JP6590026B2 - 空気調和装置 - Google Patents

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Description

本発明は、再熱除湿運転が可能な空気調和装置に関する。
従来、室内の温度低下を抑制しつつ除湿を行う再熱除湿運転が可能な空気調和装置が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。この空気調和装置は、圧縮機と、室外凝縮器と、冷却膨張弁と、蒸発器(冷却器)とがこの順で冷媒配管により接続されている。圧縮機から吐出された冷媒は、室外凝縮器で凝縮され、冷却膨張弁で減圧された後に、蒸発器において室内空気との間で熱交換することによって蒸発し、室内空気を冷却・除湿する。
また、この空気調和装置は、室外凝縮器と冷却膨張弁とをバイパスする再熱経路を備え、この再熱経路に、室内凝縮器(再熱器)と再熱膨張弁とが設けられている。圧縮機から吐出された冷媒は、室外凝縮器だけでなく室内凝縮器へも分岐して流れ、室内凝縮器において蒸発器を通過した室内空気との間で熱交換することによって凝縮された後、再熱膨張弁によって減圧され、冷却膨張弁からの冷媒と合流して蒸発器に流入する。室内凝縮器は、蒸発器において冷却・除湿された室内空気を加熱することによって、室内を所定の温度に維持している。
特開2011−133171号公報 特開平1−222137号公報
上記のような空気調和装置においては、通常、蒸発器を通過した冷媒に所定の過熱度が付与され、圧縮機が液状冷媒を吸引しないように構成されている。この過熱度は、冷却膨張弁の開度制御により蒸発器を流れる冷媒の流量を調整することによって所定値に調整される。一方、室内の温度は、再熱膨張弁の開度制御により室内凝縮器を流れる冷媒の流量を調整することによって目標温度に調整される。
しかしながら、再熱能力を高めるために再熱膨張弁の開度を大きくすると、室外凝縮器を経て蒸発器に流入する冷媒の流量に対して、室内凝縮器を経て蒸発器に流入する冷媒の流量が相対的に増大するため、冷却膨張弁の開度制御による過熱度の調整が困難になる。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、冷却膨張弁の開度制御によって蒸発器を通過した冷媒の過熱度を好適に制御することができる空気調和装置を提供することを目的とする。
(1)本発明の空気調和装置は、
圧縮機と、
前記圧縮機で圧縮された冷媒を凝縮する室外凝縮器と、
前記室外凝縮器で凝縮された冷媒を減圧する冷却膨張弁と、
前記冷却膨張弁で減圧された冷媒を室内空気との熱交換により蒸発させ当該室内空気を冷却・除湿する蒸発器と、
前記圧縮機、前記室外凝縮器、前記冷却膨張弁、及び前記蒸発器をこの順で接続している冷却回路と、
前記冷却回路における前記圧縮機と前記室外凝縮器とを接続する経路から分岐し、前記冷却膨張弁と前記蒸発器とを接続する経路に接続されている再熱経路と、
前記再熱経路において、前記圧縮機で圧縮された冷媒を、前記蒸発器で冷却・除湿された室内空気との熱交換により凝縮させ当該室内空気を加熱する室内凝縮器と、
前記再熱経路において、前記室内凝縮器で凝縮された冷媒を減圧する再熱膨張弁と、
前記冷却膨張弁及び前記再熱膨張弁の開度を制御する制御装置と、を備えており、
前記制御装置は、
前記蒸発器における蒸発温度及び前記蒸発器を通過した後の冷媒の温度に基づいた前記冷却膨張弁のみの開度制御により、前記蒸発器における冷媒循環量を調整して前記蒸発器通過後の冷媒の過熱度を調整する冷却制御部と、
前記再熱膨張弁の開度制御により、前記室内凝縮器における冷媒循環量を調整して室温を調整する再熱制御部と、を備え、
前記再熱膨張弁は、前記冷却膨張弁による過熱度の調整を可能とする前記蒸発器における冷却能力と前記室内凝縮器における再熱能力との比率に基づいて、前記再熱制御部によって制御される開度の上限が設定されている。
なお、開度の上限とは、全開状態の開度を含まず、再熱膨張弁の全閉状態と全開状態との間の開度を意味する。
上記構成を有する空気調和装置は、冷却膨張弁による過熱度の調整を可能とする、蒸発器における冷却能力と室内凝縮器における再熱能力との比率に基づいて、再熱膨張弁の開度の上限が設定されているので、蒸発器の冷媒循環量に対する室内凝縮器の冷媒循環量の割合が過度に大きくならないように室内凝縮器の冷媒循環量を制限することができ、冷却膨張弁の開度制御による蒸発器の過熱度の調整を適切に行うことが可能となる。
(2)好ましくは、前記制御装置が、運転中の前記蒸発器における冷却能力の変動に応じて、前記再熱膨張弁の開度の上限を調整する上限調整部をさらに備えている。
この構成によれば、例えば、運転中に、外部からの熱負荷の減少に応じて蒸発器における冷却能力を低下させた場合に、再熱膨張弁の開度の上限を低く調整し、室内凝縮器における再熱能力をも低下させることができるので、蒸発器の冷却能力に変動が生じたとしても、蒸発器の冷媒循環量に対する室内凝縮器における冷媒循環量の割合が過度に大きくならず、冷却膨張弁の開度制御による過熱度の調整を適切に行うことができる。
(3)好ましくは、前記再熱膨張弁の開度の上限が、前記冷却膨張弁を流れる冷媒循環量と前記再熱膨張弁を流れる冷媒循環量との比率に基づいて調整される。
この構成によれば、冷却膨張弁を流れる冷媒循環量は、蒸発器の冷却能力と相関があり、再熱膨張弁を流れる冷媒循環量は、室内凝縮器の再熱能力と相関があるので、前記冷却膨張弁を流れる冷媒循環量と前記再熱膨張弁を流れる冷媒循環量との比率に基づいて再熱膨張弁の開度の上限を調整することができる。
(4)好ましくは、前記再熱膨張弁の開度の上限が、前記蒸発器を通過する前後の空気の温度差と、前記室内凝縮器を通過する前後の空気の温度差との比率に基づいて調整される。
この構成によれば、蒸発器を通過する前後の空気の温度差は、蒸発器における冷却能力と相関があり、前記室内凝縮器を通過する前後の空気の温度差は、室内凝縮器における再熱能力と相関がある。したがって、これらの温度差の比率に基づいて再熱膨張弁の開度の上限を調整することができる。また、各温度差は空気温度センサを用いて容易に計測することができるので、再熱膨張弁の開度の上限を調整する操作を簡便に行うことができる。
(5)好ましくは、前記再熱制御部が、前記室内凝縮器の出口の冷媒の過冷却度に応じて前記再熱膨張弁の開度の制御量を補正し、当該過冷却度を調整する。
室内凝縮器の出口における過冷却度が十分に確保できない場合、再熱膨張弁に気液二相冷媒が流入し、室内凝縮器への冷媒循環量が急減少して過熱度の制御が乱れる等の不都合が生じる。
このような不都合に鑑み、上記構成を有する空気調和装置は、再熱制御部が、室内凝縮器の出口の冷媒の過冷却度に応じて再熱膨張弁の開度の制御量を補正し、当該過冷却度を所定値に調整するので、過冷却度を好適に確保することができる。
(6)好ましくは、前記制御装置が、前記蒸発器で冷却・除湿した空気を前記室内凝縮器で加熱する再熱除湿モードの運転制御と、前記蒸発器で冷却・除湿した空気が前記室内凝縮器を通過するだけの冷却モードの運転制御とを行うものであり、前記蒸発器の吸込空気温度が目標温度の範囲内で且つ吸込空気の相対湿度が目標湿度以上であるときに前記再熱除湿モードの運転を行い、前記蒸発器の吸込空気温度が目標温度より高いか、または、当該吸込空気温度が目標温度の範囲内で且つ吸込空気の相対湿度が目標湿度未満であるときに冷却モードの運転を行うように構成されている。
