JP2019063882A - ロボットの異常判定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ロボットを自動運転しつつ周波数解析により異常を判定する異常判定装置において、異常の発見が遅れることを抑制しつつ、処理負荷を軽減する。【解決手段】ロボット10の異常判定装置70であって、ロボットが自動運転により所定動作を実行中に、関節を回転させる際のトルク相関量の波形である第1波形を取得する第1波形取得部71と、ロボットが正常な状態で自動運転により所定動作を実行中に取得した第2波形と第1波形との偏差波形を取得する偏差波形取得部72と、偏差波形に、半値幅が所定幅よりも狭いピークが所定頻度よりも高い頻度で含まれているか否か判定する第1判定部73と、第1判定部により肯定判定されたことを条件として、偏差波形について周波数解析を行って、関節に対応する特定周波数の振幅を抽出する周波数解析部74と、特定周波数の振幅に基づいて、関節に異常が生じたか否か判定する第2判定部75と、を備える。【選択図】 図3
Description
本発明は、ロボットの関節の異常を判定する異常判定装置に関する。
従来、生産工程中のロボットのトルクデータを周波数解析した結果と、ロボットが正常に動作している時に取得された正常時データとを比較して、異常判定を実行する装置がある(特許文献1参照)。特許文献1に記載の装置では、速度が一定である期間のトルクデータを抽出して、周波数解析を行っている。
ところで、装置によりロボットを自動運転中に頻繁に周波数解析を行うと、装置の処理負荷が大きくなる。一方、異常判定を行う頻度を下げれば、異常の発見が遅れるおそれがある。
本発明は、こうした課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、ロボットを自動運転しつつ周波数解析により異常を判定する異常判定装置において、異常の発見が遅れることを抑制しつつ、処理負荷を軽減することにある。
上記課題を解決するための第1の手段は、
関節を備えるロボットを自動運転しつつ前記関節の異常を判定する異常判定装置であって、
前記ロボットが自動運転により所定動作を実行中に、前記関節を回転させる際のトルク及び前記トルクに相関するパラメータを含むトルク相関量の波形である第1波形を取得する第1波形取得部と、
前記ロボットが正常な状態で自動運転により前記所定動作を実行中に取得した前記トルク相関量の波形である第2波形と、前記第1波形との偏差の波形である偏差波形を取得する偏差波形取得部と、
前記偏差波形取得部により取得された前記偏差波形に、半値幅が所定幅よりも狭いピークが所定頻度よりも高い頻度で含まれているか否か判定する第1判定部と、
前記第1判定部により肯定判定されたことを条件として、前記偏差波形取得部により取得された前記偏差波形について周波数解析を行って、前記関節に対応する特定周波数の振幅を抽出する周波数解析部と、
前記周波数解析部により抽出された前記特定周波数の振幅に基づいて、前記関節に異常が生じたか否か判定する第2判定部と、
を備える。
関節を備えるロボットを自動運転しつつ前記関節の異常を判定する異常判定装置であって、
前記ロボットが自動運転により所定動作を実行中に、前記関節を回転させる際のトルク及び前記トルクに相関するパラメータを含むトルク相関量の波形である第1波形を取得する第1波形取得部と、
前記ロボットが正常な状態で自動運転により前記所定動作を実行中に取得した前記トルク相関量の波形である第2波形と、前記第1波形との偏差の波形である偏差波形を取得する偏差波形取得部と、
前記偏差波形取得部により取得された前記偏差波形に、半値幅が所定幅よりも狭いピークが所定頻度よりも高い頻度で含まれているか否か判定する第1判定部と、
前記第1判定部により肯定判定されたことを条件として、前記偏差波形取得部により取得された前記偏差波形について周波数解析を行って、前記関節に対応する特定周波数の振幅を抽出する周波数解析部と、
前記周波数解析部により抽出された前記特定周波数の振幅に基づいて、前記関節に異常が生じたか否か判定する第2判定部と、
を備える。
