JP2013144325A - ロボット装置、故障検出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アーム13を旋回させる回転動力を発生するモーター17と、モーター17の出力軸の回転量を検出する角度センサー19と、アーム13の動作を検出する角速度センサー15と、アーム13を旋回させた場合に、角度センサー19からの出力結果OP1に基づいて得られるアーム13の動作の推移をスペクトル分析して、周波数スペクトルSP1aを算出する周波数分析部105と、角速度センサー15からの出力結果OP2に基づいて得られるアーム13の動作の推移をスペクトル分析して、周波数スペクトルSP2aを算出する周波数分析部107と、アーム13の固有振動周波数を除いた周波数スペクトルSP1bと周波数スペクトルSP2bとの差が許容値を超えた場合に、故障が発生したものと判定する比較判定部111と、を有するロボット装置。
【選択図】図3
Description
特許文献1に記載されたロボット装置では、エンコーダーと慣性センサーとの間に弾性体が介在しているとみなされ得る。このため、特許文献1に記載されたロボット装置では、エンコーダーからの出力に基づいて把握されるアームの目標旋回量と、慣性センサーからの出力に基づいて把握されるアームの実旋回量との間に差が生じやすい。慣性センサーに異常がなくても、目標旋回量と実旋回量との間に差が生じることがあるので、目標旋回量と実旋回量との差の許容範囲を広く設定しなければ、異常であるとの判定がされてしまいやすい。このため、弾性体がエンコーダーと慣性センサーとの間に介在しているなど、目標旋回量と実旋回量との間に差が生じる状況で慣性センサーの異常を判定する場合には、判定基準となる許容範囲を広く設定しておく必要がある。
他方で、異常判定における許容範囲を広く設定するということは、異常判定における判定精度を低くするということになる。このことは、慣性センサーに生じた異常(故障)を検出できない可能性が高まることを意味する。
つまり、従来のロボット装置では、故障検出の精度を向上させることが困難であるという課題がある。
第1分析部は、回転量センサーからの出力結果に基づいて、第1周波数スペクトルを算出する。第2分析部は、慣性センサーからの出力結果に基づいて、第2周波数スペクトルを算出する。
そして、判定部は、第1周波数スペクトルと第2周波数スペクトルとの差が許容値を超えた場合に、故障が発生したものと判定する。つまり、このロボット装置では、回転量センサーからの出力結果に基づく周波数スペクトルと、慣性センサーからの出力結果に基づく周波数スペクトルとを比較することによって故障の判定が行われる。このとき、このロボット装置では、アームの固有振動周波数を除いた第1周波数スペクトルと第2周波数スペクトルとの差に基づいて故障の判定が行われる。これは、アームの固有振動周波数において、第1周波数スペクトルと第2周波数スペクトルとの間に大きな差が発生するからである。これは、回転動力の伝達経路やアームを含むロボット装置の複合的な弾性が要因の1つであると考えられる。
固有振動周波数の領域を除いて、回転量センサーからの出力結果に基づく周波数スペクトルと、慣性センサーからの出力結果に基づく周波数スペクトルとの間には、回転量センサーからの出力結果に基づくアームの動作の推移と、慣性センサーからの出力結果に基づくアームの動作の推移との間の相関関係よりも強い相関関係がある。このため、このロボット装置では、回転量センサーからの出力結果に基づくアームの動作の推移と、慣性センサーからの出力結果に基づくアームの動作の推移との差に基づいて故障を判定する場合に比較して、判定基準となる許容値を小さくしても、故障の誤判定を低く抑えることができる。この結果、判定基準となる許容値を小さくすることができるので、故障検出の精度を向上させることができる。
第1分析部は、第1回転量出力結果と第2回転量出力結果とを合成して、第1周波数スペクトルを算出する。第2分析部は、慣性センサー出力結果に基づいて、第2周波数スペクトルを算出する。
