JP2019058850A - 硫黄酸化物を含むガスの脱硫方法および脱硫装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】6価セレンの生成の抑制と、被処理ガスの脱硫とを、高次元に達成し得る脱硫方法および脱硫装置を提供する。【解決手段】硫黄酸化物を含む被処理ガスに加湿液を接触させる加湿液接触工程と、前記被処理ガスをアルカリ剤含有液中にバブリングして、該アルカリ剤含有液および酸素と接触させて前記硫黄酸化物を除去する硫黄酸化物除去工程と、前記アルカリ剤含有液を循環させて、前記加湿液接触工程の加湿液またはその一部とする循環工程と、前記加湿液接触工程の加湿液の少なくとも一部を取得する加湿液取得工程と、該加湿液取得工程で取得された加湿液から、前記硫黄酸化物と前記アルカリ剤含有液と前記酸素との反応の生成物を回収する生成物回収工程と、前記加湿液取得工程で取得された加湿液の酸化還元電位を測定する酸化還元電位測定工程と、前記酸化還元電位に基づいて、前記加湿液取得工程における加湿液の取得量を制御する制御工程とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、硫黄酸化物を含むガスの脱硫方法および脱硫装置に関する。
石炭焚き炉や石炭焚火力発電所から排出される燃焼排ガスには硫黄酸化物(SOx)が含まれており、この硫黄酸化物は脱硫装置によって取り除かれる。脱硫装置において硫黄酸化物を含むガスから硫黄酸化物を除去する方法としては、ジェットバブリング式やスプレ式などの脱硫方法が知られているが、ジェットバブリング式の脱硫方法が脱硫性能に優れていることから広く用いられている。ジェットバブリング式の脱硫方法とは、硫黄酸化物を含むガスをアルカリ剤含有液中にバブリングし、アルカリ剤および酸素と硫黄酸化物とを反応させて硫黄酸化物を除去する方法である。
また、脱硫装置から排出される排水には、窒素酸化物やCOD(Chemical Oxygen Demand)成分が含まれているため、排水処理装置を用いてこれらを取り除く排水処理を行っている。ところが、排水処理装置を用いて脱硫装置の排水処理を行う場合、排水処理装置の性能の低下が問題となっていた。
そこで特許文献1に記載のジェットバブリング式を用いた脱硫方法では、被処理ガスと接触させる加湿液を、反応槽内の酸素との接触を減少させた状態(還元性が高い状態)で排出し、排水処理装置の劣化につながる酸化性物質の生成を抑制している。この特許文献1にかかる脱硫方法によれば、簡素な構成で排水処理装置への負荷を抑制し、且つ、生成物を高回収率および高純度で回収することができる。
ところで、脱硫装置から排出される排水には、セレン化合物も含まれており、様々な国で排出規制が設けられている。セレン化合物のうち、4価のセレン(Se4+)は容易に処理できるが、6価のセレン(Se6+)は不溶化が困難であるため取り除くことが難しいという問題があった。なお、6価のセレンは4価のセレンが酸化されることによって生成されるが、液中に吸収された硫黄酸化物を酸化するために酸素を供給することが必要であるため、これに伴った4価のセレンから6価のセレンへの酸化反応は避けられないものである。このため、6価セレンを取り除くために、専用の処理装置を新たに設ける必要があった。
そこで、6価セレンを取り除くための新たな専用の処理装置を要しない6価セレンの生成が抑制された脱硫システムを実現するために、種々の検討が為されている。例えば特許文献2に記載のスプレ式の脱硫装置では、脱硫の際に用いられる酸化空気の流量を、吸収液中のHSO3 -の濃度に応じて調整することで6価セレンの生成を抑制している。
また、特許文献3および4では、スプレ式の脱硫装置の脱硫性能を向上させる目的で、吸収塔内の酸化還元電位に基づき酸化空気の流量や吸収塔内の吸収剤スラリの供給・排出量を調節し、吸収塔内の過酸化状態を解消する技術が開示されている。
特開2015−71141号公報 特開平10−202050号公報 特開平8−266857号公報 特開2008−178785号公報
ところが、本発明者等が検討したところ、特許文献1に記載のジェットバブリング式を用いた脱硫方法において、特許文献2に記載の方法のように酸化空気の流量を調整すると、6価セレンの生成は抑制できるものの脱硫性能が低下してしまうという問題があった。また、特許文献3および4に記載の技術によっても、6価セレンの生成の抑制と脱硫性能とを高次元に達成するということは実現できず、さらなる改善が求められていた。
そこで本発明は、6価セレンの生成の抑制と、被処理ガスの脱硫と、を高次元に達成し得る脱硫方法および脱硫装置を提供することを目的とする。
本発明にかかる硫黄酸化物を含むガスの脱硫方法は、硫黄酸化物を含む被処理ガスに加湿液を供給して接触させる加湿液接触工程と、該加湿液接触工程で前記加湿液と接触した前記被処理ガスを、アルカリ剤含有液中にバブリングして、該アルカリ剤含有液および酸素と接触させて該被処理ガスから前記硫黄酸化物を除去する硫黄酸化物除去工程と、該硫黄酸化物除去工程で前記被処理ガスおよび前記酸素が接触した前記アルカリ剤含有液を循環させて、前記加湿液接触工程において供給される前記加湿液またはその一部とするアルカリ剤含有液循環工程と、前記加湿液接触工程で前記被処理ガスと接触した前記加湿液の少なくとも一部を取得する加湿液取得工程と、該加湿液取得工程で取得された加湿液から、前記硫黄酸化物と前記アルカリ剤含有液と前記酸素との反応により生じた生成物を回収する生成物回収工程と、前記加湿液取得工程で取得された加湿液の酸化還元電位を測定する酸化還元電位測定工程と、該酸化還元電位測定工程で取得された酸化還元電位に基づいて、前記加湿液取得工程における加湿液の取得量を制御する制御工程と、を備えることを特徴とする。
また、本発明にかかる脱硫装置は、被処理ガスが導入される被処理ガス導入路に連通する加湿液接触室と、前記被処理ガスが排出される被処理ガス排出口および前記加湿液接触室に連通すると共に該加湿液接触室の下側に設けられアルカリ剤含有液をその下部に収容するアルカリ剤含有液室と、を有する反応槽と、前記被処理ガスに加湿液を噴霧する加湿液供給管と、前記アルカリ剤含有液室が収容する前記アルカリ剤含有液中に酸素を供給する酸素供給管と、前記アルカリ剤含有液室が収容する前記アルカリ剤含有液を抜き出して前記加湿液供給管に供給するアルカリ剤含有液循環手段と、前記加湿液供給管から噴霧された前記加湿液の少なくとも一部を取得する加湿液取得手段と、前記加湿液接触室の底面から下方に延び、該加湿液接触室で前記加湿液と接触した被処理ガスを前記アルカリ剤含有液室が収容する前記アルカリ剤含有液中に分散するための気体下降管と、前記加湿液取得手段が取得した加湿液の酸化還元電位を測定する酸化還元電位測定手段と、前記加湿液取得手段が取得した加湿液を固液分離する固液分離手段と、前記酸化還元電位測定手段が測定した酸化還元電位に基づいて、前記加湿液取得手段が取得する前記加湿液の量を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、6価セレンの生成の抑制と、被処理ガスの脱硫とを、高次元に達成し得る脱硫方法および脱硫装置を提供することができる。
