JP2019064021A - 耐候性積層体 - Google Patents

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Saori Miyazaki
沙織 宮崎
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Abstract

【課題】優れた耐候性を有する耐候性積層体、及びこれを用いた耐候性部材を提供すること。【解決手段】基材と、該基材の少なくとも一部を被覆する表面保護層とを有し、該表面保護層が、(a)ナノシェルに内包された光安定剤を含有する、又は(b)光安定剤及び分散剤を含有し、該光安定剤及び分散剤の少なくとも一方がナノシェルに内包されたものである、耐候性積層体、及びこれを用いた耐候性部材である。【選択図】図1

Description

本発明は、耐候性積層体、及びこれを用いた耐候性部材に関するものである。
壁、天井、床、玄関ドア、屋根等の建築物の内装材又は外装用部材、窓枠、扉、手すり、幅木、廻り縁、モール等の建具又は造作部材の他、キッチン、家具又は弱電製品、OA機器等のキャビネットの表面化粧板、車両の内装材又は外装用部材には、一般的に、鋼板等の金属部材、樹脂部材、木質部材を被着材として、これらの被着材に耐候性を有する表面保護層を積層した部材、これらの被着材に耐候性を有する化粧シートを貼り合わせたものが用いられる。これらの外装用部材、車両の内装材は、日々太陽光及び風雨に晒されるという厳しい環境下で用いられるため、極めて優れた耐候性が求められている。
耐候性を向上させるためには、部材を構成する基材、表面保護層等に紫外線吸収剤、光安定剤等の耐候剤を含有させる、耐候剤を含むコーティング剤組成物で該部材の表面をコーティングする、といった手法が一般的にとられる(例えば、特許文献1及び2等)。
特開2007−245442号公報 特開2009−66966号公報
日々太陽光及び風雨に晒されるという厳しい環境に対応するため、耐候性を向上させようとする場合、表面保護層等の層の形成に、紫外線吸収剤、光安定剤等の耐候剤をより多量に使用することが考えられる。しかし、耐候剤と、表面保護層等を形成する樹脂と、の相溶性に起因して、これらの耐候剤が、表面保護層において、分散不良等によるブリードアウト(bleed out)を発生し、逆に耐候性の低下、更にはべたつきの発生といった問題が生じてしまう場合がある。また、耐候剤が二次凝集、分離沈降等を発生して機能不全となる、またブリードアウトにより表面保護層から経時的に喪失し、表面保護層中の耐候剤の濃度が低下する結果、効率的に耐候性を発揮できないことで、耐候性が低下する、また表面保護層等を構成する樹脂の硬化不良が生じてしまい、表面保護層等の機械的強度が低下する、また透明性が低下するといった問題も生じてしまう場合がある。一方、耐候剤の分散不良、時に凝集等を解消するために、耐候剤の使用量を減じてしまうと、十分な耐候性が得られないという問題が生じてしまう。このように、日々太陽光及び風雨に晒されるという厳しい環境下において、耐候性の向上と、耐候性の低下の抑制、表面保護層等の層の機械的強度の低下、及び透明性の低下と、を、耐候剤の多少によって同時に解決することは困難であり、これらを同時に解決することが求められている。
本発明は、このような状況下になされたもので、優れた耐候性とともに、優れた機械的強度及び透明性を有する耐候性積層体、及びこれを用いた耐候性部材を提供することを目的とするものである。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、下記の構成を有する耐候性積層体、及びこれを用いた耐候性部材に係る発明により前記課題を解決できることを見出した。
[1]基材と、該基材の少なくとも一部を被覆する表面保護層とを有し、
該表面保護層が、
(a)ナノシェルに内包された光安定剤を含有する、又は
(b)光安定剤及び分散剤を含有し、該光安定剤及び分散剤の少なくとも一方がナノシェルに内包されたものである、
耐候性積層体。
[2]被着材と上記[1]に記載の耐候性積層体とを備え、該被着材、前記基材及び前記表面保護層を順に有する耐候性部材。
本発明によれば、優れた耐候性を有する耐候性積層体、及びこれを用いた耐候性部材を提供することができる。
本発明の耐候性積層体の一例の断面を示す模式図である。 本発明の耐候性積層体の一例の断面を示す模式図である。 本発明のシート状の耐候性積層体の一例の断面を示す模式図である。 本発明のシート状の耐候性積層体の一例の断面を示す模式図である。 本発明の耐候性部材の一例の断面を示す模式図である。
〔耐候性積層体〕
本発明の耐候性積層体は、基材と、該基材の少なくとも一部を被覆する表面保護層とを有し、該表面保護層が、(a)ナノシェルに内包された光安定剤を含有する(以下、「態様(a)」と称する場合がある。)、又は(b)光安定剤及び分散剤を含有し、該光安定剤及び分散剤の少なくとも一方がナノシェルに内包されたものである(以下、「態様(b)」と称する場合がある。)、という特徴を有するものである。本発明においては、上記の態様(a)又は(b)を採用することにより、表面保護層中の光安定剤の分散性が向上し、ブリードアウト、二次凝集、分離沈降等により光安定剤が表面保護層中から喪失しにくく、あるいは機能不全を生じにくくなるため、光安定剤が有効に機能し、優れた耐候性が得られる。また、二次凝集、分離沈降等が生じにくくなることから、表面保護層の優れた機械的強度、透明性、耐久性等も得られる。
本発明の耐候性積層体の典型的な一例の幾つかを、図1〜4に示す。図1の(1−a)には、基材11、及び該基材11の一部を被覆する表面保護層12を有し、該表面保護層中に、ナノシェルに内包された光安定剤13を含む耐候性積層体10が示されている。また、図1の(1−b)には、(1−a)の表面保護層12において、光安定剤13及び分散剤14を含むものが示されている。本発明においては、(1−b)に示される表面保護層12において、光安定剤13及び分散剤14の少なくとも一方がナノシェルに内包されている。
図2には、表面保護層12の態様についての典型例が示されている。本発明において、表面保護層は基材の少なくとも一部を被覆していることを要するが、例えば、図1の(1−a)、(1−b)、図2の(2−a)に示されるように、基材の一部を被覆するように複数の表面保護層が存在していてもよい。また図2の(2−b)に示されるように、基材の全面を被覆するように表面保護層が存在していてもよい。本発明においては、用途に応じて、基材の所望の箇所に部分的に被覆するように複数の表面保護層を設ける、あるいは全面を被覆するように設けることも可能である。
図3及び図4には、シート状の耐候性積層体の典型的な一例が示されている。本発明の耐候性積層体は、図1及び2に示されるように、立体形状の基材に表面保護層を被覆した立体形状を呈するものであってもよいし、図3及び4に示されるように、シート状の基材に表面保護層を被覆したシート状のものであってもよい。
図3には、シート状の基材11の一方の面の全面を被覆する表面保護層12を有する耐候性積層体10が示されている。また、図4には、シート状の耐候性積層体のより好ましい態様の一例として、シート状の基材11、装飾層15、接着層16、樹脂層17、プライマー層18及び表面保護層12を順に有し、該表面保護層12が光安定剤及び分散剤を含有する耐候性積層体10が示されている。
以下、これらの図面を参考に、本発明の耐候性積層体の詳細について更に説明する。
(態様(a)について)
態様(a)は、表面保護層がナノシェルに内包された光安定剤を含有する形態である。態様(a)を有する典型的な耐候性積層体は、図1に示されている。
ナノシェルに内包された光安定剤を用いることで、表面保護層中における光安定剤の分散性が向上し、ブリードアウト、二次凝集、分離沈降等により光安定剤が表面保護層中から喪失しにくく、あるいは機能不全を生じにくくなるため、光安定剤が有効に機能し、優れた耐候性が得られる。また、光安定剤がナノシェルに内包された形態であることで、二次凝集、分離沈降等が生じにくくなることから、表面保護層の優れた機械的強度、透明性、耐久性等も得られる。
本発明において、「ナノシェル」とは、「ナノメートルサイズの殻状に閉じた膜構造を有し、中空の小胞体」であり、好ましくは380nm未満、より好ましくは300nm以下の平均一次粒子径を有するものを意味する。また、下限についての制限は特にないが、通常1nm以上のものである。ここで、平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査透過型電子顕微鏡(STEM)により測定した観察像から統計処理により算出される値である。統計処理による算出は、具体的には、SEM画像からランダムに選んだ1000個の粒子について、直径を測定し、3nm区分のヒストグラムを作成したときの、下記式(A)を用いた算出により行ったものである。当該式(A)で得られた数平均一次粒子径Dnpを、本明細書の平均一次粒子径とした。
np=Σn/Σn (A)
np:数平均分子量
:ヒストグラムのi番目の直径
:頻度
