JP2003253070A - ダイオキシン類発生抑制剤の製造方法およびその抑制剤含有の塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

ダイオキシン類発生抑制剤の製造方法およびその抑制剤含有の塩化ビニル系樹脂組成物

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JP2003253070A
JP2003253070A JP2002052481A JP2002052481A JP2003253070A JP 2003253070 A JP2003253070 A JP 2003253070A JP 2002052481 A JP2002052481 A JP 2002052481A JP 2002052481 A JP2002052481 A JP 2002052481A JP 2003253070 A JP2003253070 A JP 2003253070A
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hydrate
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dioxins
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Takemi Shin
剛實 新
Hitoshi Harada
齋 原田
Masakatsu Hiraoka
正勝 平岡
Shuhei Miyauchi
修平 宮内
Taizo Imoto
泰造 井本
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MOCHISE DENKI KK
Osaka Prefecture
Ritsumeikan Trust
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MOCHISE DENKI KK
Osaka Prefecture
Ritsumeikan Trust
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Abstract

(57)【要約】 【課題】使用済みの塩化ビル系樹脂製品が焼却されると
きに生じる塩化水素、更にダイオキシン類の発生を自己
抑制し、かつ、樹脂を変色させない樹脂組成物を提供す
る。 【解決手段】仮焼ドロマイトまたはその水和物を微粉砕
し、その微粒表面を脂肪酸で改質し、いわゆるカプセル
状に被覆された状態にして、これを塩化ビニル系樹脂に
混合するものとした。これによって、該合成樹脂はCa
成分とMg成分による変色はなく、燃焼時には該Ca成
分が塩化水素と反応して無害化すると共に該Mg成分が
未然炭素と結合することによってダイオキシン類の発生
を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は焼却時に発生する塩
化水素を捕捉して、ダイオキシン類発生を抑制する塩化
ビニル系樹脂組成物とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】各種プラスチックの中でも塩化ビニル系
樹脂は無色透明であり可塑剤、安定剤、充填材などの適
量添加によって硬質から軟質までの任意の硬度と優れた
成形加工性が得られ、更に、機械的性質、電気絶縁性に
優れ、安価であるという特徴を有することから硬質・軟
質のシート及びフイルム、レザー、壁紙、ホース、パイ
プ、波板、電線被覆或いは電気機器の部品等に多く使用
されてきた。
【0003】このような塩化ビニル系樹脂からなる前記
製品類は、使用済みになるとゴミと共に一般家庭から投
棄され、焼却場に持ち込まれるのが通常で、その量はお
よそ全ゴミ量の1〜2%であるとされている。このゴミ
を焼却すると塩化水素を発生し、それに起因してダイオ
キシン類が生成するという弊害がある。その対策として
ゴミ焼却場においては(イ)炉内燃焼温度をコントロー
ルすることにより完全燃焼を図り、(ロ)煙道内に水酸
化カルシウムの粉末を噴射する乾式法、または水酸化カ
ルシウムのスラリーを噴射する半乾式法により塩化水素
を中和し、(ハ)生成されたダイオキシンを含む燃焼飛
灰をバグフィルタで回収する方法等が採られている。
【0004】上記、焼却炉の煙道内に水酸化カルシウム
の粉末、またはそのスラリーを噴射する方法は、都市ゴ
ミ焼却中に発生する塩化水素やダイオキシン類の量が不
明であることから理論必要値の何倍もの量が投入されて
いる。従って、大量のカルシウム化合物の粉末が飛灰と
して集塵器によって捕捉されがバグフィルターの目詰ま
りを生じやすく、かつ、その回収した飛灰は「ばいじ
ん」として特別管理廃棄物となる。
【0005】また、水酸化カルシウムと水酸化マグネシ
ウムを含む焼成ドロマイトの消化生成物がこのような有
害物質の捕捉に有効であることが特願平10−1159
に開示されている。これも、焼却炉の煙道内に噴射する
限り前記と同様の問題が生じる。
【0006】しかし、このような都市の焼却炉の煙道内
に触媒を投入する処理は無駄が多く、かつ、ダイオキシ
ン類を完全に消滅させるものでない。いくらかは大気中
へ放出されており人体への影響が危惧されているのであ
る。しかも、既に使用された物のやっかいな事後処理で
あり、その処理技術の伸展によっても塩化ビニル系樹脂
の利用の拡大が望めるものではない。むしろ、無害化の
