JP2019066696A - 電子写真感光体、その製造方法 - Google Patents

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Kazunari Oyama
一成 大山
田澤 大介
Daisuke Tazawa
大介 田澤
水谷 匡希
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匡希 水谷
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Abstract

【課題】 高温高湿環境下においても画像流れを抑制し、かつ高い耐久性を有する電子写真感光体を提供する。【解決手段】 表面層と光導電層とを有する電子写真感光体であって、表面層が、酸素原子を含む水素化非晶質炭素で構成されており、表面層の最表面における炭素原子と結合している酸素原子の面密度が、3×1014(個/cm2)以上6×1015(個/cm2)以下であり、表面層の酸素原子の50原子%以上が、炭素原子と二重結合している、及び/又はエーテル結合していることを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は電子写真感光体、その製造方法に関する。
近年、電子写真装置のランニングコスト低減のため、電子写真装置を構成する部品群の高耐久化が要求されるようになってきている。特に、電子写真装置に搭載される電子写真感光体は、画像形成の繰り返しによって摩耗するため、その摩耗を抑えることが、高耐久化のためには重要である。そこで、電子写真感光体の表面層として、水素化非晶質炭素膜(a−C)を積層する技術が、特許文献1に開示されている。この技術は、水素化非晶質炭素膜が高い硬度を有していることによって、電子写真感光体の耐久性を高めている。
特開2002−372798号公報
しかしながら、特許文献1に記載の水素化非晶質炭素膜を表面層とした電子写真感光体は、大気中における保管中に、最表面を構成する炭素原子が徐々に酸化されて、保管時間とともに最表面が親水性になる場合がある。具体的には、最表面の炭素原子が結合する水酸基が多くなっていくことによって、より多くの水が吸着しやすい最表面となっていく。そのような電子写真感光体を、高温高湿環境下で画像形成した場合、画像流れが生じることがある。この画像流れの原因は、高温高湿環境下においては、最表面に存在する水酸基に水分子が吸着しやすくなる結果、表面層の電気抵抗率が減少するためであると考えられる。この電気抵抗率の減少によって画像形成プロセス中に形成される静電潜像が、画像露光から現像にいたるまでの間に崩れてしまうことによると考えられる。本発明の課題は、高温高湿環境下においても画像流れを抑制して、かつ高い耐久性を有する電子写真感光体、及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、表面層と光導電層とを有する電子写真感光体であって、
該表面層が、酸素原子を含む水素化非晶質炭素で構成されており、
該表面層の最表面における炭素原子と結合している酸素原子の面密度が、3×1014(個/cm)以上6×1015(個/cm)以下であり、
該表面層の酸素原子の50原子%以上が、炭素原子と二重結合している、及び/又はエーテル結合していることを特徴とする電子写真感光体に関する。
また、本発明は、基体上に表面層と光導電層とを有する電子写真感光体の製造方法であって、
反応容器内に炭化水素ガスを流入させ、基体と該基体表面に対向する電極との間に電位差を付与し、プラズマを生成させることによって、該基体表面に水素化非晶質炭素で構成される膜を堆積させるプラズマCVD工程、及び
該水素化非晶質炭素で構成される膜が堆積された該基体を、過酸化水素水を含む溶液に浸す浸漬工程、
を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法に関する。
本発明によれば、高温高湿環境下においても画像流れを抑制し、かつ高い耐久性を有する電子写真感光体、及びその製造方法を提供することができる。
本発明の電子写真感光体の最表面の原子の結合を示す模式図である。 比較例の電子写真感光体の最表面の原子の結合を示す模式図である。 電子写真感光体の層構成を示す図である。 堆積膜形成装置を示す図である。 本発明で用いる分析方法で利用される化学反応を示す図である。
本発明の電子写真感光体について図1を用いて説明する。
