JP2019070454A - 床下空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従前まで秀でた成果を上げてきた冬季の床暖房技術を活かした上、夏季の冷房をより経済的に実現化し、年間を通じて快適且つ経済性に優れた新たな空調システム技術を提供する。【解決手段】床組8の床下空間9内に、同床下空間9内の上位に配され、床組8の凹凸下面を平滑面状に仕切る整流膜2、および、同床下空間9内の該整流膜2よりも下方に所定間隔を隔てて、水平状に仕切る断熱壁3が設けられ、同床下空間9が、床組8の凹凸下面と該整流膜2との間の上層保温空間4、該整流膜2と該断熱壁3との間の中層暖気空間5、および、該断熱壁3と同断熱壁3下の地盤面GSとの間の下層恒温空間6とに夫々隔離され、該中層暖気空間5には、室外に設置された暖気供給装置50の暖気管51が接続され、該下層恒温空間6には、室内70の側壁72および天井壁73の少なくとも何れか一方に繋がる恒温気管62が接続されてなる床下空調装置1である。【選択図】図1

Description

この発明は、木造住宅等に代表される建築の分野、およびそれに関連するあらゆる分野、即ち、素材を調達、供給する建築資材の分野は固よりのこと、それらを施工するための機械器具やそれら機械器具を製造する加工機械の分野から、加工機械に必要となる各種パーツおよびそのための金属材料、プラスチック等各種素材の分野、それらに組み込まれる電子分品やそれらを集積した制御機器の分野、各種計測器の分野、加工機械を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である原子力や電気、オイルの分野といった一般的に産業機械として総称される分野に包含される分野まで、そしてそれら建築資材や施工機械器具、そのための工作機械を試験、展示、販売、輸出入、ならびに使用する分野、将又、それら施工機械器具や工作機械の作動に伴って発生する廃棄物を回収、運搬する回収、輸送の分野、廃棄物を効率的に再生利用するリサイクル分野、あるいは現時点で想定できない新たな分野までと、関係しない技術分野はない程である。
(着目点)
最近の住宅建築需要は、景気を反映して落ち込んでいるだけではなく、住宅を必要とする多くの施主が、それまでの施工業者任せの姿勢から脱却し、経済性は固よりのこと、その構造、機能上についても明確な主義、主張を持ちはじめ、それら主義、主張に基づいた十分な査定をすることもあって、購入にも慎重さが加わってきており、そのため、住宅関連業界では、それまでの格好の良さや最先端設備を組み込んで一見快適な生活が実現されるかの如き錯覚を起こさせるようにした住宅内容だけでは、これら施主を説得できないものと予見し、構造強度や経済性については勿論のこと、快適な生活を実現するために必要な各種機能上の対策についても、これまで以上の見直しを迫られ、その実現化のために各方面で様々な開発、研究が進められてきている。
例えば、住宅の快適さを維持する上で重要な要素の一つである暖冷房対策、特に東北や北関東、本州の山間部地方のように、北海道程の極端な寒さではないがために中途半端な対応で済まされてきていた地域での冬期間の暖房対策については、一頃のような高気密、高断熱構造とするために高価な費用を掛けた上に、高価な設備を組み込んで集中暖冷房を取り入れ、建築費だけではなく維持費についてまでも経済的な負担が掛かってしまうような対策では、昨今の厳しい経済状況の下での需要に対処しきれているとは言えず、建築費は固よりのこと、特に維持費について如何に経済的な配慮をするかが、今後の住宅建築において極めて重要な課題になってくるものと予想される。
(従来の技術)
こうした課題に対処しようとして、公的な助成金まで付けたソーラーハウスの奨励策等も実施化され始めているものの、現実的には初期投資が掛かり過ぎることに加え、冬期間の天候不順の問題があって、このシステムは、暖房を必要とする地域に必ずしも適しておらず、殆ど普及をみていないのが実情であり、そのため、これら改善を必要とする地域において、現状で最も実用的なエネルギー源とされる灯油を使った暖房システム、但し従前からのファンヒーターやクリーンヒーター等を使って局所暖房をするというのではなく、それら極めて安価に入手できる温風暖房機を熱源に利用しつつ、より効率的に暖房する新たな方式による暖房システムを、本願出願人、発明者において、既に提案済みとなっている。
それは、建築物内外の適所に設置された温風暖房機からの温風の一部または全部をその部屋の床面の下に予め用意した暖気空間に誘導し、建造物の床面からの暖房、即ちフロアヒーティングを実現化し、さらに、該床面の下の暖気空間に温風暖房機からの温風を誘導する技術の実用化に伴って明らかとなってきた、例えば根太や大引などの床面下の下向き凹凸形状部分が、前記暖気空間内に送り込まれた暖気の流動性が妨げ、暖気が広範囲に万遍なく行き渡らせることができないという欠点を解消すべく、下記の特許文献1(1)の床構造部の構造部材として所定間隔置きに配される、少なくとも根太または根太相当部材の下面相互間に渡って薄膜材を張り巡らしてなるものとした「床暖房用床組み」を開発済みであり、これによって限られた熱量のファンヒーターやクリーンヒーター等の局所用暖房器具類を使用した場合であっても、暖気を広域まで均質に達しさせることが可能となり、従前の電熱ヒーターをフロアに埋入したタイプのものや、パイピングをしてスチームを通すタイプによるもの等に比較して遥かに経済的且つ理想的な暖房システムを実現化し得るということを確認済みとしている。
(1)特許第3884731号公報
(問題意識)
