JP2019063168A - 注射器、プレフィルドシリンジ用の注射器およびプレフィルドシリンジ - Google Patents

注射器、プレフィルドシリンジ用の注射器およびプレフィルドシリンジ Download PDF

Info

Publication number
JP2019063168A
JP2019063168A JP2017190501A JP2017190501A JP2019063168A JP 2019063168 A JP2019063168 A JP 2019063168A JP 2017190501 A JP2017190501 A JP 2017190501A JP 2017190501 A JP2017190501 A JP 2017190501A JP 2019063168 A JP2019063168 A JP 2019063168A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plunger
mounting member
syringe
gasket
recess
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017190501A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019063168A5 (ja
JP6979840B2 (ja
Inventor
立川 浩一
Koichi Tachikawa
浩一 立川
長田 泰久
Yasuhisa Osada
泰久 長田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Terumo Corp filed Critical Terumo Corp
Priority to JP2017190501A priority Critical patent/JP6979840B2/ja
Publication of JP2019063168A publication Critical patent/JP2019063168A/ja
Publication of JP2019063168A5 publication Critical patent/JP2019063168A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6979840B2 publication Critical patent/JP6979840B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】吸引操作を不能とし、プランジャの押圧時におけるガスケットからの液もれも防止できるプレフィルドシリンジを提供する。【解決手段】注射器1は、外筒2、ガスケット3、ガスケットと分離可能なプランジャ4とを備える。ガスケットは、内腔側螺合部32を備えるガスケット本体31と装着用部材7を備える。装着用部材は、装着用部材側螺合部72と、装着用部材側回転時当接部75,76を有する接続部74を備え、プランジャは、プランジャ側回転時当接部44,45を有する接続部42を備える。プランジャを螺合部32,75の螺合進行方向に回転させると、プランジャ側回転時当接部と装着用部材側回転時当接部は当接し、逆方向への回転では空転する。装着用部材は受入側凹部77を、プランジャは受入側凹部に進入可能かつ摩擦係合可能な進入可能部43を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、注射器、プレフィルドシリンジ用の注射器およびプレフィルドシリンジに関する。
プレフィルドシリンジは、あらかじめ内部に薬剤が収納されており、そのまま患者に穿刺すること、医療用容器に注入すること、シリンジポンプに装着することなどにより、患者に投与される。このため、プレフィルドシリンジには、さらに別の薬剤が注入されることを防止することが好ましく、また、使用されたプレフィルドシリンジに、他の薬剤を吸引して、再使用されることを防止することが望ましい。
本願出願人は、特許文献1(WO2011/040522)を提案している。このプレフィルドシリンジ(1)は、ガスケット本体(6)とプランジャ装着用部材(7)とからなるガスケット(3)を有する。プランジャ装着用部材(7)の螺旋状リブ(74,75)形成部位がガスケット本体(6)の収納部(62)に収納された状態では、プランジャ装着用部材(7)はガスケット本体(6)に対し空転する。プランジャ(4)をプランジャ装着用部材(7)の中空部内に回転させながら侵入させると、プランジャの押圧部(48)はプランジャ装着用部材(7)の基端側フランジの基端面を押圧し、プランジャ装着用部材(7)の先端側フランジ(72)はガスケット本体の基端面を押圧する。そして、プランジャ(4)の係合部(41)がプランジャ装着用部材(7)の係合用リブ(76)と係合し、プレフィルドシリンジ本体(10)へのプランジャ(4)の装着が完了する。
また、特許文献2(特表2006−528044)には、ピストンを具えたプレフィルドシリンジ型の医療用器具が開示されている。この医療用器具は、ガラスから作られる筒状本体2と、この筒状本体内を摺動可能なピストン3とを具えた器具1を示している。筒状本体2は、その先端4に注射針、例えば中空の皮下注射針(図示せず)を取り付けるためのチップ5−このチップはキャップ6によって塞がれている−と、その基端12にフランジ13とを有する。
そして、ピストンの下部端7は、筒状本体2の内部に薬液9が充填される内部有効容積8を画成する。ピストン3から独立しているプラグ14は、筒状本体2の基端12から突出する操作ロッド11の先端36に固定されている。本発明の図示しない実施形態においては、操作ロッド11がプラグ14に固定されていない。このプラグ14は、これを先端方向に支持するピストン3の基端側に対し、本体2内を自由に直線移動するように設定されている。そのため、プラグ14とピストン3との間に支承面10がある。
WO2011/040522 特表2006−528044
特許文献1のものでは、プランジャは、プランジャ装着用部材を備えるガスケットとは、別部材により構成されている。このため、プランジャを装着しなければ、ガスケットの移動は不能であり、押圧も吸引もできない。しかし、ガスケットにプランジャを装着後であれば、プランジャを後方に引くことにより、ガスケットを後方に移動させること、言い換えれば、吸引操作が可能である。
引用文献2のものでは、操作ロッド11が、ピストン3と別部材であり、当接によりピストンを前方に押圧可能である。しかし、操作ロッド11はピストン3に接続されないため、操作ロッド11を後方に移動させても、ピストン3を後方に移動させること、言い換えれば、吸引操作が不能である。このため、このプレフィルドシリンジ型の医療用器具では、別の薬剤を吸引することができない。
しかし、このプレフィルドシリンジ型の医療用器具では、操作ロッド11を先端側に押圧した時、操作ロッド11の先端に固定されているプラグ14の先端面が、ピストン3の基端にある支承面10と当接するのみである。このため、操作用ロッド11を押圧しないかぎり、操作ロッド11は、プラグより自由に分離することが可能であり、さらに、筒状本体2内にて自由に動くことも可能である。このため、操作用ロッドは、位置が安定せず、押圧操作が容易ではない。さらに、そして、操作用ロッド11は、筒状本体2内にて自由に動くため、操作用ロッド11の押圧時に、操作ロッド11の先端に固定されているプラグ14の先端面が、正確にピストン3の支承面10と当接せず、ピストン3を斜めに押圧する可能性も高い。ピストンの斜め押圧は、液もれを生じさせる可能性がある。
本発明の目的は、吸引操作を不能とし、注射器内への薬剤等の注入を阻止し、かつ、注射器としてのプランジャの押圧操作は良好であり、かつ、プランジャの押圧時におけるガスケットからの液もれも防止できる注射器、プレフィルドシリンジ用の注射器およびプレフィルドシリンジを提供するものである。
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1) 外筒と、前記外筒内に摺動可能に収納されたガスケットと、前記ガスケットを押圧するためのプランジャとを備える注射器であって、
前記プランジャは、前記ガスケットと分離して前記外筒の軸方向に移動可能であり、
前記ガスケットは、閉塞先端部と、開口後端部と、前記開口後端部より先端側に延びる内腔部と、前記内腔部の内面に設けられた内腔側螺合部とを備えるガスケット本体と、前記ガスケット本体に取り付けられた装着用部材とを備え、
前記装着用部材は、前記ガスケット本体の前記内腔部に進入可能な先端部と、前記先端部に設けられた前記内腔側螺合部と螺合可能な装着用部材側螺合部と、前記装着用部材の後部側に設けられた装着用部材側接続部と、前記装着用部材側接続部に設けられた装着用部材側回転時当接部とを有し、
前記プランジャは、先端部に設けられ、前記装着用部材側接続部と当接可能なプランジャ側接続部と、前記先端部より後端方向に延びるシャフト部と、前記プランジャ側接続部に設けられたプランジャ側回転時当接部を有し、
前記装着用部材側回転時当接部と前記プランジャ側回転時当接部は、前記装着用部材側接続部と前記プランジャ側接続部が当接した状態において、前記プランジャを前記内腔側螺合部と前記装着用部材側螺合部との螺合が進行する回転方向に回転させることにより当接し、前記プランジャを前記内腔側螺合部と前記装着用部材側螺合部との螺合が後退する回転方向への回転では、前記プランジャは、前記装着用部材に対して空転するものとなっており、さらに、
前記装着用部材および前記プランジャの一方は、受入側凹部を備え、前記装着用部材および前記プランジャの他方は、前記受入側凹部への進入可能部を備え、前記進入可能部は、前記受入側凹部への収納時に、前記受入側凹部の内面と摩擦係合しかつ前記受入側凹部内にて回転可能である注射器。
(2) 前記受入側凹部は、柱状凹部であり、前記進入可能部は、柱状部もしくは筒状部である上記(1)に記載の注射器。
