以下、本発明の組成物及び硬化性組成物について詳細に説明する。
本発明の組成物は、カチオン重合開始剤(A)及び該カチオン重合開始剤(A)に不対電子又は電荷を供与可能なドナー化合物(B)を含有する。
上記カチオン重合開始剤(A)とは、光照射又は加熱によりカチオン種又はルイス酸を発生させることが可能な化合物であればどのようなものでも差し支えないが、紫外線の照射によってルイス酸を放出するオニウム塩である複塩またはその誘導体、あるいはオキシムスルホネート化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物、ジアゾメタン化合物、ニトロベンジル化合物、ベンゾイントシレート化合物、鉄−アレーン錯体、アセトフェノン誘導体化合物等を用いることができ、これらは単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
オニウム塩の代表的なものとしては、下記一般式、[A]m+[B]m−で表される陽イオンと陰イオンの塩を挙げることができる。ここで陽イオン[A]m+はオニウムであることが好ましく、その構造は、例えば、下記一般式、[(R3)aQ]m+で表すことができる。
更にここで、R3は炭素原子数が1〜60であり、炭素原子以外の原子をいくつ含んでいてもよい有機の基である。aは1〜5なる整数である。a個のR3は各々独立で、同一でも異なっていてもよい。また、少なくとも1つは、芳香環を有する上記の如き有機の基であることが好ましい。QはS,N,Se,Te,P,As,Sb,Bi,O,I,Br,Cl,F,N=Nからなる群から選ばれる原子あるいは原子団である。また、陽イオン[A]m+中のQの原子価をqとしたとき、m=a−qなる関係が成り立つことが必要である(但し、N=Nは原子価0として扱う)。
また、陰イオン[B]m−は、ハロゲン化物錯体であることが好ましく、その構造は、例えば、下記一般式、[LXb]m−で表すことができる。
更にここで、Lはハロゲン化物錯体の中心原子である金属または半金属(Metalloid)であり、B,P,As,Sb,Fe,Sn,Bi,Al,Ca,In,Ti,Zn,Sc,V,Cr,Mn,Co等である。Xはハロゲン原子である。bは3〜7なる整数である。また、陰イオン[B]m-中のLの原子価をpとしたとき、m=b−pなる関係が成り立つことが必要である。
上記一般式の陰イオン[LXb]m−の具体例としては、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン(ClO4)−、テトラフルオロほう酸イオン(BF4)−、ヘキサフルオロリン酸イオン(PF6)−、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF6)−、ヘキサフルオロアルセネート(AsF6)−、ヘキサクロロアンチモネート(SbCl6)−等の無機イオン;トリフルオロメタンスルホン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、ブタンスルホン酸イオン、フルオロスルホン酸イオン(FSO3)−、ベンゼンスルホン酸アニオン、トルエンスルホン酸イオン、トリニトロベンゼンスルホン酸イオン、カンファースルホン酸イオン、ノナフルオロブタンスルホン酸イオン、ヘキサデカフロロオクタンスルホン酸イオン等のスルホン酸イオン;テトラアリールほう酸イオン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ほう酸イオン等のほう酸イオン;メタンカルボン酸イオン、エタンカルボン酸イオン、プロパンカルボン酸イオン、ブタンカルボン酸イオン、オクタンカルボン酸イオン、トリフルオロメタンカルボン酸イオン、ベンゼンカルボン酸イオン、p−トルエンカルボン酸イオン等のカルボン酸イオン;トリフルオロメチル亜硫酸イオン(CF3SO3)−、メチル硫酸イオン(CH3OSO3)−、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドイオン、(CF3CF2)3PF3 −、((CF3)2C6H3)4B−、(C6F5)4Ga−、((CF3)2C6H3)4Ga−の他、下記群より選択されるものを挙げることができる。
また、陰イオン[B]m-は、下記一般式、[LXb-1(OH)]m-で表される構造のものも好ましく用いることができる。L,X,bは上記と同様である。
本発明では、このようなオニウム塩の中でも、下記の(イ)〜(ハ)の芳香族オニウム塩を使用することが特に有効である。これらの中から、その1種を単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
(イ)フェニルジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、4−メトキシフェニルジアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−メチルフェニルジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート等の芳香族ジアゾニウム塩
(ロ)ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジ(4−メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、トリルクミルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等の芳香族ヨードニウム塩
(ハ)下記群I又は群IIで表されるスルホニウムカチオンとヘキサフルオロアンチモンイオン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートイオン等の芳香族スルホニウム塩
また、その他好ましいものとしては、(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)〔(1,2,3,4,5,6−η)−(1−メチルエチル)ベンゼン〕−アイアン−ヘキサフルオロホスフェート等の鉄−アレーン錯体や、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム、トリス(エチルアセトナトアセタト)アルミニウム、トリス(サリチルアルデヒダト)アルミニウム等のアルミニウム錯体とトリフェニルシラノール等のシラノール類との混合物等も挙げることができる。
これらの中でも、実用面と光感度の観点から、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、鉄−アレーン錯体を用いることが好ましく、下記一般式(I)で表される芳香族スルホニウム塩または下記一般式(XX)で表される芳香族ヨードニウム塩が、感度の点から更に好ましい。上記芳香族ヨードニウム塩とはカチオン構造中に1つ以上の芳香族環を含むヨードニウム塩を意味し、上記芳香族スルホニウム塩とはカチオン構造中に1つ以上の芳香族環を含むスルホニウム塩を意味する。
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R19、R20、R21、R22及びR23は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基又は炭素原子数2〜10のエステル基を表し、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17及びR18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、X1 −は1価の陰イオンを表す。)
上記一般式(I)で表される化合物において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22及びR23で表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等の各原子が挙げられ、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22及びR23で表される炭素原子数1〜10のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、t−アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、エチルオクチル、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、4−メトキシブチル、2−ブトキシエチル、メトキシエトキシエチル、メトキシエトキシエトキシエチル、3−メトキシブチル、2−メチルチオエチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ブロモメチル、ジブロモメチル、トリブロモメチル、ジフルオロエチル、トリクロロエチル、ジクロロジフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ノナフルオロブチル、デカフルオロペンチル、トリデカフルオロヘキシル、ペンタデカフルオロヘプチル、ヘプタデカフルオロオクチル、メトキシメチル、1,2−エポキシエチル、メトキシエチル、メトキシエトキシメチル、メチルチオメチル、エトキシエチル、ブトキシメチル、t−ブチルチオメチル、4−ペンテニルオキシメチル、トリクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、メトキシシクロヘキシル、1−(2−クロロエトキシ)エチル、1−メチル−1−メトキシエチル、エチルジチオエチル、トリメチルシリルエチル、t−ブチルジメチルシリルオキシメチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル、t−ブトキシカルボニルメチル、エチルオキシカルボニルメチル、エチルカルボニルメチル、t−ブトキシカルボニルメチル、アクリロイルオキシエチル、メタクリロイルオキシエチル、2−メチル−2−アダマンチルオキシカルボニルメチル、アセチルエチル、2−メトキシ−1−プロペニル、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、1,2−ジヒドロキシエチル等の各基が挙げられ、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R19、R20、R21、R22及びR23で表される炭素原子数1〜10のアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、s−ブチルオキシ、t−ブチルオキシ、イソブチルオキシ、ペンチルオキシ、イソアミルオキシ、t−アミルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘキシルメチルオキシ、テトラヒドロフラニルオキシ、テトラヒドロピラニルオキシ、2−メトキシエチルオキシ、3−メトキシプロピルオキシ、4−メトキシブチルオキシ、2−ブトキシエチルオキシ、メトキシエトキシエチルオキシ、メトキシエトキシエトキシエチルオキシ、3−メトキシブチルオキシ、2−メチルチオエチルオキシ、トリフルオロメチルオキシ等の各基が挙げられ、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R19、R20、R21、R22及びR23で表される炭素原子数2〜10のエステル基としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、フェノキシカルボニル、アセトキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、クロロアセチルオキシ、ジクロロアセチルオキシ、トリクロロアセチルオキシ、トリフルオロアセチルオキシ、t−ブチルカルボニルオキシ、メトキシアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等の各基が挙げられる。
上記一般式(I)で表される化合物の中でも、R1、R2、R3、R4及びR5の何れかがハロゲン原子であるか、或いはR6、R7、R8、R9及びR10の何れかがハロゲン原子であるものが溶媒等への溶解性、吸収波長域の最適化の点から好ましく、R1、R2、R3、R4及びR5の何れかがハロゲン原子であり、且つR6、R7、R8、R9及びR10の何れかがハロゲン原子であるものが更に好ましい。
