JP2018141113A - 機能性シート - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた塩素原子含有ガスの発生の低減効果と、透明性、機械的強度、耐久性等の性能とを両立し得る機能性シート、及びこれを用いた化粧シートを提供すること。【解決手段】少なくとも一層の塩素原子含有樹脂層を有し、該塩素原子含有樹脂層が、(a)ナノシェルに内包される塩素原子含有ガス捕捉剤を含有する、又は(b)塩素原子含有ガス捕捉剤及び分散剤を含有し、該塩素原子含有ガス捕捉剤及び分散剤の少なくとも一方がナノシェルに内包されるものである、機能性シート、及びこれを用いた化粧シートである。【選択図】図1

Description

本発明は、機能性シート、及びこれを用いた化粧シートに関するものである。
塩素原子を含有する樹脂、例えば、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂等を用いた化粧シートは安価でありながら、耐薬品性、耐水性が良好であり、また成形性に優れていることから、壁、天井、床等の内外装用部材に用いられる建材用シートの材料等として汎用されている。一方、塩素原子を含有する樹脂は、廃棄の際の焼却、火災等の災害時等に、塩素原子に起因した塩化水素、ダイオキシン等の塩素原子含有ガスを発生する場合があり、これらのガスは、焼却の場合は焼却炉内の腐食発生の要因に、また火災時には消火活動、避難の妨げの要因となる。また、近年の環境負荷低減に対する厳しい要求がある中、塩化ビニル樹脂等の塩素原子を含有する樹脂を用いる場合、これらのガスの発生を抑制することは大きな課題の一つとなっている。
塩化ビニル樹脂を焼却する際に発生する、塩化水素等の塩素原子含有ガスを低減する手法として、塩化ビニル樹脂に炭酸カルシウム等の無機塩を配合する手法が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載される塩化ビニル樹脂組成物は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、所定の平均粒子径及び比表面積を有する重質炭酸カルシウムを50〜120重量部配合したものであり、炭酸カルシウムの二次凝集の発生を抑制し得るというものである。
特開昭64−9259号公報
しかしながら、特許文献1に記載される樹脂組成物であっても、炭酸カルシウムの分散性、粒径の大きさ、配合量等の幾つかの要因により、より厳しい環境負荷低減が求められる近年において、十分に対応しきれていない現状がある。例えば、特許文献1に記載される樹脂組成物において、塩素原子含有ガスの発生の低減効果を向上させるためには、一般には炭酸カルシウム等の無機塩の含有量を増やすことが考えられる。しかし、無機塩の含有量を増やすと、樹脂分が相対的に少なくなるため、透明性、機械的強度、耐久性等が低下することが容易に予想される。すなわち、塩素原子含有ガスの発生の低減効果と、透明性、耐久性等の性能とは、相反する性能であるといえ、これらの性能をより高いレベルで両立することが求められている。
本発明は、このような状況下になされたもので、優れた塩素原子含有ガスの発生の低減効果と、透明性、機械的強度、耐久性等の性能とを両立し得る、機能性シート及びこれを用いた化粧シートを提供することを目的とするものである。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、下記の構成を有する機能性シート、及びこれを用いた化粧シートに係る発明により前記課題を解決できることを見出した。
[1]少なくとも一層の塩素原子含有樹脂層を有し、
該塩素原子含有樹脂層が、
(a)ナノシェルに内包される塩素原子含有ガス捕捉剤を含有する、又は
(b)塩素原子含有ガス捕捉剤及び分散剤を含有し、該塩素原子含有ガス捕捉剤及び分散剤の少なくとも一方がナノシェルに内包されるものである、
機能性シート。
[2]上記[1]に記載の機能性シートを備える化粧シート。
本発明によれば、優れた塩素原子含有ガスの発生の低減効果と、透明性、機械的強度、耐久性等の性能とを両立し得る、機能性シート及びこれを用いた化粧シートを提供することができる。
本発明の機能性シートの一例の断面を示す模式図である。 本発明の機能性シートの一例の断面を示す模式図である。 本発明の機能性シートの一例の断面を示す模式図である。 本発明の化粧シートの一例の断面を示す模式図である。 本発明の化粧シートの一例の断面を示す模式図である。
〔機能性シート〕
本発明の機能性シートは、少なくとも一層の塩素原子含有樹脂層を有し、該塩素原子含有樹脂層が、(a)ナノシェルに内包される塩素原子含有ガス捕捉剤を含有する(以下、「態様(a)」と称する場合がある。)、又は(b)塩素原子含有ガス捕捉剤及び分散剤を含有し、該塩素原子含有ガス捕捉剤及び分散剤の少なくとも一方がナノシェルに内包されるものである(以下、「態様(b)」と称する場合がある。)、という特徴を有するものである。本発明においては、上記の態様(a)、(b)を採用することにより、塩素原子含有樹脂層中における塩素原子含有ガス捕捉剤の分散性が向上するため、効率よく、優れた塩素原子含有ガスの発生の低減効果を得られ、また、該捕捉剤の二次凝集等が生じにくくなり、優れた透明性、機械的強度、耐久性等も得られる。
(塩素原子含有樹脂層)
本発明において、塩素原子含有樹脂層を形成する塩素原子含有樹脂としては、塩素分子を含有する樹脂であれば制限なく、代表的には、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂等が挙げられる。
塩化ビニル樹脂としては、塩化ビニルモノマーを重合又は共重合して得られる共重合体、その他塩素化物等が挙げられる。
塩化ビニルモノマーと共重合可能なモノマーとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;メチルアクリレートやブチルアクリレート等のアクリル酸エステル類;メチルメタクリレートやエチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類;ブチルマレートやジエチルマレート等のマレイン酸エステル類;ジブチルフマレートやジエチルフマレート等のフマル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルブチルエーテル及びビニルオクチルエーテル等のビニルエーテル類;アクリロニトリルやメタクリロニトリル等のシアン化ビニル類;エチレン、プロピレン、ブチレン、スチレン等のオレフィン類;イソプレン、ブタジエン等のジエン類;塩化ビニリデン、臭化ビニル等の塩化ビニル以外のハロゲン化ビニリデン、ハロゲン化ビニル類;ジアリルフタレート等のフタル酸アリル類、等が挙げられる。これらのモノマーは、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、塩化ビニルモノマーと共重合可能な重合体としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート−一酸化炭素共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリウレタン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−α−メチルスチレン共重合体、ポリブチルアクリレート、ブチルゴム、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリルゴム等が挙げられる。これらの重合体は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
塩化ビニリデン樹脂としては、上記の塩化ビニル樹脂において、塩化ビニルモノマーを塩化ビニリデンモノマーに置き換えたものが挙げられる。
また、塩素原子含有樹脂としては、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン樹脂;クロロスルホン化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリプロピレン等のクロロスルホン化ポリオレフィン樹脂;クロロプレン等の塩素原子含有モノマーを重合又は共重合した樹脂;スチレン−ブタジエン共重合体の塩素化物、スチレン−イソプレン共重合体等の塩素化物等の塩素化ゴム;等も挙げられる。
また、塩素原子含有樹脂層を形成する樹脂としては、上記の塩素原子含有樹脂の以外の樹脂、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロール樹脂等の塩素原子を含有しない樹脂を含んでいてもよく、これらの樹脂は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
塩素原子含有樹脂層を形成する樹脂全量に対する、塩素原子含有樹脂の割合は、塩素原子含有樹脂が含まれていれば特に制限はなく、本発明の優れた塩素原子含有ガスの発生の低減効果を有効活用する観点から、10〜100質量%が好ましく、30〜100質量%がより好ましく、50〜100質量%が更に好ましい。
