JP6452741B2 - 燃料電池システム - Google Patents

燃料電池システム Download PDF

Info

Publication number
JP6452741B2
JP6452741B2 JP2017041990A JP2017041990A JP6452741B2 JP 6452741 B2 JP6452741 B2 JP 6452741B2 JP 2017041990 A JP2017041990 A JP 2017041990A JP 2017041990 A JP2017041990 A JP 2017041990A JP 6452741 B2 JP6452741 B2 JP 6452741B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel cell
water
flow rate
sensor
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017041990A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018147736A (ja
Inventor
達哉 中島
達哉 中島
中村 和郎
和郎 中村
一希 一色
一希 一色
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Gas Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Gas Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Gas Co Ltd filed Critical Tokyo Gas Co Ltd
Priority to JP2017041990A priority Critical patent/JP6452741B2/ja
Publication of JP2018147736A publication Critical patent/JP2018147736A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6452741B2 publication Critical patent/JP6452741B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
特許文献1には、改質水ポンプの異常が発覚した場合に、酸素含有ガスを供給することにより、部分酸化反応を起こすことで炭素の析出を防止する制御方式が開示されている。
特許文献1では、改質水を監視する手段として、水供給手段検知装置で監視しており、具体的には、水量、ポンプの回転数、ポンプショット数、ポンプ消費電力等を検知することができる装置が適用可能であるとしている。
特許文献2には、改質水を監視する手段として流量計(改質水流量センサ)にて改質水ポンプの異常を感知した後、改質水ポンプのモータを逆回転させることで、ゴミ等の除去を行うことが開示されている。
上記引用文献1及び引用文献2では、改質水を監視する手段(水供給検知装置、改質水流量センサ)が故障した場合に改質水の実流量を把握することができない。また、長時間運転に関して、言及されていない。
特許文献3には、流量計を用いずに、改質器内の温度センサで直接的に監視することで改質水量の増減を把握し、流量制御を行う制御方式が開示されている。なお、改質器の温度を燃焼室に設けた温度センサで間接的に監視することも記載されている。
特許文献3では、高温の改質器又は燃焼室の温度を用いて、改質水流量を把握するため、吸熱反応である改質反応等の影響も受け、改質水流量の把握が難しい。
特許文献4には、蒸発部とポンプとの間に温度センサを設置し、起動時に改質水が蒸発部直前まで届いているかを判定することが開示されている。
特許文献4では、そもそも、改質水が来ているかどうかの確認をするものであり、改質水流量を把握することは難しい。
特許文献5には、気化器内に温度検出手段を設け、その温度をもって改質水流量低下を判断し、制御することが記載されている。さらに、特許文献3は、気化後の水蒸気と燃料ガスとが混ざった水蒸気が流れる配管に圧力計(圧力検出手段)を設置し、その圧力低下をもって改質水量の低下を判定することが記載されている。
特許文献5は、改質水のみが通ずる気化器内に温度検出手段を設けている。この場合、蒸気温度か液水温度かを判断することが難しい。蒸気温度の場合は常に100℃以上、改質水温度の場合は100℃未満であり、温度検出手段を設置する場所や改質水流量によって蒸気と液水とが相変化することがある。
また、燃料ガスと気化後の水蒸気が通ずる配管に圧力検出手段を設けており、この場合、蒸気が凝縮する場合がある。また、常温で圧力を測定するために余計な配管を伸ばす必要や、高温対応の圧力検出手段を設置する必要がある。
特開2008−135270号公報 特開2015−220140号公報 特開2011−81972号公報 特開2016−66534号公報 特開2011−216208号公報
燃料電池システム(例えば、固体酸化物形燃料電池「SOFC:Solid Oxide Fuel Cell」)において、エネルギー利用効率を向上させるための構成として、単一の燃料電池スタックを用い、当該燃料電池スタックから排出された使用済みの燃料ガス中の未反応の燃料ガスを循環させて再利用する循環式や、燃料電池スタックを複数設け、前段の燃料電池スタックから排出された使用済みの燃料ガス中の未反応の燃料ガスを後段の燃料電池スタックで再利用する多段式が知られている。何れの構成においても、使用済みの燃料ガスに含まれる水蒸気や二酸化炭素(CO2)を除去できれば、反応に寄与する水素及び一酸化炭素の濃度が増加することで、再利用する燃料ガスが供給される燃料電池スタックの性能向上が見込める。
SOFCの高温部(ホットボックスという)は、吸熱の炭化水素系燃料の水蒸気改質反応が行われる燃料改質部や、発熱反応の燃料電池スタック部と、燃焼部、熱交換器、気化部等が収容されている。このホットボックス内で熱を効率よく融通させることで、外部への熱逃げを抑制できれば、高温に保つための余分な燃料を投入することなく、SOFCシステムの発電効率を高く保つことができる。
炭化水素系燃料を利用するSOFCシステムにおいて、改質反応に用いる改質水は、非常に重要な役割を果たすものであり、燃料に対する改質水導入量(S/Cという場合がある)が低下すると、燃料電池スタックや改質部等の高温領域において、炭素が析出することがある。
このため、改質水の流量制御を行う改質水ポンプや、改質水の流量を検知する流量計等の精度維持は、重要な要件となる。
しかし、改質水等の液体の流量系は、気体と比べてキャビテーション等に起因して気泡が生じたり、不純物の影響で、長時間運転中に常に正確な流量が制御できない、或いは流量計測ができない可能性がある。
上記引用文献1〜引用文献5を含む従来技術における改質水の流量監視技術は、一長一短があり、運転時の改質水ポンプの故障、及び流量制御のずれ等の不具合をもたらす改質水の流量が低下したのか増加したのかを判断を、長期的、かつ精度を維持しつつ監視することが難しい。
本発明は上記事実を考慮し、改質水の流量を、長期的かつ精度を維持しつつ監視することができる燃料電池システムを得ることが目的である。
