JP2019061792A - 高分子電解質不織布及び高分子電解質膜、並びに、高分子電解質構造体の製造方法 - Google Patents
高分子電解質不織布及び高分子電解質膜、並びに、高分子電解質構造体の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019061792A JP2019061792A JP2017183977A JP2017183977A JP2019061792A JP 2019061792 A JP2019061792 A JP 2019061792A JP 2017183977 A JP2017183977 A JP 2017183977A JP 2017183977 A JP2017183977 A JP 2017183977A JP 2019061792 A JP2019061792 A JP 2019061792A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polymer
- polymer electrolyte
- precursor
- electrolyte
- electrolyte membrane
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
- Y02P70/50—Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product
Landscapes
- Nonwoven Fabrics (AREA)
- Conductive Materials (AREA)
- Inert Electrodes (AREA)
- Fuel Cell (AREA)
Abstract
Description
さらに、触媒層において電極反応を進行させるためには、電解質、触媒、及び反応ガスが共存する三相界面が必要となる。三相界面の量を増大させるためには、高分子電解質による触媒粒子の被覆率は高いほど良い。
例えば、特許文献1には、触媒層塗布シート及び電解質膜をそれぞれ加湿雰囲気中で加熱し、シート上の触媒層を電解質膜に転写する方法が開示されている。
同文献には、
(a)触媒層塗布シートを加湿雰囲気中で加熱すると、高分子電解質による触媒粒子の被覆率が向上する点、並びに、
(b)触媒層塗布シート及び電解質膜を加湿雰囲気中で加熱すると、接合面にイオン交換基が配向するために、触媒層と電解質膜との接合性が向上する点
が記載されている。
(A)ポリエーテルケトン前駆体電解質材料を溶媒に溶解した溶液をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に塗布し、170℃で10分間予備乾燥して膜状に加工し、
(B)PETフィルムから膜を剥がしとりながら、膜状の電解質のみを過熱水蒸気雰囲気下で連続的に加熱する
電解質膜の製造方法が開示されている。
同文献には、このような方法により、電解質膜のカール、着色、プロトン伝導度の低下等を生じさせることなく連続的な脱溶媒が可能となる点が記載されている。
同文献には、このような方法により、イオン導電性成分の含水率を維持したまま、塗膜中の有機溶媒を除去できる点が記載されている。
同文献には、このような方法により、固体高分子電解質膜の3次元構造が変化し、膜が緻密化し、膜のイオン伝導度および含水率を制御することができる点が記載されている。
同文献には、このような方法により、含水率が高く電気伝導度も大幅に向上した接合体が得られる点が記載されている。
同文献には、
(a)飽和水蒸気下でホットプレスすると、親水性部分が水を含んで大きくなり、親水性部分が連通し、その周囲を疎水性部分が固めた状態となる点、及び
(b)このようにして得られた電解質膜は、疎水性部分同士の相互作用が強くなるために、メタノールに不溶となる点、
が記載されている。
同文献には、
(a)酸性ポリマーに塩基性分子を導入することにより酸−塩基結合が形成され、これによって良好なプロトン伝導性を有する伝導パスが形成される点、及び、
(b)このような方法により、パーフルオロスルホン酸ポリマーよりもプロトン伝導度が高く、かつ、低加湿でも高いプロトン伝導度を示す電解質膜が得られる点、
が記載されている。
(a)電解質膜にポリビニルアルコール(PVA)を添加する方法(非特許文献1)、
(b)電解質膜に金属酸化物やリン酸化物を添加する方法(非特許文献2)、
(c)電解質膜にシリカやリンモリブデン酸のナノ粒子を添加する方法(非特許文献3)
などが知られている。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、プロトン伝導度及び/又は結晶化度が相対的に高い高分子電解質膜を提供することにある。
さらに、本発明が解決しようとする他の課題は、このような高分子電解質不織布又は高分子電解質膜を製造することが可能な高分子電解質構造体の製造方法を提供することにある。
(1)前記高分子電解質不織布は、高分子繊維の集合体からなり、
前記高分子繊維は、フッ素系高分子電解質からなる第1の高分子と、第2の高分子との混合物からなる。
(2)前記第2の高分子は、前記第1の高分子よりもガラス転位温度が低く、かつ、第1の高分子と水素結合を形成することが可能なものからなる。
(3)前記高分子繊維中の前記第2の高分子の含有量は、0.05wt%以上10wt%未満である。
(1)前記高分子電解質膜は、フッ素系高分子電解質からなる第1の高分子を含む。
(2)前記高分子電解質膜は、前記第1の高分子よりもガラス転位点が低く、かつ、前記第1の高分子と水素結合を形成することが可能である高分子化合物からなる第2の高分子の含有量が0.1wt%以下である。
