JP6455123B2 - リチウムイオン二次電池用導電材料、リチウムイオン二次電池負極形成用組成物、リチウムイオン二次電池正極形成用組成物、リチウムイオン二次電池用負極、リチウムイオン二次電池用正極及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用導電材料、リチウムイオン二次電池負極形成用組成物、リチウムイオン二次電池正極形成用組成物、リチウムイオン二次電池用負極、リチウムイオン二次電池用正極及びリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Description

本発明はリチウムイオン二次電池用導電材料、リチウムイオン二次電池負極形成用組成物、リチウムイオン二次電池正極形成用組成物、リチウムイオン二次電池用負極、リチウムイオン二次電池用正極及びリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、ニッケル水素電池、鉛蓄電池等の他の二次電池に比べて軽量で、高い入出力特性を有することから、近年、電気自動車、ハイブリッド型電気自動車等に用いられる高入出力用電源として注目されている。
リチウムイオン二次電池の電極としては、構成元素に金属元素としてFe又はMnを含むリチウム化合物を正極活物質とする正極と、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な炭素材料を負極活物質とする負極と、が用いられている。正極中の正極活物質の導電性、又は負極における充放電特性を改善するために、正極材又は負極材に、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラック)等の炭素材料を、導電助剤として添加することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
一方、電池の構成材料中に不純物(Fe、Ni、Cu等の磁性不純物)が存在すると、充放電時に不純物が負極上に析出する場合がある。負極上に析出した不純物は、セパレータを破って正極に到達することにより、短絡の原因となり得る。また、リチウムイオン二次電池は、夏場の車中等で使用される場合がある。この場合には、リチウムイオン二次電池の使用温度が40℃〜80℃となることがある。このとき、正極を構成するLi含有金属酸化物中の金属が正極から溶出し、電池の特性が低下し得る。
このため、不純物の捕捉剤又は吸着剤(以下、単に吸着剤という)の検討、及び正極の安定化の検討がなされている(例えば、特許文献2参照)。
特開2011−181229号公報 特開2000−77103号公報
リチウムイオン二次電池の特性に対する要求が高まる中で、リチウムイオン二次電池の電気特性と寿命特性の双方に対する要求がますます高まっている。従って本発明は、優れたリチウムイオン二次電池の電気特性及び寿命特性を付与し得るリチウムイオン二次電池用導電材料、並びにリチウムイオン二次電池用導電材料を用いたリチウムイオン二次電池負極形成用組成物、リチウムイオン二次電池正極形成用組成物、リチウムイオン二次電池用負極、リチウムイオン二次電池用正極及びリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
本発明は以下のとおりである。
<1> アルミニウムケイ酸塩と、
前記アルミニウムケイ酸塩の表面に配置される炭素と、
を有し、体積平均粒子径が20μm以下であるアルミニウムケイ酸塩複合体を含むリチウムイオン二次電池用導電材料。
<2> 前記アルミニウムケイ酸塩複合体における炭素含有比率が、0.1質量%〜50質量%である前記<1>に記載のリチウムイオン二次電池用導電材料。
<3> 前記アルミニウムケイ酸塩複合体のラマンスペクトル解析から得られるR値が、0.1〜5.0である前記<1>又は<2>に記載のリチウムイオン二次電池用導電材料。
<4> 前記アルミニウムケイ酸塩複合体の粉体抵抗率が、0.001Ω・cm〜100Ω・cmである前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用導電材料。
<5> 前記アルミニウムケイ酸塩複合体におけるアルミニウム(Al)に対するケイ素(Si)の元素モル比Si/Alが、0.1〜500である前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用導電材料。
<6> 前記<1>〜<5>のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用導電材料と、負極活物質と、結着剤と、を含有するリチウムイオン二次電池負極形成用組成物。
<7> 前記<1>〜<5>のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用導電材料と、正極活物質と、結着剤と、を含有するリチウムイオン二次電池正極形成用組成物。
<8> 集電体と、
前記集電体上に設けられ、前記<1>〜<5>のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用導電材料及び負極活物質を含有する負極層と、
を有するリチウムイオン二次電池用負極。
<9> 集電体と、
前記集電体上に設けられ、前記<1>〜<5>のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用導電材料及び正極活物質を含有する正極層と、
を有するリチウムイオン二次電池用正極。
<10> 前記<8>に記載のリチウムイオン二次電池用負極及び前記<9>に記載のリチウムイオン二次電池用正極のうち少なくとも一方を備えるリチウムイオン二次電池。
本発明によれば、優れたリチウムイオン二次電池の電気特性及び寿命特性を付与し得るリチウムイオン二次電池用導電材料、並びにリチウムイオン二次電池用導電材料を用いたリチウムイオン二次電池負極形成用組成物、リチウムイオン二次電池正極形成用組成物、リチウムイオン二次電池用負極、リチウムイオン二次電池用正極及びリチウムイオン二次電池を提供することができる。
本実施形態の一例である、アルミニウムケイ酸塩複合体の構成を示す概略断面図である。 本実施形態の他の例である、アルミニウムケイ酸塩複合体の構成を示す概略断面図である。 本実施形態の他の例である、アルミニウムケイ酸塩複合体の構成を示す概略断面図である。 本実施形態の他の例である、アルミニウムケイ酸塩複合体の構成を示す概略断面図である。 本実施形態の他の例である、アルミニウムケイ酸塩複合体の構成を示す概略断面図である。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。また本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。更に本明細書において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本発明のリチウムイオン二次電池用導電材料は、アルミニウムケイ酸塩と、アルミニウムケイ酸塩の表面に配置される炭素と、を有し、体積平均粒子径が10μm以下であるアルミニウムケイ酸塩複合体を含む。本発明のリチウムイオン二次電池用導電材料は、上記構成とすることにより、リチウムイオン二次電池の電気特性と寿命特性とを向上させることができる。
リチウムイオン二次電池用導電材料に含まれるアルミニウムケイ酸塩は、アルミニウム(Al)とケイ素(Si)とを含む酸化物塩である。SiとAlとではその価数が異なるため、SiとAlとの酸化物塩にはOH基が多く存在し、これがイオン交換能を有している。これにより、アルミニウムケイ酸塩は、単位質量あたりに多くの金属イオンの吸着サイトを持ち、金属イオンを高選択的に吸着する。アルミニウムケイ酸塩複合体は、特に、リチウムイオン、ナトリウムイオン等のアルカリ金属イオンよりも、ニッケルイオン、マンガンイオン、コバルトイオン、銅イオン、鉄イオン等の遷移金属イオンを吸着しやすいという特異的な性質を示す傾向がある。
上述したようなアルミニウムケイ酸塩複合体の中でも、金属イオンの吸着能及び金属イオンの選択性の点で、アルミニウムケイ酸塩複合体におけるアルミニウム(Al)に対するケイ素(Si)の元素モル比Si/Alは、0.1〜500であることが好ましく、0.3〜100であることがより好ましく、0.3〜50であることが更に好ましい。