塩素原子含有樹脂層を形成する樹脂の平均重合度は、500〜4000が好ましく、700〜3900がより好ましく、1000〜3800が更に好ましい。平均重合度が上記範囲内であると、優れた機械的強度が得られ、かつ優れた成形性が得られる。なお、平均重合度は、JIS K6721に準拠して測定される平均重合度である。
(態様(a)について)
態様(a)は、塩素原子含有樹脂層が、ナノシェルに内包される塩素原子含有ガス捕捉剤を含有する形態である。態様(a)を有する典型的な機能性シートの一例を図1に示す。図1には、ナノシェルに内包される塩素原子含有ガス捕捉剤12を含む塩素原子含有樹脂層11からなる機能性シート10が示されている。
ナノシェルに内包される塩素原子含有ガス捕捉剤を用いることで、塩素原子含有樹脂層中における該捕捉剤の分散性が向上し、優れた塩素原子含有ガスの発生の低減効果が得られ、該捕捉剤がナノシェルに内包される形態であるため、二次凝集が生じにくくなり、優れた機械的強度、耐久性、透明性等が得られる。
本発明において、「ナノシェル」とは、「ナノサイズの殻状に閉じた膜構造を有し、中空の小胞体」であり、好ましくは380nm未満、より好ましくは375nm以下の平均一次粒子径を有するものを意味する。ここで、平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査透過型電子顕微鏡(STEM)により測定した観察像から統計処理により算出される値である。統計処理による算出は、具体的には、SEM画像からランダムに選んだ1000個の粒子について、直径を測定し、3nm区分のヒストグラムを作成したときの、下記式(A)を用いた算出により行ったものである。当該式(A)で得られた数平均一次粒子径Dnpを、本明細書の平均一次粒子径とした。
np=Σn/Σn (A)
np:数平均分子量
:ヒストグラムのi番目の直径
:頻度
ナノシェルに内包される塩素原子含有ガス捕捉剤としては、塩化水素、ダイオキシン等の塩素原子含有ガスを捕捉する性能を有するものであれば特に制限はない。ここで、「塩素原子含有ガスを捕捉する性能」とは、該ガスを吸収、吸着、分解等の作用により、その発生を低減させる性能を意味する。
塩素原子含有ガス捕捉剤としては、具体的には、酸化ナトリウム、水酸化ナトリウム及び炭酸リチウム等のアルカリ金属化合物;酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム及びアルミン酸カルシウムのアルカリ土類金属化合物;酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム及び珪酸アルミニウム等のアルミニウム化合物;酸化珪素等の珪素化合物;及びこれらの化合物の少なくとも一種を含む鉱物、例えば、活性炭、アロフェン、イモゴライト及び軽石等の鉱物;等が挙げられる。これらの塩素原子含有ガス捕捉剤は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明において、上記のアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、アルミニウム化合物、珪素化合物、及びこれらの化合物の少なくとも一種を含む鉱物等の平均一次粒子径は、可視光の波長領域(380〜750 nm)未満であり、また可視光の波長の1/2以下程度である、すなわち、380nm未満であることが好ましく、より具体的には、1nm以上380nm未満が好ましく、1〜375nmがより好ましく、5〜300nmが更に好ましく、10〜250nmがより更に好ましく、15〜200nmが特に好ましい。平均一次粒子径が上記範囲内にあると、より優れた塩素原子含有ガスの発生の低減効果が得られる。なお、ナノシェルに内包しないものとナノシェルに内包したものとは、平均一次粒子径はほぼ同じであるため、ナノシェルに内包した塩素原子含有ガス捕捉剤の好ましい平均一次粒子径も、上記範囲と同じである。
上記の塩素原子含有ガス捕捉剤としては、市販品を用いてもよいし、例えば、上記の平均一次粒子径となるように、機械的な粉砕処理(例えば、ボールミル、ビーズミル、ディスクミル、ジェットミル等の各種ミルを用いた粉砕処理)をしたものを用いてもよいし、上記捕捉剤を形成する化合物を溶解させた溶液中で粒子の合成、結晶化(例えば、晶析法、共沈法、ゾルゲル法、水熱合成法等)を行って得られたものを用いてもよいし、上記捕捉剤を形成する化合物のガスにより粒子の合成、結晶化(例えば、電気炉法、レーザー法、プラズマ法等)を行って得られたものを用いてもよい。
本態様(a)において、塩素原子含有ガス捕捉剤は、ナノシェルに内包されるものである。ナノシェルとしては、上記の塩素原子含有ガス捕捉剤を内包できるものであれば特に制限はないが、単層膜であってもよいし、多重膜であってもよいが、平均一次粒子径をより小さくして、塩素原子含有ガスの発生の低減効果をより効率的に向上させる観点から、単層膜であることが好ましい。また、ナノシェルを形成する材料としては、塩素原子含有ガス捕捉剤の分散性を向上させて、塩素原子含有ガスの発生の低減効果を向上させる観点から、リン脂質が好ましい。
本発明において、ナノシェルの形態としては、リン脂質からなる単層膜であることがより好ましい。リン脂質からなるナノシェルとすることで、上記の塩素原子含有樹脂層を形成する樹脂との相溶性が向上するため、塩素原子含有ガス捕捉剤の分散性の点で有利である。また、ナノシェルが単層膜であることで、平均一次粒子径がより小さいものとなるため、ナノシェルを形成するリン脂質による分散性向上との相乗効果により、塩素原子含有樹脂層中における塩素原子含有ガス捕捉剤の分散性が向上し、より効率的に、塩素原子含有ガスの発生の低減効果を向上することが可能となり、また、二次凝集が生じにくくなり、優れた機械的強度、耐久性、透明性等が得られる。
リン脂質としては、ホスファチジルコリン、ホスファチジエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸、ホスファチジルグリセルロール、ホスファチジルイノシトール、カルジオピン、黄卵レシチン、水添黄卵レシチン、大豆レシチン、水添大豆レシチン等のグリセロリン脂質;スフィンゴミエリン、セラミドホスホリエタノールアミン、セラミドホスホリルグリセロール等のスフィンゴリン脂質;等が挙げられる。これらのリン脂質は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記の塩素原子含有ガス捕捉剤をナノシェルに内包する手法としては、例えば、Bangham法、エクストルージョン法、水和法、界面活性剤透析法、逆相蒸発法、凍結融解法、超臨界逆相蒸発法等が挙げられる。
ここで、Bangham法は、クロロホルム、メタノール等の溶媒に、リン脂質を加えて溶解した後、エバポレータを用いて溶媒を除去してリン脂質からなる薄膜を形成し、上記塩素原子含有ガス捕捉剤(分散液の状態としたものでもよい。)を加えた後、ミキサーを用いて、例えば、1000〜2500rpm程度の高速回転で撹拌することで、水和し、分散させて、塩素原子含有ガス捕捉剤をナノシェルに内包する方法である。エクストルージョン法は、外部摂動として用いたミキサーに代えてフィルターを通過させる方法である。水和法は、Bangham法において、ミキサーを用いずに、穏やかに攪拌し、分散させて、塩素原子含有ガス捕捉剤をナノシェルに内包する方法である。逆相蒸発法は、リン脂質をジエチルエーテル、クロロホルム等の溶媒に溶解し、上記塩素原子含有ガス捕捉剤(分散液の状態としたものでもよい。)を加えてW/Oエマルジョンを作り、該エマルジョンから減圧下において溶媒を除去し、水を添加して、塩素原子含有ガス捕捉剤をナノシェルに内包する方法である。また、凍結融解法は、外部摂動として冷却、加熱の少なくともいずれかを行う方法であり、冷却、加熱を繰り返すことによって塩素原子含有ガス捕捉剤をナノシェルに内包する方法である。
また、超臨界逆相蒸発法を採用することで、より確実に、かつ容易に、ナノシェルを、リン脂質からなる単層膜とすることができる。超臨界逆相蒸発法は、超臨界状態、又は臨界点以上の温度条件下、又は圧力条件下の二酸化炭素を用いて、塩素原子含有ガス捕捉剤をナノシェルに内包する方法である。ここで、超臨界状態の二酸化炭素は、臨界温度(30.98℃)及び臨界圧力(7.3773±0.0030MPa)以上の超臨界状態にある二酸化炭素を意味し、臨界点以上の温度条件下、又は圧力条件下の二酸化炭素とは、温度又は臨界の一方のみが臨界条件を超えた条件下である二酸化炭素を意味する。
超臨界逆相蒸発法は、具体的には、上記の塩素原子含有ガス捕捉剤と、超臨界二酸化炭素と、リン脂質との混合物に水を加え、攪拌することにより、超臨界二酸化炭素と水相のエマルジョンを形成し、次いで、減圧することで二酸化炭素が膨張、蒸発して転相が生じ、塩素原子含有ガス捕捉剤の表面をリン脂質の単層膜で覆ったナノシェルを形成し、ナノシェルに内包される塩素原子含有ガス捕捉剤を得る、というものである。なお、従来のように、多重膜を形成したい場合は、上記の方法において、塩素原子含有ガス捕捉剤と、リン脂質と、水との混合物に、超臨界二酸化炭素を加えればよい。