本願出願人、発明者が、これまで開発を進めてきた床暖房システムの技術は、建築物の間取りや床面の下の形状などに影響を受けることなく、冬期間における床暖房を均質化すると共に、低燃費の局所用暖房器具類を熱源として利用し、従前の電熱ヒーターをフロアに埋入したタイプのものや、パイピングをしてスチームを通すタイプによるもの等に比較して遥かに経済的なものとするものであったが、従前までのように土台以上の高さに暖房空間を確保するよう床面を嵩上げすると、室内の天井がその分、低くなってしまうという欠点が生じてしまう上、床面下に張り巡らせた薄膜材が形成する暖気空間が、暖気空間より下方の地盤面付近に存在する冷気の、室内への上昇、通気を防ぐという冬季には有利に働く性質が、夏季には、床下空間との熱交換による室温冷却効果を望めなくなり、夏季の冷房を従前までの室内機と室外機とからなる空気調和機にのみ頼ると、高熱費が悪化してしまう虞があった。
(発明の目的)
そこで、この発明は、従前まで秀でた成果を上げてきた冬季の床暖房技術を活かした上、夏季の冷房を、より一層経済的に実現化するようにし、年間を通じて快適且つ経済性に優れた新たな空調システム技術の開発はできないものか、との判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の床下空調装置を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の床下空調装置は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、床組の床下空間内に、同床下空間内の上位に配され、床組の凹凸下面を平滑面状に仕切る整流膜、および同床下空間内の該整流膜よりも下方に所定間隔を隔てて、水平状に仕切る断熱壁が設けられ、同床下空間が、床組の凹凸下面と該整流膜との間の上層保温空間、該整流膜と該断熱壁との間の中層暖気空間、および、該断熱壁と同断熱壁下の地盤面との間の下層恒温空間とに夫々隔離され、該中層暖気空間には、室外に設置された暖気供給装置の暖気管が接続され、該下層恒温空間には、室内の側壁および天井壁の少なくとも何れか一方に繋がる恒温気管が接続されてなるものとした構成を要旨とする床下空調装置である。
この基本的な構成からなる床下空調装置は、その表現を変えて示すならば、床組の床下空間内に、同床下空間内の上位に配され、床組の凹凸下面を平滑面状に仕切る整流膜、および同床下空間内の該整流膜よりも下方に所定間隔を隔てて、水平状に仕切る断熱壁が設けられ、同床下空間が、床組の凹凸下面と該整流膜との間の上層保温空間、該整流膜と該断熱壁との間の中層暖気空間、および、該断熱壁と同断熱壁下の地盤面との間の下層恒温空間とに夫々隔離され、該中層暖気空間には、室外に設置された暖気供給装置の暖気管が接続され、該下層恒温空間には、室内の側壁および天井壁の少なくとも何れか一方に繋がる恒温気管が接続され、冬季に該中層暖気空間に暖気供給装置からの暖気を供給し、夏季に該下層恒温空間の冷気を室内に供給可能としてなるものとした構成からなる床下空調装置となる。
より具体的には、床組の床下空間内に、同床下空間内の上位に配され、床組の凹凸下面を平滑面状に仕切る整流膜、および同床下空間内の該整流膜よりも下方に所定間隔を隔てて、水平状に仕切り、少なくとも上面が平滑面状とされた断熱壁が設けられ、同床下空間が、床組の凹凸下面と該整流膜との間の上層保温空間、該整流膜と該断熱壁との間の中層暖気空間、および、該断熱壁と同断熱壁下の地盤面との間の下層恒温空間とに夫々隔離され、該上層保温空間には、室内床面に開口する通気口が設けられ、該中層暖気空間には、室外に設置された暖気供給装置の暖気管が接続され、該下層恒温空間には、室内の側壁および天井壁の少なくとも何れか一方に繋がる恒温気管が接続されてなるものとした構成からなる床下空調装ということができる。
さらに具体的なものとして示すならば、建築物の基礎立ち上がり部上の土台以上の高さに設置された複数本の大引上に、所定間隔を隔てて架設された複数本の根太およびそれら根太上に敷設された床下地板を有する床組が設けられた、少なくとも各根太および各根太相当部の下面相互間に整流膜が張設され、床下地板下面と整流膜上面との間に上層保温空間が設けられ、各大引の下面よりも下方となる該床組下の地盤面の上面から、基礎立ち上がり部および土台の上面以下の何れの高さまでの内周壁に沿って囲繞する断熱素材製の周囲断熱壁、および、該周囲断熱壁の上端間に架設された断熱素材製の天面断熱壁からなり、該整流膜の下面と天面断熱壁の上面との間に、中層暖気空間が設けられ、地盤面の上面と天面断熱壁の下面との間に下層恒温空間が設けられ、該上層保温空間には、室内床下地板に開口する通気口が設けられ、該中層暖気空間には、室外に設置された暖気供給装置の暖気管が接続され、該下層恒温空間には、一部が同下層恒温空間に連通された断熱素材製の地上ダクトが、建築物の直下の地盤面上に接地するよう巡らされると共に、該地上ダクトに対し、建築物の周囲の地盤面下に埋設された地下ダクトが接続された上、該地上ダクトから導出された恒温気管が、該床組上の室内に対し、同室内の床面、側壁および天井壁の少なくとも何れか一つの適所を通じて配管、接続されてなるものとした構成からなる床下空調装置となる。
以上のとおり、この発明の床下空調装置によれば、従前までのものとは違い、上記したとおりの固有の特徴ある構成から、床組下の上層保温空間が、床組上の室内に面する床面の保温性と断熱性とを高めるものとなり、中層暖気空間に、室外に設置された暖気供給装置からの暖気が万遍なく行き渡り、整流膜を介して上層保温空間を暖め、床組上の室内の床面を隅々まで片寄り無く、均質に加温し、秀でた床暖房を可能とするものとなり、該中層暖気空間に対し、断熱壁を介在して隔絶された下層恒温空間内には、外気温の熱的影響を最小限に留め、地盤面に晒されることにより、年間を通じて、夏は外気温より大幅に低温となり、冬季は外気温に比較して大幅に温かく保持された空気を、恒温気管を通じて室内の空間に流入するようにしてあることから、各上層保温空間、中層暖気空間および下層恒温空間を統合的に利用することができるものとなり、従前までの床暖房装置に比較して、より低燃費で経済的に年間を通じた空調を実現化することができるという格段の効果が得られるものである。
