JP3215580U - 建屋の床暖房構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】床下空間に気密性を持たせたので保温性に優れており、乾式工法なので工期が短く、かつ内部布基礎が無いので通気の流動性に優れていることから建屋全体を効率的に暖房することができる建屋の床暖房構造を提供する。【解決手段】建屋1を構成する耐圧床基礎2は、地盤G上に形成するコンクリート製耐圧スラブ3の周縁に通風口を設けない外周基礎4を形成した構成からなる。耐圧スラブ3上に配置した複数のグリッドポスト8、束9と外周基礎4によって床構造体10が設置してあり、上方の部屋空間Rと下方の気密床下空間Sは床下通気孔15と部屋通気孔16によって連通している。床構造体10は下地板12、下地板12上に所定の間隔で列設した複数本のスペーサー13、スペーサー13上に敷設した耐熱フロアー材14とから構成し、スペーサー13間に放熱パイプ17が蛇行状に配設してある。【選択図】図1
Description
本考案は、部屋空間と気密床下空間との間で空気が円滑に自然対流するようにし、建屋全体を効率良く加温すると共に暖房費を節減することができる建屋の床暖房構造に関する。
戸建て住宅等の建屋の床暖房構造には、床下にモルタル、石膏・コンクリート等からなる基礎を形成し、その内部に温水が流動する配管を埋め込み、その上に仕上げ材を敷設する構成の配管埋め込み工法、床板上に放熱パイプを内設した床暖房パネルを敷設し、その上に床仕上げ材を敷設する床暖パネル敷設工法等が知られている。
また、建屋の床下構造として、コンクリート耐圧盤上に束石用柱状体(グリッドポスト)を配置して床下の空気流通を充分に図ると共に施工性をよくする耐圧盤式グリッドポスト基礎の形成工法が知られている(特許文献1)。
上述した先行技術の配管埋め込み工法は、石膏やモルタルを用いる湿式工事なので養生に期間を要するし、手待ち時間が生じる、冬期の施工が困難であるという問題、埋め込み配管のため配管トラブルの修理が大変でコストが掛るという問題、8畳間で約1,5トンの重量があるため、2階では床が撓む恐れがあるという問題、石膏又はモルタルは蓄えた熱を長時間掛けて発散するために、室内温度のコントロールに相当のタイムラグが生じるという問題、表面はカーペット敷仕上げに限定されるという問題がある。
また、床暖パネル敷設工法は、床暖パネルのコストが高いという問題、床暖パネルは定形サイズであるために小部屋に敷設できないという問題、床暖パネルは下地が無いのでフロアー釘が使用できないことからカーペット敷仕上げに限定されるという問題、床暖パネルは部屋壁から450mm以上離れて敷設するため、床暖パネルの有無によって床面にかなりの温度差が生じるという問題等がある。
本考案は上述した従来技術の種々の問題点に鑑みなされたもので、床下空間に気密性を持たせたので保温性に優れており、乾式工法なので短い工期で施工でき、かつ内部布基礎が無いので通気の流動性に優れていることから建屋全体を効率的に暖房することができる建屋の床暖房構造を提供することを目的とする。
(1)上述した課題を解決するために構成した請求項1に係る本考案の手段は、 地盤上に形成するコンクリート製耐圧スラブの周縁に通風口を設けない外周基礎を形成してなる耐圧床基礎と、前記耐圧スラブ上に適宜の間隔で配置する複数のグリッドポスト及び束と、該グリッドポスト、束及び外周基礎に支持させて設置することにより上方に部屋空間を、下方に気密床下空間を夫々画成する床構造体とからなり、該床構造体は下地板と、該下地板上に所定の間隔で列設した複数本のスペーサーと、該スペーサーに支持させて敷設する耐熱フロアー材とから構成し、前記下地板と耐熱フロアー材との間に位置して前記スペーサー間に、熱源から供給される熱媒によって放熱する放熱パイプを蛇行状に配設し、前記部屋空間のコーナー近傍の位置で、かつ互いに離間させて床下通気孔及び部屋通気孔を前記床構造体に形成することにより、該部屋空間と前記気密床下空間との間で暖気が自然対流するようにしたものからなる。
(2)そして、前記外周基礎は、外面及び内面を断熱材で被覆してあるとよい。
