JP2019060648A - 液体採取器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】正確に所定の量の液体を採取することができ、簡単に取り扱うことができ、かつ液体を採取する時間および排出する時間を短縮する。【解決手段】毛細管現象を用いた液体採取器具を提供する。これは、中心軸を囲み中心軸の長手方向に延びる環状の本体部を含み、本体部は、上端に上端開口部、下端に下端開口部、および上端開口部と下端開口部とをつなぐ中空部を備え、本体部は、外壁と内壁とを有し、内壁は、下方に向かって中空部の中心軸に垂直な断面積が漸次増加する逆テーパ形状を有し、更に、本体部の内壁から下方に向かって延び、中心軸に対して回転対称になるように配置された複数の突起部、を含む。複数の突起部の間から毛細管現象により吸い上げられた液体は、本体部の中空部内に保持される。【選択図】図1E

Description

本発明は、毛細管現象を利用した液体採取器具に関し、特に所定量の液体を吸い上げ、吸い上げた液体を保持し、および保持した液体を所望の場所に排出する液体採取器具に関する。
免疫検査を行う手段であるイムノクロマトグラフ法(イムノクロマト法、イムノクロマトグラフィー、またはラテラルフローイムノアッセイとも呼ばれる)は、所定量の検体を検査キット上に滴下することによって、目視により検査結果を知ることができる簡便な免疫検査手段である。典型的には、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染の有無を診断するための検査キット(例えば、アリーアメディカル株式会社のダイナスクリーン(登録商標))に必要な抗体は、50μLの血漿、血清または全血である。50μLの全血等を採取するために、従来は、マイクロピペットまたは毛細管現象を利用するキャピラリーが使用されて来た。
簡便な検査手段であるイムノクロマトグラフ法を用いた検査キットは、患者などの被検査者自身が取り扱うことができることが利点の1つである。医療専門家でない被検査者自身が検査を行う場合、専門的で高価な道具であるマイクロピペットを使用するより、使い捨てのキャピラリーを使用する方が現実的である。
しかし、従来のキャピラリーの管には一定の厚みがあり、血液に接触するキャピラリーの下端は血液に濡れることと、血液を吸い上げた後、キャピラリーを上方に移動させてキャピラリーの下端を液滴から引き離す際に、キャピラリー内の血液が液滴に引っ張られることと、が原因で、血液は、キャピラリーの下端に、キャピラリーの外径から垂れ下がる。したがって、垂れ下がった血液の量だけ、所定量より多く血液が採取されることになる。さらに、キャピラリー内の血液の上端も、キャピラリーの内部表面の状態(凹凸や濡れの有無など)によって、所望の位置から上下することがある。以上により、キャピラリーによって採取される血液の量はばらつき、所定量の血液を正確に採取することができず、所定量と異なる量の血液を用いて検査を行った場合には、正しい検査結果が得られないという問題があった。
さらに、一定量、例えば50μLの血液を採取するためのキャピラリーの内径が大きいと、指などを穿刺して大量の血液を出さなければ所望の量の血液を採取できないため、被検査者にとって負担である。他方で、内径が小さいと、キャピラリーを傾けたり、何度も採取動作を行ったりしなければ所定量の血液を採取することができず、採取を容易に行うことができないとともに被検査者にとって負担である。さらに、内径が小さいと、採取した血液をグラスファイバなどの検査キットの吸水性の検体添加部に吸わせて排出するのにも時間がかかり、血液が凝固する問題があった。
そこで、本発明は、従来のキャピラリーが有する上記の課題を解決するものであり、正確に所定の量の液体を採取することができ、簡単に取り扱うことができ、かつ液体を採取する時間および排出する時間を短縮することができる液体採取器具を提供することを目的とする。
そこで、本発明の1つの態様は、毛細管現象を用いた液体採取器具を提供する。この液体採取器具は、
中心軸を囲み中心軸の長手方向に延びる環状の本体部を含み、
本体部は、上端に上端開口部、下端に下端開口部、および上端開口部と下端開口部とをつなぐ中空部を備え、
本体部は、外壁と内壁とを有し、内壁は、下方に向かって中空部の中心軸に垂直な断面積が漸次増加する逆テーパ形状であり、
更に、本体部の内壁から下方に向かって延び、中心軸に対して回転対称になるように配置された複数の突起部、を含む。複数の突起部の間から毛細管現象により吸い上げられた液体は、本体部の中空部内に保持される。
本発明の1つの態様に係る液体採取器具では、開口部より上に液体が吸い上げられることがないため、ばらつきを抑えて正確に所定の量の液体を採取することができる。
さらに、液体採取のためにキャピラリーを傾けたり、何度も液体採取動作を行う必要がないため、取扱いが簡単である。例えば、血液を採取する場合、採血のためにキャピラリーを傾けたり、何度も採血動作を行う必要がなく、医療専門家でない被検査者自身が簡単に取り扱うことができる。
さらに、液体を採取する時間および排出する時間を短縮することができる。例えば、血液を採取する場合、血液を採取する時間および排出する時間を短縮することができ、作業の間に血液が凝固する問題を回避することができる。
