JP2019062307A - 車載機制御装置、車載機制御方法 - Google Patents

車載機制御装置、車載機制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】車載機制御装置や携帯機の電池を消耗させることがなく、且つ、扉の解錠などが要求された場合には、速やかに扉を解錠可能とする。【解決手段】携帯機が見つかったら予め認証しておく。また、扉の解錠などが要求されたら、携帯機に所定の電波強度の基準信号を送信して、携帯機が車両の周辺領域内に存在するか否かを判定する。そして、携帯機が正規の携帯機であり、且つ、携帯機が周辺領域内に存在していた場合は、扉を解錠などするべく車載機を駆動する。こうすれば、携帯機の認証を予め済ませてしまうので、携帯機との間で認証要求信号および認証信号の送受信が繰り返されて電池が消耗することがない。加えて、携帯機の認証は終わっているので、携帯機が車両の周辺領域内に存在することが確認できれば、扉を解錠することができる。このため、扉の解錠などを速やかに行うことも可能となる。【選択図】図2

Description

本発明は、車両の周辺に存在する携帯機から受信した認証信号に基づいて携帯機を認証し、携帯機が正規の携帯機であると判定された場合には、車両に搭載されている車載機を、携帯機の使用者からの要求に応じて動作させる技術に関する。
車両に乗り込む際に、いちいち鍵を取り出して扉を解錠する煩わしさを解消するために、正規の鍵の使用者が車両の扉の取手に手を掛けると、自動的に扉が解錠されるパッシブエントリーと呼ばれる技術が開発されて、現在では広く使用されている。
パッシブエントリーを実現可能な車両の鍵には通信機能が搭載されており、
車両に搭載された制御装置にも通信機能が搭載されている。この制御装置は、扉を解錠あるいは施錠する施錠装置を制御可能となっている。そして、車両に搭載された制御装置(以下、車載機制御装置)は、無線通信機能を搭載した鍵(以下、携帯機)と無線で通信可能となっており、周囲に存在する携帯機を定期的に探索して、見つかった携帯機が正規の携帯機であるか否かを認証している。この定期的な探索および認証(以下、定期認証)は、次のような手順で行われる。
先ず初めに、車載機制御装置は、周囲に存在する携帯機を呼び出す呼出信号(いわゆるWake信号)を、一定周期(たとえば1秒間に4回程度)で送信する。その呼出信号に対して応答信号(いわゆるAck信号)が戻ってきた場合には、周囲に携帯機が存在するものと判断できる。そこで今度は、携帯機に対して認証を要求する認証要求信号(いわゆるChallenge信号)を送信する。この認証要求信号には、所定の電波強度を有する基準信号成分(いわゆるBurst成分)が含まれている。その認証要求信号を受け取った携帯機は、認証のための認証信号(いわゆるResponse信号)を返信する。この認証信号には、認証要求信号に含まれる基準信号成分を受信したときの受信強度値(いわゆるRSSI)が含まれている。認証信号を受け取った車載機制御装置は、認証信号に基づいて、携帯機が正規の携帯機であるか否かを認証すると共に、認証信号に含まれる受信強度値に基づいて、携帯機が車両から所定距離以内の周辺領域内に存在するか否かを判定する。そして、携帯機が周辺領域内に存在し、尚且つ、その携帯機が正規の携帯機であると認証されてから一定時間(たとえば3秒間)の間に、車両の扉の取手に手が掛けられるなどの開扉操作が行われたことを検知すると、車両の扉を解錠するようになっている(たとえば、特許文献1)。
また、認証信号に含まれる受信強度値からすると携帯機が周辺領域よりも遠くに存在すると判定した場合は、上述した定期認証のための手順を初めから再開する。そして、一定周期でこのようなことを繰り返しているうちに、携帯機が車両に近付いてきて、周辺領域内に存在すると判定された場合は、携帯機の電池の消耗を防止する目的から、定期認証を行う間隔を長周期(たとえば3秒に1回程度)に変更する。また逆に、携帯機が車両から遠ざかっていった場合は、携帯機からの応答信号が戻ってこなくなるので、それ以降は、車載機制御装置は認証要求信号を送信することなく、一定周期で呼出信号の送信を繰り返すようになる。
ところが、周辺領域よりも遠くで探知された携帯機が、車両に近付いて来ず、車両から遠ざかりもしなかった場合は、車載機制御装置および携帯機が、上述した定期認証のための手順を一定の短い周期で繰り返し続けることになる。その結果、車載機制御装置および携帯機の双方の電池が消耗してしまう。
そこで、車両の周辺領域よりも遠くで携帯機が検知される状態が継続した場合には、車載機制御装置が上述した定期認証を開始する周期を、例えば3秒に1回程度に延長することも提案されている。
特開2012−172334号公報
しかし、車載機制御装置が定期認証を開始する周期を延長すると、正規の携帯機を携帯したユーザーが車両の扉の取手に手を掛けるなどの開扉操作を行っても、扉が解錠されるまでに時間が掛かってしまうことがあるという問題があった。
この理由は、次のようなものである。先ず、定期認証の周期を延長すると、定期認証の合間にユーザーが周辺領域外から周辺領域内に入って開扉操作を行う場合が発生し得る。そして、そのような場合に扉を解錠して良いか否かを判断するためには、車載機制御装置と携帯機との間で、呼出信号および応答信号を送受信して携帯機の存在を認識し、更に、認証信号要求信号や、認証信号を送受信して携帯機を認証する必要があるからである。
この発明は、従来技術が有する上述した課題に鑑みてなされたものであり、車載機制御装置や携帯機の電池の消耗を防止可能でありながら、車載機を用いたサービスの提供(例えば、扉の解錠)が要求された場合には、要求されたサービス(例えば、車両の扉の解錠)を速やかに実行可能な技術の提供を目的とする。
