JP2019066097A - 空気調和装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】蒸発器を通過した冷媒の過熱度を好適に制御することができる空気調和装置を提供する。【解決手段】圧縮機12と、室外凝縮器13と、冷却膨張弁14と、蒸発器15と、これらをこの順で接続している冷却回路11と、再熱経路21と、室内凝縮器22と、再熱膨張弁23と、制御装置30と、を備え、制御装置30は、蒸発器15を通過した冷媒の過熱度を調整するための冷却膨張弁14と再熱膨張弁23との操作比率である第1の比率と、室内凝縮器による再熱量を調整するための冷却膨張弁14と再熱膨張弁23との操作比率である第2の比率とに基づき、冷却膨張弁14の開度と再熱膨張弁23の開度とを同時に制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、再熱除湿運転が可能な空気調和装置に関する。
従来、室内の温度低下を抑制しつつ除湿を行う再熱除湿運転が可能な空気調和装置が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。この空気調和装置は、圧縮機と、室外凝縮器と、冷却膨張弁と、蒸発器(冷却器)とがこの順で冷媒配管により接続されている。圧縮機から吐出された冷媒は、室外凝縮器で凝縮され、冷却膨張弁で減圧された後に、蒸発器において室内空気との間で熱交換することによって蒸発し、室内空気を冷却・除湿する。
また、この空気調和装置は、室外凝縮器と冷却膨張弁とをバイパスする再熱経路を備え、この再熱経路に、室内凝縮器(再熱器)と再熱膨張弁とが設けられている。圧縮機から吐出された冷媒は、室外凝縮器だけでなく室内凝縮器へも分岐して流れ、室内凝縮器において蒸発器を通過した室内空気との間で熱交換することによって凝縮された後、再熱膨張弁によって減圧され、冷却膨張弁からの冷媒と合流して蒸発器に流入する。室内凝縮器は、蒸発器において冷却・除湿された室内空気を加熱することによって、室内を所定の温度に維持している。
特開2011−133171号公報 特開平1−222137号公報
上記のような空気調和装置においては、通常、蒸発器を通過した冷媒に所定の過熱度が付与され、圧縮機が液状冷媒を吸引しないように構成されている。この過熱度は、冷却膨張弁の開度制御により蒸発器を流れる冷媒の流量を調整することによって所定値に調整される。一方、室内の温度は、再熱膨張弁の開度制御により室内凝縮器を流れる冷媒の流量を調整することによって目標温度に調整される。
しかしながら、再熱能力を高めるために再熱膨張弁の開度を大きくすると、室外凝縮器を経て蒸発器に流入する冷媒の流量に対して、室内凝縮器を経て蒸発器に流入する冷媒の流量が相対的に増大するため、冷却膨張弁の開度制御による過熱度の調整が困難になる。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、蒸発器を通過した冷媒の過熱度を好適に制御することができる空気調和装置を提供することを目的とする。
(1)本発明の空気調和装置は、
圧縮機と、
前記圧縮機で圧縮された冷媒を凝縮する室外凝縮器と、
前記室外凝縮器で凝縮された冷媒を減圧する冷却膨張弁と、
前記冷却膨張弁で減圧された冷媒を室内空気との熱交換により蒸発させ当該室内空気を冷却・除湿する蒸発器と、
前記圧縮機、前記室外凝縮器、前記冷却膨張弁、及び前記蒸発器をこの順で接続している冷却回路と、
前記冷却回路における前記圧縮機と前記室外凝縮器とを接続する経路から分岐し、前記冷却膨張弁と前記蒸発器とを接続する経路に接続されている再熱経路と、
