JP2004321905A - 使い捨てピペット - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易、精密かつ確実に制御・動作する逆止弁を提供する。
【解決手段】円筒部とカラス口状部とを有するサック状の逆止弁であって、カラス口状部について中央の幅が狭く、両端が広いほぼ長方形断面を有し、2つの先端部分が長辺を閉止時には互いに直線上で接している逆止弁である。
本発明に係る逆止弁は、カラス口状部について中央の幅が狭く、両端が広いほぼ長方形断面を有しているので、流入側と流出側との圧力差が小さい時であっても、動作が安定であり、逆流しない。しかも簡易、精密、かつ確実な制御・動作を行うことができる。また、カラス口中央部が肉薄であるため、外側からも操作しやすい。
【選択図】 図1
【解決手段】円筒部とカラス口状部とを有するサック状の逆止弁であって、カラス口状部について中央の幅が狭く、両端が広いほぼ長方形断面を有し、2つの先端部分が長辺を閉止時には互いに直線上で接している逆止弁である。
本発明に係る逆止弁は、カラス口状部について中央の幅が狭く、両端が広いほぼ長方形断面を有しているので、流入側と流出側との圧力差が小さい時であっても、動作が安定であり、逆流しない。しかも簡易、精密、かつ確実な制御・動作を行うことができる。また、カラス口中央部が肉薄であるため、外側からも操作しやすい。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は使い捨てピペットに関する。特に、血液、体液、尿(以下、「血液等」という。)の検査において用いる使い捨てピペットに関し、一定量の血液等を採取するのに用いる使い捨てピペットに関する。
【0002】
【従来の技術】
図2は従来の使い捨てピペットの概略図である。従来の使い捨てピペット5は、スポイト筒5aと蛇腹構造のキャップ5bとが連結してなり、スポイト筒5aの中には血液等の通過を阻止するフィルターはまったく取り付けられていない。スポイト筒5a及びキャップ5bは、いずれも透明で可撓性を有する材料でできている。そして、スポイト筒5aには目印5c、5dが付けてある。目印5cは採取すべき血液等の量の下限を示し、目印5dは採取すべき血液等の量の上限を示している。そして、スポイト筒5aの先端は開放されているが、他の部分と同一の外径、内径であり、幅を狭い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、目印5cと目印5dとの間に血液等を合せることは困難であり、何度も血液等の採取と排出を繰り返さないと、所定量の血液等を採取することはできない。
【0004】
また、ピペット中の血液等に気泡が混入しやすい。片手でスポイト筒5を人差し指と中指ではさみつつ、親指でキャップを押したり放したりして操作するが、ピペットの先端が細く血液等の中から出てしまい、空気を吸い込んでしまうためである。混入した気泡を従来のピペットでは取り除くことは困難である。その結果として、何度も血液等の採取と排出を繰り返さないと、気泡が混入していない血液等を採取できない。
【0005】
そこで、本発明の目的は、所定量の血液等を容易に正確に採取できるとともに、混入した気泡を取り除くことができる、比較的安価な使い捨てピペットを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、請求項1に記載の本発明に係る使い捨てピペット、すなわち、スポイト筒と可撓性のキャップとが連通している使い捨てピペットにおいて、スポイト筒内に空気通過性フィルターを取り付けてなる使い捨てピペットによって、達成される。
【0007】
また、上記目的は、請求項2に記載の本発明に係る使い捨てピペット、すなわち、スポイト筒と可撓性のキャップとが連通している使い捨てピペットにおいて、スポイト筒内に空気通過性フィルターを取付け、スポイト筒の先端と空気通過性フィルターの間のスポイト筒内に開放機構付き逆止弁を設け、逆止弁と空気通過性フィルターとの間に液だめを設けてなる使い捨てピペットによっても、達成される。
【0008】
さらに、上記目的は、請求項3に記載の本発明に係る使い捨てピペット、すなわち、内部に逆止弁を有するスポイト筒と可撓性のキャップとが連通し、これらの間に液だめを設け、内部に逆止弁を有する排出ノズルと可撓性のキャップとが連通し、スポイト筒の先端からキャップへ向かって液体を吸入でき、キャップから排出ノズルへ向かって液体及び空気を排出できる使い捨てピペットによっても、達成される。
【0009】
さらにまた、上記目的は、請求項4に記載の本発明に係る使い捨てピペット、すなわち、内部に逆止弁を有するスポイト筒と可撓性のキャップ兼液だめとが連通し、逆止弁を有する排出ノズルと可撓性のキャップとが連通し、スポイト筒の先端からキャップへ向かって液体を吸入でき、キャップから排出ノズルへ向かって液体及び空気を排出できる使い捨てピペットによっても、達成される。
【0010】
