JP2019071317A - 構造体、放熱部材および発光装置 - Google Patents

構造体、放熱部材および発光装置 Download PDF

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享起 谷口
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Abstract

【課題】導電部を含む一体構造であって製造が容易な構造体および放熱部材、ならびに前記放熱部材を備える発光装置を提供すること。【解決手段】筐体1が備える構造体は、第3樹脂53と第3繊維63とを含む成形体である絶縁部11aと、第1樹脂51と第1繊維61とを含む成形体であって絶縁部11aよりも熱伝導性が大きい熱伝導部11bと、を備える基部11と、基部11の内部または表面に設けられ、第2樹脂52と第2繊維62とを含み、導電性を有する導電部12と、を有することを特徴とする。第2繊維62は、金属繊維または炭素繊維であるのが好ましい。【選択図】図6

Description

本発明は、構造体、放熱部材および発光装置に関するものである。
LED(Light Emitting Diode)電球は、発光効率が高いため、環境負荷の少ない照明として広く普及しつつある。
例えば、特許文献1には、LED素子と、LED素子を搭載する実装基板と、実装基板を支持する放熱構造体と、光透過性カバーと、電源基板と、を有するLED電球が開示されている。
放熱構造体が高い放熱性を有することにより、LED素子から発生する熱を効率よく放熱することができる。これにより、LED電球の信頼性を担保することができる。
特開2012−079794号公報
ところで、放熱構造体には、電球外部の電源からLED素子に通電するための配線が引き回されている。この配線は、放熱構造体を介して引き回される必要があるため、LED電球の組み立て作業が煩雑になるとともに、放熱構造体の構造も複雑になる。
また、このような複雑な構造の放熱構造体を製造する場合、製造工程も複雑になるため、製造難易度が高いという課題もある。
本発明の目的は、導電部を含む一体構造であって製造が容易な構造体および放熱部材、ならびに前記放熱部材を備える発光装置を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(10)の本発明により達成される。
(1) 第1樹脂と第1繊維とを含む成形体である基部と、
前記基部の内部または表面に設けられ、第2樹脂と第2繊維とを含み、導電性を有する導電部と、
を有することを特徴とする構造体。
(2) 前記基部は、
前記導電部側に設けられ、絶縁性を有する絶縁部と、
前記絶縁部の前記導電部側とは反対側に設けられ、前記第1樹脂と前記第1繊維とを含み、前記絶縁部よりも熱伝導性が大きい熱伝導部と、
を備える上記(1)に記載の構造体。
(3) 前記絶縁部は、第3樹脂と第3繊維とを含む成形体であり、
前記絶縁部は、前記熱伝導部よりも絶縁性が大きい上記(2)に記載の構造体。
(4) 前記絶縁部は、前記導電部を覆うように設けられている上記(2)または(3)に記載の構造体。
(5) 前記第1繊維は、金属繊維または炭素繊維を含む上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の構造体。
(6) 前記第2繊維は、金属繊維または炭素繊維を含む上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の構造体。
(7) 前記基部は、抄造体を含む上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の構造体。
(8) 前記導電部は、前記基部を貫通している上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の構造体。
(9) 上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の構造体を備えることを特徴とする放熱部材。
(10) 発光素子と、
上記(9)に記載の放熱部材と、
を備えることを特徴とする発光装置。
本発明によれば、導電部を含む一体構造であって製造が容易な構造体および放熱部材が得られる。
また、本発明によれば、上記放熱部材を備える発光装置が得られる。
本発明の発光装置の実施形態を示す分解斜視図である。 図1に示す発光装置を組み立てた後の斜視図である。 図1に示す発光装置に含まれる筐体の上面図である。 図1に示す発光装置に含まれる筐体の下面図である。 図1に示す発光装置に含まれる筐体の斜視図である。 図3のA−A線断面図である。 図5に示す構造体の変形例を示す斜視図である。 図6に示す筐体を製造する方法の一例(抄造法)を説明するための図である。 図6に示す筐体を製造する方法の一例(抄造法)を説明するための図である。 図6に示す筐体を製造する方法の一例(抄造法)を説明するための図である。 図6に示す筐体を製造する方法の一例(抄造法)を説明するための図である。
以下、本発明の構造体、放熱部材および発光装置について添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<発光装置>
まず、本発明の発光装置の実施形態について説明する。
図1は、本発明の発光装置の実施形態を示す分解斜視図、図2は、図1に示す発光装置を組み立てた後の斜視図である。また、図3は、図1に示す発光装置に含まれる筐体の上面図、図4は、図1に示す発光装置に含まれる筐体の下面図、図5は、図1に示す発光装置に含まれる筐体の斜視図である。また、図6は、図3のA−A線断面図である。
図1に示す発光装置10は、筐体1(本発明の放熱部材の実施形態)と、筐体1に載置されたLED素子2(発光素子)および2つの制御素子31、32と、電池4と、を備えている。
(LED素子)
LED素子2は、発光ダイオードとして機能する半導体部と、半導体部と電気的に接続された電極と、を備えている。LED素子2は、その形状から砲弾型、表面実装型等に分類されるが、いずれであってもよく、それ以外の形状であってもよい。
図1に示すLED素子2は、図示しない電極を下面に備えており、図2に示すようにして筐体1の上面に載置されることにより筐体1と電気的に接続されている。
また、図1では、1つのLED素子2が図示されているが、発光装置10は複数個のLED素子2を備えていてもよい。
(制御素子)
制御素子31、32は、それぞれLED素子2と電気的に接続され、LED素子2の発光を制御する。これにより、LED素子2を安定的に発光させたり、調光したりすることができる。
このような制御素子31、32としては、例えば各種IC(Integrated Circuit)のような能動素子、抵抗、ダイオード、コンデンサー、コイルのような受動素子等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上が組み合わされて用いられる。
図1に示す制御素子31、32は、それぞれ図示しない電極を下面に備えており、図2に示すようにして筐体1の上面に載置されることにより筐体1と電気的に接続されている。
なお、図1では、2つの制御素子31、32が図示されているが、発光装置10が備える制御素子の数は、1つでも3つ以上であってもよい。
(電池)
電池4は、LED素子2や制御素子31、32の駆動するための電力を供給する。電池4としては、例えば各種一次電池、各種二次電池等が挙げられる。
また、電池4は、その上面に設けられた電極41を備えている。この電極41は、電池4の上面を凹没させてなる凹部40の内面に位置している。これにより、筐体1の一部を凹部40に挿入することにより、筐体1の表面に露出した端子と電極41とを接触させることができる。その結果、筐体1の端子と電池4とを電気的に接続することができる。
(筐体)
筐体1は、基部11と、基部11の内部および表面に設けられた導電部12と、を有する構造体(実施形態に係る構造体)を備えている。
このうち、導電部12は、図5に示すように線状をなし、基部11の内部に敷設されている。なお、図5では、一例として3系統の導電部12が図示されているが、基部11に敷設される導電部12の数は、特に限定されない。
また、各導電部12の一端は、図3に示すように基部11の上面111に露出している。図3では、一端の端面が円形をなす導電部12が図示されている。
基部11の上面111は、平坦面になっており、LED素子2や制御素子31、32を載置し易くなっている。また、上面111はこれらの素子との間で広い接触面積を確保し易くなっており、各素子との間で熱伝達効率が高くなっている。
一方、各導電部12の他端は、図4に示すように基部11の下面112に露出している。図4では、他端の端面が円形をなす導電部12が図示されている。
基部11の下面112は、凹凸を含む形状(フィン形状)になっている。このため、下面112は、比表面積が大きくなっており、放熱効率が高くなっている。
具体的には、基部11は、下方に突出する板状をなす第1フィン14と、それと同様に下方に突出し第1フィン14よりも突出長さが短い第2フィン15と、を備えている。このため、下面112は、これらの第1フィン14および第2フィン15の突出長さの分だけ、比表面積の拡大が図られている。
したがって、上記のような基部11は、上面111においてLED素子2や制御素子31、32から発生した熱を効率よく受け取り、下面112において効率よく放熱可能なものとなる。
なお、導電部12の一端は、基部11の上面111に露出しており、LED素子2や制御素子31、32と電気的に接続されている。一方、導電部12の他端は、基部11の下面112に露出しており、電池4と電気的に接続されている。これにより、LED素子2や制御素子31、32と電池4とが電気的に接続される。