(3)前記高分子電解質膜は、結晶化度が0.20以上である。
(1)前記高分子電解質構造体の製造方法は、
フッ素系高分子電解質からなる第1の高分子と、前記第1の高分子よりもガラス転位点が低く、かつ、前記第1の高分子と水素結合を形成する第2の高分子とを含む溶液又は融液から前駆体を作製する前駆体作製工程と、
前記前駆体を、水蒸気を含む雰囲気下において、前記第1の高分子のガラス転位点以上融点未満の温度で加熱し、前記高分子電解質構造体を得る水蒸気処理工程と
を備えている。
(2)前記水蒸気処理工程は、相対湿度が0.5%RH以上100%RH以下の雰囲気下において前記前駆体を加熱するものからなる。
前記水蒸気処理工程の後に、前記第2の高分子を酸化分解させる酸化剤を用いて、前記高分子電解質構造体から前記第2の高分子の全部又は一部を除去する除去工程
をさらに備えていても良い。
(a)前駆体作製時に第1の高分子に備えられるイオン交換基と第2の高分子とが水素結合し、前駆体内に、大きく、かつ、連続した親水クラスターが形成されるため、並びに、
(b)水蒸気を含む雰囲気下において前駆体を加熱すると、アモルファス領域内においてイオン交換基同士の水素結合が弱められるため、及び、これによって成長した親水クラスターを維持したまま、アモルファス部の結晶化が促進されるため、
と考えられる。
[1. 高分子電解質不織布]
本発明に係る高分子電解質不織布は、以下の構成を備えている。
(1)前記高分子電解質不織布は、高分子繊維の集合体からなり、
前記高分子繊維は、フッ素系高分子電解質からなる第1の高分子と、第2の高分子との混合物からなる。
(2)前記第2の高分子は、前記第1の高分子よりもガラス転位温度が低く、かつ、第1の高分子と水素結合を形成することが可能なものからなる。
(3)前記高分子繊維中の前記第2の高分子の含有量は、0.05wt%以上10wt%未満である。
第1の高分子は、フッ素系高分子電解質からなる。「フッ素系高分子電解質」とは、分子内にC−F結合と、スルホン酸基、ホスホン酸基、カルボン酸基などのイオン交換基とを備えている高分子化合物をいう。本発明において、フッ素系高分子電解質の種類は特に限定されない。
フッ素系高分子電解質としては、例えば、ナフィオン(登録商標)、フレミオン(登録商標)、アシプレックス(登録商標)、アクイヴィオン(登録商標)などのパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂などがある。
[1.2.1. 機能]
本発明に係る高分子電解質不織布は、後述するように、第1の高分子と第2の高分子の混合物から不織布前駆体を作製し、不織布前駆体を水蒸気処理することにより得られる。第2の高分子は、親水クラスターを発達させるために添加される。また、水蒸気処理は、高分子繊維を溶融させることなく、第1の高分子の結晶化を促進させるために行われる。
さらに、高分子電解質不織布の場合、水蒸気処理後の不織布から第2の高分子を完全に取り除くと、繊維形状を維持できなくなる場合がある。そのため、高分子電解質不織布は、適量の第2の高分子を含んでいるのが好ましい。
(a)第1の高分子内において、親水クラスターを成長させるため、
(b)単独では曳糸性を持たない第1の高分子に曳糸性を付与するため、及び、
(c)高分子繊維を溶融させることなく、第1の高分子の結晶化を促進するため、
に用いられる。
上述した機能を奏するためには、第2の高分子は、少なくとも、第1の高分子よりもガラス転位温度が低く、かつ、第1の高分子と水素結合を形成することが可能なものである必要がある。
第1の高分子と第2の高分子との間で水素結合を形成するためには、第2の高分子は、水素結合可能な部位を備えている必要がある。このような部位としては、例えば、エーテル結合(−O−)、水素や炭素よりも電気陰性度が高い原子を有する結合又は官能基群(例えば、エステル結合、アミド結合、チオエーテル結合、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基、アルデヒド基、スルホ基、アミノ基、シアノ基、チオール基)などがある。
第2の高分子の分子量は、曳糸性に影響を与える。好適な分子量は、第2の高分子の種類により異なる。例えば、第2の高分子がPEOである場合、第2の高分子の重量平均分子量(Mw)が小さすぎると、十分な曳糸性が得られない。従って、Mwは、10万以上が好ましい。Mwは、好ましくは、100万以上、さらに好ましくは、500万以上である。
[1.3.1. 第2の高分子の含有量]
「第2の高分子の含有量」とは、高分子繊維(すなわち、高分子電解質不織布)に含まれる第1の高分子の重量(W1)及び第2の高分子の重量(W2)の和に対する第2の高分子の重量の割合(=W2×100/(W1+W2))をいう。
一方、第2の高分子の含有量が過剰になると、溶媒に対する耐性が低下する。従って、第2の高分子の含有量は、10wt%未満である必要がある。第2の高分子の含有量は、好ましくは、5wt%以下、さらに好ましくは、3wt%以下である。
高分子繊維の直径は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な直径を選択することができる。後述する方法を用いる場合において、製造条件を最適化すると、直径が50nm〜3000nmである高分子繊維の集合体からなる不織布が得られる。
高分子繊維の溶媒に対する耐性は、直径変化率で表すことができる。ここで、「直径変化率(Δd)」とは、次の式(1)で表される値をいう。
Δd=(d−di)×100/di ・・・(1)
但し、