(3) 前記装着用部材は、前記受入側凹部を有し、前記受入側凹部は、前記装着用部材の後端部より先端側に延びる柱状凹部であり、前記プランジャは、前記進入可能部を有し、前記進入可能部は、前記プランジャの前記先端部より先端方向に突出し、かつ前記受入側凹部内に進入可能であり、かつ、前記受入側凹部の内面と摩擦係合し、さらに、前記受入側凹部に対して軸方向に移動可能かつ空転可能な棒状もしくは筒状の突出部である上記(1)に記載の注射器。
(4) 前記装着用部材は、前記進入可能部を有し、前記進入可能部は、前記装着用部材の後端部より後方に突出する棒状もしくは筒状の突出部であり、前記プランジャは、前記受入側凹部を有し、前記受入側凹部は、前記プランジャの後端部より後方に延び、前記突出部を受入れ可能な柱状凹部であり、さらに、前記突出部は、前記柱状凹部の内面と摩擦係合し、さらに、前記柱状凹部に対して軸方向に移動可能かつ空転可能である上記(1)に記載の注射器。
(5) 前記装着用部材は、前記受入側凹部を有し、前記受入側凹部は、前記装着用部材の前記装着用部材側接続部の外縁部より後方に延びる筒状部であり、前記プランジャは、前記進入可能部を有し、前記進入可能部は、前記プランジャ側接続部の外縁部より後端側に延びる柱状部であり、前記装着用部材の前記筒状部に進入可能であり、かつ、前記筒状部の内面と摩擦係合し、さらに、前記筒状部に対して軸方向に移動可能かつ空転可能である上記(1)に記載の注射器。
(6) 前記装着用部材は、前記進入可能部を有し、前記進入可能部は、前記装着用部材側接続部の外縁部より先端側に延びる柱状部であり、前記プランジャは、前記受入側凹部を有し、前記受入側凹部は、前記プランジャ側接続部の外縁部より前方に延びる筒状部であり、前記装着用部材の前記柱状部は、前記筒状部に進入可能であり、かつ、前記筒状部の内面と摩擦係合し、さらに、前記筒状部に対して軸方向に移動可能かつ空転可能である上記(1)に記載の注射器。
(7) 前記注射器は、前記プランジャの前記外筒からの抜止部を備えている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の注射器。
(8) 前記プランジャは、前記プランジャ側回転時当接部よりも後端側に設けられた側部突出部を備え、前記外筒は、後端部に設けられ、前記側部突出部と当接可能な抜止部を備えている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の注射器。
(9) 前記装着用部材は、前記ガスケット本体の基端面を押圧可能なフランジを備え、前記先端部は、前記フランジより先端側に突出し、前記装着用部材側接続部は、前記フランジより後方に突出している上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の注射器。
(10) 前記装着用部材側回転時当接部は、一端に設けられた軸方向に平行な装着用部材側起立面と他端に設けられた装着用部材側傾斜面とを有する突出部となっており、前記プランジャ側回転時当接部は、一端に設けられ、軸方向に平行であるプランジャ側起立面と他端に設けられたプランジャ側傾斜面とを有する突出部となっており、
前記装着用部材側接続部と前記プランジャ側接続部が当接した状態において、前記プランジャを前記装着用部材と前記ガスケット本体の螺合が進行する回転方向に回転させることにより、前記装着用部材側起立面と前記プランジャ側起立面が当接し、前記プランジャを前記装着用部材と前記ガスケット本体の螺合が後退する回転方向への回転では、前記装着用部材側傾斜面と前記プランジャ側傾斜面とが摺接し、前記プランジャが、前記装着用部材に対して、後方に移動するものとなっている上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の注射器。
(11) 前記接続用部材側回転時当接部は、前記装着用部材の中心軸に対して向かい合うように2つ設けられており、前記プランジャ側回転時当接部は、前記プランジャの中心軸に対して向かい合うように2つ設けられており、かつ、2つの前記プランジャ側回転時当接部は、2つの前記接続用部材側回転時当接部間に進入可能となっている上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の注射器。
(12) 前記外筒は、中空本体部と、前記中空本体部の先端部より延びる中空先端部と、前記中空本体部の後端部に設けられたフランジとを有する外筒本体と、前記フランジに固定され、前記プランジャの前記外筒からの離脱を防止する抜止部材とを備えている上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の注射器。
また、上記目的を達成するものは、以下のものである。
(13) 上記(1)ないし(12)のいずれかに記載の注射器と、前記外筒の先端部に装着された封止部材とを備えるプレフィルドシリンジ用の注射器。
また、上記目的を達成するものは、以下のものである。
(14) 上記(13)に記載のプレフィルドシリンジ用の注射器と、前記注射器の内部に収納された薬剤とからなるプレフィルドシリンジ。
本発明の注射器は、外筒と、該外筒内に摺動可能に収納されたガスケットと、ガスケットを押圧するためのプランジャとからなる。プランジャは、ガスケットと分離して外筒の軸方向に移動可能である。ガスケットは、閉塞先端部と、開口後端部と、開口後端部より先端側に延びる内腔部と、内腔部の内面に設けられた内腔側螺合部とを備えるガスケット本体と、ガスケット本体に取り付けられた装着用部材とを備える。装着用部材は、ガスケット本体の内腔部に進入可能な先端部と、先端部に設けられた内腔側螺合部と螺合可能な装着用部材側螺合部と、装着用部材の後部側に設けられた装着用部材側接続部と、装着用部材側接続部に設けられた装着用部材側回転時当接部とを有する。プランジャは、先端部に設けられ、装着用部材側接続部と当接可能なプランジャ側接続部と、先端部より後端方向に延びるシャフト部と、プランジャ側接続部に設けられたプランジャ側回転時当接部を有する。装着用部材側回転時当接部とプランジャ側回転時当接部は、装着用部材側接続部とプランジャ側接続部が当接した状態において、プランジャを内腔側螺合部と装着用部材側螺合部装着用部材との螺合が進行する回転方向に回転させることにより当接し、プランジャを内腔側螺合部と装着用部材側螺合部との螺合が後退する回転方向への回転では、プランジャは、装着用部材に対して空転するものとなっている。さらに、装着用部材およびプランジャの一方は、受入側凹部を備え、装着用部材およびプランジャの他方は、受入側凹部への進入可能部を備え、進入可能部は、受入側凹部への収納時に、受入側凹部の内面と摩擦係合しかつ受入側凹部内にて回転可能である。
このため、この注射器では、プランジャを後方に移動させてもガスケットは後方に移動しないため、吸引操作が不能であり、注射器内への薬剤等の注入ができない。また、この注射器では、プランジャは、ガスケットと分離して外筒の軸方向に移動可能であるが、装着用部材およびプランジャの一方は、受入側凹部を備え、装着用部材およびプランジャの他方は、受入側凹部への進入可能部を備え、進入可能部は、装着用部材への収納時に、受入側凹部の内面と摩擦係合するものとなっているため、プランジャは、外筒内にて自由に動くことが規制されている。さらに、プランジャの押圧時には、受入側凹部および進入可能部により誘導されることにより、プランジャの先端部は、確実かつ良好に、ガスケットの後端部、具体的には、装着用部材の後端部に当接する。このため、プランジャがガスケットを斜めに押圧することがなく、押圧時に液もれが発生する可能性は極めて少ない。
図1は、本発明の実施例の注射器(プレフィルドシリンジ用の注射器、プレフィルドシリンジ)の正面図である。 図2は、図1に示した注射器の右側面図である。 図3は、図1のA−A線断面図である。 図4は、図1に示した注射器の底面側から見た斜視図である。 図5は、図1に示した注射器に使用されている外筒の説明図である。 図6は、図1に示した注射器に使用されている外筒本体の底面図である。 図7は、図1に示した注射器に使用されている外筒の抜止部材の上方から見た斜視図である。 図8は、図1に示した注射器に使用されている外筒内移動部(ガスケット本体、装着用部材およびプランジャ)の説明図である。 図9は、図1に示した注射器に使用されている外筒内移動部(ガスケット本体、装着用部材およびプランジャ)の拡大縦断面図である。 図10は、図1に示した注射器に使用されている装着用部材の拡大正面図である。 図11は、図10に示した装着用部材の底面図である。 図12は、図10のB−B線断面図である。 図13は、図10に示した装着用部材の底面側から見た斜視図である。 図14は、図1に示した注射器に使用されているプランジャの拡大正面図である。 図15は、図10に示したプランジャの平面図である。 図16は、図1に示した注射器に使用されている装着用部材およびプランジャの説明図である。 図17は、本発明の注射器の作用を説明するための説明図である。 図18は、本発明の他の実施例の注射器およびプレフィルドシリンジ用の注射器の縦断面図である。 図19は、図18に示した注射器に使用されている外筒内移動部(ガスケット本体、装着用部材およびプランジャ)の説明図である。 図20は、図18に示した注射器に使用されている外筒内移動部(ガスケット本体、装着用部材およびプランジャ)の拡大縦断面図である。 図21は、図18に示した注射器に使用されている装着用部材の拡大正面図である。 図22は、図21に示した装着用部材の底面図である。 図23は、図21のC−C線断面図である。 図24は、図21に示した装着用部材の底面側から見た斜視図である。 図25は、図18に示した注射器に使用されているプランジャの拡大正面図である。 図26は、図25に示したプランジャの平面図である。 図27は、図18に示した注射器に使用されている装着用部材およびプランジャの説明図である。 図28は、本発明の注射器の作用を説明するための説明図である。 図29は、本発明の他の実施例の注射器(プレフィルドシリンジ用の注射器、プレフィルドシリンジ)に使用されている外筒内移動部材(ガスケット本体、装着用部材およびプランジャ)の拡大縦断面図である。 図30は、図29に示した外筒内移動部材に使用されている装着用部材の拡大正面図である。 図31は、図29に示した装着用部材の底面図である。 図32は、図30のD−D線断面図である。 図33は、図29に示した外筒内移動部材に使用されているプランジャの拡大正面図である。 図34は、図33に示したプランジャの平面図である。 図35は、本発明の他の実施例の注射器(プレフィルドシリンジ用の注射器、プレフィルドシリンジ)に使用されている外筒内移動部材(ガスケット本体、装着用部材およびプランジャ)の拡大縦断面図である。 図36は、図35に示した外筒内移動部材に使用されている装着用部材の拡大正面図である。 図37は、図36に示した装着用部材の底面図である。 図38は、図36のE−E線断面図である。 図39は、図35に示した外筒内移動部材に使用されているプランジャの拡大正面図である。 図40は、図39に示したプランジャの平面図である。