図1における100は本発明の表面層の最表面を正面として見た原子の結合の模式図である。表面層は、酸素原子を含む水素化非晶質炭素(a−C)で構成されている。ここで、101は炭素原子、102は水素原子、103は炭素原子と二重結合をなす酸素原子、104は炭素原子と結合している水酸基、105は炭素原子同士をエーテル結合している酸素原子、106は結合手である。表面層の最表面における酸素原子は、炭素原子と二重結合を形成しているか、エーテル結合を形成しているかのいずれかによって、炭素原子との結合の仕方の殆どが占められている。その中には、水酸基として炭素原子と結合する酸素原子も存在するが、その数は比較的少数である。表面層の最表面に存在するすべての酸素原子に対し、炭素原子と二重結合している酸素原子と、炭素原子同士をエーテル結合している酸素原子との合計の占める割合が多いほど、最表面の疎水性は高まる。本発明では、表面層の酸素原子の50原子%以上が、炭素原子と二重結合している、及び/又は炭素原子同士をエーテル結合していることが必要である。これにより、高温高湿環境下であっても水分の吸着を抑えて画像流れを抑制することができる。
一方、図2に、従来の表面層の最表面を正面として見た原子の結合の模式図を示す。水素化非晶質炭素で構成される表面層の最表面を正面として見た原子の結合の模式図である。表面層は、酸素原子を含む水素化非晶質炭素200で構成されている。ここで、201は炭素原子、202は水素原子、203は炭素原子と二重結合をなす酸素原子、204は炭素原子と結合している水酸基、205は炭素原子同士をエーテル結合している酸素原子、206は結合手である。表面層の最表面における酸素原子は、水酸基として炭素原子と結合する酸素原子が多く存在する。そのため比較的、高温高湿環境下で水分が吸着しやすい最表面となっており、高温高湿環境下で画像流れが生じやすい。
プラズマCVD法(後述)で作製された直後の水素化非晶質炭素膜に含有される酸素原子の量は、堆積膜形成装置内に残留する酸素の量にもよるが比較的少なく、その最表面を構成する炭素原子の大部分は炭素原子または水素原子と結合している。しかし、大気中に放置されることによって最表面が酸化され、その結果、最表面には炭素原子と結合した酸素原子が存在するようになる。その結合には、図2に示すように、水酸基として炭素原子と結合する酸素原子も含まれており、大気中に放置される時間が増えるとともに水酸基が増えてゆき、最表面を親水性にしていくと考えられる。そこで、後述する過酸化水素水を含む溶液で表面処理することによって、最表面の炭素原子を、酸素原子と二重結合させる、または炭素原子同士をエーテル結合させることで、最表面を疎水性にしている。このとき、最表面の原子の結合は、図1に示すような水酸基の少ない状態となり、高温高湿環境下であっても画像流れが抑制される表面状態となっていると考えられる。
表面層を構成する水素化非晶質炭素膜の製法には次のようなものがある。すなわちイオン化蒸着法、アークイオンプレーティング法、スパッタ法、プラズマCVD法があるが、広い画像形成領域に対してより高い均一性が求められる場合、プラズマCVD法が最適である。また、大量生産時における装置の分解をともなう膜堆積装置のメンテナンスが頻繁に入る場合においても、メンテ容易性の点でプラズマCVD法は有利である。
プラズマCVD法では炭化水素ガスを原料ガスとして使用し、RF(Radio Frequency)電力を対向する二つの電極のうちのひとつに印加し他方を接地させることで電界を生成し、電極間に存在する電子を加速させて原料ガスに衝突させる。この衝突によって上記ガスを分解し炭素含有ラジカルや炭素含有イオンを生成させ、そのラジカルやイオンを基体表面へ入射させることによって、基体表面上に堆積膜が形成される。その際、ラジカルやイオンには炭化水素ガス中の水素原子が含まれているため、その水素原子が堆積膜中に含有されることになる。この堆積膜中に含有される水素原子含有量は、原料ガスの種類や、水素希釈率、反応圧力、基体の温度、RF電力などの堆積膜形成条件によって、ある程度調整することが可能である。
原料ガスとして使用できる炭化水素ガスとしては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソブタン、イソペンタン、ネオペンタン。イソヘキサン、ネオヘキサン、ジメチルブタン、メチルヘキサン、エチルペンタン、ジメチルペンタン、トリプタン、メチルヘプタン、ジメチルヘキサン、トリメチルペンタン、イソナノン等の飽和炭化水素がある。またエチレンやアセチレンといった、二重結合または三重結合を含む不飽和炭化水素がある。
こうして作製された水素化非晶質炭素膜に対し、以下に述べる表面処理を行う。すなわち、処理温度65℃以上の過酸化水素35質量%水溶液に、上述した水素化非晶質炭素膜を堆積させた基体を、所定の処理時間の間浸漬させる。処理時間は(処理温度(℃))×(処理時間(分))×10−10の値が、10となる時間以上とすることが好ましい。これにより、表面層に存在する全ての酸素原子に対する、炭素原子と二重結合している酸素原子と、炭素原子同士をエーテル結合している酸素原子との合計の割合を50原子%以上とすることができる。この表面処理は、好ましくはプラズマCVD工程の直後が良いが、ある程度の時間大気中に放置された後で行っても効果がある。しかしながら、大気中に数日以上放置したものであれば、処理時間を上述した時間よりも充分長くするほうが好ましい。また、表面処理後でも大気中放置によって水酸基が増えていくこともあるため、この表面処理を再度行ってもよい。また、表面層に存在するすべての酸素原子に対する、炭素原子と二重結合している酸素原子と、炭素原子同士をエーテル結合する酸素原子との合計の割合に上限はないが、70%程度が実現上の上限であることが本発明者らの鋭意検討によって見出されている。なお、この表面処理によって表面層のダイナミック硬度は殆ど変化しない。それゆえ、水素化非晶質炭素を表面層とすることによる耐久性と、高温高湿環境下における画像流れの抑制が両立されるのである。