また、図示していないものの、導電部12はLED素子2と制御素子31、32とを電気的に接続する経路にも敷設されていてもよい。
なお、図示している導電部12は、各素子の駆動に必要な導電部のうち、一部のみを図示するように簡略化されている。
以下、筐体1の各部についてさらに詳述する。
−基部11−
基部11は、さらに、導電部12側に設けられ絶縁性を有する絶縁部11aと、導電部12側とは反対側に設けられ絶縁部11aよりも熱伝導性が大きい熱伝導部11bと、を備えている。
((熱伝導部11b))
このうち、熱伝導部11bは、図5、6に示すように、第1樹脂51と第1繊維61とを含んでいる。このような熱伝導部11bは、第1樹脂51が第1繊維61で補強されているため、繊維による補強がなされない場合に比べて、比較的軽量であるにもかかわらず高い機械的強度が得られる。
・第1樹脂51
第1樹脂51は、熱伝導部11bに成形性や保形性を付与したり、第1繊維61同士の間を結着するバインダーとして機能したりする。したがって、第1樹脂51としては、このような機能を有するものであれば特に限定されない。例えば、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ビスマレイミド系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、メラミン系樹脂、ポリウレタンのような熱硬化性樹脂、ポリアミド系樹脂(例えばナイロン等)、熱可塑性ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えばポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリカーボネート、ポリエステル系樹脂(例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー、フッ素樹脂(例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等)、変性ポリフェニレンエーテル、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、熱可塑性ポリイミドのような熱可塑性樹脂等が挙げられる。なお、第1樹脂51には、これらのうちの少なくとも1種が含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。
第1樹脂51は、特に熱硬化性樹脂を含むことが好ましい。これにより、熱伝導部11bの機械的特性および耐熱性をより高めることができる。
また、第1樹脂51は、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂およびビスマレイミド系樹脂のうちの少なくとも1種を含むことが好ましい。これにより、熱伝導部11bの機械的特性および耐熱性を特に高めることができる。
フェノール系樹脂としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、アリールアルキレン型ノボラック樹脂のようなノボラック型フェノール樹脂、未変性のレゾールフェノール樹脂、桐油、アマニ油、クルミ油のような変性した油変性レゾールフェノール樹脂等のレゾール型フェノール樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、コストおよび成形性の観点から、ノボラック型フェノール樹脂が好ましく用いられる。
フェノール系樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、1000〜15000程度であるのが好ましい。なお、フェノール系樹脂の重量平均分子量が前記下限値を下回ると、第1樹脂51の粘度が低くなり過ぎて製造時の成形が難しくなるおそれがある。一方、フェノール系樹脂の重量平均分子量が前記上限値を上回ると、第1樹脂51の粘度が高くなり過ぎて製造時の成形性が低下するおそれがある。
フェノール系樹脂の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定されたポリスチレン換算の重量分子量として求めることができる。
エポキシ系樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型のようなビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型のようなノボラック型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型、臭素化フェノールノボラック型のような臭素化型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、高流動性や成形性等の観点から、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂が好ましく用いられる。
また、比較的分子量の低いビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂がより好ましく用いられる。
さらに、耐熱性の観点から、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂がさらに好ましく用いられ、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂が特に好ましく用いられる。
ビスマレイミド系樹脂としては、例えば、分子鎖の両末端にマレイミド基を有する樹脂であれば、特に限定されないが、ベンゼン環を有するものが好ましく、下記一般式(1)で表されるものがより好ましく用いられる。
Figure 2019071317
[式中、R〜Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜4の炭化水素基または水素原子を表す。また、Rは、2価の有機基を表す。]
ただし、ビスマレイミド系樹脂は、分子鎖の両末端以外にマレイミド基を有していてもよい。
ここで、有機基とは、炭素原子以外の原子を含んでいてもよい炭化水素基であり、炭素原子以外の原子としてはO、S、N等が挙げられる。
は、好ましくはメチレン基と芳香環とエーテル結合(−O−)とが任意の順序で結合した主鎖構造を有し、主鎖上に置換基および側鎖の少なくとも一方を有していてもよい。主鎖構造に含まれるメチレン基と芳香環とエーテル結合との合計数は15個以下である。上記の置換基または側鎖としては、例えば、炭素数3個以下の炭化水素基、マレイミド基、フェニレン基等が挙げられる。
ビスマレイミド系樹脂としては、例えば、N,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミド、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、m−フェニレンビスマレイミド、p−フェニレンビスマレイミド、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、N,N’−エチレンジマレイミド、N,N’−ヘキサメチレンジマレイミド等が挙げられる。
また、第1樹脂51とともに、必要に応じて硬化剤が併用される。
例えば、第1樹脂51としてノボラック型フェノール樹脂が用いられる場合、硬化剤としては、通常、ヘキサメチレンテトラミンが用いられる。
また、例えば、第1樹脂51としてエポキシ系樹脂が用いられる場合、硬化剤としては、脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミン、ジシアミンジアミドのようなアミン化合物、脂環族酸無水物、芳香族酸無水物のような酸無水物、ノボラック型フェノール樹脂のようなポリフェノール化合物、イミダゾール化合物等が用いられる。
これらの中でも、取り扱い性や環境面の観点から、ノボラック型フェノール樹脂が好ましく用いられる。特に、エポキシ系樹脂としてフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、およびトリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂を用いる場合、硬化剤としては、硬化物の耐熱性がより向上し易いという観点から、ノボラック型フェノール樹脂が好ましく用いられる。
また、例えば、第1樹脂51としてビスマレイミド系樹脂が用いられる場合、硬化剤としては、イミダゾール化合物が用いられる。
なお、硬化剤としては、上述したもののうちの1種または2種以上が用いられる。
一方、第1樹脂51は、特に熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。これにより、熱伝導部11bの成形性を特に高めることができ、より寸法精度が高い熱伝導部11bが得られる。
さらに、第1樹脂51は、熱可塑性樹脂の中でもスーパーエンジニアリングプラスチックを含むことが好ましい。これにより、熱可塑性樹脂がもたらす効果に加え、高い機械的特性という効果が付加されることとなる。なお、スーパーエンジニアリングプラスチックとしては、例えば、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、液晶ポリマー、フッ素樹脂等が挙げられる。
第1樹脂51の融点は、特に限定されないが、200〜400℃であるのが好ましく、210〜390℃であるのがより好ましく、260〜380℃であるのがさらに好ましい。このような第1樹脂51を用いることにより、熱伝導部11bの機械的特性および耐熱性を十分に高めることができる。これにより、熱伝導部11bが例えば輸送機器用内装材等に適用された場合、難燃性に優れた内装材が得られる。
