JP7152022B2 - 毛細管折断具及び微量試料採取器具 - Google Patents

毛細管折断具及び微量試料採取器具 Download PDF

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本発明は、血液等の液体試料を毛細管で微量採取する際に、血液等の液体試料との接触を防ぎ、毛細管を簡単、かつ安全に折り分けるための毛細管折断具、及びこの毛細管折断具を備えた微量試料採取器具に関する。
血液検査のために血液を微量採取するにあたり、両端が開口した毛細管を用い、毛細管現象により血液を吸引採取することが行われている。毛細管に採取された血液は、遠心分離処理によって毛細管中で血漿又は血清成分と血球成分とに分離されるが、毛細管中で上清側に分離された血漿又は血清成分を分取する必要が生じる。
そこで、従来では、毛細管の血漿又は血清成分と血球成分との境界付近の外周面に、アンプルカッター等で周方向に切り込みを入れ、切り込みの位置で毛細管を折断することが行われている。また、特許文献1では、予め毛細管の外周面にくびれ部が形成された毛細管を用いて、遠心分離処理によって毛細管中で血漿又は血清成分と血球成分とに分離させた後、そのまま毛細管のくびれ部で毛細管を折断し、血漿又は血清成分を分取する方法が提案されている。なお、毛細管のくびれ部は血漿又は血清成分のレベルより若干上に位置するように形成されている。
特開昭62-278456号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたような方法では、毛細管を折断する際に、作業者の毛細管の持ち方や力の入れ方によって、毛細管がくびれ部以外の位置で折断されてしまい、採取した試料のうち所望の成分を所定量で得ることができないという問題点があった。
また、毛細管を折断する際に必要以上の力がかかりやすく、内部の血液等の液体試料が飛び出す可能性があり、かつガラス又はプラスチック製の毛細管の折断面に接触して怪我するおそれも有していた。
さらに、特許文献1に記載された血液検査方法では、毛細管に予め形成された1か所のくびれ部のみで折断することしかできないため、血漿又は血清成分を一定量でしか分取することができず、予定している検査項目ごとに求められる量で分取することができないという問題点があった。そのため、毛細管を任意の場所で折り分けることが要望されている。
従って、本発明は従来技術の上述した問題点を解消するものであり、その目的は、毛細管を簡単、安全、かつ確実に所望の位置で折り分けることができる毛細管折断具を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上述した毛細管折断具を用いて、毛細管に複数形成されたノッチのうち所望の位置で折断し、遠心分離処理等にて分離された所望の成分の所定量を回収することができる微量試料採取器具を提供することにある。
本発明によれば、毛細管折断具は、外周面にノッチが形成された所定位置で毛細管を折り分けるための折断具であって、毛細管を内部に挿通可能な筒体から形成され、筒体の長さ方向の中央部に、表面から中心軸に向かって開口部が設けられている。
本発明の毛細管折断具は、筒体から形成され、筒体の長さ方向の中央部に、表面から中心軸に向かって開口部が設けられているため、遠心分離処理した後の毛細管を筒体内に挿入し、その開口部から毛細管の折断位置に対応するノッチを確認することができる。筒体の外部から折り曲げ力を加えると、開口部の下端を基点として筒体が折断されるところ、筒体が折断される際に内部に収容されている毛細管も合わせて折断される。それゆえ、毛細管単独で折断するよりも簡単、安全、かつ確実に所望の位置で毛細管を折り分けることができる。また、折断作業の際に、筒体を介して毛細管を保持するため、毛細管の折断面によるケガ、及び血液等の液体試料との接触を防ぐことができる。
また、本発明の毛細管折断具には、その開口部と対向する筒体の内面に円周方向に沿って伸長する突起部が設けられている。これにより、毛細管を筒体内に挿入した際に、毛細管の外周面に予め形成されているノッチがこの突起部と当接し、係合するため、毛細管の折断位置が簡単に位置決めされると共に毛細管の位置ずれを防ぎ、所定の位置での毛細管の折断が容易に実現される。