更に、本発明におけるアルミニウムケイ酸塩複合体は、このようなアルミニウムケイ酸塩の表面に炭素を配置しており、表面に配置された炭素により導電性を備える。また、アルミニウムケイ酸塩は無機酸化物であるため、熱安定性、及び溶剤中での安定性に優れている。
従って、本発明のリチウムイオン二次電池用導電材料は、アルミニウムケイ酸塩複合体によるSiとAlとによるイオン交換能と、炭素による導電性とにより、リチウムイオン二次電池の電気特性と寿命特性とを共に向上させる。
なお、本発明において不要な金属イオンとは、ニッケルイオン、マンガンイオン、コバルトイオン、銅イオン、鉄イオン等をいう。これらの不要な金属イオンは、例えば、リチウムイオン二次電池の構成材料中に存在する不純物イオン、又は、高温下で正極から溶出するイオンに由来する。
<アルミニウムケイ酸塩複合体>
[アルミニウムケイ酸塩]
本発明におけるアルミニウムケイ酸塩は、アルミニウムとケイ素とを含む酸化物塩である。アルミニウムとケイ素とを含む酸化物塩とすることにより、上述したイオン交換能を発揮し得る。本発明におけるアルミニウムケイ酸塩は、アルミニウムとケイ素とを含む酸化物塩であれば、特に制限はなく、他の金属元素を含むものであってもよい。本発明におけるアルミニウムケイ酸塩としては、例えば、アロフェン、カオリン、ゼオライト、サポナイト、モンモリロナイト、アタパルジャイト、イモゴライト等が挙げられる。
アルミニウムケイ酸塩の体積基準の平均粒子径は、最終的な所望のアルミニウムケイ酸塩複合体の大きさに合わせて、0.1μm〜20μmであることが好ましく、0.5μm〜20μmであることがより好ましく、1μm〜8μmであることが更に好ましく、1μm〜5μmであることが特に好ましい。アルミニウムケイ酸塩の体積平均粒子径は、レーザー回折法を用いて測定される。レーザー回折法は、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、株式会社島津製作所、SALD3000J)を用いて行うことができる。具体的には、アルミニウムケイ酸塩を、水等の分散媒に分散させて分散液を調製する。この分散液について、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて小径側から体積累積分布曲線を描いた場合に、累積50%となる粒子径(D50)を体積平均粒子径として求める。
アルミニウムケイ酸塩を導電材料の原料として用いる場合、その水分含有率が10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。水分含有率が10質量%以下であることで、電気分解を起こす際に生じうるガスの発生をより抑制することができ、電池の膨張をより抑制できる傾向にある。なお、水分含有率はカールフィッシャー法にて測定することができる。アルミニウムケイ酸塩の水分含有率を10質量%以下とする方法としては、通常用いられる熱処理方法を特に制限なく用いることができる。アロフェンの水分含有率を10質量%以下とする方法としては、例えば、大気圧下で、100℃〜300℃、6時間〜24時間程度で、アルミニウムケイ酸塩を熱処理する方法が挙げられる。
(アロフェン)
本発明におけるアロフェンとは、元素モル比Si/Alが0.1〜1.0である非晶質のアルミニウムケイ酸塩であって、中空球の構造体を形成すると言われているアルミニウムケイ酸塩を意味する。このようなアロフェンとしては、例えば、nSiO・Al・mHO[n=1〜2、m=2.5〜3]で示される組成を有するものが挙げられる。
アロフェンにおけるアルミニウム(Al)に対するケイ素(Si)の元素モル比Si/Alは、0.2〜1.0であることが好ましく、0.5〜1.0であることがより好ましい。この範囲の元素モル比Si/Alとすることにより、上述したイオン交換能が高まる。なお、元素モル比Si/AlはICP発光分光分析(例えば、株式会社日立製作所、ICP発光分析装置:P−4010)を用いて、常法によりSi及びAlそれぞれの原子濃度を求めて、得られた原子濃度から算出される。以下、元素モル比の測定方法は同様である。
本発明におけるアロフェンは、合成したものであってもよく、市販品を購入して用いてもよい。アロフェンの市販品としては、製品名セカード(品川化成株式会社)等が挙げられる。
(カオリン)
本発明におけるカオリンとは、層状構造をとるアルミニウムケイ酸塩であって、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロイサイト、加水ハロイサイト等の1種又は2種以上から形成されるアルミニウムケイ酸塩を意味する。このようなカオリンとしては、例えば、AlSiO・(HO)・nHO[n=0〜5]で示される組成を有するものが挙げられる。
カオリンにおけるアルミニウム(Al)に対するケイ素(Si)の元素モル比Si/Alは、0.1〜2.0であることが好ましく、0.5〜1.5であることがより好ましい。この範囲の元素モル比Si/Alとすることにより、上述したイオン交換能が高まる。
本発明におけるカオリンは、合成したものであってもよく、市販品を購入して用いてもよい。カオリンの市販品としては、製品名ASP−200(林化成株式会社)等が挙げられる。
(ゼオライト)
本発明におけるゼオライトとは、アルミニウム(Al)に対するケイ素(Si)の元素モル比Si/Alが1〜500であるアルミニウムケイ酸塩であり、塩としてアルカリ金属又はアルカリ土類金属を含み、沸石とも称される物質を意味する。このようなゼオライトとしては、例えば、X2/nO・Al・ySiO・zHO[X=Na、K、Li等の金属カチオン、n=金属Xの原子価、y=2〜200、z=0以上]で示される組成を有するものが挙げられる。
ゼオライトの元素モル比Si/Alは、1〜100であることが好ましく、1〜50であることがより好ましい。この範囲の元素モル比Si/Alとすることにより、上述したイオン交換能が高まる。
本発明におけるゼオライトは、合成したものであってもよく、市販品を購入して用いてもよい。ゼオライトの市販品としては、製品名SP#600(日東粉化工業株式会社)、モレキュラーシーブス4A(和光純薬工業株式会社)、モレキュラーシーブス13X(和光純薬工業株式会社)等が挙げられる。
(サポナイト)
本発明におけるサポナイトとは、構造中にMg、Ca等の金属カチオンを含むスメクタイト族(3八面体型スメクタイト)の層状粘土化合物であるアルミニウムケイ酸塩を意味する。このようなサポナイトとしては、例えば、X0.33(Mg)(Al0.33Si3.67)O10(OH)・nHO[X=Mg、Ca、Na、K、Li等の金属カチオン、n=0以上]で示される組成を有するものが挙げられる。
サポナイトにおけるアルミニウム(Al)に対するケイ素(Si)の元素モル比Si/Alは、2〜50であることが好ましく、5〜30であることがより好ましい。この範囲の元素モル比Si/Alとすることにより、上述したイオン交換能が高まる。
本発明におけるサポナイトは、合成したものであってもよく、市販品を購入して用いてもよい。サポナイトの市販品としては、製品名スメクトン(クニミネ工業株式会社)等が挙げられる。
(モンモリロナイト)
本発明におけるモンモリロナイトとは、構造中にMg、Ca等の金属カチオンを含むスメクタイト族(2八面体型スメクタイト)の層状粘土化合物であるアルミニウムケイ酸塩を意味する。このようなモンモリロナイトとしては、例えば、(Na、Ca)0.33(Al1.67,Mg0.33)SiO10(OH):nHOで示される組成を有するものが挙げられる。
モンモリロナイトにおけるアルミニウム(Al)に対するケイ素(Si)の元素モル比Si/Alは、2〜50であることが好ましく、5〜30であることがより好ましい。この範囲の元素モル比Si/Alとすることにより、上述したイオン交換能がより高まる。
本発明におけるモンモリロナイトは、合成したものであってもよく、市販品を購入して用いてもよい。モンモリロナイトの市販品としては、製品名クニピア(クニミネ工業株式会社)等が挙げられる。
(アタパルジャイト)
本発明におけるアタパルジャイトとは、パリゴルスカイトとも称される、繊維状の結晶構造を有するアルミニウムケイ酸塩を意味する。このようなアタパルジャイトとしては、例えば、Mg(Al0.5〜1Fe0〜0.5)Si10(OH)・4HOで示される組成を有するものが挙げられる。