本発明の実施の形態1に係る液体採取器具の正面図である。 図1Aの液体採取器具の右側面図である。 図1Aの液体採取器具の底面図である。 図1Aの液体採取器具の平面図である。 図1Dの液体採取器具をIE−IE方向に見た断面図である。 図1Dの液体採取器具をIF−IF方向に見た断面図である。 本発明の実施の形態1に係る液体採取器具の使用状態を説明する概略図である。 本発明の実施の形態1に係る液体採取器具の使用状態を説明する概略図である。 本発明の実施の形態1に係る液体採取器具の使用状態を説明する概略図である。 本発明の実施の形態1に係る液体採取器具の使用状態を説明する概略図である。 図1Eの液体採取器具の断面図の部分拡大図である。 図3Aの液体採取器具の底面図である。 本発明の実施の形態1に係る他の液体採取器具の正面図である。 図4Aの液体採取器具の右側面図である。 図4Aの液体採取器具の底面図である。 図4Aの液体採取器具の平面図である。 図4Dの液体採取器具をIVE−IVE方向に見た断面図である。 図4Dの液体採取器具をIVF−IVF方向に見た断面図である。 本発明の実施の形態1に係る他の液体採取器具の正面図である。 図5Aの液体採取器具の右側面図である。 図5Aの液体採取器具の底面図である。 図5Aの液体採取器具の平面図である。 図5Dの液体採取器具をVE−VE方向に見た断面図である。 図5Dの液体採取器具をVF−VF方向に見た断面図である。 本発明の実施の形態1に係る他の液体採取器具の正面図である。 図6Aの液体採取器具の右側面図である。 図6Aの液体採取器具の底面図である。 図6Aの液体採取器具の平面図である。 図6Dの液体採取器具をVIE−VIE方向に見た断面図である。 図6Dの液体採取器具をVIF−VIF方向に見た断面図である。 本発明の実施の形態1に係る他の液体採取器具の正面図である。 図7Aの液体採取器具の右側面図である。 図7Aの液体採取器具の底面図である。 図7Aの液体採取器具の平面図である。 図7Dの液体採取器具をVIIE−VIIE方向に見た断面図である。 図7Dの液体採取器具をVIIF−VIIF方向に見た断面図である。 本発明の実施の形態1に係る他の液体採取器具の正面図である。 図8Aの液体採取器具の右側面図である。 図8Aの液体採取器具の底面図である。 図8Aの液体採取器具の平面図である。 図8Dの液体採取器具をVIIIE−VIIIE方向に見た断面図である。 図8Dの液体採取器具をVIIIF−VIIIF方向に見た断面図である。 本発明の実施の形態2に係る液体採取器具の正面図である。 図9Aの液体採取器具の右側面図である。 図9Aの液体採取器具の底面図である。 図9Aの液体採取器具の平面図である。 図9Dの液体採取器具をIXE−IXE方向に見た断面図である。 図9Dの液体採取器具をIXF−IXF方向に見た断面図である。 本発明の実施の形態3に係る液体採取器具の正面図である。 図10Aの液体採取器具の右側面図である。 図10Aの液体採取器具の底面図である。 図10Aの液体採取器具の平面図である。 図10Dの液体採取器具をXE−XE方向に見た断面図である。 図10Dの液体採取器具をXF−XF方向に見た断面図である。 本発明の実施の形態4に係る液体採取器具の正面図である。 図11Aの液体採取器具の右側面図である。 図11Aの液体採取器具の底面図である。 図11Aの液体採取器具の平面図である。 図11Dの液体採取器具をXIE−XIE方向に見た断面図である。 本発明の実施の形態4に係る他の液体採取器具の正面図である。 図12Aの液体採取器具の右側面図である。 図12Aの液体採取器具の底面図である。 図12Aの液体採取器具の平面図である。 図12Dの液体採取器具をXIIE−XIIE方向に見た断面図である。 本発明の実施の形態5に係る液体採取器具の正面図である。 図13Aの液体採取器具の右側面図である。 図13Aの液体採取器具の底面図である。 図13Aの液体採取器具の平面図である。 図13Dの液体採取器具をXIIIE−XIIIE方向に見た断面図である。 本発明の実施の形態6に係る液体採取器具の正面図である。 図14Aの液体採取器具の右側面図である。 図14Aの液体採取器具の底面図である。 図14Aの液体採取器具の平面図である。 図14Dの液体採取器具をXIVE−XIVE方向に見た断面図である。 図14Dの液体採取器具をXIVF−XIVF方向に見た断面図である。
<実施の形態1>
図1Aは、全体が100で表される、本発明の実施の形態1に係る液体採取器具の正面図である。図1Bは、図1Aの液体採取器具100の右側面図である。図1Cは、液体採取器具100の底面図であり、図1Dは、平面図である。図1Eは、図1Dの液体採取器具100をIE−IE方向に見た断面図である。図1Fは、図1Dの液体採取器具100をIF−IF方向に見た断面図である。図1A〜図1F中、同一符合は、同一または相当箇所を示す。
本発明の実施の形態1に係る液体採取器具100は、毛細管現象を利用するものである。液体採取器具100は、中心軸Xを囲み中心軸Xの長手方向に延びる環状の本体部1を含む。本体部1は、上端に上端開口部3、下端に下端開口部13、および上端開口部3と下端開口部13とをつなぐ中空部15を備える。また、本体部1は、外壁14と内壁4とを有する。内壁4は、下方に向かって、中空部15の中心軸Xに垂直な断面積が漸次増加する逆テーパ形状を有する。さらに、液体採取器具100は、本体部1の内壁4から下方に向かって延び、中心軸Xに対して回転対称になるように配置された複数の突起部5を含む。複数の突起部5の間から毛細管現象により吸い上げられた液体は、本体部1の中空部15内に保持される。