加えて、室内の床面を嵩上げすることなく床下空間内に設置することを可能にしており、床組の床下空間内の上位に配される上層保温空間と、中位に配される中層暖気空間とを仕切る整流膜が、該床組の凹凸下面を平滑面状に仕切るよう張設されたものとなっているから、暖気供給装置から中層暖気空間へ流入される暖気が、床組の凹凸下面に干渉し、その流動性を妨げられてしまうのを効果的に防止し、中層暖気空間の全域に渡って速やか且つ円滑に万遍なく暖気を行き渡らせ、床暖房の効率を大幅に高めることができると共に、暖気供給装置を高燃費運転することが可能となり、より小型且つ小出力の暖気供給装置であっても秀でた暖房能力を発揮できるものにするという利点がある。
さらに、床組の床下空間内の中位に配される中層暖気空間と、下位に配される下層恒温空間とを仕切る断熱壁の、少なくとも上面が平滑面状とされたものとすることにより、暖気供給装置から中層暖気空間へ流入される暖気の流動性を阻害することなく促進し、より一段と均質な床暖房を実現化することとなり、しかも、該断熱壁が、中層暖気空間と下層恒温空間との間を高断熱状態に区画するから、冬季における下層恒温空間内で地盤面がわから熱的影響を受けた空気が、暖房中の中層暖気空間内の暖気の熱量を奪ってしまうのを、より確実に阻止できるようにした上、夏季には、日差しなどを受けて高温となった室内および床面から、上層保温空間および中層暖気空間を経て、下層恒温空間内の空気が加熱されてしまうのを効果的に防止し、下層恒温空間内の地盤面がわからの熱的影響を受けて冷却された冷気を、恒温気管を通じて床組上の室内に供給し、空気調和機の使用を不要化となし、または、空気調和機の使用頻度や消費電力量などを大幅に削減し、年間を通じて一段と経済的な空調を実現化することができるものとなす。
そして、上層保温空間に、室内床面に開口する通気口が設けられたものとすることにより、暖気供給装置から中層暖気空間へ流入される暖気から、整流膜を介して上層保温空間および室内床面へと伝わる伝達熱、伝導熱および輻射熱による床暖房に留まらず、上層保温空間から床面の通気口を通じ、上層保温空間内の暖気が室内に直接流入するようになり、室内空間をも、より効率的に暖房可能なものとすることができて一層経済性に優れた運転を可能なものとする。
また、下層恒温空間を仕切る断熱壁が、周囲を囲繞する断熱素材製の周囲断熱壁、および、該周囲断熱壁の上端間に架設された断熱素材製の天面断熱壁からなるものとされたものによると、下層恒温空間内の空気が、外気からより効果的に熱的に隔絶され、下層恒温空間の断熱、保温性を格段に高め、夏の冷房および冬の暖房など、年間を通じた空調運転の経済性を大幅に高めたものとすることができる。
下層恒温空間にあって、一部が同下層恒温空間に連通された断熱素材製の地上ダクトが、建築物の直下の地盤面上に接地するよう巡らされると共に、該地上ダクトに対し、建築物の周囲の地盤面下に埋設された地下ダクトが接続された上、該地上ダクトから導出された恒温気管が、該床組上の室内に対し、同室内の床面、側壁および天井壁の少なくとも何れか一つの適所を通じて配管、接続されてなるものによると、該地上ダクトおよび地下ダクト内の空気が、外気から一層効果的に隔絶され、しかもより一段と地盤面上および地盤面下からの熱的影響を受けた空気を下層恒温空間内に取り込むことができ、年間を通じた室内の空調を、より格段に効率的且つ経済性に秀でたものとすることができる。
地下ダクトが、同地下ダクトから導出されたバイパス管が、下層恒温空間および地上ダクトを経ることなく、該床組上の室内に対し、同室内の床面、側壁および天井壁の少なくとも何れか一つの適所を通じて配管、接続されるようにしたものでは、地下ダクト内の空気を、よりダイレクトに室内に供給することができることとなり、空気調和機などから送出される冷気や暖気に比較し、人体に優しく、自動制御などを用いなくとも、冷え過ぎや熱し過ぎたりするのを確実に防止できるものとする上、年間を通じた暖房および冷房の低燃費化を、より効果的に達成することができる。
さらに、恒温気管、地下ダクト、地上ダクト、暖気管、および、各吸気口、各排気口の少なくとも1箇所に、送気用ファンが配されるようにしたものでは、暖気供給装置の送風力や空気の温度差による上昇気流の発生などが望めない配管などにあっても、強制的に送気することを可能にすることから、より優れた空調を実現化することができることになって一層効率的な運転を可能にするという大きな特徴が得られる。
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
設置対象となる建築物は、木造軸組構造、および、2×4または2×6などのパネル工法によるものなどの外、室内床下に床下空間が確保されたあらゆる建築物を対象とするものとすることができ、床組は、例えば、木造軸組構造の建築物の場合には、基礎、および、該基礎立ち上がり部上に設置された土台、根太組みをするための大引が、大抵90cm間隔で横設されたものとすることが可能であり、パネル工法のように大引を採用しない構造のものの場合には、それら工法における構造用の床パネル自体を先の大引相当部材と看做すことができる。
上層保温空間は、床下空間内の最上位に位置し、直下に配された中層暖気空間の暖気から伝わる熱を保温可能とすると共に、直上の室内の気温を保温可能とする機能を担い、該室内の床面の断熱性を確保可能なものとすべきであり、床組の床下地板の下面壁と、該床下地板より下方に有る凹凸下面間に張設されて平滑面状に仕切る整流膜上面壁との間に形成された空間とすることができる。
整流膜は、床組の床下空間内における、床組の凹凸下面と該整流膜との間に、上層保温空間を確保可能とすると共に、床組の凹凸下面を、中層暖気空間に流動する暖気流の流れを阻害しないよう平滑面状に仕切る機能を担うものであり、特に素材は限定されず、その材質強度や取扱い性、経済性等を勘案し、その代表的なものとして、例えば和紙や不織布、孔あきシート、網状体等といった通気性のある素材を単層か、適宜複層に積層してなるや、プラスチックフィルムや油紙、各種コーティング紙等のような非通気性の素材を単層か、適宜複層に積層してなるもの、あるいは、和紙や不織布、孔あきシート、網状体等といった通気性のある素材と、プラスチックフィルムや油紙、各種コーティング紙等のような非通気性の素材とを適宜組合せで複層に積層してなるもの等々、例示できないものも含め殆どあらゆる素材の薄膜材を採用することができ、さらに、アルミニウム箔やアルミ蒸着シート等の熱反射機能層を形成するようにしたり、あるいは、上層および下層各下地板自体を蓄熱合板のような特殊合板を採用してなるものとすることもでき、それら平滑面機能、断熱機能に配慮すると共に、取扱い性も考慮して極力軽量化に有利なものとするのが望ましいといえる。
