JP2019065000A - 接着性を向上させた歯科切削用レジン硬化体 - Google Patents

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Abstract

【課題】冠修復物をCAD/CAMシステムを用いた切削加工により作製するための歯科切削用レジン硬化体及びそれを用いた歯冠修復物並びにその歯冠修復物を接着させる接着方法の提供。【解決手段】歯科用CAD/CAMシステムを用いた切削加工に用いる歯科切削用レジン硬化体であって、(a)周期表における第2族及び/または第13族の元素を酸化物換算で55wt%以上含む無機フィラー、(b)重合性単量体、(c)重合開始剤を含む組成物の硬化体からなることを特徴とする歯科切削用レジン硬化体。【選択図】なし

Description

本発明は歯科医療分野において、天然歯の一部を代替し得る歯冠修復物をCAD/CAMシステムを用いた切削加工により作製するための歯科切削用レジン硬化体及びそれを用いた歯冠修復物並びにその歯冠修復物を接着させる接着方法に関する。
歯科治療における齲蝕の治療は、金属合金を鋳造して歯冠修復物を作製後、それを用いて欠損部を修復する補綴治療が一般的に臨床で行われており、その治療手順は次の通りである。齲蝕部位を切削し、窩洞または支台歯を形成後、印象を採得する。その印象採得した印象型に石膏を注入し、形成した窩洞または支台歯を反映した石膏模型を作製することで口腔内の状態を再現する。その模型上にワックスを用いてワックスアップを行い、最終の歯冠形態を再現する。そのワックスパターンを埋没材で埋没後、焼却して鋳造することにより金属製の歯冠修復物が作製される。最後に、適切な手法に従い、作製した歯冠修復物の内面を表面処理した後、接着材料を用いて口腔内の窩洞または支台歯にセットし、治療を完結させる。
金属製の歯冠修復物作製から装着までの一連の流れは上述の通りであるが、この歯冠修復物の素材については金属以外にセラミックスやレジンなど様々なものがあり、歯冠修復物が口腔内で使用される口腔内状況やその部位等により歯科医師が歯冠修復物の素材を選択するのが通常である。
最近、歯冠修復物として無機フィラーや有機複合フィラー等の各種フィラーが高密度に充填された光及び加熱により重合硬化させるハイブリッドレジンセラミックスが臨床で使用されるようになってきた。このハイブリッドレジンセラミックスは光重合だけでなく、加熱重合も行うことから未重合のレジンモノマーが少なく、またレジンモノマーが高度に重合硬化しているために、審美性、耐変色性、色調安定性及び機械的特性が優れた歯冠修復物を作製可能となっている。また、このハイブリッドレジンセラミックスを支台歯に接着させる場合の手順は以下の通りである。まず最終の歯冠形態を再現して作製されたハイブリッドレジンセラミックスの内面をアルミナサンドブラスト処理し、水洗、乾燥を行う。その後ハイブリッドレジンセラミックに充填されている無機フィラー表面と反応するシランカップリング材を含むプライマー(以下、セラミックスプライマーとする)にて処理を行う。一方、支台歯は歯質、レジン、金属等の種類によって、それぞれに対応した専用のプライマーを用いて処理を行う。その後レジンセメントペーストをセラミックスプライマーにて処理したハイブリッドレジンセラミックの内面に塗布して支台歯に圧接後、余剰ペーストを除去し、光硬化により接着させる。このように接着させる歯冠修復物の素材や支台歯の材質によってそれぞれ専用のプライマーを用いる必要があり、その術式は煩雑なものであった。
例えば、ハイブリッドレジンセラミックスで作製された歯冠修復物を支台歯に接着させる場合の手順であって、レジンセメントペーストとシランカップリング材入りプライマーと歯質用のプライマーからなるレジン系セメントを用いた場合の手順は以下の通りである。
(1)アルミナサンドブラスト処理工程
歯冠修復物の内面をアルミナサンドブラストで処理する。
(2)水洗処理工程
アルミナサンドブラストで処理された歯冠修復物を水洗する。
(3)乾燥処理工程
水洗された歯冠修復物を乾燥する。
(4)歯冠修復物処理工程
乾燥させた歯冠修復物をシランカップリング材入りプライマー(以下、セラミックスプライマーとする)で処理する。
(5)支台歯プライマー処理工程
セラミックスプライマーで処理された歯冠修復物を接着する被着体である支台歯をプライマー(以下、支台歯プライマー)で処理する。但し、被着体は歯質、レジン、金属等の種類によって、それぞれに対応した専用のプライマーを用いて処理を行う。
(6)接着剤塗布工程
接着剤であるレジンセメントペーストを歯冠修復物の内面に塗布する。
(7)支台歯圧接工程
レジンセメントペーストを内面に塗布した歯冠修復物を支台歯に圧接し接着を行う。
(8)余剰ペースト除去工程
歯冠修復物を支台歯に圧接した結果、余剰の接着剤が歯冠修復物と支台歯との間から出るため、除去する。
(9)光硬化工程
余剰の接着剤を除去された歯冠修復物に光を照射して接着剤を硬化させ歯冠修復物と支台歯を接着させる。
近年、コンピューター制御されたCAD/CAMシステムの著しい進歩によって歯科分野にもこのシステムが急速に普及してきており、このシステムを用いた切削加工により作製された様々な素材の歯冠修復物が臨床で応用されてきている。このシステムを用いた切削加工においてはインレーやクラウンなどの作製に用いるブロック形状やブリッジなどの作製に用いるディスク形状の切削加工用材料が用いられる。またそれらの素材としてはセラミックス材料であるジルコニアセラミックス、アルミナセラミックス、ガラスセラミックス、金属材料としてはチタン、コバルトクロム合金、そしてレジン系材料としてはPMMA系材料、ワックス、コンポジットレジンなどが用いられており、それぞれ目的とする使用用途や患者からのニーズ等によって素材が選択される。
これらの中でも切削加工に用いられるコンポジットレジン材料は無機フィラーや有機複合フィラー等のフィラーが高密度に充填され、且つ加圧加熱により重合硬化されていることから、歯科用CAD/CAMシステムにより切削加工された歯冠修復物は前述したハイブリッドレジンセラミックスよりも、さらに審美性、耐変色性、色調安定性及び機械的特性が優れたものとなっている。しかし、その反面前述したセラミックスプライマー処理の効果が利きにくく、接着不良による補綴物の脱離が起こりやすい状況であった。
一般的に歯科分野においては歯冠修復物を支台歯に接着させる様々な接着・合着用セメントが開発されており、それらはグラスアイオノマー系セメント(プライマーなし)とレジン系セメント(レジンセメントペースト及び歯冠修復物用プライマー、被接着体(支台歯)用プライマーのセット)に大別される。前者はポリカルボン酸、水、フルオロアルミノシリケートガラスを主成分としており、従来型のグラスアイオノマーセメントやレジン強化型グラスアイノマーセメントが該当する。これらのセメントを用いた操作術式は歯冠修復物や支台歯への前処理を必要としないために操作性に優れる等の特徴がある。しかし、その接着機構はポリカルボン酸のイオン化による歯冠修復物や支台歯とのイオン結合に基因しているため、合着材と呼ばれている程度の低い接着力であった。そのため、歯冠修復物や支台歯の種類によって適用症例に制限があり、特にレジン系の歯冠修復物を支台歯に接着するのには用いることができなかった。一方、後者は酸性重合性モノマー、重合性モノマー、フィラーを主成分としており、プライマー併用型レジンセメントや自己接着性レジンセメントが該当する。これらのセメントを用いた接着は歯冠修復物や支台歯の種類によってそれぞれに対応した前処理材(プライマー)を併用するため、強固な接着力が発現可能となり、様々な症例に用いることができる。その中でもプライマーの使用を必須とする煩雑な操作術式を伴うプライマー併用型レジンセメントは歯冠修復物や支台歯の種類に関係なく高い接着特性と安定性を発現することから、臨床において多用されている状況にあった。そのため加熱重合により作製したハイブリッドレジンセラミックまたは加圧加熱重合により作製したブロック形状またはディスク形状の切削加工用材料から歯科用CAD/CAMシステムにより切削加工された歯冠修復物の接着においては、接着させる材質に対応したそれぞれのプライマーが必要になるものの、このプライマー併用型レジンセメントの使用が推奨されている。
以上のように歯冠修復物の素材の種類によって、その接着に使用できる接着・合着セメントが限定される状況にあり、また歯冠修復物の素材に対応した専用のプライマーを併用する煩雑な操作術式を伴うなどの課題が多くあり、歯冠修復物や接着・合着セメントの改良が臨まれていた。特に簡便な操作術式で様々な接着・合着用セメントが使用可能である歯冠修復物が切望されていた。
特許文献1には、歯冠補綴物に求められる硬さ、曲げ強度、圧縮強度等の機械的特性や審美性を維持した上で、歯科切削加工用レジン材料の製造時にブロック内部で発生する歪みを低減し、クラックやチッピングがおこらない歯科用硬化性組成物が開示されている。支台歯への接着においては「セラミックスプライマー処理工程」を必要とし、接着工程が長く、治療時間を短縮することはできなかった。
特許文献2には、切削時の切削性に優れつつも、口腔内で使用したときの耐衝撃性、耐摩耗性、審美性に優れる切削加工用のブロックが開示されているが、支台歯への接着においては更なる改善の余地が残されていた。
特開2016−65002号公報 特開2016−210710号公報
従来から熱重合または加圧加熱重合された歯科切削用レジン組成物を用いてコンピューター制御された歯科用CAD/CAMシステムにより切削加工で作製された歯冠修復物はそれらの構成成分であるレジンモノマーが高度に重合硬化しているために、従来から推奨されているシランカップリング材を含むポーセレンプライマー処理の効果が乏しく、臨床使用において脱落するなどの問題があった。
そこで本発明は、従来のシランカップリング材を含むポーセレンプライマーによる表面処理を必要とせず、酸性重合性モノマー及び/またはそれから誘導された重合体を含む接着性材料を用いた簡便な接着術式により接着することができる、特定の無機フィラーを含有した組成物の加熱重合または加圧加熱重合により作製された歯科切削用レジン硬化体、及びそれを用いて作製した歯冠修復物並びにその歯冠修復物を接着させる接着方法を提供することを課題とする。