本発明の好ましい実施態様においては、請求項5に記載のように、空気通過性フィルターについて通過可能粒子径が0.2〜0.8μmである。
【0011】
また、本発明の他の好ましい実施態様においては、請求項6に記載のように、可撓性のキャップが取り外し可能である。
【0012】
さらに、本発明のさらに他の好ましい実施態様においては、請求項7に記載のように、スポイト筒の先端が幅広く、かつ、薄くなっている。
【0013】
さらにまた、本発明の別の好ましい実施態様においては、請求項8に記載のようにスポイト筒の先端が細くなっている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態の使い捨てピペットについて、添付図面を参照して説明する。
【0015】
図1は実施形態の使い捨てピペットの概略図であり、(a)は第1実施形態を示し、(b)は第2実施形態を示す。
【0016】
図1(a)に示すように、第1の実施形態の使い捨てピペット1もスポイト筒1aと蛇腹構造のキャップ5bとが連結してなる。
【0017】
そして、従来の使い捨てピペットとは異なり、目印1dが付されている位置のスポイト筒1aの内部に空気通過性フィルター2が取り付けてある。空気通過性フィルター2は、スポイト筒1aの内径とほぼ等しい外径で厚さtが0.3〜3mmの円板形状である。スポイト筒1aの内部に空気通過性フィルター2が取り付けてあり、血液等がスポイト筒1aの先端1eから流入した後に、目印1dを越えてキャップ1bの側へ入り込むのを完全に阻止する。空気通過性フィルター2は、空気を通過させるが、血液等を通過させない。その他のフィルターであっても通過可能粒子径が0.2〜0.8μmであれば使用することができる。一方、通過可能粒子径が0.8μmを超えると、血液等のうち液体部分が通過してしまうので使用できない。他方、通過可能粒子径が0.2μm未満であると、フィルターの価格が高くなるとともに、空気の通過抵抗が大きすぎ血液等の吸引に時間がかかったり、採取量下限まで吸引、採取できないこともあり使用できない。
【0018】
図1(b)に示すように、第2実施形態のピペット1においては、構造は第1実施例のピペットとほぼ同一であるが、スポイト筒1aの断面が中空の長方形である点で異なる。すなわち、外径の長方形の寸法は、短辺の長さがt2で、長辺の長さがw2である。内径の長方形の寸法は、肉厚tがほぼ一定であり、短辺の長さがt2−tで、長辺の長さがw2−tである。よって、スポイト筒1aは先端1eの幅が広いが、厚さは薄くなっており、しかも内側の長方形の長辺が先端に向かって直線的に増している。
【0019】
したがって、第2実施形態のピペットは、スポイト筒1aの厚さ方向にたわみやすく、材質も可撓性、弾性を有している。血液等が溜まっている面にスポイト筒1aの先端1eの長辺を接し、押し曲げた状態とすると、スポイト筒1aは弾性変形し、たわむ。この状態で多少キャップ1bの位置が移動しても、スポイト筒1aは真直ぐに戻ろうとするので、スポイト筒1aの先端1eは常に血液等が溜まっている面に接したままで移動しない。その結果として、スポイト筒1aの先端1eは血液等の溜りから外れ出ることはなく、誤って空気を吸引することは極めて少なくなる。故に、採取した血液等の中に気泡が混入することはほとんどない。
【0020】
万一、採取した血液等の中に気泡が混入した場合には、第1実施形態のピペット及び第2実施形態のピペットともに、キャップを上にし、スポイト筒の先端を下にして、放置するだけで気泡を除去することができる。比重差によって、気泡は上へ移動し、空気通過性フィルターを通過してキャップ内へ逃げ出してしまうためである。
【0021】
第1実施形態及び第2実施形態のピペットの材質は、透明性、可撓性、及び弾性を有するものであればよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、各種樹脂などを用いることができる。
【0022】
図3は第3実施形態の使い捨てピペットの概略図である。第3実施形態の使い捨てピペット1は、スポイト筒1a、1f、キャップ1bが順に直線上に連結し、スポイト筒1fの側方へ液だめ3が連結している。スポイト筒1aとスポイト筒1fとの間の内部には逆止弁4が取り付けてあり、スポイト筒1aの先端1eから血液等を吸引することはできるが、逆流しないように設計されている。
【0023】
逆止弁4は、カラス口状であり、材質はシリコーンゴムなどの弾性材料であり、有害物質の溶出量が安全基準以下であればよい。また、逆止弁4の円筒部の外側面には位置合せ用の突起4a、4bが設けてあるので、スポイト筒1fへ逆止弁4を取り付ける際に、円周方向の位置合せを容易に、正確に、再現性良く、行うことができる。
【0024】
液だめ3は、接続部3aの近くが円筒状であり、端部3bが半球状である。そして接続部3aは透明であり、採取すべき血液等の量の上限及び下限を示す目印が付されている。端部3bを下にして液だめ3を直立させると、血液等は液だめ3の端部3bから溜り、液面は接続部3aの近くまで達する。したがって、液面が上限及び下限を示す目印の間にあれば、採取すべき量となる。液だめ3とスポイト筒1fとは着脱自在であるので、血液等を採取した後に他の容器に血液等を移したり、検査用器具に血液等を移すのが容易である。