困難性から今後塩化ビニル系樹脂の使用量が漸減し、将
来的には使用を絶たれるかも知れないというのが現状で
ある。
【0007】一方、含ハロゲン樹脂に充填してハロゲン
化水素を捕捉し、また、燃焼時に発生するハロゲン化水
素を低減できるハロゲン化水素捕捉剤としてカルシウム
系水酸化物が特開平11−193336に開示されてい
る。このハロゲン化水素捕捉剤はCaCl、Ca(NO3)2等の
水溶性のCa塩とMgCl2、Mg(NO3)、苦汁、海水等のMg
2+、Mn2+、Fe2+塩等の混合液に,当量以上のNaOH、
KOH等のアルカリを攪拌下に加えることによって得ら
れ、或いは天然ドロマイト(CaCO 3・MgCO3)を約1000℃
以上で焼成してCaO、MgOを生成させ、その後水と反応さ
せることによっても得るものとしている。そして、この
得られたカルシウム化合物を、更に約100〜200℃
で水熱処理、或いはボールミルなどの慣用の湿式粉砕で
もって平均2次粒子径を5μm以下、好ましくは2μm
以下にしている。さらに、この粒子の樹脂への親和性の
向上のために、例えば高級脂肪酸、高級脂肪酸の金属
塩、アニオン系界面活性剤、燐酸エステル、カップリン
グ剤および多価アルコールと脂肪酸のエステルからなる
群から選ばれた表面処理剤の少なくとも1種を適用して
表面処理を実施している。
【0008】それに適用される表面処理方法は、それ自
体公知の湿式または乾式法により実施できるとして、例
えばカルシウム系水酸化物のスラリーに前記の表面処理
剤として液状またはエマルジョン状で加え、約100℃
までの温度で機械的に十分混合すればよいとし、また乾
式法も開示されている。
【0009】前記の特開平11−193336に開示さ
れているドロマイトを焼成後、水と反応させてえられた
カルシウム系水酸化物は、その2次粒子径を平均2μm
以下に細粒化しておいたとしても、そのスラリーを乾燥
した状態では水酸基(−OH)の結合力が強く作用し、
その2次粒子径は数10μm以上に凝結成長する。その凝
結体は塩化ビニル樹脂中に混練してもほぐれることは極
めて少なく、そのように大粒化した凝結体を充填した塩
化ビニル樹脂は燃焼において発生する塩化水素の捕捉を
大幅に減少することになる。
【0010】また、その凝結体を細粒化するために再粉
砕した場合、表面処理部分と違う未処理部分が現れる。
この未処理部分が塩化ビニル樹脂中のアリル塩素の脱離
を促し、該樹脂を変色させることになる。
【0011】また、CaCl2,Ca(NO3)2とMgCl2,Mg(NO3)2
等の水溶液に当量のNaOH,KOH等のアルカリを攪拌下に加
えることで沈殿物としてカルシウム系水酸化物を製造す
る際、作られる沈殿物は水中における凝集力が弱く緩や
かな集合体であるので空隙が大きく、従って、高分子の
脂肪酸がその集合体内部に入り、図3に断面図で示すよ
うに、その表面のみならず、内部にまで金属石けん分子
を生成することになる。従って、その表面処理には多量
の脂肪酸が必要となるのである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前記、各種の問題を解
消すべく、本発明においては、塩化ビニル系樹脂の焼却
に伴う塩化水素を、その発生現場において速やかに捕捉
し、ダイオキシン類の発生を抑制することを課題とし、
更に、塩化ビニル系樹脂への充填において良く分散し、
しかも、該樹脂の変色をきたさないダイオキシン類発生
抑制機能保持の塩化ビニル系樹脂組成物を安価にて提供
しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決すべ
く、前記の水中における沈殿物として生成した水酸化カ
ルシウムや水酸化マグネシウムとは成因及び構造が異な
る天然鉱物のドロマイトを仮焼、水和して使用したもの
である。すなわち、この仮焼ドロマイト水和物は仮焼に
よって脱炭酸が生じ、その跡にナノレベルの孔が形成さ
れる。この孔のサイズ径(数オングストローム)ではHC
lやH2Oの分子は入り込めるとしても、分子径の大きい脂
肪酸(例えば、ステアリン酸単分子で4.8Å×24.55Åで
ある。)は入ることができず、従って、単に粒子表面の
みで反応することになり、該ドロマイトまたはその水和
物はその脂肪酸の反応物で包み込まれ、マイクロカプセ
ル化する。このマイクロカプセルは、図1(b)に示す
ように、該塩化ビニル樹脂の燃焼時においても該抑制剤
の芯部分のナノスポンジ状の孔に塩化水素が拡散捕捉さ
れることの妨げとはならない構造になっている。このマ
イクロカプセル化の方法を利用して経済的(脂肪酸の使
用量が少量)なダイオキシン発生抑制剤を得ようとする
ものである。この点において、前記の水中において沈殿
物として生成したカルシウム系水酸化物とは構造的に異
なるものとした。
【0014】多数の凹凸がありスポンジ状になる仮焼ド
ロマイトまたはその水和物が金属石けんでマイクロカプ
セル状に被覆されることによって、これを塩化ビニル系
樹脂に配合、混入しても樹脂は該ドロマイトのカルシウ
ム成分やマグネシウム成分で変色をきたすことがなく、
しかも、塩素を吸着し、更にその樹脂の燃焼時において
は発生する塩化水素と素早く反応し、マグネシウム成分
は未燃然炭素を減少させ、ダイオキシン類の発生を抑制
させるものとした。
【0015】請求項1に関する発明は、少なくとも有効
成分の一つとして、平均粒径0.1〜5μmであって多
数の凹凸がありスポンジ状となっていてその比表面積を