diは、製造直後の高分子繊維の直径の平均値、
dは、所定の条件下で溶媒に浸漬した後の高分子繊維の直径の平均値。
作製された不織布をある種の溶媒に浸漬すると、溶解又は膨潤によって高分子繊維の直径が増加又は減少する。高分子繊維は、通常、水よりも水/エタノール混合溶媒に溶解又は膨潤しやすい。そのため、水/エタノール混合溶媒に浸漬した時の直径変化率が小さいことは、高分子繊維の溶媒に対する耐性がより高いことを表す。
具体的には、後述する方法を用いると、100℃の水に1分間浸漬した時の高分子繊維の直径変化率は、−15%以上+15%以下となる。製造条件をさらに最適化すると、水浸漬時の直径変化率は、−10%以上+10%以下、あるいは、−5%以上+5%以下となる。
[1.4.1. 空孔度]
「空孔度」とは、不織布の見かけの体積に対する空孔の体積の割合をいう。
高分子電解質不織布は、相対的に高い空孔度を持つため、ガス拡散性が求められる触媒層の材料として好適である。不織布の空孔度は、製造条件を最適化することにより、ある程度制御することができる。後述する方法を用いると、空孔度が80%以上100%未満である不織布が得られる。
「結晶化度」とは、XRDスペクトルを用いて、以下の方法により算出される値をいう(参考文献1参照)。
(a)2θ=10°〜20°付近のピークを2θ=16.1°(非晶質部)、2θ=17.7°(結晶部)の2つのピークに分離する。
(b)非晶質部のピーク面積(Aam)、及び結晶部のピーク面積(Acr)を求め、次の式(2)から結晶化度(Wcr)を算出する。
Wcr=Acr/(Aam+Acr) ・・・(2)
[参考文献1]Macromolecules(14), 1309-1315
高分子電解質不織布は、理想的には高分子繊維間が点接触している状態にある。しかし、製造時、あるいは、使用時に高分子繊維の一部が溶融すると、繊維間が融着する。高分子繊維の溶融がさらに進行すると、やがて繊維が消失し、不織布の空隙が閉塞する。
繊維間の融着の程度は、不織布の貯蔵弾性率で間接的に評価することができる。一般に、繊維間の融着が進行するほど、貯蔵弾性率が高くなる。
後述する方法を用いると、貯蔵弾性率が50MPa以下である不織布が得られる。製造条件をさらに最適化すると、貯蔵弾性率は、40MPa以下、30MPa以下、20MPa以下、あるいは、10MPa以下となる。
本発明に係る高分子電解質不織布は、後述する方法により製造されるため、結晶化度を低下させることなく、プロトン伝導度を向上させることができる。具体的には、後述する方法を用いると、25℃、100%RHにおけるプロトン伝導度が0.1mScm-1以上である不織布が得られる。製造条件をさらに最適化すると、25℃、100%RHにおけるプロトン伝導度は、0.2mScm-1以上、あるいは、0.3mScm-1以上となる。
本発明に係る高分子電解質膜は、以下の構成を備えている。
(1)前記高分子電解質膜は、フッ素系高分子電解質からなる第1の高分子を含む。
(2)前記高分子電解質膜は、前記第1の高分子よりもガラス転位点が低く、かつ、前記第1の高分子と水素結合を形成することが可能である高分子化合物からなる第2の高分子の含有量が0.1wt%以下である。
(3)前記高分子電解質膜は、結晶化度が0.20以上である。
第1の高分子の詳細については、上述した高分子電解質不織布と同様であるので、説明を省略する。
[2.2.1. 機能]
本発明に係る高分子電解質膜は、後述するように、第1の高分子と第2の高分子の混合物から電解質膜前駆体を作製し、電解質膜前駆体を水蒸気処理することにより得られる。第2の高分子は、親水クラスターを発達させるために添加させる。また、水蒸気処理は、第1の高分子の結晶化を促進させるために行われる。
なお、高分子電解質膜の場合、水蒸気処理後の電解質膜から第2の高分子を完全に取り除いても、膜形状は維持される。すなわち、高分子電解質膜は、第2の高分子を含んでいても良く、あるいは、含んでいなくても良い。
(a)第1の高分子内において、親水クラスターを成長させるため、及び
(b)第1の高分子の結晶化を促進するため、
に用いられる。
上述した機能を奏するためには、第2の高分子は、少なくとも第1の高分子よりもガラス転位温度が低く、かつ、第1の高分子と水素結合を形成することが可能なものである必要がある。
第2の高分子の組成に関するその他の点ついては、高分子電解質不織布と同様であるので、説明を省略する。
第2の高分子の分子量は、成膜性に影響を与える。好適な分子量は、第2の高分子の種類により異なる。例えば、第2の高分子がPEOである場合、第2の高分子の重量平均分子量(Mw)が小さすぎると、親水クラスターを連続させることができない。従って、Mwは、10万以上が好ましい。Mwは、好ましくは、30万以上、さらに好ましくは、100万以上である。
「第2の高分子の含有量」とは、高分子電解質に含まれる第1の高分子の重量(W1)及び第2の高分子の重量(W2)の和に対する第2の高分子の重量の割合(=W2×100/(W1+W2))をいう。
[2.4.1. 結晶化度]
本発明に係る高分子電解質膜は、後述する方法により製造されるため、プロトン伝導度を低下させることなく、結晶化度を向上させることができる。具体的には、後述する方法を用いると、結晶化度が0.20以上である高分子電解質膜が得られる。製造条件をさらに最適化すると、結晶化度は、0.25以上、0.27以上、あるいは、0.30以上となる。
なお、「結晶化度」の詳細については、上述した通りであるので、説明を省略する。