【0025】
キャップ1bとスポイト筒1fとの間には、空気通過性フィルター2が取り付けてある。キャップ1bが押し込んだ後に指を放して、キャップ1bが元の形状に戻る間に血液等がスポイト筒1aの先端1eから吸入される。しかし、空気通過性フィルター2によって、血液等がキャップ1bの中に侵入するのが阻止される。
【0026】
本第3実施形態の使い捨てピペットにおいては、キャップ1bとスポイト筒1fとが着脱自在となっている。使い捨てピペットを用いて血液等を採取した後に廃棄しようとする時に、キャップ1bには血液等が侵入しておらず、汚れていないので、キャップ1bを取り外して、キャップ1bは一般廃棄物として廃棄することができる。その他は医療廃棄物として専門業者に処理を依頼する。そのため、医療廃棄物の量が減少する。
【0027】
図4は、第4実施形態の使い捨てピペットの概略図である。第4実施形態の使い捨てピペット1は、スポイト筒1a、1f、キャップ1bが順に直線上に連結している。スポイト筒1fの中には内径の大きな液だめ3が形成されている。スポイト筒1aとスポイト筒1fとの間の内部には、逆止弁4が取り付けられてあり、スポイト筒1aの先端1eから血液等を吸引することはできるが、逆流しないように設計されている。
【0028】
逆止弁4は、カラス口状であり、材質はシリコーンゴムなどの弾性材料であり、有害物質の溶出量が安全基準以下であればよい。また、逆止弁4の円筒部の外側面には位置合せ用の突起4a、4bが設けてあるので、スポイト筒1fへ逆止弁4を取り付ける際に、円周方向の位置合せを容易に、正確に、再現性良く、行うことができる。
【0029】
スポイト筒1fのうちで、逆止弁4のカラス口部を包む部分には、押圧用ボタン1g、1gが設けてあり、その周辺は柔軟な弾性材料となっている。押圧用ボタン1g、1gを指で挟んで圧縮すると、逆止弁4のカラス口部の直線当接部をその直線方向に圧縮し、カラス口部がそれぞれ弓状にわん曲して開口する。すなわち、押圧用ボタン1g、1gとを指で挟んで圧縮すると、流入側と流出側との圧力差にかかわらず、逆止弁4は開口し液体が流通可能となる。他方、指を放すと、押圧用ボタン1g、1gは元の位置に戻り、逆止弁4は閉止される。
【0030】
キャップ1bとスポイト筒1fとの間には、空気通過性フィルター2が取り付けてある。キャップ1bが押し込んだ後に指を放して、キャップ1bが元の形状に戻る間に血液等がスポイト筒1aの先端1eから吸入される。しかし、空気通過性フィルター2によって、血液等がキャップ1bの中に侵入するのが阻止される。
【0031】
本第4実施形態の使い捨てピペットにおいては、キャップ1bとスポイト筒1fとが着脱自在となっている。使い捨てピペットを用いて血液等を採取した後に廃棄しようとする時に、キャップ1bには血液等が侵入しておらず、汚れていないので、キャップ1bを取り外して、キャップ1bは一般廃棄物として廃棄することができる。その他は医療廃棄物として専門業者に処理を依頼する。そのため、医療廃棄物の量が減少する。
【0032】
図5は、第5実施形態の使い捨てピペットの概略図である。第5実施形態の使い捨てピペットにおいては、スポイト筒1a、キャップ兼液だめ1h、排出ノズル1iが順に直線上に連結している。スポイト筒1aとキャップ兼液だめ1hとの間の内部には逆止弁4cが取り付けてある。排出ノズル1iとキャップ兼液だめ1hとの間の内部にも逆止弁4dが取り付けてある。スポイト筒1aの先端から血液等を吸引することはできるが、逆流しないように設計されている。そして、吸引された血液等はキャップ兼液だめ1hに貯えられる。
【0033】
採取された血液等を排出する時には、排出ノズル1iを下に向けてキャップ兼液だめ1hを指で圧縮すると、血液等は、逆止弁4dを通過し排出ノズル1iの先端から血液等が排出される。
【0034】
第5実施形態の使い捨てピペットにおいては、空気通過性フィルターを用いていない。
【0035】
図6は、第6及び第7実施形態の使い捨てピペットの概略図であり、(a)は第6実施形態の使い捨てピペットの正面断面図であり、(b)は第7実施形態の使い捨てピペットの正面断面図である。
【0036】
第6実施形態の使い捨てピペット1は、スポイト筒1a、1f、1j、キャップ1bが順に直線上に連結している。スポイト筒1fの外側面には2つの押圧用ボタン1g、1gが中心軸を挟んで対向して設けている。押圧用ボタン1gの周辺のスポイト筒1fは柔軟な弾性材料となっている。
【0037】
そして、スポイト筒1fの内部のスポイト筒1a側には逆止弁4が取り付けられている。逆止弁4はカラス口状であり、そのカラス口部は押圧用ボタン1g、1gの間に位置している。そして、押圧用ボタン1g、1g指で挟んで圧縮すると、逆止弁4のカラス口部の直線当接部をその直線方向に圧縮し、カラス口部がそれぞれ弓状にわん曲して開口する。