中層暖気空間は、床下空間内の上下間の中位に位置し、直上に配された上層保温空間との間には整流膜を介して同上層保温空間との間で、内部気流に影響を受けないよう隔離され、直下に配された下層恒温空間との間には、水平状に仕切る断熱壁を介して同下層恒温空間との間を高い断熱性を確保するよう隔離され、該床下空間内の上下間の中位層部分に、該中層暖気空間の外から供給される暖気を均質に取り込み可能とし、該上層保温空間と、その直上の床下地板を介して、床組上の床面および室内を床暖房可能とする機能を分担し、室外に設置された暖気供給装置の暖気管が接続されたものとしなければならず、該上層保温空間から、その直上の床下地板を介して熱伝達するだけでなく、当該中層暖気空間から、室内の床面や側壁などに繋がる暖気用配管を設け、必要に応じて同暖気用配管の適所に送風用ファンを設けるなどし、当該中層暖気空間の暖気を直接、室内に供給可能とされたものとすることができる。
暖気供給装置は、中層暖気空間に暖気を供給し、床組上の室内の床暖房を可能とする熱源となる機能を担っており、出来るだけ低燃費の暖房機器類とするのが望ましく、建築物の内外の適所に設置されたものとし、床暖房の対象となる部屋の室外に設置されたものとすべきであり、一般家庭用の直接暖房機である石油ファンヒーターや温水ルームヒーター、ファン付きオイルヒーター等でも十分な効果を得ることができ、後述する実施例にも示しているように、屋外に設置されたファンヒーターやクリーンヒーターなどの局所暖房用の温風暖房機とするのが望ましい。
下層恒温空間は、床下空間内の上下間の最下位に位置し、直上に配された中層暖気空間との間には、水平状に仕切る断熱壁を介して同中層暖気空間との間の断熱性および気密性を確保され、同断熱壁下と地盤面との間に、該地盤に冷却された空気を留め、該下層恒温空間に留めた冷気を床組上の室内に供給可能とする機能を担い、該下層恒温空間と室内とを繋ぐ恒温気管が設けられたものとすべきであり、同恒温気管の中途部適所に、送気用ファンが配されたものとすることができる。
床下空間内の地盤面は、建築物の床組8の床下空間の下がわに対応する地盤ということができ、布基礎の場合の地表面、布基礎の場合の地表面に敷設された防水シート、べた基礎の底版、および、該べた基礎の底版の上面などの外、床下空間の下がわにあって地盤面に相当するものなどとすることが可能である。
断熱壁は、床組の床下空間内における、地盤面上の所定高さ位置に設定される中層暖気空間の底部を断熱性を有して仕切り、地盤面上の空間を中層暖気空間の底部と隔離し、中層暖気空間に流入する暖気の熱を、地盤面上の年間を通じて温度が略一定に安定している空気が奪ってしまわないよう断熱する機能を担っていて、中層暖気空間の直下となる水平壁状範囲に、高断熱性を確保可能なものとしなければならず、独立発泡樹脂素材製のフォーム材、樹脂板、木板、合板、それらが適宜組み合わせられた積層断熱壁、および、それらの何れかに、グラスファイバー層、連続発泡樹脂層などが積層された積層断熱壁の何れかからなるものとされたものとすることができ、アルミニウム箔やアルミ蒸着シート等の熱反射機能層を形成するようにしたり、あるいは、上層および下層各下地板自体を蓄熱合板のような特殊合板を採用してなるものとすることもでき、それら平滑面機能、断熱機能に配慮すると共に、取扱い性も考慮して極力軽量化に有利なものとするのが望ましく、後述する実施例にも示すように、床組下の地盤面の上面から、基礎立ち上がり部および土台の上面以下の何れの高さまでの内周壁に沿って囲繞する断熱素材製の周囲断熱壁、および、該周囲断熱壁の上端間に架設され、少なくとも上面が平滑面状とされた天面断熱壁からなるものとすることができる。
天面断熱壁は、その上下面の中、少なくとも上面が平滑面形状とされたものにすべきであり、上面に樹脂フィルム、アルミニウム箔、アルミ蒸着シート、アルミラミネートシート、プラスチック薄板、樹脂塗装層、ワックス層、樹脂コーティング層、その他の空気抵抗を軽減可能、且つ断熱性を高めるフィルム状、薄板状、薄膜層状などの各種素材が積層状に一体化されたものとすることが可能であり、後述する実施例にも示しているように、基礎立ち上がり部上に搭載された土台に対して、例えばボルト止め、ネジ、釘などによって取り付けられたL字断面形の取付金具類を介し、基礎立ち上がり部の配壁に当接された天面断熱壁の端縁部を吊り提げ状に取り付けられたものとすることができる。
下層恒温空間の地上ダクトは、下層恒温空間の特に地盤面の表面付近に漂って、地盤面に接触し、地盤面の温度と略同じ温度に保たれている空気を、地盤面に接触しながら蛇行状に流動可能とする流路状に囲い込み、地盤面と地上ダクトとが囲む回路内を、下層恒温空間内の空気から、バイパス管を介するなどして連通する一部を除き、隔絶状とする機能を担い、該地上ダクトは、恒温気管を通じて、該床組上の室内に接続されたものとすることができ、平面蛇行状の配設形状の外、平面渦巻き状や平面ジグザグ状、平面星型径状、放射線形状、平面迷路形状など、様々な平面形状に配置されたものとすることが可能であり、合成樹脂製、木製、コンクリート製、その他の素材製のものとすることが可能であり、後述する実施例に示されるように、U字溝の上下を反転させた状態に設置されたものとすることが可能である。