この構成によれば、蒸発器の吸込空気温度が目標温度の範囲内で且つ吸込空気の相対湿度が目標湿度以上であるときには、室内空間の温度に対して湿度が比較的高い状態であるため、温度を下げずに湿度を下げるように再熱除湿モードの運転が行われる。また、蒸発器の吸込空気温度が目標温度より高いか、または、吸込空気温度が目標温度の範囲内で且つ吸込空気の相対湿度が目標湿度未満であるときに、湿度よりも温度を優先して下げるように冷却モードの運転が行われる。このように、吸込空気の状態に応じて再熱除湿モードと冷却モードが行われ、室内空間の湿度や温度が適正値に制御される。
(7)好ましくは、前記再熱除湿モードの運転時における前記室内凝縮器の冷媒流入側の再熱用冷媒配管に再熱用第1開閉弁が接続され、前記室内凝縮器の冷媒流出側に前記再熱膨張弁が接続され、
前記再熱用冷媒配管には、前記再熱用第1開閉弁をバイパスする再熱用バイパス管が接続され、該再熱用バイパス管には前記再熱用第1開閉弁より口径の小さい再熱用第2開閉弁が接続されている。
(8)また、好ましくは、前記制御装置が、前記再熱除湿モードの運転を開始するときに、前記再熱用第1開閉弁を閉鎖した状態で、前記再熱膨張弁を開いてから所定時間後に前記再熱用第2開閉弁を開き、その所定時間後に前記再熱用第1開閉弁を開放する液冷媒除去運転を行うように構成されている。
この構成によれば、再熱除湿モードの運転を開始するときに、再熱用第1開閉弁よりも口径が小さな再熱用第2開閉弁を先に開くことにより、冷却運転中に再熱用冷媒配管に溜まり込んだ液冷媒が再熱用膨張弁を一気に通過しないので、配管の振動や騒音を防止できる。
(9)好ましくは、前記制御装置が、前記再熱除湿モードの運転を終了するときに、前記再熱用第1開閉弁及び前記再熱用第2開閉弁を閉じてから所定時間後に前記再熱膨張弁を閉鎖するように構成されている。
この構成によれば、再熱除湿モードの運転が終了したときに、再熱用第1開閉弁及び再熱用第2開閉弁を閉じてから所定時間後に上記再熱膨張弁を閉鎖することにより、その間に室内凝縮器内の液冷媒を室内凝縮器から流出させることができる。室内凝縮器から流出した液冷媒は冷却回路の蒸発器で蒸発した後に圧縮機に回収することができる。
本発明によれば、冷却膨張弁の開度制御によって蒸発器を通過した冷媒の過熱度を好適に制御することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る空気調和装置を示す概略構成図である。 制御装置の機能を示す構成図である。 空気調和装置の基本制御の手順を示すフローチャートである。 外負荷の変化に伴う冷却能力と再熱能力との関係を示す説明図である。 空気調和装置の応用制御1の手順を示すフローチャートである。 空気調和装置の応用制御2の手順を示すフローチャートである。 空気調和装置の応用制御2の手順を示すフローチャートである。 モリエル線図上に冷凍サイクルを表した図である。 本発明の第2の実施の形態に係る空気調和装置を示す概略構成図である。 庫内(室内)温度に応じて運転モードを切り換える状態を示す説明図である。 運転モードの切り換え制御を示すフローチャートである。 各運転モードでの冷媒回路の構成機器の設定状態を示す表である。 再熱用第1開閉弁と再熱用第2開閉弁の開閉タイミングを示すタイムチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
[第1の実施の形態]
<空気調和装置の全体構成>
図1は、本発明の一実施の形態に係る空気調和装置を示す概略構成図である。
本実施形態の空気調和装置1は、例えば、食肉工場のように水分を多く含む食肉等の冷却対象が室内に頻繁に出入りするような環境で使用され、室内の温度を一定に維持しつつ除湿をも行う再熱除湿運転が可能な空気調和装置1である。例えば、空気調和装置は1、食肉加工工場の懸肉庫等の冷却対象空間を冷やすために用いられる冷凍装置とされている。
空気調和装置1は、室外機(熱源ユニット)2と、室内機(利用ユニット)3とを備え、これら室外機2と室内機3とは冷媒連絡配管によって接続されている。また、空気調和装置1は、室外機2及び室内機3の動作を制御する制御装置30を備えている。
室外機2は、例えば屋外に設置され、圧縮機12と、室外凝縮器13と、室外ファン16と、冷媒圧力センサSc2等を備えている。
室内機3は、例えば工場等の屋内に配置され、第1膨張弁14と、蒸発器(冷却器)15と、室内凝縮器(再熱器)22と、第2膨張弁23と、室内ファン17と、空気温度センサSa1,Sa2,Sa3と、冷媒温度センサSb1,Sb2,Sb3,Sb4,Sb5と、冷媒圧力センサSc1等を備えている。
圧縮機12、室外凝縮器13、第1膨張弁14、蒸発器15は、この順で冷媒配管により接続されることで冷却回路11を形成している。冷却回路11は、専ら室内空気の温度及び湿度を低下させるために機能する。
また、本実施形態の空気調和装置1は、冷却回路11における、圧縮機12と室外凝縮器13とを接続する経路11aから分岐し、第1膨張弁14と蒸発器15とを接続する経路11bに接続される再熱経路21を備えている。この再熱経路21は、冷却回路11における室外凝縮器13と第1膨張弁14とをバイパスしている。再熱経路21には、室内凝縮器22と第2膨張弁23とが設けられている。したがって、室内凝縮器22及び第2膨張弁23は、室外凝縮器13及び第1膨張弁14と並列に設けられている。再熱経路21は、冷却回路11により冷却された室内空気の温度を上昇させるために機能する。
圧縮機12は、例えば、インバータ制御等によって運転周波数(運転回転数)を調整可能なモータによって駆動される可変容量形のものが用いられる。圧縮機12は、蒸発器15から送られてきた低温・低圧のガス状冷媒を圧縮し、高温・高圧のガス状冷媒とする。なお、圧縮機12は、固定容量形のものであってもよい。
室外凝縮器13は、例えばクロスフィン式のフィンアンドチューブ型熱交換器やマイクロチャネル型熱交換器等が用いられる。室外凝縮器13は、圧縮機12から吐出されたガス状冷媒を室外空気と熱交換することによって凝縮させ、液状冷媒にする。室外空気は、室外ファン16の駆動によって室外凝縮器13に供給される。
第1膨張弁14は、例えばパルスモータ駆動方式の電子膨張弁であり、開度を自在に調整可能である。第1膨張弁14の開度は、制御装置30によって制御される。第1膨張弁14は、室外凝縮器13によって凝縮された液状冷媒を減圧し、低温・低圧の気液二相冷媒にする。また、第1膨張弁14は、開度が制御されることによって蒸発器15を流れる冷媒の流量を調整し、蒸発器15を通過した後の冷媒の過熱度を調整する。以下の説明においては、第1膨張弁14を「冷却膨張弁」ともいう。