上述した問題を解決するために本発明の車載機制御装置および車載機制御方法は、携帯機との間で信号を送受信することによって携帯機を認証しておく。そして、認証によって携帯機が正規の携帯機であると判定された状態で、車載機を用いたサービスの提供(例えば、扉の解錠)が要求されると、携帯機に所定の電波強度の基準信号を送信して、携帯機から基準信号の受信強度値を受け取ることによって、携帯機が車両の周辺領域内に存在するか否かを判定する。その結果、携帯機が周辺領域内に存在していた場合は、要求されたサービスを提供(例えば、扉を解錠)するべく車載機を駆動する。
こうすれば、携帯機が見つかったら予め認証を済ませてしまうので、携帯機が車両の周辺領域外に存在する場合でも、携帯機との間で認証要求信号および認証信号の送受信が頻繁に繰り返されることがなく、車載機制御装置や携帯機の電池が消耗する虞が生じない。加えて、携帯機の認証は終わっているので、サービスの提供が要求されたら、携帯機が車両の周辺領域内に存在するか否かを、少ないデータ量で判断して、サービスを提供することができる。このため、要求されたサービスを速やかに提供することも可能となる。
車両1に搭載された車載機制御装置100がユーザーの携帯機10を認証してパッシブエントリーを実現する様子を例示した説明図である。 本実施例の車載機制御装置100がパッシブエントリーを実現するために、ユーザーの携帯機10との間で信号を送受信する様子を例示した説明図である。 従来の車載機制御装置190がパッシブエントリーを実現するために、ユーザーの携帯機90との間で信号を送受信する様子を例示した説明図である。 従来の車載機制御装置190ではユーザーが車両1のドアノブ2を引いても解錠に時間が掛かってしまうことがある理由を示した説明図である。 本実施例の車載機制御装置100の内部構造を示した説明図である。 本実施例の車載機制御装置100がパッシブエントリーを実現する車載機制御処理の前半部分のフローチャートである。 本実施例の車載機制御処理の後半部分を示したフローチャートである。 本実施例の車載機制御装置100が送信する認証要求信号についての説明図である。 本実施例の携帯機10が送信する認証信号についての説明図である。 本実施例の車載機制御装置100が送信する基準信号および携帯機10が返信する受信強度値についての説明図である。 本実施例の車載機制御装置100は、ユーザーが車両1のドアノブ2を引くと速やかに解錠することが可能な理由を示した説明図である。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために実施例について説明する。
A.装置構成 :
図1には、車両1に搭載された本実施例の車載機制御装置100がユーザーの携帯機10と無線で通信することによってパッシブエントリーを実現する様子の概要が示されている。図示されるように車載機制御装置100は、RF波を送受信する車載アンテナ100aや、LF波を送受信する車載アンテナ100b,100cに接続されている。このうちの車載アンテナ100b,100cは、車両1の左右のドアノブ2付近に内蔵されており、車両1の周辺に存在する携帯機10に対して応答信号の返信を要求する呼出信号(いわゆるWake信号)を、LF波を用いて一定周期(例えば、1秒間に4回の周期)で送信することによって、携帯機10を探索している。図1(a)のように、携帯機10を携帯するユーザーが、車載機制御装置100からの呼出信号が届く範囲(すなわち、探索領域)の外にいる間は、携帯機10には呼出信号が届かないので、携帯機10から何らかの信号が返信されることはない。
しかし、図1(b)のように、携帯機10を携帯するユーザーが探索領域内に入ると、呼出信号が携帯機10に届くようになるので、携帯機10は、呼出信号に対する応答信号(いわゆるAck信号)を、RF波を用いて車載機制御装置100に返信する。車載機制御装置100は、この応答信号を車載アンテナ100aで受信することによって携帯機10を認識して、車載機制御装置100と携帯機10との間で、LF波およびRF波を用いた無線による認証が開始される。そして、認証によって携帯機10が正規の携帯機10であることが確認された後、図1(c)に示したように、携帯機10を携帯するユーザーが車両1のドアノブ2に触れると、車載機制御装置100は携帯機10との間で、LF波およびRF波を用いて無線通信することによって、携帯機10が車両1の周辺領域内に存在するか否かを判定する。そして、携帯機10が周辺領域内に存在することが確認できたら、車両1に搭載された扉の施錠装置5を駆動して扉を解錠する。その結果、正規の携帯機10を携帯したユーザーは、携帯機10を取り出してボタンの操作などを行わなくても、車両1のドアノブ2に触れれば扉が解錠されて、車両1に乗り込むことが可能となる。尚、本実施例のドアノブ2は、本発明における「取手」に該当する。
図2には、本実施例の車載機制御装置100がパッシブエントリーを実現するために、ユーザーの携帯機10と信号を送受信する様子が示されている。携帯機10を携帯するユーザーが探索領域外に存在する間は(図2(a)参照)、車両1側の車載機制御装置100は一定周期で呼出信号を送信しているが、携帯機10から応答信号が返信されることはない。
しかし、図2(b)に示すように、携帯機10を携帯したユーザーが探索領域内に入ってくると、呼出信号を受信した携帯機10が、車載機制御装置100に向かって応答信号を返信する。すると、応答信号を受信した車載機制御装置100が、その携帯機10に向かって今度は、認証信号の送信を要求する認証要求信号を送信する。携帯機10は探索領域内に入っているので、認証要求信号を受信することが可能であり、要求された認証信号を車載機制御装置100に送信する。車載機制御装置100は、こうして送信された認証信号を受け取って、携帯機10が正規の携帯機10であるか否かを認証する。