なお、第1樹脂51の融点が前記下限値を下回ると、熱伝導部11bの構成によっては、熱伝導部11bの高温時の寸法精度が低下したり、耐熱性に基づく難燃性が低下したりするおそれがある。一方、第1樹脂51の融点は前記上限値を上回ってもよいが、それに伴って一部の物性(例えば耐衝撃性等)が低下するおそれがある。
ここで、第1樹脂51の融点は、原則として結晶融点のことであり、例えば、示差走査熱量計(DSC−2920、TAインスツルメント社製)により測定できる。
また、第1樹脂51に結晶融点が存在せずガラス転移温度が存在する場合には、本発明における第1樹脂51の融点はガラス転移温度も含むものとする。このガラス転移温度も、上記の示差走査熱量計により測定可能である。
さらに、第1樹脂51が熱硬化性樹脂の場合であって結晶融点もガラス転移温度も存在しない場合には、本発明における第1樹脂51の融点は熱硬化性樹脂の硬化物の耐熱温度も含むものとする。この耐熱温度は、JIS K 6911:1995の熱可塑性プラスチック一般試験方法に規定されている荷重たわみ温度とする。
・第1繊維61
第1繊維61は、熱伝導部11bの機械的特性を向上させたり、熱伝導性を高めたりすることに寄与する。
このような第1繊維61としては、例えば、繊維糸または長い繊維束を所定の長さに切断することによって得られたものが用いられる。
第1繊維61は、例えば、炭素繊維、アルミニウム繊維、銅繊維、ステンレス鋼繊維、黄銅繊維、チタン繊維、鋼繊維、リン青銅繊維のような金属繊維、アルミナ繊維のようなセラミック繊維、ポリ(パラ−フェニレン−2,6−ベンゾビスオキサゾール)(PBO)のような合成繊維等が挙げられ、これらのうちの少なくとも1種を含むものが用いられる。
その中でも、第1繊維61としては、樹脂よりも熱伝導性が高い材料で構成された繊維が好ましく用いられる。具体的には、炭素繊維、金属繊維、セラミック繊維のような無機繊維が好ましく用いられ、金属繊維または炭素繊維がより好ましく用いられる。これらの無機繊維は、熱伝導性が特に良好である。このため、熱伝導部11bは軽量であるにもかかわらず熱伝導性の高いものとなり、LED素子2や制御素子31、32から発生した熱を効率よく放熱することができる。その結果、LED素子2や制御素子31、32の安定的な動作を可能にする信頼性の高い筐体1が得られる。また、これらの無機繊維は、機械的特性も特に良好であるため、筐体1の大部分を占める熱伝導部11bの機械的特性を高めることができ、筐体1の信頼性の向上に寄与する。
なお、第1繊維61は、互いに異なる2種類以上の繊維が混在したものであってもよい。その場合、例えば、1種類は樹脂よりも熱伝導性が高い材料で構成された繊維(例えば無機繊維)とされ、別の1種類は樹脂繊維(天然繊維または合成繊維のような有機繊維)であるような組み合わせとされる。このような組み合わせでは、熱伝導性と靭性のような機械的特性とを高度に両立する熱伝導部11bが得られる。
その場合、例えば、第1繊維61における無機繊維の割合が3体積%以上70体積%以下であるのが好ましく、4体積%以上50体積%以下であるのがより好ましく、5体積%以上40体積%以下であるのがさらに好ましい。このような配合比に設定されることにより、熱伝導性と機械的特性の双方が特に良好な熱伝導部11bが得られる。
また、第1繊維61は、単繊維の状態で添加されていてもよく、複数の単繊維同士を束ねてなる繊維束の状態で添加されていてもよい。
また、第1繊維61の平均長さは、それぞれ特に限定されないが、1mm以上であるのが好ましく、2mm以上であるのがより好ましく、4mm以上であるのがさらに好ましい。第1繊維61の平均長さを前記範囲内に設定することにより、熱伝導部11bの機械的特性および熱伝導性をそれぞれ十分に高めることができる。特に第1樹脂51の機械的特性が比較的低い場合であっても、第1繊維61によってそれを十分に補うことができる。その結果、機械的特性が特に良好な熱伝導部11bが得られる。
なお、第1繊維61の平均長さの上限値は、特に限定されないが、例えば100mm以下であるのが好ましく、50mm以下であるのがより好ましい。これにより、熱伝導部11bを製造するにあたって第1繊維61を分散媒に分散させるとき、その分散性が良好になる。その結果、最終的に機械的特性に優れた熱伝導部11bが得られる。
なお、第1繊維61の平均長さとは、熱伝導部11bの第1樹脂51を溶解する等して100本以上の第1繊維61を取り出した後、その長さを測定し、平均した値のことをいう。
また、第1繊維61は、長さ20mm以上の長繊維を含んでいてもよい。第1繊維61としてこのような非常に長いものを含めることにより、熱伝導部11bには極めて高い機械的特性が付与される。このため、例えば第1樹脂51として機械的特性が低いものを使用した場合であっても、第1繊維61によってそれを十分に補うことができる。その結果、第1樹脂51として目的とする特性に特化したもの、例えば機械的特性は多少劣るものの難燃性に優れたものを選択することが可能になり、様々な特性を有する熱伝導部11bが得られる。併せて、熱伝導部11bには高い熱伝導性が付与される。このため、放熱性がより良好な熱伝導部11bが得られる。
なお、長繊維の長さは、好ましくは25mm以上とされ、より好ましくは30mm以上とされる。
また、長繊維の長さの上限値は、特に限定されないが、200mm以下であるのが好ましく、150mm以下であるのがより好ましい。これにより、熱伝導部11bを製造するにあたって第1繊維61を分散媒に分散させるとき、その分散性が良好になる。その結果、最終的に機械的特性に優れた熱伝導部11bが得られる。
このような長繊維は、第1繊維61に少しでも含まれていればよいが、第1繊維61のうち10%以上の割合で含まれているのが好ましく、20〜90%の割合で含まれているのがより好ましい。これにより、長繊維によってもたらされる上述したような効果が、より確実に発現することとなる。すなわち、長繊維が支配的に存在することになるため、第1繊維61の機械的特性においても長繊維の影響が支配的になる。その結果、とりわけ機械的特性および熱伝導性が高い熱伝導部11bを実現することができる。
なお、長繊維の含有量は、熱伝導部11bの第1樹脂51を溶解する等して100本以上の第1繊維61を取り出した後、その長さを測定し、長さが20mm以上である第1繊維61の本数の割合として求められる。
また、第1繊維61の平均径は、特に限定されないが、1〜100μm程度であるのが好ましく、5〜80μm程度であるのがより好ましい。第1繊維61の平均径を前記範囲内に設定することにより、熱伝導部11bの機械的特性および熱伝導性を高めつつ、熱伝導部11bを製造するときの成形性を高めることができる。
なお、第1繊維61の平均径とは、熱伝導部11bの第1樹脂51を溶解する等して100本以上の第1繊維61を取り出した後、その径をそれぞれ測定し、平均した値のことをいう。
また、第1繊維61の径に対する長さの比(長さ/径)は、特に限定されないが、10以上であるのが好ましく、100以上であるのがより好ましい。これにより、第1繊維61が上記のような効果をより確実に発揮する。
なお、第1繊維61には、必要に応じて、カップリング剤処理、界面活性剤処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、プラズマ照射処理等の表面処理が施されていてもよい。
このうち、カップリング剤としては、例えば、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシランのようなアミノ基含有アルコキシシラン、およびそれらの加水分解物等が挙げられ、これらのうちの少なくとも1種を含むものが用いられる。
熱伝導部11bにおける第1繊維61の含有量は、特に限定されないが、第1樹脂51の1〜300体積%程度であるのが好ましく、5〜150体積%程度であるのがより好ましく、10〜120体積%程度であるのがさらに好ましい。第1繊維61の含有量を前記範囲内に設定することにより、第1樹脂51と第1繊維61との量的なバランスが最適化されるため、熱伝導部11bの機械的特性を特に高めることができる。すなわち、第1繊維61の含有量が前記下限値を下回ると、第1繊維61が相対的に不足するため、第1樹脂51の組成や第1繊維61の長さ、構成材料等によっては、熱伝導部11bの機械的特性および熱伝導性が低下するおそれがある。一方、第1繊維61が前記上限値を上回ると、第1樹脂51の含有量が相対的に不足するため、第1樹脂51の組成や第1繊維61の長さ、構成材料等によっては、熱伝導部11bの機械的特性が低下するおそれがある。
なお、図5、6に示す第1繊維61の形状は、一例であり、図示したような直線状には限定されず、いかなる形状、例えばらせん状、蛇行形状等であってもよい。
また、第1繊維61は、熱伝導部11b中においていかなる方向に配向していてもよいが、好ましくは表面と平行になるように配向しているのが好ましい。これにより、熱伝導部11bの表面の引張方向において靭性を高めることができる。また、熱伝導部11bの表面の耐摩耗性や硬度も高くなる。
なお、後述する製造方法によれば、第1繊維61は、第1フィン14および第2フィン15においてその突出方向に沿って配向するようになる。このため、第1フィン14および第2フィン15の突出方向における熱伝導性が特に良好になる。このような特性は、熱伝導部11bにおける放熱速度を高めることに寄与する。
また、熱伝導部11bは、後述するように抄造体を含むことが好ましい。すなわち、基部11は、抄造体を含むことが好ましい。これにより、基部11は、第1繊維61によって熱伝導性のような特性が付与されるとともに、長い第1繊維61を添加されることが可能になる。このため、熱伝導性のような特性と機械的特性とを高度に両立する基部11が得られる。
・パルプ