本発明において、ナノシェルは、リン脂質以外の材料、例えば、脂肪族多価ポリカルボン酸、ポリカルボン酸アルキルアミン、ポリ(メタ)アクリル酸等の分子量1万〜50万、好ましくは1.5万〜30万、より好ましくは2万〜20万程度の高分子界面活性剤;ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸、リシノール酸等の好ましくは炭素数10〜30、より好ましくは12〜28の飽和又は不飽和脂肪酸と、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム等の金属とが結合した脂肪酸金属塩;(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリロキシ系シランカップリング剤、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニル系シランカップリング剤、(エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のエポキシ系シランカップリング剤、イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート系シランカップリング剤、フェニルトリメトキシシラン等のフェニル系シランカップリング剤等のシランカップリング剤;テトラキス[ビス(アリルオキシメチル)ブトキシ]チタン、ジプロポキシチタンジオソステアレート、(ブトキシカルボニルベンゾイルオキシ)トリブトキシチタン、トリイソステアリン酸イソプロピルチタン、ジブトキシ−ビス(トリエタノールアミナト)チタン、テトラキス(エチルヘキシルオキシ)チタン、ジプロポキシ−ビス(アセチルアセトナト)チタン等のチタネートカップリング剤;ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、環状ジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、長鎖アルキル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル等のシリコーンオイル;ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンポリエチレン共重合体ワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、サゾールワックス等の炭化水素系ワックス、好ましくは炭素数10〜30、より好ましくは12〜24の脂肪族カルボン酸とジペンタエリスリトールとのエステルワックス、カルナウバワックス、モンタンワックス等の脱酸ワックス等のワックス;ポリオレフィン樹脂をマレイン酸、スルホン酸、カルボン酸、ロジン酸等の有機酸を用いて変性した変性樹脂;等の分散剤からなるものであってもよい。これらの分散剤は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ナノシェルに内包された塩素原子含有ガス捕捉剤の作製方法の一例として、捕捉剤として珪酸アルミニウムを用いた場合を例にとって、より具体的に説明する。イオン交換水100質量部、捕捉剤として珪酸アルミニウム(平均一次粒子径:例えば1〜375nm)0.03〜0.5質量部、及びリン脂質としてホスファチジルコリン2〜10質量部を、40〜70℃に保たれた容器に入れて密閉し、内圧が7.5〜25MPaとなるように該容器内に二酸化炭素を供給して超臨界状態とする。次いで、該容器内を1000〜2500rpm程度の高速回転で撹拌し、イオン交換水50〜150質量部を供給する。温度及び圧力が超臨界状態となるように維持しながら、10〜25分程度撹拌を続けた後、二酸化炭素を該容器から排出し、容器内を大気圧に戻すことで、リン脂質からなる単層膜のナノシェルに内包された、塩素原子含有ガス捕捉剤(珪酸アルミニウム)を作製することができる。得られたナノシェルに内包された塩素原子含有ガス捕捉剤の一次平均粒子径は、原料となる素含有ガス捕捉剤の平均一次粒子径とほぼ同じである。
ナノシェルに内包される塩素原子含有ガス捕捉剤の含有量は、要求性能、及び該捕捉剤の種類に応じて適宜決定すればよく、通常、塩素原子含有樹脂層を形成する樹脂分100質量部に対して、0.1〜200質量部が好ましく、0.3〜150質量部がより好ましく、1〜100質量部が更に好ましい。塩素原子含有ガス捕捉剤の含有量が上記範囲内であれば、優れた塩素原子含有ガスの発生の低減効果が得られ、また優れた機械的強度、耐久性、透明性等が得られる。
本発明においては、上記範囲のように樹脂分よりも多量の塩素原子含有ガス捕捉剤を用いた場合であっても、該捕捉剤をナノシェルに内包される形態とすることにより、分散性が向上し、優れた塩素原子含有ガスの発生の低減効果が得られ、また二次凝集が生じにくくなり、優れた機械的強度、耐久性、透明性等が得られる。
また、態様(a)において、塩素原子含有樹脂層中には、ナノシェルに内包されていない塩素原子含有ガス捕捉剤が含まれていてもよい。この場合、塩素原子含有樹脂層に含まれる塩素原子含有ガス捕捉剤の全量に対する、ナノシェルに内包されていない塩素原子含有ガス捕捉剤の割合は、塩素原子含有ガスの発生の低減効果の観点から、0〜30質量%が好ましく、0〜15質量%がより好ましく、0〜5質量%が更に好ましく、特に0質量%であることが好ましい。
態様(a)において、塩素原子含有樹脂層は、ナノシェルに内包される塩素原子含有ガス捕捉剤の分散性を向上させる観点から、分散剤を含有することができる。
分散剤としては、上記のナノシェルを形成し得る材料として例示した、高分子界面活性剤、脂肪酸金属塩、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、シリコーンオイル、ワックス、変性樹脂等が挙げられる。これらの分散剤は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
分散剤の含有量は、ナノシェルに内包される塩素原子含有ガス捕捉剤の分散性を向上させる観点から、塩素原子含有樹脂層を形成する樹脂分100質量部に対して、0.01〜30質量部が好ましく、0.05〜15質量部がより好ましく、0.1〜10質量部が更に好ましく、特に0.3〜5質量部が好ましい。
(態様(b)について)
態様(b)は、塩素原子含有樹脂層が、塩素原子含有ガス捕捉剤及び分散剤を含有し、該塩素原子含有ガス捕捉剤及び分散剤の少なくとも一方がナノシェルに内包されるものである、という形態である。態様(b)としては、具体的には、ナノシェルに内包されない塩素原子含有ガス捕捉剤とナノシェルに内包される分散剤とを含む態様、ナノシェルに内包される塩素原子含有ガス捕捉剤とナノシェルに内包される分散剤とを含む態様、及びナノシェルに内包される塩素原子含有ガス捕捉剤とナノシェルに内包されない分散剤とを含む態様、が挙げられる。
態様(b)を有する典型的な機能性シートの一例を図2に示す。図2には、ナノシェルに内包される塩素原子含有ガス捕捉剤12、及びナノシェルに内包される分散剤13を含む塩素原子含有樹脂層11からなる機能性シート10が示されている。
塩素原子含有ガス捕捉剤がナノシェルに内包されていないものであっても、分散剤がナノシェルに内包されるものとすることで、塩素原子含有樹脂層中における該捕捉剤の分散性が向上するので、優れた塩素原子含有ガスの発生の低減効果が得られ、また二次凝集が生じにくくなることから、優れた機械的強度、耐久性、透明性等も得られる。
ナノシェルに内包される塩素原子含有ガス捕捉剤とナノシェルに内包される分散剤とを含む場合は、樹脂層内の塩素原子含有ガス捕捉剤の分散がより促進されるため、塩素原子含有ガスの発生の低減効果、樹脂層の機械的強度、耐久性、透明性等はより向上する。一方、この場合は、過剰性能となり、コスト高につながる可能性もある。
また、ナノシェルに内包される塩素原子含有ガス捕捉剤とナノシェルに内包されない分散剤とを含む場合は、分散剤の効果により、ナノシェルに内包される塩素原子含有ガス捕捉剤の分散性が向上するため、優れた塩素原子含有ガスの発生の低減効果が得られ、二次凝集が生じにくくなることから、優れた機械的強度、耐久性、透明性等も得られる。
本発明においては、要求性能、コスト等を総合的に考慮して、最適な形態を選択すればよい。
態様(b)において、塩素原子含有ガス捕捉剤、ナノシェルに内包される塩素原子含有ガス捕捉剤としては、上記態様(a)において説明した捕捉剤と同じ物を用いることができる。
また、態様(b)において、分散剤としては、上記態様(a)において説明した分散剤と同じ物を用いることができる。本態様(b)においては、ナノシェルに内包される分散剤も用いられる。ナノシェルに内包される分散剤におけるナノシェルは、上記のナノシェルに内包される塩素原子含有ガス捕捉剤と同じナノシェルとすればよく、その作製方法もナノシェルに内包される塩素原子含有ガス捕捉剤の作製方法と同じである。