本発明に係る燃料電池システムは、改質水を気化する気化器、及び、原料ガスと酸化ガスとの化学反応によって発電する燃料電池スタックを備えた発電処理部と、前記気化器、前記燃料電池スタック、発電処理補助機器、及びこれらを連結する配管又は配線の少なくとも2箇所以上に分散して、前記改質水の流量に依存して変化する物理量を検出する複数の検出手段を備え、前記複数の検出手段による検出結果に関連して変化する前記改質水の流量を監視する監視手段とを有し、前記監視手段は、前記改質水に気泡が発生し当該改質水の流量を直接的に検出する監視精度が低下する長時間運転の場合に、前記複数の検出手段で検出したそれぞれの結果に基づいて、前記改質水の量の適否を判定し、予め定めた信頼性の優劣を示す順位に基づいて、前記改質水の量の適否を総合判定することを特徴としている。
本発明によれば、発電処理部では、改質水を気化させた水蒸気と原料ガスとを改質反応させて燃料ガスを生成し、酸化ガスとの化学反応によって発電する。
改質水の量の変動(特に流量低下)は、改質器、燃料電池スタックで炭素析出を発生させる要因となる。
そこで、監視手段では、気化器、燃料電池スタック、発電処理補助機器、及びこれらを連結する配管又は配線の少なくとも1箇所において、改質水の流量に依存して変化する物理量を検出する検出手段によって改質水の流量を監視する。なお、本発明において、発電処理補助機器とは、少なくともブロア及びポンプを含む。
検出手段による流量の間接的な検出は、改質水の流量を直接的に検出した場合に発生する、キャビテーション等による気泡発生を要因とする精度低下がなく、長期間運転中の監視精度を維持することができる。なお、ここでの間接的な検出とは、改質水の流量を測定するのではなく、改質水の流量以外の物理量を検出することを意味する。
本発明において、前記発電処理部が、前段の燃料電池スタックと、当該前段の燃料電池スタックにおける化学反応後の未反応の燃料ガスを受ける後段の燃料電池スタックと、を有することを特徴とする。
改質水の量の監視により、多段式の燃料電池システムにおいても、各段の燃料電池スタック及び改質器での炭素析出を抑制することができる。
本発明において、前記気化器で気化した水蒸気と原料ガスとを改質反応させ燃料ガスを生成する改質器をさらに有することを特徴とする。
本発明において、前記発電処理部が、前記燃料電池スタックでの発電に伴って発熱した熱を前記改質反応に利用する熱交換部をさらに有し、前記検出手段が、前記熱交換部及び前記熱交換部に通じる配管に設置される場合があることを特徴とする。
なお、発電に伴い発熱した熱源媒体を熱交換部で熱交換処理して、改質反応の熱源媒体に利用する場合がある。検出手段は、熱交換部に設置してもよい。
本発明において、前記検出手段で検出する物理量が、温度、圧力、燃料電池の電圧の少なくとも1つを含むことを特徴とする。
改質水の流量が変動すると、例えば、改質水自体の温度又は排ガスの温度が変動する。また、改質水の流量が変動すると、改質水と混合される原料ガスの圧力が変動する。さらに、改質水の流量が変動すると、燃料電池スタックにおける発電電圧(燃料電池の電圧)が変動する。
これらは、それぞれ改質水の流量と関数的に相関するため、例えば、通常時の値との差分や変化量(変化率)が所定以上の場合に異常と判定することができる。また、予め記憶している値と比較してもよい。
本発明において、前記気化器へ投入される改質水の流量を検出する流量センサをさらに有し、前記検出手段と併用することを特徴とする。
本発明は、改質水の流量を直接的に検出する流量センサを設置することを否定するものではなく、例えば、初期運転時等、キャビテーション等による気泡発生がないときは、流量センサを用いることも可能である。すなわち、流量センサと検出手段とを併用することで、両者を適材適所に有効利用することができる。
本発明において、前記検出手段を複数設け、複数の前記検出手段で検出したそれぞれの結果に基づいて、前記改質水の量の適否を判定し、予め定めた信頼性の優劣を示す順位に基づいて、前記改質水の量の適否を総合判定することを特徴とする。
例えば、複数の検出手段で改質水の流量の監視を行った場合、一方が正常と判定され、他方が異常と判定される可能性がある。
そこで、検出手段に、予め設定した信頼性の優劣の関係を示す順位(以下、優先順位という)を設定しておき、上記のように正常判定と異常判定とが混在した場合に、優先順位に基づき、総合判定すればよい。
優先順位は、単純に上位及び下位の関係でもよいし、それぞれに重要度(重み点数)を決めておき、各検出手段の判定に重みを付けてもよい。
以上説明した如く本発明では、改質水の流量を、長期的かつ精度を維持しつつ監視することができるという優れた効果を有する。
本実施の形態に係る燃料電池システムの概略構成図である。 本実施の形態に適用されるセンサ名、検出対象、検出タイプ及び設置場所の一覧を示す図表である。 本実施の形態に係る制御部において実行される、改質水の監視制御の一例を示す機能ブロック図である。 本実施の形態に係る改質水監視制御ルーチンを示すフローチャートである。 改質水流量変更時に実行される割込ルーチンである。
図1に従い、本実施の形態に係る燃料電池システム10の構成を、各部の機能と共に説明する。なお、本実施の形態の燃料電池システム10は一例であり、各部において構造が適宜改造(増設、撤去を含む)される場合もあるが、発電する基本概念は変わることはない。
燃料電池システム10は、主要な構成として、気化器12、改質器14、第1燃料電池スタック16、第2燃料電池スタック18、空気供給部46、分離部20、第1熱交換部30、第2熱交換部32、第3熱交換部34、第4熱交換部36、燃焼器40、タンク42、及び制御部44を備えている。改質器14では、気化器12で気化した水蒸気と原料ガスとを改質反応させ燃料ガスを生成する。
第1燃料電池スタック16は、固体酸化物形の燃料電池スタックであり、積層された複数の燃料電池セルを有している。第1燃料電池スタック16は、燃料ガス及び空気を同等の条件で受ける複数のスタックモジュールで構成してもよい。
第2燃料電池スタック18は、固体酸化物形の燃料電池スタックであり、積層された複数の燃料電池セルを有している。第2燃料電池スタック18は、燃料ガス及び空気を同等の条件で受ける複数のスタックモジュールで構成してもよい。
すなわち、本実施の形態の燃料電池システム10は、複数段(ここでは、第1燃料電池スタック16及び第2燃料電池スタック18の2段であり、燃料電池スタック16のオフガスを燃料電池スタック18へ導入する。)とされた、多段式の燃料電池システム10を構成している。なお、段数は、2段に限定されず、3段以上であってもよい。空気は、各段共に、同等の条件で受けるようにしてもよい。
気化器12には、原料ガス管P1の一端が接続されており、原料ガス管P1の他端は図示しないガス源に接続されている。ガス源からは、ブロアBによりガス(一例として、メタン)が気化器12へ送出される。原料ガス管P1の中間部には、水を貯留するタンク42からの水供給管P2が接続されている。タンク42からは、ポンプPにより、水(液相)が気化器12へ送出される。
気化器12では、水が気化される。気化には、後述する燃焼器40の熱が用いられる。なお、本実施の形態では、原料ガスとしてメタンを用いるが、改質が可能なガスであれば特に限定されず、炭化水素燃料を用いることができる。炭化水素燃料としては、天然ガス、LPガス(液化石油ガス)、石炭改質ガス、低級炭化水素ガス、及びバイオガスなどが例示される。