大きくした仮焼ドロマイトまたはその水和物を含有して
なるダイオキシン類発生抑制機能保持の塩化ビニル系樹
脂組成物とした。
【0016】請求項2に関する発明は、塩化ビニル系樹
脂100重量部に対し、可塑剤5〜200重量部、平均
粒径0.1〜5μmの範囲内であって多数の凹凸があり
スポンジ状になっている仮焼ドロマイトまたはその水和
物の微粒子10〜200重量部、脂肪酸5〜200重量
部、平均粒径0.1〜5μmの範囲内の亜鉛華5〜10
0重量部または脂肪酸亜鉛1〜25重量部をそれぞれ配
合してなることを特徴とするダイオキシン類発生抑制機
能保持の塩化ビニル系樹脂組成物とした。
【0017】請求項3に関する発明は、仮焼ドロマイト
またはその水和物の表面を脂肪酸またはその脂肪酸の反
応物によってコーティングし、またはマイクロカプセル
化したことに特徴を有する請求項1または請求項2記載
のダイオキシン類発生抑制機能を有する塩化ビニル系樹
脂組成物としたもので、ダイオキシン類の発生抑制機能
を有するのに加えて変色を生じないものとした。
【0018】請求項4記載の発明は、請求項1または請
求項2記載のダイオキシン類発生抑制機能保持の塩化ビ
ニル系樹脂組成物において含有する仮焼ドロマイトまた
はその水和物の微粒子が表面に金属石けん類を形成した
ものであることを特徴とするとするものである。
【0019】請求項5の発明は、表面を脂肪酸またはそ
の脂肪酸の反応物によってコーティングまたはマイクロ
カプセル化した仮焼ドロマイトまたはその水和物の微粒
子を含有した請求項1または請求項2記載の塩化ビニル
系樹脂を特徴とするものである。
【0020】請求項6記載の発明は、請求項3記載のダ
イオキシン類発生抑制機能保持の塩化ビニル系樹脂組成
物が含有する仮焼ドロマイトまたはその水和物のカプセ
ル化は、ドロマイトを900℃〜1200℃で仮焼し粉
砕または消化して微粒化し、次いで、攪拌機中に溶剤ま
たは鉱油と、脂肪酸類および前記のドロマイト微粒を投
入混合して該ドロマイトが平均粒径0.1〜5μmにな
るまで湿式微粉砕と同時にその破砕表面を金属石けん類
により被覆することを特徴とする仮焼ドロマイトまたは
その水和物のマイクロカプセル体製造方法とした。
【0021】請求項7記載の発明は、脂肪酸が酪酸、カ
プロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウ
ンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリ
ン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、12ヒド
ロキシステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、トー
ル油脂肪酸の群の内から選ばれた脂肪酸としたことを特
徴とする請求項6記載の仮焼ドロマイトまたはその水和
物のマイクロカプセル体製造方法とした。
【0022】請求項8記載の発明は、脂肪酸類の溶融
が、水以外の鉱油もまたは溶剤であるアセトン、メチル
エチルケトン、イソプロピルアルコール、ヘキサン、メ
タノール等である。また、イソオクタン、ヘプタン、シ
クロヘキサン、メチルシクロヘキサン、トルエン、メチ
ルイソプチルケトン、酢酸イソプロピル、トリクレン、
トリクロロエタン、バークレン、クロールベンゼン、ニ
トロメタン、ニトロエタン、メチルセロソルブ、アセト
ニトリル、キシレン、ジメチルホルムアルデヒド、ニト
ロベンゼン、エチレングリコールの群の中から選ばれた
1ないし数種であることを特徴とする請求項7記載の仮
焼ドロマイトまたはその水和物のマイクロカプセル体製
造方法である。
【0023】請求項9記載の発明は、請求項2に特定し
た可塑剤は、DOP,n−DOP,DINP,DID
P,混合アルキルフタレート,トリオクチルトリメリテ
ート,トリオクチルピロメリテート,DOA,DOZ,
DOS,エポキシ化大豆油,エポキシ化アマニ油,塩素
化パラフィンの群の内から選ばれた可塑剤としたことを
特徴とする請求項2記載のダイオキシン類発生抑制機能
保持の塩化ビニル系樹脂組成物。
【0024】請求項10に記載の発明は、請求項6記載
の脂肪酸の群から選ばれた1種を請求項8記載の可塑剤
の群から選ばれた1または2以上の可塑剤に混合し、こ
こに、平均粒径0.1〜5μm範囲であって多数の凹凸
がありスポンジ状になっている仮焼ドロマイトまたはそ
の水和物を混合して該仮焼ドロマイトまたはその水和物
の表面を金属石けん類によるマイクロカプセル化して塩
化ビニル系樹脂に混合したことを特徴とするダイオキシ
ン類発生抑制機能保持の塩化ビニル系樹脂組成物の製造
方法とした。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について詳細
に説明する。この発明において塩化ビニル系樹脂とは塩
化ビニル樹脂およびその重合体、ポリ塩化ビニリデンお
よびその重合体、塩素化ポリエチレン等、塩基を含むも
のである。これらの樹脂に仮焼ドロマイトまたはその水
和物を適量混合せしめて燃焼時に発生する塩化水素を直
ちに捕捉させようとするもので、換言すればダイオキシ
ン発生の自己抑制機能を賦与したものである。
【0026】ここにドロマイト(苦灰石)とは、別名白
雲石とも呼ばれるカルシウムとマグネシウムの複合炭酸
塩鉱物(化学組成CaCO・MgCO)である。このドロマ
イトを加熱すると2段階で熱分解が起こる。炭酸マグネ