そして、判定部は、第1周波数スペクトルと第2周波数スペクトルとの差が許容値を超えた場合に、故障が発生したものと判定する。つまり、このロボット装置では、回転量センサーからの出力結果に基づく周波数スペクトルと、慣性センサーからの出力結果に基づく周波数スペクトルとを比較することによって故障の判定が行われる。このとき、このロボット装置では、第1アーム及び第2アームの複合した固有振動周波数を除いた第1周波数スペクトルと第2周波数スペクトルとの差に基づいて故障の判定が行われる。これは、第1アーム及び第2アームの複合した固有振動周波数において、第1周波数スペクトルと第2周波数スペクトルとの間に大きな差が発生するからである。これは、回転動力の伝達経路や第1アーム及び第2アームを含むロボット装置の複合的な弾性が要因の1つであると考えられる。
第1アーム及び第2アームの複合した固有振動周波数は、第1アームに対する第2アームの姿勢に応じて異なる。このロボット装置では、第1アームに対する第2アームの姿勢が複数の水準に層別され、記憶部が、層別された姿勢ごとに、その姿勢に対応する固有振動周波数を記憶している。そして、判定部は、第1アームに対する第2アームの姿勢に応じて、その姿勢に対応する固有振動周波数を除いた第1周波数スペクトルと第2周波数スペクトルとの差に基づいて判定する。
固有振動周波数の領域を除いて、第1回転量センサー及び第2回転量センサーからの出力結果に基づく周波数スペクトルと、慣性センサーからの出力結果に基づく周波数スペクトルとの間には、第1回転量センサー及び第2回転量センサーからの出力結果に基づく第2アームの動作の推移と、慣性センサーからの出力結果に基づく第2アームの動作の推移との間の相関関係よりも強い相関関係がある。このため、このロボット装置では、第1回転量センサー及び第2回転量センサーからの出力結果に基づく第2アームの動作の推移と、慣性センサーからの出力結果に基づく第2アームの動作の推移との差に基づいて故障を判定する場合に比較して、判定基準となる許容値を小さくしても、故障の誤判定を低く抑えることができる。この結果、判定基準となる許容値を小さくすることができるので、故障検出の精度を向上させることができる。
このとき、この故障検出方法では、アームの固有振動周波数を除いた第1周波数スペクトルと第2周波数スペクトルとの差に基づいて故障の判定を行う。これは、アームの固有振動周波数において、第1周波数スペクトルと第2周波数スペクトルとの間に大きな差が発生するからである。これは、回転動力の伝達経路やアームを含むロボット装置の複合的な弾性が要因の1つであると考えられる。
固有振動周波数の領域を除いて、出力軸の回転量に基づく周波数スペクトルと、慣性センサーからの出力結果に基づく周波数スペクトルとの間には、出力軸の回転量に基づくアームの動作の推移と、慣性センサーからの出力結果に基づくアームの動作の推移との間の相関関係よりも強い相関関係がある。このため、この故障検出方法では、出力軸の回転量に基づくアームの動作の推移と、慣性センサーからの出力結果に基づくアームの動作の推移との差に基づいて故障を判定する場合に比較して、判定基準となる許容値を小さくしても、故障の誤判定を低く抑えることができる。この結果、判定基準となる許容値を小さくすることができるので、故障検出の精度を向上させることができる。
このとき、この故障検出方法では、第1アーム及び第2アームの複合した固有振動周波数を除いた第1周波数スペクトルと第2周波数スペクトルとの差に基づいて故障の判定を行う。これは、第1アーム及び第2アームの複合した固有振動周波数において、第1周波数スペクトルと第2周波数スペクトルとの間に大きな差が発生するからである。これは、回転動力の伝達経路や第1アーム及び第2アームを含むロボット装置の複合的な弾性が要因の1つであると考えられる。
第1アーム及び第2アームの複合した固有振動周波数は、第1アームに対する第2アームの姿勢に応じて異なる。この故障検出方法では、第1アームに対する第2アームの姿勢が複数の水準に層別され、層別されたそれぞれの姿勢に対応する固有振動周波数を参照して、第1アームに対する第2アームの姿勢に応じて、その姿勢に対応する固有振動周波数を除いた第1周波数スペクトルと第2周波数スペクトルとの差に基づいて判定する。
