JP2019071703A - 燃料電池制御システム及び燃料電池制御方法 - Google Patents
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Abstract
Description
複数の燃料電池システムと、
前記複数の燃料電池システムとネットワークを介して通信可能に接続されている管理装置と、
を備える燃料電池制御システムであって、
各燃料電池システムは、
原燃料を改質水により水蒸気改質して燃料ガスに変化させる改質器と、
前記改質器からの燃料ガスと空気とを反応させて発電するセルスタックと、
前記原燃料の前記改質器への供給、前記改質水の前記改質器への供給及び前記空気の前記セルスタックへの供給を含む前記セルスタックでの発電の補助を行う補機とを有し、
前記複数の燃料電池システムのうち少なくとも1つの燃料電池システムは、
前記セルスタックの劣化状態及び前記補機の劣化状態の少なくともいずれかを含む劣化情報を取得する劣化取得手段を有し、
前記管理装置は、
前記燃料電池システムを構成する、前記セルスタック及び前記補機を含む電池部材それぞれの製造ロット番号と各電池部材を備える燃料電池システムそれぞれとを対応づけた電池部材対応表を記憶する記憶部と、
前記複数の燃料電池システムのうち少なくとも一の燃料電池システムから、当該燃料電池システムを構成する前記電池部材の前記劣化情報を前記ネットワークを介して取得し、前記電池部材のうちから、前記劣化情報に基づいて劣化していると判定した検出劣化部材を検出し、前記電池部材対応表において前記検出劣化部材の製造ロット番号に対応している複数の電池部材を複数の劣化部材として特定し、前記複数の劣化部材それぞれを備える燃料電池システム群である劣化燃料電池システム群を前記検出劣化部材の前記劣化情報に基づいて停止する管理制御部とを有する点である。
また、管理制御部は、燃料電池システムから取得した劣化情報に基づいて、当該燃料電池システムを構成している電池部材のうちから検出劣化部材を検出できるだけでなく、この検出劣化部材と同様の劣化状態を有している可能性が高い、検出劣化部材と同一の製造ロット番号が付された複数の電池部材を劣化部材として特定することができる。
なお、検出劣化部材が備えられている燃料電池システムの運転は、例えば、当該燃料電池システムの運転制御部によって停止される。あるいは、管理制御部が、検出劣化部材が備えられている燃料電池システムの運転を停止してもよい。
前記管理制御部は、前記電池部材の前記劣化情報に基づいて、前記電池部材のうち少なくとも前記検出劣化部材の経年による劣化傾向を推定し、前記劣化傾向に基づいて前記検出劣化部材の現在からの使用可能期間を推定し、前記使用可能期間が経過する前に、前記劣化燃料電池システム群の運転を停止させる点にある。
前記電池部材は、前記燃料電池システムの筐体を冷却するための冷却手段と、前記セルスタックで発電した直流電圧を交流電圧に変換する電力変換装置と、をさらに含み、
前記劣化取得手段は、前記冷却手段の劣化状態及び前記電力変換装置の劣化状態の少なくともいずれかをさらに取得し、
前記劣化情報には、前記冷却手段の劣化状態及び前記電力変換装置の劣化状態の少なくともいずれかがさらに含まれ、
前記管理制御部は、
前記検出劣化部材の使用可能期間が所定期間未満であり、かつ前記検出劣化部材が前記セルスタック及び前記補機の少なくともいずれかである場合は、前記劣化燃料電池システム群の運転を即座に停止させ、
前記検出劣化部材の使用可能期間が所定期間未満であり、かつ前記検出劣化部材が前記冷却手段及び前記電力変換装置の少なくともいずれかである場合は、前記使用可能期間が経過するまでに、前記劣化燃料電池システム群の運転を徐々に停止させる点にある。
前記補機は、前記原燃料の前記改質器への供給を行う原燃料ポンプ、前記改質水の前記改質器への供給を行う改質水ポンプ、及び、前記空気の前記セルスタックへの供給を行うエアブロアの少なくともいずれかである点にある。
前記電池部材を製造する製造装置がさらにネットワークを介して通信可能に接続されており、
前記管理制御部は、前記製造装置で製造された、前記検出劣化部材と同一の製造ロット番号を有する少なくとも一つの劣化部材が、市場へ流出し及び新たに製造されるかの少なくともいずれかを阻止するための阻止情報を前記製造装置に送信する点にある。
前記電池部材を製造する製造装置と、
前記製造装置で製造された電池部材を格納する保管装置と、
がさらにネットワークを介して通信可能に接続されており、
前記管理制御部は、前記製造装置で製造された、前記検出劣化部材と同一の製造ロット番号を有する少なくとも一つの劣化部材が、市場へ流出し及び新たに製造されるかの少なくともいずれかを阻止するための阻止情報を前記保管装置に送信する点にある。
前記管理制御部は、
前記複数の燃料電池システムのうち少なくとも一の燃料電池システムを構成する前記電池部材についての前記劣化情報に基づいて、前記電池部材の経年による劣化傾向を推定し、
前記劣化傾向に基づいて前記電池部材の使用寿命期間を特定し、前記使用寿命期間が前記電池部材の設計寿命期間又は前記燃料電池システムの設計寿命期間より短いと判定すると、当該電池部材を劣化推定部材と特定し、前記劣化推定部材の使用寿命期間を延ばすように、前記補機の制御によって、前記原燃料の前記改質器への供給量、前記改質水の前記改質器への供給量及び前記空気の前記セルスタックへの供給量の少なくともいずれかを調整する点にある。