(式中、R201、R202、R203、R204、R205、R206、R207及びR208は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基又は炭素原子数2〜10のエステル基を表し、Yは、酸素原子、−NR209−、>CR210R211又は結合なしを表し、R209、R210及びR211は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基又は炭素原子数6〜20のアリール基を表し、X2 −は1価の陰イオンを表す。)
上記一般式(XX)で表される化合物において、R201、R202、R203、R204、R205、R206、R207及びR208で表されるハロゲン原子、R201、R202、R203、R204、R205、R206、R207、R208、R209、R210及びR211で表される炭素原子数1〜10のアルキル基、R201、R202、R203、R204、R205、R206、R207及びR208で表される炭素原子数1〜10のアルコキシ基、R201、R202、R203、R204、R205、R206、R207及びR208で表される炭素原子数2〜10のエステル基としては、上記一般式(I)で例示したものが挙げられる。R209、R210及びR211で表される炭素原子数6〜20のアリール基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルケニルオキシ基、アルコキシアルキル基、アルカノイルオキシ基、又はアルコキシカルボニル基で置換されていてもよい。これらアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、3,4,5−トリメトキシフェニル基、4−第三ブチルフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基等が挙げられる。
上記オニウム塩としては市販品を用いることもでき、例えば、サイラキュアUVI−6970、サイラキュアUVI−6974、サイラキュアUVI−6990、サイラキュアUVI−950(米国ユニオンカーバイド社製)、イルガキュア261、CG−24−61(BASF社製)、DAICATII(ダイセル社製) 、UVAC1591( ダイセル・オルネクス社製)、CI−2481、CI−2734、CI−2823、C I− 2 7 5 8 ( 以上、日本曹達社製)、FFC509(3M社)、BBI−102、BBI−101、BBI−103、MPI−103、TPS−103、MDS−103、DTS−103、NAT−103、NDS−103(ミドリ化学社製)等が挙げられる。
上記オキシムスルホネート化合物としては従来公知のものを用いることができるが、例えば、下記一般式(II)で表されるものが、実用面と光感度の観点から好ましい。
(式中、R51は、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアリールアルキル基、アシル基で置換された炭素数7〜20のアリール基、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基又は10−カンファーイル基を表し、当該脂肪族炭化水素基、アリール基、アリールアルキル基、脂環式炭化水素基は、置換基を有しないか、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜18のアルコキシ基および炭素数1〜18のアルキルチオ基から選ばれる基で置換される。R52及びR53は、シアノ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜40のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環含有基を表し、R52及びR53は、互いに連結して五員環の複素環を形成していてもよい。)
上記ハロゲン含有化合物としては、例えば、ハロアルキル基含有炭化水素化合物、ハロアルキル基含有複素環式化合物等を挙げることができる。ハロゲン含有化合物の具体例としては、フェニルビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−メトキシフェニルビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、1−ナフチルビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等の(トリクロロメチル)−s−トリアジン誘導体や、1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン等を挙げることができる。
上記ジアゾケトン化合物としては、例えば、1,3−ジケト−2−ジアゾ化合物、ジアゾベンゾキノン化合物、ジアゾナフトキノン化合物等を挙げることができる。ジアゾケトンの具体例としては、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニルクロリド、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド、2,3,4,4'−テトラヒドロキ
シベンゾフェノンの1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステルまたは1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンの1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステルまたは1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル等を挙げることができる。
上記スルホン化合物としては、例えば、β−ケトスルホン、β−スルホニルスルホンや、これらの化合物のα−ジアゾ化合物等を挙げることができる。スルホン化合物の具体例としては、4−トリスフェナシルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェニルスルホニル)メタン等を挙げることができる。スルホン酸化合物:スルホン酸化合物としては、例えば、アルキルスルホン酸エステル、アルキルスルホン酸イミド、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネート等を挙げることができる。スルホン酸化合物の具体例としては、ベンゾイントシレート、ピロガロールのトリス(トリフルオロメタンスルホネート)、ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネート、トリフルオロメタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、パーフルオロ−n−オクタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、N−ヒドロキシスクシイミドトリフルオロメタンスルホネート、N−ヒドロキシスクシイミドノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、N−ヒドロキシスクシイミドパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミドトリフルオロメタンスルホネート、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミドノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミドパーフルオロ−n−オクタンスルホネート等を挙げることができる。
上記ジアゾメタン化合物としては、ビス(エチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1−メチルプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−メチルプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(パーフルオロイソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−メチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−ナフチルスルホニル)ジアゾメタン、4−メチルフェニルスルホニルベンゾイルジアゾメタン、tert−ブチルカルボニル−4−メチルフェニルスルホニルジアゾメタン、2−ナフチルスルホニルベンゾイルジアゾメタン、4−メチルフェニルスルホニル−2−ナフトイルジアゾメタン、メチルスルホニルベンゾイルジアゾメタン、tert−ブトキシカルボニル−4−メチルフェニルスルホニルジアゾメタン等のビススルホニルジアゾメタン;スルホニルカルボニルジアゾメタン等が挙げられる。
上記ニトロベンジル化合物としては、2,4−ジニトロベンジルスルホネート、2−ニトロベンジルスルホネート、2,6−ジニトロベンジルスルホネートが挙げられる。
本発明の組成物を硬化性組成物とした場合、硬化性組成物の固形物中、カチオン重合開始剤(A)の割合は、0.1質量%以上10質量%以下であることが硬化性や硬化膜物性の点で好ましく、0.3質量%以上8質量%以下であることが特に好ましく、0.5質量%以上8質量%以下であることが最も好ましい。なお硬化性組成物の(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量に対しても、同様の理由から、カチオン重合開始剤(A)の割合は、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.3質量%以上8質量%以下であることが特に好ましく、0.5質量%以上8質量%以下であることが最も好ましい。
本発明に使用する上記ドナー化合物(B)は、カチオン重合開始剤(A)に不対電子あるいは電荷を与えることができる化合物であり、特に制限はなく、例えば、従来公知の増感剤・増感助剤、従来公知のラジカル重合開始剤、遷移金属化合物、アミン化合物、リン化合物、複素環化合物、縮合環含有化合物の他、アルコキシ基で置換されたベンゼン等が挙げられる。
上記ドナー化合物(B)は、本発明の組成物によるカチオン重合性有機物質(C)を硬化させる性能を高める観点から、電子供与性基を有することが好ましく、特に電子供与性基が結合したベンゼン環を1又は2以上有していることが好ましい。電子供与性基としては、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、アミノ基、アルキルアミノ基等が挙げられる。ここでいうアルキル基の炭素原子数は1〜10が好ましく、特に1〜8がより好ましい。ここでいうアルコキシ基の炭素原子数は1〜10が好ましく、特に1〜6がより好ましい。
電子供与性基としては化合物の安定性、組成物の安定性等からアルキル基又はアルコキシ基が望ましい。
上記ドナー化合物(B)は、硬化物の耐熱性、耐溶剤性等の点から、重合性官能基を有することが好ましい。重合性官能基としては、グリシジル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、スチリル基、ビニルエーテル基、オキセタン基等が挙げられる。炭素原子数2〜10のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基等が挙げられる。
上記増感剤としては、カチオン重合開始剤(A)が示す極大吸収波長よりも長い波長に極大吸収を示し、カチオン重合開始剤(A)による重合開始反応を促進させる化合物を用いることができ、上記増感助剤としては、増感剤の作用を一層促進させる化合物を用いることができる。
上記増感剤及び増感助剤としては、アントラセン系化合物、ナフタレン系化合物、ベンゾイン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、チオキサントン誘導体、α,α−ジエトキシアセトフェノン、ベンジル、フルオレノン、キサントン、ウラニル化合物、ハロゲン化合物等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
なお本明細書中、「誘導体」とは誘導していない元の化合物をも含む。例えば、「ベンゾイン誘導体」という場合「ベンゾイン」そのものを含みうる。
アントラセン系化合物としては、例えば下式(IIIa)で表されるものが挙げられる。
(式中、R29及びR30は、各々独立に炭素原子数1〜6のアルキル基又は炭素原子数2〜12のアルコキシアルキル基を表し、R31は水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。)
上記式(IIIa)で表されるアントラセン系化合物の具体例を挙げると、次のような化合物がある。
9,10−ジメトキシアントラセン、
9,10−ジエトキシアントラセン、
9,10−ジプロポキシアントラセン、