ナノシェルに内包された光安定剤としては、太陽光等の光が照射されて、積層体を構成する基材、表面保護層、その他所望に応じて設けられる層を形成する材料の劣化を抑制する性能を発現するものであれば特に制限はない。このような性能を発現するものとしては、例えば、太陽光等の光が照射されることで、積層体を形成する材料から発生するラジカルを捕捉し、該材料の劣化を防止し得るラジカル捕捉剤が好ましく挙げられる。
ラジカル捕捉剤としては、例えば、ヒドロキノン、ベンゾキノン、メトキノン、フェノール、カテコール、ピロガロール、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、フロログルシノール、レゾルシノール、ホモカテコール、p−クレゾール、2−メトキシフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、2,6−ジメトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール及びブチルヒドロキシアニソール等の芳香族系ラジカル捕捉剤;トリブチルアミン、ジフェニルアミン、フェノチアジン及びフェニル−α−ナフチルアミン等のアミン系ラジカル捕捉剤;L−アスコルビン酸、エリソルビン酸、α−トコフェロール及びクロロゲン酸等の有機酸系ラジカル捕捉剤;(+)−カテキン、エピカテキン、エピガロカテキン、エピガロカテキンガラート及びエピガロカテキンガラート等のカテキン系ラジカル捕捉剤;及び分子状水素等が好ましく挙げられる。また、ラジカル捕捉剤としては、特に、ヒンダードアミン系光安定剤が好ましく挙げられる。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート等の分子中にエチレン性不飽和基である(メタ)アクリロイル基を有するヒンダードアミン系光安定剤;また、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオシキ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,4,4−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート等の各種有機酸由来のヒンダードアミン系光安定剤;1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノ−ルとコハク酸ジエチルとの重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサンと2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジンとの重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサンと2,4−ジクロロ−6−tert−オクチルアミノ−s−トリアジンとの重縮合物等の重縮合物系ヒンダードアミン系光安定剤;1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8−12−テトラアザドデカン等が好ましく挙げられる。これらのラジカル捕捉剤は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、本明細書において、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル、(メタ)アクリロイル等の表記は、アクリレート又はメタクリレート、アクリル又はメタクリル、アクリロイル又はメタクリロイル等を意味する。
本発明において、上記の光安定剤のうち、粒子状のものについては、その平均一次粒子径は、可視光の波長領域(380〜750 nm)未満であり、また可視光の波長の1/2以下程度である、すなわち、380nm未満であることが好ましく、より具体的には、1nm以上380nm未満が好ましく、1〜375nmがより好ましく、5〜300nmが更に好ましく、10〜250nmがより更に好ましく、15〜200nmが特に好ましい。平均一次粒子径が上記範囲内にあると、より優れた耐候性が得られる。なお、本発明においては、ナノシェルに内包したもの、ナノシェルに内包しないものが用いられるが、これらの平均一次粒子径はほぼ同じであるため、ナノシェルに内包した光安定剤の好ましい平均一次粒子径も、上記範囲と同じである。
上記の光安定剤としては、市販品を用いてもよいし、例えば、上記の平均一次粒子径となるように、機械的な粉砕処理(例えば、ボールミル、ビーズミル、ディスクミル、ジェットミル等の各種ミルを用いた粉砕処理)をしたものを用いてもよいし、上記捕捉剤を形成する化合物を溶解させた溶液中で粒子の合成、結晶化(例えば、晶析法、共沈法、ゾルゲル法、水熱合成法等)を行って得られたものを用いてもよいし、上記捕捉剤を形成する化合物のガスにより粒子の合成、結晶化(例えば、電気炉法、レーザー法、プラズマ法等)を行って得られたものを用いてもよい。
本態様(a)において、光安定剤は、ナノシェルに内包されたものである。ナノシェルとしては、上記の光安定剤を内包できるものであれば特に制限はなく、単層膜であってもよいし、多重膜であってもよいが、平均一次粒子径をより小さくして、より効率的に耐候性を向上させる観点から、単層膜であることが好ましい。また、ナノシェルを形成する材料としては、光安定剤の分散性を向上させて、耐候性を向上させる観点から、リン脂質が好ましい。
本発明において、ナノシェルの形態としては、リン脂質からなる単層膜であることがより好ましい。リン脂質からなるナノシェルとすることで、上記の表面保護層を形成する樹脂との相溶性が向上するため、光安定剤の分散性の点で有利である。また、ナノシェルが単層膜であることで、平均一次粒子径がより小さいものとなるため、ナノシェルを形成するリン脂質による分散性向上との相乗効果により、表面保護層中における光安定剤の分散性が向上し、光安定剤が有効に機能し、優れた耐候性が得られる。また、二次凝集が生じにくくなることから、優れた耐候性が得られ、また表面保護層の優れた機械的強度、耐久性、透明性等も得られる。
リン脂質としては、ホスファチジルコリン、ホスファチジエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸、ホスファチジルグリセルロール、ホスファチジルイノシトール、カルジオピン、黄卵レシチン、水添黄卵レシチン、大豆レシチン、水添大豆レシチン等のグリセロリン脂質;スフィンゴミエリン、セラミドホスホリエタノールアミン、セラミドホスホリルグリセロール等のスフィンゴリン脂質;等が挙げられる。これらのリン脂質は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記の光安定剤をナノシェルに内包する手法としては、例えば、Bangham法、エクストルージョン法、水和法、界面活性剤透析法、逆相蒸発法、凍結融解法、超臨界逆相蒸発法等が挙げられる。
ここで、Bangham法は、クロロホルム、メタノール等の溶媒に、リン脂質を加えて溶解した後、エバポレータを用いて溶媒を除去してリン脂質からなる薄膜を形成し、上記塩光安定剤(分散液の状態としたものでもよい。)を加えた後、ミキサーを用いて、例えば、1000〜2500rpm程度の高速回転で撹拌することで、水和し、分散させて、光安定剤をナノシェルに内包する方法である。エクストルージョン法は、外部摂動として用いたミキサーに代えてフィルターを通過させる方法である。水和法は、Bangham法において、ミキサーを用いずに、穏やかに攪拌し、分散させて、光安定剤をナノシェルに内包する方法である。逆相蒸発法は、リン脂質をジエチルエーテル、クロロホルム等の溶媒に溶解し、上記光安定剤(分散液の状態としたものでもよい。)を加えてW/Oエマルジョンを作り、該エマルジョンから減圧下において溶媒を除去し、水を添加して、光安定剤をナノシェルに内包する方法である。また、凍結融解法は、外部摂動として冷却、加熱の少なくともいずれかを行う方法であり、冷却、加熱を繰り返すことによって光安定剤をナノシェルに内包する方法である。
また、超臨界逆相蒸発法を採用することで、より確実に、かつ容易に、ナノシェルを、リン脂質からなる単層膜とすることができる。超臨界逆相蒸発法は、例えば、特許第4296341号公報、特開2007−77212号公報、国際公開第2016/076360号パンフレット等に開示されるような、超臨界状態、又は臨界点以上の温度条件下、又は圧力条件下の二酸化炭素を用いて、光安定剤をナノシェルに内包する方法である。ここで、超臨界状態の二酸化炭素は、臨界温度(30.98℃)及び臨界圧力(7.3773±0.0030MPa)以上の超臨界状態にある二酸化炭素を意味し、臨界点以上の温度条件下、又は圧力条件下の二酸化炭素とは、温度又は臨界の一方のみが臨界条件を超えた条件下である二酸化炭素を意味する。
超臨界逆相蒸発法は、具体的には、上記の光安定剤と、超臨界二酸化炭素と、リン脂質との混合物に水を加え、攪拌することにより、超臨界二酸化炭素と水相のエマルジョンを形成し、次いで、減圧することで二酸化炭素が膨張、蒸発して転相(相転移)が生じ、光安定剤の表面をリン脂質の単層膜で覆ったナノシェルを形成し、ナノシェルに内包された光安定剤を得る、というものである。なお、従来のように、多重膜を形成したい場合は、上記の方法において、光安定剤と、リン脂質と、水との混合物に、超臨界二酸化炭素を加えればよい。