地下ダクトは、建築物の周囲の地盤面下の地下温度に晒され、地下温度と略同じ温度に保たれた空気を、地上ダクト内、および下層恒温空間内であって同地上ダクト外に、誘導可能とする機能を分担し、より外気の熱的影響を受けず、地下温度に保たれた空気を、地上まで誘導し、床組や床面、側壁、天井壁などの少なくとも何れか適所を通じて室内まで供給可能とするものとしなければならず、床組下に対応する地盤面下に埋設されたものとすることができる外、後述する実施例に示して有るとおり、建築物の周囲の地盤面下に埋設されたものとすることが可能であり、バイパス管などを通じて室内まで誘導可能とするものとすべきである。
送気用ファンは、建築物を流通する空気の循環を促し、この発明の床下空調装置による空気調和機能を促進、効率化可能とする機能を担うものであり、恒温気管、地下ダクト、地上ダクト、暖気管、および、各吸気口、各排気口の少なくとも1箇所に配されたものとするのが良く、軸流ファン、延伸ファン、斜流ファン、横流ファン、換言すると、各種プロペラ型、シロッコ型、ターボ型、クロスフロー型などのファンとすることが可能であり、暖気供給装置の運転や停止に応じて起動、停止するように設定されたものや、上層保温空間、中層暖気空間、下層恒温空間、通気口、暖気管、恒温気管、地上ダクト、バイパス管および地下ダクトなど何れか適所の気温を測定し、適所の気温が所定温度に達した場合に起動し、別の所定温度に達したときに停止するよう設定されたもの、または、常時駆動型のものなどとすることができ、適宜整流翼類や保護枠などを有するものとすることが可能である。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
図面は、この発明の床下空調装置の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
建築物を断面化して床下空調装置を示す斜視図である。 床下空調装置の要部を示す斜視図である。 整流膜の配置が変更された床下空調装置を示す斜視図である。 整流膜の配置が変更された床下空調装置の要部を示す斜視図である。
図1および図2に示す事例は、床組8の床下空間9内に、同床下空間9内の上位に配され、床組8の凹凸下面を平滑面状に仕切る整流膜2、および、同床下空間9内の該整流膜2よりも下方に所定間隔を隔てて、水平状に仕切る断熱壁3が設けられ、同床下空間9が、床組8の凹凸下面と該整流膜2との間の上層保温空間4、該整流膜2と該断熱壁3との間の中層暖気空間5、および、該断熱壁3と同断熱壁3下の地盤面GSとの間の下層恒温空間6とに夫々隔離され、該中層暖気空間5には、室外に設置された暖気供給装置50の暖気管51が接続され、該下層恒温空間6には、室内70の側壁72および天井壁73の少なくとも何れか一方に繋がる恒温気管62が接続されてなるものとした、この発明の床下空調装置1における代表的な一実施例を示すものである。
それら各図からも明確に把握できるとおり、この発明の床下空調装置1の設置対象となる建築物7の一例を示すならば、基礎立ち上がり部80上に土台82,82,……が固定され、開口部や耐力壁などの配置に応じた所定箇所には、柱(図示していない)が立設され、これら土台82,82,……以上の高さ位置に複数本の大引83,83,……が、互いに90cmの間隔を隔てて平行するよう掛け渡され、両端および中途適所が、大引受け(図示せず)や床束84,84,……などに支持され、各大引83,83,……上に、各大引83,83,……に直交状の配置となり、45cmの間隔を隔てて平行する複数本の根太85,85,……が架設され、それら根太85,85,……上に、合板製、発泡樹脂製、木板製、その他の床下地板86,86,……が敷設された床組8が設けられている。
こうした床組8は、根太85,85,……が、下方に垂れ下がり状に突出された形状となり、各根太85,85,……に交差する気流の水平方向の円滑な流れを妨げてしまうため、そうした弊害を排除するための有効な手段として、この発明の整流膜2として、入手が容易で安価でもある厚さ約0.8mm程度のプラスチックフィルム2を各根太85,85,……の下面相互間に張り巡らすようにしてなり、該整流膜2は、各大引83,83,……の上面と、各根太85,85,……の下面との間に挟み込むように張設されたものとすることができる外、各大引83,83,……の間に下向きに露出する各根太85,85,……の下面相互間に、各大引83,83,……の間隔に相当する約90cm幅の、望ましくは各大引83,83,……の間隔を僅かに超える約100cm幅の整流膜2としてのプラスチックフィルム2が張設され、各大引83,83,……との隙間が、粘着剤、粘着テープ、ネイルガンその他の資材や工具類などで密閉状に固定されるなどして各整流膜2の下面が弛まず、各根太85,85,……の下面に平行状の姿勢を維持可能とするよう張設され、床下地板86の下面と整流膜2,2,……の上面との間に、上下間寸法が40ないし60mmの上層保温空間4が設けられたものとされている。
整流膜2は、各根太85,85,……の下面に対して、細長く薄い板状の固定枠材(図示していない)をネイルガンや釘、などで上向きに打ち込むなどしてフィルム肉厚方向に挟み込み、固定するようにしてなるものとすることが可能である外、固定部分に相当する範囲のフィルムの肉厚を大きくしたり、補強帯などを貼着したりするなどしてフィルム自体の固定部分の強度が、より高められたものとすることが可能である。
そして、断熱壁3は、各大引83,83,……の下面よりも下方となる、該床組8下の地盤面GSの上面から、基礎立ち上がり部80および土台82の上面以下の何れの高さ、例えば、地盤面GSの上面から、土台82直下付近であって基礎立ち上がり部80の上端位置から、後述する天面断熱壁31の上下厚み分を除いた高さ位置に達する高さ範囲、換言すると、地盤面GSの上面から、地盤面GSより露出する基礎立ち上がり部80の上端の5ないし20cm(天面断熱壁31の上下厚み分)下となる高さ位置に相当する外気通気口(図示せず)を除いた、同基礎立ち上がり部80の内周壁に沿って、床下空間9を囲繞する水平方向の厚みが5ないし20cmの、独立発泡樹脂、連続発泡樹脂などの断熱素材製の周囲断熱壁30,30,……が、該基礎立ち上がり部80の内周壁に対して密着状に嵌め込み、または、必要に応じて接着剤、粘着テープ、ボルト、ネジ、など適宜固定手段によって密着状に配設されたものとなっており、各周囲断熱壁30,30,……の上端間に、上下厚さ5ないし20cmの独立発泡樹脂、連続発泡樹脂などの断熱素材製であって、上下面の中、少なくとも上面が凹凸の無い(または少ない)平滑面形状とされた天面断熱壁31,31,……が、床束84,84,……や、建築物7の中央がわに配された基礎立ち上がり部80,80,……などの床組8に干渉する部分を除き、同天面断熱壁31,31,……の床束84,84,……や、建築物7の中央がわに配された基礎立ち上がり部80,80,……の側壁などに密接すると共に、同天面断熱壁31,31,……の隣接するもの同士も、互いに密接された状態に架設されている。