9,10−ジイソプロポキシアントラセン、
9,10−ジブトキシアントラセン、
9,10−ジペンチルオキシアントラセン、
9,10−ジヘキシルオキシアントラセン、
9,10−ビス(2−メトキシエトキシ)アントラセン、
9,10−ビス(2−エトキシエトキシ)アントラセン、
9,10−ビス(2−ブトキシエトキシ)アントラセン、
9,10−ビス(3−ブトキシプロポキシ)アントラセン、
2−メチル−または2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、
2−メチル−または2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセン、
2−メチル−または2−エチル−9,10−ジプロポキシアントラセン、
2−メチル−または2−エチル−9,10−ジイソプロポキシアントラセン、
2−メチル−または2−エチル−9,10−ジブトキシアントラセン、
2−メチル−または2−エチル−9,10−ジペンチルオキシアントラセン、
2−メチル−または2−エチル−9,10−ジヘキシルオキシアントラセンなど。
ナフタレン系化合物としては、例えば、下式(IIIb)で表されるものが挙げられる。
(式中、R32及びR33は各々独立に炭素原子数1〜6のアルキル基を表す)
上記式(IIIb)で表されるナフタレン系化合物の具体例を挙げると、次のような化合物がある。
4−メトキシ−1−ナフトール、
4−エトキシ−1−ナフトール、
4−プロポキシ−1−ナフトール、
4−ブトキシ−1−ナフトール、
4−ヘキシルオキシ−1−ナフトール、
1,4−ジメトキシナフタレン、
1−エトキシ−4−メトキシナフタレン、
1,4−ジエトキシナフタレン、
1,4−ジプロポキシナフタレン、
1,4−ジブトキシナフタレンなど
上記ベンゾイン誘導体としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン等が挙げられる。
上記ベンゾフェノン誘導体としては、ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。
上記チオキサントン誘導体としては、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン等が挙げられる。
上記ラジカル重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤または熱ラジカル重合開始剤が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤としては、アセトフェノン系化合物、ベンジル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、ビスイミダゾール系化合物、アクリジン系化合物、アシルホスフィン系化合物、オキシムエステル化合物等を好ましいものとして例示することができる。
上記アセトフェノン系化合物としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピオフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ターシャリブチルジクロロアセトフェノン、p−ターシャリブチルトリクロロアセトフェノン、p−アジドベンザルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等が挙げられる。
上記ベンジル系化合物としては、ベンジル等が挙げられる。
上記ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ミヒラーケトン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィドなどが挙げられる。
上記チオキサントン系化合物としては、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられる。
上記ビスイミダゾール系化合物としては、ヘキサアリールビスイミダゾール(HABI、トリアリール−イミダゾールの二量体)を用いることができ、具体的には、例えば、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4 ’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,4,5,2′ ,4′ ,5′−ヘキサフェニルビスイミダゾール、 2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4 ,5,4′ ,5′−テトラフェニルビスイミダゾール、2 ,2′−ビス(2−ブロモフェニル)−4,5,4′ ,5′−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2 ,4−ジクロロフェニル)−4,5,4′ ,5′−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4′ ,5′−テトラキス(3−メトキシフェニル)ビスイミダゾール、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4′ ,5′−テトラキス(3,4,5−トリメトキシフェニル)−ビスイミダゾール、2, 5,2′ ,5′−テトラキス(2−クロロフェニル)−4,4′−ビス(3 ,4−ジメトキシフェニル)ビスイミダゾール、2,2′−ビス(2 ,6−ジクロロフェニル)−4,5,4′ ,5′−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2−ニトロフェニル)−4 ,5,4′ ,5′−テトラフェニルビスイミダゾール、2 ,2′−ジ−o−トリル−4,5,4′ ,5′−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2−エトキシフェニル)−4,5,4′ ,5′−テトラフェニルビスイミダゾールおよび2,2′−ビス(2 ,6−ジフルオロフェニル)−4,5,4′ ,5′−テトラフェニルビスイミダゾール、5′−テトラ(p−ヨードフェニル)ビイミダゾール、2,2’− ビス(o−クロロフェニル−4,4’,5,5 ’− テトラ(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール)、2,2′−ビス(p−メチルチオフェニル)−4,5,4′,5′−ジフェニル−1,1′−ビイミダゾール、ビス(2,4,5−トリフェニル)−1,1′−ビイミダゾール、5,5′−テトラ(p−クロルナフチル)ビイミダゾール、等や特公昭45−37377号公報に開示される1,2′−、1,4′−、2,4′−で共有結合している互変異性体、WO00/52529号公報に記載の化合物などが挙げられる。
上記アクリジン系化合物としては、アクリジン、9−フェニルアクリジン、9−(p−メチルフェニル)アクリジン、9−( p−エチルフェニル)アクリジン、9−(p−iso−プロピルフェニル)アクリジン、9−(p−n−ブチルフェニル)アクリジン、9−(p−tert−ブチルフェニル)アクリジン、9−(p−メチキシフェニル)アクリジン、9−(p−エトキシフェニル)アクリジン、9−(p−アセチルフェニル)アクリジン、9−(p−ジメチルアミノフェニル)アクリジン、9−(p−シアノフェニルフェニル)アクリジン、9−(p−クロルシフェニル)アクリジン、9−(p−ブロモフェニル)アクリジン、9−(m−メチルフェニル)アクリジン、9−(m−n−プロピルフェニル)アクリジン、9−(m−iso− プロピルフェニル)アクリジン、9−(m−n−ブチルフェニル)アクリジン、9−(m −tert−ブチルフェニル)アクリジン、9−(m−メチキシフェニル)アクリジン、9−(m−エトキシフェニル)アクリジン、9−(m−アセチルフェニル)アクリジン、9−(m−ジメチルアミノフェニル)アクリジン、9−(m−ジエチルアミノフェニル)アクリジン、9−(シアノフェニル)アクリジン、9−(m−クロルフェニル)アクリジン、9−(m−ブロモフェニル)アクリジン、9−メチルアクリジン、9−エチルアクリジン、9−n−プロピルアクリジン、9−iso−プロピルアクリジン、9−シアノエチルアクリジン、9−ヒドロキシエチルアクリジン、9−クロロエチルアクリジン、9−ブロモアクリジン、9−ヒドロキシアクリジン、9−ニトロアクリジン、9−アミノアクリジン、9−メトキシアクリジン、9−エトキシアクリジン、9−n−プロポキシアクリジン、9−iso−プロポキシアクリジン、9−クロロエトキシアクリジン、4,6−ビス(ジメチルアミノ)アクリジン、10−酢酸アクリジン、10−メチルアセテートアクリジン、3,6−ジメチルアクリジン、7,13−ジメチルアクリジン、7,13−ビス(ジメチルアミノ)アクリジン、3,6−ジメチル−10−酢酸アクリジン、3,5−ジメチル−10−メチルアセテートアクリジン、7,13−ジメチル−10−酢酸アクリジン、7,13−ジメチル−10−メチルアセテートアクリジン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン、1,5−ビス(9−アクリジニル)ペンタン、1,3−ビス(9−アクリジニル)プロパン、2,7−ジベンゾイル−9−フェニルアクリジン、2,7−ビス(α−ヒドロキシベンジル)−9−フェニルアクリジン、2,7−ビス(α−アセトキシベンジル)−9−フェニルアクリジン、2,7−ジメチル−9−(4−メチルフェニル)アクリジン、2,7−ジメチル−9−フェニルアクリジン、2,7−ビス(3,4−ジメチル−ベンゾイル)−9−(3,4−ジメチルフェニル)アクリジン、2,7−ビス(α−アセトキシ−4−tert−ブチルベンジル)−9−(4−tert−ブチルフェニル)アクリジン、2,7−ジメチル−9−(3,4−ジクロロフェニル)アクリジン、2,7−ジメチル−9−(4−ベンゾイルフェニル)アクリジン、2,7−ビス(2−クロロベンゾイル)−9−(2−クロロフェニル)アクリジン、2−(α−ヒドロキシ−3−ブロモベンジル)−6−メチル−9−(3−ブロモフェニル)アクリジン、2,5−ビス(4−tert−ブチルベンゾイル)−9−(4−tert−ブチルフェニル)アクリジン、1,4−ビス(2,7−ジメチル−9−アクリジニル)ベンゼン、2,7−ビス(α−フェニルアミノカルボニルオキシ−3,4−ジメチルベンジル)−9−(3,4−ジメチルフェニル)アクリジン及び2,7−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−4′−フルオロジフェニルメチル)−9−(4−フルオロフェニル)アクリジン、9,10−ジヒドロアクリジン、1−メチルアクリジン、4−メチルアクリジン、2,3−ジメチルアクリジン、1−フェニルアクリジン、4−フェニルアクリジン、1−ベンジルアクリジン、4−ベンジルアクリジン、1−クロロアクリジン、2,3−ジクロロアクリジン、10−ブチル−2−クロロアクリジン−9(10H)−オン、10−プロピル−2−クロロアクリジン−9(10H)−オン、10−ブチル−2−クロロアクリジン−9(10H)−オン1,2−ビス(9−アクリジニル)エタン、1,3−ビス(9−アクリジニル)プロパン、1,4−ビス(9−アクリジニル)ブタン、1,6−ビス(9−アクリジニル)ヘキサン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン、1,8−ビス(9−アクリジニル)オクタン、1,9−ビス(9−アクリジニル)ノナン、1,10−ビス(9−アクリジニル)デカン、1,11−ビス(9−アクリジニル)ウンデカン、1,12−ビス(9−アクリジニル)ドデカン、1,14−ビス(9−アクリジニル)テトラデカン、1,16−ビス(9−アクリジニル)ヘキサデカン、1,18−ビス(9−アクリジニル)オクタデカン、1,20−ビス(9−アクリジニル)エイコサン、1,3−ビス(9−アクリジニル)−2−チアプロパン、1,5−ビス(9−アクリジニル)−3−チアペンタン7−メチル−ベンゾ〔c〕アクリジン、7−エチル−ベンゾ〔c〕アクリジン、7−プロピル−ベンゾ〔c〕アクリジン、7−ブチル−ベンゾ 〔c〕アクリジン、7−ペンチル−ベンゾ〔c〕アクリジン、7−ヘキシル−ベンゾ〔c〕アクリジン、7−ヘプチル−ベンゾ〔c〕アクリジン、7−オクチル−ベンゾ〔c〕アクリジン、7−ノニル−ベンゾ〔c〕アクリジン、7−デシル−ベンゾ〔c〕アクリジン、7−ウンデシル−ベンゾ〔c〕アクリジン、7−ドデシル−ベンゾ〔c〕アクリジン、7−トリデシル−ベンゾ〔c〕アクリジン、7−テトラデシル−ベンゾ〔c〕アクリジン、7−ペンタデシル−ベンゾ〔c〕アクリジン、7−ヘキサデシル−ベンゾ〔c〕アクリジン、7−ヘプタデ シル−ベンゾ〔c〕アクリジン、7−オクタデシル−ベンゾ〔c〕アクリジン、7−ノナデシル−ベンゾ〔c〕アクリジン、1,1−ビス(7−ベンゾ〔c〕アクリジニル)メタン、1,2−ビス(7−ベンゾ〔c〕アクリジニル)エタン、1,3−ビス(7−ベンゾ〔c〕アクリジニル)プロパン、1,4−ビス(7−ベンゾ〔c〕アクリジニル)ブタン、1,5−ビス(7−ベンゾ〔c〕アクリジニル)ペンタン、1,6−ビス(7−ベンゾ〔c〕アクリジニル)ヘキサン、1,7−ビス(7−ベンゾ〔c〕アクリジニル)ヘプタン、1,8−ビス(7−ベンゾ〔c〕アクリジニル)オクタン、1,9−ビス(7−ベンゾ〔c〕アクリジニル)ノナン、1,10−ビス(7−ベンゾ〔c〕アクリジニル)デカン、1,11−ビス(7−ベンゾ〔c〕アクリジニル)ウンデカン、1,12−ビス(7−ベンゾ〔c〕アクリジニル)ドデカン、1,13−ビス(7−ベンゾ〔c〕アクリジニル)トリデカン、1,14−ビス(7−ベンゾ〔c〕アクリジニル)テトラデカン、1,15−ビス(7−ベンゾ〔c〕アクリジニル)ペンタデカン、1,16−ビス(7−ベンゾ〔c〕アクリジニル)ヘキサデカン、1,17−ビス(7−ベンゾ〔c〕アクリジニル)ヘプタデカン、1,18−ビス(7−ベンゾ〔c〕アクリジニル)オクタデカン、1,19−ビス(7−ベンゾ〔c〕アクリジニル)ノナデカン、1,20−ビス(7−ベンゾ〔c〕アクリジニル)エイコサン、7−フェニル−ベンゾ〔c〕アクリジン、7−(2−クロルフェニル)−ベンゾ〔c〕アクリジン、7−(4−メチルフェニル)−ベンゾ〔c〕アクリジン、7−(4−ニトロフェニル)−ベンゾ〔c〕アクリジン、1,3−ビス(7−ベンゾ〔c〕アクリジニル)ベンゼン、1,4−ビス(7−ベンゾ〔c〕アクリジニル)ベンゼン、7−〔1−プロペン−3−イル(ベンゾ〔c〕アクリジン)〕、7−〔1−エチルペンチル−(ベンゾ〔c〕アクリジン)〕、7−〔8−ヘプタデセニル−(ベンゾ〔c〕アクリジン)〕、7,8−ジフェニル−1,14−ビス(7−ベンゾ〔c〕アクリジニル)テトラデカン、1,2−ビス(7−ベンゾ〔c〕アクリジニル)エチレン、1−メチル−1,2−ビス(7−ベンゾ〔c〕アクリジニル)エチレン、7−スチリル−ベンゾ〔c〕アクリジン、7−(1−プロペニル)−ベンゾ〔c〕アクリジン、7−(1−ペンテニル)−ベンゾ〔c〕アクリジン、9−(2−ピリジル)アクリジン,9−(3−ピリジル)アクリジン,9−(4−ピリジル)アクリジン,9−(4−ピリミジニル)アクリジン,9−(2−ピラジニル)アクリジン,9(5−メチル−2−ピラジニル)アクリジン,9−(2−キノリニル)アクリジン,9−(2−ピリジル)−2−メチル−アクリジン,9−(2−ピリジル)−2−エチルアクリジン,9−(3−ピリジル)−2−メチル−アクリジン,9−(3−ピリジル)−2,4−ジエチル−アクリジン、3,6−ジアミノ−アクリジンスルフォン酸塩、3,6−ビス−(ジメチルアミノ)−アクリジンスルフォン酸塩、3,6−ジアミノ−10−メチル−アクリジニウムクロライド、9−アクリジンカルボン酸等が挙げられる。
上記アシルホスフィン系化合物としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(Lucirin TPO;BASF社製)、イソブチリル−メチルホスフィン酸メチルエステル、イソブチリル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、ピバロイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、2−エチルヘキサノイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、ピバロイル−フェニルホスフィン酸イソプロピルエステル、p−トルイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、o−トルイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、2,4−ジメチルベンゾイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、p−三級ブチルベンゾイル−フェニルホスフィン酸イソプロピルエステル、アクリロイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、イソブチリル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2−エチルヘキサノイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、o−トルイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、p−三級ブチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、3−ピリジルカルボニル−ジフェニルホスフィンオキサイド、アクリロイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、ピバロイル−フェニルホスフィン酸ビニルエステル、アジポイル−ビス−ジフェニルホスフィンオキサイド、ピバロイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、p−トルイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、4−(三級ブチル)−ベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2−メチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2−メチル−2−エチルヘキサノイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、1−メチル−シクロヘキサノイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、ピバロイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル及びピバロイル−フェニルホスフィン酸イソプロピルエステル、4−オクチルフェニルホスフィンオキサイド、テレフタロイル−ビス−ジフェニルホスフィンオキサイド、1−メチル−シクロヘキシルカルボニルジフェニルホスフィンオキサイド、バーサトイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジイソブトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル) フェニルホスフィンオキサイド(Irgacure819;BASF社製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロル−3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロル−3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メトキシ−1−ナフトイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−クロル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジオクチルオキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジイソプロポキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジヘキシルオキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2−プロポキシ−4−メチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジイソペンチルオキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2 , 6 − ジクロルベンゾイル) − フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−ビフェニリルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド(CGI403)、6−トリメチルベンゾイル−エチル−フェニル−フォスフィネート(SPEEDCURE TPO−L;Lambson社製)等が挙げられる。
上記オキシムエステル化合物としては、例えば、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム) 、1−〔9−エチル−6−ベンゾイル−9H−カルバゾール−3−イル−オクタン−1−オンオキシム−O−アセテート、1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−ベンゾエート、1−〔9−n−ブチル−6−(2−エチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−ベンゾエート、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−( 2−メチル−4−テトラヒドロピラニルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−5−テトラヒドロフラニルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)等が挙げられる。
上記熱ラジカル重合開始剤としては、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(メチルイソブチレ−ト)、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)等のアゾ系開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等の過酸化物系開始剤、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩等が挙げられる。これらは一種又は二種以上を混合して用いることができる。
上記遷移金属化合物は遷移金属を含有する化合物であり、遷移金属としては、Fe、Co、Ni、Cu、Cr、Ag等が挙げられる。
上記アミン化合物としては、脂肪族アミン、脂環式アミン、芳香族アミン等の1級アミン、2級アミン、3級アミンを用いることができる。
上記1級アミンとしては、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、ペンチルアミン、ネオペンチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、2− エチルヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、エタノールアミン、アニリン、p−メチルアニリン等が挙げられる。
上記2級アミンとしては、例えばジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、メチルアニリン、エチルアニリン、ジヒドロキシエチルアミン等が挙げられる。
上記3級アミンとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリフェニルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、トリドデシルアミン、ジブチルベンジルアミン、トリナフチルアミン、N−エチル−N−メチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N−フェニル−N−メチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−4−ブロモアニリン、N,N−ジメチル−4−メトキシアニリン、N−フェニルピペリジン、N−(4−メトキシフェニル)ピペリジン、N−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、6−ベンジルオキシ−N−フェニル−7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、N,N’−ジメチルピペラジン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、2−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリス(2−メトキシメトキシエチル)アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシメトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシプロポキシ)エチル}アミン、トリス[2−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミン、トリエタノールアミントリアセテート等が挙げられ、中でもトリフェニルアミン誘導体が好ましい。