ナノシェルに内包された分散剤の作製方法の一例として、分散剤としてメタクリロキシプロピルトリメトキシシランを用いた場合を例にとって、より具体的に説明する。メタノール等の有機溶媒100質量部、分散剤としてメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン40〜80質量部、及びリン脂質としてホスファチジルコリン2〜10質量部を、40〜70℃に保たれた容器に入れて密閉し、内圧が7.5〜25MPaとなるように該容器内に二酸化炭素を供給して超臨界状態とする。次いで、該容器内を1000〜2500rpm程度の高速回転で撹拌し、イオン交換水50〜150質量部を供給する。温度及び圧力が超臨界状態となるように維持しながら、10〜25分程度撹拌を続けた後、二酸化炭素を該容器から排出し、容器内を大気圧に戻すことで、リン脂質からなる単層膜のナノシェルに内包された、分散剤(メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)を作製することができる。
このようにして得られたナノシェルに内包される分散剤の平均一次粒子径は、上記のナノシェルに内包される塩素原子含有ガス捕捉剤の平均一次粒子径と同じく、380nm未満であることが好ましく、より具体的には、1nm以上380nm未満が好ましく、1〜375nmがより好ましく、5〜300nmが更に好ましく、10〜250nmがより更に好ましく、15〜200nmが特に好ましい。
態様(b)において、塩素原子含有ガス捕捉剤及び分散剤の含有量は、上記態様(a)におけるこれらの剤の含有量と同じである。具体的には、塩素原子含有ガス捕捉剤の含有量は、塩素原子含有樹脂層を形成する樹脂分100質量部に対して、0.1〜200質量部、0.3〜150質量部、1〜100質量部等の範囲内とすればよい。また、分散剤の含有量は、塩素原子含有樹脂層を形成する樹脂分100質量部に対して、0.01〜30質量部が好ましく、0.05〜15質量部がより好ましく、0.1〜10質量部が更に好ましく、特に0.3〜5質量部が好ましい。
態様(b)において、ナノシェルに内包される塩素原子含有ガス捕捉剤が含まれている場合、ナノシェルに内包されていない塩素原子含有ガス捕捉剤が含まれていてもよい。この場合の、ナノシェルに内包されていない塩素原子含有ガス捕捉剤の割合は、上記態様(a)の場合と同じである。
また、ナノシェルに内包される分散剤が含まれている場合、ナノシェルに内包されていない分散剤が含まれていてもよい。この場合の、塩素原子含有樹脂層に含まれる分散剤の全量に対する、ナノシェルに内包されていない分散剤の割合は、塩素原子含有ガスの発生の低減効果の観点から、0〜30質量%が好ましく、0〜15質量%がより好ましく、0〜5質量%が更に好ましく、特に0質量%であることが好ましい。
(その他)
その他、本発明の機能性シートについて、上記態様(a)及び(b)に共通する事項を更に説明する。
塩素原子含有樹脂層は、要求される樹脂層の硬さ等に応じて、可塑剤を含むことができる。可塑剤としては、上記の塩素原子含有樹脂層を形成する樹脂と相溶性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、アジピン酸ジブチル、セバシン酸ジブチル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル化合物;ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジイソノニルフタレート(DINP)等のフタル酸エステル化合物;トリメリット酸トリブチル、トリメリットサントリオクチル等のトリメリット酸エステル;リン酸トリブチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリフェニル等のリン酸エステル類;アセチルトリブチルシトレート、アセチルトリオクチルシトレート等のクエン酸エステル類;等が好ましく挙げられる。これらの可塑剤は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において、可塑剤の含有量は、要求される性能に応じて適宜決定すればよく、例えば、塩素原子含有樹脂層を形成する樹脂分100質量部に対して、10〜100質量部が好ましく、20〜80質量部がより好ましく、30〜70質量部が更に好ましい。
塩素原子含有樹脂層は、発泡剤を用いた発泡層であってもよい。
ここで、発泡剤としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム等の無機発泡剤;N,N'−ジメチル−N,N'−ジニトロソテレフタルアミド、N,N'−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物;アゾジカルボンアミド、アゾビスホルムアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベンゼン、バリウム・アゾジカルボキシレート等のアゾ化合物;ベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルフォニルヒドラジド、p,p'−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン−3,3'−ジスルホニルヒドラジド等のスルホニルヒドラジド化合物;カルシウムアジド、4,4'−ジフェニルジスルホニルアジド、p−トルエンスルホニルアジド等のアジド化合物;等が好ましく挙げられる。
発泡剤の含有量としては、要求される意匠性等により適宜決定すればよく、例えば、塩素原子含有樹脂層を形成する樹脂分100質量部に対して、0.5〜15質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましい。
なお、発泡効果を向上させるために、発泡剤の分解を促進する発泡助剤を用いることができる。その発泡助剤としては使用する発泡剤の種類により異なるが、例えば発泡剤としてアゾジカルボンアミドを用いる場合、発泡助剤としては、酸化亜鉛、硫酸鉛、尿素、ステアリン酸亜鉛等が用いられる。
塩素原子含有樹脂層が発泡層の場合、発泡倍率に特に制限はなく、用途に応じて適宜決定すればよいが、通常3〜7倍程度であればよい。発泡倍率が上記範囲内であると、良好な機械的強度が得られ、また加工性も良好となる。
また、塩素原子含有樹脂層は、上記の塩素原子含有ガス捕捉剤、分散剤、可塑剤、発泡剤以外の、樹脂シートが通常含有し得るその他の添加剤、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、サリチレート系、アクリロニトリル系等の紫外線吸収剤;ヒンダードアミン系、アクリレート系、オキサミド系、シアノアクリレート系等の光安定剤;硫酸バリウム、クレー、タルク等の粉末(粒子)のほか、マイカ、シリカ、アルミナ、ケイソウ土、ケイ砂、シラスバルーンのような無機質中空体等の無機充填剤;尿素等の窒素化合物、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物(特に結晶水を持つ化合物)、自消性を有するリン又はハロゲン元素を含む難燃剤;その他、顔料、染料、防カビ剤、防虫剤、防腐剤、抗菌剤、希釈剤、消臭剤、セル調整剤等の各種添加剤を含んでもよい。
これらの添加剤の含有量は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば特に制限ないが、例えば、塩素原子含有樹脂層を形成する樹脂分100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、0.2〜8質量部がより好ましく、0.5〜5質量部が更に好ましい。
本発明の機能性シートは、少なくとも一層の塩素原子含有樹脂層を有するものであり、非発泡層でもよいし、発泡層であってもよい。また、例えば、上記の塩素原子含有樹脂層を二層有するものであってもよく、その一層が非発泡層であり、他の一層が発泡層であってもよいし、いずれもが非発泡層又は発泡層であってもよい。これらの層構成は、必要に応じて、適宜組み合わせることが可能である。
塩素原子含有樹脂層を二層以上有する機能性シートの一例を図3に示す。図3には、ナノシェルに内包される塩素原子含有ガス捕捉剤12、及びナノシェルに内包される分散剤13を含む非発泡層である塩素原子含有樹脂層11aと、ナノシェルに内包される塩素原子含有ガス捕捉剤12、及びナノシェルに内包される分散剤13を含む発泡層である塩素原子含有樹脂層11bと、からなる機能性シート10が示されている。塩素原子含有樹脂層が二層以上ある場合、少なくとも一の樹脂層が、上記の態様(a)又は態様(b)の形態を有していれば、他の樹脂層は、態様(a)又は態様(b)のいずれの形態を有するものでなくてもよいし、また一の樹脂層が態様(a)の形態を有し、他の樹脂層が態様(b)の形態を有するものであってもよいし、また全ての樹脂層が態様(a)又は態様(b)の形態を有していてもよい。