熱伝導部11bは、必要に応じてパルプを含んでいてもよい。パルプとは、フィブリル構造を有する繊維材料であり、第1繊維61とは異なるものである。パルプは、例えば、繊維材料を機械的または化学的にフィブリル化することによって得ることができる。
また、熱伝導部11bを抄造法によって製造するとき、材料の凝集性を高めることができるので、効率よく安定的に抄造することができる。
パルプとしては、例えば、リンターパルプ、木材パルプのようなセルロース繊維、ケナフ、ジュート、竹のような天然繊維、パラ型全芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊維)およびその共重合体、芳香族ポリエステル繊維、ポリベンザゾール繊維、メタ型アラミド繊維およびそれらの共重合体、アクリル繊維、アクリロニトリル繊維、ポリイミド繊維、ポリアミド繊維のような有機繊維等をフィブリル化したものが挙げられ、これらのうちの少なくとも1種が用いられる。
また、熱伝導部11bにおけるパルプの含有量は、特に限定されないが、第1樹脂51の0.5〜10質量%程度であるのが好ましく、1〜8質量%程度であるのがより好ましく、1.5〜5質量%程度であるのがさらに好ましい。これにより、機械的特性や熱伝導性がより良好な熱伝導部11bを実現することができる。
パルプの平均径は、第1繊維61の平均径より小さいことが好ましく、具体的には0.01〜2μm程度であるのが好ましい。
また、パルプの平均長さは、特に限定されないが、0.1〜100mm程度であるのが好ましく、0.5〜10mm程度であるのがより好ましい。
なお、パルプのフィブリル化の指標としては、BET比表面積が用いられる。パルプのBET比表面積は、特に限定されないが、3〜25m/g程度であるのが好ましく、5〜20m/g程度であるのがより好ましい。これにより、パルプ同士あるいはパルプと第1繊維61との絡み合いを十分に確保しつつ、熱伝導部11bを抄造法によって製造するときには抄造安定性を図ることができる。
・凝集剤
熱伝導部11bは、必要に応じて凝集剤を含んでいてもよい。
凝集剤としては、例えば、カチオン性高分子凝集剤、アニオン性高分子凝集剤、ノニオン性高分子凝集剤、両性高分子凝集剤等が挙げられ、これらのうちの少なくとも1種が用いられる。
より具体的には、例えば、カチオン性ポリアクリルアミド、アニオン性ポリアクリルアミド、ホフマンポリアクリルアミド、マンニックポリアクリルアミド、両性共重合ポリアクリルアミド、カチオン化澱粉、両性澱粉、ポリエチレンオキサイド等が挙げられる。
また、熱伝導部11bにおける凝集剤の含有量は、特に限定されないが、第1樹脂51の0.01〜1.5質量%程度であるのが好ましく、0.05〜1質量%程度であるのがより好ましく、0.1〜0.5質量%程度であるのがさらに好ましい。これにより、熱伝導部11bを例えば抄造法により製造するとき、脱水処理等を容易かつ安定的に行うことができ、最終的に機械的特性に優れた熱伝導部11bが得られる。
・その他の添加剤
熱伝導部11bは、必要に応じてその他の添加剤を含んでいてもよい。
かかる添加剤としては、例えば、充填材、金属粉、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、離型剤、可塑剤、硬化触媒、硬化助剤、顔料、耐光剤、帯電防止剤、抗菌剤、導電剤、分散剤等が挙げられ、これらのうちの少なくとも1種が用いられる。
このうち、硬化助剤としては、例えば、イミダゾール化合物、三級アミン化合物、有機リン化合物、酸化マグネシウム等が挙げられる。
また、充填材には、例えば、無機充填材、有機充填材等が用いられる。具体的な構成材料としては、例えば、酸化チタン、アルミナ、シリカ、ジルコニア、酸化マグネシウム、酸化カルシウムのような酸化物類、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素のような窒化物類、硫酸バリウム、硫酸鉄、硫酸銅のような硫化物類、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムのような水酸化物類、カオリナイト、タルク、天然マイカ、合成マイカのような鉱物類、炭化ケイ素のような炭化物類等が挙げられる。さらに、これらの粉末にカップリング剤処理のような表面処理が施されたものであってもよい。
また、充填材として、金属粉、ガラスビーズ、ミルドカーボン、グラファイト、ポリビニルブチラール、木粉等が用いられてもよい。
また、離型剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等が挙げられる。
また、カップリング剤としては、例えば、エポキシシランカップリング剤、カチオニックシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤等が挙げられる。
また、難燃剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムのような金属水酸化物、アンチモン化合物、ハロゲン化合物、リン化合物、窒素化合物、ホウ素化合物等が挙げられる。
・空孔
また、熱伝導部11bは、内部に空孔を含んでいてもよい。これにより、熱伝導部11bの密度(比重)を低下させ、軽量化を図ることができる。
空孔は、熱伝導部11bに内包されている空間のことをいう。この空孔は、その1つ1つまたは複数個が連結したものが系外と隔離されている(第1樹脂51等によって取り囲まれている)空間(独立気泡)であってもよく、系外と連通している空間(連続気泡)であってもよい。
熱伝導部11bの空孔率は、特に限定されないが、90%以下であるのが好ましく、5%以上85%以下であるのがより好ましい。空孔率を前記範囲内に設定することにより、熱伝導部11bの軽量化と機械的特性および熱伝導性とをバランスよく両立させることができる。すなわち、空孔率が前記下限値を下回ると、第1樹脂51の組成や第1繊維61の長さ、構成材料等によっては、熱伝導部11bの軽量化が不十分になるおそれがある。一方、空孔率が前記上限値を上回ると、第1樹脂51の組成や第1繊維61の長さ、構成材料等によっては、熱伝導部11bの機械的特性や熱伝導性が低下するおそれがある。
なお、熱伝導部11bの空孔率は、例えば熱伝導部11bの断面の面積において、空孔が占める面積の割合(空孔の面積率)として求められる。
以上、熱伝導部11bについて説明したが、このような熱伝導部11bは絶縁部11aよりも熱伝導性が大きいことが好ましい。この場合、熱伝導部11bの熱伝導率は、絶縁部11aの熱伝導率より高いことが好ましく、その差が絶縁部11aの熱伝導率の10%以上であるのがより好ましく、30%以上であるのがさらに好ましい。これにより、熱伝導部11bは、十分な熱伝導性を有するものとなる。
((絶縁部11a))
絶縁部11aは、図6に示すように、第3樹脂53と第3繊維63とを含んでいる。このような絶縁部11aは、第3樹脂53が第3繊維63で補強されているため、軽量であるにもかかわらず高い機械的強度が得られる。
また、絶縁部11aは、絶縁性を有するため、導電部12と前述した熱伝導部11bとの間を絶縁する。これにより、熱伝導部11bが導電性を有している場合でも、導電部12と熱伝導部11bとの間を絶縁し、導電部12の配線としての機能が損なわれるのを防止することができる。
なお、前述したように、熱伝導部11bでは、熱伝導性を高めるべく、第1繊維61の構成材料等が適宜選択されているが、その場合、導電性も高くなる傾向がある。したがって、絶縁部11aを設けることにより、導電部12の機能を損なうことなく、熱伝導部11bの熱伝導性を高めることができる。したがって、導電部12の良好な導電性と熱伝導部11bの良好な熱伝導性とを両立し得る筐体1が得られる。
したがって、絶縁部11aは必要に応じて設けられればよく、例えば熱伝導部11bが良好な熱伝導性を有する一方、絶縁性も有している場合には省略されてもよい。
また、本実施形態に係る導電部12は、図6に示すように線状をなしているので、絶縁部11aは、その導電部12の側面を覆うように筒状をなしている。これにより、絶縁部11aが導電部12と熱伝導部11bとの間を確実に絶縁することができ、導電部12に配線としての良好な特性を付与することができる。
このような絶縁部11aの厚さは、特に限定されないが、0.01〜5mm程度であるのが好ましく、0.05〜1mm程度であるのがより好ましい。これにより、絶縁部11aの絶縁性を確保しつつ、絶縁部11aが厚くなり過ぎてその分、熱伝導部11bの体積が減少するのを防止することができる。
以下、絶縁部11aについて説明するが、以下の説明では熱伝導部11bとの相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、絶縁部11aの構造は、絶縁性を示す構造であれば特に限定されず、例えば樹脂のみの構造であってもよいが、以下の説明では、第3樹脂53と第3繊維63とを含む構造について特に説明する。
・第3樹脂53
第3樹脂53は、絶縁部11aに成形性や保形性を付与したり、第1繊維61同士の間を結着するバインダーとして機能したりする。したがって、第3樹脂53は、このような機能を有するものであれば特に限定されないが、第1樹脂51として前述した各種樹脂から適宜選択される。
また、第3樹脂53についての特性等は、第1樹脂51についての前述した特性等と同様である。
なお、第3樹脂53は、第1樹脂51と同じであっても、異なっていてもよい。同じである場合、熱伝導部11bと絶縁部11aとの間で親和性が高くなるため、界面の密着力が高く、機械的強度の高い筐体1が得られる。一方、異なっている場合、例えば絶縁性を最優先にして第3樹脂53を選択することができるので、絶縁性が特に良好な絶縁部11aが得られる。
・第3繊維63
第3繊維63は、絶縁部11aの機械的特性を向上させることに寄与する。
