JP2008178785A - 排煙脱硫装置における過酸化状態発生時の対応方法 - Google Patents

排煙脱硫装置における過酸化状態発生時の対応方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008178785A
JP2008178785A JP2007013400A JP2007013400A JP2008178785A JP 2008178785 A JP2008178785 A JP 2008178785A JP 2007013400 A JP2007013400 A JP 2007013400A JP 2007013400 A JP2007013400 A JP 2007013400A JP 2008178785 A JP2008178785 A JP 2008178785A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flue gas
absorption tower
flow rate
state
absorbent slurry
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007013400A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5019360B2 (ja
Inventor
Masahiko Morie
雅彦 森江
Yasushi Kurotani
靖 黒谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chugoku Electric Power Co Inc
Chuden Kankyo Technos Co Ltd
Original Assignee
Chugoku Electric Power Co Inc
Chuden Kankyo Technos Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chugoku Electric Power Co Inc, Chuden Kankyo Technos Co Ltd filed Critical Chugoku Electric Power Co Inc
Priority to JP2007013400A priority Critical patent/JP5019360B2/ja
Publication of JP2008178785A publication Critical patent/JP2008178785A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5019360B2 publication Critical patent/JP5019360B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Treating Waste Gases (AREA)

Abstract

【課題】 吸収剤スラリと排煙とを接触させて排煙中の硫黄酸化物を吸収除去する排煙脱硫装置において、吸収塔で過酸化状態が発生し場合に、迅速かつ効率よく吸収塔における過酸化状態を解消する。
【解決手段】 吸収塔(70,80)における運転基準値が所定の範囲を超えた場合に、排煙脱硫装置(気液接触装置10)に取り入れる排煙(A)からの煤塵除去量を自動調節する工程と、吸収剤スラリ循環量を自動調節する(循環ポンプ74の動翼開度を自動制御する)工程と、吸収塔へ供給する酸化空気流量を減少させる(空気供給手段61による酸化空気流量を減少させる)工程と、吸収塔へ供給する吸収剤スラリ流量を自動調節する(スラリポンプ50の流量を自動制御する)工程と、脱水機30(ベルトフィルタ)へ供給する吸収剤スラリ流量を増加させる(抜出ポンプ20の流量を増加させる)工程とを実施する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、排煙脱硫装置における過酸化状態発生時の対応方法に関し、特に吸収剤スラリと排煙とを接触させて排煙中の硫黄酸化物を吸収除去する排煙脱硫装置において、吸収塔で過酸化状態が発生して排煙脱硫装置を正常運転できない可能性が発生した場合に、迅速かつ効率よく吸収塔における酸化状態を正常の範囲内に戻すことが可能な排煙脱硫装置における過酸化状態発生時の対応方法に関する。