トリフェニルアミン誘導体としては、以下の一般式(V)で表されるものが挙げられる。
(式中、R101、R102、R103、R104、R105、R106、R107、R108、R109、R110、R111、R112、R113、R114及びR115は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、芳香族炭化水素基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基、または-COOC-、-CO-による置換基を表す。)
R101、R102、R103、R104、R105、R106、R107、R108、R109、R110、R111、R112、R113、R114及びR115で表される炭素原子数1〜10のアルキル基の例としては、上記一般式(I)の説明において例示したものが挙げられる。
硬化性の点から、式(V)中の3つのベンゼン環の何れか1つがハロゲン原子を有しているものが好ましく、3つのベンゼン環がいずれもハロゲン原子を有しているものが特に好ましく、R103、R108及びR113がハロゲン原子であるものが最も好ましい。
上記リン化合物としては、ホスフィンオキシド、ホスフィン、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、亜ホスホン酸、ホスフィン酸、亜ホスフィン酸、リン酸エステル、亜リン酸エステル等が挙げられる。
上記複素環化合物における複素環は、単環及び縮合環のいずれであってもよい。複素環化合物としては、カルバゾール誘導体、ベンゾカルバゾール誘導体、ジベンゾカルバゾール誘導体、インドール誘導体、ピロリドン誘導体、ピロール誘導体、フェナントリジン誘導体、フェノキサジン誘導体、フェナジン誘導体、チアゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、イソオキサゾール誘導体、ベンゾイソオキサゾール誘導体、フラン誘導体、ベンゾフラン誘導体、チオフェン誘導体、フェノチアジン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピリダジン誘導体、ピペリジン誘導体、ピラン誘導体、ピラゾリン誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、イソキノリン誘導体、イミダゾール誘導体、インドール誘導体、ピロリジン誘導体、ピペリドン誘導体、ジオキサン誘導体、ジベンゾジオキシン誘導体等が挙げられる。
上記の複素環化合物の中でも、窒素原子又は酸素原子を含有する縮合環含有化合物が好ましく、特に入手容易性の点等からカルバゾール誘導体、ベンゾカルバゾール誘導体、ジベンゾカルバゾール誘導体又はジベンゾジオキシン誘導体が好ましく、とりわけ硬化性の点で、ベンゾカルバゾール誘導体又はジベンゾカルバゾール誘導体が好ましい。
例えば、カルバゾール誘導体としては、以下の一般式(VI)で表されるものが挙げられる。
(式中、R116は水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、グリシジル基又は芳香族炭化水素基を表す。R116で表される基中のメチレン基は、酸素原子で置換される場合がある。R117、R118、R119、R120、R121、R122、R123及びR124は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、芳香族炭化水素基、シアノ基、水酸基又はカルボキシル基を表す。)
R116、R117、R118、R119、R120、R121、R122、R123及びR124で表される炭素原子数1〜10のアルキル基の例としては、上記一般式(I)の説明において例示したものが挙げられる。R116、R117、R118、R119、R120、R121、R122、R123及びR124で表される炭素原子数1〜10のアルコキシ基の例としては、上記一般式(I)の説明において例示したものが挙げられる。
R116で表される炭素原子数2〜10のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基が挙げられる。
R116、R117、R118、R119、R120、R121、R122、R123及びR124で表される芳香族炭化水素基の例としては、前記一般式(XX)における炭素原子数6〜20のアリール基の例として挙げたものと同様のものが挙げられる。
式(VI)で表されるカルバゾール誘導体の中でも、R116が炭素原子数1〜10のアルキル基であるものが、溶媒等への溶解性、吸収波長域の最適化の点で好ましい。
また、R118、R119、R120及びR121の何れか1以上が電子供与性基であるか、R117、R122、R123及びR124の何れか1以上が電子供与性基であるものが、反応性が高く硬化性の高い硬化性組成物が得られる点で好ましく、R118、R119、R120及びR121の何れか1以上が電子供与性基であり、且つ、R117、R122、R123及びR124の何れか1以上が電子供与性基であるものが、特に好ましい。
例えば、ベンゾカルバゾール誘導体としては、以下の一般式(VII-1)〜(VII-3)の何れかで表されるものが挙げられる。
(式中、R125は水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、グリシジル基又は芳香族炭化水素基を表す。R125で表される基中のメチレン基は、酸素原子で置換される場合がある。R126、R127、R128、R129、R130、R131、R132、R133、R134及びR135は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、芳香族炭化水素基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基を表す。)
(式中、R225は水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、グリシジル基又は芳香族炭化水素基を表す。R225で表される基中のメチレン基は、酸素原子で置換される場合がある。R226、R227、R228、R229、R230、R231、R232、R233、R234及びR235は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、芳香族炭化水素基、シアノ基、水酸基又はカルボキシル基を表す。)
(式中、R325は水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、グリシジル基又は芳香族炭化水素基を表す。R325で表される基中のメチレン基は、酸素原子で置換される場合がある。R326、R327、R328、R329、R330、R331、R332、R333、R334及びR335は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、芳香族炭化水素基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基を表す。)
式(VII-1)〜(VII-3)において、R125、R126、R127、R128、R129、R130、R131、R132、R133、R134、R135、R225、R226、R227、R228、R229、R230、R231、R232、R233、R234、R235、R325、R326、R327、R328、R329、R330、R331、R332、R333、R334及びR335で表される炭素原子数1〜10のアルキル基の例としては、上記一般式(I)の説明において例示したものが挙げられる。
R126、R127、R128、R129、R130、R131、R132、R133、R134、R135、R226、R227、R228、R229、R230、R231、R232、R233、R234及びR235、R326、R327、R328、R329、R330、R331、R332、R333、R334及びR335で表される炭素原子数1〜10のアルコキシ基の例としては、上記一般式(I)の説明において例示したものが挙げられる。
R125、R126、R127、R128、R129、R130、R131、R132、R133、R134、R135、R225、R226、R227、R228、R229、R230、R231、R232、R233、R234、R235、R325、R326、R327、R328、R329、R330、R331、R332及びR333、R334及びR335で表される芳香族炭化水素基の例としては、前記一般式(XX)における炭素原子数6〜20のアリール基の例として挙げたものと同様のものが挙げられる。
R125、R225、R325で表される炭素原子数2〜10のアルケニル基としては、式(VI)で説明したアルケニル基の例が挙げられる。
式(VII-1)〜(VII-3)で表されるベンゾカルバゾール誘導体の中でも、ベンゾカルバゾール環の窒素原子に炭素原子数1〜10のアルキル基、特に炭素原子数3〜10の分岐アルキル基が結合したものが溶媒等への溶解性、吸収波長域の最適化の点で好ましく、なかでも、式(VII-1)で表されR125が炭素原子数1〜10のアルキル基であるものが吸収波長域や溶解性の点で好ましく、とりわけ式(VII-1)で表されR125が炭素数3〜10の分岐アルキル基であるものが最も好ましい。
例えば、ジベンゾカルバゾール誘導体としては、以下の一般式(VII-1α)〜(VII-1γ)、(VII-2α)〜(VII-2γ)及び(VII-3α)〜(VII-3γ)の何れかで表されるものが挙げられる。
(式中、R401は水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、グリシジル基又は芳香族炭化水素基を表す。R401で表される基中のメチレン基は、酸素原子で置換される場合がある。R402、R403、R404、R405、R406、R407、R408、R409、R410、R411、R412及びR413(以下「R402〜R413」ともいう)は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、芳香族炭化水素基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基を表す。)
(式中、R421は水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、グリシジル基又は芳香族炭化水素基を表す。R421で表される基中のメチレン基は、酸素原子で置換される場合がある。R422、R423、R424、R425、R426、R427、R428、R429、R430、R431、R432及びR433(以下「R422〜R433」ともいう)は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、芳香族炭化水素基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基を表す。)
(式中、R441は水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、グリシジル基又は芳香族炭化水素基を表す。R441で表される基中のメチレン基は、酸素原子で置換される場合がある。R442、R443、R444、R445、R446、R447、R448、R449、R450、R451、R452及びR453(以下「R442〜R453」ともいう)は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、芳香族炭化水素基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基を表す。)
(式中、R461は水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、グリシジル基又は芳香族炭化水素基を表す。R461で表される基中のメチレン基は、酸素原子で置換される場合がある。R462、R463、R464、R465、R466、R467、R468、R469、R470、R471、R472及びR473(以下「R462〜R473」ともいう)は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、芳香族炭化水素基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基を表す。)