上記構成によれば、異常判定装置は、関節を備えるロボットを自動運転しつつ関節の異常を判定する。第1波形取得部により、ロボットが自動運転により所定動作を実行中に、関節を回転させる際のトルク及びトルクに相関するパラメータを含むトルク相関量の波形である第1波形が取得される。なお、トルクに相関するパラメータとして、関節を駆動するモータに流れる電流、モータの回転加速度、それらと基準値との比等を採用することができる。
ロボットが正常な状態で自動運転により上記所定動作を実行中に、上記トルク相関量の波形である第2波形が取得されている。そして、偏差波形取得部により、第2波形と第1波形との偏差の波形である偏差波形が取得される。第1波形の取得時にロボットが正常な状態であれば、第1波形は第2波形に近い波形となるため、偏差波形は0付近で緩かに変動する波形となる。一方、関節において摺動部材に傷が付いたり、機械部品の間に異物が混入したりした場合、関節が回転する際にその傷や異物の箇所で短時間の特定トルク変動(固有振動)が生じる。このため、第1波形に半値幅の狭いピークが周期的に生じ、偏差波形にも同様のピークが生じる。
この点、第1判定部により、偏差波形取得部により取得された偏差波形に、半値幅が所定幅よりも狭いピークが所定頻度よりも高い頻度で含まれているか否か判定される。そして、周波数解析部は、第1判定部により肯定判定されたことを条件として、偏差波形について周波数解析を行って、関節に対応する特定周波数の振幅を抽出する。このため、関節に異常が生じた可能性の高い場合に周波数解析が行われ、関節に異常が生じた可能性の高くない場合は周波数解析が行われない。その後、第2判定部によって、周波数解析部により抽出された特定周波数の振幅に基づいて、関節に異常が生じたか否か判定される。
周波数解析が行われないのは、関節に異常が生じた可能性が高くない場合である。一方、関節に異常が生じた可能性が高い場合は、周波数解析が行われる。このため、周波数解析を頻繁に行わなくても、異常の発見が遅れることを抑制することができる。したがって、ロボットを自動運転しつつ周波数解析により異常を判定する異常判定装置において、異常の発見が遅れることを抑制しつつ、処理負荷を軽減することができる。
従来技術では、生産工程中のロボットのトルクデータを周波数解析した結果と、ロボットが正常に動作している時に取得された正常時データとを比較して、異常判定を実行している。この場合、生産工程中に取得した周波数解析の結果と、正常動作時に取得した周波数解析の結果とを比較する必要がある。
これに対して、第2の手段では、前記第2判定部は、周波数解析部により抽出された前記特定周波数の振幅が閾値よりも大きい場合に、前記関節に異常が生じたと判定する。すなわち、偏差波形について周波数解析した結果と閾値との比較により、関節に異常が生じたと判定することができる。したがって、より簡易な処理により、関節に異常が生じたか否か判定することができる。
関節において摺動部材に傷が付いたり、機械部品の間に異物が混入したりした場合に生じる特定トルク変動(固有振動)の周波数は、関節の回転速度に比例する。このため、関節の回転速度が一定でない場合は、周波数解析により得られる特定トルク変動の周波数が特定周波数からずれるおそれがある。
この点、第3の手段では、前記周波数解析部は、前記第1判定部により肯定判定されたことを条件として、前記偏差波形取得部により取得された前記偏差波形を前記関節の回転速度に応じて補正した上で周波数解析を行って、前記関節に対応する特定周波数の振幅を抽出する。このため、関節の回転速度が一定でない場合であっても、特定トルク変動を周波数解析により特定周波数のトルク変動として適切に抽出することができる。したがって、関節に異常が生じたか否かを正確に判定することができる。
関節の回転速度が低いほど、特定トルク変動の生じる時間間隔が長くなる。このため、例えば関節の回転速度が一定回転速度になるまで加速する際に、回転速度が一定回転速度よりも低い期間は特定トルク変動の周波数が低くなる。
この点、第4の手段では、前記周波数解析部は、前記偏差波形取得部により取得された前記偏差波形を、前記関節の回転速度が低い部分ほど時間に対して短縮するように補正する。したがって、周波数解析により得られる特定トルク変動の周波数が、特定周波数からずれることを抑制することができる。
