JP2019061074A - 画像形成装置用摺動部材、定着装置、及び画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置用摺動部材、定着装置、及び画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2019061074A
JP2019061074A JP2017185834A JP2017185834A JP2019061074A JP 2019061074 A JP2019061074 A JP 2019061074A JP 2017185834 A JP2017185834 A JP 2017185834A JP 2017185834 A JP2017185834 A JP 2017185834A JP 2019061074 A JP2019061074 A JP 2019061074A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image forming
forming apparatus
rotating body
sliding member
sliding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017185834A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6988320B2 (ja
Inventor
淳子 山崎
Junko Yamazaki
淳子 山崎
健司 大森
Kenji Omori
健司 大森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2017185834A priority Critical patent/JP6988320B2/ja
Publication of JP2019061074A publication Critical patent/JP2019061074A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6988320B2 publication Critical patent/JP6988320B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Electrophotography Configuration And Component (AREA)

Abstract

【課題】異音の発生を抑えるとともに、画像ムラの発生を抑制する摺動部材の提供。【解決手段】摺動方向の動的粘弾性測定でのtanδが0.05以上0.20以下であり、摺動面のうねり粗さWaが2以上15以下である画像形成装置用摺動部材101。【選択図】図1

Description

本発明は、画像形成装置用摺動部材、定着装置、及び画像形成装置に関する。
電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置では、記録紙等の記録媒体に形成された未定着のトナー像が定着装置によって定着される。
この定着装置としては、例えば、加熱ロールと加熱ロールに接触して配置された加圧ベルトとを備えた構成、又は、加熱ベルトと加熱ベルトに接触して配置された加圧ロールとを備えた構成のベルトニップ方式と呼ばれる定着装置が知られている。
例えば、特許文献1には、「回動可能な回動部材と、前記回動部材に接触しながら移動可能なエンドレスベルトと、前記エンドレスベルトの内側に配置され、当該エンドレスベルトを前記回動部材に圧接させて当該回動部材と当該エンドレスベルトとの間に記録材が通過するニップ部を形成する圧力部材と、前記エンドレスベルトと前記圧力部材との間に設けられ、当該エンドレスベルトとの摺擦面に凹凸が形成された摺動部材と、を備えたことを特徴とする定着装置。」が開示されている。
特開2005−077847号公報
従来、画像形成装置における定着装置には、摺動部材が用いられている。摺動部材が、定着装置の挟込領域(ニップ部)で、定着装置を構成する回転体(例えば、無端ベルト)の内周面と接する構成では、異音が生じる場合があった。また、定着装置の挟込領域を通過した後の記録媒体に、例えば、しわが発生することに起因して、画像ムラが発生する場合があった。
本発明は、画像形成装置に用いる摺動部材において、摺動方向の動的粘弾性測定でのtanδが0.05未満もしくは0.20を超える場合、又は、摺動面のうねり粗さWaが2未満もしくは15を超える場合に比べ、異音の発生を抑えるとともに、画像ムラの発生を抑制する摺動部材を提供することを目的とする。
上記目的は、以下の手段により解決される。
請求項1に係る発明は、
摺動方向の動的粘弾性測定でのtanδが0.05以上0.20以下であり、摺動面のうねり粗さWaが2以上15以下である画像形成装置用摺動部材。
請求項2に係る発明は、
前記tanδが0.08以上0.15以下である請求項1に記載の画像形成装置用摺動部材。
請求項3に係る発明は、
前記うねり粗さWaが4以上11以下である請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置用摺動部材。
請求項4に係る発明は、
前記画像形成装置用摺動部材が、織物基材と、前記織物基材の少なくとも一方の面に被覆層と、を有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置用摺動部材。
請求項5に係る発明は、
前記織物基材がガラス繊維織物である請求項4に記載の画像形成装置用摺動部材。
請求項6に係る発明は、
前記被覆層が、フッ素樹脂を含む請求項4又は請求項5に記載の画像形成装置用摺動部材。
請求項7に係る発明は、
前記フッ素樹脂がポリテトラフルオロエチレンを含む請求項6に記載の画像形成装置用摺動部材。
請求項8に係る発明は、
第1回転体と、
前記第1回転体の外周面に接して配置される第2回転体と、
前記第2回転体の内部に配置され、前記第2回転体の内周面から前記第2回転体を前記第1回転体へ押圧する押圧部材と、
前記第2回転体の内周面と前記押圧部材との間に介在し、前記摺動面が前記第2回転体の内周面と接する請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置用摺動部材と、
前記第1回転体及び前記第2回転体の少なくとも一方を加熱する加熱源と、
を備える定着装置。
請求項9に係る発明は、
前記第2回転体の内周面が、耐熱性樹脂で形成されている請求項8に記載の定着装置。
請求項10に係る発明は、
前記耐熱性樹脂が、ポリイミドおよびポリアミドイミドのいずれか一方である請求項9に記載の定着装置。
請求項11に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる帯電装置と、
帯電された前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成装置と、