このような第3繊維63としては、第1繊維61として前述した各種繊維から第1繊維61よりも絶縁性が大きいという観点に基づいて適宜選択される。これにより、機械的特性を損なうことなく、熱伝導部11bよりも絶縁性が高い絶縁部11aが得られる。
特に天然繊維や合成繊維のような樹脂繊維、セラミック繊維およびガラス繊維またはこれらの少なくとも1種を含む繊維が好ましく用いられる。このような繊維は、絶縁性が特に高いため、第3繊維63として有用である。
また、第3繊維63についての特性等は、第1繊維61についての前述した特性等と同様である。
この他、絶縁部11aは、パルプ、凝集剤、その他の添加剤、空孔等を含んでいてもよい。
−導電部12−
導電部12は、図6に示すように、第2樹脂52と第2繊維62とを含んでいる。このような導電部12は、第2樹脂52が第2繊維62で補強されているため、軽量であるにもかかわらず高い機械的強度が得られる。また、導電部12は、導電性を有するため、基部11の内部および表面に敷設された配線として機能する。このため、前述したように、LED素子2や制御素子31、32と電池4とが導電部12を介して電気的に接続される。
ここで、導電部12は、基部11を貫通するように設けられている。このため、筐体1を用いることで、基部11を貫通するように配線を敷設する作業を省略することができ、発光装置10の組み立て作業が容易になる。筐体1は、導電部12を含む一体構造になっているため、信頼性が高いという利点も有する。
なお、図示した導電部12は一例であり、必ずしも基部11を貫通していなくてもよい。例えば、導電部12が基部11の側面に沿って敷設されることにより、LED素子2や制御素子31、32と電池4とを電気的に接続するようにしてもよい。
以下、導電部12について説明するが、以下の説明では熱伝導部11bとの相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
・第2樹脂52
第2樹脂52は、導電部12に成形性や保形性を付与したり、第2繊維62同士の間を結着するバインダーとして機能したりする。したがって、第2樹脂52としては、このような機能を有するものであれば特に限定されないが、第1樹脂51として前述した各種樹脂から適宜選択される。
また、第2樹脂52についての特性等は、第1樹脂51についての前述した特性等と同様である。
なお、第2樹脂52は、第3樹脂53と同じであっても、異なっていてもよい。同じである場合、絶縁部11aと導電部12との間で親和性が高くなるため、界面の密着力が高く、機械的強度の高い筐体1が得られる。一方、異なっている場合、例えば導電性を最優先にして第2樹脂52を選択することができるので、導電性が特に良好な導電部12が得られる。
・第2繊維62
第2繊維62は、導電部12の機械的特性を向上させたり、導電性を高めたりすることに寄与する。
このような第2繊維62としては、第1繊維61として前述した各種繊維から適宜選択されるが、特に金属繊維または炭素繊維が好ましく用いられる。これらの繊維は、導電性が特に良好である。このため、導電性が特に良好で損失の少ない導電部12が得られる。その結果、信頼性の高い発光装置10が得られる。
なお、第2繊維62は、互いに異なる2種類以上の繊維が混在したものであってもよい。その場合、例えば、1種類は樹脂よりも導電性が高い材料で構成された繊維(例えば無機繊維)とされ、別の1種類は樹脂繊維(天然繊維または合成繊維のような有機繊維)であるような組み合わせとされる。このような組み合わせでは、導電性と靭性のような機械的特性とを高度に両立する導電部12が得られる。
その場合、例えば、第2繊維62における無機繊維の割合が3体積%以上70体積%以下であるのが好ましく、4体積%以上50体積%以下であるのがより好ましく、5体積%以上40体積%以下であるのがさらに好ましい。このような配合比に設定されることにより、導電性と機械的特性の双方が特に良好な導電部12が得られる。
また、第2繊維62は、単繊維の状態で添加されていてもよく、複数の単繊維同士を束ねてなる繊維束の状態で添加されていてもよい。
また、第2繊維62の平均長さは、それぞれ特に限定されないが、1mm以上であるのが好ましく、2mm以上であるのがより好ましく、4mm以上であるのがさらに好ましい。第2繊維62の平均長さを前記範囲内に設定することにより、導電部12の機械的特性および導電性をそれぞれ十分に高めることができる。特に第2樹脂52の機械的特性が比較的低い場合であっても、第2繊維62によってそれを十分に補うことができる。その結果、機械的特性が特に良好な導電部12が得られる。また、第2繊維62同士が接触する確率が十分に高くなるため、第2繊維62の延在方向における導電性が特に高くなり、電気抵抗による損失の少ない導電部12を実現することができる。
なお、第2繊維62の平均長さの上限値は、特に限定されないが、例えば100mm以下であるのが好ましく、50mm以下であるのがより好ましい。これにより、導電部12を製造するにあたって第2繊維62を分散媒に分散させるとき、その分散性が良好になる。その結果、最終的に機械的特性に優れた導電部12が得られる。
なお、第2繊維62の平均長さとは、導電部12の第2樹脂52を溶解する等して100本以上の第2繊維62を取り出した後、その長さを測定し、平均した値のことをいう。
また、第2繊維62は、長さ20mm以上の長繊維を含んでいてもよい。第2繊維62としてこのような非常に長いものを含めることにより、導電部12には極めて高い機械的特性が付与される。このため、例えば第1樹脂51として機械的特性が低いものを使用した場合であっても、第1繊維61によってそれを十分に補うことができる。その結果、第1樹脂51として目的とする特性に特化したもの、例えば機械的特性は多少劣るものの難燃性に優れたものを選択することが可能になり、様々な特性を有する熱伝導部11bが得られる。併せて、導電部12には高い導電性が付与される。このため、導電性がより良好な導電部12が得られる。
なお、長繊維の長さは、好ましくは25mm以上とされ、より好ましくは30mm以上とされる。
また、長繊維の長さの上限値は、特に限定されないが、200mm以下であるのが好ましく、150mm以下であるのがより好ましい。これにより、導電部12を製造するにあたって第2繊維62を分散媒に分散させるとき、その分散性が良好になる。その結果、最終的に機械的特性に優れた導電部12が得られる。
このような長繊維は、第2繊維62に少しでも含まれていればよいが、第2繊維62のうち10%以上の割合で含まれているのが好ましく、20〜90%の割合で含まれているのがより好ましい。これにより、長繊維によってもたらされる上述したような効果が、より確実に発現することとなる。すなわち、長繊維が支配的に存在することになるため、第2繊維62の機械的特性においても長繊維の影響が支配的になる。その結果、とりわけ機械的特性および導電性が高い導電部12を実現することができる。
なお、長繊維の含有量は、導電部12の第2樹脂52を溶解する等して100本以上の第2繊維62を取り出した後、その長さを測定し、長さが20mm以上である第2繊維62の本数の割合として求められる。
また、第2繊維62の平均径は、特に限定されないが、1〜100μm程度であるのが好ましく、5〜80μm程度であるのがより好ましい。第2繊維62の平均径を前記範囲内に設定することにより、導電部12の機械的特性および導電性を高めつつ、導電部12を製造するときの成形性を高めることができる。
なお、第2繊維62の平均径とは、導電部12の第2樹脂52を溶解する等して100本以上の第2繊維62を取り出した後、その径をそれぞれ測定し、平均した値のことをいう。
また、第2繊維62の径に対する長さの比(長さ/径)は、特に限定されないが、10以上であるのが好ましく、100以上であるのがより好ましい。これにより、第2繊維62が上記のような効果をより確実に発揮する。
なお、第2繊維62には、必要に応じて、カップリング剤処理、界面活性剤処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、プラズマ照射処理等の表面処理が施されていてもよい。
このうち、カップリング剤としては、例えば、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシランのようなアミノ基含有アルコキシシラン、およびそれらの加水分解物等が挙げられ、これらのうちの少なくとも1種を含むものが用いられる。
導電部12における第2繊維62の含有量は、特に限定されないが、第2樹脂52の1〜300体積%程度であるのが好ましく、5〜150体積%程度であるのがより好ましく、10〜120体積%程度であるのがさらに好ましい。第2繊維62の含有量を前記範囲内に設定することにより、第2樹脂52と第2繊維62との量的なバランスが最適化されるため、導電部12の機械的特性を特に高めることができる。すなわち、第2繊維62の含有量が前記下限値を下回ると、第2繊維62が相対的に不足するため、第2樹脂52の組成や第2繊維62の長さ、構成材料等によっては、導電部12の機械的特性および導電性が低下するおそれがある。一方、第2繊維62が前記上限値を上回ると、第2樹脂52の含有量が相対的に不足するため、第2樹脂52の組成や第2繊維62の長さ、構成材料等によっては、導電部12の機械的特性が低下するおそれがある。
なお、図6に示す第2繊維62の形状は、一例であり、図示したような直線状には限定されず、いかなる形状、例えばらせん状、蛇行形状等であってもよい。
また、第2繊維62は、導電部12中においていかなる方向に配向していてもよい。例えば、導電部12の延在方向と平行に配向した第2繊維62が含まれ、かつ第2繊維62同士が接触している場合には、導電部12の延在方向において第2繊維62が持つ導電性が顕在化し易いため、導電部12の延在方向における導電性を特に高め易い。また、導電部12の断線等の発生確率を下げることもできる。