また、表面層の最表面における炭素原子と結合している酸素原子の面密度が、3×1014(個/cm)以上6×1015(個/cm)以下であることが必要である。これにより、水素化非晶質炭素膜の耐久性が高まる。この酸素原子の面密度は、後述するラザフォード後方散乱法(RBS)により求めることができる。
また、前述したように、プラズマCVD法で炭化水素ガスを分解して堆積させる非晶質炭素膜においては水素原子が含有されてしまう。この膜中の水素原子含有量が多すぎると、炭素を骨格とした鎖状の1次元構造をもついわゆるポリマーライクな構造がランダムな配置で多く含まれる膜となる場合がある。ポリマーライクな構造同士はランダムな配置をとっているために弱い分子間力でつながっているにすぎず、膜の密度が低くなり、比較的柔らかい膜になってしまう場合がある。そして、クリーニングブレード等、他の部材との接触による摩耗が大きくなり、画像形成の繰り返しに対する電子写真感光体の耐久性が低くなりやすい。また、表面層の膜の密度が低いために、画像形成プロセス時に酸素が透過して表面層の下にある上部注入阻止層を酸化させてしまうことがある。上部注入阻止層の酸化が起こると、上部注入阻止層の体積膨張等が起こることで表面層が剥離しやすい。
一方、水素化非晶質炭素膜の含有水素量を少なくしていくと、膜中の炭素の骨格が2次元構造または3次元構造をとり始めることにより、膜の密度が上がってゆき、硬度が高まりやすい。これにより、画像形成プロセスの繰り返しに対して表面層が摩耗しづらく、耐久性が上がる。また、膜の密度が高いため酸素の透過をバリアして、上部注入阻止層の酸化が抑えられることにより、表面層の剥離も抑制される。そのため、水素化非晶質炭素膜の含有水素量はできるだけ抑えた方が良い。具体的には、表面層における水素原子の原子数をN、炭素原子の原子数N、としたときの水素原子の比率(N/(N+N))が、40%以下であることが好ましい。
上記水素原子の比率の下限値は、表面層における所望の硬度と光透過率とが両立される範囲から導かれる。表面層から、その下にある光導電層に露光光を到達させる必要があるため、ある程度高い光透過率を有する必要がある。この光透過率は、水素化非晶質炭素膜をなす膜中の全ての炭素原子のうちsp混成軌道(グラファイト成分)をとる炭素原子の割合が大きいほど、低くなってしまう傾向がある。一方、膜中に存在するsp混成軌道をとる炭素原子には、炭素原子のみによって結合されるsp混成軌道(ダイヤモンド成分)をとる炭素原子と、炭素原子と水素原子によって結合されるsp混成軌道をとる炭素原子の2種類がある。前者が多いほど硬度と光透過率の両方が高くなる。他方、後者が多いほど光透過率が高くなるが、水素を含むため硬度を低下させる原因となる。こうしたことから膜中の全ての炭素原子に対するダイヤモンド成分の割合が高ければ、上記水素原子の比率を低くしても高い光透過率を維持できる。しかしながら、非単結晶質炭素膜をプラズマCVD法で作製する場合、ダイヤモンド成分の割合はあまり多くすることができない。そのためダイヤモンド成分以外の炭素原子の結合を、所望の硬度と光透過率とに両立されるように調整する必要がある。すなわち、上記水素原子の比率が低すぎるとグラファイト成分が増大し、透過率が減少しすぎてしまうため、ある程度水素原子を含有させることによって、硬度と光透過率を両立させるのである。充分な硬度と光透過率を両立させるためには、表面層中の水素原子の比率(N/(N+N))を20%以上とすることが好ましい。
また、表面層における上述したグラファイト成分をとる炭素原子の割合は、画像流れの抑制から、低く抑えるほうが良い。すなわち、最表面においては、ダイヤモンド成分をとる炭素原子のほかに、大気に曝されてさまざまな仕方で酸素原子と結合した炭素原子も存在するが、その中でも特にグラファイト成分をとる炭素原子は、最表面の電気抵抗率を低下させる原因となる。この電気抵抗率の低下によって、画像形成プロセス中において形成される静電潜像が露光から現像にいたるまでの間に崩れ、画像流れが生じる恐れがある。したがって、画像流れの抑制の観点から、表面層の最表面における前記炭素原子の結合状態において、sp炭素原子が50原子%未満であることが好ましい。
図3は、電子写真感光体の層構成を示す図である。
