と直交する方向における、一端と他端の間に位置する接続部A1e1の幅Nm1に比べ、他端側に設けられた鉤部A1e2(係合部)の幅Ne1の方が大きくなるように構成されている。また貫通孔Hは、接続部A1e1の幅Nm1以上、且つ鉤部A1e2の幅Ne1以下となる幅Nh1を有するように構成されている。
そして図7(a)に示すようにカートリッジP上に左内フラップA1が重畳し、左内フラップA1が開口部を閉塞するように配置された状態では、貫通孔Hに挿入された係合部A1eは、接続部A1e1がたるんだ状態となるように構成されている。接続部A1e1がたるんだ状態となるようにするため、退避部BL5eでカートリッジPと天面緩衝領域BL5との間に隙間が形成され、貫通孔Hを接続部A1e1が移動できるように構成されている。図7(b)に示すように開口部を開放するように左内フラップA1が回動されると、貫通孔H内を接続部A1e1が移動(図6中Z6方向)し、貫通孔Hと鉤部A1e2が係合する。そして左側板A3に対して左内フラップA1が回動するのに伴い、左内フラップA1で係合部A1eを介して天面緩衝領域BL5が引っ張られ、天面緩衝領域BL5が回動させられ、カートリッジPの移動を妨げる位置からカートリッジPの移動を許容する開放位置に移動する。つまり、鉤部A1e2は、貫通孔Hから係合部A1eの抜け止めとなり、係合部として機能する。この結果、左内フラップA1は、天面緩衝領域BL5と連動して回動するように構成されている。なお係合部A1eは、一定の長さを有する。このようにして、左内フラップA1で係合部A1eが引っ張られた際に、係合部A1eと天面緩衝領域BLが一直線に延び切った状態となったり、天面緩衝領域BL5の緩衝部BL5bに係合部A1eが突っかかったりすることがないようにされている。このようにして、係合部A1eと天面緩衝領域BLで右内フラップA1の開閉を規制することがないようにされている。
本実施例では、貫通孔H内を接続部A1e1が移動し、左内フラップA1が左側板A3に対して一定量回動後、鉤部A1e1が貫通孔Hと係合し、左内フラップA1の回動によって天面緩衝領域BL5が回動する構成としたが、これに限らない。例えば貫通孔Hや鉤部A1e1を設けず、天面緩衝領域BL5に係合部A1eの他端側が固定され、左内フラップA1が左側板A3に対して一定量回動後、係合部A1eが張った状態となり、左内フラップA1の回動によって天面緩衝領域BL5が回動する構成としてもよい。
なお、天面緩衝領域BR5は天面緩衝領域BL5と同様、また右内フラップA2は左内フラップA1と同様に構成されており、右側板A4に対して右内フラップA2が回動するのに伴い、天面緩衝領域BR5が回動させられるように構成されている。図4(a)に示すように、天面緩衝領域BR5に貫通孔Hがそれぞれ設けられている。貫通孔Hは、カートリッジPに梱包部材BRが装着された状態において、カートリッジPと天面緩衝領域BR5との間に隙間が形成されるように構成された退避部BR5eにそれぞれ設けられている。一方、図4(b)に示すように、右内フラップA2には切り込みが設けられ、切り込みから係合部A2eが切り起こされている。つまり、係合部A2eが切り起こされた右内フラップA2には、貫通穴が設けられている。係合部A2eは、変形可能とされており、一端側の端部が右内フラップA2につながり、他端側の端部が自由端とされている。そして係合部A2eは、係合部A1e同様、天面緩衝領域BR5に設けられた貫通孔Hに挿入されている。係合部A2eは、係合部A2eの一端側から他端側へ向かう方向と直交する方向における、一端と他端の間に位置する接続部A2e1の幅Nm2に比べ、他端側に設けられた鉤部A2e2の幅Ne2の方が大きくなるように構成されている。また貫通孔Hは、接続部A2e1の幅Nm2以上、且つ鉤部A2e2の幅Ne2以下となる幅Nh2を有するように構成されている。