また、プライマーを必要としないグラスアイオノマー系セメントで接着させる場合においても、従来に比べて脱落が起こることなく強固に接着することを課題とする。
特に、グラスアイオノマー系セメント中に、酸性重合性モノマー及び/またはそれから誘導された酸性重合性プレポリマー及び/またはそれから誘導された重合体を含んだレジン系セメントやポリカルボン酸を含んでいる場合は、プライマーを用いなくても強固に接着することができることを課題とする。
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意研究の結果、加熱重合または加圧加熱重合させた歯科切削用レジン組成物を構成する成分として周期表における第2族及び/または第13族の元素を酸化物換算で55wt%以上含む無機フィラーを用いることによって、その無機フィラーを含む歯科切削用レジン組成物から歯科用CAD/CAMシステムを用いた切削加工により作製された歯冠修復物は、従来のシランカップリング材を含むポーセレンプライマーによる表面処理を行わなくとも、酸性重合性モノマー及び/またはそれから誘導された重合体を含む接着性材料を用いることによって、脱落がなく強固に接着すること、さらにその接着術式も簡便であること等を見出し、本発明を見いだした。
即ち本発明は、
歯科用CAD/CAMシステムを用いた切削加工に用いる歯科切削用レジン硬化体であって、
(a)周期表における第2族及び/または第13族の元素を酸化物換算で55wt%以上含む無機フィラー
(b)重合性単量体
(c)重合開始剤
を含む組成物の硬化体からなることを特徴とする歯科切削用レジン硬化体を提供する。
本発明の歯科切削用レジン硬化体においては、
(a)無機フィラーと(b)重合性単量体とを重量比で、25:75〜80:20の割合で含み、
(a)無機フィラー及び(b)重合性単量体の合計100重量部に対して(c)重合開始剤を、0.1〜2.0重量部含む組成物の硬化体からなることが好ましい。
本発明の歯科切削用レジン硬化体においては、
(b)重合性単量体が親水性単量体を含むことが好ましい。
本発明は、歯科用CAD/CAMシステムを用いた切削加工により、本発明の歯科切削用レジン硬化体を切削した歯冠修復物を提供する。
本発明は、本発明の歯冠修復物の接着方法であって、酸性重合性モノマー及び/またはそれから誘導された重合体を含む接着性材料を用いて接着される歯冠修復物の接着方法を提供する。
本発明の歯科切削用レジン硬化体から作製された歯冠修復物はレジン系セメントで接着させる場合において、セラミックスプライマーによる歯冠修復物処理工程を不要とする為、臨床での接着作業時間を簡略化することができる。
また、グラスアイオノマー系セメントで接着させる場合において、プライマーを用いなくても脱落が起こることなく強固に接着することができる。
特に、グラスアイオノマー系セメント中に、酸性重合性モノマー及び/またはそれから誘導された酸性重合性プレポリマー及び/またはそれから誘導された重合体を含んだレジン系セメントやポリカルボン酸を含んでいる場合は、プライマーを用いなくても強固に接着することができる。
プライマーを用いるレジン系セメントを使用する場合は、歯質プライマーを歯冠修復物に使用することで、グラスアイオノマー系セメントと同様の接着力をえることが可能となった。更に、歯冠修復物と歯質を同じプライマーで処理することが可能であり操作性を向上させることができる。
本発明の歯科切削用レジン硬化体用組成物は、歯科用CAD/CAMシステムを用いた切削加工に用いる歯科切削用レジン硬化体であって、(a)周期表における第2族及び/または第13族の元素を少なくとも酸化物換算で55wt%以上含む無機フィラー、(b)重合性単量体、(c)重合開始剤を含む組成物の硬化体からなるものである。
本発明の歯科切削用レジン硬化体用の組成物に含まれる無機フィラー(a)は周期表における第2族及び/または第13族の元素の内少なくとも1つ以上を酸化物換算で55wt%以上含んだものであれば何等制限なく用いることができる。第2族及び/または第13族の元素の量は、本発明の効果である接着性に影響を及ぼすものであり、55wt%未満であれば接着性セメントまたは合着用セメントで接着させた時に強固な接着性を得られず、脱落が起こる恐れがある。なお、無機フィラー(a)は、好ましくは58wt%以上、更に好ましくは60wt%以上である。また、無機フィラー(a)は酸化物換算で、80wt%以下であることが好ましい。
この無機フィラーに含まれる周期表における第2族の元素としてはMg、Ca、Sr、Ba、Ra等が挙げられ、これらの中でもMg、Ca、Sr、Baの内少なくとも1つ以上を含んでいることが好ましい。また周期表における第13族の元素としてはAl、B、Ga、In、Tl等が挙げられ、これらの中でもAl、Bの内少なくとも1つ以上を含んでいることが好ましい。さらにこの無機フィラーには周期表における第2族及び第13族からそれぞれ少なくとも1つ以上の元素を含んでいることが好ましい。
また、無機フィラーに含まれる第13族の元素としてB(ホウ素)元素を含んでいることも好ましく、これは無機フィラー(歯科切削用レジン硬化体)からBイオンが徐放するためである。その結果、本発明の効果である接着性の向上だけでなく、細菌付着を抑制する等の抗菌性も発現することができる。本発明の歯科切削用レジン硬化体からB元素がイオンの形態で徐放しているかどうかの確認はICP発光分光分析により確認することができる。本発明に用いる無機フィラー中に含まれているB元素は5wt%以上が好ましく、10wt%以上がより好ましく、最も好ましくは15wt%以上である。これはB元素のイオン形態での徐放性を高めて細菌付着等の抗菌性を増強するためであり、5wt%未満であればその効果はほとんど認められない。
さらに、本発明に用いる無機フィラーはフッ素元素を含むことが好ましく、これは無機フィラー(歯科切削用レジン硬化体)からフッ素イオンが徐放するためである。その結果、本発明の効果である接着性の向上だけでなく、歯質の強化や二次う蝕の抑制をもたらすことができる。本発明の歯科切削用レジン硬化体からフッ素イオンが徐放しているかどうかの確認はフッ素イオン選択電極やイオンクロマトグラフィーにより確認することができる。本発明に用いる無機フィラー中に含まれているフッ素元素は5wt%以上が好ましく、10wt%以上がより好ましく、最も好ましくは15wt%以上である。これはフッ素イオンの徐放性を高めて歯質の強化や二次う蝕の抑制等の効果を増強するためであり、5wt%未満であればその効果はほとんど認められない。
本発明に用いる無機フィラーを具体的に例示するとアルミニウムシリケート、酸化アルミニウム、種々のガラス類(溶融法によるガラス、ゾルゲル法による合成ガラス、気相反応により生成したガラスなどを含む)、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、クレー、雲母、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化アルミニウム、炭化ホウ素、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、ゼオライト等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの無機フィラーは単独だけでなく、複数を組み合わせて用いることができる。これらの中でも接着性能を向上させたり、イオン徐放性を発現させる目的でストロンチウム、バリウム、ランタン等の重金属及び/またはフッ素を含むアルミノシリケートガラス、ボロシリケート、アルミノボレート、ボロアルミノシリケートガラス等のガラスフィラーを用いることが好ましい。
本発明に用いる無機フィラーの製造方法は特に制限はなく、溶融法、気相法、ゾルーゲル法などのいずれの製造方法で製造したものでも用いることができる。またこの無機フィラーの形状も特に限定されるものではなく、球状、針状、破砕状、鱗片状等のいずれの形状を用いることができ、それらは単独だけでなく、複数を組み合わせて用いることもできる。本発明の歯科切削用レジン硬化体から作製された歯冠修復物に良好な研磨性や磨耗後における滑沢な表面性状をもたらすためには球状または破砕型であることが好ましい。
さらに無機フィラーの平均粒子径においても特に限定されるものではなく、様々な平均粒子径のものを用いることができる。その中でも本発明の歯科切削用レジン硬化体から作製された歯冠修復物に良好な研磨性や磨耗後における滑沢な表面性状をもたらすためには平均粒子径が0.01μm 〜 10μmの範囲のものが好ましく、さらに好ましくは0.03μm〜6μm範囲のものである。平均粒子径が0.01μm未満の場合、単位重量当たりの比表面積が大きくなるため、本発明の歯科切削用レジン組成物中に無機フィラー配合量を高めることができず、十分な機械的特性や接着性を得ることができない場合がある。一方、平均粒子径が10μmよりも大きくなると、製造時に均一なペースト組成物を調製することができず、安定した性能を発揮できなくなる場合がある。
また、本発明に用いる無機フィラーを機能化して、この無機フィラーを含む歯科切削用レジン硬化体を高強度化するまたはイオン徐放性を向上させるために、無機フィラーの表面を表面処理することが好ましい。表面処理に用いる表面処理材を具体的に例示すると界面活性剤、脂肪酸、有機酸、無機酸、モノマー、ポリマー、各種カップリング材、シラン化合物、金属アルコキシド化合物及びその部分縮合物等が挙げられる。
これらの表面処理材の中でも、本発明の歯科切削用レジン硬化体を高強度化するためには本発明に用いる無機フィラーをシランカップリング材により表面処理することが好ましい。そのシランカップリング材を具体的に例示するとビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリ(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