アタパルジャイトにおけるアルミニウム(Al)に対するケイ素(Si)の元素モル比Si/Alは、2〜50であることが好ましく、5〜30であることがより好ましい。この範囲の元素モル比Si/Alとすることにより、上述したイオン交換能がより高まる。
本発明におけるアタパルジャイトは、合成したものであってもよく、市販品を購入して用いてもよい。アタパルジャイトの市販品としては、製品名アタゲル(林化成株式会社)等が挙げられる。
(イモゴライト)
本発明におけるイモゴライトとは、アルミニウム(Al)に対するケイ素(Si)の元素モル比Si/Alが0.3〜1.0のアルミニウムケイ酸塩であって、上記以外のものを意味する。このようなイモゴライトは、例えば、nSiO・Al・mHO[n=0.6〜2.0、m=0以上]で示される組成を有するものが挙げられる。
金属イオンの吸着能の観点から、イモゴライトとしては、元素モル比Si/Alが0.3以上1.0未満であることが好ましい。この範囲の元素モル比とすることにより、イモゴライトは、マンガンイオン、ニッケルイオン、銅イオン、鉄イオン等の不要な金属イオンの吸着能により優れ、一方、リチウムイオンに対する吸着能がより低くなる傾向がある。
元素モル比Si/Alを0.3以上とすることにより、金属イオン吸着能の向上に寄与しないAlの量が過剰となることを回避しやすくなり、単位質量あたりのイオン吸着能が低下しにくくなる傾向がある。また元素モル比Si/Alを1.0未満とすることにより、金属イオン吸着能の向上に寄与しないSiの量が過剰となることを回避しやすくなり、単位質量あたりのイオン吸着能が低下しにくくなる傾向がある。また元素モル比Si/Alを1.0未満とすることにより、吸着する金属イオンの選択性の低下をより回避しやすくなる傾向がある。
イモゴライトの元素モル比Si/Alは、0.4〜0.6であることがより好ましく、0.45〜0.55であることが更に好ましい。この範囲の元素モル比Si/Alとすることにより、上記傾向が更に高まる。
[炭素付与]
本発明に係るアルミニウムケイ酸塩複合体では、アルミニウムケイ酸塩の表面に、炭素が配置される。配置される炭素は、アルミニウムケイ酸塩複合体の表面の少なくとも一部又は全部に配置される。
炭素は、アルミニウムケイ酸塩の表面に配置されていればよい。図1〜図5は、本発明に係るアルミニウムケイ酸塩複合体の構成の例を示す概略断面図である。
図1では、炭素10がアルミニウムケイ酸塩20の表面全体を被覆している。図2では、炭素10がアルミニウムケイ酸塩20の表面全体を被覆しているが、炭素10の厚みにばらつきがある。また、図3では、炭素10がアルミニウムケイ酸塩20の表面に部分的に存在し、アルミニウムケイ酸塩20の表面には、炭素10で覆われていない部分がある。図4では、アルミニウムケイ酸塩20の表面に、アルミニウムケイ酸塩20よりも小さい粒径を有する炭素10の粒子が存在している。図5は、図4の変形例であり、炭素10の粒子形状が鱗片状となっている。なお、図1〜図5では、アルミニウムケイ酸塩20の形状は、模式的に球状(断面形状としては円)で表されているが、球状、ブロック状、鱗片状、断面形状が多角形の形状(角のある形状)等のいずれであってもよい。
なお、アルミニウムケイ酸塩が複数の管状物により構成される場合、微視的には管状物の外壁の少なくとも一部又は全部に炭素が配置されていればよく、内壁の少なくとも一部又は全部に炭素が配置されていてもよい。
また、微細なアルミニウムケイ酸塩が集合、結合又は凝集して粒子を形成している場合、粒子表面の少なくとも一部又は全部に炭素が配置されていればよく、集合、結合又凝集によって粒子内部に細孔を有する場合、細孔内の一部又は全部に炭素が配置されていてもよい。
アルミニウムケイ酸塩の内部(アルミニウムケイ酸塩が複数の管状物により構成される場合の管状物の内壁、アルミニウムケイ酸塩が集合、結合又は凝集して形成された粒子内部に細孔を有する場合の細孔内等の、アルミニウムケイ酸塩の外観に現れない部分)に炭素が配置されているか否かは、以下の方法によって確認することができる。
すなわち、アルミニウムケイ酸塩の内部の状態は、試料を熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂)に埋め込み硬化して成形加工した後、機械的に研磨することでアルミニウムケイ酸塩の内部を露出させ、内部にあたる部分を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することで確認することができる。アルミニウムケイ酸塩の内部に炭素が配置されているか否かは、上記のSEMから、エネルギー分散型X線分光法(EDX)にて確認することができる。
[アルミニウムケイ酸塩複合体の特性]
アルミニウムケイ酸塩複合体における炭素含有比率は、0.1質量%〜50質量%であることが好ましい。炭素含有比率が0.1質量%以上であれば、アルミニウムケイ酸塩複合体の吸着水量が低減する傾向があり、50質量%以下であれば、アルミニウムケイ酸塩複合体の金属イオン吸着能をより有効に活用できる傾向がある。アルミニウムケイ酸塩複合体における炭素含有比率は、0.5質量%〜40質量%であることがより好ましく、1質量%〜30質量%であることが更に好ましい。
アルミニウムケイ酸塩複合体における炭素含有比率は、示差熱−熱重量分析装置(TG−DTA)を用いて、20℃/分の昇温速度で、800℃、20分保持での質量減少率にて測定される。
アルミニウムケイ酸塩複合体について励起波長532nmのレーザーラマン分光測定により求めたプロファイルの中で、1360cm−1付近に現れるピークの強度をId、1580cm−1付近に現れるピークの強度をIgとし、その両ピークの強度比Id/Ig(D/G)をR値とした際、そのR値が、0.1〜5.0であることが好ましく、0.3〜3.0であることがより好ましく、0.5〜1.5であることが更に好ましい。R値が0.1以上であると、非晶質炭素による表面被覆効果が優れる傾向があり、5.0以下であると表面被覆炭素量が過剰となるのを防ぐ傾向がある。
ここで、1360cm−1付近に現れるピークとは、通常、炭素の非晶質構造に対応すると同定されるピークであり、例えば、1300cm−1〜1400cm−1に観測されるピークを意味する。また1580cm−1付近に現れるピークとは、通常、炭素の結晶構造に対応すると同定されるピークであり、例えば、1530cm−1〜1630cm−1に観測されるピークを意味する。
なお、R値は、ラマンスペクトル測定装置(例えば、日本分光株式会社、NSR−1000型、励起波長532nm)を用い、測定範囲(830cm−1〜1940cm−1)全体をベースラインとして求めることができる。
アルミニウムケイ酸塩複合体の体積基準の平均粒子径は、20μm以下である。また、0.1μm〜20μmであることが好ましく、0.5〜20μmであることがより好ましく、0.5μm〜8μmであることが更に好ましく、0.5〜0.6μmであることが特に好ましい。アルミニウムケイ酸塩複合体の体積平均粒子径が0.1μm以上であると、粉体のハンドリング性が向上する傾向があり、20μm以下であると、アルミニウムケイ酸塩複合体を含む分散液を用いて塗膜を形成する等の場合に、均質な膜が得られやすい傾向がある。
アルミニウムケイ酸塩複合体の体積平均粒子径は、レーザー回折法を用いて測定される。レーザー回折法は、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、株式会社島津製作所、SALD3000J)を用いて行うことができる。
本発明のアルミニウムケイ酸塩複合体は、炭素を表面に有しないアルミニウムケイ酸塩と比較して吸着水量が低減したものである。アルミニウムケイ酸塩複合体の吸着水量は、表面に配置される炭素の種類及び量によって異なる。アルミニウムケイ酸塩複合体の吸着水量は、アルミニウムケイ酸塩の金属イオン吸着能をより有効に活用できるという点で、0.0001質量%〜30質量%であることが好ましく、0.0001質量%〜20質量%であることがより好ましく、0.0002質量%〜10質量%であることが更に好ましい。
本発明における吸着水量は、アルミニウムケイ酸塩複合体を、130℃にて3時間真空乾燥させた後の質量と、その後に温度20℃、湿度90%〜99%の条件下で24時間静置した後の質量との質量変化を測定して求めた値とする。