そしてカートリッジP上に右内フラップA2が重畳し、右内フラップA2が開口部を閉塞するように配置された状態では、貫通孔Hに挿入された係合部A2eは、接続部A2e1がたるんだ状態となるように構成されている。接続部A2e1がたるんだ状態となるようにするため、退避部BR5eでカートリッジPと天面緩衝領域BR5との間に隙間が形成され、貫通孔Hを接続部A2e1が移動できるように、遊びを持った構成とされている。開口部を開放するように右内フラップA2が回動されると、貫通孔H内を接続部A2e1が移動し、貫通孔Hと鉤部A2e2が係合する。そして、右側板A4に対して右内フラップA2が回動するのに伴い、右内フラップA2で係合部A2eを介して天面緩衝領域BR5が引っ張られ、天面緩衝領域BR5が回動させられるように構成されている。つまり、鉤部A2e2は、貫通孔Hから係合部A2eの抜け止め部として機能する。この結果、右内フラップA2は、天面緩衝領域BR5と連動して回動するように構成されている。なお係合部A2eは、一定の長さを有する。これにより、右内フラップA2で係合部A2eが引っ張られた際に、例えば係合部A2eと天面緩衝領域BRが一直線に延び切った状態となったり、天面緩衝領域BR5の緩衝部BR5bに係合部A2eが突っかかったりすることがないようにされている。このようにして、係合部A2eと天面緩衝領域BRで右内フラップA2の開閉を規制することがないようにされている。
上記実施例の他、天面緩衝領域BR5、右内フラップA2も同様、適宜変更が可能である。例えば貫通孔Hや鉤部A2e1を設けず、天面緩衝領域BR5に係合部A2eの他端側が固定され、右内フラップA2が右側板A4に対して一定量回動後、係合部A1eが張った状態となり、右内フラップA2の回動によって天面緩衝領域BR5が回動する構成としてもよい。
なお本実施例では、天面緩衝領域BL5に設けられた緩衝部BL5Bは、接触面BL5Aからの突出量BL5Wが左側面緩衝領域BL1に設けられた緩衝部BL1Bの接触面BL1Aからの突出量BL1Wに比べ、大きくなるように構成されている。これにより、梱包部材BLの天面緩衝領域BL5がヒンジBLhで大きく(90度以上)回動させることができるようにされている。同様に、梱包部材BRの天面緩衝領域BR5に設けられた緩衝部BR5bは、接触面BR5aからの突出量BR5Wが右側面緩衝領域BR1に設けられた緩衝部BR1bの接触面BR1aからの突出量BR1Wに比べ、大きくなるように構成されている。これにより、梱包部材BRの天面緩衝領域BR5がヒンジBRhで大きく(90度以上)回動させることができるようにされている。
本実施例に係る構成では包装箱Aの開封時に、カートリッジP上に重畳した左内フラップA1、右内フラップA2を回動させ、退避させる動作によりカートリッジPに装着された梱包部材Bを変形させ、カートリッジPを取り出し可能としている。つまり、従来の梱包材Uから梱包部材と一緒にカートリッジPを取り出し、カートリッジPから梱包部材を取り外す作業の他、取り外した梱包部材を片付けるといった作業を不要とし、ユーザビリティーを向上させることができる。
なお本実施例では、梱包部材BL、BRは、包装箱Aの内部においてカートリッジPに取り付けられた姿勢となるように樹脂で構成されている。このため、材料となる樹脂の弾性によって、梱包部材BLは天面緩衝領域BL5が、また梱包部材BRは天面緩衝領域BR5がカートリッジPの上面に位置する構成とした。しかしながら、これに限らない。例えば、材料となる樹脂の弾性によって、梱包部材BLは天面緩衝領域BL5が、また梱包部材BRは天面緩衝領域BR5が、それぞれカートリッジPが取り出し可能な姿勢となるように形成されていてもよい。この場合、包装箱Aの左内フラップA1の閉塞によって天面緩衝領域BL5がカートリッジPと左内フラップA1の間に、また包装箱Aの右内フラップA2の閉塞によって天面緩衝領域BR5がカートリッジPと右内フラップA2の間に位置する構成とされる。
[変形例1]
次に、本実施例の変形例1として、図8を用いて説明する。実施例1では、梱包部材BLは、左側面緩衝領域BL1に設けられた緩衝部BL1bの接触面BL1aからの突出量に比べ、天面緩衝領域BL5に設けられた緩衝部BL5bの接触面BL5aからの突出量が小さくなるようにした。また梱包部材BRは、右側面緩衝領域BR1に設けられた緩衝部BR1bの接触面BR1aからの突出量に比べ、天面緩衝領域BR5に設けられた緩衝部BR5bの接触面BR5aからの突出量が小さくなるようにした。このようにして、梱包部材BLの天面緩衝領域BL5及び梱包部材BRの天面緩衝領域BR5は、それぞれヒンジBLh、BRhで大きく(90度以上)回動させることができるようにし、カートリッジPを取り出しやすい構成とした。