前記管理制御部は、前記補機の制御によっても前記劣化推定部材の使用寿命期間が延びない場合は、前記劣化推定部材を前記検出劣化部材として検出する点にある。
前記管理制御部は、前記電池部材それぞれの劣化情報が、前記電池部材それぞれに対して設定されている劣化閾値に対して、前記電池部材の劣化を示している場合、当該電池部材を前記検出劣化部材として検出する点にある。
前記セルスタックは、アノードと、カソードと、前記アノード及び前記カソードに挟まれた電解質とを含む燃料電池セルの積層により構成され、
前記セルスタックは、第1燃料電池セルと第2燃料電池セルとを含み、
前記劣化取得手段は、前記電池部材が前記セルスタックである場合には、前記第1燃料電池セルの両端のアノードとカソードとの間の第1電圧と、前記第2燃料電池セルの両端のアノードとカソードとの間の第2電圧との関係に基づいて、前記セルスタックの劣化状態を取得する点にある。
前記補器には、前記補器の実際の駆動量を検出する検出器が設けられており、
前記劣化取得手段は、前記電池部材が前記補機である場合には、前記補器の駆動量を制御する指示駆動量を前記補器に指示し、前記指示駆動量と、前記検出器が検出した当該補器の実際の駆動量との実測差分に基づいて、当該補器の劣化状態を取得する点にある。
原燃料を改質水により水蒸気改質して燃料ガスに変化させる改質器と、前記改質器からの燃料ガスと空気とを反応させて発電するセルスタックと、前記原燃料の前記改質器への供給、前記改質水の前記改質器への供給及び前記空気の前記セルスタックへの供給を含む前記セルスタックでの発電の補助を行う補機とを有する複数の燃料電池システムと、
前記複数の燃料電池システムとネットワークを介して通信可能に接続されており、前記燃料電池システムを構成する、前記セルスタック及び前記補機を含む電池部材それぞれの製造ロット番号と各電池部材を備える燃料電池システムそれぞれとを対応づけた電池部材対応表を記憶する記憶部と、前記燃料電池システムを制御する管理制御部とを有する管理装置と、
を備える燃料電池制御システムにおける燃料電池制御方法であって、
前記複数の燃料電池システムのうち少なくとも1つの燃料電池システムが有する劣化取得手段は、前記セルスタックの劣化状態及び前記補機の劣化状態の少なくともいずれかを含む劣化情報を取得し、
前記管理制御部は、
前記複数の燃料電池システムのうち少なくとも一の燃料電池システムから、当該燃料電池システムを構成する前記電池部材の前記劣化情報を前記ネットワークを介して取得し、
前記電池部材のうちから、前記劣化情報に基づいて劣化していると判定した検出劣化部材を検出し、
前記電池部材対応表において前記検出劣化部材の製造ロット番号に対応している複数の電池部材を複数の劣化部材として特定し、前記複数の劣化部材それぞれを備える燃料電池システム群である劣化燃料電池システム群を前記検出劣化部材の前記劣化情報に基づいて停止する点にある。
本発明の実施形態に係る燃料電池制御システム及び燃料電池制御方法について、図面を参照して説明する。図1は、燃料電池制御システムの構成図である。
燃料電池制御システム100は、管理装置10と、製造装置20と、複数の燃料電池システム30(30a、30b・・・)とが、ネットワーク40を介して接続されて構成されている。ネットワーク40は、装置間でデータの通信が可能な通信網であり、例えばWAN(Wide Area Network)などが挙げられるが、その形態は無線及び有線を問わない。
これにより、検出劣化部材と同一の製造ロット番号の劣化部材が備えられている劣化燃料電池システム群が、例えば発電出力が悪化した状態で運転され、ひいては故障してしまうのを未然に防止できる。
なお、検出劣化部材が備えられている燃料電池システム30の運転は、例えば、当該燃料電池システム30の図示しない運転制御部によって停止される。あるいは、管理装置10が、検出劣化部材が備えられている燃料電池システム30の運転を停止してもよい。
(2−1)燃料電池システム
以下に、例えば、各家庭などの施設に備えられている燃料電池システム30(30a、30b・・・)について説明する。図2は、燃料電池システムの構成図である。
燃料電池システム30は、これを構成する複数の電池部材から構成されており、大きくは、電力発電部300aと、貯湯タンク300bと、電力変換装置120とを備えている。
以下、燃料電池システム30の各部の構成について説明する。
電力発電部300aは、基本的に、原燃料(例えば、都市ガス13A)を改質した燃料ガス及び酸素ガスを反応させて発電する燃料電池50と、燃料電池50から排出される燃焼排ガスの熱を回収する熱交換器60と、熱交換器60による熱回収後の燃焼排ガスからの凝縮水を回収して精製する水精製器70と、水精製器70により精製された凝縮水を回収する改質水タンク80と、凝縮水とは独立に、改質水タンク80へ水を供給可能な水供給部90と、燃料電池システム30の筐体温度を低下させるための換気ファン66a(冷却手段)及び換気ファン66aの実際の回転数を測定する検出器211を含む換気部66とを備えている。
また、原燃料流路51には、マイコンメータ46が設けられている。マイコンメータ46は、各家庭に供給される燃料の供給量を計測するメータであり、燃料電池50への燃料の供給量、その他のガス機器などへの燃料の供給量を計測する。よって、図2では図示を省略しているが、マイコンメータ46が設けられている原燃料流路51は、燃料電池50に接続されるだけでなく、他のガス機器にも接続されている。
マイコンメータ46は、通常、所定のガス漏洩判定期間(例えば、30日間など)にわたって燃料の流量の計測値が所定値以下とならなかった場合には、燃料の漏洩があると検知する。この場合、燃料電池50が長期間継続的に運転して、燃料の供給が継続すると燃料の漏洩が生じていないのにマイコンメータ46が漏洩として誤検知する場合がある。そこで、燃料電池50での発電を停止させ、原燃料流路51を介した燃料電池50への燃料の供給を停止する燃料供給停止期間を設けている。この燃料供給停止期間においてマイコンメータ46が燃料を検出すると、ガス漏洩を正確に検知することができる。燃料供給停止期間は、例えば1か月に1回、1日の期間で設定されている。
さらに、空気流路54には、カソード56に所定量の空気を供給するための空気ブロア43と、空気ブロア43が供給する空気の実際の供給量を測定する検出器203とが設けられている。
また、換気ファン66aは燃料電池システム30の筐体を冷却するための電池部材であり、また、電力変換装置120は直流電圧を交流電圧に変換する電池部材である。本実施形態では、換気ファン66a及び電力変換装置120は燃料電池50での発電に直接関与しない電池部材とし、補機とは区別している。
前述の通り、補機である、原燃料ポンプ41、空気ブロア43、循環ポンプ64、放熱ファン65a及び改質水ポンプ83には、それぞれ検出器201、203、205、207、209が対応して設けられている。そして、これらの補機と前述の検出器201、203、205、207、209は劣化取得手段200に接続されている。
また、換気ファン66aには検出器211が対応して設けられており、換気ファン66a及び検出器211は劣化取得手段200に接続されている。
また、電力変換装置120には、電力変換装置120での実際の電力変換効率を検出するための検出器121が設けられており、電力変換装置120及び検出器121は劣化取得手段200に接続されている。
さらに、後述の図3に示すように、燃料電池セル50a1が積層されたセルスタック50aは、後述の第1電圧検出手段131及び第2電圧検出手段133を介して劣化取得手段200に接続されている。
なお、上記において劣化取得手段200は、実測差分が大きくなるほど各電池部材の劣化が進行していると判断し、劣化状態を取得する。
複数のセルスタック50aは、中央より一方側(左側)の複数のセルスタック50aと、中央より他方側(右側)の複数のセルスタック50aとに分けられる。図3では、一方側のセルスタック50a及び他方側のセルスタック50aを構成する燃料電池セル50a1の数は、それぞれ3個である。第1電圧検出手段131は、一方側のセルスタック50aの中央部(カソード56)及び左他端(アノード55)の間の電圧を検出する。同様に、第2電圧検出手段133は、他方側のセルスタック50aの中央部(アノード55)及び右他端(カソード56)の間の電圧を検出する。
次に、製造装置20について説明する。製造装置20は、製造制御部21と記憶部22とを備えている。
製造制御部21は、上述した各種電池部材の製造を制御する。各種電池部材としては、例えば、セルスタック50aと、原燃料ポンプ41、空気ブロア43、改質水ポンプ83、循環ポンプ64、及び放熱ファン65a等の補機と、換気ファン66aと、電力変換装置120とが挙げられる。製造制御部21は、例えば、各電池部材ごとに分けられた製造ラインを駆動し、各電池部材の製造を制御する。そして、製造制御部21は、同一の製造ラインにおいて、例えば同一の材料、同一の型及び同一の製造方法等で製造され、概ね同一とみなせる複数の電池部材に対して、同一の製造ロット番号を付与する。概ね同一とみなせる複数の電池部材は、同様の性能を発揮するとともに、同様の欠陥も有すると考えられ、同様の劣化傾向を示す可能性が高い電池部材といえる。
次に、管理装置10について説明する。管理装置10は、管理制御部11と記憶部12とを備えている。
以下に、まず記憶部12について説明する。
記憶部12は、燃料電池システム30と、それを構成する各種電池部材の製造ロット番号とを対応づけた電池部材対応表を記憶している。図4は、各燃料電池システムと、各種電池部材の製造ロット番号とを対応づけた電池部材対応表である。図4に示すように、各燃料電池システムA、B、C・・・それぞれについて、セルスタック50a、原燃料ポンプ41及び空気ブロア43などの電池部材の製造ロット番号が対応づけられている。例えば、燃料電池システムAについては、セルスタック50aに製造ロット番号“S0001”が、原燃料ポンプ41に製造ロット番号“F0001”が、空気ブロア43に製造ロット番号“A0001”が、改質水ポンプ83に製造ロット番号“R0001”が、換気ファン66aに製造ロット番号“V0001”が対応づけられている。
また、記憶部12は、管理制御部11が推定した後述の各種電池部材の経年の劣化傾向を記憶する。
次に、管理制御部11について説明する。