前記潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記トナー像を記録媒体に転写する転写装置と、
前記トナー像を記録媒体に定着する請求項8〜請求項10のいずれか1項に記載の定着装置と、
を備える画像形成装置。
請求項1、2、3に係る発明によれば、画像形成装置に用いる摺動部材において、摺動方向の動的粘弾性測定でのtanδが0.05未満もしくは0.20を超える場合、又は、摺動面のうねり粗さWaが2未満もしくは15を超える場合に比べ、異音の発生を抑えるとともに、画像ムラの発生を抑制する画像形成装置用摺動部材が提供される。
請求項4、5、6、7に係る発明によれば、摺動方向の動的粘弾性測定でのtanδが0.05未満もしくは0.20を超える場合、又は、摺動面のうねり粗さWaが2未満もしくは15を超える場合に比べ、異音の発生を抑えるとともに、画像ムラの発生を抑制し、前記摺動部材が、織物基材と、前記織物基材の少なくとも一方の面に被覆層とを有する画像形成装置用摺動部材が提供される。
請求項8、9、10、11に係る発明によれば、画像形成装置に用いる摺動部材において、摺動方向の動的粘弾性測定でのtanδが0.05未満もしくは0.20を超える場合、又は、摺動面のうねり粗さWaが2未満もしくは15を超える場合の摺動部材を適用したときに比べ、異音の発生を抑えるとともに、画像ムラの発生を抑制する定着装置、画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る画像形成装置用摺動部材の構成の一例を示す概略図である。 本実施形態に係る定着装置の構成の一例を示す概略図である。 本実施形態に係る定着装置の構成の他の例を示す概略図である。 本実施形態に係る画像形成装置の構成例を示す概略図である。
以下、本実施形態に係る画像形成装置用摺動部材、定着装置、及び画像形成装置について詳細に説明する。
<画像形成装置用摺動部材>
本実施形態に係る画像形成装置用摺動部材(以下、単に「摺動部材」と称する場合がある。)は、摺動方向の動的粘弾性測定でのtanδ(以下、単に「摺動方向のtanδ」と称する場合がある。)が0.05以上0.20以下であり、摺動面のうねり粗さWaが2以上15以下である。
従来、画像形成装置用の摺動部材は、例えば、定着装置用の摺動部材として適用されている。定着装置は、例えば、第1の回転体として加圧部材と、第2の回転体として無端ベルトとを備え、加圧部材と無端ベルトとで挟込領域(ニップ部)を形成している。そして、挟込領域の幅を拡張するために、無端ベルトの内部に、無端ベルトを押圧する押圧部材(例えば、押圧パッド)が設けられており、加圧部材と無端ベルトとの摺動性を得るために、摺動部材が無端ベルトと押圧部材との間に介在して設けられている。
しかしながら、上記のような構造の定着装置において、異音が発生する場合があった。 異音の発生は、次のように考えられる。定着ベルトを製造するときに、定着ベルトの内面を形成する材料(例えば、耐熱性樹脂)の内部に、異物混入などに起因すると推測される突起状部分が不規則に発生することがある。そして、無端ベルトが回転して、無端ベルトの内周面に不規則に発生している突起状部分が挟込領域に突入すると、無端ベルト内周面に存在する突起状部分が、摺動部材と接触する。このとき、摺動部材は、突起状部分との接触によって受けた衝撃を吸収しきれないために、異音が発生すると考えられる。
一方で、異音の発生を抑制するために、摺動部材の衝撃吸収特性を高めようとすると、摺動特性が低下してしまい、紙しわに起因する画像ムラが発生してしまう。
これに対し、本実施形態に係る摺動部材は、上記構成により、異音の発生が抑えられるとともに、画像ムラの発生が抑制される。
tanδは、物体に応力を与えたときに、弾性特性を表す貯蔵弾性率に対する粘性特性を表す損失弾性率の割合である。摺動部材の摺動方向のtanδが大きいほど、無端ベルトの突起状部分と接触したときの衝撃吸収が大きくなる。そのため、摺動部材は異音の発生が抑制され易くなる。一方で、摺動方向のtanδが大きすぎると、摺動特性が低下する。これは、回転する無端ベルトと接触することで、摺動方向の回転力が加わるため、摺動部材が摺動されることによって、伸びが蓄積すると考えられる。その結果、摺動部材が、回転する無端ベルトと接触している間に、摺動部材の摺動面が伸ばされることで、摺動部材表面の凹凸が小さくなるためと考える。
また、摺動部材の摺動面のうねり粗さWaが小さすぎると、摺動特性が低下するため、画像ムラが発生し易くなる。さらに、無端ベルト内周面の突起状部分と接触したときの衝撃吸収特性が低下するため、異音の発生し易くなる。一方で、摺動部材の摺動面のうねり粗さWaが大きすぎると、摺動方向に対して、振動が吸収できずに反発する傾向となるため異音がかえって発生し易くなる。
以上から、摺動方向の動的粘弾性測定でのtanδ、及び、摺動面のうねり粗さWaの範囲を上記範囲とすることで、異音の発生が抑えられるとともに、画像ムラの発生が抑制されると推測される。
以下、本実施形態に係る画像形成装置用摺動部材について、図面を参照して説明する。 以下の説明では、基材と、基材の両面に設けられた被覆層とを有する摺動部材を例に挙げて説明する。
図1は、本実施形態に係る摺動部材の構成の一例を概略的に示している。図1に示す摺動部材101は、基材120と、基材120の一方の面に設けられた第1の被覆層110Aと、他方の面に設けられた第2の被覆層110Bとを有する。そして、第1の被覆層110Aが被摺動部材と接触するように用いる場合、第1の被覆層110Aの表面が摺動面112Aとなる。また、第2の被覆層110Bが被摺動部材と接触するように用いる場合、第1の被覆層110Bの表面が摺動面112Bとなる。
また、図1に示す摺動部材101は、摺動方向の動的粘弾性測定でのtanδが、0.05以上0.20以下であり、摺動面112A(又は摺動面112B)のうねり粗さWa(以下、単に「うねり粗さWa」と称する場合がある。)が2以上15以下である。異音の発生が抑えられるとともに、画像ムラの発生が抑制される点で、摺動方向のtanδは、0.06以上0.18以下であることがよく、0.08以上0.15以下であることが好ましい。また、同様の点で、うねり粗さWaは、3以上13以下であることがよく、4以上11以下であることが好ましい。
なお、図1では、基材120と、基材の両面に設けられた第1の被覆層110Aおよび第2の被覆層110Bとを有する摺動部材を例に挙げて説明したが、本実施形態に係る摺動部材101は、この態様に限定されるものではない。被覆層は、基材120の片面のみに設けられ(例えば、被覆層110Aのみ)、被覆層の表面を摺動面とする態様でもよい。また、基材120は、例えば、織物基材でもよく、樹脂基材でもよい。さらに、摺動部材は、樹脂基材の単層の態様でもよい。つまり、被覆層は、必要に応じて設けられる層であり、基材は、特に限定されない。すなわち、摺動方向のtanδ及びうねり粗さWaが上記範囲を満足すれば、摺動部材の態様は、いずれの態様であってもよい。