本発明に係る高分子電解質膜は、後述する方法により製造されるため、結晶化度を低下させることなく、プロトン伝導度を向上させることができる。具体的には、後述する方法を用いると、25℃、100%RHにおけるプロトン伝導度が75mScm-1以上である電解質膜が得られる。製造条件をさらに最適化すると、25℃、100%RHにおけるプロトン伝導度は、80mScm-1以上、90mScm-1以上、あるいは、100mScm-1以上となる。
本発明に係る高分子電解質構造体の製造方法は、以下の構成を備えている。
(1)前記高分子電解質構造体の製造方法は、
フッ素系高分子電解質からなる第1の高分子と、前記第1の高分子よりもガラス転位点が低く、かつ、第1の高分子と水素結合を形成する第2の高分子とを含む溶液又は融液から前駆体を作製する前駆体作製工程と、
前記前駆体を、水蒸気を含む雰囲気下において、前記第1の高分子のガラス転位点以上融点未満の温度で加熱し、前記高分子電解質構造体を得る水蒸気処理工程と
を備えている。
(2)前記水蒸気処理工程は、相対湿度が0.5%RH以上100%以下RHの雰囲気下において前記前駆体を加熱処理するものからなる。
まず、フッ素系高分子電解質からなる第1の高分子と、前記第1の高分子よりもガラス転位点が低く、かつ、第1の高分子と水素結合を形成する第2の高分子とを含む溶液又は融液から前駆体を作製する(前駆体作製工程)。
本発明において、前駆体(及び、前駆体を水蒸気処理することにより得られる高分子電解質構造体)の形状は、特に限定されない。前駆体の形状としては、例えば、不織布、膜、長繊維、チューブ、球、短繊維、撚糸、多孔体、針状体など、あるいは、これらの集合体などがある。これらのスケールは、問わない。
第1の高分子と第2の高分子の混合物を溶融させることが可能である場合、前駆体の作製には融液を用いることができる。一方、第1の高分子と第2の高分子の混合物を溶解又は分散させることが可能な溶媒がある場合、前駆体の作製には溶液を用いることができる。
溶媒としては、特に、沸点が200℃以下のアルコールが好ましい。その中でも、溶媒は、エタノールが好ましい。これは、環境負荷が小さく、工業的な大量生産に適しているためである。
最適な固形分濃度は、第1の高分子及び第2の高分子の種類、配合量などにより異なるが、通常は、1wt%〜40wt%程度である。
「第2の高分子の配合量」とは、融液又は溶液に含まれる第1の高分子の重量(W1)及び第2の高分子の重量(W2)の和に対する第2の高分子の重量の割合(=W2×100/(W1+W2))をいう。
第2の高分子の配合量は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な配合量を選択するのが好ましい。
一方、第2の高分子の配合量が過剰になると、高分子繊維の溶媒に対する耐性が低下する。従って、第2の高分子の配合量は、10wt%未満が好ましい。第2の高分子の配合量は、好ましくは、5wt%以下、さらに好ましくは、3wt%以下である。
一方、第2の高分子の配合量が過剰になると、プロトン伝導度がかえって低下する。これは、第2の高分子が過剰になると、両者が相溶せずに分離するため、単に第1の高分子の体積分率をいたずらに下げるだけとなり、見かけの伝導度が低下するためと考えられる。従って、第2の高分子の配合量は、50wt%以下が好ましい。第2の高分子の配合量は、好ましくは、30wt%以下、さらに好ましくは、25wt%以下である。
前駆体の作製方法は、特に限定されるものではなく、前駆体の形状に応じて最適な方法を選択することができる。
例えば、前駆体(及び、高分子電解質構造体)が不織布である場合、前駆体の作製方法としては、電界紡糸法、メルトブロー法などがある。
また、前駆体(及び、高分子電解質構造体)が膜である場合、前駆体の作製方法としては、キャスト法、スピンコート法などがある。
溶液を用いて前駆体を作製した場合、前駆体に含まれる溶媒を除去するために、乾燥させる。乾燥条件は、特に限定されない。
次に、前駆体を、水蒸気を含む雰囲気下において、第1の高分子のガラス転位点以上融点未満の温度で加熱する(水蒸気処理工程)。これにより、本発明に係る高分子電解質構造体が得られる。
前駆体の水蒸気処理は、第1の高分子の結晶化度を向上させる作用がある。また、高分子電解質不織布を製造する際には、前駆体の水蒸気処理は、高分子繊維を溶融させることなく、第1の高分子の結晶化度を向上させる作用がある。
これに対し、不織布前駆体を水蒸気雰囲気下で加熱すると、高分子繊維の溶融が抑制され、かつ、高分子繊維の結晶化度が向上する。これは、加熱時に水蒸気を共存させることにより、PEOが加水分解を受けて短鎖化するため、及び、分解された第2の高分子は熱運動を阻害しないために第1の高分子のアモルファス部が速やかに結晶化するため、と考えられる。
相対湿度の上限は、特に限定されるものではなく、100%RH以下であれば良い。
加熱温度が低すぎると、第1の高分子の結晶化が不十分となる。従って、加熱温度は、第1の高分子のガラス転位点(Tg)以上である必要がある。加熱温度は、好ましくは、Tg+5℃以上である。
一方、加熱温度が高すぎると、第1の高分子が溶融する。従って、加熱温度は、第1の高分子の融点(Tm)未満である必要がある。加熱温度は、好ましくは、Tm−10℃以下、さらに好ましくは、Tm−20℃以下である。
加熱時間は、加熱温度に応じて最適な時間を選択する。一般に、加熱温度が高くなるほど、短時間で第1の高分子の結晶化が進行する。最適な加熱時間は、加熱温度などにより異なるが、通常は、1時間〜2時間程度である。
水蒸気処理工程が終了した後、必要に応じて、前記第2の高分子を酸化分解させる酸化剤を用いて、前記高分子電解質構造体から前記第2の高分子の全部又は一部を除去する(除去工程)。
第2の高分子の除去量は、目的に応じて最適なものを選択する。