しかしながら、梱包体U、ひいては包装箱Aの小型化が望まれている。このため、左側面緩衝領域BL1に設けられた緩衝部BL1bの突出量や右側面緩衝領域BR1に設けられた緩衝部BR1bの突出量は、要求された緩衝性能を満たすだけの潰しシロを確保できるだけの大きさとしつつ、小さくされている。この結果、緩衝部BL5bを緩衝部BL1bに比べ、また緩衝部BR5bを緩衝部BR1bに比べて小さくした場合、十分な緩衝性能を持たせることができないとした問題を生じる場合があった。
そこで本変形例では、実施例1のヒンジBLh、BRhの代わりに二段ヒンジを用いた構成とした。これにより梱包部材BLは、左側面緩衝領域BL1に設けられた緩衝部BL1bの突出量に比べ、天面緩衝領域BL5に設けられた緩衝部BL5bの突出量を小さくしなくてもカートリッジPを取り出しやすい構成とすることができる。同様に梱包部材BRは、右側面緩衝領域BR1に設けられた緩衝部BR1bの突出量に比べ、天面緩衝領域BR5に設けられた緩衝部BR5bの突出量を小さくしなくてもカートリッジPを取り出しやすい構成とすることができる。以下、本変形例について、実施例1との差異点を中心に説明を行う。なお、実施例1と同様の構成については、同一の符合を付し、説明を省略する。なお図11(a)は、包装箱Aの開口部が開放され、カートリッジPが取り出し可能とされた梱包体Uを示す図である。図11(b)は、カートリッジPが梱包部材Bを介して包装箱Aの間に配置された構成を示す断面図であり、図11(c)は、包装箱Aの開口部が開放され、カートリッジPが取り出し可能とされた梱包体Uを示す図11(a)におけるE−E断面図である。
本変形例では、図11に示すように、梱包部材BLは、左側面緩衝領域BL1に平板状の接続部BL6を介して繋がる天面緩衝領域BL7を有する。つまり接続部BL6は、一端がヒンジBL6hを介して左側面緩衝領域BL1につながり、他端がヒンジBL7hを介して天面緩衝領域BL7につながるように構成されている。また天面緩衝領域BL7は、接続部BL6と対向する面BL7aと、この面BL7aから突出する緩衝部BL7bと、が設けられている。
このような梱包部材BLは、カートリッジPを包装箱A内で梱包する状態(梱包体Uの状態)においては、ヒンジBL6hはカートリッジPの外観形状に沿うように時計回りの方向へ曲がった形状を有し、接続部BL6は長手方向において延在する。またヒンジBL7hは、ヒンジBLhと反対方向(半時回りの方向)に曲がった形状を有し、接続部BL6と天面緩衝領域BL7の面BL7aが対向するように折り返えされている。このようにして、カートリッジPの上方に、接続部BL6、天面緩衝領域BL7が順次積層された状態で配置され、天面緩衝領域BL7に設けられた緩衝部BL7bが包装箱Aの右内フラップA2へ向かって突出した状態とされている。なお、本変形例では、ヒンジBL7hで接続部BL6に対して天面緩衝領域BL7が折り返えされ、接続部BL6と天面緩衝領域BL7の面BL7aが接触する構成とした。しかしこれに限らず、接触しない構成とし、ヒンジBL6hやヒンジBL7hが折れ曲がるようにして衝撃を吸収するものとしてもよい。
同様に、梱包部材BRについても、梱包部材BL同様、右側面緩衝領域BR1に平板状の接続部BR6を介して繋がる天面緩衝領域BR7を有する。つまり接続部BR6は、一端がヒンジBR6hを介して左側面緩衝領域BR1につながり、他端がヒンジBR7hを介して天面緩衝領域BR7につながるように構成されている。また天面緩衝領域BR7は、接続部BR6と対向する面BR7aと、この面BR7aから突出する緩衝部BR7bと、が設けられている。