管理制御部11は、少なくとも一の燃料電池システム30について、当該燃料電池システム30を構成する各種電池部材の経年の劣化傾向を推定する。また、管理制御部11は、当該電池部材の劣化傾向に基づいて推定した当該電池部材の使用寿命期間が、当該電池部材の設計寿命期間又は燃料電池システム30の設計寿命期間より短いと判定すると、当該電池部材を劣化推定部材と特定する。次に、管理制御部11は、劣化推定部材を特定すると、後述の遠隔チューニングを行う。この遠隔チューニングによっても劣化推定部材の使用寿命期間が延びず、セルスタック50aの劣化傾向が改善しない場合は、管理制御部11は、当該劣化推定部材の現在の劣化状態に基づいて検出劣化部材か否かを判定する。
ここで、このような検出劣化部材を備える燃料電池システム30の運転を継続すると、当該燃料電池システム30での発電出力が所定値以下となる、また、当該燃料電池システム30が故障等する可能性がある。
まずは、各種電池部材の劣化傾向の推定について具体的に以下に説明する。その後、管理制御部11による劣化燃料電池システム群の制御について説明する。
管理制御部11は、セルスタック50a及び補機を含む各種電池部材の劣化状態を、燃料電池システム30の劣化取得手段200からネットワーク40を介して取得する。さらに、管理制御部11は、電池部材それぞれについて、取得した劣化状態に基づいて経年による劣化傾向を推定する。
管理制御部11は、例えば数分毎に劣化状態を劣化取得手段200から取得し、数分毎の劣化状態の変化に基づいて経年による劣化傾向を推測する。例えば、経年の劣化傾向は、数分毎の劣化状態の変化を、数年の劣化状態の変化に引き延ばすことで得ることができる。
その他、数分毎の劣化状態の変化と、数年の劣化状態の変化との関係を示す複数のテーブルを予め用意しておく。そして、実際に取得した数分毎の劣化状態の変化と最も適合する数分毎の劣化状態の変化をテーブルから検索し、それに対応する数年の劣化状態の変化を抽出し、これを経年の劣化傾向として取得してもよい。
図5は、セルスタックの経年の劣化傾向の一例を示すグラフである。
管理制御部11は、セルスタック50aの劣化状態として、図3の第1電圧検出手段131と、第2電圧検出手段133との電圧差を、例えば数分毎に劣化取得手段200から取得する。管理制御部11は、取得した数分毎の電圧差から、例えば図5に示すセルスタック50aの経年の劣化傾向を推定する。なお、電圧差が大きくなるほどセルスタック50aの劣化が進行している。そのため、電圧差と発電出力とは相関関係を有しており、電圧差が大きくなるほどセルスタック50aが劣化して発電出力が低下し、ひいてはセルスタック50aが故障等する可能性がある。
図6は、原燃料ポンプの経年の劣化傾向の一例を示すグラフである。
管理制御部11は、原燃料ポンプ41の劣化状態として、原燃料ポンプ41への原燃料の指示供給量と検出器201が検出した原燃料の実際の供給量との実測差分を、例えば数分毎に劣化取得手段200から取得する。管理制御部11は、取得した数分毎の実測差分から、例えば図6に示す原燃料ポンプ41の経年の劣化傾向を推定する。なお、実測差分が大きくなるほど、原燃料ポンプ41の劣化が進行している。原燃料ポンプ41の劣化により指示供給量の原燃料がセルスタック50aに供給できない場合には、セルスタック50aが劣化して発電出力が低下し、ひいてはセルスタック50aが故障等する可能性がある。
図7は、空気ブロアの経年の劣化傾向の一例を示すグラフである。
管理制御部11は、空気ブロア43の劣化状態として、空気ブロア43への空気の指示供給量と検出器203が検出した空気の実際の供給量との実測差分を、例えば数分毎に劣化取得手段200から取得する。管理制御部11は、取得した数分毎の実測差分から、例えば図7に示す空気ブロア43の経年の劣化傾向を推定する。なお、実測差分が大きくなるほど、空気ブロア43の劣化が進行している。空気ブロア43の劣化により指示供給量の空気がセルスタック50aに供給できない場合には、セルスタック50aが劣化して発電出力が低下し、ひいてはセルスタック50aが故障等する可能性がある。
図8は、換気ファンの経年の劣化傾向の一例を示すグラフである。
管理制御部11は、換気ファン66aの劣化状態として、換気ファン66aへの指示回転数と検出器211が検出した実際の回転数との実測差分を、例えば数分毎に劣化取得手段200から取得する。管理制御部11は、取得した数分毎の実測差分から、例えば図8に示す換気ファン66aの経年の劣化傾向を推定する。なお、実測差分が大きくなるほど、換気ファン66aの劣化が進行している。換気ファン66aが劣化すると、燃料電池システム30の筐体を十分に冷却できない。
(b−1)劣化燃料電池システム群の全体制御
次に、管理制御部11による劣化燃料電池システム群の全体制御について説明する。
図9は、管理制御部による劣化燃料電池システム群の全体制御の流れの一例を示すフローチャートである。
ステップS10:管理制御部11は、例えば一の燃料電池システム30に着目する。そして、管理制御部11は、上述したように、一の燃料電池システム30を構成するセルスタック50aの劣化状態及び補機の劣化状態を含む各種電池部材の劣化情報を、当該燃料電池システム30の劣化取得手段200から取得する。そして、管理制御部11は、劣化状態に基づいて各種電池部材それぞれについて経年による劣化傾向を推定する。
一方、例えば、セルスタック50aの使用寿命期間が12年である場合は、燃料電池システム30の設計寿命期間(10年)より長い。よって、管理制御部11は、当該セルスタック50aを劣化推定部材と特定せず、ステップS10に処理を進める。