アルミニウムケイ酸塩複合体におけるアルミニウムケイ酸塩としては、金属イオン吸着能の観点から、イモゴライト、アロフェン、カオリン、サポナイト、ゼオライト、モンモリロナイト及びアタパルジャイトからなる群より選択された少なくとも1つであることが好ましい。
[アルミニウムケイ酸塩複合体の製造方法]
アルミニウムケイ酸塩複合体の製造方法は、アルミニウムケイ酸塩を得る工程と、得られたアルミニウムケイ酸塩の表面に炭素を付与する炭素付与工程とを含み、必要に応じて他の工程を含む。
(アルミニウムケイ酸塩を得る工程)
アルミニウムケイ酸塩を得る工程は、炭素を付与する対象となるアルミニウムケイ酸塩を得ることができればよく、アルミニウムケイ酸塩を準備することを含む工程であってもよく、ケイ酸源とアルミニウム源とからアルミニウムケイ酸塩を製造することを含む工程であってもよい。アルミニウムケイ酸塩を製造する方法については、各種アルミニウムケイ酸塩に関して既述した方法を適用し得る。アルミニウムケイ酸塩を準備することとしては、市販品等を入手してそのまま用いることが挙げられる。
(炭素付与工程)
炭素付与工程では、アルミニウムケイ酸塩の表面に炭素を付与する。これにより、アルミニウムケイ酸塩の表面に炭素が配置される。アルミニウムケイ酸塩の表面に炭素を付与する方法としては、特に制限はなく、湿式混合法、乾式混合法、化学蒸着法等の方法が挙げられる。アルミニウムケイ酸塩の表面に付与される炭素の厚みを揃えやすく、かつ反応系の制御が容易で、大気圧下での処理が可能であるという点から、湿式混合法(「湿式法」ということがある)又は乾式混合法(「気相法」ということがある)が好ましい。
湿式混合法の場合は、例えば、アルミニウムケイ酸塩と、炭素源を溶媒に溶解させた溶液と、を混合し、炭素源の溶液をアルミニウムケイ酸塩表面に付着させ、必要に応じて溶媒を除去し、その後、不活性雰囲気下で熱処理することにより炭素源を炭素化させて炭素を付与することができる。なお、炭素源が溶媒に溶解しない等の場合は、炭素源を分散媒中に分散させた分散液とすることもできる。
炭素源の溶液又は分散液における炭素源の含有率は、分散のし易さの観点から0.01質量%〜30質量%であることが好ましく、0.05質量%〜20質量%であることがより好ましく、0.1質量%〜10質量%であることが更に好ましい。アルミニウムケイ酸塩と炭素源との混合比(アルミニウムケイ酸塩:炭素源)としては、金属イオン吸着能と、より低い吸着水量との両立の観点から、質量比で100:1〜100:500であることが好ましく、100:5〜100:300であることがより好ましい。
乾式混合法の場合は、例えば、アルミニウムケイ酸塩と炭素源とを固体同士で混合して混合物とし、この混合物を不活性雰囲気下で熱処理することにより炭素源を炭素化させて、アルミニウムケイ酸塩の表面に炭素を付与することができる。なお、アルミニウムケイ酸塩と炭素源とを混合する際、力学的エネルギーを加える処理(例えば、メカノケミカル処理)を施してもよい。
アルミニウムケイ酸塩と炭素源とを固体同士で混合する際のアルミニウムケイ酸塩と炭素源との混合比(アルミニウムケイ酸塩:炭素源)としては、金属イオン吸着能と、より低い吸着水量との両立の観点から、質量比で100:1〜100:500であることが好ましく、100:5〜100:300であることがより好ましい。
化学蒸着法の場合は、公知の方法が適用でき、例えば、炭素源を気化させたガスを含む雰囲気中でアルミニウムケイ酸塩を熱処理することで、アルミニウムケイ酸塩の表面に炭素を付与することができる。
湿式混合法又は乾式混合法によってアルミニウムケイ酸塩の表面に炭素を付与する場合、前記炭素源としては、特に制限はないが、熱処理により炭素を残し得る化合物であればよく、具体的には、フェノール樹脂、スチレン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリブチラール等の高分子化合物;エチレンヘビーエンドピッチ、石炭ピッチ、石油ピッチ、コールタールピッチ、アスファルト分解ピッチ、ポリ塩化ビニル(PVC)等を熱分解して生成するPVCピッチ、ナフタレン等を超強酸存在下で重合させて作製されるナフタレンピッチ等のピッチ類;デンプン、セルロース等の多糖類;などが挙げられる。これら炭素源は、1種単独で又は2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
化学蒸着法によって炭素を付与する場合、炭素源としては、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、脂環族炭化水素等のうち、気体状又は容易に気体化可能な化合物を用いることが好ましい。具体的には、メタン、エタン、プロパン、トルエン、ベンゼン、キシレン、スチレン、ナフタレン、アントラセン等の炭化水素、クレゾール等のこれらの炭化水素の誘導体などが挙げられる。これらの炭素源は、1種単独で又は2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
炭素源を炭素化するための熱処理温度は、炭素源が炭素化する温度であれば特に制限されず、500℃以上であることが好ましく、600℃以上であることがより好ましく、700℃以上であることが更に好ましい。また、炭素を低結晶性とする観点からは、1300℃以下であることが好ましく、1200℃以下であることがより好ましく、1100℃以下であることが更に好ましい。
熱処理時間は、用いる炭素源の種類又はその付与量によって適宜選択され、例えば、0.1時間〜10時間が好ましく、0.5時間〜5時間がより好ましい。
なお、熱処理は、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気下で行うことが好ましい。熱処理装置は、加熱機構を有する反応装置であれば特に限定されず、連続法、回分法等での処理が可能な加熱装置などが挙げられる。具体的には、流動層反応炉、回転炉、竪型移動層反応炉、トンネル炉、バッチ炉等をその目的に応じ適宜選択することができる。
熱処理により得られた熱処理物は個々の粒子が凝集している場合があるため、解砕処理することが好ましい。また、所望の平均粒子径への調整が必要な場合は更に粉砕処理を行ってもよい。
また、アルミニウムケイ酸塩の表面に炭素を付与する別の方法としては、例えば、アルミニウムケイ酸塩の表面に付与する炭素として、ソフトカーボン、ハードカーボン等の非晶質炭素、黒鉛などの炭素質物質を用いる方法が挙げられる。この方法によれば、図10及び図11に示すような、炭素10が粒子としてアルミニウムケイ酸塩20の表面に存在する形状のアルミニウムケイ酸塩複合体を作製することもできる。前記炭素質物質を用いる方法としては、上述した湿式混合法又は前記乾式混合法を応用することができる。
湿式混合法を応用する場合は、炭素質物質の粒子と、分散媒とを混合して分散液とし、この分散液とアルミニウムケイ酸塩とを更に混合することにより、アルミニウムケイ酸塩の表面に分散液を付着させ、それを乾燥後に熱処理することで作製される。また、結着剤を用いる場合には、炭素質物質の粒子と、結着剤となる有機化合物(熱処理により炭素を残し得る化合物)と分散媒とを混合して混合物とし、この混合物とアルミニウムケイ酸塩とを更に混合することにより、アルミニウムケイ酸塩の表面に混合物を付着させ、それを乾燥後に熱処理することで、アルミニウムケイ酸塩の表面に炭素を付与することもできる。前記有機化合物としては、熱処理により炭素を残し得る化合物であれば特に制限はない。また、湿式混合法を応用する場合の熱処理条件は、前記炭素源を炭素化するための熱処理条件を適用することができる。
乾式混合法を応用する場合は、炭素質物質の粒子と、アルミニウムケイ酸塩とを固体同士で混合して混合物とし、この混合物に必要に応じて力学的エネルギーを加える処理(例えば、メカノケミカル処理)を行うことで作製される。なお、乾式混合法を応用する場合においても、アルミニウムケイ酸塩中にケイ素の結晶子を生成させるために、熱処理を行うことが好ましい。乾式混合法を応用する場合の熱処理条件は、前記炭素源を炭素化するための熱処理条件を適用することができる。
アルミニウムケイ酸塩を製造により得る場合には、アルミニウムケイ酸塩複合体の製造方法は、アルミニウムケイ酸塩を得る工程のいずれかの段階で炭素源を供給して、アルミニウムケイ酸塩を得る際に表面に炭素を配置させて、アルミニウムケイ酸塩複合体を得る製造方法であってもよい。この製造方法では、合成又は脱塩後のアルミニウムケイ酸塩の分散液に炭素源を供給し、得られた炭素源を含有するアルミニウムケイ酸塩分散液を、炭素源を炭素化するための熱処理に供することができる。炭素源含有分散液を熱処理することにより、表面に炭素を有するアルミニウムケイ酸塩複合体が得られる。