本発明の機能性シートは、塩素原子含有樹脂層の他、例えば、他の樹脂により形成される樹脂層を有するものであってもよい。本発明の機能性シートを、化粧シートに用いる場合、他の層との密着性の向上、他の層(例えば、絵柄層、表面保護層等)からの樹脂組成物の浸透防止等の機能を付与することができる。
このような樹脂層を形成する樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロール樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
他の樹脂により形成される樹脂層は、塩素原子含有樹脂層と同様に、上記の塩素原子含有ガス捕捉剤、分散剤、及びこれらの剤でナノシェルに内包されるもの、またその他添加剤等を含有していてもよい。その含有量は、塩素原子含有樹脂層の場合と同じである。
また、他の樹脂により形成される樹脂層の厚さは、特に制限はないが、1〜100μmであることが好ましく、2〜80μmであることがより好ましく、3〜50μmであることが更に好ましく、5〜30μmであることが特に好ましい。
本発明の機能性シートの厚さは、用途に応じて適宜決定すればよく、発泡層を有しない場合は、1〜1000μmが好ましく、10〜800μmがより好ましく、50〜600μmが更に好ましく、80〜550μmが特に好ましい。発泡層を有する場合は、0.1〜50mmが好ましく、0.3〜30mmがより好ましく、0.5〜20mmが更に好ましい。
また、機能性シートが非発泡層と発泡層とを有する場合は、該機能性シートの厚さは上記発泡層を有する場合の厚さと同じである。
本発明の機能性シートは、上記の塩素原子含有樹脂、ナノシェルに内包される塩素原子含有ガス捕捉剤、その他の任意成分等を含む塩素原子含有樹脂組成物を、例えばエマルジョン化してエマルジョン組成物としたもの、又はペレット化したものを、コンマコーター法や、Tダイによる押出製膜法、カレンダー製膜法等の公知の方法によって、塩素原子含有樹脂層を形成し、機能性シートとすることができる。ここで、エマルジョン化は通常なされる方法ですることができ、エマルジョン組成物は、例えば該組成物中の塩素原子含有樹脂を乳化重合法等によりエマルジョン化した後に、その他の成分を所定量加えて得ることができる。
塩素原子含有樹脂層を発泡層とする場合、上記の方法により非発泡の樹脂層を形成した後、公知の発泡処理の方法により発泡し、発泡層である塩素原子含有樹脂層を形成すればよい。例えば、発泡加熱炉を用いて、180〜240℃程度の温度条件で発泡させることができる。
機能性シートが、例えば、塩素原子含有樹脂(非発泡層)と塩素原子含有樹脂(発泡層)との2層以上の層構成である場合、塩素原子含有樹脂(非発泡層)と他の熱可塑性樹脂層との2層以上の層構成である場合、また、塩素原子含有樹(発泡層)と他の熱可塑性樹脂層との2層以上の層構成である場合、各々別個に製膜した後、熱ラミネート等の方法により作製してもよいし、また、Tダイによる押出製膜法により同時に作製してもよい。同時に押出製膜する場合、例えば、各層に対応する溶融樹脂を同時に押出製膜することにより、複数層の同時形成が可能となるマルチマニホールドタイプのTダイ等を採用すればよい。
本発明の機能性シートは、例えば、壁、天井、床等の内外装用部材、窓枠、扉、手すり、幅木、廻り縁、モール等の建具の他、キッチン、家具又は弱電、OA機器等のキャビネットの表面化粧板、車両の内装、外装等に用いられる化粧シートを構成するシートとして用いることができる。
〔化粧シート〕
本発明の化粧シートは、上記の機能性シートを備えるものである。本発明の化粧シートの典型的な層構成としては、例えば、機能性シート/表面保護層、機能性シート/装飾層/表面保護層の他、基材/機能性シート/表面保護層、基材/機能性シート/装飾層/表面保護層等の基材を有する層構成等が挙げられる。また、各層の密着性向上のため、上記の層間にプライマー層を有する層構成、更に装飾層の保護のために樹脂層を有する層構成、装飾層と樹脂層との密着性向上のために接着層を有する層構成等も挙げられる。また、装飾層の保護のために、本発明の機能性シートを用いる層構成も挙げられる。本発明の化粧シートは、用途に応じて適宜層構成を調整することができる。
本発明の化粧シートの典型的な一例を図4及び5に示す。図4には、基材21、塩素原子含有樹脂層11a(非発泡層)からなる機能性シート10、及び表面保護層22を順に有する化粧シート20が示されている。また、図5には、基材21、塩素原子含有樹脂層11a(非発泡層)と塩素原子含有樹脂層11b(発泡層)とからなる機能性シート10、装飾層23、接着層24、樹脂層25、プライマー層26、及び表面保護層22を順に有する化粧シート20が記載されている。これらの図面を参考に、本発明の化粧シートを構成する各層について説明する。
(表面保護層)
表面保護層は、図4及び5に示されるように、化粧シートの最表面に設けられる層であり、化粧シートの耐汚染性、耐擦傷性、耐薬品性等の表面特性を向上させるために設けられる。
表面保護層は、硬化性樹脂組成物の硬化物からなることが好ましく、硬化性樹脂組成物としては、熱硬化性樹脂、2液硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂等の硬化性樹脂を含む樹脂組成物が挙げられ、より優れた表面特性を得る観点から、硬化性樹脂として2液硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂を含む樹脂組成物が好ましい。
2液硬化性樹脂としては、主剤と硬化剤とにより硬化する樹脂であれば特に制限はなく、好ましくは主剤をポリオール(多価アルコール)とし、硬化剤をイソシアネート硬化剤とする2液硬化性ウレタン樹脂が挙げられる。
主剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール等のポリオール;アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等の官能基として水酸基を有するポリオール;等が好ましく挙げられる。これらは単独又は複数種を混合して使用できる。
また、イソシアネート硬化剤としては、従来公知の化合物を適宜使用すればよく、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチレンジイソシアネート(MDI)、水素添加トリレンジイソシアネート等の脂肪族(ないしは脂環式)イソシアネート;等のポリイソシアネートが用いられる。また、これら各種イソシアネートの付加体又は多量体、例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネート3量体(trimer)なども用いられる。
電離放射線硬化性樹脂は、電離放射線、すなわち電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するもの、例えば、紫外線(UV)又は電子線(EB)の他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線を照射することにより硬化する樹脂である。具体的には、電離放射線硬化性樹脂としては、慣用されている重合性モノマー及び重合性オリゴマー、プレポリマーの中から適宜選択して用いることができる。
重合性モノマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート系モノマーが好適であり、なかでも多官能(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。多官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有する(メタ)アクリレートモノマーであればよく、特に制限はなく、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が好ましく挙げられ、これらを単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
重合性オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマー、例えばウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー、アクリル(メタ)アクリレートオリゴマー等の(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましく挙げられ、これらのオリゴマーを1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
硬化性樹脂組成物は、上記の硬化性樹脂の他、上記の塩素原子含有ガス捕捉剤、分散剤、これらのナノシェルに内包されたもの、等が含まれていてもよい。これらの剤の含有量は、上記塩素原子含有樹脂層における、これらの剤の含有量と同じである。
