JP2019071293A - リチウムイオン二次電池用導電材料、リチウムイオン二次電池負極形成用組成物、リチウムイオン二次電池正極形成用組成物、リチウムイオン二次電池用負極、リチウムイオン二次電池用正極及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents
リチウムイオン二次電池用導電材料、リチウムイオン二次電池負極形成用組成物、リチウムイオン二次電池正極形成用組成物、リチウムイオン二次電池用負極、リチウムイオン二次電池用正極及びリチウムイオン二次電池 Download PDFInfo
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Abstract
Description
このため、不純物の捕捉剤又は吸着剤(以下、単に吸着剤という)の検討、及び正極の安定化の検討がなされている(例えば、特許文献2参照)。
<1> マグネシウムアルミニウム酸化物と、
前記マグネシウムアルミニウム酸化物の表面に配置される炭素と、
を有するマグネシウムアルミニウム酸化物複合体を含むリチウムイオン二次電池用導電材料。
前記集電体上に設けられ、前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用導電材料及び負極活物質を含有する負極層と、
を有するリチウムイオン二次電池用負極。
前記集電体上に設けられ、前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用導電材料及び正極活物質を含有する正極層と、
を有するリチウムイオン二次電池用正極。
従って、本発明のリチウムイオン二次電池用導電材料は、マグネシウムアルミニウム酸化物複合体によるイオン交換能と、炭素による導電性とにより、リチウムイオン二次電池の電気特性と寿命特性とを共に向上させる。
[マグネシウムアルミニウム酸化物]
本発明におけるマグネシウムアルミニウム酸化物は、マグネシウムとアルミニウムとの酸化物である。アルミニウムとケイ素との酸化物とすることにより、上述したイオン交換能を発揮し得る。本発明におけるマグネシウムアルミニウム酸化物は、マグネシウムとアルミニウムとを含む酸化物塩であれば、特に制限はなく、他の金属元素を含むものであってもよい。本発明におけるマグネシウムアルミニウム酸化物としては、例えば、ハイドロタルサイトが挙げられる。
マグネシウムアルミニウム酸化物の体積基準の平均粒子径は、最終的な所望のマグネシウムアルミニウム酸化物複合体の大きさに合わせて、0.1μm〜100μmであることが好ましく、0.5μm〜50μmであることがより好ましく、1μm〜30μmであることが更に好ましい。マグネシウムアルミニウム酸化物の体積平均粒子径は、後述のレーザー回折法を用いて測定される。
本発明におけるハイドロタルサイトとは、層状の結晶構造体をとるマグネシウムアルミニウム酸化物であって、例えば、Mg6Al12(CO3)(OH)16・4H2O等で表される組成を有するものが挙げられる。
本発明に係るマグネシウムアルミニウム酸化物複合体では、マグネシウムアルミニウム酸化物の表面に、炭素が配置される。配置される炭素は、マグネシウムアルミニウム酸化物複合体の表面の少なくとも一部又は全部に配置される。
図1では、炭素10がマグネシウムアルミニウム酸化物20の表面全体を被覆している。図2では、炭素10がマグネシウムアルミニウム酸化物20の表面全体を被覆しているが、炭素10の厚みにばらつきがある。また、図3では、炭素10がマグネシウムアルミニウム酸化物20の表面に部分的に存在し、マグネシウムアルミニウム酸化物20の表面には、炭素10で覆われていない部分がある。図4では、マグネシウムアルミニウム酸化物20の表面に、マグネシウムアルミニウム酸化物20よりも小さい粒径を有する炭素10の粒子が存在している。図5は、図4の変形例であり、炭素10の粒子形状が鱗片状となっている。なお、図1〜図5では、マグネシウムアルミニウム酸化物20の形状は、模式的に球状(断面形状としては円)で表されているが、球状、ブロック状、鱗片状、断面形状が多角形の形状(角のある形状)等のいずれであってもよい。
なお、マグネシウムアルミニウム酸化物が複数の管状物により構成される場合、微視的には管状物の外壁の少なくとも一部又は全部に炭素が配置されていればよく、内壁の少なくとも一部又は全部に炭素が配置されていてもよい。
また、微細なマグネシウムアルミニウム酸化物が集合、結合又は凝集して粒子を形成している場合、粒子表面の少なくとも一部又は全部に炭素が配置されていればよく、集合、結合又凝集によって粒子内部に細孔を有する場合、細孔内の一部又は全部に炭素が配置されていてもよい。