アルミニウムケイ酸塩の分散液に炭素源を供給する場合、分散液中の炭素源の含有率は、0.005質量%〜5質量%であることが好ましく、0.01質量%〜3質量%であることがより好ましく、0.05質量%〜1.5質量%であることが更に好ましい。炭素源の含有率を0.005質量%以上とすることにより、アルミニウムケイ酸塩複合体の導電性が向上する傾向があり、5質量%以下とすることにより、アルミニウムケイ酸塩複合体の金属イオン吸着能をより有効に活用できる傾向がある。
<その他の成分>
本発明のリチウムイオン二次電池用導電材料は、アルミニウムケイ酸塩複合体の他に、任意の成分を含むことができる。リチウムイオン二次電池用導電材料に含有可能な他の成分としては、リチウムイオン二次電池用導電材料に一般的に含有可能な成分であれば特に制限されない。リチウムイオン二次電池用導電材料に含有可能な他の成分としては、カーボンブラック、グラファイト、アセチレンブラック、導電性を示す酸化物、導電性を示す窒化物等を挙げることができる。本発明のリチウムイオン二次電池用導電材料は、スラリーとしたときの使い勝手の良さの観点から、なかでも、アセチレンブラックを含むことが好ましい。
<リチウムイオン二次電池負極形成用組成物>
本発明のリチウムイオン二次電池負極形成用組成物は、上述のリチウムイオン二次電池用導電材料と、負極活物質と、結着剤と、を含有する。本発明のリチウムイオン二次電池負極形成用組成物は、更に、溶媒、増粘剤、導電助剤等を含有してもよい。
リチウムイオン二次電池負極形成用組成物中のアルミニウムケイ酸塩複合体の含有率は、特に限定されず、例えば、必要に応じて用いられる溶媒を除いたリチウムイオン二次電池負極形成用組成物の全量に対して、0.1質量%〜30質量%とすることができ、0.3質量%〜20質量%とすることが好ましく、0.5質量%〜10質量%とすることがより好ましい。
負極活物質としては、リチウムイオン二次電池用負極に用いられる通常のものを適用することができる。負極活物質としては、リチウムイオンをドーピング又はインターカレーション可能な炭素材料、金属化合物、金属酸化物、金属硫化物、導電性高分子材料等を挙げることができ、天然黒鉛、人造黒鉛、ケイ素、チタン酸リチウム等が挙げられる。負極活物質は、これらを1種単独で使用し、又は2種以上を併用することができる。
結着剤としては、特に限定されず、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和カルボン酸エステルと、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸とを共重合して得られる(メタ)アクリル共重合体;ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド、ポリエピクロルヒドリン、ポリホスファゼン、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミドイミド等の高分子化合物などが挙げられる。なお、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及びそれに対応する「メタクリレート」を意味する。「(メタ)アクリル共重合体」等の他の類似の表現においても同様である。
溶媒としては、特に制限はなく、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン等を用いることができる。
増粘剤としては、特に制限はなく、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(塩)、酸化スターチ、リン酸化スターチ、カゼイン等を用いることができる。
導電助剤としては、特に制限はなく、カーボンブラック、アセチレンブラック、導電性を示す酸化物、導電性を示す窒化物等を用いることができる。これらの導電助剤は1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
<リチウムイオン二次電池正極形成用組成物>
本発明のリチウムイオン二次電池正極形成用組成物は、上述のリチウムイオン二次電池用導電材料と、正極活物質と、結着剤と、を含有する。本発明のリチウムイオン二次電池正極形成用組成物は、更に、溶媒、増粘剤、導電助剤等を含有してもよい。
リチウムイオン二次電池正極形成用組成物中のアルミニウムケイ酸塩複合体の含有率は、特に限定されず、例えば、必要に応じて用いられる溶媒を除いたリチウムイオン二次電池正極形成用組成物の全量に対して、0.1質量%〜30質量%とすることができ、0.3質量%〜20質量%とすることが好ましく、0.5質量%〜10質量%とすることがより好ましい。
正極活物質としては、リチウムイオン二次電池用正極に用いられる通常のものを適用することができる。正極活物質は、リチウムイオンをドーピング又はインターカレーション可能な化合物であればよく、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMnO)及びニッケルマンガンコバルト酸リチウム(Li(NiMnCo)O)が挙げられる。
リチウムイオン二次電池正極形成用組成物における結着剤としては、リチウムイオン二次電池負極形成用組成物で説明した結着剤を挙げることができる。リチウムイオン二次電池正極形成用組成物に任意で含有する溶媒、増粘剤及び導電助剤についても、リチウムイオン二次電池負極形成用組成物で説明したものを挙げることができる。
<リチウムイオン二次電池用負極>
本発明のリチウムイオン二次電池用負極(以下「負極」と略称する場合がある)は、集電体と、前記集電体上に設けられ上述のリチウムイオン二次電池用導電材料及び負極活物質を含有する負極層と、を有する。
例えば、本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、前述のリチウムイオン二次電池負極形成用組成物を調製し、このリチウムイオン二次電池負極形成用組成物を集電体に付与した後、任意で含まれる溶媒を除去し、加圧成形して負極層を形成することにより得られる。一般に、リチウムイオン二次電池負極形成用組成物は、混練後、シート状、ペレット状等の形状に成形される。
尚、リチウムイオン二次電池負極形成用組成物を用いて本発明のリチウムイオン二次電池用負極が製造された場合、負極層には結着剤が含有される。
集電体の材質は、特に限定されず、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、チタン、ステンレス鋼、ポーラスメタル(発泡メタル)及びカーボンペーパーが挙げられる。集電体の形状は、特に限定されず、例えば、箔状、穴開け箔状及びメッシュ状が挙げられる。
リチウムイオン二次電池負極形成用組成物を集電体に付与する方法としては、特に限定されず、例えば、メタルマスク印刷法、静電塗装法、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ドクターブレード法、グラビアコート法及びスクリーン印刷法が挙げられる。付与後は、必要に応じて平板プレス、カレンダーロール等による加圧処理を行うことが好ましい。また、シート状、ペレット状等の形状に成形されたリチウムイオン二次電池負極形成用組成物と集電体との一体化は、例えば、ロールによる一体化、プレスによる一体化及びこれらの組み合わせによる一体化により行うことができる。
集電体上に形成された負極層又は集電体と一体化した負極層は、用いた結着剤に応じて熱処理することが好ましい。例えば、ポリアクリロニトリルを主骨格とした結着剤を用いる場合は、100℃〜180℃で熱処理することが好ましく、ポリイミド又はポリアミドイミドを主骨格とした結着剤を用いる場合には、150℃〜450℃で熱処理することが好ましい。この熱処理により必要に応じて用いられる溶媒の除去及び結着剤の硬化による高強度化が進み、負極材料間の密着性及び負極材料と集電体との間の密着性が高まる傾向にある。なお、これらの熱処理は、処理中の集電体の酸化を防ぐため、ヘリウム、アルゴン、窒素等の不活性雰囲気又は真空雰囲気で行うことが好ましい。