例えば、高分子電解質構造体が高分子電解質不織布である場合、高分子繊維から第2の高分子を完全に除去すると、繊維形状を維持できない場合がある。このような場合には、除去工程を省略し、あるいは、第2の高分子の一部を除去し、適量の第2の高分子を含んだ状態のまま、高分子電解質不織布を各種の用途に用いるのが好ましい。
高分子電解質構造体が高分子電解質膜である場合において、高いプロトン伝導度を得るためには、前記除去工程は、前記第2の高分子の含有量が0.1wt%以下となるように、前記第2の高分子を除去するものが好ましい。
酸化剤は、第1の高分子の構造を変質させることなく、第2の高分子を酸化分解させることが可能なものである限りにおいて、特に限定されない。
酸化剤は、特に、水溶性であり、標準酸化電位が1V以上であり、かつ、金属イオンを含まないものが好ましい。これは、第1の高分子の親水クラスターへ酸化剤を浸透させるのに水溶性であるのが望ましく、また、金属イオンはスルホン酸基に結合し、イオン伝導度を下げてしまうためである。このような条件を満たす酸化剤としては、例えば、過酸化水素、過塩素酸などがある。
また、酸化剤は、強酸(酸解離定数pKa≦1)であっても良い。これは、強酸は加水分解の触媒としても使えるためである。酸化剤として使用可能な強酸としては、例えば、硝酸、硫酸、塩酸などがある。
処理条件は、第1の高分子を変質させることなく、第2の高分子を酸化分解させることが可能なものである限りにおいて、特に限定されない。
最適な処理条件は、第2の高分子の組成、酸化剤の組成、膜厚等により異なる。通常、室温〜100℃で、1時間〜2時間程度処理すれば、第2の高分子をほぼ完全に除去することができる。
高分子電解質のプロトン伝導度や結晶化度を向上させる方法として、
(a)含水状態又は水蒸気雰囲気下でホットプレスする方法、
(b)電解質に塩基性高分子やPVAを添加する方法、
(c)電解質に無機ナノ粒子を添加する方法、
などが提案されている。
また、電解質の酸基と相互作用するポリマーや無機ナノ粒子を添加する方法では、プロトン伝導度が変わらないことが多い。この理由は、親水クラスターは、溶液中では相互作用によって大きく成長するが、溶媒の乾燥処理又はその後の加熱処理で電解質が再び溶融し、クラスターを維持できないためと考えられる。電解質膜は、通常、アモルファス部が流動する温度で保持し、結晶性を向上させている。しかし、親水クラスターの溶融温度がアモルファス部よりも低いため、このような現象が起こると考えられる。
フッ素系高分子電解質は、疎水性の主鎖と、親水性であるイオン交換基を持つ側鎖とを備えている。このようなフッ素系高分子電解質は、溶媒中でミセル構造を取り、分散している。第2の高分子は、溶媒に接している親水部と水素結合を形成する。その結果、前駆体内に大きく、かつ、連続した親水クラスターが生成する。
フッ素系高分子電解質は、アモルファス領域内に、相分離が進み結晶化した部位と、親水部を集合させるように集まった親水クラスターとが点在する構造を有している。すなわち、フッ素系高分子電解質内には、以下の3種の構造があると考えられる。
(a)イオン交換基と固着水が主体の親水クラスター。
(b)アモルファス領域。
(c)疎水部が結晶化した部位。
[1. 試料の作製]
[1.1. 実施例1]
ナフィオン(登録商標)(D2020)、及びポリエチレンオキサイド(PEO、Mw〜300,000)を溶解させた前駆体溶液を作製した。前駆体溶液中のナフィオン(登録商標)の配合量は99wt%、PEOの配合量は1wt%とした。溶媒には、30vol%水/70vol%メタノールの混合溶媒を用いた。前駆体溶液中の固形分濃度は、10wt%とした。この前駆体溶液を基板表面に塗布し、室温で2日間乾燥させ、電解質膜前駆体を得た。
水蒸気処理後、酸化剤を用いて電解質膜からPEOを除去した。酸化剤には、10wt%の過酸化水素水を用いた。また、処理温度は80℃、処理時間は6hとした。
ナフィオン(登録商標)の配合量を90wt%とし、PEOの配合量を10wt%とした以外は、実施例1と同様にして電解質膜を作製した。
[1.3. 実施例3]
ナフィオン(登録商標)の配合量を75wt%とし、PEOの配合量を25wt%とした以外は、実施例1と同様にして電解質膜を作製した。
[1.4. 実施例4]
ナフィオン(登録商標)の配合量を50wt%とし、PEOの配合量を50wt%とした以外は、実施例1と同様にして電解質膜を作製した。
水蒸気処理時の相対湿度を0.6%RHとした以外は、実施例1と同様にして電解質膜を作製した。
[1.6. 比較例1]
ナフィオン(登録商標)の配合量を100wt%とし、PEOの配合量を0wt%とした以外は、実施例1と同様にして電解質膜を作製した。
得られた電解質膜の結晶化度、及びプロトン伝導度(25℃、100%RH又は20%RH)を評価した。表1に結果を示す。また、図1に、電解質膜前駆体作製時のポリエチレングリコール(PEO)の配合量とプロトン伝導度(25℃、100%RH)との関係を示す。さらに、図2に、電解質膜前駆体作製時のポリエチレングリコール(PEO)の配合量とプロトン伝導度(25℃、20%RH)との関係を示す。表1、並びに、図1及び図2より、以下のことがわかる。
(2)水蒸気処理時の相対湿度が37.2%である場合、プロトン伝導度は、PEOの配合量に依存した。高いプロトン伝導度を得るためには、前駆体作製時のPEOの配合量は、1wt%〜25wt%が好ましいことがわかった。
(3)実施例4は、結晶化度は高いが、プロトン伝導度が低い。これは、PEOの添加量が50%と多いため、ナフィオン(登録商標)とPEOが相溶せず、分離したためと考えられる。そのため、ナフィオン(登録商標)の連続性が失われてプロトン伝導度が低下したと考えられる。体積分率を考慮しても、伝導度が低すぎるため、このように考えられる。