摺動方向のtanδ及びうねり粗さWaを上記範囲に満足させる方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、図1に示す摺動部材101の場合、基材120に織物基材を適用することが挙げられる。特に、基材120にガラス繊維織物を適用し、第1の被覆層110Aおよび第2の被覆層110Bに、フッ素樹脂を適用すると、摺動方向のtanδ及びうねり粗さWaが上記範囲を満足し易くなる。この場合、例えば、ガラス繊維織物(ガラスクロス)の構造(ガラス繊維の集束度、ガラス繊維の繊維径、集束したガラス繊維どうしの距離、ガラス繊維織物の織り方など)を調整することで、摺動方向のtanδ及びうねり粗さWaを上記範囲により制御し易くなる。
ここで、本明細書中において、tanδの測定方法は、以下のとおりである。
まず、測定対象となる摺動部材から、摺動方向に延びる短冊状の測定用試料を切り出す。次に、準備した測定用試料に正弦波振動を与え、引張モードで、(測定周波数10Hz、3℃/minの昇温速度で30℃から200℃まで昇温)、応答する荷重と位相角を計測から、貯蔵弾性率G’と損失弾性率G’’を求め、tanδ(tanδ=損失弾性率/貯蔵弾性率)を温度に対してプロットすることにより得られるtanδ曲線を求め、tanδが極大となる値を、摺動方向の動的粘弾性測定でのtanδとする。なお、測定装置は、オリエンテック社製、RHEOVIBRON DDV−01FPを用いて測定する。
本明細書中において、うねり粗さWaとは、JIS B 0601(2001)で規定される、算出平均うねりを表す。うねり粗さWaの測定方法は、以下のとおりである。
まず、測定対象となる摺動部材を準備する。次に、摺動部材の摺動面となる面の摺動方向を、JIS B 0601(2001)に準じて測定する。具体的には、表面粗さ計(サーフコム575A、東京精密社製)を用い(測定種別:粗さ測定、測定長さ:4.0mm、カットオフ波長:0.8mm、測定レンジ:±32.0μm、測定速度:0.5mm/s、カットオフ種別:2RC(位相非補償)、傾斜補正:最小二乗直線補正)、条件にて測定される。
以下、本実施形態に係る摺動部材の構成について、具体的に説明する。なお、以下の説明において、符号は省略して説明する。
〔被覆層〕
被覆層(第1の被覆層および第2の被覆層)は、例えば、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などの樹脂を含むことがよく、これらの中でも、フッ素樹脂を含むことが好ましい。
フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、またはこれらの変性体等が挙げられる。被覆層の表面は、摺動面となるが、摺動特性の点で、摺動面における摩擦係数を低く抑える観点から、これらフッ素樹脂の中でも、PTFE、又はPTFEの変性体を用いることが好ましい。
なお、摺動性補助のための潤滑剤などを使用し、ベルト内面と摺動部材との間に介在させ、摺動抵抗の低減が図られる場合がある。この場合、本実施形態に係る摺動部材のうねり粗さWaが2以上15以下であることで、潤滑剤(オイル)を保持し、被摺動部材との接触領域に潤滑剤(オイル)をより供給し易くなる。また、接触領域の面積を減らし摩擦係数が低く抑えられる。この点でも摺動特性の点で有利である。
被覆層は、フッ素樹脂のほか、必要に応じてその他の添加剤として、例えば、導電性カーボン等を含んでいてもよい。その他の添加剤の含有量は、フッ素樹脂100質量部に対して、5質量部以上10質量部以下が望ましい。
被覆層の厚さは、被覆層の亀裂及び破断を抑制する点、摺動方向のtanδ及びうねり粗さWaを上記範囲に調整する点で、10μm以上50μm以下であることがよい。好ましくは20μm以上40μm以下とすることがよい。
〔基材〕
基材は、樹脂基材でも、織物基材でもよいが、摺動方向のtanδ及びうねり粗さWaを上記範囲に調整する点で、織物基材がよく、織物基材がガラス繊維織物で形成されていることがよい。
基材が樹脂である場合は、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。これらの中で、耐熱性と機械的強度に優れる観点では、ポリイミド樹脂であることがよい。
基材が織物である場合は、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維等の耐熱性、機械的強度に優れる繊維を用いた織物が挙げられる。これらの中でも、摺動方向のtanδ及びうねり粗さWaを上記範囲に調整する点で、ガラス繊維織物(ガラスクロス)を用いることが好ましい。
ガラス繊維織物を形成するガラス繊維としては、特に限定されず、Eガラス、Sガラス、Cガラスなど、公知のガラス繊維が挙げられる。
ガラス繊維の単繊維の繊維径(繊維幅)としては、3μm以上10μm以下(好ましくは、4μm以上8μm以下)であることがよい。
また、ガラス繊維は、ガラス繊維の単繊維を150本以上500本以下(好ましくは200本以上400本以下)を一束に集束させたガラス繊維を用いることがよい。
さらに、ガラス繊維織物の織組織としては、特に限定されるものではないが、例えば、平織、朱子織、あや織、からみ織、模紗織などの織組織が挙げられる。これらの中でも、機械的強度に優れる点で、平織であることがよい。また、例えば、平織のガラス繊維織物の場合、平織に形成するガラス繊維束とガラス繊維束との間隔を0.2mm以上1.0mm以下(好ましくは0.3mm以上0.8mm以下)の範囲とすることがよい。
基材の厚さは、摺動方向のtanδ及びうねり粗さWaを上記範囲に調整する点で、70μm以上200μm以下であることがよく、100μm以上150μm以下が望ましい。
〔摺動部材の製造方法〕
本実施形態に係る摺動部材を製造する方法は、摺動方向のtanδ及びうねり粗さWaを上記範囲を満足するのであれば、特に限定されるものではない。摺動部材の製造方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
まず、基材を準備する。基材が、摺動方向のtanδ及びうねり粗さWaを上記範囲となるように、例えば、ガラス繊維織物(例えば、短繊維の繊維径(繊維幅)が3μm以上8μm以下のガラス繊維を150本以上500本以下に集束し、集束したガラス繊維間の間隔が0.2mm以上1.0mm以下となるガラス繊維織物)を準備する。
次に、摺動方向のtanδ及びうねり粗さWaを上記範囲となるように、例えば、被覆層となる材料と基材とを貼り合わせて圧着させる。例えば、ガラス繊維織物の基材の両面に、フッ素樹脂を含む被覆層を形成する場合、ガラス繊維織物を2枚のフッ素樹脂フィルムに挟み込んで、摺動方向のtanδ及びうねり粗さWaを上記範囲となるように圧着する。
<定着装置>
本実施形態に係る定着装置は、第1回転体と、第1回転体の外周面に接して配置される第2回転体と、第2回転体の内部に配置され、第2回転体の内周面から第2回転体を第1回転体へ押圧する押圧部材と、第2回転体の内周面と押圧部材との間に介在し、摺動面が第2回転体の内周面と接する本実施形態に係る画像形成装置用摺動部材と、第1回転体及び第2回転体の少なくとも一方を加熱する加熱源と、を備える。