本発明において、ナノシェルは、リン脂質以外の材料、例えば、脂肪族多価ポリカルボン酸、ポリカルボン酸アルキルアミン、ポリ(メタ)アクリル酸等の分子量1万〜50万、好ましくは1.5万〜30万、より好ましくは2万〜20万程度の高分子界面活性剤;ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸、リシノール酸等の好ましくは炭素数10〜30、より好ましくは12〜28の飽和又は不飽和脂肪酸と、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム等の金属とが結合した脂肪酸金属塩;(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリロキシ系シランカップリング剤、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニル系シランカップリング剤、(エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のエポキシ系シランカップリング剤、イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート系シランカップリング剤、フェニルトリメトキシシラン等のフェニル系シランカップリング剤等のシランカップリング剤;テトラキス[ビス(アリルオキシメチル)ブトキシ]チタン、ジプロポキシチタンジオソステアレート、(ブトキシカルボニルベンゾイルオキシ)トリブトキシチタン、トリイソステアリン酸イソプロピルチタン、ジブトキシ−ビス(トリエタノールアミナト)チタン、テトラキス(エチルヘキシルオキシ)チタン、ジプロポキシ−ビス(アセチルアセトナト)チタン等のチタネートカップリング剤;ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、環状ジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、長鎖アルキル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル等のシリコーンオイル;ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンポリエチレン共重合体ワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、サゾールワックス等の炭化水素系ワックス、好ましくは炭素数10〜30、より好ましくは12〜24の脂肪族カルボン酸とジペンタエリスリトールとのエステルワックス、カルナウバワックス、モンタンワックス等の脱酸ワックス等のワックス;ポリオレフィン樹脂をマレイン酸、スルホン酸、カルボン酸、ロジン酸等の有機酸を用いて変性した変性樹脂;等の分散剤からなるものであってもよい。これらの分散剤は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ナノシェルに内包された光安定剤の作製方法の一例として、光安定剤としてビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートを用いた場合を例にとって、より具体的に説明する。イオン交換水100質量部、光安定剤としてビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(平均一次粒子径:例えば1〜375nm)0.03〜0.5質量部、及びリン脂質としてホスファチジルコリン2〜10質量部を、40〜70℃に保たれた容器に入れて密閉し、内圧が7.5〜25MPaとなるように該容器内に二酸化炭素を供給して超臨界状態とする。次いで、該容器内を1000〜2500rpm程度の高速回転で撹拌し、イオン交換水50〜150質量部を供給する。温度及び圧力が超臨界状態となるように維持しながら、10〜25分程度撹拌を続けた後、二酸化炭素を該容器から排出し、容器内を大気圧に戻すことで、リン脂質からなる単層膜のナノシェルに内包された、光安定剤(ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート)を作製することができる。得られたナノシェルに内包された光安定剤の一次平均粒子径は、原料となる光安定剤の平均一次粒子径とほぼ同じである。
ナノシェルに内包された光安定剤の含有量は、要求性能、及び該光安定剤の種類に応じて適宜決定すればよく、通常、表面保護層を形成する樹脂分100質量部に対して、0.1〜200質量部が好ましく、0.3〜150質量部がより好ましく、1〜100質量部が更に好ましい。光安定剤の含有量が上記範囲内であれば、優れた耐候性が得られ、また表面保護層の優れた機械的強度、透明性、耐久性等も得られる。
本発明においては、上記範囲のように樹脂分よりも多量の光安定剤を用いた場合であっても、該光安定剤をナノシェルに内包された形態とすることにより、分散性が向上し、ブリードアウト、二次凝集、分離沈降等により光安定剤が表面保護層中から喪失しにくく、あるいは機能不全を生じにくくなるため、光安定剤が有効に機能し、優れた耐候性が得られる。また、光安定剤がナノシェルに内包された形態であることで、二次凝集、分離沈降等が生じにくくなることから、表面保護層の優れた機械的強度、透明性、耐久性等も得られる。
また、態様(a)において、表面保護層中には、ナノシェルに内包されていない光安定剤が含まれていてもよい。この場合、表面保護層に含まれる光安定剤の全量に対する、ナノシェルに内包されていない光安定剤の割合は、優れた耐候性を得る観点から、0〜30質量%が好ましく、0〜15質量%がより好ましく、0〜5質量%が更に好ましく、特に0質量%であることが好ましい。
態様(a)において、表面保護層は、ナノシェルに内包された光安定剤の分散性を向上させる観点から、分散剤を含有することができる。
分散剤としては、上記のナノシェルを形成し得る材料として例示した、高分子界面活性剤、脂肪酸金属塩、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、シリコーンオイル、ワックス、変性樹脂等が挙げられる。これらの分散剤は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
分散剤の含有量は、ナノシェルに内包された光安定剤の分散性を向上させる観点から、表面保護層を形成する樹脂分100質量部に対して、0.01〜30質量部が好ましく、0.05〜15質量部がより好ましく、0.1〜10質量部が更に好ましく、特に0.3〜5質量部が好ましい。
(態様(b)について)
態様(b)は、表面保護層が、光安定剤及び分散剤を含有し、該光安定剤及び分散剤の少なくとも一方がナノシェルに内包されたものである、という形態である。態様(b)としては、具体的には、ナノシェルに内包されない光安定剤とナノシェルに内包された分散剤とを含む態様、ナノシェルに内包された光安定剤とナノシェルに内包された分散剤とを含む態様、及びナノシェルに内包された光安定剤とナノシェルに内包されない分散剤とを含む態様、が挙げられる。
態様(b)を有する典型的な耐候性積層体は、図2に示されている。
光安定剤がナノシェルに内包されていないものであっても、分散剤がナノシェルに内包されたものとすることで、表面保護層中における該光安定剤の分散性が向上し、ブリードアウト、二次凝集、分離沈降等により光安定剤が表面保護層中から喪失しにくく、あるいは機能不全を生じにくくなるため、光安定剤が有効に機能し、極めて優れた耐候性が得られる。また、二次凝集、分離沈降等が生じにくくなることから、表面保護層の優れた機械的強度、透明性、耐久性等も得られる。
ナノシェルに内包された光安定剤とナノシェルに内包された分散剤とを両方含む場合は、表面保護層内の光安定剤の分散がより促進されるため、耐候性、また表面保護層の機械的強度、透明性、耐久性等はより向上する。一方、この場合は、過剰性能となり、コスト高につながる可能性もある。
また、ナノシェルに内包された光安定剤とナノシェルに内包されない分散剤とを含む場合は、分散剤の効果により、ナノシェルに内包された光安定剤の分散性がより向上し、ブリードアウト、二次凝集、分離沈降等により光安定剤が表面保護層中から喪失しにくく、あるいは機能不全を生じにくくなるため、光安定剤が有効に機能し、極めて優れた耐候性が得られる。また、二次凝集、分離沈降等が生じにくくなることから、表面保護層の優れた機械的強度、透明性、耐久性等も得られる。
本発明においては、要求性能、コスト等を総合的に考慮して、最適な形態を選択すればよい。
態様(b)において、光安定剤、ナノシェルに内包された光安定剤としては、上記態様(a)において説明した捕捉剤と同じ物を用いることができる。
また、態様(b)において、分散剤としては、上記態様(a)において説明した分散剤と同じ物を用いることができる。本態様(b)においては、ナノシェルに内包された分散剤も用いられる。ナノシェルに内包された分散剤におけるナノシェルは、上記のナノシェルに内包された光安定剤と同じナノシェルとすればよく、その作製方法もナノシェルに内包された光安定剤の作製方法と同じである。
