JP2020047400A - 固体酸化物形燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料オフガスのリサイクル率の変動を把握し、このリサイクル率に合った燃料利用率に設定することができる固体酸化物形燃料電池システムを提供する。【解決手段】固体酸化物形燃料電池システム2は、改質燃料ガス及び空気中の酸素の酸化及び還元によって発電を行うセルスタック6と、改質器4に原燃料ガスを供給するための燃料ガスポンプ24と、セルスタック6に空気を供給するための空気ブロア40と、燃料オフガスを冷却するための冷却器60と、冷却後の燃料オフガスを燃焼させるための燃焼器46と、冷却後の燃料オフガスの一部を燃料ガスポンプ24の上流側に導くためのリサイクル流路66と、リサイクル流路66に配設されたリサイクル弁68とを備える。燃料利用率を補正する燃料利用率補正手段は、リサイクル弁68の開閉前後における燃料ガスポンプ24の駆動デュ−ティ比に基づいて燃料利用率の補正を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、原燃料を改質した改質燃料ガス及び酸化材ガスの酸化及び還元によって発電を行うセルスタックを備えた固体酸化物形燃料電池システムに関する。
従来より、酸化物イオンを伝導する膜として固体電解質を用いた固体酸化物形のセルスタックを収納容器内に収納した固体酸化物形燃料電池システムが知られている。この固体酸化物形燃料電池システムにおいては、セルスタックは複数の燃料電池セルを積層して構成され、各燃料電池セルにおける固体電解質の片面側に燃料ガスを酸化するための燃料極が設けられ、その他面側に空気(酸化材ガス)中の酸素を還元するための酸素極が設けられている。この燃料電池セルの作動温度は約700〜1000℃と比較的高く、このような高温下において、燃料ガス(改質燃料ガス)中の水素や一酸化炭素、炭化水素と空気中の酸素とが電気化学反応を起こすことによって発電が行われる。
家庭用の小型燃料電池システムとしては、代表的なものとして固体酸化物形燃料電池システム(所謂、SOFC)、固体高分子形燃料電池システム(所謂、PEFC)などがある。この固体高分子形燃料電池システム(PEFC)では、家庭の温水需要に対して、燃料電池システムからの回収熱(換言すると、貯湯タンクに蓄えられる温水)のバランスを監視して、燃料電池システムの運転を停止させたり、その発電出力を絞ったりする運転制御が行われる。また、固体酸化物形燃料電池システム(SOFC)では、システムの発電効率が高く、熱と発電出力との比が小さいことから、熱需要の多寡にかかわらず電気需要に追従するように運転制御が行われる。そして、このような運転制御は、セルスタックの発電温度(所謂、作動温度)が高いために、頻繁な起動停止に向いていないことにも起因している。
この固体酸化物形燃料電池システムでは、基本的に昼夜連続運転が行われ、熱利用に関しては、貯湯タンクが活用され、貯湯タンクに貯湯された温水を熱需要に対応させることにより、高い運転効率を保っている。現状の固体酸化物形燃料電池システムにおいては、700W程度の発電出力規模でも高い発電効率を得ることができ、2018年時点で市販されている家庭用の固体酸化物形燃料電池システムでは、定格発電効率が52%程度(AC送電端、低位発熱量基準)となっている。発電効率が高いと、熱需要の少ない住宅に設置しても設置者は経済的メリットが得られ対象市場の拡大が見込めるので、発電効率の向上が貯湯タンクの小型化とセットで市場拡大策として推進されている。今後、さらに発電向上が向上すれば、熱利用なし、もしくは貯湯タンクなしの簡易な熱利用形態で、設置者は経済的メリット、環境性が得られることになり、発電効率の一層の向上が重要となっている。
家庭用システムとしても適した固体酸化物形燃料電池システムとして、原燃料ガスを水蒸気改質するための改質器と、改質器にて改質された改質燃料ガス及び酸化材ガスの酸化及び還元によって発電を行うセルスタックと、セルスタックの酸素極(空気極)側に酸化材ガスとしての空気を供給するための空気供給手段と、改質器に原燃料ガスを供給するための燃料ガス供給手段とを備え、セルスタック及び改質器が高温状態に保たれる高温空間に収容されているものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この固体酸化物形燃料電池システムでは、セルスタックの上側に燃焼域が設けられ、この燃焼域の上方に改質器が配設されている。そして、改質器からの改質燃料ガスがセルスタックの燃料極側に送給され、空気供給手段からの空気がセルスタックの空気極側に送給され、このセルスタックにおける電気化学反応により発電が行われる。セルスタックの燃料極側からの燃料オフガス(即ち、アノードオフガス)及び空気極側からの空気オフガス(即ち、カソードオフガス)は燃焼域に送給されて燃焼され、この燃焼熱を利用して高温空間が高温状態に保たれるとともに、改質器などが加熱される。
固体酸化物形燃料電池システムとして、セルスタックの上側に燃焼域を設けることに代えて、専用の燃焼器を備えたものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。この固体酸化物形燃料電池システムでは、セルスタックの燃料極側からの燃料オフガス(アノードオフガス)が燃料オフガス送給流路を通して燃焼器に送給され、またセルスタックの空気極側からの空気オフガス(カソードオフガス)が空気オフガス送給流路を通して燃焼器に送給され、この燃焼器において燃料オフガスが空気オフガスにより燃焼され、この燃焼熱を利用して高温空間が高温状態に保たれるとともに、改質器などが加熱される。
このような固体酸化物燃料電池システムの発電効率は、燃料電池セルの平均発電電圧と燃料利用率との積にほぼ比例しており、この燃料利用率を高めていくと、燃料電池セルの燃料極側ガス中の水素(H)が消費されて水(HO)が生成されていく。一般的に、固体酸化物形の燃料電池セルの燃料極は、金属ニッケル粒子がセラミックス粒子とともに存在するサーメット(金属ニッケルとセラミックスの混合物)が用いられており、それ故に、燃料利用率を高めて水に対する水素の比率(H/HO)が高まっていくと、金属ニッケル粒子が酸化しはじめることになる。燃料電池セルの燃料極側の金属ニッケル粒子が酸化すると、その電気抵抗が増大するので、燃料電池セルの燃料極側出口付近では発電が行われなくなり、これにより、燃料電池セルの燃料極側のニッケル粒子が酸化する領域が広がり、発電が困難な領域が拡大していくことになる。
一方、このように酸化した燃料極は、発電時の他の条件(部分負荷運転状態、起動状態、停止状態など)において還元されて再びニッケル状態に戻り、このニッケル粒子の酸化及び還元が繰り返し行われ、この繰返し回数が多くなると、燃料電池セルの燃料極側材料に寸法変化が生じるおそれがある。この燃料極側材料に寸法変化が生じると、この燃料極と接合されている固体電解質に割れが生じ、その割れが原因となって剥離が起こり、セルスタックが破損に至るおそれが生じる。このようなことから、固体酸化物燃料電池システムの燃料利用率を高めることは、システムの発電効率を高めるためには必要であるが、高すぎるとセルスタックのダメージを招くおそれが生じる。
また、反応平衡上、固体酸化物形の燃料電池セル(セルスタック)の作動温度範囲においては、水素(H):水(H0)が5:95より水素(H)が少ないと酸化することが知られている。実際には、燃料電池セルの電解質/燃料極界面で発電によって水蒸気が生成されるので、バルク(ガス流路)よりも電解質/燃料極界面ではH/H0の値が下がる傾向にある。更に、燃料ガスの各燃料電池セルへの分配状態、燃料電池セル内での燃料ガス分配状態といったものも加わって、実際に使える燃料利用率の上限は、水素(H):水(H0)が5:95になるよりもかなり低い燃料利用率に制限されている。