【0038】
スポイト筒1fの内部のスポイト筒1j側には液だめ3が形成されている。液だめ3には、必要に応じて、採取すべき量を示す目印を付けてもよい。
【0039】
スポイト筒1fとスポイト筒1jとの接続部には、空気通過性フィルター2が取り付けてある。空気通過性フィルター2をキャップ1b側から支持するために、4枚の板羽状のフィルター支持部1kが中心軸のまわりに90°間隔で取り付けてある。空気通過性フィルター2は空気を通過するが、血液等は通過しない。そのため、採取した血液等に混入した気泡を空気通過性フィルター2によって、簡単に除去することができる。
【0040】
キャップ1bには、細孔1lが形成されており、キャップ1bを押していく途中で、キャップ1bの中にある空気を細孔1lから外へ放出する。
【0041】
第6実施形態においては、逆止弁4は血液等を吸引する時が正方向になるように取り付けられている。すなわち、逆止弁4の流入側はスポイト筒1aの先端1eの側を向いており、逆止弁4の流出側はキャップ1bの側を向いている。
【0042】
第7実施形態の使い捨てピペット1は、図6(b)に示すように、第6実施形態の使い捨てピペットとほぼ同じである。相違点は、キャップ1bに細孔がないこと、及び逆止弁4の取付け方向が逆であることの2点である。すなわち、第7実施形態においては、血液等を吸引する時が逆方向になるように取り付けられている。
【0043】
第7実施形態の使い捨てピペットの使い方について説明する。初めに、キャップ1bを指で挟み押して、内部の空気を逆止弁4から、さらに先端1eを通して外部へ放出する。逆止弁4のため、外部から空気も液体も流入できず、キャップ1bはへこんだ状態に保たれる。先端1eを血液等の中へ入れる。その後に押圧用ボタン1gを指で押すと、逆止弁4が開状態となり、先端1eから逆止弁4を通ってキャップ1bへ向かって血液等が吸引される。ただし、指で押圧用ボタン1gを押している間だけ逆止弁4が開き血液等が吸引されるのであって、押圧用ボタン1gの押圧をやめると、直ちに逆止弁4は閉止状態となり、吸引されなくなる。吸引された血液等は空気通過性フィルター2を通過しない。
【0044】
本第7実施形態の使い捨てピペットを用いると、出血量の少ない人の血液を少量ずつ繰返し吸引して採取量を最終的に目的量にするのに便利であり、空気の混入を少なくすることができるとともに、もし、混入しても、先端1eを下にしてキャップ1bを上にして放置すれば、空気通過性フィルター2を通して混入した空気を分離、除去することが簡単にできる。
【0045】
【発明の効果】
第1の発明に係る使い捨てピペットは、スポイト筒内に空気通過性フィルターを取り付けているので、所定量範囲の血液等を容易に正確に採取することができる。
【0046】
また、請求項7に係る本発明の実施態様の使い捨てピペットによれば、スポイト筒が弾性変形したわみやすく、スポイト筒の先端を血液等の溜まっている面に当接してたわませると、多少キャップの位置が移動しても、スポイト筒は真直ぐに戻ろうとするので、常にスポイト筒の先端は血液等の溜まっている面に当接したままで移動しない。その結果、スポイト筒の先端は血液等の溜りから外れ出ることはなく、誤って空気を吸引することが極めて少なくなり、採取した血液等の中に気泡が混入することがほとんどない。
【0047】
また、第2の本発明に係る使い捨てピペットは、内部に逆止弁を有するスポイト筒と可撓性のキャップ兼液だめとが連通し、内部に逆止弁を有する排出ノズルと当該キャップ兼液だめとが連通しているので、血液等を吸入するとともに、排出ノズルの逆止弁を通して空気は排出される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の使い捨てピペットの概略図であり、(a)は第1実施形態を示し、(b)は第2実施形態を示す。
【図2】従来の使い捨てピペットの概略図である。
【図3】第3実施形態の使い捨てピペットの概略図である。
【図4】第4実施形態の使い捨てピペットの概略図である。
【図5】第5実施形態の使い捨てピペットの概略図である。
【図6】第6及び第7実施形態の使い捨てピペットの概略図であり、(a)は第6実施形態の使い捨てピペットの正面断面図であり、(b)は第7実施形態の使い捨てピペットの正面断面図である。
【符号の説明】
1 使い捨てピペット
1a スポイト筒
1b キャップ
1e スポイト筒の先端
1d 目印
1f スポイト筒
1g 押圧用ボタン
1h キャップ兼液だめ
1i 排出ノズル
1j スポイト筒
1k フィルター支持部
1l 細孔
2 空気通過性フィルター
3 液だめ
3a 接続部
3b 端部
4 逆止弁
4a 位置合せ用の突起
4b 位置合せ用の突起
4c 逆止弁
4d 逆止弁
5 従来の使い捨てピペット
5a スポイト筒
5b 蛇腹構造のキャップ
5c 目印
5d 目印
【発明の属する技術分野】