ナノシェルに内包された分散剤の作製方法の一例として、分散剤としてメタクリロキシプロピルトリメトキシシランを用いた場合を例にとって、より具体的に説明する。メタノール等の有機溶媒100質量部、分散剤としてメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン40〜80質量部、及びリン脂質としてホスファチジルコリン2〜10質量部を、40〜70℃に保たれた容器に入れて密閉し、内圧が7.5〜25MPaとなるように該容器内に二酸化炭素を供給して超臨界状態とする。次いで、該容器内を1000〜2500rpm程度の高速回転で撹拌し、イオン交換水50〜150質量部を供給する。温度及び圧力が超臨界状態となるように維持しながら、10〜25分程度撹拌を続けた後、二酸化炭素を該容器から排出し、容器内を大気圧に戻すことで、リン脂質からなる単層膜のナノシェルに内包された、分散剤(メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)を作製することができる。
このようにして得られたナノシェルに内包された分散剤の平均一次粒子径は、上記のナノシェルに内包された光安定剤の平均一次粒子径と同じく、380nm未満であることが好ましく、より具体的には、1nm以上380nm未満が好ましく、1〜375nmがより好ましく、5〜300nmが更に好ましく、10〜250nmがより更に好ましく、15〜200nmが特に好ましい。
態様(b)において、光安定剤及び分散剤の含有量は、上記態様(a)におけるこれらの剤の含有量と同じである。具体的には、光安定剤の含有量は、表面保護層を形成する樹脂分100質量部に対して、0.1〜200質量部、0.3〜150質量部、1〜100質量部等の範囲内とすればよい。また、分散剤の含有量は、表面保護層を形成する樹脂分100質量部に対して、0.01〜30質量部が好ましく、0.05〜15質量部がより好ましく、0.1〜10質量部が更に好ましく、特に0.3〜5質量部が好ましい。
態様(b)において、ナノシェルに内包された光安定剤が含まれている場合、ナノシェルに内包されていない光安定剤が含まれていてもよい。この場合の、ナノシェルに内包されていない光安定剤の割合は、上記態様(a)の場合と同じである。
また、ナノシェルに内包された分散剤が含まれている場合、ナノシェルに内包されていない分散剤が含まれていてもよい。この場合の、表面保護層に含まれる分散剤の全量に対する、ナノシェルに内包されていない分散剤の割合は、耐候性、機械的強度及び透明性の観点から、0〜30質量%が好ましく、0〜15質量%がより好ましく、0〜5質量%が更に好ましく、特に0質量%であることが好ましい。
(表面保護層)
表面保護層は、耐候性積層体の最表面に設けられる層であり、耐候性積層体の耐候性とともに、耐汚染性、耐擦傷性、耐薬品性等の表面特性を向上させるために設けられる。
表面保護層は、一般的には樹脂(有機高分子)が用いられ、熱可塑性樹脂、各種硬化形態の硬化性樹脂のいずれも用いることができる。特に、耐候性積層体に高度の耐汚染性、耐擦傷性等の表面特性を求める場合は、硬化性樹脂と、ナノシェルに内包された光安定剤とを少なくとも含有する樹脂組成物の硬化物、又は硬化性樹脂と光安定剤及び分散剤とを少なくとも含有する樹脂組成物であって、該光安定剤及び分散剤の少なくとも一方がナノシェルに内包されたものである樹脂組成物の硬化物からなる層であることが好ましい。
硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂、2液硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂等の硬化性樹脂が挙げられ、より優れた表面特性を得る観点から、2液硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂であることが好ましい。
2液硬化性樹脂としては、主剤と硬化剤とにより硬化する樹脂であれば特に制限はなく、好ましくは主剤をポリオール(多価アルコール)とし、硬化剤をイソシアネート硬化剤とする2液硬化性ウレタン樹脂が挙げられる。
主剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール等のポリオール;アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等の官能基として水酸基を有するポリオール;等が好ましく挙げられる。これらは単独又は複数種を混合して使用できる。
また、イソシアネート硬化剤としては、従来公知の化合物を適宜使用すればよく、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチレンジイソシアネート(MDI)、水素添加トリレンジイソシアネート等の脂肪族(ないしは脂環式)イソシアネート;等のポリイソシアネートが用いられる。また、これら各種イソシアネートの付加体又は多量体、例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネート3量体(trimer)なども用いられる。
電離放射線硬化性樹脂は、電離放射線、すなわち電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するもの、例えば、紫外線(UV)又は電子線(EB)の他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線を照射することにより硬化する樹脂である。具体的には、電離放射線硬化性樹脂としては、慣用されている重合性モノマー及び重合性オリゴマー、プレポリマーの中から適宜選択して用いることができる。
重合性モノマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート系モノマーが好適であり、なかでも多官能(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。多官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有する(メタ)アクリレートモノマーであればよく、特に制限はなく、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が好ましく挙げられ、これらを単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
重合性オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマー、例えばウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカーボネート(メタ)アクリレートオリゴマー、アクリル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカプロラクトンウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカプロラクトンジオールウレタン(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましく挙げられ、これらのオリゴマーを1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
硬化性樹脂組成物は、上記の硬化性樹脂の他、上記の光安定剤、分散剤、これらのナノシェルに内包されたもの、等が含まれており、これらの剤の含有量は、上記表面保護層に含まれる含有量として記載した含有量の範囲から適宜選定すればよい。
また、硬化性樹脂組成物は、添加剤として、本発明の目的を損なわない範囲で、紫外線吸収剤、紫外線遮蔽剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、ブロッキング防止剤、滑剤、溶剤等を添加することができる。中でも、耐候性向上のために、紫外線吸収剤、紫外線遮蔽剤等の耐候剤等を含有することが好ましく、これらの耐候剤は、ナノシェルに内包されたものであってもよい。
本発明の耐候性積層体において、表面保護層のマルテンス硬度は、5N/mm以上50N/mm以下であることが好ましい。マルテンス硬度が上記範囲内であると、例えば厳しい環境下で使用してもクラック等が発生せずに優れた耐候性が得られ、また優れた耐傷性等の表面特性も得られる。これと同様の観点から、表面保護層のマルテンス硬度は、10N/mm以上がより好ましく、12N/mm以上が更に好ましく、18N/mm以上が特に好ましい。また、上限としては、40N/mm以下がより好ましく、30N/mm以下が更に好ましく、25N/mm以下が特に好ましい。ここで、マルテンス硬度は、具体的には超微小硬度計を用いて測定される値であり、室温(23℃)において、荷重を連続的に増加させながらピラミッド形状のダイヤモンド圧子をサンプル(表面保護層の面)に押し込み、表面にできたピラミッド形のくぼみの対角線の長さからその表面積A(mm)を計算し、押込み深さが2μmに到達したときの試験荷重F(N)を表面積Aで割ることにより算出される値である。なお、超微小硬度計としては、例えば、微小硬さ試験機「ピコデンターHM−500」(フィッシャー・インスツルメント社製)等を用いればよい。