例えば、セルスタック50aが劣化推定部材として検出された場合には、管理制御部11は、原燃料ポンプ41を制御し、原燃料ポンプ41から改質器52への原燃料の実際の供給量を調整する。原燃料ポンプ41からの原燃料の実際の供給量は、例えば、原燃料ポンプ41への指示供給量を最適値に変換するなどして制御される。その他、管理制御部11は、例えば、空気ブロア43を制御してセルスタック50aへの空気の実際の供給量を調整し、また、改質水ポンプ83を制御して改質器52への改質水の実際の供給量を調整する。このような制御により、セルスタック50aの劣化傾向が改善し、燃料電池50での発電出力が向上するように制御する。
なお、空気ブロア43にはフィルタが設けられているため、管理制御部11は、空気ブロア43の回転を逆回転にしてフィルタの閉塞を改善するように制御し、また、フィルタに対して水を噴霧してフィルタの閉塞を改善するように制御することもできる。そして、これによりセルスタック50aの劣化傾向が改善するように制御する。
一方、管理制御部11は、セルスタック50aの劣化傾向が改善しなかった場合には、ステップS14に処理を進める。
例えば、セルスタック50aが劣化推定部材の場合において、当該セルスタック50aの現在の劣化状態について検討する。例えば、図5において、セルスタック50aが劣化していると判定される基準である定格出力の80%が、セルスタック50aの劣化閾値と設定されている。劣化閾値は、例えば、現状のセルスタック50aを使用すると発電出力が低下するが、許容範囲内であり、燃料電池システム30が故障等するまでには至らない場合の基準である。よって、劣化閾値は、臨界値よりも劣化が進んでいない場合の値である。ここで、劣化取得手段200が取得した前述のセルスタック50aの電圧差は、燃料電池システム30が発電する発電出力と相関関係を有している。よって、定格出力の80%に相当するセルスタック50aの電圧差が、セルスタック50aの劣化閾値となる。
一方、管理制御部11は、劣化取得手段200から取得した現在の電圧差が劣化閾値未満の場合に、劣化推定部材である当該セルスタック50aを検出劣化部材とみなさず、ステップS10に戻る。
管理制御部11は、劣化取得手段200から取得した原燃料ポンプ41の現在の実測差分と、原燃料ポンプ41の劣化閾値とを比較し、現在の実測差分が劣化閾値よりも悪化している場合、つまり、現在の実測差分が劣化閾値以上となった場合に、劣化推定部材である当該原燃料ポンプ41を検出劣化部材と特定する。
一方、管理制御部11は、劣化取得手段200から取得した現在の実測差分が劣化閾値未満の場合に、劣化推定部材である当該原燃料ポンプ41を検出劣化部材とみなさず、ステップS10に戻る。
ステップS15:管理制御部11は、ステップS14において検出劣化部材を特定した場合、当該検出劣化部材に付与されている製造ロット番号を特定する。
例えば、管理制御部11は、着目した燃料電池システム30の検出劣化部材について、図4に示す電池部材対応表から製造ロット番号を特定する。例えば、燃料電池システムAに着目しており、セルスタック50aが検出劣化部材として検出されている場合は、管理制御部11は、製造ロット番号として“S0001”を特定する。
管理制御部11による劣化燃料電池システム群の停止処理の詳細については後述する。なお、検出劣化部材が備えられている燃料電池システム30の運転は、例えば、当該燃料電池システム30の図示しない運転制御部によって停止される。あるいは、管理制御部11が、検出劣化部材が備えられている燃料電池システム30の運転を停止してもよい。
また、管理制御部11は、検出劣化部材と同一の製造ロット番号を有する劣化部材が新たに製造されるのを阻止するように、阻止情報を製造装置20に送信する。阻止情報には、例えば、検出劣化部材の製造ロット番号と、当該製造ロット番号が付与された劣化部材の新たな製造を阻止する指令とが含まれている。製造装置20の製造制御部21は、阻止情報を受信すると、該当する製造ロット番号の劣化部材の新たな製造を停止させる。
次に、ステップS16における劣化燃料電池システム群の停止処理について説明する。なお、劣化燃料電池システム群は、検出劣化部材と同一の製造ロット番号の複数の劣化部材それぞれが備えられている燃料電池システム群である。
図11は、管理制御部による劣化燃料電池システム群の停止処理の流れの一例を示すフローチャートである。
ステップS16a:管理制御部11は、検出劣化部材に付与されている製造ロット番号と、図4の電池部材対応表とを比較する。これにより、管理制御部11は、検出劣化部材と同一の製造ロット番号が付与された劣化部材が使用されている燃料電池システム30を特定する。
検出劣化部材がセルスタック50a又は重要補機である場合には、管理制御部11はステップS16eに処理を進める。一方、管理制御部11は、検出劣化部材がセルスタック50a又は重要補機以外の電池部材である場合には、ステップS16fに処理を進める。
同様に、検出劣化部材が備えられている燃料電池システム30もまた、当該燃料電池システム30の運転制御部又は管理制御部11によって、当該検出劣化部材の劣化情報に応じて、故障等が生じる前に未然に停止される。
さらに、事前に検出劣化部材として特定できることで、検出劣化部材の種類に応じて、また、検出劣化部材の残りの使用可能期間に応じてなど、検出劣化部材の劣化状態に応じて、劣化燃料電池システム群を停止できる。また、検出劣化部材が備えられている燃料電池システム30もまた同様に、検出劣化部材の種類等に応じて停止できる。