本発明の硫黄酸化物を含むガスの脱硫方法を適用することができるジェットバブリング式の脱硫装置の一例を示す模式図である。 図1の要部拡大図であり、図2(a)は第1隔壁18を含む水平方向断面図、図2(b)は垂直方向断面図である。 本発明の硫黄酸化物を含むガスの脱硫方法を適用することができるジェットバブリング式の脱硫装置の他の例を示す模式図である。 本発明の硫黄酸化物を含むガスの脱硫方法を適用することができるジェットバブリング式の脱硫装置のさらに他の例を示す模式図である。 ポットの概略の構成を示す断面図である。
[実施形態1]
本発明の硫黄酸化物を含むガスの脱硫方法を適用できる脱硫装置を、図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態1にかかる硫黄酸化物を含むガスの脱硫方法を適用することができるジェットバブリング式の脱硫装置の一例を示す模式図である。ジェットバブリング式とは、反応槽の下部に収容されたアルカリ剤含有液中に被処理ガスおよび酸素を導入し、被処理ガスとアルカリ剤含有液とを気液接触させてジェットバブリング層を形成しつつこれらを反応させ、硫黄酸化物を除去する方式である。
(硫黄酸化物、被処理ガス)
本発明において、硫黄酸化物(SOx)としては、例えば亜硫酸ガス、あるいは、亜硫酸ガスが水に溶解したものなどの各種形態の二酸化硫黄等が挙げられる。そして、硫黄酸化物を含むガス(被処理ガス)としては、石炭焚き炉や石炭焚火力発電所から排出される燃焼排ガス等が挙げられる。なお、例えば石炭の燃焼排ガス中には石炭由来のセレンが一定量含まれることが一般的であり、本発明ではこのような被処理ガス中に含まれるセレンに由来する6価セレンの生成を抑制することを目的の一つとしている。したがって、本発明にかかる硫黄酸化物を含むガスの脱硫方法において対象とする被処理ガスとしては、石炭の燃焼排ガスに限らず、例えば、石炭以外の燃料の燃焼排ガスであってセレンおよび硫黄酸化物を含有するガス等、種々の排ガスがその対象に含まれ得る。
(脱硫装置の全体構成)
図1に示すように、ジェットバブリング式の脱硫装置10は、円筒状のジェットバブリング式の反応槽11を有する。なお、反応槽11は円筒状に限られるものではなく、箱形状(直方体形状)等の任意の形状とすることができる。
また、ジェットバブリング式の脱硫装置10は、反応槽11に被処理ガスを導入するガス導入手段として、反応槽11の側壁中央部付近に設けられた被処理ガス導入路12と、反応槽11で脱硫処理された被処理ガスを反応槽11から排出するガス排出手段として、反応槽11の側壁上部に設けられた被処理ガス排出口13と、を有する。
反応槽11は、その内部の鉛直方向中央部に設けられた、被処理ガス導入路12と連通する加湿液接触室14と、加湿液接触室14の下側に設けられた、加湿液接触室14と連通し下部にアルカリ剤含有液15が収容されるアルカリ剤含有液室16と、加湿液接触室14の上側に設けられた、アルカリ剤含有液室16および被処理ガス排出口13と連通する被処理ガス排出室17と、を有する。この加湿液接触室14とアルカリ剤含有液室16とは、反応槽11を横断する第1隔壁18で仕切られ、加湿液接触室14と被処理ガス排出室17とは、反応槽11を横断する第2隔壁19で仕切られている。
そして、加湿液接触室14とアルカリ剤含有液室16とは、第1隔壁18から下方に延びアルカリ剤含有液15の液面21よりも下方まで達するように設けられた複数の気体下降管22、ならびに、第1隔壁18からアルカリ剤含有液15の液面21よりも下方であって気体下降管22の下端よりも下方に達するように設けられた複数の第1液体下降管23および第2液体下降管24により連通されている。
アルカリ剤含有液室16内の液面21上の空間である空間部26は、加湿液接触室14の水平方向中央部を貫通する連通管25により被処理ガス排出室17と連通されている。空間部26に連通するように被処理ガス排出口13を設け、空間部26が被処理ガス排出室17を兼ねるようにし、被処理ガス排出室17や連通管25を省略してもよい。
アルカリ剤含有液室16には、アルカリ剤含有液15を撹拌する撹拌機27が設けられている。
(加湿液供給管、アルカリ剤含有液循環手段)
被処理ガス導入路12内には、配管31を経由して加湿液となる工業用排水を被処理ガスに噴霧する、工業用水供給管32が設けられている。配管31および工業用水供給管32は、必ずしも設けられていなくてもよい。
加湿液とは、硫黄酸化物を含むガスである被処理ガスを加湿して、乾燥によるスケール(被処理ガスの含有成分の濃縮等により装置内や配管内に生じる析出物)の発生を抑制することができる液体である。工業用排水や後述するアルカリ剤含有液以外に加湿液として用いられるものとしては特に制限はなく、例えば、水などが挙げられる。
本発明では、硫黄酸化物の除去に用いられているアルカリ剤含有液室16中のアルカリ剤含有液15を循環させて、加湿液またはその一部として用いる。このため、反応槽11のアルカリ剤含有液室16の側面下部には、配管33を経由してアルカリ剤含有液15を抜き出すポンプ34が設けられている。そして、被処理ガス導入路12内には、抜き出したアルカリ剤含有液15を、ポンプ34の出口側に接続された配管35を経由して加湿液として被処理ガスに供給する、第1加湿液供給管36が設けられている。また、加湿液接触室14内には、抜き出したアルカリ剤含有液15を、ポンプ34の出口側に接続された配管35を経由して加湿液として被処理ガスに供給する、第2加湿液供給管37が設けられている。第2加湿液供給管37は、必ずしも設けられていなくてもよい。
この第1加湿液供給管36、および必要に応じて設けられる第2加湿液供給管37、工業用水供給管32が、加湿液を被処理ガスに供給して接触させる、加湿液接触手段を構成している。なお、図1に示す本発明の実施形態1において設けられている第3加湿液供給管46(詳細は後述する)も、加湿液接触手段を構成している。被処理ガスは、被処理ガス導入路12から加湿液接触室14に導入され、気体下降管22を介してアルカリ剤含有液室16に至るまでの間に、加湿液が接触することで加湿される。
配管33、ポンプ34、配管35が、アルカリ剤含有液循環手段を構成しており、アルカリ剤含有液室16から抜き出されたアルカリ剤含有液を循環させ、加湿液接触手段を構成する第1加湿液供給管36および第2加湿液供給管37から供給される加湿液としている。
(硫黄酸化物除去手段)
また、アルカリ剤含有液15中には、加湿液との接触により加湿された被処理ガスが、気体下降管22を介してバブリングされる。そして、反応槽11のアルカリ剤含有液室16の底部近傍には、図示しない酸素供給源から酸素を供給する酸素供給管38が設けられている。酸素供給管38からアルカリ剤含有液15中に供給された酸素は、アルカリ剤含有液15に溶解して、気体下降管22からアルカリ剤含有液室16に供給された被処理ガス中の硫黄酸化物(およびアルカリ剤)と反応する。酸素供給管38は酸素を含む気体を供給できればよく、例えば、空気を供給してもよい。被処理ガス中に含まれる硫黄酸化物は、アルカリ剤含有液15と接触することで溶解し、被処理ガス中から除去される。アルカリ剤含有液15中に溶解した硫黄酸化物はアルカリ剤含有液15中のアルカリ剤および酸素と反応し、その生成物はアルカリ剤含有液15と共にアルカリ剤含有液室16から配管33を介して抜き出される。アルカリ剤含有液15が収容されたアルカリ剤含有液室16、気体下降管22および酸素供給管38が硫黄酸化物除去手段を構成している。