また、第5の手段では、前記周波数解析部は、前記第1判定部により肯定判定されたことを条件として、前記偏差波形取得部により取得された前記偏差波形のうち前記関節の回転速度の変動幅が所定幅よりも狭い部分に限定して周波数解析を行って、前記関節に対応する特定周波数の振幅を抽出する。こうした構成によれば、関節の回転速度が一定でない場合であっても、周波数解析に用いられる偏差波形が、関節の回転速度の変動幅が所定幅よりも狭い部分に限定される。したがって、周波数解析により得られる特定トルク変動の周波数が、特定周波数からずれることを抑制することができる。
以下、垂直多関節型ロボットの制御装置に具現化した一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態のロボットは、例えば産業用ロボットとして機械組立工場などの組立システムにて用いられる。
はじめに、ロボット10の概要を図1に基づいて説明する。
ロボット10は、例えば6軸の垂直多関節型ロボットとして構成されている。ロボット10は、ベース11、ショルダ部13、下アーム15、第1上アーム16A、第2上アーム16B、手首部17、及びフランジ18を備えている。ショルダ部13(第1回転部)は、ベース11により水平方向に回転可能に支持されている(J1軸)。下アーム15(第2回転部)は、ショルダ部13により上下方向に回転可能に支持されている(J2軸)。第1上アーム16A(第3回転部)は、下アーム15により上下方向に回転可能に支持されている(J3軸)。第2上アーム16B(第4回転部)は、第1上アーム16Aにより捻り回転可能に支持されている(J4軸)。手首部17(第5回転部)は、第2上アーム16Bにより上下方向に回転可能に支持されている(J5軸)。フランジ18(第6回転部)は、手首部17により捻り回転可能に支持されている(J6軸)。
ベース11、ショルダ部13、下アーム15、第1上アーム16A、第2上アーム16B、手首部17及びフランジ18は、ロボット10のアームとして機能する。アーム先端であるフランジ18には、図示は省略するが、エンドエフェクタ(手先)が取り付けられる。ロボット10の各関節(各回転部)は、対応して設けられた各モータ31(図3参照)により駆動(回転)される。
各関節には、それぞれ軸受けが設けられている。図2は、1つの軸受け20を示している。
同図に示すように、軸受け20(転がり軸受け)は、例えば周知のボールベアリング(玉軸受)であり、内輪21、外輪22、転動体23等を備えている。内輪21と外輪22との間に、複数の転動体23(玉又はころ)が設けられている。各転動体23は、内輪21に形成された転走面21a、及び外輪22に形成された転走面22aに転がり接触することで摺動する。軸受け20としては、クロスローラベアリング等を採用することもできる。
図3は、ロボット10、及びコントローラ70の機能を示すブロック図である。
コントローラ70(ロボットの異常判定装置)は、CPU、ROM、RAM、駆動回路、入出力インターフェース等を備えるマイクロコンピュータとして構成されている。そして、コントローラ70は、第1波形取得部71、偏差波形取得部72、第1判定部73、周波数解析部74、及び第2判定部75の機能を実現する。なお、同図では、1つの関節に対応する構成を記載しているが、モータ31、位置検出部34及び電流検出部35は、各関節に設けられている。
コントローラ70には、各関節に設けられたモータ31が接続されている。これらのモータ31は、コントローラ70からの制御信号に基づいて駆動される。
コントローラ70には、関節の回転位置を検出する位置検出部34(例えばエンコーダ)が接続されている。コントローラ70には、各位置検出部34から各関節の回転位置情報が入力される。コントローラ70には、モータ31に流れる電流値を検出する電流検出部35が接続されている。コントローラ70には、各電流検出部35から各モータ31の電流値が入力される。位置検出部34及び電流検出部35は、それぞれ回転位置及び電流値を所定周期(例えば数ms〜数十ms)で検出する。コントローラ70は、各位置検出部34により検出された回転位置、及び電流検出部35により検出された電流値を記憶する。コントローラ70は、位置検出部34から入力される回転位置情報、及び電流検出部35から入力される電流値に基づいて、各モータ31の回転位置をフィードバック制御する。