また、本発明の歯科切削用レジン硬化体からのイオン徐放性を向上させるためには本発明に用いる無機フィラーを酸性ポリマー及びシラン化合物を用いて複合表面処理を行うことが好ましい。この複合表面処理はシラン化合物により無機フィラー表面を被覆した後に、酸性ポリマーを用いて表面処理する方法であり、以下において具体的に説明するが、これに限定されるものではない。
粉砕等により所望の平均粒子径に微粉砕された無機フィラーを含有する水性分散体を調製後、一般式(I)
Figure 2019065000
(式中、ZはRO−、Xはハロゲン、YはOH−、Rは炭素数が8以下の有機基、n、m、
Lは0から4の整数で、n+m+L=4である)で表されるシラン化合物を添加して混合し、そのシラン化合物を加水分解または部分加水分解・縮合させたポリシロキサンで無機フィラー表面を被覆する。
一般式(I)で表されるシラン化合物を具体的に例示すると、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラアリロキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラキス(2-エチルヘキシロキシ)シラン、トリメトキシクロロシラン、トリエトキシクロロシラン、トリイソプロポキシクロロシラン、トリメトキシヒドロキシシラン、ジエトキシジクロロシラン、テトラフェノキシシラン、テトラクロロシラン、水酸化ケイ素(酸化ケイ素水和物)等が挙げられ、より好ましくはテトラメトキシシラン及びテトラエトキシシランである。
また一般式(I)で表されるシラン化合物の低縮合体であることがより好ましく、特に好ましくはテトラメトキシシラン及びテトラエトキシシランを部分加水分解して縮合させた低縮合シラン化合物である。これらの化合物は単独または組み合わせて使用することができる。
また水性分散体における無機フィラーの含有量は、水性分散体を構成する水性媒体100重量部に対して25〜100重量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは30〜75重量部の範囲である。無機フィラーの含有量が100重量部を超える場合は縮合によるゲル化速度が速く、均一なポリシロキサン被膜層を形成しにくい。また、25重量部より少ない場合、撹拌状態下で無機フィラーが沈降したり水性媒体中で相分離が発生する場合がある。また、シラン化合物の添加量は無機フィラーの平均粒子径に依存するが、無機フィラーに対してSiO 換算で0.1〜10重量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.1〜4重量部である。添加量が0.1重量部以下の場合は、ポリシロキサン被膜層形成の効果が乏しく、一次粒子まで解砕できず凝集したものになる場合がある。一方10重量部以上では乾燥後の固化物が硬すぎて解砕することができず、一次粒子まで戻すことができない場合がある。
上記の水性媒体とは水及びアルコールから構成される。アルコールを加えることにより乾燥工程において表面被覆した無機フィラーの凝集性を軽減させ、より解砕性を向上させる多大な効果がある。好ましいアルコールとしては炭素数2〜10のアルコール類であるが、炭素数が10以上のアルコールの添加は沸点が高く溶媒を乾燥除去するために長時間を要する。具体的なアルコールを例示するとエチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、n−ペンチルアルコール、iso−アミルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n−ドデシルアルコールが挙げられ、より好ましくは炭素数2〜4のアルコール、例えばエチルアルコール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコールが挙げられる。アルコールの添加量は水100重量部に対して例えば5〜100重量部、好ましくは5〜20重量部である。添加量が100重量部以上になると乾燥工程が複雑になる等の問題が生じる場合がある。
その後、シラン化合物処理した水性分散体であるスラリーを乾燥し、水性媒体を除去して固化させる。乾燥は、熟成と焼成の2段階からなり、前者はゲル構造の生長と水性媒体の除去を、後者はゲル構造の強化を目的としている。前者はゲル構造にひずみを与えず、かつ水性媒体を除去することから静置で行う必要があり、箱型の熱風乾燥器等の設備が好ましい。
以上のように乾燥により水性媒体を除去し、収縮した固化物が得られる。固化物は無機フィラーの凝集状態ではあるが、単なる無機フィラーの凝集物ではなく、個々の微粒子の境界面には縮合により形成されたポリシロキサンが介在している。したがって次の工程としてこの固化物をポリシロキサン処理前の無機フィラー相当に解砕すると、その表面がポリシロキサンで被覆された無機フィラーが得られる。ここで「ポリシロキサン処理前の無機フィラー相当に解砕する」とは、ポリシロキサンで被覆された無機フィラーの一次粒子に解砕することであり、元の無機フィラーと異なる点は個々の微粒子がポリシロキサンで被覆されていることである。ただし、問題ない程度であれば2次凝集物を含んでいてもよい。固化物の解砕は、せん断力または衝撃力を加えることにより容易に可能であり、解砕方法としては、例えばヘンシェルミキサー、クロスロータリミキサー、スーパーミキサー等を用いて行いことができる。
前記工程で得られたポリシロキサンで被覆された無機フィラーは酸性ポリマーと反応させる酸性ポリマー処理を施すことによって(a)無機フィラーとして最も好ましい表面処理無機フィラーを得ることができる。酸性ポリマー処理は酸性ポリマー溶液を含浸や噴霧等により接触させることにより行うことができる。例えばポリシロキサン被覆無機フィラーを乾式流動させ、その流動させた状態で上部から酸性ポリマー溶液を分散させ、十分撹拌するだけでよい。
このとき酸性ポリマー溶液の分散法は特に制限はないが、均一に分散できる滴下またはスプレー方式がより好ましく、その後熱処理を行う。得られた熱処理物は必要に応じて解砕を行い、表面処理無機フィラーを得ることができる。
反応に用いる酸性ポリマー溶液の調製に用いる溶媒は、酸性ポリマーが溶解する溶媒であれば何等制限はなく、水、エタノール、アセトン等が挙げられる。これらの中で特に好ましいのは水であり、これは酸性ポリマーの酸性基が解離し、ポリシロキサン被覆無機フィラーと均一に反応することができる。酸性ポリマー溶液中に溶解したポリマーの重量分子量は例えば2000〜50000の範囲であり、好ましくは5000〜40000の範囲である。また酸性ポリマー溶液中に占める酸性ポリマー濃度は3〜25重量部の範囲が好ましく、より好ましくは8〜20重量部の範囲である。さらにポリシロキサン被覆無機フィラーに対する酸性ポリマー溶液の添加量は、ポリシロキサン被覆無機フィラー100重量部に対して6〜40重量部の範囲が好ましく、より好ましくは10〜30重量部である。この添加量で換算するとポリシロキサン被覆無機フィラー100重量部に対する酸性ポリマー量は1〜7重量部、また水量は10〜25重量部の範囲が最適値となる。
上記の方法によりポリシロキサン被覆無機フィラーの内側に酸性ポリマー反応相を形成させるために用いることのできる酸性ポリマーは、酸性基として、リン酸残基、ピロリン酸残基、チオリン酸残基、カルボン酸残基、スルホン酸基等の酸性基を有する重合性単量体の共重合体または単独重合体であれば何等問題なく用いることができる。これらの重合性単量体を具体的に例示するとアクリル酸、メタクリル酸、2−クロロアクリル酸、3−クロロアクリル酸、アコニット酸、メサコン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマール酸、グルタコン酸、シトラコン酸、4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシカルボニルフタル酸、4-(メタ)アクリロイルオキシエトキシカルボニルフタル酸無水物、5−(メタ)アクリロイルアミノペンチルカルボン酸、11−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドロジェンホスフェート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート、20−(メタ)アクリロイルオキシエイコシルジハイドロジェンホスフェート、1,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2−ジハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルリン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル2−ブロモエチルリン酸、(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルホスホネート、ピロリン酸ジ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドロジェンジチオホスホスフェート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンチオホスフェート等が挙げられる。これらの重合性単量体を用いて(共)重合された重合体の中でもポリシロキサン被覆無機フィラー中に含まれる酸反応性元素との酸-塩基反応が比較的遅い、α基反不飽和カルボン酸の単独重合体または共重合体を用いることが好ましく、具体的にはアクリル酸重合体、アクリル酸−マレイン酸共重合体、アクリル酸−イタコン酸共重合体等が挙げられる。
本発明の歯科切削用レジン硬化体用の組成物における(a)無機フィラーの含有量としては、(b)重合性単量体との重量比が、(a)無機フィラー:(b)重合性単量体=25:75〜80:20であることが好ましい。これは本発明の効果である接着性に影響を及ぼすためであり、(a)無機フィラーが少ないと、酸性重合性モノマー及び/またはそれから誘導された重合体酸性重合性モノマー及び/またはそれから誘導された重合体を含む接着性セメントまたは合着用セメントで接着させた時に強固な接着性を得ることがなく、脱落が起こる恐れがある。そのためより好ましくは無機フィラーを、(a)無機フィラーと(b)重合性単量体との重量比で、30:70よりも大きい割合、さらに好ましくは40:60よりも大きい割合である。