また、熱処理する前に、負極はプレス(加圧処理)しておくことが好ましい。加圧処理することで電極密度を調整することができる。本発明のリチウムイオン二次電池用負極では、電極密度が1.4g/cm3〜1.9g/cm3であることが好ましく、1.5g/cm3〜1.85g/cm3であることがより好ましく、1.6g/cm3〜1.8g/cm3であることが更に好ましい。電極密度については、その値が高いほど負極の体積容量が向上する傾向があり、また、負極材料間の密着性及び負極材料と集電体との間の密着性が向上する傾向がある。
<リチウムイオン二次電池用正極>
本発明のリチウムイオン二次電池用正極(以下「正極」と略称する場合がある)は、集電体と、前記集電体上に設けられ上述のリチウムイオン二次電池用導電材料及び正極活物質を含有する正極層と、を有する。
リチウムイオン二次電池用正極における集電体としては、リチウムイオン二次電池用負極で説明した集電体を挙げることができる。リチウムイオン二次電池用正極は、前述のリチウムイオン二次電池用負極の製造方法において、リチウムイオン二次電池負極形成用組成物をリチウムイオン二次電池正極形成用組成物に置き換えることにより、同様の方法で製造することができる。
<リチウムイオン二次電池>
本発明のリチウムイオン二次電池は、上述のリチウムイオン二次電池用負極及び上述のリチウムイオン二次電池用正極のうち少なくとも一方を備える。上述のリチウムイオン二次電池用負極以外の負極を用いる場合には、リチウムイオン二次電池に用いられる通常の負極を適用することができる。また、上述のリチウムイオン二次電池用正極以外の正極を用いる場合には、リチウムイオン二次電池に用いられる通常の正極を適用することができる。
負極と正極とは、例えば、セパレータを介して対向して配置し、電解質を含む電解液を注入することにより、リチウムイオン二次電池とすることができる。
電解液は、特に制限されず、公知のものを用いることができる。例えば、電解液として、有機溶剤に電解質を溶解させた溶液を用いることにより、非水系リチウムイオン二次電池を製造することができる。
前記電解質としては、例えば、LiPF、LiClO、LiBF、LiClF、LiAsF、LiSbF、LiAlO、LiAlCl、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiC(CFSO、LiCl及びLiIが挙げられる。
セパレータは、公知の各種セパレータを用いることができる。具体的には、紙製セパレータ、ポリプロピレン製セパレータ、ポリエチレン製セパレータ、ガラス繊維製セパレータ等が挙げられる。
リチウムイオン二次電池の製造方法としては、例えば、まず正極と負極の2つの電極を、セパレータを介して捲回する。得られたスパイラル状の捲回群を電池缶に挿入し、予め負極の集電体に溶接しておいたタブ端子を電池缶底に溶接する。得られた電池缶に電解液を注入し、更に予め正極の集電体に溶接しておいたタブ端子を電池の蓋に溶接し、蓋を絶縁性のガスケットを介して電池缶の上部に配置し、蓋と電池缶とが接した部分をかしめて密閉することによって電池を得る。
本発明のリチウムイオン二次電池の形態は、特に限定されないが、ペーパー型電池、ボタン型電池、コイン型電池、積層型電池、円筒型電池、角型電池等のリチウムイオン二次電池が挙げられる。
次に、実施例により本発明を説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
アルミニウムケイ酸塩複合体としてのサポナイト複合体Aを、以下のようにして作製した。
サポナイトとしては、製品名:スメクトンSA(クニミネ工業株式会社)を用いた。このサポナイトの各種物性は以下のとおりであった。なお、元素モル比Si/Al及び体積平均粒子径は、下記[評価1]の条件で測定した。
元素モル比Si/Al:11
体積平均粒子径:38.0μm
上記のサポナイトを用いて、サポナイト複合体Aを以下のようにして製造した。
サポナイトを分級機付きの衝撃粉砕機(日本ニューマチック工業株式会社、ラボジェット)を用いて、粉砕及び分級後のサポナイトの体積平均粒子径が5μm付近となるように粉砕及び分級をした。その後、250メッシュの篩にて粗粉を除去した。
次に、粉砕及び分級後のサポナイトとポリビニルアルコール粉末(和光純薬工業株式会社)とを100:70の質量比で混合し、窒素雰囲気下、850℃で1時間焼成した。これをサポナイト複合体Aとした。
得られたサポナイト複合体Aの炭素含有比率を、示差熱−熱重量分析装置(TG−DTA)を用いて、20℃/分の昇温速度で、800℃、20分保持での質量減少率にて測定したところ、10質量%であった。
また、得られたサポナイト複合体AのR値を、上記と同一の条件で測定したところ、1.0であった。ラマン分光測定法によるマッピングを行い、サポナイト複合体の表面の被覆状態を確認したところ、炭素により被覆されていない部分が非常に少なく、表面全体のほとんどの部分が炭素により被覆されている状態の炭素被覆が確認できた。
下記の方法で、サポナイト複合体AのBET比表面積を窒素吸着能に基づいて測定した。その結果、サポナイト複合体AのBET比表面積は15m/gであった。また、下記[評価1]の方法で、サポナイト複合体Aの体積平均粒子径を測定した。その結果、体積平均粒子径は5.0μmであった。
得られたサポナイト複合体Aをエポキシ樹脂に埋め込み、硬化して成形加工した後、機械的に研磨してサポナイト複合体の内部を露出させ、内部にあたる部分を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、エネルギー分散型X線分光法(EDX)にて炭素の存在の有無を調べた。その結果、サポナイト複合体の粒子の内部に炭素が存在していることが確認された。尚、エネルギー分散型X線分光法(EDX)も分析可能な走査型電子顕微鏡(SEM)として、高分解能分析走査電子顕微鏡(製品名:SU−70、株式会社日立ハイテクノロジーズ)を使用した。
[実施例2]
アルミニウムケイ酸塩複合体としてのサポナイト複合体Bを、以下のようにして作製した。
サポナイトとしては、製品名:スメクトンSA(クニミネ工業株式会社)を用いた。このサポナイトの各種物性は以下のとおりであった。なお、元素モル比Si/Al及び体積平均粒子径は、下記[評価1]の条件で測定した。
元素モル比Si/Al:11
体積平均粒子径:38.0μm
上記のサポナイトを用いて、サポナイト複合体Bを以下のようにして製造した。
サポナイトを分級機付きの衝撃粉砕機(日本ニューマチック工業株式会社、ラボジェット)を用いて、粉砕及び分級後のサポナイトの体積平均粒子径が5.5μm付近となるように粉砕及び分級をした。その後、250メッシュの篩にて粗粉を除去した。
次に、粉砕及び分級後のサポナイトとポリビニルアルコール粉末(和光純薬工業株式会社)とを100:70の質量比で混合し、窒素雰囲気下、850℃で1時間焼成した。これをサポナイト複合体Bとした。
得られたサポナイト複合体Bの炭素含有比率を、示差熱−熱重量分析装置(TG−DTA)を用いて、20℃/分の昇温速度で、800℃、20分保持での質量減少率にて測定したところ、10質量%であった。
また、得られたサポナイト複合体BのR値を、上記と同一の条件で測定したところ、1.0であった。ラマン分光測定法によるマッピングを行い、サポナイト複合体Bの表面の被覆状態を確認したところ、炭素により被覆されていない部分が非常に少なく、表面全体のほとんどの部分が炭素により被覆されている状態の炭素被覆が確認できた。
下記の方法で、サポナイト複合体BのBET比表面積を窒素吸着能に基づいて測定した。その結果、サポナイト複合体BのBET比表面積は29m/gであった。また、下記[評価1]の方法で、サポナイト複合体Bの体積平均粒子径を測定した。その結果、体積平均粒子径は5.5μmであった。
得られたサポナイト複合体Bをエポキシ樹脂に埋め込み、硬化して成形加工した後、機械的に研磨してサポナイト複合体Bの内部を露出させ、内部にあたる部分を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、エネルギー分散型X線分光法(EDX)にて炭素の存在の有無を調べた。その結果、サポナイト複合体Bの粒子の内部に炭素が存在していることが確認された。尚、エネルギー分散型X線分光法(EDX)も分析可能な走査型電子顕微鏡(SEM)として、高分解能分析走査電子顕微鏡(製品名:SU−70、株式会社日立ハイテクノロジーズ)を使用した。