以下、本発明の注射器(プレフィルドシリンジ用の注射器)およびそれを用いたプレフィルドシリンジについて、図面に示した実施例を用いて説明する。
本発明の注射器1は、図1ないし図4に示すように、外筒2と、外筒2内に摺動可能に収納されたガスケット3と、ガスケット3を押圧するためのプランジャ4とを備える。プランジャ4は、ガスケット3と分離して外筒2の軸方向に移動可能である。ガスケット3は、閉塞先端部33と、開口後端部と、開口後端部より先端側に延びる内腔部と、内腔部の内面に設けられた内腔側螺合部(螺旋状凹部)32とを備えるガスケット本体31と、ガスケット本体31に取り付けられた装着用部材7とを備える。
装着用部材7は、ガスケット本体31の内腔部に進入可能な先端部71と、先端部71に設けられた内腔側螺合部32と螺合可能な装着用部材側螺合部72と、装着用部材7の後部側に設けられた装着用部材側接続部74と、装着用部材側接続部74に設けられた装着用部材側回転時当接部(装着用部材側所定方向回転時当接部)75,76とを有する。
プランジャ4は、先端部に設けられ、装着用部材側接続部74と当接可能なプランジャ側接続部42と、先端部より後端方向に延びるシャフト部41と、プランジャ側接続部42に設けられたプランジャ側回転時当接部(プランジャ側所定方向回転時当接部)44,45を有する。
装着用部材側回転時当接部75,76とプランジャ側回転時当接部44,45は、装着用部材側接続部74とプランジャ側接続部42が当接した状態において、プランジャ4を内腔側螺合部32と装着用部材側螺合部72との螺合が進行する(言い換えれば、装着用部材7とガスケット本体31の螺合が進行する)回転方向に回転させることにより当接し、プランジャ4を内腔側螺合部32と装着用部材側螺合部72との螺合が後退する(言い換えれば、装着用部材7とガスケット本体31の螺合が後退する)回転方向への回転では、プランジャ4は、装着用部材7に対して空転(具体的には、ある程度の摩擦抵抗を有する状態にて空転)するものとなっている。また、プランジャ4は、プランジャ側接続部42が装着用部材側接続部74と当接しない状態では、いずれの回転方向に対してもある程度の摩擦抵抗を有する状態にて空転可能なものとなっている。
そして、装着用部材7およびプランジャ4の一方は、受入側凹部77(48)を備え、装着用部材7およびプランジャ4の他方は、受入側凹部77(48)への進入可能部43(78)を備え、進入可能部43(78)は、受入側凹部77(48)への収納時に、受入側凹部77(48)の内面と摩擦係合しかつ受入側凹部77(48)内にて回転可能なものとなっている。
なお、この実施例の注射器1は、図1ないし図4に示すように、外筒2の先端部に装着された封止部材5を備えるプレフィルドシリンジ用の注射器であり、さらには、図3に示すように、注射器の内部に収納された薬剤9を有するプレフィルドシリンジでもある。
この実施例の注射器1では、ガスケット本体31に装着用部材7をプランジャを回転させることにより装着でき、また、ガスケット本体31に対して装着用部材7が緩んだ時も、プランジャを回転させることにより緩みを解消することができるものとなっている。また、ガスケット3の装着用部材7とプランジャ4は、受入側凹部と進入可能部が摩擦係合しているため、組立途中でバレルから押子が抜け落ちることがない。
図示する実施例の注射器(プレフィルドシリンジ)1は、注射器本体と、注射器本体の外筒2の先端部に装着された封止部材5と、注射器本体内に収納された薬剤9とを備える。
注射器本体は、外筒2と、外筒2内に摺動可能に収納されたガスケット3と、ガスケット3を押圧するためのプランジャ4とを備える。プランジャ4は、ガスケット3と分離して外筒2の軸方向に移動可能である。ガスケット3とプランジャ4により外筒内移動部材10を構成している。
外筒2は、図1ないし図7に示すように、外筒本体20と、外筒本体20の後端部に装着された抜止部材6とからなる。
外筒本体20は、中空本体部21と、中空本体部21の先端部より延びる中空先端部22と、中空本体部の後端部に設けられたフランジ24とを有する。この実施例では、抜止部材6は、フランジ24に固定されている。具体的には、外筒本体20のフランジ24の底面部に固定されている。抜止部材は、このようなタイプのものに限定されず、フランジ24を挟み込むようものであってもよい。
この実施例の注射器1は、プランジャ4の外筒2からの抜止部61a、61bを備えている。後述するプランジャ4は、プランジャ側回転時当接部44,45よりも後端側に設けられた側部突出部46を備える。抜止部材6は、側部突出部46と当接可能な抜止部61a、61bを備えている。
外筒本体20は、先端に開口を有する中空先端部22と、中空先端部22のノズル部を被包するロックアダプタ8と、中空本体部21と、中空本体部21の基端に設けられたフランジ24を備えている。ノズル部は、他の医療器具(例えば、注射針、コネクタ、三方活栓)を接続可能なものとなっている。ロックアダプタ8は、内面に、ノズル部に接続される医療器具(例えば、注射針、コネクタ、三方活栓などのフランジに形成されたリブまたは螺合部)と螺合可能な螺合部を備えている。
外筒本体20の中空本体部21は、比較的細径の円筒状に形成されており、本第1の実施形態では、少量(具体的には、0.5mlから2ml)の薬液等を充填するものであり、中空本体部21の外径は、6〜12mmである。
フランジ24は、中空本体部21の基端全周より外筒本体部の中心軸に対して垂直方向に突出するように形成された円弧状外縁を有するものとなっている。また、フランジ24は、図6に示すように、4つの凹部26a,26b,26c,26dを備えている。そして、抜止部材6は、図5および図7に示すように、上面に、フランジ24の4つの凹部と嵌合する4つの突起63a,63b,63c,63dを備えている。そして、抜止部材6は、上記の突起と凹部が嵌合することにより、外筒本体20のフランジ24に装着されている。
また、抜止部材6は、外縁より中心方向に延びる開口部62を備えており、開口部の幅は、外筒本体20の基端開口の内径より小さいものとなっている。そして、開口部62の向かい合う内縁部により抜止部61a、61bが形成されている。そして、後述するするプランジャ4の側部突出部46部分の外径は、抜止部材6の開口部62の幅より大きいものとなっている。このため、プランジャ4の後方への移動時に、側部突出部46が抜止部61a、61bに当接し、それ以上の後退および外筒からの離脱が規制される。
中空先端部22は、中空本体部21の外径よりも小径であり、先端に向かって縮径している。中空先端部22は、先端に外筒内の薬液等を排出するための先端開口部を備える。そして、中空先端部22は、基端部(中空本体部21の先端より、若干先端側)に、ロックアダプタ8を係止可能な係止用リブを備えている。この実施形態では、係止用リブは、環状リブとなっている。
外筒本体20、抜止部材8の形成材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アクリル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、環状ポリオレフィンポリマー、環状オレフィンコポリマーのような各種樹脂が挙げられるが、その中でも成形が容易で耐熱性があることから、ポリプロピレン、環状ポリオレフィンポリマー、環状オレフィンコポリマーのような樹脂が好ましい。なお、内部に充填された薬液を外側から目視にて確認できるように透明性が高く、高圧蒸気滅菌に耐えられる耐熱性を有する環状オレフィンポリマー、環状オレフィンコポリマーが、外筒本体20の形成材料として特に好ましい。
そして、ロックアダプタ8は、筒状部材であり、外筒本体20の中空先端部22に取り付けられている。また、ロックアダプタ8は、その下部において、中空先端部22に設けられた係止用リブにより保持されている。さらに、ロックアダプタ8は、後述する封止部材(キャップ)5の封止部材側螺合部と螺合可能なアダプタ側螺合部を備えている。この第1の実施形態では、螺合部は、2本の螺旋状リブにより形成されている。
封止部材5は、中空先端部22のノズル部を収納する下部中空部を有する本体部51と、本体部51内に収納され、下部中空部の上端部に配置されたシール部材52とを有する。また、下部中空部の外面には、封止部材側螺合部が形成されている。
ロックアダプタ8および封止部材の形成材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アクリル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、環状ポリオレフィンのような各種樹脂が挙げられるが、その中でも成形が容易で耐熱性があることから、ポリプロピレン、環状ポリオレフィンのような樹脂が好ましい。
シール部材52の形成材料としては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム等の合成ゴム、オレフィン系エラストマーやスチレン系エラストマー等の熱可塑性エラストマー等の弾性材料が好ましい。
ガスケット3は、閉塞先端部33と、開口後端部と、開口後端部より先端側に延びる内腔部と、内腔部の内面に設けられた内腔側螺合部(螺旋状凹部)32とを備えるガスケット本体31と、ガスケット本体31に取り付けられた装着用部材7とを備える。
ガスケット3は、図3、図8および図9に示すように、ガスケット本体31と、ガスケット本体31に取り付けられた装着用部材7とからなる。