(式中、R481は水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、グリシジル基又は芳香族炭化水素基を表す。R481で表される基中のメチレン基は、酸素原子で置換される場合がある。R482、R483、R484、R485、R486、R487、R488、R489、R490、R491、R492及びR493(以下「R482〜R493」ともいう)は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、芳香族炭化水素基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基を表す。)
(式中、R501は水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、グリシジル基又は芳香族炭化水素基を表す。R501で表される基中のメチレン基は、酸素原子で置換される場合がある。R502、R503、R504、R505、R506、R507、R508、R509、R510、R511、R512及びR513(以下「R502〜R513」ともいう)は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、芳香族炭化水素基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基を表す。)
(式中、R521は水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、グリシジル基又は芳香族炭化水素基を表す。R521で表される基中のメチレン基は、酸素原子で置換される場合がある。R522、R523、R524、R525、R526、R527、R528、R529、R530、R531、R532及びR533(以下「R522〜R533」ともいう)は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、芳香族炭化水素基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基を表す。)
(式中、R541は水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、グリシジル基又は芳香族炭化水素基を表す。R541で表される基中のメチレン基は、酸素原子で置換される場合がある。R542、R543、R544、R545、R546、R547、R548、R549、R550、R551、R552及びR553(以下「R542〜R553」ともいう)は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、芳香族炭化水素基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基を表す。)
(式中、R561は水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、グリシジル基又は芳香族炭化水素基を表す。R561で表される基中のメチレン基は、酸素原子で置換される場合がある。R562、R563、R564、R565、R566、R567、R568、R569、R570、R571、R572及びR573(以下「R562〜R573」ともいう)は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、芳香族炭化水素基、シアノ基、水酸基、カルボキシル基を表す。)
式(VII-1α)〜(VII-1γ)、(VII-2α)〜(VII-2γ)及び(VII-3α)〜(VII-3γ)において、
R401、R402〜R413、R421、R422〜R433、R441、R442〜R453、R461、R462〜R473、R481、R482〜R493、R501、R502〜R513、R521、R522〜R533、R541、R542〜R553、R561及びR562〜R573で表される炭素原子数1〜10のアルキル基の例としては、上記一般式(I)の説明において例示したものが挙げられる。
R402〜R413、R422〜R433、R442〜R453、R462〜R473、R482〜R493、R502〜R513、R522〜R533、R542〜R553、R562〜R573で表される炭素原子数1〜10のアルコキシ基の例としては、上記一般式(I)の説明において例示したものが挙げられる。
R401、R402〜R413、R421、R422〜R433、R441、R442〜R453、R461、R462〜R473、R481、R482〜R493、R501、R502〜R513、R521、R522〜R533、R541、R542〜R553、R561及びR562〜R573で表される芳香族炭化水素基の例としては、前記一般式(XX)における炭素原子数6〜20のアリール基の例として挙げたものと同様のものが挙げられる。
R401、R421、R441、R461、R481、R501、R521、R541及びR561で表される炭素原子数2〜10のアルケニル基としては、式(VI)で説明したアルケニル基の例が挙げられる。
カルバゾール誘導体、ベンゾカルバゾール誘導体及びジベンゾカルバゾール誘導体の具体例としては、以下の基が挙げられる。
例えば、ジベンゾジオキシン誘導体としては、以下の一般式(VIII)で表されるものが挙げられる。
(式中、R137、R138、R139、R140、R141、R142、R143及びR144は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基を表す。)
R137、R138、R139、R140、R141、R142及びR143及びR144で表される炭素原子数1〜10のアルキル基の例としては、上記一般式(I)の説明において例示したものが挙げられる。
上記縮合環含有化合物としては、上記の複素環化合物として例示した縮合環含有化合物の他に、フルオレン誘導体、クリセン誘導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導体、アントラキノン誘導体、ペリレン誘導体、ベンゾアントラセン誘導体、ナフタセン誘導体、トリフェニレン誘導体、クマリン誘導体等が挙げられる。縮合環含有化合物の中でも、上述したように窒素原子若しくは酸素原子を有する縮合環含有化合物が好ましく、また、ペリレン誘導体が吸収波長域の点で好ましい。
ペリレン誘導体としては、以下の一般式(IX)で表されるものが挙げられる。
(式中、R146、R147、R148、R149、R150、R151、R153、R154、R155、R156、R157及びR158は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基を表す。)
R146、R147、R148、R149、R150、R151、R153、R154、R155、R156、R157及びR158で表される炭素原子数1〜10のアルキル基の例としては、上記一般式(I)の説明において例示したものが挙げられる。
上記カチオン重合開始剤(A)に対するドナー化合物(B)の使用割合は特に限定されず、本発明の目的を阻害しない範囲内で概ね通常の使用割合で使用すればよいが、例えば、上記カチオン重合開始剤(A)の1モルに対して、ドナー化合物(B)0.1〜3モルであるのが、硬化性向上の観点から好ましい。
本発明の組成物に、さらに、カチオン重合性有機物質を加え、硬化性組成物とすることができる。該カチオン重合性有機物質とは、活性エネルギー線(以下、単に「エネルギー線」ともいう)照射又は加熱により活性化したカチオン重合開始剤により高分子化または架橋反応を起こす化合物であり、脂環式エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物、芳香族エポキシ化合物、オキセタン化合物、ビニルエーテル化合物等が挙げられる。
上記脂環式エポキシ化合物の具体例としては、少なくとも1個の脂環式環を有する多価アルコールのポリグリシジルエーテル化物またはシクロヘキセンやシクロペンテン環含有化合物を酸化剤でエポキシ化することによって得られるシクロヘキセンオキサイドやシクロペンテンオキサイド含有化合物が挙げられる。たとえば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキシル−3,4−エポキシ−1−メチルヘキサンカルボキシレート、6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、プロパン−2,2−ジイル−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパン、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1−エポキシエチル−3,4−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシ−2−エポキシエチルシクロヘキサン、7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン,ポリ[オキシ−(1−オキソ−1,6−ヘキサンジイル)]]誘導体、ヘキサン二酸ビス[(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−イル)メチル]、α−ピネンオキシド、リモネンジオキシド等が挙げられる。
脂環式エポキシ化合物としては、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート又は3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキシル−3,4−エポキシ−1−メチルヘキサンカルボキシレートが、密着性向上の観点から好ましい。
上記脂環式エポキシ化合物としては、市販品のものを用いることができ、例えば、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2000、セロキサイド3000、サイクロマーM100(ダイセル社製);CYRACURE UVR−6128(ダウ・ケミカル社製)等が挙げられる。
上記脂肪族エポキシ化合物とは、上記脂環式エポキシ化合物や後述の芳香族エポキシ化合物に分類されないエポキシ化合物を指し、該脂肪族エポキシ化合物の具体例としては、脂肪族アルコールのグリシジルエーテル化物、アルキルカルボン酸のグリシジルエステル等の単官能エポキシ化合物や、脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル化物、脂肪族長鎖多塩基酸のポリグリシジルエステル等の多官能エポキシ化合物が挙げられる。代表的な化合物として、アリルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、C12〜13混
合アルキルグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ソルビトールのテトラグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールのヘキサグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテルなどの多価アルコールのグリシジルエーテル、またプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することによって得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル化物、脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステルが挙げられる。更に、脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテルや高級脂肪酸のグリシジルエステル、エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシ化大豆油、エポキシ化ポリブタジエン等が挙げられる。
脂肪族エポキシ化合物としては、脂肪族アルコールのグリシジルエーテル化物あるいは脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル化物が、粘度、塗工性及び反応性が向上するので好ましく、さらに、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル又は1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルが好ましい。