気化器12では、供給されたメタン及び水が混合されると共に、燃焼排ガス管P10を流通する燃焼排ガスG6から熱を得て加熱され、水が気化され水蒸気となる。
メタン及び水蒸気は、気化器12から配管P3を介して改質器14へ送出される。改質器14では、水蒸気改質反応により、水素を含む600℃程度の燃料ガスG1が生成される。燃料ガスG1は、燃料ガス管P4を介して第1燃料電池スタック16のアノード16Aに供給される。
第1燃料電池スタック16のカソード16Bには、分離部20の透過部26から排出された透過部排出ガス(空気Aと二酸化炭素及び水蒸気の混合気体)が、酸化ガスG5として酸化ガス管P5を経て供給される。これにより、第1燃料電池スタック16では、化学反応により発電が行われる。ここで、酸化ガスG5は、分離部20を必ずしも経なくてもよい。
上記化学反応により第1燃料電池スタック16は発熱し、650℃程度の温度で発電が行われる。この発電に伴い燃料電池スタック16のアノード16Aからは、アノードオフガスG3が排出される。また、カソード16Bからは、カソードオフガスG2が排出され、カソードオフガスG2は、カソードオフガス管P6を通って第2燃料電池スタック18のカソード18Bへ供給される。
アノード16Aから排出されたアノードオフガスG3は、アノードオフガス管P7に導かれ、第2熱交換部32、第1熱交換部30を経て、分離部20の流入部24へ流入される。アノードオフガスG3の温度は、第2熱交換部32により、約650℃からある程度温度が低下し、第1熱交換部30では、アノードオフガスG3の温度は、分離部20の部材によって適した温度T0に近い温度まで下げられる。
一方、空気供給部46からは、制御部44による分離部20の温度Tのフィードバック制御により流量が制御された空気Aが、空気供給管P8により、第1熱交換部30を介して分離部20の透過部26へ送出される。第1熱交換部30では、空気Aの温度は、分離部20の部材によって適した温度T0に近い温度、すなわち、第1熱交換部30で熱交換が行われた後のアノードオフガスG3と略同じ温度となる。
アノードオフガスG3は、第2熱交換部32、第1熱交換部30での熱交換を経て分離部20の流入部24へ流入され、少なくとも水蒸気(二酸化炭素が含まれる場合もある)が、分離膜28を透過して透過部26側へ移動することにより分離される。
流入部24からは再生燃料ガスG4が送出され、第4熱交換部36、第2熱交換部32を経て、600℃程度に昇温され、再生燃料ガス管P9により第2燃料電池スタック18のアノード18Aへ供給される。第2燃料電池スタック18では、化学反応により発電が行われる。
上記化学反応により第2燃料電池スタック18は発熱し、650℃程度の温度で発電が行われる。アノード18A、カソード18Bでの使用済ガスは、配管P11、カソードオフ燃焼導入管P12により各々燃焼器40へ送出され、燃焼器40で焼却に供される。
燃焼器40からの燃焼排ガスG6は、第3熱交換部34、第4熱交換部36、及び気化器12を経て、燃焼排ガス管P10によりタンク42へ送出される。燃焼排ガスG6に含まれる水蒸気は、気化器12からタンク42までの経路やタンク42内で冷却され、凝縮されてタンク42に貯留される。その他の燃焼排ガスは、タンク42から装置外に放出される。
一方、透過部26へ流入したスイープガスとしての空気Aは、分離膜28を透過して流入した二酸化炭素、水蒸気と共に、透過部26から送出される。
送出された透過部排出ガスG7は、第3熱交換部34を経て、酸化ガスG5として酸化ガス管P5によりカソード16Bへ供給される。
本実施の形態の燃料電池システム10のほとんどの構造体(少なくともタンク42は除く)は、図示しないホットボックスに収容されている。
ホットボックスは、主として断熱材によって筐体が形成されており、当該筐体に収容された燃料電池システム10は、外気とは分離された雰囲気の環境下で、所定の温度(予め定めた許容範囲を含む)で維持される。
ここで、前述した改質器14での改質反応に用いる水(改質水)が、変動(特に導入量が低下)すると、改質器14、改質器14後の配管、第1燃料電池スタック16、第1燃料電池スタック16後の配管や熱交換器、及び第2燃料電池スタック18で炭素析出を発生させる要因となる。
この場合、水供給管P2を流れる水の流量を流量センサ60で積極的に計測し、監視したとしても、当該流量センサ60が、キャビテーション等により気泡が発生したり、不純物の影響で、長時間運転に際し、精度を維持できない。
そこで、本実施の形態では、流量センサ60の設置の有無を問わず、流量センサ60以外のセンサを燃料電池システム10の各所に設置して、流量センサ60による流量計測という直接的手段とは異なり、間接的手段によって、長時間運転を踏まえた改質水の流量監視を実行するようにした。
間接的手段で改質水の流量を監視するためのセンサの種類としては、温度センサ、圧力センサ、及び電圧センサが挙げられる。
以下に、本実施の形態における、改質水の流量を、間接的手段によって監視することができるセンサ(図2参照)についての詳細を説明する。
各部に設置されるセンサは、少なくとも1個あればよく、また、流量センサ60の有無を問わない。言い換えれば、本実施の形態の燃料電池システム10において、改質水の流量を監視するセンサは、流量センサ60以外に、少なくとも1個の間接的手段による流量監視を行うセンサ(センサSa〜センサSj)が設置されることなる。なお、以下において、センサSa〜Sjを総称する場合は、「センサS」という。
(センサSa)
センサSaは、物理量として温度を検出する温度センサであり、設置場所は、図1に示される如く、水供給管P2のポンプPの下流側である。
気化器12への投入前の配管であり、センサSaにより、水の温度を測定する。気化器12が高温のホットボックス内に設置されており、水供給管P2内の水は、外部から熱をもらうため、気化器12に入る前に温度がわずかに上昇する。この温度(又は温度上昇率)が通常の温度(又は温度上昇率)よりも増加した場合は、水供給管P2内の水の量が少ないと判断することができる。なお、外部から熱をもらい、タンク42内の水よりも温度が高くなるシステムであれば、センサSaはホットボックス内に設置しなくてもよい。
(センサSb)
センサSbは、物理量として温度を検出する温度センサであり、設置場所は、図1に示される如く、気化器12の内部である。
所定の流量で気化器12に水が流入し、かつ、燃焼排ガス管P10内を、所定の温度の燃焼排ガスG6が流通すると、気化器12内の移動(図1では、左から右への移動)中の何れかの位置(所定の流量時に液体と気体の境界付近で、液が100℃程度で気体が過熱となる位置)で水が気化する。すなわち、水蒸気から過熱蒸気に遷移する位置(潜熱と顕熱との切り替わりの位置)を特定でき、この特定された位置に、改質水の温度を検出する位置にセンサSbを配置する。なお、所定の流量とは、負荷変動により発電量を調整することで変化する流量であり、負荷変動に対応した流量をいう(以下、同様)。
気化器12に流入する水の流量が少ない場合、前記特定位置の手前(上流側)で蒸気温度になって温度が急上昇し、この温度(又は温度上昇率)で水が少ないと判断することができる。
(センサSc)
センサScは、物理量として温度を検出する温度センサであり、設置場所は、図1に示される如く、気化器12の出口側の配管P3である。