前記再熱経路において、前記圧縮機で圧縮された冷媒を、前記蒸発器で冷却・除湿された室内空気との熱交換により凝縮させ当該室内空気を加熱する室内凝縮器と、
前記再熱経路において、前記室内凝縮器で凝縮された冷媒を減圧する再熱膨張弁と、
前記冷却膨張弁及び前記再熱膨張弁の開度を制御する制御装置と、を備えており、
前記制御装置は、前記蒸発器を通過した冷媒の過熱度を調整するための前記冷却膨張弁と前記再熱膨張弁との操作比率である第1の比率と、前記室内凝縮器による再熱量を調整するための前記冷却膨張弁と前記再熱膨張弁との操作比率である第2の比率とに基づき、前記冷却膨張弁の開度と前記再熱膨張弁の開度とを同時に制御する。
上記構成を有する空気調和装置は、過熱度の調整のために冷却膨張弁だけでなく再熱膨張弁の開度も制御されるため、各膨張弁を通過して蒸発器に流入する全体の冷媒量を考慮して過熱度を適切に制御することができる。
(2)好ましくは、前記制御装置は、前記冷却膨張弁が全閉の状態になったとき、前記再熱量の調整よりも優先して前記過熱度を調整するように前記再熱膨張弁の開度を制御する。
冷却膨張弁が全閉の状態になったとしても、再熱膨張弁によって過熱度の調整が可能となる。
本発明によれば、蒸発器を通過した冷媒の過熱度を好適に制御することができる。
本発明の一実施の形態に係る空気調和装置を示す概略構成図である。 制御装置による制御の一例を説明する図である。 制御装置による制御の一例を異なる記載で説明する図である。 制御装置による制御の他の例を説明する図である。 制御装置による制御のさらに他の例を説明する図である。 空気調和装置の制御手順を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
<空気調和装置の全体構成>
図1は、本発明の一実施の形態に係る空気調和装置を示す概略構成図である。
本実施形態の空気調和装置1は、例えば、食肉工場のように水分を多く含む食肉等の冷却対象が室内に頻繁に出入りするような環境で使用され、室内の温度を一定に維持しつつ除湿をも行う再熱除湿運転が可能な空気調和装置1である。
空気調和装置1は、室外機(熱源ユニット)2と、室内機(利用ユニット)3とを備え、これら室外機2と室内機3とは冷媒連絡配管によって接続されている。また、空気調和装置1は、室外機2及び室内機3の動作を制御する制御装置30を備えている。
室外機2は、例えば屋外に設置され、圧縮機12と、室外凝縮器13と、室外ファン16と、冷媒圧力センサSc2等を備えている。
室内機3は、例えば工場等の屋内に配置され、第1膨張弁14と、蒸発器(冷却器)15と、室内凝縮器(再熱器)22と、第2膨張弁23と、室内ファン17と、空気温度センサSa1,Sa2,Sa3と、冷媒温度センサSb1,Sb2,Sb3,Sb4,Sb5と、冷媒圧力センサSc1等を備えている。
圧縮機12、室外凝縮器13、第1膨張弁14、蒸発器15は、この順で冷媒配管により接続されることで冷却回路11を形成している。冷却回路11は、室内空気の温度及び湿度を低下させるために機能する。
また、本実施形態の空気調和装置1は、冷却回路11における、圧縮機12と室外凝縮器13とを接続する経路11aから分岐し、第1膨張弁14と蒸発器15とを接続する経路11bに接続される再熱経路21を備えている。この再熱経路21は、冷却回路11における室外凝縮器13と第1膨張弁14とをバイパスしている。再熱経路21には、室内凝縮器22と第2膨張弁23とが設けられている。したがって、室内凝縮器22及び第2膨張弁23は、室外凝縮器13及び第1膨張弁14と並列に設けられている。再熱経路21は、冷却回路11により冷却された室内空気の温度を上昇させるために機能する。