上記脂肪族エポキシ化合物としては、市販品のものを用いることができ、例えば、デナコールEX−121、デナコールEX−171、デナコールEX−192、デナコールEX−211、デナコールEX−212、デナコールEX−313、デナコールEX−314、デナコールEX−321、デナコールEX−411、デナコールEX−421、デナコールEX−512、デナコールEX−521、デナコールEX−611、デナコールEX−612、デナコールEX−614、デナコールEX−622、デナコールEX−810、デナコールEX−811、デナコールEX−850、デナコールEX−851、デナコールEX−821、デナコールEX−830、デナコールEX−832、デナコールEX−841、デナコールEX−861、デナコールEX−911、デナコールEX−941、デナコールEX−920、デナコールEX−931(ナガセケムテックス社製);エポライトM−1230、エポライト40E、エポライト100E、エポライト200E、エポライト400E、エポライト70P、エポライト200P、エポライト400P、エポライト1500NP、エポライト1600、エポライト80MF、エポライト100MF(共栄社化学社製)、アデカグリシロールED−503、アデカグリシロールED−503G、アデカグリシロールED−506、アデカグリシロールED−523T、アデカレジンEP−4088S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記芳香族エポキシ化合物とは、エポキシ基を複数有し芳香環を含むエポキシ化合物を指し、該多官能芳香族エポキシ化合物の具体例としては、フェノール、クレゾール、ブチルフェノール等、少なくとも1個の芳香族環を有する1価フェノール又は、そのアルキレンオキサイド付加物のモノ/ポリグリシジルエーテル化物、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、又はこれらに更にアルキレンオキサイドを付加した化合物のグリシジルエーテル化物やフェノールノボラック型エポキシ化合物;レゾルシノールやハイドロキノン、カテコール等の2個以上のフェノール性水酸基を有する芳香族化合物のグリシジルエーテル;ベンゼンジメタノールやベンゼンジエタノール、ベンゼンジブタノール等のアルコール性水酸基を2個以上有する芳香族化合物のポリグリシジルエーテル化物;フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸等の2個以上のカルボン酸を有する多塩基酸芳香族化合物のポリグリシジルエステル、安息香酸やトルイル酸、ナフトエ酸等の安息香酸類のポリグリシジルエステル、安息香酸のグリシジルエステル、スチレンオキサイド又はジビニルベンゼンのエポキシ化物等が挙げられる。中でも、フェノール類のポリグリシジルエーテル、アルコール性水酸基を2個以上有する芳香族化合物のポリグリシジルエーテル化物、多価フェノール類のポリグリシジルエーテル化物、安息香酸類のポリグリシジルエステル、多塩基酸類のポリグリシジルエステルの群から選ばれる少なくとも一種を含有することが、硬化性組成物の低粘度化の観点から好ましい。
上記芳香族エポキシ化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールE型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物が、硬化性に優れるため好ましい。
上記芳香族エポキシ化合物としては、市販品のものを用いることができ、例えば、デナコールEX−121、デナコールEX−145、デナコールEX−146、デナコールEX−147、デナコールEX−201、デナコールEX−203、デナコールEX−711、デナコールEX−721、オンコートEX−1020、オンコートEX−1030、オンコートEX−1040、オンコートEX−1050、オンコートEX−1051、オンコートEX−1010、オンコートEX−1011、オンコート1012(ナガセケムテックス社製);オグソールPG−100、オグソールEG−200、オグソールEG−210、オグソールEG−250(大阪ガスケミカル社製);HP4032、HP4032D、HP4700(DIC社製);ESN−475V(新日鉄住金化学社製);エピコートYX8800(三菱化学社製);マープルーフG−0105SA、マープルーフG−0130SP(日油社製);エピクロンN−665、エピクロンHP−7200(DIC社製);EOCN−1020、EOCN−102S、EOCN−103S、EOCN−104S、XD−1000、NC−3000、EPPN−501H、EPPN−501HY、EPPN−502H、NC−7000L(日本化薬社製);アデカレジンEP−4000、アデカレジンEP−4005、アデカレジンEP−4100、アデカレジンEP−4901、アデカレジンEP−3300E、アデカレジンEP−3950S(ADEKA社製);TECHMORE VG−3101L(プリンテック社製)等が挙げられる。
上記オキセタン化合物としては、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、3−エチル−3−(3−エチル−3−オキセタニルメチルオキシメチル)オキセタン、キシリレンビスオキセタン等の二官能オキセタン化合物、3―エチル―3−[(フェノキシ)メチル]オキセタン、3―エチル―3−(ヘキシロキシメチル)オキセタン、3―エチル―3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3―エチル―3−(ヒドロキシメチル)オキセタン、3―エチル―3−(クロロメチル)オキセタン等の一官能オキセタン化合物等が挙げられ、一官能脂肪族オキセタン化合物が、粘度及び反応性の点から好ましい。これらは1種単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記オキセタン化合物としては、カチオン重合性モノマーを主成分とする市販品のものを用いることができ、例えば、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル(丸善石油化学社製);アロンオキセタンOXT−121、OXT−221、EXOH、POX、OXA、OXT−101、OXT−211、OXT−212(東亞合成社製)、エタナコールOXBP、OXTP(宇部興産社製)等が挙げられる。
上記ビニルエーテル化合物としては、例えばジエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、n−ドデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、トリエチレングリコールビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、1,6−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,6−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル等が挙げられる。
本発明の硬化性組成物中、上記カチオン重合開始剤(A)1質量部に対して、カチオン重合性有機物質を10質量部以上300質量部以下含有することが、硬化性や硬化膜物性の点で好ましく、特に20質量部以上200質量部以下含有することが好ましく、20質量部以上100質量部以下含有することが最も好ましい。
本発明の硬化性組成物には、さらにシランカップリング剤を用いることができる。シランカップリング剤としては例えばエポキシ官能性アルコキシシランを用いることができ、例えば、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記グリシジルエポキシ基を有するシランカップリング剤としては市販品を用いることもでき、例えば、D2632、G0261、G0210、T2675(東京化成社製);KBM−303、KBM−402、KBM−403、KBE−402、KBE−403(信越シリコーン社製)等が挙げられる。
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて熱可塑性有機重合体を用いることによって、硬化物の特性を改善することもできる。該熱可塑性有機重合体としては、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート−エチルアクリレート共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸−メチルメタクリレート共重合体、グリシジル(メタ)アクリレート−ポリメチル(メタ)アクリレート共重合体、ポリビニルブチラール、セルロースエステル、ポリアクリルアミド、飽和ポリエステル等が挙げられる。
本発明の組成物及び硬化性組成物には、特に制限されず通常用いられる上記(A)及び(B)の各成分を溶解または分散しえる溶媒を用いることができ、例えば、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、ジエチルケトン、アセトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン等のケトン類;エチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸シクロヘキシル、乳酸エチル、コハク酸ジメチル、テキサノール等のエステル系溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のセロソルブ系溶媒;メタノール、エタノール、イソ−又はn−プロパノール、イソ−又はn−ブタノール、アミルアルコール等のアルコール系溶媒;エチレングリコールモノメチルアセテート、エチレングリコールモノエチルアセテート、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート(PGMEA)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、エトキシエチルプロピオネート等のエーテルエステル系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等のBTX系溶媒;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;テレピン油、D−リモネン、ピネン等のテルペン系炭化水素油;ミネラルスピリット、スワゾール#310(コスモ松山石油(株))、ソルベッソ#100(エクソン化学(株))等のパラフィン系溶媒;四塩化炭素、クロロホルム、トリクロロエチレン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素系溶媒;クロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素系溶媒;プロピレンカーボネート、カルビトール系溶媒、アニリン、トリエチルアミン、ピリジン、酢酸、アセトニトリル、二硫化炭素、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、水等が挙げられ、これらの溶媒は1種又は2種以上の混合溶媒として使用することができる。
本発明の硬化性組成物は、ロールコーター、カーテンコーター、各種の印刷、浸漬等の公知の手段で、支持基体上に塗布される。また、一旦フィルム等の支持基体上に施した後、他の支持基体上に転写することもでき、その適用方法に制限はない。
上記支持基体の材料としては、特に制限されず通常用いられるものを使用することができ、例えば、ガラス等の無機材料;ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース(TAC)、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース等のセルロースエステル;ポリアミド;ポリイミド;ポリウレタン;エポキシ樹脂;ポリカーボネート;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4'−ジカルボキシレート