固体酸化物形燃料電池システムの燃料利用率を向上させる方法としては、セルスタックで発電に使われた燃料オフガス(即ち、アノードオフガス)の一部をセルスタックの供給側に戻し、この戻した燃料オフガスを燃料ガスに混合させて再びセルスタックに供給することがよく知られている。この場合、燃料オフガスに含まれる二酸化炭素(CO2)や水(H2O)を除去することにより、更に燃料電池システムの燃料利用率を高くすることができることが知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開2005−285340号公報 特開2008−21596号公報 特許第2981571号公報
しかしながら、特許文献3の燃料電池システムは、数十KW以上の発電出力を想定した構成であって、家庭用コージェネレーションシステムなどに用いる数百W程度の燃料電池システムでは、どのようにして燃料オフガス(アノードオフガス)を燃料ガスの供給側に戻すか、燃料オフガスのリサイクル率をどのように把握するかなどが課題となる。尚、この明細書全体を通して、リサイクル率とは、セルスタックの燃料極側は流出する燃料オフガスのうち燃料ガスの供給側に戻される比率であり、例えば、セルスタックから流出するアノードオフガスの30%が燃料供給側に戻され、残りの70%が下流に流れるように配分される場合、リサイクル率30%と表現している。
このリサイクル率は、リサイクル流路、気化器・改質器からセルスタックまでの流路及びセルスタックから大気排出に至る流路などの流路の圧力損失特性並びに燃料ガス供給手段(例えば、燃料ガスポンプ)の作動により生じる上流側の負圧などによって決定され、このリサイクル率が高いと燃料利用率を高く設定することが可能となる。しかし、リサイクル率が低い状態であるのに、セルスタックの燃料利用率を高く設定すると、燃料利用率が高くなり過ぎ、このことが原因となって、セルスタックの寿命短縮につながるおそれがある。
家庭用コージェネレーションシステムなどに用いられる小型の燃料電池システムは一台あたりの発電出力は小さいが、多くの家庭に採用されるとその設置台数が多くなるため、メンテナンスフリーであることが商品力のためには重要とされている。2016年時点での家庭用燃料電池コージェネレーションシステムでは、固体高分子形燃料電池システム(PEFC)や固体酸化物形燃料電池システム(SOFC)はほぼ10年間メンテナンスフリーの仕様として国内販売されている。10年にわたる長期間の動作においては、気化器内に改質用水に含まれる微量不純物のスケール析出や、改質器内の触媒割れといったことが起こり、これら原因となって閉塞には至らないが初期状態よりも圧力損失が増大することが往々にして生じる。このようなことが原因で圧力損失が増大すると、燃料オフガスのリサイクル率が初期よりも低下することになる。また、固体酸化物形燃料電池システムでは、セルスタックの温度、空気流量といった状態量や操作条件によっても変化するので、これらもリサイクル率に影響を与える。このようなことから、燃料オフガスを燃料ガス供給手段の上流側に戻すようにした固体酸化物形燃料電池システムでは、適正な燃料利用率を保ちながら燃料オフガスをリサイクルするようにすることが望まれ、そのために簡易に燃料オフガスのリサイクル率を把握する方法の実現が望まれている。
本発明の目的は、圧力損失の変動に伴う燃料オフガスのリサイクル率の変動を把握し、このリサイクル率に合った燃料利用率に設定することができる固体酸化物形燃料電池システムを提供することである。
本発明の請求項1記載の固体酸化物形燃料電池システムは、原燃料ガスを水蒸気改質するための改質器と、水蒸気改質に用いる水蒸気を発生させるための気化器と、前記改質器にて改質された改質燃料ガス及び空気中の酸素の酸化及び還元によって発電を行うセルスタックと、前記改質器に原燃料ガスを供給するための燃料ガス供給手段と、前記セルスタックに空気を供給するための空気供給手段と、原燃料ガスの流量を計測するための燃料流量計測手段と、前記セルスタックでの発電反応後の燃料オフガスを冷却するための冷却器と、前記冷却器にて冷却された後の燃料オフガスと前記セルスタックの発電反応後の空気オフガスとを燃焼させるための燃焼器と、前記冷却器にて冷却された後の燃料オフガスの一部を前記燃料ガス供給手段の上流側に導くためのリサイクル流路と、前記リサイクル流路に配設されたリサイクル弁と、前記燃料ガス供給手段及び前記空気供給手段の作動を制御するコントローラと、を備えた固体酸化物形燃料電池システムであって、
前記コントローラは、燃料利用率を設定する燃料利用率設定手段及び前記燃料利用率を補正する燃料利用率補正手段を含み、前記燃料利用率補正手段は、前記リサイクル弁の開状態又は開度大状態における前記燃料ガス供給手段の駆動デュ−ティ比及び前記リサイクル弁の閉状態又は開度小状態における前記燃料ガス供給手段の駆動デューティ比に基づいて燃料利用率の補正を行うことを特徴とする。
また、本発明の請求項2に記載の固体酸化物形燃料電池システムでは、原燃料ガスを水蒸気改質するための改質器と、水蒸気改質に用いる水蒸気を発生させるための気化器と、前記改質器にて改質された改質燃料ガス及び空気中の酸素の酸化及び還元によって発電を行うセルスタックと、前記改質器に原燃料ガスを供給するための燃料ガス供給手段と、前記セルスタックに空気を供給するための空気供給手段と、原燃料ガスの流量を計測するための燃料流量計測手段と、前記セルスタックでの発電反応後の燃料オフガスと空気オフガスとを燃焼させるための燃焼器と、前記燃料オフガスの一部を前記燃料ガス供給手段の上流側に導くためのリサイクル流路と、前記リサイクル流路を流れる燃料オフガスを冷却するための冷却器と、前記リサイクル流路に配設されたリサイクル弁と、前記燃料ガス供給手段及び前記空気供給手段の作動を制御するコントローラと、を備えた固体酸化物形燃料電池システムであって、
前記コントローラは、燃料利用率を設定する燃料利用率設定手段及び前記燃料利用率を補正する燃料利用率補正手段を含み、前記燃料利用率補正手段は、前記リサイクル弁の開状態又は開度大状態における前記燃料ガス供給手段の駆動デュ−ティ比及び前記リサイクル弁の閉状態又は開度小状態における前記燃料ガス供給手段の駆動デューティ比に基づいて燃料利用率の補正を行うことを特徴とする。
また、本発明の請求項3に記載の固体酸化物形燃料電池システムでは、前記燃料利用率補正手段は、前記リサイクル弁の開閉前後又は開度大小前後における前記燃料ガス供給手段の駆動デューティ比差が基準デューティ比差値より大きいときには燃料オフガスのリサイクル率が増加側に変動していると判定し、燃料利用率が大きくなるように補正し、また前記リサイクル弁の開閉前後又は開度大小前後における前記燃料ガス供給手段の駆動デューティ比差が前記基準デューティ比差値より小さいときには燃料オフガスのリサイクル率が減少側に変動していると判定し、燃料利用率が小さくなるように補正することを特徴とする。
また、本発明の請求項4に記載の固体酸化物形燃料電池システムでは、前記リサイクル弁は、前記リサイクル流路を開閉するための弁体を備えた開閉弁から構成され、前記開閉弁の前記弁体をバイパスしてバイパス流路が設けられており、前記リサイクル流路に流れる燃料オフガスの一部が前記バイパス流路を通して前記燃料ガス供給手段の上流側に流れることを特徴とする。
また、本発明の請求項5に記載の固体酸化物形燃料電池システムでは、前記リサイクル弁は、前記リサイクル流路を開閉するための弁体を備えた開閉弁から構成され、前記開閉弁の前記弁体に貫通孔が設けられており、前記リサイクル流路に流れる燃料オフガスの一部が前記弁体の前記貫通孔を通して前記燃料ガス供給手段の上流側に流れることを特徴とする。