ガスケット本体31は、閉塞した先端部33と、後端開口より先端側に延びる内腔部とを有する筒状体である。先端部33は、先端側に向かってテーパー状に縮径するテーパー部となっている。また、ガスケット本体31は、先端側に設けられた先端側環状リブと後端側に設けられた後端側環状リブを備えている。そして、ガスケット本体31の内腔部の内面には、内腔側螺合部(螺旋状凹部)32が設けられている。
ガスケット本体31の構成材料としては、従来からガスケットに使用されている公知のものが使用できる。例えば、ゴム、エラストマー、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂が挙げられる。ゴムとしては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シリコーンゴムが好ましく、特に、加硫処理したものが好ましい。エラストマーとしては、例えば、ポリ塩化ビニル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー及びこれらの混合物が好ましい。上記ゴム、エラストマーの中でも、特に、スチレン−ブタジエンゴム、ブチルゴム、スチレン系エラストマーが、好適な硬度、弾性特性を有し、γ線滅菌、電子線滅菌、高圧蒸気滅菌などの各種滅菌方法が採用可能であることから好ましい。
また、ガスケット本体の先端側部分に低薬剤吸着性物質等を被覆したものであってもよい。
低薬物吸着層の材質としては、従来からラミネートガスケットに使用されている公知のものが使用できる。低薬物吸着層の材質としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂が挙げられる。具体的に、ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン、超高分子量ポリエチレン、ポリ(4−メチルペンテン−1)、環状ポリオレフィン等が好ましく、フッ素系樹脂としては、四フッ化エチレン−パーフルオロエトキシエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体等が好ましい。
また、ガスケット本体31の外面、少なくとも先端側環状リブおよび後端側環状リブの表面に潤滑剤の塗布を行うことが好ましい。また、潤滑剤は、外筒の内面に塗布してもよい。潤滑剤としては、シリコーンオイルが好適である。また、ガスケット本体表面に、当該表面にて固化することにより形成されたシリコーン系樹脂層を設けることにより、シリコーンオイル等の潤滑剤を用いないものであってもよい。
薬剤9としては、どのような薬剤でもよいが、例えば、シクロスポリン、ベンゾジアゼピン系薬剤、塩化ナトリウム注射液、ビタミン剤、ミネラル類などの薬液、さらには、抗生物質、タンパク製剤等の粉末状もしくは凍結乾燥薬剤あるいは液剤が使用される。本発明のプレフィルドシリンジは、特にシリンジポンプを用いて投与するタイプのプレフィルドシリンジに適しているので、充填される薬剤としてはそのような投与手段を用いることに適した薬剤であることが好ましく、ニトログリセリン注射液、硝酸イソソルビド注射液、ドパミン塩酸塩(塩酸ドパミン)注射液、ドブタミン塩酸塩注射液、塩酸モルヒネ注射液、などが挙げられる。
装着用部材7は、図3、図8ないし図16に示すように、ガスケット本体31の内腔部に進入可能な先端部71と、先端部71に設けられた内腔側螺合部32と螺合可能な装着用部材側螺合部72と、装着用部材7の後部側に設けられた装着用部材側接続部74と、装着用部材側接続部74に設けられた装着用部材側回転時当接部(装着用部材側所定方向回転時当接部)75,76とを有する。特に、この実施例では、装着用部材7は、ガスケット本体31の基端面を押圧可能なフランジ73を備え、先端部は、フランジ73より先端側に突出し、装着用部材側接続部74は、フランジ73より後方に突出している。
プランジャ4は、図3、図8、図14ないし図16に示すように、先端部に設けられ、装着用部材側接続部74と当接可能なプランジャ側接続部42と、先端部より後端方向に延びるシャフト部41と、プランジャ側接続部42に設けられたプランジャ側回転時当接部(プランジャ側所定方向回転時当接部)44,45を有する。特に、この実施例では、プランジャ4は、プランジャ側回転時当接部44,45よりも後端側に設けられた側部突出部46と、基端に設けられた押圧部47を備えている。
この実施例では、シャフト部41は、柱状シャフトとなっているが、断面十字状のものでもよい。柱状シャフトは、棒状、円柱状、多角柱状、円筒状、各筒状などであってもよい。押圧部47は、プランジャ本体部41の後端に位置し、円盤状に形成されている。
プランジャ4の構成材料としては、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート等の硬質もしくは半硬質樹脂を用いることが好ましい。
そして、この実施例では、図3、図8ないし図16に示すように、装着用部材7は、受入側凹部77を備え、プランジャ4は、受入側凹部77への進入可能部43を備えている。さらに、進入可能部43は、受入側凹部77への収納時に、受入側凹部77の内面と摩擦係合しかつ受入側凹部77内にて回転可能なものとなっている。この実施例では、受入側凹部77は、柱状、具体的には、円柱状であり、進入可能部43は、柱状もしくは筒状、具体的には円柱状もしくは円筒状となっている。なお、プランジャ4の進入可能部43と装着用部材7の受入側凹部77との係合は、摩擦係合のみであり、嵌合部等を備えないため、プランジャ4は、引くことにより、ガスケット3に対して後方に移動する。このため、この注射器では、吸引操作が不能である。
具体的には、この実施例では、図3、図8ないし図16に示すように、装着用部材7は、受入側凹部77を有し、受入側凹部77は、装着用部材7の後端部より先端側に延びる円柱状凹部であり、プランジャ4は、進入可能部43を有し、進入可能部43は、プランジャ4の先端部より先端方向に突出し、かつ受入側凹部77である円柱状凹部内に進入可能であり、かつ、受入側凹部77の内面と摩擦係合し、さらに、受入側凹部77に対して軸方向に移動可能かつ空転可能な円柱状棒状突出部となっている。
プランジャ4の進入可能部である円柱状棒状突出部43は、装着用部材7の受入側凹部である円柱状凹部77内に、摺接しながら進入可能なものとなっている。また、プランジャ4の進入可能部である円柱状棒状突出部43の外径は、装着用部材7の受入側凹部である円柱状凹部77の内径より、若干小さいものとなっている。
このため、プランジャ4の進入可能部43の外面と装着用部材7の受入側凹部77の内面は、摩擦係合する。また、プランジャ4の進入可能部43は、受入側凹部77に収納された状態において、空転可能であり、かつ、軸方向に移動可能となっている。具体的には、プランジャ4は、プランジャ側接続部42が装着用部材側接続部74と当接しない状態では、いずれの回転方向に対してもある程度の摩擦抵抗を有する状態にて空転可能なものとなっている。
プランジャ4の進入可能部43の外面および装着用部材7の受入側凹部77の内面の一方および両者は、高摩擦抵抗面となっていてもよい。高摩擦抵抗面は、梨地加工、微少突起、小さな環状リブ、軸方向リブ、螺旋状リブを設けることにより形成することができる。
また、プランジャ4の進入可能部43の突出長は、装着用部材7の受入側凹部77の凹部長より、短いものとなっている。このため、プランジャ4の進入可能部43が、装着用部材側接続部74とプランジャ側接続部42との当接の障害とならないものとなっている。言い換えれば、装着用部材7の受入側凹部の先端には、プランジャ4の進入可能部の先端が当接しないものとなっている。また、装着用部材7の受入側凹部77は、装着用部材7を貫通するものであってもよい。このようにすることにより、プランジャ4の進入可能部43の進入時のエア排出路として機能させることができる。
そして、図3、図8ないし図16に示すように、装着用部材7の装着用部材側回転時当接部75,76とプランジャ4のプランジャ側回転時当接部44,45は、装着用部材側接続部74とプランジャ側接続部42が当接した状態において、プランジャ4を内腔側螺合部32と装着用部材側螺合部72との螺合が進行する(言い換えれば、装着用部材7とガスケット本体31の螺合が進行する)回転方向に回転させることにより当接し、プランジャ4を内腔側螺合部32と装着用部材側螺合部72との螺合が後退する(言い換えれば、装着用部材7とガスケット本体31の螺合が後退する)回転方向への回転では、プランジャ4は、装着用部材7に対して空転するものとなっている。
具体的には、図3、図8ないし図16に示すように、装着用部材側回転時当接部75,76は、一端に設けられた軸方向に平行な装着用部材側起立面75a,76aと他端に設けられた装着用部材側傾斜面75b,76bとを有する突出部となっている。同様に、プランジャ側回転時当接部44,45は、一端に設けられ、軸方向に平行であるプランジャ側起立面44a,45aと他端に設けられたプランジャ側傾斜面44b,45bとを有する突出部となっている。
この実施例では、プランジャ側回転時当接部44,45は、突出部となっており、図11および図15に示すように、それぞれの中心軸に対して、ほぼ90度の角度範囲にて延びている。そして、一端側に起立面を有し、他端側に傾斜面を有し、起立面と傾斜面間はほぼ同じ突出長(厚さ)を有するものとなっている。
また、この実施例では、プランジャ4は、進入可能部43の基端部に形成された台座部49を備えている。台座部49は、プランジャ側回転時当接部44,45とほぼ同じ高さに形成されている。そして、装着用部材7は、後端部に、上記プランジャ4の台座部49を収納するための台座収納部を備えている。台座収納部は、受入側凹部77の開口部の周縁部において、装着用部材側回転時当接部75,76の内側を切り欠くことにより形成されている。
さらに、装着用部材側接続部74とプランジャ側接続部42が当接した状態において、プランジャ4を装着用部材7とガスケット本体31の螺合が進行する回転方向に回転させることにより、装着用部材側起立面75a,76aとプランジャ側起立面44a,45aが当接する。また、逆に、プランジャ4を装着用部材7とガスケット本体31の螺合が後退する回転方向への回転では、装着用部材側傾斜面75b,76bとプランジャ側傾斜面44b,45bが摺接し、プランジャ4が、装着用部材7に対して、後方に移動するものとなっている。