圧縮機12は、例えば、インバータ制御等によって運転周波数(運転回転数)を調整可能なモータによって駆動される可変容量形のものが用いられる。圧縮機12は、蒸発器15から送られてきた低温・低圧のガス状冷媒を圧縮し、高温・高圧のガス状冷媒とする。なお、圧縮機12は、固定容量形のものであってもよい。
室外凝縮器13は、例えばクロスフィン式のフィンアンドチューブ型熱交換器やマイクロチャネル型熱交換器等が用いられる。室外凝縮器13は、圧縮機12から吐出されたガス状冷媒を室外空気と熱交換することによって凝縮させ、液状冷媒にする。室外空気は、室外ファン16の駆動によって室外凝縮器13に供給される。
第1膨張弁14は、例えばパルスモータ駆動方式の電子膨張弁であり、開度を自在に調整可能である。第1膨張弁14の開度は、制御装置30によって制御される。第1膨張弁14は、室外凝縮器13によって凝縮された液状冷媒を減圧し、低温・低圧の気液二相冷媒にする。また、第1膨張弁14は、開度が制御されることによって蒸発器15を流れる冷媒の流量を調整し、専ら蒸発器15を通過した後の冷媒の過熱度を調整する。以下の説明においては、第1膨張弁14を「冷却膨張弁」ともいう。
蒸発器15は、室外凝縮器13と同様に、例えばクロスフィン式のフィンアンドチューブ型熱交換器やマイクロチャネル型熱交換器等が用いられる。蒸発器15は、冷却膨張弁14を通過した低温低圧の気液二相冷媒を室内空気と熱交換することによって蒸発させ、ガス状冷媒にする。また、蒸発器15は、冷媒との熱交換によって室内空気を冷却・除湿する冷却器として機能する。室内空気は、室内ファン17の駆動によって蒸発器15に供給される。
室内凝縮器22は、室外凝縮器13と同様に、例えばクロスフィン式のフィンアンドチューブ型熱交換器やマイクロチャネル型熱交換器等が採用される。室内凝縮器22には、室内ファン17の駆動によって蒸発器15によって冷却・除湿された室内空気が供給される。また、室内凝縮器22は、圧縮機12から吐出されたガス状冷媒が、室外凝縮器13へ流れる経路11aから分岐して流入し、このガス状冷媒を室内空気との間で熱交換することによって凝縮させる。これにより、蒸発器15によって冷却・除湿された室内空気が湿度を低下させたまま加熱され、室内に吹き出される。したがって、室内凝縮器22は、蒸発器15によって冷却された室内空気を再び加熱する再熱器として機能する。
第2膨張弁23は、冷却膨張弁14と同様に、例えばパルスモータ駆動方式の電子膨張弁であり、開度を自在に調整可能である。第2膨張弁23の開度は、制御装置30によって制御される。第2膨張弁23は、室内凝縮器22によって凝縮された液状冷媒を減圧し、低温・低圧の気液二相冷媒にする。また、第2膨張弁23は、開度が制御されることによって室内凝縮器22を流れる冷媒の流量を調整し、専ら室内空気の加熱量(再熱量)を調整する。以下、第2膨張弁23を「再熱膨張弁」ともいう。
空気温度センサSa1,Sa2,Sa3は、室内機3に吸い込まれる空気の温度を検出する第1空気温度センサSa1と、室内機3から吹き出される空気の温度を検出する第2空気温度センサSa2と、蒸発器15を通過し室内凝縮器22に供給される前の空気の温度を検出する第3空気温度センサSa3とを含む。
冷媒温度センサSb1,Sb2,Sb3,Sb4,Sb5は、蒸発器15の出口における冷媒の温度を検出する第1冷媒温度センサSb1と、蒸発器15を流れている冷媒の温度を検出する第2冷媒温度センサSb2と、室内凝縮器22の出口(再熱膨張弁23前)における冷媒の温度を検出する第3冷媒温度センサSb3と、室内凝縮器22の入口における冷媒の温度を検出する第4冷媒温度センサSb4と、室内凝縮器22を流れている冷媒の温度を検出する第5冷媒温度センサSb5とを含む。