また、本発明の請求項6に記載の固体酸化物形燃料電池システムでは、前記リサイクル弁は、前記リサイクル流路を開閉制御するための弁体を備えた比例弁から構成され、前記弁体の開度小状態のときには、前記リサイクル流路に流れる燃料オフガスの一部が前記比例弁を通して前記燃料ガス供給手段の上流側に流れることを特徴とする。
更に、本発明の請求項7に記載の固体酸化物形燃料電池システムでは、前記燃料ガス供給手段に関連して温度検知手段が配設され、前記温度検知手段の検知温度が所定設定温度を超えると、前記コントローラは、前記温度検知手段からの検知信号に基づいて前記リサイクル弁を開状態又は開度大状態とする制御を許容することを特徴とする。
本発明の請求項1及び2に記載の固体酸化物形燃料電池システムによれば、セルスタックの燃料極側に燃料ガスを供給するための燃料ガス供給手段及びセルスタックの空気極側に酸化材としての空気を供給するための空気供給手段の作動を制御するためのコントローラを備え、コントローラは、燃料利用率を設定する燃料利用率設定手段及び燃料利用率を補正する燃料利用率補正手段を含んでおり、この燃料利用率補正手段は、リサイクル弁の開状態(又は開度大状態)における燃料ガス供給手段の駆動デュ−ティ比及びリサイクル弁の閉状態(又は開度小状態)における燃料ガス供給手段の駆動デューティ比に基づいて燃料利用率を補正するので、燃料オフガスのリサイクル率の変動に合った燃料利用率に補正し、システムに適合した高燃料利用率で運転を行うことができる。
また、本発明の請求項3に記載の固体酸化物形燃料電池システムによれば、燃料利用率補正手段は、リサイクル弁の開閉前後(又は開度大小前後)における燃料ガス供給手段の駆動デューティ比差が基準デューティ比差値より大きいときには燃料利用率が大きくなるように補正し、またリサイクル弁の開閉前後(又は開度大小前後)における燃料ガス供給手段の駆動デューティ比差が基準デューティ比差値より小さいときには燃料利用率が小さくなるように補正するので、燃料オフガスのリサイクル率の変動に合った燃料利用率に補正し、システムに適合した高燃料利用率で運転を行うことができる。
また、本発明の請求項4に記載の固体酸化物形燃料電池システムによれば、リサイクル弁は、リサイクル流路を開閉するための弁体を備えた開閉弁から構成され、この弁体をバイパスしてバイパス流路が設けられているので、弁体が閉状態のときにも燃料オフガスの一部がこのバイパス流路を通して燃料ガス供給手段の上流側に流れ、この燃料オフガスを原燃料ガスに混合させて改質器に向けて供給することができる。
また、本発明の請求項5に記載の固体酸化物形燃料電池システムによれば、リサイクル弁は、リサイクル流路を開閉するための弁体を備えた開閉弁から構成され、この開閉弁の弁体に貫通孔が設けられているので、弁体が閉状態のときにも燃料オフガスの一部が弁体の貫通孔を通して燃料ガス供給手段の上流側に流れ、この燃料オフガスを原燃料ガスに混合させて改質器に向けて供給することができる。
また、本発明の請求項6に記載の固体酸化物形燃料電池システムによれば、リサイクル弁は、リサイクル流路を開閉制御するための弁体を備えた比例弁から構成されているので、弁体の開度小状態のときにも燃料オフガスの一部が比例弁を通して燃料ガス供給手段の上流側に流れ、この燃料オフガスを原燃料ガスに混合させて改質器に向けて供給することができる。
更に、本発明の請求項7に記載の固体酸化物形燃料電池システムによれば、燃料ガス供給手段に関連して温度検知手段が配設され、この温度検知手段の検知温度が所定設定温度を超えると、コントローラは、リサイクル弁を開状態(又は開度大状態)とする制御を許容するので、燃料ガス供給手段の温度状態が低いときにリサイクル弁が開状態(又は開度大状態)となって燃料オフガスがリサイクル流路を通して燃料ガス供給手段の上流側に流れることはなく、その結果、燃料ガス供給手段における結露発生を抑えることができる。
本発明に従う固体酸化物形燃料電池システムの第1の実施形態の全体を示す簡略図。 図1の固体酸化物形燃料電池システムの制御系を簡略的に示すブロック図。 図2の制御系による制御の流れを示すフローチャート。 燃料ガス供給手段のデューティ比、燃料ガス流量、空気流量及びリサイクル率との関係を予め求めるための試験用燃料電池システム。 図4に示す試験用燃料電池システムを用いて所定関係を予め求めるための流れを示すフローチャート。 本発明に従う固体酸化物形燃料電池システムの第2の実施形態の全体を示す簡略図。
以下、添付図面を参照して、本発明に従う固体酸化物桁燃料電池システムの各種実施形態について説明する。まず、図1〜図3を参照して、第1の実施形態の固体酸化物形燃料電池システムについて説明する。
図1において、図示の固体酸化物形燃料電池システム2は、原燃料ガス(例えば、都市ガス、LPガスなど)を消費して発電を行うものであり、燃料ガスを改質するための改質器4と、この改質器4にて改質された燃料ガス及び酸化材としての空気の酸化及び還元によって発電を行う固体酸化物形のセルスタック6と、を備えている。
セルスタック6は、燃料電池反応によって発電を行うための複数の固体酸化物形の燃料電池セルを集電部材を介して積層して構成されており、図示していないが、酸素イオンを伝導する固体電解質と、この固体電解質の一方側に設けられた燃料極と、固体電解質の他方側に設けられた空気極とを備え、固体電解質として例えばイットリアをドープしたジルコニアが用いられる。
このセルスタック6の燃料極側8は、改質燃料ガス送給流路10介して改質器4に接続され、この形態では、改質器4は、改質用水を気化するための気化器12と一体的に構成されている。尚、気化器12は、改質器4と別体に構成し、気化器12にて気化された水蒸気を水蒸気送給流路(図示せず)を介して改質器4に送給するようにしてもよい。
気化器12は、燃料ガス供給流路14を介して原燃料ガスを供給するための燃料ガス供給源(図示せず)(例えば、埋設管や貯蔵タンクなどから構成される)に接続され、燃料ガス供給源からの原燃料ガスが燃料ガス供給流路14を通して気化器12に供給される。尚、この燃料ガス供給流路14を改質器4に接続し、燃料ガス供給源からの原燃料ガスを改質器4に直接的に供給するようにしてもよい。
また、この気化器12は、水供給流路18を介して水供給源(図示せず)(例えば、水タンクや水回収タンクなどから構成される)に接続され、水供給源からの改質用水が水供給流路18を通して気化器12に供給される。改質器4には改質触媒が収容され、改質触媒として例えばアルミナにルテニウムを担持させたものが用いられ、この改質触媒によって、燃料ガス供給流路14を通して供給される燃料ガスが気化器12にて気化された水蒸気でもって水蒸気改質される。
燃料ガス供給流路14には、気化器12から上流側に向けて順に脱硫器20、第1絞り部材22、燃料ガスポンプ24(燃料ガス供給手段を構成する)、第2絞り部材26、圧力調整部材としてのゼロガバナ28、燃料流量センサ30(燃料流量計測手段を構成する)及び遮断弁32が配設されている。脱硫器20は、原燃料ガスに含まれる硫黄成分(付臭剤中の硫黄成分)を除去し、燃料ガスポンプ24は、燃料ガス供給流路14を流れる原燃料ガスを昇圧して気化器12に供給する。
また、ゼロガバナ28は、燃料ガス供給源(図示せず)から燃料ガス供給流路14を通して供給される原燃料ガスを所定圧力(即ち、大気圧)に調整し、燃料ガス流量センサ30は、燃料ガス供給流路14を通して供給される原燃料ガスの流量を測定し、遮断弁32は、閉状態になると燃料ガス供給流路14を遮断して燃料ガスの供給を停止する。また、燃料ガスポンプ24の両側に位置する第1及び第2絞り部材22,26は、燃料ガス供給流路14を流れる原燃料ガスの流量を安定させるために設けられ、第1絞り部材22は例えばキャピラリー管から構成され、第2絞り部材26は、例えば小さいオリフィスを有する絞り部材から構成される。また、燃料ガス流量センサ30は、例えば熱式流量センサから構成することができ、この熱式流量センサを用いることにより、原燃料ガスの流量を瞬時に計測することができる。