そして、この実施例では、図4、図9ないし図16に示すように、装着用部材7の接続用部材側回転時当接部75,76は、装着用部材の中心軸に対して向かい合うように2つ設けられており、プランジャ4のプランジャ側回転時当接部44,45も、プランジャの中心軸に対して向かい合うように2つ設けられている。そして、2つのプランジャ側回転時当接部44,45は、2つの接続用部材側回転時当接部75,76間に進入可能となっている。なお、プランジャ4のプランジャ側回転時当接部は、1つのみでもよく、同様に、装着用部材7の接続用部材側回転時当接部も1つのみでもよい。また、一方のみ2つであってもよい。
また、この実施例の注射器1では、プランジャ4を先端方向に移動させ、プランジャ4の進入可能部43を装着用部材7の受入側凹部77内に進入させ、さらに、装着用部材7の装着用部材側接続部74とプランジャ4のプランジャ側接続部42を当接させた後、プランジャ4を装着用部材7とガスケット本体31の螺合が進行する回転方向に回転させることにより、2つのプランジャ側回転時当接部45,46は、2つの接続用部材側回転時当接部75,76間に完全に進入した状態となるとともに、続いて、装着用部材側起立面75a,76aとプランジャ側起立面44a,45aが当接する。
さらに、プランジャ4を同方向に回転させると、回転力は、装着用部材7に伝達されるものとなっている。このため、プランジャ4を回転させることにより、ガスケット本体31と装着用部材7間に緩みが生じた場合に、締め直すことができる。なお、プランジャ4を逆回転させた場合、その回転力は、装着用部材7に伝達されないため、プランジャ4の操作において、ガスケット本体31と装着用部材7間に緩みを生じさせることはない。
この実施例の注射器(プレフィルドシリンジ)1の作用を図3および図17を用いて説明する。プレフィルドシリンジ1は、図3に示す状態にて、提供される。このままの状態にて、封止部材5を離脱し、穿刺針を装着した後、患者に穿刺して直接の投与、薬剤容器の混注ポートに穿刺して薬剤容器内への薬剤注入に用いられる。なお、プランジャ4の進入可能部43と装着用部材7の受入側凹部77は、摩擦係合しているので、プランジャ4が自重により、ガスケット3に対して後方に移動しないため、図3の状態を維持できる。
また、操作者が誤って、吸引を試みた場合、具体的には、プランジャ4を引いた時、図17示すように、プランジャ4は、ガスケット3に対して後方に移動する。このため、この注射器では、吸引操作が不能であることを容易に認識できる。また、再度、プランジャ4を押圧すると、プランジャ4は、プランジャ4の進入可能部43と装着用部材7の受入側凹部77に誘導され、前方に移動するため、プランジャ4は良好にガスケット3と接合し、ガスケット3を斜めに押圧することもない。
また、本発明の注射器(プレフィルドシリンジ)は、図18ないし図28に示すタイプの注射器(プレフィルドシリンジ)1aであってもよい。この実施例の注射器(プレフィルドシリンジ)1aと上述した実施例の注射器(プレフィルドシリンジ)1との相違は、装着用部材とプランジャのみであり、その他(具体的には、外筒2,封止部材5,ガスケット本体31は、上述したものと同じである。
この実施例の注射器(プレフィルドシリンジ)1aでは、プランジャ4aは、受入側凹部48を有し、受入側凹部48は、プランジャ4aの先端部より後端側に延びる柱状凹部(円柱状凹部)である。装着用部材7aは、進入可能部78を有し、進入可能部78は、装着用部材7aの後端より後方に突出し、かつ受入側凹部48内に進入可能な棒状突出部(柱状もしくは筒状の突出部)となっている。
進入可能部(棒状突出部)78は、受入側凹部48の内面と摩擦係合し、さらに、受入側凹部48に対して軸方向に移動可能かつ空転可能である。
この実施例の注射器(プレフィルドシリンジ)1aは、注射器本体と、注射器本体の外筒2の先端部に装着された封止部材5と、注射器本体内に収納された薬剤9とを備える。
注射器本体は、外筒2と、外筒2内に摺動可能に収納されたガスケット3aと、ガスケット3aを押圧するためのプランジャ4aとを備える。プランジャ4aは、ガスケット3aと分離して外筒2の軸方向に移動可能である。ガスケット3aとプランジャ4aにより外筒内移動部材10aを構成している。外筒2、封止部材5、薬剤9は、上述したものと同じである。
ガスケット3aは、図18ないし図20に示すように、閉塞先端部33と、開口後端部と、開口後端部より先端側に延びる内腔部と、内腔部の内面に設けられた内腔側螺合部(螺旋状凹部)32とを備えるガスケット本体31と、ガスケット本体31に取り付けられた装着用部材7aとを備える。ガスケット本体31は、上述したものと同じである。
装着用部材7aは、図18ないし図27に示すように、ガスケット本体31の内腔部に進入可能な先端部71と、先端部71に設けられた内腔側螺合部32と螺合可能な装着用部材側螺合部72と、装着用部材7aの後部側に設けられた装着用部材側接続部74と、装着用部材側接続部74に設けられた装着用部材側回転時当接部(装着用部材側所定方向回転時当接部)75,76とを有する。
この実施例の装着用部材7aにおいても、上述した装着用部材7と同様に、ガスケット本体31の基端面を押圧可能なフランジ73を備え、先端部は、フランジ73より先端側に突出し、装着用部材側接続部74は、フランジ73より後方に突出している。
この実施例の装着用部材7aおよびプランジャ4aの基本構成は、上述した装着用部材7およびプランジャ4と同じである。相違点は、両者の摩擦係合部位の構造のみである。具体的には、装着用部材側接続部74、装着用部材側回転時当接部(装着用部材側所定方向回転時当接部)75,76、フランジ73などは、上述したものと同じである。
そして、この実施例では、図18ないし図27に示すように、装着用部材7aは、進入可能部78を備え、プランジャ4aが、進入可能部78を受け入れ可能な受入側凹部48を備えている。そして、進入可能部78は、受入側凹部48への収納時に、受入側凹部48の内面と摩擦係合しかつ受入側凹部48内にて回転可能なものとなっている。この実施例では、受入側凹部48は、柱状、具体的には、円柱状であり、進入可能部78は、柱状もしくは筒状、具体的には円柱状もしくは円筒状となっている。なお、装着用部材7aの進入可能部78とプランジャ4aの受入側凹部48との係合は、摩擦係合のみであり、嵌合部等を備えないため、プランジャ4aは、引くことにより、ガスケット3に対して後方に移動する。このため、この注射器においても、吸引操作は不能となっている。
具体的には、この実施例では、図18ないし図27に示すように、プランジャ4aは、受入側凹部48を有し、受入側凹部48は、プランジャ4aの先端より後端側に延びる円柱状凹部である。装着用部材7aは、進入可能部78を有し、進入可能部78は、装着用部材7aの後端部より後方に突出し、かつ受入側凹部48である円柱状凹部内に進入可能であり、かつ、受入側凹部48の内面と摩擦係合し、さらに、受入側凹部48に対して軸方向に移動可能かつ空転可能な円柱状棒状突出部となっている。また、プランジャ4aの受入側凹部48は、プランジャ4aを貫通するものであってもよい。
進入可能部(円柱状もしくは円筒状突出部)78は、円柱状凹部48内に、摺接しながら進入可能なものとなっている。また、進入可能部78の外径は、円柱状凹部48内径より、若干小さいものとなっている。進入可能部78の外面と受入側凹部48の内面は、摩擦係合する。また、進入可能部78は、受入側凹部48に収納された状態において、空転可能であり、かつ、軸方向に移動可能となっている。具体的には、プランジャ4aは、プランジャ側接続部42が装着用部材側接続部74と当接しない状態では、いずれの回転方向に対してもある程度の摩擦抵抗を有する状態にて空転可能なものとなっている。また、進入可能部78の外面および受入側凹部48の内面の一方および両者は、高摩擦抵抗面となっていてもよい。高摩擦抵抗面は、梨地加工、微少突起、小さな環状リブ、軸方向リブ、螺旋状リブを設けるなどにより形成することができる。また、進入可能部78の突出長は、受入側凹部48の凹部長より、短いものとなっている。
そして、この実施例の注射器1aにおいても、装着用部材7aの装着用部材側回転時当接部75,76とプランジャ4aのプランジャ側回転時当接部44,45は、装着用部材側接続部74とプランジャ側接続部42が当接した状態において、プランジャ4aを内腔側螺合部32と装着用部材側螺合部72との螺合が進行する(言い換えれば、装着用部材7aとガスケット本体31の螺合が進行する)回転方向に回転させることにより当接し、プランジャ4aを内腔側螺合部32と装着用部材側螺合部72との螺合が後退する(言い換えれば、装着用部材7aとガスケット本体31の螺合が後退する)回転方向への回転では、プランジャ4aは、装着用部材7aに対して空転するものとなっている。
装着用部材側接続部74、装着用部材側回転時当接部75,76、プランジャ側接続部42およびプランジャ側回転時当接部44,45は、上述したものと同じである。
また、この実施例では、プランジャ4aは、進入可能部78の先端部を形成する短い筒状突出部49aを備えている。筒状突出部49aは、プランジャ側回転時当接部44,45とほぼ同じ高さに形成されている。そして、装着用部材7aは、後端部に、上記プランジャ4aの筒状突出部49aを収納するための収納部を備えている。収納部は、受入側凹部48の開口部の周縁部において、装着用部材側回転時当接部75,76の内側を切り欠くことにより形成されている。
この実施例の注射器1aにおいても、プランジャ4aをガスケット本体31と装着用部材7aの螺合が進行する方向に回転させると、回転力は、装着用部材7aに伝達されるものとなっている。このため、プランジャ4aを回転させることにより、ガスケット本体31と装着用部材7a間に緩みが生じた場合に、締め直すことができる。なお、プランジャ4aを逆回転させた場合、その回転力は、装着用部材7aに伝達されないため、プランジャ4aの操作において、ガスケット本体31と装着用部材7a間に緩みを生じさせることはない。