そして、認証によって、携帯機10が正規の携帯機10であると判定された後、図2(c)に示すように、携帯機10を携帯したユーザーが車両1のドアノブ2に触れると、車載機制御装置100がそのことを検知して、所定の電波強度を有する基準信号を送信する。すると、携帯機10は、基準信号を受信したときの受信強度を示す受信強度値(いわゆるRSSI)を返信する。車載機制御装置100は、この受信強度値に基づいて、携帯機10が車両1から所定距離以内の周辺領域内に存在するか否かを判断して、携帯機10が周辺領域内に存在することが確認できたら、施錠装置5(図1参照)に対して車両1の扉を解錠するように指示を出す。本実施例の車載機制御装置100は、このようにして、パッシブエントリーを実現する。
参考として、従来の車載機制御装置190がユーザーの携帯機90を認証してパッシブエントリーを実現する様子について概要を説明しておく。
図3には、従来の車載機制御装置190がパッシブエントリーを実現するために、ユーザーの携帯機90と信号を送受信する様子が示されている。携帯機90を携帯するユーザーが探索領域外に存在する間は(図3(a)参照)、従来の車載機制御装置190も本実施例の車載機制御装置100と同様に、一定周期で呼出信号を送信している。
そして、図3(b)に示すように、携帯機90を携帯したユーザーが探索領域内に入ってくると、呼出信号を受信した携帯機90が、車載機制御装置190に向かって応答信号を返信するので、車載機制御装置190が携帯機90を認識する。そこで、従来の車載機制御装置190は、その携帯機90が正規の携帯機90であるか否か、および携帯機90が車両1の周辺領域内に存在するか否かを判定するために、所定の信号強度を有する信号成分(以下、基準信号成分)を含んだ認証要求信号を送信する。
すると、携帯機90からは、基準信号成分を受信した時の受信強度値(いわゆるRSSI)を含んだ認証信号が返信されてくるので、従来の車載機制御装置190は、認証信号に含まれる受信強度値に基づいて、携帯機90が車両1の周辺領域内に存在するか否かを判定する。車両1の周辺領域は探索領域よりも車両1の近くに設定されているので、携帯機90を携帯したユーザーが車両1に近付いて行って探索領域内に入ったとしても、暫くの間は、まだ周辺領域外にいる。このため車載機制御装置190は、受信強度値を含んだ認証信号を受け取っても、初めのうちは携帯機90が未だ周辺領域内に入っていないと判定する。
そして、この場合は、一定周期が経過した後、再び、呼出信号を送信して、携帯機90からの応答信号が返信されてきたら、基準信号成分を含んだ認証要求信号を送信する。その信号に対して、携帯機90から受信強度値を含んだ認証信号が返信されてきたら、再び、携帯機90が周辺領域内に存在するか否かを判定する。
尚、携帯機90を携帯したユーザーが周辺領域の外側にいる場合は認証しないにも拘わらず、車載機制御装置190が基準信号成分を含んだ認証要求信号を送信し、携帯機90が受信強度値を含んだ認証信号を返信するのは、認証が間に合わなくなる事態を回避するためである。すなわち、認証要求信号および認証信号はデータ量が多く、送受信に時間が掛かるので、携帯機90が周辺領域内に存在することを確認してから認証要求信号および認証信号を送受信していたのでは、携帯機90の認証のための時間を十分に確保できないためである。
このように従来の車載機制御装置190では、探索領域内に携帯機90が見つかると、呼出信号および認証要求信号を送信して、携帯機90が探索領域内に存在するか否か、および周辺領域内に入ってきていないかを判定する操作を、一定周期(例えば1秒間に4回)で繰り返す。そして、図3(c)に示すように、携帯機90を携帯したユーザーが車両1の周辺領域内に入ってくると、車載機制御装置190は、認証信号を用いて携帯機90を認証し,続いて、認証信号に含まれる受信強度値に基づいて、周辺領域内に入ったことを認識する。その結果、携帯機90が正規の携帯機90と判定されたら、正規の携帯機90を携帯したユーザーが車両1の周辺領域内に存在することになる。
その後は、ユーザーが車両1のドアノブ2に触れたことを検知したら、施錠装置5(図1参照)に対して車両1の扉を解錠するように指示を出すことによってパッシブエントリーを実現する。このように従来の車載機制御装置190では、正規の携帯機90を携帯したユーザーが車両1の周辺領域内に存在することを予め確認しているので、ユーザーが車両1のドアノブ2に触れると、速やかに車両1の扉を解錠することができる。
もっとも、上述した従来の車載機制御装置190では、ユーザーが車両1のドアノブ2を引いた時に、なかなか扉が解錠されない事態が生じることがあった。これは、次のような理由による。
図4には、従来の車載機制御装置190では、ユーザーが車両1のドアノブ2を引いた時に、解錠に時間が掛かってしまうことがある理由が示されている。前述したように、車両1の周辺領域は探索領域よりも車両1の近くに設定されているので、周辺領域の外側には、探索領域内ではあるが周辺領域内ではない領域が存在している。携帯機90を携帯したユーザーが歩いていれば、このような領域を比較的短時間で通り過ぎてしまうが、このような領域で立ち止まってしまうことも起こり得る。
図4(a)には、携帯機90を携帯したユーザーが、探索領域内ではあるが周辺領域内ではない領域で、立ち話を始めた様子が示されている。この場合は、図3(b)を用いて前述したように、車載機制御装置190は一定周期で呼出信号を送信すると、その度に携帯機90から応答信号が戻ってくるので、基準信号成分を含んだ認証要求信号を送信する。すると、その認証要求信号に対して、受信強度値を含んだ認証信号が携帯機90から戻ってくるので、携帯機90が周辺領域内に存在するか否かを判定する。