シウム(MgCO)部分は600℃〜750℃の範囲で炭酸ガス
を放出し、973℃で終了する。炭酸カルシウム(CaCO3
部分からの炭酸ガスの放出は850℃付近より始まる。本
発明におけるドロマイト水和物は、塩素ガスの吸着捕捉
性能を向上させるためにその比表面積を大きくすること
が必要であり、そのためには塊状ドロマイトを仮焼温度
900℃〜1200℃として加熱することが望ましく、また、
経済的には900℃〜1000℃とする。この仮焼によってド
ロマイトは結晶内の炭酸部分をガスとして放出し、図1
(a)に示すような多数の凹凸のあるスポンジ状にな
る。
【0027】このように仮焼したドロマイトは酸化カル
シウムと酸化マグネシウムの混合物であり、また、更に
これを消化して水和物としたものは水酸化カルシウム
(炭酸ガスが未分解の炭酸カルシウムを含む)と水酸化
マグネシウムおよび水と未反応の酸化マグネシウムとな
るものでこれは細粒化されている。
【0028】上記の仮焼ドロマイトまたはその水和物は
更に適宜の粉砕機により粉砕し、篩い分けを行っておよ
そ100メッシュ以下の細粒を取り出した。
【0029】次いで、媒体攪拌型粉砕機(ボールミル、
ペブルミル等)に前記の粉砕された仮焼ドロマイトまた
はその水和物の細粒を投入すると共に、脂肪酸を溶融さ
せた溶剤または鉱油を該粉砕機に加えて湿式粉砕を行
う。このようにして、仮焼ドロマイトまたはその水和物
は、破砕と同時にその表面が脂肪酸と反応して金属石け
んに覆われることになる。この金属石けんによって被覆
された粒子は更に粉砕機の作動に伴って粉砕され、新た
な破断面が現出し続けるが、この破断面もまた破断と同
時に脂肪酸と反応し、該仮焼ドロマイトまたはその水和
物が平均粒径5μm,望ましくは1μm,更に望ましく
は0.1μmになるまで継続する。かくして、破砕され
た粒子の全表面が余すことなく金属石けんで被覆され、
いわゆるマイクロカプセル化が完成される(図1
(b))。
【0030】その後、この湿式粉砕に使用した溶剤また
は鉱油は濾過し、または蒸発させて乾燥することにより
ダイオキシン類の発生抑制剤を得る(以下、このマイク
ロカプセル化した仮焼ドロマイトまたはその水和物をマ
イクロカプセル化ダイオキシン発生抑制剤と称す
る。)。しかも、仮焼ドロマイトまたはその水和物の微
粒子は前記のように各1個がマイクロカプセル化されて
いるために、二次粒子を形成することが殆どなく、更
に、これを例えば塩化ビニル樹脂に充填し混練したと
き、その操作温度範囲において該マイクロカプセルは容
易に溶解し、樹脂中への極めて良好な分散性が得られ
る。
【0031】前記にように、媒体攪拌型粉砕機に投入す
る媒体(液体)は、水以外の溶剤または鉱油を使用す
る。その溶剤としては次のものがあげられる。その例と
してアセトン、メチルエチルケトン、イソプロピルアル
コール、ヘキサン、メタノール等である。また、イソオ
クタン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキ
サン、トルエン、メチルイソプチルケトン、酢酸イソプ
ロピル、トリクレン、トリクロロエタン、バークレン、
クロールベンゼン、ニトロメタン、ニトロエタン、メチ
ルセロソルブ、アセトニトリルなども良く、更には、若
干高沸点ではあるがキシレン、ジメチルホルムアルデヒ
ド、ニトロベンゼン、エチレングリコールなども使用で
きることは勿論で、これらから選ばれた1ないし複数を
混合して使用する。鉱油は一般的なものでよい。なお、
作業性を考慮すれば脂肪酸を溶解する溶剤であって沸点
が60℃〜130℃程度、且つ、蒸発潜熱の小さいもの
が望ましい。
【0032】また、前記の溶剤または鉱油に添加する脂
肪酸としては酪酸、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴ
ン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリス
チン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベ
ヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メ
リシン酸、12ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、
リシノール酸、トール油脂肪酸などがあげられる。この
場合、比較的低温で溶解する炭素当量10以上の脂肪酸の
使用が、マイクロカプセル化ダイオキシン類発生抑制剤
の樹脂中での分散性向上のために望ましい。
【0033】また、このようなマイクロカプセル化の一
方法として、塩化ビニル系樹脂に配合される可塑剤50
〜200重量部に対して前記の脂肪酸の群の内から選ば
れた1種を8〜100重量部を混合し、更に、平均粒径
0.1〜5μm範囲の仮焼ドロマイトまたはその水和物
100重量部を混合して、当該脂肪酸の融点温度条件下
で攪拌し、反応させてその表面に金属石けんによる表面
改質をすることも可能である。このようにして表面改質
した仮焼ドロマイトまたはその水和物は、この可塑剤を
塩化ビニル系樹脂に添加する際にその混合量を加味して
適量を計量することが必要である。なお、前記の脂肪酸
の溶液中に酸化亜鉛を混合しておくことによって微粒子
の表面をステアリン酸亜鉛に改質することで塩化ビニル
樹脂の初期安定化が期待されることは勿論である。ここ