この実施例の注射器(プレフィルドシリンジ)1aの作用を図18および図28を用いて説明する。プレフィルドシリンジ1aは、図18に示す状態にて、提供される。このままの状態にて、封止部材5を離脱し、穿刺針を装着した後、患者に穿刺して直接の投与、薬剤容器の混注ポートに穿刺して薬剤容器内への薬剤注入に用いられる。なお、装着用部材7aの進入可能部78とプランジャ4aの受入側凹部48は、摩擦係合しているので、プランジャ4aが自重により、ガスケット3aに対して後方に移動しないため、図18の状態を維持できる。
また、操作者が誤って、吸引を試みた場合、具体的には、プランジャ4aを引いた時、図28に示すように、プランジャ4aは、ガスケット3aに対して後方に移動する。このため、この注射器では、吸引操作が不能であることを容易に認識できる。また、再度、プランジャ4aを押圧すると、プランジャ4aの受入側凹部48は、装着用部材7aの進入可能部78に誘導され、前方に移動するため、プランジャ4aは良好にガスケット3aと接合し、ガスケット3aを斜めに押圧することもない。
また、本発明の注射器(プレフィルドシリンジ)に使用される外筒内移動部材としては、図29ないし図34に示すような外筒内移動部材10bを用いるものであってもよい。外筒内移動部材10bは、ガスケット3bとプランジャ4bにより構成されている。ガスケット3bは、ガスケット本体31と装着用部材7bを備えている。ガスケット本体31は、上述したものと同じである。
この実施例では、装着用部材7bは、受入側凹部91を有し、受入側凹部91は、装着用部材7bの装着用部材側接続部74の外縁部より後方に延びる筒状部である。また、プランジャ4bは、進入可能部81を有し、進入可能部81は、プランジャ側接続部42の外縁部より後端側に延びる柱状部であり、装着用部材7bの受入側凹部である筒状部91に進入可能であり、かつ、筒状部91の内面と摩擦係合し、さらに、筒状部91に対して軸方向に移動可能かつ空転可能なものとなっている。なお、プランジャ4bの進入可能部81と装着用部材7bの受入側凹部91の係合は、摩擦係合のみであり、嵌合部等を備えないため、プランジャ4bは、引くことにより、ガスケット3bに対して後方に移動する。このため、この外筒内移動部材10bを用いる注射器においても、吸引操作は不能となっている。
この実施例の装着用部材7bおよびプランジャ4bの基本構成は、上述した装着用部材7およびプランジャ4と同じである。相違点は、両者の摩擦係合部位の構造のみである。この実施例では、図29ないし図34に示すように、プランジャ4bは、進入可能部81を備え、装着用部材7bは、進入可能部81を受け入れ可能な受入側凹部91を備えている。
具体的には、この実施例では、図29ないし図32に示すように、装着用部材7bは、装着用部材側接続部74の外縁部より後方に延びる筒状部91を備えている。この筒状部91が、受入側凹部を構成している。筒状部91は、円筒状であることが好ましい。また、筒状部91は、装着用部材側接続部74の下端より所定長後方に延び、ある程度の内部空間、言い換えれば、ある程度の長さを有する内周面を有するものであることが好ましい。さらに、この実施例では、受入側凹部91は、側面にスリット92を備えている。スリット92は、進入可能部81の進入時にエア抜きとして機能する。なお、スリットではなく、受入側凹部91内と外部とを連通する通路、例えば、装着用部材7bを軸方向に貫通する通路を設けてもよい。
また、プランジャ4bは、図29、図33および図34に示すように、プランジャ側接続部42の外縁部より後方に延びる柱状部81を備えており、この柱状部81により、装着用部材7bの受入側凹部91に進入可能な進入可能部が構成されている。具体的には、プランジャ側接続部42の外縁部より後方は、軸方向に所定長延びる円柱状となっている。なお、柱状部81は、円筒状部であってもよい。柱状部81の外径は、筒状部91の内径とほぼ等しいもしくは若干小さいものとなっている。また、プランジャ4bにおける柱状部81の先端(言い換えれば、プランジャ側接続部42の後端)から側部突出部46までの軸方向長は、上述した円筒部91の軸方向長(言い換えれば、円筒部91の後端から装着用部材側接続部74の後端までの軸方向長)とほぼ同じもしくは長いことが好ましい。このようにすることにより、進入可能部81および受入側凹部91が、装着用部材側接続部74とプランジャ側接続部42の当接の障害とならない。
柱状部(進入可能部)81は、筒状部(受入側凹部)91内に、摺接しながら進入可能なものとなっている。また、柱状部(進入可能部)81は、筒状部(受入側凹部)91に収納された状態において、空転可能であり、かつ、軸方向に移動可能となっている。具体的には、プランジャ4bは、プランジャ側接続部42が装着用部材側接続部74と当接しない状態では、いずれの回転方向に対してもある程度の摩擦抵抗を有する状態にて空転可能なものとなっている。また、柱状部(進入可能部)81の外面および筒状部(受入側凹部)91の内面の一方および両者は、高摩擦抵抗面となっていてもよい。高摩擦抵抗面は、梨地加工、微少突起、小さな環状リブ、軸方向リブ、螺旋状リブを設けるなどにより形成することができる。
また、この実施例においても、プランジャ4bは、プランジャ側接続部42の中心部に形成された台座部49bを備えている。台座部49bは、プランジャ側回転時当接部44,45とほぼ同じ高さに形成されている。そして、装着用部材7bは、後端部に、上記プランジャ4bの台座部49bを収納するための台座収納部を備えている。
また、本発明の注射器(プレフィルドシリンジ)に使用される外筒内移動部材としては、図35ないし図40に示すような外筒内移動部材10cを用いるものであってもよい。外筒内移動部材10cは、ガスケット3cとプランジャ4cにより構成されている。ガスケット3cは、ガスケット本体31と装着用部材7cを備えている。ガスケット本体31は、上述したものと同じである。
この実施例では、プランジャ4cは、受入側凹部93を有し、受入側凹部93は、プランジャ4cのプランジャ側接続部72の外縁部より前方に延びる筒状部である。また、装着用部材7cは、進入可能部83を有し、進入可能部83は、装着用部材側接続部74の外縁部より先端側に延びる柱状部であり、プランジャ4cの受入側凹部である筒状部93に進入可能であり、かつ、筒状部93の内面と摩擦係合し、さらに、筒状部93に対して軸方向に移動可能かつ空転可能なものとなっている。なお、装着用部材7cの進入可能部83とプランジャ4cの受入側凹部93の係合は、摩擦係合のみであり、嵌合部等を備えないため、プランジャ4cは、引くことにより、ガスケット3cに対して後方に移動する。このため、この外筒内移動部材10cを用いる注射器においても、吸引操作は不能となっている。
この実施例の装着用部材7cおよびプランジャ4cの基本構成は、上述した装着用部材7およびプランジャ4と同じである。相違点は、両者の摩擦係合部位の構造のみである。この実施例では、図35ないし図40に示すように、装着用部材7cは、進入可能部83を備え、プランジャ4cは、進入可能部83を受け入れ可能な受入側凹部93を備えている。
具体的には、この実施例では、図35、図39および図40に示すように、プランジャ4cは、プランジャ側接続部42の外縁部より前方(先端方向)に突出する筒状部93を備えている。この筒状部93が、受入側凹部を構成している。筒状部93は、円筒状であることが好ましい。また、筒状部93は、プランジャ側接続部42の上端より所定長前方に延び、ある程度の内部空間、言い換えれば、ある程度の長さを有する内周面を有するものであることが好ましい。さらに、この実施例では、受入側凹部93は、側面にスリット94を備えている。スリット94は、進入可能部83の進入時にエア抜きとして機能する。なお、スリットではなく、受入側凹部93内と外部とを連通する通路、例えば、プランジャ4cを軸方向に貫通する通路を設けてもよい。
また、装着用部材7cは、図35ないし図38に示すように、装着用部材側接続部74の外縁部より先端側に延びる柱状部83を備えており、この柱状部83により、プランジャ4cの受入側凹部93に進入可能な進入可能部が構成されている。具体的には、装着用部材側接続部74の外縁部より先端側には、軸方向に所定長延びる円柱状が形成されている。なお、柱状部83は、中空状であってもよい。柱状部83の外径は、筒状部93の内径とほぼ等しいもしくは若干小さいものとなっている。また、装着用部材7cにおける柱状部83の先端(言い換えれば、装着用部材側接続部74の後端)からフランジ73までの軸方向長は、上述した円筒部93の軸方向長(言い換えれば、円筒部93の先端からプランジャ側接続部42の先端までの軸方向長)とほぼ同じもしくは長いことが好ましい。このようにすることにより、進入可能部83および受入側凹部93が、装着用部材側接続部74と装着用部材側接続部74の当接の障害とならない。
柱状部(進入可能部)83は、筒状部(受入側凹部)93内に、摺接しながら進入可能なものとなっている。また、柱状部(進入可能部)83は、筒状部(受入側凹部)93に収納された状態において、空転可能であり、かつ、軸方向に移動可能となっている。具体的には、プランジャ4cは、装着用部材側接続部74が装着用部材側接続部74と当接しない状態では、いずれの回転方向に対してもある程度の摩擦抵抗を有する状態にて空転可能なものとなっている。また、柱状部(進入可能部)83の外面および筒状部(受入側凹部)93の内面の一方および両者は、高摩擦抵抗面となっていてもよい。高摩擦抵抗面は、梨地加工、微少突起、小さな環状リブ、軸方向リブ、螺旋状リブを設けるなどにより形成することができる。
また、この実施例においても、プランジャ4cは、装着用部材側接続部74の中心部に形成された台座部49cを備えている。台座部49cは、プランジャ側回転時当接部44,45とほぼ同じ高さに形成されている。そして、装着用部材7cは、後端部に、上記プランジャ4cの台座部49cを収納するための台座収納部を備えている。
1 注射器(プレフィルドシリンジ用の注射器、プレフィルドシリンジ)
2 外筒
3 ガスケット
4 プランジャ
7 装着用部材
31 ガスケット本体
42 プランジャ側接続部
43 進入可能部
44,45 プランジャ側回転時当接部
48 受入側凹部
74 装着用部材側接続部
75,76 装着用部材側回転時当接部
77 受入側凹部
78 進入可能部