また、本発明の耐候性積層体は、所定の耐候試験を行った後のマルテンス硬度と、耐候試験前のマルテンス硬度との差が小さい、すなわち長期の使用によって表面物性の変化が小さく、耐候性に優れるものである。具体的には、耐候試験前のマルテンス硬度と耐候試験後のマルテンス硬度とのマルテンス硬度の変動率((耐候試験後のマルテンス硬度−耐候試験前のマルテンス硬度)/耐候試験前のマルテンス硬度×100(%))は、好ましくは80%未満、より好ましくは70%未満、更に好ましくは60%未満、特に好ましくは40%未満である。ここで、耐候試験は、サンシャインウェザーメーター(「WEL−300」、スガ試験機株式会社製)を用いて、ブラックパネル温度63℃、120分中18分降雨の条件下で6000時間放置する耐候試験である。
表面保護層の厚さは、0.5〜45μmが好ましく、1〜35μmがより好ましく、2〜30μmが更に好ましい。表面保護層の厚さが上記範囲内であると、優れた耐候性とともに、表面特性が得られる。
(基材)
本発明の耐候性積層体は、基材を有する。
基材の形状としては、所望に応じて適宜選択すればよく、例えば図1及び2に示されるような直方体等の立体形状、図3及び4に示されるシート状のいずれであってもよい。基材が立体形状、すなわち耐候性積層体が立体形状を呈する場合は、該耐候性積層体をそのまま外装用部材等の各種部材として利用することが可能である。また、基材がシート状、すなわち耐候性積層体がシート状を呈する場合は、該耐候性積層体を被着材に貼着したものを、外装用部材等として利用することが可能である。
例えば、それほど高い意匠性が求められず、低コストが求められるような場合は、基材として立体形状のものを選択し、これに表面保護層を設けた立体形状の耐候性積層体とすればよい。一方、より高い意匠性が求められる場合、装飾層等の形成しやすさを考慮すると、基材としてシート状のものを選択し、シート状の耐候性積層体とすればよい。このように、本発明においては、所望に応じて、また要求性能、コスト等を総合的に考慮して、耐候性積層体の最適な形態を選択すればよい。
基材が、図1及び2に示されるような立体形状を有する場合、基材としては、例えば、各種素材の平板、曲面板等の板材、中空、中実の直方体、六角柱等の多角柱、円柱、球体、楕円球体等の立体形状物品等が挙げられる。例えば、杉、檜、松、ラワン等の各種木材からなる木材単板、木材合板、パーティクルボード、MDF(中密度繊維板)等の木質繊維板等の板材や立体形状物品等として用いられる木質部材;鉄、鋼、アルミニウム、チタニウム等の金属の板材、立体形状物品等として用いられる金属部材;ガラス、陶磁器等のセラミックス、石膏等の非セメント窯業系材料、ALC(軽量気泡コンクリート)板等の非陶磁器窯業系材料等の板材や立体形状物品等として用いられる窯業部材;アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、ゴム等の板材、立体形状物品等として用いられる樹脂部材等が挙げられる。これらの部材は、単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。
また、基材が図3及び4に示されるようなシート状である場合、基材としては、例えば、クラフト紙、チタン紙、紙間強化紙、樹脂含浸紙、裏打紙、難燃紙等の紙基材;ポリオレフィン樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂等の合成樹脂からなる合成樹脂基材;ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維等の織布、不織布、編布等の繊維基材等が挙げられ、これらを用途に応じて適宜選択することができる。
これらの材料は、単独で使用してもよいが、例えば、紙同士の複合体等のように、任意の組み合わせによる積層体であってもよい。
基材は、必要に応じて難燃剤、無機質剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、着色剤、サイズ剤、定着剤等の添加剤を適宜添加したものであってもよい。
また、基材には、上記の光安定剤、分散剤、これらのナノシェルに内包されたもの、等が含まれていてもよい。これらの剤の含有量は、上記表面保護層における、これらの剤の含有量と同じである。
これらの基材、特に合成樹脂基材を用いる場合には、その上に設けられる層との密着性を向上させるために、酸化法、凹凸化法等の物理的表面処理、又は化学的表面処理等の表面処理を施すことができる。
また、基材と各層との密着性の向上等を図るために、プライマー層を形成する等の処理を施してもよいし、色彩を整えるための塗装や、デザイン的な観点での模様を予め形成したものであってもよい。
基材のサイズについては特に制限はないが、シート状の基材の厚さとしては、紙基材を用いる場合には、坪量は、通常20〜150g/m程度、好ましくは30〜100g/mの範囲であり、紙基材以外の基材を用いる場合は、通常20〜150μm程度、好ましくは25〜120μm、より好ましくは30〜100μmの範囲である。
(装飾層)
本発明の耐候性積層体は、意匠性を向上させる観点から、装飾層を有することができる。装飾層は、例えば、図4に示されるように、基材と表面保護層との間に設けることができる。
装飾層は、例えば、全面を被覆する着色層(いわゆるベタ着色層)であってもよいし、種々の模様をインキと印刷機を使用して印刷することにより形成される絵柄層であってもよいし、またこれらを組み合わせたものであってもよい。例えば、基材、被着材の地色を着色隠蔽する場合には、ベタ着色層とすることで、着色隠蔽しつつ、意匠性を向上させることができるし、更に意匠性を向上させる観点から、ベタ着色層と絵柄層とを組み合わせてもよいし、一方、基材、被着材の地模様を生かす場合は、ベタ着色層とせずに絵柄層のみを設ければよい。
装飾層に用いられるインキとしては、バインダーに顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を適宜混合したものが使用される。
バインダーとしては特に制限はなく、例えば、ウレタン樹脂、アクリルポリオール樹脂、アクリル樹脂、エステル樹脂、アミド樹脂、ブチラール樹脂、スチレン樹脂、ウレタン−アクリル共重合体、ポリカーボネート系ウレタン−アクリル共重合体(ポリマー主鎖にカーボネート結合を有し、末端、側鎖に2個以上の水酸基を有する重合体(ポリカーボネートポリオール)由来のウレタン−アクリル共重合体)、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル共重合体樹脂、塩素化プロピレン樹脂、ニトロセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等の樹脂が好ましく挙げられ、これらを単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。
着色剤としては、被着材の地色を着色隠蔽し、かつ意匠性を向上させる観点から、例えば、白色顔料、鉄黒、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料;キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、ニッケルアゾ錯体、フタロシアニンブルー等の有機顔料又は染料;アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料;二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料等の着色剤を用いることもできる。
装飾層として絵柄層を有する場合、その模様としては、木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石模様)等の岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様等があり、これらを複合した寄木、パッチワーク等の模様もある。これらの模様は通常の黄色、赤色、青色、および黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形成される他、模様を構成する個々の色の版を用意して行う特色による多色印刷等によっても形成される。
また、装飾層に用いられるインキには、上記の光安定剤、分散剤、これらのナノシェルに内包されたもの、等が含まれていてもよい。これらの剤の含有量は、上記表面保護層に含まれる含有量として記載した含有量の範囲から適宜選定すればよい。また、本発明の目的を損なわない範囲で、紫外線吸収剤、紫外線遮蔽剤等の耐候剤を添加することができ、これらの耐候剤はナノシェルに内包されたものであってもよい。
装飾層の厚さは、所望の絵柄に応じて適宜選択すればよいが、基材、被着材の地色を着色隠蔽し、かつ意匠性を向上させる観点から、0.5〜20μmが好ましく、1〜10μmがより好ましく、2〜5μmが更に好ましい。
(樹脂層)
樹脂層は、装飾層の保護、加工特性と、耐傷性及び耐候性の向上の観点から、所望に応じて設けられる層であり、耐候性積層体がシート状である場合、好ましく設けられる層である。
樹脂層を構成する樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂等が好ましく挙げられる。