近年、各種のプラントや自動車等の排気ガスの影響による大気汚染が深刻化している。このため、大気汚染に関して、国民の健康を保護するとともに、生活環境を保全することを目的として大気汚染防止法が制定されている。また、各地方自治体においても、大気汚染防止のための条例や要綱等を定め、大気汚染物質の排出量を規制している。
これに応じて、各企業等では、大気汚染物質の排出を極力抑制して環境保護に努めている。例えば、ボイラユニットを有する発電プラントでは、大気汚染防止法や公害防止協定等に規定された環境基準を遵守するため、ボイラユニットからの排煙中に含まれる煤塵、NOx、SOx等の大気汚染物質を十分に除去してクリーンな排気を行っている。
特に、SOxは環境に重大な影響を及ぼすため、排煙脱硫装置を安定して稼働することが重要な責務となっている。このような状況の中、従来より、排煙脱硫装置を安定して稼働することにより、効率的にSOxの除去を行うための技術が種々開示されている。
例えば、特開平6−238126号公報「湿式排煙脱硫装置の異常診断装置」(特許文献1)に、石膏純度を常に監視し、石膏の品質に影響する要因を診断することにより石膏の品質を保つための最適な各種成分の操作量を支援する技術が開示されている。
この特許文献1に記載された「湿式排煙脱硫装置の異常診断装置」は、ボイラなどの燃焼装置から排出される排ガス中の硫黄酸化物を吸収塔循環用吸収剤スラリにより気液接触させて吸収除去する湿式排煙脱硫装置に関するものである。この「湿式排煙脱硫装置の異常診断装置」は、以下の手順により、石膏の品質を保つための最適な各種成分の操作量を支援する。
すなわち、給炭量信号と石炭性状信号と排ガス流量信号を排ガス性状演算器に入力してHCL濃度とHF濃度を算出する。続いて、信号と入口SO2濃度信号と出口SO2濃度信号と入口煤塵濃度信号と吸収剤スラリ流量信号と吸収塔抜出流量信号と酸化用空気流量信号と吸収塔レベル信号と演算器での算出HCL濃度とHF濃度を液性状演算器に入力して吸収液中のCaCO3濃度とCaSO3・1/2H2O濃度とCaSO3・2H2O濃度と不純物濃度とCaF2濃度を算出する。続いて、演算器の算出液性状から石膏純度演算器で石膏純度を算出し、異常診断装置で石膏純度の評価診断を行う。続いて、石膏純度が異常と判定した場合には、純度異常をガイダンスし、正常な状態に戻すための操作量(吸収剤スラリ流量、酸化用空気流量、硫酸流量)を制御装置に出力する。
また、特開平11−244646号公報「排煙脱硫装置の吸収剤スラリ流量制御方法及び装置」(特許文献2)に、吸収塔における吸収液の循環量が最大である状態において、万一、吸収塔へ導入される排ガスの流量が過渡的に計画値を超えて上昇したような場合であっても、脱硫率を保持して吸収塔出口SO2濃度を規制値以下に抑え得る技術が開示されている。
この特許文献2に記載された「排煙脱硫装置の吸収剤スラリ流量制御方法及び装置」は、吸収塔における複数台の循環ポンプが全台運転されており、かつ吸収剤の活性低下が発生していない状態で、吸収塔出口SO2濃度が高設定濃度以上、あるいは脱硫率が低設定脱硫率以下となった異常発生時には、設定pH値を一時的に上昇させ、設定吸収剤スラリ流量を増加させ、吸収剤スラリ流量が設定吸収剤スラリ流量と等しくなるように制御器から流量調整弁へ開度指令を出力するようにしたものである。この「排煙脱硫装置の吸収剤スラリ流量制御方法及び装置」によれば、吸収塔における吸収液の循環量が最大である状態において、万一、吸収塔へ導入される排ガスの流量が過渡的に計画値を超えて上昇したような場合であっても、脱硫率を保持して吸収塔出口SO2濃度を規制値以下に抑え得ることができるとしている。