更に、水供給流路18には水ポンプ34が配設され、この水ポンプ34によって、水供給源(図示せず)からの改質用水が水供給流路18を通して気化器12に供給される。尚、原燃料ガスを安定的して供給することができるときには、第1絞り部材22を省略するようにしてもよく、また第2絞り部材26に代えてバッファ−タンクを用いるようにしてもよい。
このセルスタック6の空気極側36は、空気供給流路38を介して空気供給手段としての空気ブロア40に接続され、この空気供給流路38に空気流量センサ42(空気流量計測手段を構成する)が配設されている。空気ブロア40は、空気(酸化材)を空気供給流路38を通してセルスタック6の空気極側36に供給し、空気流量センサ42は、空気供給流路38を流れる空気の流量を計測する。
この実施形態では、燃料ガスポンプ24(及び水ポンプ34、空気ブロア40)の回転制御は、駆動電流のデューティ比(所謂、駆動デューティ比)でもって制御され、駆動デューティ比が大きくなると、燃料ガスポンプ24(及び水ポンプ34、空気ブロア40)の回転数が大きくなって原燃料ガス(及び改質用水、空気)の供給流量が増え、一方駆動デューティ比が小さくなると、燃料ガスポンプ24(及び水ポンプ34、空気ブロア40)の回転数が小さくなって原燃料ガス(及び改質用水、空気)の供給流量が少し、このようにして原燃料ガス(及び改質用水、空気)の供給流量が制御される。
セルスタック6の燃料極側8から排出される燃料オフガス(即ち、アノードオフガス)は、後に詳述するように、燃料オフガス送給流路44を通して燃焼器46に送給され、またセルスタック6の空気極側36から排出される空気オフガス(即ち、カソードオフガス)は、空気オフガス送給流路48を通して燃焼器46に送給され、この燃焼器46において、セルスタック6の燃料極側8からの燃料オフガス(燃料ガスを含んでいる)と空気極側36からの空気オフガス(酸素を含んでいる)とが燃焼され、この燃料オフガスの燃焼熱を利用して気化器12及び改質器4が加熱される。燃焼器46からの燃焼排気ガスが排気ガス排出流路50を通して大気に排出される。
この実施形態では、燃料オフガス送給流路44に関連して第1熱交換器52が配設され、この第1熱交換器52は、セルスタック6から燃料オフガス送給流路44の上流側部(後述する高温ハウジング52内の部分)を流れる燃料オフガスと燃料オフガス送給流路44の下流側部(高温ハウジング54外に導かれた後に再び高温ハウジング54内に位置する部分)を流れる燃料オフガスとの間で熱交換を行う。
また、空気供給流路38及び排気ガス排出流路50に関連して第2熱交換器56が配設され、この第2熱交換器56は、排気ガス排出流路50を通して排出される燃焼排気ガスと空気供給流路38を流れる空気との間で熱交換を行う。
この実施形態では、改質器4、セルスタック6、気化器12、燃焼器38、第1熱交換器52及び第2熱交換器56が高温ハウジング54に収容されている。この高温ハウジング54は、金属製(例えば、ステンレス鋼製)であり、その内面は断熱部材(図示せず)で覆われており、その内側に高温空間58を規定し、改質器4、セルスタック6、気化器12、燃焼器30、第1熱交換器52及び第2熱交換器56がこの高温空間58内で高温状態に保たれる。
この固体酸化物形燃料電池システム2では、更に、セルスタック6の燃料極側8からの燃料オフガスを一次的に冷却するために、燃料オフガス送給流路44の一部が高温ハウジング54外に導出された後に再び高温ハウジング54内に導入されて燃焼器46に導かれている。そして、このことに関連して、更に、燃料オフガス送給流路44の中間部(具体的には、高温ハウジング54外に位置する部分)に第3熱交換器60が配設されている。この第3熱交換器60は、例えば、燃料オフガスの熱を温水として貯湯するためのコ−ジェネレーションシステム用の貯湯装置(図示せず)の循環流路62と組み合わせて用いられ、燃料ガスオフ送給流路44を流れる燃料オフガスと貯湯装置からの水との間で熱交換を行い、第3熱交換器60は、燃料オフガスを冷却するための冷却器として機能する。
この第3熱交換器60の下流側にはドレインセパレータ64が配設され、第3熱交換器60による熱交換によって冷却された燃料オフガスに含まれた水蒸気は凝縮されて水となり、この凝縮水がドレインセパレータ64において燃料オフガスと分離されて外部に排水され、水分が除去された燃料オフガスが燃料オフガス送給流路44を通して燃焼器46に送給される。尚、この凝縮水を外部に排出するのではなく、水回収タンク(図示せず)に回収し、この回収した凝縮水を改質用水として利用するようにしてもよい。
この固体酸化物形燃料電池システムでは、更に、燃料オフガスの一部を燃料ガス供給流路14に戻してリサイクルするように構成されている。更に説明すると、燃料オフガス送給流路44(具体的には、高温ハウジング54の外側に露出している部分であって、ドレインセパレータ64の下流側部位)と燃料ガス供給流路14(具体的には、燃料ガスポンプ24と第2絞り部材26との間の部位)とを接続するようにリサイクル流路66が設けられ、このリサイクル流路66にリサイクル弁68が配設されている。
このように構成されているので、リサイクル弁68が開状態になると、燃料オフガス送給流路44を流れる燃料オフガス(この形態では、第3熱交換器60にて冷却された後に水分が除去された後の燃料オフガス)の一部がリサイクル流路66を通して燃料ガス供給流路14に戻され、この戻された燃料オフガスが原燃料ガスに混合されて脱硫器20を通して気化器12に送給される。また、リサイクル弁68が閉状態になると、リサイクル流路66が閉状態になり、燃料オフガスが燃料ガス供給流路14へリサイクルされることはない。
この実施形態では、ゼロガバナ28の下流側に配設された第2絞り部材26と燃料ガスポンプ24との間にリサイクル流路66の下流側が接続されているので、燃料ガスポンプ24が作動して原燃料ガスが供給されると、燃料ガス供給流路14におけるリサイクル流路66との接続部位が幾分負圧になり、この負圧を利用して燃料オフガスのリサイクル流路66を通してのリサイクルが行われる。
この実施形態では、脱硫器22に用いる脱硫剤として、脱硫作用の高い超高次脱硫剤が用いられており、このような脱硫剤としては、例えば銅−亜鉛系脱硫剤、銅−亜鉛−ニッケル系脱硫剤などが用いられる。そして、このような脱硫剤を用いることに関連して、次のように構成するのが好ましい。
このリサイクル弁68については、例えば、リサイクル流路66を開閉するための弁体(図示せず)を備えた開閉弁から構成し、この開閉弁の弁体をバイパスしてバイパス流路(図示せず)を設けるようにしてもよい。このような開閉弁を用いた場合、リサイクル弁68(この場合、開閉弁)が閉状態のときにもリサイクル流路66に流れる燃料オフガスの少量がこのバイパス流路を通して燃料ガス供給流路14(具体的には、燃料ガスポンプ24の上流側)に流れ、水素を含む燃料オフガスが原燃料ガスに混合されて燃料ガス供給流路14を通して脱硫器26内の脱硫剤に送給され、このような水素の使用条件下において脱硫剤の使用が可能となる。