無機フィラーを、(a)無機フィラーと(b)重合性単量体との重量比で、80:20よりも大きい割合で含むと、気泡が混入しない歯科切削用レジン硬化体をえることが難しい場合がある。
また、本発明の歯科切削用レジン硬化体用の組成物は、上記の(a)周期表における第2族及び/または第13族の元素を酸化物換算で55wt%以上含んだ無機フィラー以外ではない他のフィラーを含んでも何等問題はない。他のフィラーとしては第2族及び/または第13族の元素を含まない無機フィラー、有機フィラー及び有機無機複合フィラー等が挙げられる。
これらの他の無機フィラーを具体的に例示するとシリカフィラー、酸化チタン、酸化ジルコニウム、窒化ケイ素、窒化チタン、炭化ケイ素等、ジルコニウムシリケート等が挙げられる。
また、有機フィラーとして具体的に例示するとメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、アルキルメタクリレート、メトキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートのホモポリマー、またはこれらのコポリマー等が挙げられ、これらのホモポリマーとコポリマーとの混合物も用いることができる。
さらに有機無機複合フィラーは無機フィラーを有機樹脂中に含有する複合フィラーであり、無機フィラーにモノマーを添加してペースト状にした後に重合させ、得られた重合物を粉砕した粒状のものを利用することができ、従来の歯科用硬化性組成物に使用されているものを使用できる。
これらの種々のフィラーは単独だけでなく複数を組み合わせて用いても何等問題はない。
本発明の歯科切削用レジン硬化体用の組成物に含まれる(b)重合性単量体は、一般に歯科分野で用いられている公知の単官能及び/または多官能の重合性単量体を、何等制限なく使用することができる。一般に好適に使用される代表的なものを例示すれば、アクリロイル基及び/またはメタクリロイル基を有する(メタ)アクリレート重合性単量体である。なお、本発明において(メタ)アクリレート重合性単量体の表記をもってアクリロイル基含有重合性単量体とメタクリロイル基含有重合性単量体の両者を包括的に表記する。
本発明の歯科切削用レジン硬化体用の組成物に含まれる(b)重合性単量体を具体的に例示すれば次の通りである。
単官能重合性単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類、Γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、Γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等のシラン化合物類、2−(N、N−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド等の窒素含有化合物が挙げられる。
芳香族系二官能重合性単量体としては、2、2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)プロパン、2、2−ビス(4−(3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)プロパン、2、2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2、2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2、2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシテトラエトキシフェニル)プロパン、2、2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル)プロパン、2、2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシフェニル)プロパン、2(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)−2(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)−2(4−(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシフェニル)プロパン、2(4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシフェニル)−2(4−(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシフェニル)プロパン、2、2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシフェニル)プロパン、2、2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシイソプロポキシフェニル)プロパン等が挙げられる。
脂肪族系二官能重合性単量体としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1、3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1、4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
三官能重合性単量体としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
四官能重合性単量体としては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ウレタン系重合性単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ハイドロキシプロピル(メタ)アクリレートのような水酸基を有する重合性単量体と、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジイソシアネートメチルメチルベンゼン、4、4−ジフェニルメタンジイソシアネートのようなジイソシアネート化合物との付加物から誘導される二官能性または三官能性以上のウレタン結合を有するジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの(メタ)アクリレート重合性単量体以外に分子内に少なくとも1個以上の重合性基を有するオリゴマーまたはプレポリマーを用いても何等制限はない。また、フルオロ基等の置換基を同一分子内に有していても何等問題はない。
以上に記載した重合性単量体は単独だけでなく複数を組み合わせて用いることができる。
これらの重合性単量体の中でも本発明の歯科切削用レジン硬化体用の組成物に重合性単量体の一成分として親水性重合性単量体を用いることが好ましく、これは良好な接着性を発現すると共にイオン徐放性も発現させることができるためである。
本発明において親水性重合性単量体とは23℃の水100重量部に対する溶解性が10重量部以上である重合性単量体を親水性重合性単量体と定義し、次の方法によって確認することができる。サンプル瓶中で23℃に保った水100g中に重合性単量体10gを加えて10分間撹拌した後、放置する。10分間経過後、サンプル瓶中で混合した混合物を観察した時、混合物が均一に透明または半透明に溶解するまたは相溶する重合性単量体を親水性重合性単量体とした。
親水性重合性単量体は親水性を示す重合性単量体であれば、ラジカル重合可能な不飽和基の種類に関係なく、単官能性及び/または多官能性のいずれにおいても、制限なく使用することができる。これらの親水性重合性単量体は、親水性を示すものであれば、分子内にカルボキシル基、リン酸基、ホスホン酸基及びスルホン酸基等の酸性基やアルキル基、ハロゲン、アミノ基、グリシジル基及び水酸基等のその他の官能基を併せて含有することもできる。
親水性重合性単量体を具体的に例示すると、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1、2−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1、3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2、3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル−1、3−ジ(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル−1、2−ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、2−トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルクロライド、(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、ポリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート(オキシエチレン基の数が9以上のもの)等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
これらの親水性重合性単量体は単独だけでなく、複数を組み合わせて用いることができる。
本発明の歯科切削用レジン硬化体用の組成物における(b)重合性単量体の含有量としては、(a)無機フィラーとの重量比が、(a)無機フィラー:(b)重合性単量体=25:75〜80:20であることが好ましい。重合性単量体が多すぎると歯科切削性レジン硬化体の機械的強度が低下する可能性がある。重合性単量体が少なすぎると、液成分が少なく、歯科切削用レジン硬化体を得ることが難しい。