また、本発明の毛細管折断具は、少なくとも下端が側面視V字形を有するように形成されている。これにより、折断作業の際に、開口部に形成された側面視V字形の下端に応力集中するため、筒体が容易に折断され、それに合わせて毛細管も容易に折断される。
また、本発明の毛細管折断具は、開口部の両側に1対のU字形スリットが設けられ、U字形スリットにより囲まれる部分は1対の弾性変形可能な切り込み片として形成され、1対の切り込み片の先端部が内方に屈曲するように形成されていることが好ましい。これにより、挿入された毛細管を切り込み片が下方に押さえて保持することで、毛細管の位置ずれをさらに防止することができると共に、比較的細い毛細管にも対応することができるなど、毛細管の径のバラツキに対応することができる。
また、本発明の毛細管折断具は、筒体の内壁に端面視ハ字状に形成された1対の弾性変形可能なリブ片が設けられていることが好ましい。これにより、挿入された毛細管をリブ片が押さえて保持することで、毛細管の位置ずれをさらに防止することができると共に、比較的細い毛細管にも対応することができるなど、毛細管の径のバラツキに対応することができる。
また、本発明の毛細管折断具は、開口部の下端を連結するように筒体の外周面に切り込み溝が形成されていることが好ましい。これにより、切り込み溝が折断を案内するため、より容易に毛細管を折断することができ、かつ筒体の折断面の外周が切り込み溝の傾斜面となるため、角部が鋭利でなく手を傷つけることを防ぐことができる。
本発明の微量試料採取器具は、上述した本発明の毛細管折断具と、毛細管とを備え、この毛細管には、毛細管をその軸方向に対して分割可能とするための複数のノッチが設けられている。これにより、毛細管を複数のノッチのうちいずれかで折り曲げて折断し、折断部分を回収することにより、遠心分離処理等にて分離された所望の成分や、採取した試料のうちの所定量を簡単に得ることができる。
本発明の微量試料採取器具は、毛細管に接続可能な採血針をさらに備えていることが好ましい。これにより、採血針を容易に毛細管に接続することができ、簡単に血液等の液体試料を毛細管で微量採取することができる。また、本発明の微量試料採取器具はランセットを備えていることも好ましい。これにより、微量の血液等の液体試料を簡単に毛細管で微量採取することができる。
本発明によれば、以下のような優れた効果を有する毛細管折断具を提供することができる。
(1)毛細管単独で折断するよりも簡単、安全、かつ確実に所望の位置で毛細管を折り分けることができる。
(2)毛細管折断具の筒体を介して毛細管を保持するため、毛細管の折断面によるケガ、及び血液等の液体試料との接触を防ぐことができる。
(3)毛細管の外径にバラツキがあっても、毛細管折断具の筒体内部で毛細管が位置ズレしないように保持される。
また、本発明の微量試料採取器具の毛細管には、毛細管をその軸方向に対して分割可能とするための複数のノッチが設けられているので、毛細管を複数のノッチのうちのいずれかで折り曲げて折断し、折断部分を回収することにより、遠心分離処理等にて分離された所望の成分や、採取した試料のうちの所定量を簡単に得ることができる。
本発明の第1の実施形態における毛細管折断具と、毛細管及び採血針から構成された微量試料採取器具の構成を概略的に示す斜視図である。 図1に示す毛細管折断具の構成を概略的に示す斜視図である。 図1に示す毛細管折断具の(a)平面図(上側から見た図)、(b)側面図、(c)端面図、(d)底面図(下側から見た図)、(e)A-A線断面図及びその部分拡大図である。 図1に示す毛細管折断具に毛細管を挿入した状態の断面図である。 図1に示す毛細管折断具を用いて毛細管を折断した状態を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態における毛細管折断具の構成を概略的に示す斜視図である。 図6に示す毛細管折断具の(a)平面図(上側から見た図)、(b)側面図、(c)端面図、(d)底面図(下側から見た図)、(e)B-B線断面図及びその部分拡大図である。 本発明の第3の実施形態における毛細管折断具の(a)平面図(上側から見た図)、(b)側面図、(c)端面図、(d)底面図(下側から見た図)、(e)C-C線断面図である。 本発明の第4の実施形態における毛細管折断具の(a)平面図(上側から見た図)、(b)側面図、(c)端面図、(d)底面図(下側から見た図)、(e)D-D線断面図である。 図8及び図9に示す毛細管折断具に毛細管を挿入した状態の端面図である。