天面断熱壁31,31,……の基礎立ち上がり部80に当接する端部は、直上の土台82に対してボルト、ネジ、釘などによって取り付けられたL字断面形の取付け金具32,32,……を介して吊り下げ状に支持されたものとしてあり、該取付け金具32,32,……は、土台82の外、基礎立ち上がり部80、床束84、その他の適所に取り付けることが可能な外、天面断熱壁31の中央がわを、根太85、大引83および床下地板86などの床面71下構造部分の何れか適所から吊り下げた吊り具類(図示せず)を介して吊り下げ保持するよう設置されたものとしたり、地盤面GSから立ち上げた支持具類(図示せず)に支持された状態に設置されたものとしたりすることが可能であり、前記整流膜2、2,……の下面と該天面断熱壁31,31,……の上面との上下間に、中層暖気空間5が設けられ、地盤面GSの上面と天面断熱壁31,31,……の下面との間に下層恒温空間6が設けられたものとなっている。
断熱壁3の各天面断熱壁31,31,……同士、天面断熱壁31周囲断熱壁30上端同士、および、周囲断熱壁30,30,……同士の隣接するもの同士間は、互いの弾性による圧着によって密閉状となるものや、または、互いの接合端面同士の凹凸噛合形状や段差噛合形状などの噛合形状部分同士が噛合されて密閉状となるものなどとすることができる外、互いの接合縁同士の少なくとも継ぎ目に沿って、シーリング材、粘着テープ、接着剤、ネジ、ボルト、その他の適宜固定手段によって密着状に結合されたものとするのが望ましい。
該上層保温空間4には、室内床下地板86に開口するグレーチングを有する通気口40,40が設けられ、上層保温空間4内の空気が、室内床下地板86および同室内床下地板86上に敷設されたフローリングなどの床仕上げ材87を経て、室内70に通気可能なものとされており、床仕上げ材87は、例えば、プラスチックタイル、ゴム系床材などのプラスチック系床材、石材、磁気タイル、テラゾー類などの石材・セメント系床材、フローリング、コルクタイルなどの木質系床材、カーペット類からなる繊維系床材、その他のハードフロア用、ソフトフロア用の床仕上げ材87とすることが可能である。
当該中層暖気空間5には、建築物7の基礎立ち上がり部80に近接する室外に設置され、雨雪から保護する収納箱などに収納されたファンヒーターである暖気供給装置50から導出した暖気管51が接続され、該暖気供給装置50は、室内70の適所に設けられた操作パネル(図示せず)によって起動、停止、温度設定などの各制御が可能なものとされている。
さらに、当該下層恒温空間6内には、建築物7の直下の地盤面GS上に隈無く蛇行するよう、鉄筋コンクリート製の連結式排水溝であるU字溝を俯せに接地するよう配し、巡らされてなるものや、U字溝と略同形状に成型された発泡合成樹脂製の樋形状物を上下反転された姿勢に伏せて、建築物7の直下の地盤面GS上に隈無く蛇行するよう、固定状に配されたものとするなどしてなる断熱素材製の地上ダクト60が設けられ、該地上ダクト60の複数適所の肉厚に貫通し、同地上ダクト60内と、該下層恒温空間6内とを連通するバイパス管61,61が設けられ、さらに、該地上ダクト60の複数適所から、該床組8上の室内70の側壁72,72の適所、および天井壁73の適所まで夫々到達するよう、恒温気管62,62が導出され、夫々が室内70に開口する通気口67に接続されたものとされている。
また、建築物7の基礎立ち上がり部80の近傍周囲の地盤面GS下であって、基礎フーチング部81と略同等程度の深さ位置に、同基礎フーチング部81の周囲に沿うよう、鉄筋コンクリート製の概略矩形、円管形またはその他の断面形の管路形状とされた地下ダクト63が埋設され、該地下ダクト63内を縦貫し、該地下ダクト63から地中を通じて下層恒温空間6内の地上ダクト60の直下まで延伸された地下通気管64を通じて、該地下ダクト63と地上ダクト60とが接続されており、地下ダクト63内の地下温度に保たれた空気が、地上ダクト60内に流入されるものとなっている。
以上のように設けられた下層恒温空間6は、基礎立ち上がり部80の適所に開口された外気通気口(図示せず)を通じて調湿可能に通気可能な状態とされた上、周囲断熱壁30および天面断熱壁31からなる断熱壁3によって夏の高温や冬の低温の外気、太陽光熱、および、中層暖気空間5からの熱などとの断熱性が高められ、同下層恒温空間6の空気は、地盤面GSに接しており、さらに、地上ダクト60内の空気は、外気から隔絶され、地盤面GSに接するものとされ、地中に埋設された地下ダクト63内からの空気が供給されるものとされている。
該地下ダクト63の適所からは、バイパス管65が、下層恒温空間6および地上ダクト60を経ることなく、該床組8上の室内70の側壁72の床面71直上付近に開口され、通気カバーを有する通気口66に接続されたものとなっており、前述のとおり、地上ダクト60から導出され、該床組8上の室内70の側壁72の壁厚内を下方から上方に延伸され、同室内70の天井壁73の適所に開口され、通気口67に接続された恒温気管62,62は、同恒温気管62,62の、下層恒温空間6内に配置された中途適所の管路中に、常時運転型の送気用ファンFが設けられている。
(実施例1の作用・効果)