[1. 試料の作製]
[1.1. 実施例11]
ナフィオン(登録商標)(D2020)、及びポリエチレンオキサイド(PEO、Mw〜7,000,000)を溶解させた前駆体溶液を作製した。前駆体溶液中のナフィオン(登録商標)の配合量は99.01wt%、PEOの配合量は0.99wt%とした。溶媒には、30vol%水/70vol%メタノールの混合溶媒を用いた。前駆体溶液中の固形分濃度は、10wt%とした。この前駆体溶液を用いて電界紡糸を行い、室温で2日間乾燥させ、不織布前駆体を得た。
次に、不織布前駆体の水蒸気処理を行った。処理温度は130℃、処理時間は1h、処理時の相対湿度は37.2%RHとした。
水蒸気処理時の相対湿度を20.0%RHとした以外は、実施例11と同様にして不織布を得た。
[1.3. 実施例13]
水蒸気処理時の相対湿度を2.1%RHとした以外は、実施例11と同様にして不織布を得た。
ナフィオン(登録商標)の配合量を90wt%、PEOの配合量を10wt%とした以外は、実施例11と同様にして不織布を得た。
[1.5. 実施例14]
ナフィオン(登録商標)の配合量を99.9wt%、PEOの配合量を0.1wt%とした以外は、実施例11と同様にして不織布を得た。
実施例11で得られた不織布前駆体(PEO:0.99wt%)をそのまま試験に供した。
[1.7. 実施例15]
水蒸気処理時の相対湿度を0.6%RHとした以外は、実施例11と同様にして不織布を得た。
[1.8. 比較例13]
比較例11で得られた不織布前駆体(PEO:10wt%)をそのまま試験に供した。
[1.9. 比較例14]
水蒸気処理時の相対湿度を0.6%RHとした以外は、比較例11と同様にして不織布を得た。
得られた不織布の結晶化度、プロトン伝導度σ(25℃、100%RH)、ガラス転位温度Tg、及び貯蔵弾性率G'(30℃)を評価した。
また、各種溶媒に不織布を1分間浸漬し、高分子繊維の直径を測定した。溶媒への浸漬前後の直径を用いて、直径変化率を算出した。溶媒には、100℃の水、又は、室温の水/エタノール混合溶媒(重量比7/3)を用いた。
(2)PEO量が10wt%である不織布前駆体を相対湿度0.6%RHで水蒸気処理すると、高分子繊維が消失した(比較例14)。相対湿度を37.2%RHとすると、繊維形状は維持していたが、溶媒に対する耐性が低い(比較例11)。
(3)PEO量が0.1wt%であっても、水蒸気処理することにより、結晶化度が向上した(実施例14)。また、これによって、溶媒に対する耐性も向上した。
(5)水蒸気処理時の相対湿度が高くなるほど、結晶化度が高くなる傾向が認められた。これは、相対湿度が高くなるほど、アモルファス部においてスルホン酸基同士の水素結合が弱くなり、アモルファス部が流動しやすくなるためと考えられる。
(6)水蒸気処理時の相対湿度が37.2%である場合、結晶化度は、PEOの含有量に依存した。高い結晶化度を得るためには、前駆体作製時のPEOの配合量は、0.1wt%〜5wt%が好ましいことがわかった。
Claims (13)
- 以下の構成を備えた高分子電解質不織布。
(1)前記高分子電解質不織布は、高分子繊維の集合体からなり、
前記高分子繊維は、フッ素系高分子電解質からなる第1の高分子と、第2の高分子との混合物からなる。
(2)前記第2の高分子は、前記第1の高分子よりもガラス転位温度が低く、かつ、第1の高分子と水素結合を形成することが可能なものからなる。
(3)前記高分子繊維中の前記第2の高分子の含有量は、0.05wt%以上10wt%未満である。 - 前記高分子繊維は、100℃の水に1分間浸漬した時の直径変化率が−15%以上+15%以下である請求項1に記載の高分子電解質不織布。
- 前記高分子繊維は、室温の水/エタノール混合溶媒(水/エタノール重量比=7/3)に1分間浸漬したときの直径変化率が−6%以上+6%以下である請求項1又は2に記載の高分子電解質不織布。
- 前記高分子繊維は、結晶化度が0.15以上である請求項1から3までのいずれか1項に記載の高分子電解質不織布。
- 貯蔵弾性率が50MPa以下である請求項1から4までのいずれか1項に記載の高分子電解質不織布。
- 25℃、100%RHにおけるプロトン伝導度が0.1mScm-1以上である請求項1から5までのいずれか1項に記載の高分子電解質不織布。
- 以下の構成を備えた高分子電解質膜。
(1)前記高分子電解質膜は、フッ素系高分子電解質からなる第1の高分子を含む。
(2)前記高分子電解質膜は、前記第1の高分子よりもガラス転位点が低く、かつ、前記第1の高分子と水素結合を形成することが可能である高分子化合物からなる第2の高分子の含有量が0.1wt%以下である。
(3)前記高分子電解質膜は、結晶化度が0.20以上である。 - 25℃、100%RHでのプロトン伝導度が75mScm-1以上である請求項7に記載の高分子電解質膜。
- 以下の構成を備えた高分子電解質構造体の製造方法。
(1)前記高分子電解質構造体の製造方法は、
フッ素系高分子電解質からなる第1の高分子と、前記第1の高分子よりもガラス転位点が低く、かつ、前記第1の高分子と水素結合を形成する第2の高分子とを含む溶液又は融液から前駆体を作製する前駆体作製工程と、
前記前駆体を、水蒸気を含む雰囲気下において、前記第1の高分子のガラス転位点以上融点未満の温度で加熱し、前記高分子電解質構造体を得る水蒸気処理工程と
を備えている。
(2)前記水蒸気処理工程は、相対湿度が0.5%RH以上100%RH以下の雰囲気下において前記前駆体を加熱するものからなる。 - 前記高分子電解質構造体は、高分子電解質不織布からなり、