第1波形取得部71は、ロボット10が自動運転により所定動作を実行中に、各関節を回転させる際のトルクに相関するパラメータの波形である第1波形W1を取得する。ここでは、各関節を回転させる際のトルクに相関するパラメータとして、電流検出部35から入力される各モータ31の電流値(トルク相関量)を採用している。第1波形W1は、時間に対する電流値の変化を示す波形である。なお、所定動作は、ロボット10のティーチング等により設定されている。
また、ロボット10が正常な状態で自動運転により上記所定動作を実行中に、上記電流値の波形である第2波形W2が取得されている。この第2波形W2は、例えばロボット10のティーチング終了時に、自動運転時と同様の条件でロボット10に所定動作を実行させて取得することができる。図4は、第2波形W2の一例を示すグラフである。第2波形W2は、時間に対する電流値の変化を示す波形である。
偏差波形取得部72は、上記第2波形W2と上記第1波形W1との偏差の波形である偏差波形Wdを取得する。図5は、第1波形W1及び第2波形W2の一例を示すグラフである。
ここで、第1波形W1の取得時にロボット10が正常な状態であれば、第1波形W1は第2波形W2に近い波形となるため、偏差波形Wdは0付近で緩かに変動する波形となる。図6は、偏差波形Wdの一例を示すグラフである。同図では、偏差波形Wdにおいて、各時間の偏差は0になっている。
一方、関節において摺動部材に傷が付いたり、機械部品の間に異物が混入したりした場合、関節が回転する際にその傷や異物の箇所で短時間の特定トルク変動(固有振動)が生じる。このため、第1波形W1に半値幅の狭いピークが周期的に生じる。図7は、異常時の第1波形W1、及び第2波形W2の一例を示すグラフである。同図に示すように、第1波形W1には、半値幅の狭いピークPが、一定周期ではないものの周期的に生じている。
図8は、図7の第2波形W2と第1波形W1との偏差波形Wdを示すグラフである。第1波形W1に半値幅の狭いピークPが周期的に生じる場合には、同図に示すように、偏差波形Wdにも同様のピークPが周期的に生じている。
そこで、第1判定部73は、偏差波形取得部72により取得された各関節の偏差波形Wdに、半値幅が所定幅よりも狭いピークPが所定頻度よりも高い頻度で含まれているか否か判定する。この所定幅は、電流値の長波長の変動ではなく、上記特定トルク変動による短波長の変動を判定することのできる幅に設定されている。この所定頻度は、関節が回転する際に傷や異物の箇所で生じる高頻度(高周波数)の特定トルク変動を判定することのできる頻度に設定されている。なお、ピークPの高さ(突出量)が所定高さ(所定突出量)よりも高い(大きい)ことを更に要件としてもよい。
そして、周波数解析部74は、第1判定部73により肯定判定されたことを条件として、偏差波形取得部72により取得された偏差波形Wdについて周波数解析を行って、各関節に対応する特定周波数(固有振動数)の振幅を抽出する。すなわち、周波数解析部74は、第1判定部73により肯定判定された場合に周波数解析を行い、第1判定部73により否定判定された場合には周波数解析を行わない。特定周波数は、各関節に設けられた軸受けの仕様等に対応して定まっている。
図9は、図6の偏差波形Wdについて周波数解析を行った結果を示すスペクトルである。同図に示すように、いずれの周波数においても、振幅が閾値よりも大きくなっていない。
図10は、図8の偏差波形Wdについて周波数解析を行った結果を示すスペクトルである。同図に示すように、特定周波数H1において、振幅が閾値よりも大きくなっている。特定周波数H2においては、振幅が閾値よりも大きくなっていない。なお、特定周波数は、同図に異常領域を設定した範囲の周波数にのみ存在し、0〜周波数H0までの範囲には存在しない。
そして、第2判定部75は、周波数解析部74により抽出された特定周波数H1,H2の振幅が閾値よりも大きい場合に、特定周波数H1,H2に対応する関節(詳しくは軸受け、減速機等)に異常が生じたと判定(異常が生じた軸受け等を特定)する。このため、周波数解析を行った結果が図9であった場合は、第2判定部75は関節に異常が生じていないと判定する。一方、周波数解析を行った結果が図10であった場合は、第2判定部75は特定周波数H1に対応する関節に異常が生じていると判定する。すなわち、第2判定部75は、周波数解析部74により抽出された特定周波数H1,H2の振幅に基づいて、関節に異常が生じたか否か判定する。なお、上記閾値は、想定される特定トルク変動の大きさに応じて設定された一定値であってもよいし、周波数解析の結果においてトルク変動の標準偏差σに基づき設定される値(例えば2σ)であってもよい。