以上のとおりの構成からなるこの発明の床下空調装置1は、図1および図2に示すように、冬季に、暖気供給装置50を起動し、中層暖気空間5に暖気を供給すると、中層暖気空間5に面する整流膜2の下面、および断熱壁3の天面断熱壁31の上面が、水平且つ平滑面状のものとなっているから、中層暖気空間5を上下に貫く基礎立ち上がり部や床束84の上部など以外には暖気の流れを妨げるものがなく、特に、上昇しようとする暖気を、整流膜2が水平方向に誘導するものとなって、建築物7の床面71下の全域に、より均質に暖気を行き渡らせ、整流膜2を介して上層保温空間4の全体を均質に暖め、室内70の床面71をムラ無く暖めることができるものとなり、加えて、通気口40,40を通じ、上層保温空間4の暖められた暖気が床面71上にゆっくりと流出し、室内70の空気を暖めることができる。
さらに、恒温気管62,62に設けられ、常時運転されている送気用ファンF,Fが、下層恒温空間6、地上ダクト60および地下ダクト63の、冬季に外気よりも温かい空気を、天井壁73の通気口67から室内70に強制的に供給し、室内70の空気を暖めることができるから、中層暖気空間5から床面71に伝わる床暖房と相俟って頭寒足熱の身体に優しい暖房を実現化することができ、夏季には、外気よりも冷たい空気を、天井壁73の通気口67から室内70に強制的に供給し、夏季の冷房を不要化するようにしたり、冷房の消費電力を大幅に削減したりすることが可能となる。
そして、地下ダクト63から延びるバイパス管65が通気口66に接続され、室内70の側壁72の床面71直上付近から同室内70に、地下ダクト63内の空気が直接的に供給されるものとなることから、暖房器具から発生する乾燥した空気とは異なる、地下由来の湿度を帯びた空気が供給されることとなり、身体、特に気管や肌などに、より自然で優しく、しかも夏の冷房、冬の暖房のランニングコストを格段に低廉化することを可能にするという衛生環境上からも経済効果上からも非常に有利なものとすることができる。
図3および図4に示す事例は、前記実施例1に示した床下空調装置1の整流膜2の取り付け位置を、さらに下位に配されたものであり、それ以外の基本適な構成は、記前記実施例1と同一のものとされており、記前記実施例1と異なる部分についてだけを説明することとし、記前記実施例1と同一構成部分については、同一符号を付したものとすることによって説明の重複を避けることとする。
当該床下空調装置1の設置対象となる建築物7の床組8は、基礎立ち上がり部80上に土台82,82,……が固定され、これら土台82,82,……以上の高さ位置に複数本の大引83,83,……が、互いに90cmの間隔を隔てて平行するよう掛け渡され、両端および中途適所が、大引受け(図示せず)や床束84,84,……に支持され、各大引83,83,……上に、45cmの間隔を隔てて平行する複数本の根太85,85,……が架設され、それら根太85,85,……上に、合板製、発泡樹脂製、木板製、その他の床下地板86,86,……が敷設されている。
そして、各大引83,83,……は、下方に垂れ下がり状に突出された形状となり、各大引83,83,……に交差する気流の水平方向の円滑な流れを妨げてしまうため、そうした弊害を排除するのに有効な手段として、この発明の整流膜2として、入手が容易で安価でもある厚さ約0.8mm程度のプラスチックフィルム2を各大引83,83,……の下面相互間に張り巡らすようにしてなり、該整流膜2は、各大引83,83,……の間隔に相当する約90cm幅の、望ましくは各大引83,83,……の間隔を僅かに超える約100cm幅の整流膜2としてのプラスチックフィルム2が張設され、各大引83,83,……との隙間が、粘着剤、粘着テープ、ネイルガンその他の資材や工具類などで密閉状に固定されるなどして各整流膜2の下面が弛まず、各大引83,83,……の下面に平行状の姿勢を維持可能とするよう張設され、床下地板86の下面と整流膜2,2,……の上面との間に、上下間寸法が14ないし20cmの上層保温空間4が設けられたものとされている。
この整流膜2は、各大引83,83,……の下面に対して、細長く薄い板状の固定枠材(図示していない)をネイルガンや釘、などで上向きに打ち込むなどしてフィルム肉厚方向に挟み込み、固定するようにしたものにすることが可能である。
(実施例2の作用・効果)
この発明の床下空調装置1は、図3および図4に示すとおり、上層保温空間4が、床下地板86下面から、根太85,85,……を挟み、大引83,83,……の下面までの上下間範囲に設定され、中層暖気空間5が、大引83,83,……の下面相互間に張設された整流膜2の下面から、その下方に所定間隔を隔てて配された断熱壁3の天面断熱壁31の上面までの上下間範囲に設定されており、暖気供給装置50から中層暖気空間5に流入された暖気が、大引83,83,……の下方に突出する形状部分に干渉することなく、該整流膜2の下面に円滑に誘導され、同中層暖気空間5の全域に、より速やか且つ万遍なく行き渡るものとなり、さらに、効率的な床暖房を可能とするものとなる。
加えて、大引83,83,……の下面相互間に整流膜2が張設されているから、前記実施例1の図1および図2に示したものよりも、中層暖気空間5の上下間寸法が、大引83,83,……の上下間寸法分だけ狭くなり、より上下厚寸法の少ない空間とされたものになることから、暖気供給装置50の暖房空間を小さくし、より高燃費の床暖房とすることが可能となる。
(結 び)
叙述の如く、この発明の床下空調装置は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からの床暖房用の床組の技術に比較して大幅に床暖房効率を高めることができる上、地盤面付近の恒温の空気を利用し、年間を通じて、より自然な冷気、暖気、湿度などを室内に取り入れることが出来るものとなり、一年中の空調運転を、従前までよりも遥かに経済的なものとすることができる上、新築、改築を問わず、室内空間を減少させてしまうようなこともなく設置可能として、設置作業性を大幅に改善し得るものとしており、建築業界および住宅設備業界は固より、室内空間の減少を懸念して床暖房の導入を断念してきた一般家庭においても高く評価されこととなり、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
