JP2019062128A - 基板保持部材および基板保持方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】真空吸着保持した際の基板の平面度の向上を図ることができる基板保持部材および真空吸着方法を提供する。【解決手段】基板保持部材は、主面102を有する基体1と、主面102の外周部において主面102の周縁部に沿って連続的または断続的に設けられた第1環状凸部11およびその内側の第2環状凸部12と、を備えている。第1環状凸部11の高さH1のほうが、第2環状凸部12の高さH2よりも高い。第1主流路21が、基体1の主面102において第1環状凸部11と第2環状凸部12との間の第1領域に開口する第1主開口部212を有し、真空吸引装置に接続されるように基体1に設けられている。第1副流路41が、基体1の主面102において第2環状凸部12の内側領域に開口する第1副開口部412を有し、大気に通じるように基体1に設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体ウエハなど基板を真空吸着保持するために用いられる基板保持部材に関する。
リブ間排気孔、リブ間以外に大気孔および、圧力を調整する機構を有する真空チャックが提案されている(例えば、特許文献1参照)。基板の撓み量を抑制するために基板裏面の複数の部分領域を減圧できるようにその部分領域を囲んで閉じた形状の凸部を形成している。凹部には圧力調整手段が設けられている。
デバイスが形成されたシリコンウエハ(基板)同士の接合またはデバイスが形成されたシリコンウエハの加工をする工程においてはデバイスが形成されたデバイス形成領域を避けて基板を吸着支持する要求がある。当該工程ではデバイスは基板の略全面に形成されているためデバイス形成領域に真空チャックが接触しないように吸着支持する領域が基板の最外周(外縁部)の領域に限られる。
特公平08−031515号公報
しかし、ウエハ(基板)中央部付近では基板の自重等の影響により基板が撓み、吸着時に高い平坦度が得られず所定の工程を行うことができない場合があった。そこで基板の最外周のみを保持してもなお基板の中央部付近のたわみが小さく抑制される真空チャックが要望されていた。また、デバイス形成領域をなるべく基板の全面にして基板1枚当たりのデバイスの製作数を増やすことへの要求から吸着支持する領域は最外周かつ最小な接触面積であることが必要であった。さらに一般の半導体製造プロセスにおいても基板との接触はパーティクル抑制の観点から最小限に抑える潜在的なニーズがある。
そこで、本発明は、真空吸着保持した際の基板の基体との接触面積の低減を図りながら、当該基板の平面度の向上を図ることができる基板保持部材および基板保持方法を提供することを目的とする。
本発明は、主面を有する基体と、前記主面の外周部において前記主面の周縁部に沿って連続的または断続的に設けられた、互いに高さの異なる第1環状凸部およびその内側の第2環状凸部を有し、前記第1環状凸部および前記第2環状凸部のうちの高さの高い方の環状凸部により基板が支持される基板保持部材に関する。
本発明の基板保持部材は、前記主面において前記第1環状凸部と前記第2環状凸部との間の第1領域に開口する第1主開口部を有する第1主流路であって、真空吸引装置に接続されるように前記基体に設けられている第1主流路と、前記主面において前記第2環状凸部の内側領域に開口する第1副開口部を有する第1副流路であって、大気に通じるようにまたは前記第1副流路内の気圧を調整する圧力調整装置に接続されるように前記基体に設けられている第1副流路と、を備えることを特徴とする。
当該構成の基板保持部材およびこれを用いた基板保持方法によれば、(1)第1環状凸部および第2環状凸部のうち相対的に高さが高い一方の環状凸部が第1環状凸部である場合、第1環状凸部の内側において基板の裏面および基体の主面により挟まれた空間が、第1主開口部および第1主流路を通じて減圧される。これにより、第2環状凸部の内側から外側に気体が流れ、基板の裏面および第2環状凸部の上端面の間隙において当該気体の速度が局所的に高くなる。
基板が当該減圧に由来する引力および当該間隙における気体の局所的な速度上昇に由来する引力またはベルヌーイ力により基体の主面に向かって引き寄せられ、第1環状凸部の全部に対して当接する。この際、基板が第2環状凸部(第1環状凸部および第2環状凸部のうち相対的に高さが低い他方の環状凸部)に対応する領域で基体と接触していない分だけ、基板と基体との接触面積の低減が図られる。
さらに、第2環状凸部の内側領域において基板の裏面および基体の主面により挟まれた空間の気圧が、第1副開口部および第1副流路を通じて調節される。これにより、当該ベルヌーイ力の強弱が調節され、第2環状凸部およびその内側領域に対応する領域で基板が局所的に撓むような事態が回避されて基板の平坦度の向上が図られる。
(2)当該一方の環状凸部が第2環状凸部である場合、第1環状凸部および第2環状凸部の間の中間領域(第1領域)において基板の裏面および基体の主面により挟まれた空間が、第1主開口部および第1主流路を通じて減圧される。これにより、第1環状凸部の外側から内側に気体が流れ、基板の裏面および第1環状凸部の上端面の間隙において当該気体の速度が局所的に高くなる。
基板が当該減圧に由来する引力および当該間隙における気体の局所的な速度上昇に由来する引力またはベルヌーイ力により基体の主面に向かって引き寄せられ、第2環状凸部の全部に対して当接する。この際、基板が第1環状凸部(第1環状凸部および第2環状凸部のうち相対的に高さが低い他方の環状凸部)に対応する領域で基体と接触していない分だけ、基板と基体との接触面積の低減が図られる。
さらに、第2環状凸部の内側において基板の裏面および基体の主面により挟まれた空間の気圧が、第1副開口部および第1副流路を通じて調節される。これにより、第2環状凸部の内側領域に対応する領域で基板が局所的に撓むような事態が回避されて基板の平坦度の向上が図られる。
前記第1環状凸部および前記第2環状凸部のうち高さが低い方の環状凸部の幅は、前記第1環状凸部および前記第2環状凸部のうち高さが高い方の環状凸部の幅よりも大きいことが好ましい。
当該構成の基板保持部材によれば、前記(1)の場合、基板の裏面と第1環状凸部の上端面との接触面積の低減が図られ、かつ、基板の裏面と第2環状凸部の上端面との間隙を流れる気体の局所的な速度上昇によるベルヌーイ力が、基板の平坦度を向上させる観点から適当に調節されうる。また、前記(2)の場合、基板の裏面と第2環状凸部の上端面との接触面積の低減が図られ、かつ、基板の裏面と第1環状凸部の上端面との間隙を流れる気体の局所的な速度上昇によるベルヌーイ力が、基板の平坦度を向上させる観点から適当に調節されうる。
前記第1環状凸部と前記第2環状凸部との間の高さの差が0.5〜5μmであることが好ましい。
当該構成の基板保持部材によれば、基板の裏面と第1環状凸部および第2環状凸部のうち相対的に高さが低い他方の環状凸部の上端面との間隙を流れる気体の局所的な速度上昇によるベルヌーイ力が、基板の平坦度を向上させる観点から適当に調節されうる。
本発明の基板保持部材が、前記主面の内側領域に連続的または断続的な環状に設けられた、第3環状凸部およびその内側の第4環状凸部を有し、前記第3環状凸部および前記第4環状凸部のうち、一方の環状凸部の高さは前記第1環状凸部および前記第2環状凸部のうちの高さが高い方の環状凸部の高さよりも低く、他方の環状凸部の高さは前記第1環状凸部および前記第2環状凸部のうち高さが高い方の環状凸部の高さと同じであり、前記主面において前記第3環状凸部と前記第4環状凸部との間の第3領域に開口する第2主開口部を有する第2主流路であって、真空吸引装置に接続されるように前記基体に設けられている第2主流路を有し、前記第1副開口部は、前記主面において前記第4環状凸部の内側の第4領域に設けられることが好ましい。
当該構成の基板保持部材によれば、前記(1)の場合(=第1環状凸部および第2環状凸部のうち相対的に高さが高い一方の環状凸部が第1環状凸部である場合)、かつ、(3)第3環状凸部および第4環状凸部のうち相対的に高さが高い一方の環状凸部が第3環状凸部である場合、第3環状凸部の内側かつ第4環状凸部の外側において基板の裏面および基体の主面により挟まれた空間が、第2主開口部および第2主流路を通じて減圧される。これにより、第4環状凸部の内側から外側に気体が流れ、基板の裏面および第4環状凸部の上端面の間隙において当該気体の速度が局所的に高くなる。
基板が当該減圧に由来する引力および当該間隙における気体の局所的な速度上昇に由来する引力またはベルヌーイ力により基体の主面に向かって引き寄せられ、第1環状凸部に加えて第3環状凸部の全部に対して当接する。この際、基板が第4環状凸部(第3環状凸部および第4環状凸部のうち相対的に高さが低い他方の環状凸部)に対応する領域で基体と接触していない分だけ、基板と基体との接触面積の低減が図られる。
