JP2019070430A - 防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】バウンド荷重の入力時に生ずる減衰力と、リバウンド荷重の入力時に生ずる減衰力と、を異ならせる。【解決手段】仕切部材17は、主液室15の隔壁の一部をなすメンブラン31と、メンブラン31を挟んで主液室15の反対側に位置しメンブラン31を隔壁の一部に有する中間室35と、主液室15と中間室35とを連通する第1オリフィス通路21と、中間室35と副液室16とを連通する第2オリフィス通路22と、を備え、メンブラン31の、中間室35側に向けた膨出変形、および主液室15側に向けた膨出変形のうちのいずれか一方を抑止する抑止部材26を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車や産業機械等に適用され、エンジン等の振動発生部の振動を吸収および減衰する防振装置に関する。
従来から、例えば下記特許文献1に記載の防振装置が知られている。この防振装置は、振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される筒状の第1取付部材、および他方に連結される第2取付部材と、第1取付部材と第2取付部材とを連結した弾性体と、第1取付部材内の液室を、弾性体を隔壁の一部に有する主液室および副液室に仕切る仕切部材と、を備えている。仕切部材は、主液室の隔壁の一部をなすメンブランと、メンブランを挟んで主液室の反対側に位置しメンブランを隔壁の一部に有する中間室と、主液室と中間室とを連通する第1オリフィス通路と、中間室と副液室とを連通する第2オリフィス通路と、を備えている。
特開2007−85523号公報
しかしながら、前記従来の防振装置では、液体を主液室から副液室側に向けて流通させるバウンド荷重の入力時に生ずる減衰力と、液体を副液室から主液室側に向けて流通させるリバウンド荷重の入力時に生ずる減衰力と、を異ならせることができなかった。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、バウンド荷重の入力時に生ずる減衰力と、リバウンド荷重の入力時に生ずる減衰力と、を異ならせることができる防振装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る防振装置は、振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される筒状の第1取付部材、および他方に連結される第2取付部材と、前記第1取付部材と前記第2取付部材とを連結した弾性体と、前記第1取付部材内の液室を、前記弾性体を隔壁の一部に有する主液室および副液室に仕切る仕切部材と、を備え、前記仕切部材は、前記主液室の隔壁の一部をなすメンブランと、前記メンブランを挟んで前記主液室の反対側に位置し前記メンブランを隔壁の一部に有する中間室と、前記主液室と前記中間室とを連通する第1オリフィス通路と、前記中間室と前記副液室とを連通する第2オリフィス通路と、を備え、前記メンブランの、前記中間室側に向けた膨出変形、および前記主液室側に向けた膨出変形のうちのいずれか一方を抑止する抑止部材を備えることを特徴とする。
本発明によれば、抑止部材が、メンブランの中間室側に向けた膨出変形を抑止する場合、この防振装置に、液体を主液室から副液室側に向けて流通させるバウンド荷重が入力され、主液室に正圧が作用したときに、メンブランが中間室側に向けて膨出変形することが抑止されるため、主液室の正圧が緩和されず、高い減衰力を発生させることができる。この場合において、防振装置に、液体を副液室から主液室側に向けて流通させるリバウンド荷重が入力されたときには、抑止部材がメンブランの変形を抑止することがなく、メンブランが主液室側に向けて円滑に膨出変形することで、減衰力の上昇が抑えられる。
さらに、仕切部材が、メンブランを隔壁の一部に有する中間室を備えているので、バウンド荷重の入力時に、主液室の液体が、第1オリフィス通路を通して中間室に流入したときに、メンブランが主液室側に向けて膨出するように弾性変形することとなる。したがって、主液室の液体が第2オリフィス通路に流入するまでの間に、その流速が低減されることとなり、バウンド荷重の入力時に高い減衰力を発生させることができる。
以上より、バウンド荷重の入力時に生ずる減衰力を、リバウンド荷重の入力時に生ずる減衰力より高めることができる。
一方、抑止部材が、メンブランの主液室側に向けた膨出変形を抑止する場合、この防振装置にリバウンド荷重が入力され、主液室に負圧が作用したときに、メンブランが主液室側に向けて膨出変形することが抑止されるため、主液室の負圧が緩和されず、高い減衰力を発生させることができる。この場合において、防振装置にバウンド荷重が入力されたときには、抑止部材がメンブランの変形を抑止することがなく、メンブランが中間室側に向けて円滑に膨出変形することで、減衰力の上昇が抑えられる。
さらに、仕切部材が中間室を備えているので、リバウンド荷重の入力時に、副液室の液体が、中間室に流入する際に、副液室を画成する壁面のうち、第2オリフィス通路が開口した表面に衝突することとなり、副液室の液体が第1オリフィス通路に流入するまでの間に、その流速が低減されることとなり、リバウンド荷重の入力時に高い減衰力を発生させることができる。
以上より、リバウンド荷重の入力時に生ずる減衰力を、バウンド荷重の入力時に生ずる減衰力より高めることができる。