以下では、図面を参照しながら本発明の実施の形態1に係る液体採取器具100について説明する。図1A〜図1Fに示した具体例を参照すると、液体採取器具100は、中心軸Xを中心とする円柱形状の本体部1を含む。本体部上端線Tは、本体部1の上端の軸方向の位置を示す。さらに、液体採取器具100は、使用者が把持して本体部1を支持するための、本体部1の上方に取り付けられた円筒形のグリップ部2を含む。本体部1とグリップ部2は、例えば射出成形によって、一体的に形成されてもよい。一体的に形成された場合、グリップ部2は、中心軸に沿って上方に延びた本体部1の一部であるともいえる。本体部1の上端には、中心軸Xの周りに上端開口部3が形成されている。
本明細書では、中心軸Xの方向を軸方向または上下方向と呼ぶ。また、中心軸Xに垂直な方向を径方向、中心軸Xを中心とする円周方向を周方向と呼ぶ。周方向は、中心軸Xの下方向から見た場合の右回り方向を正とする。なお、図1A、1B、1Eおよび1Fには中心軸Xを図示しているが、他の図面では、本発明の実施の形態に係る液体採取器具の形状を明瞭にするために、中心軸Xを省略する。
図1Eの断面図に示されているように、本体部1には、中心軸Xを中心とし、上端が上端開口部3の縁に一致しかつ下方向に進むに連れて半径が漸次大きくなっている、逆テーパ形状の内壁4が設けられている。本明細書では、内壁4の下端を下端開口部13と呼び、上端開口部3と下端開口部13とをつなぐ領域を中空部15と呼ぶ。代わりに、内壁4は、上端開口部3から、上端開口部3と下端開口部13との間にある中間位置まで延びている、中空部15の中心軸Xに垂直な断面積が一定である上部区域と、中間位置から下端開口部13に向かって中空部15の中心軸Xに垂直な断面積が漸次増加する逆テーパ形状である下部区域と、を備えるものであってもよい。この代わりに、上記の上部区域は、上端開口部3から上記の中間位置に向かって、中空部15の中心軸Xに垂直な断面積が漸次減少するテーパ形状あってもよい。上端開口部3と内壁4との接続、および内壁4と下端開口部13との接続は、連続的であること、すなわち段差がないことが好ましい。なぜなら、不連続点または段差が存在すると、吸い上げた液体を液体採取器具100から排出した後に、そこに液体が残留することがあるからである。
示されている例では、本体部1は、内壁4から下方向に突き出た6つの突起部5を有する。図1Cに示されているように、突起部5は、それぞれ、周方向に隣接した他の突起部5から周方向に間隔を空けて配置されている。好ましくは、突起部5は同一の形状を有し、上記の6つの間隔は、等間隔である。すなわち、突起部5は、中心軸Xの周りに回転対称に配置されることが好ましい。
所定量の液体を吸い上げた後、液体採取器具100を上方に移動させた場合に、突起部5が液滴から容易に離れることができる(液切れが良くなる)ように、突起部5の下端は、液切り斜面6を有した先細りの形状である。すなわち、中心軸Xと中心軸Xに垂直な方向にある液切り斜面6との間の距離は、下方向に進むに連れて漸次減少する。この例では、言い換えれば、図1Fの突起部5の液切り斜面6の断面と、径方向とがなす液切り角度θ(図3A参照)は、鋭角、好ましくは0°〜60°の範囲内の角度である。
液体が残留しないように、上端開口部3の縁は、突起部5の径方向内側の端部に、連続的に(すなわち、段差なく)接続されることが好ましい。さらに、突起部5の径方向内側の端部は、突起部5の上端から下端にわたって、直線形状を有してもよい。
上端開口部3と、内壁4と、突起部5の径方向内側の表面と、により形成され、吸い上げた液体を保持することができる領域を、液体保持領域7と呼ぶ。液体保持領域7は、中空部15を含む領域である。液体採取器具100によって保持される液体の所定量は、液体保持領域7の容積に依存する。
ここで、図2A〜2Dを参照して、本発明の実施の形態1に係る液体採取器具100の典型的な使用方法について説明する。図2Aは、プレートまたは指などの基材20と、基材20の表面上に乗せられた、液体採取器具100によって吸い取られる液体22の液滴と、を示している。例えば、液体22は、水、油などの液体である。特に、イムノクロマトグラフ法のために液体採取器具100が使用される場合は、液体22は、全血、血漿、血清、尿、唾液または汗などの体液を含む。
液体採取器具100の本体部1の内壁4および突起部5の径方向内側の表面は、吸い取る対象の液体22に濡れる(すなわち、これらの表面と対象液体22との間の接触角が90°より小さい)ように設計される。例えば、液体22が水である場合、液体採取器具100の本体部1の内壁4および突起部5の径方向内側の表面は、水との接触角が90°より小さい親水性の表面であるように設計され、液体22が油である場合、油との接触角が90°より小さい親油性の表面であるように設計される。
図2Bのように、使用者は、所定量の液体22を採取するために、液体採取器具100の突起部5を基材20上の液体22に接触させる。すると、液体採取器具100の本体部1の内壁4および突起部5の径方向内側の表面は、液体22に濡れるように設計されているため、液体22には、毛細管現象により、突起部5と他の突起部5との間、および突起部5と内壁4との間に吸い上げられる。上端開口部3より上には液体22に濡れる材料表面がないため、液体22は、上端開口部3より上には吸い上げられない。