マグネシウムアルミニウム酸化物複合体における炭素含有比率は、0.1質量%〜50質量%であることが好ましい。炭素含有比率が0.1質量%以上であれば、マグネシウムアルミニウム酸化物複合体の導電性がより向上する傾向があり、50質量%以下であれば、マグネシウムアルミニウム酸化物複合体の金属イオン吸着能をより活用できる傾向がある。マグネシウムアルミニウム酸化物複合体における炭素含有比率は、0.5質量%〜40質量%であることがより好ましく、1質量%〜30質量%であることが更に好ましい。
マグネシウムアルミニウム酸化物複合体における炭素含有比率は、示差熱−熱重量分析装置(TG−DTA)を用いて、20℃/分の昇温速度で、800℃20分保持での質量減少率にて測定される。
なお、R値は、ラマンスペクトル測定装置(例えば、日本分光株式会社、NSR−1000型、励起波長532nm)を用い、測定範囲(830cm−1〜1940cm−1)全体をベースラインとして、ラマンスペクトル解析から求めることができる。
粉体抵抗率は、粉体抵抗測定システム(例えば、株式会社三菱化学アナリテック、ロレスターGP)を用いて、3842N/cm2(382Kgf/cm2)の圧力にて測定した体積抵抗率の値とする。
具体的には、マグネシウムアルミニウム酸化物複合体を、水等の分散媒に分散させて分散液を調製する。この分散液について、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて小径側から体積累積分布曲線を描いた場合に、累積50%となる粒子径(D50)を体積平均粒子径として求める。
なお、本明細書中の「体積平均粒子径」については、いずれも上記方法に従って測定した値を用いる。
マグネシウムアルミニウム酸化物複合体の製造方法は、マグネシウムアルミニウム酸化物を得る工程と、得られたマグネシウムアルミニウム酸化物の表面に炭素を付与する炭素付与工程とを含み、必要に応じて他の工程を含む。
マグネシウムアルミニウム酸化物を得る工程は、炭素を付与する対象となるマグネシウムアルミニウム酸化物を得ることができればよく、マグネシウムアルミニウム酸化物を準備することを含む工程であってもよく、マグネシウム源とアルミニウム源とからマグネシウムアルミニウム酸化物の製造することを含む工程であってもよい。マグネシウムアルミニウム酸化物を製造する方法については、各種マグネシウムアルミニウム酸化物に関して既述した方法を適用し得る。マグネシウムアルミニウム酸化物を準備することとしては、市販品等を入手してそのまま用いることが挙げられる。
炭素付与工程では、マグネシウムアルミニウム酸化物の表面に炭素を付与する。これにより、マグネシウムアルミニウム酸化物の表面に炭素が配置される。マグネシウムアルミニウム酸化物の表面に炭素を付与する方法としては、特に制限はなく、湿式混合法、乾式混合法、化学蒸着法等の方法が挙げられる。マグネシウムアルミニウム酸化物の表面に付与される炭素の厚みを揃えやすく、かつ反応系の制御が容易で、大気圧下での処理が可能であるという点から、湿式混合法(「湿式法」ということがある)又は乾式混合法(「気相法」ということがある)が好ましい。
炭素源の溶液又は分散液における炭素源の含有率は、分散のし易さの観点から0.01質量%〜30質量%であることが好ましく、0.05質量%〜20質量%であることがより好ましく、0.1質量%〜10質量%であることが更に好ましい。マグネシウムアルミニウム酸化物と炭素源との混合比(マグネシウムアルミニウム酸化物:炭素源)としては、金属イオン吸着能と導電性との両立の観点から、質量比で100:1〜100:500であることが好ましく、100:5〜100:300であることがより好ましい。
マグネシウムアルミニウム酸化物と炭素源とを固体同士で混合する際のマグネシウムアルミニウム酸化物と炭素源との混合比(マグネシウムアルミニウム酸化物:炭素源)としては、金属イオン吸着能と導電性の両立の観点から、質量比で100:1〜100:500であることが好ましく、100:5〜100:300であることがより好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池用導電材料は、マグネシウムアルミニウム酸化物複合体の他に、任意の成分を含むことができる。リチウムイオン二次電池用導電材料に含有可能な他の成分としては、リチウムイオン二次電池用導電材料に一般的に含有可能な成分であれば特に制限されない。リチウムイオン二次電池用導電材料に含有可能な他の成分としては、カーボンブラック、グラファイト、アセチレンブラック、導電性を示す酸化物、導電性を示す窒化物等を挙げることができる。本発明のリチウムイオン二次電池用導電材料は、スラリーとしたときの使い勝手の良さの観点から、なかでも、アセチレンブラックを含むことが好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池負極形成用組成物は、上述のリチウムイオン二次電池用導電材料と、負極活物質と、結着剤と、を含有する。本発明のリチウムイオン二次電池負極形成用組成物は、更に、溶媒、増粘剤、導電助剤等を含有してもよい。