以下、本発明に係る毛細管折断具及び微量試料採取器具の実施形態を、図を参照して説明する。
まず、本発明の第1の実施形態について、図1~図5を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施形態における毛細管折断具110と、毛細管120及び採血針130から構成された微量試料採取器具100を示している。図2は毛細管折断具110の外観を示しており、図3は毛細管折断具110の構成を示しており、同図(a)は平面図(上側から見た図)であり、(b)は側面図であり、(c)は端面図であり、(d)は底面図(下側から見た図)であり、(e)はA-A線断面図である。図4は毛細管折断具110に毛細管120を挿入した状態を示しており、同図(a)は比較的に大径の毛細管120を挿入した状態であり、(b)は外径がやや小径の毛細管120を挿入した状態である。図5は毛細管折断具110を用いて毛細管120を折断した状態を示している。
図1に示すように、本実施形態においては、微量試料採取器具100は、本実施形態に係る毛細管折断具110と、毛細管120と、採血針130とから構成されている。
図1~図4に示すように、本実施形態に係る毛細管折断具110は、毛細管120を内部に挿通可能な筒体10から形成されている。この筒体10の長さ方向の中央部に、表面から中心軸に向かって下端が側面視所定角度のV字形を有する開口部20が設けられ、この開口部20のV字形切り込み22の下端23と対向する筒体10の内面に円周方向に沿って伸長する突起部30が設けられている。また、開口部20の両側には1対のU字形スリット40が設けられ、各U字形スリット40により囲まれる部分は1対の弾性変形可能な切り込み片50として形成され、この1対の切り込み片50の先端部51が内方に屈曲するように形成されている。さらに、開口部20のV字形切り込み22の下端23を連結するように筒体10の外周面に周方向に沿って切り込み溝60が形成されている。
筒体10は、例えば、樹脂材料から形成された短円筒体であり、この筒体10の内径は、毛細管120の外径よりもわずかに径大に形成されている。また、本実施形態では筒体10は円筒体として形成されているが、毛細管を内部に挿通可能な筒体であれば、形状は特に限定されず、四角筒体等の角筒体であってもよい。また、毛細管120をスムーズに挿入しやすいように、筒体10の内径端面が面取り加工されている。なお、筒体10には、複数の貫通孔Pが設けられているが、これらの貫通孔Pは、毛細管折断具110を製造する際に、筒体10にU字型スリット40及び切り込み片50を形成するとき、筒体10の中にスライドピンを挿入した状態で筒体10の外表面から押切の力を加えて切り込み片50を形成するため、底面側から円柱形の棒状材を貫通孔Pに挿通して下側から筒体10が変形しないよう支持するために利用するものである。そのため、上述とは異なる製造方法で毛細管折断具を得る場合には、貫通孔Pを設ける必要はない。
開口部20は、例えば、側面視逆台形部21と、この逆台形部21の底面に形成されたV字形切り込み22とから構成されている。逆台形部21の両側辺間の角度は、例えば、45度~90度が好ましく、約60度が好ましい。また、開口部20の深さは、例えば、筒体10の外表面から中心軸まで、即ち筒体10の半径とほぼ同じである。このように開口部20が広く設けられることにより、この開口部20から挿入された毛細管120の表面に形成されたノッチ121を視認することができ、折断位置を確認することができる。また、本実施形態に係る毛細管120は予めノッチ121が複数設けられたものとして構成されているが、予めノッチが形成されていない毛細管を用いた際には、開口部20を介して毛細管の表面に折断のためのノッチ121を形成することも可能である。なお、逆台形部21の両側辺間の角度、及び開口部20の深さは、これに限定されるものではない。