このリサイクル弁68については、例えば、リサイクル流路66を開閉するための弁体(図示せず)を備えた開閉弁から構成し、この開閉弁の弁体に貫通孔(図示せず)を設けるようにしてもよい。このような開閉弁を用いた場合、リサイクル弁68(この場合、開閉弁)が閉状態のときにもリサイクル流路66に流れる燃料オフガスの少量が弁体の貫通孔を通して燃料ガス供給流路14(燃料ガスポンプ24の上流側)に流れ、このように構成しても水素を含む燃料オフガスを原燃料ガスに混合することができる。
このリサイクル弁68については、例えば、リサイクル流路66を開閉制御するための弁体(図示せず)を備えた比例弁から構成し、この弁体を開度大状態と開度小状態の間を開閉制御するようにしてもよい。このような比例弁を用いた場合、リサイクル弁68が開度小状態のときにもリサイクル流路66に流れる燃料オフガスの一部がこの比例弁を通して燃料ガス供給流路(燃料ガスポンプ24の上流側)に流れ、このように構成しても水素ガスを含む燃料オフガスを原燃料ガスに混合することができる。
次に、この固体酸化物形燃料電池システム2の発電運転について説明する。発電運転のときには、燃料ガス供給源(図示せず)からの原燃料ガスが、燃料ガスポンプ24によって燃料ガス供給流路14を通して供給され、かく供給される原燃料ガスには、上述したようにしてリサイクル流路66を通してリサイクルされる燃料オフガスが混合され、混合された混合燃料ガスが燃料ガスポンプ24に送給され、燃料ガスポンプ24により昇圧された混合燃料ガスが燃料ガス供給流路14を通して脱硫器26に送給される。
脱硫器26においては、脱硫剤によって混合燃料ガス中に含まれた硫黄成分が除去される。脱硫すべき混合燃料ガス中には水素が含まれているので、脱硫剤は優れた脱硫作用を安定して発揮し、混合燃料ガス中に含まれた硫黄成分を所望の通りに除去することができる。
脱硫器26にて脱硫された原燃料ガス(混合燃料ガス)は、燃料ガス供給流路14を通して気化器12に送給される。この気化器12には、また、水供給流路18を通して改質水が供給され、かかる気化器12にて気化されて水蒸気となり、発生した水蒸気及び原燃料ガス(混合燃料ガス)が混合されて改質器4に送給される。
改質器4においては、原燃料ガス(混合燃料ガス)が水蒸気により水蒸気改質され、水蒸気改質された原燃料ガスが改質燃料ガス送給流路10を通してセルスタック6の燃料極側8に送給される。また、このセルスタック6の空気極側36には、空気供給流路38を通して空気が送給される。
セルスタック6においては、燃料極側8を流れる改質燃料ガス及び空気極側36を流れる空気(空気中の酸素)の酸化及び還元によって発電が行われ、発電により得られた直流の電力は、図示していないが、パワーコンディショナーを通して交流電力に変換されて家庭用の需要端に供給される。
セルスタック6の燃料極側8からの燃料オフガス(燃料ガスを含んでいる)は燃料オフガス送給流路44を通して燃焼器46に送給され、また空気極側36からの空気オフガスは空気オフガス送給流路48を通して燃焼器46に送給され、この燃焼器46にて燃料オフガスが空気オフガスにより燃焼され、燃焼器46からの燃焼排気ガスが排気ガス排出流路50を通して大気に排出される。
この発電運転中においては、第1熱交換器52において、セルスタック6から燃料オフガス送給流路44の上流側部を通してその中間部(高温ハウジング54外に位置する部分)に流れる燃料オフガスとこの中間部から燃料オフガス送給流路44の下流側部を通して燃焼器66に流れる燃料オフガスとの間で熱交換が行われ、この熱交換により加熱された燃料オフガスが燃焼器46に送給される。
また、第2熱交換器56において、排気ガス排出流路50を流れる燃焼排気ガスと空気供給流路38を流れる空気との間で熱交換が行われ、この熱交換により加熱された空気がセルスタック6の空気極側36に送給される。
更に、第3熱交換器60において、燃料オフガス送給流路44を流れる燃料オフガスと例えば貯湯装置の循環流路62を流れる水との間で熱交換が行われ、この熱交換により加温された温水が貯湯装置の貯湯タンク(図示せず)に貯えられる。
また、このような発電運転中にリサイクル弁68が開状態になると、燃料オフガス送給流路44を流れる燃料オフガスの一部がリサイクル流路66を通して燃料ガス供給流路14にリサイクルされ、このリサイクルされた燃料オフガスが燃料ガス供給流路14を流れる原燃料ガスに混合される。また、リサイクル弁68が閉状態になると、燃料オフガスの少量がリサイクル流路66及びリサイクル弁68のバイパス流路(図示せず)を通してリサイクルされ、この少量の燃料オフガスが燃料ガス供給流路14を流れる原燃料ガスに混合される。
この固体酸化物形燃料電池システムは、図2に示す制御系により、その燃料利用率が補正される。図1とともに図2を参照して、図示の固体酸化物形燃料電池システム2は、システムを運転制御するためのコントローラ72を備え、このコントローラ72により、後述する如く制御される。
更に説明すると、空気流量センサ42(空気流量計測手段)及び燃料ガス流量センサ30(燃料流量計測手段)からの検知信号はコントローラ72に送給され、コントローラ72は、燃料ガスポンプ24、空気ブロア40及びリサイクル弁68を後述する如くして制御する。
図示のコントローラ72は、例えばマイクロプロセッサなどから構成され、作動制御手段74、燃料利用率設定手段76、流量安定判定手段78、燃料利用率降下設定手段80、デューティ比差演算手段82、燃料利用率判定手段84、燃料利用率補正手段86及びメモリ手段88を含んでいる。作動制御手段74は、燃料ガスポンプ24、空気ブロア40及びリサイクル弁68などを後述する如く作動制御し、燃料利用率設定手段76は、システムの燃料利用率を設定する。ここでの燃料利用率とは、原燃料ガスの供給流量のうちセルスタック6における発電で消費される割合をいい、この固体酸化物形燃料電池システム2において例えば燃料利用率80%とは、供給される原燃料ガスの80%が発電で消費され、残りの20%が燃焼器46で燃焼され、この燃焼熱でもって高温ハウジング54内が高温状態に保たれる。
また、流量安定判定手段78は、燃料ガス流量センサ30の検知流量に基づいて原燃料ガスの流量が安定しているかを判定し、燃料利用率降下設定手段80は、燃料利用率を後述する如く例えば、0.5ポイント下げる。例えば、セルスタック6の定格発電状態においては原燃料ガスの消費量は一定となるので、原燃料ガスの供給流量を増大させて燃料利用率を下げるようになる。
更に、デューティ比差演算手段82は、燃料ガスポンプ24の駆動電流の駆動デューティ比差を後述する如く演算し、燃料利用率判定手段84は、リサイクル弁68の開閉前後における燃料ポンプ24の駆動デューティ比(この形態では、駆動デューティ比差)に基づいて、設定された燃料利用率が適正であるかを判定し、燃料利用率補正手段86は、燃料利用率判定手段84の判定結果に基づいて燃料利用率を後述する如く補正する。尚、メモリ手段88には、設定された燃料利用率が適正であるかの判定基準となる基準マップが予め登録されている。
ここで、メモリ手段88に登録される基準マップについて説明する。この基準マップを作成するには、図4に示す試験用燃料電池システム(換言すると、各種データ取得用の燃料電池システム)を用いて燃料ガスポンプの駆動デューティ比、燃料ガス流量、空気流量及びリサイクル率と、駆動デューティ比差との関係を予め求め、この関係を用いて基準マップを作成する。尚、図4に示す試験用燃料電池システム2Pの基本的構成は、上述した固体酸化物形燃料電池システムと同様の構成であり、従って、この試験用燃料電池システム2Pにおいて上述の固体酸化物形燃料電池システムと同様の部材については同じ参照番号を付し、その説明を省略する。