このセンサScにより、配管P3を流れる過熱蒸気の温度を測定する。通常の温度(温度上昇率)よりも温度(温度上昇率)が増加した場合は、水量(加熱蒸気量)が少ないと判断することができる。また、この配管P3は、改質水量が異常に増加し、気化器12で十分に気化出来ていないときに、100℃以下まで温度が下がるため、改質水の流量の増減を精度よく監視することができる。
(センサSd)
センサSdは、物理量として温度を検出する温度センサであり、設置場所は、図1に示される如く、分離部20の流入部24の出口側に接続された再生燃料ガス管P4における第4熱交換器34の上流側である。
このセンサSdにより、酸化ガス管P5を流れる透過部排出ガスに含まれる水蒸気の温度を測定する。通常の温度(温度上昇率)よりも温度(温度上昇率)が増加した場合は、水量(加熱蒸気量)が少ないと判断することができる。
(センサSe)
センサSeは、物理量として温度を検出する温度センサであり、設置場所は、図1に示される如く、気化器12の内部である。
燃焼排ガス管P10において、改質水が液体から加熱蒸気に相変化する位置にセンサSeを設置することで、改質水量が少ない場合には、燃焼排ガスG6の温度から奪われる熱量が少なくなり、燃焼排ガスG6の温度(温度上昇率)が増加し、改質水が少ないと判断することができる。
(センサSf)
センサSfは、物理量として温度を検出する温度センサであり、設置場所は、図1に示される如く、燃焼排ガス管P10における、気化器12の下流側、かつタンク42の上流側である。
改質水の量が少ない場合、燃焼排ガスG6が冷却されずに気化器12から排出されるため、通常の温度(又は温度上昇率)よりも増加した場合は、改質水の少ないと判断することができる。
(センサSg)
センサSgは、物理量として圧力を検出する圧力センサであり、設置場所は、図1に示される如く、原料ガス管P1におけるブロアBの下流側である。
改質水の量が少ない場合、原料ガス管P1の圧力(圧力変化率)が低下するため、この圧力(圧力変化率)の低下により、改質水の少ないと判断することができる。
(センサSg、センサSh)
センサSg及びセンサShは、物理量として圧力を検出する圧力センサであり、図1に示される如く、設置場所は、センサSgが原料ガス管P1におけるブロアBの下流側であり、センサShが空気供給部46の出口側に接続された空気供給管P8における、第1熱交換部30の上流側である。
ブロアBの下流側の圧力PgをセンサSgで検出し、空気供給部46の下流側の圧力PhをセンサShで検出し、その差圧ΔP(=Pg−Ph)を演算する。
改質水の量が少ない場合は、差圧ΔP(差圧ΔPの変化量)が低下するため、通常の差圧ΔP(差圧ΔPの変化量)よりも低下した場合は、改質水の量が少ないと判断することができる。
(センサSi1、Si2)
センサSi1、Si2は、物理量として燃料電池の電圧を検出する電圧センサであり、センサSi1の設置場所は、図1に示される如く、第1燃料電池スタック16であり、第1燃料電池スタック16の全電圧(起電力)を検出する。また、センサSi2の設置場所は、図1に示される如く、第2燃料電池スタック18であり、第2燃料電池スタック18の全電圧(起電力)を検出する。なお、以下において、センサSi1、Si2を総称する場合は、センサSiという。
改質水が少なくなった場合は、燃料ガスの濃度が上がることにより燃料電池の電圧(電圧変化率)が増加するため、通常の燃料電池の電圧(電圧変化率)よりも増加した場合は、改質水の量が少ないと判断することができる。
なお、電圧の変化は、ガス組成の変化に由来するため、ガス組成を分析してもよい。
(センサSj1、Sj2)
センサSj1、Sj2は、物理量として燃料電池の電圧を検出する電圧センサであり、センサSj1の設置場所は、図1に示される如く、第1燃料電池スタック16であり、セルが積層された第1燃料電池スタック16の中の1つのセル(単セル)の電圧(起電力)を検出する。また、センサSJ2の設置場所は、図1に示される如く、2段目の第2燃料電池スタック18であり、セルが積層された第2燃料電池スタック18の中の1つのセル(単セル)の電圧(起電力)を検出する。なお、以下において、センサSj1、Sj2を総称する場合は、センサSjという。
改質水が少なくなった場合は、燃料ガスの濃度が上がることにより電圧(電圧変化率)が増加するため、通常の電圧(電圧変化率)よりも増加した場合は、改質水の量が少ないと判断することができる。
なお、改質水の流量異常により改質水の流量が少なくても、第1燃料電池スタック16で発電時に水が生成されるため、第2燃料電池スタック18の電圧は改質水の流量に影響され難いこともある。そのため、センサSi1、Si2と、センサSj1、Sj2とを連携することで、例えば、第2燃料電池スタック18の電圧が正常で、第1燃料電池スタック16の電圧が異常の場合、改質水の流量が少ないと判断することもできる。
なお、電圧の変化は、ガス組成の変化に由来するため、ガス組成を分析してもよい。
図3は、本実施の形態に係る制御部44において実行される、改質水の監視制御の一例を示す機能ブロック図である。なお、この図3の各ブロックは、制御部44のハード構成を限定するものではない。例えば、制御部44がハード構成として、CPU、RAM、ROM、入出力ポート(I/O)、及びこれらを接続するデータバスやコントロールバス等のバスを備えたマイクロコンピュータを有し、以下に説明する一部又は全部の機能ブロックの動作をCPUで実行される改質水監視制御プログラムの処理としてもよい。
また、図3では、上記で説明したセンサSa〜センサSiを全て設置しているように図示したが、設置するセンサSは適宜決めればよく、さらに、設置したセンサ種(センサ数)から改質水の流量を判定するセンサSを選択して適用すればよい。
なお、図3では、直接的に改質水の流量を検出する流量センサ60を設置しているが、必須ではないため、点線で示している。
改質水監視指示部62には、自動又は手動により監視指示が入力される。例えば、運転中は常に監視を指示してもよいし、一定期間毎に監視を指示してもよい。また、メンテナンスのために、手動で不定期に監視を指示してもよい。
改質水監視指示部62は、取込データ選択部64に接続されている。取込データ選択部64では、燃料電池システム10に設置されたセンサS(センサSa〜センサSj)の中から、適用するセンサSを選択する。取込データ選択部64は、取込順序決定部66及び個別判定結果一時格納部68に接続されている。
取込順序決定部66は、取込データ選択部64から選択結果情報を受け、取り込んだデータの判定順序を決定し、データ取込部70へデータ取込を指示する。
一方、個別判定結果一時格納部68は、取込データ選択部64からセンサ数情報を受け、格納する個別判定結果の数と照合する(詳細後述)。
データ取込部70は、流量取込部72、温度取込部74、圧力取込部76、及び電圧取込部78を備えている。
流量センサ60は、流量取込部72に接続され、取込順序決定部66で決定された順序に基づいて、流量センサ60から流量データを取り込む。
センサSa〜センサSfは、温度取込部74に接続され、取込順序決定部66で決定された順序に基づいて、センサSa〜センサSfから温度データを取り込む。
センサSg〜センサShは、圧力取込部76に接続され、取込順序決定部66で決定された順序に基づいて、センサSg〜センサShから圧力データを取り込む。
センサSi〜センサSjは、電圧取込部78に接続され、取込順序決定部66で決定された順序に基づいて、センサSi〜センサSjから電圧データを取り込む。