ここで、前記抑止部材は、前記メンブランの、前記中間室側に向けた膨出変形を抑止し、前記第1オリフィス通路のうち、前記主液室側に位置する部分における液体の流通抵抗が、前記中間室側に位置する部分における液体の流通抵抗より高くてもよい。
この場合、主液室と中間室とを連通する第1オリフィス通路のうち、主液室側に位置する部分(以下、主液室側部分)における液体の流通抵抗が、中間室側に位置する部分(以下、中間室側部分という)における液体の流通抵抗より高いので、バウンド荷重の入力時に、主液室の液体が、第1オリフィス通路の前記主液室側部分に流入したときに、前記中間室側部分に直接流入する場合と比べて、大きな抵抗が付与される。これにより、バウンド荷重の入力時に高い減衰力を発生させることができる。
一方、副液室側の液体が、主液室に向けて第1オリフィス通路を流通するときには、前記主液室側部分と前記中間室側部分とで流通抵抗が互いに異なっていたとしても、両者が互いに連続して1つのオリフィス通路を構成しているので、液体がその境界部分を通過する際に生ずる抵抗を抑えることが可能になり、リバウンド荷重の入力時に発生する減衰力を抑制することができる。
さらに、抑止部材が、メンブランの、中間室側に向けた膨出変形を抑止するので、前述したように、バウンド荷重の入力時に高い減衰力を発生させることができる。
以上より、バウンド荷重の入力時に生ずる減衰力を、リバウンド荷重の入力時に生ずる減衰力より確実に高めることが可能になり、これらの両減衰力の差を大きくし、リバウンド荷重の入力時に生ずる減衰力に対するバウンド荷重の入力時に生ずる減衰力の比率を高めることができる。
さらに、大きなリバウンド荷重の入力に伴い、主液室が急激に負圧になろうとしても、メンブランが主液室側に向けて膨出変形することで、主液室の負圧を抑えることができることから、キャビテーションの発生を抑制することもできる。
また、これらの各作用効果が、例えば、主液室内の液圧が所定値に達したときに作動する部材を採用せず、前述したような、前記主液室側部分における液体の流通抵抗が、前記中間室側部分における液体の流通抵抗より高く、かつメンブランが、主液室および中間室双方の隔壁の一部をなしている構成によって奏されることから、比較的振幅の小さい振動であっても、前述の作用効果を安定して精度よく奏功させることができる。
この構成において、前記第1オリフィス通路が前記中間室に向けて開口する開口方向は、前記第2オリフィス通路が前記中間室に向けて開口する開口方向と交差してもよい。
この場合、中間室に流入した主液室側からの液体が、第2オリフィス通路に向けて直行するのを抑制することが可能になり、この液体を中間室内で拡散させることができる。これにより、主液室の液体が第2オリフィス通路に流入するまでの間に、その流速がより一層確実に低減される。
また、前記第2オリフィス通路が前記中間室に向けて開口する開口方向に直交する方向に沿った、前記中間室の横断面積は、前記第2オリフィス通路の流路断面積より大きくてもよい。
この場合、中間室の前記横断面積が、第2オリフィス通路の流路断面積より大きくなっているので、中間室の液体が第2オリフィス通路に流入したときに生ずる抵抗を高めることが可能になり、バウンド荷重の入力時に生ずる減衰力を確実に高めることができる。
また、前記第1オリフィス通路における前記主液室側の部分は、流路径より流路長が長い通路となってもよい。
この場合、第1オリフィス通路の前記主液室側部分が、流路径より流路長が長い通路となっているので、この部分を流通する主液室側からの液体に付与される抵抗をより一層確実に高めることができる。
ここで、前記抑止部材は、前記メンブランの、前記主液室側に向けた膨出変形を抑止し、前記第1オリフィス通路のうち、前記中間室側に位置する部分における液体の流通抵抗が、前記主液室側に位置する部分における液体の流通抵抗より高くてもよい。
この場合、前記中間室側部分における液体の流通抵抗が、前記主液室側部分における液体の流通抵抗より高いので、リバウンド荷重の入力時に、副液室の液体が、第2オリフィス通路を通して中間室内に流入した後、第1オリフィス通路の前記中間室側部分に流入したときに、前記主液室側部分に直接流入する場合と比べて、大きな抵抗が付与される。これにより、リバウンド荷重の入力時に高い減衰力を発生させることができる。
一方、主液室の液体が、副液室側に向けて第1オリフィス通路を流通するときには、前記主液室側部分と前記中間室側部分とで流通抵抗が互いに異なっていたとしても、両者が互いに連続して1つのオリフィス通路を構成しているので、液体がその境界部分を通過する際に生ずる抵抗を抑えることが可能になり、バウンド荷重の入力時に発生する減衰力を抑制することができる。
さらに、抑止部材が、メンブランの、主液室側に向けた膨出変形を抑止するので、前述したように、リバウンド荷重の入力時に高い減衰力を発生させることができる。
以上より、リバウンド荷重の入力時に生ずる減衰力を、バウンド荷重の入力時に生ずる減衰力より確実に高めることが可能になり、これらの両減衰力の差を大きくし、バウンド荷重の入力時に生ずる減衰力に対するリバウンド荷重の入力時に生ずる減衰力の比率を高めることができる。
また、これらの各作用効果が、例えば、主液室内の液圧が所定値に達したときに作動する部材を採用せず、前述したような、前記中間室側部分における液体の流通抵抗が、前記主液室側部分における液体の流通抵抗より高く、かつメンブランが、主液室および中間室双方の隔壁の一部をなしている構成によって奏されることから、比較的振幅の小さい振動であっても、前述の作用効果を安定して精度よく奏功させることができる。