(1)上記実施形態では、管理制御部11は、当該電池部材の劣化傾向に基づいて推定した当該電池部材の使用寿命期間が、当該電池部材の設計寿命期間又は燃料電池システム30の設計寿命期間より短いか否かを判定する。判定の結果、管理制御部11は、使用寿命期間が設計寿命期間より短い場合は、当該電池部材を劣化推定部材と特定する。そして、管理制御部11は、劣化推定部材に対して遠隔チューニングを行う。
しかし、管理制御部11は、電池部材の現在の劣化状態に基づいて遠隔チューニングを行ってもよい。図12は、電池部材の現在の劣化状態に基づいて劣化推定部材を特定する処理を含む全体制御の流れの一例を示すフローチャートである。
また、図12の処理では、図9のステップS14の処理に代えて、ステップS114の処理が行われる。ステップS114では、ステップS13においてセルスタック50aの劣化傾向が改善しなかった場合に、管理制御部11は、ステップS111において特定した劣化推定部材を、検出劣化部材として特定する。
図12のステップS111及びステップS114以外の処理については図9と同様であるので、説明を省略する。
図12のステップS111での劣化推定部材を特定する方法として、例えば以下の方法が挙げられる。
例えば、セルスタック50aの現在の劣化状態について検討する。例えば、図5において、セルスタック50aが劣化していると判定される基準である定格出力の80%が、セルスタック50aの劣化閾値であり、この劣化閾値に相当する電圧差が、セルスタック50aの劣化閾値となる。電圧差とは、劣化取得手段200が取得した前述のセルスタック50aの電圧差である。
よって、管理制御部11は、劣化取得手段200から取得した現在の電圧差と、セルスタック50aの劣化閾値とを比較し、現在の電圧差が劣化閾値よりも悪化している場合、つまり、現在の電圧差が劣化閾値以下となった場合に、当該セルスタック50aを劣化推定部材と特定する。この場合、管理制御部11は、ステップS12に進み、当該劣化推定部材に対して遠隔チューニングを行う。
一方、管理制御部11は、劣化取得手段200から取得した現在の電圧差が劣化閾値未満の場合に、当該セルスタック50aを劣化推定部材とみなさず、ステップS10に戻る。
一方、管理制御部11は、劣化取得手段200から取得した現在の実測差分が劣化閾値未満の場合に、当該原燃料ポンプ41を劣化推定部材とみなさず、ステップS10に戻る。
例えば、セルスタック50aについて検討する。図13は、劣化閾値が示されたセルスタックの経年の劣化傾向の一例を示すグラフである。各種電池部材の劣化傾向の取得方法は上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
図13では、前述と同様に、セルスタック50aが劣化していると判定される基準である定格出力の80%が、セルスタック50aの劣化閾値と設定されている。
現時点が燃料電池システム30の使用開始から3年である場合、図13を参照すると、セルスタック50aの劣化状態の指標となる発電出力は、定格出力の約75%であり劣化閾値(80%)未満である。この場合は、管理制御部11は、当該セルスタック50aを劣化推定部材と特定し、ステップS12に処理を進めて当該劣化推定部材に対して遠隔チューニングを行う。
一方、現時点が燃料電池システム30の使用開始から1年である場合、図13を参照すると、セルスタック50aの劣化状態の指標となる発電出力は、定格出力の約90%であり劣化閾値(80%)以上である。この場合は、管理制御部11は、当該セルスタック50aを劣化推定部材とみなさず、ステップS10に戻る。
図14では、燃料電池システム30の使用開始から3年が、原燃料ポンプ41の劣化閾値と設定されている。
現時点が燃料電池システム30の使用開始から2年半である場合、原燃料ポンプ41の劣化状態は劣化閾値以上である。この場合は、管理制御部11は、当該セルスタック50aを劣化推定部材と特定し、ステップS12に処理を進めて当該劣化推定部材に対して遠隔チューニングを行う。
一方、現時点が燃料電池システム30の使用開始から1年である場合、原燃料ポンプ41の劣化状態は劣化閾値未満である。この場合は、管理制御部11は、当該原燃料ポンプ41を劣化推定部材とみなさず、ステップS10に戻る。
図15は、遠隔チューニングを行わない全体制御の流れの一例を示すフローチャートである。
図15の処理では、図9のステップS11の処理に代えて、ステップS112において検出劣化部材を特定する処理が行われる。また、図15では、ステップS112において検出劣化部材が特定されると、図9の遠隔チューニングに関するステップS12、S13及び検出劣化部材の特定に関するステップS14を行わず、ステップS15、S16、S17の処理が行われる。図15において、ステップS10、S15,S16,S17の処理は図9と同様であるので説明を省略する。
検出劣化部材を特定する方法として、例えば以下の方法が挙げられる。
例えば、セルスタック50aの現在の劣化状態について検討する。例えば、図5において、セルスタック50aが劣化していると判定される基準である定格出力の80%が、セルスタック50aの劣化閾値であり、この劣化閾値に相当する電圧差が、セルスタック50aの劣化閾値となる。電圧差とは、劣化取得手段200が取得した前述のセルスタック50aの電圧差である。