取り込まれた検出データ(流量データ、温度データ、圧力データ、及び電圧データ)は、検出データ受付部80へ送出される。検出データ受付部80では、受け付けた検出データを比較部82へ送出すると共に、受け付けた検出データのセンサ種をセンサ種−通常値テーブルメモリ84へ送出する。
センサ種−通常値テーブルメモリ84には、所定の流量の運転時に各センサSが出力する通常値(しきい値)がテーブル化されて記憶されている。
なお、センサ種−通常値テーブルは、初期設定として、起動時の改質水の流量に基づく通常値が設定され、運転中の改質水の流量変更に伴って通常値が更新されるようになっている。改質水の流量は、例えば、ポンプPの駆動電圧から算出可能である。
比較部82は、センサ種−通常値テーブルメモリ84から、センサ種に応じた通常値、すなわち、所定の流量の運転時における各センサSの出力を示す検出値であるしきい値をテーブルから読み出す。
このとき、予め、負荷変動に応じた様々な改質水の流量、原料ガスの流量、空気流量、運転電流における温度、圧力、燃料電池の電圧を把握しておくことで、しきい値を補正し、改質水の流量異常の判定の精度を向上することができる。
比較部82では、検出データとしきい値とが比較される。なお、この比較は、検出データ自体であってもよいし、一定時間検出したときの変化率であってもよい。
比較部82は、改質水量適否判定部86に接続され、改質水量適否判定部86には、比較結果が送出される。改質水量適否判定部86による判定は、前述した各センサSa〜センサSjの機能説明に基づくものであり、ここでの説明は省略する。
改質水量適否判定部86は、個別判定結果一時格納部68に接続されており、各センサSによる改質水量の適否判定結果が、順次送出されるようになっている。
個別判定結果一時格納部68では、前記取込データ選択部64から選択したセンサ数が認識されているため、一時格納した比較結果が、選択したセンサ数に到達した時点で、総合判定部88へ送出される。
総合判定部88では、全ての判定結果を総合的に判断し、改質水量の適否を判定する。例えば、1つのセンサSで改質水量に異常があると判定されている場合に異常と判定してもよいし、予め定めた数のセンサSで改質水量に異常があると判定されている場合に異常と判定してもよい。また、予め各センサSに重要度(例えば、点数)を設定しておき、異常と判定された点数が所定値に達した時点で異常と判定してもよい。
総合判定部88は異常判定時処理部90に接続されている。総合判定部88において、改質水の量が正常と判定された場合は、特に何もしない、或いは、正常であることを報知する。
一方、総合判定部88において、改質水の量が異常と判定された場合は、異常であることを報知すると共に、異常判定時処理部90へ異常情報を送出する。異常判定時処理部90では、予め定められたトラブルシューティングを実行する。
トラブルシューティングは、例えば、運転停止、運転能力ダウン、改質水量調整等が考えられる。
以下に、本実施の形態の作用を説明する。
(多段式燃料電池スタックの発電動作)
本実施の形態の燃料電池システムでは、まず、第1燃料電池スタックを対象として、気化器12には、ガス源からメタンが供給されると共に、水が供給される。供給されたメタンと水は、混合されると共に、燃焼排ガスから熱を得て加熱され、水が気化され水蒸気となる。
メタン及び水蒸気は、気化器12から改質器14へ送出される。改質器14では、改質反応により、水素を含む600℃程度の燃料ガスG1が生成される。燃料ガスG1は、第1燃料電池スタック16のアノード16Aに供給される。第1燃料電池スタック16のカソード16Bには、酸化ガスG5が供給される。これにより、第1燃料電池スタック16では、化学反応により発電が行われる。
この発電に伴い燃料電池スタック16のアノード16Aからは、アノードオフガスG3が排出される。また、カソード16Bからは、カソードオフガスG2が排出され、カソードオフガスG2は、第2燃料電池スタック18のカソード18Bへ供給される。
アノード16Aから排出されたアノードオフガスG3は、分離部20の流入部24へ流入され、少なくとも水蒸気(二酸化炭素を含む場合もある)が、分離膜28を透過して透過部26側へ移動することにより分離される。
流入部24からは再生燃料ガスG4が送出され、第2燃料電池スタック18のアノード18Aへ供給される。第2燃料電池スタック18では、化学反応により発電が行われる。
第1燃料電池スタック16及び第2燃料電池スタック18は、ホットボックス(図示省略)に収容され、外気とは分離された雰囲気温度(予め定めた許容範囲を含む)の下で維持される。この温度維持により、発電効率を最適な状態で安定させることができる。
図4は、改質水監視制御ルーチンを示すフローチャートである。
ステップ100では、改質水の監視時期か否かを判断し、否定判定された場合は、このルーチンは終了する。
また、ステップ100で肯定判定されると、ステップ102へ移行して、初期設定として、センサSの選択数を示す変数nを1にセットし、次いでステップ104へ移行して取込データを選択する。このステップ104では、例えば、燃料電池システム10に設置されている各種センサSの一部又は全部を選択することになる。例えば、図1では、センサSa〜センサSjが設置されており、この中から選択する。なお、流量センサ60は、長時間運転には適さず信頼性が低いため、選択対象から除外するが、改質水の監視指示毎に流量センサで流量を検出してもよい。
次のステップ106では、選択したセンサSの取込順序を決定し、ステップ108へ移行する。この取込順序は、予め設定した固定順序でもよいし、適宜取込順序を変更してもよい。
ステップ108では、選択された各センサS(センサSa〜センサSj及び/又は流量センサ60)によるデータ取込処理を実行し、全ての取込処理が終了すると、ステップ110へ移行する。
ステップ110では、図2のセンサ番号を特定する数値であるNo.n(n番目)のセンサ種と取込データを読み出し、次いでステップ112へ移行して、センサ種−通常値テーブルメモリ84から、図2のセンサ番号を特定する数値であるNo.n(n番目)の通常値(すなわち、しきい値)を読み出し、ステップ114へ移行する。
ここで、センサ種−通常値テーブルメモリ84に記憶されているセンサ種毎の通常値は、改質水の設定流量が変更される毎に、図5の改質水流量変更割込ルーチンの制御によって更新される。
すなわち、図5に示される如く、ステップ112Aでは、改質水供給用のポンプPの駆動電圧を取り込み、次いでステップ112Bで駆動電圧値から改質水の流量を演算し、ステップ112Cへ移行して、演算された流量から各センサの通常値を設定し、ステップ112Dで更新する。
なお、センサ種−通常値テーブルの更新は、図5に示された改質水の流量演算方式でなくても、例えば燃料電池スタックの電流や燃料ガス流量などの値から、求められる改質水流量を算出し、その流量を基にセンサ種−通常値テーブルを更新するなど、他の方法を用いても良い。
ステップ114では、取込データと通常値(しきい値)とを比較し、ステップ116へ移行する。ステップ116では、ステップ114での比較結果に基づき、改質水量の適否を判定し、ステップ118へ移行して、改質水量の適否の判定結果を、個別判定結果一時格納部68へ一時的に格納する。
次のステップ120では、選択したセンサ種に基づく適否判定が全て終了したか否かを判断し、否定判定された場合は、ステップ122へ移行して、図2のセンサ番号を特定する数値であるNo.nをインクリメント(n=n+1)し、ステップ110へ戻り、次の番手のセンサSを対象として、上記工程を繰り返す。