に使用できる可塑剤としてはDOP,n−DOP、DI
NP,DIDP、混合アルキルフタレート等のフタル酸
エステル、トリオクチルトリメリテート、トリオクチル
ピロメリテート等の芳香族カルボン酸エステル系、DO
A,DOZ,DOS等の脂肪酸二塩基性エステル系、エ
ポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等のエポキシ系、
塩素化パラフィン、ポリエステル系があり、この中の1
種または2種以上の併用が可能である。
【0034】
【実施例】(実施例1)下記に実施例の一例を示す。ま
ず、仮焼ドロマイト、またはその水和物を加熱雰囲気温
度900℃〜1200℃中で仮焼する。ドロマイト中の炭酸ガ
スが揮散し、これによって該ドロマイトの処理粒子は凹
凸が多数発生してスポンジ状となり、ほぼ最高の気孔率
が得られ、これが樹脂に混入後、焼却時に塩化水素を効
率よく吸着することになる。また、この仮焼ドロマイト
に水を加えて仮焼ドロマイト水和物とし、次いで、この
仮焼ドロマイトまたはその水和物を粉砕して100メッ
シュ以下に篩い分けして得られた微粒子100重量部を
媒体攪拌型粉砕機に投入した。
【0035】その粉砕機の中に、前記の仮焼ドロマイト
またはその水和物100重量部に対して、脂肪酸、例え
ばステアリン酸、或いはラウリン酸、或いはオレイン
酸、或いはリシノール酸の平均粒径に適する所定の重量
部を溶融させた鉱油300重量部を注ぎ込み、該粉砕機
を作動させた。かくして、該仮焼ドロマイトまたはその
水和物の細粒化とマイクロカプセル化を繰り返し、該鉱
油を蒸発させて除去し、その後平均粒径0.1μm、1
μmおよび5μmに分級した。
【0036】上記4種類の脂肪酸からなるマイクロカプ
セル化したダイオキシン類発生抑制剤と可塑剤、ステア
リン酸亜鉛及び亜鉛華を表1の通り塩化ビニルレジンに
配合し混合して塩化ビニル樹脂の変色の有無および成形
性、熱安定性についてテストを行った。そのうちステア
リン酸によるものの成形性、熱安定性については表1の
試験結果欄に示した。ラウリン酸、オレイン酸、リシノ
ール酸によるマイクロカプセル化したものについてはス
テアリン酸によるものとほぼ同様の成績であった。な
お、表1で仮焼ドロマイト水和物は本発明に係るダイオ
キシン発生抑制剤を意味する。
【0037】
【表1】
【0038】また、この抑制剤を添加したことによる樹
脂の変色はマイクロカプセル剤としての脂肪酸の種類に
よって異なる。その一例を挙げると、ステアリン酸<ラ
ウリン酸<オレイン酸<リシノール酸の順で変色が大き
くなり、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネ
シウムのマイクロカプセルにおいては殆ど変色を生じな
いが、リシノール酸でのマイクロカプセルにおいては変
色防止の効果が弱かった。勿論、表面処理をしない仮焼
ドロマイト水和物を混入したものは赤銅色に変化した。
【0039】このように塩化ビニル系樹脂の変色が防止
される仕組みは、ダイオキシン類発生抑制剤が塩化ビニ
ル樹脂に充填される際、加熱、混練することによってそ
の表面のマイクロカプセル部分の金属石けんと該塩化ビ
ニル樹脂中にあって不安定で離脱し易く、分解の開始点
となり易いアリル塩素が価額反応することにより、図1
(c)に示すように該塩化ビニル樹脂が安定化すること
による。
【0040】(実施例2)更に、仮焼ドロマイト水和物
の平均粒径0.1μm、1μm、5μm以下の3種類に
ついて、粒径別の塩化水素捕捉率を測定した。この場
合、塩化ビニル100部、DINP100部、仮焼ドロ
マイト水和物100部にて試料を作製し、試験は電線工
業会規格JCS第397号(1992)に準拠して行っ
たものである。その結果を表2に示した。
【0041】
【表2】
【0042】(実施例3)次に、塩化ビニル樹脂を2重
量%と本発明のダイオキシン発生抑制剤6重量%をポリ
エチレンに混練した模擬ゴミを作製し、図2に示す横型
電気管状炉を用いて燃焼させた。燃焼は、試料投入量
7.5g/min、燃焼温度900℃の条件で予備燃焼を1
時間、計測を2時間行った。なお、塩化ビニル樹脂2%
に対し、ダイオキシン発生抑制剤(粒径4μm)6%の
割合は塩化ビニル樹脂中の塩素に対し、カルシウム及び
マグネシウムの全量は6倍の化学当量になる。表3は、
これとダイオキシン発生抑制剤無添加のものとの比較を
行ったものである。なお、測定項目等は次の通りであ
る。 測定項目 :ダイオキシン類 JIS K 0311 排ガス中のダイオキシン類及びコ プラナーPCBの測定方法 OJIS K 0301 CO JIS K 0096 煤塵濃度 JIS K 8808 HCl JIS K 0107
【0043】
【表3】
【0044】上記試料の燃焼において、ダイオキシン発
生抑制剤無添加のものは酸素(O)濃度を13.7%
(標準は12%)とし、ダイオキシン発生抑制剤添加の
ものは11.9%としもので、前者より後者(添加のも
の)の燃焼条件を悪く設定したものである。
【0045】この条件においてダイオキシン類の総量
(PCDDS+PCDFS)はダイオキシン類発生抑制剤無添加の
ものが170ng/mNであるのに対してダイオキシン類
発生抑制剤を6%添加したものは15ng/mNとなり、
また、毒性当量はダイオキシン類発生抑制剤無添加のも
のが4.3ng-TEQ/m3Nでダイオキシン類発生抑制剤添加の
ものがと0.27ng-TEQ/m3Nとの桁違いに発生量が減少し