また、硬化性樹脂組成物は、添加剤として、本発明の目的を損なわない範囲で、紫外線吸収剤、紫外線遮蔽剤、光安定剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、ブロッキング防止剤、滑剤、溶剤等を添加することができる。中でも、耐候性向上のために、上記の塩素原子含有樹脂層に含まれ得る添加剤として記載した、紫外線吸収剤、光安定剤等の耐候剤等を含有することが好ましい。
表面保護層の厚さは、0.5〜45μmが好ましく、1〜35μmがより好ましく、2〜30μmが更に好ましい。表面保護層の厚さが上記範囲内であると、優れた表面特性が得られる。
(装飾層)
本発明の化粧シートは、意匠性を向上させる観点から、装飾層を有することができる。装飾層は、例えば、図5に示されるように、機能性シートと表面保護層との間に設けることができる。
装飾層は、例えば、全面を被覆する着色層(いわゆるベタ着色層)であってもよいし、種々の模様をインキと印刷機を使用して印刷することにより形成される絵柄層であってもよいし、またこれらを組み合わせたものであってもよい。例えば、被着材の地色を着色隠蔽する場合には、ベタ着色層とすることで、着色隠蔽しつつ、意匠性を向上させることができるし、更に意匠性を向上させる観点から、ベタ着色層と絵柄層とを組み合わせてもよいし、一方、被着材の地模様を生かす場合は、ベタ着色層とせずに絵柄層のみを設ければよい。
装飾層に用いられるインキとしては、バインダーに顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を適宜混合したものが使用される。
バインダーとしては特に制限はなく、例えば、ウレタン樹脂、アクリルポリオール樹脂、アクリル樹脂、エステル樹脂、アミド樹脂、ブチラール樹脂、スチレン樹脂、ウレタン−アクリル共重合体、ポリカーボネート系ウレタン−アクリル共重合体(ポリマー主鎖にカーボネート結合を有し、末端、側鎖に2個以上の水酸基を有する重合体(ポリカーボネートポリオール)由来のウレタン−アクリル共重合体)、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル共重合体樹脂、塩素化プロピレン樹脂、ニトロセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等の樹脂が好ましく挙げられ、これらを単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。
着色剤としては、被着材の地色を着色隠蔽し、かつ意匠性を向上させる観点から、例えば、白色顔料、鉄黒、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料;キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料又は染料;アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料;二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料等の着色剤を用いることもできる。
装飾層として絵柄層を有する場合、その模様としては、木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石模様)等の岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様等があり、これらを複合した寄木、パッチワーク等の模様もある。これらの模様は通常の黄色、赤色、青色、および黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形成される他、模様を構成する個々の色の版を用意して行う特色による多色印刷等によっても形成される。
また、装飾層に用いられるインキには、上記の塩素原子含有ガス捕捉剤、分散剤、これらのナノシェルに内包されたもの、等が含まれていてもよい。これらの剤の含有量は、上記塩素原子含有樹脂層における、これらの剤の含有量と同じである。
装飾層の厚さは、所望の絵柄に応じて適宜選択すればよいが、被着材の地色を着色隠蔽し、かつ意匠性を向上させる観点から、0.5〜20μmが好ましく、1〜10μmがより好ましく、2〜5μmが更に好ましい。
(基材)
本発明の化粧シートは、基材を有することができる。基材は、図4及び5に示されるように、化粧シートを被着体(床、壁等)に貼着する際の、被着体側に設けられる層であり、例えば、化粧シートのカール防止、機械的強度の向上、被着体との接着性の向上のために設けられる。
基材としては、化粧シートの基材として用いられるものであれば特に制限なく用いることができ、例えば、クラフト紙、チタン紙、紙間強化紙、樹脂含浸紙、裏打紙、難燃紙等の紙基材;ポリオレフィン樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂等の合成樹脂からなる合成樹脂基材;ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維等の織布、不織布、編布等の繊維基材ト;木材の単板、合板、集成材、パーチクルボード、又はMDF(中密度繊維板)等の材質からなる木質繊維基材;石膏板、珪酸カルシウム板、木片セメント板などの窯業系建材、陶磁器、ガラス、琺瑯、焼成タイル等の窯業系基材;等が挙げられ、これらを用途に応じて適宜選択することができる。
これらの材料は、単独で使用してもよいが、例えば、紙同士の複合体等のように、任意の組み合わせによる積層体であってもよい。
基材は、必要に応じて難燃剤、無機質剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、着色剤、サイズ剤、定着剤等の添加剤を適宜添加したものであってもよい。
また、基材には、上記の塩素原子含有ガス捕捉剤、分散剤、これらのナノシェルに内包されたもの、等が含まれていてもよい。これらの剤の含有量は、上記塩素原子含有樹脂層における、これらの剤の含有量と同じである。
これらの基材、特に合成樹脂基材を用いる場合、その上に設けられる層との密着性を向上させるために、片面又は両面に、酸化法、凹凸化法等の物理的表面処理、又は化学的表面処理等の表面処理を施すことができる。
また、基材と各層との密着性の向上等を図るために、プライマー層を形成する等の処理を施してもよいし、色彩を整えるための塗装や、デザイン的な観点での模様を予め形成したものであってもよい。
基材の厚さについては特に制限はないが、紙基材を用いる場合には、坪量は、通常20〜150g/m程度、好ましくは30〜100g/mの範囲であり、紙基材以外の基材の場合は、通常20〜150μm程度、好ましくは25〜120μm、より好ましくは30〜100μmの範囲である。
(樹脂層)
樹脂層は、装飾層の保護、加工特性と、耐傷性及び耐候性の向上の観点から、所望に応じて設けられる層である。
樹脂層を構成する樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂等が好ましく挙げられる。
樹脂層は、図5に示されるように、装飾層を有する場合、装飾層よりも表面側に設けられていればよく、更に表面保護層を有する場合は、装飾層と表面保護層との間に設けられていればよい。
樹脂層は透明であっても不透明でもよく、装飾層が設けられている場合は、装飾層をより鮮明に視認できるようにする観点から、透明であることが好ましい。ここで、透明とは、無色透明の他、着色透明及び半透明も含むものである。また、着色されている場合、用いられる着色剤としては、上記の装飾層に用いられる着色剤と同様のものが好ましく挙げられる。
樹脂層は、必要に応じて、添加剤が配合されていてもよく、例えば、上記の塩素原子含有ガス捕捉剤、分散剤、これらのナノシェルに内包されたもの、等が含まれていてもよい。これらの剤の含有量は、上記塩素原子含有樹脂層における、これらの剤の含有量と同じである。
また、本発明の目的を損なわない範囲で、紫外線吸収剤、紫外線遮蔽剤、光安定剤等の耐候剤を添加することができる。
樹脂層は、樹脂層と他の層との密着性の向上等を図るために、片面又は両面に、酸化法、凹凸化法等の物理的表面処理、又は化学的表面処理等の表面処理を施すことができる。
また、樹脂層と他の層との密着性の向上等を図るために、樹脂層の片面又は両面にプライマー層を形成する等の処理を施してもよい。
樹脂層の厚さは、装飾層の保護、加工特性と、耐傷性及び耐候性の向上の観点から、10〜150μmが好ましく、30〜120μmがより好ましく、50〜100μmが更に好ましい。
(プライマー層)
プライマー層は、主に各層の密着性の向上を図るために設けられる層である。
本発明の化粧シートにおいて、プライマー層は、例えば、機能性シートの片面又は両面、機能性シートと表面保護層との間、樹脂層と表面保護層との間、基材と機能性シートとの間、基材の機能性シートを設ける面とは反対側の面に設けることができる。なお、図5では、樹脂層と表面保護層との間にプライマー層を有する化粧シートが示されている。
プライマー層は、例えば、上記の装飾層に用い得るバインダーとして例示したバインダーに、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を適宜混合した樹脂組成物により形成することができる。