蒸発器15は、室外凝縮器13と同様に、例えばクロスフィン式のフィンアンドチューブ型熱交換器やマイクロチャネル型熱交換器等が用いられる。蒸発器15は、冷却膨張弁14を通過した低温低圧の気液二相冷媒を室内空気と熱交換することによって蒸発させ、ガス状冷媒にする。また、蒸発器15は、冷媒との熱交換によって室内空気を冷却・除湿する冷却器として機能する。室内空気は、室内ファン17の駆動によって蒸発器15に供給される。
室内凝縮器22は、室外凝縮器13と同様に、例えばクロスフィン式のフィンアンドチューブ型熱交換器やマイクロチャネル型熱交換器等が採用される。室内凝縮器22には、室内ファン17の駆動によって蒸発器15によって冷却・除湿された室内空気が供給される。また、室内凝縮器22は、圧縮機12から吐出されたガス状冷媒が、室外凝縮器13へ流れる経路11aから分岐して流入し、このガス状冷媒を室内空気との間で熱交換することによって凝縮させる。これにより、蒸発器15によって冷却・除湿された室内空気が湿度を低下させたまま加熱され、室内に吹き出される。したがって、室内凝縮器22は、蒸発器15によって冷却された室内空気を再び加熱する再熱器として機能する。
第2膨張弁23は、冷却膨張弁14と同様に、例えばパルスモータ駆動方式の電子膨張弁であり、開度を自在に調整可能である。第2膨張弁23の開度は、制御装置30によって制御される。第2膨張弁23は、室内凝縮器22によって凝縮された液状冷媒を減圧し、低温・低圧の気液二相冷媒にする。また、第2膨張弁23は、開度が制御されることによって室内凝縮器22を流れる冷媒の流量を調整し、室内空気の加熱量(再熱量)を調整する。以下、第2膨張弁23を「再熱膨張弁」ともいう。
空気温度センサSa1,Sa2,Sa3は、室内機3に吸い込まれる空気の温度を検出する第1空気温度センサSa1と、室内機3から吹き出される空気の温度を検出する第2空気温度センサSa2と、蒸発器15を通過し室内凝縮器22に供給される前の空気の温度を検出する第3空気温度センサSa3とを含む。
冷媒温度センサSb1,Sb2,Sb3,Sb4,Sb5は、蒸発器15の出口における冷媒の温度を検出する第1冷媒温度センサSb1と、蒸発器15を流れている冷媒の温度を検出する第2冷媒温度センサSb2と、室内凝縮器22の出口(再熱膨張弁23前)における冷媒の温度を検出する第3冷媒温度センサSb3と、室内凝縮器22の入口における冷媒の温度を検出する第4冷媒温度センサSb4と、室内凝縮器22を流れている冷媒の温度を検出する第5冷媒温度センサSb5とを含む。
冷媒圧力センサSc1,Sc2は、室内凝縮器22の出口(再熱膨張弁23前)における冷媒の圧力を検出する第1圧力センサSc1と、圧縮機12の吐出圧力を検出する第2圧力センサSc2とを含む。
以上の各センサの検出信号は制御装置30に入力され、制御装置30による各種機器の制御に利用される。なお、空気調和装置1は、以上に説明した全てのセンサを備えている必要はなく、少なくとも後述する制御例において用いられるセンサを備えていればよい。
制御装置30は、室内機3に設けられた室内制御部や室外機2に設けられた室外制御部等により構成されている(いずれも図示せず)。制御装置30は、マイクロコンピュータ、メモリ、通信インタフェース等により構成されており、室内機3及び室外機2に設けられた各種センサの信号が入力される。また、制御装置30は、圧縮機12、膨張弁14,23、ファン16,17等の動作を制御する。制御装置30は、室内機3に接続されたリモートコントローラ等を介して、室内機3における吸込温度又は吹出温度の目標値(設定温度)の入力を受付可能である。
図2は、制御装置30の機能を示す構成図である。
制御装置30は、冷却制御部31と、再熱制御部32と、上限調整部33としての機能を有している。
冷却制御部31は、冷却膨張弁14の開度を制御することによって蒸発器15における冷媒循環量を調整し、蒸発器15における冷却能力によって室内空気を所望に冷却・除湿するとともに、蒸発器15を通過した冷媒の過熱度を調整するための機能部である。
再熱制御部32は、再熱膨張弁23の開度を制御することによって室内凝縮器22における冷媒循環量を調整し、室内凝縮器22における再熱能力によって室内の温度を所望に調整する機能部である。また、再熱制御部32は、所定の開度を上限として再熱膨張弁23の開度を調整する。この開度の上限は、再熱膨張弁23の全閉となる開度よりも大きく、全開となる開度よりも小さい開度である。
また、上限調整部33は、再熱制御部32による再熱膨張弁23の開度の上限を調整する機能部である。この上限調整部33は、以下に説明する制御例のうち、専ら応用制御1において用いられる機能部である。
なお、一般に、冷却能力φは、次の式(1)で表すことができ、再熱能力φは、次式(2)で表すことができる。
ここで、CV及びCVは、冷却膨張弁14及び再熱膨張弁23の開度に対する流量係数、ΔPcは、室外凝縮器13及び蒸発器15における高低差圧、ΔPは、室内凝縮器22及び蒸発器15における高低差圧、hは、蒸発器15の出入口における低圧側のエンタルピー差(図8参照)、hは、室内凝縮器22の出入口における高圧側エンタルピー差(図8参照)、G,Gは高圧側の冷媒の比重比(水基準)である。冷却系循環量は、冷却膨張弁14を通過する冷媒の循環量を示し、再熱系循環量は、再熱膨張弁23を通過する冷媒の循環量を示す。したがって、冷却能力φは、冷却膨張弁14と再熱膨張弁23との双方を通過して蒸発器15に流入する冷媒循環量から求められる。一方、再熱能力φは、室内凝縮器22を経て再熱膨張弁23を通過する冷媒循環量から求められる。
[空気調和装置の制御例]
上述したように、空気調和装置1は、冷却膨張弁14の開度制御によって蒸発器15における冷媒循環量を調整し、蒸発器15を通過した後の過熱度を所定値に調整する。これにより、圧縮機12には液状冷媒が流入せず、圧縮機12が保護される。
一方、蒸発器15には、冷却膨張弁14を通過した冷媒だけでなく、再熱経路21からの冷媒も流入する。再熱経路21から流入する冷媒の循環量は、冷却膨張弁14によって制御することはできないため、再熱経路21からの冷媒循環量が相対的に多くなると冷却膨張弁14による過熱度の調整が困難になる。
そこで、本実施形態の空気調和装置1では、再熱膨張弁23の開度に「上限」を設定することによって、再熱経路21から蒸発器15に流入する冷媒量を制限し、冷却膨張弁14による過熱度の調整を可能としている。言い換えると、再熱膨張弁23の開度の上限は、冷却膨張弁14による過熱度の調整を可能とする範囲で所定に設定されている。
以下、制御装置30による冷却膨張弁14及び再熱膨張弁23の制御例について説明する。具体的には、最も基本となる制御(基本制御)と、その応用となる制御(応用制御1,2)とを順番に説明する。
<基本制御>
図3は、空気調和装置の基本制御の手順を示すフローチャートである。この基本制御は、再熱膨張弁23の開度の上限を固定とした場合の制御例である。
まず、ステップS1において、蒸発器15の出口における冷媒の温度Tcoが第1冷媒温度センサSb1により検出される。また、ステップS2において、蒸発器15を流れている冷媒の温度Tcmが第2冷媒温度センサSb2により検出される。この冷媒の温度Tcmは、蒸発器15における蒸発温度に相当する。
次いで、ステップS3において、制御装置30は、蒸発器15を通過した後の冷媒の過熱度SHを算出する。具体的には、次式(3)により過熱度SHを算出する。