ている。これは、塩化ビニル樹脂の熱分解によって発生
した塩化水素を図1の(d)に示すようにダイオキシン
類発生抑制剤の芯材に形成された仮焼ドロマイト水和物
の多数の凹凸を形成する細孔内に拡散したことを意味し
(図1(d))、その有効性が顕著であった。また、仮
焼ドロマイト水和物の微粒子表面のマイクロカプセル化
をラウリン酸、オレイン酸、リシノール酸の各脂肪酸で
行ったマイクロカプセル化ダイオキシン発生抑制剤にお
いてもダイオキシン類の抑制効果は前記のステアリン酸
によるもの(表3)とほぼ同等であった。
【0046】このダイオキシン類は塩化水素が未然の炭
素水素と結合することによって生成される。本抑制剤が
マグネシウムを含んでいることによって、塩化水素を低
減させると同時にMgOの触媒作用によって未然炭素を捕
捉してダイオキシン類の生成を阻止するものと考えられ
る。
【0047】
【発明の効果】本発明のダイオキシン類発生抑制機能保
持の塩化ビニル系樹脂組成物は平均粒径0.1〜5μm
であって、多数の凹凸があり、スポンジ状になっている
仮焼ドロマイトまたはその水和物の微粒子を含有してい
るため、塩化水素を高効率で吸着し、ダイオキシン類の
発生の抑制できる。
【0048】本発明に係る表面改質した仮焼ドロマイト
またはその水和物は、そのマイクロカプセルすなわち金
属石けん部分が塩化ビニル系樹脂中の不安定で遊離しや
すく、分解の開始点となりやすいアリル塩素と反応して
これを消滅させる作用を持つもので、従って、該樹脂を
変色させことがなくかつ、塩化水素が拡散捕捉されるこ
との妨げとはならない構造になっている。
【0049】本発明の表面改質になる仮焼ドロマイト水
和物は塩化水素抑制剤のみならず、塩化ビニル樹脂の安
定剤としても有効である。
【0050】本発明の表面改質になる仮焼ドロマイト水
和物は水酸化カルシウムと水酸化マグネシウムからな
り、その燃焼時に水分を放出することから、これを配合
充填した樹脂は難燃性を帯びることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、仮焼ドロマイト水和物の微細粒のマイ
クロカプセル化モデル図で、(a)は仮焼ドロマイト水
和物の微粒子の模式図、(b)はステアリン酸金属塩に
よるマイクロカプセル化の模式図、(c)は塩化ビニル
樹脂に充填したときのアリル塩素との反応を示す説明
図、(d)は該塩化ビニル樹脂の燃焼時の塩化水素の捕
捉を示した説明図である。
【図2】図2は、燃焼排ガス中のダイオキシン類測定に
使用した横型電気管状炉の概要図である。
【図3】図3は、従来例に係るカルシウム系水酸化物の
金属塩生成模式図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年3月4日(2002.3.4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項7
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は焼却時に発生する塩
化水素を捕捉して、ダイオキシン類発生を抑制するダイ
オキシン類発生抑制剤の製造方法とその抑制剤含有の塩
化ビニル系樹脂組成物に関する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】多数の凹凸がありスポンジ状になる仮焼ド
ロマイトまたはその水和物が金属石けんでマイクロカプ
セル状に被覆されることによって、これを塩化ビニル系
樹脂に配合、混入しても樹脂は該ドロマイトのカルシウ
ム成分やマグネシウム成分で変色をきたすことがなく、
しかも、塩素を吸着し、更にその樹脂の燃焼時において
は発生する塩化水素と素早く反応し、マグネシウム成分
は未燃炭素化合物を減少させ、ダイオキシン類の発生を
抑制させるものとした。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】請求項9記載の発明は、請求項2に特定し
た可塑剤は、DOP,n−DOP,DINP,DID
P,混合アルキルフタレート,TOTM,テトラ−n−
オクチルピロメリテート,DOA,DOZ,DOS,エ
ポキシ化大豆油,エポキシ化アマニ油,塩素化パラフィ
ンの群の内から選ばれた可塑剤としたことを特徴とする
請求項2記載のダイオキシン類発生抑制機能保持の塩化
ビニル系樹脂組成物。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について詳細
に説明する。この発明において塩化ビニル系樹脂とは塩
化ビニル樹脂およびその重合体、ポリ塩化ビニリデンお
よびその重合体、塩素化ポリエチレン等、塩を含むも
のである。これらの樹脂に仮焼ドロマイトまたはその水
和物を適量混合せしめて燃焼時に発生する塩化水素を直
ちに捕捉させようとするもので、換言すればダイオキシ
ン発生の自己抑制機能を賦与したものである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】また、前記の溶剤または鉱油に添加する脂
肪酸としては酪酸、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴ
ン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリス
チン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベ
ヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メ
リシン酸、12ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、
リシノール酸、トール油脂肪酸などがあげられる。この
場合、比較的低温で溶解する炭素10以上の脂肪酸の使
用が、マイクロカプセル化ダイオキシン類発生抑制剤の
樹脂中での分散性向上のために望ましい。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】また、このようなマイクロカプセル化の一
方法として、塩化ビニル系樹脂に配合される可塑剤50
〜200重量部に対して前記の脂肪酸の群の内から選ば
れた1種を8〜100重量部を混合し、更に、平均粒径
0.1〜5μm範囲の仮焼ドロマイトまたはその水和物
100重量部を混合して、当該脂肪酸の融点温度条件下
で攪拌し、反応させてその表面に金属石けんによる表
面改質をすることも可能である。このようにして表面改
質した仮焼ドロマイトまたはその水和物は、この可塑剤
を塩化ビニル系樹脂に添加する際にその混合量を加味し
て適量を計量することが必要である。なお、前記の脂肪
酸の溶液中に酸化亜鉛を混合しておくことによって微粒
子の表面をステアリン酸亜鉛に改質することで塩化ビニ
ル樹脂の初期安定化が期待されることは勿論である。こ
こに使用できる可塑剤としてはDOP,n−DOP、D
INP,DIDP、混合アルキルフタレート等のフタル
酸エステル、TOTM,テトラ−n−オクチルピロメリ
テート等の芳香族カルボン酸エステル系、DOA,DO
Z,DOS等の脂肪酸塩基性エステル系、エポキシ化
大豆油、エポキシ化アマニ油等のエポキシ系、塩素化パ
ラフィン、ポリエステル系があり、この中の1種または
2種以上の併用が可能である。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】このように塩化ビニル系樹脂の変色が防止
される仕組みは、ダイオキシン類発生抑制剤が塩化ビニ
ル樹脂に充填され、加熱、混練されることによってその
表面のマイクロカプセル部分の金属石けんが、該塩化ビ
ニル樹脂中にあって不安定で離脱し易く、分解の開始点
となり易いアリル塩素と化学反応することにより、図1
(c)に示すように該塩化ビニル樹脂が安定化すること
による。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】このダイオキシン類は塩化水素が未の炭
化合物と結合することによって生成される。本抑制剤
がマグネシウムを含んでいることによって、塩化水素を
低減させると同時にMgOの触媒作用によって未炭素
合物減少させてダイオキシン類の生成を阻止するもの
と考えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/098 C08K 9/04 7/26 9/10 9/04 B01J 13/02 A 9/10 B01D 53/34 134A (72)発明者 新 剛實 鳥取県八頭郡用瀬町大字用瀬7番地2用瀬 電機株式会社内 (72)発明者 原田 齋 大阪府富田林市中野町東2丁目3番57号住 吉金属株式会社内 (72)発明者 平岡 正勝 滋賀県草津市野路東1町目1番1号立命館 大学総合理工学研究機構内 (72)発明者 宮内 修平 大阪府和泉市あゆみ野2丁目7番1号大阪 府立産業技術総合研究所内 (72)発明者 井本 泰造 大阪府和泉市あゆみ野2丁目7番1号大阪 府立産業技術総合研究所内 Fターム(参考) 4D002 AA19 BA03 BA14 DA05 DA06 DA12 EA06 GA01 GB12 4G005 AA01 AB15 BA20 BB08 BB22 BB30 DA13X DB03W DC02W DC03W DC07W DC12W DC15W DC26Y DC26Z DC32W DC41W DC61W DC68Z DE08X EA10 4J002 AE052 BB241 BD031 BD041 BD051 BD101 CD162 CF002 DE109 DE236 EF038 EF058 EG049 EH097 EH147 EW047 FA096 FB016 FB086 FB236 FB266 FB286 FD027 FD206 GC00 GM00 GQ01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも有効成分の一つとして平均粒径
    0.1〜5μmであって多数の凹凸がありスポンジ状に
    なっている仮焼ドロマイトまたはその水和物の微粒子を
    含有してなることを特徴とするダイオキシン類発生抑制
    機能保持の塩化ビニル系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、可
    塑剤5〜200重量部、平均粒径0.1〜5μmの範囲
    内であって多数の凹凸がありスポンジ状になっている仮
    焼ドロマイトまたはその水和物の微粒子10〜200重
    量部、脂肪酸5〜200重量部、平均粒径0.1〜5μ
    mの範囲内の亜鉛華5〜100重量部または脂肪酸亜鉛
    1〜25重量部をそれぞれ配合してなることを特徴とす
    るダイオキシン類発生抑制剤機能保持の塩化ビニル系樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】仮焼ドロマイトまたはその水和物は、その