そして梱包部材BRは、カートリッジPを包装箱A内で梱包する状態(梱包体Uの状態)においては、ヒンジBR6hはカートリッジPの外観形状に沿うように反時計回りの方向へ曲がった形状を有し、接続部BR6は長手方向において延在する。またヒンジBR7hは、ヒンジBRhと反対方向(時回りの方向)に曲がった形状を有し、接続部BR6と天面緩衝領域BR7の面BR7aが対向するように折り返えされている。このようにして、カートリッジPの上方に、接続部BR6、天面緩衝領域BR7が順次積層された状態で配置され、天面緩衝領域BR7に設けられた緩衝部BR7bが包装箱Aの右内フラップA2へ向かって突出した状態とされている。なお、本変形例では、ヒンジBR7hで接続部BR6に対して天面緩衝領域BR7が折り返えされ、接続部BR6と天面緩衝領域BR7の面BR7aが接触する構成とした。しかしこれに限らず、接触しない構成とし、ヒンジBR6hやヒンジBR7hが折れ曲がるようにして衝撃を吸収するものとしてもよい。
本変形例に係る梱包体Uにあっても、実施例1同様、包装箱Aは、左内フラップA1、右内フラップA2、正面フラップA5、背面フラップA7を、それぞれヒンジA1h、A2h、A5h、A6hを中心として回動させ、開口部を開放する構成とされている。この際、実施例1同様、左側板A3に対して左内フラップA1が回動するのに伴って係合部A1eで天面緩衝領域BL7が、また右側板A4に対して右内フラップA2が回動するのに伴って係合部A2eで天面緩衝領域BR7が、引っ張られるように構成される。これにより、カートリッジP上に重畳した左内フラップA1、右内フラップA2を回動させ、退避させる動作により、カートリッジPに装着された梱包部材Bの天面緩衝領域BL7、BR7を回動させるように変形させ、カートリッジPを取り出し可能としている。
以上のように、本実施例の構成とすることにより、実施例1同様、包装箱Aの開封時、カートリッジP上に重畳した左内フラップA1、右内フラップA2を回動させ、退避させる動作により、カートリッジPに装着された梱包部材Bを変形させる。このようにして、カートリッジPを取り出し可能とすることができる。つまり、従来の梱包材Uから梱包部材と一緒にカートリッジPを取り出し、カートリッジPから梱包部材を取り外す作業の他、取り外した梱包部材を片付けるといった作業を不要とし、ユーザビリティーを向上させることができる。
さらに本実施例の構成では、天面緩衝領域BL7、BR7にそれぞれ設けられた緩衝部BL7b、BR7bの突出量の大きさが、緩衝部BR1b、BL1bの突出量の大きさによらず、任意の大きさとすることができる。このため、緩衝部BR1b、BL1bの突出量を小さくして梱包体Uの長手方向における長さを短くしつつ、緩衝部BR1b、BL1bの突出量を大きくして緩衝性能を向上させることができる。
[変形例2]
次に、本発明の変形例2について、図12を用いて説明する。変形例1同様、梱包体U、ひいては包装箱Aの小型化を図りつつ、十分な緩衝性能を持たせることができる構成について、説明を行う。
本変形例では左内フラップ、右内フラップが折り曲げられた形状を有し、正面フラップにつながるヒンジ、背面フラップにつながるヒンジに比べ、左内フラップにつながるヒンジ、右内フラップにつながるヒンジが下方に配置された包装箱Aを用いる構成とした。以下、本変形例について、実施例1との差異点を中心に説明を行う。なお、実施例1と同様の構成については、同一の符合を付し、説明を省略する。なお図12(a)は、包装箱Aの開口部が開放され、カートリッジPが取り出し可能とされた梱包体Uを示す図である。図12(b)は、カートリッジPが梱包部材Bを介して包装箱Aの間に配置された構成を示す断面図であり、図12(c)は、包装箱Aの開口部が開放され、カートリッジPが取り出し可能とされた梱包体Uを示す図12(a)におけるF−F断面図である。
本変形例では、実施例1と同様の梱包部材B(BL、BR)を用いる。しかし。実施例1と異なり、梱包部材BLは、天面緩衝領域BL5に設けられた緩衝部BL5bの突出量を左側面緩衝領域BL1に設けられた緩衝部BL1bの突出量によらず任意の大きさとしてもよい。同様に梱包部材BRは、天面緩衝領域BR5に設けられた緩衝部BR5bの接触面BR5aからの突出量を右側面緩衝領域BR1に設けられた緩衝部BR1bの接触面BR1aからの突出量によらず任意の大きさとしてもよい点で異なる。