本発明は使い捨てピペットに関する。特に、血液、体液、尿(以下、「血液等」という。)の検査において用いる使い捨てピペットに関し、一定量の血液等を採取するのに用いる使い捨てピペットに関する。
【0002】
【従来の技術】
図2は従来の使い捨てピペットの概略図である。従来の使い捨てピペット5は、スポイト筒5aと蛇腹構造のキャップ5bとが連結してなり、スポイト筒5aの中には血液等の通過を阻止するフィルターはまったく取り付けられていない。スポイト筒5a及びキャップ5bは、いずれも透明で可撓性を有する材料でできている。そして、スポイト筒5aには目印5c、5dが付けてある。目印5cは採取すべき血液等の量の下限を示し、目印5dは採取すべき血液等の量の上限を示している。そして、スポイト筒5aの先端は開放されているが、他の部分と同一の外径、内径であり、幅を狭い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、目印5cと目印5dとの間に血液等を合せることは困難であり、何度も血液等の採取と排出を繰り返さないと、所定量の血液等を採取することはできない。
【0004】
また、ピペット中の血液等に気泡が混入しやすい。片手でスポイト筒5を人差し指と中指ではさみつつ、親指でキャップを押したり放したりして操作するが、ピペットの先端が細く血液等の中から出てしまい、空気を吸い込んでしまうためである。混入した気泡を従来のピペットでは取り除くことは困難である。その結果として、何度も血液等の採取と排出を繰り返さないと、気泡が混入していない血液等を採取できない。
【0005】
そこで、本発明の目的は、所定量の血液等を容易に正確に採取できるとともに、混入した気泡を取り除くことができる、比較的安価な使い捨てピペットを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、請求項1に記載の本発明に係る使い捨てピペット、すなわち、スポイト筒と可撓性のキャップとが連通している使い捨てピペットにおいて、スポイト筒内に空気通過性フィルターを取り付けてなる使い捨てピペットによって、達成される。
【0007】
また、上記目的は、請求項2に記載の本発明に係る使い捨てピペット、すなわち、スポイト筒と可撓性のキャップとが連通している使い捨てピペットにおいて、スポイト筒内に空気通過性フィルターを取付け、スポイト筒の先端と空気通過性フィルターの間のスポイト筒内に開放機構付き逆止弁を設け、逆止弁と空気通過性フィルターとの間に液だめを設けてなる使い捨てピペットによっても、達成される。
【0008】
さらに、上記目的は、請求項3に記載の本発明に係る使い捨てピペット、すなわち、内部に逆止弁を有するスポイト筒と可撓性のキャップとが連通し、これらの間に液だめを設け、内部に逆止弁を有する排出ノズルと可撓性のキャップとが連通し、スポイト筒の先端からキャップへ向かって液体を吸入でき、キャップから排出ノズルへ向かって液体及び空気を排出できる使い捨てピペットによっても、達成される。
【0009】
さらにまた、上記目的は、請求項4に記載の本発明に係る使い捨てピペット、すなわち、内部に逆止弁を有するスポイト筒と可撓性のキャップ兼液だめとが連通し、逆止弁を有する排出ノズルと可撓性のキャップとが連通し、スポイト筒の先端からキャップへ向かって液体を吸入でき、キャップから排出ノズルへ向かって液体及び空気を排出できる使い捨てピペットによっても、達成される。
【0010】
本発明の好ましい実施態様においては、請求項5に記載のように、空気通過性フィルターについて通過可能粒子径が0.2〜0.8μmである。
【0011】
また、本発明の他の好ましい実施態様においては、請求項6に記載のように、可撓性のキャップが取り外し可能である。
【0012】
さらに、本発明のさらに他の好ましい実施態様においては、請求項7に記載のように、スポイト筒の先端が幅広く、かつ、薄くなっている。
【0013】
さらにまた、本発明の別の好ましい実施態様においては、請求項8に記載のようにスポイト筒の先端が細くなっている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態の使い捨てピペットについて、添付図面を参照して説明する。
【0015】
図1は実施形態の使い捨てピペットの概略図であり、(a)は第1実施形態を示し、(b)は第2実施形態を示す。
【0016】
図1(a)に示すように、第1の実施形態の使い捨てピペット1もスポイト筒1aと蛇腹構造のキャップ5bとが連結してなる。
【0017】
そして、従来の使い捨てピペットとは異なり、目印1dが付されている位置のスポイト筒1aの内部に空気通過性フィルター2が取り付けてある。空気通過性フィルター2は、スポイト筒1aの内径とほぼ等しい外径で厚さtが0.3〜3mmの円板形状である。スポイト筒1aの内部に空気通過性フィルター2が取り付けてあり、血液等がスポイト筒1aの先端1eから流入した後に、目印1dを越えてキャップ1bの側へ入り込むのを完全に阻止する。空気通過性フィルター2は、空気を通過させるが、血液等を通過させない。その他のフィルターであっても通過可能粒子径が0.2〜0.8μmであれば使用することができる。一方、通過可能粒子径が0.8μmを超えると、血液等のうち液体部分が通過してしまうので使用できない。他方、通過可能粒子径が0.2μm未満であると、フィルターの価格が高くなるとともに、空気の通過抵抗が大きすぎ血液等の吸引に時間がかかったり、採取量下限まで吸引、採取できないこともあり使用できない。