そして、コントローラ70は、図11に示す異常判定を一定期間毎(例えば数秒毎)に実行する。この一連の処理は、各関節について実行される。ここでは、1つの関節についての異常判定の手順を説明する。
第1波形W1を取得する(S10)。第2波形W2と第1波形W1との偏差の波形である偏差波形Wdを取得する(S11)。偏差波形Wdに、半値幅が所定幅よりも狭いピークPが所定頻度よりも高い頻度で含まれているか否か判定する(S12)。この判定において、肯定判定した場合(S12:YES)、偏差波形Wdについて周波数解析を行って、関節に対応する特定周波数H1,H2(固有振動数)の振幅を抽出する(S13)。特定周波数H1,H2の振幅に基づいて、関節に異常が生じたか否か判定する(S14)。その後、この一連の処理を終了する(END)。一方、S12の判定において、否定判定した場合(S12:NO)、この一連の処理を終了する(END)。
以上詳述した本実施形態は、以下の利点を有する。
・第1判定部73により、偏差波形取得部72により取得された偏差波形Wdに、半値幅が所定幅よりも狭いピークPが所定頻度よりも高い頻度で含まれているか否か判定される。そして、周波数解析部74は、第1判定部73により肯定判定されたことを条件として、偏差波形Wdについて周波数解析を行って、関節に対応する特定周波数H1,H2の振幅を抽出する。このため、コントローラ70は、関節に異常が生じた可能性が高い場合に周波数解析を行い、関節に異常が生じた可能性の高くない場合は周波数解析を行わないようにすることができる。その後、第2判定部75によって、周波数解析部74により抽出された特定周波数H1,H2の振幅に基づいて、関節に異常が生じたか否か判定することができる。
・周波数解析が行われないのは、関節に異常が生じた可能性が高くない場合である。一方、関節に異常が生じた可能性が高い場合は、周波数解析が行われる。このため、周波数解析を頻繁に行わなくても、異常の発見が遅れることを抑制することができる。したがって、ロボット10を自動運転しつつ周波数解析により異常を判定するコントローラ70において、異常の発見が遅れることを抑制しつつ、処理負荷を軽減することができる。
・従来技術では、生産工程中のロボットのトルクデータを周波数解析した結果と、ロボットが正常に動作している時に取得された正常時データとを比較して、異常判定を実行している。この場合、生産工程中に取得した周波数解析の結果と、正常動作時に取得した周波数解析の結果とを比較する必要がある。これに対して、第2判定部75は、周波数解析部74により抽出された特定周波数H1,H2の振幅が閾値よりも大きい場合に、関節に異常が生じたと判定する。すなわち、偏差波形Wdについて周波数解析した結果と閾値との比較により、関節に異常が生じたと判定することができる。したがって、より簡易な処理により、関節に異常が生じたか否か判定することができる。
なお、上記実施形態を、以下のように変更して実施することもできる。上記実施形態と同一の部分については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
・関節において摺動部材に傷が付いたり、機械部品の間に異物が混入したりした場合に生じる特定トルク変動(固有振動)の周波数は、関節の回転速度に比例する。このため、関節の回転速度が一定でない場合は、周波数解析により得られる特定トルク変動の周波数が特定周波数H1,H2からずれるおそれがある。
そこで、周波数解析部74は、第1判定部73により肯定判定されたことを条件として、偏差波形取得部72により取得された偏差波形Wdを関節の回転速度に応じて補正した上で周波数解析を行って、関節に対応する特定周波数H1,H2の振幅を抽出してもよい。こうした構成によれば、関節の回転速度が一定でない場合であっても、特定トルク変動を周波数解析により特定周波数H1,H2のトルク変動として適切に抽出することができる。したがって、関節に異常が生じたか否かを正確に判定することができる。