[実施例3]
アルミニウムケイ酸塩複合体としてのサポナイト複合体Cを、以下のようにして作製した。
サポナイトとしては、製品名:スメクトンSA(クニミネ工業株式会社)を用いた。このサポナイトの各種物性は以下のとおりであった。なお、元素モル比Si/Al及び体積平均粒子径は、下記[評価1]の条件で測定した。
元素モル比Si/Al:11
体積平均粒子径:38.0μm
上記のサポナイトを用いて、サポナイト複合体Bを以下のようにして製造した。
サポナイトを分級機付きの衝撃粉砕機(日本ニューマチック工業株式会社、ラボジェット)を用いて、粉砕及び分級後のサポナイトの体積平均粒子径が6.5μm付近となるように粉砕及び分級をした。その後、250メッシュの篩にて粗粉を除去した。 次に、粉砕及び分級後のサポナイトとポリビニルアルコール粉末(和光純薬工業株式会社)とを100:70の質量比で混合し、窒素雰囲気下、850℃で1時間焼成した。これをサポナイト複合体とした。
得られたサポナイト複合体Cの炭素含有比率を、示差熱−熱重量分析装置(TG−DTA)を用いて、20℃/分の昇温速度で、800℃、20分保持での質量減少率にて測定したところ、10質量%であった。
また、得られたサポナイト複合体CのR値を、上記と同一の条件で測定したところ、1.0であった。ラマン分光測定法によるマッピングを行い、サポナイト複合体Cの表面の被覆状態を確認したところ、炭素により被覆されていない部分が非常に少なく、表面全体のほとんどの部分が炭素により被覆されている状態の炭素被覆が確認できた。
下記の方法で、サポナイト複合体CのBET比表面積を窒素吸着能に基づいて測定した。その結果、サポナイト複合体CのBET比表面積は25m/gであった。また、下記[評価1]の方法で、サポナイト複合体Cの体積平均粒子径を測定した。その結果、体積平均粒子径は6.7μmであった。
得られたサポナイト複合体Cをエポキシ樹脂に埋め込み、硬化して成形加工した後、機械的に研磨してサポナイト複合体Cの内部を露出させ、内部にあたる部分を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、エネルギー分散型X線分光法(EDX)にて炭素の存在の有無を調べた。その結果、サポナイト複合体Cの粒子の内部に炭素が存在していることが確認された。尚、エネルギー分散型X線分光法(EDX)も分析可能な走査型電子顕微鏡(SEM)として、高分解能分析走査電子顕微鏡(製品名:SU−70、株式会社日立ハイテクノロジーズ)を使用した。
[比較例1]
アルミニウムケイ酸塩複合体としてのサポナイト複合体Dを、以下のようにして作製した。
サポナイトとしては、製品名:スメクトンSA(クニミネ工業株式会社)を用いた。このサポナイトの各種物性は以下のとおりであった。なお、元素モル比Si/Al及び体積平均粒子径は、下記[評価1]の条件で測定した。
元素モル比Si/Al:11
体積平均粒子径:38.0μm
上記のサポナイトとポリビニルアルコール粉末(和光純薬工業株式会社)とを100:70の質量比で混合し、窒素雰囲気下、850℃で1時間焼成した。これをサポナイト複合体Dとした。
得られたサポナイト複合体Dの炭素含有比率を、示差熱−熱重量分析装置(TG−DTA)を用いて、20℃/分の昇温速度で、800℃、20分保持での質量減少率にて測定したところ、10質量%であった。
また、得られたサポナイト複合体DのR値を、上記と同一の条件で測定したところ、1.0であった。ラマン分光測定法によるマッピングを行い、サポナイト複合体Dの表面の被覆状態を確認したところ、炭素により被覆されていない部分が非常に少なく、表面全体のほとんどの部分が炭素により被覆されている状態の炭素被覆が確認できた。
下記の方法で、サポナイト複合体DのBET比表面積を窒素吸着能に基づいて測定した。その結果、サポナイト複合体DのBET比表面積は38m/gであった。また、下記[評価1]の方法で、サポナイト複合体Dの体積平均粒子径を測定した。その結果、体積平均粒子径は38.9μmであった。
得られたサポナイト複合体Dをエポキシ樹脂に埋め込み、硬化して成形加工した後、機械的に研磨してサポナイト複合体Dの内部を露出させ、内部にあたる部分を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、エネルギー分散型X線分光法(EDX)にて炭素の存在の有無を調べた。その結果、サポナイト複合体Dの粒子の内部に炭素が存在していることが確認された。尚、エネルギー分散型X線分光法(EDX)も分析可能な走査型電子顕微鏡(SEM)として、高分解能分析走査電子顕微鏡(製品名:SU−70、株式会社日立ハイテクノロジーズ)を使用した。
[評価1]
(1)元素モル比Si/Al
常法のICP発光分光分析(ICP発光分光装置:P−4010、株式会社日立製作所)から、Si及びAlの元素モル比を算出した。
(2)体積平均粒子径
試料の体積平均粒子径を以下の方法によって測定した。
試料(5mg)を界面活性剤(エソミンT/15、ライオン株式会社)0.01質量%水溶液中に入れ、振動攪拌機で分散した。得られた分散液をレーザー回折式粒度分布測定装置(SALD3000J、株式会社島津製作所)の試料水槽に入れ、超音波をかけながらポンプで循環させ、レーザー回折式で測定した。測定条件は下記の通りとした。得られた粒度分布の体積累積50%粒径(D50%)を体積平均粒子径とした。以下、実施例において、体積平均粒子径の測定は同様にして行った。
・光源:赤色半導体レーザー(690nm)
・吸光度:0.10〜0.15
・屈折率:2.00−0.20i
(3)R値
R値の測定には、ラマンスペクトル測定装置(日本分光株式会社、NSR−1000型)を用いた。得られたスペクトルは下記範囲をベースラインとした。測定条件は、下記のとおりとした。
・レーザー波長:532nm
・照射強度:1.5mW(レーザーパワーモニターでの測定値)
・照射時間:60秒
・照射面積:4μm
・測定範囲:830cm−1〜1940cm−1
・ベースライン:1050cm−1〜1750cm−1
なお、得られたスペクトルの波数は、基準物質インデン(和光純薬工業株式会社、和光一級)を前記と同一条件で測定して得られる各ピークの波数と、インデンの各ピークの波数理論値との差から求めた検量線を用いて補正した。
補正後に得られたラマンスペクトルの中で、1360cm−1付近に現れるピークの強度をId、1580cm−1付近に現れるピークの強度をIgとし、その両ピークの強度比Id/Ig(D/G)をR値として求めた。
マッピングは、R値の測定で用いたものと同一のラマンスペクトル測定装置を使用し、同一の条件で行った。
[評価2]
(1) 粉体抵抗率及び導電率
粉体抵抗率及び導電率は、各試料3gを秤取り、粉体抵抗測定システム(ロレスターGP、三菱化学アナリテック株式会社製)を用いて、3842N/cm(382kgf/cm)の圧力を加えた状態にて測定した。
それぞれの結果を表1に示す。
(2) 電解液中での金属イオン(Mn2+及びFe3+))吸着能
実施例及び比較例で得られたサポナイト複合体について、金属イオン吸着能を以下のようにして評価した。
1MのLiPFと、エチレンカーボネート(EC):ジメチルカーボネート(DMC):ジエチルカーボネート(DEC)を体積比1:1:1の比率で含む溶液を調製し、これにMn(BFを溶解して、500ppmのMn溶液を調製した。このMn溶液に各試料を0.05g添加して30分間攪拌した後、室温にて一晩静置させた。その後、上澄み液を孔径が0.45μmのフィルタを用いて濾過し、ICP発光分析装置(ICP−AES)を用いてMn2+イオンの吸着量を測定した。また、Mn(BFをFe(ClOに変えた他は同様にしてFe3+イオンの吸着量を測定した。結果を表1に示す。
(3)充放電特性
それぞれ90質量部の、試料に対して、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)10質量部を添加して、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を用いて混練して、スラリーを得た。得られたスラリーを銅箔上に塗布し、105℃で30分乾燥後、プレスを行い、電極を得た。得られた電極を負極とし、対極である金属リチウムとを20μmのポリプロピレン製セパレータを介して対向させ、電解液を注入することによりコインセル(ハーフセル)を作製した。電解液はエチルカーボネートとメチルエチルカーボネートの混合溶媒(体積比3対7)に、LiPFを1mol/L、ビニレンカーボネートを0.5質量%の濃度になるように溶解させたものを使用した。