さらに、第4環状凸部の内側において基板の裏面および基体の主面により挟まれた空間の気圧が、第1副開口部および第1副流路を通じて調節される。これにより、当該ベルヌーイ力の強弱が調節され、第2環状凸部およびその内側領域に対応する領域で基板が局所的に撓むような事態が回避されて基板の平坦度の向上が図られる。
前記(1)の場合、かつ、(4)第3環状凸部および第4環状凸部のうち相対的に高さが高い一方の環状凸部が第4環状凸部である場合、第3環状凸部の内側かつ第4環状凸部の外側において基板の裏面および基体の主面により挟まれた空間が、第2主開口部および第2主流路を通じて減圧される。これにより、第3環状凸部の外側から内側に気体が流れ、基板の裏面および第3環状凸部の上端面の間隙において当該気体の速度が局所的に高くなる。
基板が当該減圧に由来する引力および当該間隙における気体の局所的な速度上昇に由来する引力またはベルヌーイ力により基体の主面に向かって引き寄せられ、第1環状凸部に加えて第4環状凸部の全部に対して当接する。この際、基板が第3環状凸部(第3環状凸部および第4環状凸部のうち相対的に高さが低い他方の環状凸部)に対応する領域で基体と接触していない分だけ、基板と基体との接触面積の低減が図られる。
さらに、第4環状凸部の内側において基板の裏面および基体の主面により挟まれた空間の気圧が、第1副開口部および第1副流路を通じて調節される。これにより、第4環状凸部の内側領域(第4領域)に対応する領域で基板が局所的に撓むような事態が回避されて基板の平坦度の向上が図られる。
前記(2)の場合(=第1環状凸部および第2環状凸部のうち相対的に高さが高い一方の環状凸部が第2環状凸部である場合)、かつ、前記(3)の場合、第3環状凸部の内側かつ第4環状凸部の外側において基板の裏面および基体の主面により挟まれた空間が、第2主開口部および第2主流路を通じて減圧される。これにより、第4環状凸部の内側から外側に気体が流れ、基板の裏面および第4環状凸部の上端面の間隙において当該気体の速度が局所的に高くなる。
基板が当該減圧に由来する引力および当該間隙における気体の局所的な速度上昇に由来する引力またはベルヌーイ力により基体の主面に向かって引き寄せられ、第2環状凸部に加えて第3環状凸部の全部に対して当接する。この際、基板が第4環状凸部(第3環状凸部および第4環状凸部のうち相対的に高さが低い他方の環状凸部)に対応する領域で基体と接触していない分だけ、基板と基体との接触面積の低減が図られる。
さらに、第4環状凸部の内側において基板の裏面および基体の主面により挟まれた空間の気圧が、第1副開口部および第1副流路を通じて調節される。これにより、当該ベルヌーイ力の強弱が調節され、第3環状凸部およびその内側領域に対応する領域で基板が局所的に撓むような事態が回避されて基板の平坦度の向上が図られる。
前記(2)の場合、かつ、前記(4)の場合、第3環状凸部の内側かつ第4環状凸部の外側において基板の裏面および基体の主面により挟まれた空間が、第2主開口部および第2主流路を通じて減圧される。これにより、第3環状凸部の外側から内側に気体が流れ、基板の裏面および第3環状凸部の上端面の間隙において当該気体の速度が局所的に高くなる。
基板が当該減圧に由来する引力および当該間隙における気体の局所的な速度上昇に由来する引力またはベルヌーイ力により基体の主面に向かって引き寄せられ、第2環状凸部に加えて第4環状凸部の全部に対して当接する。この際、基板が第3環状凸部(第3環状凸部および第4環状凸部のうち相対的に高さが低い他方の環状凸部)に対応する領域で基体と接触していない分だけ、基板と基体との接触面積の低減が図られる。
さらに、第4環状凸部の内側において基板の裏面および基体の主面により挟まれた空間の気圧が、第1副開口部および第1副流路を通じて調節される。これにより、第4環状凸部およびその内側領域に対応する領域で基板が局所的に撓むような事態が回避されて基板の平坦度の向上が図られる。
前記第3環状凸部および前記第4環状凸部のうち高さが低い方の環状凸部の幅は、前記第3環状凸部および前記第4環状凸部のうち高さが高い方の環状凸部の幅よりも大きいことが好ましい。
当該構成の基板保持部材によれば、前記(1)の場合、かつ、前記(3)の場合、基板の裏面と第1環状凸部および第3環状凸部のそれぞれの上端面との接触面積の低減が図られ、かつ、基板の裏面と第2環状凸部および第4環状凸部のそれぞれの上端面との間隙を流れる気体の局所的な速度上昇によるベルヌーイ力が、基板の平坦度を向上させる観点から適当に調節されうる。
また、前記(1)の場合、かつ、前記(4)の場合、基板の裏面と第1環状凸部および第4環状凸部のそれぞれの上端面との接触面積の低減が図られ、かつ、基板の裏面と第2環状凸部および第3環状凸部のそれぞれの上端面との間隙を流れる気体の局所的な速度上昇によるベルヌーイ力が、基板の平坦度を向上させる観点から適当に調節されうる。
さらに、前記(2)の場合、かつ、前記(3)の場合、基板の裏面と第2環状凸部および第3環状凸部のそれぞれの上端面との接触面積の低減が図られ、かつ、基板の裏面と第1環状凸部および第4環状凸部のそれぞれの上端面との間隙を流れる気体の局所的な速度上昇によるベルヌーイ力が、基板の平坦度を向上させる観点から適当に調節されうる。
前記(2)の場合、かつ、前記(4)の場合、基板の裏面と第2環状凸部および第4環状凸部のそれぞれの上端面との接触面積の低減が図られ、かつ、基板の裏面と第1環状凸部および第3環状凸部のそれぞれの上端面との間隙を流れる気体の局所的な速度上昇によるベルヌーイ力が、基板の平坦度を向上させる観点から適当に調節されうる。
前記第3環状凸部と前記第4環状凸部との間の高さの差が0.5〜5μmであることが好ましい。
当該構成の基板保持部材によれば、基板の裏面と第1環状凸部および第2環状凸部のうち相対的に高さが低い他方の環状凸部の上端面との間隙を流れる気体の局所的な速度上昇によるベルヌーイ力に加えて、基板の裏面と第3環状凸部および第4環状凸部のうち相対的に高さが低い他方の環状凸部の上端面との間隙を流れる気体の局所的な速度上昇によるベルヌーイ力が、基板の平坦度を向上させる観点から適当に調節されうる。
本発明の基板保持部材が、前記主面の内側領域に連続的または断続的な環状に設けられた、第3環状凸部およびその内側の第4環状凸部を有し、前記第3環状凸部および前記第4環状凸部の高さは、前記第1環状凸部および前記第2環状凸部のうちの高さが高い方の環状凸部の高さよりも低く、前記主面において前記第3環状凸部と前記第4環状凸部との間の第3領域に開口する第2主開口部を有する第2主流路であって、真空吸引装置に接続されるように前記基体に設けられている第2主流路を有し、前記第1副開口部は、前記主面において前記第4環状凸部の内側の第4領域に設けられることが好ましい。
当該構成の基板保持部材によれば、前記(1)の場合(前記(1)の場合、かつ、前記(3)または前記(4)の場合と区別するため「(5)の場合」という。)、第1環状凸部の内側において基板の裏面および基体の主面により挟まれた空間が、第1主開口部および第1主流路に加えて、第2主開口部および第2主流路を通じて減圧される。これにより、第2環状凸部の内側から外側に気体が流れ、第3環状凸部の外側から内側に気体が流れ、かつ、第4環状凸部の内側から外側に気体が流れ、基板の裏面と第2、第3および第4環状凸部のそれぞれの上端面との間隙において当該気体の速度が局所的に高くなる。
基板が当該減圧に由来する引力および当該間隙における気体の局所的な速度上昇に由来する引力またはベルヌーイ力により基体の主面に向かって引き寄せられ、第1環状凸部の全部に対して当接する。この際、基板が第2、第3および第4環状凸部に対応する領域で基体と接触していない分だけ、基板と基体との接触面積の低減が図られる。さらに、第1副流路の気圧が調節されることにより、当該気体の速度の高低、ひいては当該ベルヌーイ力が調節されるので基板の平坦度の向上が図られる。
前記(2)の場合(前記(2)の場合、かつ、前記(3)または前記(4)の場合と区別するため「(6)の場合」という。)、第2環状凸部の内側において基板の裏面および基体の主面により挟まれた空間が、第1主開口部および第1主流路に加えて、第2主開口部および第2主流路を通じて減圧される。これにより、第1環状凸部の外側から内側に気体が流れ、第3環状凸部の外側から内側に気体が流れ、かつ、第4環状凸部の内側から外側に気体が流れ、基板の裏面と第2、第3および第4環状凸部のそれぞれの上端面との間隙において当該気体の速度が局所的に高くなる。
基板が当該減圧に由来する引力および当該間隙における気体の局所的な速度上昇に由来する引力またはベルヌーイ力により基体の主面に向かって引き寄せられ、第1環状凸部の全部に対して当接する。この際、基板が第2、第3および第4環状凸部に対応する領域で基体と接触していない分だけ、基板と基体との接触面積の低減が図られる。さらに、第1副流路の気圧が調節されることにより、当該気体の速度の高低、ひいては当該ベルヌーイ力が調節されて基板の平坦度の向上が図られる。