この構成において、前記第2オリフィス通路が前記中間室に向けて開口する開口方向に直交する方向に沿った、前記中間室の横断面積は、前記第1オリフィス通路における前記中間室側の部分の流路断面積より大きくてもよい。
この場合、中間室の前記横断面積が、第1オリフィス通路の前記中間室側部分の流路断面積より大きくなっているので、中間室の液体が第1オリフィス通路の前記中間室側部分に流入したときに生ずる抵抗を確実に高めることが可能になり、リバウンド荷重の入力時に生ずる減衰力を確実に高めることができる。
また、前記第1オリフィス通路における前記中間室側の部分は、流路径より流路長が長い通路となってもよい。
この場合、第1オリフィス通路の前記中間室側部分が、流路径より流路長が長い通路となっているので、この部分を流通する副液室側からの液体に付与される抵抗をより一層確実に高めることができる。
本発明によれば、バウンド荷重の入力時に生ずる減衰力と、リバウンド荷重の入力時に生ずる減衰力と、を異ならせることができる。
本発明の第1実施形態に係る防振装置の縦断面図である。 図1に示す防振装置の模式図である。 本発明の第2実施形態に係る防振装置の縦断面図である。 図3に示す防振装置の模式図である。
以下、本発明の第1実施形態に係る防振装置を、図1および図2を参照しながら説明する。
図1に示すように、防振装置1は、振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される筒状の第1取付部材11、および他方に連結される第2取付部材12と、第1取付部材11と第2取付部材12とを連結した弾性体13と、第1取付部材11内の液室14を、弾性体13を隔壁の一部とする主液室15、および副液室16に仕切る仕切部材17と、を備えている。図示の例では、仕切部材17は、液室14を、第1取付部材11の中心軸線Oに沿う軸方向に仕切っている。
この防振装置1が、例えば自動車のエンジンマウントとして使用される場合、第1取付部材11が振動受部としての車体に連結され、第2取付部材12が振動発生部としてのエンジンに連結される。これにより、エンジンの振動が車体に伝達することが抑えられる。
以下、仕切部材17に対して軸方向に沿う主液室15側を上側といい、副液室16側を下側という。また、この防振装置1を軸方向から見た平面視において、中心軸線Oに直交する方向を径方向といい、中心軸線O回りに周回する方向を周方向という。
第1取付部材11は有底筒状に形成されている。第1取付部材11の底部は、環状に形成され、前記中心軸線Oと同軸に配置されている。第1取付部材11の下部の内周面は、弾性体13と一体に形成された被覆ゴムにより覆われている。
第2取付部材12は、表裏面が前記中心軸線Oに直交する平板状に形成されている。第2取付部材12は、例えば円板状に形成され、前記中心軸線Oと同軸に配置されている。第2取付部材12は、第1取付部材11の上方に配置されている。第2取付部材12の外径は、第1取付部材11の内径と同等になっている。
弾性体13は、第1取付部材11の上部の内周面と、第2取付部材12の下面と、を連結している。弾性体13により、第1取付部材11の上端開口部が密閉されている。弾性体13は、第1取付部材11および第2取付部材12に加硫接着されている。弾性体13は、有頂筒状に形成され前記中心軸線Oと同軸に配置されている。弾性体13のうち、頂壁部が第2取付部材12に連結され、周壁部における下端部が第1取付部材11に連結されている。弾性体13の周壁部は、上方から下方に向かうに従い漸次、径方向の外側に向けて延びている。
第1取付部材11の下端部内に、前記被覆ゴムを介してダイヤフラムリング18が液密に嵌合されている。ダイヤフラムリング18は、二重筒状に形成されて前記中心軸線Oと同軸に配置されている。ダイヤフラムリング18に、ゴム等で弾性変形可能に形成されたダイヤフラム19の外周部が加硫接着されている。ダイヤフラムリング18のうち、外筒部分が第1取付部材11内に嵌合され、内筒部分がダイヤフラム19内に埋設されている。ダイヤフラム19は、ダイヤフラムリング18の外筒部分の内周面に加硫接着されている。ダイヤフラム19は、副液室16内への液体の流入および流出に伴い拡縮変形する。
ダイヤフラム19および弾性体13により、液体が封入される液室14が第1取付部材11内に画成されている。なお、液室14に封入される液体としては、例えば水やエチレングリコールなどを用いることができる。
仕切部材17は、表裏面が前記中心軸線Oに直交する円盤状に形成され、第1取付部材11内に前記被覆ゴムを介して嵌合されている。仕切部材17により、第1取付部材11内の液室14が、弾性体13と仕切部材17とにより画成された主液室15と、ダイヤフラム19と仕切部材17とにより画成された副液室16と、に区画されている。
仕切部材17は、第1取付部材11内に前記被覆ゴムを介して嵌合された筒状の本体部材34と、本体部材34の上端開口部を閉塞するとともに主液室15の隔壁の一部をなすメンブラン31と、本体部材34の下端開口部を閉塞した下側部材33と、メンブラン31を挟んで主液室15の反対側に位置しメンブラン31を隔壁の一部とする中間室35と、本体部材34にメンブラン31を固定する環状の固定部材38と、主液室15と中間室35とを連通する第1オリフィス通路21と、中間室35と副液室16とを連通する第2オリフィス通路22と、を備えている。