樹脂層は、基材と表面保護層との間に設けられ、また図4に示されるように、耐候性積層体が装飾層を有する場合、装飾層よりも表面側、すなわち装飾層と表面保護層との間に設けられていればよい。
樹脂層は透明であっても不透明でもよく、装飾層が設けられている場合は、装飾層をより鮮明に視認できるようにする観点から、透明であることが好ましい。ここで、透明とは、無色透明の他、着色透明及び半透明も含むものである。また、着色されている場合、用いられる着色剤としては、上記の装飾層に用いられる着色剤と同様のものが好ましく挙げられる。
樹脂層は、必要に応じて、添加剤が配合されていてもよく、例えば、上記の光安定剤、分散剤、これらのナノシェルに内包されたもの、等が含まれていてもよい。これらの剤の含有量は、上記表面保護層に含まれる含有量として記載した含有量の範囲から適宜選定すればよい。また、本発明の目的を損なわない範囲で、紫外線吸収剤、紫外線遮蔽剤等の耐候剤を添加することができ、これらの耐候剤はナノシェルに内包されたものであってもよい。
樹脂層は、樹脂層と他の層との密着性の向上等を図るために、片面又は両面に、酸化法、凹凸化法等の物理的表面処理、又は化学的表面処理等の表面処理を施すことができる。
また、樹脂層と他の層との密着性の向上等を図るために、樹脂層の片面又は両面にプライマー層を形成する等の処理を施してもよい。
樹脂層の厚さは、装飾層の保護、加工特性と、耐傷性及び耐候性の向上の観点から、10〜150μmが好ましく、30〜120μmがより好ましく、50〜100μmが更に好ましい。
(プライマー層)
プライマー層は、主に各層の密着性の向上を図るために設けられる層である。図4では、樹脂層と表面保護層との間にプライマー層を有する耐候性積層体が示されている。
本発明の耐候性積層体において、プライマー層は、例えば、基材と表面保護層との間、基材の表面保護層を設ける面とは反対側の面(以下、「裏面」とも称する。)、樹脂層と表面保護層との間等に設けることができる。本発明の耐候性積層体がシート状である場合、耐候性積層体を被着材に貼着して耐候性部材とする場合に、該耐候性積層体と被着材との密着性を向上させることができるため、特に基材の表面保護層を設ける面とは反対側の面(裏面)にプライマー層を設けることが好ましい。
プライマー層は、例えば、上記の装飾層に用い得るバインダーとして例示したバインダーに、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を適宜混合した樹脂組成物により形成することができる。
また、プライマー層には、上記の光安定剤、分散剤、これらのナノシェルに内包されたもの、等が含まれていてもよい。これらの剤の含有量は、上記表面保護層に含まれる含有量として記載した含有量の範囲から適宜選定すればよい。また、本発明の目的を損なわない範囲で、紫外線吸収剤、紫外線遮蔽剤等の耐候剤を添加することができ、これらの耐候剤はナノシェルに内包されたものであってもよい。
プライマー層の厚さは、密着性を向上させる観点から、0.1〜10μmが好ましく、0.5μm〜8μmがより好ましく、1〜6μmが更に好ましい。
(接着層)
本発明の耐候性積層体は、必要に応じて接着層を有することができる。本発明の耐候性積層体が樹脂層と装飾層とを有する場合、これらの層の密着性を向上させるときに、接着層は有効である。接着層を構成する接着剤としては、通常化粧シートで用いられる接着剤を制限なく用いることができる。
接着剤としては、例えば、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ゴム系接着剤、ポリカーボネート系接着剤等が挙げられる。ウレタン系接着剤としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール等の各種ポリオール化合物と、上記の各種イソシアネート化合物等の硬化剤とを含む2液硬化型ウレタン樹脂を利用した接着剤が挙げられる。また、アクリル−ポリエステル−塩酢ビ系樹脂等も加熱により容易に接着性を発現し、高温での使用でも接着強度を維持し得る好適な接着剤である。
接着層には、上記の光安定剤、分散剤、これらのナノシェルに内包されたもの、等が含まれていてもよい。これらの剤の含有量は、上記表面保護層に含まれる含有量として記載した含有量の範囲から適宜選定すればよい。また、本発明の目的を損なわない範囲で、紫外線吸収剤、紫外線遮蔽剤等の耐候剤を添加することができ、これらの耐候剤はナノシェルに内包されたものであってもよい。
接着層の厚さは、十分な接着性が得られる観点から、0.1〜30μmが好ましく、1〜15μmがより好ましく、2〜10μm以下が更に好ましい。
(凹部)
本発明の耐候性積層体は、凹部を有してもよい。凹部を有することで、耐候性積層体の質感(触感)の向上に伴う高級感が得られ、意匠性が向上する。
凹部は、本発明の耐候性積層体の最表面(表面保護層)に少なくとも存在していればよく、凹部の深さは表面保護層内に留まるものであってもよいし、また基材まで至るものがあってもよい。優れた質感(触感)を得る観点から、表面保護層内に留まるものだけでなく、基材まで至るもの、所望に応じて設けられる樹脂層、装飾層まで至るものが組み合わされていることが好ましい。
凹部の模様としては、例えば木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。意匠性を向上させる観点から、凹部の模様は、装飾層の絵柄と同調させた模様であることが好ましい。例えば、絵柄層が木目模様の場合は、凹部の模様として木目板導管溝を選択し、かつ絵柄層の木目と凹部の木目とを同調させると、よりリアルで質感に溢れた、高級感のある耐候性積層体が得られる。
(耐候性積層体の製造方法)
本発明の耐候性積層体の製造方法について、本発明の耐候性積層体として好ましい態様の一つである、シート状であって、基材、装飾層、接着層、樹脂層、プライマー層、及び表面保護層を順に有する耐候性積層体(図4に示される耐候性積層体)を例にとって、その製造方法を説明する。
まず、基材を用意し、該基材の一方の面に、装飾層を形成する。また、これとは別に樹脂層を用意し、該樹脂層の上に、プライマー層を形成し、更に硬化性樹脂組成物を塗布した未硬化層に、加熱又は電離放射線を照射して硬化させて、表面保護層を形成する。次いで、該装飾層及び樹脂層の少なくとも一方の面に接着剤を塗布し、装飾層と樹脂層とが対向するようにして貼着することにより、基材、装飾層、接着層、樹脂層、プライマー層、及び表面保護層を順に有する耐候性積層体を製造することができる。
また、基材を用意し、該基材の一方の面に、装飾層を形成した後、樹脂層を形成する樹脂組成物を用いて、樹脂層を押出ラミネーション、ドライラミネーション、ウエットラミネーション、サーマルラミネーション等の方法により接着及び圧着させて積層して形成し、次いで、該樹脂層の上に、硬化性樹脂組成物を塗布した未硬化層に、加熱又は電離放射線を照射して硬化させて、表面保護層を形成することによっても、基材、装飾層、接着層、樹脂層、プライマー層、及び表面保護層を順に有する耐候性積層体を製造することができる。
上記の製造方法において、装飾層は、基材上に装飾層の形成に用いられるインキを塗布して所望の着色層、絵柄層を設けることにより形成される。該インキの塗布は、グラビア印刷法、バーコート法、ロールコート法、リバースロールコート法、コンマコート法等の公知の方式、好ましくはグラビア印刷法により行う。
表面保護層の形成において、樹脂組成物の塗布は、硬化後の厚さが所定の厚さとなるように、好ましくはグラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の公知の方式により、より好ましくはグラビアコートにより行う。
表面保護層の形成に電離放射線樹脂組成物を用いる場合、該樹脂組成物の塗布により形成した未硬化樹脂層は、電子線、紫外線等の電離放射線を照射して硬化物とすることで、表面保護層となる。ここで、電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70〜300kV程度で未硬化樹脂層を硬化させることが好ましい。
照射線量は、電離放射線硬化性樹脂の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜50kGy(1〜5Mrad)の範囲で選定される。
電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用いることができる。
また、電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190〜380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈等が用いられる。
表面保護層の形成に熱硬化性樹脂組成物を用いる場合は、使用する樹脂組成物に応じた熱処理を施して、硬化させて表面保護層を形成すればよい。
プライマー層は、プライマー層を形成する樹脂組成物を、例えば、グラビア印刷法、バーコート法、ロールコート法、リバースロールコート法、コンマコート法等の公知の方式で塗布して形成することができる。
また、凹部を形成する場合、作業の容易さを考慮すると、エンボス加工を採用することが好ましい。エンボス加工は、公知の枚葉又は輪転式のエンボス機を使用する通常の方法により行えばよい。