・関節の回転速度が低いほど、特定トルク変動の生じる時間間隔が長くなる。このため、例えば関節の回転速度が一定回転速度になるまで加速する際に、回転速度が一定回転速度よりも低い期間は特定トルク変動の周波数が低くなる。また、関節の回転速度が一定回転速度から減速する際に、回転速度が一定回転速度よりも低い期間は特定トルク変動の周波数が低くなる。
そこで、具体的には、周波数解析部74は、偏差波形取得部72により取得された偏差波形Wdを、関節の回転速度が低い部分ほど時間に対して短縮するように補正するとよい。こうした構成によれば、周波数解析により得られる特定トルク変動の周波数が、特定周波数H1,H2からずれることを抑制することができる。
・また、周波数解析部74は、第1判定部73により肯定判定されたことを条件として、偏差波形取得部72により取得された偏差波形Wdのうち関節の回転速度の変動幅が所定幅よりも狭い部分に限定して周波数解析を行って、関節に対応する特定周波数H1,H2の振幅を抽出してもよい。こうした構成によれば、関節の回転速度が一定でない場合であっても、周波数解析に用いられる偏差波形Wdが、関節の回転速度の変動幅が所定幅よりも狭い部分に限定される。したがって、周波数解析により得られる特定トルク変動の周波数が、特定周波数H1,H2からずれることを抑制することができる。なお、ロボット10の自動運転において関節の回転速度が一定の期間の割合が高ければ、関節の回転速度が変化する影響を考慮しなくてもよい。
・トルク相関量として、電流検出部35により検出された電流値に代えて、コントローラ70による電流の指令値や、モータ31の回転加速度、モータ31のトルク、基準値に対する電流値の比等を採用することもできる。
・ロボット10は、垂直多関節型ロボットに限らず、水平多関節型ロボット等であってもよい。
10…ロボット、70…コントローラ(ロボットの異常判定装置)、71…第1波形取得部、72…偏差波形取得部、73…第1判定部、74…周波数解析部、75…第2判定部。
Claims (5)
- 関節を備えるロボットを自動運転しつつ前記関節の異常を判定する異常判定装置であって、
前記ロボットが自動運転により所定動作を実行中に、前記関節を回転させる際のトルク及び前記トルクに相関するパラメータを含むトルク相関量の波形である第1波形を取得する第1波形取得部と、
前記ロボットが正常な状態で自動運転により前記所定動作を実行中に取得した前記トルク相関量の波形である第2波形と、前記第1波形との偏差の波形である偏差波形を取得する偏差波形取得部と、
前記偏差波形取得部により取得された前記偏差波形に、半値幅が所定幅よりも狭いピークが所定頻度よりも高い頻度で含まれているか否か判定する第1判定部と、
前記第1判定部により肯定判定されたことを条件として、前記偏差波形取得部により取得された前記偏差波形について周波数解析を行って、前記関節に対応する特定周波数の振幅を抽出する周波数解析部と、
前記周波数解析部により抽出された前記特定周波数の振幅に基づいて、前記関節に異常が生じたか否か判定する第2判定部と、
を備えるロボットの異常判定装置。 - 前記第2判定部は、前記周波数解析部により抽出された前記特定周波数の振幅が閾値よりも大きい場合に、前記関節に異常が生じたと判定する、請求項1に記載のロボットの異常判定装置。
- 前記周波数解析部は、前記第1判定部により肯定判定されたことを条件として、前記偏差波形取得部により取得された前記偏差波形を前記関節の回転速度に応じて補正した上で周波数解析を行って、前記関節に対応する特定周波数の振幅を抽出する、請求項1又は2に記載のロボットの異常判定装置。
- 前記周波数解析部は、前記偏差波形取得部により取得された前記偏差波形を、前記関節の回転速度が低い部分ほど時間に対して短縮するように補正する、請求項3に記載のロボットの異常判定装置。
- 前記周波数解析部は、前記第1判定部により肯定判定されたことを条件として、前記偏差波形取得部により取得された前記偏差波形のうち前記関節の回転速度の変動幅が所定幅よりも狭い部分に限定して周波数解析を行って、前記関節に対応する特定周波数の振幅を抽出する、請求項1又は2に記載のロボットの異常判定装置。
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