なお、第2回転体の内周面は、例えば、耐熱性樹脂で形成されていてもよい。耐熱性樹脂は、例えば、ポリイミドおよびポリアミドイミドのいずれか一方の樹脂が挙げられる。
本実施形態に係る定着装置としては、種々の構成があるが、下記の2つの実施形態を具体的に説明する。
第1実施形態として、加熱源を有する加熱ロールと、押圧パッドが押圧された加圧ベルトと、を備えた定着装置を説明する。
第2実施形態として、加熱源を有し押圧パッドが押圧された加熱ベルトと、加圧ロールと、を備えた定着装置を説明する。
これらの定着装置における摺動部材として、本実施形態に係る摺動部材が適用される。
〔第1実施形態に係る定着装置〕
図2は、第1実施形態に係る定着装置60の構成を示す概略図である。
定着装置60は、加熱ロール61(第1回転体の一例)と、加圧ベルト62(第2回転体の一例)と、押圧パッド64(押圧部材の一例)と、摺動部材101(本実施形態に係る摺動部材の一例)と、ハロゲンランプ66(加熱源の一例)と、を備える。
加熱ロール61と加圧ベルト62とは、外周面で接触して印加し合う。加圧ベルト62が加熱ロール61に押圧していてもよく、加熱ロール61が加圧ベルト62に押圧していてもよい。加熱ロール61と加圧ベルト62とが接触した領域には、挟込領域N(ニップ部)が形成される。
加熱ロール61は、その内部にハロゲンランプ66(加熱源の一例)を備える。加熱源は、ハロゲンランプに限られず、発熱する他の発熱部材でもよい。
加熱ロール61の外周面には、感温素子69が接触して配置されている。感温素子69による温度計測値に基づいて、ハロゲンランプ66の点灯が制御され、加熱ロール61の表面温度が設定した温度(例えば150℃)に維持される。
加熱ロール61は、例えば金属製のコア(円筒状芯金)611の周囲に耐熱性弾性体層612及び離型層613をこの順に積層して構成される。
加圧ベルト62は、加熱ロール61の外周面に接して配置されている。加圧ベルト62は、例えば、基材層、弾性層、及び離型層が積層されて、無端状に構成されている。加圧ベルト62の内周面となる基材層は、例えば、耐熱性樹脂で形成されていてもよい。耐熱性樹脂は、具体的には、例えば、ポリイミドおよびポリアミドイミドが挙げられる。
加圧ベルト62は、その内部に配置された押圧パッド64とベルト走行ガイド63とによって回転自在に支持されている。
押圧パッド64は、加圧ベルト62の内側に配置され、加圧ベルト62を介して加熱ロール61と印加し合う。
押圧パッド64は、挟込領域Nの入口側に前挟込部材64aを備え、挟込領域Nの出口側に剥離挟込部材64bを備える。
前挟込部材64aは、加熱ロール61の外周形状に沿う凹形状に構成されて、挟込領域Nの長さ(摺動方向の距離)を確保する。
剥離挟込部材64bは、加熱ロール61の外周面に対し突出する形状に構成されて、挟込領域Nの出口領域において加熱ロール61に局所的な歪みを生じさせ、定着後の記録媒体の加熱ロール61からの剥離を容易にする。
摺動部材101は、加圧ベルト62と押圧パッド64との間に、その摺動面が被摺動部材である加圧ベルト62の内周面と接するように配置されている。
摺動部材101は、加圧ベルト62の内周面と押圧パッド64との摺動抵抗を小さくするために、前挟込部材64a及び剥離挟込部材64bを覆うように配置される。
支持部材65は、押圧パッド64と摺動部材101とを支持する。支持部材65は、例えば金属製である。
支持部材65には、ベルト走行ガイド63が取り付けられている。ベルト走行ガイド63に沿って加圧ベルト62が回転する。
ベルト走行ガイド63には、加圧ベルト62の内周面に潤滑剤(オイル)を供給する手段である潤滑剤供給装置67が取り付けられていてもよい。
挟込領域Nの下流側には、記録媒体の剥離の補助手段として、剥離部材70が備えられる。剥離部材70は、剥離爪71と、剥離爪71を保持する保持部材72と、を備える。剥離爪71は、加熱ロール61の回転方向と対向する向き(カウンタ方向)に加熱ロール61と近接する状態で配置されている。
加熱ロール61は、駆動装置(不図示)により矢印Cの方向に回転し、この回転に従動して加圧ベルト62は、加熱ロール61の回転方向と反対の方向に回転する。
未定着トナー像を有する用紙K(記録媒体)は、定着入口ガイド56によって導かれて、挟込領域Nに搬送される。そして、用紙Kが挟込領域Nを通過する際に、用紙K上のトナー像は挟込領域Nに作用する圧力と熱とによって定着される。
〔第2実施形態に係る定着装置〕
図3は、第2実施形態に係る定着装置80の構成を示す概略図である。
定着装置80は、加圧ロール88(第1回転体の一例)と、加熱ベルト84(第2回転体の一例)と、押圧パッド87(押圧部材の一例)と、摺動部材101(本実施形態に係る摺動部材の一例)と、電磁誘導装置90(加熱源の一例)とを備えた、電磁誘導発熱方式の定着装置である。
加圧ロール88は、加熱ベルト84の外周面に押圧して配置され、加圧ロール88と加熱ベルト84とが接触する領域に挟込領域N(ニップ部)が形成されている。
加圧ロール88は、例えば、基材層88A、弾性層88B、及び離型層88Cを有する。
加熱ベルト84は、内周側から順に、例えば、基材層、電磁誘導によって発熱する発熱層、弾性層、及び離型層が積層されて、無端状に構成されている。
加熱ベルト84の内側には、加圧ロール88と対向する位置に押圧パッド87が配置されている。押圧パッド87は、支持部材86によって支持されており、加熱ベルト84が巻き掛けられ、加熱ベルト84を加圧ロール88へ押圧する。押圧パッド87は、例えば、金属、耐熱性樹脂、耐熱ゴム等からなる部材である。
例えば押圧パッド87の上流には、加熱ベルト84の内周面に潤滑剤(オイル)を供給する手段である潤滑剤供給装置(不図示)が取り付けられていてもよい。
摺動部材101は、加熱ベルト84と押圧パッド87との間に、その摺動面が被摺動部材である加熱ベルト84の内周面と接するように配置されている。
電磁誘導装置90は、加熱ベルト84を挟んで加圧ロール88と対向する位置に配置され、加熱ベルト84の発熱層を電磁誘導によって発熱させる。
電磁誘導装置90は、電磁誘導コイル(励磁コイル)91を内蔵する。電磁誘導装置90は、電磁誘導コイル91に交流電流を印加し磁場を発生させ、この磁場を励磁回路で変化させ、加熱ベルト84の発熱層に渦電流を発生させる。この渦電流が発熱層の電気抵抗によって熱(ジュール熱)に変換され、加熱ベルト84の表面が発熱する。
加熱ベルト84は、駆動装置(不図示)により矢印Cの方向に回転し、この回転に従動して加圧ロール88は、加熱ベルト84の回転方向と反対の方向に回転する。
未定着トナー像Tを有する用紙K(記録媒体)は、定着装置80の挟込領域Nに搬送される。そして、用紙Kが挟込領域Nを通過する際に、用紙K上のトナー像は挟込領域Nに作用する圧力と熱とによって定着される。
<画像形成装置>