また、プライマー層には、上記の塩素原子含有ガス捕捉剤、分散剤、これらのナノシェルに内包されたもの、等が含まれていてもよい。これらの剤の含有量は、上記塩素原子含有樹脂層における、これらの剤の含有量と同じである。
プライマー層の厚さは、密着性を向上させる観点から、0.1〜10μmが好ましく、0.5μm〜8μmがより好ましく、1〜6μmが更に好ましい。
(接着層)
本発明で用いられる化粧シートは、必要に応じて接着層を有することができる。本発明の化粧シートが樹脂層と装飾層とを有する場合、これらの層の密着性を向上させるときに、接着層は有効である。接着層を構成する接着剤としては、通常化粧シートで用いられる接着剤を制限なく用いることができる。
接着剤としては、例えば、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ゴム系接着剤等が挙げられる。ウレタン系接着剤としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール等の各種ポリオール化合物と、上記の各種イソシアネート化合物等の硬化剤とを含む2液硬化型ウレタン樹脂を利用した接着剤が挙げられる。また、アクリル−ポリエステル−塩酢ビ系樹脂等も加熱により容易に接着性を発現し、高温での使用でも接着強度を維持し得る好適な接着剤である。
また、接着層には、上記の塩素原子含有ガス捕捉剤、分散剤、これらのナノシェルに内包されたもの、等が含まれていてもよい。これらの剤の含有量は、上記塩素原子含有樹脂層における、これらの剤の含有量と同じである。
接着層の厚さは、十分な接着性が得られる観点から、0.1〜30μmが好ましく、1〜15μmがより好ましく、2〜10μm以下が更に好ましい。
(凹部)
本発明の化粧シートは、凹部を有してもよい。凹部を有することで、化粧シートの質感(触感)の向上に伴う高級感が得られ、意匠性が向上する。
凹部は、本発明の化粧シートの最表面(表面保護層を有する場合は、表面保護層の機能性シート側の面とは反対側の面)に少なくとも存在していればよく、凹部の深さは表面保護層内に留まるものであってもよいし、また基材まで至るものがあってもよい。優れた質感(触感)を得る観点から、表面保護層内に留まるものだけでなく、樹脂層まで至るもの、装飾層まで至るもの、基材まで至るものが組み合わされていることが好ましい。
凹部の模様としては、例えば木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。意匠性を向上させる観点から、凹部の模様は、装飾層の絵柄と同調させた模様であることが好ましい。例えば、絵柄層が木目模様の場合は、凹部の模様として木目板導管溝を選択し、かつ絵柄層の木目と凹部の木目とを同調させると、よりリアルで質感に溢れた、高級感のある化粧シートが得られる。
(化粧シートの製造方法)
本発明の化粧シートの製造方法について、本発明の化粧シートとして好ましい態様の一つである、基材、機能性シート、装飾層、接着層、樹脂層、及び表面保護層を順に有する化粧シート(図5に示される化粧シートにおいてプライマー層を設けない層構成を有する化粧シート)を例にとって、その製造方法を説明する。
まず、上記方法により作製した機能性シートを用意し、該機能性シートと基材とを貼着し、該機能性シートに装飾層を形成する。また、これとは別に、樹脂層を用意し、該樹脂層の上に、硬化性樹脂組成物を塗布した未硬化層に、加熱又は電離放射線を照射して硬化させて、表面保護層を形成する。次いで、装飾層及び樹脂層の少なくとも一方の面に接着剤を塗布し、装飾層と樹脂層とが対向するようにして貼着することにより、基材、機能性シート、装飾層、接着層、樹脂層、及び表面保護層を順に有する化粧シートを製造することができる。
また、上記の製造方法において、装飾層を形成した後、樹脂層を形成する樹脂組成物を用いて、樹脂層を押出ラミネーション、ドライラミネーション、ウエットラミネーション、サーマルラミネーション等の方法により接着及び圧着させて積層して形成し、次いで、該樹脂層の上に、硬化性樹脂組成物を塗布した未硬化層に、加熱又は電離放射線を照射して硬化させて、表面保護層を形成することによっても、基材、機能性シート、装飾層、接着層、樹脂層、及び表面保護層を順に有する化粧シートを製造することができる。
装飾層は、機能性シート上に装飾層の形成に用いられるインキを塗布して所望の着色層、絵柄層を設けることにより形成される。該インキの塗布は、グラビア印刷法、バーコート法、ロールコート法、リバースロールコート法、コンマコート法等の公知の方式、好ましくはグラビア印刷法により行う。
表面保護層の形成において、樹脂組成物の塗布は、硬化後の厚さが所定の厚さとなるように、好ましくはグラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の公知の方式により、より好ましくはグラビアコートにより行う。
表面保護層の形成に電離放射線樹脂組成物を用いる場合、該樹脂組成物の塗布により形成した未硬化樹脂層は、電子線、紫外線等の電離放射線を照射して硬化物とすることで、表面保護層となる。ここで、電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70〜300kV程度で未硬化樹脂層を硬化させることが好ましい。
照射線量は、電離放射線硬化性樹脂の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜50kGy(1〜5Mrad)の範囲で選定される。
電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用いることができる。
また、電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190〜380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈等が用いられる。
表面保護層の形成に熱硬化性樹脂組成物を用いる場合は、使用する樹脂組成物に応じた熱処理を施して、硬化させて表面保護層を形成すればよい。
また、プライマー層を設ける場合は、プライマー層を形成する樹脂組成物を、例えば、グラビア印刷法、バーコート法、ロールコート法、リバースロールコート法、コンマコート法等の公知の方式で塗布して形成することができる。
また、凹部を形成する場合、作業の容易さを考慮すると、エンボス加工を採用することが好ましい。エンボス加工は、公知の枚葉又は輪転式のエンボス機を使用する通常の方法により行えばよい。
本発明の化粧シートは、様々な用途に用いることができる。例えば、壁、天井、床等の内外装用部材、窓枠、扉、手すり、幅木、廻り縁、モール等の建具の他、キッチン、家具又は弱電、OA機器等のキャビネットの表面化粧板、車両の内装、外装等に用いることができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、この例によってなんら限定されるものではない。
(評価及び測定方法)
(1)塩素原子含有ガスの測定
各実施例及び比較例で得られたシートについて、発煙試験装置(JIS C 60695−6−31準拠)を用いて、加熱するとともに、バーナーで燃焼させる燃焼試験を行い、塩素原子含有ガス(塩化水素)の発生量を測定し、以下の基準で評価した。
A:塩素原子含有ガスの発生量が、500ppm未満であった。
B:塩素原子含有ガスの発生量が、500ppm以上1000ppm未満であった。
C:塩素原子含有ガスの発生量が、1000ppm以上であった。
(2)透明性の評価
各実施例及び比較例で得られたシートを目視観察し、透明性について以下の基準で評価した。
A:ヘイズ感(曇り)は全くなかった。
B:ヘイズ感(曇り)はほとんどなかった。
C:ヘイズ感(曇り)は若干あるものの、実用上問題なかった。
D:ヘイズ感(曇り)があった。
実施例1
以下の樹脂組成物を用意して、溶融押出法により、厚さ100μmの塩素原子含有樹脂層からなる機能性シートを製膜した。得られた機能性シートについて、上記(1)〜(3)の方法に従い評価した結果を、第1表に示す。
塩化ビニル樹脂:100質量部
塩素原子含有ガス捕捉剤:50質量部(ナノシェルに内包された酸化カルシウム、ナノシェル:リン脂質(ホスファチジルコリン)からなる単層膜、平均一次粒子径:30nm)
可塑剤:30質量部(ジオクチルフタレート)
実施例2
以下の樹脂組成物を用意して、溶融押出法により、厚さ100μmの塩素原子含有樹脂層からなる機能性シートを製膜した。得られた機能性シートについて、上記(1)〜(3)の方法に従い評価した結果を、第1表に示す。
塩化ビニル樹脂:100質量部
塩素原子含有ガス捕捉剤:50質量部(ナノシェルに内包された酸化カルシウム、ナノシェル:リン脂質(ホスファチジルコリン)からなる単層膜、平均一次粒子径:30nm)
分散剤:10質量部(メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)