前記第3環状凸部および前記第4環状凸部の幅は、前記第1環状凸部および前記第2環状凸部のうち高さが高い方の環状凸部の幅よりも大きいことが好ましい。
当該構成の基板保持部材によれば、基板の裏面と第3および第4環状凸部のそれぞれの上端面との間隙を流れる気体の局所的な速度上昇によるベルヌーイ力が、基板の平坦度を向上させる観点から適当に調節されうる。
前記第1環状凸部および前記第2環状凸部のうち高さが高い方の環状凸部と前記第3環状凸部との間の高さの差および前記第1環状凸部および前記第2環状凸部のうち高さが高い方の環状凸部と前記第4環状凸部との間の高さの差が0.5〜5μmであることが好ましい。
当該構成の基板保持部材によれば、基板の裏面と第1または第2環状凸部に加えて、第3および第4環状凸部のそれぞれの上端面との間隙を流れる気体の局所的な速度上昇によるベルヌーイ力が、基板の平坦度を向上させる観点から適当に調節されうる。
本発明の基板保持部材が、前記主面において前記第2環状凸部および前記第3環状凸部の間の第2領域に開口する第2副開口部を有する第2副流路であって、大気に通じるように、または前記第2副流路内の気圧を調整する圧力調整装置に接続されるように前記基体に設けられている第2副流路を備えることが好ましい。
当該構成の基板保持部材によれば、基板の裏面と基体の主面とにより挟まれた空間において第2環状凸部の内側領域の気圧が、当該基板の平坦度を向上させる観点から適当に制御されうる。前記(1)の場合、基板の裏面と第2環状凸部の上端面との間隙における気体の速度、ひいては当該間隙に対応する領域で基板に作用するベルヌーイ力が基板の平坦度を向上させる観点からより適当に制御される。前記(4)、(5)または(6)の場合、基板の裏面と第3環状凸部の上端面との間隙における気体の速度、ひいては当該間隙に対応する領域で基板に作用するベルヌーイ力が基板の平坦度を向上させる観点からより適当に制御される。
本発明の基板保持部材が、前記主面において前記第2環状凸部の内側の内側領域に、前記第1環状凸部および前記第2環状凸部のうちの高さが高い方の環状凸部と同じ高さを有する凸部を有することが好ましい。
当該構成の基板保持部材によれば、基板の裏面および基体の主面により挟まれた空間における気圧の制御に加えて、基板の裏面が、少なくとも第1環状凸部または第2環状凸部のうち相対的に高さが高い一方の環状凸部に加えて、複数の凸部により支持されることで、基板の平坦度の向上が図られる。
前記第2環状凸部の方が前記第1環状凸部よりも高さが低いことが好ましい。
当該構成の基板保持部材によれば、前記(1)の場合について述べた態様で、基板および基体の接触面積の低減が図られながら当該基板の平坦度の向上が図られる。
前記第1環状凸部の方が前記第2環状凸部よりも高さが低いことが好ましい。
当該構成の基板保持部材によれば、前記(2)の場合について述べた態様で、基板および基体の接触面積の低減が図られながら当該基板の平坦度の向上が図られる。
本発明の第1実施形態としての基板保持部材の構成に関する説明図。 本発明の第2実施形態としての基板保持部材の構成に関する説明図。 本発明の第3実施形態としての基板保持部材の構成に関する説明図。 本発明の第4実施形態としての基板保持部材の構成に関する説明図。 本発明の第5実施形態としての基板保持部材の構成に関する説明図。 本発明の第6実施形態としての基板保持部材の構成に関する説明図。 本発明の第7実施形態としての基板保持部材の構成に関する説明図。 本発明の第8実施形態としての基板保持部材の構成に関する説明図。 本発明の第9実施形態としての基板保持部材の構成に関する説明図。 本発明の第10実施形態としての基板保持部材の構成に関する説明図。 本発明の第11実施形態としての基板保持部材の構成に関する説明図。 本発明の第12実施形態としての基板保持部材の構成に関する説明図。 本発明の第1実施形態としての基板保持部材の上面図。 本発明の第3実施形態としての基板保持部材の上面図。 本発明の第9、第10実施形態としての基板保持部材の上面図。
(第1実施形態)
(構成)
図1および図13に示されている本発明の第1実施形態としての基板保持部材は、平坦な主面102を有する基体1と、主面102の外周部において主面102の周縁部に沿って連続的または断続的に延在し、かつ、主面102よりも突出して設けられた第1環状凸部11およびその内側の第2環状凸部12と、を備えている。主面102は平面ではなく、凹曲面または凸曲面などの曲面であってもよい。
基体1は、例えば略平板状のSiC、AlN、Al23等のセラミックス焼結体からなる。第1環状凸部11および第2環状凸部12のそれぞれは、研削加工、ブラスト加工もしくはレーザー加工またはこれらの組み合わせにより形成される。
第1実施形態では、第1環状凸部11の高さH1(基体1の主面102または主面102における基準点から第1環状凸部11の上端部までの高さ方向(主面102が平面である場合には主面102の垂線方向)の間隔)のほうが、第2環状凸部12の高さH2(基体1の主面102または主面102における基準点から第2環状凸部12の上端部までの高さ方向の間隔)よりも高い。例えば、H1=100μmであり、H2=97μmである。当該高さの偏差H1−H2は、例えば0.5μm以上かつ5μm以下である。第1環状凸部11の幅W1は、第2環状凸部12の幅W2よりも小さい。例えば、W1=0.5mmであり、W2=3.0mmである。
基板保持部材は、第1主流路21と、第1副流路41と、をさらに備えている。第1主流路21は、基体1の主面102において第1環状凸部11と第2環状凸部12との間の第1領域に開口する第1主開口部212を有し、真空吸引装置(図示略)に接続されるように基体1に設けられている。第1副流路41は、基体1の主面102において第2環状凸部12の内側領域に開口する第1副開口部412を有し、大気に通じるようにまたは前記第1副流路41内の気圧を調整する圧力調整装置(図示略)に接続されるように基体1に設けられている。
なお、図1では基板保持部材が概略的に表されており、当該基板保持部材の構成要素のアスペクト比、間隔、個数などは、原則的に実際の設計値とは異なっている。これは、すべての実施形態において同様である。
(機能)
本発明の第1実施形態としての基板保持部材によれば、前記(1)の場合と同様の機能が発揮される。すなわち、第1環状凸部11の内側において基板Wの裏面および基体1の主面102により挟まれた空間が、第1主開口部212および第1主流路21を通じて減圧される(図1/黒下矢印参照)。これにより、第2環状凸部12の内側から外側に気体が流れ、基板Wの裏面および第2環状凸部12の上端面の間隙において当該気体の速度が局所的に高くなる(図1/一点鎖線左矢印参照)。
基板Wが当該減圧に由来する引力および当該間隙における気体の局所的な速度上昇に由来する引力またはベルヌーイ力により基体1の主面102に向かって引き寄せられ、第1環状凸部11の全部に対して当接する。この際、基板Wが第2環状凸部12に対応する領域で基体1と接触していない分だけ、基板Wと基体1との接触面積の低減が図られる。また、基板Wを支持する第1環状凸部11の幅W1が、基板Wから離間している第2環状凸部12の幅W2よりも小さい分だけ、基板Wと基体1との接触面積の低減が図られる。
さらに、第2環状凸部12の内側領域において基板Wの裏面および基体1の主面102により挟まれた空間の気圧が、第1副開口部412および第1副流路41を通じて調節される(図1/白上矢印参照)。これにより、当該ベルヌーイ力の強弱が調節され、第2環状凸部12およびその内側領域に対応する領域で基板Wが局所的に撓むような事態が回避されて基板Wの平坦度の向上が図られる。
(第2実施形態)
(構成)
図2に示されている本発明の第2実施形態としての基板保持部材においては、第1環状凸部11の高さH1のほうが、第2環状凸部12の高さH2よりも低い。例えば、H1=97μmであり、H2=100μmである。当該高さの偏差H2−H1は、例えば0.5μm以上かつ5μm以下である。第2環状凸部12の幅W2は、第1環状凸部11の幅W1よりも小さい。例えば、W1=3.0mmであり、W2=0.5mmである。これら以外の構成は、第1実施形態の基板保持部材と同様なので、同一の符号を用いるとともに説明を省略する。
(機能)
本発明の第2実施形態としての基板保持部材によれば、前記(2)の場合と同様の機能が発揮される。すなわち、第1環状凸部11および第2環状凸部12の間の中間領域において基板Wの裏面および基体1の主面102により挟まれた空間が、第1主開口部212および第1主流路21を通じて減圧される(図2/黒下矢印参照)。これにより、第1環状凸部21の外側から内側に気体が流れ、基板Wの裏面および第1環状凸部11の上端面の間隙において当該気体の速度が局所的に高くなる(図2/一点鎖線右矢印参照)。また、基板Wの裏面および第2環状凸部12の上端面の(第2環状凸部12の表面粗さに由来する)微小な間隙を通じて第2環状凸部12の内側から外側に気体が流れ、当該微小な間隙において気体の速度が局所的に高くなる可能性がある。