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、前記像保持体の表面を帯電させる帯電装置と、帯電された前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成装置と、前記潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写装置と、前記トナー像を記録媒体に定着する本実施形態に係る定着装置と、を備える。
以下に、本実施形態に係る画像形成装置について、一例である電子写真方式の画像形成装置を挙げて説明する。本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真方式の画像形成装置に限られず、電子写真方式以外の公知の画像形成装置(例えば、用紙搬送用の無端ベルトを備えたインクジェット記録装置など)であってよい。
図4は、本実施形態に係る画像形成装置100の構成の一例を示す概略図である。画像形成装置100は、既述の第1実施形態の定着装置60を備える。画像形成装置100は、定着装置60に替えて、既述の第2実施形態に係る定着装置80を備えてもよい。
画像形成装置100は、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置である。画像形成装置100は、電子写真方式により各色のトナー像が形成される画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kと、各色のトナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)する一次転写部10と、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー像を記録媒体である用紙Kに一括転写(二次転写)する二次転写部20と、二次転写された画像を用紙K上に定着させる定着装置60と、各装置(各部)の動作を制御する制御部40と、を備える。
画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kは、中間転写ベルト15の上流側から、1Y(イエロー用ユニット)、1M(マゼンタ用ユニット)、1C(シアン用ユニット)、1K(ブラック用ユニット)の順に、略直線状に配置されている。
画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kはそれぞれ、感光体11(像保持体の一例)を備える。感光体11は、矢印Aの方向に回転する。
感光体11の周囲には、帯電器12(帯電装置の一例)と、レーザー露光器13(潜像形成装置の一例)と、現像器14(現像装置の一例)と、一次転写ロール16と、感光体クリーナ17とが、感光体11の回転方向に沿って順次配設されている。
帯電器12は、感光体11の表面を帯電させる。
レーザー露光器13は、露光ビームBmを発して、感光体11上に静電潜像を形成する。
現像器14は、各色のトナーを収容しており、感光体11上の静電潜像をトナーにより可視像化する。
一次転写ロール16は、感光体11上に形成されたトナー像を、一次転写部10において、中間転写ベルト15に転写する。
感光体クリーナ17は、感光体11上の残留トナーを除去する。
中間転写ベルト15は、ポリイミド又はポリアミド等の樹脂にカーボンブラック等の帯電防止剤を添加した材料からなるベルトである。中間転写ベルト15は、体積抵抗率が例えば10Ωcm以上1014Ωcm以下であり、厚さが例えば0.1mmである。
中間転写ベルト15は、駆動ロール31、支持ロール32、張力付与ロール33、背面ロール25、及びクリーニング背面ロール34によって支持され、駆動ロール31の回転に従って矢印Bの方向に循環駆動(回転)される。
駆動ロール31は、定速性に優れたモータ(不図示)により駆動されて中間転写ベルト15を回転させる。
支持ロール32は、4個の感光体11の配列方向に沿って略直線状に延びる中間転写ベルト15を、駆動ロール31と共に支持する。
張力付与ロール33は、中間転写ベルト15に一定の張力を与えると共に、中間転写ベルト15の蛇行を抑制する補正ロールとして機能する。
背面ロール25は、二次転写部20に設けられ、クリーニング背面ロール34は、中間転写ベルト15上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けられる。
一次転写ロール16は、中間転写ベルト15を挟んで感光体11に圧接配置されて、一次転写部10を形成する。
一次転写ロール16には、トナーの帯電極性(マイナス極性とする。以下同じ。)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加される。これにより、各感光体11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上に重畳されたトナー像が形成される。
一次転写ロール16は、シャフト(例えば鉄、SUS等の金属の円柱棒)と、シャフトの周囲に固着した弾性層(例えば、カーボンブラック等の導電剤を配合したブレンドゴムのスポンジ層)とで構成された円筒ロールである。一次転写ロール16は、体積抵抗率が例えば107.5Ωcm以上108.5Ωcm以下である。
二次転写ロール22は、中間転写ベルト15を挟んで背面ロール25に圧接配置されて、二次転写部20を形成する。
二次転写ロール22は、背面ロール25との間に二次転写バイアスを形成し、二次転写部20に搬送される用紙K(記録媒体)上にトナー像を二次転写する。
二次転写ロール22は、シャフト(例えば鉄、SUS等の金属の円柱棒)と、シャフトの周囲に固着した弾性層(例えば、カーボンブラック等の導電剤を配合したブレンドゴムのスポンジ層)とで構成された円筒ロールである。二次転写ロール22は、体積抵抗率が例えば107.5Ωcm以上108.5Ωcm以下である。
背面ロール25は、中間転写ベルト15の裏面側に配置されて二次転写ロール22の対向電極を構成し、二次転写ロール22との間に転写電界を形成する。
背面ロール25は、例えば、ゴム基材をカーボンを分散したブレンドゴムのチューブで被覆して構成される。背面ロール25は、表面抵抗率が例えば10Ω/□以上1010Ω/□以下であり、硬度が例えば70°(アスカーC:高分子計器社製、以下同じ。)である。
背面ロール25には、金属製の給電ロール26が接触配置されている。給電ロール26は、トナーの帯電極性(マイナス極性)と同極性の電圧(二次転写バイアス)を印加し、二次転写ロール22と背面ロール25との間に転写電界を形成させる。
中間転写ベルト15の二次転写部20の下流側には、中間転写ベルトクリーナ35が、中間転写ベルト15に対し接離自在に設けられている。中間転写ベルトクリーナ35は、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去する。
画像形成ユニット1Yの上流側には、基準センサ(ホームポジションセンサ)42が配設されている。基準センサ42は、各画像形成ユニットにおける画像形成タイミングをとるための基準となる基準信号を発生する。基準センサ42は、中間転写ベルト15の裏側に設けられたマークを認識して基準信号を発生し、この基準信号を認識した制御部40からの指示により、画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kは画像形成を開始する。