、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリスチレン;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン;ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル等のビニル化合物;ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル酸エステル等のアクリル系樹脂;ポリカーボネート;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ポリエーテルケトン;ポリエーテルイミド;ポリオキシエチレン、ノルボルネン樹脂、シクロオレフィンポリマー(COP)等の高分子材料が挙げられる。
尚、上記支持基体に、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理等の表面活性化処理を行ってもよい。
また、本発明の効果を損なわない限り、必要に応じて他のモノマー、他のエネルギー線感受性重合開始剤、無機フィラー、有機フィラー、顔料、染料などの着色剤、消泡剤、増粘剤、界面活性剤、レべリング剤、難燃剤、チクソ剤、希釈剤、可塑剤、安定剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、静電防止剤、流動調整剤、接着促進剤等の各種樹脂添加物等を添加することができる。
本発明の硬化性組成物をエネルギー線の照射により硬化させる場合、エネルギー線としては、紫外線、電子線、X線、放射線、高周波などを挙げることができ、紫外線が経済的に最も好ましい。紫外線の光源としては、紫外線レーザー、水銀ランプ、キセノンレーザ、メタルハライドランプなどが挙げられる。
また、本発明の硬化性組成物はLED光源を照射により硬化させることが可能である。LED光源からのエネルギー線としては、紫外線が挙げられる。LED光源からのエネルギー線の波長としては、350〜405nmが挙げられる。
本発明の硬化性組成物を加熱により硬化させる場合の条件は、70〜250℃で1〜100分である。プレベイク(PAB;Pre applied bake)した後、加圧して、ポストベイク(PEB;Post exposure bake)してもよいし、異なる数段階の温度でベイクしてもよい。
加熱条件は各成分の種類及び配合割合によって異なるが、例えば、70〜180℃で、オーブンなら5〜15分間、ホットプレートなら1〜5分間である。その後、塗膜を硬化させるために180〜250℃、好ましくは200〜250℃ で、オーブンなら30〜90分間、ホットプレートなら5〜30分間加熱処理することによって硬化膜を得ることができる。
本発明の硬化性組成物の具体的な用途としては、光学フィルム、接着剤、メガネ、撮像用レンズに代表される光学材料、塗料、コーティング剤、ライニング剤、インキ、高屈折材料、水溶性材料、半導体・ディスプレイ・MEMS・医療機器用レジスト、液状レジスト、印刷版、絶縁ワニス、絶縁シート、積層板、プリント基盤、半導体装置用・LEDパッケージ用・液晶注入口用・有機EL用・光素子用・電気絶縁用・電子部品用・分離膜用等の封止剤、成形材料、パテ、ガラス繊維含浸剤、目止め剤、半導体用・太陽電池用等のパッシベーション膜、層間絶縁膜、保護膜、カラーフィルターの保護膜、スペーサー、DNA分離チップ、マイクロリアクター、ナノバイオデバイス、ハードディスク用記録材料、固体撮像素子、発光ダイオード、有機発光デバイス、ルミネセントフィルム、蛍光フィルム、アクチュエーター、ホログラム、プラズモンデバイス、偏光板、偏光フィルム、位相差フィルム、液晶表示装置のバックライトに使用されるプリズムレンズシート、プロジェクションテレビ等のスクリーンに使用されるフレネルレンズシート、レンチキュラーレンズシート等のレンズシートのレンズ部、またはこのようなシートを用いたバックライト等、マイクロレンズ等の光学レンズ、光学素子、光コネクター、光導波路、光学的造形用注型剤等を挙げることができる。
例えば光学フィルムとして適用する場合には、基材として、金属、木材、ゴム、プラスチック、ガラス、セラミック製品等を用い、基材に本発明の硬化性組成物を上述の手段で塗布し、上述の手段で光照射又は加熱して硬化させる。光学フィルムの代表的な構成としては、透明支持体に、必要に応じて、下塗り層、反射防止層、ハードコート層、ガスバリア層、潤滑層、粘着剤層等の各層を設けたものが挙げられる。
また、支持基体としては、基材に無機材料を用い、上記の方法により塗布した膜、あるいは真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法、イオンアシスト法、反応性スパッタリング法、化学的気相成長法等の各種蒸着法により作製した膜を積層したものを用いることもできる。
蒸着法により膜を積層する場合、基材としては、ガラスを用いるのが好ましく、膜厚は、使用する無機材料の種類等によっても異なるが、例えば、5〜300nmである。蒸着膜は、基板の片面のみに形成させてもよいし、あるいは基板の両面に形成させてもよい。
上記無機材料としては、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、インジウム(In)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、アンチモン(Sb)等の酸化物や、インジウム・スズ複合
酸化物(ITOと略す。)、アンチモン・スズ複合酸化物(ATOと略す。)等の複合酸化物を使用することができる。
以下、実施例等を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下、本発明の組成物、硬化性組成物及び該硬化性組成物を硬化して得られる硬化物に関し、実施例、評価例及び比較例により具体的に説明する。なお、実施例及び比較例では部は質量部を意味する。
[実施例1〜33及び比較例1〜11]反応率の測定
褐色スクリュー管にグリシジルフェニルエーテル(東京化成社製)を100部とレベリング剤としてSH−29PA(東レ・ダウコーニング社製)を0.01部混合した。更に下記に示すカチオン重合開始剤(A)を1部添加し攪拌することによって組成物を調製した。この組成物に各種ドナー化合物(B)をカチオン重合開始剤(A)に対して1倍モル〜2倍モルとなるように添加し、シェーカーを使用し、30分撹拌することで評価に使用する組成物を調液した。
カチオン重合開始剤(A)としては下記の化合物A−1〜A−11を用いた。
A−1: 4−[4−(ベンゾイル)フェニルチオ]フェニル−ジ−(4−フルオロフェニル)スルホニウム=ヘキサフルオロホスフェートのプロピレンカーボネート50質量%溶液
A−2: 4−[4−(ベンゾイル)フェニルチオ]フェニル−ジ−(4−フルオロフェニル)スルホニウム=ヘキサフルオロアンチモネートのプロピレンカーボネート50質量%溶液
A−3:チオジ−p−フェニレンビス(ジフェニルスルホニウム)=ビスヘキサフルオロホスフェートとジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウム=ヘキサフルオロホスフェートの混合物のプロピレンカーボネート50質量%溶液
A−4:チオビス(4,1−フェニレン)ビス(ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)スルホニウム=ビスヘキサフルオロホスフェートのプロピレンカーボネート50質量%溶液
A−5:ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウム=ヘキサフルオロホスフェートのプロピレンカーボネート50質量%溶液
A−6:トリフェニルスルホニウム=ヘキサフルオロホスフェートのプロピレンカーボネート50質量%溶液
A−7:(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム=ヘキサフルオロホスフェートのプロピレンカーボネート50質量%溶液
A−8:(4−ニトロフェニル)ジフェニルスルホニウム=ヘキサフルオロホスフェートのプロピレンカーボネート50質量%溶液
A−9:1−(4,7−ジブトキシナフタレン−1−イル(テトラヒドロ−1H−チオフェン−1−ニウム=ヘキサフルオロアンチモネートのプロピレンカーボネート50質量%溶液
A−10:1−(4,7−ジブトキシナフタレン−1−イル(テトラヒドロ−1H−チオフェン−1−ニウム=テトラキス(パーフルオロフェニル)ボレートのプロピレンカーボネート50質量%溶液
A−11:1−(4,7−ジブトキシナフタレン−1−イル(テトラヒドロ−1H−チオフェン−1−ニウム=トリス[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタニドのプロピレンカーボネート50質量%溶液
ドナー化合物(B)としては下記の化合物B−1〜B−17を使用した。
化合物B−1:ジベンゾジオキシン
化合物B−2:p−ジメトキシベンゼン
化合物B−3:トリス(4−ブロモフェニル)アミン
化合物B−4:ペリレン
化合物B−5:1,2,4−トリメトキシベンゼン
化合物B−6:2,3,4,5−テトラメトキシトルエン
化合物B−7:9−Hカルバゾール
化合物B−8:9−ビニルカルバゾール
化合物B−9:9−エチルカルバゾール
化合物B−10:9−(p−トリル)カルバゾール
化合物B−11:3,6−ジブロモ−9−エチルカルバゾール
化合物B−12:11−(2−エチルヘキシル)ベンゾ[a]カルバゾール
化合物B−13:11−Hベンゾ[a]カルバゾール
化合物B−14:11−エチルベンゾ[a]カルバゾール
化合物B−15:9−(オキシラン−2−イルメチル)−9H−カルバゾール
化合物B−16:7H−ジベンゾ[c,g]カルバゾール
化合物B−17:9−(2−エチルヘキシル)−3,6−ジメトキシ−9H−カルバゾール
上記で調液した組成物をガラス基板上にワイヤーバーコーターを用いて膜厚約30μmとなるよう塗工した。露光は、UV照射装置(アイグラフィックス社 高圧水銀灯)を用いてi線バンドパスフィルター越しの露光(露光条件1:積算光量50mJ/cm2、露光条件2:積算光量100mJ/cm2)と365nmに輝線を持つLED光源を用いた露光を行った(露光条件3:積算光量100mJ/cm2)。また385nmに輝線を持つLED光源を用いた露光も行った(露光条件4:積算光量100mJ/cm2)。露光した組成物を褐色スクリュー管に入れ密閉し室温で24時間おいた後に1H−NMRによりエポキシ基の消費を計算して反応率を算出した。結果を表1〜5に示す。
[表1]〜[表5]に示される通り、本発明の組成物は、カチオン重合開始剤(A)にドナー化合物(B)を組み合わせて含有することで、カチオン重合性有機物質(C)を硬化させる性能が向上したものである。特にLED光源(385nm)においては当該性能が顕著に向上していることが明らかである。
[実施例34〜37及び比較例12〜13]硬化膜物性および硬化速度の測定
褐色スクリュー管にカチオン重合性化合物(C)とレベリング剤としてSH−29PA(東レ・ダウコーニング社製)を室温にてシェーカーで撹拌することにより混合し、更にカチオン重合開始剤としてカチオン重合開始剤(A)を加え、更に攪拌混合することで、評価用組成物を調製した。この組成物にドナー化合物(B)をカチオン重合開始剤(A)に対して1倍モル〜2倍モルとなるように添加し撹拌することで組成物を調液した。
カチオン重合開始剤(A)としては、上記化合物A−1を用いた。
ドナー化合物(B)としては上記化合物B−12を使用した。
カチオン重合性化合物(C)としては下記化合物C−1〜C−3を用いた。
化合物C−1:ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル
化合物C−2:アデカレジンEP−4100L(ビスフェノールA型多官能エポキシ化合物:ADEKA社製)
化合物C−3:セロキサイド2021P(脂環式エポキシ化合物:ダイセル社製)
(硬化方法および硬化膜物性評価方法)
調液した組成物を離型PET上にワイヤーバーコーターを用いて膜厚約30μmとなるよう塗工し、UV照射装置(アイグラフィックス社 高圧水銀灯)を用いてi線バンドパスフィルター越しに露光(露光条件5: 積算光量500mJ/cm2)した。その後40℃オーブンにて48時間加熱した後に得られた単膜をTG/DTA(Seiko Instrument TG/DTA6200)による5%重量減少温度の比較を行った。
(硬化速度比較方法)
調液した組成物を離型PET上にワイヤーバーコーターを用いて膜厚約30μmとなるよう塗工し、UV照射装置(アイグラフィックス社 高圧水銀灯)を用いてi線バンドパスフィルター越しに露光(露光条件6:積算光量 250mJ/cm2)した。露光後にタックフリーとなるまでの時間を硬化時間とした。なお、実施例34及び35と比較例12との比較に関しては40℃ホットプレート上で加熱しながら、実施例36及び37と比較例13との比較に関しては室温(25℃)で行った。結果を表6に示す。
[表6]より、本発明の硬化性組成物は、硬化速度が速くその硬化物の耐熱性が高いことが明らかである。