液体22の吸い上げが終わった後、使用者が液体採取器具100を上方に移動させると、図2Cのように、所定量の液体22を保持することができる。保持された所定量の液体22は、検査のために、所望の場所に排出される。例えば、HIV感染の有無を診断するために、イムノクロマトグラフ法を用いた検査キットを使用する場合、液体採取器具100内に採取され保持された全血などの液体22は、ろ紙またはグラスファイバなどの検査キットの吸水性の検体添加部24に提供される。この場合、典型的には、図2Dのように、液体採取器具100の突起部5の下端を、吸水性を有する検体添加部24に接触させる。これにより、液体保持領域7内に保持された液体22は、毛細管現象により、検体添加部24内へ移動する。液体保持領域7内に保持された液体22が検体添加部24内へ移動するのに要する時間は、液体22の粘度、含有物、検体添加部24の素材および乾燥状態などの状態、並びに周囲の環境の温度、気圧などによって変わり得るものであるが、例えば30秒以内の時間、好ましくは15秒以内の時間であり、典型的には10秒以内の時間である。
次に、液体採取器具100の構造パラメータについて説明する。図3Aは、図1Eの液体採取器具100の断面図の部分拡大図である。液体採取器具100の液体保持領域7の容積、液体を吸い込む速さ、液体を排出する速さおよび排出後の液残りのしやすさなどの性能は、例えば以下のようなパラメータにより決まる。Aは、液体採取器具100の外形である。内壁4の径方向の最大直径Bは、液体保持領域7の容積に寄与する。Cは、突起部5の下端と、これに径方向に対向している別の突起部5の下端との間の距離である。Cが小さいと、対向する突起部5間に生じる毛細管力が大きく、吸い込まれる液体の量のばらつきが少なく、かつ液体を吸い上げた後に液体採取器具100を移動させる際の液切れが良くなる。しかし、Cが小さ過ぎると、液体を排出した後に、液体保持領域7内に液体が残留する可能性が高くなる。上端開口部3の直径Dは、液体保持領域7の容積に寄与する。内壁4と径方向内向き方向とがなす角度αまたは内壁4の軸方向の高さH1が小さい場合、液体保持領域7の容積は小さく、αまたはH1が大きい場合、液体保持領域7の容積も大きくなる。液切り斜面6と径方向外向き方向とがなす前述の液切り角度θまたは液切り斜面6の軸方向の高さH2は、液体を吸い上げた後に液体採取器具100を移動させる際の液切れに寄与し、θまたはH2が大きい方が液切れが良い。
本体部1の上端の、上端開口部3を囲んでいる、上端開口部3の径方向外側の本体部1の上端面には、溝8が設けられている。上端開口部3の周辺の本体部1の上端面が濡れた場合、またはそこに傷が付いている場合、吸い上げられた液体が、上端開口部3を越えて上端開口部3の周辺に広がり、所定量より多い液体を採取してしまうことがある。溝8は、液体が広がることができる領域を限定し、このような事態を防ぐことができる。さらに、上端開口部3の周辺に液体が広がることを防止するために、上端開口部3の周辺の本体部1の上端面には、液体が水性である場合は、疎水(撥水)加工が施され、または疎水(撥水)性材料が塗布もしくは使用されてもよく、液体が油性である場合は、疎油(撥油)加工が施され、または疎油(撥油)性材料が塗布もしくは使用されてもよい。
図3Bは、図3Aの液体採取器具100の底面図であり、図1Cの底面図の拡大図でもある。本明細書において、本体部1を下から見た場合に突起部5に囲まれた開口部を、先端開口部9と呼ぶ。Eは、一の突起部5の周方向正側の外縁の、中心軸Xからある距離にある点と、この一の突起部5に隣接している周方向正側の別の突起部5の周方向負側の外縁の、中心軸Xから当該距離に等しい距離にある点との間の距離である。言い換えれば、Eは、隣接する突起部5間に挟まれた先端開口部9の部分の、径方向に垂直な方向の長さ(距離)である。示されている具体例では、Eは、径方向内側から外側に進むに連れて大きくなっている。図3Bには、この具体例におけるEの最小値Emin、最大値Emaxが示されている。
Eを大きくすると、液体保持領域7の容積を大きくすることができる一方で、毛細管現象により吸い上げることができる液体の高さは小さくなる。そこで、示されている具体例では、図3Aおよび図3Bからわかるように、径方向外側の、Eが大きい領域では、突起部5の下端と内壁4との間の軸方向の高さは小さくなっている。他方で、径方向内側の、Eが小さい領域では、突起部5の下端と内壁4との間の軸方向の高さは大きくなっている。このように、Eが大きいために毛細管現象の影響が弱く、液体を高い位置まで吸い上げることができない領域の高さを低くするとともに、Eが小さいために毛細管現象の影響が強く、液体を高い位置まで吸い上げることができる領域の高さを高くするように設計することにより、液体保持領域7の容積を大きく保ちつつ、吸い上げた液体を液体保持領域7内に保持することができる。
先端開口部9の縁、すなわち下方向からみた突起部5の縁に角があると、液体を排出した後に液体保持領域7内に液体が残留しやすくなる。したがって、先端開口部9の縁は、図1A〜1Cおよび図3Bのように、角がなく、丸みがある曲線形状を形成するものであることが好ましい。