画像形成ユニット1Kの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ43が配設されている。
画像形成装置100は、用紙Kを搬送する搬送手段として、用紙収容部50と、給紙ロール51と、搬送ロール52と、搬送ガイド53と、搬送ベルト55と、定着入口ガイド56とを備える。
用紙収容部50は、画像形成前の用紙Kを収容する。
給紙ロール51は、用紙収容部50に収容されていた用紙Kを取り出す。
搬送ロール52は、給紙ロール51により取り出された用紙Kを搬送する。
搬送ガイド53は、搬送ロール52により搬送された用紙Kを二次転写部20へ送り込む。
搬送ベルト55は、二次転写部20で画像が転写された用紙Kを定着装置60へ搬送する。
定着入口ガイド56は、用紙Kを定着装置60に導く。
次に、画像形成装置100による画像形成方法について説明する。
画像形成装置100では、画像読取装置(不図示)やコンピュータ(不図示)等から出力された画像データが画像処理装置(不図示)により画像処理され、画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kによって作像作業が実行される。
画像処理装置では、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、Y、M、C、Kの4色の色材階調データに変換され、レーザー露光器13に出力される。
レーザー露光器13は、入力された色材階調データに応じて、露光ビームBmを画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kの各感光体11に照射する。
画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kの各感光体11は、帯電器12によって表面が帯電された後、レーザー露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。各感光体11上に形成された静電潜像は、各画像形成ユニットによって各色のトナー像として現像される。
画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kの各感光体11上に形成されたトナー像は、各感光体11と中間転写ベルト15とが接触する一次転写部10において、中間転写ベルト15上に転写される。一次転写部10では、一次転写ロール16により中間転写ベルト15にトナーの帯電極性(マイナス極性)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加され、トナー像が中間転写ベルト15上に順次重ねて転写される。
中間転写ベルト15上に一次転写されたトナー像は、中間転写ベルト15が移動することによって、二次転写部20に搬送される。
トナー像が二次転写部20に到達するタイミングに合わせ、用紙収容部50に収容されていた用紙Kが、給紙ロール51、搬送ロール52及び搬送ガイド53によって搬送され、二次転写部20に供給され、中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間に挟み込まれる。
そして、転写電界が形成されている二次転写部20において、中間転写ベルト15上のトナー像が、用紙K上に静電転写(二次転写)される。
トナー像が静電転写された用紙Kは、二次転写ロール22によって中間転写ベルト15から剥離され、搬送ベルト55によって定着装置60まで搬送される。
定着装置60に搬送された用紙Kは、定着装置60によって加熱・加圧され、未定着トナー像が定着する。
以上の工程を経て、画像形成装置100によって記録媒体としての用紙K上に紙シワの発生が抑制されて画像が形成される。
以下、実施例を挙げて本実施形態を具体的に説明するが、本実施形態は以下に示す実施例に限定されるものではない。
<実施例および比較例>
(摺動シートの作製)
ガラス繊維織物の基材を準備する。基材は、短繊維の繊維径(繊維幅)が4μm以上6μm以下のガラス繊維を、200本以上400本以下に集束し、集束したガラス繊維間の間隔が0.3mm以上0.8mm以下となるように、厚み120μmの平織の織組織であるガラス繊維織物(有沢製作所製)を準備した。具体的には、表1に示すガラス繊維織物を準備した。
次に、準備したガラス繊維織物の両面に、表1に示す変性ポリテトラフルオロエチレン(変性PTFE)のフッ素樹脂フィルム(ダイキン社製、ポリフロンPTFE、実施例は厚み25μm)を重ねて挟み込み、表1に示す摺動方向のtanδ及びうねり粗さWaとなるように圧着して、実施例および比較例の各例の摺動シートを得た。摺動方向のtanδ及びうねり粗さWaの測定は、既述の方法にしたがって測定した。
〔評価〕
−異音の評価−
得られた各例の摺動シートを、内周面がポリイミドで形成された無端ベルトを有する定着装置が備えられた富士ゼロックス社製、DocuCentre IV C5570改造機の無端ベルト内周面に接するように搭載し、J紙(富士ゼロックス社製、カラーコピー用紙)A4に、画像濃度1%の画像を5万枚形成し、通紙している間の異音について評価を行った。
異音の測定は、集音マイク(バッファロー製、マイクロホンスタンドタイプ)を用い、FFT周波数解析を実施した。
騒音測定器で測定の結果、Δ10dB(バックグラウンドに対する周波数500−800Hz範囲のピーク)を超えるものは、異音が発生していると判断した。
−画像ムラの評価−
異音の評価で、通紙終了後の紙について、紙しわに起因する画像ムラの発生について評価を行った。
表1中、画像ムラの発生が無いものは、「未発生」、軽微の紙しわの発生に伴う画像濃度ムラが発生したものは、「画像ムラ」、紙しわの程度大きいものは、「紙しわ」と表記している。
実施例の摺動部材は、比較例の摺動部材に比べ、異音の評価および画像ムラの評価が優れていることが分かった。
1Y、1M、1C、1K 画像形成ユニット
11 感光体(像保持体の一例)
12 帯電器(帯電装置の一例)
13 レーザー露光器(潜像形成装置の一例)
14 現像器(現像装置の一例)
15 中間転写ベルト(転写手段の一部)
22 二次転写ロール(転写手段の一部)
25 背面ロール(転写手段の一部)
60 定着装置
61 加熱ロール(第1回転体の一例)
62 加圧ベルト(被摺動部材(第2回転体)の一例)
64 押圧パッド(押圧部材の一例)
65 支持部材
66 ハロゲンランプ(加熱源の一例)
67 潤滑剤供給装置
80 定着装置
84 加熱ベルト(被摺動部材(第2回転体)の一例)
86 支持部材
87 押圧パッド(押圧部材の一例)
88 加圧ロール(第1回転体の一例)
90 電磁誘導装置(加熱源の一例)
100 画像形成装置
101 画像形成装置用摺動部材(摺動シートの一例)
110A 被覆層
110B 被覆層
112A 摺動面
112B 摺動面
120 基材
K 用紙(記録媒体)