また、ステップ120で肯定判定されると、選択された全てのセンサSの取込データによる改質水量の適否の判定が終了したと判断し、ステップ124へ移行する。
ステップ124では、個別判定結果一時格納部68に一時的に格納した複数種類の判定結果を読み出し、ステップ126へ移行して総合的に改質水量の適否を判定する。
総合的に判定とは、例えば、1つのセンサSで改質水量に異常があると判定されている場合に異常と判定してもよいし、予め定めた数のセンサSで改質水量に異常があると判定されている場合に異常と判定してもよい。
また、予め設定した信頼性の優劣の関係を示す順位である優先順位を付け、2以上のセンサSで異なる判定があった場合には、上位のセンサの判定結果を優先するようにしてもよい。
さらに、予め各センサSに重要度(例えば、重み点数)を設定しておき、異常と判定された重み点数が所定値に達した時点で異常と判定してもよい。
次のステップ128では、総合判定の結果が正常か異常かを判定する。ステップ128で正常判定された場合は、ステップ130へ移行して正常であることを報知し、このルーチンは終了する。なお、正常の場合は、何も報知しなくてもよい。
一方、ステップ128で異常判定された場合は、ステップ132へ移行して異常であることを報知し、次いでステップ134へ移行してトラブルシューティングを実行する。トラブルシューティングは、例えば、即運転停止、運転能力をダウンして運転継続、改質水量調整(例えば、改質水が少ない場合は、所定の流量よりも増量調整)等が考えられる。
なお、異常報知は、現場での報知に限らず、ネットワークを通じて、管理会社等へ通報することも含む。
また、各センサSによる判定は、単純に検出値としきい値とを比較するのではなく、単独のセンサSの変化率で判定してもよいし、将来を予測して判定してもよい。また、複数のセンサSで異なる判定があった場合に、流量異常の位置を特定するようにしてもよい。例えば、センサSi1、Si2と、センサSj1、Sj2とを連携した場合、第1燃料電池スタック16の電圧が正常で、第2燃料電池スタック18の電圧が異常の場合、改質水の流量が少ないと判断することができる。
さらに、センサSは、その種類及び取付位置により、一長一短がある。例えば、負荷変動がある場合は、温度等が安定するまでに時間がかかる。このため、燃料電池の電圧も若干変動する場合がある。そこで、精度を重視して監視するための準備期間(インタバル)を設けた後、監視を開始するようにしてもよい。但し、改質水の量が大幅に変動するような場合(配管詰まり、漏れ等)は、負荷変動による誤差とは比較にならない検出値が出力されるため、温度等が安定するまでの準備期間を、仮監視期間としてもよい。なお、仮監視期間中の異常を判定するしきい値は、本来の監視期間よりも緩和させる(鈍感化する)ことが好ましい。
一方、検出対象が圧力の場合は、取付位置に関わらず準備期間は不要であり、直ぐに精度のよい状態で監視が可能である。
このような点から、監視時期を分担する等、圧力検出と温度検出とを併用することは、有用な適用形態である。
以上説明したように本実施の形態では、流量センサ60以外のセンサSを、燃料電池システム10の各所に適宜設置して、流量センサ60による流量計測という直接的手段とは異なり、間接的手段によって、長時間運転を踏まえた改質水の流量監視を実行するようにした。間接的手段で改質水の流量を監視するためのセンサの種類としては、温度センサ、圧力センサ、及び電圧センサが挙げられる。例えば、センサSaは、温度センサであり、設置場所は、水供給管P2のポンプPの下流側である。水供給管P2内の水は、外部から熱をもらうため、気化器12に入る前に温度がわずかに上昇する。この温度(又は温度上昇率)が通常に温度(又は温度上昇率)よりも増加した場合は、水供給管P2内の水の量が少ないと判断することができる。その他のセンサS(Sb〜Sj)においても、同様の効果を奏する。
また、例えば、流量センサ60と本実施の形態のセンサSとを併用した場合は、以下の効果がある。
改質水の流量が正常で、流量センサ60の表示異常の場合は軽い故障に分類されるため、例えば発電を継続することも可能である。しかし、流量センサ60のみで正常又は異常を判断した場合は、改質水を供給するポンプPの異常なのか、流量センサ60の異常なのかを判別することができず、前記軽い故障に比べて重い故障に分類して、発電自体を止めざるを得なくなる。
これに対して、流量センサ60だけでなくセンサSで流量を監視することで、改質水を供給するポンプPの異常なのか、流量センサ60の異常なのかを判別することができる。
(変形例)
なお、本実施の形態の燃料電池システム10は、図1に示される如く、分離部20を備えたシステムを例にとり説明した。このため、センサSdを分離部20の透過部26の出口側に接続された酸化ガス管P5に設置したが、分離部が存在しない多段式の燃料電池システムの場合は、アノードオフガスから水を除去する際、アノードオフガスの温度を下げる熱交換器内にて、アノードオフガスに含まれる水蒸気が液化する。この熱交換器の出口に、温度センサとしてのセンサdの代わりのセンサを設置してもよい。
変形例このセンサにおいて、通常の温度(温度変化率)よりも温度(温度変化率)が増加した場合は、改質水の量が少ないと判断することができる。
なお、本実施の形態では、多段式燃料電池システムを例にとり説明したが、上流側の未反応の燃料ガスを利用しない燃料電池システムにも適用可能である。
また、本実施の形態では、燃料システム内で改質水を生成する系を示したが、改質水を外部から供給する系であってもよい。
さらに、本実施の形態では、複数のセンサSを配置するようにしたが、センサSは、何れかに少なくとも1個あればよいが、複数のセンサSを配置することで、1個のセンサSで監視するよりも信頼性が高くなる。
なお、本実施の形態では、改質器14を用いて改質したが、燃料電池スタックで直接改質するようにしてもよい。
A 空気
P ポンプ
P1 原料ガス管
P2 水供給管
P3 配管
P4 燃料ガス管
P5 酸化ガス管
P6 カソードオフガス管
P7 アノードオフガス管
P8 空気供給管
P9 再生燃料ガス管
P10 燃焼排ガス管
P11 配管
P12 カソードオフ燃焼導入管
G1 燃料ガス
G2 カソードオフガス
G3 アノードオフガス
G4 再生燃料ガス
G5 酸化ガス
G6 燃焼排ガス
G7 透過部排出ガス
S(Sa〜Sj) センサ
10 燃料電池システム
12 気化器(発電処理部)
14 改質器(発電処理部)
16 第1燃料電池スタック(発電処理部)
16A アノード
16B カソード
18 第2燃料電池スタック(発電処理部)
18A アノード
18B カソード
20 分離部
24 流入部
26 透過部
28 分離膜
30 第1熱交換部(発電処理部)
32 第2熱交換部(発電処理部)
34 第3熱交換部(発電処理部)
36 第4熱交換部(発電処理部)
40 燃焼器
42 タンク
44 制御部(監視手段)
46 空気供給部
60 流量センサ
62 改質水監視指示部
64 取込データ選択部
66 取込順序決定部
68 個別判定結果一時格納部
70 データ取込部
72 流量取込部
74 温度取込部
76 圧力取込部
78 電圧取込部
80 検出データ受付部
82 比較部
84 センサ種−通常値テーブルメモリ
86 改質水量適否判定部
88 総合判定部
90 異常判定時処理部