その結果、携帯機90は周辺領域内には存在しないと判定されるが、携帯機90を携帯してユーザーが歩いていれば、直ぐに周辺領域内に入ってくるか、若しくは逆に、探索領域外に出てしまうと考えられる。そこで、車載機制御装置190は、再び呼出信号を送信する。すると、携帯機90から応答信号が戻ってくるので、再び認証要求信号を送信し、携帯機90から戻ってきた認証信号を受信して、携帯機90が周辺領域内に存在するか否かを判定する。
このように、携帯機90を携帯したユーザーが、車両1の周辺領域の外側ではあるが探索領域内の領域で立ち止まるような状況が発生すると、車載機制御装置190が一定周期で呼出信号や認証要求信号を送信し、その度に携帯機90が応答信号や認証信号を返信し続けることになって、車載機制御装置190や携帯機90で電池が消耗する。
そこで、このような状況が一定時間以上継続した場合には、電池の消耗を避けるための1つの対策として、車載機制御装置190が呼出信号を送信する周期を長く(例えば、3秒に1回程度に延長)することが対策の一つとして行われることがある。図4(a)には、車載機制御装置190が一定周期(例えば1秒間に4回)で呼出信号や認証要求信号を送信する状態が一定時間以上継続したために、呼出信号を送信する間隔を、3秒に1回程度に延長した様子が示されている。
こうして呼出信号の送信間隔が延長された後に、携帯機90を携帯したユーザーが立ち話を終えて、車両1に向かって歩き始めたとする。ユーザーは周辺領域の直ぐ外側に居るにも拘わらず、呼出信号の送信間隔が延長されているので、ユーザーが周辺領域内に入っても多くの場合は、車載機制御装置190はそのことに気付かない。
そして、ユーザーが車両1の扉を開けようとドアノブ2に手を掛けると、ドアノブ2に内蔵された図示しない接触センサーがドアノブ2への接触を検知して、車載機制御装置190に出力する。
この段階で、車載機制御装置190は初めて周辺領域内にユーザーが存在することを認識して、呼出信号を送信する。そして、携帯機90からの応答信号が戻ってきた場合は、車両1の扉を解錠して良いか否かを判断するために、基準信号成分を含んだ認証要求信号を送信する。その認証要求信号に対して、受信強度値を含んだ認証信号を受け取ったら、その認証信号に基づいて、携帯機90が正規の携帯機であるかどうかを認証する。そして、携帯機90が正規の携帯機であった場合は、今度は、認証信号に含まれる受信強度値に基づいて、携帯機90が周辺領域内に居るか否かを判定する。その結果、携帯機90が周辺領域内に居ることが確認されたら、車両1に搭載された図示しない施錠装置に向かって解錠を指示することによって、扉を解錠させる。
このように従来の車載機制御装置190では、車載機制御装置190が呼出信号の送信周期を延長することがある。そして、送信周期が延長されると、携帯機90を携帯するユーザーが車両1のドアノブ2に手を掛けてから、車載機制御装置190が呼出信号を送信して、認証のために携帯機90との間で信号のやり取りが開始されるので、車両1の扉が解錠されるまでに時間が掛かってしまうことがあった。もちろん、呼出信号の送信周期を延長しなければ、こうした問題が生じることはないが、車載機制御装置190および携帯機90が高い頻度で信号を送受信することになるので電池が消耗してしまう。
これに対して本実施例の車載機制御装置100は、車載機制御装置100および携帯機10の電池の消耗を避けながら、携帯機10のユーザーが車両1のドアノブ2に手を掛けると速やかに扉を解錠することが可能である。
図5には、本実施例の車載機制御装置100の内部構造が示されている。図示されるように、本実施例の車載機制御装置100は、無線通信部101や、応答信号要求部102、応答信号受信部103、認証信号要求部104、認証信号受信部105、認証実行部106、基準信号送信部107、サービス要求検知部108、周辺領域判定部109、車載機駆動部110、解錠状態検知部111などを備えている。
尚、これらの「部」は、本実施例の車載機制御装置100が携帯機10と無線通信してパッシブエントリーを実現するために備える機能に着目して、車載機制御装置100の内部を便宜的に分類した抽象的な概念であり、車載機制御装置100がこれらの「部」に物理的に区分されていることを表すものではない。従って、これらの「部」は、CPUで実行されるコンピュータープログラムとして実現することもできるし、LSIを含む電子回路として実現することもできるし、更にはこれらの組合せとして実現することもできる。
無線通信部101は、RF波による電波を送受信する車載アンテナ100aと、LF波による電波を送受信する車載アンテナ100b,100cとに接続されており、車載アンテナ100aや、車載アンテナ100b,100cを駆動することによって電波を送信したり、電波を受信したりする。
応答信号要求部102は、応答信号を要求する呼出信号を無線通信部101に出力する。すると、無線通信部101は、車載アンテナ100b,100cから携帯機10に向かってLF波による呼出信号を送信する。この呼出信号には、車両の型式などの情報が含まれており、該当する携帯機10に対して応答信号を要求する信号となっている。また、携帯機10は、呼出信号を受信するとRF波による応答信号を返信する。こうして携帯機10からRF波で返信された応答信号は、車載アンテナ100aを介して無線通信部101で受信される。
応答信号受信部103は、携帯機10が返信した応答信号を、無線通信部101から受け取って、応答信号を受信した旨を、認証信号要求部104に出力する。
認証信号要求部104は、携帯機10からの応答信号を受信した旨の情報を受け取ると、認証信号を要求する認証要求信号を無線通信部101に出力する。すると、無線通信部101は、車載アンテナ100b,100cからLF波による認証要求信号を、携帯機10に向かって送信する。