可塑剤:30質量部(ジオクチルフタレート)
実施例3
以下の樹脂組成物を用意して、溶融押出法により、厚さ100μmの塩素原子含有樹脂層からなる機能性シートを製膜した。得られた機能性シートについて、上記(1)〜(3)の方法に従い評価した結果を、第1表に示す。
塩化ビニル樹脂:100質量部
塩素原子含有ガス捕捉剤:50質量部(酸化カルシウム、平均一次粒子径:30nm)
分散剤:10質量部(ナノシェルに内包されたメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ナノシェル:リン脂質(ホスファチジルコリン)からなる単層膜、平均一次粒子径:30nm)
可塑剤:30質量部(ジオクチルフタレート)
実施例4
以下の樹脂組成物を用意して、溶融押出法により、厚さ100μmの塩素原子含有樹脂層からなる機能性シートを製膜した。得られた機能性シートについて、上記(1)〜(3)の方法に従い評価した結果を、第1表に示す。
塩化ビニル樹脂:100質量部
塩素原子含有ガス捕捉剤:50質量部(ナノシェルに内包された酸化カルシウム、ナノシェル:リン脂質(ホスファチジルコリン)からなる単層膜、平均一次粒子径:30nm)
分散剤:10質量部(ナノシェルに内包されたメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ナノシェル:リン脂質(ホスファチジルコリン)からなる単層膜、平均一次粒子径:30nm)
可塑剤:30質量部(ジオクチルフタレート)
実施例5〜8
実施例1において、酸化カルシウムを、水酸化カルシウム、酸化ナトリウム、酸化珪素、軽石にかえた以外は、実施例1と同様にして、各々実施例5〜9の厚さ100μmの塩素原子含有樹脂層からなる機能性シートを製膜した。得られた機能性シートについて、上記(1)〜(3)の方法に従い評価した結果を、第1表に示す。
実施例9
実施例1において、塩化ビニル樹脂を、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量:20質量%)にかえた以外は、実施例1と同様にして、厚さ100μmの塩素原子含有樹脂層からなる機能性シートを製膜した。得られた機能性シートについて、上記(1)〜(3)の方法に従い評価した結果を、第1表に示す。
比較例1
以下の樹脂組成物を用意して、溶融押出法により、厚さ100μmの塩素原子含有樹脂層からなる機能性シートを製膜した。得られた機能性シートについて、上記(1)〜(3)の方法に従い評価した結果を、第1表に示す。
塩化ビニル樹脂:100質量部
塩素原子含有ガス捕捉剤:50質量部(酸化カルシウム、平均一次粒子径:30nm)
可塑剤:30質量部(ジオクチルフタレート)
比較例2
以下の樹脂組成物を用意して、溶融押出法により、厚さ100μmの塩素原子含有樹脂層からなる機能性シートを製膜した。得られた機能性シートについて、上記(1)〜(3)の方法に従い評価した結果を、第1表に示す。
塩化ビニル樹脂:100質量部
可塑剤:30質量部(ジオクチルフタレート)

註)表中*1〜3は以下の通りである。
*1、A:塩化ビニル樹脂、B:塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体
*2、A:酸化カルシウム、B:水酸化カルシウム、C:酸化ナトリウム、D:酸化珪素、E:軽石
*3、ナノ:ナノシェルに内包されたもの、非ナノ:ナノシェルに内包されていないもの
製造例1
上記実施例1の機能性シート上に、グラビア印刷により、2液硬化型アクリル−ウレタン樹脂をバインダーとする印刷インキを用いて木目模様を印刷し、装飾層(厚さ:3μm)を形成した。次いで、該装飾層の上に、上記実施例1の機能性シートを、透明のポリウレタン樹脂系接着剤を塗布した接着層(乾燥後の厚さ:3μm)を介して貼着し、エンボス加工を施して、最大深さ50μmの凹部を有する木目導管模様を形成した。更に、2液硬化性樹脂組成物をロールコート法により塗布して硬化させて、表面保護層(厚さ:5μm)を形成し、機能性シート、装飾層、機能性シート及び表面保護層を順に有し、かつその表面に凹部を有する化粧シートを得た。
実施例1と2との対比から、分散剤を用いた方が、塩素原子含有ガスの発生の低減効果に上昇傾向がみられ、実施例1及び2と4との対比から、塩素原子含有ガス捕捉剤及び分散剤がナノシェルに内包されたものを用いた方が、より優れた塩素原子含有ガスの発生の低減効果が得られることが確認された。また、塩素原子含有ガス捕捉剤がナノシェルに内包されていなくても、分散剤としてナノシェルに内包されたものを用いることで、他の実施例と同等の、優れた塩素原子含有ガスの発生の低減効果が得られることも確認された。
一方、ナノシェルに内包されない塩素原子含有ガス捕捉剤のみを用いた比較例1のシートは、塩化水素発生量が多く、また該捕捉剤の一部が二次凝集を生じたために、透明性も低下することが確認された。また、塩素原子含有ガス捕捉剤を用いなかった比較例2のシートは、塩化水素の発生量が極めて大きいことが確認された。
以上の実施例及び比較例により、本発明の機能性シートは、塩素原子含有ガスの発生の低減効果に優れており、かつ透明性、機械的強度にも優れていることが確認された。
本発明の機能性シートは、優れた塩素原子含有ガスの発生の低減効果と、透明性、機械的強度、耐久性等の性能とを両立し得るものであり、壁、天井、床等の建築物の内外装用部材、窓枠、扉、手すり、幅木、廻り縁、モール等の建具の他、キッチン、家具又は弱電、OA機器等のキャビネットの表面化粧板、車両の内外装用部材の化粧シートを構成する層として好適に用いられる。
10.機能性シート
11.塩素原子含有樹脂層
11a.塩素原子含有樹脂層(非発泡層)
11b.塩素原子含有樹脂層(発泡層)
12.塩素原子含有ガス捕捉剤
13.分散剤
20.化粧シート
21.基材
22.表面保護層
23.装飾層
24.接着層
25.樹脂層
26.プライマー層

Claims (14)

  1. 少なくとも一層の塩素原子含有樹脂層を有し、
    該塩素原子含有樹脂層が、
    (a)ナノシェルに内包される塩素原子含有ガス捕捉剤を含有する、又は
    (b)塩素原子含有ガス捕捉剤及び分散剤を含有し、該塩素原子含有ガス捕捉剤及び分散剤の少なくとも一方がナノシェルに内包されるものである、
    機能性シート。
  2. 前記(b)において、分散剤がナノシェルに内包されるものである請求項1に記載の機能性シート。
  3. 前記(b)において、塩素原子含有ガス捕捉剤及び分散剤がナノシェルに内包されるものである請求項1又は2に記載の機能性シート。
  4. 前記塩素原子含有ガス捕捉剤が、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、アルミニウム化合物、珪素化合物、及びこれらの化合物の少なくとも一種を含む鉱物から選ばれる少なくとも一種である請求項1〜3のいずれか1項に記載の機能性シート。
  5. 前記アルカリ金属化合物が、酸化ナトリウム、水酸化ナトリウム及び炭酸リチウムから選ばれる少なくとも一種である請求項4に記載の機能性シート。
  6. 前記アルカリ土類金属化合物が、酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム及びアルミン酸カルシウムから選ばれる少なくとも一種である請求項4又は5に記載の機能性シート。
  7. 前記アルミニウム化合物が、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム及び珪酸アルミニウムから選ばれる少なくとも一種である請求項4〜6のいずれか1項に記載の機能性シート。
  8. 前記珪素化合物が、酸化珪素である請求項4〜7のいずれか1項に記載の機能性シート。
  9. 前記鉱物が、活性炭、アロフェン、イモゴライト及び軽石から選ばれる少なくとも一種である請求項4〜8に記載の機能性シート。
  10. 前記分散剤が、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、シリコーン、高分子界面活性剤、脂肪酸金属塩、ワックス又は変性樹脂から選ばれる少なくとも一種である請求項1〜9のいずれか1項に記載の機能性シート。
  11. 前記ナノシェルが、リン脂質からなる単層膜である請求項1〜10のいずれか1項に記載の機能性シート。
  12. 前記ナノシェルの一次粒子径が、10〜300nmである請求項1〜11のいずれか1項に記載の機能性シート。
  13. 前記塩素原子含有樹脂層が、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、及び塩素化オレフィン系樹脂から選ばれる少なくとも一種を含む樹脂により構成される層である請求項1〜12のいずれか1項に記載の機能性シート。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の機能性シートを備える化粧シート。
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