Claims (6)

  1. 改質水を気化する気化器、及び、原料ガスと酸化ガスとの化学反応によって発電する燃料電池スタックを備えた発電処理部と、
    前記気化器、前記燃料電池スタック、発電処理補助機器、及びこれらを連結する配管又は配線の少なくとも2箇所以上に分散して、前記改質水の流量に依存して変化する物理量を検出する複数の検出手段を備え、前記複数の検出手段による検出結果に関連して変化する前記改質水の流量を監視する監視手段とを有し、
    前記監視手段は、
    前記改質水に気泡が発生し当該改質水の流量を直接的に検出する監視精度が低下する長時間運転の場合に、前記複数の検出手段で検出したそれぞれの結果に基づいて、前記改質水の量の適否を判定し、予め定めた信頼性の優劣を示す順位に基づいて、前記改質水の量の適否を総合判定する燃料電池システム。
  2. 前記発電処理部が、
    前段の燃料電池スタックと、当該前段の燃料電池スタックにおける化学反応後の未反応の燃料ガスを受ける後段の燃料電池スタックと、を有することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  3. 前記気化器で気化した水蒸気と原料ガスとを改質反応させ燃料ガスを生成する改質器をさらに有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の燃料電池システム。
  4. 前記発電処理部が、前記燃料電池スタックでの発電に伴って発熱した熱を前記改質反応に利用する熱交換部をさらに有し、
    前記検出手段が、前記熱交換部及び前記熱交換部に通じる配管に設置される場合があることを特徴とする請求項3記載の燃料電池システム。
  5. 前記検出手段で検出する物理量が、温度、圧力、燃料電池の電圧の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項記載の燃料電池システム。
  6. 前記気化器へ投入される改質水の流量を検出する流量センサをさらに有し、前記検出手段と併用することを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項記載の燃料電池システム。
JP2017041990A 2017-03-06 2017-03-06 燃料電池システム Active JP6452741B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017041990A JP6452741B2 (ja) 2017-03-06 2017-03-06 燃料電池システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017041990A JP6452741B2 (ja) 2017-03-06 2017-03-06 燃料電池システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018147736A JP2018147736A (ja) 2018-09-20
JP6452741B2 true JP6452741B2 (ja) 2019-01-16