Claims (11)

  1. 摺動方向の動的粘弾性測定でのtanδが0.05以上0.20以下であり、摺動面のうねり粗さWaが2以上15以下である画像形成装置用摺動部材。
  2. 前記tanδが0.08以上0.15以下である請求項1に記載の画像形成装置用摺動部材。
  3. 前記うねり粗さWaが4以上11以下である請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置用摺動部材。
  4. 前記画像形成装置用摺動部材が、織物基材と、前記織物基材の少なくとも一方の面に被覆層と、を有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置用摺動部材。
  5. 前記織物基材がガラス繊維織物である請求項4に記載の画像形成装置用摺動部材。
  6. 前記被覆層が、フッ素樹脂を含む請求項4又は請求項5に記載の画像形成装置用摺動部材。
  7. 前記フッ素樹脂がポリテトラフルオロエチレンを含む請求項6に記載の画像形成装置用摺動部材。
  8. 第1回転体と、
    前記第1回転体の外周面に接して配置される第2回転体と、
    前記第2回転体の内部に配置され、前記第2回転体の内周面から前記第2回転体を前記第1回転体へ押圧する押圧部材と、
    前記第2回転体の内周面と前記押圧部材との間に介在し、前記摺動面が前記第2回転体の内周面と接する請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置用摺動部材と、
    前記第1回転体及び前記第2回転体の少なくとも一方を加熱する加熱源と、
    を備える定着装置。
  9. 前記第2回転体の内周面が、耐熱性樹脂で形成されている請求項8に記載の定着装置。
  10. 前記耐熱性樹脂が、ポリイミドおよびポリアミドイミドのいずれか一方である請求項9に記載の定着装置。
  11. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電させる帯電装置と、
    帯電された前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成装置と、
    前記潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
    前記トナー像を記録媒体に転写する転写装置と、
    前記トナー像を記録媒体に定着する請求項8〜請求項10のいずれか1項に記載の定着装置と、
    を備える画像形成装置。
JP2017185834A 2017-09-27 2017-09-27 画像形成装置用摺動部材、定着装置、及び画像形成装置 Active JP6988320B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017185834A JP6988320B2 (ja) 2017-09-27 2017-09-27 画像形成装置用摺動部材、定着装置、及び画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017185834A JP6988320B2 (ja) 2017-09-27 2017-09-27 画像形成装置用摺動部材、定着装置、及び画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019061074A true JP2019061074A (ja) 2019-04-18
JP6988320B2 JP6988320B2 (ja) 2022-01-05