本発明の歯科切削用レジン硬化体用の組成物に含まれる(c)重合開始剤は、歯科分野で公知に用いられている重合開始剤を何等制限なく用いることができる。(c)重合開始剤の配合量は(a)無機フィラー及び(b)重合性単量体の合計100重量部に対して0.1〜2.0重量部であることが好ましい。重合開始剤が多すぎると歯科切削用レジン硬化体を製造する際、割れが発生しやすく、製造上難しい場合がある。重合開始剤が少なすぎると十分な効果が得られず、機械的強度が低下する。熱分解によりフリーラジカルを発生する重合開始剤は特に限定されず、歯科分野で公知に用いられている熱分解によりフリーラジカルを発生する重合開始剤を何等制限なく用いることができる。これらの熱分解によりフリーラジカルを発生する重合開始剤を具体的に例示するとベンゾイルパーオキサイド、パラクロロベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ターシャリーブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン、2,5−ジハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエード等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル、アゾビスシアノ吉草酸等のアゾ化合物類等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの重合開始剤は単独だけでなく、複数を組み合わせて用いるができる。これらの重合開始剤は重合開始剤の保存安定性向上や重合開始速度の調整等を実現するためにマイクロカプセルに内包する等の二次的な処理を施しても何等問題なく用いることができる。
これらの重合開始剤の中でも、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル、トリメチルバルビツール酸、トリブチルボラン酸化物等を用いることが好ましい。
本発明の歯科切削用レジン硬化体は歯科用CAD/CAMシステムを用いて切削加工することができる形状であることが必要であるが、歯科用CAD/CAMシステムの加工機に保持できるようなものであれば、特に制限はなくいずれの形状のものであっても用いることができる。それらの形状を具体的に例示するとブロック状やディスク状等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、また寸法についても特に制限はない。
例えばブロック形状やディスク形状に成形加工することが好ましい。そのため最終的には熱分解によりフリーラジカルを発生する重合開始剤に基因する加熱重合または加圧加熱重合を行うものの、その前に二つの形態の組成物を混合して重合を開始させる化学重合及び/または光照射により重合を開始させる光重合を複合的に組み合わせて、予備的に重合硬化させて目的とする形状に形態を整えた後、最終的に加熱重合または加圧加熱重合することも好ましい対応である。
その時に用いる化学重合開始剤としては有機過酸化物/アミン化合物または有機過酸化物/アミン化合物/スルフィン酸塩、有機過酸化物/アミン化合物/ボレート化合物からなるレドックス型の重合触媒系、酸素や水と反応して重合を開始する有機ホウ素化合物類、過硼酸塩類、過マンガン酸塩類、過硫酸塩類等の重合触媒系が挙げられ、さらにスルフィン酸塩類、ボレート化合物類及びバルビツール酸類も水及び/または酸性基を有する重合性単量体と共存させることにより重合を開始させることもできる。
有機過酸化物を具体的に例示すると、ベンゾイルパーオキサイド、パラクロロベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ターシャリーブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン、2,5−ジハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエード等が挙げられるが、これに限定されるものではない。また、上記有機過酸化物を単独または数種を組み合わせて用いることもできる。
アミン化合物としては、アミン基がアリール基に結合した第2級または第三級アミンが好ましく、具体的に例示するとN,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチルアニリン、N−β−ヒドロキシエチル−アニリン、N,N−ジ(β−ヒドロキシエチル)−アニリン、N,N−ジ(β−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、N−メチル−アニリン、N−メチル−p−トルイジン等が挙げられるが、これに限定されるものではない。また、上記アミン化合物を単独または数種を組み合わせて用いることもできる。
スルフィン酸塩類として具体的に例示すると、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、ベンゼンスルフィン酸リチウム、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム等が挙げられるが、これに限定されるものではない。また、上記スルフィン酸塩類を単独または数種を組み合わせて用いることもできる。
ボレート化合物として具体的に例示すると、トリアルキルフェニルホウ素、トリアルキル(p−フロロフェニル)ホウ素(アルキル基はn−ブチル基、n−オクチル基、n−ドデシル基等)のナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩などが挙げられるが、これに限定されるものではない。また、上記ボレート化合物を単独または数種を組み合わせて用いることもできる。
バルビツール酸類として具体的に例示すると、バルビツール酸、1,3−ジメチルバルビツール酸、1,3−ジフェニルバルビツール酸、1,5−ジメチルバルビツール酸、5−ブチルバルビツール酸、5−エチルバルビツール酸、5−イソプロピルバルビツール酸、5−シクロヘキシルバルビツール酸、1,3,5−トリメチルバルビツール酸、1,3−ジメチル−5−エチルバルビツール酸、1,3−ジメチル−n−ブチルバルビツール酸、1,3−ジメチル−5−イソブチルバルビツール酸、1,3―ジメチル―バルビツール酸、1,3−ジメチル−5−シクロペンチルバルビツール酸、1,3−ジメチル−5−シクロヘキシルバルビツール酸、1,3−ジメチル−5−フェニルバルビツール酸、1−シクロヘキシル−5−エチルバルビツール酸、1−ベンジル−5−フェニルバルビツール酸及びチオバルビツール酸類、ならびにこれらの塩(特にアルカリ金属またはアルカリ土類金属類が好ましい)、例えば、5−ブチルバルビツール酸ナトリウム、1,3,5−トリメチルバルビツール酸ナトリウム、1,3,5−トリメチルバルビツール酸カルシウム及び1−シクロヘキシル−5−エチルバルビツール酸ナトリウムなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。また、上記バルビツール酸類を単独または数種を組み合わせて用いることもできる。
これらの化学重合開始剤の中でも有機過酸化物−第3級アミンの組み合わせを用いることが好ましい。
また加熱重合または加圧加熱重合時おいて本発明の歯科切削用レジン硬化体は割れや亀裂が発生せず、均一に重合性単量体を重合硬化させる必要がある。そのため本発明の歯科切削用レジン硬化体用の組成物に重合硬化を制御可能な連鎖移動剤を含んでおくことも好ましい態様である。この連鎖移動剤は公知の化合物を制限無く使用することができる。この連鎖移動剤を具体的に例示すると、n−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタンなどのメルカプタン化合物、リモネン、ミルセン、α−テルピネン、β−テルピネン、γ−テルピネン、テルピノレン、β−ピネン、α−ピネンなどのテルペノイド系化合物、α−メチルスチレンダマーなどが挙げられる。これらの連鎖移動剤の中でもテルペノイド系化合物が特に好ましい。本発明の歯科切削用レジン硬化体用の組成物に含まれる連鎖移動剤の含有量は、重合性単量体100重量部に対して、0.001〜1重量部であることが好ましく、さらに好ましくは0.1重量部以上0.5重量部以下である。
また、本発明の歯科切削用レジン硬化体用の組成物は目的に応じて2−ヒドロキシ−4−メチルベンゾフェノンのような紫外線吸収剤、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2、5−ジターシャリーブチル−4−メチルフェノール等の重合禁止剤、変色防止剤、抗菌材、着色顔料、その他の従来公知の添加剤等の成分を必要に応じて任意に添加できる。
本発明の歯科切削用レジン硬化体の形状は最終的に加熱重合または加圧加熱重合により成形加工されるものであるが、それらの温度や圧力等の成形条件や成形方法にも特に制限はなく、いずれの成形条件や成形方法でも用いることができる。
また、歯科用CAD/CAMシステムを用いた切削加工により本発明の歯科切削用レジン硬化体から作製される歯冠修復物はいずれの種類のもので問題はなく、インレー、オンレー、クラウン、ブリッジが好ましい。
以下、実施例に基づき、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下に示す実施例により制限されない。
Figure 2019065000
[無機フィラーの調製]
(1)本発明に用いる(a)周期表における第2族及び/または第13族の元素を酸化物換算で55wt%以上含む無機フィラーの製造
(無機フィラー1の製造)
ガラス原料をボールミルにて均一に混合し原料混合品を調製した後、その原料混合品を溶融炉中で1400℃にて溶融した。その融液を溶融炉から取り出し水中で急冷してガラス(ガラス組成:SiO2 23.8wt%、Al2O3 16.2wt%、B2O3 10.5wt%、SrO 35.6wt%、Na2O 2.3wt%、F 11.6wt%)を生成した。4連式振動ミルのアルミナポット(内容量3.6リットル)中に直径6mmのアルミナ玉石4kgを投入後、上記で得たガラスを500g投入して40時間粉砕を行い、第2族及び/または第13族の元素を酸化物換算で62.3wt%含む無機フィラー1を得た。
この無機フィラー1の50%平均粒子径をレーザー回折式粒度測定機(マイクロトラックSPA:日機装社製)により測定した結果、1.2μmであった。