特開平6−238126号公報 特開平11−244646号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された「湿式排煙脱硫装置の異常診断装置」は、グリッド塔と称される排煙脱硫装置に関する技術であり、この技術をそのまま液注塔と称される排煙脱硫装置に適用することはできない。
また、特許文献2に記載された「排煙脱硫装置の吸収剤スラリ流量制御方法及び装置」は、吸収塔における複数台の循環ポンプが全台運転されており、かつ吸収剤の活性低下が発生していない状態を想定したものであり、吸収塔において過酸化状態が発生して排煙脱硫装置を正常運転できない可能性が発生した場合に適用できる技術ではない。
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、吸収剤スラリと排煙とを接触させて排煙中の硫黄酸化物を吸収除去する排煙脱硫装置において、吸収塔で過酸化状態が発生して排煙脱硫装置を正常運転できない可能性が発生した場合に、迅速かつ効率よく吸収塔における酸化状態を正常の範囲内に戻すことが可能な排煙脱硫装置における過酸化状態発生時の対応方法を提供することを目的とする。
本発明に係る排煙脱硫装置における過酸化状態発生時の対応方法は、上述した目的を達成するため、以下の特徴点を有している。
すなわち、本発明に係る排煙脱硫装置における過酸化状態発生時の対応方法は、吸収剤スラリと排煙とを接触させて排煙中の硫黄酸化物を吸収除去する排煙脱硫装置において吸収塔で過酸化状態が発生した際の対応方法であって、吸収塔における運転基準値が所定の範囲を超えた場合に、排煙脱硫装置に取り入れる排煙からの煤塵除去量を自動調節する工程と、吸収剤スラリ循環量を自動調節する工程と、吸収塔へ供給する酸化空気流量を減少させる工程と、吸収塔へ供給する吸収剤スラリ流量を自動調節する工程と、脱水機へ供給する吸収剤スラリ流量を増加させる工程と、からなる吸収塔過酸化状態解消工程のうちの少なくとも一工程を行うことにより吸収塔における過酸化状態を解消することを特徴とするものである。
この排煙脱硫装置における過酸化状態発生時の対応方法は、前記吸収剤スラリとして、石灰石を溶質とするとともに水を溶媒とした炭酸カルシウムスラリを用いることを特徴とするものである。
この場合、前記吸収塔へ供給する酸化空気流量の減少工程は、吸収塔内の酸化還元電位の測定結果に応じて、吸収塔へ酸化空気を供給する空気供給手段の流量制御を行うことにより酸化空気流量を調節するとともに、酸化還元電位が運転基準値よりも高い第1の状態では、排煙脱硫装置の運転に最低限必要な酸化空気流量となるような調節を行い、該第1の状態と比較して酸化還元電位が運転基準値よりもさらに高い第2の状態では、空気供給手段の運転を停止することを、特徴とするものである。
本発明に係る排煙脱硫装置における過酸化状態発生時の対応方法によれば、排煙からの煤塵除去量、吸収剤スラリの循環量、酸化空気流量、吸収剤スラリ流量、脱水機へ供給する吸収剤スラリ流量を調節することにより、吸収塔で過酸化状態が発生して排煙脱硫装置を正常運転できない可能性が発生した場合に、迅速かつ効率よく吸収塔における過酸化状態を解消することができる。これにより、排煙脱硫装置における脱硫能力を既定値以上に保って、環境基準等に適合したクリーンな排気ガスを排出して環境保護に貢献することが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明に係る排煙脱硫装置における過酸化状態発生時の対応方法の実施形態を説明する。
排煙脱硫装置では、以下の反応(1)〜(3)を起こさせることにより排ガス中から脱硫を行っている。
すなわち、吸収塔(図1参照)において、
SO2+H2O→H+HSO3 ・・・ (1)
という反応が生じ、さらに、タンク(図1参照)において
+HSO3 +1/2O2→2H+SO4 2− ・・・ (2)
2H+SO4 2−+CaCO3+H2O →CaSO4・2H2O+CO2 ・・・ (3)
という反応が生じることにより、最終生成物である硫酸カルシウム(CaSO4:石膏)が生成される。