【0018】
図1(b)に示すように、第2実施形態のピペット1においては、構造は第1実施例のピペットとほぼ同一であるが、スポイト筒1aの断面が中空の長方形である点で異なる。すなわち、外径の長方形の寸法は、短辺の長さがt2で、長辺の長さがw2である。内径の長方形の寸法は、肉厚tがほぼ一定であり、短辺の長さがt2−tで、長辺の長さがw2−tである。よって、スポイト筒1aは先端1eの幅が広いが、厚さは薄くなっており、しかも内側の長方形の長辺が先端に向かって直線的に増している。
【0019】
したがって、第2実施形態のピペットは、スポイト筒1aの厚さ方向にたわみやすく、材質も可撓性、弾性を有している。血液等が溜まっている面にスポイト筒1aの先端1eの長辺を接し、押し曲げた状態とすると、スポイト筒1aは弾性変形し、たわむ。この状態で多少キャップ1bの位置が移動しても、スポイト筒1aは真直ぐに戻ろうとするので、スポイト筒1aの先端1eは常に血液等が溜まっている面に接したままで移動しない。その結果として、スポイト筒1aの先端1eは血液等の溜りから外れ出ることはなく、誤って空気を吸引することは極めて少なくなる。故に、採取した血液等の中に気泡が混入することはほとんどない。
【0020】
万一、採取した血液等の中に気泡が混入した場合には、第1実施形態のピペット及び第2実施形態のピペットともに、キャップを上にし、スポイト筒の先端を下にして、放置するだけで気泡を除去することができる。比重差によって、気泡は上へ移動し、空気通過性フィルターを通過してキャップ内へ逃げ出してしまうためである。
【0021】
第1実施形態及び第2実施形態のピペットの材質は、透明性、可撓性、及び弾性を有するものであればよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、各種樹脂などを用いることができる。
【0022】
図3は第3実施形態の使い捨てピペットの概略図である。第3実施形態の使い捨てピペット1は、スポイト筒1a、1f、キャップ1bが順に直線上に連結し、スポイト筒1fの側方へ液だめ3が連結している。スポイト筒1aとスポイト筒1fとの間の内部には逆止弁4が取り付けてあり、スポイト筒1aの先端1eから血液等を吸引することはできるが、逆流しないように設計されている。
【0023】
逆止弁4は、カラス口状であり、材質はシリコーンゴムなどの弾性材料であり、有害物質の溶出量が安全基準以下であればよい。また、逆止弁4の円筒部の外側面には位置合せ用の突起4a、4bが設けてあるので、スポイト筒1fへ逆止弁4を取り付ける際に、円周方向の位置合せを容易に、正確に、再現性良く、行うことができる。
【0024】
液だめ3は、接続部3aの近くが円筒状であり、端部3bが半球状である。そして接続部3aは透明であり、採取すべき血液等の量の上限及び下限を示す目印が付されている。端部3bを下にして液だめ3を直立させると、血液等は液だめ3の端部3bから溜り、液面は接続部3aの近くまで達する。したがって、液面が上限及び下限を示す目印の間にあれば、採取すべき量となる。液だめ3とスポイト筒1fとは着脱自在であるので、血液等を採取した後に他の容器に血液等を移したり、検査用器具に血液等を移すのが容易である。
【0025】
キャップ1bとスポイト筒1fとの間には、空気通過性フィルター2が取り付けてある。キャップ1bが押し込んだ後に指を放して、キャップ1bが元の形状に戻る間に血液等がスポイト筒1aの先端1eから吸入される。しかし、空気通過性フィルター2によって、血液等がキャップ1bの中に侵入するのが阻止される。
【0026】
本第3実施形態の使い捨てピペットにおいては、キャップ1bとスポイト筒1fとが着脱自在となっている。使い捨てピペットを用いて血液等を採取した後に廃棄しようとする時に、キャップ1bには血液等が侵入しておらず、汚れていないので、キャップ1bを取り外して、キャップ1bは一般廃棄物として廃棄することができる。その他は医療廃棄物として専門業者に処理を依頼する。そのため、医療廃棄物の量が減少する。
【0027】
図4は、第4実施形態の使い捨てピペットの概略図である。第4実施形態の使い捨てピペット1は、スポイト筒1a、1f、キャップ1bが順に直線上に連結している。スポイト筒1fの中には内径の大きな液だめ3が形成されている。スポイト筒1aとスポイト筒1fとの間の内部には、逆止弁4が取り付けられてあり、スポイト筒1aの先端1eから血液等を吸引することはできるが、逆流しないように設計されている。
【0028】