基板Wが当該減圧に由来する引力および当該間隙における気体の局所的な速度上昇に由来する引力またはベルヌーイ力により基体1の主面102に向かって引き寄せられ、第2環状凸部12の全部に対して当接する。この際、基板Wが第1環状凸部11に対応する領域で基体と接触していない分だけ、基板Wと基体1との接触面積の低減が図られる。また、基板Wを支持する第2環状凸部12の幅W2が、基板Wから離間している第1環状凸部11の幅W1よりも小さい分だけ、基板Wと基体1との接触面積の低減が図られる。
さらに、第2環状凸部12の内側において基板Wの裏面および基体1の主面102により挟まれた空間の気圧が、第1副開口部412および第1副流路41を通じて調節される。これにより、第2環状凸部12の内側領域に対応する領域で基板Wが局所的に撓むような事態が回避されて基板Wの平坦度の向上が図られる。
(第3実施形態)
(構成)
図3および図14に示されている本発明の第3実施形態としての基板保持部材は、基体1の主面102の内側領域に連続的または断続的な環状に設けられた、第3環状凸部13およびその内側の第4環状凸部14をさらに備えている。
第3実施形態では、第3環状凸部13の高さH3(基体1の主面102または主面102の基準点から第3環状凸部13の上端部までの高さ方向の間隔)のほうが、第4環状凸部14の高さH4(基体1の主面102または主面102の基準点から第4環状凸部14の上端部までの高さ方向の間隔)よりも高い。第3環状凸部13の高さH3は、第1環状凸部11の高さH1と同じである。第4環状凸部14の高さH4は、第1環状凸部11の高さH1よりも低い。例えば、H1=H3=100μmであり、H4(<H1)=97μmである。当該高さの偏差H3−H4は、例えば0.5μm以上かつ5μm以下である。第3環状凸部13の幅W3は、第4環状凸部14の幅W4よりも小さい。例えば、W3=0.5mmであり、W4=3.0mmである。
基板保持部材は、第2主流路22および第2副流路42をさらに備えている。第2主流路22は、基体1の主面102において第3環状凸部13と第4環状凸部14との間の第3領域に開口する第2主開口部222を有し、真空吸引装置(図示略)に接続されるように基体1に設けられている。第2副流路42は、基体1の主面102において第2環状凸部12および第3環状凸部13の間の第2領域に開口する第2副開口部422を有し、大気に通じるようにまたは第2副流路42内の気圧を調整する圧力調整装置(図示略)に接続されるように基体1に設けられている。第1副流路41の第1副開口部412は、基体1の主面102において第4環状凸部14の内側の第4領域に開口している。
これら以外の構成は、第1実施形態の基板保持部材と同様なので、同一の符号を用いるとともに説明を省略する。
(機能)
本発明の第3実施形態としての基板保持部材によれば、前記(1)の場合、かつ、前記(3)の場合と同様の機能が発揮される。すなわち、第1環状凸部11の内側において基板Wの裏面および基体1の主面102により挟まれた空間が、第1主開口部212および第1主流路21を通じて減圧される(図3/左側の黒下矢印参照)。これにより、第2環状凸部12の内側から外側に気体が流れ、基板Wの裏面および第2環状凸部12の上端面の間隙において当該気体の速度が局所的に高くなる(図3/一点鎖線左矢印参照)。
また、第3環状凸部13の内側かつ第4環状凸部14の外側において基板Wの裏面および基体1の主面102により挟まれた空間が、第2主開口部222および第2主流路212を通じて減圧される(図3/右側の黒下矢印参照)。これにより、第4環状凸部14の内側から外側に気体が流れ、基板Wの裏面および第4環状凸部14の上端面の間隙において当該気体の速度が局所的に高くなる(図3/二点鎖線左矢印参照)。
基板Wが当該減圧に由来する引力および当該間隙における気体の局所的な速度上昇に由来する引力またはベルヌーイ力により基体1の主面102に向かって引き寄せられ、第1環状凸部11に加えて第3環状凸部13の全部に対して当接する。この際、基板Wが第2環状凸部12に加えて、第4環状凸部14に対応する領域で基体1と接触していない分だけ、基板Wと基体1との接触面積の低減が図られる。また、基板Wを支持する第1環状凸部11の幅W1が、基板Wから離間している第2環状凸部12の幅W2よりも小さい分だけ、基板Wと基体1との接触面積の低減が図られる。基板Wを支持する第3環状凸部13の幅W3が、基板Wから離間している第4環状凸部14の幅W4よりも小さい分だけ、基板Wと基体1との接触面積の低減が図られる。
さらに、第1環状凸部11および第3環状凸部13の中間において基板Wの裏面および基体1の主面102により挟まれた空間の気圧が、第2副開口部422および第2副流路42を通じて調節される。第4環状凸部14の内側において基板Wの裏面および基体1の主面102により挟まれた空間の気圧が、第1副開口部412および第1副流路41を通じて調節される。これにより、当該ベルヌーイ力の強弱が調節され、第2環状凸部12およびその内側領域、ならびに、第4環状凸部14およびその内側領域に対応する領域で基板Wが局所的に撓むような事態が回避されて基板Wの平坦度の向上が図られる。
(第4実施形態)
(構成)
図4に示されている本発明の第4実施形態としての基板保持部材においては、第1環状凸部11の高さH1のほうが、第2環状凸部12の高さH2よりも低い。第2環状凸部12の高さH2は、第3環状凸部13の高さH3と同一である。例えば、H1=97μmであり、H2=H3=100μmであり、H4(<H2)=97μmである。当該高さの偏差H2−H1は、例えば0.5μm以上かつ5μm以下である。第2環状凸部12の幅W2は、第1環状凸部11の幅W1よりも小さい。例えば、W1=3.0mmであり、W2=0.5mmである。これら以外の構成は、第3実施形態の基板保持部材と同様なので、同一の符号を用いるとともに説明を省略する。
(機能)
本発明の第4実施形態としての基板保持部材によれば、前記(2)の場合、かつ、前記(3)の場合と同様の機能が発揮される。すなわち、第1環状凸部11および第2環状凸部12の中間領域において基板Wの裏面および基体1の主面102により挟まれた空間が、第1主開口部212および第1主流路21を通じて減圧される(図4/左側の黒下矢印参照)。これにより、第1環状凸部21の外側から内側に気体が流れ、基板Wの裏面および第1環状凸部11の上端面の間隙において当該気体の速度が局所的に高くなる(図4/一点鎖線右矢印参照)。
また、第3環状凸部13の内側かつ第4環状凸部14の外側において基板Wの裏面および基体1の主面102により挟まれた空間が、第2主開口部222および第2主流路22を通じて減圧される(図4/右側の黒下矢印参照)。これにより、第4環状凸部14の内側から外側に気体が流れ、基板Wの裏面および第4環状凸部14の上端面の間隙において当該気体の速度が局所的に高くなる(図4/二点鎖線左矢印参照)。
基板Wが当該減圧に由来する引力および当該間隙における気体の局所的な速度上昇に由来する引力またはベルヌーイ力により基体の主面に向かって引き寄せられ、第2環状凸部12に加えて第3環状凸部13の全部に対して当接する。この際、基板Wが第1環状凸部11および第4環状凸部14に対応する領域で基体1と接触していない分だけ、基板Wと基体1との接触面積の低減が図られる。また、基板Wを支持する第2環状凸部12の幅W2が、基板Wから離間している第1環状凸部11の幅W1よりも小さい分だけ、基板Wと基体1との接触面積の低減が図られる。基板Wを支持する第3環状凸部13の幅W3が、基板Wから離間している第4環状凸部14の幅W4よりも小さい分だけ、基板Wと基体1との接触面積の低減が図られる。
さらに、第4環状凸部14の内側において基板Wの裏面および基体1の主面102により挟まれた空間の気圧が、第1副開口部412および第1副流路41を通じて調節される(図4/右側の白上矢印参照)。これにより、当該ベルヌーイ力の強弱が調節され、第3環状凸部13およびその内側領域に対応する領域で基板Wが局所的に撓むような事態が回避されて基板Wの平坦度の向上が図られる。第2環状凸部12および第3環状凸部13の中間において基板Wの裏面および基体1の主面102により挟まれた空間の気圧が、第2副開口部422および第2副流路42を通じて調節される。これにより、第2環状凸部12および第3環状凸部13の中間領域に対応する領域で基板Wが局所的に撓むような事態が回避されて基板Wの平坦度の向上が図られる。
(第5実施形態)
(構成)
図5に示されている本発明の第5実施形態としての基板保持部材においては、第3環状凸部13の高さH3のほうが、第4環状凸部14の高さH4よりも低い。第4環状凸部14の高さH4は、第1環状凸部11の高さH1と同じである。例えば、H1=H4=100μmであり、H3(<H1)=97μmである。当該高さの偏差H4−H3は、例えば0.5μm以上かつ5μm以下である。第4環状凸部14の幅W4は、第3環状凸部13の幅W3よりも小さい。例えば、W3=3.0mmであり、W4=0.5mmである。