SH=Tco−Tcm ・・・ (3)
次いで、ステップS4において、制御装置30は、過熱度SHを所定の目標値に調整するための冷却膨張弁14の開度CPlsを求める。具体的には、まず、制御装置30は、次式(4)により、現在の過熱度SHと、目標過熱度SHmのとの差分ΔSHを演算する。
ΔSH=SH−SHm ・・・ (4)
次いで、制御装置30は、過熱度の差分ΔSHを用いて冷却膨張弁14の開度の操作量ΔCPlsを求める。本実施形態では、次式(5)に示すように、PID制御等のフィードバック制御により過熱度の差分ΔSHから冷却膨張弁の開度の操作量ΔCPlsを算出する。
ΔCPls=PID(ΔSH) ・・・ (5)
そして、冷却膨張弁14の開度CPlsを次式(6)により求める。
Pls=CPls(現在値)+ΔCPls ・・・ (6)
ステップS5において、制御装置30は、式(6)により算出した開度CPlsとなるように冷却膨張弁14を操作する。
次に、ステップS6において、第1空気温度センサSa1により室内機3への室内空気の吸込温度Taが検知される。
そして、ステップS7において、制御装置30は、吸込温度Taを所定の目標値に調整するための再熱膨張弁23の開度RPlsを求める。具体的に、まず、制御装置30は、次式(7)により、現在の吸込温度Taと、目標吸込温度Tamとの差分ΔTaを演算する。
ΔTa=Ta−Tam ・・・ (7)
そして、吸込温度の差分ΔTaを用いて再熱膨張弁23の開度の操作量ΔRPlsを取得する。本実施形態では、次式(8)に示すように、PID制御等のフィードバック制御により、吸込温度の差分ΔTaから再熱膨張弁23の開度の操作量ΔRPlsを算出する。
ΔRPls=PID(ΔTa) ・・・ (8)
次いで、再熱膨張弁23の開度RPlsを、次式(9)により求める。
Pls=RPls(現在値)−ΔRPls ・・・ (9)
そして、ステップS8において、制御装置30は、ステップS7で算出した再熱膨張弁23の開度RPlsと所定の上限値RMaxとを比較し、小さい方の値を実際に使用する再熱膨張弁23の開度RPlsに決定する処理を行う。
この所定の上限値RMaxは、冷却膨張弁14による過熱度の調整を可能とするような、蒸発器15における冷却能力φ(上記式(1)参照)と、室内凝縮器22による再熱能力φ(上記式(2)参照)との比率に基づいて設定される。つまり、当該比率をξとすると、次の式(10)が満たされるように上限値RMaxが設定される。
ξ・φ=φ ・・・ (10)
この比率ξは、空気調和装置1が設置される環境や運転条件等に基づいて適宜決定され、空気調和装置1に対して予め設定される固定値であり、例えば、0<ξ≦1の範囲内で設定される。
そして、ステップS9において制御装置30は、決定された開度RPlsにより再熱膨張弁23の開度を制御する。
以上のような冷却膨張弁14及び再熱膨張弁23の制御を行うことによって、蒸発器15における冷媒循環量に対して室内凝縮器22における冷媒循環量の割合が過度に大きくなることが無く、蒸発器15を通過した後の冷媒の過熱度を冷却膨張弁14により制御することが可能となる。
なお、ステップS7においては、再熱膨張弁23の開度の操作量ΔRPlsを、吸込温度Taとその目標値Tamとの差分ΔTaに基づいて求めているが、これに代えて、第3冷媒温度センサSb3により検出される室内凝縮器22の出口の冷媒温度とその設定温度との差分や、第3冷媒温度センサSb3により検出される室内凝縮器22の出口の冷媒温度と第5冷媒温度センサSb5により検出される室内凝縮器22を流れる冷媒温度との差分、第4冷媒温度センサSb4により検出される室内凝縮器22の入口の冷媒温度と第3冷媒温度センサSb3により検出される室内凝縮器22の出口の冷媒温度との差分等に基づいて、PID制御等により求めることもできる。
<応用制御1>
上述した基本制御では、再熱膨張弁23の開度の上限値RMaxが固定値とされている。しかし、空気調和装置1の運転中に、室外から侵入する熱等の外負荷の減少に応じて蒸発器15における冷却能力が低下すると、再熱能力が相対的に高くなりすぎ、冷却膨張弁14による過熱度の調整が困難となる場合がある。以下、詳しく説明する。
図4は、外負荷の変化に伴う冷却能力と再熱能力との関係を示す説明図であり、(a)は比較例、(b)は応用制御1をそれぞれ示している。
図4(a)は、再熱膨張弁23の開度を所定の上限値で固定した場合における、外負荷と、空気調和装置における冷却能力と、再熱能力との関係を示しており、上段(I)から下段(III)に向かうに従い、外負荷が減少している。
上述した式(1)及び式(2)で示される冷却能力φや再熱能力φは、差圧ΔP,ΔPやエンタルピー差h,hの変化が小さい場合に、各膨張弁14,23の流量係数CV及びCVに大きく依存する。そのため、例えば、冷却能力φを減少させるには、各膨張弁14,23の流量係数CV,CVを減少させて各膨張弁14,23を絞り、冷媒の循環量を減少させればよいことになる。しかしながら、再熱膨張弁23の開度が固定されている場合(流量係数CVが一定の場合)、冷却能力φを減少させるには、冷却膨張弁14の流量係数CVのみを減少させる必要がある。
図4(a)の(I)に示すように、外負荷が大きい場合は、蒸発器15を流れる冷媒の循環量が多く冷却能力φが高くなるため、これらに対して室内凝縮器22を流れる冷媒の循環量及び再熱能力φが相対的に小さくなる。つまり、蒸発器15による冷却能力φに対する、室内凝縮器22による再熱能力φの比率が小さくなり、冷却膨張弁14による過熱度の調整は比較的容易となる。
再熱膨張弁23の開度が固定されていると、(II)に示すように、外負荷が減少したとしても室内凝縮器22の冷媒循環量はほとんど変わらず、これに相対して蒸発器15の冷媒循環量が減少する(流量係数CVが減少する)ため、冷却能力φに対する再熱能力φの比率が徐々に高くなる。
そして、(III)に示すように、外負荷の減少によって、冷却能力がさらに減少した場合、例えば(I)よりも冷却能力φが半減した場合、冷却能力φに対する再熱能力φの比率は約2倍となる。言い換えると、蒸発器15の冷媒循環量に対する室内凝縮器22の冷媒循環量の比率が(I)の状態から約2倍となる。そのため、冷却膨張弁14による過熱度の調整が非常に困難となる。
応用制御1では、このような不都合を解消するために、再熱膨張弁23の開度の上限を、冷却能力の変動に応じて調整する。具体的には、図4(b)に示すように、(I)〜(III)にかけて外負荷が徐々に減少していく場合に、冷却能力φの大きさに対して一定の比率で再熱能力φを減少させる。より具体的には、蒸発器15を流れる冷媒循環量に対して一定の比率で室内凝縮器22を流れる冷媒循環量を減少させる。そのために、冷却膨張弁14の開度の変動に応じて、再熱膨張弁23の開度の上限を所定の比率で減少させる。これにより、蒸発器15の冷媒循環量に対する室内凝縮器22の冷媒循環量の割合が過度に大きくならず、冷却膨張弁14による過熱度の調整が可能となる。なお、この制御は、図2に示すように、制御装置30における上限調整部33の機能により実行される。
以下、応用制御1の詳細について説明する。