突起部30は、開口部20のV字形切り込み22の下端23と対向する筒体10の内面に円周方向に沿って伸長するように構成されている。この突起部30は、筒体10の軸に沿った垂直断面において、三角形断面を有している。筒体10において、この突起部30が設けられる位置は、折断位置である。毛細管110を折断する際に、突起部30は、毛細管120の裏側において折り曲げの支点として機能する。また、突起部30は、毛細管120を挿入する際に、毛細管120の表面に形成された複数のノッチ121に当接する度に引っ掛かるような感覚(クリック感)を生成するように構成されているため、折断位置を決める位置決めとしても機能する。これにより、確実に所望の位置で折断することができる。
1対のU字形スリット40は、筒体10の開口部20が設けられている側において、開口部20の両側にそれぞれ設けられ、筒体10の外壁を厚み方向に貫通する所定の幅を有するU字形のスリットである。この1対のU字形スリット40の開口は、互いに対向するように形成されている。U字形スリット40により囲まれる部分は1対の弾性変形可能な切り込み片50として形成されている。なお、1対のU字形スリット40の設置位置は、筒体10の開口部20が設けられている側(上側)に限定されるものではなく、側面側に設けられてもよい。
1対の切り込み片50は、1対のU字形スリット40を設けることにより形成されたものである。これら切り込み片50の先端部51は筒体10の内方に屈曲するように形成されている。屈曲された先端部51により筒体10内に挿入された毛細管120を押さえて保持するように構成されている。これにより、挿入された毛細管120の位置ずれを防止することができる。また、1対の切り込み片50を設けることで、比較的外径が細い毛細管120も押圧保持することができる。そのため、毛細管折断具110は、毛細管の外径にバラツキがあっても位置ズレすることなく対応することができる。例えば、本実施形態に係る毛細管折断具110は、特に限定されないが、外径が1.70~1.92mmの毛細管に対応できる。
切り込み溝60は、開口部20のV字形切り込み22の下端23を連結するように筒体10の外周面にV字形断面を有する溝である。この切り込み溝60を設けることで、筒体10の切り込み溝60が形成された部分が薄肉になり、より容易に毛細管120を折断することができ、かつ筒体10の折断面の外周が切り込み溝60の側面(傾斜面)であるため、折断する際に、手などを傷つけることを防ぐことができる。
本実施形態に係る毛細管折断具110を構成する材料としては、特に限定されないが、ポリエチレン(低密度・高密度含む)、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアミド又はポリカーボネート等の熱可塑性樹脂が好適に用いられる。このような熱可塑性樹脂を用いることにより、毛細管折断具110を射出成型等により製造して得ることができる。また、毛細管120の内部を視認しやすくするため、透明性の高い樹脂で成形することが好ましい。
本発明の微量試料採取器具100において使用される毛細管120は、両端が開放端部122として構成され、毛細管現象を生じさせて血液等の液体試料を管内部に採取できる細管であり、内径が1mm程度、外径が1.8mm程度のものが好適に用いられるが、本実施形態においては、毛細管120の外径が1.70~1.92mmであってもよい。毛細管120は、合成樹脂材料によるもの又はガラス材料のもの、いずれも用いることができる。また、毛細管120の内壁にはヘパリン又はEDTA等の血液抗凝固剤を塗布し、血液の凝結を防ぐための処理を施しておくことも可能である。
本実施形態に係る毛細管120は、一例として、合成樹脂から形成されており、毛細管120の軸方向に対して分割可能とするためのノッチ121が少なくとも1つ以上設けられている。これら複数のノッチ121は、毛細管120の外壁に周方向に形成された切り欠きであり、全周方向に連続的に又は不連続に形成することも、周側面の一部に形成することも可能である。複数のノッチ121は、所定間隔で形成されている。例えば、容量5μLごとにノッチ121を設ける場合、内径が1.10mmである毛細管120において、5.26mm間隔でノッチ121を設ければよく、内径が1.03mmである毛細管120においては、6.00mm間隔でノッチ121を設ければよい。本実施形態においては、図4に示すように、血液を採取した毛細管120に遠心分離処理を施した結果、血清成分又は血漿成分が血球成分と分離される位置にノッチ121が形成されている。なお、ノッチ121の位置は所望の成分や所望の量に合わせて位置決めすることができる。