液切り斜面6の形状は、突起部5の根元(上端)から先端開口部9に向かって、直径が漸次減少するような形状が好ましく、図1A、1B、1E、1Fおよび図3Aに示されているような垂直断面が直線となる形状に限られず、例えば図4A〜4Fに示す液体採取器具110のように、軸方向外側が凹状である形状を有してもよい。これにより、液体を吸い上げた後に液体採取器具110を移動させる際の液切れが良くなる。さらに、液切り斜面6は、本体部1の外壁14から連続した面であることが好ましい。液切り斜面6と本体部1の外壁14との間に段差などの不連続点があると、液体を排出した後に不連続点に液体が残留しやすくなるからである。
内壁4の形状も、図1A、1B、1E、1Fおよび図3Aに示されているような、垂直断面が直線となる形状に限られず、図5A〜5F、特に図5Eに示す液体採取器具120のように、下方向に膨らんだ形状であってもよいし、図6A〜6F、特に図6Eに示す液体採取器具130のように、上方向に膨らんだ形状であってもよい。
突起部5の形状は、図7A〜7Fに示す液体採取器具140、特に図7A〜7Cおよび図7Eに示されているように、周方向に延びた突出部16を有する形状であってもよい。これにより、毛細管となる場所が増え、液体をより強い力で吸い上げることができる。
以上では、突起部5の数が6個である具体例について説明したが、図8A〜図8Fに示すように、液体採取器具150は、中心軸を挟んで対向配置された2個の突起部5を有する構造であってもよい。同様に、周方向に等間隔に配置された3個以上の突起部5が設けられてもよい。
本発明の実施の形態1に係る液体採取器具100〜150の液体保持領域7の容積は、検査などの所望の用途に必要な液体の量によるが、例えば10μL以上であり、好ましくは、10μL〜200μL、または30μL〜100μL、最も好ましくは50μLである。
本発明の実施の形態1に係る液体採取器具100〜150は、射出成形によって一体的に形成されてもよい。本発明の実施の形態1に係る液体採取器具100〜150は、例えば、セルロースアセテート(CA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、またはポリエチレンナフタレート(PEN)などの材料のうちの1つの材料を用いた射出成形によって形成されてもよいし、2つ以上の材料を用いた射出成形によって形成されてもよい。例えば、液体を毛細管現象によって吸い上げる内壁4の表面と突起部5の径方向内側表面は、採取する目標である液体が水性である場合は親水性材料で、液体が油性である場合は親油性材料で、形成されることが考えられる。また、液体を吸い上げた後に液体採取器具100〜150を移動させる際の液切れを良くするために、液切り斜面6は、液体が水性である場合は疎水(撥水)性材料で、液体が油性である場合は疎油(撥油)性材料で、形成されることが考えられる。
代わりに、液体採取器具100〜150は、射出成形によって形成された形状の上に、親水性/疎水性であるべき表面に親水性/疎水性材料が、または親油性/疎油性であるべき表面に親油性/疎油性材料がコーティングされた構造であってもよい。
さらに、液体採取器具100〜150は、表面改質技術などの加工技術を使用して、親水性/疎水性であるべき表面を親水性/疎水性に加工し、または親油性/疎油性であるべき表面を親油性/疎油性に加工して形成されてもよい。
液体採取器具100〜150の材料は、上記のものに限られず、ガラス、金属、セラミックなどの材料であってもよい。また、液体採取器具100〜150の成形には、上記の射出成形に限らず、公知のガラス成形方法、または切削、穿孔、溶接もしくはこれらの組合せなどの公知の金属加工方法等が用いられてもよい。
本発明の実施の形態1に係る液体採取器具100〜150の内面、例えば内壁4と突起部5の表面には、吸い上げた血液が凝固することを防止するために、血液抗凝固剤がコーティングされてもよい。
なお、上記のように円筒形のグリップ部2を有する液体採取器具100〜150では、液体を採取する前に円筒の上端部分を指などで塞ぐと、液体採取器具100〜150内の空気圧により液体を吸い上げることができなくなる。このような事態を防ぐために、グリップ部2の側面に通気のための穴を設けてもよい。
以上の液体採取器具100〜150では、本体部1およびグリップ部2を下から見た形状は円形であったが、三角形、四角形、五角形または六角形などの多角形であってもよい。
以上で述べた本発明の実施の形態1に係る液体採取器具100〜150を使用することによって、従来のキャピラリーに比べて、より正確に、かつ迅速に所定の量の液体を採取して保持することができる。さらに、本発明の実施の形態1に係る液体採取器具100〜150により、従来のキャピラリーに比べて、より速く所望の場所に液体を排出することができる。したがって、例えば血液を採取する場合、抗凝固剤なしでも、血液を採取して検査キットなどの対象に血液を供給することができる。また、従来のキャピラリーでは、患者の指などの皮膚を穿刺して全血を採取する際には、キャピラリーを傾けたり、何度も採取動作を行ったりしなければならなかったが、本発明の実施の形態1に係る液体採取器具100〜150は、毛細管現象の効果が大きく、突起部5の先端を採取すべき液体に接触させるという簡単な動作のみで、素早く所定量の液体を採取することができる。したがって、専門的な技術を有さない患者自身が、本発明の実施の形態1に係る液体採取器具100〜150と検査キットを使用して、HIV感染の有無を診断することができる。