(3)また、前記熱源は、ガス、電気、灯油のいずれか又はその組合わせであるとよい。
(2)そして、前記外周基礎は、外面及び内面を断熱材で被覆してあるとよい。
(3)また、前記熱源は、ガス、電気、灯油のいずれか又はその組合わせであるとよい。
本考案は上述の如く構成したから下記の諸効果を奏する。
(1)通風口を設けない外周基礎とし、床下空間はグリッドポストと束を配設して内部布基礎を設けない構成とし、部屋空間と地下空間に連通する通気孔を床構造体に設けることにより、建屋内の暖気を部屋空間から気密地下空間にかけて建屋内を円滑に流動させることができる。
(2)上記(1)の効果により、建屋内の温度を平均的に保つことができるし、熱損失を抑制できるので暖房費を軽減することができる。
(3)床構造体内に放熱パイプを配設する構成にしたから、全体的な重量も軽量で床が撓むこともない。
(4)乾式施工なので工期も短く工事費も抑えることができる。
(1)通風口を設けない外周基礎とし、床下空間はグリッドポストと束を配設して内部布基礎を設けない構成とし、部屋空間と地下空間に連通する通気孔を床構造体に設けることにより、建屋内の暖気を部屋空間から気密地下空間にかけて建屋内を円滑に流動させることができる。
(2)上記(1)の効果により、建屋内の温度を平均的に保つことができるし、熱損失を抑制できるので暖房費を軽減することができる。
(3)床構造体内に放熱パイプを配設する構成にしたから、全体的な重量も軽量で床が撓むこともない。
(4)乾式施工なので工期も短く工事費も抑えることができる。
以下、本考案の実施の形態を図面に基づき詳述する。図において、1は戸建て住宅等の建屋、2は該建屋1を構成する耐圧床基礎を示す。3は該耐圧床基礎2を構成するコンクリート製の耐圧スラブで、該耐圧スラブ3は整地した地盤G上に切込砂利を敷設してコンクリートを打設し、内部に鉄筋4を埋設することにより強度性を持たせてある。5は該耐圧スラブ3の周縁に耐圧スラブ3と一体に成形した外周基礎を示し、該外周基礎5に従来技術の通気口は設けていない。
このように、該外周基礎5は従来の外周基礎と異なって通風口を設けずに耐圧スラブ3を完全に囲繞して形成することにより、後述する気密床下空間Sを形成する構造にしてある。6は外周基礎5の外面5A及び内面5Bを被覆する断熱材で、該断熱材6には例えばポリスチレンフォーム板を用いている。また、外周基礎5の上面5Cには複数本のアンカーボルト7が所定の間隔で植設してある。
かくして、コンクリート製の耐圧床基礎2は耐圧スラブ3と断熱性を持たせた外周基礎5とから構成してある。
かくして、コンクリート製の耐圧床基礎2は耐圧スラブ3と断熱性を持たせた外周基礎5とから構成してある。
8、8、・・・は耐圧スラブ3上に適宜の間隔で配置した複数個のグリッドポストで、該各グリッドポスト8は金物で耐圧スラブ3に固定してある。9、9、・・・は該各グリッドポスト8から離間して耐圧スラブ3上に適宜配置した複数本の金属製の束で、該各束9は伸縮可能に構成してある。そして、これらグリッドポスト8及び束9によって後述する床構造体10を確実に支承しており、かつ耐圧床基礎2に内部布基礎を設けない構成にすることにより、床下で大気が円滑に流動するようにしてある。
10は耐圧床基礎2との間に空隙を存して設置した床構造体を示す。11は該床構造体10を構成し、外周基礎4、グリッドポスト8及び束9間に架設してアンカーボルト7で固定した集成材からなる大引きで、該大引き11上に合板からなる下地板12が敷設してある。13、13、・・・は該下地板12上に所定の間隔で並行に配置した角材からなる複数本のスペーサーで、該各スペーサー13に支持させて耐熱フロアー材14、14、・・・が敷設してある。
かくして、床構造体10は、大引き11、下地板12、スペーサー13及び耐熱フロアー材14から構成してあり、床構造体10によって建屋1内は上方に部屋空間R、下方に気密床下空間Sが画成してある。そして、床構造体10には部屋空間Rのコーナー近傍に位置して該気密床下空間Sと部屋空間Rに連通する床下通気孔15及び部屋通気孔16が離間して形成してあり、該床下通気孔15及び部屋通気孔16によって気密床下空間Sと部屋空間Rとの間で大気が自然対流するようになっている。