メンブラン31は、ゴム等の弾性材料によって円板状に形成されている。メンブラン31は、前記中心軸線Oと同軸に配置されている。メンブラン31の体積は、弾性体13の体積より小さい。
本体部材34は、第1取付部材11内に嵌合された本体リング23と、本体リング23の上端部から径方向の内側に向けて突出した外側フランジ部24と、外側フランジ部24の下端部から径方向の内側に向けて突出した内側フランジ部25と、を備える。本体リング23、外側フランジ部24、および内側フランジ部25は、前記中心軸線Oと同軸に配置されている。外側フランジ部24および内側フランジ部25それぞれの下面は面一になっている。
外側フランジ部24内に、メンブラン31が嵌合されている。内側フランジ部25に、メンブラン31の下面における外周縁部が支持されている。メンブラン31は、外側フランジ部24の上面より上方に張り出している。メンブラン31の上面における外周縁部は、固定部材38により支持されており、メンブラン31の外周縁部は、固定部材38と内側フランジ部25とにより軸方向に挟まれて固定されている。このため、メンブラン31は、外周縁部を固定端として軸方向に弾性変形可能に支持されている。固定部材38は、前記中心軸線Oと同軸に配置され、固定部材38のうち、外周部は外側フランジ部24の上面に配置され、内周部がメンブラン31の上面を支持している。
本体部材34の本体リング23の外周面には、径方向の外側に向けて開口し、周方向に延びる第1オリフィス溝23aが形成されている。第1オリフィス溝23aにおける径方向の外側の開口は、前記被覆ゴムにより閉塞されている。本体リング23の上面には、主液室15と第1オリフィス溝23aとを連通する第1連通孔23bが形成されている。第1連通孔23bは、主液室15と第1オリフィス溝23aとを軸方向に連通している。
第1オリフィス溝23aは、前記中心軸線Oを中心に、第1連通孔23bから周方向の一方側に向けて180°を超える角度範囲にわたって周方向に延びている。
下側部材33は、有底筒状に形成され、前記中心軸線Oと同軸に配置されている。下側部材33は、本体部材34の本体リング23内に液密に嵌合されている。下側部材33の底壁部は、副液室16と中間室35とを軸方向に仕切る仕切壁をなしている。下側部材33の周壁部の上端開口縁は、本体部材34における外側フランジ部24および内側フランジ部25の各下面に一体に当接している。下側部材33の底壁部の上面は、メンブラン31の下面から下方に離れている。下側部材33における底壁部の上面、および周壁部の内周面と、メンブラン31の下面と、により、前述の中間室35が画成されている。メンブラン31により中間室35と主液室15とが軸方向に仕切られている。中間室35の内容積は、主液室15の内容積より小さくなっている。
下側部材33の周壁部の外周面には、径方向の外側に向けて開口し、周方向に延びる第2オリフィス溝33aが形成されている。第2オリフィス溝33aにおける径方向の外側の開口は、本体リング23の内周面により閉塞されている。下側部材33の周壁部の内周面には、第2オリフィス溝33aと中間室35とを連通する第2連通孔33bが形成されている。第2連通孔33bは、第2オリフィス溝33aと中間室35とを径方向に連通している。
第2オリフィス溝33aは、前記中心軸線Oを中心に、第2連通孔33bから周方向の一方側に向けて180°を超える角度範囲にわたって周方向に延びている。第2オリフィス溝33a、および第1オリフィス溝23aそれぞれにおける周方向の一方側の端部は、同等の周方向の位置に配置されている。
下側部材33における底壁部の下面と、ダイヤフラム19と、により副液室16が画成されている。下側部材33の底壁部には、副液室16と中間室35とを連通する第2オリフィス通路22が形成されている。第2オリフィス通路22は、副液室16と中間室35とを軸方向に連通している。第2オリフィス通路22における中間室35側の開口部は、メンブラン31に対向している。第2オリフィス通路22は、下側部材33の底壁部に形成された貫通孔とされ、下側部材33の底壁部に複数形成されている。これらの第2オリフィス通路22の全てが、メンブラン31と軸方向に対向している。
下側部材33における底壁部の下面において、複数の第2オリフィス通路22より径方向の外側に位置する外周縁部に、前述したダイヤフラムリング18が配設されている。ダイヤフラムリング18は、下側部材33と一体に形成されている。ダイヤフラムリング18のうち、内筒部分より径方向の外側に位置する部分は、下側部材33より径方向の外側に位置し、外筒部分と内筒部分との接続部分の上面に、本体リング23の下面が液密に当接している。
各第2オリフィス通路22の流路断面積、および流路長はそれぞれ、後述する第1オリフィス通路21の流路断面積、および流路長より小さくなっている。第2オリフィス通路22は、流路長が内径より小さくなっている。なお、第2オリフィス通路22の流路長を内径以上としてもよい。各第2オリフィス通路22における液体の流通抵抗が、第1オリフィス通路21における液体の流通抵抗より小さくなっている。
ここで、本体リング23の内周面には、第1オリフィス溝23aと第2オリフィス溝33aとを連通する接続孔21cが形成されている。接続孔21cは、第1オリフィス溝23aと第2オリフィス溝33aとを径方向に連通している。そして、主液室15と中間室35とを連通する第1オリフィス通路21は、径方向の外側の開口が前記被覆ゴムにより閉塞された第1オリフィス溝23aと、径方向の外側の開口が本体リング23の内周面により閉塞された第2オリフィス溝33aと、接続孔21cと、により構成されている。