本発明のリチウムイオン二次電池正極形成用組成物は、上述のリチウムイオン二次電池用導電材料と、正極活物質と、結着剤と、を含有する。本発明のリチウムイオン二次電池正極形成用組成物は、更に、溶媒、増粘剤、導電助剤等を含有してもよい。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極(以下「負極」と略称する場合がある)は、集電体と、前記集電体上に設けられ上述のリチウムイオン二次電池用導電材料及び負極活物質を含有する負極層と、を有する。
例えば、本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、前述のリチウムイオン二次電池負極形成用組成物を調製し、このリチウムイオン二次電池負極形成用組成物を集電体に付与した後、任意で含まれる溶媒を除去し、加圧成形して負極層を形成することにより得られる。一般に、リチウムイオン二次電池負極形成用組成物は、混練後、シート状、ペレット状等の形状に成形される。
尚、リチウムイオン二次電池負極形成用組成物を用いて本発明のリチウムイオン二次電池用負極が製造された場合、負極層には結着剤が含有される。
本発明のリチウムイオン二次電池用正極(以下「正極」と略称する場合がある)は、集電体と、前記集電体上に設けられ上述のリチウムイオン二次電池用導電材料及び正極活物質を含有する正極層と、を有する。
リチウムイオン二次電池用正極における集電体としては、リチウムイオン二次電池用負極で説明した集電体を挙げることができる。リチウムイオン二次電池用正極は、前述のリチウムイオン二次電池用負極の製造方法において、リチウムイオン二次電池負極形成用組成物をリチウムイオン二次電池正極形成用組成物に置き換えることにより、同様の方法で製造することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、上述のリチウムイオン二次電池用負極及び上述のリチウムイオン二次電池用正極のうち少なくとも一方を備える。上述のリチウムイオン二次電池用負極以外の負極を用いる場合には、リチウムイオン二次電池に用いられる通常の負極を適用することができる。また、上述のリチウムイオン二次電池用正極以外の正極を用いる場合には、リチウムイオン二次電池に用いられる通常の正極を適用することができる。
負極と正極とは、例えば、セパレータを介して対向して配置し、電解質を含む電解液を注入することにより、リチウムイオン二次電池とすることができる。
マグネシウムアルミニウム酸化物複合体としてのハイドロタルサイト複合体を、以下のようにして作製した。
ハイドロタルサイトとしては、製品名:キョウワード500(協和化学工業株式会社)を用いた。このマイカの各種物性は以下のとおりであった。なおBET比表面積及び体積平均粒子径は下記の条件で測定した。
BET比表面積:100m2/g
体積平均粒子径:3.0μm
BET比表面積は、窒素吸着能に基づいて測定した。評価装置には、 窒素吸着測定装置(AUTOSORB−1、QUANTACHROME)を用いた。測定を行う際には、後述する試料の前処理を行った後、評価温度を77Kとし、評価圧力範囲を相対圧(飽和蒸気圧に対する平衡圧力)にて1未満としている。
加熱し、3時間以上保持した後、減圧した状態を保ったまま常温(25℃)まで自然冷却
するという設定とした。以下、実施例において、BET比表面積の測定は同様にして行った。
体積平均粒子径は、以下のようにして測定した。
測定試料(5mg)を界面活性剤(エソミンT/15、ライオン株式会社)0.01質
量%水溶液中に入れ、振動攪拌機で分散した。得られた分散液をレーザー回折式粒度分布
測定装置(SALD3000J、株式会社島津製作所)の試料水槽に入れ、超音波をか
けながらポンプで循環させ、レーザー回折式で測定した。測定条件は下記の通りとした。
得られた粒度分布の体積累積50%粒径(D50%)を体積平均粒子径とした。以下、実施例において、体積平均粒子径の測定は同様にして行った。
・光源:赤色半導体レーザー(690nm)
・吸光度:0.10〜0.15
・屈折率:2.00−0.20i