1 床下空調装置
2 整流膜
3 断熱壁
30 同 周囲断熱壁
31 同 天面断熱壁
32 同 取付け金具
4 上層保温空間
40 同 通気口
5 中層暖気空間
50 同 暖気供給装置
51 同 暖気管
6 下層恒温空間
60 同 地上ダクト
61 同 バイパス管
62 同 恒温気管
63 同 地下ダクト
64 同 地下通気管
65 同 バイパス管
66 同 通気口
67 同 通気口
F 送気用ファン
7 建築物
70 同 室内
71 同 床面
72 同 側壁
73 同 天井壁
8 床組
80 同 基礎立ち上がり部
81 同 基礎フーチング部
82 同 土台
83 同 大引
84 同 床束
85 同 根太
86 同 床下地板
87 同 床仕上げ材
9 床下空間
GS 地盤面


Claims (10)

  1. 床組の床下空間内に、同床下空間内の上位に配され、床組の凹凸下面を平滑面状に仕切る整流膜、および同床下空間内の該整流膜よりも下方に所定間隔を隔てて、水平状に仕切る断熱壁が設けられ、同床下空間が、床組の凹凸下面と該整流膜との間の上層保温空間、該整流膜と該断熱壁との間の中層暖気空間、および、該断熱壁と同断熱壁下の地盤面との間の下層恒温空間とに夫々隔離され、該中層暖気空間には、室外に設置された暖気供給装置の暖気管が接続され、該下層恒温空間には、室内の側壁および天井壁の少なくとも何れか一方に繋がる恒温気管が接続されてなるものとしたことを特徴とする床下空調装置。
  2. 床組の床下空間内に、同床下空間内の上位に配され、床組の凹凸下面を平滑面状に仕切る整流膜、および同床下空間内の該整流膜よりも下方に所定間隔を隔てて、水平状に仕切る断熱壁が設けられ、同床下空間が、床組の凹凸下面と該整流膜との間の上層保温空間、該整流膜と該断熱壁との間の中層暖気空間、および、該断熱壁と同断熱壁下の地盤面との間の下層恒温空間とに夫々隔離され、該中層暖気空間には、室外に設置された暖気供給装置の暖気管が接続され、該下層恒温空間には、室内の側壁および天井壁の少なくとも何れか一方に繋がる恒温気管が接続され、冬季に該中層暖気空間に暖気供給装置からの暖気を供給し、夏季に該下層恒温空間の冷気を室内に供給可能としてなるものとしたことを特徴とする床下空調装置。
  3. 床組の床下空間内に、同床下空間内の上位に配され、床組の凹凸下面を平滑面状に仕切る整流膜、および同床下空間内の該整流膜よりも下方に所定間隔を隔てて、水平状に仕切り、少なくとも上面が平滑面状とされた断熱壁が設けられ、同床下空間が、床組の凹凸下面と該整流膜との間の上層保温空間、該整流膜と該断熱壁との間の中層暖気空間、および、該断熱壁と同断熱壁下の地盤面との間の下層恒温空間とに夫々隔離され、該上層保温空間には、室内床面に開口する通気口が設けられ、該中層暖気空間には、室外に設置された暖気供給装置の暖気管が接続され、該下層恒温空間には、室内の側壁および天井壁の少なくとも何れか一方に繋がる恒温気管が接続されてなるものとしたことを特徴とする床下空調装置。
  4. 建築物の基礎立ち上がり部上の土台以上の高さに設置された複数本の大引上に、所定間隔を隔てて架設された複数本の根太およびそれら根太上に敷設された床下地板を有する床組が設けられた、少なくとも各根太および各根太相当部の下面相互間に整流膜が張設され、床下地板下面と整流膜上面との間に上層保温空間が設けられ、各大引の下面よりも下方となる該床組下の地盤面の上面から、基礎立ち上がり部および土台の上面以下の何れの高さまでの内周壁に沿って囲繞する断熱素材製の周囲断熱壁、および、該周囲断熱壁の上端間に架設された断熱素材製の天面断熱壁からなり、該整流膜の下面と天面断熱壁の上面との間に、中層暖気空間が設けられ、地盤面の上面と天面断熱壁の下面との間に下層恒温空間が設けられ、該上層保温空間には、室内床下地板に開口する通気口が設けられ、該中層暖気空間には、室外に設置された暖気供給装置の暖気管が接続され、該下層恒温空間には、一部が同下層恒温空間に連通された断熱素材製の地上ダクトが、建築物の直下の地盤面上に接地するよう巡らされると共に、該地上ダクトに対し、建築物の周囲の地盤面下に埋設された地下ダクトが接続された上、該地上ダクトから導出された恒温気管が、該床組上の室内に対し、同室内の床面、側壁および天井壁の少なくとも何れか一つの適所を通じて配管、接続されてなるものとしたことを特徴とする床下空調装置。
  5. 地下ダクトが、同地下ダクトから導出されたバイパス管が、下層恒温空間および地上ダクトを経ることなく、該床組上の室内に対し、同室内の床面、側壁および天井壁の少なくとも何れか一つの適所を通じて配管、接続されてなるものとした、請求項4記載の床下空調装置。
  6. 整流膜は、和紙、不織布、孔あきシート、網状体等といった通気性のある素材を単層か、適宜複層に積層してなるものとされた、請求項1ないし5何れか一記載の床下空調装置。
  7. 整流膜は、プラスチックフィルムや油紙、各種コーティング紙等のような非通気性の素材を単層か、適宜複層に積層してなるものとされた、請求項1ないし5何れか一記載の床下空調装置。
  8. 整流膜は、和紙や不織布、孔あきシート、網状体等といった通気性のある素材と、プラスチックフィルムや油紙、各種コーティング紙等のような非通気性の素材とを適宜組合せで複層に積層してなるものとされた、請求項1ないし5何れか一記載の床下空調装置。
  9. 断熱壁および天面断熱壁の少なくとも何れか一方が、独立発泡樹脂素材製のフォーム材、樹脂板、木板、合板、それらが適宜組み合わせられた積層断熱壁、および、それらの何れかに、グラスファイバー層、連続発泡樹脂層などが積層された積層断熱壁の何れかからなるものとされた、請求項1ないし8何れか一記載の床下空調装置。
  10. 恒温気管、地下ダクト、地上ダクト、暖気管、および、各吸気口、各排気口の少なくとも1箇所に、送気用ファンが配されてなるものとした、請求項1ないし9何れか一記載の床下空調装置。

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