立体形状を呈する耐候性積層体を製造する場合、立体形状の基材に、装飾層、プライマー層、表面保護層等の各層を形成する樹脂組成物を塗布して、各層を形成すればよい。塗布の方法は、上記のシート状の耐候性積層体の製造方法で説明した方法と同じである。
本発明の耐候性積層体は、様々な用途に用いることができる。例えば、壁、天井、床、玄関ドア、屋根等の建築物の内装材又は外装用部材、窓枠、扉、手すり、幅木、廻り縁、モール等の建具又は造作部材の他、キッチン、家具又は弱電製品、OA機器等のキャビネットの表面化粧板、車両の内装材又は外装用部材等に用いることができ、特に、日々太陽光及び風雨に晒されるという厳しい環境下において用いられる建築物の外装用部材、車両の内装材及び外装用部材に好適に用いられる。
〔耐候性部材〕
本発明の耐候性部材は、被着材と上記の本発明の耐候性積層体とを備え、該被着材、前記基材及び前記表面保護層を順に有する、というものである。図5に、本発明の耐候性部材の好ましい態様の一例の断面を示す模式図を示す。図5に示される本発明の耐候性部材20は、被着材21、接着剤層22、及び本発明の耐候性部材10を順に有しており、被着材21、接着剤層22、基材11、及び表面保護層12を順に有している。
(被着材)
被着材としては、上記の基材が立体形状の場合に用い得るものとして例示した、各種素材の平板、曲面板等の板材、立体形状物品等が好ましく挙げられる。また、基材がシート状の場合に用い得るものとして例示した各種基材を形成する各種素材からなるものを用いることもできる。
被着材は、上記の中から用途に応じて適宜選択すればよく、壁、天井、床等の建築物の内装材、窓枠、扉、手すり、幅木、廻り縁、モール等の建具又は造作部材を用途とする場合は、木質部材、金属部材及び樹脂部材から選ばれる少なくとも一種の部材からなるものが好ましく、外壁、玄関ドア、屋根等の外装用部材、窓枠、扉等の建具を用途とする場合は、金属部材及び樹脂部材から選ばれる少なくとも一種の部材からなるものが好ましい。
被着材の厚さは、用途及び材料に応じて適宜選択すればよく、0.1mm以上10mm以下が好ましく、0.3mm以上5mm以下がより好ましく、0.5mm以上3mm以下が更に好ましい。
(接着剤層)
被着材と耐候性積層体とは、優れた接着性を得るため、接着剤層を介して貼り合わせられることが好ましい。すなわち、本発明の耐候性部材は、少なくとも被着材、接着剤層、基材シート、及び装飾層を順に有する部材であることが好ましい。
接着剤層に用いられる接着剤としては、特に限定されず、公知の接着剤を使用することができ、例えば、感熱接着剤、感圧接着剤、イソシアネート化合物等を硬化剤とする2液硬化型のポリウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤も適用し得る。
また、接着剤層には、粘着剤を用いることもできる。粘着剤としては、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系、ゴム系等の粘着剤を適宜選択して用いることができる。
接着剤層は、上記の樹脂を溶液、あるいはエマルジョン等の塗布可能な形態にしたものを、グラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により塗布、乾燥して形成することができる。
接着剤層の厚さは特に制限はないが、優れた接着性を得る観点から、1μm以上100μm以下が好ましく、5μm以上50μm以下がより好ましく、10μm以上30μm以下が更に好ましい。
(耐候性部材の製造方法)
本発明の耐候性部材は、被着材と本発明の耐候性積層体とを積層する工程を経て製造することができる。
本工程は、被着材と、本発明の耐候性積層体とを積層する工程であり、被着材の装飾を要する面と、該耐候性積層体の基材側の面とを対向させて積層する。被着材と耐候性積層体との積層する方法としては、例えば、接着剤を間に介して耐候性積層体を板状の被着材に加圧ローラーで加圧して積層するラミネート方法、接着剤を間に介して耐候性積層体を供給しつつ、複数の向きの異なるローラーにより、被着材を構成する複数の側面に順次耐候性積層体を加圧接着して積層していくラッピング加工、また、固定枠に固定した耐候性積層体が軟化する所定の温度になるまでシリコーンゴムシートを介してヒーターで加熱し、加熱され軟化した耐候性積層体に真空成形金型を押し付け、同時に真空成形金型から真空ポンプ等で空気を吸引し耐候性積層体を真空成形金型に密着させる真空成形加工等が好ましく挙げられる。
ラミネート加工やラッピング加工において、ホットメルト接着剤(感熱接着剤)を用いる場合、接着剤を構成する樹脂の種類にもよるが、加温温度は160℃以上200℃以下が好ましく、反応性ホットメルト接着剤では100℃以上130℃以下が好ましい。また、真空成形加工の場合は加熱しながら行うことが一般的であり、80℃以上130℃以下が好ましく、より好ましくは90℃以上120℃以下である。
以上のようにして得られる耐候性部材は、任意切断し、表面や木口部にルーター、カッター等の切削加工機を用いて溝加工、面取加工等の任意加飾を施すことができる。また、耐候性積層体を鋼板等に貼着した後、Vカット加工、ラッピング加工等の曲げ加工を施すこともできる。
本発明の耐候性部材は、様々な用途に用いることができ、上記の本発明の耐候性積層体を用い得る用途として例示した用途が挙げられる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、この例によってなんら限定されるものではない。
(評価及び測定方法)
(1)耐候性の評価
各実施例及び比較例で得られた耐候性積層体について、サンシャインウェザーメーター(「WEL−300」、スガ試験機株式会社製)を用いて、ブラックパネル温度63℃、120分中18分降雨の条件下で6000時間放置する耐候試験を行った。耐候試験後の耐候性積層体の外観を目視で観察し、以下の基準で評価した。なお、本明細書において、表中に以下基準とともに、「+」が記載される場合、「+」は「より優れているが、一段階上の評価には至らない」ことを示すものとする。例えば、「B」であれば、「B」よりも優れているが、「A」には至らないことを示す。
A:外観変化は確認されなかった。
B:極軽微な色調変化及び艶変化の少なくともいずれかが確認された。
C:軽微な色調変化及び艶変化の少なくともいずれかがが確認された。
D:顕著な色調変化、艶変化、各層間の浮き、割れの少なくともいずれかが確認された。
(2)機械的強度の評価(マルテンス硬度による評価)
各実施例及び比較例で得られた耐候性積層体、上記(1)耐候性の評価における耐候試験後の耐候性積層体について、マルテンス硬度を以下の方法により測定した。
超微小硬度計(微小硬さ試験機、「ピコデンターHM−500」、フィッシャー・インスツルメント社製)を用いて、室温(23℃)において、荷重を連続的に増加させながらピラミッド形状のダイヤモンド圧子をサンプル(表面保護層の面)に押し込み、押込み深さが2μmに到達したときの試験荷重F(N)を測定し、表面にできたピラミッド形のくぼみの対角線の長さからその表面積A(mm)を計算し、試験荷重F(N)を表面積Aで割ることにより、マルテンス硬度を算出した。耐候試験前のマルテンス硬度と耐候試験後のマルテンス硬度とのマルテンス硬度の変動率((耐候試験後のマルテンス硬度−耐候試験前のマルテンス硬度)/耐候試験前のマルテンス硬度×100(%))について、以下の基準で評価した。変動率が小さいほど、機械的強度に優れているといえる。
A:マルテンス硬度の変動率は40%未満だった。
B:マルテンス硬度の比率は40%以上80%未満だった。
C:マルテンス硬度の比率は80%以上だった。
(3)透明性の評価
各実施例及び比較例で得られた耐候性積層体を目視観察し、透明性について以下の基準で評価した。
A:ヘイズ感(曇り)は全くなかった。
B:ヘイズ感(曇り)はほとんどなかった。
C:ヘイズ感(曇り)は若干あるものの、実用上問題なかった。
D:ヘイズ感(曇り)があった。
実施例1
両面コロナ放電処理を施したチタン白顔料を含むポリプロピレン樹脂シート(厚さ:60μm)を基材とし、該基材の一方の面に2液硬化型アクリル−ウレタン樹脂をバインダーとする印刷インキをグラビア印刷法で塗布して木目模様の装飾層(厚さ:3μm)を設け、他方の面に2液硬化型ウレタン−硝化綿混合樹脂組成物を塗布して裏面プライマー層(厚さ:2μm)を形成した。
装飾層の上に、透明のポリウレタン樹脂系接着剤を塗布して接着層(乾燥後の厚さ:3μm)を形成し、透明なポリプロピレン樹脂をTダイ押出機により加熱溶融押出しして、透明な樹脂層(厚さ:80μm)を形成した。
次いで、樹脂層の表面にコロナ放電処理を施した後、下記のポリカーボネート系ウレタン−アクリル共重合体及びアクリルポリオール樹脂の混合物100質量部と、ヘキサメチレンジイソシアネート(硬化剤)5質量部とを混合した樹脂組成物を、グラビア印刷法で塗布してプライマー層(乾燥後の厚さ:4μm)を形成した。