これら以外の構成は、第3実施形態の基板保持部材と同様なので、同一の符号を用いるとともに説明を省略する。
(機能)
本発明の第5実施形態としての基板保持部材によれば、前記(1)の場合、かつ、前記(4)の場合と同様の機能が発揮される。すなわち、第1環状凸部11の内側において基板Wの裏面および基体1の主面102により挟まれた空間が、第1主開口部212および第1主流路21を通じて減圧される(図5/左側の黒下矢印参照)。これにより、第2環状凸部12の内側から外側に気体が流れ、基板Wの裏面および第2環状凸部12の上端面の間隙において当該気体の速度が局所的に高くなる(図5/一点鎖線左矢印参照)。
また、第3環状凸部13の内側かつ第4環状凸部14の外側において基板Wの裏面および基体1の主面102により挟まれた空間が、第2主開口部222および第2主流路22を通じて減圧される(図5/右側の黒下矢印参照)。これにより、第3環状凸部13の外側から内側に気体が流れ、基板Wの裏面および第3環状凸部13の上端面の間隙において当該気体の速度が局所的に高くなる(図5/二点鎖線右矢印参照)。
基板Wが当該減圧に由来する引力および当該間隙における気体の局所的な速度上昇に由来する引力またはベルヌーイ力により基体1の主面102に向かって引き寄せられ、第1環状凸部11に加えて第4環状凸部14の全部に対して当接する。この際、基板Wが第2環状凸部12および第3環状凸部13に対応する領域で基体と接触していない分だけ、基板と基体との接触面積の低減が図られる。また、基板Wを支持する第1環状凸部11の幅W1が、基板Wから離間している第2環状凸部12の幅W2よりも小さい分だけ、基板Wと基体1との接触面積の低減が図られる。基板Wを支持する第4環状凸部14の幅W4が、基板Wから離間している第3環状凸部13の幅W3よりも小さい分だけ、基板Wと基体1との接触面積の低減が図られる。
さらに、第4環状凸部14の内側において基板Wの裏面および基体1の主面102により挟まれた空間の気圧が、第1副開口部412および第1副流路41を通じて調節される。これにより、第4環状凸部の内側領域に対応する領域で基板Wが局所的に撓むような事態が回避されて基板Wの平坦度の向上が図られる。第2環状凸部12および第3環状凸部13の中間において基板Wの裏面および基体1の主面102により挟まれた空間の気圧が、第2副開口部422および第2副流路42を通じて調節される(図5/白上矢印参照)。これにより、当該ベルヌーイ力の強弱が調節され、第1環状凸部11および第4環状凸部14の中間領域に対応する領域で基板Wが局所的に撓むような事態が回避されて基板Wの平坦度の向上が図られる。
(第6実施形態)
(構成)
図6に示されている本発明の第6実施形態としての基板保持部材においては、第1環状凸部11の高さH1のほうが、第2環状凸部12の高さH2よりも低い。第2環状凸部12の高さH2は、第4環状凸部14の高さと同一である。例えば、H1=97μmであり、H2=H4=100μmであり、H3(<H2)=97μmである。当該高さの偏差H2−H1は、例えば0.5μm以上かつ5μm以下である。第2環状凸部12の幅W2は、第1環状凸部11の幅W1よりも小さい。例えば、W1=3.0mmであり、W2=0.5mmである。これら以外の構成は、第5実施形態の基板保持部材と同様なので、同一の符号を用いるとともに説明を省略する。
(機能)
本発明の第6実施形態としての基板保持部材によれば、前記(2)の場合、かつ、前記(4)の場合と同様の機能が発揮される。すなわち、第1環状凸部11および第2環状凸部12の中間領域において基板Wの裏面および基体1の主面102により挟まれた空間が、第1主開口部212および第1主流路21を通じて減圧される(図6/左側の黒下矢印参照)。これにより、第1環状凸部21の外側から内側に気体が流れ、基板Wの裏面および第1環状凸部11の上端面の間隙において当該気体の速度が局所的に高くなる(図6/一点鎖線右矢印参照)。
また、第3環状凸部13の内側かつ第4環状凸部14の外側において基板Wの裏面および基体1の主面102により挟まれた空間が、第2主開口部222および第2主流路22を通じて減圧される(図6/左側の黒下矢印参照)。これにより、第3環状凸部13の外側から内側に気体が流れ、基板Wの裏面および第3環状凸部13の上端面の間隙において当該気体の速度が局所的に高くなる(図6/二点鎖線右矢印参照)。
基板Wが当該減圧に由来する引力および当該間隙における気体の局所的な速度上昇に由来する引力またはベルヌーイ力により基体1の主面102に向かって引き寄せられ、第2環状凸部12に加えて第4環状凸部14の全部に対して当接する。この際、基板Wが第1環状凸部13および第3環状凸部13に対応する領域で基体1と接触していない分だけ、基板Wと基体1との接触面積の低減が図られる。また、基板Wを支持する第2環状凸部12の幅W2が、基板Wから離間している第1環状凸部11の幅W1よりも小さい分だけ、基板Wと基体1との接触面積の低減が図られる。基板Wを支持する第4環状凸部14の幅W4が、基板Wから離間している第3環状凸部13の幅W3よりも小さい分だけ、基板Wと基体1との接触面積の低減が図られる。
さらに、第4環状凸部14の内側において基板Wの裏面および基体1の主面102により挟まれた空間の気圧が、第1副開口部412および第1副流路41を通じて調節される。これにより、第4環状凸部14の内側領域に対応する領域で基板Wが局所的に撓むような事態が回避されて基板Wの平坦度の向上が図られる。第2環状凸部12および第3環状凸部13の中間において基板Wの裏面および基体1の主面102により挟まれた空間の気圧が、第2副開口部422および第2副流路42を通じて調節される(図6/白上矢印参照)。これにより、当該ベルヌーイ力の強弱が調節され、第2環状凸部12および第4環状凸部14の中間領域に対応する領域で基板Wが局所的に撓むような事態が回避されて基板Wの平坦度の向上が図られる。
(第7実施形態)
(構成)
図7に示されている本発明の第7実施形態としての基板保持部材においては、第3環状凸部13の高さH3および第4環状凸部14の高さH4が、第1環状凸部11の高さH1よりも低い。第1環状凸部11の高さH1と第3環状凸部13の高さH3の差H1−H3および第1環状凸部11の高さH1と第4環状凸部14の高さH4の差H1−H4は、例えば0.5μm以上かつ5μm以下である。第3環状凸部13の高さH3および第4環状凸部14の高さH4は同一であってもよく、異なっていてもよい。第3環状凸部13の幅W3および第4環状凸部14の幅W4は、第1環状凸部11の幅W1よりも大きい。第3環状凸部13の幅W3および第4環状凸部14の幅W4は同一であってもよく、異なっていてもよい。
これら以外の構成は、第5実施形態の基板保持部材と同様なので、同一の符号を用いるとともに説明を省略する。
(機能)
本発明の第7実施形態としての基板保持部材によれば、前記(5)の場合と同様の機能が発揮される。すなわち、第1環状凸部11の内側において基板Wの裏面および基体1の主面102により挟まれた空間が、第1主開口部212および第1主流路21を通じて減圧される(図7/左側の黒下矢印参照)。これにより、第2環状凸部12の内側から外側に気体が流れ、基板Wの裏面および第2環状凸部12の上端面の間隙において当該気体の速度が局所的に高くなる(図7/一点鎖線左矢印参照)。
また、第3環状凸部13の内側かつ第4環状凸部14の外側において基板Wの裏面および基体1の主面102により挟まれた空間が、第2主開口部222および第2主流路22を通じて減圧される(図7/右側の黒下矢印参照)。これにより、第3環状凸部13の外側から内側に気体が流れ、かつ、第4環状凸部14の内側から外側に気体が流れ、基板Wの裏面および第3環状凸部13の上端面の間隙、ならびに、基板Wの裏面および第4環状凸部14の上端面の間隙において当該気体の速度が局所的に高くなる(図7/二点鎖線右矢印および二点鎖線左矢印参照)。
基板Wが当該減圧に由来する引力および当該間隙における気体の局所的な速度上昇に由来する引力またはベルヌーイ力により基体1の主面102に向かって引き寄せられ、第1環状凸部11の全部に対して当接する。この際、基板Wが第2環状凸部12、第3環状凸部13および第4環状凸部14に対応する領域で基体1と接触していない分だけ、基板Wと基体1との接触面積の低減が図られる。また、基板Wを支持する第1環状凸部11の幅W1が、基板Wから離間している第2環状凸部12の幅W2よりも小さい分だけ、基板Wと基体1との接触面積の低減が図られる。
さらに、第4環状凸部14の内側において基板Wの裏面および基体1の主面102により挟まれた空間の気圧が、第1副開口部412および第1副流路41を通じて調節される(図7/右側の白上矢印参照)。第2環状凸部12および第3環状凸部13の中間において基板Wの裏面および基体1の主面102により挟まれた空間の気圧が、第2副開口部422および第2副流路42を通じて調節される(図7/左側の白上矢印参照)。これにより、当該ベルヌーイ力の強弱が調節され、第1環状凸部11の内側領域に対応する領域で基板Wが局所的に撓むような事態が回避されて基板Wの平坦度の向上が図られる。
(第8実施形態)
(構成)
図8に示されている本発明の第8実施形態としての基板保持部材においては、第1環状凸部11の高さH1のほうが、第2環状凸部12の高さH2よりも低い。例えば、H1=97μmであり、H2=100μmであり、H3=H4(<H2)=97μmである。当該高さの偏差H2−H1は、例えば0.5μm以上かつ5μm以下である。第2環状凸部12の幅W2は、第1環状凸部11の幅W1よりも小さい。例えば、W1=3.0mmであり、W2=0.5mmである。これら以外の構成は、第7実施形態の基板保持部材と同様なので、同一の符号を用いるとともに説明を省略する。
(機能)
本発明の第8実施形態としての基板保持部材によれば、前記(6)の場合と同様の機能が発揮される。すなわち、第1環状凸部11および第2環状凸部12の中間領域において基板Wの裏面および基体1の主面102により挟まれた空間が、第1主開口部212および第1主流路21を通じて減圧される(図8/左側の黒下矢印参照)。これにより、第1環状凸部21の外側から内側に気体が流れ、基板Wの裏面および第1環状凸部11の上端面の間隙において当該気体の速度が局所的に高くなる(図8/一点鎖線右矢印参照)。
また、第3環状凸部13の内側かつ第4環状凸部14の外側において基板Wの裏面および基体1の主面102により挟まれた空間が、第2主開口部222および第2主流路22を通じて減圧される(図8/右側の黒下矢印参照)。これにより、第3環状凸部13の外側から内側に気体が流れ、基板Wの裏面および第3環状凸部13の上端面の間隙において当該気体の速度が局所的に高くなる(図8/二点鎖線右矢印参照)。また、第4環状凸部14の内側から外側に気体が流れ、基板Wの裏面および第4環状凸部14の上端面の間隙において当該気体の速度が局所的に高くなる(図8/二点鎖線左矢印参照)。
基板Wが当該減圧に由来する引力および当該間隙における気体の局所的な速度上昇に由来する引力またはベルヌーイ力により基体1の主面102に向かって引き寄せられ、第2環状凸部12の全部に対して当接する。この際、基板Wが第1環状凸部11、第3環状凸部13および第4環状凸部14に対応する領域で基体1と接触していない分だけ、基板Wと基体1との接触面積の低減が図られる。また、基板Wを支持する第2環状凸部12の幅W2が、基板Wから離間している第1環状凸部11の幅W1よりも小さい分だけ、基板Wと基体1との接触面積の低減が図られる。
さらに、第4環状凸部14の内側において基板Wの裏面および基体1の主面102により挟まれた空間の気圧が、第1副開口部412および第1副流路41を通じて調節される(図8/右側の白上矢印参照)。また、第2環状凸部12および第3環状凸部13の中間において基板Wの裏面および基体1の主面102により挟まれた空間の気圧が、第2副開口部422および第2副流路42を通じて調節される(図8/左側の白上矢印参照)。これにより、当該ベルヌーイ力の強弱が調節され、第2環状凸部12の内側領域に対応する領域で基板Wが局所的に撓むような事態が回避されて基板Wの平坦度の向上が図られる。
(第9実施形態)
(構成)
図9および図15に示されている本発明の第9実施形態としての基板保持部材は、主面102において第2環状凸部12の内側領域に離散的に配置されている複数の凸部10をさらに備えている点において第1実施形態の基板保持部材と相違する。複数の凸部10は、三角格子状、正方格子状など規則的に配置されている。複数の凸部10のそれぞれは、柱状、錘台状、複数の柱または錘台が軸線方向に積み重ねられたような形状であり、研削加工、ブラスト加工もしくはレーザー加工またはこれらの組み合わせにより形成される。第1環状凸部11の高さH1は、凸部10の高さH0と同一である。
これら以外の構成は、第1実施形態の基板保持部材と同様なので、同一の符号を用いるとともに説明を省略する。
(機能)
本発明の第9実施形態としての基板保持部材によれば、前記(1)の場合と同様の機能が発揮される。すなわち、第1環状凸部11の内側において基板Wの裏面および基体1の主面102により挟まれた空間が、第1主開口部212および第1主流路21を通じて減圧される(図9/黒下矢印参照)。これにより、第2環状凸部12の内側から外側に気体が流れ、基板Wの裏面および第2環状凸部12の上端面の間隙において当該気体の速度が局所的に高くなる(図9/一点鎖線左矢印参照)。
基板Wが当該減圧に由来する引力および当該間隙における気体の局所的な速度上昇に由来する引力またはベルヌーイ力により基体1の主面102に向かって引き寄せられ、第1環状凸部11および複数の凸部10の全部により支持される。これにより、第2環状凸部12およびその内側領域に対応する領域で基板Wが局所的に撓むような事態がさらに確実に回避されて基板Wの平坦度の向上が図られる。
(第10実施形態)
(構成)
図10および図15に示されている本発明の第10実施形態としての基板保持部材は、主面102において第2環状凸部12の内側領域に離散的に配置されている複数の凸部10をさらに備えている点において第2実施形態の基板保持部材と相違する。複数の凸部10は、三角格子状、正方格子状など規則的に配置されている。複数の凸部10のそれぞれは、柱状、錘台状、複数の柱または錘台が軸線方向に積み重ねられたような形状であり、研削加工、ブラスト加工もしくはレーザー加工またはこれらの組み合わせにより形成される。第2環状凸部12の高さH2は、凸部10の高さH0と同一である。
これら以外の構成は、第2実施形態の基板保持部材と同様なので、同一の符号を用いるとともに説明を省略する。
(機能)
本発明の第10実施形態としての基板保持部材によれば、前記(2)の場合と同様の機能が発揮される。すなわち、第1環状凸部11および第2環状凸部12の中間領域において基板Wの裏面および基体1の主面102により挟まれた空間が、第1主開口部212および第1主流路21を通じて減圧される(図10/黒下矢印参照)。これにより、第1環状凸部21の外側から内側に気体が流れ、基板Wの裏面および第1環状凸部11の上端面の間隙において当該気体の速度が局所的に高くなる(図10/一点鎖線右矢印参照)。
基板Wが当該減圧に由来する引力および当該間隙における気体の局所的な速度上昇に由来する引力またはベルヌーイ力により基体1の主面102に向かって引き寄せられ、第2環状凸部12および複数の凸部10の全部に対して当接する。これにより、第2環状凸部12の内側領域に対応する領域で基板Wが局所的に撓むような事態がさらに確実に回避されて基板Wの平坦度の向上が図られる。
(第11実施形態)
(構成)
図11に示されている本発明の第11実施形態としての基板保持部材は、基体1の主面102において、第2環状凸部12の内側および第1副開口部412の外側の中間に、連続的または断続的な環状に延在する第3環状凸部13が設けられている。第3環状凸部13の高さH3は、第1環状凸部11の高さH1よりも低い。これら以外の構成は、第1実施形態の基板保持部材と同様なので、同一の符号を用いるとともに説明を省略する。
第11実施形態の基板保持部材は、第5または第7実施形態の基板保持部材において、第4環状凸部14、第2主流路22および第2副流路42が省略された構成である。
(機能)
本発明の第11実施形態としての基板保持部材によれば、前記(1)の場合と同様の機能が発揮される。すなわち、第1環状凸部11の内側において基板Wの裏面および基体1の主面102により挟まれた空間が、第1主開口部212および第1主流路21を通じて減圧される(図11/黒下矢印参照)。これにより、第2環状凸部12の内側から外側に気体が流れ、基板Wの裏面および第2環状凸部12の上端面の間隙において当該気体の速度が局所的に高くなる(図11/一点鎖線左矢印参照)。また、第3環状凸部13の内側から外側に気体が流れ、基板Wの裏面および第3環状凸部13の上端面の間隙において当該気体の速度が局所的に高くなる(図11/二点鎖線左矢印参照)。
基板Wが当該減圧に由来する引力および当該間隙における気体の局所的な速度上昇に由来する引力またはベルヌーイ力により基体1の主面102に向かって引き寄せられ、第1環状凸部11の全部に対して当接する。この際、基板Wが第2環状凸部12および第3環状凸部13に対応する領域で基体1と接触していない分だけ、基板Wと基体1との接触面積の低減が図られる。
さらに、第2環状凸部12の内側領域において基板Wの裏面および基体1の主面102により挟まれた空間の気圧が、第1副開口部412および第1副流路41を通じて調節される(図11/白上矢印参照)。これにより、当該ベルヌーイ力の強弱が調節され、第1環状凸部11およびその内側領域に対応する領域で基板Wが局所的に撓むような事態が回避されて基板Wの平坦度の向上が図られる。
(第12実施形態)
(構成)
図12に示されている本発明の第12実施形態としての基板保持部材は、基体1の主面102において、第2環状凸部12の内側および第1副開口部412の外側の中間に、連続的または断続的な環状に延在する第4環状凸部14が設けられている点において第10実施形態の基板保持部材と相違する。第4環状凸部14の高さH4は、第2環状凸部12の高さH1および複数の凸部10の高さH0よりも低い。基板保持部材は、第2主流路22をさらに備えている。第2主流路22は、基体1の主面102において第2環状凸部12と第4環状凸部14との中間領域に開口する第2主開口部222を有し、真空吸引装置(図示略)に接続されるように基体1に設けられている。
これら以外の構成は、第2実施形態の基板保持部材と同様なので、同一の符号を用いるとともに説明を省略する。
(機能)
本発明の第12実施形態としての基板保持部材によれば、前記(2)の場合と同様の機能が発揮される。すなわち、第1環状凸部11および第2環状凸部12の中間領域において基板Wの裏面および基体1の主面102により挟まれた空間が、第1主開口部212および第1主流路21を通じて減圧される(図12/左側の黒下矢印参照)。これにより、第1環状凸部21の外側から内側に気体が流れ、基板Wの裏面および第1環状凸部11の上端面の間隙において当該気体の速度が局所的に高くなる(図12/一点鎖線右矢印参照)。
また、第2環状凸部12および第4環状凸部14の中間領域において基板Wの裏面および基体1の主面102により挟まれた空間が、第2主開口部222および第2主流路22を通じて減圧される(図12/右側の黒下矢印参照)。これにより、第4環状凸部14の内側から外側に気体が流れ、基板Wの裏面および第3環状凸部13の上端面の間隙において当該気体の速度が局所的に高くなる(図12/二点鎖線左矢印参照)。
基板Wが当該減圧に由来する引力および当該間隙における気体の局所的な速度上昇に由来する引力またはベルヌーイ力により基体1の主面102に向かって引き寄せられ、第2環状凸部12の全部に対して当接する。この際、基板Wが第1環状凸部11および第4環状凸部14に対応する領域で基体1と接触していない分だけ、基板Wと基体1との接触面積の低減が図られる。
さらに、第4環状凸部14の内側領域において基板Wの裏面および基体1の主面102により挟まれた空間の気圧が、第1副開口部412および第1副流路41を通じて調節される。これにより、第2環状凸部12の内側領域に対応する領域で基板Wが局所的に撓むような事態が回避されて基板Wの平坦度の向上が図られる。
(本発明の他の実施形態)
第1、第3、第5、第7、第9および第11実施形態のそれぞれの基板保持部材において、第1環状凸部11の幅W1が、第2環状凸部12の幅W2と同一であってもよく、第2環状凸部12の幅W2より大きくてもよい。第2、第4、第6、第8、第10および第12実施形態のそれぞれの基板保持部材において、第1環状凸部11の幅W1が、第2環状凸部12の幅W2と同一であってもよく、第2環状凸部12の幅W2より小さくてもよい。
第3および第4実施形態のそれぞれの基板保持部材において、第3環状凸部13の幅W3が、第4環状凸部14の幅W4と同一であってもよく、第4環状凸部14の幅W4より大きくてもよい。第5および第6実施形態のそれぞれの基板保持部材において、第3環状凸部13の幅W3が、第4環状凸部14の幅W4と同一であってもよく、第4環状凸部14の幅W4より小さくてもよい。第7および第8実施形態のそれぞれの基板保持部材において、第3環状凸部13の幅W3および第4環状凸部14の幅W4のうち一方または両方が、第1環状凸部11の幅W1と同一であってもよく、第1環状凸部11の幅W1より小さくてもよい。
第3〜第8および第11実施形態のそれぞれの基板保持部材において、第9、第10および第12実施形態と同様に、複数の凸部10が基体1に設けられてもよい。
第3〜第8実施形態のそれぞれの基板保持部材において、基体1の第2主流路22が省略されてもよい。第3〜第8実施形態のそれぞれの基板保持部材において、基体1の第2副流路42が省略されてもよい。
(実施例)
(実施例1)
第1実施形態にしたがって実施例1の基板保持部材が作製された(図1参照)。外径φ300mm、厚み7mmの略円盤状の炭化珪素(SiC)セラミックス焼結体により基体1が作製された。基体1の主面102において、外径φ299mm、幅0.5mm、高さ100μmの円環状の凸部が第1環状凸部11として形成された。外径φ296mm、幅3mm、高さ97μmの円環状の凸部が第2環状凸部12として形成された。基体1において主面102の中心から297mmの円環上に周方向に等間隔に配置された、φ0.8mmの厚さ方向に貫通する36個の貫通孔が第1主流路21として形成された。基体1において主面102の中心に配置された、φ4mmの厚さ方向に貫通する単一の貫通孔が第1副流路41として形成された。
第1主流路21を真空吸引装置に接続し、第1副流路41を大気に連通させた状態で、基体1の主面102側に基板W(シリコンウエハ)を載置した後、基板Wの裏面および基体1の主面102により挟まれた空間が第1主流路21を通じて真空吸引装置により減圧された。その結果、空気が第1副流路41から当該空間に流入し、第2環状凸部12と基板Wとの間隙を通過して第1主流路21を通じて当該空間から流出する(図1/白上矢印、一点鎖線左矢印および黒下矢印参照)。
第2環状凸部12と基板Wとの間隙の形状(高さH2および幅W2)および第2環状凸部12の内側および外側の圧力差が調整されることにより、基板Wの平坦度の向上が図られる。圧力差は真空吸引装置までの真空配管を含めたコンダクタンスの調整のほか、第2環状凸部12の内側に設けられた第1副流路41の圧力を調節すればよい。例えば、第1副流路41に圧力制御バルブまたは各種バルブにより構成される圧力調整装置によってコンダクタンスが調節されることが好ましい。
(実施例2)
第2実施形態にしたがって実施例2の基板保持部材が作製された(図2参照)。外径φ300mm、厚み7mmの略円盤状の炭化珪素(SiC)セラミックス焼結体により基体1が作製された。基体1の主面102において、外径φ299mm、幅3mm、高さ97μmの円環状の凸部が第1環状凸部11として形成された。外径φ296mm、幅0.5mm、高さ100μmの円環状の凸部が第2環状凸部12として形成された。基体1において主面102の中心から297mmの円環上に周方向に等間隔に配置された、φ0.8mmの厚さ方向に貫通する36個の貫通孔が第1主流路21として形成された。基体1において主面102の中心に配置された、φ4mmの厚さ方向に貫通する単一の貫通孔が第1副流路41として形成された。
第1主流路21を真空吸引装置に接続し、第1副流路41を大気に連通させた状態で、基体1の主面102側に基板W(シリコンウエハ)を載置した後、基板Wの裏面および基体1の主面102により挟まれた空間が第1主流路21を通じて真空吸引装置により減圧された。その結果、空気が外部から当該空間に流入し、第1環状凸部11と基板Wとの間隙を通過して第1主流路21を通じて当該空間から流出する(図2/一点鎖線右矢印および黒下矢印参照)。
第1環状凸部11と基板Wとの間隙の形状(高さH1および幅W1)が調整されることにより、基板Wの平坦度の向上が図られる。真空吸引装置までの真空配管を含めたコンダクタンスの調整のほか、第2環状凸部12の内側に設けられた第1副流路41の圧力が調節されてもよい。例えば、第1副流路41に圧力制御バルブまたは各種バルブにより構成される圧力調整装置によってコンダクタンスが調節されることが好ましい。
(実施例3)
第7実施形態にしたがって実施例3の基板保持部材が作製された(図7参照)。外径φ300mm、厚み7mmの略円盤状の炭化珪素(SiC)セラミックス焼結体により基体1が作製された。基体1の主面102において、外径φ299mm、幅0.5mm、高さ100μmの円環状の凸部が第1環状凸部11として形成された。外径φ296mm、幅3mm、高さ97μmの円環状の凸部が第2環状凸部12として形成された。外径φ150mm、幅3mm、高さ97μmの円環状の凸部が第3環状凸部13として形成された。外径φ142mm、幅3mm、高さ97μmの円環状の凸部が第4環状凸部14として形成された。
基体1において主面102の中心から297mmの円環上に周方向に等間隔に配置された、φ0.8mmの厚さ方向に貫通する36個の貫通孔が第1主流路21として形成された。基体1において主面102の中心から143mmの円環上に周方向に等間隔に配置された、φ0.8mmの厚さ方向に貫通する36個の貫通孔が第2主流路22として形成された。基体1において主面102の中心に配置された、φ4mmの厚さ方向に貫通する単一の貫通孔が第1副流路41として形成された。基体1において主面102の中心から220mmの円環上に周方向に等間隔に配置された、φ4.0mmの厚さ方向に貫通する4個の貫通孔が第2副流路42として形成された。
第1主流路21および第2主流路22を共通のまたは別個の真空吸引装置に接続し、第1副流路41および第2副流路42を大気に連通させた状態で、基体1の主面102側に基板W(シリコンウエハ)を載置した後、基板Wの裏面および基体1の主面102により挟まれた空間が第1主流路21および第2主流路22を通じて真空吸引装置により減圧された。その結果、空気が第1副流路41から当該空間に流入し、第2環状凸部12と基板Wとの間隙を通過して第1主流路21を通じて当該空間から流出する(図7/白上矢印、一点鎖線左矢印および黒下矢印参照)。空気が第1副流路41および第2副流路42から当該空間に流入し、第2環状凸部12、第3環状凸部13および第4環状部14のそれぞれと基板Wとの間隙を通過して第1主流路21および第2主流路22を通じて当該空間から流出する(図7/白上矢印、一点鎖線左矢印、黒下矢印、二点鎖線右矢印および二点鎖線左矢印参照)。
第2環状凸部12と基板Wとの間隙の形状(高さH2および幅W2)および第2環状凸部12の内側および外側の圧力差が調整されることにより、基板Wの平坦度の向上が図られる。第3環状凸部13と基板Wとの間隙の形状(高さH3および幅W3)、第4環状凸部14と基板Wとの間隙の形状(高さH4および幅W4)、第2環状凸部12の内側および外側の圧力差、第3環状凸部13の内側および外側の圧力差、ならびに、第4環状凸部14の内側および外側の圧力差が調整されることにより、基板Wの平坦度の向上が図られる。圧力差は第1主流路21および第2主流路22のそれぞれから真空吸引装置までの真空配管を含めたコンダクタンスの調整のほか、第2環状凸部12の内側に設けられた第1副流路41および第2副流路42のそれぞれの圧力を調節すればよい。例えば、第1副流路41および第2副流路42のそれぞれに圧力制御バルブまたは各種バルブにより構成される圧力調整装置によってコンダクタンスが調節されることが好ましい。
(比較例1)
第2環状凸部12が高さH2=100μmになるように形成され、かつ、第1環状凸部11の高さH1および第2環状凸部12の高さH2が同じである点を除き、実施例1と同様の方法で比較例1の基板保持部材が作製された。
(評価)
実施例1〜3および比較例1のそれぞれの基板保持部材によって保持された状態の基板Wの平坦度が、レーザー干渉計(ZYGO社製 GPI Hs)を用いてPV値として測定された。実施例1〜3および比較例1のそれぞれの基板保持部材によって保持された基板Wに付着したサイズ0.4μm以上のパーティクルの数が、パーティクルカウンタ(トプコン社製 WA−10)を用いて測定された。表1にはこれらの測定結果がまとめて示されている。
表1から、実施例1〜3のそれぞれの基板保持部材によれば、比較例1の基板保持部材と比較して、吸着保持された状態の基板Wの平坦度が高く、かつ、基板Wに付着するパーティクルの数が少ないことがわかる。
1‥基体、10‥凸部、11‥第1環状凸部、12‥第2環状凸部、13‥第3環状凸部、14‥第4環状凸部、21‥第1主流路、22‥第2主流路、41‥第1副流路、42‥第2副流路、102‥主面、212‥第1主開口部、222‥第2主開口部、412‥第1副開口部、422‥第2副開口部、W‥基板(ウエハ)。

Claims (14)

  1. 主面を有する基体と、
    前記主面の外周部において前記主面の周縁部に沿って連続的または断続的に設けられた、互いに高さの異なる第1環状凸部およびその内側の第2環状凸部を有し、
    前記第1環状凸部および前記第2環状凸部のうちの高さの高い方の環状凸部により基板が支持される基板保持部材であって、
    前記主面において前記第1環状凸部と前記第2環状凸部との間の第1領域に開口する第1主開口部を有する第1主流路であって、真空吸引装置に接続されるように前記基体に設けられている第1主流路と、
    前記主面において前記第2環状凸部の内側領域に開口する第1副開口部を有する第1副流路であって、大気に通じるようにまたは前記第1副流路内の気圧を調整する圧力調整装置に接続されるように前記基体に設けられている第1副流路と、を備えることを特徴とする基板保持部材。
  2. 前記第1環状凸部および前記第2環状凸部のうち高さが低い方の環状凸部の幅は、前記第1環状凸部および前記第2環状凸部のうち高さが高い方の環状凸部の幅よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の基板保持部材。
  3. 前記第1環状凸部と前記第2環状凸部との間の高さの差が0.5〜5μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の基板保持部材。
  4. 前記第3環状凸部および前記第4環状凸部のうち、一方の環状凸部の高さは前記第1環状凸部および前記第2環状凸部のうちの高さが高い方の環状凸部の高さよりも低く、他方の環状凸部の高さは前記第1環状凸部および前記第2環状凸部のうち高さが高い方の環状凸部の高さと同じであり、
    前記主面において前記第3環状凸部と前記第4環状凸部との間の第3領域に開口する第2主開口部を有する第2主流路であって、真空吸引装置に接続されるように前記基体に設けられている第2主流路を有し、
    前記第1副開口部は、前記主面において前記第4環状凸部の内側の第4領域に設けられることを特徴とする請求項1に記載の基板保持部材。
  5. 前記第3環状凸部および前記第4環状凸部のうち高さが低い方の環状凸部の幅は、前記第3環状凸部および前記第4環状凸部のうち高さが高い方の環状凸部の幅よりも大きいことを特徴とする請求項4に記載の基板保持部材。
  6. 前記第3環状凸部と前記第4環状凸部との間の高さの差が0.5〜5μmであることを特徴とする請求項4または5に記載の基板保持部材。
  7. 前記主面の内側領域に連続的または断続的な環状に設けられた、第3環状凸部およびその内側の第4環状凸部を有し、
    前記第3環状凸部および前記第4環状凸部の高さは、前記第1環状凸部および前記第2環状凸部のうちの高さが高い方の環状凸部の高さよりも低く
    前記主面において前記第3環状凸部と前記第4環状凸部との間の第3領域に開口する第2主開口部を有する第2主流路であって、真空吸引装置に接続されるように前記基体に設けられている第2主流路を有し、
    前記第1副開口部は、前記主面において前記第4環状凸部の内側の第4領域に設けられることを特徴とする請求項1に記載の基板保持部材。
  8. 前記第3環状凸部および前記第4環状凸部の幅は、前記第1環状凸部および前記第2環状凸部のうち高さが高い方の環状凸部の幅よりも大きいことを特徴とする請求項7に記載の基板保持部材。
  9. 前記第1環状凸部および前記第2環状凸部のうち高さが高い方の環状凸部と前記第3環状凸部との間の高さの差および前記第1環状凸部および前記第2環状凸部のうち高さが高い方の環状凸部と前記第4環状凸部との間の高さの差が0.5〜5μmであることを特徴とする請求項7または8に記載の基板保持部材。
  10. 前記主面において前記第2環状凸部および前記第3環状凸部の間の第2領域に開口する第2副開口部を有する第2副流路であって、大気に通じるように、または前記第2副流路内の気圧を調整する圧力調整装置に接続されるように前記基体に設けられている第2副流路を備えることを特徴とする請求項4〜9のいずれか1項に記載の基板保持部材。
  11. 前記主面において前記第2環状凸部の内側の内側領域に、前記第1環状凸部および前記第2環状凸部のうちの高さが高い方の環状凸部と同じ高さを有する凸部を有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の基板保持部材。
  12. 前記第2環状凸部の方が前記第1環状凸部よりも高さが低いことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の基板保持部材。
  13. 前記第1環状凸部の方が前記第2環状凸部よりも高さが低いことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の基板保持部材。
  14. 主面を有する基体と、
    前記主面の外周部において前記主面の周縁部に沿って連続的または断続的に設けられた、互いに高さの異なる外側環状凸部およびその内側にある内側環状凸部と、
    前記主面において前記外側環状凸部と前記内側環状凸部との中間領域に開口する主開口部を有し、真空吸引装置に接続されるように前記基体に設けられている主流路と、
    前記主面において前記内側環状凸部の内側領域に開口する副開口部を有し、大気に通じるようにまたは副流路内の気圧を調整する圧力調整装置に接続されるように前記基体に設けられている副流路と、を備える基板保持部材を用いて基板を保持する方法であって、
    前記基板を前記基体の主面側に載置する工程と、
    前記真空吸引装置を作動させることにより、前記基板の裏面および前記基体の主面との間の空間を減圧することにより、前記外側環状凸部および前記内側環状凸部のうちの高さの高い方の環状凸部により前記基板を支持させる工程と、を含むことを特徴とする基板保持方法。
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