(無機フィラー2の製造)
ガラス原料をボールミルにて均一に混合し原料混合品を調製した後、その原料混合品を溶融炉中で1400℃にて溶融した。その融液を溶融炉から取り出し水中で急冷してガラス(ガラス組成:SiO2 25.0wt%、Al2O3 20.0wt%、B2O3 11.0wt%、SrO 32.0wt%、Na2O 3.0wt%、F 9.0wt%)を生成した。4連式振動ミルのアルミナポット(内容量3.6リットル)中に直径6mmのアルミナ玉石4kgを投入後、上記で得たガラスを500g投入して40時間粉砕を行い、第2族及び/または第13族の元素を酸化物換算で63.0wt%含む無機フィラー2を得た。
この無機フィラー2の50%平均粒子径をレーザー回折式粒度測定機(マイクロトラックSPA:日機装社製)により測定した結果、2.1μmであった。

(無機フィラー3の製造)
ガラス原料をボールミルにて均一に混合し原料混合品を調製した後、その原料混合品を溶融炉中で1400℃にて溶融した。その融液を溶融炉から取り出し水中で急冷して、ガラス(ガラス組成:SiO2 19.8wt%、Al2O3 19.8wt%、B2O3 11.7wt%、SrO 35.0wt%、Na2O 2.3wt%、F 11.4wt%)を得た。次に生成したガラスを振動ミルにて10時間粉砕し、第2族及び/または第13族の元素を酸化物換算で66.5wt%含む無機フィラー3を得た。
この無機フィラー3の50%平均粒子径をレーザー回折式粒度測定機(マイクロトラックSPA:日機装社製)により測定した結果、1.3μmであった。