なお、複数のノッチ121が等間隔で設けることに限定されるものではなく、非等間隔に設けても良い。なお、本明細書における「ノッチ」とは、毛細管120を所望の位置で折断するために設けられる、毛細管120の外壁に形成される切り欠き、切り込み、溝、窪みまたはこれらの組み合わせからなるものであり、毛細管120の全周方向に連続的に又は不連続に形成されるものか、周側面の一部に形成されるもののことをいう。ノッチの形成方法は、ノッチの位置での毛細管120の折断を確実とするように形成する方法であれば特に限定されないが、一例として、カッター刃等を用いて毛細管120の外壁の周側面の全周に又は周側面の一部に切り込みや切り欠きを形成すること等によって形成される。
また、毛細管120をガラス材料等で形成した場合、予めノッチ121を毛細管120に設けない構成とすることも可能である。この場合には、毛細管120を毛細管折断具110に挿入する前に毛細管120の所望の位置にダイヤモンドカッターやカッターナイフ等を用いてノッチ121を形成するか、毛細管120を毛細管折断具110に挿入した状態で筒体10の開口部20を介して、毛細管120の表面にノッチ121を形成することができる。さらに、合成樹脂から形成された毛細管120を使用する場合であっても、血清成分又は血漿成分をできるだけ多く回収したい等の理由により、使用者の所望する位置での毛細管120の折断が必要となる場合もある。そのため、合成樹脂から形成された毛細管120であっても予めノッチ121を設けない構成とすることも可能である。この場合には、毛細管120を毛細管折断具110に挿入する前に毛細管120の所望の位置にカッターナイフ等でノッチ121を形成するか、毛細管120を毛細管折断具110に挿入した状態で筒体10の開口部20を介して、毛細管120の表面にノッチ121を形成することができる。
本発明の微量試料採取器具100において使用される採血針130は、図2に示すように翼付採血針である。この採血針130の後端131は毛細管120の一端が挿入され接続可能に構成されている。なお、採血針130はこれに限定されず、あらゆる態様の採血針が含まれる。また、本発明の本発明の微量試料採取器具100には、採血針の替わりに採血用穿刺器具であるランセットを備えることも可能である。
本実施形態に係る微量試料採取器具100を構成する毛細管折断具110及び毛細管120の使用方法について説明する。図1に示すように、まず、毛細管120と採血針130とを接続して採血を行う。採血後の毛細管120から採血針130を取り外して片端封止した後、遠心分離機にセットし、遠心分離処理によって毛細管中で血液を血漿・血清成分と血球成分とに分離させる。引き続いて、図4に示すように、遠心分離処理された毛細管120を毛細管折断具110に挿入する。ここで、毛細管120を筒体10に挿入していくと、毛細管120の表面に形成された複数のノッチ121が筒体10の底面に設けられた突起部30に当接する度に引っ掛かり、クリック感が生じる。そのため、開口部20から目視で確認しつつ、所望の折断位置のノッチ121を開口部20の中心に位置するように毛細管120を移動させることが容易である。そして、毛細管折断具110の開口部20の両側を持ち、折り曲げることで毛細管折断具110及び毛細管120が共に折断される(図5参照)。折断された血清又は血漿成分を有する毛細管120の一端側を回収し、血清又は血漿成分を分取する。なお、上述では、遠心分離処理後の毛細管120に毛細管折断具110を装着して使用する方法を説明したが、遠心分離処理前の毛細管120に毛細管折断具110を予め装着しておき、毛細管120に毛細管折断具110を取り付けた状態で遠心分離処理を行い、遠心分離処理後、速やかに毛細管120を折断する方法で使用してもよい。
以上説明したように、本実施形態の毛細管折断具110は、毛細管を内部に挿通可能な筒体10から形成され、この筒体10の長さ方向の中央部に、表面から中心に向かって下端が側面視V字形を有する開口部20が設けられ、この開口部20のV字形切り込み22の下端23と対向する筒体10の内面に円周方向に沿って伸長する突起部30が設けられている。また、開口部20の両側に1対のU字形スリット40が設けられ、各U字形スリット40により囲まれる部分は1対の弾性変形可能な切り込み片50として形成され、この1対の切り込み片50の先端部51が内方に屈曲するように形成されている。さらに、開口部20のV字形切り込み22の下端23を連結するように筒体10の外周面に切り込み溝60が形成されている。