冷媒圧力センサSc1,Sc2は、室内凝縮器22の出口(再熱膨張弁23前)における冷媒の圧力を検出する第1冷媒圧力センサSc1と、圧縮機12の吐出圧力を検出する第2冷媒圧力センサSc2とを含む。
以上の各センサの検出信号は制御装置30に入力され、制御装置30による各種機器の制御に利用される。なお、空気調和装置1は、以上に説明した全てのセンサを備えている必要はなく、少なくとも後述する制御例において用いられるセンサを備えていればよい。
制御装置30は、室内機3に設けられた室内制御部や室外機2に設けられた室外制御部等により構成されている(いずれも図示せず)。制御装置30は、マイクロコンピュータ、メモリ、通信インタフェース等により構成されており、室内機3及び室外機2に設けられた各種センサの信号が入力される。また、制御装置30は、圧縮機12、膨張弁14,23、ファン16,17等の動作を制御する。制御装置30は、室内機3に接続されたリモートコントローラ等を介して、室内機3における吸込温度又は吹出温度の目標値(設定温度)の入力を受付可能である。
再熱除湿運転が可能な一般的な空気調和装置1は、冷却膨張弁14の開度制御によって蒸発器15における冷媒循環量を調整し、蒸発器15を通過した後の冷媒の過熱度を所定値に調整する。これにより、圧縮機12には液状冷媒が流入せず、圧縮機12が保護される。
一方、蒸発器15には、冷却膨張弁14を通過した冷媒だけでなく、再熱経路21からの冷媒も流入する。再熱経路21から流入する冷媒の循環量は、冷却膨張弁14によって制御することはできないため、再熱経路21からの冷媒循環量が増加すると冷却膨張弁14による過熱度の調整が困難になる。
本実施形態の空気調和装置1は、上記のような不都合を解消するために、蒸発器15を通過した後の冷媒の過熱度を調整するために、単に冷却膨張弁14の開度制御を行うのではなく、再熱膨張弁23の開度制御をも同時に行うように制御装置30が構成されている。また、室内凝縮器22による室内空気の再熱量を調整するために、単に再熱膨張弁23の開度制御を行うのではなく、冷却膨張弁14の開度制御をも同時に行うように制御装置30が構成されている。
具体的には、制御装置30は、蒸発器15を通過した冷媒の過熱度を調整するための冷却膨張弁14と再熱膨張弁23との操作比率である第1の比率と、室内凝縮器22による再熱量を調整するための冷却膨張弁14と前記再熱膨張弁23との操作比率である第2の比率とに基づき、冷却膨張弁14の開度と再熱膨張弁23の開度とを同時に制御するように構成されている。
以下、この点について詳細に説明する。
図2は、制御装置30による制御の一例を説明する図である。
本実施形態では、冷却膨張弁14及び再熱膨張弁23を操作するにあたり、図2に示すような座標軸を想定している。図2における横軸Xは、冷却膨張弁14の操作軸(冷却系操作軸)であり、縦軸Yは、再熱膨張弁23の操作軸(再熱系操作軸)である。冷却膨張弁14の操作量(ΔEVc’,ΔEVc”)は操作軸X上に表され、再熱膨張弁23の操作量(ΔEVr’,ΔEVr”)は操作軸Y上に表される。
操作軸Xの正方向(右方向)は、冷却膨張弁14を開く方向の操作を表し、負方向(左方向)は、冷却膨張弁14を閉じる方向の操作を表している。また、操作軸Yの正方向(上方向)は、再熱膨張弁23を開く方向の操作を表し、負方向(下方向)は、再熱膨張弁23を閉じる方向の操作を表している。そして、各操作軸X,Y上では、各膨張弁14,23の操作量をそれぞれ操作方向を含めたベクトルとして示す。
従来、冷却膨張弁14と再熱膨張弁23とは、それぞれ過熱度と再熱量とを制御するにあたって、互いに関わり合うことなく独立して操作されていた。つまり、図2において、冷却膨張弁14及び再熱膨張弁23は、それぞれ操作軸X上及び操作軸Y上で個別に設定された操作量で操作されていたということができる。