Family

ID=63591537

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017041990A Active JP6452741B2 (ja) 2017-03-06 2017-03-06 燃料電池システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6452741B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020031912A1 (ja) 2018-08-06 2020-02-13 株式会社小糸製作所 車両用表示システム及び車両
EP3951966B1 (en) * 2019-03-27 2024-04-24 NISSAN MOTOR Co., Ltd. Fuel cell system and method for controlling fuel cell system
CN110581294A (zh) * 2019-09-25 2019-12-17 潍柴动力股份有限公司 一种重整水监测方法及系统

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005276578A (ja) * 2004-03-24 2005-10-06 Aisin Seiki Co Ltd 流体供給システム
JP5569869B2 (ja) * 2010-09-24 2014-08-13 Toto株式会社 燃料電池システム
JP6017660B1 (ja) * 2015-10-26 2016-11-02 東京瓦斯株式会社 燃料電池システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018147736A (ja) 2018-09-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5681948B2 (ja) 水素生成装置及びそれを備える燃料電池システム
JP5410994B2 (ja) 燃料電池システム
EP2215678B1 (en) Flow control assembly for use with fuel cell systems operating on fuels with varying fuel composition
JP4675780B2 (ja) 水素生成装置、水素生成装置の運転方法、燃料電池システムおよび燃料電池システムの運転方法
JP6452741B2 (ja) 燃料電池システム
US20070190380A1 (en) Reformer and fuel cell system control and method of operation
JP2006310109A (ja) 燃料電池発電システム
JP6706820B2 (ja) 水素生成システムおよび燃料電池システム
JP2005100873A (ja) 燃料電池システム
WO2008016257A1 (en) Fuel cell system and operating method
EP2639872B1 (en) Fuel cell system
JP2020161306A (ja) 燃料電池システム
JP6412187B2 (ja) 燃料電池システム
JP2004047438A (ja) 燃料電池発電装置の運転制御方法
JP6448845B2 (ja) 燃料電池システム
Keränen et al. A 50 kW PEMFC Pilot Plant Operated with Industry Grade Hydrogen–System Design and Site Integration
JP7176964B2 (ja) 固体酸化物形燃料電池システム
JP5646223B2 (ja) 燃料電池発電システムおよびその運転方法
JP2020031007A (ja) 燃料電池システム
JP2020047400A (ja) 固体酸化物形燃料電池システム
JP7135563B2 (ja) 燃料電池システム
US20220416276A1 (en) Handling of variable and unpredictable gas composition changes to maximize health and performance of fuel cell systems
JP7257905B2 (ja) 燃料電池システム
JP2018081845A (ja) 燃料電池システム
JP6394875B2 (ja) 燃料電池システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180730

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20180730

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20180810

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180814

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180919

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181211

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6452741

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250