<実施の形態2>
図9Aは、本発明の実施の形態2に係る液体採取器具200の正面図である。図9Bは、図9Aの液体採取器具200の右側面図である。図9Cは、液体採取器具200の底面図であり、図9Dは、平面図である。図9Eは、図9Dの液体採取器具200をIXE−IXE方向に見た断面図である。図9Fは、図9Dの液体採取器具200をIXF−IXF方向に見た断面図である。図9A〜9F中、図1A〜図1Fと同一符合は、同一または相当箇所を示す。また、以下の記載では、原則として、実施の形態1と異なる点を中心に説明し、その他の部分については重複説明を省略する。
実施の形態2では、本体部1は、実施の形態1と同様に、内壁4から下方向に突き出た6つの突起部5を含む。しかし、実施の形態1と異なり、突起部5の形状は、径方向断面の形状が円形である円柱形状であり、その直径は、軸方向の突起部5の全長にわたって実質的に一定である。6つの突起部5は、中心軸Xから等距離に、周方向の間隔が等距離となるように配置されている。
図には示していないが、突起部5の下端は、実施の形態1と同様に、液切り斜面を有してもよい。すなわち、突起部5の下端は、所定量の液体を吸い上げた後、液体採取器具200を上方に移動させた場合に、突起部5が液滴から容易に離れることができる(液切れが良くなる)ように、斜めに切り落とされた形状であってもよい。
実施の形態2は、実施の形態1と同様に、正確かつ迅速に所定の量の液体を採取し保持すること、採取した液体を素早く排出すること、およびこれらの操作を簡単な動作のみで行うこと、を可能にする。さらに、実施の形態2では、実施の形態1と異なり、液体採取器具200の形状がシンプルなものであるとともに、突起部5が円柱形であるため、突起部5の強度を高めることができる。
<実施の形態3>
図10Aは、本発明の実施の形態3に係る液体採取器具300の正面図である。図10Bは、図10Aの液体採取器具300の右側面図である。図10Cは、液体採取器具300の底面図であり、図10Dは、平面図である。図10Eは、図10Dの液体採取器具300をXE−XE方向に見た断面図である。図10Fは、図10Dの液体採取器具300をXF−XF方向に見た断面図である。図10A〜10F中、図1A〜図1Fと同一符合は、同一または相当箇所を示す。また、以下の記載では、原則として、実施の形態1と異なる点を中心に説明し、その他の部分については重複説明を省略する。
本発明の実施の形態3に係る液体採取器具300では、グリップ部2の形状が実施の形態1と異なる。示されている例では、グリップ部2は、実質的に長方形の形状を有するが、グリップ部2は、本体部1を支えることができるものであればいかなる形状であってもよい。グリップ部2には、使用者の指で握られる部分に、滑り止め12が設けられてもよい。本体部1とグリップ部2は、例えば射出成形によって、一体的に形成されてもよい。代わりに、本体部1とグリップ部2は、別々に形成されて、公知の方法により接続されてもよい。
液体採取器具300の本体部1には、実施の形態1の液体採取器具100〜150の本体部1または実施の形態2の液体採取器具200の本体部1と同一のものを採用することができる。実施の形態3によって、より持ちやすく、したがって操作しやすい液体採取器具300を実現することができる。
<実施の形態4>
図11Aは、本発明の実施の形態4に係る液体採取器具400の具体例の正面図である。図11Bは、図11Aの液体採取器具400の右側面図である。図11Cは、液体採取器具400の底面図であり、図11Dは、平面図である。図11Eは、図11Dの液体採取器具400をXIE−XIE方向に見た断面図である。図11A〜11E中、図1A〜図1Fと同一符合は、同一または相当箇所を示す。また、以下の記載では、原則として、実施の形態1と異なる点を中心に説明し、その他の部分については重複説明を省略する。
本発明の実施の形態4に係る液体採取器具400は、本体部1の内壁4から、軸方向には下方に向かって延び、径方向には中心軸に向かって中心軸まで延びた1つの突起部5を含む。
この具体例では、実施の形態1と異なり、突起部5の数は1つであり、突起部5の径方向に垂直な方向の幅は小さく、径方向全体にわたってほぼ一定である。さらに、実施の形態1と異なり、突起部5の軸方向の一部が上端開口部3によって覆われている。したがって、軸方向から見た上端開口部3の形状は、完全な円形ではなく、一部が塞がれた形状となっている。このように突起部5の径方向の長さを延長することによって、突起部5が1つであっても、突起部5に中心軸Xを挟んで対向する位置の内壁4と突起部5との間の毛細管現象の効果を確保することができる。
図12Aは、本発明の実施の形態4に係る他の液体採取器具410の正面図である。図12Bは、図12Aの液体採取器具410の右側面図である。図12Cは、液体採取器具410の底面図であり、図12Dは、平面図である。図12Eは、図12Dの液体採取器具410をXIIE−XIIE方向に見た断面図である。図12A〜12E中、図1A〜図1Fと同一符合は、同一または相当箇所を示す。また、以下の記載では、原則として、実施の形態1と異なる点を中心に説明し、その他の部分については重複説明を省略する。