これにより、毛細管120を筒体10内に挿入すると、毛細管120の表面に予め形成されたノッチ121が筒体10の内面の突起部30に当接する位置で毛細管120が毛細管折断具110内で固定されるため、筒体10の外部から折り曲げ力を加えることにより、毛細管120を簡単、安全、かつ確実に所望の位置で折り分けることができる。また、毛細管120の折断面と接触することによるケガや血液等の液体試料との接触を防ぐことができる。
また、微量試料採取器具100において、本実施形態の毛細管120には、毛細管120をその軸方向に対して分割可能とするための複数のノッチ121が予め設けられているので、毛細管120を毛細管折断具110に挿入し、複数のノッチ121のうちいずれかで折り曲げて折断し、折断部分を回収することにより、遠心分離処理等にて分離された所望の成分や、採取した試料のうちの所定量を簡単に得ることができる。
なお、ノッチが予め形成されていない毛細管を使用する場合には、採血して遠心分離処理を行った後、毛細管中の血球成分と血清又は血漿成分との境界部分近傍にカッター等でノッチを形成する。その後、ノッチが形成された毛細管を毛細管折断具110に挿入し、上述したように毛細管を折断することができる。また別の方法としては、採血後に遠心分離処理を行った後の毛細管(ノッチなし)をそのまま毛細管折断具110に挿入し、毛細管折断具110に挿入した状態で筒体10の開口部20を介して、毛細管の表面にノッチ121を形成することもできる。この場合、毛細管には開口部20と対向する部分にのみノッチ121を形成しても、毛細管を筒体10内で回動させて、毛細管の表面全周にノッチ121を形成させてもよい。このように、作業者が所望の位置にノッチを形成した毛細管を用いて毛細管を折断することも可能であり、このように折断された折断部分を回収することにより、遠心分離処理等にて分離された所望の成分や、採取した試料のうちの所望量を簡単に得ることができる。
なお、上述した実施形態の毛細管折断具110において、開口部20は、側面視逆台形逆台形部21と、この逆台形逆台形部21の底面に形成されたV字形切り込み22とから構成されている例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図6及び図7に示すように、側面視V字形の開口部から構成されても良い。
次に、本発明の第2の実施形態について、図6及び図7を参照して説明する。図6は本発明の第2の実施形態における毛細管折断具110Aの構成を概略的に示しており、図7は毛細管折断具100の構成を示しており、同図(a)は平面図(上側から見た図)であり、(b)は側面図であり、(c)は端面図であり、(d)は下面図(底面側から見た図)であり、(e)はB-B線断面図である。毛細管折断具110Aは、開口部20Aの構成が異なっているほかは、上述した第1の実施形態の毛細管折断具110と同様の構成を有している。なお、本実施形態において、第1の実施形態と同じ構成については、同じ参照符号を使用して説明する。
図6及び図7に示すように、本実施形態に係る毛細管折断具110Aは、毛細管120を内部に挿通可能な筒体10から形成されている。この筒体10の長さ方向の中央部に、表面から中心に向かって所定角度(例えば、100度)を有する側面視V字形の開口部20Aが設けられ、この開口部20Aの下端23Aと対向する筒体10の内面に円周方向に沿って伸長する突起部30が設けられている。また、開口部20Aの両側に1対のU字形スリット40が設けられ、各U字形スリット40により囲まれる部分は1対の弾性変形可能な切り込み片50として形成され、この1対の切り込み片50の先端部51が内方に屈曲するように形成されている。さらに、開口部20Aの下端23Aを連結するように筒体10の外周面に切り込み溝60が形成されている。
これにより、本実施形態に係る毛細管折断具110Aは、上述した第1の実施形態における毛細管折断具110と同様な効果が得られる。なお、側面視V字形の開口部20Aの角度は上述したものに限定されず、60度~150度程度であってもよい。