Family

ID=66177332

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017185834A Active JP6988320B2 (ja) 2017-09-27 2017-09-27 画像形成装置用摺動部材、定着装置、及び画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6988320B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003192800A (ja) * 2001-12-27 2003-07-09 Cci Corp 摺動部材
JP2010211220A (ja) * 2002-12-12 2010-09-24 Fuji Xerox Co Ltd 定着装置
JP2013068724A (ja) * 2011-09-21 2013-04-18 Fuji Xerox Co Ltd 摺動シート、定着装置および画像形成装置
JP2015082042A (ja) * 2013-10-23 2015-04-27 富士ゼロックス株式会社 摺動部材、定着装置及び画像形成装置
US20160274519A1 (en) * 2015-03-19 2016-09-22 Samsung Electronics Co., Ltd. Fixing device and electrophotographic image forming apparatus including the same

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003192800A (ja) * 2001-12-27 2003-07-09 Cci Corp 摺動部材
JP2010211220A (ja) * 2002-12-12 2010-09-24 Fuji Xerox Co Ltd 定着装置
JP2013068724A (ja) * 2011-09-21 2013-04-18 Fuji Xerox Co Ltd 摺動シート、定着装置および画像形成装置
JP2015082042A (ja) * 2013-10-23 2015-04-27 富士ゼロックス株式会社 摺動部材、定着装置及び画像形成装置
US20160274519A1 (en) * 2015-03-19 2016-09-22 Samsung Electronics Co., Ltd. Fixing device and electrophotographic image forming apparatus including the same

Also Published As

Publication number Publication date
JP6988320B2 (ja) 2022-01-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9229389B2 (en) Fixing device and image forming apparatus
US7801473B2 (en) Fixing device, image forming apparatus and fixing method
US9052658B2 (en) Fixing device with a temperature detector adjacent an easily deformable location and image forming apparatus including same
JP4951990B2 (ja) 弾性体ロール及び定着装置
JP4609124B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP4962057B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP6197658B2 (ja) 定着装置、摺動部材および画像形成装置
JP4600100B2 (ja) ベルト部材を駆動するロール部材を備えた装置、定着装置および画像形成装置
JP4661516B2 (ja) 定着装置および定着ベルトの劣化判定方法
US20110064438A1 (en) Fixing device and image forming apparatus
JP6019627B2 (ja) 加熱部材、定着装置及びそれを用いた画像形成装置
JP6988320B2 (ja) 画像形成装置用摺動部材、定着装置、及び画像形成装置
JP6540144B2 (ja) 定着装置用加圧ユニット、定着装置、及び画像形成装置
US8958734B2 (en) Fixing device and image forming apparatus
JP5966806B2 (ja) 定着部材、定着装置、及び画像形成装置
JP5893968B2 (ja) 定着装置およびそれを備える画像形成装置
JP6398528B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP7363270B2 (ja) 画像形成装置用摺動部材、定着装置、及び画像形成装置
JP5958226B2 (ja) 搬送装置、定着装置、画像形成装置
JP2016148816A (ja) 回転装置、定着装置及び画像形成装置
US9128436B2 (en) Fixing device, and image forming apparatus
JP4341338B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
US20240295846A1 (en) Tubular fixing member, fixing device, and image forming apparatus
JP2005321462A (ja) 定着装置、低摩擦シートおよび画像形成装置
JP2017146481A (ja) 定着装置および画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200831

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210623

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210706

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210802

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211102

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211115

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6988320

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150