(無機フィラー4〜6の製造)
無機フィラー1〜3をそれぞれ用いて高機能化した無機フィラー4〜6を作製した。前述の無機フィラー1〜3を500g、シラン化合物(予めテトラメトキシシラン5g、水1000g及びエタノール100gを2時間室温で撹拌しえられたシラン化合物の低縮合物の全量)を万能混合攪拌機に投入し90分間撹拌混合した。その後、140℃にて熱処理を30時間施し、熱処理物を得た。この熱処理物をヘンシェルミキサーにて解砕し、ポリシロキサン被覆無機フィラーを得た。このポリシロキサンで被覆された無機フィラー500gを撹拌しつつ、酸性ポリマー水溶液(ポリアクリル酸水溶液:ポリマー濃度13wt%、重量平均分子量20000;ナカライ社製)をヘンシェルミキサーにて噴霧した。その後、熱処理(100℃3hr)を施し、表面処理した無機フィラー4〜6を作製した。

(無機フィラー7の製造)
ガラス原料をボールミルにて均一に混合し原料混合品を調製した後、その原料混合品を溶融炉中で1400℃にて溶融した。その融液を溶融炉から取り出し水中で急冷して、ガラス(ガラス組成:SiO2 30.1wt%、Al2O3 19.5%、B2O3 11.9wt%、SrO 24.6wt%、Na2O 2.3wt%、F 11.6wt%)を得た。次に生成したガラスを振動ミルにて10時間粉砕し、第2族及び/または第13族の元素を酸化物換算で56.0wt%含む無機フィラー7を得た。
この無機フィラー7の50%平均粒子径をレーザー回折式粒度測定機(マイクロトラックSPA:日機装社製)により測定した結果、3.0μmであった。

(無機フィラー8の製造)
ガラス原料をボールミルにて均一に混合し原料混合品を調製した後、その原料混合品を溶融炉中で1400℃にて溶融した。その融液を溶融炉から取り出し水中で急冷して、ガラス(ガラス組成:SiO2 27.3wt%、Al2O3 19.9%、B2O3 12.1wt%、SrO 27.0wt%、Na2O 2.3wt%、F 11.4wt%)を得た。次に生成したガラスを振動ミルにて10時間粉砕し、第2族及び/または第13族の元素を酸化物換算で59.0wt%含む無機フィラー8を得た。
この無機フィラー8の50%平均粒子径をレーザー回折式粒度測定機(マイクロトラックSPA:日機装社製)により測定した結果、4.2μmであった。
(2)本発明に用いる周期表における第2族及び/または第13族の元素を酸化物換算で55wt%以上含む無機フィラーに該当しないそれ以外のその他フィラー
以下のフィラーを入手または製造し使用した。
(その他フィラー1)
FLX:フューズレックスX(シリカフィラー、粒径=2.1μm:龍森社)

(その他フィラー2)
SOC5:アドマファイン SO-C5(シリカフィラー、平均粒径1.6μm:アドマテックス社)

(その他フィラー3)
アルミノフルオロシリケートガラスは一般的に入手可能なガラス(ガラス組成:SiO2 38.0wt%、Al2O3 26.0wt%、CaO 17.0wt%、Na2O 3.0wt%、P2O3 5.0wt%、F 11.0wt%)を用いた。4連式振動ミルのアルミナポット(内容量3.6リットル)中に直径6mmのアルミナ玉石4kgを投入後、上記ガラスを500g投入して40時間粉砕を行い、フィラーを得た。
このフィラーの50%平均粒子径をレーザー回折式粒度測定機(マイクロトラックSPA:日機装社製)により測定した結果、2.3μmであった。

(その他フィラー4)
バリウムガラスフィラー:GM8235(NEC SHOTTコンポーネンツ(株)社製、ガラス組成:SiO2 50.0wt%、BaO 30.0wt%、B2O3 10.0wt%、Al2O3 10.0wt%)
[フィラーの評価方法]
(ホウ酸イオン及びフッ化物イオンの徐放性評価)
蒸留水100gに対して無機フィラー1〜8またはその他フィラー1〜4をそれぞれ0.1g加えて2時間撹拌後、分析用シリンジフィルター(クロマトディスク25A,ポアサイズ0.2μm:ジーエルサイエンス社)でろ過してろ液を採取した。そのろ液中に各種フィラーから徐放したホウ酸イオンまたはフッ化物イオンを測定した。ホウ酸イオンの測定は誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICPS-8000:島津社製)を用いてホウ素元素量を測定し、その値を用いてホウ酸イオンに換算することによりホウ酸イオン徐放量を算出した。この時、検量線の作成は0.1、1、10、50ppmの標準液を用いて行った。なお、ホウ素元素量が検量線範囲外となった場合、適宜希釈して測定を実施した。
一方、フッ化物イオンはフッ素イオン複合電極(Model 9609:オリオンリサーチ社)及びイオンメータ(Model 720A:オリオンリサーチ社)を用いてフッ化物イオンを測定した。この時、検量線の作成は0.1、1、10、50ppmの標準液を用いて行った。また、測定時にイオン強度調整剤としてTISABIII(オリオンリサーチ社製)を0.5ml添加した。なお、フッ化物イオン量が検量線範囲外となった場合、適宜希釈して測定を実施した。
Figure 2019065000
(歯科切削用レジン硬化体作製)
過酸化ベンゾイル0.5重量%及びγ-テルピネン0.5重量%を溶解した重合性単量体(UDMA(2,2,4-トリメチルヘキサメチレンビス(2−カルバモイルオキシエチル)ジメタクリレート:疎水性重合性単量体)):TEGDMA(トリエチレングリコールジメタクリレート:疎水性重合性単量体)=80:20(重量比)の混合(メタ)アクリレート系重合性モノマー)に平均粒子径12nmの超微粒子SiO2フィラー(アエロジル R8200、日本アエロジル株式会社製、2重量%)及び、無機フィラー1〜8及びその他フィラー1〜4を配合し、実施例1〜21及び比較例1〜8の組成物を作製した。各組成の配合量は表2に記載の通りである。また、親水性単量体を用いた組成物として、UDMA:PEGDMA(ポリエチレングリコールジメタクリレート、オキシエチレン基の数が14:親水性単量体)=80:20(重量%)の混合(メタ)アクリレート系重合性モノマー)を用いた実施例27及び実施例29の組成物、並びに、UDMA:HEMA(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート:親水性単量体)=80:20(重量比)の混合(メタ)アクリレート系重合性モノマー)を用いた実施例28及び実施例30の組成物を作製した。
また、過酸化ベンゾイルの配合量を変化させた実施例22〜26の組成物も作製した。各組成の配合量は表2に記載の通りである。
これらを、減圧下において混練・脱泡し、混合物を得た。混合物をアルミ製金型に充填した後、アルミ板で挟み真空試圧後、熱プレスにて95℃-2t-10minの条件にて硬化させた。その後100℃にて8時間の追加熱処理を行ったものを接着試験に用いる歯科切削用レジン硬化体とした。