固有振動周波数の領域を除いて、第1の出力軸及び第2の出力軸の回転量に基づく周波数スペクトルと、慣性センサーからの出力結果に基づく周波数スペクトルとの間には、第1の出力軸及び第2の出力軸の回転量に基づく第2アームの動作の推移と、慣性センサーからの出力結果に基づく第2アームの動作の推移との間の相関関係よりも強い相関関係がある。このため、この故障検出方法では、第1の出力軸及び第2の出力軸の回転量に基づく第2アームの動作の推移と、慣性センサーからの出力結果に基づく第2アームの動作の推移との差に基づいて故障を判定する場合に比較して、判定基準となる許容値を小さくしても、故障の誤判定を低く抑えることができる。この結果、判定基準となる許容値を小さくすることができるので、故障検出の精度を向上させることができる。
(第1実施形態)
第1実施形態におけるロボット1は、概略の構成を示す斜視図である図1(a)に示すように、基台3と、支持台5と、アーム装置7と、ハンド装置9と、を有する。
基台3は、X方向及びY方向によって規定されるXY平面に沿って延在している。なお、XY平面に直交する方向は、Z方向として定められる。
支持台5は、基台3に据えられている。支持台5は、アーム装置7を支持している。
アーム13は、一端側が関節部25を介して支持台5に支持されている。アーム13は、関節部25によって回転軸26を中心に旋回(回動)可能に構成されている。
角速度センサー15は、慣性センサーの1つであり、回転軸26を中心とするアーム13の旋回における角速度を検出する。角速度センサー15としては、例えば、回転型ジャイロスコープ、振動型ジャイロスコープ、ガス型ジャイロスコープ、リングレーザージャイロ等のジャイロスコープが採用され得る。本実施形態では、振動型ジャイロスコープに属する振動子型ジャイロスコープが採用されている。
角度センサー19は、モーター17の出力軸の回転量を検出する。本実施形態では、角度センサー19は、モーター17の出力軸の回転角度を、モーター17の出力軸の回転量として検出する。角度センサー19としては、例えば、ロータリーエンコーダーなどが採用され得る。
なお、角速度センサー15は、モーター17からアーム13までの間における回転動力の伝達経路(動力伝達機構)よりもアーム13側に設けられている。
昇降装置33は、昇降軸31をZ方向に沿って昇降させることができる。昇降装置33は、昇降軸31を昇降させるための動力を発生させる図示しない動力源を有している。動力源からの動力は、図示しない昇降機構を介して昇降軸31に伝達される。これにより、昇降軸31は、Z方向に沿って昇降することができる。なお、本実施形態では、昇降軸31を駆動するための動力源として図示しないモーターが採用されている。
昇降軸31のZ方向における下端側には、揺動装置35及び回転装置37を介してハンド部39が支持されている。
これにより、ロボット1では、一対の指部43でワークWを挟持することができる。そして、ワークWを一対の指部43で挟持した状態でアーム装置7を駆動することによって、このワークWを搬送することができる。以下においては、一対の指部43がワークWを挟持するという動作を、ハンド部39がワークWを掴むと表現したり、ハンド部39がワークWを把持すると表現したりすることがある。
回転装置37は、ハンド部39と昇降軸31との間に介在しており、ハンド部39を図1に示す回転軸45を中心に回転させることができる。
なお、揺動装置35は、ハンド部39を揺動させるための動力を発生させるモーター(図示せず)を有している。また、回転装置37は、ハンド部39を回転させるための動力を発生させるモーター(図示せず)を有している。
また、ロボット1は、モーター71と、モーター73と、モーター75と、モーター77と、を有している。モーター71、モーター73、モーター75、及びモーター77は、それぞれ、入出力インターフェイス83とバス69とを介して制御部61に接続されている。
また、ロボット1は、表示装置78と、警報装置79と、を有している。表示装置78及び警報装置79も、それぞれ、入出力インターフェイス83とバス69とを介して制御部61に接続されている。