この具体例では、図11A〜11Eに示した具体例と異なり、3つの突起部5が設けられている。各突起部5の下端は、他の突起部5の下端に接続されている。
図11A〜11Eおよび図12A〜12Eの具体例のように、細い幅の突起部5を設けることにより、液体保持領域7の容積を大きくすることができる。示されている例では、突起部5の数は1つまたは3つであるが、本発明の実施の形態4の突起部5の数は、これに限定されない。
<実施の形態5>
図13Aは、本発明の実施の形態5に係る液体採取器具500の正面図である。図13Bは、図13Aの液体採取器具500の右側面図である。図13Cは、液体採取器具500の底面図であり、図13Dは、平面図である。図13Eは、図13Dの液体採取器具500をXIIIE−XIIIE方向に見た断面図である。図13A〜13E中、図1A〜図1Fと同一符合は、同一または相当箇所を示す。また、以下の記載では、原則として、実施の形態1と異なる点を中心に説明し、その他の部分については重複説明を省略する。
本発明の実施の形態5に係る液体採取器具500の本体部1の上端開口部3は、本体部1の内壁4に沿って設けられ、下端開口部13は、中心軸Xに垂直な平面から傾斜して設けられている。
図13C〜13Eからわかるように、本発明の実施の形態5に係る液体採取器具500では、本体部1の上端の上端開口部3は、中心軸Xを中心とするものでなく、グリップ部2の内面に接触するように、したがって径方向外側に、設けられている。図13Eの断面図を参照すると、上端開口部3から、上端開口部3が接しているグリップ部2の壁面と径方向反対側のグリップ部2の壁面に向かって、下方向に進むに連れて半径が漸次大きくなった半円錐形状の内壁4が延びている。液体採取器具500の本体部1は、上端開口部3が接している側の液体採取器具500の軸方向全長が長くなり、径方向反対側の長さが短くなるように、円筒の下端を斜めに切断した形状を有している。この切断面が液切り斜面6として機能する。
実施の形態5では、内壁4から下方に延びる突起部は設けられていない。このような形状を採用することにより、液体保持領域7の容積を大きくすることができる。
<実施の形態6>
図14Aは、本発明の実施の形態6に係る液体採取器具600の正面図である。図14Bは、図14Aの液体採取器具600の右側面図である。図14Cは、液体採取器具600の底面図であり、図14Dは、平面図である。図14Eは、図14Dの液体採取器具600をXIVE−XIVE方向に見た断面図である。図14Fは、図14Dの液体採取器具600をXIVF−XIVF方向に見た断面図である。図14A〜14F中、図1A〜図1Fと同一符合は、同一または相当箇所を示す。また、以下の記載では、原則として、実施の形態1と異なる点を中心に説明し、その他の部分については重複説明を省略する。
本発明の実施の形態6に係る液体採取器具600は、突起部5の間に、径方向外側を突起部5で囲まれ、突起部5を相互に接続する突起接続部18を有する。具体的には、突起部5は、突起接続部18を介して相互に接続される。示されている例では、突起接続部18は、上端開口部3より下側に、かつ突起部5の下端より上側にある。示されている例では、突起接続部18は、径方向断面が中心軸Xを中心とする円形である円柱形状を有する。
示されている例では、突起接続部18の直径は、上端開口部3の直径より小さい。射出成形によって液体採取器具600を製造する場合にはこのような形状であることが好ましいが、本発明における突起接続部18の直径と上端開口部3の直径との大小関係は、これに限定されない。
実施の形態6では、正確かつ迅速に所定の量の液体を採取して保持し、素早く液体を排出することを簡単に行うことができるという本発明の利点を維持しつつ、液体採取器具600の製造の安定化を達成することができる。すなわち、実施の形態6では、射出成形工程において、中心軸X上の位置から突起接続部18を通して材料を流し込むことができるため、偏りなく液体採取器具600を成形することができる。
さらに、中心軸X上に突起接続部18が存在することにより、コールドランナ射出成形のみならず、中心軸X上でバルブピンが動作するようにしてバルブゲート式のホットランナ射出成形を容易に行うことができる。したがって、ホットランナ射出成形の利点である、材料の節約、廃棄物の削減、成形サイクルの短縮という利点が得られるため、液体採取器具600の製造の低コスト化を達成することができる。
1 本体部
2 グリップ部
3 上端開口部
4 内壁
5 突起部
6 液切り斜面
7 液体保持領域
8 溝
9 先端開口部
12 滑り止め
13 下端開口部
14 外壁
15 中空部
16 突出部
18 突起接続部
20 基材
22 液体
24 検体添加部
100 液体採取器具

Claims (18)

  1. 毛細管現象を用いた液体採取器具であって、
    中心軸を囲み該中心軸の長手方向に延びる環状の本体部を含み、
    該本体部は、上端に上端開口部、下端に下端開口部、および該上端開口部と該下端開口部とをつなぐ中空部を備え、
    該本体部は、外壁と内壁とを有し、該内壁は、下方に向かって該中空部の該中心軸に垂直な断面積が漸次増加する逆テーパ形状を有し、
    更に、該本体部の内壁から下方に向かって延び、該中心軸に対して回転対称になるように配置された複数の突起部、を含み、