ところで、本実施形態では、排ガス中のSO2を除去するために石灰石を用いているが、反応の過程においてまず亜硫酸カルシウム(CaSO3)が生成され、この亜硫酸カルシウムが酸化されて最終生成物である石膏(CaSO4)が生成される。そこで、亜硫酸カルシウムを効率良く酸化させて最終生成物である石膏を得るために、空気供給手段を用いて酸化空気を供給している。酸化空気流量の調節は、通常の状態では、ORP(Oxidation Reduction Potential)制御を行って、吸収塔における吸収剤スラリの電位を測定し、所定値となるように酸化空気の供給量を増減することにより行っている。
ところが、吸収塔において過酸化状態が発生すると、液室の固相の亜硫酸カルシウム(CaSO3)は全て石膏(CaSO4)となり、亜硫酸カルシウム(CaSO3)が存在しない状態となってしまう。このため、脱水機の濾布に目詰まりが生じたり、排水処理装置への悪影響が発生するおそれがある。
本発明に係る排煙脱硫装置における過酸化状態発生時の対応方法は、吸収塔で過酸化状態が発生して排煙脱硫装置を正常運転できない可能性が発生した場合に、過酸化状態を解消するための技術である。
<排煙脱硫装置>
図1は、本発明の実施形態に係る亜硫酸カルシウム濃度上昇時の対応方法を適用する排煙脱硫装置の模式図である。
本発明の実施形態に係る亜硫酸カルシウム濃度上昇時の対応方法を適用する排煙脱硫装置は、図1に示すように、吸収剤スラリを排煙と気液接触させる装置であり、さらに酸化空気を接触させるための空気供給手段61を備えている。
気液接触装置10は、吸収剤スラリ(例えば、石灰石を溶質とするとともに水を溶媒とした炭酸カルシウムスラリ)が供給されるタンク60と、導入側吸収塔(接触処理塔)70と、導出側吸収塔80とを備えている。
導入側吸収塔70は、タンク60の一側部から上方に向かって延設されるとともに、未処理排煙Aを導入するための排煙導入部71がその上端部に形成されており、排煙が下方に向って流れるようになっている。
導出側吸収塔80は、タンク60の他側部(図では右側)から上方に向かって延設されるとともに、処理済排煙Bを導出するための排煙導出部81がその上端部に形成されており、導入側吸収塔70を通過しタンク60内上部を経由した排煙が上方に向って流れるようになっている。
また、導入側吸収塔70には、スプレーパイプ72が設けられており、スプレーパイプ72には、吸収剤スラリを上方に向って液柱状に噴射するための複数のスプレーノズル73が形成されている。また、タンク60には、タンク60内の吸収剤スラリを吹上げる循環ポンプ74が連通接続されており、供給ヘッダ75を介して吸収剤スラリがスプレーパイプ72に送り込まれ、各スプレーノズル73から噴射されるようになっている。
さらに、導出側吸収塔80の後方部には、同伴ミストを捕集除去するためのミストエリミネータ82が設けられている。なお、このミストエリミネータ82で捕集されたミストは、例えば導出側吸収塔80内を滴下することにより直接タンク60内に戻るようになっている。
スプレーパイプ72は、詳細には図示しないが、導入側吸収塔70の内部の横方向全域にわたって、平行に複数並べて配設されており、スプレーパイプ72の他端側が供給ヘッダ75の長手方向の複数箇所にそれぞれ接続されている。
この供給ヘッダ75は、スプレーパイプ72が接続された範囲において、閉塞された一端側に向って縮径した先細り形状となっている。この供給ヘッダ75の流路断面積の低下率は、内部の平均流速が長手方向に略一定となるように設定される。
また、タンク60内には、空気供給手段61が設けられており、スプレーノズル73から吹上げられた吸収剤スラリは、亜硫酸ガスを吸収しながら流下して、空気供給手段61を用いて吹込んだ空気により酸化し、石膏を生成するようになっている。