モーター73は、揺動装置35を駆動するための動力を発生する。モーター73からの動力によって、ハンド部39を揺動させることができる。
モーター75は、回転装置37を駆動するための動力を発生する。モーター75からの動力によって、ハンド部39を回転させることができる。
モーター77は、一対の指部43を駆動するための動力を発生する。
表示装置78は、各種の情報を表示する。
警報装置79は、ロボット1に不具合が発生したときなどに、警報を発する。
なお、角速度センサー15及び角度センサー19も、それぞれ、入出力インターフェイス83とバス69とを介して制御部61に接続されている。
駆動制御部65は、モーター制御部91と、表示制御部97と、警報制御部99と、を有している。
モーター制御部91は、CPU63からの指令に基づいて、モーター17と、モーター71と、モーター73と、モーター75と、モーター77とを、個別に制御する。
表示制御部97は、CPU63からの指令に基づいて、表示装置78を制御する。
警報制御部99は、CPU63からの指令に基づいて、警報装置79を制御する。
次いで、CPU63は、モーター71を駆動させることによって昇降軸31を降下させ、ハンド部39をワークに接近させる。
次いで、CPU63は、モーター77を駆動させることによって、一対の指部43にワークを挟持させる。これにより、ワークが一対の指部43に把持される。以下において、一対の指部43がワークを把持する動作を把持動作と呼ぶ。
次いで、CPU63は、モーター71を駆動させることによって昇降軸31を上昇させ、ワークの搬送を開始させる。
次いで、CPU63は、モーター71を駆動させることによって昇降軸31を降下させ、ワークを所定の配置場所に載置させる。
次いで、CPU63は、モーター77を駆動させることによって、一対の指部43での把持動作を解除させる。これにより、1つのワークにかかる搬送処理が終了する。なお、この搬送処理において、モーター75を駆動させることによって回転装置37を駆動させ、ハンド部39を回転させたり、モーター73を駆動させることによって揺動装置35を駆動させ、ハンド部39を揺動させたりしてもよい。
本実施形態では、ロボット1は、図3に示すように、故障判定部101を有している。この故障判定部101によって、角速度センサー15や、角度センサー19の故障を速やかに検出することができる。なお、図3では、構成をわかりやすく示すため、ハンド装置9の図示が省略されている。
故障判定部101は、制御部61がモーター17を駆動させたときに、制御部61からの指令に基づいて、角度センサー19からの出力結果OP1と、角速度センサー15からの出力結果OP2とを取得する。
角度センサー19から取得された出力結果OP1は、速度演算部103に入力される。速度演算部103は、まず、角度センサー19からの出力結果OP1を、アーム13の旋回角度に換算する。次に、速度演算部103は、換算したアーム13の旋回角度を、所定の時間hごとの旋回角度に区切り、時間hごとの角速度ω1を算出する。これにより、アーム13の旋回にかかる角速度ω1の時間hごとの推移が把握される。
本実施形態では、出力結果OP1をアーム13の旋回角度に換算してからアーム13の旋回にかかる角速度ω1を算出する方法が採用されている。しかしながら、角速度ω1の算出方法は、これに限定されず、モーター17の出力軸の角速度を算出してから、この角速度をアーム13の旋回にかかる角速度ω1に換算する方法も採用され得る。
速度演算部103が算出した時間hごとの角速度ω1、すなわち角速度ω1の推移は、周波数分析部105に入力される。周波数分析部105は、角速度ω1の推移をスペクトル分析することによって、角速度ω1の推移についての周波数スペクトルSP1aを算出する。
出力結果OP2には、時々刻々と連続的に推移する角速度ω2が示される。このため、出力結果OP2は、アーム13の角速度ω2として取得される。そして、出力結果OP2は、角速度ω2として周波数分析部107に入力される。
周波数分析部107は、角速度ω1の推移をスペクトル分析することによって、角速度ω2の推移についての周波数スペクトルSP2aを算出する。