前記前駆体作製工程は、前記第2の高分子の配合量が0.05wt%以上10wt%未満である不織布前駆体を作製するものからなる
請求項9に記載の高分子電解質構造体の製造方法。 - 前記高分子電解質構造体は、高分子電解質膜からなり、
前記前駆体作成工程は、前記第2の高分子の配合量が0.05wt%以上50wt%以下である電解質膜前駆体を作製するものからなる
請求項9に記載の高分子電解質構造体の製造方法。 - 前記水蒸気処理工程の後に、前記第2の高分子を酸化分解させる酸化剤を用いて、前記高分子電解質構造体から前記第2の高分子の全部又は一部を除去する除去工程をさらに備えた請求項9から11までのいずれか1項に記載の高分子電解質構造体の製造方法。
- 前記除去工程は、前記電解質構造体に含まれる前記第2の高分子の含有量が0.1wt%以下となるように、前記第2の高分子を除去するものからなる請求項12に記載の高分子電解質構造体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017183977A JP7009875B2 (ja) | 2017-09-25 | 2017-09-25 | 高分子電解質不織布及び高分子電解質膜、並びに、高分子電解質構造体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017183977A JP7009875B2 (ja) | 2017-09-25 | 2017-09-25 | 高分子電解質不織布及び高分子電解質膜、並びに、高分子電解質構造体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019061792A true JP2019061792A (ja) | 2019-04-18 |
JP7009875B2 JP7009875B2 (ja) | 2022-02-10 |
Family
ID=66178583
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017183977A Active JP7009875B2 (ja) | 2017-09-25 | 2017-09-25 | 高分子電解質不織布及び高分子電解質膜、並びに、高分子電解質構造体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7009875B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022246442A1 (en) * | 2021-05-20 | 2022-11-24 | Nabors Energy Transition Solutions Llc | Proton exchange membranes and methods of preparing same |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003208817A (ja) * | 2001-11-08 | 2003-07-25 | Toyota Central Res & Dev Lab Inc | 耐熱性高分子電解質及びその製造方法 |
JP2005353534A (ja) * | 2004-06-14 | 2005-12-22 | Toyota Motor Corp | 燃料電池用電解質膜及びその製造方法並びに燃料電池 |
JP2006233355A (ja) * | 2005-02-24 | 2006-09-07 | Teijin Ltd | 不織布および不織布の製造方法 |
-
2017
- 2017-09-25 JP JP2017183977A patent/JP7009875B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003208817A (ja) * | 2001-11-08 | 2003-07-25 | Toyota Central Res & Dev Lab Inc | 耐熱性高分子電解質及びその製造方法 |
JP2005353534A (ja) * | 2004-06-14 | 2005-12-22 | Toyota Motor Corp | 燃料電池用電解質膜及びその製造方法並びに燃料電池 |
JP2006233355A (ja) * | 2005-02-24 | 2006-09-07 | Teijin Ltd | 不織布および不織布の製造方法 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022246442A1 (en) * | 2021-05-20 | 2022-11-24 | Nabors Energy Transition Solutions Llc | Proton exchange membranes and methods of preparing same |
GB2621073A (en) * | 2021-05-20 | 2024-01-31 | Nabors Energy Transition Solutions Llc | Proton exchange membranes and methods of preparing same |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP7009875B2 (ja) | 2022-02-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Shaari et al. | Performance of crosslinked sodium alginate/sulfonated graphene oxide as polymer electrolyte membrane in DMFC application: RSM optimization approach | |