〔基体〕
導電性基体301は、材料としては、例えばアルミニウム、鉄といった金属およびそれらを含む合金が挙げられる。また、導電性基体301の表面は、鏡面切削されることが、導電性基体301上に積層する膜の密着性、および、画質の均一性のうえで、好ましい。
〔光導電層〕
光導電層303は、像露光および前露光におけるレーザ等による光の照射によって正孔および電子を発生させるための層であり、例えば水素化非晶質ケイ素で構成されている。
〔表面層〕
表面層305は、前述したとおりである。
〔下部注入阻止層〕
また図3(b)に示すように、電子写真感光体は必要に応じて、下部注入阻止層302、上部注入阻止層304が積層されてもよい。下部注入阻止層302は、導電性基体301と光導電層303との間に積層され、電子写真感光体をマイナスに帯電させる場合、導電性基体301側からのホールの注入を阻止する機能を持たせる。材料としては、水素化非晶質炭化ケイ素、水素化非晶質窒化ケイ素または窒素や酸素を添加した水素化非晶質ケイ素に、必要に応じてリンやヒ素など5価元素を添加したものが挙げられる。これら添加物によって、帯電をより保持しやすくする。また、電子写真感光体をプラスに帯電させる場合は、下部注入阻止層302には、導電性基体301側からの電子の注入を阻止する機能を持たせる。この場合、下部注入阻止層301は、水素化非晶質炭化ケイ素、水素化非晶質窒化ケイ素または窒素や酸素を添加した水素化非晶質ケイ素に、ホウ素など3価元素を添加したものが挙げられる。これら添加物によって、帯電をより保持しやすくする。いずれの場合も酸素を添加してもよく、それによって密着性を向上させることができる。
〔上部注入阻止層〕
上部注入阻止層304は、光導電層303と表面層301との間に積層され、電子写真感光体をマイナスに帯電させる場合、電子の光導電層303側への移動を阻止することで電子写真感光体の帯電電位を保持する機能を持たせる。さらには、像露光および前露光におけるレーザ等による光の照射によって光導電層303内に生成させたホールが表面層305側に移動する際、その移動をスムーズに行わせて、電子写真感光体の除電および潜像形成を良くする機能を持たせる。材料としては、例えばホウ素など3価元素を添加した水素化非晶質炭化ケイが挙げられる。
次に、電子写真感光体を製造する製造装置と製造方法の一例として、図4に示すRFプラズマCVD法による堆積装置について説明する。この堆積装置は、大別すると、反応容器4110を有する堆積装置4100、原料ガス供給装置4200、および、反応容器内4110を減圧するための排気装置(図示せず)から構成されている。堆積装置4100中の反応容器4110内にはアースに接続された基体4112、基体加熱用ヒーター4113、および、原料ガス導入管4114が設置されている。さらにカソード電極4111には高周波マッチングボックス4116を介して高周波電源4120が接続されている。
原料ガス供給装置4200は、原料ガスボンベ4221〜4225、バルブ4231〜4235、圧力調整器4261〜4265、流入バルブ4241〜4245から構成されている。さらに流出バルブ4251〜4255およびマスフローコントローラー4211〜4215から構成されている。各原料ガスを封入したガスのボンベは、補助バルブ4260を介して反応容器4110内の原料ガス導入管4114に接続されている。4116はガス配管であり、4117はリークバルブであり、4121は絶縁碍子である。
次に、この装置を使った堆積膜の形成方法について説明する。まず、あらかじめ脱脂洗浄した基体4112を反応容器4110に受け台4123を介して設置する。次に、排気装置(図示せず)を運転し、反応容器4110内を排気する。真空計4119の表示を見ながら、反応容器4110内の圧力が例えば1Pa以下の所定の圧力になったところで、基体加熱用ヒーター4113に電力を供給し、基体4112を例えば50℃以上350℃以下の所定の温度に加熱する。このとき、ガス供給装置4200より、Ar、Heなどの不活性ガスを反応容器4110に供給して、不活性ガス雰囲気中で加熱を行うこともできる。次に、ガス供給装置4200より堆積膜形成に用いるガスを反応容器4110に供給する。
すなわち、必要に応じてバルブ4231〜4235、流入バルブ4241〜4245、流出バルブ4251〜4255を開き、マスフローコントローラー4211〜4215に流量設定を行う。各マスフローコントローラーの流量が安定したところで、真空計4119の表示を見ながらメインバルブ4118を操作し、反応容器4110内の圧力が所望の圧力になるように調整する。所望の圧力が得られたところで高周波電源4120より高周波電力を印加すると同時に高周波マッチングボックス4116を操作し、反応容器4110内にプラズマ放電を生起する。すなわち、基体と基体表面に対向する電極との間に電位差を印加し、プラズマを生成させる。その後、速やかに高周波電力を所望の電力に調整し、基体上に堆積膜を形成する。所定の堆積膜の形成が終わったところで、高周波電力の印加を停止し、バルブ4231〜4235、流入バルブ4241〜4245、流出バルブ4251〜4255、および、補助バルブ4260を閉じ、原料ガスの供給を終える。同時に、メインバルブ4118を全開にし、反応容器4110内を例えば1Pa以下の圧力まで排気する。
以上で、堆積膜の形成を終えるが、複数の堆積膜を形成する場合、再び上記の手順を繰り返してそれぞれの層を形成すればよい。原料ガスの流量や、圧力などを光導電層形成時の条件に向けて一定の時間で変化させて、接合領域の形成を行うこともできる。すべての堆積膜形成が終わった後、メインバルブ4118を閉じ、反応容器4110内に不活性ガスを導入し、大気圧に戻した後、基体4112を取り出す。
〔実施例1および比較例1〕
導電性基体として長さ381mm、外径84mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダーを準備した。それを軸方向に上と下に2段に積み重ねて図4に示す堆積膜形成装置に設置する。実施例1および比較例1ともに、アルミニウムシリンダー外周面上に、表1と表2に示した堆積膜形成条件で、下部注入阻止層、光導電層、上部注入阻止層、表面層を順次堆積させた積層膜を形成する。このとき、1度の堆積膜形成で上下2本の、アルミニウムシリンダー外周面上に積層膜が形成されたものが作製される。この上下2本を1セットとし、各実施例および比較例のそれぞれの堆積膜形成条件にて1セット、2本のアルミニウムシリンダー外周面上に積層膜が形成された電子写真感光体を作製した。なお、各実施例および比較例における表面層形成時における堆積膜形成条件の反応圧力は、表2に示した反応圧力とした。次いで、各実施例および各比較例について表3に示す表面処理を行う。すなわち実施例1−1と1−2においては、35質量%の過酸化水素水溶液中に、上記積層膜を形成したアルミニウムシリンダーを浸漬し加熱する。また比較例1−3では、上記積層膜を形成したアルミニウムシリンダーを空気中にて加熱する。加熱温度と加熱時間は表3に示すとおりである。この表面処理を経て、電子写真感光体が作製される。他方、比較例1−1と1−2では表面処理は行わず、表1表2で示される堆積膜形成条件にてアルミニウムシリンダー外周面上に積層膜が形成したものを電子写真感光体とした。
Figure 2019066696
Figure 2019066696
Figure 2019066696
こうして作製された電子写真感光体について画像解像力の評価を行い、その評価結果に基づいてランク付けを行った。また、作製された電子写真感光体の物性を調べるため、ダイナミック硬度の評価、接触角の評価、最表面における元素の結合状態の評価、表面層の水素原子の含有比率の評価を行った。以下に上述の評価の方法について説明する。
(画像解像力の評価)
画像解像力の評価は、温度30℃、相対湿度80%の高温高湿環境下に設置されたキヤノン(株)製のデジタル電子写真装置「image RUNNER ADVANCE C7065」(商品名)の改造機を用いた。改造機は、一次帯電および現像バイアスを外部電源から印加できる構成とした。また、画像データは、プリンタードライバーを介さずに直接出力可能な構成とし、画像露光光による45度212lpi(1インチあたり212線)の線密度で面積階調ドットスクリーンの面積階調画像(すなわち画像露光を行うドット部分の面積階調)を出力した。面積階調画像は、17段階に均等配分した階調データを用いた。このとき、最も濃い階調を17、最も薄い階調を0として各階調に番号を割り当て、この番号を階調段階とした。次に、上記改造した電子写真装置に作製した電子写真感光体を設置し、上記階調データを用いて、A3用紙に出力した。電子写真感光体ヒーターをONにして、電子写真感光体の表面を約40℃に保った条件で画像を出力した。そして、得られた画像を各階調ごとに反射濃度計(X−Rite Inc製:504 分光濃度計)により画像濃度を測定した。なお、反射濃度測定では、各実施例および比較例における堆積膜形成処方において作製される2本の電子写真感光体において、1本毎に各々の階調ごとに3枚の画像を出力、すなわち各々の階調について計6枚の画像を出力する。その6枚の画像濃度の平均値を、その階調の濃度評価値とする。次に、こうして得られた濃度評価値と階調段階との相関係数を算出する。この相関係数は次の様にして算出される。すなわち0から17の階調段階の値をX(X=0、X=1、・・・、X17=17)とし、各々の階調段階の値Xに対応して出力した画像の濃度評価値をYとして、相関係数を式(1)によって算出する。
Figure 2019066696
ここで、Xaは式(2)、Yaは式(3)で表わされる。
Figure 2019066696
Figure 2019066696