また、上述した実施形態の毛細管折断具110及び110Aにおいて、1対のU字形スリット40が設けられている例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。他の形状にしても良い。
次に、本発明の第3の実施形態について、図8及び図10を参照して説明する。ここでは、上述した第1の実施形態と異なる構成について詳細に説明し、第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。図8は本発明の第3の実施形態における毛細管折断具110Bの構成を示しており、同図(a)は平面図(上側から見た図)であり、(b)は側面図であり、(c)は端面図であり、(d)は下面図(底面側から見た図)であり、(e)はC-C線断面図である。図10は毛細管折断具110Bに毛細管120を挿入した状態のイメージを示しており、同図(a)は比較的に大径の毛細管120を挿入した状態であり、(b)は外径がやや小径の毛細管120を挿入した状態である。毛細管折断具110Bは、筒体10内に挿入された毛細管120を押さえて保持するための1対のリブ片70を設けている構成が異なっているほかは、上述した第1の実施形態の毛細管折断具110と同様の構成を有している。なお、本実施形態において、第1の実施形態と同じ構成については、同じ参照符号を使用して説明する。
図8及び図10に示すように、本実施形態に係る毛細管折断具110Bは、毛細管120を内部に挿通可能な筒体10から形成されている。この筒体10の長さ方向の中央部に、表面から中心軸に向かって下端が側面視所定角度のV字形を有する開口部20が設けられ、この開口部20のV字形切り込み22の下端23と対向する筒体10の内面に円周方向に沿って伸長する突起部30が設けられている。また、開口部20のV字形切り込み22の下端23を連結するように筒体10の外周面に周方向に沿って切り込み溝60が形成されている。さらに、筒体10の内壁には端面視ハ字状に形成された1対の弾性変形可能なリブ片70が設けられている。
1対のリブ片70は、筒体10と一体に形成されている。この1対のリブ片70は、筒体10の端面から見た場合、ハ字状に配置され、かつ肉厚が先端側に向かって徐々に小さくする(薄肉になる)ように形成されている。また、1対のリブ片70は、筒体10の長さ方向に沿って伸長するように構成されており、開口部20において、切断されている。この1対のリブ片70は、筒体10内に挿入された毛細管120をリブ片70と対向する底面側に押圧保持する押さえとして機能し、毛細管120の位置ずれをさらに防止することができると共に、比較的細い毛細管にも対応することができるなど、毛細管の径のバラツキに対応することができる。図10(a)に示すように、比較的に大径の毛細管120を挿入した場合、1対のリブ片70が筒体10の内周面に沿って広がりながら毛細管120の外周に当接して保持し、図10(b)に示すように、比較的に小径の毛細管120を挿入した場合、1対のリブ片70の先端近傍が毛細管120の外周に当接し保持する。これにより、本実施形態に係る毛細管折断具110Bは、上述した第1の実施形態における毛細管折断具110と同様な効果が得られる。
次に、本発明の第4の実施形態について、図9及び図10を参照して説明する。ここでは、上述した第2の実施形態と異なる構成について説明し、同様の構成について説明を省略する。図9は本発明の第4の実施形態における毛細管折断具110Cの構成を示しており、同図(a)は平面図(上側から見た図)であり、(b)は側面図であり、(c)は端面図であり、(d)は下面図(底面側から見た図)であり、(e)はD-D線断面図である。毛細管折断具110Cは、筒体10内に挿入された毛細管120を押さえて保持するための1対のリブ片70を設けている構成が異なっているほかは、上述した第2の実施形態の毛細管折断具110Aと同様の構成を有している。なお、本実施形態において、第2の実施形態と同じ構成については、同じ参照符号を使用して説明する。