この試験用燃料電池システム2Pにおいては、燃料ガス供給流路14(具体的には、第1絞り部材22と脱硫器26との間の部位)に分岐流路72が設けられ、この分岐流路72に開閉弁74が設けられている。また、この燃料ガス供給流路14(具体的には、第1絞り部材22と脱硫器26との間の部位であって、図4のように分岐流路72の下流側部位に、或いは分岐流路72の上流側部位でもよい)にニードル弁76が設けられている。この試験用燃料電池システム2Pのその他の構成は、上述の固体酸化物形燃料電池システムと同様である。
このような固体酸化物形燃料電池システムでは、燃料オフガスのリサイクル率は主として、a)燃料ガス供給流路14とリサイクル流路66との接続部(即ち、燃料オフガスの合流部)からセルスタック6の燃料極側出口までの燃料ガス流路の流路抵抗と、b)セルスタック6の燃料極側出口から排気ガス排出流路50の排出口までの燃料オフガス流路の流路抵抗と、c)リサイクル経路66の流路抵抗と、d)燃料ガスポンプ24の上流側に生成される負圧によって決定される。これらのうち、10年程度のメンテナンスフリーとした場合、変化が大きいのは、a)燃料ガス供給流路14とリサイクル流路66との接続部からセルスタック6の燃料極側出口までの燃料ガス流路(特に、気化器12及び改質器4)の圧力損失と、b)セルスタック6の燃料極側出口から排気ガス排出流路50の排出口までの燃料オフガス流路の圧力損失とである。
そこで、試験用燃料電池システム2Pの初期状態において、燃料ガスポンプ24と脱硫器26と脱硫器20の間にニードルバルブ76を設け、加えて燃料ガス供給流路14を流れる混合燃料ガス(原燃料ガスと燃料オフガスとの混合ガス)を抽出するための分岐流路72を設け、この分岐流路72に開閉弁74を設けたものである。
このニードルバルブ76により燃料ガス供給流路14の流路抵抗を種々の条件に変ることができ、この流路抵抗の条件を種々に変えながらセルスタック6を定格発電することによって、これら条件のとき(換言すると、流路抵抗の圧力損失が変動したとき)の燃料ガスポンプ24の駆動電流の駆動デューティ比、原燃料ガスの供給流量、空気の供給流量及び燃料オフガスのリサイクル率と開閉弁68の開閉前後における駆動デューティ比差との関係を次のようにして求めることができ、これらの関係が基準マップとしてコントローラ72のメモリ手段88(図2参照)に登録される。
これらの関係については、例えば、図5に示す手順を遂行することにより求めることができる。図4とともに図5を参照して、この基準マップを作成するには、セルスタック6を例えば定格でもって発電運転する(ステップS31)。そして、この定格発電運転において、リサイクル弁68を開状態にし(ステップS32)、燃料オフガスの一部をリサイクル流路66を通して燃料ガス供給流路14に戻してリサイクルさせ、次いでニードルバルブ76を開閉操作して燃料ガス供給流路14の流路抵抗条件を設定する(ステップS33)。
このような運転状態において、セルスタック6の定格発電状態が安定する(換言すると、セルスタック6の発電出力が安定する)と、ステップS34からステップS35に移り、基準マップのための関連データの取得が行われる。まず、システムの燃料利用率を2〜5ポイント、例えば3ポイント下げる制御が行われ、この制御は燃料ガスポンプ24の駆動デューティ比を大きくして原燃料ガスの供給流量を増大させることにより行われる。
このようにして燃料利用率を下げた発電運転が行われ、原燃料ガスの供給流量(即ち、燃料ガス流量センサ30の計測流量)及び空気の供給流量(即ち、空気流量センサ42の計測流量)が安定すると、ステップS36からステップS37に進み、リサイクル弁68が開状態のときの各種情報、具体的には燃料ガスポンプ24の駆動デューティ比、原燃料ガスの供給流量、空気の供給流量及びリサイクル率の取得が行われ、取得した各種情報が記録される。
このリサイクル率については、開閉弁74を開状態にして燃料ガス供給流路14を通して流れる混合燃料ガスの一部を分岐流路72を通して抽出し、抽出した混合燃料ガスをガスクロマトグラフにて成分分析をし、この成分分析の結果と設定された燃料利用率に基づいて燃料オフガスのリサイクル率を算出することができる。
その後、リサイクル弁68を閉状態にし(ステップS38)、リサイクル流路66を通しての燃料オフガスのリサイクルを終了する。このようにして燃料オフガスのリサイクルが終了した後に、原燃料ガスの供給流量(即ち、燃料ガス流量センサ30の計測流量)及び空気の供給流量(即ち、空気流量センサ42の計測流量)が安定すると、ステップS39からステップS40に進み、リサイクル弁68が閉状態のときの各種情報、具体的には燃料ガスポンプ24の駆動デューティ比、原燃料ガスの供給流量及び空気の供給流量の取得が行われ、取得した各種情報が記録される。
その後、リサイクル弁68の開閉前後の燃料ガスポンプ24の駆動デューティ比差(リサイクル弁68の開状態における駆動デューティ比とリサイクル弁68が閉状態における駆動デューティ比との差値)が演算され(ステップS41)、この差値もリサイクル弁68の開閉前後における燃料ガス供給流量との関連で記録される。尚、リサイクル弁68の開閉前後の駆動デューティ比の差を演算するのではなく、その開閉前後の駆動デューティ比の比率(例えば、閉状態における駆動デューティ比に対する開状態における駆動デューティ比の比率)を演算するようにしてもよい。
このような基準マップを作成するための作業を設定条件が終了するまで行われ、その作業はステップS32に戻って繰り返し行われる。このような測定は、燃料電池システムの初期の空気流量とセルスタック6の経時劣化に伴う空気流量の増大を考慮した流量を含む空気流量範囲に複数条件にわたって行うのが望ましい。
このようにして所要条件についての各種情報(即ち、燃料ガスポンプ24の駆動デューティ比、原燃料ガスの供給流量、空気の供給流量、リサイクル率及びリサイクル弁68の開閉前後の駆動デューティ比差)の取得が終了すると、ステップS42からステップS43に進み、これら取得した各種情報に基づく基準マップが作成され、この作成された基準マップがコントローラ72のメモリ手段88に登録される。
次に、図1及び図2とともに図3を参照して、上述した固体酸化物形燃料電池システム2の発電運転中においては次のようにして燃料利用率の補正が行われる。例えば、セルスタック6の定格発電中において、まず、リサイクル弁68が開状態に保持されているかの確認が行われ(ステップS1)、開状態に保持されているときにはステップS3に移るが、閉状態に保持されているときにはリサイクル弁68を開状態に切り換えた(ステップS2)後にステップS3に進む。
ステップS3では、セルスタック6の出力が定格発電出力でもって安定しているかの判断が行われ、定格発電出力で安定しているときにはステップS4に進み、燃料利用率の補正に関する関連データの取得が行われる。まず、上述の基準マップを作成すると同様の条件でもって、システムの燃料利用率を2〜5ポイント、例えば3ポイント下げる制御が行われる(ステップS4)。この制御は、燃料利用率降下設定手段80(図2参照)により行われ、燃料利用率が例えば80%で発電運転されているときには例えば77%になるように設定され、このように燃料利用率を設定すると、燃料ガスポンプ24の駆動デューティ比が大きくなって原燃料ガスの供給流量が増大する。
このようにして燃料利用率を下げた発電運転において、原燃料ガスの供給流量(即ち、燃料ガス流量センサ30の計測流量)及び空気の供給流量(即ち、空気流量センサ42の計測流量)が安定すると、ステップS5からステップS6に進む。即ち、流量安定判定手段78(図2参照)が原燃料ガスの供給流量及び空気供給流量が安定したと判定すると、リサイクル弁68が開状態のときの各種情報、具体的には燃料ガスポンプ24の駆動デューティ比、原燃料ガスの供給流量及び空気の供給流量の取得が行われ、取得した各種情報が記録される(ステップS6)。