これに対して、本実施形態では、単に操作軸X,Y上で個別に操作量を設定するのではなく、各操作軸X,Yに対して所定の角度で傾斜した基準軸X’,Y’を想定し、この基準軸X’,Y’上で、実際の操作量ΔEVc’,ΔEVr’,ΔEVc”,ΔEVr”を決定するための「操作基準量」ΔEVnc,ΔEVnrを設定する。基準軸X’は、冷却膨張弁14の操作軸Xに対して角度θcだけ傾斜し、基準軸Y’は、冷却膨張弁14の操作軸Xに対して角度θrだけ傾斜しており、θc<θrの関係にある。また、本実施形態では、0°<θc<90°であり、90°<θr<180°である。これらの角度θc,θrは、それぞれ前述した第1の比率と第2の比率とを定める角度となる。
操作基準量ΔEVncは、蒸発器15を通過した後の冷媒の過熱度を冷却膨張弁14の開度制御のみによって所定の目標値に調整する場合の、冷却膨張弁14の開度の操作量に相当する。操作基準量ΔEVnrは、室内空気の温度を再熱膨張弁23の開度制御のみによって所定の目標値に調整する場合の、再熱膨張弁23の開度の操作量に相当する。従来は、これらの操作基準量ΔEVnc,ΔEVnrをそのまま冷却膨張弁14及び再熱膨張弁23の操作量(図2にΔEVcold、ΔEVroldで示す)に適用して各膨張弁14,23を制御していた。
本実施形態では、冷却膨張弁14の操作基準量ΔEVncを基準軸X’上にベクトルとして設定する。また、再熱膨張弁23の操作基準量ΔEVnrを基準軸Y’上にベクトルとして設定する。そして、各ベクトルをそれぞれ操作軸X,Y上に分解することによって、操作量ΔEVc’,ΔEVr’,ΔEVc”,ΔEVr”を決定する。
例えば、図2(a)に示すように、冷却膨張弁14の操作基準量ΔEVncのベクトルは、操作軸X,Y上に、ΔEVc’とΔEVr’とに分解することができる。また、図2(b)に示すように、再熱膨張弁23の操作基準量ΔEVnrのベクトルは、操作軸X,Y上に、Evc”とΔEVr”とに分解することができる。そして、冷却系の各操作量ΔEVc’及びΔEVc”を足し合わせたものが、実質的な操作量(実操作量)となり、再熱系の各操作量ΔEVr’及びΔEVr”を足し合わせたものが、実質的な操作量(実操作量)となる。これらの実操作量は、図3に示すように、操作基準量ΔEVncのベクトルと、操作基準量ΔEVnrのベクトルとを合成した後に、操作軸X,Y上に分解したものΔEVc,ΔEVrと同一である。
したがって、蒸発器15を通過した後の過熱度を所定の目標値に調整する場合には、必要な過熱度の調整量に応じた冷却膨張弁14の操作基準量ΔEVncを求め、この操作基準量ΔEVncから冷却膨張弁14の操作量ΔEVc’と再熱膨張弁23との操作量ΔEVr’とを求める。そして、過熱度を調整するために冷却膨張弁14のみを操作するのではなく、冷却膨張弁14と再熱膨張弁23との双方を各操作量ΔEVc’,ΔEVr’で操作する。各操作量ΔEVc’,ΔEVr’をどのような比率で設定するか、すなわち角度θcをどのように設定するかは、各膨張弁14,23のサイズ(流量係数)等を考慮して決定することができる。
同様に、室内空気の温度を所定の目標値に調整する場合には、必要な室内凝縮器22による再熱量に応じた再熱膨張弁23の操作基準量ΔEVnrを求め、この操作基準量ΔEVnrから再熱膨張弁23の操作量ΔEVr”と冷却膨張弁14の操作量ΔEVnc”とを求める。そして、室内凝縮器22による再熱量を調整するために、再熱膨張弁23のみを操作するのではなく、再熱膨張弁23と冷却膨張弁14との双方を各操作量ΔEVc”,ΔEVr”で操作する。各操作量ΔEVc”,ΔEVr”をどのような比率で設定するか、すなわち角度θrをどのように設定するかは、各膨張弁14,23のサイズ(流量係数)等を考慮して決定することができる。