尚、前述した従来の車載機制御装置190では、基準信号成分を含んだ認証要求信号を送信していたが、本実施例の車載機制御装置100が送信する認証要求信号は基準信号成分を含まない信号となっている。また、前述した従来の携帯機90は、認証要求信号を受け取ると、基準信号成分を受信した時の受信強度値を含んだ認証信号を返信していた。しかし、本実施例の車載機制御装置100が送信する認証要求信号は基準信号成分を含んでいないので、本実施例の携帯機10が返信する認証信号は受信強度値を含まない信号となっている。
認証信号受信部105は、携帯機10が返信したRF波による認証信号を、車載アンテナ100aから無線通信部101を介して受信する。そして、受信した認証信号を認証実行部106に出力する。
認証実行部106は、認証信号受信部105から受け取った認証信号に基づいて認証することにより、携帯機10が正規の携帯機10であるか否かを判定する。そして、携帯機10が正規の携帯機10であった場合は、その旨を車載機駆動部110に出力する。
基準信号送信部107は、サービス要求検知部108でユーザーによるサービスの要求が検知されたか否かを監視する。
サービス要求検知部108は、車両1のドアノブ2に内蔵された接触センサー2sに接続されており、人間の手がドアノブ2に接触したことを検知することによって、車両1の扉の解錠あるいは施錠が要求されたことを検知することができる。尚、ここでは、ユーザーが要求するサービスは、扉の解錠または施錠であるものとして説明するが、他のサービスとしても良い。
基準信号送信部107は、サービス要求検知部108でユーザーによるサービスの要求(ここでは、扉の解錠または施錠の要求)が検知されると、所定の信号強度を有する基準信号を無線通信部101に出力する。すると、無線通信部101は、車載アンテナ100b,100cからLF波を用いて携帯機10に向かって基準信号を送信する。この基準信号には、呼出信号と同様な信号成分も含まれている。
携帯機10は、基準信号を受信すると、その中に含まれている呼出信号に相当する信号成分に基づいて、その基準信号に対して返信を要するか否かを判断する。前述したように呼出信号には車両の型式などの情報が含まれているため、その情報に基づいて、携帯機10は基準信号が自らに向けて送信されたものであるか否かを判断することができる。そして、基準信号が自らに向けて送信されたものであった場合は、返信を要すると判断して、その基準信号を受信したときの受信強度値を、RF波を用いて返信する。
周辺領域判定部109は、携帯機10が返信した受信強度値を、車載アンテナ100aから無線通信部101を介して受信すると、受信強度値を所定の閾値強度と比較することによって、携帯機10が車両1の周辺領域内に存在するか否かを判定する。
そして、携帯機10が周辺領域内に存在していた場合は、周辺領域内に存在するユーザーからサービス(ここでは扉の解錠または施錠)が要求されたことになる。そこで、周辺領域判定部109は、その旨(すなわち、携帯機10が周辺領域内に存在する旨)を車載機駆動部110に出力する。また、車載機駆動部110は、携帯機10が正規の携帯機10であった場合には、認証実行部106からその旨を受け取っている。
車載機駆動部110は、携帯機10が周辺領域内に存在する旨を周辺領域判定部109から受け取り、尚且つ、携帯機10が正規の携帯機10である旨を認証実行部106から受け取ると、車両1の扉が解錠状態となっているか否かを、解錠状態検知部111に対して問い合わせる。解錠状態検知部111は扉の施錠装置5に接続されており、扉が解錠状態となっているか否かを検知することができる。そして、扉が解錠状態となっていない場合は、車載機駆動部110は施錠装置5を駆動することによって、車両1の扉を解錠させる。これに対して、扉が解錠状態となっていた場合は、施錠装置5を駆動することによって扉を施錠させる。尚、本実施例の施錠装置5は、本発明における「車載機」に該当する。
以上のような内部構造を有する本実施例の車載機制御装置100は、いわゆるパッシブエントリーを実現するために、以下のような処理を行う。その結果、車載機制御装置100および携帯機10の電池の消耗を避けながら、携帯機10のユーザーが車両1のドアノブ2に手を掛けると速やかに扉を解錠することが可能となる。
B.車載機制御処理 :
図6および図7には、本実施例の車載機制御装置100がパッシブエントリーを実現する車載機制御処理のフローチャートが示されている。
図示されるように、車載機制御処理を開始すると、先ず始めに、携帯機10に向かって呼出信号を送信するか否かを判断する(S100)。前述したように呼出信号とは、該当する携帯機10に対して応答信号を要求する信号である。呼出信号は一定周期(例えば1秒間に4回)で送信しており、前回に送信してから所定時間が経過していない場合は呼出信号を送信しないと判断して(S100:no)、同じ判断を繰り返すことによって待機状態となる。
これに対して、前回に送信してから所定時間が経過していた場合は呼出信号を送信すると判断して(S100:yes)、呼出信号を送信する(S101)。
呼出信号を送信したら、応答信号を受信したか否かを判断する(S102)。呼出信号が届く範囲(すなわち、携帯機10の探索領域内)に、該当する携帯機10が存在していれば、呼出信号を受信した携帯機10から応答信号が返信されてくる筈なので、この応答信号を受信したか否かを判断する。その結果、応答信号を受信していない場合は(S102:no)、探索領域内には携帯機10が存在しないと考えられるので、処理の先頭に戻って、呼出信号を送信するか否かを判断する(S100)。
これに対して、応答信号を受信した場合は(S102:yes)、探索領域内に携帯機10が存在していると考えられるので、今度は、その携帯機10が正規の携帯機10であるか否かを認証するべく、携帯機10に向かって認証要求信号を送信する(S103)。ここで、本実施例の認証要求信号は、従来から用いられてきた認証要求信号とは異なって、いわゆるChallenge信号成分は有するが、基準信号成分(いわゆるBurst信号成分)は有さない信号となっている。