(歯科切削用レジン硬化体の機械的強度測定方法)
歯科切削用レジン硬化体より、試験片(14×4×1.2mm)を切り出し、耐水研磨紙(♯2000)にて表面を整えたものを試験体として用いた。インストロン万能試験機(インストロン5567、インストロン社製)を用い、ISO6872に準じてクロスヘッドスピード1mm/分にて、3点曲げ強度を測定した。
(耐久剪断接着試験の方法)
上記歯科切削用レジン硬化体を、直径4mm、高さ2mmの円柱状にCAD/CAMシステムを用いて切削加工して接着試験体とした。その試験体の接着面にサンドブラストを用いて0.2〜0.3MPaの圧力でアルミナサンドブラストを行い、水洗浄後、自然乾燥させた。一方被接着試験体として、新鮮抜去牛前歯を用い、同牛歯の唇面を耐水研磨紙(#600番)で研磨して象牙質を平面状に露出させ接着面とした。
被接着試験体としての前述の象牙質と、接着試験体としての前述の円柱状である歯科切削用レジン硬化体をそれぞれ以下のセメント材料を用いて接着して接着試験片を作製した。いずれのセメント材料を使用したかを表3に示す。
(1)レジセムペースト
セメント材料としてレジセム((株)松風)を用いて添付文書に従い、被接着試験体と接着試験体を接着させた。具体的には、被接着試験体である象牙質及び接着試験体である歯科切削用レジン硬化体をそれぞれレジセム歯質用プライマー(酸性重合性モノマー:メタクリロキシエチルトリメリット酸及びその無水物)で処理し、レジセムペーストを接着試験体に塗布後、象牙質に一定荷重(300gf)で圧接し、余剰セメント除去後ブルーショット2((株)松風)を用いて光照射を行い接着試験片とした。
(2)レジグラス
セメント材料としてレジグラス((株)松風)を用いて添付文書に従い、被接着試験体と接着試験体を接着させた。具体的には、接着試験体である歯科切削用レジン硬化体にレジグラスの混和物(酸性重合性モノマー:ポリアクリル酸)を塗布後、被接着試験体である象牙質に一定荷重(300gf)で圧接し、余剰セメント除去後硬化させて接着試験片とした。
得られた接着試験片を24時間37℃にて水中保存後、サーマルサイクル試験機(4℃1分間及び60℃1分間の繰り返し試験)を2000回繰り返し、耐久剪断接着強さを測定した。耐久剪断接着強さは、インストロン万能試験機(インストロン5567、インストロン社製)を用い、クロスヘッドスピード1mm/分にて測定した。試験結果を表3に示す。
Figure 2019065000
表3中の実施例1〜14に示すように、無機フィラー1〜8を含んだ歯科切削用レジン硬化体用の組成物から製造された本発明の歯科切削用レジン硬化体から切削加工により作製された接着試験体の象牙質に対する耐久剪断接着強さは良好な結果が認められた。歯科切削用レジン硬化体用の組成物に特殊な複合処理を施した無機フィラー4〜6を含んだ場合(実施例7〜実施例12)においては、特殊な複合処理を施していない無機フィラー1〜3含んだ場合(実施例1〜実施例6)と比較して高いレベルの耐久剪断接着強さであった。
表3中の比較例1〜4に示すように、その他フィラー3及び4は、歯科切削用レジン硬化体用の組成物に含まれる無機フィラーが含有する元素(周期表における第2族及び第13族の元素)は同じであるが、その含有量(酸化物換算量)が少ない場合である。象牙質に対する耐久剪断接着強さ(比較例1〜4)は実施例1〜14の結果と比較して低い耐久剪断接着強さであった。
表3中の比較例5〜8に示すように、その他フィラー1及び2(シリカフィラー)を含んだ歯科切削用レジン硬化体用の組成物の硬化体から切削加工により作製された接着試験体としての象牙質に対する耐久剪断接着強さは実施例1〜14の結果と比較して著しく低いレベルであり、また接着試験実施前に象牙質から試験体が脱落しているものも見受けられた。
Figure 2019065000
表4に示すように、歯科切削用レジン硬化体用の組成物に含まれる無機フィラーの含有量が高くなるにつれて耐久剪断接着強さが高くなる傾向が認められた。
歯科切削用レジン硬化体用の組成物に含まれる無機フィラー添加量が少ない実施例15においては少し低い耐久剪断接着強さであった。また、歯科切削用レジン硬化体用の組成物に含まれる無機フィラーの添加量が多すぎる実施例21においては歯科切削用レジン硬化体に気泡の混入が見られ、欠陥のない歯科切削用レジン硬化体を作製するのが困難であった。
Figure 2019065000
表5は、歯科切削用レジン硬化体用の組成物に含まれる、重合開始剤の添加量を変化させた場合の試験結果の比較である。重合開始剤が少ない場合(実施例22)は、歯科切削用レジン硬化体の機械的強度が低下する傾向がみられた。重合開始剤が多い場合(実施例26)においては、歯科切削用レジン硬化体作製時に割れが発生しやすく、結果、機械的強度が低下する傾向がみられた。
Figure 2019065000
表6は、歯科切削用レジン硬化体用の組成物に親水性重合性単量体を含む場合の試験結果の比較である。親水性単量体を含んだ方(実施例27〜30)が高い耐久剪断接着強さであった。
Figure 2019065000
表7には、ホウ酸イオン及びフッ化物イオンの徐放性評価の評価結果が示されている。表7に示すようにホウ素及びフッ素をガラス組成に含む無機フィラー1〜8から、高いレベルのホウ酸イオン及びフッ化物イオンが徐放されることが認められ、特に特殊な複合処理を施した無機フィラー4〜6からのホウ酸イオン及びフッ化物イオンの徐放は多いことを確認した。一方シリカフィラーであるその他フィラー1及び2からはいずれのイオンも徐放しないことを確認した。さらにその他フィラー3及び4は本発明の歯科切削用レジン硬化体に含まれる無機フィラーと同じく、周期表における第2族及び/または第13族の元素を含んでいるものの、その酸化物換算での含有量やその他の元素組成が異なるものである。その結果、その他フィラー3からフッ化物イオンは一定レベル徐放するものの、ホウ酸イオンは全く徐放しないことが認められた。一方その他フィラー4からホウ素イオンは微量徐放するものの、フッ化物イオンは全く徐放しないこと認められた。
以上のことから、歯科切削用レジン硬化体に含まれる無機フィラーからのイオン徐放性が前述の耐久剪断接着強さの向上を助長しているものと考えられる。

Claims (5)

  1. 歯科用CAD/CAMシステムを用いた切削加工に用いる歯科切削用レジン硬化体であって、
    (a)周期表における第2族及び/または第13族の元素を酸化物換算で55wt%以上含む無機フィラー
    (b)重合性単量体
    (c)重合開始剤
    を含む組成物の硬化体からなることを特徴とする歯科切削用レジン硬化体。
  2. 請求項1記載の歯科切削用レジン硬化体において、
    (a)無機フィラーと(b)重合性単量体とを重量比で、25:75〜80:20の割合で含み、
    (a)無機フィラー及び(b)重合性単量体の合計100重量部に対して(c)重合開始剤を、0.1〜2.0重量部含む組成物の硬化体からなることを特徴とする歯科切削用レジン硬化体。
  3. 請求項1または請求項2に記載の歯科切削用レジン硬化体において、
    (b)重合性単量体が親水性単量体を含むことを特徴とする歯科切削用レジン硬化体。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の歯科切削用レジン硬化体を切削したことを特徴とする歯冠修復物。
  5. 請求項4記載の歯冠修復物の接着方法であって、酸性重合性モノマー及び/または酸性重合性モノマーから誘導された重合体を含む接着性材料を用いて接着されることを特徴とする歯冠修復物の接着方法。
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