周波数スペクトルSP1a及び周波数スペクトルSP2aは、固有振動周波数除去部109に入力される。固有振動周波数除去部109は、周波数スペクトルSP1a及び周波数スペクトルSP2aのそれぞれから、アーム13の固有振動周波数の成分を除去する。
本発明者は、周波数スペクトルSP1aと周波数スペクトルSP2aとは、図4(a)及び図4(b)に示すように、固有振動周波数(固有振動数)fの成分fcを除いて、高い精度で一致するということを見出した。周波数スペクトルSP1a及び周波数スペクトルSP2aのそれぞれから、アーム13の固有振動周波数f1の成分fcを除去するのは、このような知見に基づくものである。
なお、アーム13の固有振動周波数f1は、アーム13にハンド装置9が設けられている状態での固有振動周波数f1である。且つ、アーム13の固有振動周波数f1は、モーター17からアーム13までの間における動力の伝達経路がつながっている状態でのアーム13の固有振動周波数f1である。
つまり、アーム13の固有振動周波数f1は、図1に示すロボット1におけるアーム13の固有振動周波数f1である。
周波数スペクトルSP1b及び周波数スペクトルSP2bは、比較判定部111に入力される。比較判定部111は、周波数スペクトルSP1bと周波数スペクトルSP2bとを比較することによって、故障が発生しているか否かを判定する。比較判定部111は、周波数スペクトルSP1bと周波数スペクトルSP2bとの差が、判定の基準値を超えたときに故障が発生しているものと判定する。本実施形態では、周波数スペクトルSP1bと周波数スペクトルSP2bとの差が0.83dB(1.1倍)以上であるときに、故障が発生しているものと判定される。なお、判定の基準値は、これに限定されず、任意の値が採用され得る。
制御部61は、故障報知信号WSを受けて、モーター17の駆動を停止させる。これにより、ロボット1が誤動作したり、制御不能に陥ったりすることを抑制することができるので、安全性を一層向上させることができる。
また、制御部61は、故障報知信号WSを受けて、表示装置78に故障の発生を報知する情報を表示させる。さらに、制御部61は、故障報知信号WSを受けて、警報装置79に故障の発生を知らせる警報を報知させる。これらに基づいて、ロボット1の周囲の作業者に故障の発生を知らせることができるので、作業者がロボット1への電力の供給を遮断することなどにより、ロボット1を速やかに停止させることができる。これにより、安全性を一層向上させることができる。
第2実施形態について説明する。
第2実施形態におけるロボット10は、概略の構成を示す斜視図である図5(a)に示すように、アーム121を有している。また、ロボット10は、正面図である図5(b)に示すように、モーター123と、角度センサー125と、関節部127と、を有している。ロボット10は、アーム121、モーター123、角度センサー125、及び関節部127を有していることを除いては、第1実施形態におけるロボット1と同様の構成を有している。このため、第2実施形態では、第1実施形態と同一の構成については、第1実施形態と同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
アーム121は、アーム13の関節部25側とは反対側に設けられている。つまり、アーム121は、モーター17からアーム13までの間における回転動力の伝達経路(動力伝達機構)よりもアーム13側に設けられている。アーム121は、アーム13の関節部25側とは反対側においてアーム13に連接している。アーム121は、一端側が関節部127を介してアーム13に支持されている。アーム121は、関節部127によって回転軸129を中心に旋回(回動)可能に構成されている。
上記の構成により、アーム121は、アーム13に対して相対的に旋回することができる。
また、第2実施形態では、ハンド装置9は、アーム121に設けられている。ハンド装置9は、アーム121の関節部127側とは反対側に設けられている。