蒸発器15を通過した後の冷媒の過熱度のみに注目すると、図2(a)に示す例では、過熱度が所定の目標値よりも大きいため、蒸発器15の冷媒循環量を増やすように各膨張弁14,23の開度を開く方向に制御している。従来は、単に操作基準量ΔEVncに相当する操作量(ΔEVcold)で冷却膨張弁14のみを操作していたが、本実施形態では、操作基準量ΔEVncのベクトルを操作軸Xと操作軸Yとに分解し、冷却膨張弁14と再熱膨張弁23とを制御する。冷却膨張弁14の操作量ΔEVc’は、従来の操作量ΔEVcoldよりも小さい値となるが、再熱膨張弁23の操作量ΔEVr’も生じているため、全体の冷媒循環量は従来と同じとなる。したがって、過熱度を適切に制御することができる。
また、再熱膨張弁23が開く方向に操作されることによって、室内凝縮器22による再熱量が増加し、室内温度が上昇する方向に働くが、冷却膨張弁14も開く方向に操作されることによって冷却能力が増加しているので、その結果、室内の温度は適切に維持される。
室内凝縮器22による再熱量のみについて注目すると、図2(b)に示す例では、室内温度が所定の目標値よりも低いため、室内凝縮器22による室内空気の再熱量を増加させるように再熱膨張弁23の開度を開く方向に操作し、同時に、冷却膨張弁14を閉じる方向に制御している。この場合、再熱膨張弁23を開く方向に操作することによって再熱量が増加し、蒸発器15を流れる冷媒循環量も増加し、過熱度を小さくする方向に働くが、同時に冷却膨張弁14が閉じる方向に操作されるので、再熱膨張弁23を開くことによる蒸発器15の冷媒循環量の増加が相殺され、結果として過熱度は維持されるようになっている。また、再熱膨張弁23の操作量ΔEVr”は、従来の操作量ΔEVroldよりも小さくなるため、室内温度を上昇させる作用は小さくなるが、冷却膨張弁14が閉じる方向に操作されることによって冷却能力が低下し室内温度を低下させる作用が抑えられるので、全体として室内温度を適切に制御することができる。
以上のような制御を行うことによって、過熱度を調整するために冷却膨張弁14のみを操作し、再熱量を調整するために再熱膨張弁23のみを操作する場合と比較して、冷却膨張弁14の制御と再熱膨張弁23の制御とを相互に干渉させて過熱度と再熱量とのバランスを図ることになるため、過熱度や再熱量の制御が不能になったり不十分となったりすることもない。
図4は、制御装置30による制御の他の例を説明する図である。
具体的に、図4は、蒸発器15を通過した後の冷媒の過熱度を小さくし、室内空気の温度を上昇させる(室内凝縮器22による再熱量を増加させる)場合の制御例を示す。冷却膨張弁14の操作基準量ΔEVncは基準軸X’上に負方向のベクトルとして設定され、再熱膨張弁23の操作基準量ΔEVnrは、基準軸Y’上に正方向のベクトルとして設定されている。そして、両操作基準量ΔEVnc,ΔEVnrのベクトルを合成したものをそれぞれ操作軸X,Yに分解することによって冷却膨張弁14と再熱膨張弁23の実操作量ΔEVc,ΔEVrが求められる。図4の例では、冷却膨張弁14が閉じる方向に操作され、再熱膨張弁23は開く方向に操作される。
図5は、制御装置30による制御のさらに他の例を説明する図である。
具体的に、図5は、蒸発器15を通過した後の冷媒の過熱度を小さくし、室内空気の温度を低下させる(室内凝縮器22による再熱量を減少させる)場合の制御例を示す。冷却膨張弁14の操作基準量ΔEVncは基準軸X’上に負方向のベクトルとして設定され、再熱膨張弁23の操作基準量ΔEVnrは、基準軸Y’上に正方向のベクトルとして設定されている。この点は、図4に示す例と同様である。そして、両操作基準量ΔEVnc,ΔEVnrのベクトルを合成したものをそれぞれ操作軸X,Yに分解することによって冷却膨張弁14と再熱膨張弁23の実操作量ΔEVc,ΔEVrが求められる。図5の例では、冷却膨張弁14は、図4の例と同様に閉じる方向に操作されるが、再熱膨張弁23は、図4の例とは異なり閉じる方向に操作される。