本変形例の包装箱Aは、折れ曲がった左内フラップA1を用い、実施例1に比べ、包装箱Aの左側板A3と左内フラップA1の間に設けられたヒンジA1hの位置を低い位置とした。これにより、実施例1に比べ、包装箱Aの左側板A3、左内フラップA1の間に設けられたヒンジA1hを天面緩衝領域BL5の回動中心となるヒンジBLhに近づけることができる。この結果、ユーザがカートリッジPを掴み、包装箱Aから引き出した場合に、ヒンジBLhを中心として天面緩衝領域BL5をより回動させることができる。したがって、左側面緩衝領域BL1に設けられた緩衝部BL1bの突出量を必要以上に大きくすることなく、天面緩衝領域BL5に設けられた緩衝部BL5bの突出量を大きくして緩衝性能を高めることができる。
同様にこのように、折れ曲がった右内フラップA2を用い、実施例1に比べ、包装箱Aの右側板A4と右内フラップA2の間に設けられたヒンジA2hの位置を低くした。これにより、実施例1に比べ、包装箱Aの右側板A4、右内フラップA2の間に設けられたヒンジA2hを天面緩衝領域BR5の回動中心となるヒンジBRhに近づけることができる。この結果、ユーザがカートリッジPを掴み、包装箱Aから引き出した場合に、ヒンジBRhを中心として天面緩衝領域BR5をより回動させることができる。したがって、右側面緩衝領域BR1に設けられた緩衝部BR1bの突出量を必要以上に大きくすることなく、天面緩衝領域BR5に設けられた緩衝部BR5bの突出量を大きくして緩衝性能を高めることができる。
なお、本変形例に係る梱包体Uにあっても、実施例1同様、左側板A3に対して左内フラップA1が回動するのに伴って係合部A1eで天面緩衝領域BL5が、また右側板A4に対して右内フラップA2が回動するのに伴って係合部A2eで天面緩衝領域BR5が、引っ張られるように構成される。これにより、カートリッジP上に重畳した左内フラップA1、右内フラップA2を回動させ、退避させる動作により、カートリッジPに装着された梱包部材Bの天面緩衝領域BL5、BR5を回動させるようにして変形させる。このようにして、カートリッジPを取り出し可能とするようにしている。
このようにして実施例1同様、包装箱Aを開封時、カートリッジP上に重畳した左内フラップA1、右内フラップA2を回動させ退避させる動作でカートリッジPに装着された梱包部材Bを変形させ、カートリッジPを取り出し可能とすることができる。つまり、従来の梱包材Uから梱包部材と一緒にカートリッジPを取り出し、カートリッジPから梱包部材を取り外す作業の他、取り外した梱包部材を片付けるといった作業を不要とし、ユーザビリティーを向上させることができる。
なお上記実施例では、開口を有する収容袋Mを用い、左内フラップA1、右内フラップA2の移動に併せ、開口が開く構成とした。しかし、これに限らず、例えば小孔が連続した破線を設けた収容袋Mとしてもよい。破線を設けた収容袋Mを用い、左内フラップA1、右内フラップA2の移動により収容袋Mが固定された梱包部材BR、BLの天面緩衝領域BR5、BL5の移動により収容袋Mが引っ張られ、カートリッジPが露出するように破線が破れる構成としてもよい。
[実施例2]
上記実施例では、説明を省略したが、カートリッジPを梱包して梱包体Uとする際には、ゴミ、ケバ、粉塵等から保護するため、カートリッジPを収容袋Mに収容した状態としてもよい。さらには、カートリッジPを収容した収容袋Mの開封動作を梱包部材B、ひいては包装箱Aの開封動作と連動する構成としてもよい。そこで本実施例では収容袋Mの開封動作を梱包部材B、ひいては包装箱Aの開封動作と連動する構成について、図13を用いて説明する。以下、実施例について、実施例1との差異点を中心に説明を行う。なお、実施例1と同様の構成については、同一の符合を付し、説明を省略する。なお図13(a)は、包装箱Aの開口部が開放され、カートリッジPが取り出し可能とされた梱包体Uを示す図である。図13(b)は、カートリッジPが取り出し可能とされた梱包体Uの一端側の様子を示す図である。図14は、本実施例で用いられる梱包部材Bを示した図である。
本実施例に係る梱包部材Bは、実施例1の梱包部材と同様の構成に加え、さらに天面緩衝領域BL5の接触面BL5aにスリットBL5s1,BL5s2が、また天面緩衝領域BR5の接触面BR5aに図示しないスリットBL5s1,BL5s2が設けられている。この梱包部材BR、BLを包装箱Aの凹部内に配置し、梱包部材BR、BLの間に収容袋Mに収容されたカートリッジPが配置して梱包体Uが形成されている。このとき、梱包部材BR、BLのスリットBL5s1,BL5s2に収容袋Mが挟み込まれ、固定されている。