図5は、空気調和装置の応用制御1の手順を示すフローチャートである。
図5におけるステップS11〜S17、S19、S20は、それぞれ図3におけるステップS1〜S9と略同じである。そして、応用制御例1では、図5におけるステップS18において、再熱膨張弁23の開度の上限を冷却膨張弁14の開度に応じて変更している。
具体的には、次式(11)に示すように、ステップS14で算出した冷却膨張弁14の開度CPlsに、所定の係数ζと、冷却膨張弁14及び再熱膨張弁23の最大流量係数CVc、CVrの比を乗算することによって再熱膨張弁23の開度の上限値RMax’を算出する。
Max’=ζ・CVc/CVr・CPls ・・・ (11)
所定の係数ζは、上記式(1)、式(2)、及び式(10)から、冷却能力φと再熱能力φとの比ξ、冷媒の高圧と低圧との差圧ΔP,ΔPの比、冷却側と再熱側とのエンタルピー差h,hの比、高圧側比重比G,Gの比等を考慮して設定され、冷却膨張弁14による過熱度の調整を可能とする範囲で、冷却膨張弁14の開度を再熱膨張弁23の開度に換算するための値である。
次に、ステップS19において、制御装置30は、ステップS17で算出された再熱膨張弁23の開度RPlsと、ステップS18で算出された開度の上限値RMax’とを比較し、小さい方を実際に使用する再熱膨張弁23の開度RPlsに決定する。このように決定された開度RPlsで再熱膨張弁23の開度を制御することによって、蒸発器15の冷媒循環量に対して室内凝縮器22の冷媒循環量の割合が過度に大きくならず、冷却膨張弁14による過熱度の調整を好適に行うことができる。
<応用制御1の変形例>
蒸発器15における冷却能力及び室内凝縮器における再熱能力は、上記式(1)及び式(2)により表現されるが、他の方法により代替することができる。例えば、次式(12)のように、蒸発器15における冷却能力を、第1空気温度センサSa1で検出した温度t1と、第3空気温度センサSa3で検出した温度t3との差T1(蒸発器15により低下した温度)で代替し、室内凝縮器22における再熱能力を、第2空気温度センサSa2で検出した温度t2と、第3空気温度センサSa3で検出した温度t3との差T2(室内凝縮器22によって上昇した温度)で代替することができる。そして、各温度差T1、T2の比率が所定値α以下となるように、再熱膨張弁23の開度の上限を調整することで、冷却能力の変動に応じて再熱膨張弁23の開度の上限を調整することができる。
T2/T1≦α ・・・ (12)
(ただし、T1=t1−t3、T2=t2−t3)
各温度差T1,T2の比率αは、例えば0<α≦1の範囲内で設定することができ、一例として、α=0.3とすることができる。また、この変形例では、空気温度センサの検出信号を用いることで、再熱膨張弁23の開度の上限を簡便に調整することが可能となる。
<応用制御2>
上述した基本制御や応用制御1においては、再熱膨張弁23の開度の上限を設定し、室内凝縮器22を流れる冷媒の循環量について考慮したものとなっていた。応用制御2では、これらに加えて、室内凝縮器22の出口における過冷却度が適切に確保されるように、再熱膨張弁23の開度を制御するものとなっている。
図6及び図7は、空気調和装置の応用制御2の手順を示すフローチャートである。
図6におけるステップS21〜S26は、図3におけるステップS1〜S6と略同様であり、制御装置30は、蒸発器出口温度Tcoと蒸発器中間温度Tcmとから過熱度SHを求め、この過熱度SHを目標値とする冷却膨張弁14の開度CPlsを求めて冷却膨張弁14を操作する。また、ステップS26において、第1空気温度センサSa1により室内機3への室内空気の吸込温度Taが検知される。
そして、ステップS27において、制御装置30は、吸込温度Taを所定の目標値とするように、再熱膨張弁23の開度の操作量ΔRPlsを取得する。具体的には、まず、上記式(7)により、現在の吸込温度Taと、目標吸込温度Tamとの差分ΔTaを演算する。
そして、制御装置30は、上記式(8)に示すように、PID制御等のフィードバック制御により、吸込温度の差分ΔTaから再熱膨張弁23の開度の操作量ΔRPlsを算出する。
次に、図7のステップS28において、第3冷媒温度センサSb3により冷媒温度Trevが検出され、第1圧力センサSc1により冷媒圧力Prevが検出される。そして、ステップS29において、これらの値Trev,Prevを用いて室内凝縮器22の出口の過冷却度SCが算出される。具体的には、まず、室内凝縮器22の出口(再熱膨張弁23前)の冷媒圧力Prevから飽和液温度Tslが求められ、この飽和液温度Tslと、室内凝縮器22の出口(再熱膨張弁23前)の冷媒温度Trevとから、次式(13)により過冷却度SCが算出される。
SC=Tsl−Trev ・・・ (13)
次いで、ステップS30において、制御装置30は、過冷却度SCが所定の閾値、ここでは「3度」よりも大きいか否かを判断する。
過冷却度SCが3度よりも大きい場合、過冷却度は十分に確保されていると考えられるので、ステップS31において、過冷却度SCに基づく再熱膨張弁23の調整量dSCPlsを0とし、ステップS34に処理を進める。
一方、過冷却度SCが3度以下である場合、過冷却度が十分に確保されていないと考えられるので、ステップS32において、再熱膨張弁23の調整量dSCPlsを次式(14)により求める。
dSCPls=γ・{3−max(SC,0)} ・・・ (14)
ここでは、過冷却度SCが0度を超える場合には、閾値「3度」から過冷却度SCを減じ、所定の補正係数γを乗算することによって調整量dSCPlsを求める。過冷却度SCが0度以下の場合には、閾値「3度」に所定の補正係数γを乗算することによって調整量dSCPlsを求める。
補正係数γは、装置の状態や設置環境等に応じて適切な過冷却度SCを確保するために設定される、例えば、補正係数γは、必要な過冷却度SCを再熱膨張弁23のモータのパルス数に換算するためのパルス換算係数とされる。このパルス換算係数γは、次のように求めることができる。
図8に示すように、過冷却度SCの計測点でのエンタルピーをhSC、過冷却度SCの計測点での飽和液エンタルピーをhsl、室内凝縮器22の入口のエンタルピーをhriとすると、過冷却度1度相当のエンタルピーhは、次式(15)となる。
h=(hsl−hSC)/SC ・・・ (15)
また、このときの冷媒の循環量比は、h/(hri−hSC)となり、過冷却度SCを1度変化させるために必要なパルス換算係数γは、次式(16)となる。
γ=Cv’×h/(hri−hSC)/Cv×MaxPls ・・・ (16)
ここで、Cv’は現在の再熱膨張弁23の開度に対する流量係数、Cvは、再熱膨張弁23の全開時の流量係数(いわゆるCV値)、MaxPlsは、再熱膨張弁23の全開時のパルス数である。
次に、ステップS33において、制御装置30は、ステップS27において算出した再熱膨張弁23の開度の操作量ΔRPlsを0と比較し、より大きい値を実際に使用する操作量ΔRPlsに決定する。