以下、第1オリフィス通路21のうち、主液室15側に位置して第1オリフィス溝23aにより画成された部分を主液室側部分21aといい、中間室35側に位置して第2オリフィス溝33aにより画成された部分を中間室側部分21bという。
ここで、接続孔21cは、第1オリフィス溝23aにおける周方向の一方側の端部と、第2オリフィス溝33aにおける周方向の一方側の端部と、を接続している。これにより、液体が、主液室側部分21aおよび中間室側部分21bのうちのいずれか一方から、接続孔21cを通して、いずれか他方に流入しこの他方を流れる過程において、前記一方を流れる液体の流動方向と、前記他方を流れる液体の流動方向と、が周方向の逆向きになる。
そして本実施形態では、メンブラン31の、中間室35側に向けた膨出変形を抑止する抑止部材26が配設されている。抑止部材26は仕切部材17に配設されている。抑止部材26は、下側部材33の底壁部から上方に向けて立設された柱状に形成されている。抑止部材26の上端面に、メンブラン31の下面が当接、若しくは近接している。図示の例では、メンブラン31は、抑止部材26から上方に向けた押付力が加えられていない状態で、抑止部材26の上端面に当接している。この場合、並びに、抑止部材26の上端面に、メンブラン31の下面が近接している場合には、リバウンド荷重の入力時に、メンブラン31を主液室15側に向けて少ない力で円滑に膨出変形させることが可能になり、減衰力の上昇を確実に防ぐことができる。抑止部材26は、メンブラン31における径方向の中央部に当接、若しくは近接している。
なお、抑止部材26は、例えば筒状に形成されてもよいし、メンブラン31のうち、径方向の中央部から離れた部分に当接等してもよいし、メンブラン31の下面を全域にわたって当接等する板状に形成されてもよく、前記実施形態に限らず適宜変更してもよい。
抑止部材26は、例えば第1取付部材11に配設する等適宜変更してもよい。例えば、抑止部材26は、メンブラン31と同じ材質で一体に形成されてもよい。
抑止部材26は、メンブラン31に、上方に向けた押付力を付与した状態で当接してもよい。
さらに本実施形態では、主液室側部分21aにおける液体の流通抵抗が、中間室側部分21bにおける液体の流通抵抗より高くなっている。
図示の例では、主液室側部分21aの流路断面積が、中間室側部分21bの流路断面積より小さくなっている。接続孔21cの開口面積が、主液室側部分21aの流路断面積より小さくなっている。接続孔21cの流路長は、主液室側部分21aおよび中間室側部分21bの各流路長より短い。
なお、第1オリフィス通路21の縦断面視において、中間室側部分21bの軸方向の長さは、中間室側部分21bの径方向の長さ、および主液室側部分21aの軸方向の長さと同等になっている。第1オリフィス通路21の縦断面視において、主液室側部分21aの径方向の長さは、主液室側部分21aの軸方向の長さより短くなっている。
ここで、主液室側部分21aおよび第1連通孔23bそれぞれの流通抵抗は、互いに同等にしてもよいし、互いに異ならせてもよい。
例えば、主液室側部分21aの流通抵抗が、第1連通孔23bの流通抵抗より高い場合、第1連通孔23bを通過して主液室側部分21aに進入したときの液体の流通抵抗が増大し、液体を主液室15から副液室16側に向けて流通させるバウンド荷重の入力時に高い減衰力が発生する。
また、接続孔21cおよび主液室側部分21aそれぞれの流通抵抗を、互いに同等にしてもよいし、互いに異ならせてもよい。
例えば、接続孔21cの流通抵抗が、主液室側部分21aの流通抵抗より高い場合、主液室側部分21aを通過して接続孔21cに進入したときの液体の流通抵抗が増大し、バウンド荷重の入力時に高い減衰力が発生する。
また、中間室側部分21bおよび接続孔21cそれぞれの流通抵抗を、互いに同等にしてもよいし、互いに異ならせてもよい。
例えば、中間室側部分21bの流通抵抗が、接続孔21cの流通抵抗より高い場合、接続孔21cを通過して中間室側部分21bに進入したときの液体の流通抵抗が増大し、バウンド荷重の入力時に高い減衰力が発生する。
また、第2連通孔33bおよび中間室側部分21bそれぞれの流通抵抗を、互いに同等にしてもよいし、互いに異ならせてもよい。
例えば、第2連通孔33bの流通抵抗が、中間室側部分21bの流通抵抗より高い場合、中間室側部分21bを通過して第2連通孔33bに進入したときの液体の流通抵抗が増大し、バウンド荷重の入力時に高い減衰力が発生する。
また本実施形態では、第1オリフィス通路21が中間室35に向けて開口する開口方向、つまり第2連通孔33bの中間室35に向けた開口方向が、第2オリフィス通路22が中間室35に向けて開口する開口方向と交差している。図示の例では、第2連通孔33bが、中間室35に向けて径方向に開口し、第2オリフィス通路22が、中間室35に向けて軸方向に開口している。すなわち、第2連通孔33bの中間室35に向けた開口方向が、第2オリフィス通路22が中間室35に向けて開口する開口方向と直交している。
また本実施形態では、第2オリフィス通路22が中間室35に向けて開口する開口方向に直交する方向に沿った、中間室35の横断面積が、第2オリフィス通路22の流路断面積、第1オリフィス通路21の中間室側部分21bの流路断面積、および第1オリフィス通路21の主液室側部分21aの流路断面積より大きくなっている。