    表面を脂肪酸またはその脂肪酸の反応物によってマイク
    ロカプセル化したことを特徴とする請求項1または請求
    項2記載のダイオキシン類発生抑制機能保持の塩化ビニ
    ル系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】表面に金属石けん類を形成した仮焼ドロマ
    イトまたはその水和物の微粒子を含有していることを特
    徴とする請求項1または請求項2記載のダイオキシン類
    発生抑制機能保持の塩化ビニル系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】表面を脂肪酸またはその脂肪酸の反応物に
    よってコーティングまたはマイクロカプセル化した仮焼
    ドロマイトまたはその水和物の微粒子を含有しているこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2記載のダイオキ
    シン類発生抑制機能保持の塩化ビニル系樹脂組成物。
  6. 【請求項6】請求項3記載のダイオキシン類発生抑制機
    能保持の塩化ビニル系樹脂組成物が含有する仮焼ドロマ
    イトまたはその水和物のカプセル化は、ドロマイトを9
    00℃〜1200℃で仮焼し粉砕または消化して微粒化
    し、次いで、攪拌機中に溶剤または鉱油と、脂肪酸類お
    よび前記のドロマイト微粒を投入混合して該ドロマイト
    が平均粒径0.1〜5μmになるまで湿式微粉砕と同時
    にその破砕表面を金属石けん類により被覆することを特
    徴とする仮焼ドロマイトまたはその水和物のマイクロカ
    プセル体製造方法。
  7. 【請求項7】脂肪酸は、酪酸、カプロン酸、カプリル
    酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリ
    ン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ア
    ラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モ
    ンタン酸、メリシン酸、1,2ヒドロキシステアリン酸、
    オレイン酸、リシノール酸、トール油脂肪酸の群の内か
    ら選ばれた脂肪酸としたことを特徴とする請求項6記載
    の仮焼ドロマイトまたはその水和物のマイクロカプセル
    体製造方法。
  8. 【請求項8】脂肪酸類の溶融が、水以外の鉱油または溶
    剤であるアセトン、メチルエチルケトン、イソプロピル
    アルコール、ヘキサン、メタノール等である。また、イ
    ソオクタン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロ
    ヘキサン、トルエン、メチルイソプチルケトン、酢酸イ
    ソプロピル、トリクレン、トリクロロエタン、バークレ
    ン、クロールベンゼン、ニトロメタン、ニトロエタン、
    メチルセロソルブ、アセトニトリル、キシレン、ジメチ
    ルホルムアルデヒド、ニトロベンゼン、エチレングリコ
    ールの群の中から選ばれた1ないし数種であることを特
    徴とする請求項6記載の仮焼ドロマイトまたはその水和
    物のマイクロカプセル体製造方法。
  9. 【請求項9】請求項2に特定した可塑剤は、DOP,n
    −DOP,DINP,DIDP,混合アルキルフタレー
    ト,TOTM,テトラ−n−オクチルピロメリテート,
    DOA,DOZ,DOS,エポキシ化大豆油,エポキシ
    化アマニ油,塩素化パラフィンの群の内から選ばれた可
    塑剤としたことを特徴とする請求項2記載のダイオキシ
    ン類発生抑制機能保持の塩化ビニル系樹脂組成物。
  10. 【請求項10】請求項7記載の脂肪酸の群の内から選ば
    れた1種を請求項9記載の可塑剤の群の内から選ばれた
    1または2以上の可塑剤50〜200重量部に混合し、
    更に、平均粒径0.1〜5μm範囲の仮焼ドロマイトま
    たはその水和物100重量部を混合して、該混合物を脂
    肪酸の溶融温度以上の温度下で攪拌し、該仮焼ドロマイ
    トまたはその水和物の表面に金属石けん類を生成せしめ
    マイクロカプセル化することを特徴とするダイオキシン
    類発生抑制剤の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2072567A1 (de) * 2007-12-18 2009-06-24 Bene_fit Systems GmbH & Co. KG Zusammensetzung zur Stabilisierung halogenhaltiger Polymere, Verfahren zu ihrer Herstellung und Verwendung
JP2011006594A (ja) * 2009-06-26 2011-01-13 Lonseal Corp ポリ塩化ビニル系樹脂組成物及びそれよりなる成形品
JP2018141113A (ja) * 2017-02-28 2018-09-13 大日本印刷株式会社 機能性シート

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