(加湿液取得手段)
被処理ガスに供給され、被処理ガスを加湿した加湿液は、その自重により被処理ガスから沈降分離した後、少なくとも一部が第1液体下降管23を下降する。第1液体下降管23内の下端近傍であってアルカリ剤含有液15の液面21よりも下側には、第1液体下降管23を下降した加湿液を抜き出すために、ポンプ41に接続された配管42が配置されている。複数の第1液体下降管23は、下端近傍で図示しない水平方向の連結管で連結され、この連結管に配管42の一端が挿入され、ポンプ41を動作することにより、第1液体下降管23を下降した加湿液を抜き出すことができる構造となっている。この第1液体下降管23、ポンプ41および配管42が、供給された加湿液の少なくとも一部を取得する加湿液取得手段を構成している。なお、第1液体下降管23はその下端においてアルカリ剤含有液室16と連通しているため、第1液体下降管23を下降してきた加湿液のみではなく、第1液体下降管23の下端周囲のアルカリ剤含有液15も配管42を介して共に抜き出される仕組みとなっている。
(ガス除去手段)
そして、第1液体下降管23を下降した加湿液を抜き出す配管42の途中には、抜き出された加湿液中の空気等のガスを除去するエアセパレータ61が、反応槽11外に設けられている。ガスを除去する手段としてはエアセパレータ61に限定されず、抜き出された加湿液中の空気等のガスを除去することができる手段であれば特に制限はない。
なお、第1液体下降管23から「抜き出された加湿液」とは、前述のとおり共に抜き出される第1液体下降管23を下降してきた加湿液と、アルカリ剤含有液室16中のアルカリ剤含有液15と、を含む意味であり、以下においても同様である。
(酸化還元電位測定手段)
また、抜き出された加湿液の酸化還元電位を測定する酸化還元電位測定手段50が、エアセパレータ61中に設けられている。酸化還元電位測定手段50は、抜き出された加湿液の酸化還元電位を測定することができる手段であれば特に制限はない。また、酸化還元電位測定手段の設置位置はエアセパレータ61の内部に限定されず、第1液体下降管23から抜き出された加湿液の酸化還元電位を正確に測定できる位置であればいずれの場所であってもよい。酸化還元電位測定手段50が測定した酸化還元電位は、詳細を後述する制御手段(不図示)に送られる。
(生成物回収手段)
第1液体下降管23を下降した加湿液を抜き出すためのポンプ41の後段には、ポンプ41の出口側に接続された配管43を経由した加湿液を固液分離して、硫黄酸化物と酸素とアルカリ剤含有液との反応の生成物を回収する固液分離手段44が設けられている。固液分離手段44が生成物回収手段である。
(排水処理装置)
固液分離手段44の後段には、固液分離手段44に接続された配管45を経由して、固液分離手段44で生成物が回収された後の回収残液から窒素化合物やCOD等を除去して排水として排出可能とするための排水処理装置が接続されている。なお、この排水処理装置に送られる液体に含まれる6価セレンの量を低減することが本発明の目的の一つである。
(回収残液循環手段)
また、固液分離手段44に接続された配管45から分岐された配管49は、第3加湿液供給管46に接続されている。固液分離手段44で生成物が回収された後の回収残液を配管49によって循環させて、加湿液の一部としている。
この配管49が回収残液循環手段を構成しており、固液分離手段44により生成物が回収された後の回収残液の一部を循環させ、加湿液接触手段を構成する第3加湿液供給管46から供給される加湿液としている。
配管49は必ずしも設けられていなくてもよいが、設けられていることが好ましい。第1液体下降管23から抜き出される加湿液は、被処理ガス中に噴霧されて充分に被処理ガスと接触した後に第1液体下降管23を下降した加湿液が含まれるため、還元性が高い状態で固液分離手段44に至り、第3加湿液供給管46から供給される。一方、配管33から抜き出される加湿液は、酸素供給管38から供給される酸素と接したアルカリ剤含有液15が被処理ガスと充分に接することなく抜き出されるため、第1液体下降管23から抜き出される加湿液よりも還元性が低い状態で第1加湿液供給管36から供給される。このため、第1加湿液供給管36のみではなく、第3加湿液供給管46を設けて、配管49を介して回収残液を加湿液として用いることで酸化還元電位の調整が容易となる。
(アルカリ剤導入手段)
配管45から分岐された配管47は、反応槽11のアルカリ剤含有液室16に接続されている。配管47には、固液分離された回収残液の一部を再びアルカリ剤含有液室16中のアルカリ剤含有液15として利用可能にするために、石灰石等のアルカリ剤を導入するアルカリ剤導入手段48が途中に設けられている。
(気体下降管、第1液体下降管、第2液体下降管)
ここで、気体下降管22、第1液体下降管23、第2液体下降管24について、図2を参照しながらより詳細に説明する。図2は図1の要部拡大図であり、図2(a)は第1隔壁18を含む水平方向断面図、図2(b)は垂直方向断面図である。
気体下降管22は、加湿液接触室14とアルカリ剤含有液室16とを連通する管である。加湿液との接触により加湿された被処理ガスが気体下降管22の内部を下降し、加湿液接触室14からアルカリ剤含有液室16中のアルカリ剤含有液15に至る。
第1液体下降管23は加湿液接触室14とアルカリ剤含有液室16とを連通する管であって、その内部を下降する加湿液をアルカリ剤含有液室16中のアルカリ剤含有液15と共にアルカリ剤含有液室16の外に抜き出す配管42とも連通している。
第2液体下降管24は加湿液接触室14とアルカリ剤含有液室16とを連通する管である。第2液体下降管24の内部を下降する加湿液はすべてアルカリ剤含有液室16中に流入し、アルカリ剤含有液15となる。
複数の気体下降管22、第1液体下降管23、第2液体下降管24は、第1隔壁18において上端がほぼ均一なるように配置されている。気体下降管22の下側には、気体下降管22から噴出される被処理ガスがアルカリ剤含有液15中に分散するように、複数の小さな開口が設けられている。また、複数の第1液体下降管23および複数の第2液体下降管24は、図2に示すように、被処理ガス導入路12と加湿液接触室14との接合部近傍の第1隔壁18に、第1隔壁18の縁に沿って等間隔に複数設けられている。
被処理ガスと接触した後の加湿液はその自重により被処理ガスから沈降分離し、第1液体下降管23および第2液体下降管24に流入する。一方、加湿液との接触により加湿された被処理ガスは、加湿液がその自重によって沈降分離された後、気体下降管22に流入する。
気体下降管22、第1液体下降管23および第2液体下降管24のそれぞれの下端から液面21までの距離は特に限定されないが、上述したように、気体下降管22の下端よりも下方に達するように複数の第1液体下降管23および第2液体下降管24が設けられている。例えば、気体下降管22の下端から液面21までの距離は0.1〜1.0m、第1液体下降管23や第2液体下降管24の下端から液面21までの距離は0.1〜1.0mである。また、各下降管の長さも特に限定されない。例えば、気体下降管22の長さは2.0〜4.0m、第1液体下降管23や第2液体下降管24の長さは2.0〜4.5mである。