Claims (14)

  1. 外筒と、前記外筒内に摺動可能に収納されたガスケットと、前記ガスケットを押圧するためのプランジャとを備える注射器であって、
    前記プランジャは、前記ガスケットと分離して前記外筒の軸方向に移動可能であり、
    前記ガスケットは、閉塞先端部と、開口後端部と、前記開口後端部より先端側に延びる内腔部と、前記内腔部の内面に設けられた内腔側螺合部とを備えるガスケット本体と、前記ガスケット本体に取り付けられた装着用部材とを備え、
    前記装着用部材は、前記ガスケット本体の前記内腔部に進入可能な先端部と、前記先端部に設けられた前記内腔側螺合部と螺合可能な装着用部材側螺合部と、前記装着用部材の後部側に設けられた装着用部材側接続部と、前記装着用部材側接続部に設けられた装着用部材側回転時当接部とを有し、
    前記プランジャは、先端部に設けられ、前記装着用部材側接続部と当接可能なプランジャ側接続部と、前記先端部より後端方向に延びるシャフト部と、前記プランジャ側接続部に設けられたプランジャ側回転時当接部を有し、
    前記装着用部材側回転時当接部と前記プランジャ側回転時当接部は、前記装着用部材側接続部と前記プランジャ側接続部が当接した状態において、前記プランジャを前記内腔側螺合部と前記装着用部材側螺合部との螺合が進行する回転方向に回転させることにより当接し、前記プランジャを前記内腔側螺合部と前記装着用部材側螺合部との螺合が後退する回転方向への回転では、前記プランジャは、前記装着用部材に対して空転するものとなっており、さらに、
    前記装着用部材および前記プランジャの一方は、受入側凹部を備え、前記装着用部材および前記プランジャの他方は、前記受入側凹部への進入可能部を備え、前記進入可能部は、前記受入側凹部への収納時に、前記受入側凹部の内面と摩擦係合しかつ前記受入側凹部内にて回転可能であることを特徴とする注射器。
  2. 前記受入側凹部は、柱状凹部であり、前記進入可能部は、柱状部もしくは筒状部である請求項1に記載の注射器。
  3. 前記装着用部材は、前記受入側凹部を有し、前記受入側凹部は、前記装着用部材の後端部より先端側に延びる柱状凹部であり、前記プランジャは、前記進入可能部を有し、前記進入可能部は、前記プランジャの前記先端部より先端方向に突出し、かつ前記受入側凹部内に進入可能であり、かつ、前記受入側凹部の内面と摩擦係合し、さらに、前記受入側凹部に対して軸方向に移動可能かつ空転可能な棒状もしくは筒状の突出部である請求項1に記載の注射器。
  4. 前記装着用部材は、前記進入可能部を有し、前記進入可能部は、前記装着用部材の後端部より後方に突出する棒状もしくは筒状の突出部であり、前記プランジャは、前記受入側凹部を有し、前記受入側凹部は、前記プランジャの後端部より後方に延び、前記突出部を受入れ可能な柱状凹部であり、さらに、前記突出部は、前記柱状凹部の内面と摩擦係合し、さらに、前記柱状凹部に対して軸方向に移動可能かつ空転可能である請求項1に記載の注射器。
  5. 前記装着用部材は、前記受入側凹部を有し、前記受入側凹部は、前記装着用部材の前記装着用部材側接続部の外縁部より後方に延びる筒状部であり、前記プランジャは、前記進入可能部を有し、前記進入可能部は、前記プランジャ側接続部の外縁部より後端側に延びる柱状部であり、前記装着用部材の前記筒状部に進入可能であり、かつ、前記筒状部の内面と摩擦係合し、さらに、前記筒状部に対して軸方向に移動可能かつ空転可能である請求項1に記載の注射器。
  6. 前記装着用部材は、前記進入可能部を有し、前記進入可能部は、前記装着用部材側接続部の外縁部より先端側に延びる柱状部であり、前記プランジャは、前記受入側凹部を有し、前記受入側凹部は、前記プランジャ側接続部の外縁部より前方に延びる筒状部であり、前記装着用部材の前記柱状部は、前記筒状部に進入可能であり、かつ、前記筒状部の内面と摩擦係合し、さらに、前記筒状部に対して軸方向に移動可能かつ空転可能である請求項1に記載の注射器。
  7. 前記注射器は、前記プランジャの前記外筒からの抜止部を備えている請求項1ないし6のいずれかに記載の注射器。
  8. 前記プランジャは、前記プランジャ側回転時当接部よりも後端側に設けられた側部突出部を備え、前記外筒は、後端部に設けられ、前記側部突出部と当接可能な抜止部を備えている請求項1ないし6のいずれかに記載の注射器。
  9. 前記装着用部材は、前記ガスケット本体の基端面を押圧可能なフランジを備え、前記先端部は、前記フランジより先端側に突出し、前記装着用部材側接続部は、前記フランジより後方に突出している請求項1ないし8のいずれかに記載の注射器。
  10. 前記装着用部材側回転時当接部は、一端に設けられた軸方向に平行な装着用部材側起立面と他端に設けられた装着用部材側傾斜面とを有する突出部となっており、前記プランジャ側回転時当接部は、一端に設けられ、軸方向に平行であるプランジャ側起立面と他端に設けられたプランジャ側傾斜面とを有する突出部となっており、
    前記装着用部材側接続部と前記プランジャ側接続部が当接した状態において、前記プランジャを前記装着用部材と前記ガスケット本体の螺合が進行する回転方向に回転させることにより、前記装着用部材側起立面と前記プランジャ側起立面が当接し、前記プランジャを前記装着用部材と前記ガスケット本体の螺合が後退する回転方向への回転では、前記装着用部材側傾斜面と前記プランジャ側傾斜面とが摺接し、前記プランジャが、前記装着用部材に対して、後方に移動するものとなっている請求項1ないし9のいずれかに記載の注射器。
  11. 前記接続用部材側回転時当接部は、前記装着用部材の中心軸に対して向かい合うように2つ設けられており、前記プランジャ側回転時当接部は、前記プランジャの中心軸に対して向かい合うように2つ設けられており、かつ、2つの前記プランジャ側回転時当接部は、2つの前記接続用部材側回転時当接部間に進入可能となっている請求項1ないし10のいずれかに記載の注射器。
  12. 前記外筒は、中空本体部と、前記中空本体部の先端部より延びる中空先端部と、前記中空本体部の後端部に設けられたフランジとを有する外筒本体と、前記フランジに固定され、前記プランジャの前記外筒からの離脱を防止する抜止部材とを備えている請求項1ないし11のいずれかに記載の注射器。
  13. 請求項1ないし12のいずれかに記載の注射器と、前記外筒の先端部に装着された封止部材とを備えるプレフィルドシリンジ用の注射器。
  14. 請求項13に記載のプレフィルドシリンジ用の注射器と、前記注射器の内部に収納された薬剤とからなるプレフィルドシリンジ。
JP2017190501A 2017-09-29 2017-09-29 注射器、プレフィルドシリンジ用の注射器およびプレフィルドシリンジ Active JP6979840B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017190501A JP6979840B2 (ja) 2017-09-29 2017-09-29 注射器、プレフィルドシリンジ用の注射器およびプレフィルドシリンジ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017190501A JP6979840B2 (ja) 2017-09-29 2017-09-29 注射器、プレフィルドシリンジ用の注射器およびプレフィルドシリンジ