17は前記スペーサー13、13、・・・の間に位置して下地板12上に蛇行状に配設した放熱パイプを示す。該放熱パイプ17は、熱伝導性に優れた銅管や、耐久性、耐熱性に優れたポリプテン製パイプ、架橋ポリエチレン製パイプ等を用いるとよい。放熱パイプ17を固定するにはアルミニュウムや銅で構成した熱伝導性テープ(図示せず。)を用いるとよい。また、放熱パイプ17にはアルミシート等の熱伝導性に優れた熱シートを被覆してもよい。
18は前記放熱パイプ17に熱媒体である温水を供給するためのガス給湯暖房用熱源機(以下、熱源機18という。)を示す。19は一端を該熱源機18に接続し、他端を放熱パイプ17に接続した温水送り配管を示し、20は一端を放熱パイプ17に接続し、他端を熱源機18に接続してある温水戻り配管を示す。21は温水を流路内で循環させるために温水送り配管19に設けた循環ポンプ、22は温水戻り配管20に設けた熱導弁を示し、該熱導弁22は部屋Rに設置した温度コントローラー23と電気的に接続してある。
このようにして、熱源機18から温水送り配管19を介して放熱パイプ17に温水が供給され、温水戻り配管20を介して熱源機18に戻る流路が形成してある。そして、熱導弁22に接続した温度コントローラー23は内部に温度センサーと制御部を内蔵しており、該温度センサーで検出した床暖房の温度が温度コントローラー23のディスプレイに表示するようにしてある。使用者が温度コントローラー23で所望の温度を設定すると温度センサーが床暖房の温度を検知し、制御部が制御信号を送って熱導弁22を開閉することにより、放熱パイプ17への温水の供給量を調節し、床暖房の温度制御を行うものである。
なお、19Aは温水送り配管19に接続した温水送り分岐管で、該温水送り分岐管19Aは後述する二階以上の高層階に温水を供給し、20Aは温水戻り配管20に接続した温水戻り分岐管で、該温水戻り分岐管20Aは高層階で循環した温水を熱源機18に戻すためのものである。そして、温水送り分岐管19Aに循環ポンプ、温水戻り分岐管20Aに熱導弁が夫々設けてあり、各階層で床暖房の温度を制御可能にしてある。
本実施の形態は上述の構成からなるもので、以下にその作用について説明する。耐圧床基礎2はコンクリート製の耐圧スラブ3と通風口を設けない外周基礎4で構成し、床下通気孔15及び部屋通気孔16を設けた床構造体10で上部を覆う構成にすることで、気密床下空間Sを形成してある。従って、部屋空間Rからの暖気は外気に触れることなく、気密床下空間Sとの間で自然対流するから、外気温度の影響を受けることなく建屋1内の温度を維持することができ、暖房費を大幅に節減することができる。
そして、熱源機18から矢示イ方向に循環供給される温水により放熱パイプ17は加温されて放熱し、耐熱フロアー材14を加温することで部屋空間Rの暖房が図られる。耐圧床基礎2にはグリッドポスト8と束9を配置して床構造体10を支える構成を採用し、内部布基礎は設けない構成にしたから、床下通気孔15を介して部屋空間Rから流入する暖気は円滑に流動して部屋通気孔16から部屋空間Rに流入することで建屋1内を効率良く加温することができる。
なお、床暖房の熱源としては、例えば、ヒートポンプ、ヒートポンプとガス給湯器を組合せた形式のものを用いてもよいし、電熱器、灯油ボイラーを用いてもよいものである。
図5及び図6は二階以上の高層階に本考案に係る床暖房構造を設ける構成を示す説明図である。21床基盤としての天井ボードを示す。22、22、・・・は、該天井ボード21上に所定の間隔を設けて立脚してある複数のI字型梁を示す。該I字型梁22としてはTJI(登録商標)を用いている。I字型梁22は、長尺の平板状に形成した木質のウエブ22Aと該ウエブ22Aの上縁と下縁に夫々設けた木質のフランジ22B、22Cとから断面略I字型になるように構成してある。