気体下降管22、第1液体下降管23、第2液体下降管24の形状や大きさに特に限定はない。気体下降管22、第1液体下降管23、第2液体下降管24がそれぞれ円筒状の場合、例えば、気体下降管22の直径は0.1〜0.2m、第1液体下降管23の直径は0.5〜1.0m、第2液体下降管24の直径は0.5〜1.0mである。
加湿液の第1液体下降管23および第2液体下降管24への流れ込みを促進し、気体下降管22への流れ込みを抑制するために、第1隔壁18の上面における第1液体下降管23および第2液体下降管24と気体下降管22との間に、加湿液の流れをせき止める堰き止め板を設けてもよい。堰き止め板について、図2を用いてさらに説明する。図2(a)および図2(b)に示すように、第1隔壁18上における第1液体下降管23および第2液体下降管24の被処理ガスの流れから見て下流側には、加湿液の流れをせき止める堰き止め板51が設けられている。そして、堰き止め板51は、加湿液が第1液体下降管23および第2液体下降管24に流れ込みやすくなるために、被処理ガス導入路12側に曲がった曲がり部51aを平面視の両端に有し、また、上部が被処理ガス導入路12側に約45度傾いている傾斜部51bを有する。
図1および図2においては、気体下降管22、第1液体下降管23、第2液体下降管24をそれぞれ複数設けたもの(気体下降管17本、第1液体下降管23が2本、第2液体下降管24が3本)を示したが、一つのみが設けられていてもよい。また、連通管25は一つのみが設けられているものを示したが、複数設けられていてもよい。
なお、第2液体下降管24は、必ずしも設けられていなくてもよい。すなわち、1本以上の任意の本数の第1液体下降管23と、0本以上の任意の本数の第2液体下降管24とを、被処理ガス導入路12と加湿液接触室14との接合部近傍の第1隔壁18に、第1隔壁18の縁に沿って任意の配置関係で設けることができる。
(制御手段)
前述したように、制御手段(不図示)には、酸化還元電位測定手段50が測定したエアセパレータ61中の液の酸化還元電位が送られてくる。制御手段は、この酸化還元電位に基づいて、第1液体下降管23を下降して抜き出される加湿液の量(取得量)を制御する。
なお、第1液体下降管23を下降して抜き出される加湿液とは、アルカリ剤含有液15は含まないものを意味する。したがって、「取得量」とは、第1液体下降管23を下降して抜き出される加湿液の量の意味であり、共に抜き出されるアルカリ剤含有液室16中のアルカリ剤含有液15の量は含まない。以下においても同様である。
加湿液の取得量の具体的な制御方法としては、例えば、第1加湿液供給管36からの加湿液の供給量を一定とし、第3加湿液供給管46からの加湿液の供給量を変更することで、第1液体下降管23に流入し下降する加湿液の量を調整する方法が挙げられる。また、第1加湿液供給管36からの加湿液の供給量を変更し、第1液体下降管23に流入し下降する加湿液の量を調整してもよい。
その他、開閉制御可能なバルブ等によって流量を制御してもよい。例えば、複数の第1液体下降管23のうち、一部の第1液体下降管23からは加湿液およびアルカリ剤含有液を抜き出さないようにして、他の第1液体下降管23のみから加湿液およびアルカリ剤含有液を抜き出すことで加湿液の取得量を制御してもよい。また、配管35に設けられたバルブV1、配管42に設けられたバルブV2、配管49に設けられたバルブV3の1つ以上を制御することで配管35、配管42、配管49の流量を調節し、加湿液の取得量を制御してもよい。
このとき、酸化還元電位測定手段50が測定する酸化還元電位が300mV未満となるように加湿液の取得量を制御することが好ましく、50mV以上300mV未満となることがより好ましい。なお、酸化還元電位が300mV以上となる場合は、回収残液循環手段により循環される回収残液の量を増やし、加湿液の一部として用いることが好ましい。
また、第1加湿液供給管36および第3加湿液供給管46から供給される循環加湿液の供給量(Vs)に対する第1液体下降管23を下降して取得される循環加湿液の取得量(Va)の割合(Vr)は、15体積%以上30体積%以下であることが好ましく、17体積%以上25体積%以下であることが好ましい。
Vr(体積%)=100×Va/Vs
Vrが15体積%以上であると、アルカリ剤含有液室16中のアルカリ剤含有液15の液性状による影響が少なく、所望の酸化還元電位に調整しやすくなる。Vrが30体積%以下であると、大規模な設備を要することがないため、設備コストが経済的となり好ましい。
ここで、取得される循環加湿液の割合Vrを算出するにあたり用いられる循環加湿液の供給量Vsと、循環加湿液の取得量Vaと、について説明する。
循環加湿液の供給量Vsとは、循環を経て供給された循環加湿液のうち、被処理ガスの流れ方向において加湿液取得手段よりも上流に設けられている加湿液供給管から供給されるものの量である。循環を経て供給された循環加湿液とは、すなわち、アルカリ剤含有液循環手段を経た加湿液であり、回収残液循環手段が設けられている場合はこれを経た加湿液がさらに含まれる。
一方、循環加湿液の取得量Vaとは、加湿液取得手段で取得される循環加湿液の取得量である。
本発明者らが鋭意検討したところ、この循環加湿液を被処理ガスに噴霧・接触させて還元性が高い状態とした後に加湿液取得手段で取得して排水の用に供することが、6価のセレンの生成を抑制するにあたり重要であることを見出した。特に、加湿液取得手段よりも上流に設けられている供給管から噴霧された循環加湿液を取得する割合(すなわち、上記Vr)が重要である。
本発明の実施形態1においては、第1加湿液供給管36および第3加湿液供給管46から供給される循環加湿液の量の合計が、循環加湿液の供給量Vsとして用いられる。第3加湿液供給管46が設けられていない構成の場合は、第1加湿液供給管36から供給される循環加湿液の量がそのまま循環加湿液の供給量Vsとして用いられる。
そして、本発明の実施形態1においては第1液体下降管23を下降する循環加湿液の量が循環加湿液の取得量Vaとして用いられる。
一方、本発明の実施形態1における工業用水供給管32から供給される加湿液の量は、循環を経ていないため循環加湿液の供給量Vsには含まれない。なお、工業用水供給管32は間欠的に工業用水を供給する手段である。このため、本発明の実施形態1においては、工業用水が供給されていないときに第1液体下降管23を下降する加湿液の量がすなわち循環加湿液の取得量Vaである。
また一方、本発明の実施形態1における第2加湿液供給管37から供給される循環加湿液は循環を経ているものの、被処理ガスの流れ方向において加湿液取得手段よりも下流に設けられており、第1液体下降管23にはほとんど流入しない(循環加湿液の取得量Vaに寄与しない)ため、循環加湿液の供給量Vsには含まれない。
制御手段は、酸化還元電位測定手段50が測定したエアセパレータ61中の加湿液の酸化還元電位に基づき、さらに、酸素供給管38が供給する酸素の供給量を制御してもよい。酸素の供給量は脱硫性能に大きく影響するため、酸素の供給量のみをもって脱硫装置を制御することでは所期の目的を達成することができない。一方、本発明によれば、第1液体下降管23を下降して抜き出される加湿液の量を制御することで6価セレンの生成の抑制と、優れた脱硫性能とを実現できるが、これに加えてさらに酸素の供給量を制御することによって、制御における自由度が高くなるため好ましい。