その後、リサイクル弁68を閉状態にし(ステップS7)、これにより、リサイクル流路66を通しての燃料オフガスのリサイクルが終了する。このようにして燃料オフガスのリサイクルが終了して原燃料ガスの供給流量(即ち、燃料ガス流量センサ30の計測流量)及び空気の供給流量(即ち、空気流量センサ42の計測流量)が安定する、即ち流量安定判定手段78(図2参照)が原燃料ガスの供給流量及び空気の供給流量が安定していると判定すると、ステップS8からステップS9に進み、リサイクル弁68が閉状態のときの各種情報、具体的には燃料ガスポンプ24の駆動デューティ比、原燃料ガスの供給流量及び空気の供給流量の取得が行われ、取得した各種情報が記録される。
その後、リサイクル弁68の開閉前後の燃料ガスポンプ24の駆動デューティ比差(リサイクル弁68の開状態における駆動デューティ比とリサイクル弁68が閉状態における駆動デューティ比との差値)が演算され(ステップS41)、この演算された駆動デューティ比差値も記憶される。
そして、リサイクル弁68の開閉前後におけるこれら情報の変化に基づいてセルスタック6の燃料利用率が適正に設定されているかの判断がなされ、適正に設定されていないときにはこの燃料利用率の補正が次のように行われる。即ち、燃料利用率判定手段84(図2参照)は、リサイクル弁68の開閉前後の駆動デューティ比差と基準デューティ比差値(メモリ手段88に登録されている基準マップから読み出す)とを比較する。
この基準デューティ比差値としては、メモリ手段88に登録されている基準マップから対応する駆動デューティ比差値を読み出し、この読み出した駆動デューティ比差値を基準デューティ比差値とし、リサイクル弁68の開閉前後の駆動デューティ比差との比較が行われる。このとき、リサイクル弁68の開閉前後の燃料ガスの供給流量と対応する、基準マップにおける燃料ガスの供給流量の駆動デューティ比差値が読み出され、このようにリサイクル弁68の開閉前後の駆動デューティ比差の変動を利用してリサイクル率の変動を把握している。
そして、リサイクル弁68の開閉前後の駆動デューティ比差がこの基準デューティ比差値より小さいときには、セルスタック6での燃料利用率が高いと判定する。燃料ガスポンプ24の駆動デューティ比差が基準デューティ比差値より小さいということは、リサイクル流路66を通しての燃料オフガスのリサイクル量が少なく、燃料オフガスのリサイクル率が減少側に変動している(即ち、リサイクル率が設定値よりも小さくなっている)ということであり、このような場合、燃料利用率判定手段84は、「燃料利用率大」と判定し、ステップS11からステップS12に進み、燃料利用率補正手段86は燃料利用率を下げるように補正し、この実施形態では例えば0.5ポイント下げるように補正し、補正した燃料利用率でもってシステムが発電運転される。
また、燃料利用率判定手段84は、リサイクル弁68の開閉前後の駆動デューティ比差とこの基準デューティ比差値(メモリ手段88に登録されている基準マップから読み出す)とを比較し、この駆動デューティ比差が基準デューティ比差値より大きいときには、セルスタック6での燃料利用率が低いと判定する。燃料ガスポンプ24の駆動デューティ比差が基準デューティ比差値より大きいということは、リサイクル流路66を通しての燃料オフガスのリサイクル量が多く、燃料オフガスのリサイクル率が増加側に変動している(即ち、リサイクル率が設定値よりも大きくなっている)ということであり、このような場合、燃料利用率判定手段84は、「燃料利用率小」と判定し、ステップS11からステップS13に移り、燃料利用率補正手段86は燃料利用率を上げるように補正する。
このとき、セルスタック6での燃料利用率が上限燃料利用率(例えば、85%前後に設定される)に達しているときには、更に燃料利用率を高めることはシステム上好ましくなく、ステップS13からステップS14に移る。一方、この燃料利用率が上限燃料利用率に達していないときには、ステップS14からステップS15に進み、燃料利用率補正手段86は燃料利用率を上げるように補正し、この実施形態では例えば0.5ポイント上げるように補正し、補正した燃料利用率でもってシステムが発電運転される。
上述した実施形態では、リサイクル弁68の開閉前後における原燃料ガスの供給流量(燃料ガス流量センサ30の計測流量)の変化を考慮してこの駆動デューティ比差と基準デューティ比差値とを比較しているが、リサイクル弁68の開閉前後における原燃料ガスの供給流量の変化に加えて、このリサイクル弁68の開閉前後における空気の供給流量の変化をも考慮してこの駆動デューティ比差と基準デューティ比差値とを比較するようにすることもできる。
また、上述した実施形態では、リサイクル弁68の開閉前後の燃料ガスポンプ24の駆動デューティ比差と基準デューティ比差値とを比較しているが、基準デューティ比差値として第1基準デューティ比差値及び第2基準デューティ比差値(第1基準デューティ比差値よりも大きい値)とを比較し、燃料オフガスのリサイクル率が減少側に変動しているかを判定するときには第1基準デューティ比差値を用い、また燃料オフガスのリサイクル率が増加側に変動していると判定するときには第2基準デューティ比差値を用いるようにしてもよい。
図1〜図3に示す実施形態の固体酸化物形燃料電池システム2では、セルスタック6からの燃料オフガスを高温ハウジング54外に流し、この高温ハウジング54外にて第3熱交換器60で冷却し、冷却した燃料オフガスを再び高温ハウジング54内に導いて燃焼器46に送給するとともに、この冷却した燃料オフガスの一部をリサイクル流路66を通して燃料ガスポンプ24の上流側に戻しているが、次のような形態の固体酸化物形燃料電池システムにも同様に適用することができる。
図6を参照して、固体酸化物形燃料電池システムの第2の実施形態について説明する。尚、この第2の実施形態の固体酸化物形燃料電池システムにおいて、上述の第1の実施形態のものと実質上同一の部材には同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
図6において、図示の固体酸化物形燃料電池システム2Aでは、セルスタック6からの燃料オフガスを燃焼器46に導く燃料オフガス送給流路44Aは、高温ハウジング54内においてセルスタック6の燃料極の排出側と燃焼器46の流入側とを接続している。また、燃料オフガスの一部を燃料ガスポンプ24の上流側に戻すリサイクル流路66Aは、その一端側が高温ハウジング54内にて燃料オフガス送給流路44Aに接続され、その他端側が高温ハウジング54の外側に延びて燃料ガス供給流路14の所定部位(燃料ガスポンプ24と第2絞り部材26との間の部位)に接続されている。そして、リサイクル流路66Aの他端側(高温ハウジング54の外側にて延びる部分)に第3熱交換器60、ドレインセパレータ64及びリサイクル弁68がこの順に配設されている。この第2の実施形態の固体酸化物形燃料電池システム2Aのその他の構成は、上述した第1の実施形態のものと実質上同一である。
この第2の実施形態の固体酸化物形燃料電池システム2Aにおいては、セルスタック6の燃料極側からの燃料オフガスは、燃料オフガス送給流路44Aを通して燃焼器46に送給され、かく送給された燃料オフガスは、セルスタック6の空気極側から空気オフガス送給流路48を通して送給される空気オフガスにより燃焼される。また、リサイクル弁68が開状態のときには、燃料オフガス送給流路44Aを流れる燃料オフガスの一部はリサイクル流路66Aを通して燃料ガス供給流路14(具体的には、燃料ガスポンプ24の上流側部位)に戻され、燃料ガス供給流路14を流れる原燃料ガスに混合されて下流側に脱硫器20に向けて供給される。