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2019063168A true JP2019063168A (ja) 2019-04-25
JP2019063168A5 JP2019063168A5 (ja) 2020-08-27
JP6979840B2 JP6979840B2 (ja) 2021-12-15

Family

ID=66338156

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017190501A Active JP6979840B2 (ja) 2017-09-29 2017-09-29 注射器、プレフィルドシリンジ用の注射器およびプレフィルドシリンジ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6979840B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102089438B1 (ko) * 2019-05-02 2020-03-16 (주)풍림파마텍 재사용 방지구조를 갖는 주사기 배럴
WO2022039196A1 (ja) * 2020-08-20 2022-02-24 テルモ株式会社 プレフィルドシリンジ

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001064266A1 (fr) * 2000-03-02 2001-09-07 Daikyo Seiko, Ltd. Ensemble seringue prealablement remplie
US20080082055A1 (en) * 2006-09-29 2008-04-03 Tyco Healthcare Group Lp Detachable plunger rod syringe
JP2008272084A (ja) * 2007-04-26 2008-11-13 Jms Co Ltd 注射器ホルダ及び注射器装置
JP2008307237A (ja) * 2007-06-15 2008-12-25 Nipro Corp プレフィルドシリンジ
JP2014526938A (ja) * 2011-08-26 2014-10-09 イーライ リリー アンド カンパニー 注射装置用の補充モジュール

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001064266A1 (fr) * 2000-03-02 2001-09-07 Daikyo Seiko, Ltd. Ensemble seringue prealablement remplie
US20080082055A1 (en) * 2006-09-29 2008-04-03 Tyco Healthcare Group Lp Detachable plunger rod syringe
JP2008272084A (ja) * 2007-04-26 2008-11-13 Jms Co Ltd 注射器ホルダ及び注射器装置
JP2008307237A (ja) * 2007-06-15 2008-12-25 Nipro Corp プレフィルドシリンジ
JP2014526938A (ja) * 2011-08-26 2014-10-09 イーライ リリー アンド カンパニー 注射装置用の補充モジュール

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102089438B1 (ko) * 2019-05-02 2020-03-16 (주)풍림파마텍 재사용 방지구조를 갖는 주사기 배럴
WO2022039196A1 (ja) * 2020-08-20 2022-02-24 テルモ株式会社 プレフィルドシリンジ

Also Published As

Publication number Publication date
JP6979840B2 (ja) 2021-12-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2010349627B2 (en) Prefilled syringe
US9101720B2 (en) Prefilled syringe
US20190217013A1 (en) Syringe and prefilled syringe
JP6752775B2 (ja) シリンジホルダ及び薬液投与セット
JP5048472B2 (ja) 注射器およびプレフィルドシリンジ
US20160206821A1 (en) Syringe barrel with puncture function, syringe with puncture function, and prefilled syringe with puncture function
JP2019063168A (ja) 注射器、プレフィルドシリンジ用の注射器およびプレフィルドシリンジ
JP5416529B2 (ja) 薬剤投与具および薬剤容器装着済み薬剤投与具
US9757526B2 (en) Drug administration instrument
JP5896669B2 (ja) シリンジ用プランジャー、シリンジおよびプレフィルドシリンジ
JP5714268B2 (ja) プレフィルドシリンジ
JP5784438B2 (ja) プレフィルドシリンジ
JP5824223B2 (ja) 2連式プレフィルドシリンジ
JP2003245350A (ja) シリンジ用ガスケット及びそれを用いたシリンジ
JP5450731B2 (ja) シリンジ
JP5634695B2 (ja) 注射器およびプレフィルドシリンジ
JP5489548B2 (ja) プレフィルドシリンジ
JP5824200B2 (ja) プレフィルドシリンジ
JP4871621B2 (ja) プレフィルドシリンジ
JP2004092671A (ja) シリンジ用ガスケット、ガスケット付プランジャー、シリンジ及びプレフィルドシリンジ
JP5394183B2 (ja) プレフィルドシリンジ
JP2012029918A (ja) ガスケット、プレフィルドシリンジ、及び打栓方法
JP2021137451A (ja) 2室式プレフィルドシリンジ
JP2004283630A (ja) マルチ針付きホルダー

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180913

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200626

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20200626

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200716

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210506

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210430

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20210702

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210823

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211102

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211116

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6979840

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150