以上説明したように、本発明においては、第1液体下降管23から抜き出された加湿液の酸化還元電位を測定し、この酸化還元電位に基づき脱硫装置を制御することができる。この結果、6価セレンの生成を抑制することができると共に、反応槽中では優れた脱硫性能が維持できる。
(脱硫方法)
ついで、上記した脱硫装置10を用いた本発明の硫黄酸化物を含むガスの脱硫方法について説明する。
まず、硫黄化合物を含む被処理ガスを被処理ガス導入路12から反応槽11へ導入する。被処理ガス導入路12に導入された被処理ガスは、工業用水供給管32によって噴霧された工業用水、および、第1加湿液供給管36によって噴霧されたアルカリ剤含有液、第3加湿液供給管46によって噴霧された回収残液に順に接触し、その後、第2加湿液供給管37から噴霧されたアルカリ剤含有液に接触する(加湿液接触工程)。実施形態1においては、工業用水、アルカリ剤含有液および回収残液が加湿液である。加湿液に被処理ガスが接触すると、被処理ガスが加湿されて装置内の乾燥によるスケールの発生が防止できる。
そして、この被処理ガスに含まれるSO2等の硫黄酸化物を吸収した加湿液は、前述したように自然に加湿液接触室14の底面、すなわち第1隔壁18の上面へと落下する。この結果、SO2等の硫黄酸化物を吸収した加湿液と、加湿および冷却され、後述する硫黄酸化物除去工程における硫黄酸化物除去反応に供される被処理ガスと、に分離する。落下した加湿液の多くは、上流側である被処理ガス導入路12近傍に設けられた第1液体下降管23および第2液体下降管24に流れ込む。また、加湿された被処理ガスは、被処理ガス導入路12から第1液体下降管23よりも遠い位置(下流側)に設けられた気体下降管22に流れ込む。なお、第2液体下降管24に流れ込んだ加湿液は下降してアルカリ剤含有液室16へと収容される。
気体下降管22に流れ込んだ被処理ガスは、アルカリ剤含有液室16に達し、アルカリ剤含有液室16に収容されたアルカリ剤含有液15の液面21の下に位置する気体下降管22の下端(複数の穴)から噴出して分散し、アルカリ剤含有液と気液接触しながらバブリングしつつ上昇する。そして、被処理ガスとアルカリ剤含有液を含む液連続相との気液接触層であるジェットバブリング層(フロス層)28が、アルカリ剤含有液15の液面21上に形成される。アルカリ剤含有液15には、酸素供給管38から供給された酸素が混合されているため、このジェットバブリング層28では、被処理ガスが含有する硫黄酸化物と酸素およびアルカリ剤とが反応する(硫黄酸化物除去工程)。一連の流れの中で、被処理ガスからSO2等の硫黄酸化物がアルカリ剤含有液中に溶解することで除去される。
アルカリ剤含有液が含有するアルカリ剤とは、酸を中和する中和剤であり、例えば炭酸カルシウム、水酸化ナトリウム等が挙げられる。また、アルカリ剤含有液の溶媒としては、水が挙げられる。
ここで、硫黄酸化物と酸素とアルカリ剤との反応においては、乾燥することによりスケールが発生する場合がある。ところが本発明では、この硫黄酸化物と酸素とアルカリとの反応の前段の加湿液接触工程において被処理ガスを加湿液に接触させるため、スケールの発生が抑制される。
硫黄酸化物除去工程で生じさせる硫黄酸化物除去反応では、被処理ガスに含まれるSO2等の硫黄酸化物がアルカリ剤および酸素と反応して、生成物である石膏等の固形物が生じ、被処理ガスから硫黄酸化物が除去される。例えば、硫黄酸化物がSO2を含み、アルカリ剤として石灰石(CaCO3)を用いた場合は、下記(1)式の反応が起こり、生成物である石膏(CaSO4・2H2O)が生じ、被処理ガスから分離できる。なお、被処理ガスからは硫黄酸化物が除去され、清浄化される。
SO2+2H2O+1/2O2+CaCO3→CaSO4・2H2O+CO2 (1)
この硫黄酸化物除去反応により硫黄酸化物が除去された被処理ガスは、アルカリ剤含有液室16の上部の空間部26、連通管25および被処理ガス排出室17を経由して、被処理ガス排出口13から排出される。
一方、硫黄酸化物除去反応で生じた生成物を高濃度で含有するアルカリ剤含有液15は、アルカリ剤含有液室16の下部から、ポンプ34によって配管33を経由して引き抜かれる。引き抜かれたアルカリ剤含有液は、配管35を経由して、第1加湿液供給管36および第2加湿液供給管37から被処理ガスに噴霧される(アルカリ剤含有液循環工程)。すなわち、アルカリ剤含有液循環工程を経たアルカリ剤含有液は、被処理ガスの加湿液またはその一部となる。被処理ガスはアルカリ剤含有液循環工程を経た加湿液としてのアルカリ剤含有液と接触して加湿される(加湿液接触工程)。また、被処理ガス中のSO2等の硫黄酸化物の一部が、このアルカリ剤含有液循環工程を経たアルカリ剤含有液に吸収される。
アルカリ剤含有液循環工程を経て供給された、被処理ガスに含まれるSO2等の硫黄酸化物を吸収したアルカリ剤含有液(加湿液)と、さらに必要に応じて供給される回収残液(詳細は後述する)および工業用水とが、自然に加湿液接触室14の底面、すなわち第1隔壁18の上面に落下する。この結果、SO2等の硫黄酸化物を吸収したアルカリ剤含有液を含む加湿液と、加湿された被処理ガスと、に分離する。落下した加湿液の多くは第1液体下降管23および第2液体下降管24に流入し、被処理ガスは気体下降管22に流入する。気体下降管22に流入した被処理ガスは、アルカリ剤含有液15および酸素に接触して、再び硫黄酸化物除去反応が生じる。
一方、第1液体下降管23に流入した加湿液は、ポンプ41に接続された配管42から少なくとも一部が抜き出される(加湿液取得工程)。なお、第1液体下降管23はその下端においてアルカリ剤含有液室16と連通しているため、第1液体下降管23を下降してきた加湿液のみではなく、第1液体下降管23の下端周囲のアルカリ剤含有液15も配管42を介して共に抜き出される仕組みとなっている。第2液体下降管24に流入した加湿液は、アルカリ剤含有液室16中に収容され、アルカリ剤含有液15として再び硫黄酸化物除去反応を行う。
ここで、第1液体下降管23に流入した加湿液は、アルカリ剤含有液循環工程を経たアルカリ剤含有液を含む。アルカリ剤含有液循環工程を経たアルカリ剤含有液は、アルカリ剤含有液室16に収容されたアルカリ剤含有液に由来するため、アルカリ剤、および、硫黄酸化物除去反応の生成物を含む。
また、アルカリ剤含有液室16で生じる硫黄酸化物除去反応において、酸化反応が進みすぎると4価のセレン(Se4+)が酸化されて6価のセレン(Se6+)が生じるため、アルカリ剤含有液循環工程を経て噴霧されたアルカリ剤含有液は、6価のセレンを含む。6価のセレン(Se6+)は不溶化が困難であるため取り除くことが難しい。
しかしながら、本実施形態においては、この第1液体下降管23に流入したアルカリ剤含有液は、加湿液接触工程で被処理ガスに接触した後は酸素に過剰に接触することがないため、加湿液接触工程で接触した被処理ガスに含まれるSO2等の硫黄酸化物を、反応させずにSO2等の硫黄酸化物の状態を維持したまま含む。すなわち、第1液体下降管23に流入する加湿液は、還元性が高い状態のまま流入する。