ステップS27で算出した再熱膨張弁23の開度の操作量ΔRPlsは、吸込温度Taが目標吸込温度Tamよりも高い場合(Ta>Tam)に正の値をとり(ΔRPls>0)、逆に、吸込温度Taが目標吸込温度Tamよりも低い場合(Ta<Tam)に負の値をとる(ΔRPls<0)。そのため、ΔRPlsが正の値のときは、再熱能力を減少させるために再熱膨張弁23を閉じる方向の操作となり、ΔRPlsが負の値のときは、より再熱能力が必要であるため再熱膨張弁23を開く方向の操作となる。しかしながら、応用制御2においては、過冷却度SCを確保することを優先しているため、ステップS33の処理では、再熱膨張弁23を開く方向に操作することを除外し、再熱膨張弁23を操作しないか又は閉じる方向への操作のみを採用している。
次いで、ステップS34では、ステップS33で求めた再熱膨張弁23の開度の操作量ΔRPlsにステップS31又はS32で求めた調整量dSCPlsを加え、実際に使用する操作量ΔRPlsを求める。そして、再熱膨張弁23の開度RPlsとして、現在の開度RPlsに操作量ΔRPlsを減じた値と、所定の上限値RMaxとを比較し、より小さい方を、実際の再熱膨張弁23の開度RPlsに決定する。そして、ステップS35において、制御装置30は、再熱膨張弁23を操作する。
この応用制御2では、過冷却度SCが所定の閾値(例えば「3度」)よりも小さい場合に、過冷却度SCを十分に確保する方向に再熱膨張弁23を操作する。したがって、過冷却度SCが不足することによる不都合を解消することができる。この不都合としては、気液二相冷媒が再熱膨張弁23に流入することによって室内凝縮器22への冷媒循環量が急減少し、過熱度制御に乱れが生じ、室外機2がサーモオフして除湿能力が低下したり、逆に、気液二相状態が解消されるときに冷媒循環量が急回復し、蒸発器15出口の冷媒の乾き度が急減して圧縮機保護が困難になったりすること等が考えられる。
なお、室内凝縮器22の出口における過冷却度SCは、室内凝縮器22の出口と中間の温度を冷媒温度センサSb3,Sb5により検出し、出口側の温度から中間の温度を減算することによって求めることができる。又は、圧縮機12の吐出圧力を配管圧損で補正することによって求めることもできる。
[第2の実施の形態]
図9は、本発明の第2の実施の形態に係る空気調和装置を示す概略構成図である。
この空気調和装置(冷凍装置)1は、図9に示すように、室外機(熱源側ユニット)2と室内機(利用側ユニット)3とを備えている。冷却回路10において、室外機2の室外凝縮器(熱源側熱交換器)13と室内機3の冷却膨張弁14との間には、レシーバ18と冷却用電磁弁25とが設けられている。レシーバ18は、室外機2に設けられ、冷却用電磁弁25は室内機3に設けられている。
圧縮機12の吐出側と室外凝縮器(熱源側熱交換器)13のガス側端との間に接続された熱源側ガス管である経路11aには、レシーバ18の内部の圧力を調整するための圧力調整通路19の一端が接続され、この圧力調整通路19の他端はレシーバ18の容器の上方寄りの位置に接続されている。この圧力調整通路19には、圧力調整用電磁弁27が設けられている。この圧力調整用電磁弁27を所定のタイミングで開閉する(開いたり閉じたりする動作を繰り返す)ことにより、レシーバ18へ導入される圧縮機12の吐出ガス(高圧ガス)の量を変化させて、レシーバ18内の圧力を調整できる。レシーバ18の下端は冷媒配管を介して室内機3の冷却用電磁弁25に接続されている。
再熱経路21において、室内凝縮器(再熱熱交換器)22の冷媒流入側の再熱用冷媒配管45には、再熱用電磁弁(再熱用第1開閉弁)26が設けられている。また、再熱用冷媒配管45には、再熱用第1開閉弁26をバイパスする再熱用バイパス管46が接続されている。そして、この再熱用バイパス管46には、再熱用第1開閉弁26よりも口径の小さい再熱用第2開閉弁28が接続されている。
さらに室内機3には、蒸発器15の吸込空気の湿度を測定する吸込空気湿度センサSd1が設けられている。
制御装置30は、第1の実施の形態で説明したような蒸発器15で冷却・除湿した空気を室内凝縮器22で加熱する再熱除湿モードの運転制御と、これに加えて蒸発器15で冷却・除湿した空気が室内凝縮器22を通過するだけの冷却モードの運転制御とを行うことができる。例えば、制御装置30は、冷却モードの運転時に、蒸発器である利用側熱交換器15で冷却された空気を室内凝縮器(再熱熱交換器)22で加熱する再熱除湿モードの運転動作も制御するように構成されている。
具体的に、制御装置30は、蒸発器15の吸込空気温度が目標温度の範囲内(例えば13℃から17℃の範囲内)で且つ吸込空気の相対湿度が目標湿度(例えば45%)以上であるときに再熱除湿モードの運転を行い、蒸発器の吸込空気温度が上記目標温度より大きいか、または、吸込空気温度が目標温度の範囲内(例えば13℃から17℃の範囲内)で且つ吸込空気の相対湿度が目標湿度未満であると冷却モードの運転を行うように構成されている。
<運転動作>
本実施形態の空気調和装置(冷凍装置)1では、制御装置30により運転中に冷却モードと再熱除湿モードの切り換え制御が行われる。
例えば、空気調和装置1の起動時は、懸肉庫等の庫内への食肉の搬入に伴って庫内を冷却する必要があるため、図10の冷却・再熱モードと表示している領域のうちの冷却モード(庫内を急速に冷却する冷却プルダウン)の運転が行われる。庫内温度が13℃〜17℃の間は、冷却モードと再熱除湿モードを切り換えながら運転が行われる。
具体的には、蒸発器15の吸込空気温度(庫内空気温度)が目標温度である13℃〜17℃の範囲内で且つ吸込空気の相対湿度が目標湿度(45%RH)以上であるときに再熱除湿モードの運転を行い、蒸発器15の吸込空気温度が目標温度(17℃)より大きいか、または、吸込空気温度が目標温度である13℃〜17℃の範囲内で且つ吸込空気の相対湿度が目標湿度(45%RH)未満であると冷却モードの運転を行うように、制御装置30によって運転制御が行われる。
なお、本実施形態の空気調和装置は、図10に示すように、冷蔵モードや冷凍モードの運転も可能に構成されており、設定温度が0℃(庫内温度がほぼ10℃〜−5℃の範囲)で冷蔵モードの運転が、設定温度が−20℃(庫内温度が−5℃より低い状態)で冷凍モードの運転が行われる。
(運転モードの切り換え)
次に、図11のフローチャートに基づいて、上述の運転モードの切り換え動作について、より具体的に説明する。
ステップS41では、空気調和装置1の運転が行われているかどうかの判別が行われる。判別結果が「YES」であって運転している場合は、ステップS42へ進んで蒸発器15の吸込空気温度が17℃以上であるかどうかが判別され、ステップS41の判別結果が「NO」であって運転していない場合は、ステップS43へ進んで停止の処理をしてからステップS41へ戻る。
ステップS42の判別結果が「YES」であって吸込空気温度が17℃以上である場合は、ステップS44へ進んで装置がサーモオンになり、冷却モードの運転が行われる。冷却モードの運転中は、常にステップS41の判別が行われる。
ステップS42の判別結果が「NO」であって吸込空気温度が17℃未満である場合は、ステップS45へ進み、吸込空気温度が13℃以下であるかどうかが判別される。その判別結果が「NO」であると吸込空気温度が17℃より低くて13℃より高い場合であり、その場合はステップS46で相対湿度RHが45%以上であるかどうかが判別される。判別結果が「NO」の場合は相対湿度RHが45%未満であり、湿度が高くないため、ステップS44へ進んで冷却モードの運転を行い、ステップS41の判別へ戻る。