この他、導電部12は、パルプ、凝集剤、その他の添加剤、空孔等を含んでいてもよい。
以上、基部11と導電部12とを有する構造体を備える筐体1について説明したが、この構造体は、筐体以外の用途にも用いられる。筐体以外の用途としては、例えば配線基板、内装材等が挙げられる。これらの用途においても、導電部が設けられることにより、配線の一部を代替する機能が付加された、機能性の高い部材が得られる。
なお、このような構造体は、導電部12を含むものの一体構造になっているため、信頼性が高い。このため、構造体を貫通させるように配線する場合でも、その作業を容易に行うことができる。また、一体構造になっていることから、製造も容易になり、低コスト化が図られる。
特に、熱伝導部11b、絶縁部11aおよび導電部12がそれぞれ樹脂と繊維とを含む場合、互いに繊維が絡み合うことによって接合界面の接合強度が高くなる。その結果、特に信頼性の高い筐体1が得られる。
内装材の一例としては、輸送機器用内装材を例示することができる。具体的には、キャビン天井パネル、キャビン内装パネル、キャビン床面、コックピット天井パネル、コックピット内装パネル、コックピット床面、手荷物ロッカー壁、収納ロッカー壁、ドア内張、窓カバー、機長席、副操縦士席、客室乗務員用座席、乗客座席のような各種座席、化粧室用内装材等の各種航空機用内装材の他、自動車用内装材、船舶用内装材、鉄道用内装材、宇宙船用内装材等が挙げられる。このような輸送機器用内装材は、いずれも、安全性と輸送効率の観点から、軽量であるとともに高い機械的強度が要求される。このため、上述した構造体が特に好適に用いられる。また、内装材には、照明等の目的で配線が敷設される場合が多い。したがって、かかる観点からも、上記構造体が好適に用いられる。
また、構造体の形状は、図5に示すような形状に限定されない。
図7は、図5に示す構造体の変形例を示す斜視図である。
図7(a)はリブ形状であり、図7(b)および図7(c)はそれぞれ平板を連続して屈曲させた形状であって、図7(b)は角型形状、図7(c)は波型形状である。
また、図7(d)は直方体形状であり、図7(e)は複数の直方体が連結された形状であり、図7(f)は円柱形状であり、図7(g)は球形状である。
また、図7(h)はハニカム形状である。
本実施形態に係る構造体は、図7に示すような形状であってもよい。
(構造体の物性)
ここで、本発明の構造体の曲げ強度は、特に限定されないが、20〜400MPa程度であるのが好ましく、50〜350MPa程度であるのがより好ましく、70〜300MPa程度であるのがさらに好ましい。これにより、十分に機械的特性が高い構造体が得られる。
なお、構造体の曲げ強度は、室温(25℃)において、ISO178:2001に規定されている試験方法に準じて測定される。
また、構造体の曲げ比強度は、20〜400MPa・(g/cm−1であるのが好ましい。これにより、軽量化と機械的特性の向上との両立が図られた構造体が得られる。なお、曲げ比強度が前記下限値を下回ると、重い割には曲げ強度が小さいといえるので、例えば輸送機器用内装材のように、軽量化と高い機械的特性の双方を求められる分野の構造材料としては不適当になるおそれがある。一方、曲げ比強度が前記上限値を上回ると、軽い割には曲げ強度が大きいといえるが、その他の物性とのバランスによっては耐衝撃性が低下したり、製造条件によるバラツキが出やすくなるため、製造歩留まりを高め難くなったりするおそれがある。
また、構造体の曲げ比強度は、50〜390MPa・(g/cm−1程度であるのがより好ましく、70〜380MPa・(g/cm−1程度であるのがさらに好ましい。
なお、構造体の曲げ比強度は、曲げ強度(単位:MPa)を密度(単位:g/cm)で除することによって求められる。
また、構造体の曲げ比弾性率は、特に限定されないが、2〜30GPa・(g/cm−1程度であるのが好ましく、3〜25GPa・(g/cm−1程度であるのがより好ましく、4〜20GPa・(g/cm−1程度であるのがさらに好ましい。これにより、軽量化と機械的特性の向上との両立が図られた構造体が得られる。
なお、構造体の曲げ比弾性率は、曲げ弾性率(単位:GPa)を密度(単位:g/cm)で除することによって求められる。そして、曲げ弾性率は、室温(25℃)において、ISO178:2001に規定されている試験方法に準じて測定される。
また、構造体の密度は、特に限定されないが、0.05〜2.5g/cm程度であるのが好ましく、0.1〜2.2g/cm程度であるのがより好ましく、0.2〜2.0g/cm程度であるのがさらに好ましい。これにより、軽量化と機械的特性の向上とを両立させた構造体が得られる。
なお、密度は、JIS K 7112:1999にA法として規定されている試験方法に準じて測定される。
また、導電部12の体積抵抗率は、できるだけ低いことが求められるが、好ましくは1×10−1Ω・cm以下とされ、より好ましくは1×10−2Ω・cm以下とされる。このような体積抵抗率を有する導電部12は、例えば配線等の通電手段として利用可能なものとなる。
なお、体積抵抗率は、4端子法により電気抵抗値を測定した後、体積抵抗率を算出する方法によって求められる。このとき、試験片の寸法は、例えば縦100mm、幅5mm、厚さ1mmとされる。また、測定環境は、例えば気温22℃、相対湿度60%とされる。
一方、熱伝導部11bの熱伝導率は、できるだけ高いことが求められるが、好ましくは5W/(m・K)以上とされ、より好ましくは10W/(m・K)以上とされる。このような熱伝導率を有する熱伝導部11bは、特に放熱性が良好な熱伝導部11bが得られる。
なお、熱伝導率は、NETZSCH社製のXeフラッシュアナライザーLFA447を用い、レーザーフラッシュ法により試験片の長さ方向の熱伝導率を測定することによって求められる。このとき、試験片の寸法は、例えば縦100mm、幅5mm、厚さ1mmとされる。また、測定環境は、例えば気温22℃、相対湿度60%とされる。
<筐体の製造方法>
筐体1は、いかなる方法で製造されたものであってもよいが、後述するような抄造体を加圧、成形してなる成形体であるのが好ましい。抄造体は、繊維を含む分散液を抄きとることによって得られる、繊維が分散した複合体である。このような抄造体によれば、比較的長い繊維同士が絡み合っているため、機械的強度をより高め易い。また、繊維の構成材料を適宜選択することによって、繊維由来の物性が付与された成形体を容易に製造することができる。
なお、繊維を含む複合体としては、抄造体以外(例えば、繊維フィラーを含む組成物の射出成形体、押出成形体等)のものが用いられてもよいが、特に長い繊維を均一に分散させた複合体が実現可能であるという観点からも、抄造体が好ましく用いられる。
図8〜図11は、それぞれ図6に示す筐体を製造する方法の一例(抄造法)を説明するための図である。
筐体1の製造方法は、第2樹脂52と第2繊維62とを含む第2分散液72を調製する工程と、第2分散液72から第2素形体82を抄造する工程と、第3樹脂53と第3繊維63とを含む第3分散液73を調製する工程と、第2素形体82に接触するようにして第3分散液73から第3素形体83を抄造する工程と、第1樹脂51と第1繊維61とを含む第1分散液71を調製する工程と、第3素形体83に接触するようにして第1分散液71から第1素形体81を抄造する工程と、第1素形体81、第2素形体82および第3素形体83を接合してなる接合素形体84を加熱しつつ加圧成形することにより、筐体1を得る工程と、を有する。以下、各工程について順次説明する。
[1]まず、図8に示すように、第2樹脂52と第2繊維62とこれらを分散させる分散媒92とを含む第2分散液72を調製する。調製した第2分散液72は、十分に撹拌、混合される。なお、第2分散液72には、必要に応じて、前述した凝集剤やパルプ、その他の添加剤等が添加されていてもよい。
本工程における第2樹脂52の形状は、特に限定されず、例えば、略球形粒子状、薄膜粒子状等の粒子状(粉状)または繊維状とされる。これにより、後述する抄造において、第2繊維62とともに第2樹脂52を抄きとることができる。その結果、第2樹脂52と第2繊維62とを絡み合わせることができ、強固な導電部12を製造可能な第2素形体82が得られる。
なお、第2樹脂52が熱硬化性樹脂を含む場合、その熱硬化性樹脂は半硬化状態であることが好ましい。半硬化の熱硬化性樹脂は、第2素形体82を製造後、加熱、加圧によって所望の形状に成形されて硬化に至る。これにより、熱硬化性樹脂の特性を生かした導電部12が得られることとなる。
また、分散媒92としては、第2樹脂52や第2繊維62を溶解させ難く、かつ、第2樹脂52や第2繊維62を分散させる過程において揮発し難いものが好ましく用いられる。また、脱溶媒させ易いものが好ましく用いられる。かかる観点から、分散媒92の沸点は50〜200℃程度であるのが好ましい。
分散媒92としては、例えば、水、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、エチレングリコールのようなアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、2−ヘプタノン、シクロヘキサノンのようなケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸メチルのようなエステル類、テトラヒドロフラン、イソプロピルエーテル、ジオキサン、フルフラールのようなエーテル類等が挙げられ、これらのうちの少なくとも1種が用いられる。
これらの中でも、水が好ましく用いられる。水は、入手が容易であり、環境負荷が低く安全性も高いことから、分散媒92として有用である。