したがって、本発明においては、6価のセレンについても4価のセレンに還元される反応が生じるため、6価のセレンの含有量を低減することができる。
加湿液取得工程で抜き出された加湿液は、配管42の途中に設けられたエアセパレータ61により、空気等のガスが除去される(ガス除去工程)。勿論、液中の空気等のガスの全量を完全に取り除いてしまわなくてもよく、液中に含まれるガスの量を減少させればよい。
エアセパレータ61内には酸化還元電位を測定する酸化還元電位測定手段50が設けられており、エアセパレータ61内の液の酸化還元電位が測定される(酸化還元電位測定工程)。そして、測定された酸化還元電位に応じて、加湿液取得工程における加湿液の取得量を制御する(制御工程)。制御工程の詳細については後述する。
エアセパレータ61によりガスが除去されポンプ41を経由した液は、固液分離手段44により、硫黄酸化物と酸素とアルカリ剤含有液との反応である硫黄酸化物除去反応の生成物が回収される(生成物回収工程)。
加湿液取得手段の下流側で固液分離手段44の上流側に、SO2等の硫黄酸化物の残存量を測定する硫黄酸化物量測定手段を設け、測定された硫黄酸化物量に応じて、反応槽11における硫黄酸化物除去反応の反応条件をフィードバック制御するようにしてもよい。フィードバック制御は、自動によるものでもよいし、手動によるものでもよい。
固液分離手段44で固体(生成物)が分離された回収残液は、配管45から分岐された配管49を経由して一部が第3加湿液供給管46に至り、加湿液の一部として用いられる(回収残液循環工程)。すなわち、回収残液循環工程を経た回収残液は、加湿液の一部となる。なお、回収残液循環工程は必ずしも設けなくてはならないものではない。
一方、固液分離手段44で固体が分離された回収残液のうち、配管45から分岐された配管49に流入しなかったものは、配管45から排水処理装置に送られ、窒素化合物やCOD等を除去する排水処理がなされる(排水処理工程)。上述したように、この排水処理される排水は6価のセレンの量が低減されており、新たな排水処理装置を要しない、もしくは、排水処理の負荷を低減することができる。
また、固液分離手段44で固体が分離された回収残液のうち、配管45から分岐された配管49に流入しなかったものの一部は、配管45から分岐された配管47を経由し、反応槽11のアルカリ剤含有液室16に送られて、再び硫黄酸化物除去反応のアルカリ剤含有液15として利用される。このとき、配管47の途中に設けられたアルカリ剤導入手段48によって石灰石等のアルカリ剤が導入される。
次に、上述した制御工程について、制御方法の具体例を挙げて詳細に説明する。
制御工程では、エアセパレータ61内に設けられた酸化還元電位測定手段50が測定した、エアセパレータ61内の液の酸化還元電位に基づき、加湿液取得工程における加湿液の取得量を制御する。
加湿液の取得量の具体的な制御方法としては、例えば、第1加湿液供給管36からの加湿液の供給量を一定とし、第3加湿液供給管46からの加湿液の供給量を変更することで、第1液体下降管23に流入し下降する加湿液の量を調整する方法が挙げられる。また、第1加湿液供給管36からの加湿液の供給量を変更し、第1液体下降管23に流入し下降する加湿液の量を調整してもよい。
その他、開閉制御可能なバルブ等によって流量を制御してもよい。例えば、複数の第1液体下降管23のうち、一部の第1液体下降管23からは加湿液およびアルカリ剤含有液を抜き出さないようにして、他の第1液体下降管23のみから加湿液およびアルカリ剤含有液を抜き出すことで加湿液の取得量を制御してもよい。また、配管35に設けられたバルブV1、配管42に設けられたバルブV2、配管49に設けられたバルブV3の1つ以上を制御することで配管35、配管42、配管49の流量を調節し、加湿液の取得量を制御してもよい。
このとき、酸化還元電位測定手段50が測定する酸化還元電位が300mV未満となるように加湿液の取得量を制御することが好ましく、50mV以上300mV未満となることがより好ましい。なお、酸化還元電位が300mV以上となる場合は、回収残液循環工程により循環される回収残液の量を増やし、加湿液の一部として用いることが好ましい。
また、第1加湿液供給管36および第3加湿液供給管46から供給される循環加湿液の供給量(Vs)に対する第1液体下降管23を下降して取得される循環加湿液の取得量(Va)の割合(Vr)は、15体積%以上30体積%以下であることが好ましく、17体積%以上25体積%以下であることがより好ましい。
Vr(体積%)=100×Vg/Vs
Vrが15体積%以上であると、アルカリ剤含有液室16中のアルカリ剤含有液15の液性状による影響が少なく、所望の酸化還元電位に調整しやすくなる。Vrが30体積%以下であると、大規模な設備を要することがないため、設備コストが経済的となり好ましい。
また、制御工程においては、酸化還元電位測定工程で測定したエアセパレータ61中の加湿液の酸化還元電位に基づき、さらに、酸素供給管38が供給する酸素の供給量を制御してもよい。
このように、本発明によれば、第1液体下降管23から抜き出された加湿液の酸化還元電位を測定し、この酸化還元電位に基づき脱硫装置を制御することができる。この結果、6価セレンの生成を抑制することができると共に、反応槽中では優れた脱硫性能が維持できる。
図1は冷却を同時に行えるいわゆるスート式の脱硫装置であるが、本発明の脱硫装置はスート式に限らず、冷却を別塔で行うものであってもよい。
また、図3に示すように、反応槽11のアルカリ剤含有液室16底部近傍から配管80を経由してポンプ81によってアルカリ剤含有液を抜き出し、ポンプ81の出口側に接続した配管82を配管47に接続するようにしてもよい。これにより、アルカリ剤含有液の性状を詳細に調整することができる。
[実施形態2]
図4は本発明の実施形態2にかかるジェットバブリング式の脱硫装置を示す模式図である。なお、実施形態1と同じ部材には同じ符号を付し、重複する説明は省略してある。図4に示すように、脱硫装置70は、実施形態1の脱硫装置10において、第1液体下降管23の下端にポット71を設けた脱硫装置である。なお、本実施形態2においては、ポット71は第1液体下降管23の下端を囲うように設けられており、第2液体下降管24の下端はポット71の外に設けられている。
詳述すると、図4に示すように、脱硫装置70は、第1液体下降管23の下端部を囲い、半密閉のポット71が設けられている。ポット71は、その上端が、アルカリ剤含有液室16の液面21よりも下側で気体下降管22のガス出口高さ近傍になり、また、その下端が、第1液体下降管23よりも下側になるように設けられている。ポット71の上端は、液面21よりも下側でも上側でもよい。ポット71の上面は例えば液面21よりも0.1〜0.7m程度下側であり、ポット71の下端は例えば液面21から2.0〜2.5m程度下側である。
ポット71について、ポット71の概略の構成を示す断面図である図5を参照してさらに詳細に説明する。ポット71は円筒形状であり、側壁72と、中央部に穴を有しドーナツ型で側壁72の下端から中央部に向かって下に傾斜した底板73を有し、酸素供給管38から反応槽11内に供給される酸素がポット71内に入らないように構成されている。例えば、ポット71から加湿液を排出する排出口(図示なし)を、側壁72の下部と後述する斜板76との接続部に設ける等して、酸素供給管38から反応槽11内に供給される酸素のポット内への流入を防止することができれば、底板73は設けなくてもよい。また、ポット71は、上部が開放されている。ポット71の大きさおよび形状は特に限定されないが、例えば、円筒形状であれば、直径1.7〜2.3m、側壁72の高さは1.7〜2.3m程度である。