また本実施形態では、主液室側部分21aおよび中間室側部分21bは、流路径より流路長が長い通路となっている。ここで、図示の例では、第1オリフィス通路21の流路断面形状が矩形状となっており、この場合、流路径は、流路断面形状を、同一の流路断面積を有する円形状に置き換えたときの、この円形状の直径で表すことができる。
以上説明したように、本実施形態に係る防振装置1によれば、メンブラン31の中間室35側に向けた膨出変形を抑止する抑止部材26を備えるので、液体を主液室15から副液室16側に向けて流通させるバウンド荷重が入力され、主液室15に正圧が作用したときに、メンブラン31が中間室35側に向けて膨出変形することが抑止されるため、主液室15の正圧が緩和されず、高い減衰力を発生させることができる。
一方、この防振装置1に、液体を副液室16から主液室15側に向けて流通させるリバウンド荷重が入力されたときには、抑止部材26がメンブラン31の変形を抑止することがなく、メンブラン31が主液室15側に向けて円滑に膨出変形することで、減衰力の上昇が抑えられる。
さらに、仕切部材17が、メンブラン31を隔壁の一部に有する中間室35を備えているので、バウンド荷重の入力時に、主液室15の液体が、第1オリフィス通路21を通して中間室35に流入したときに、メンブラン31が主液室15側に向けて膨出するように弾性変形することとなる。したがって、主液室15の液体が第2オリフィス通路22に流入するまでの間に、その流速が低減されることとなり、バウンド荷重の入力時に高い減衰力を発生させることができる。
以上より、バウンド荷重の入力時に生ずる減衰力を、リバウンド荷重の入力時に生ずる減衰力より高めることができる。
また、主液室15と中間室35とを連通する第1オリフィス通路21のうち、主液室側部分21aにおける液体の流通抵抗が、中間室側部分21bにおける液体の流通抵抗より高いので、バウンド荷重の入力時に、主液室15の液体が、第1オリフィス通路21の主液室側部分21aに流入したときに、中間室側部分21bに直接流入する場合と比べて、大きな抵抗が付与される。これにより、バウンド荷重の入力時に高い減衰力を発生させることができる。
一方、副液室16側の液体が、主液室15に向けて第1オリフィス通路21を流通するときには、主液室側部分21aと中間室側部分21bとで流通抵抗が互いに異なっていたとしても、両者が互いに連続して1つのオリフィス通路を構成しているので、液体がその境界部分を通過する際に生ずる抵抗を抑えることが可能になり、リバウンド荷重の入力時に発生する減衰力を抑制することができる。
以上より、バウンド荷重の入力時に生ずる減衰力を、リバウンド荷重の入力時に生ずる減衰力より確実に高めることが可能になり、これらの両減衰力の差を大きくし、リバウンド荷重の入力時に生ずる減衰力に対するバウンド荷重の入力時に生ずる減衰力の比率を高めることができる。
さらに、大きなリバウンド荷重の入力に伴い、主液室15が急激に負圧になろうとしても、メンブラン31が主液室15側に向けて膨出変形することで、主液室15の負圧を抑えることができることから、キャビテーションの発生を抑制することもできる。
また、これらの各作用効果が、例えば、主液室15内の液圧が所定値に達したときに作動する部材を採用せず、前述したような、主液室側部分21aにおける液体の流通抵抗が、中間室側部分21bにおける液体の流通抵抗より高く、かつメンブラン31が、主液室15および中間室35双方の隔壁の一部をなしている構成によって奏されることから、比較的振幅の小さい振動であっても、前述の作用効果を安定して精度よく奏功させることができる。
また、第1オリフィス通路21が中間室35に向けて開口する開口方向が、第2オリフィス通路22が中間室35に向けて開口する開口方向と交差しているので、中間室35に流入した主液室15側からの液体が、第2オリフィス通路22に向けて直行するのを抑制することが可能になり、この液体を中間室35内で拡散させることができる。これにより、主液室15の液体が第2オリフィス通路22に流入するまでの間に、その流速が確実に低減される。
また、中間室35の前記横断面積が、第2オリフィス通路22の流路断面積より大きくなっているので、中間室35の液体が第2オリフィス通路22に流入したときに生ずる抵抗を高めることが可能になり、バウンド荷重の入力時に生ずる減衰力を確実に高めることができる。
また、第1オリフィス通路21の主液室側部分21aが、流路径より流路長が長い通路となっているので、この部分を流通する主液室15側からの液体に付与される抵抗をより一層確実に高めることができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る防振装置を、図3および図4を参照しながら説明する。
なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
ダイヤフラムリング28は、環状の頂壁部を有する有頂筒状に形成され、前記中心軸線Oと同軸に配置されている。ダイヤフラムリング28の頂壁部には、下方に向けて突出し、前記中心軸線Oと同軸に配置された筒体が形成されている。ダイヤフラムリング28の内面に、ダイヤフラム19の外周部が加硫接着されている。ダイヤフラムリング28の前記筒体は、ダイヤフラム19内に埋設されている。