各々のセルは25℃の恒温槽内に入れ、充放電試験を行った。充電は、0.1mAの電流で0.005Vまで充電後、0.005Vの電圧で電流値が0.01mAになるまでLiを作用極に挿入させることにより行った。また放電は、0.1mAの電流で1.5Vの電圧値まで作用極に対してLiを放出させることにより行った。放電容量と充放電効率は、初回充放電試験の結果とした。
各種サポナイト複合体を導電材料として使用した場合、220mAh/g〜280mAh/gの初回放電容量を有し、導電材料としてアセチレンブラックを使用した場合の205mAh/gと比較して同等以上の性能を有することが分かった。
(4)保存試験(負極への添加)
5質量部のサポナイト複合体Aに対して、アセチレンブラックを1質量部、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を3質量部、及び黒鉛を91質量部添加して、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を用いて混練して、スラリーを得た。得られたスラリーを用いて銅箔上に塗布し、105℃で30分乾燥後、プレスを行い、負極Aを得た。サポナイト複合体B、C、D及びサポナイトEについても同様に、負極を作製し、それぞれ、負極B、C,D及びEを得た。比較として、アセチレンブラックを1質量部、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を3質量部、及び黒鉛を96質量部添加して、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を用いて混練して、得たスラリーを用いて同様の手法で負極Xを得た。
アセチレンブラックを8質量部、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を6質量部、スピネルマンガン(マンガン酸リチウム)を86質量部、混合して、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を用いて混練して、スラリーを得た。得られたスラリーを用いてアルミ箔上に塗布し、105℃で30分乾燥後、プレスを行い、正極Xを得た。
前記の各負極又は負極Xと正極Xとをそれぞれ130℃にて6時間真空乾燥後、20μmのポリプロピレン製セパレータを介して負極と正極を対向させ、電解液を注入することによりコインセルを作製した。電解液はエチルカーボネートとメチルエチルカーボネートの混合溶媒(体積比3対7)に、LiPFを1mol/L、ビニレンカーボネートを0.5質量%の濃度になるように溶解させたものを使用した。負極Aと正極Xとを用いて作製したコインセルをセルA−1とした。サポナイト複合体B、C及びDについても同様に、コインセルを作製し、それぞれ、セルA−2、セルA−3及びセルA−4とした。また、上記方法と同様にして、但し、負極Xと正極Xとを用いて標準セルを作製した。
(正極への添加)
サポナイト複合体Aの3質量部に対して、アセチレンブラックを5質量部、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を6質量部、及びスピネルマンガン(マンガン酸リチウム)を86質量部、添加して、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を用いて混練して、スラリーを得た。得られたスラリーを用いてアルミ箔上に塗布し、105℃で30分乾燥後、プレスを行い、正極Aを得た。サポナイト複合体B、C及びDについても同様に、正極を作製し、それぞれ、正極B、C及びDを得た。比較として、前記正極Xを用いた。なお、負極として前記負極Xを用いた。
前記の負極と正極をそれぞれ130℃にて6時間真空乾燥後、20μmのポリプロピレン製セパレータを介して対向させ、電解液を注入することによりコインセルを作製した。電解液はエチルカーボネートとメチルエチルカーボネートの混合溶媒(体積比3対7)に、LiPFを1mol/L、ビニレンカーボネートを0.5質量%の濃度になるように溶解させたものを使用した。正極Aと負極Xとを用いて作製したコインセルをセルC−1とした。サポナイト複合体B、C及びDについても同様に、コインセルを作製し、それぞれ、セルC−2、セルC−3及びセルC−4セルとした。また、上記方法と同様にして、但し、負極Xと正極Xとを用いて標準セルを作製した。
(保存条件)
セルA−1〜4、セルC−1〜4及び標準セルのそれぞれに対して、25℃の恒温槽内に入れた後、電圧が4.2V、電流が0.46mAの定電流定電圧充電にて0.0046Vまで充電し、その後、0.46mAの電流で2.7Vとなるまで放電した。次に、各セルに対して、電圧が4.2V、電流が0.46mAの定電流定電圧充電にて0.0046Vまで充電し、充電容量(放置前の初回充電容量)を得た。充電後の各セルを60℃の恒温槽内に入れ、7日間静置した。静置後の各セルに対して、0.46mAの電流で2.7Vとなるまで放電させて、放電容量(7日間放置後の初回放電容量)を得た。(7日間放置後の初回放電容量)/(放置前の初回充電容量)を容量維持率とした。
各々のセルの容量維持率を比較した結果、セルA−1〜4は標準セルと比較して容量維持率が0.5%向上した。また、セルC−1〜4は標準セルと比較して容量維持率が5%向上した。
(5)成膜性
上記の負極A〜D、正極A〜Dについて、成膜性を目視にて観察した。負極A〜C、正極A〜Cについては凹凸なく、良好な成膜性を示した。一方、負極D及び正極Dについては、凹凸が見られる結果となった。
Figure 0006455123
表1、電池評価及び成膜性評価から分かるように、体積平均粒子径が10μm以下のアルミニウムケイ酸塩を導電材料として用いることにより、リチウムイオン二次電池の電気特性及び寿命特性を向上させ得ることがわかった。
10 炭素
20 アルミニウムケイ酸塩

Claims (9)

  1. アルミニウム(Al)に対するケイ素(Si)の元素モル比Si/Alが2〜50であるサポナイトと、前記サポナイトの表面に配置される炭素と、を有し、体積平均粒子径が20μm以下であるアルミニウムケイ酸塩複合体を含むリチウムイオン二次電池用導電材料。
  2. 前記アルミニウムケイ酸塩複合体における炭素含有比率が、0.1質量%〜50質量%である請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用導電材料。
  3. 前記アルミニウムケイ酸塩複合体のラマンスペクトル解析から得られるR値が、0.1〜5.0である請求項1又は請求項2に記載のリチウムイオン二次電池用導電材料。
  4. 前記アルミニウムケイ酸塩複合体の粉体抵抗率が、0.001Ω・cm〜100Ω・cmである請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用導電材料。
  5. 請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用導電材料と、負極活物質と、結着剤と、を含有するリチウムイオン二次電池負極形成用組成物。
  6. 請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用導電材料と、正極活物質と、結着剤と、を含有するリチウムイオン二次電池正極形成用組成物。
  7. 集電体と、前記集電体上に設けられ、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用導電材料及び負極活物質を含有する負極層と、を有するリチウムイオン二次電池用負極。
  8. 集電体と、前記集電体上に設けられ、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用導電材料及び正極活物質を含有する正極層と、を有するリチウムイオン二次電池用正極。
  9. 請求項に記載のリチウムイオン二次電池用負極及び請求項に記載のリチウムイオン二次電池用正極のうち少なくとも一方を備えるリチウムイオン二次電池。
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