よって、管理制御部11は、劣化取得手段200から取得した現在の電圧差と、セルスタック50aの劣化閾値とを比較し、現在の電圧差が劣化閾値よりも悪化している場合、つまり、現在の電圧差が劣化閾値以下となった場合に、当該セルスタック50aを検出劣化部材と特定する。この場合、管理制御部11は、ステップS15に処理を進める。
一方、管理制御部11は、劣化取得手段200から取得した現在の電圧差が劣化閾値未満の場合に、当該セルスタック50aを検出劣化部材とみなさず、ステップS10に戻る。
その他の補器を含む電池部材に対しても、現在の劣化状態に基づいて検出劣化部材か否かを判定する。
例えば、セルスタック50aについて検討する。図13は、劣化閾値が示されたセルスタックの経年の劣化傾向の一例を示すグラフである。各種電池部材の劣化傾向の取得方法は上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
現時点が燃料電池システム30の使用開始から3年である場合、図13を参照すると、セルスタック50aの劣化状態の指標となる発電出力は、定格出力の約75%であり劣化閾値(80%)未満である。この場合は、管理制御部11は、当該セルスタック50aを検出劣化部材と特定し、ステップS15に処理を進める。
一方、現時点が燃料電池システム30の使用開始から1年である場合、図13を参照すると、セルスタック50aの劣化状態の指標となる発電出力は、定格出力の約90%であり劣化閾値(80%)以上である。この場合は、管理制御部11は、当該セルスタック50aを検出劣化部材とみなさず、ステップS10に戻る。
その他の補器を含む電池部材に対しても、劣化傾向と劣化閾値とに基づいて検出劣化部材か否かを判定し、判定結果に基づいて遠隔チューニングを行うか否かを決定する。
11 :管理制御部
12 :記憶部
20 :製造装置
21 :製造制御部
22 :記憶部
30 :燃料電池システム
40 :ネットワーク
41 :原燃料ポンプ
43 :空気ブロア
50 :燃料電池
50a :セルスタック
50a1 :燃料電池セル
52 :改質器
64 :循環ポンプ
65a :放熱ファン
66a :換気ファン
83 :改質水ポンプ
100 :燃料電池制御システム
120 :電力変換装置
200 :劣化取得手段
Claims (12)
- 複数の燃料電池システムと、
前記複数の燃料電池システムとネットワークを介して通信可能に接続されている管理装置と、
を備える燃料電池制御システムであって、
各燃料電池システムは、
原燃料を改質水により水蒸気改質して燃料ガスに変化させる改質器と、
前記改質器からの燃料ガスと空気とを反応させて発電するセルスタックと、
前記原燃料の前記改質器への供給、前記改質水の前記改質器への供給及び前記空気の前記セルスタックへの供給を含む前記セルスタックでの発電の補助を行う補機とを有し、
前記複数の燃料電池システムのうち少なくとも1つの燃料電池システムは、
前記セルスタックの劣化状態及び前記補機の劣化状態の少なくともいずれかを含む劣化情報を取得する劣化取得手段を有し、
前記管理装置は、
前記燃料電池システムを構成する、前記セルスタック及び前記補機を含む電池部材それぞれの製造ロット番号と各電池部材を備える燃料電池システムそれぞれとを対応づけた電池部材対応表を記憶する記憶部と、
前記複数の燃料電池システムのうち少なくとも一の燃料電池システムから、当該燃料電池システムを構成する前記電池部材の前記劣化情報を前記ネットワークを介して取得し、前記電池部材のうちから、前記劣化情報に基づいて劣化していると判定した検出劣化部材を検出し、前記電池部材対応表において前記検出劣化部材の製造ロット番号に対応している複数の電池部材を複数の劣化部材として特定し、前記複数の劣化部材それぞれを備える燃料電池システム群である劣化燃料電池システム群を前記検出劣化部材の前記劣化情報に基づいて停止する管理制御部とを有する、燃料電池制御システム。 - 前記管理制御部は、前記電池部材の前記劣化情報に基づいて、前記電池部材のうち少なくとも前記検出劣化部材の経年による劣化傾向を推定し、前記劣化傾向に基づいて前記検出劣化部材の現在からの使用可能期間を推定し、前記使用可能期間が経過する前に、前記劣化燃料電池システム群の運転を停止させる、請求項1に記載の燃料電池制御システム。
- 前記電池部材は、前記燃料電池システムの筐体を冷却するための冷却手段と、前記セルスタックで発電した直流電圧を交流電圧に変換する電力変換装置と、をさらに含み、
前記劣化取得手段は、前記冷却手段の劣化状態及び前記電力変換装置の劣化状態の少なくともいずれかをさらに取得し、
前記劣化情報には、前記冷却手段の劣化状態及び前記電力変換装置の劣化状態の少なくともいずれかがさらに含まれ、
前記管理制御部は、
前記検出劣化部材の使用可能期間が所定期間未満であり、かつ前記検出劣化部材が前記セルスタック及び前記補機の少なくともいずれかである場合は、前記劣化燃料電池システム群の運転を即座に停止させ、
前記検出劣化部材の使用可能期間が所定期間未満であり、かつ前記検出劣化部材が前記冷却手段及び前記電力変換装置の少なくともいずれかである場合は、前記使用可能期間が経過するまでに、前記劣化燃料電池システム群の運転を徐々に停止させる、請求項2に記載の燃料電池制御システム。 - 前記補機は、前記原燃料の前記改質器への供給を行う原燃料ポンプ、前記改質水の前記改質器への供給を行う改質水ポンプ、及び、前記空気の前記セルスタックへの供給を行うエアブロアの少なくともいずれかである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池制御システム。