仕切部材17の本体リング23の下面に、ダイヤフラムリング28の頂壁部の上面が液密に当接している。仕切部材17の外側フランジ部24は、本体リング23の上面における内周縁部から上方に向けて突出している。外側フランジ部24、および本体リング23それぞれの内周面は、面一となっている。下側部材33の周壁部の上端開口縁は、本体部材34の内側フランジ部25の下面に当接している。
そして本実施形態では、メンブラン31の、主液室15側に向けた膨出変形を抑止する抑止部材27が配設されている。抑止部材27は板状に形成され、その外周縁部が固定部材38の内周部上に配置されている。抑止部材27には、軸方向に貫く貫通孔が全域にわたって複数形成されている。抑止部材27の下面に、メンブラン31の上面が全域にわたって当接若しくは近接している。図示の例では、メンブラン31は、抑止部材27から下方に向けた押付力が加えられていない状態で、抑止部材27の下面に当接している。
なお、抑止部材27は、メンブラン31の上面の一部に当接、若しくは近接する例えば柱状、若しくは筒状等に形成されてもよく、前記実施形態に限らず適宜変更してもよい。
抑止部材27は、例えば第1取付部材11に配設する等適宜変更してもよい。
さらに本実施形態では、中間室側部分21bにおける液体の流通抵抗が、主液室側部分21aにおける液体の流通抵抗より高くなっている。図示の例では、中間室側部分21bの流路断面積が、主液室側部分21aの流路断面積より小さくなっている。また、接続孔21cの開口面積が、中間室側部分21bの流路断面積より小さくなっている。
なお、第1オリフィス通路21の縦断面視において、中間室側部分21bの軸方向の長さは、中間室側部分21bの径方向の長さより長く、かつ主液室側部分21aの軸方向の長さと同等になっている。第1オリフィス通路21の縦断面視において、主液室側部分21aの径方向の長さは、主液室側部分21aの軸方向の長さより長くなっている。
ここで、中間室側部分21bおよび第2連通孔33bそれぞれの流通抵抗は、互いに同等にしてもよいし、互いに異ならせてもよい。
例えば、中間室側部分21bの流通抵抗が、第2連通孔33bの流通抵抗より高い場合、第2連通孔33bを通過して中間室側部分21bに進入したときの液体の流通抵抗が増大し、液体を副液室16から主液室15側に向けて流通させるリバウンド荷重の入力時に高い減衰力が発生する。
また、接続孔21cおよび中間室側部分21bそれぞれの流通抵抗を、互いに同等にしてもよいし、互いに異ならせてもよい。
例えば、接続孔21cの流通抵抗が、中間室側部分21bの流通抵抗より高い場合、中間室側部分21bを通過して接続孔21cに進入したときの液体の流通抵抗が増大し、リバウンド荷重の入力時に高い減衰力が発生する。
また、主液室側部分21aおよび接続孔21cそれぞれの流通抵抗を、互いに同等にしてもよいし、互いに異ならせてもよい。
例えば、主液室側部分21aの流通抵抗が、接続孔21cの流通抵抗より高い場合、接続孔21cを通過して主液室側部分21aに進入したときの液体の流通抵抗が増大し、リバウンド荷重の入力時に高い減衰力が発生する。
また、第1連通孔23bおよび主液室側部分21aそれぞれの流通抵抗を、互いに同等にしてもよいし、互いに異ならせてもよい。
例えば、第1連通孔23bの流通抵抗が、主液室側部分21aの流通抵抗より高い場合、主液室側部分21aを通過して第1連通孔23bに進入したときの液体の流通抵抗が増大し、リバウンド荷重の入力時に高い減衰力が発生する。
以上説明したように、本実施形態に係る防振装置2によれば、メンブラン31の主液室15側に向けた膨出変形を抑止する抑止部材27を備えるので、リバウンド荷重が入力され、主液室15に負圧が作用したときに、メンブラン31が主液室15側に向けて膨出変形することが抑止されるため、主液室15の負圧が緩和されず、高い減衰力を発生させることができる。
一方、この防振装置2にバウンド荷重が入力されたときには、抑止部材27がメンブラン31の変形を抑止することがなく、メンブラン31が中間室35側に向けて円滑に膨出変形することで、減衰力の上昇が抑えられる。
さらに、仕切部材17が中間室35を備えているので、リバウンド荷重の入力時に、副液室16の液体が、中間室35に流入する際に、副液室16を画成する壁面のうち、第2オリフィス通路22が開口した表面に衝突することとなり、副液室16の液体が第1オリフィス通路21に流入するまでの間に、その流速が低減されることとなり、リバウンド荷重の入力時に高い減衰力を発生させることができる。
以上より、リバウンド荷重の入力時に生ずる減衰力を、バウンド荷重の入力時に生ずる減衰力より高めることができる。
また、主液室15と中間室35とを連通する第1オリフィス通路21のうち、中間室側部分21bにおける液体の流通抵抗が、主液室側部分21aにおける液体の流通抵抗より高いので、リバウンド荷重の入力時に、副液室16の液体が、第2オリフィス通路22を通して中間室35内に流入した後、第1オリフィス通路21の中間室側部分21bに流入したときに、主液室側部分21aに直接流入する場合と比べて、大きな抵抗が付与される。これにより、リバウンド荷重の入力時に高い減衰力を発生させることができる。
一方、主液室15の液体が、副液室16側に向けて第1オリフィス通路21を流通するときには、主液室側部分21aと中間室側部分21bとで流通抵抗が互いに異なっていたとしても、両者が互いに連続して1つのオリフィス通路を構成しているので、液体がその境界部分を通過する際に生ずる抵抗を抑えることが可能になり、バウンド荷重の入力時に発生する減衰力を抑制することができる。