角度センサー125は、モーター123の出力軸の回転量を検出する。本実施形態では、角度センサー125は、モーター123の出力軸の回転角度を、モーター123の出力軸の回転量として検出する。角度センサー125としては、例えば、ロータリーエンコーダーなどが採用され得る。
また、ロボット10は、図6に示すように、メモリー部67に周波数テーブル131が設けられている。周波数テーブル131には、アーム13及びアーム121の複合した固有振動周波数f2を示すデータが格納されている。
アーム13及びアーム121の複合した固有振動周波数f2は、アーム121にハンド装置9が設けられている状態での固有振動周波数f2である。且つ、固有振動周波数f2は、モーター17からアーム13までの間における動力の伝達経路がつながり、モーター123からアーム121までの間における動力の伝達経路がつながっている状態でのアーム13及びアーム121の固有振動周波数f2である。
そして、周波数テーブル131では、下記の表1に示すように、角度θが複数の水準に層別されている。本実施形態では、周波数テーブル131において、角度θは、姿勢(1)〜姿勢(9)までの9個の水準に層別されている。周波数テーブル131では、層別された姿勢(1)〜姿勢(9)のそれぞれに対応する固有振動周波数f2が、姿勢ごとに示されている。
ここで、モーター17の出力軸は、動力伝達機構を介してアーム13につながっている。同様に、モーター123の出力軸は、動力伝達機構を介してアーム121につながっている。このため、アーム13はモーター17の駆動量に応じた旋回量で旋回し、アーム121はモーター123の駆動量に応じた旋回量で旋回する。これにより、モーター17やモーター123の駆動と、アーム13及びアーム121の複合した旋回とを対応付けることができる。モーター17やモーター123を駆動したときに、モーター17及びモーター123の駆動に対応するアーム13及びアーム121の複合的な動作が角速度センサー15によって検出され得る。
そして、故障判定部101は、出力結果OP1及び出力結果OP3と、出力結果OP2とを対応させた状態で取得する。対応する出力結果OP1及び出力結果OP3と、出力結果OP2とを比較することによって、角度センサー19や角度センサー125、角速度センサー15の故障を判定することができる。つまり、アーム13及びアーム121の複合した旋回が、モーター17やモーター123の駆動に応じた旋回になっているか否かを判定することによって、角度センサー19や角度センサー125、角速度センサー15の故障が検出され得る。
次に、速度演算部103は、換算したアーム13の旋回角度と、換算したアーム121の旋回角度とを合成することによって、アーム13及びアーム121の複合的な旋回角度を算出する。
次に、速度演算部103は、アーム13及びアーム121の複合的な旋回角度を、所定の時間hごとの旋回角度に区切り、時間hごとの角速度ω1を算出する。これにより、アーム13及びアーム121の複合的な旋回にかかる角速度ω1の時間hごとの推移が把握される。
本実施形態では、出力結果OP1をアーム13の旋回角度に換算し、出力結果OP3をアーム121の旋回角度に換算してから、アーム13及びアーム121の複合的な旋回にかかる角速度ω1を算出する方法が採用されている。しかしながら、角速度ω1の算出方法は、これに限定されず、モーター17及びモーター123の出力軸の複合的な角速度を算出してから、この角速度をアーム13及びアーム121の複合的な旋回にかかる角速度ω1に換算する方法も採用され得る。
周波数分析部107は、角速度ω2の推移をスペクトル分析することによって、角速度ω2の推移についての周波数スペクトルSP4aを算出する。
周波数スペクトルSP3a及び周波数スペクトルSP4aは、固有振動周波数除去部109に入力される。固有振動周波数除去部109は、周波数スペクトルSP3a及び周波数スペクトルSP4aのそれぞれから、アーム13及びアーム121の複合した固有振動周波数f2の成分を除去する。
このとき、固有振動周波数除去部109は、周波数テーブル131を参照し、アーム13に対するアーム121の角度θに対応する固有振動周波数f2の成分を、周波数スペクトルSP3a及び周波数スペクトルSP4aのそれぞれから除去する。