なお、図4及び図5に示す例においては、冷却膨張弁14が閉じる方向に操作されるため、冷却膨張弁14が全閉の状態になる場合も考えられる。この場合、制御装置30は、蒸発器15を通過した後の冷媒の過熱度の調整を、再熱量の調整に優先して再熱膨張弁23の開度制御のみによって行う。これにより、液状冷媒が圧縮機12に吸入されるのを防止し、圧縮機12を適切に保護することができる。逆に、再熱膨張弁23が閉じる方向に操作されて全閉状態になった場合には、制御装置30は、従来と同様に冷却膨張弁14の開度制御のみによって冷媒の過熱度の調整を行う。
次に、以上に説明したような冷却膨張弁14及び再熱膨張弁23の開度制御を行うための具体的手順について説明する。図6は、空気調和装置1の制御手順を示すフローチャートである。
図6のステップS1において、蒸発器15の出口における冷媒の温度Tcoが第1冷媒温度センサSb1により検出される。また、ステップS2において、蒸発器15を流れている冷媒の温度Tcmが第2冷媒温度センサSb2により検出される。この冷媒の温度Tcmは、蒸発器15における蒸発温度に相当する。
次いで、ステップS3において、制御装置30は、蒸発器15を通過した後の冷媒の過熱度SHを算出する。具体的には、次の式(1)により過熱度SHを算出する。
SH=Tco−Tcm ・・・ (1)
次に、ステップS4において、第1空気温度センサSa1により室内機3への室内空気の吸込温度Taが検出される。
次いで、ステップS5において、制御装置30は、冷却膨張弁14の操作基準量ΔEVncを算出する。具体的には、まず、制御装置30は、次の式(2)により、現在の過熱度SHと、目標過熱度SHmのとの差分ΔSHを演算する。
ΔSH=SH−SHm ・・・ (2)
そして、制御装置30は、過熱度の差分ΔSHを用いて冷却膨張弁14の操作基準量ΔEVncを求める。本実施形態では、次の式(3)に示すように、PID制御等のフィードバック制御により過熱度の差分ΔSHから冷却膨張弁の操作基準量ΔEVncを算出する。
ΔEVnc=PID(ΔSH) ・・・ (3)
次いで、ステップS6において、制御装置30は、吸込温度Taを所定の目標値に調整するための再熱膨張弁23の操作基準量ΔEVnrを算出する。具体的に、まず、制御装置30は、次の式(4)により、現在の吸込温度Taと、目標吸込温度Tamとの差分ΔTaを演算する。
ΔTa=Ta−Tam ・・・ (4)
そして、吸込温度の差分ΔTaを用いて再熱膨張弁23の操作基準量ΔEVnrを取得する。本実施形態では、次の式(5)に示すように、PID制御等のフィードバック制御により、吸込温度の差分ΔTaから再熱膨張弁23の操作基準量ΔEVnrを算出する。
ΔEVnr=PID(ΔTa) ・・・ (5)
次いで、ステップS7において、制御装置30は、各操作基準量ΔEVnc,ΔEVnrを図3〜図5に示す基準軸X’,Y’上にベクトルとして設定し、両ベクトルを合成したものを操作軸X,Yに分解することによって、冷却膨張弁14及び再熱膨張弁23の実操作量ΔEVc,ΔEVrを求める。具体的には、次の式(6)及び式(7)を演算する。
Figure 2019066097
Figure 2019066097
ただし、式(6)及び式(7)のθc’は、ΔEVnc>0である場合(ΔEVncが図2における基準軸X’上で正方向(冷却膨張弁14を開く方向)の値である場合)に、θc’=θcとなり、ΔEVnc<0である場合に、θc’=θc+180°となる。