吸込空気温度が13℃以下であるかどうかをステップS45で判別した結果が「YES」の場合は庫内が十分に冷えている場合であり、この場合はステップS47へ進んでサーモオフになり、庫内は送風だけが行われるモードになる。送風運転のモードにおいても、冷却モードと同様に、常にステップS41の判別が行われる。
相対湿度RHが45%以上であるかどうかをステップS45で判別した結果が「YES」である場合は、庫内の湿度は17℃より低くて13℃より高い(本発明の所定範囲内である)が湿度は高いので、ステップS48へ進んで再熱除湿モードに切り換わり、温度を維持しながら除湿を行うモードとなる。この再熱除湿モードにおいても、冷却モードと同様に、常にステップS41の判別は行われる。
<各運転モードにおける冷媒回路構成機器の状態>
次に、各モードの運転動作について説明する。各モードにおいて、各種の弁やファンや圧縮機は図12に示す状態に制御される。図12において、「ユニットクーラ」は室内機(利用側ユニット)3を表し、冷凍機は室外機(熱源側ユニット)2を表している。「SV1」は冷却用電磁弁25を、「SV2」は再熱用電磁弁26を、「EV1」は冷却膨張弁14を、「EV2」は再熱膨張弁23を、「MF1」は室内ファン(利用側ファン)17を示している。また、「MF2」は室外ファン(熱源側ファン)16を、「MC」は圧縮機12を、「SV4」は圧力調整用電磁弁27を示している。
(冷却モード)
冷却モード(サーモオン)の運転では、冷却用電磁弁25は「開」、再熱用電磁弁26は「閉」、冷却膨張弁14は過熱度制御(蒸発器15の出口冷媒の過熱度が目標値になるように開度制御される状態)、再熱膨張弁23は「閉(全閉)」、室内ファン17は大風量(H風量)、室外ファン16と圧力調整用電磁弁27は目標高圧圧力に基づいた制御(高圧制御)、圧縮機12はインバータ制御で目標の運転容量になるように周波数制御される。
この状態で、圧縮機12から吐出された冷媒は、室外凝縮器13に流入して放熱する。このとき、室外凝縮器13から流出する冷媒の圧力を目標圧力に制御できない場合に、圧力調整用電磁弁27を開閉する制御を行う。具体的には、冷媒回路の低圧圧力が処置値よりも低いと圧力調整用電磁弁27を開いてレシーバ18に高圧冷媒を導入し、レシーバ18から室内機3に繋がる液側連絡配管を流れる高圧液冷媒の圧力を調整する。
この高圧液冷媒は、室内機3において、冷却用電磁弁25を通過し、冷却膨張弁14で減圧され、蒸発器15で庫内空気から吸熱して蒸発する。このとき、蒸発器15において庫内空気が冷却される。蒸発した冷媒は室外機2へ戻り、圧縮機12に吸入される。
冷却モード(サーモオン)の運転は、冷媒が冷媒回路を以上のようにして循環することにより行われる。
また、冷却モード(サーモオフ)の運転では、室内ファン17は大風量で回る一方、各種の弁や圧縮機12は停止して行われ、庫内で送風のみが行われる。
(再熱除湿モード)
再熱除湿モードでは、各種の弁などの制御の一部が冷却モードとは異なる。具体的には、再熱用電磁弁26が「開」に制御され、再熱膨張弁23が吸込空気温度に基づいて制御され、室内ファン17が低風量(L風量)となる。
この状態で、圧縮機12から吐出された冷媒は、熱源側熱交換器13と再熱熱交換器22を放熱器(凝縮器)とし、利用側熱交換器15を蒸発器として冷媒回路を循環する。室内機3では、庫内(室内)空気が蒸発器15で冷却・除湿してから室内凝縮器22で加熱されるので、庫内の温度低下を抑えながら湿度が低下する。
また、制御装置30は、再熱除湿モードの運転を開始するときに、再熱用電磁弁(再熱用第1開閉弁)26を閉鎖した状態で、再熱膨張弁23を開いてから所定時間(例えば5秒)後に再熱用第2開閉弁28を開き、さらにその所定時間(例えば5分)後に再熱用第1開閉弁26を開放して液冷媒除去運転を行うように構成されている。
また、制御装置30は、再熱除湿モードの運転を終了するときには、再熱用第1開閉弁26及び再熱用第2開閉弁28を閉じてから所定時間(例えば4分)後に、再熱膨張弁23を閉鎖する。このように、室内凝縮器(再熱熱交換器)22の冷媒流入側に口径が異なる(大小の)開閉弁26,28を並列に設け、再熱除湿モードの運転をするときに、口径が小さい開閉弁28を先に開いてから、その所定時間後に口径の大きい開閉弁26を開くようにしている。これは、冷却運転時には開閉弁26が閉じられているため、再熱用冷媒配管45に流れ込んだ冷媒が溜まり込んで液化した場合に、再熱除湿モードを開始するときに直ぐに開閉弁26を開くと液冷媒が再熱膨張弁23に一気に流れ込むことになり、過冷却度を優先するように開度が制御される再熱膨張弁23で冷媒を処理しきれずに配管が振動するおそれがあるためである。
この再熱除湿モードの運転について、図13のタイムチャートを用いて具体的に説明する。
時間T1において再熱除湿モードの運転を開始すると、そのときに再熱膨張弁23(図13ではEV2と表示)を開く操作を行う。このとき、再熱用第1開閉弁26(図13ではSV2と表示)と再熱用第2開閉弁28(図13ではSV5と表示)は閉じられたままである。
時間T1からt1秒(例えば5秒)が経過して時間T2になると、再熱用第1開閉弁26を閉じたままで再熱用第2開閉弁28を開く操作を行う。再熱用第2開閉弁28は再熱用第1開閉弁26よりも口径が小さいので、冷却運転を行っている間に再熱用冷媒配管45に溜まり込んだ液冷媒は、少量ずつ室内凝縮器22を流れて再熱膨張弁23を通過する。再熱除湿モードの運転時は、室内凝縮器22の出口側の冷媒の過冷却度を優先するように再熱膨張弁23の開度が調整されており、開度は小さめに設定されることがある。しかしながら、本実施形態では、再熱用第2開閉弁28の口径が小さく、再熱膨張弁23に流れて行く冷媒の流量が制限される。したがって、再熱膨張弁23を一気に液冷媒が通過しないので、配管の振動は抑制される。
この状態の運転をt2秒(例えば300秒(5分))行って時間T3になると、再熱用冷媒配管45に溜まり込んだ液冷媒が再熱膨張弁23を通過し終えたと判断され、再熱用第2開閉弁28がON(開)に切り換えられる。その後、時間T4までのt3秒間は、再熱膨張弁23の開度を制御しながら、蒸発器15で冷却除湿された庫内空気が室内凝縮器22で加熱され、庫内の温度低下を抑えながら湿度を下げる運転が行われる。
時間T4において再熱除湿モードの運転が終了すると、再熱用第1開閉弁26と再熱用第2開閉弁28を閉じてから、その後のt4秒(例えば240秒(4分))は再熱膨張弁23を開けておき、室内凝縮器22内の液冷媒を蒸発器15で蒸発させて圧縮機12へ回収する操作を行う。
<第2の実施の形態の効果>
本実施形態によれば、蒸発器15の吸込空気温度が目標温度の範囲内(13℃〜17℃)で且つ吸込空気の相対湿度が目標湿度(45%RH)以上であるときには、庫内空間の温度に対して湿度が比較的高い状態であるため、温度を下げずに湿度を下げるように再熱除湿モードの運転が行われる。一方、蒸発器15の吸込空気温度が目標温度より高いか、または、蒸発器15の吸込空気温度が目標温度の範囲内(13℃〜17℃)で且つ吸込空気の相対湿度が目標湿度未満であると、湿度よりも温度を優先して下げるように冷却モードの運転が行われる。このように、吸込空気の状態に応じて再熱除湿モードと冷却モードが行われるので、庫内空間の湿度や温度を適正値に制御することが可能になる。