このようにして、包装箱Aを開封時、カートリッジP上に重畳した左内フラップA1、右内フラップA2を回動させ、退避させる動作により、カートリッジPに装着された梱包部材B、ひいては収容袋Mを退避させる。これにより、カートリッジPが露出して取り出し可能とすることができる。つまり、従来の梱包材Uから梱包部材や梱包袋と一緒にカートリッジPを取り出し、カートリッジPから梱包部材や梱包袋を取り外し、取り外した梱包部材や梱包袋を片付けるといった作業を不要とし、カートリッジPのみを取り出すことができる。このように、ユーザビリティーを向上させた梱包体Uを提供することができる。
なお本実施例では、梱包体Uとされ、包装箱A内に収容された状態のとき、カートリッジPを包むように収容袋Mの開口部が折り畳まれた状態とした。開梱時、左内フラップA1、右内フラップA2の移動により収容袋Mの開口部近傍が固定された梱包部材BR、BLの天面緩衝領域BR5、BL5の移動により収容袋Mの開口部が広がるように引っ張られ、カートリッジPが露出するようにした。しかしながら、これに限らない。例えば小孔が連続した破線を設けた収容袋Mとしてもよい。破線を設けた収容袋Mを用い、左内フラップA1、右内フラップA2の移動により収容袋Mが固定された天面緩衝領域BR5、BL5の移動に併せ、収容袋Mが引っ張られ、カートリッジPが露出するように破線が破れる構成としてもよい。この他、本実施例では、天面緩衝領域BL5のスリットBL5s1,BL5s2と、天面緩衝領域BR5のスリットBR5s1,BR5s2と、に収容袋Mが挟み込まれ、固定される構成とした。しかしながら、図15のように梱包部材BLの天面緩衝領域BL5に収容袋Mの開口部近傍が接着部K1に接着され、固定された構成としてもよい。この他、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
1 画像形成装置
U 梱包体
P カートリッジ
A 包装箱
B、BL、BR 梱包部材

Claims (4)

  1. 被梱包物を収納する凹部に加え、前記凹部を覆う位置と、前記凹部に収容された前記被梱包物を露出させる位置と、を回動することによって取り得る開閉部を有する箱と、
    前記箱と前記被梱包物の間に配置された梱包部材と、
    を備えた梱包容器であって、
    前記箱は、前記開閉部に繋がり、前記凹部の一部を構成する面を有し、
    前記梱包部材は、前記箱の前記開閉部と前記被梱包物の間に配置される第1緩衝領域と、前記箱の前記凹部の一部を構成する面と前記被梱包物の間に配置される第2緩衝領域と、を有し、前記第1緩衝領域及び前記第2緩衝領域が樹脂で一体的に形成されたものであって、
    前記箱の前記開閉部を回動させることにより、前記前記第1緩衝領域を連動して移動させ、前記凹部に収納された前記被梱包物が取り出し可能となる
    ことを特徴とする梱包容器。
  2. 前記第1緩衝領域は、前記第2緩衝領域に対して回転可能とするヒンジを介してつながり、前記ヒンジを軸として回転し、前記被梱包物の移動を妨げる位置から前記被梱包物の移動を許容する開放位置に移動することが可能とされていることを特徴とする請求項1に記載の梱包容器。
  3. 前記開閉部は、切り起こされた係合部を有し、
    前記係合部は、前記第1緩衝領域に設けられた被係合部と係合されている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の包装容器。
  4. 前記包装容器は、前記被梱包物を収容する収容袋を有し。
    前記収容袋は、前記第1緩衝領域に固定され、前記開閉部を回動させることにより、前記前記第1緩衝領域と連動するように前記収容袋の開口が開くようにされている
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の包装容器。
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