図8(a)には、本実施例の認証要求信号が概念的に示されており、図8(b)には、従来の認証要求信号が概念的に示されている。図8(b)に示されるように、基準信号成分には、信号強度が大きな強信号部分と、強信号部分よりも信号強度が小さな低信号部分とが含まれている。
そして、認証信号を受信したか否かを判断する(図6のS104)。その結果、認証信号を受信できなかった場合は(S104:no)、携帯機10が探索領域外に出てしまったと判断できるので、処理の先頭に戻って、再び、呼出信号を送信するか否かを判断する(S100)。
これに対して、認証信号を受信した場合は(S104:yes)、受信した認証信号に基づいて携帯機10を認証することにより、正規の携帯機10であるか否かを判定する(S106)。尚、本実施例の認証信号は、従来から用いられてきた認証信号とは異なって、いわゆるResponse信号成分は有するが、受信強度値(いわゆるRSSI)は有さない信号となっている。図9(a)には、本実施例の認証信号が概念的に示されており、図9(b)には、従来の認証信号が概念的に示されている。
続いて、携帯機10が正規の携帯機10と判定されたか否かを判断する(図6のS106)。その結果、携帯機10が正規の携帯機10ではなかった場合は(S106:no)、車両1の扉を解錠あるいは施錠する必要は無い。そこで、正規の携帯機10を携帯したユーザーが近付いてきた場合にパッシブエントリーを実現するべく、処理の先頭に戻って、再び、呼出信号を送信するか否かを判断する(S100)。
これに対して、携帯機10が正規の携帯機10であった場合は(S106:yes)、認証有効時間の計時を開始する(S107)。ここで、認証有効時間とは、携帯機10が正規の携帯機10であるとの認証結果が有効な時間である。認証有効時間としては、代表的には30秒程度の時間に設定されている。
その後、車両1のドアノブ2への接触が検知されたか否かを判断する(S108)。図5に示したように、ドアノブ2には接触センサー2sが内蔵されており、人間がドアノブ2に手を掛けると、接触センサー2sの出力に基づいてそのことを検知することができる。もっとも、本実施例の車載機制御装置100では、探索領域内の携帯機10を検知すると(S102:yes)、その携帯機10に対して認証要求信号を送信して認証する(S103、S105)。このため、携帯機10が正規の携帯機10と判定されても(S106:yes)、その携帯機10を携帯するユーザーが、直ぐにドアノブ2に手を掛けられる距離まで近付いて来られるわけではない。
従って、携帯機10が正規の携帯機10と判定されても(S106:yes)、暫くの間は、ドアノブ2への接触は検知されていないと判断されて(S108:no)、認証有効時間が経過したか否かを判断する(S109)。当然ながら、認証有効時間の計時を開始して(S107)、暫くの間は、認証有効時間は経過していないと判断されるので(S109:no)、再び、ドアノブ2への接触が検知されたか否かを判断する(S108)。
このように本実施例では、携帯機10が正規の携帯機10と判定されると(S106:yes)、ドアノブ2への接触が検知されるか(S108:yes)、あるいは認証有効時間が経過する(S109:yes)まで、S108およびS109の判断を繰り返す。
その結果、ドアノブ2への接触が検知されないまま、認証有効時間が経過したと判断した場合は(S109:no)、正規の携帯機10を携帯したユーザーが車両1から遠ざかっている可能性があるので、処理の先頭に戻って、再び、呼出信号を送信するか否かを判断する(S100)。
仮に、正規の携帯機10を携帯したユーザーが車両1から遠ざかっている場合は、呼出信号を送信しても(S100:yes、S101)、応答信号が戻ってこないので(S102:no)、以降は、一定周期で呼出信号を送信することによって、探索領域内の携帯機10を探索する。
これに対して、正規の携帯機10を携帯したユーザーが探索領域内に存在していた場合は、応答信号が戻ってくるので(S102:yes)、認証要求信号を送信し(S103)、戻ってきた認証信号に基づいて携帯機10を認証する(S105)。
その結果、正規の携帯機10であると判断されたら(S106:yes)、再び認証有効時間の計時を開始した後(S107)、ドアノブ2への接触を検知したか否かの判断(S108)、および認証有効時間が経過したか否かの判断(S109)を繰り返す。
そして、このような動作を繰り返しているうちに、ドアノブ2への接触が検知されたら(S108:yes)、今度は、携帯機10に向かって基準信号を送信する(図7のS110)。基準信号とは、従来の認証要求信号に含まれる基準信号成分と同様に(図8(b)参照)、所定の信号強度を有する信号である。本実施例の基準信号は、図10(a)に概念的に示したように、前述した呼出信号に相当する信号成分である呼出信号成分と、所定の信号強度を有する基準信号成分とを含んでいる。図7のS110では、このような基準信号を送信する。すると、携帯機10は、基準信号を受信した時の受信強度値を返信してくるので、車載機制御装置100は、この受信強度値を受信する(S111)。
続いて、携帯機10から受信した受信強度値が、所定の閾値強度よりも大きいか否かを判断する(S112)。その結果、受信強度値が閾値強度よりも小さかった場合は(S112:no)、正規の携帯機10は車両1の周辺領域外に存在しており、従って、ドアノブ2に触れたのは、正規の携帯機10を携帯するユーザーではないと考えられる。そこで、この場合(S112:no)は、処理の先頭に戻って、再び、呼出信号を送信するか否かを判断する(図6のS100)。