周波数スペクトルSP3b及び周波数スペクトルSP4bは、比較判定部111に入力される。比較判定部111は、周波数スペクトルSP3bと周波数スペクトルSP4bとを比較することによって、故障が発生しているか否かを判定する。比較判定部111は、周波数スペクトルSP3bと周波数スペクトルSP4bとの差が、判定の基準値を超えたときに故障が発生しているものと判定する。本実施形態では、周波数スペクトルSP3bと周波数スペクトルSP4bとの差が0.83dB(1.1倍)以上であるときに、故障が発生しているものと判定される。なお、判定の基準値は、これに限定されず、任意の値が採用され得る。
制御部61は、故障報知信号WSを受けて、モーター17やモーター123の駆動を停止させる。これにより、ロボット10が誤動作したり、制御不能に陥ったりすることを抑制することができるので、安全性を一層向上させることができる。
また、制御部61は、故障報知信号WSを受けて、表示装置78に故障の発生を報知する情報を表示させる。さらに、制御部61は、故障報知信号WSを受けて、警報装置79に故障の発生を知らせる警報を報知させる。これらに基づいて、ロボット10の周囲の作業者に故障の発生を知らせることができるので、作業者がロボット1への電力の供給を遮断することなどにより、ロボット10を速やかに停止させることができる。これにより、安全性を一層向上させることができる。
第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
Claims (7)
- 出力軸を有し、前記出力軸を介して回転動力を発生するモーターと、
前記モーターの前記出力軸の回転量を検出する回転量センサーと、
前記回転動力が伝達され、伝達される前記回転動力によって旋回するアームと、
前記モーターから前記アームまでの間における前記回転動力の伝達経路よりも前記アーム側に設けられ、前記アームの動作を検出する慣性センサーと、
前記モーターを制御する制御部と、
前記モーターを駆動することによって前記アームを旋回させた場合に、前記回転量センサーからの出力結果と前記慣性センサーからの出力結果とを取得する取得部と、
前記回転量センサーからの前記出力結果に基づいて得られる前記アームの動作の推移をスペクトル分析することによって、第1周波数スペクトルを算出する第1分析部と、
前記慣性センサーからの前記出力結果に基づいて得られる前記アームの動作の推移をスペクトル分析することによって、第2周波数スペクトルを算出する第2分析部と、
前記伝達経路がつながっている状態での前記アームの固有振動周波数を除いた前記第1周波数スペクトルと前記第2周波数スペクトルとの差が許容値を超えた場合に、故障が発生したものと判定する判定部と、を有する、
ことを特徴とするロボット装置。 - 第1の出力軸を有し、前記第1の出力軸を介して回転動力を発生する第1モーターと、
前記第1の出力軸の回転量を検出する第1回転量センサーと、
前記第1モーターの前記回転動力によって旋回する第1アームと、
前記第1アームに連接し、前記第1アームに対して相対的に旋回可能な第2アームと、
第2の出力軸を有し、前記第2アームを旋回させる回転動力を発生する第2モーターと、
前記第2の出力軸の回転量を検出する第2回転量センサーと、
前記第2アームに設けられ、前記第2アームの動作を検出する慣性センサーと、
前記第1モーター及び前記第2モーターを個別に制御する制御部と、
前記第1モーター及び前記第2モーターの少なくとも一方のモーターを駆動することによって、前記第1アーム及び前記第2アームの少なくとも一方を旋回させた場合に、前記第1回転量センサーからの第1回転量出力結果と、前記第2回転量センサーからの第2回転量出力結果と、前記慣性センサーからの慣性センサー出力結果とを取得する取得部と、
前記第1回転量出力結果と前記第2回転量出力結果とを合成して得られる前記第2アームの動作の推移をスペクトル分析することによって、第1周波数スペクトルを算出する第1分析部と、
前記慣性センサー出力結果に基づいて得られる前記第2アームの動作の推移をスペクトル分析することによって、第2周波数スペクトルを算出する第2分析部と、