そして、ポット71は、第1液体下降管23の下端と、硫黄酸化物を含む被処理ガスを供給するスパージャパイプ75の下端との周りを囲うように設けられている。すなわち、ポット71内には、第1液体下降管23、およびスパージャパイプ75のそれぞれの下端が挿入されている。スパージャパイプ75から供給する気体としては、例えば、加湿液接触室14中の加湿された被処理ガス(すなわち、気体下降管22に流入する被処理ガスと同じもの)を用いることができる。スパージャパイプ75から硫黄酸化物を含む被処理ガスを供給することにより、6価のセレンを還元する還元剤としての硫黄酸化物の濃度を上昇させることができる。なお、スパージャパイプ75は必ずしも設けられていなくてもよい。
また、ポット71内には、ポット71を仕切り、第1液体下降管23からポット71内に流入した加湿液の流れを規定する鉛直方向約45度に傾けられた斜板76が設けられている。斜板76の鉛直方向中央部には、斜板76を流れる加湿液を水平方向に引き抜くために、ポンプ41へと続く配管77が接続されている。
配管77の他端は、加湿液中の空気等のガスを除去するエアセパレータ61に接続され、エアセパレータ61は配管42を経由してポンプ41に接続されている。
実施形態2においては、第1液体下降管23、ポンプ41、配管42に加えて、ポット71、スパージャパイプ75、配管77で、加湿液取得手段を構成する。
このような脱硫装置70を用いて硫黄酸化物を含むガスの脱硫を行う方法について、説明する。実施形態2においては、加湿液取得工程以外の工程については、実施形態1と同様であるため、他の工程については説明を省略する。
実施形態2においては、まず第1液体下降管23やポット71内で実施形態1と同様に、6価のセレンの還元反応が生じるため、SO2等の硫黄酸化物を低減し、6価のセレンをほぼ無くすことができる。その後、ポット71内にスパージャパイプ75により硫黄酸化物を含む被処理ガスが導入されることにより、さらなる還元反応が生じるため、6価のセレンをより一層低減することができる。
スパージャパイプ75から供給される硫黄酸化物を含む被処理ガスの量は適宜調整することができ、勿論、状況に応じて0とすることもできる。すなわち、制御工程において、酸化還元電位測定工程で測定された酸化還元電位に基づいて、スパージャパイプ75から供給される硫黄酸化物を含む被処理ガスの量を調整することが好ましい。
第1液体下降管23やポット71内で反応が生じた加湿液は、斜板76を流れ、斜板76の途中に設けられた配管77からポンプ41により、ポット71の周囲のアルカリ剤含有液15と共に抜き取られる。ここで、この加湿液は、大量の生成物を含むスラリ状であり量自体も多い。したがって、斜板76を設けることにより加湿液の分離を抑制しながら引き抜くことが好ましい。スラリ(加湿液)が斜板76の上で流れるようにすることにより、スラリ中の生成物の沈殿を防ぎ、生成物を分離させることなくスラリを引き抜くことができる。
配管77を介して抜き取られた加湿液(アルカリ剤含有液16を含む。)は、実施形態1と同様にエアセパレータ61で加湿液中の空気等のガスが除去され、配管42を経由してポンプ41に送られる。
図4および図5の脱硫装置は、ポット71、スパージャパイプ75の全てを実施形態1の脱硫装置に追加した構成であるが、スパージャパイプ75を省略した構成としてもよい。
以下に、本発明の更なる理解のために実施例を用いて説明するが、実施例はなんら本発明を限定するものではない。
<実施例1>
図4に示す脱硫装置10を用いて、脱硫操作を行った。具体的には、図4に示す脱硫装置10で、アルカリ剤として石灰石を用い、脱硫酸化空気流量が25km3N/hの条件下、石炭焚排ガスを脱硫処理した。このとき、酸化還元電位測定手段50で測定される酸化還元電位に基づき、第1加湿液供給管36からの加湿液の供給量を増減させる制御を行った。
酸化還元電位が290mVのとき、第1加湿液供給管36からの供給量を5900m3/hとすることで、第1液体下降管23を下降して抜き出される加湿液の量が1000m3/hとなった。
このとき、図4に示す排水処理装置に送られる液中のセレン濃度を測定したところ、4価のセレンが70%、6価のセレンが30%であった。セレン濃度の測定はJIS K0120−67.2に準拠して行った。この測定方法によればセレンの全量と、4価のセレンとが測定可能であり、6価のセレンについてはその差分として算出した。
また、第1加湿液供給管36からの供給量に対する、第1液体下降管23を下降して抜き出される加湿液の量(取得量)の割合は、17体積%であった。
なお、実施例1においては、工業用水供給管32からは工業用水が、また、第2加湿液供給管37からは加湿液がそれぞれ供給されているものの、第1液体下降管23に流入する量は少量であり、かつ、間欠的であるため、上記割合の算出においては無視できる。また、第3加湿液供給管からは加湿液は供給されていない。
<比較例1>
比較例1では、酸化還元電位測定手段50における酸化還元電位の測定を行わなかった。このため、実施例1で行った、酸化還元電位測定手段50で測定される酸化還元電位に基づいた第1加湿液供給管36からの供給量を増減させる制御を行わず、これに代えて、脱硫酸化空気流量を増減させる制御を行った。なお、2本ある第1液体下降管23のうち、不図示のバルブを操作して一方のみから加湿液を抜き取るようにし、第1液体下降管23を下降して抜き出される加湿液の量は500m3/h、第1加湿液供給管36からの供給量は5400m3/hとし、それぞれ一定である。
以上の点を除き、実施例1と同様に脱硫処理を行い、セレンの濃度の測定を行った。
なお、第1加湿液供給管36からの供給量の全量に対する、第1液体下降管23を下降して抜き出される加湿液の量(取得量)の割合は、10体積%であった。
比較例1において、脱硫酸化空気流量が12km3N/hのときは、4価のセレンが0%、6価のセレンが100%であり、脱硫酸化空気流量を9km3N/hに減らしたが、4価のセレンが6%、6価のセレンが94%と、依然として6価のセレンの割合が非常に高かった。脱硫性能の観点からは脱硫酸化空気流量をさらに低減させることは難しく、脱硫酸化空気流量を制御するのみでは6価のセレンの生成の抑制と、脱硫性能とを高次元に達成することはできなかった。
以上の実施例1と比較例1との対比から明らかなように、実施例1では6価のセレンの割合が減少していることから、6価のセレンが4価のセレンに還元されていることがわかった。なお、脱硫酸化空気流量は実施例1の方が比較例1よりも多く、実施例1における脱硫性能が低下することもなかった。すなわち、脱硫性能を高度に維持したまま6価のセレンの生成を抑制することができた。
したがって、本発明によれば、6価セレンの生成の抑制と、被処理ガスの脱硫とを、高次元に達成し得る脱硫方法および脱硫装置を提供することができることがわかった。