これに対して、携帯機10から受信した受信強度値が、所定の閾値強度よりも大きかった場合は(S112:yes)、正規の携帯機10が車両1の周辺領域内に存在しており、ドアノブ2に触れたのは正規の携帯機10のユーザーか、若しくは正規の携帯機10のユーザーの同伴者と考えられる。そこで、この場合(s112:yes)は、車両1の扉の施錠状態を検出する(S113)。扉の施錠状態は、扉を施錠する施錠装置5の状態を検知することによって検出することができる。
そして、扉が施錠されている場合は(S114:yes)、ドアノブ2に手を触れたのは、扉の解錠を要求したものと考えられるので、扉の解錠を指示する解錠信号を、施錠装置5に向かって出力する(S115)。
こうして、扉を解錠あるいは施錠したら、処理の先頭に戻って、再び、呼出信号を送信するか否かを判断する(図6のS100)。
本実施例の車載機制御装置100は、以上のような車載機制御処理を実行することによってパッシブエントリーを実現している。このため、ユーザーが車両1のドアノブ2を引くと速やかに解錠することが可能でありながら、車載機制御装置100や携帯機10の電池を消耗させる虞も生じない。以下、この理由について説明する。
図11には、正規の携帯機10を携帯するユーザーが車両1のドアノブ2に手を掛けてから、扉が解錠されるまでの動作が示されている。図11(a)は、本実施例の車載機制御装置100の場合を表している。
図6および図7を用いて前述したように、本実施例の車載機制御装置100は、携帯機10が探索領域に入った段階で、その携帯機10が正規の携帯機10であるか否かを判定する。しかし、この段階では、その携帯機10が車両1の周辺領域内に存在するか否かは判定していない。そして、ドアノブ2に手が掛けられたことを検知すると、携帯機10に向かって基準信号を送信する。前述したように基準信号には呼出信号成分が含まれているので(図10(a)参照)、携帯機10はその基準信号が自らに向けて送信されたものであるか否かを判断することができ、自らに向けて送信されたものであった場合には、基準信号の基準信号成分を受信した時の受信強度値を、車載機制御装置100に向けて返信する。車載機制御装置100は、携帯機10から戻ってきた受信強度値に基づいて、車両1の周辺領域内に携帯機10が存在するか否かを判断する。その結果、周辺領域内に携帯機10が存在している場合は、施錠装置5に向かって解錠信号を出力する。
尚、上述したように、周辺領域内に存在する携帯機10が正規の携帯機10であるか否かを判定することなく解錠信号を出力してしまうのは、探索領域内に正規の携帯機10が存在することは既に確認されているためである。すなわち、探索領域内に正規の携帯機10が存在することが確認された後に、車両1の周辺領域内で携帯機10が確認されれば、その携帯機10は正規の携帯機10と考えられるためである。
図11(a)では、ドアノブ2への接触が検知されたタイミングを黒塗りの矢印で表示し、施錠装置5に解錠信号を出力したタイミングを白抜きの矢印で表示している。接触を検知してから解錠信号を出力するまでの間には、車載機制御装置100と携帯機10との間で基準信号および受信強度値を送受信する必要があり、このため、ユーザーがドアノブ2に手を掛けてから扉が解錠されるまでに時間Taを要している。
図11(b)には、参考として、従来の車載機制御装置190で、ユーザーがドアノブ2に手を掛けてから扉が解錠されるまでの動作が示されている。図示されるように、従来の車載機制御装置190では、ドアノブ2への接触が検知されたら、直ぐに解錠信号を出力することができる。この理由は、図3を用いて前述したように、従来の車載機制御装置190では、携帯機90を持ったユーザーが探索領域に入ったことを検知すると、車両1の周辺領域に入った段階で、携帯機90が正規の携帯機90であるか否かを認証しているためである。すなわち、ドアノブ2への接触が検知された段階では、車両1の周辺領域内に正規の携帯機10が存在することが既に確認されているので、特に何かを確認することなく、扉を解錠することができる。その結果、従来の車載機制御装置190では、通常の場合は、ユーザーがドアノブ2に手を掛けてから扉が解錠されるまでに要する時間Tbは、本実施例の車載機制御装置100が要する時間Taよりも短くなる。
このように、従来の車載機制御装置190は、携帯機90を持ったユーザーが車両1の周辺領域に入った段階で認証するので、ユーザーがドアノブ2に手を掛けてから扉が解錠されるまでに要する時間を短縮することができる。
しかし、その反面で、図4を用いて前述したように、携帯機90を携帯したユーザーが周辺領域の外側で立ち止まると、ユーザーがドアノブ2に手を掛けても、なかなか扉が解錠されない事態が生じ得る。図11(c)には、このような事態が生じたときに、ユーザーがドアノブ2に手を掛けてから扉が解錠されるまでの間で、車載機制御装置190および携帯機90が信号を送受信する様子が示されている。
前述したように従来の車載機制御装置190は、携帯機90を携帯したユーザーが周辺領域の外側で立ち止まると、信号を送受信する間隔が長くなる。このため車載機制御装置190は、ユーザーがドアノブ2に手を掛けた段階で初めて、呼出信号を送信して携帯機90を探索し、応答信号が戻ってきたら、携帯機90が車両1の周辺領域内に存在すること、および携帯機90が正規の携帯機90であるか否かを認証するべく、基準信号成分を含んだ認証要求信号を送信する。そして、携帯機90から受信強度値を含んだ認証信号を受け取ったら、携帯機90が周辺領域内に存在することを確認した後、携帯機90を認証する。その結果、携帯機90が正規の携帯機90であることが確認されたら、ようやく解錠信号を出力することになる。
このように、データ量の大きな認証要求信号および認証信号の送受信が必要となるので、ユーザーがドアノブ2に手を掛けてから扉が解錠されるまでに要する時間Tcは、図11(b)に示した通常の場合に要する時間Tbよりも大幅に長くなってしまう。