前記第1アーム及び前記第2アームの固有振動周波数について、前記第1アームに対する前記第2アームの姿勢が複数の水準に層別され、層別された前記姿勢に対応する前記固有振動周波数を前記姿勢ごとに記憶している記憶部と、
前記姿勢に応じて、前記姿勢に対応する前記固有振動周波数を除いた前記第1周波数スペクトルと前記第2周波数スペクトルとの差が許容値を超えた場合に、故障が発生したものと判定する判定部と、を有する、
ことを特徴とするロボット装置。 - 前記慣性センサーは、角速度を検出する角速度センサーであり、
前記第1分析部は、角速度の推移を前記動作の推移として、前記第1周波数スペクトルを算出し、
前記第2分析部は、角速度の推移を前記動作の推移として、前記第2周波数スペクトルを算出する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のロボット装置。 - 故障が発生したという判定に基づいて、故障を報知する報知部を有する、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のロボット装置。
- 出力軸を有し、前記出力軸を介して回転動力を発生するモーターと、前記回転動力が伝達され、伝達される前記回転動力によって旋回するアームと、を有するロボット装置の前記モーターを駆動することによって前記アームを旋回させた場合に、
前記出力軸の回転量に基づいて得られる前記アームの動作の推移をスペクトル分析することによって、第1周波数スペクトルを算出し、
前記モーターから前記アームまでの間における前記回転動力の伝達経路よりも前記アーム側に設けられた慣性センサーで前記アームの動作を検出した結果に基づいて得られる前記アームの動作の推移をスペクトル分析することによって、第2周波数スペクトルを算出し、
前記伝達経路がつながっている状態での前記アームの固有振動周波数を除いた前記第1周波数スペクトルと前記第2周波数スペクトルとの差が許容値を超えたことに基づいて故障を検出する、
ことを特徴とする故障検出方法。 - 第1の出力軸を有し、前記第1の出力軸を介して回転動力を発生する第1モーターと、
前記第1モーターの前記回転動力によって旋回する第1アームと、
前記第1アームに連接し、前記第1アームに対して相対的に旋回可能な第2アームと、
第2の出力軸を有し、前記第2アームを旋回させる回転動力を発生する第2モーターと、を有するロボット装置の前記第1モーター及び前記第2モーターの少なくとも一方のモーターを駆動することによって、前記第1アーム及び前記第2アームの少なくとも一方を旋回させた場合に、
前記第1の出力軸の回転量を検出した結果と前記第2の出力軸の回転量を検出した結果とを合成して得られる前記第2アームの動作の推移をスペクトル分析することによって、第1周波数スペクトルを算出し、
前記第2アームに設けられた慣性センサーで前記第2アームの動作を検出した結果に基づいて得られる前記第2アームの動作の推移をスペクトル分析することによって、第2周波数スペクトルを算出し、
前記第1アーム及び前記第2アームの固有振動周波数について、前記第1アームに対する前記第2アームの姿勢が複数の水準に層別され、層別されたそれぞれの前記姿勢に対応付けられた前記固有振動周波数を参照して、前記姿勢に応じて、前記姿勢に対応する前記固有振動周波数を除いた前記第1周波数スペクトルと前記第2周波数スペクトルとの差が許容値を超えたことに基づいて故障を検出する、
ことを特徴とする故障検出方法。 - 前記慣性センサーは、角速度を検出する角速度センサーであり、
前記第1周波数スペクトルの算出では、角速度の推移を前記動作の推移として、前記第1周波数スペクトルを算出し、
前記第2周波数スペクトルを算出では、角速度の推移を前記動作の推移として、前記第2周波数スペクトルを算出する、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の故障検出方法。
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