そして、上式によって算出された相関係数の、各階調の反射濃度が完全に直線的に変化する階調表現が得られた場合である相関係数(=1.00)からの差分を求めた。この差分の大きさが大きいほど、画像流れが生じて画像解像力が悪化しているといえるが、それは以下の理由による。すなわち画像流れが生じている場合、像露光非照射部の帯電電荷が、像露光照射部へ流れ込むことにより、電子写真感光体上の潜像が崩れてしまう。このとき薄い階調データの出力であるほど、像露光照射部の面積が狭いために、像露光非照射部からの帯電電荷の流れ込みにより像露光照射部の電位が上がりやすく、特に像露光照射部の周辺部は現像電位の大きさを超えてしまい易い。そのため、トナーが現像される面積が狭まってしまい、その結果、より薄い階調データで出力される画像ほど、階調データよりもより薄い濃度となってしまう。逆に、濃い階調データの出力であるほど、像露光非照射部の面積が狭いために、像露光照射部へ帯電電荷の流れ出しに対して、像露光非照射部の電位の大きさが下がりやすく、特に像露光非照射部の周辺部は現像電位の大きさを下回りやすい。そのため、トナーが現像される面積が像露光非照射部にまで浸食して拡がってしまい、その結果、より濃い階調データで出力される画像ほど、階調データよりもより濃い濃度となってしまう。こうして、上記の相関係数が1.00からはずれてゆくため、上述の差分が、画像流れすなわち画像解像力の悪化の指標となるのである。
評価の方法としては、比較例1−1で作製した電子写真感光体の相関係数から算出される差分に対する各成膜条件にて作製された電子写真感光体の相関係数から算出される差分の比を画像解像力指標値として評価した。この値が小さいほど画像解像力が優れていることを示している。そして以下のように画像解像力ランクとしてランク付けした。
A…各堆積膜形成条件にて作製された電子写真感光体における画像解像力指標値が0.50以下。
B…各堆積膜形成条件にて作製された電子写真感光体における画像解像力指標値が0.50より大きく、0.75以下。
C…各堆積膜形成条件にて作製された電子写真感光体における画像解像力指標値が0.75より大きい。
各堆積膜形成条件における、画像解像力ランクを、表4に示す。
(ダイナミック硬度の評価)
ガラス上に表面層単層からなる膜を、実施例および比較例と同じ堆積膜形成条件にて形成したものをダイナミック硬度評価用試料とし、ダイナミック硬度計(島津製作所社製DUH−201)に設置する。そして先端半径0.1μm以下、稜線角度115度の三角錐ダイヤモンドスタイラスに垂直加重をかけた際の荷重と押し込み深さからダイナミック硬度を算出した。そしてダイナミック硬度評価用試料上の任意の10点においてその平均値を求める。その値は、実施例1−1、1−2および比較例1−1〜1−3で作製されたすべての電子写真感光体の表面層において1200kgf/mmを超えており、表面層として充分な硬度を有していることが分かった。
(接触角の評価)
上述の画像解像力評価の後、接触角計(協和界面(株)製のCA−SROLL)にて、試薬として純水を使用した液滴法にて、表面層の接触角を測定した。実施例1−1、1−2および比較例1−1〜1−3の2本の電子写真感光体について任意の周方向における長手方向の中央部において接触角を1本の感光体について10回測定する。そして、計20回の接触角の測定値の平均値を接触角の評価値とする。その値を表4に示す。
(最表面における元素の結合の評価)
上述の画像解像力評価の後、実施例1−1、1−2および比較例1−1〜1−3の2本の電子写真感光体について任意の周方向における長手方向の中央部の一部を1cm角に切り出して、これを分析用試料とする。この分析用試料を、室温における無水トリフルオロ酢酸(TFAA)雰囲気中に60時間放置することによって、気相化学修飾を行う。この気相化学修飾によって分析用試料表面における炭素原子の水酸基終端部(C−OH)が、図5に示すようにCOCFに置換される。次いで、室温真空中に3時間放置して表面の水分ならびにTFAAの成分を蒸発させたのち、XPS(X線光電子分光法)装置(アルバックファイ製VersaProbeII)に導入する。そして検出される炭素原子の1s軌道(C1s軌道)から励起される電子の結合エネルギースペクトルを、286.5eV、289.0eV、287.5eV。285.1eV、284.4eV、293.0eVを中心の結合エネルギーとする分布関数によってフィッティング(波形分離)する。そしてこの波形分離された各分布関数の結合エネルギーに対する積分値(面積)の、C1s軌道からの励起電子の結合エネルギースペクトル全体の面積に対する割合が、各々の分布関数に対応する結合をとる炭素原子の、全ての炭素原子に対する割合となる。分布関数としてはローレンツ分布関数とガウス分布関数とをコンボリューションした分布関数を用いた。上述した各々の中心エネルギーは、次に示す炭素原子の結合に対応する。
(C−O結合)