マイカとポリビニルアルコール粉末(和光純薬工業株式会社)とを100:70の質量比で混合し、窒素雰囲気下、850℃で1時間焼成した。これをマイカ複合体とした。
得られたマイカ複合体の炭素含有比率を、示差熱−熱重量分析装置(TG−DTA)を用いて、20℃/分の昇温速度で、800℃20分保持での質量減少率にて測定したところ、10質量%であった。
また、得られたマイカ複合体のR値を、下記の条件で測定したところ、1.0であった。ラマン分光測定法によるマッピングを行い、ハイドロタルサイト複合体の表面の被覆状態を確認したところ、炭素により被覆されていない部分が非常に少なく、表面全体のほとんどが炭素により被覆されている状態の炭素被覆が確認できた。
得られたハイドロタルサイト複合体の各種物性は以下のとおりであった。
BET比表面積:20m2/g
体積平均粒子径:3.5μm
R値の測定には、ラマンスペクトル測定装置(NSR−1000型、日本分光株式会社)を用い、得られたスペクトルは下記範囲をベースラインとした。測定条件は、下記の通りとした。
・レーザー波長:532nm
・照射強度:1.5mW(レーザーパワーモニターでの測定値)
・照射時間:60秒
・照射面積:4μm2
・測定範囲:830cm−1〜1940cm−1
・ベースライン:1050cm−1〜1750cm−1
補正後に得られたプロファイルの中で、1360cm−1付近に現れるピークの強度をId、1580cm−1付近に現れるピークの強度をIgとし、その両ピークの強度比Id/Ig(D/G)をR値として求めた。
実施例1で作製したハイドロタルサイト複合体に対して以下の評価を行った。なお、比較対照として、炭素付与前のハイドロタルサイト及びアセチレンブラック(HS−100、電気化学工業株式会社)を用いた。
体積抵抗率及び導電率は、各試料3gを秤取り、粉体抵抗測定システム(ロレスターGP、三菱化学アナリテック株式会社)を用いて、3842N/cm2(382kgf/cm2)の圧力を加えた状態にて測定した。
それぞれの結果を表1に示す。
実施例1で作製したハイドロタルサイト複合体、炭素付与前のハイドロタルサイト複合体及びアセチレンブラックについて、以下のように、電解液中での金属(Mn)イオン吸着能を評価した。
1MのLiPF6と、エチレンカーボネート(EC):ジメチルカーボネート(DMC):ジエチルカーボネート(DEC)を体積比1:1:1の比率で含む電解液を調製し、これにMn(BF4)2を溶解して、500ppmのMn溶液を調製した。このMn溶液に各試料を0.05g添加して30分間攪拌した後、室温にて一晩静置させた。その後、上澄み液を0.45μmのフィルタを用いて濾過し、ICP発光分析装置(ICP−AES)を用いてMnイオンの吸着量を測定した。結果を表1に示す。
これらのことから、ハイドロタルサイト複合体は、導電材料として用いることにより、導電材料として用いることにより、リチウムイオン二次電池の電気特性及び寿命特性を向上させ得ることがわかった。
90質量部の、ハイドロタルサイト複合体又はアセチレンブラックに対して、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)10質量部を添加して、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を用いて混練して、スラリーを得た。得られたスラリーを用いて銅箔上に塗布し、105℃で30分乾燥後、プレスを行い、電極を得た。得られた電極を負極とし、対極である金属リチウムとを20μmのポリプロピレン製セパレータを介して対向させ、電解液を注入することによりコインセル(ハーフセル)を作製した。電解液はエチルカーボネートとメチルエチルカーボネートを体積比3対7の混合溶媒に、LiPF6を1mol/L、ビニレンカーボネートを0.5質量%の濃度になるように溶解させたものを使用した。
これより、ハイドロタルサイト複合体は、280mAh/gの初回放電容量を示し、アセチレンブラックの205mAh/gと比較して同等以上の性能を有することが分かった。
(負極への添加)
5質量部の、ハイドロタルサイトタルク複合体に対して、アセチレンブラックを1質量部、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を3質量部、及び黒鉛を91質量部添加して、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を用いて混練して、スラリーを得た。得られたスラリーを用いて銅箔上に塗布し、105℃で30分乾燥後、プレスを行い、ハイドロタルサイト複合体を含む負極を得た。ここで、ハイドロタルサイト複合体を含む負極を負極A、と称する。