図9及び図10に示すように、本実施形態に係る毛細管折断具110Cは、毛細管120を内部に挿通可能な筒体10から形成されている。この筒体10の長さ方向の中央部に、表面から中心に向かって所定角度(例えば、100度)を有する側面視V字形の開口部20Aが設けられ、この開口部20Aの下端23Aと対向する筒体10の内面に円周方向に沿って伸長する突起部30が設けられている。また、開口部20Aの下端23Aを連結するように筒体10の外周面に切り込み溝60が形成されている。さらに、筒体10の内壁には端面視ハ字状に形成された1対の弾性変形可能なリブ片70が設けられている。リブ片70の構成は、上述した第3の実施形態の毛細管折断具110Bと同様の構成を有しているため、詳細の説明を省略する。これにより、本実施形態に係る毛細管折断具110Cは、上述した第1の実施形態における毛細管折断具110と同様の効果が得られる。
なお、上述した実施形態の毛細管折断具110B及び110Cにおいて、1対の弾性変形可能なリブ片70は、筒体10の内壁に端面視ハ字状に、かつ筒体10の長さ方向に沿って伸長するように形成された例として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、毛細管120を筒体10内に保持可能な構成であれば、他の配置状態及び形状にしても良い。
また、本発明の微量試料採取器具100は、第1の実施形態で示した毛細管折断具110だけでなく、第2~4の実施形態で示した毛細管折断具110A、110B又は110Cを用いて構成することも可能である。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものでなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨を逸脱しない範囲内での種々、設計変更した形態を技術的範囲に含むものである。
本発明は、血液等の液体試料を毛細管で微量採取する際に、血液等の液体試料との接触を防ぎ、毛細管を簡単、かつ安全に折り分けるために利用可能である。
10 筒体
20、20A 開口部
21 逆台形部
22 V字形切り込み
23、23A 下端
30 突起部
40 U字形スリット
50 切り込み片
51 先端部
60 切り込み溝
70 リブ片70
100 微量試料採取器具
110、110A、110B、110C 毛細管折断具
120 毛細管
121 ノッチ
122 開放端部
130 採血針
131 後端
P 貫通孔

Claims (9)

  1. 外周面にノッチが形成された所定位置で毛細管を折り分けるための毛細管折断具であって、
    前記毛細管を内部に挿通可能な筒体から形成され、
    前記筒体の長さ方向の中央部に、表面から中心軸に向かって開口部が設けられていることを特徴とする毛細管折断具。
  2. 前記開口部と対向する前記筒体の内面に円周方向に沿って伸長する突起部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の毛細管折断具。
  3. 前記開口部は、少なくとも下端が側面視V字形を有するように形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の毛細管折断具。
  4. 前記開口部の両側に1対のU字形スリットが設けられ、
    前記U字形スリットにより囲まれる部分は1対の弾性変形可能な切り込み片として形成され、前記1対の切り込み片の先端部が内方に屈曲するように形成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の毛細管折断具。
  5. 前記筒体の内壁に端面視ハ字状に形成された1対の弾性変形可能なリブ片が設けられていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の毛細管折断具。
  6. 前記開口部の下端を連結するように前記筒体の外周面に切り込み溝が形成されていることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の毛細管折断具。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載の毛細管折断具と、毛細管とを備え、
    前記毛細管には、該毛細管をその軸方向に対して分割可能とするための複数のノッチが設けられている微量試料採取器具。
  8. 前記毛細管に接続可能な採血針をさらに備えている請求項7に記載の微量試料採取器具。
  9. さらにランセットを備えている請求項7に記載の微量試料採取器具。
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