中心の結合エネルギー286.5eVの分布関数は、1つの酸素原子に対して一重結合をなす炭素原子の結合(C−O)に対応する。表面層においてこの結合(C−O)をとる炭素原子の、表面層に存在する全ての炭素原子に対する割合をNC−O(原子%)とする。
(O−C=O結合)
中心の結合エネルギー289.0eVの分布関数は、2つの酸素原子に対して1つが二重結合を形成し、もう1つが一重結合を形成する炭素原子の結合(O−C=O)に対応する。表面層においてこの結合(O−C=O)をとる炭素原子の、表面層に存在する全ての炭素原子に対する割合をNC−O=O(原子%)とする。
(C=O結合)
中心の結合エネルギー287.5eVの分布関数は、1つの酸素原子に対して二重結合を形成する炭素原子の結合(C=O)に対応する。表面層においてこの結合(C=O)をとる炭素原子の、表面層に存在する全ての炭素原子に対する割合をNC=O(原子%)とする。
(C−CまたはC−H結合)
中心の結合エネルギー285.1eVの分布関数は、1つの炭素原子または1つの水素原子に対して一重結合を形成する炭素原子の結合(C−CまたはC−H)に対応する。表面層においてこの結合(C−CまたはC−H)をとる炭素原子の、表面層に存在する全ての炭素原子に対する割合をNC−CまたはC−H(原子%)とする。
(C=C結合)
中心の結合エネルギー284.4eVの分布関数は、1つの炭素原子に対して二重結合を形成する炭素原子の結合(C=C)に対応する。表面層においてこの結合(C=C)をとる炭素原子の、表面層に存在する全ての炭素原子に対する割合をNC=C(原子%)とする。
(CF結合)
中心の結合エネルギー293.0eVの分布関数は、3つのフッ素に対して一重結合を形成する炭素原子の結合(CF)に対応する。表面層においてこの結合(CF)をとる炭素原子の、表面層に存在する全ての炭素原子に対する割合をNCF3(原子%)する。
(グラファイト成分をなす炭素原子の割合)
次に、無水トリフルオロ酢酸による気相化学修飾する前の分析用試料の表面層に存在するグラファイト成分をなす炭素原子の、表面層に存在するすべての炭素原子に対する割合をNとすると、それはN=NC=Cで表わされる。グラファイト成分をなす炭素原子は、上述の通り、sp炭素原子のことである。
(O=C結合)
表面層に存在するすべての酸素原子に対する1つの炭素原子に対して二重結合を形成する酸素原子(O=C)の割合をNO=Cとする。このNO=Cは、(NC=O+NC−O=O−NCF3)/(NC−O/2+NC=O+3NC−O=O/2−NCF3)で表わされる。
(>C−O−C<結合)
無水トリフルオロ酢酸による気相化学修飾する前の分析用試料の最表面に存在する、表面層に存在するすべての酸素原子に対するエーテル結合を形成する酸素原子(>C−O−C<)の割合をN>C−O−C<とする。このN>C−O−C<は、(NC−O/2+NC−O=O/2−NCF3)/(NC−O/2+NC=O+3NC−O=O/2−NCF3)で表わされる。
以上によって求められるNとNO=CとN>C−O−C<の、実施例1−1、1−2および比較例1−1〜1−3の2本の電子写真感光体について平均値を算出する。その値を表4に示す。
また、上述したC1s軌道からの励起電子に対応する結合エネルギースペクトルのみならず、0〜1400eVの広範囲における結合エネルギースペクトルを測定し、水素原子以外の元素の含有率について調べた。その結果、実施例1−1、1−2および比較例1−1〜1−3の2本の電子写真感光体において、表面層の最表面から検出される炭素と酸素以外に対応する元素の結合エネルギースペクトルは極微小であり、無視できる程度であった。このことから、実施例1−1、1−2および比較例1−1〜1−3において作製された電子写真感光体のすべてにおいて検出される最表面の酸素原子は、殆ど炭素原子と結合して存在すると考えられる。
(表面層における水素原子の比率の評価)
上述の画像解像力評価の後、電子写真感光体から任意の周方向における長手方向の中央部の一部を1cm角に切り出して、これを分析用試料とする。この分析用試料をRBS(ラザフォード後方散乱法)(日新ハイボルテージ(株)製:後方散乱測定装置 AN−2500)により、RBSの測定面積における表面層中の炭素原子と酸素原子の散乱エネルギーに対する原子数分布を測定する。さらにRBSと同時に、上記分析用試料をHFS(水素前方散乱法)(日新ハイボルテージ(株)製:後方散乱測定装置 AN−2500)により、HFSの測定面積における表面層中の水素原子の散乱エネルギーに対する原子数分布を測定する。
そしてエリプソメトリーによって測定した表面層の層厚と、水素原子および炭素原子、酸素原子の原子数の散乱エネルギーに対する分布とから、RBSおよびHFSの測定面積における各原子の個数の層厚方向の分布を算出する。
すなわち、媒質内を通過する距離に従って、散乱原子のエネルギーが減じられることによって決まる各原子の個数のエネルギー分布と、表面層の層厚とを対応づけることにより、各原子の層厚方向の個数分布が算出される。この個数分布を測定面積で割ることによって、面密度が得られる。
こうして得られる水素原子と炭素原子の面密度の層厚方向分布から、表面層中の水素原子の比率(N/(N+N))の層厚方向の平均値を算出する。尚、実施例および比較例において、N/(N+N)の層厚方向の最大値および最小値の平均値からのズレは、平均値に対して3%未満であり、N/(N+N)の層厚方向の分布の影響はさほど大きくないと考えられる。また、前述のXPSによる測定において表面層の最表面において酸素原子は炭素原子と結合していることが示されたことから、RBSから得られる最表面における酸素原子の面密度は、炭素原子と結合している酸素原子の面密度であると考えられる。その値は、実施例1−1、1−2および比較例1−1〜1−3のすべての電子写真感光体において、3×1014(個/cm)〜6×1015(個/cm)の範囲内に収まっていた。
以上によって得られる表面層中の含有水素比率(N/(N+N))の層厚方向の平均値を、実施例1−1、1−2および比較例1−1〜1−3の2本の電子写真感光体についての平均値を算出し、それを表面層の水素原子の比率とする。その値を表4に示す。
Figure 2019066696
表4から推察されるように、NO=CとN>C−O−C<の合計が大きい程、接触角が大きくなっており、最表面の疎水性が高まっていると考えられる。また接触角が大きい程、画像解像力ランクが良くなっている。これは表面層の全ての酸素原子に対して、1つの炭素原子に対して二重結合する酸素原子と、炭素原子同士をエーテル結合する酸素原子との合計の割合を高めることによって疎水性が高まりそれに応じて画像解像力が良くなることを示すと考えられる。
〔実施例2−1〜2−6〕
実施例2−1〜2−6は、表5に示す表面処理の内容以外は、すべて実施例1−1と同様にして電子写真感光体を作製した。そして実施例1と同様の評価を行った。その結果を表6に示す。
Figure 2019066696
Figure 2019066696
表6に示されるように、実施例2−1〜2−6はすべて、N(sp炭素原子の割合)が50%以下に抑えられている。これは過酸化水素水を用いた表面処理における加熱温度が、実施例1よりも比較的高い温度で行われていることに起因すると思われる。実施例2−2と実施例2−3との対比において、NO=CとN>C−O−C<の合計ならびに接触角は双方で殆ど等しいにも関わらず、実施例2−3のほうが画像解像力ランクが良い。これは、N(sp炭素原子の割合)が、実施例2−3のほうが小さいことによると考えられる。
100 水素化非晶質炭素で構成された表面層
101 炭素原子
102 水素原子
103 炭素原子と二重結合をなす酸素原子
104 炭素原子と結合している水酸基
105 炭素原子同士をエーテル結合している酸素原子
106 結合手
301 導電性基体
302 下部注入阻止層
303 光導電層
304 上部注入阻止層
305 表面層

Claims (5)

  1. 表面層と光導電層とを有する電子写真感光体であって、
    該表面層が、酸素原子を含む水素化非晶質炭素で構成されており、
    該表面層の最表面における炭素原子と結合している酸素原子の面密度が、3×1014(個/cm)以上6×1015(個/cm)以下であり、
    該表面層の酸素原子の50原子%以上が、炭素原子と二重結合している、及び/又は炭素原子同士をエーテル結合していることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記表面層の最表面における前記炭素原子の結合状態において、sp炭素原子が50原子%未満である請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記表面層における水素原子の原子数をN、炭素原子の原子数N、としたとき、
    水素原子の比率(N/(N+N))が40%以下である請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記光導電層が水素化非晶質ケイ素で構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  5. 基体上に表面層と光導電層とを有する電子写真感光体の製造方法であって、
    反応容器内に炭化水素ガスを流入させ、基体と該基体表面に対向する電極との間に電位差を印加し、プラズマを生成させることによって、該基体表面に水素化非晶質炭素で構成される膜を堆積させるプラズマCVD工程、及び
    該水素化非晶質炭素で構成される膜が堆積された該基体を、過酸化水素水を含む溶液に浸す浸漬工程、
    を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
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