以上より、リバウンド荷重の入力時に生ずる減衰力を、バウンド荷重の入力時に生ずる減衰力より確実に高めることが可能になり、これらの両減衰力の差を大きくし、バウンド荷重の入力時に生ずる減衰力に対するリバウンド荷重の入力時に生ずる減衰力の比率を高めることができる。
また、これらの各作用効果が、例えば、主液室15内の液圧が所定値に達したときに作動する部材を採用せず、前述したような、中間室側部分21bにおける液体の流通抵抗が、主液室側部分21aにおける液体の流通抵抗より高く、かつメンブラン31が、主液室15および中間室35双方の隔壁の一部をなしている構成によって奏されることから、比較的振幅の小さい振動であっても、前述の作用効果を安定して精度よく奏功させることができる。
また、中間室35の前記横断面積が、第1オリフィス通路21の中間室側部分21bの流路断面積より大きくなっているので、中間室35の液体が中間室側部分21bに流入したときに生ずる抵抗を確実に高めることが可能になり、リバウンド荷重の入力時に生ずる減衰力を確実に高めることができる。
また、第1オリフィス通路21の中間室側部分21bが、流路径より流路長が長い通路となっているので、この部分を流通する副液室16側からの液体に付与される抵抗をより一層確実に高めることができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば前記実施形態では、第1オリフィス通路21が周方向に延び、また、第2オリフィス通路22が軸方向に延びているが、本発明はこれに限られない。
また、前記実施形態では、支持荷重が作用することで主液室15に正圧が作用する圧縮式の防振装置1、2について説明したが、主液室15が鉛直方向下側に位置し、かつ副液室16が鉛直方向上側に位置するように取り付けられ、支持荷重が作用することで主液室15に負圧が作用する吊り下げ式の防振装置にも適用可能である。
また、本発明に係る防振装置1は、車両のエンジンマウントに限定されるものではなく、エンジンマウント以外に適用することも可能である。例えば、建設機械に搭載された発電機のマウントにも適用することも可能であり、或いは、工場等に設置される機械のマウントにも適用することも可能である。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
1、2 防振装置
11 第1取付部材
12 第2取付部材
13 弾性体
14 液室
15 主液室
16 副液室
17 仕切部材
21 第1オリフィス通路
21a 主液室側部分
21b 中間室側部分
22 第2オリフィス通路
26、27 抑止部材
31 メンブラン
35 中間室

Claims (8)

  1. 振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される筒状の第1取付部材、および他方に連結される第2取付部材と、
    前記第1取付部材と前記第2取付部材とを連結した弾性体と、
    前記第1取付部材内の液室を、前記弾性体を隔壁の一部に有する主液室および副液室に仕切る仕切部材と、を備え、
    前記仕切部材は、
    前記主液室の隔壁の一部をなすメンブランと、
    前記メンブランを挟んで前記主液室の反対側に位置し前記メンブランを隔壁の一部に有する中間室と、
    前記主液室と前記中間室とを連通する第1オリフィス通路と、
    前記中間室と前記副液室とを連通する第2オリフィス通路と、を備え、
    前記メンブランの、前記中間室側に向けた膨出変形、および前記主液室側に向けた膨出変形のうちのいずれか一方を抑止する抑止部材を備えることを特徴とする防振装置。
  2. 前記抑止部材は、前記メンブランの、前記中間室側に向けた膨出変形を抑止し、
    前記第1オリフィス通路のうち、前記主液室側に位置する部分における液体の流通抵抗が、前記中間室側に位置する部分における液体の流通抵抗より高いことを特徴とする請求項1に記載の防振装置。
  3. 前記第1オリフィス通路が前記中間室に向けて開口する開口方向は、前記第2オリフィス通路が前記中間室に向けて開口する開口方向と交差していることを特徴とする請求項2に記載の防振装置。
  4. 前記第2オリフィス通路が前記中間室に向けて開口する開口方向に直交する方向に沿った、前記中間室の横断面積は、前記第2オリフィス通路の流路断面積より大きいことを特徴とする請求項2または3に記載の防振装置。
  5. 前記第1オリフィス通路における前記主液室側の部分は、流路径より流路長が長い通路となっていることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の防振装置。
  6. 前記抑止部材は、前記メンブランの、前記主液室側に向けた膨出変形を抑止し、
    前記第1オリフィス通路のうち、前記中間室側に位置する部分における液体の流通抵抗が、前記主液室側に位置する部分における液体の流通抵抗より高いことを特徴とする請求項1に記載の防振装置。
  7. 前記第2オリフィス通路が前記中間室に向けて開口する開口方向に直交する方向に沿った、前記中間室の横断面積は、前記第1オリフィス通路における前記中間室側の部分の流路断面積より大きいことを特徴とする請求項6に記載の防振装置。
  8. 前記第1オリフィス通路における前記中間室側の部分は、流路径より流路長が長い通路となっていることを特徴とする請求項6または7に記載の防振装置。
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