10 脱硫装置; 11 反応槽; 12 被処理ガス導入路; 13 被処理ガス排出口; 14 加湿液接触室; 15 アルカリ剤含有液; 16 アルカリ剤含有液室; 17 被処理ガス排出室; 18 第1隔壁; 19 第2隔壁; 21 液面; 22 気体下降管; 23 第1液体下降管; 24 第2液体下降管; 25 連通管; 26 空間部; 27 撹拌機; 28 ジェットバブリング層; 31 配管; 32 工業用水供給管; 33 配管; 34 ポンプ; 35 配管; 36 第1加湿液供給管; 37 第2加湿液供給管; 38 酸素供給管; 39 ジェットバブリング層; 41 ポンプ; 42 配管; 43 配管; 44 固液分離手段; 45 配管; 46 第3加湿液供給管; 47 配管; 48 アルカリ剤導入手段; 49 配管; 50 酸化還元電位測定手段; 51 堰き止め板; 51a 曲がり部; 51b 傾斜部; 61 エアセパレータ; 70 脱硫装置; 71 ポット; 72 側壁; 73 底板; 75 スパージャパイプ; 76 斜板; 77 配管; 80 配管; 81 ポンプ; 82 配管; V1〜V3 バルブ

Claims (11)

  1. 硫黄酸化物を含む被処理ガスに加湿液を供給して接触させる加湿液接触工程と、
    該加湿液接触工程で前記加湿液と接触した前記被処理ガスを、アルカリ剤含有液中にバブリングして、該アルカリ剤含有液および酸素と接触させて該被処理ガスから前記硫黄酸化物を除去する硫黄酸化物除去工程と、
    該硫黄酸化物除去工程で前記被処理ガスおよび前記酸素が接触した前記アルカリ剤含有液を循環させて、前記加湿液接触工程において供給される前記加湿液またはその一部とするアルカリ剤含有液循環工程と、
    前記加湿液接触工程で前記被処理ガスと接触した前記加湿液の少なくとも一部を取得する加湿液取得工程と、
    該加湿液取得工程で取得された加湿液から、前記硫黄酸化物と前記アルカリ剤含有液と前記酸素との反応により生じた生成物を回収する生成物回収工程と、
    前記加湿液取得工程で取得された加湿液の酸化還元電位を測定する酸化還元電位測定工程と、
    該酸化還元電位測定工程で測定された酸化還元電位に基づいて、前記加湿液取得工程における加湿液の取得量を制御する制御工程と、を備えることを特徴とする硫黄酸化物を含むガスの脱硫方法。
  2. 前記生成物回収工程において前記加湿液から前記生成物が回収された後の回収残液の少なくとも一部を循環させて、前記加湿液接触工程において供給される加湿液の一部とする回収残液循環工程をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の硫黄酸化物を含むガスの脱硫方法。
  3. 前記制御工程は、前記酸化還元電位測定工程で測定される酸化還元電位が300mV未満となるように、前記加湿液取得工程における加湿液の取得量を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の硫黄酸化物を含むガスの脱硫方法。
  4. 前記制御工程は、前記硫黄酸化物除去工程における前記酸素の供給量を、前記酸化還元電位測定工程で測定された酸化還元電位に基づいて制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の硫黄酸化物を含むガスの脱硫方法。
  5. 被処理ガスが導入される被処理ガス導入路に連通する加湿液接触室と、前記被処理ガスが排出される被処理ガス排出口および前記加湿液接触室に連通すると共に該加湿液接触室の下側に設けられアルカリ剤含有液をその下部に収容するアルカリ剤含有液室と、を有する反応槽と、
    前記被処理ガスに加湿液を噴霧する加湿液供給管と、
    前記アルカリ剤含有液室が収容する前記アルカリ剤含有液中に酸素を供給する酸素供給管と、
    前記アルカリ剤含有液室が収容する前記アルカリ剤含有液を抜き出して前記加湿液供給管に供給するアルカリ剤含有液循環手段と、
    前記加湿液供給管から噴霧された前記加湿液の少なくとも一部を取得する加湿液取得手段と、
    前記加湿液接触室の底面から下方に延び、該加湿液接触室で前記加湿液と接触した被処理ガスを前記アルカリ剤含有液室が収容する前記アルカリ剤含有液中に分散するための気体下降管と、
    前記加湿液取得手段が取得した加湿液の酸化還元電位を測定する酸化還元電位測定手段と、
    前記加湿液取得手段が取得した加湿液を固液分離する固液分離手段と、
    前記酸化還元電位測定手段が測定した酸化還元電位に基づいて、前記加湿液取得手段が取得する前記加湿液の量を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする脱硫装置。
  6. 前記加湿液供給管は、
    前記被処理ガス導入路内に設けられた第1加湿液供給管と、
    前記加湿液接触室内に設けられた第2加湿液供給管と、を有し、
    前記第1加湿液供給管が、前記アルカリ剤含有液循環手段によって循環されたアルカリ剤含有液を前記加湿液として供給し、
    前記制御手段は、前記第1加湿液供給管が供給する加湿液の供給量に対する前記加湿液取得手段が取得する加湿液の取得量の割合を、15体積%以上30体積%以下に制御することを特徴とする請求項5に記載の脱硫装置。
  7. 前記固液分離手段が前記加湿液から固体を回収した後の回収残液の少なくとも一部を循環させて、前記加湿液供給管に供給する回収残液循環手段をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の脱硫装置。
  8. 前記加湿液供給管は、
    前記被処理ガス導入路内に設けられた第1加湿液供給管と、
    前記加湿液接触室内に設けられた第2加湿液供給管と、
    前記被処理ガス導入路内に設けられた第3加湿液供給管と、を有し、
    前記第1加湿液供給管が、前記アルカリ剤含有液循環手段によって循環されたアルカリ剤含有液を前記加湿液として供給し、
    前記第3加湿液供給管が、前記回収残液循環手段によって循環された回収残液を前記加湿液として供給し、
    前記制御手段は、前記第1加湿液供給管および前記第3加湿液供給管が供給する加湿液の合計の供給量に対する前記加湿液取得手段が取得する加湿液の取得量の割合を、15体積%以上30体積%以下に制御することを特徴とする請求項7に記載の脱硫装置。
  9. 前記制御手段は、前記酸化還元電位測定手段が測定する酸化還元電位が300mV未満となるように、前記加湿液取得手段が取得する加湿液の取得量を制御することを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の脱硫装置。
  10. 前記制御手段は、前記酸素供給管が供給する酸素の量を、前記酸化還元電位測定手段が測定する酸化還元電位に基づいて制御することを特徴とする請求項5〜9のいずれか1項に記載の脱硫装置。
  11. 前記加湿液取得手段は、
    前記加湿液供給管が供給した前記加湿液の少なくとも一部がその内部を下降する液体下降管と、
    該液体下降管の出口側の端を囲うポットと、を有することを特徴とする請求項10に記載の脱硫装置。
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