これに対して、図11(a)に示した本実施例の場合は、図11(c)の場合に比べて扉を迅速に解錠することができる。確かに、図11(b)に示した場合(すなわち、従来の車載機制御装置190の通常の場合)に比べると、ドアノブ2への接触が検知されてから解錠信号を出力するまでの間に、基準信号および受信強度値を送受信するので、その分の時間が必要となる。しかし、基準信号は、呼出信号成分と、所定の信号強度を有する基準信号成分とを有していれば十分なので、データ量は小さい信号であり、受信強度値も同様にデータ量が小さい信号である。このため、ユーザーがドアノブ2に手を掛けた後、これらの信号を送受信してから扉を解錠しても、信号が送受信されたことにユーザーが気付くことはない。従って、図11(b)に示した従来の車載機制御装置190の通常の場合と同様に、ユーザーがドアノブ2に手を掛けると速やかに扉を解錠させることが可能となる。
その一方で、本実施例の車載機制御装置100は、携帯機10を携帯したユーザーが探索領域に入ったことを検知すると、その携帯機10を認証してしまい、その後は、ユーザーがドアノブ2に手を掛けるまで、信号を送受信する必要がない。このため、携帯機10を携帯したユーザーが車両1の周辺領域外で立ち止まった場合でも、車載機制御装置100と携帯機10との間で、認証要求信号および認証信号の送受信を繰り返して、電池を消耗させる事態も回避することが可能となる。
以上、本実施例について説明したが、本発明は上述した実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することができる。
1…車両、 2…ドアノブ、 2s…接触センサー、 5…施錠装置、
10…携帯機、 100…車載機制御装置、 101…無線通信部、
102…応答信号要求部、 103…応答信号受信部、
104…認証信号要求部、 105…認証信号受信部、 106…認証実行部、
107…基準信号送信部、 108…サービス要求検知部、
109…周辺領域判定部、 110…車載機駆動部。

Claims (4)

  1. 車両(1)の周辺に存在する携帯機(10)から受信した認証信号に基づいて前記携帯機を認証し、該認証によって前記携帯機が正規の携帯機であると判定された場合には、前記車両に搭載されている車載機(5)を、前記携帯機の使用者からの要求に応じて動作させる車載機制御装置(100)であって、
    前記携帯機に対して前記認証信号の送信を要求する認証信号要求部(104)と、
    前記携帯機からの前記認証信号を受信する認証信号受信部(105)と、
    前記認証信号に基づいて前記携帯機を認証する認証実行部(106)と、
    前記サービスの提供が要求されたことを検知するサービス要求検知部(108)と、
    前記サービスの提供が要求されたことを検知すると、前記携帯機に向かって所定の電波強度の基準信号を送信する基準信号送信部(107)と、
    前記携帯機が前記基準信号を受信したときの受信強度値を前記携帯機から受信して、前記受信強度値に基づいて、前記携帯機が前記車両から所定距離以内の周辺領域内に存在するか否かを判定する周辺領域判定部(109)と、
    前記認証信号に基づいた認証によって前記携帯機が正規の携帯機であると判定されて、尚且つ、前記携帯機が前記周辺領域内に存在すると判定された場合には、前記携帯機の使用者からの要求に応じて前記車載機を駆動する車載機駆動部(110)と
    を備える車載機制御装置。
  2. 請求項1に記載の車載機制御装置であって、
    前記車両の周辺に存在する前記携帯機に対して応答信号の返信を要求する応答信号要求部(102)と、
    前記応答信号を受信する応答信号受信部(103)と
    を備え、
    前記認証信号要求部は、前記応答信号が受信された場合に、前記携帯機に対して前記認証信号の送信を要求する
    ことを特徴とする車載機制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車載機制御装置であって、
    前記サービス要求検知部は、前記車両の扉の取手(2)に搭載された接触センサー(2s)からの出力に基づいて、前記扉の解錠が要求されたか否かを検知しており、
    前記車載機駆動部は、前記携帯機が前記周辺領域内に存在すると判定された場合には、前記携帯機の使用者からの要求に応じて前記扉の解錠装置(5)を駆動する
    ことを特徴とする車載機制御装置。
  4. 車両(1)の周辺に存在する携帯機(10)との間で無線通信することによって、前記携帯機を認証し、認証の結果に応じて、前記車両に搭載された車載機(5)を制御することによって、前記携帯機の使用者に対して所定のサービスを提供する車載機制御方法であって、
    前記携帯機に対して、該携帯機の認証のための認証信号を送信するように要求する工程(S103)と、
    前記携帯機からの前記認証信号を受信する工程(S104)と、
    前記認証信号に基づいて前記携帯機が正規の携帯機であるか否かを認証する工程(S105)と、
    前記携帯機が正規の携帯機であると認証された状態で、前記サービスの提供が要求された場合には、前記携帯機に向かって所定の電波強度の基準信号を送信する工程(S110)と、
    前記携帯機が前記基準信号を受信したときの受信強度値を前記携帯機から受信して、前記受信強度値に基づいて、前記携帯機が前記車両の周辺の所定領域内に存在するか否かを判定する工程(S112)と、
    前記認証信号に基づいた認証によって前記携帯機が正規の携帯機であると判定されて、尚且つ、前記携帯機が前記所定領域内に存在すると判定された場合に、前記車載機に対して前記サービスの提供を指示する工程(S115、S116)と
    を備える車載機制御方法。
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