DE10151458B4 (de) | Verfahren zur Herstellung einer Elektrode auf einem Substrat, Verfahren zur Herstellung einer Membranelektrodensubstrat-Baugruppe und Membranelektrodensubstrat-Baugruppen | |
Ketpang et al. | Porous zirconium oxide nanotube modified Nafion composite membrane for polymer electrolyte membrane fuel cells operated under dry conditions | |
JP2013503436A (ja) | 燃料電池用の高分子電解質膜及びその製造方法 | |
KR20070086110A (ko) | 용액을 기본으로 성능 향상된 연료전지의 구성요소 및전기화학 시스템과 장치 | |
CN104871354A (zh) | 用于燃料电池的增强复合膜和包括该增强复合膜的膜电极组件 | |
JP6180624B2 (ja) | 高分子電解質膜、この製造方法、及びこれを含む膜−電極アセンブリ | |
JPH1092440A (ja) | ポリ(ビニリデンフルオライド)カーボンブレンドを基礎としたガス拡散電極 | |
WO2006028190A1 (ja) | 固体高分子電解質膜およびその製造方法 | |
JP2007188888A (ja) | 燃料電池用高分子電解質膜とその製造方法、及び燃料電池 | |
Wang et al. | Solution blown biofunctionalized poly (vinylidene fluoride) nanofibers for application in proton exchange membrane fuel cells | |
CN108285643A (zh) | 一种纤维素纳米纤维/磺化聚醚砜质子交换膜及制备方法 | |
CN111886734A (zh) | 电解质膜 | |
KR101758237B1 (ko) | 이온 교환막 및 그 제조방법 | |
US20140141354A1 (en) | Fuel cell electrode, fuel cell membrane electrode assembly including the electrode, and fuel cell including the membrane electrode assembly | |
JP7009875B2 (ja) | 高分子電解質不織布及び高分子電解質膜、並びに、高分子電解質構造体の製造方法 | |
KR20130040022A (ko) | 고분자 전해질막 및 이를 포함하는 연료 전지 | |
CN108183250A (zh) | 一种复合高温质子交换膜及其制备和应用 | |
JP5599029B2 (ja) | 燃料電池用ガス拡散層 | |
KR20130106074A (ko) | 연료전지용 고분자 전해질막 및 이를 포함하는 연료전지 | |
KR20110054607A (ko) | 강화 복합 전해질 막 및 그의 제조방법 | |
JP4576784B2 (ja) | プロトン伝導体膜及びその製造方法、膜−電極接合体及びその製造方法、並びに電気化学デバイス | |
JP7292711B2 (ja) | ナノファイバー、電解質膜、及び固体高分子形燃料電池 | |
JPWO2002062878A1 (ja) | イオン交換樹脂膜及びその製造方法 | |
KR102125412B1 (ko) | 연료전지용 탄화수소계 강화 고분자 전해질막의 제조방법 및 이에 의해 제조된 강화 고분자 전해질막 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200721 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210514 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210622 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210720 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20211102 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20211201 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20211214 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20211227 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7009875 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |