JP2019062059A - 光源、白色光源装置、及び表示装置 - Google Patents
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Abstract
Description
<1> 青色光を発する青色LEDと、前記青色LEDが発する前記青色光により励起される蛍光体とを有する光源であって、
前記光源の発光スペクトルにおいて、前記蛍光体が発する光の発光ピーク強度(F)に対する前記青色光のピーク強度(B)の比率〔(B)/(F)〕が、3%以下であることを特徴とする光源である。
<2> 前記蛍光体が、構成成分として硫黄を含有する前記<1>に記載の光源である。
<3> 前記蛍光体が、樹脂を含有する蛍光体シートに含有されている前記<1>から<2>のいずれかに記載の光源である。
<4> 前記蛍光体が、緑色蛍光体であり、
前記光源が、緑色光源である前記<1>から<3>のいずれかに記載の光源である。
<5> 前記緑色蛍光体が発する光の発光ピークの半値幅が、46.0nm以下である前記<4>に記載の光源である。
<6> 前記蛍光体が、赤色蛍光体であり、
前記光源が、赤色光源である前記<1>から<3>のいずれかに記載の光源である。
<7> 前記赤色蛍光体が発する光の発光ピークの半値幅が、61.0nm以下である前記<6>に記載の光源である。
<8> 前記<1>から<7>のいずれかに記載の光源を有することを特徴とする白色光源装置である。
<9> 青色光を発する青色LEDを有する青色光源と、
前記<4>から<5>のいずれかに記載の光源である緑色光源と、
赤色光源と、
を有することを特徴とする白色光源装置である。
<10> 青色光を発する青色LEDを有する青色光源と、
緑色光源と、
前記<6>から<7>のいずれかに記載の光源である赤色光源と、
を有することを特徴とする白色光源装置である。
<11> 前記<8>から<10>のいずれかに記載の白色光源装置を備えることを特徴とする表示装置である。
本発明の光源は、青色LEDと、蛍光体とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
前記光源は、前記光源の発光スペクトルにおいて、前記蛍光体が発する光の発光ピーク強度(F)に対する前記青色光のピーク強度(B)の比率〔(B)/(F)〕が、3%以下である。前記比率の下限としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記比率が小さすぎると、蛍光体の発光ピーク強度自体が小さくなるため、0.01%以上が好ましく、0.10%以上がより好ましい。
前記比率が3%以下であると、半値幅の狭い蛍光体の発光ピークが得られる。半値幅の狭い発光ピークを有する光源は、広い色域を得るのに有効な光源である。なお、半値幅が狭いことを色純度が高いと表現することもある。
前記青色LEDとしては、青色光を発するLED(light emitting diode)であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、440nm〜475nmの間に発光ピーク波長を有するLEDなどが挙げられる。
前記青色LEDとしては、例えば、GaN系、SiC系、ZnS系、ZnSe系などが挙げられる。
前記蛍光体としては、前記青色LEDが発する前記青色光により励起される限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、緑色蛍光体、赤色蛍光体、黄色蛍光体などが挙げられる。これらの中でも、発光ピークの半値幅をより狭くできる点で、緑色蛍光体、赤色蛍光体が好ましい。
前記赤色蛍光体の発光ピーク波長としては、例えば、波長620nm〜670nmが挙げられる。
前記緑色光源において、前記緑色蛍光体が発する光の発光ピークの半値幅としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、46.0nm以下が好ましく、45.0nm以下がより好ましい。前記半値幅の下限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記半値幅は、例えば、35.0nm以上であってもよいし、38.0nm以上であってもよい。
前記赤色光源において、前記赤色蛍光体が発する光の発光ピークの半値幅としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、61.0nm以下が好ましく、60.0nm以下がより好ましい。前記半値幅の下限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記半値幅は、例えば、50.0nm以上であってもよいし、54.0nm以上であってもよい。
前記蛍光体としては、上記に限定されるものではなく、任意の蛍光体を適用可能であることは当業者に当然に理解され、例えば、CdSe/ZnSなどによる量子ドット蛍光体をも用いることができる。
前記硫化物系蛍光体としては、例えば、以下の蛍光体が挙げられる。
(i)青色励起光の照射により波長620nm〜670nmの赤色蛍光ピークを有する赤色硫化物蛍光体(CaS:Eu(硫化カルシウム(CS)蛍光体)、SrS:Eu)
(ii)青色励起光の照射により波長530nm〜550nmの緑色蛍光ピークを有する緑色硫化物蛍光体(チオガレート(SGS)蛍光体(SrxM1−x−y)Ga2S4:Euy(Mは、Ca、Mg、Baのいずれかであり、0≦x<1、0<y<0.2を満たす。)
(iii)前記緑色硫化物蛍光体と前記赤色硫化物蛍光体(Ca1−x)S:Eux(0<x<0.05を満たす。)との混合物
これらの中でも、緑色蛍光体としてはSrGa2S4:Euが好適に挙げられ、赤色蛍光体としてはCaS:Euが好適に挙げられる。ここで、前記硫化物系蛍光体が、二酸化ケイ素を含有する被覆膜で被膜されていてもよい。また、前記二酸化ケイ素を含有する被覆膜が酸化亜鉛粉末を含んでいてもよい。
前記酸化物系蛍光体の具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(Ba,Sr)3SiO5:Eu、(Ba,Sr)2SiO4:Eu、Tb3Al5O12:Ce、Ca3Sc2Si3O12:Ceなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記窒化物系蛍光体の具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Ca2Si5N8:Eu、Sr2Si5N8:Eu、Ba2Si5N8:Eu、(Ca,Sr,Ba)2Si5N8:Eu、Cax(Al,Si)12(O,N)16:Eu(0<x≦1.5)、CaSi2O2N2:Eu、SrSi2O2N2:Eu、BaSi2O2N2:Eu、(Ca,Sr,Ba)Si2O2N2:Eu、CaAl2Si4N8:Eu、CaSiN2:Eu、CaAlSiN3:Eu、(Sr,Ca)AlSiN3:Euなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記フッ化物系蛍光体の具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、K2TiF6:Mn4+、Ba2TiF6:Mn4+、Na2TiF6:Mn4+、K3ZrF7:Mn4+、K2SiF6:Mn4+などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記光源において、前記蛍光体は、樹脂を含有する蛍光体シートに含有されていることが好ましい。
前記蛍光体シートは、例えば、前記蛍光体と、樹脂とを含有する蛍光体含有樹脂組成物(いわゆる蛍光体塗料)を透明基材に塗布することにより得られる。
前記蛍光体シートの厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記蛍光体シートにおける前記蛍光体の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱可塑性樹脂、光硬化型樹脂などが挙げられる。
前記熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水添スチレン系共重合体、アクリル系共重合体などが挙げられる。
前記水添スチレン系共重合体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体の水添物などが挙げられる。
前記スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体におけるスチレン単位の割合比率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20モル%〜30モル%が好ましい。
また、前記アクリル系共重合体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタクリル酸メチル(MMA)とアクリル酸ブチル(BA)のブロック共重合体などが挙げられる。なお、蛍光体が硫化物の場合、熱可塑性樹脂としては、アクリル系共重合体よりも、水添スチレン系共重合体が好ましい。
前記光硬化型樹脂は、光硬化型化合物を用いて作製される。
前記光硬化型化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート等の光硬化型(メタ)アクリレートなどが挙げられる。ここで、前記ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、ポリオールとポリイソシアネート(例えば、イソホロンジイソシアネートなど)とを反応して得られるイソシアネート基を含有する生成物をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシプロピルアクリレートなど)でエステル化したものである。
前記ウレタン(メタ)アクリレートの前記光硬化型(メタ)アクリレート100質量部中の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10質量部以上が好ましい。
前記樹脂を含む樹脂組成物は、ポリオレフィン共重合体成分又は光硬化性(メタ)アクリル樹脂成分のいずれかを含むことが好ましい。
前記ポリオレフィン共重合体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スチレン系共重合体、スチレン系共重合体の水添物などが挙げられる。
前記スチレン系共重合体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体、などが挙げられる。これらの中でも、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体の水添物が、透明性やガスバリア性の点で、好ましい。前記ポリオレフィン共重合体成分を含有させることにより、優れた耐光性と低い吸水性を得ることができる。
前記水添スチレン系共重合体におけるスチレン単位の含有割合としては、低すぎると機械的強度の低下となる傾向があり、高すぎると脆くなる傾向があるので、10質量%〜70質量%が好ましく、20質量%〜30質量%がより好ましい。また、水添スチレン系共重合体の水添率は、低すぎると耐候性が悪くなる傾向があり、50%以上が好ましく、95%以上がより好ましい。
前記光硬化型アクリレート樹脂成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、光硬化後の耐熱性の観点から、ウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。このような光硬化型(メタ)アクリレート樹脂成分を含有させることにより、優れた耐光性と低い吸水性を得ることができる。
前記透明基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、熱可塑性樹脂フィルム、熱硬化性樹脂フィルム、光硬化性樹脂フィルムなどが挙げられる(特開2011−13567号公報、特開2013−32515号公報、特開2015−967号公報)。
図4は、本発明の光源の一例の模式図である。
図4の光源は、蛍光体シート1と、青色LEDパッケージ2と、を有する。蛍光体シート1は、青色LEDパッケージ2に接するように配置されている。蛍光体シート1は、シート状の樹脂1Bと、樹脂1B中に分散された蛍光体1Aとを有する。青色LEDパッケージ2は、基板2Bと、基板2B上に配された青色LED2Aと、青色LED2Aを封止する封止樹脂2Cとを有する。
図4の光源では、蛍光体シート1に含有される蛍光体1Aの含有量が従来の蛍光体シートに含有される蛍光体の含有量よりも多いことにより、青色LEDが発する青色光のほとんどが蛍光体の励起に使用され、蛍光体は強い蛍光を発する。そして、光源の発光スペクトルにおいて、蛍光体が発する光の発光ピーク強度(F)に対する青色光のピーク強度(B)の比率〔(B)/(F)〕が3%以下になり、半値幅の狭い蛍光体の発光ピークが得られる。
図5の光源は、蛍光体シート1と、青色LEDパッケージ2と、を有する。蛍光体シート1は、青色LEDパッケージ2に離間して配置されている。蛍光体シート1は、シート状の樹脂1Bと、樹脂1B中に分散された蛍光体1Aとを有する。青色LEDパッケージ2は、基板2Bと、基板2B上に配された青色LED2Aと、青色LED2Aを封止する封止樹脂2Cとを有する。
蛍光体シート1が、青色LEDパッケージ2に離間して配置されていることで、青色LED2Aの発熱による蛍光体1Aの劣化を低減できる。
図5の光源では、蛍光体シート1に含有される蛍光体1Aの含有量が従来の蛍光体シートに含有される蛍光体の含有量よりも多いことにより、青色LEDが発する青色光のほとんどが蛍光体の励起に使用され、蛍光体は強い蛍光を発する。そして、光源の発光スペクトルにおいて、蛍光体が発する光の発光ピーク強度(F)に対する青色光のピーク強度(B)の比率〔(B)/(F)〕が3%以下になり、半値幅の狭い蛍光体の発光ピークが得られる。
図6の光源は、蛍光体が、青色LEDパッケージに一体化されている態様である。即ち、光源である青色LEDパッケージ2は、基板2Bと、基板2B上に配された青色LED2Aと、青色LED2Aを封止する封止樹脂2Cとを有し、封止樹脂2C中に蛍光体1Aが分散されている。
図6の光源では、封止樹脂2C中に分散された蛍光体1Aの含有量が従来の蛍光体シートに含有される蛍光体の含有量よりも多いことにより、青色LEDが発する青色光のほとんどが蛍光体の励起に使用され、蛍光体は強い蛍光を発する。そして、光源の発光スペクトルにおいて、蛍光体が発する光の発光ピーク強度(F)に対する青色光のピーク強度(B)の比率〔(B)/(F)〕が3%以下になり、半値幅の狭い蛍光体の発光ピークが得られる。
本発明の白色光源装置の第1の態様は、本発明の前記光源を少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
本発明の白色光源装置の第2の態様は、青色光源と、本発明の前記光源である緑色光源と、赤色光源とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
本発明の白色光源装置の第3の態様は、青色光源と、緑色光源と、本発明の前記光源である赤色光源とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
前記青色光源としては、青色光を発する青色LEDを有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記青色LEDとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、本発明の前記光源の前記青色LEDと同じ青色LEDなどが挙げられる。
本発明の白色光源装置の第2の態様においては、前記緑色光源は、本発明の前記光源である緑色光源である。一方で、前記赤色光源としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明の白色光源装置の第2の態様においては、前記緑色光源は、本発明の前記光源である緑色光源である。
前記第2の態様において、前記赤色光源としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、赤色LEDであってもよいし、青色LEDと赤色蛍光体との組合せであってもよい。これらの中でも、前記赤色光源は、本発明の前記光源である赤色光源であることが好ましい。
本発明の白色光源装置の第3の態様においては、前記赤色光源は、本発明の前記光源である赤色光源である。一方で、前記緑色光源としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記第3の態様において、前記緑色光源としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、緑色LEDであってもよいし、青色LEDと緑色蛍光体との組合せであってもよい。これらの中でも、前記緑色光源は、本発明の前記光源である緑色光源であることが好ましい。
本発明の白色光源装置の第3の態様においては、前記赤色光源は、本発明の前記光源である赤色光源である。
前記その他の部材としては、いわゆる光学フィルム群が挙げられる。前記光学フィルム群は、プリズムシート及び光拡散シートなどから成る。
図7の白色光源装置20においては、赤色光源21と、緑色光源22と、青色光源23とが同一面上に配置され、かつ発光面には、拡散板24、並びに3つの光学フィルム25A、25B、及び25Cがこの順で配置されている。
青色光源23は、青色LED23aを有する青色LEDパッケージ23Aである。
緑色光源22は、青色LED22aを有する青色LEDパッケージ22Aと緑色蛍光体シート22Bが組み合わされ、且つ、青色光ピーク強度/緑色光ピーク強度は3%以下のものが用いられる。
赤色光源21は、青色LED21aを有する青色LEDパッケージ21Aと赤色蛍光体シート21Bが組み合わされ、且つ、青色光ピーク強度/赤色光ピーク強度は3%以下のものが用いられる。
また、図7における緑色光源、及び赤色光源は、図6に示すような、蛍光体が青色LEDパッケージに一体化されている態様であってもよい。
本発明の表示装置は、本発明の前記白色光源装置を少なくとも有し、更に必要に応じて、カラーフィルターなどのその他の部材を有する。
前記カラーフィルターの透過スペクトルは、光の三原色をなす、RGBのそれぞれの色の光フィルターの透過スペクトルからなる。用いる液晶パネルによって、カラーフィルターの透過スペクトルが異なるため、カラーフィルターは、目的に応じて適宜選択すればよい。
以下の実施例、及び比較例で使用する硫化物緑色蛍光体(SrGa2S4:Eu)は、以下の方法で作製した。
具体的には以下の方法を実施した。
以下の実施例、及び比較例では、硫化物赤色蛍光体(CaS:Eu)として、三井金属鉱業株式会社製のR660N(平均粒子径は約15μm)を使用した。
まずは、従来例(比較例)として、硫化物緑・赤色蛍光体を用いた蛍光体シートと青色LED光源を用いたLCDに関して説明を行う。
硫化物緑色蛍光体(SrGa2S4:Eu)と、硫化物赤色蛍光体(CaS:Eu)とを混合した蛍光体シートを用いたLCDの評価結果を示す。硫化物緑色蛍光体SrGa2S4:Euを60質量%、硫化物赤色蛍光体CaS:Euを40質量%の比率で混合したものと、熱可塑性樹脂〔スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック(SEBS)樹脂、クラレ社製セプトンV9827〕と溶剤(トルエン)と混合して蛍光体ペーストを作製した。ロールコーターを用いて、38μm厚のPETフィルム上に上記蛍光体ペーストを塗布し、溶剤を揮発させた蛍光体層の上に38μm厚のPETフィルムを熱ラミネートした。この時の蛍光体量は10.1g/m2(硫化物緑色蛍光体SrGa2S4:Eu 6.1g/m2、硫化物赤色蛍光体CaS:Eu 4.0mg/m2)であった。作製したシートのサイズは300mm×200mmであった。蛍光体シートの構造の模式図を図8に示す。図8の蛍光体シート50では、熱可塑性樹脂中51C中に硫化物緑色蛍光体51Aと硫化物赤色蛍光体51Bとが分散されてなる蛍光体層51が、PETフィルム52及びPETフィルム53に挟持されている。
本評価に用いた光源構成は図9の通りである。光源60の大きさは、長さ300mm×幅200mm×高さ30mmであり、青色LEDパッケージ61は30mmピッチで正方配列されている。発光面側には、拡散板62、上記蛍光体シート50、並びに3つの光学フィルム63A、63B、及び63Cがこの順で配置されている。用いた青色LEDの発光時のピーク波長は約449nmであった。青色LEDには5.5Wの電力が投入された。発光特性の測定の為に分光放射輝度計(トプコン社製SR−3)を用いた。測定された光源の分光放射輝度(発光スペクトル)を図10に示す。図10に示した分光放射輝度における緑蛍光の半値幅は55nm、赤蛍光の半値幅は68nmであった。同様に分光放射輝度計を用いて、図9に示す光源を市販の液晶パネルと組み合わせて、赤・緑・青の各色の色度を測定することにより、色域を導出した。使用した液晶パネルの各色の分光透過率を図11に示す。また、赤・緑・青の各色の色度点を図12A及び図12Bに示す。図12AがCIE1931色度座標系(x,y)、図12BがCIE1976色度座標系(u’,v’)である。得られた色域は、89.0%(NTSC−xy面積比)、109.7%(NTSC−u’v’面積比)であった。
次に本発明の説明を行う。まずは、本発明のベースとなる事項に関して説明を行う。次に本発明の具体的な例について説明を行う。
硫化物緑色蛍光体(SrGa2S4:Eu)を熱可塑性樹脂と溶剤と混合して蛍光体ペーストを作製した。ロールコーターを用いて、38μm厚のPETフィルム上に上記蛍光体ペーストを塗布し、溶剤を揮発させた蛍光体層の上に38μm厚のPETフィルムを熱ラミネートした。蛍光体シートの構造の模式図を図13に示す。図13の蛍光体シート10では、熱可塑性樹脂中11B中に硫化物緑色蛍光体11Aが分散されてなる蛍光体層11が、PETフィルム12及びPETフィルム13に挟持されている。ペースト中の蛍光体濃度及び塗布厚み(蛍光体層11の厚み)を変えることにより、様々な蛍光体量を持つ蛍光体シートを作製した。各蛍光体シートの蛍光体量を表2にまとめる。また、硫化物赤色蛍光体(CaS:Eu)においても同様の作業を行った。表3にまとめる。なお、作製したシートのサイズは300mm×200mmであった。
青色LEDを配列させた光源を準備した。光源上部に上記蛍光体シートを配置して光源の発光特性を評価した。図9に光源構造を示す。光源の大きさは、長さ300mm×幅200mm×高さ30mmであり、青色LEDパッケージは30mmピッチで正方配列されている。用いた青色LEDの発光時のピーク波長は約449nmであった。青色LEDには5.5Wの電力が投入された。発光特性の測定の為に分光放射輝度計(トプコン社製SR−3)を用いた。硫化物緑色蛍光体を用いた場合に測定された光源の分光放射輝度(スペクトル)を図14に示す。硫化物赤色蛍光体を用いた場合に測定された光源の分光放射輝度(スペクトル)を図15に示す。蛍光体量が増大すると、青色光強度が低下すると同時に蛍光強度が増大する。その理由は、蛍光体量が増大すると、青色光→蛍光の変換量が増す為である。但し、蛍光体量が更に大きくなると、蛍光強度の低下が見られる。蛍光体量が増大しすぎると、青色光→蛍光の変換の過程において、蛍光体層内部において励起光吸収増大に伴う損失が発生する為と考えられる。