リサイクル流路66Aを流れる燃料オフガスは、第3熱交換器60にて熱交換により冷却され、この冷却により燃料オフガス中の水分が凝縮され、ドレインセパレータ64にて凝縮水が燃料オフガスから分離された後に、水分が除去された燃料オフガスが燃料ガス供給流路14に戻される。
この固体酸化物形燃料電池システム2Aにおいても、セルスタック6の燃料利用率の補正については第1の実施形態の固体酸化物形燃料電池システムと同様に行うことができ、従って、第1の実施形態のものと同様の作用効果を達成することができる。
以上、本発明に従う固体酸化物形燃料電池システムの各種実施形態について説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更乃至修正が可能である。
例えば、上述した固体酸化物形燃料電池システムにおいては、燃料ガスポンプ24(燃料ガス供給手段)における結露発生を抑えるために、例えば、次のように構成するようにしてもよい。即ち、燃料ガスポンプ24(燃料ガス供給手段)に関連して温度検知手段(例えば、温度検知センサ)を設け、この温度検知手段の検知温度が設定所定温度(例えば、30℃)を超えたとき、この温度検知手段からの検知信号に基づいてコントローラ72が作動許容信号を生成し、この作動許容信号に基づいてリサイクル弁68が開状態又は開度大状態に許容されるように構成することができる。このように構成した場合、燃料ガスポンプ24の温度が低いときには燃料オフガスがリサイクル流路66を通して燃料ガスポンプ24の上流側にリサイクルされることはなく、これにより、燃料オフガス中に残留する水蒸気が燃料ガスポンプ24で結露することが防止される。
また、上述した実施形態では、リサイクル弁68として開閉弁を用い、この開閉弁の開状態と閉状態のときの燃料ガスポンプ24の駆動デューティ比に基づいてセルスタック6の燃料利用率の補正を行っているが、このリサイクル弁68として比例弁を用いるようにしてもよく、この場合、比例弁の開度大状態と開度小状態のときの燃料ガスポンプのデューティ比に基づいてセルスタック6の燃料利用率の補正を行うようになる。
2,2A 固体酸化物形燃料電池システム
4 改質器
6 セルスタック
12 気化器
14 燃料ガス供給流路
24 燃料ガスポンプ
30 燃料ガス流量センサ(燃料ガス流力計測手段)
44,44A 燃料オフガス送給流路
46 燃焼器
54 高温ハウジング
66,66A リサイクル流路
68 リサイクル弁
72 コントローラ
82 デューティ比差演算手段
88 燃料利用率補正手段




Claims (7)

  1. 原燃料ガスを水蒸気改質するための改質器と、水蒸気改質に用いる水蒸気を発生させるための気化器と、前記改質器にて改質された改質燃料ガス及び空気中の酸素の酸化及び還元によって発電を行うセルスタックと、前記改質器に原燃料ガスを供給するための燃料ガス供給手段と、前記セルスタックに空気を供給するための空気供給手段と、原燃料ガスの流量を計測するための燃料流量計測手段と、前記セルスタックでの発電反応後の燃料オフガスを冷却するための冷却器と、前記冷却器にて冷却された後の燃料オフガスと前記セルスタックの発電反応後の空気オフガスとを燃焼させるための燃焼器と、前記冷却器にて冷却された後の燃料オフガスの一部を前記燃料ガス供給手段の上流側に導くためのリサイクル流路と、前記リサイクル流路に配設されたリサイクル弁と、前記燃料ガス供給手段及び前記空気供給手段の作動を制御するコントローラと、を備えた固体酸化物形燃料電池システムであって、
    前記コントローラは、燃料利用率を設定する燃料利用率設定手段及び前記燃料利用率を補正する燃料利用率補正手段を含み、前記燃料利用率補正手段は、前記リサイクル弁の開状態又は開度大状態における前記燃料ガス供給手段の駆動デュ−ティ比及び前記リサイクル弁の閉状態又は開度小状態における前記燃料ガス供給手段の駆動デューティ比に基づいて燃料利用率の補正を行うことを特徴とする固体酸化物形燃料電池システム。
  2. 原燃料ガスを水蒸気改質するための改質器と、水蒸気改質に用いる水蒸気を発生させるための気化器と、前記改質器にて改質された改質燃料ガス及び空気中の酸素の酸化及び還元によって発電を行うセルスタックと、前記改質器に原燃料ガスを供給するための燃料ガス供給手段と、前記セルスタックに空気を供給するための空気供給手段と、原燃料ガスの流量を計測するための燃料流量計測手段と、前記セルスタックでの発電反応後の燃料オフガスと空気オフガスとを燃焼させるための燃焼器と、前記燃料オフガスの一部を前記燃料ガス供給手段の上流側に導くためのリサイクル流路と、前記リサイクル流路を流れる燃料オフガスを冷却するための冷却器と、前記リサイクル流路に配設されたリサイクル弁と、前記燃料ガス供給手段及び前記空気供給手段の作動を制御するコントローラと、を備えた固体酸化物形燃料電池システムであって、
    前記コントローラは、燃料利用率を設定する燃料利用率設定手段及び前記燃料利用率を補正する燃料利用率補正手段を含み、前記燃料利用率補正手段は、前記リサイクル弁の開状態又は開度大状態における前記燃料ガス供給手段の駆動デュ−ティ比及び前記リサイクル弁の閉状態又は開度小状態における前記燃料ガス供給手段の駆動デューティ比に基づいて燃料利用率の補正を行うことを特徴とする固体酸化物形燃料電池システム。
  3. 前記燃料利用率補正手段は、前記リサイクル弁の開閉前後又は開度大小前後における前記燃料ガス供給手段の駆動デューティ比差が基準デューティ比差値より大きいときには燃料オフガスのリサイクル率が増加側に変動していると判定して燃料利用率が大きくなるように補正し、また前記リサイクル弁の開閉前後又は開度大小前後における前記燃料ガス供給手段の駆動デューティ比差が前記基準デューティ比差値より小さいときには燃料オフガスのリサイクル率が減少側に変動していると判定して燃料利用率が小さくなるように補正することを特徴とする請求項1又は2に記載の固体酸化物形燃料電池システム。
  4. 前記リサイクル弁は、前記リサイクル流路を開閉するための弁体を備えた開閉弁から構成され、前記開閉弁の前記弁体をバイパスしてバイパス流路が設けられており、前記リサイクル流路に流れる燃料オフガスの一部が前記バイパス流路を通して前記燃料ガス供給手段の上流側に流れることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の固体酸化物形燃料電池システム。
  5. 前記リサイクル弁は、前記リサイクル流路を開閉するための弁体を備えた開閉弁から構成され、前記開閉弁の前記弁体に貫通孔が設けられており、前記リサイクル流路に流れる燃料オフガスの一部が前記弁体の前記貫通孔を通して前記燃料ガス供給手段の上流側に流れることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の固体酸化物形燃料電池システム。
  6. 前記リサイクル弁は、前記リサイクル流路を開閉制御するための弁体を備えた比例弁から構成され、前記弁体の開度小状態のときには、前記リサイクル流路に流れる燃料オフガスの一部が前記比例弁を通して前記燃料ガス供給手段の上流側に流れることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の固体酸化物形燃料電池システム。
  7. 前記燃料ガス供給手段に関連して温度検知手段が配設され、前記温度検知手段の検知温度が所定設定温度を超えると、前記コントローラは、前記温度検知手段からの検知信号に基づいて前記リサイクル弁を開状態又は開度大状態とする制御を許容することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の固体酸化物形燃料電池システム。





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