また、第2分散液72における分散媒92の含有量は、特に限定されないが、固形分総量に対して10質量倍以上1000質量倍以下程度であるのが好ましい。
また、導電部12に空孔を形成する場合には、第2分散液72に熱膨張性を有するマイクロカプセルを添加するようにしてもよい。このマイクロカプセルは、加熱されたときに膨張し、空孔となる。
この熱膨張性を有するマイクロカプセルとは、揮発性の液体発泡剤を、ガスバリア性を有する熱可塑性シェルポリマーによりマイクロカプセル化した粒子である。このようなマイクロカプセルは、次のようなメカニズムにより、発泡剤として機能するものである。マイクロカプセルが加熱されると、カプセルの外殻が軟化しつつ、カプセルに内包した液体発泡剤が気化し圧力が増加する。その結果、カプセルが膨張し、中空球状粒子が形成される。この中空球状粒子は、加圧成形後においても残存するため、結果的に空孔の形成に寄与する。
液体発泡剤としては、例えば、イソペンタン、イソブタン、イソプロパン等といった低沸点の炭化水素が挙げられる。
熱可塑性シェルポリマーとしては、例えば、ポリアクリロニトリル、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン−メチルメタクリレート共重合体、塩化ビニリデン−エチルメタクリレート、アクリロニトリル−メチルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル−エチルメタクリレート等が挙げられ、これらを単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いるようにしてもよい。
マイクロカプセルとしては、例えば、エクスパンセル(日本フェライト社製)、マイクロスフェアーF50、マイクロスフェアーF60(以上、松本油脂製薬社製)、アドバンセルEM(積水化学工業社製)といった市販品を用いることができる。
マイクロカプセルの添加量は、樹脂2の0.05〜10質量%程度とするのが好ましく、0.1〜5質量%程度とするのがより好ましい。
[2]続いて、図9(a)に示すように、調製した第2分散液72から第2素形体82を抄造する。これにより、導電部12を製造するための第2素形体82を得る(図9(b)参照)。
具体的には、まず、図9(a)に示すように、底面にフィルター712が設けられた容器70を用意する。
次に、容器70内に第2分散液72を供給する。そして、第2分散液72中の分散媒92を、フィルター712を介して容器70の底面から外部へ排出する。これにより、第2分散液72中の分散質である第2樹脂52と第2繊維62とがフィルター712上に残存する(抄造)。この残存物を乾燥させることにより、第2素形体82を得る。
このとき、フィルター712の形状を適宜選択することにより、所望の形状を有する第2素形体82を製造することができる。ここでは、導電部12の形状に対応した細長い凹部712aを備えた形状に成形されたフィルター712を用いる(図9(a)参照)。また、必要に応じて、フィルター712のうち、凹部712a以外の部位にマスク(図示せず)を配置するようにしてもよい。これにより、この部位のフィルター712が塞がれるため、必要としない部位での抄造を防止することができる。これにより、第2素形体82の形状をより正確に規定することができる。
このようにして得られた第2素形体82は、分散媒92を含んでいても、含んでいなくてもよい。
また、第2素形体82の形成後、必要に応じて、プレス型同士の間に第2素形体82を配置し、プレス型間に設けられたキャビティーによって第2素形体82を圧縮する。これにより、第2素形体82に残存していた分散媒92を十分に排出し、第2素形体82を乾燥させることができる。
なお、必要に応じて、さらに乾燥機等で乾燥させるようにしてもよい。
第2素形体82における第2繊維62の含有量は、特に限定されないが、第2樹脂52の20〜300体積%程度であるのが好ましく、30〜150体積%程度であるのがより好ましく、40〜90体積%程度であるのがさらに好ましい。第2繊維62の含有量を前記範囲内に設定することにより、第2樹脂52と第2繊維62との量的なバランスが最適化されるため、第2素形体82の保形性を高めつつ、機械的特性および導電性が高い導電部12が得られる。
[3]次に、図10(a)に示すように、第3樹脂53と第3繊維63とこれらを分散させる分散媒93とを含む第3分散液73を調製する。調製した第3分散液73は、十分に撹拌、混合される。なお、第3分散液73には、必要に応じて、前述した凝集剤やパルプ、その他の添加剤等が添加されていてもよい。
また、第3分散液73の各種特性等は、第2分散液72と同様に設定可能である。
[4]続いて、図10(a)に示すように、調製した第3分散液73から第3素形体83を抄造する。これにより、絶縁部11aを製造するための第3素形体83を得る(図10(b)参照)。
具体的には、まず、図10(a)に示すように、底面にフィルター713が設けられた容器70を用意する。
次に、フィルター713に第2素形体82を配置する。そして、第2素形体82と接触するように、容器70内に第3分散液73を供給する。そして、第3分散液73中の分散媒93を、フィルター713を介して容器70の底面から外部へ排出する。これにより、第3分散液73中の分散質である第3樹脂53と第3繊維63とがフィルター713上に残存する(抄造)。この残存物を乾燥させることにより、第2素形体82に接合する第3素形体83を得る。
このとき、フィルター713の形状を適宜選択することにより、所望の形状を有する第3素形体83を製造することができる。ここでは、導電部12と絶縁部11aとを合わせた形状に対応した細長い凹部713aを備えた形状に成形されたフィルター713を用いる(図10(a)参照)。また、必要に応じて、フィルター713のうち、凹部713a以外の部位にマスク(図示せず)を配置するようにしてもよい。これにより、この部位のフィルター713が塞がれるため、必要としない部位での抄造を防止することができる。これにより、第3素形体83の形状をより正確に規定することができる。
このようにして得られた第3素形体83は、分散媒93を含んでいても、含んでいなくてもよい。
以後、第2素形体82の場合と同様にして乾燥させる。
[5]次に、図11(a)に示すように、第1樹脂51と第1繊維61とこれらを分散させる分散媒91とを含む第1分散液71を調製する。調製した第1分散液71は、十分に撹拌、混合される。なお、第1分散液71には、必要に応じて、前述した凝集剤やパルプ、その他の添加剤等が添加されていてもよい。
また、第1分散液71の各種特性等は、第2分散液72と同様に設定可能である。
[6]続いて、図11(a)に示すように、調製した第1分散液71から第1素形体81を抄造する。これにより、熱伝導部11bを製造するための第1素形体81を得る(図11(b)参照)。
具体的には、まず、図11(a)に示すように、底面にフィルター711が設けられた容器70を用意する。
次に、フィルター711に第2素形体82と第3素形体83との接合体を配置する。そして、この接合体と接触するように、容器70内に第1分散液71を供給する。そして、第1分散液71中の分散媒91を、フィルター711を介して容器70の底面から外部へ排出する。これにより、第1分散液71中の分散質である第1樹脂51と第1繊維61とがフィルター711上に残存する(抄造)。この残存物を乾燥させることにより、第2素形体82、第3素形体83および第1素形体81を接合してなる接合素形体84を得る。
このとき、フィルター711の形状を適宜選択することにより、所望の形状を有する第1素形体81を製造することができる。ここでは、平坦なフィルター711を用いる(図11(a)参照)。
このようにして得られた第1素形体81は、分散媒91を含んでいても、含んでいなくてもよい。
以後、第2素形体82の場合と同様にして乾燥させる。
[7]次に、接合素形体84を加熱しつつ加圧成形する。これにより、接合素形体84中の第1樹脂51、第2樹脂52および第3樹脂53のうちの少なくとも一部を溶融させ、その後固化(硬化)させることによって筐体1(構造体)が得られる。
具体的には、成形型同士の間に接合素形体84を配置し、成形型間に設けられたキャビティーによって接合素形体84を加圧成形する。このとき、接合素形体84は同時に加熱されるため、第1樹脂51、第2樹脂52および第3樹脂53の少なくとも一部が溶融し、第1繊維61、第2繊維62および第3繊維63の間に流れ込み、これらを結着するバインダーとして機能する。その後、第1樹脂51、第2樹脂52および第3樹脂53が硬化することによって、筐体1が得られる。
このような加圧成形を行うことにより、複雑な形状であっても精度よく再現された筐体1となる。このため、前述したフィン形状をはじめとする様々な複雑な形状であっても精度よく再現され、その形状に基づく様々な恩恵(例えば放熱性等)を確実に提供し得る筐体1が得られる。
加圧成形における加熱温度は、第1樹脂51、第2樹脂52および第3樹脂53の組成等に応じて適宜設定されるが、一例として150〜350℃程度であるのが好ましく、160〜300℃程度であるのがより好ましい。
また、このときの加熱時間は、加熱温度に応じて適宜設定されるが、1〜180分程度であるのが好ましく、5〜60分程度であるのがより好ましい。
また、このときの加圧力は、加熱温度や加熱時間に応じて適宜設定されるが、0.05〜80MPa程度であるのが好ましく、0.1〜60MPa程度であるのがより好ましい。
なお、本工程における条件を適宜変更することにより、筐体1の空孔率を調整することが可能である。例えば、加熱温度を低くしたり、加熱時間を短くしたり、加圧力を小さくしたりしたときには、比較的空孔率の大きい筐体1を得ることができる。一方、加熱温度を高くしたり、加熱時間を長くしたり、加圧力を大きくしたりしたときには、比較的空孔率の小さい筐体1を得ることができる。