逆止弁4は、カラス口状であり、材質はシリコーンゴムなどの弾性材料であり、有害物質の溶出量が安全基準以下であればよい。また、逆止弁4の円筒部の外側面には位置合せ用の突起4a、4bが設けてあるので、スポイト筒1fへ逆止弁4を取り付ける際に、円周方向の位置合せを容易に、正確に、再現性良く、行うことができる。
【0029】
スポイト筒1fのうちで、逆止弁4のカラス口部を包む部分には、押圧用ボタン1g、1gが設けてあり、その周辺は柔軟な弾性材料となっている。押圧用ボタン1g、1gを指で挟んで圧縮すると、逆止弁4のカラス口部の直線当接部をその直線方向に圧縮し、カラス口部がそれぞれ弓状にわん曲して開口する。すなわち、押圧用ボタン1g、1gとを指で挟んで圧縮すると、流入側と流出側との圧力差にかかわらず、逆止弁4は開口し液体が流通可能となる。他方、指を放すと、押圧用ボタン1g、1gは元の位置に戻り、逆止弁4は閉止される。
【0030】
キャップ1bとスポイト筒1fとの間には、空気通過性フィルター2が取り付けてある。キャップ1bが押し込んだ後に指を放して、キャップ1bが元の形状に戻る間に血液等がスポイト筒1aの先端1eから吸入される。しかし、空気通過性フィルター2によって、血液等がキャップ1bの中に侵入するのが阻止される。
【0031】
本第4実施形態の使い捨てピペットにおいては、キャップ1bとスポイト筒1fとが着脱自在となっている。使い捨てピペットを用いて血液等を採取した後に廃棄しようとする時に、キャップ1bには血液等が侵入しておらず、汚れていないので、キャップ1bを取り外して、キャップ1bは一般廃棄物として廃棄することができる。その他は医療廃棄物として専門業者に処理を依頼する。そのため、医療廃棄物の量が減少する。
【0032】
図5は、第5実施形態の使い捨てピペットの概略図である。第5実施形態の使い捨てピペットにおいては、スポイト筒1a、キャップ兼液だめ1h、排出ノズル1iが順に直線上に連結している。スポイト筒1aとキャップ兼液だめ1hとの間の内部には逆止弁4cが取り付けてある。排出ノズル1iとキャップ兼液だめ1hとの間の内部にも逆止弁4dが取り付けてある。スポイト筒1aの先端から血液等を吸引することはできるが、逆流しないように設計されている。そして、吸引された血液等はキャップ兼液だめ1hに貯えられる。
【0033】
採取された血液等を排出する時には、排出ノズル1iを下に向けてキャップ兼液だめ1hを指で圧縮すると、血液等は、逆止弁4dを通過し排出ノズル1iの先端から血液等が排出される。
【0034】
第5実施形態の使い捨てピペットにおいては、空気通過性フィルターを用いていない。
【0035】
図6は、第6及び第7実施形態の使い捨てピペットの概略図であり、(a)は第6実施形態の使い捨てピペットの正面断面図であり、(b)は第7実施形態の使い捨てピペットの正面断面図である。
【0036】
第6実施形態の使い捨てピペット1は、スポイト筒1a、1f、1j、キャップ1bが順に直線上に連結している。スポイト筒1fの外側面には2つの押圧用ボタン1g、1gが中心軸を挟んで対向して設けている。押圧用ボタン1gの周辺のスポイト筒1fは柔軟な弾性材料となっている。
【0037】
そして、スポイト筒1fの内部のスポイト筒1a側には逆止弁4が取り付けられている。逆止弁4はカラス口状であり、そのカラス口部は押圧用ボタン1g、1gの間に位置している。そして、押圧用ボタン1g、1g指で挟んで圧縮すると、逆止弁4のカラス口部の直線当接部をその直線方向に圧縮し、カラス口部がそれぞれ弓状にわん曲して開口する。
【0038】
スポイト筒1fの内部のスポイト筒1j側には液だめ3が形成されている。液だめ3には、必要に応じて、採取すべき量を示す目印を付けてもよい。
【0039】
スポイト筒1fとスポイト筒1jとの接続部には、空気通過性フィルター2が取り付けてある。空気通過性フィルター2をキャップ1b側から支持するために、4枚の板羽状のフィルター支持部1kが中心軸のまわりに90°間隔で取り付けてある。空気通過性フィルター2は空気を通過するが、血液等は通過しない。そのため、採取した血液等に混入した気泡を空気通過性フィルター2によって、簡単に除去することができる。
【0040】
キャップ1bには、細孔1lが形成されており、キャップ1bを押していく途中で、キャップ1bの中にある空気を細孔1lから外へ放出する。
【0041】
第6実施形態においては、逆止弁4は血液等を吸引する時が正方向になるように取り付けられている。すなわち、逆止弁4の流入側はスポイト筒1aの先端1eの側を向いており、逆止弁4の流出側はキャップ1bの側を向いている。
【0042】
第7実施形態の使い捨てピペット1は、図6(b)に示すように、第6実施形態の使い捨てピペットとほぼ同じである。相違点は、キャップ1bに細孔がないこと、及び逆止弁4の取付け方向が逆であることの2点である。すなわち、第7実施形態においては、血液等を吸引する時が逆方向になるように取り付けられている。
【0043】