<上記光源を組合せた白色光源を使用したLCDの色域の見積もり>
本発明の目的であるLCDの色域の拡大に関して説明する。
まず、本発明の一実施例である白色光源装置を図19に示す。図19の白色光源装置20においては、赤色光源21と、緑色光源22と、青色光源23とが同一面上に配置され、かつ発光面には、拡散板24、並びに3つの光学フィルム25A、25B、及び25Cがこの順で配置されている。
青色光源23として、青色LED23aを有する青色LEDパッケージ23Aを用いたれる。
緑色光源22として、青色LED22aを有する青色LEDパッケージ22Aと緑色蛍光体シート22Bが組み合わされ、且つ、青色光ピーク強度/緑色光ピーク強度は3%以下のものを用いた。ここでは、表4のG5に相当するものを用いた。
赤色光源21として、青色LED21aを有する青色LEDパッケージ21Aと赤色蛍光体シート21Bが組み合わされ、且つ、青色光ピーク強度/赤色光ピーク強度は3%以下のものを用いた。ここでは、表5のR5に相当するものを用いた。
・青色光:
分光放射輝度(スペクトル)をIb(λ)とする。λは波長。
図9の青色LED光源データを使用する。
・緑色光:
分光放射輝度をIg(λ)とする。
図9の青色LED光源と、表2に示す硫化物緑色蛍光体(SrGa2S4:Eu)シートを組み合わせた光源データを使用する。ここでは、表4のG5を用いる。
・赤色光
分光放射輝度をIr(λ)とする。
図9の青色LED光源と、表3に示す硫化物赤色蛍光体(CaS:Eu)シートを組み合わせた光源データを使用する。ここでは、表5のR5を用いる。
I(λ)=kb・Ib(λ)+kg・Ig(λ)+kr・Ir(λ)
ここで、kb+kg+kr=1
と表すことができる。ki(i=b,g,r)は、各色の配分を示す係数である。これらの係数は、I(λ)から導出される白色光源の色度(x,y)が、ある白色の色度値となるように決めることができる。白色光源の色度は、下記に述べる液晶パネル透過後の白色色度が上記従来例とほぼ同一となる様に決定されている。
実施例3において、蛍光体シートG5を蛍光体シートG2に替え、蛍光体シートR5を蛍光体シートR1に替えた以外は、実施例3と同様にして、LCDの色域の見積もりを行った。結果を、図20、図21A、図21B、表6に示す。
NTSC−xy色域、NTSC−u’v’色域を総合的に見ると、実施例3が最も優れる。比較例4を見ると、NTSC−xy色域は実施例3と同等であるが、NTSC−u’v’色域は実施例3のほうが優れる。総合的に見て、半値幅の小さな実施例3が優れると判断される。
本発明の白色光源装置は、テレビ、業務用モニターやパーソナルコンピュータの液晶ディスプレイ等に用いられる白色光源装置として、好適に利用可能である。
本発明の表示装置は、テレビやパーソナルコンピュータの液晶ディスプレイ等として、好適に利用可能である。
1A 蛍光体
1B 樹脂
2 青色LEDパッケージ
2A 青色LED
2B 基板
2C 封止樹脂
Claims (11)
- 青色光を発する青色LEDと、前記青色LEDが発する前記青色光により励起される蛍光体とを有する光源であって、
前記光源の発光スペクトルにおいて、前記蛍光体が発する光の発光ピーク強度(F)に対する前記青色光のピーク強度(B)の比率〔(B)/(F)〕が、3%以下であることを特徴とする光源。 - 前記蛍光体が、構成成分として硫黄を含有する請求項1に記載の光源。
- 前記蛍光体が、樹脂を含有する蛍光体シートに含有されている請求項1から2のいずれかに記載の光源。
- 前記蛍光体が、緑色蛍光体であり、
前記光源が、緑色光源である請求項1から3のいずれかに記載の光源。 - 前記緑色蛍光体が発する光の発光ピークの半値幅が、46.0nm以下である請求項4に記載の光源。
- 前記蛍光体が、赤色蛍光体であり、
前記光源が、赤色光源である請求項1から3のいずれかに記載の光源。 - 前記赤色蛍光体が発する光の発光ピークの半値幅が、61.0nm以下である請求項6に記載の光源。
- 請求項1から7のいずれかに記載の光源を有することを特徴とする白色光源装置。
- 青色光を発する青色LEDを有する青色光源と、
請求項4から5のいずれかに記載の光源である緑色光源と、
赤色光源と、
を有することを特徴とする白色光源装置。 - 青色光を発する青色LEDを有する青色光源と、
緑色光源と、
請求項6から7のいずれかに記載の光源である赤色光源と、
を有することを特徴とする白色光源装置。 - 請求項8から10のいずれかに記載の白色光源装置を備えることを特徴とする表示装置。
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