    該複数の突起部の間から毛細管現象により吸い上げられた液体が、該本体部の中空部内に保持されることを特徴とする液体採取器具。
  2. 上記内壁は、上記上端開口部から、該上端開口部と上記下端開口部との間にある中間位置まで延びている、上記中空部の上記中心軸に垂直な断面積が一定である上部区域と、該中間位置から該下端開口部に向かって該中空部の該中心軸に垂直な断面積が漸次増加する逆テーパ形状である下部区域と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の液体採取器具。
  3. 上記内壁は、上記上端開口部から、該上端開口部と上記下端開口部との間にある中間位置に向かって、上記中空部の上記中心軸に垂直な断面積が漸次減少するテーパ形状である上部区域と、該中間位置から該下端開口部に向かって該中空部の該中心軸に垂直な断面積が漸次増加する逆テーパ形状である下部区域と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の液体採取器具。
  4. 上記突起部の間の周方向の距離は、その間に毛細管現象が生じて液体を上記上端開口部まで吸い上げることができる距離であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液体採取器具。
  5. 上記突起部の間の周方向の距離は、上記中心軸から径方向外側に向かって漸次大きくなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液体採取器具。
  6. 突起は、上記中心軸からの距離が下方に向かって漸次減少する液切り斜面を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の液体採取器具。
  7. 上記液切り斜面は、上記本体部の外壁から連続した面であることを特徴とする請求項6に記載の液体採取器具。
  8. 上記突起部は、上記中心軸に垂直な断面の形状が円形である円柱形状であることを特徴とする請求項1〜4または6のいずれかに記載の液体採取器具。
  9. 上記上端開口部の周囲の上記本体部は、該上端開口部の周囲を囲む溝を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の液体採取器具。
  10. 上記中心軸の下方向からみた上記突起部の縁は曲線を形成し、該縁に液残りが生じないように構成されたことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の液体採取器具。
  11. 上記突起部を相互に接続する突起接続部を有することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の液体採取器具。
  12. 上記突起接続部は、上記中心軸を中心軸とする円柱形状であることを特徴とする請求項11に記載の液体採取器具。
  13. 上記突起部の下端は、上記中心軸に向かって延びて相互に接続されたことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の液体採取器具。
  14. 上記本体部は、そこを把持して該本体部を支持するためのグリップ部を備えたことを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の液体採取器具。
  15. 上記グリップ部は、上記中心軸に沿って上方に延びた上記本体部の一部からなることを特徴とする請求項14に記載の液体採取器具。
  16. 上記突起部は、更に、周方向に延びた突出部を備えたことを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の液体採取器具。
  17. 毛細管現象を用いた液体採取器具であって、
    中心軸を囲み該中心軸の長手方向に延びる環状の本体部を含み、
    該本体部は、上端に上端開口部、下端に下端開口部、および該上端開口部と該下端開口部とをつなぐ中空部を備え、
    該本体部は外壁と内壁とを有し、該内壁は該上端開口部から該下端開口部に向かって該中空部の該中心軸に垂直な断面積が漸次増加する逆テーパ形状であり、
    更に、該本体部の内壁から、該中心軸方向には下方に向かって延び、該中心軸に垂直な径方向には該中心軸に向かって該中心軸まで延びた1つの突起部、を含み、
    毛細管現象により吸い上げられた液体が、該本体部の中空部内に保持されることを特徴とする液体採取器具。
  18. 毛細管現象を用いた液体採取器具であって、
    中心軸を囲み該中心軸の長手方向に延びる環状の本体部を含み、
    該本体部は、上端に上端開口部、下端に下端開口部、および該上端開口部と該下端開口部とをつなぐ中空部を備え、
    該本体部は、外壁と内壁とを有し、該内壁は該上端開口部から該下端開口部に向かって該中空部の該中心軸に垂直な断面積が漸次増加する逆テーパ形状を含み、
    該上端開口部は、該本体部の該内壁に沿って設けられ、
    該下端開口部は、該中心軸に垂直な平面から傾斜して設けられ、
    毛細管現象により吸い上げられた液体が、該本体部の中空部内に保持されることを特徴とする液体採取器具。
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