同様に、θr’は、ΔEVnr>0である場合(ΔEVnrが図2における基準軸Y’上で正方向(再熱膨張弁23を開く方向)の値である場合)に、θr’=θrとなり、ΔEVnr<0である場合に、θr’=θr+180°となる。
そして、ステップS8において、制御装置30は、式(6)及び式(7)により求められた実操作量ΔEVc,ΔEVrで冷却膨張弁14及び再熱膨張弁23を操作し、開度を変更する。
以上のような冷却膨張弁14及び再熱膨張弁23の制御を行うことによって、例えば、室内凝縮器22における冷媒循環量の増加により、蒸発器15を通過した後の冷媒の過熱度の制御が困難になることもない。
本発明は、上記実施形態及び変形例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において種々変更することが可能である。
例えば、本発明の空気調和装置は、食肉工場に限らず、あらゆる環境下で用いることができる。
1 :空気調和装置
11 :冷却回路
11a:経路
11b:経路
12 :圧縮機
13 :室外凝縮器
14 :膨張弁
14 :冷却膨張弁
15 :蒸発器
21 :再熱経路
22 :室内凝縮器
23 :再熱膨張弁
30 :制御装置

Claims (2)

  1. 圧縮機(12)と、
    前記圧縮機(12)で圧縮された冷媒を凝縮する室外凝縮器(13)と、
    前記室外凝縮器(13)で凝縮された冷媒を減圧する冷却膨張弁(14)と、
    前記冷却膨張弁(14)で減圧された冷媒を室内空気との熱交換により蒸発させ当該室内空気を冷却・除湿する蒸発器(15)と、
    前記圧縮機(12)、前記室外凝縮器(13)、前記冷却膨張弁(14)、及び前記蒸発器(15)をこの順で接続している冷却回路(11)と、
    前記冷却回路(11)における前記圧縮機(12)と前記室外凝縮器(13)とを接続する経路(11a)から分岐し、前記冷却膨張弁(14)と前記蒸発器(15)とを接続する経路(11b)に接続されている再熱経路(21)と、
    前記再熱経路(21)において、前記圧縮機(12)で圧縮された冷媒を、前記蒸発器(15)で冷却・除湿された室内空気との熱交換により凝縮させ当該室内空気を加熱する室内凝縮器(22)と、
    前記再熱経路(21)において、前記室内凝縮器(22)で凝縮された冷媒を減圧する再熱膨張弁(23)と、
    前記冷却膨張弁(14)及び前記再熱膨張弁(23)の開度を制御する制御装置(30)と、を備えており、
    前記制御装置(30)は、前記蒸発器(15)を通過した冷媒の過熱度を調整するための前記冷却膨張弁(14)と前記再熱膨張弁(23)との操作比率である第1の比率と、前記室内凝縮器による再熱量を調整するための前記冷却膨張弁(14)と前記再熱膨張弁(23)との操作比率である第2の比率とに基づき、前記冷却膨張弁(14)の開度と前記再熱膨張弁(23)の開度とを同時に制御する、空気調和装置。
  2. 前記制御装置(30)は、前記冷却膨張弁(14)が全閉の状態になったとき、前記再熱量の調整よりも優先して前記過熱度を調整するように前記再熱膨張弁(23)の開度を制御する、請求項1に記載の空気調和装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022016727A1 (zh) * 2020-07-22 2022-01-27 艾默生环境优化技术(苏州)有限公司 环境优化系统
WO2024070425A1 (ja) * 2022-09-26 2024-04-04 サンデン株式会社 冷媒ユニット
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