本実施形態によれば、再熱除湿モードの運転を開始するときに再熱膨張弁23へ液冷媒が一気に流れ込むのを抑制できるから、配管の振動騒音を抑えられる。なお、本実施形態の図13において、t1〜t4などに例示した時間は、及び再熱用冷媒配管45や再熱経路21の配管の配管長に応じて適宜変更してもよい。また、上記再熱用第2開閉弁28の口径も、冷却運転中に再熱用冷媒配管45に溜まり込むと見込まれる液冷媒量に応じて、再熱用第1開閉弁26よりも小さな口径で適宜定めればよい。
本発明は、上記実施形態及び変形例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において種々変更することが可能である。
例えば、本発明の空気調和装置は、食肉工場に限らず、あらゆる環境下で用いることができる。
また、上記実施形態では、蒸発器15の吸込空気温度が目標温度(13℃〜17℃)の範囲内で且つ吸込空気の相対湿度が目標湿度(45%RH)以上であるときに再熱除湿モードの運転を行い、蒸発器(17)の吸込空気温度が目標温度より大きいか、または、吸込空気温度が目標温度(13℃〜17℃)の範囲内で且つ吸込空気の相対湿度が目標湿度未満であると冷却モードの運転を行うように制御装置30を構成しているが、本発明はこの構成に限定されるものではないし、この構成で制御を行う場合でも上記の目標温度や目標湿度は適宜変更可能である。
1 :空気調和装置
11 :冷却回路
11a :経路
11b :経路
12 :圧縮機
13 :室外凝縮器
14 :冷却膨張弁
15 :蒸発器
21 :再熱経路
22 :室内凝縮器
23 :再熱膨張弁
30 :制御装置
31 :冷却制御部
32 :再熱制御部
33 :上限調整部

Claims (9)

  1. 圧縮機(12)と、
    前記圧縮機(12)で圧縮された冷媒を凝縮する室外凝縮器(13)と、
    前記室外凝縮器(13)で凝縮された冷媒を減圧する冷却膨張弁(14)と、
    前記冷却膨張弁(14)で減圧された冷媒を室内空気との熱交換により蒸発させ当該室内空気を冷却・除湿する蒸発器(15)と、
    前記圧縮機(12)、前記室外凝縮器(13)、前記冷却膨張弁(14)、及び前記蒸発器(15)をこの順で接続している冷却回路(11)と、
    前記冷却回路(11)における前記圧縮機(12)と前記室外凝縮器(13)とを接続する経路(11a)から分岐し、前記冷却膨張弁(14)と前記蒸発器(15)とを接続する経路(11b)に接続されている再熱経路(21)と、
    前記再熱経路(21)において、前記圧縮機(12)で圧縮された冷媒を、前記蒸発器(15)で冷却・除湿された室内空気との熱交換により凝縮させ当該室内空気を加熱する室内凝縮器(22)と、
    前記再熱経路(21)において、前記室内凝縮器(22)で凝縮された冷媒を減圧する再熱膨張弁(23)と、
    前記冷却膨張弁(14)及び前記再熱膨張弁の開度を制御する制御装置(30)と、を備えており、
    前記制御装置(30)は、
    前記蒸発器(15)における蒸発温度及び前記蒸発器(15)を通過した後の冷媒の温度に基づいた前記冷却膨張弁(14)のみの開度制御により、前記蒸発器(15)の冷媒循環量を調整して前記蒸発器(15)通過後の冷媒の過熱度を調整する冷却制御部(31)と、
    前記再熱膨張弁(23)の開度制御により、前記室内凝縮器(22)の冷媒循環量を調整して室温を調整する再熱制御部(32)と、を備え、
    前記再熱膨張弁(23)は、前記冷却膨張弁(14)による過熱度の調整を可能とする前記蒸発器(15)における冷却能力と前記室内凝縮器(22)における再熱能力との比率に基づいて、前記再熱制御部(32)によって制御される開度の上限が設定されている、空気調和装置。
  2. 前記制御装置(30)は、運転中の前記蒸発器(15)における冷却能力の変動に応じて、前記再熱膨張弁(23)の開度の上限を調整する上限調整部(33)をさらに備えている、請求項1に記載の空気調和装置。
  3. 前記再熱膨張弁(23)の開度の上限が、前記冷却膨張弁(14)を流れる冷媒循環量と前記再熱膨張弁(23)を流れる冷媒循環量との比率に基づいて調整される、請求項2に記載の空気調和装置。
  4. 前記再熱膨張弁(23)の開度の上限が、前記蒸発器(15)を通過する前後の空気の温度差と、前記室内凝縮器(22)を通過する前後の空気の温度差との比率に基づいて調整される、請求項2に記載の空気調和装置。
  5. 前記再熱制御部(32)は、前記室内凝縮器(22)の出口の冷媒の過冷却度に応じて前記再熱膨張弁(23)の開度の制御量を補正し、当該過冷却度を調整する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気調和装置。
  6. 前記制御装置(30)は、前記蒸発器(15)で冷却・除湿した空気を前記室内凝縮器(22)で加熱する再熱除湿モードの運転制御と、前記蒸発器(15)で冷却・除湿した空気が前記室内凝縮器(22)を通過するだけの冷却モードの運転制御とをさらに行うものであり、前記蒸発器(15)の吸込空気温度が目標温度の範囲内で且つ吸込空気の相対湿度が目標湿度以上であるときに前記再熱除湿モードの運転を行い、前記蒸発器(15)の吸込空気温度が目標温度より高いか、または、当該吸込空気温度が目標温度の範囲内で且つ吸込空気の相対湿度が目標湿度未満であるときに冷却モードの運転を行うように構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気調和装置。
  7. 前記再熱除湿モードの運転時における前記室内凝縮器(22)の冷媒流入側の再熱用冷媒配管(45)に再熱用第1開閉弁(26)が接続され、前記室内凝縮器(22)の冷媒流出側に前記再熱膨張弁(23)が接続され、
    前記再熱用冷媒配管(45)には、前記再熱用第1開閉弁(26)をバイパスする再熱用バイパス管(46)が接続され、該再熱用バイパス管(46)には前記再熱用第1開閉弁(26)より口径の小さい再熱用第2開閉弁(28)が接続されている、請求項6に記載の空気調和装置。
  8. 前記制御装置(30)は、前記再熱除湿モードの運転を開始するときに、前記再熱用第1開閉弁(26)を閉鎖した状態で、前記再熱膨張弁(23)を開いてから所定時間後に前記再熱用第2開閉弁(28)を開き、その所定時間後に前記再熱用第1開閉弁(26)を開放する液冷媒除去運転を行うように構成されている、請求項7に記載の空気調和装置。
  9. 前記制御装置(30)は、前記再熱除湿モードの運転を終了するときに、前記再熱用第1開閉弁(26)及び前記再熱用第2開閉弁(28)を閉じてから所定時間後に前記再熱膨張弁(23)を閉鎖するように構成されている、請求項8に記載の空気調和装置。
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