ウエブ22AとしてはOSB(Oriented Stand Board)を用いている。OSBとは、薄い木材、細かく砕いた木材を樹脂製接着剤で固化して板状に成形したものであり、強度が高く価格が低い点が特徴である。フランジ22B、22CとしてはLVL(Laminated Vnner Lumber)を用いている。LVLとは、複数の薄い単板を全ての繊維方向が並行になるように積層接着した単板積層材である。ウエブ22Aの上下縁にフランジ22B、22Cを設けることによって曲げ剛性が大きく向上する。ウエブ22Aは主にせん断力に対して抗力を発揮し、フランジ22B,22Cは主に横方向に曲げようとする力に対して抗力を発揮する。従って、従来の梁に比べて収縮、撓み、捩じれ等の発生を低減することができる。なお、I字型梁22は軽量であるから運搬、架設作業を容易に行うことができる。
23はI字型梁22を介して設けてある構造用合板を示す。該構造用合板23は上述した一階の床構造で用いたものと同じものを用いているが、同じ合板23に限られない。家屋の構造等を考慮して一階と二階で異なる合板を用いてもよい。24、24、・・・は、該構造用合板23上にI字型梁22と同様に幅方向に一定の間隔を設けて配設してあるスペーサーを示す。該スペーサー24は長尺の棒状に形成した木材であり、家屋の壁(図示せず。)との間、即ち長さ方向にも一定の間隔が形成されるように設けてある。
25はスペーサー24、24間の間隙に蛇行状に配設してある放熱パイプを示す。該放熱パイプ25としては、一階の床構造で用いたものと同じパイプを用いてもよいが、異なるパイプを用いてもよい。そして、放熱パイプ25はアルミニュウムや銅で構成した熱伝導性テープ(図示せず。)を用いて固定してある。また、放熱パイプ25にはアルミシート等の熱伝導性に優れた熱シートを被覆してもよい。
そして、スペーサー24上に仕上げ材として耐熱性に優れた耐熱フロア26が敷設してある。仕上げ材としては、耐熱フロア26の他に、タイル、無垢材や集成材等を加工したフローリング、床用シート、緑甲板等を幅広く用いることが可能である。このようにして家屋の二階以上の高層階の床構造が構成してある。
本実施の形態における二階以上の高層階の床暖房の構造は上述の構成からなり、熱源機18から供給される温水は温水送り分岐管19Aを介して放熱パイプ25に供給され、温水戻り分岐管20Aを介して熱源機18に戻る循環流動する床暖房の作動は一階の床暖房と実質的に異なるところはない。
1 建屋
2 耐圧床基礎
3 耐圧スラブ
5 外周基礎
6 断熱材
8 グリッドポスト
9 束
10 床構造体
12 下地板
13 スペーサー
14 耐熱フロアー材
15 床下通気孔
16 部屋通気孔
17 放熱パイプ
S 気密床下空間
R 部屋空間
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Claims (3)
- 地盤上に形成するコンクリート製耐圧スラブの周縁に通風口を設けない外周基礎を形成してなる耐圧床基礎と、前記耐圧スラブ上に適宜の間隔で配置する複数のグリッドポスト及び束と、該グリッドポスト、束及び外周基礎に支持させて設置することにより上方に部屋空間を、下方に気密床下空間を夫々画成する床構造体とからなり、該床構造体は下地板と、該下地板上に所定の間隔で列設した複数本のスペーサーと、該スペーサーに支持させて敷設する耐熱フロアー材とから構成し、前記下地板と耐熱フロア−材との間に位置して前記スペーサー間に、熱源から供給される熱媒によって放熱する放熱パイプを蛇行状に配設し、前記部屋空間のコーナー近傍の位置で、かつ互いに離間させて床下通気孔及び部屋通気孔を前記床構造体に形成することにより、該部屋空間と前記気密床下空間との間で暖気が自然対流するようにしてなる建屋の床暖房構造。
- 前記外周基礎は、外面及び内面を断熱材で被覆してあることを特徴とする請求項1記載の建屋の床暖房構造。
- 前記熱源は、ガス、電気、灯油のいずれか又はその組合わせからなる請求項1記載の建屋の床暖房構造。
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---|---|---|---|
JP2018000166U JP3215580U (ja) | 2018-01-18 | 2018-01-18 | 建屋の床暖房構造 |
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