さらに、プライマー層上に、下記の電離放射線硬化性樹脂組成物をロールコート法により塗布して未硬化樹脂層を形成し、電子線(加圧電圧:175KeV、5Mrad(50kGy))を照射して未硬化樹脂層を硬化させて、表面保護層(厚さ:5μm)を得た。その後、表面保護層側からエンボス加工を施して、最大深さ50μmの凹部を有する木目導管模様を形成し、耐候性積層体を得た。得られた耐候性積層体について、上記の方法により耐候性を評価した結果を、第1表に示す。
(電離放射線硬化性樹脂組成物)
電離放射線硬化性樹脂:ウレタンアクリレートオリゴマー(重量平均分子量:4,000、官能基数:3)100質量部
紫外線吸収剤A:ヒドロキシフェニルトリアジン化合物(「TINUVIN479」,BASF社製)1質量部
光安定剤:10質量部(ナノシェルに内包されたビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ナノシェル:リン脂質(ホスファチジルコリン)からなる単層膜、平均一次粒子径:30nm)
実施例2
実施例1において、電離放射線硬化性樹脂組成物において、光安定剤を以下の光安定剤とし、更に分散剤を添加した電離放射線硬化性樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、耐候性積層体を作製した。得られた耐候性積層体について、上記の方法により耐候性を評価した結果を、第1表に示す。
光安定剤:10質量部(ナノシェルに内包されたビス(1−オクチルオシキ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ナノシェル:リン脂質(ホスファチジルコリン)からなる単層膜、平均一次粒子径:30nm)
分散剤:10質量部(メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)
実施例3
実施例1において、電離放射線硬化性樹脂組成物において、光安定剤を以下のナノシェルに内包されていない光安定剤とし、更に分散剤を添加した電離放射線硬化性樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、耐候性積層体を作製した。得られた耐候性積層体について、上記の方法により耐候性を評価した結果を、第1表に示す。
光安定剤:10質量部(ビス(1−オクチルオシキ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート)
分散剤:10質量部(ナノシェルに内包されたメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ナノシェル:リン脂質(ホスファチジルコリン)からなる単層膜、平均一次粒子径:30nm)
実施例4
実施例1において、電離放射線硬化性樹脂組成物において、光安定剤を以下の光安定剤とし、更に分散剤を添加した電離放射線硬化性樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、耐候性積層体を作製した。得られた耐候性積層体について、上記の方法により耐候性を評価した結果を、第1表に示す。
光安定剤:10質量部(ナノシェルに内包されたビス(1−オクチルオシキ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ナノシェル:リン脂質(ホスファチジルコリン)からなる単層膜、平均一次粒子径:30nm)
分散剤:10質量部(ナノシェルに内包されたメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ナノシェル:リン脂質(ホスファチジルコリン)からなる単層膜、平均一次粒子径:30nm)
比較例1
実施例1において、電離放射線硬化性樹脂組成物において、光安定剤を以下のナノシェルに内包されていない光安定剤とした以外は、実施例1と同様にして、耐候性積層体を作製した。得られた耐候性積層体について、上記の方法により耐候性を評価した結果を、第1表に示す。
光安定剤:10質量部(ビス(1−オクチルオシキ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート)
比較例2
実施例1において、電離放射線硬化性樹脂組成物において、光安定剤を以下のナノシェルに内包されていない光安定剤とした以外は、実施例1と同様にして、耐候性積層体を作製した。得られた耐候性積層体について、上記の方法により耐候性を評価した結果を、第1表に示す。
光安定剤:10質量部(ビス(1−オクチルオシキ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート)
分散剤:10質量部(メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)

註)表中の「ナノ」はナノシェルに内包されたもの、「非ナノ」はナノシェルに内包されていないものを意味する。
実施例の結果から、本発明の耐候性積層体は、優れた耐候性とともに、優れた機械的強度、透明性を有することが確認された。
実施例1と2との対比から、分散剤を用いることで耐候性、機械的強度及び透明性が向上することが確認された。これは、分散剤の効果により、光安定剤の分散性が向上し、また二次凝集等が生じにくくなるためである。実施例1と3との対比から、光安定剤としてナノシェルに内包されたものを用いなくても、分散剤としてナノシェルに内包されたものを用いることで、該分散剤の効果により、実施例1と同等の耐候性、機械的強度及び透明性を発現し得ることが確認された。また、実施例1〜3と実施例4との対比から、光安定剤及び分散剤としてナノシェルに内包されたものを用いることにより、極めて優れた耐候性、機械的強度及び透明性が得られることが確認された。
光安定剤としてナノシェルに内包されていないものを用いた比較例1では、ブリードアウトが発生し、優れた耐候性は得られず、比較例1において更にナノシェルに内包されていない分散剤を用いた比較例2では、比較例1に比べて耐候性、機械的強度及び透明性の点で向上傾向はみられたが、実施例の耐候性積層体の性能には及ばなかった。
また、実施例と比較例との対比から、比較例では光安定剤がブリードアウトしてしまい優れた耐候性が得られなかったが、これと同量の光安定剤を用いる実施例では、ブリードアウトが発生せず、優れた耐候性が得られている。よって、本発明によれば、ナノシェルに内包された光安定剤、分散剤を用いることにより、より多量の光安定剤を用いても該光安定剤のブリードアウトが発生することなく、耐候性を向上することができるようになった、といえる。
本発明の耐候性積層体及びこれを用いた耐候性部材は、優れた耐候性を有するものであり、例えば、壁、天井、床等の建築物の内装材又は外装用部材、窓枠、扉、手すり、幅木、廻り縁、モール等の建具又は造作部材の他、キッチン、家具又は弱電製品、OA機器等のキャビネットの表面化粧板、車両の内装材又は外装用部材等に用いることができ、特に、日々太陽光及び風雨に晒されるという厳しい環境下において用いられる建築物の外装用部材、車両の内装材及び外装用部材に好適に用いられる。
10.耐候性積層体
11.基材
12.表面保護層
13.光安定剤
14.分散剤
15.装飾層
16.接着層
17.樹脂層
18.プライマー層

Claims (12)

  1. 基材と、該基材の少なくとも一部を被覆する表面保護層とを有し、
    該表面保護層が、
    (a)ナノシェルに内包された光安定剤を含有する、又は
    (b)光安定剤及び分散剤を含有し、該光安定剤及び分散剤の少なくとも一方がナノシェルに内包されたものである、
    耐候性積層体。
  2. 前記(b)において、分散剤がナノシェルに内包されたものである請求項1に記載の耐候性積層体。
  3. 前記(b)において、光安定剤及び分散剤がナノシェルに内包されたものである請求項1又は2に記載の耐候性積層体。
  4. 前記光安定剤が、ラジカル捕捉剤である請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐候性積層体。
  5. 前記ラジカル捕捉剤が、ヒンダードアミン系光安定剤である請求項4に記載の耐候性積層体。
  6. 前記分散剤が、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、シリコーンオイル、高分子界面活性剤、脂肪酸金属塩、ワックス及び変性樹脂から選ばれる少なくとも一種である請求項1〜5のいずれか1項に記載の耐候性積層体。
  7. 前記ナノシェルが、リン脂質からなる単層膜である請求項1〜6のいずれか1項に記載の耐候性積層体。
  8. 前記ナノシェルの一次粒子径が、300nm以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載の耐候性積層体。
  9. シート状である請求項1〜8のいずれか1項に記載の耐候性積層体。
  10. 前記表面保護層が、シート状である基材の少なくとも一方の面の全面を被覆する請求項9に記載の耐候性積層体。
  11. 前記基材と前記表面保護層との間に装飾層を有する請求項1〜10のいずれか1項に記載の耐候性積層体。
  12. 被着材と請求項1〜11のいずれか1項に記載の耐候性積層体とを備え、該被着材、前記基材及び前記表面保護層を順に有する耐候性部材。
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