また、上記の製造方法では、第2素形体82をフィルター713に配置した状態で第3分散液73を抄造し第2素形体82と第3素形体83とが接合した素形体を得ているが、かかる方法に限定されず、例えば、第1素形体81、第2素形体82および第3素形体83をそれぞれ単独で抄造した後、それぞれを目的とする形状に切断し、その後、一括して加圧成形するようにしてもよい。
以上、本発明の構造体、放熱部材および発光装置を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、本発明の構造体、放熱部材および発光装置は、前記実施形態に任意の要素が付加されたものであってもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.構造体の製造
(実施例1)
[1]まず、以下の原料を水に加え、ディスパーザーで20分間撹拌した。これにより、固形分濃度0.6質量%の第1分散液を得た。なお、各原料の詳細、配合比は表1に示す通りである。
・レゾール型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製、品番PR−51723)
・アラミド繊維(帝人株式会社製、品番T32PNW、平均長さ3mm、平均径12μm)
・炭素繊維(ピッチ系炭素繊維、平均長さ6mm、平均径11μm)
・アラミドパルプ(デュポン社製、品番パラアラミドパルプ)
[2]次に、得られた第1分散液に、あらかじめ水に溶解させた凝集剤(ポリエチレンオキシド、分子量1000000)を、上述した固形分に対して0.2質量%の割合で添加し、固形分を凝集させた。
[3]次に、第1分散液を30メッシュの金属網(スクリーン)でろ過し、凝集物を圧力3MPaで脱水プレスして水を除去した。
次に、脱水した凝集物を、70℃で3時間乾燥させて、素形体を得た。そして、得られた素形体を目的とする形状に切断し、第1素形体を得た。
[4]次に、以下の原料を水に加え、ディスパーザーで20分間撹拌した。これにより、固形分濃度0.6質量%の第2分散液を得た。なお、各原料の詳細、配合比は表1に示す通りである。
・レゾール型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製、品番PR−51723)
・アラミド繊維(帝人株式会社製、品番T32PNW、平均長さ3mm、平均径12μm)
・ステンレス鋼繊維(平均長さ5mm、平均径10μm)
・アラミドパルプ(デュポン社製、品番パラアラミドパルプ)
[5]次に、得られた第2分散液に、あらかじめ水に溶解させた凝集剤(ポリエチレンオキシド、分子量1000000)を、上述した固形分に対して0.2質量%の割合で添加し、固形分を凝集させた。
[6]次に、第2分散液を30メッシュの金属網(スクリーン)でろ過し、凝集物を圧力3MPaで脱水プレスして水を除去した。
次に、脱水した凝集物を、70℃で3時間乾燥させて、素形体を得た。そして、得られた素形体を目的とする形状に切断し、第2素形体を得た。
[7]次に、以下の原料を水に加え、ディスパーザーで20分間撹拌した。これにより、固形分濃度0.6質量%の第3分散液を得た。なお、各原料の詳細、配合比は表1に示す通りである。
・レゾール型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製、品番PR−51723)
・アラミド繊維(帝人株式会社製、品番T32PNW、平均長さ3mm、平均径12μm)
・アラミドパルプ(デュポン社製、品番パラアラミドパルプ)
[8]次に、得られた第3分散液に、あらかじめ水に溶解させた凝集剤(ポリエチレンオキシド、分子量1000000)を、上述した固形分に対して0.2質量%の割合で添加し、固形分を凝集させた。
[9]次に、第3分散液を30メッシュの金属網(スクリーン)でろ過し、凝集物を圧力3MPaで脱水プレスして水を除去した。
次に、脱水した凝集物を、70℃で3時間乾燥させて、素形体を得た。そして、得られた素形体を目的とする形状に切断し、第3素形体を得た。
[10]次に、成形型のキャビティー内に、第1素形体、第2素形体および第3素形体を配置した。
次に、成形型を加熱しつつ、第1素形体、第2素形体および第3素形体を一括して図5に示す形状に加圧成形した。このときの加熱温度を180℃、加圧力を2MPa、加圧時間を10分間とした。
以上により、構造体を得た。
(実施例2〜9)
製造条件を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして構造体を得た。
(参考例1、2)
製造条件を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして構造体を得た。
2.構造体の評価
2.1 導電部の導電性の評価
まず、各実施例および各参考例の構造体の導電部を切り出し、導電部単独の試験片を用意した。なお、試験片の寸法は、縦100mm、幅5mm、厚さ1mmであった。
次に、試験片に導電ペーストを塗布して、測定用の電極を形成した。
そして、得られた電極付きの試験片について、4端子法によりその電気抵抗値を測定して体積抵抗率を算出した。なお、測定環境は、気温22℃、相対湿度60%であった。
算出結果を表1に示す。
2.2 熱伝導部の熱伝導性の評価
まず、各実施例および各参考例の構造体の熱伝導部を切り出し、熱伝導部単独の試験片を用意した。なお、試験片の寸法は、縦100mm、幅5mm、厚さ1mmであった。
次に、試験片の長手方向の一端をホットプレートに当てた状態にした。その状態で、他端の温度の変化を測定した。
そして、測定結果を以下の評価基準に照らして評価した。
<熱伝導性の評価基準>
◎:温度変化の速度が特に速い
○:温度変化の速度が速い
△:温度変化の速度が遅い
×:温度変化の速度が特に遅い
評価結果を表1に示す。
2.3 曲げ強度の評価
まず、各実施例および各参考例と同様の方法により、第1素形体、第2素形体および第3素形体を得た。
次に、第2素形体、第1素形体および第3素形体の順でこれらを積層し、積層体を得た。
次に、得られた積層体を成形型にセットし、加熱加圧成形した。これにより、導電部、絶縁部および熱伝導部がこの順で積層されてなる試験片を得た。なお、試験片の寸法は、縦50mm、幅25mm、厚さ2mmであった。
次に、得られた試験片について、ISO178:2001に準拠した方法により、曲げ強度を25℃において測定した。また、曲げ試験の支点間距離は32mmとした。
次いで、測定した曲げ強度を、以下の評価基準に照らして評価した。
<曲げ強度の評価基準>
◎◎:曲げ強度が225MPa以上である
◎:曲げ強度が200MPa以上225MPa未満である
○:曲げ強度が100MPa以上200MPa未満である
△:曲げ強度が50MPa以上100MPa未満である
×:曲げ強度が50MPa未満である
評価結果を表1に示す。
Figure 2019071317
表1から明らかなように、導電部に含まれる金属繊維の含有率を高めることによって、導電部の抵抗率を低下させ得ることが認められる。なお、金属繊維の含有率を高めても、構造体の機械的強度は良好であった。
一方、第2繊維に代えて金属粉末を添加した各参考例では、導電部の抵抗率が相対的に大きく、機械的特性は相対的に小さかった。
以上のことから、本発明によれば、導電部を含む一体構造であって機械的強度が良好な構造体が得られることが明らかとなった。
1 筐体
2 LED素子
4 電池
10 発光装置
11 基部
11a 絶縁部
11b 熱伝導部
12 導電部
14 第1フィン
15 第2フィン
31 制御素子
32 制御素子
40 凹部
41 電極
51 第1樹脂
52 第2樹脂
53 第3樹脂
61 第1繊維
62 第2繊維
63 第3繊維
70 容器
71 第1分散液
72 第2分散液
73 第3分散液
81 第1素形体
82 第2素形体
83 第3素形体
84 接合素形体
91 分散媒
92 分散媒
93 分散媒
111 上面
112 下面
711 フィルター
712 フィルター
712a 凹部
713 フィルター
713a 凹部

Claims (10)

  1. 第1樹脂と第1繊維とを含む成形体である基部と、
    前記基部の内部または表面に設けられ、第2樹脂と第2繊維とを含み、導電性を有する導電部と、
    を有することを特徴とする構造体。
  2. 前記基部は、
    前記導電部側に設けられ、絶縁性を有する絶縁部と、
    前記絶縁部の前記導電部側とは反対側に設けられ、前記第1樹脂と前記第1繊維とを含み、前記絶縁部よりも熱伝導性が大きい熱伝導部と、
    を備える請求項1に記載の構造体。
  3. 前記絶縁部は、第3樹脂と第3繊維とを含む成形体であり、
    前記絶縁部は、前記熱伝導部よりも絶縁性が大きい請求項2に記載の構造体。
  4. 前記絶縁部は、前記導電部を覆うように設けられている請求項2または3に記載の構造体。
  5. 前記第1繊維は、金属繊維または炭素繊維を含む請求項1ないし4のいずれか1項に記載の構造体。
  6. 前記第2繊維は、金属繊維または炭素繊維を含む請求項1ないし5のいずれか1項に記載の構造体。
  7. 前記基部は、抄造体を含む請求項1ないし6のいずれか1項に記載の構造体。
  8. 前記導電部は、前記基部を貫通している請求項1ないし7のいずれか1項に記載の構造体。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の構造体を備えることを特徴とする放熱部材。
  10. 発光素子と、
    請求項9に記載の放熱部材と、
    を備えることを特徴とする発光装置。
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