第7実施形態の使い捨てピペットの使い方について説明する。初めに、キャップ1bを指で挟み押して、内部の空気を逆止弁4から、さらに先端1eを通して外部へ放出する。逆止弁4のため、外部から空気も液体も流入できず、キャップ1bはへこんだ状態に保たれる。先端1eを血液等の中へ入れる。その後に押圧用ボタン1gを指で押すと、逆止弁4が開状態となり、先端1eから逆止弁4を通ってキャップ1bへ向かって血液等が吸引される。ただし、指で押圧用ボタン1gを押している間だけ逆止弁4が開き血液等が吸引されるのであって、押圧用ボタン1gの押圧をやめると、直ちに逆止弁4は閉止状態となり、吸引されなくなる。吸引された血液等は空気通過性フィルター2を通過しない。
【0044】
本第7実施形態の使い捨てピペットを用いると、出血量の少ない人の血液を少量ずつ繰返し吸引して採取量を最終的に目的量にするのに便利であり、空気の混入を少なくすることができるとともに、もし、混入しても、先端1eを下にしてキャップ1bを上にして放置すれば、空気通過性フィルター2を通して混入した空気を分離、除去することが簡単にできる。
【0045】
【発明の効果】
第1の発明に係る使い捨てピペットは、スポイト筒内に空気通過性フィルターを取り付けているので、所定量範囲の血液等を容易に正確に採取することができる。
【0046】
また、請求項7に係る本発明の実施態様の使い捨てピペットによれば、スポイト筒が弾性変形したわみやすく、スポイト筒の先端を血液等の溜まっている面に当接してたわませると、多少キャップの位置が移動しても、スポイト筒は真直ぐに戻ろうとするので、常にスポイト筒の先端は血液等の溜まっている面に当接したままで移動しない。その結果、スポイト筒の先端は血液等の溜りから外れ出ることはなく、誤って空気を吸引することが極めて少なくなり、採取した血液等の中に気泡が混入することがほとんどない。
【0047】
また、第2の本発明に係る使い捨てピペットは、内部に逆止弁を有するスポイト筒と可撓性のキャップ兼液だめとが連通し、内部に逆止弁を有する排出ノズルと当該キャップ兼液だめとが連通しているので、血液等を吸入するとともに、排出ノズルの逆止弁を通して空気は排出される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の使い捨てピペットの概略図であり、(a)は第1実施形態を示し、(b)は第2実施形態を示す。
【図2】従来の使い捨てピペットの概略図である。
【図3】第3実施形態の使い捨てピペットの概略図である。
【図4】第4実施形態の使い捨てピペットの概略図である。
【図5】第5実施形態の使い捨てピペットの概略図である。
【図6】第6及び第7実施形態の使い捨てピペットの概略図であり、(a)は第6実施形態の使い捨てピペットの正面断面図であり、(b)は第7実施形態の使い捨てピペットの正面断面図である。
【符号の説明】
1 使い捨てピペット
1a スポイト筒
1b キャップ
1e スポイト筒の先端
1d 目印
1f スポイト筒
1g 押圧用ボタン
1h キャップ兼液だめ
1i 排出ノズル
1j スポイト筒
1k フィルター支持部
1l 細孔
2 空気通過性フィルター
3 液だめ
3a 接続部
3b 端部
4 逆止弁
4a 位置合せ用の突起
4b 位置合せ用の突起
4c 逆止弁
4d 逆止弁
5 従来の使い捨てピペット
5a スポイト筒
5b 蛇腹構造のキャップ
5c 目印
5d 目印
Claims (8)
- スポイト筒と可撓性のキャップとが連通している使い捨てピペットにおいて、スポイト筒内に空気通過性フィルターを取り付けてなる使い捨てピペット。
- スポイト筒と可撓性のキャップとが連通している使い捨てピペットにおいて、スポイト筒内に空気通過性フィルターを取り付け、スポイト筒の先端と空気通過性フィルターの間のスポイト筒内に開放機構付き逆止弁を設け、逆止弁と空気通過性フィルターとの間に液だめを設けてなる使い捨てピペット。
- 内部に逆止弁を有するスポイト筒と可撓性のキャップとが連通し、これらの間に液だめを設け、内部に逆止弁を有する排出ノズルと可撓性のキャップとが連通し、スポイト筒の先端からキャップへ向かって液体を吸入でき、キャップから排出ノズルへ向かって液体及び空気を排出できる使い捨てピペット。
- 内部に逆止弁を有するスポイト筒と可撓性のキャップ兼液だめとが連通し、逆止弁を有する排出ノズルと可撓性のキャップとが連通し、スポイト筒の先端からキャップへ向かって液体を吸入でき、キャップから排出ノズルへ向かって液体及び空気を排出できる使い捨てピペット。
- 空気通過性フィルターについて、通過可能粒子径が0.2〜0.8μmである請求項1または2に記載の使い捨てピペット。
- 可撓性のキャップが取り外し可能である請求項1または2に記載の使い捨てピペット。
- スポイト筒の先端が幅が広く、かつ、薄くなっている請求項1から6までのいずれか1つに記載の使い捨てピペット。
- スポイト筒の先端が細くなっている請求項1から6までのいずれか1つに記載の使い捨てピペット。
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