また、比較として、アセチレンブラックを1質量部、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を3質量部、及び黒鉛を96質量部添加して、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を用いて混練して、得たスラリーを用いて同様の手法で負極を得た。この負極を、負極Xと称する。
それぞれ3質量部の、ハイドロタルサイト複合体に対して、アセチレンブラックを5質量部、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を6質量部、及びスピネルマンガンを86質量部を添加して、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を用いて混練して、スラリーを得た。得られたスラリーを用いてアルミ箔上に塗布し、105℃で30分乾燥後、プレスを行い、ハイドロタルサイト複合体を含む正極を得た。ここで、ハイドロタルサイト複合体を含む正極を正極Bと称する。
比較として、前記正極Xを用いた。
なお、負極としては、前記負極Xを用いた。
前記の負極Xと正極B及びXとをそれぞれ130℃にて6時間真空乾燥後、20μmのポリプロピレン製セパレータを介して対向させ、電解液を注入することによりコインセルを作製した。電解液はエチルカーボネートとメチルエチルカーボネートを体積比3対7の混合溶媒に、LiPF6を1mol/L、ビニレンカーボネートを0.5質量%の濃度になるように溶解させたものを使用した。ここで、正極B及びXを用いて作製したコインセルをそれぞれセルD、セルXと称する。
それぞれのセル対して、25℃の恒温槽内に入れた後、電圧が4.2V、電流が0.46mAの定電流定電圧充電にて0.0046Vまで充電し、その後、0.46mAの電流で2.7Vとなるまで放電した。次に、各セルに対して、電圧が4.2V、電流が0.46mAの定電流定電圧充電にて0.0046Vまで充電し、充電容量を得た。充電後の各セルを60℃の恒温槽内に入れ、7日間静置した。静置後のそれぞれのセルに対して、0.46mAの電流で2.7Vとなるまで放電させて、放電容量を得た。
(7日間放置後の初回放電容量)/(7日間放置前の初回充電容量)を容量維持率とした。ハイドロタルサイト複合体を負極に添加した場合を表3に、ハイドロタルサイト複合体を正極に添加した場合を表4に示す。
20 マグネシウムアルミニウム酸化物
Claims (9)
- マグネシウムアルミニウム酸化物と、前記マグネシウムアルミニウム酸化物の表面に配置される炭素と、を有するマグネシウムアルミニウム酸化物複合体を含むリチウムイオン二次電池用導電材料。
- 前記マグネシウムアルミニウム酸化物複合体における炭素含有比率が、0.1質量%〜50質量%である請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用導電材料。
- 前記マグネシウムアルミニウム酸化物複合体のラマンスペクトル解析から得られるR値が、0.1〜5.0である請求項1又は請求項2に記載のリチウムイオン二次電池用導電材料。
- 前記マグネシウムアルミニウム酸化物複合体の粉体抵抗率が、0.001Ω・cm〜100Ω・cmである請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用導電材料。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用導電材料と、負極活物質と、結着剤と、を含有するリチウムイオン二次電池負極形成用組成物。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用導電材料と、正極活物質と、結着剤と、を含有するリチウムイオン二次電池正極形成用組成物。
- 集電体と、前記集電体上に設けられ、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用導電材料及び負極活物質を含有する負極層と、を有するリチウムイオン二次電池用負極。
- 集電体と、前記集電体上に設けられ、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用導電材料及び正極活物質を含有する正極層と、を有するリチウムイオン二次電池用正極。
- 請求項7に記載のリチウムイオン二次電池用負極及び請求項8に記載のリチウムイオン二次電池用正極のうち少なくとも一方を備えるリチウムイオン二次電池。
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