- 前記電池部材を製造する製造装置がさらにネットワークを介して通信可能に接続されており、
前記管理制御部は、前記製造装置で製造された、前記検出劣化部材と同一の製造ロット番号を有する少なくとも一つの劣化部材が、市場へ流出し及び新たに製造されるかの少なくともいずれかを阻止するための阻止情報を前記製造装置に送信する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池制御システム。 - 前記電池部材を製造する製造装置と、
前記製造装置で製造された電池部材を格納する保管装置と、
がさらにネットワークを介して通信可能に接続されており、
前記管理制御部は、前記製造装置で製造された、前記検出劣化部材と同一の製造ロット番号を有する少なくとも一つの劣化部材が、市場へ流出し及び新たに製造されるかの少なくともいずれかを阻止するための阻止情報を前記保管装置に送信する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池制御システム。 - 前記管理制御部は、
前記複数の燃料電池システムのうち少なくとも一の燃料電池システムを構成する前記電池部材についての前記劣化情報に基づいて、前記電池部材の経年による劣化傾向を推定し、
前記劣化傾向に基づいて前記電池部材の使用寿命期間を特定し、前記使用寿命期間が前記電池部材の設計寿命期間又は前記燃料電池システムの設計寿命期間より短いと判定すると、当該電池部材を劣化推定部材と特定し、前記劣化推定部材の使用寿命期間を延ばすように、前記補機の制御によって、前記原燃料の前記改質器への供給量、前記改質水の前記改質器への供給量及び前記空気の前記セルスタックへの供給量の少なくともいずれかを調整する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料電池制御システム。 - 前記管理制御部は、前記補機の制御によっても前記劣化推定部材の使用寿命期間が延びない場合は、前記劣化推定部材を前記検出劣化部材として検出する、請求項7に記載の燃料電池制御システム。
- 前記管理制御部は、前記電池部材それぞれの劣化情報が、前記電池部材それぞれに対して設定されている劣化閾値に対して、前記電池部材の劣化を示している場合、当該電池部材を前記検出劣化部材として検出する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料電池制御システム。
- 前記セルスタックは、アノードと、カソードと、前記アノード及び前記カソードに挟まれた電解質とを含む燃料電池セルの積層により構成され、
前記セルスタックは、第1燃料電池セルと第2燃料電池セルとを含み、
前記劣化取得手段は、前記電池部材が前記セルスタックである場合には、前記第1燃料電池セルの両端のアノードとカソードとの間の第1電圧と、前記第2燃料電池セルの両端のアノードとカソードとの間の第2電圧との関係に基づいて、前記セルスタックの劣化状態を取得する、請求項9に記載の燃料電池制御システム。 - 前記補機には、前記補機の実際の駆動量を検出する検出器が設けられており、
前記劣化取得手段は、前記電池部材が前記補機である場合には、前記補機の駆動量を制御する指示駆動量を前記補機に指示し、前記指示駆動量と、前記検出器が検出した当該補機の実際の駆動量との実測差分に基づいて、当該補機の劣化状態を取得する、請求項9又は10に記載の燃料電池制御システム。 - 原燃料を改質水により水蒸気改質して燃料ガスに変化させる改質器と、前記改質器からの燃料ガスと空気とを反応させて発電するセルスタックと、前記原燃料の前記改質器への供給、前記改質水の前記改質器への供給及び前記空気の前記セルスタックへの供給を含む前記セルスタックでの発電の補助を行う補機とを有する複数の燃料電池システムと、
前記複数の燃料電池システムとネットワークを介して通信可能に接続されており、前記燃料電池システムを構成する、前記セルスタック及び前記補機を含む電池部材それぞれの製造ロット番号と各電池部材を備える燃料電池システムそれぞれとを対応づけた電池部材対応表を記憶する記憶部と、前記燃料電池システムを制御する管理制御部とを有する管理装置と、
を備える燃料電池制御システムにおける燃料電池制御方法であって、
前記複数の燃料電池システムのうち少なくとも1つの燃料電池システムが有する劣化取得手段は、前記セルスタックの劣化状態及び前記補機の劣化状態の少なくともいずれかを含む劣化情報を取得し、
前記管理制御部は、
前記複数の燃料電池システムのうち少なくとも一の燃料電池システムから、当該燃料電池システムを構成する前記電池部材の前記劣化情報を前記ネットワークを介して取得し、
前記電池部材のうちから、前記劣化情報に基づいて劣化していると判定した検出劣化部材を検出し、
前記電池部材対応表において前記検出劣化部材の製造ロット番号に対応している複数の電池部材を複数の劣化部材として特定し、前記複数の劣化部材それぞれを備える燃料電池システム群である劣化燃料電池システム群を前記検出劣化部材の前記劣化情報に基づいて停止する、燃料電池制御方法。
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