なお、本実施形態における空気供給手段61は、アーム回転式となっており、タンク60内に中空回転軸62を用いて支持されたモータ(図示せず)により水平回転するアーム63と、中空回転軸62から延長されるとともに開口端がアーム63の下側に延長された空気供給管64と、中空回転軸62の基端側を空気源に供給するためのロータリージョイント65とを備えている。この空気供給手段61では、ロータリージョイント65から空気Cを圧入しつつ中空回転軸62を回転させて、空気供給管64よりアーム63の回転方向背面側に生じる気相域に空気Cを供給する。さらに、アーム63の回転により生じる渦力により、気相域終縁部の千切れ現象を起こして略均一な微細気泡を多数発生させ、タンク60内で亜硫酸ガスを吸収した吸収剤スラリ溶液と空気とを効率良く接触させるようになっている。
そして、タンク60内のスラリ(石膏と吸収剤である少量の石灰石が懸濁または溶存したもの)は、抜出ポンプ20により吸出されて脱水機30に送出され、この脱水機30により濾過されて、水分含有量の少ない石膏(例えば、水分含有率10%程度)として取り出される。一方、脱水機30からの濾液は、スラリ槽40に送出されて、補給水とともに石灰石が加えられ、再び吸収剤スラリとしてスラリポンプ50によりタンク60内に供給される。
<過酸化状態発生時の対応方法>
以下、図2を参照して、本発明の実施形態に係る過酸化状態発生時の対応方法の手順を説明する。図2は、本発明の実施形態に係る過酸化状態発生時の対応方法の手順を示すフローチャートである。
本発明の実施形態に係る過酸化状態発生時の対応方法では、吸収塔で過酸化状態が発生した可能性がある場合に(例えばORP計器の指示値が120〜130mV程度に上昇し、設定値と指示値との偏差が20〜30mV程度となった場合)、図2に示すように、まず、ORP制御に用いるORP計器の状態が正常であるか否かを判断する(S1)。ここで、ORP計器に異常が発見された場合には、ORP計器計器を校正するとともに、動向を監視し(S2)、過酸化状態が解消されない場合には、速やかに吸収塔過酸化状態解消工程に移行する。
なお、本実施形態では、例えば、ORP計器の設定値は80mVであり、運用値は60〜120mVとなっている。そして、設定値に対して指示値がプラスとなり、かつ偏差が+20mV以上となった場合に、過酸化状態が発生したとして、本発明の対応方法を実施する。
通常の場合、ORP計器の設定値に対して指示値がマイナスとなると、供給される酸化空気流量が増加するようになっているが、ORP計器の指示値が120mVを超えるとともに設定値との偏差が30mVを超えると、液室の固相の亜硫酸カルシウム(CaSO3)は全て石膏(CaSO4)となり、亜硫酸カルシウム(CaSO3)が存在しない状態となってしまう。このため、脱水機の濾布に目詰まりが生じたり、排水処理装置への悪影響が発生するおそれがある。
一方、ORP計器が正常である場合には、煤塵濃度を自動調節し(S3)、吸収剤スラリ循環量を自動調節し(S4)、吸収塔へ供給する吸収剤スラリ流量を自動調節する(S5)。
煤塵濃度の自動調節工程では、吸収塔の上流側に設けられた電気式集塵機を自動運転し、吸収塔へ送出される排ガス中に含まれる煤塵を除去して、吸収塔入口における煤塵濃度を下げる操作を行う。また、吸収剤スラリ循環量の自動調節工程では、例えば、循環ポンプの動翼開度を自動調節することにより、吸収剤スラリ循環量を変化させる。また、吸収剤スラリ流量の調節工程では、例えば、吸収塔へ吸収剤スラリを供給するためのスラリポンプの流量を自動制御し、吸収塔へ供給する吸収剤スラリ流量の調節を行う。
続いて、ORP計器の指示値が所定値(例えば、140mV)を超えているか否かを判断する(S6)。
ここで、ORP計器の指示値が所定値を超えていない場合(例えば130〜140mV未満の場合)には、未だ過酸化状態が発生していないものと判断するが、過酸化状態へ移行する可能性が高いため、吸収塔へ供給する酸化空気量を例えば1000m3N/h前後に調節し、動向を観察することが好ましい(S7)。
一方、ORP計器の指示値が所定値を超えている場合(例えば140〜160mVの場合)には、過酸化状態が深刻化しているため、空気供給手段を停止させて過酸化状態の解消を試みる(S8)。
続いて、ORP計器の指示値が降下して、設定値と指示値との偏差が所定の範囲(例えば20mV以内)となったか否かを判断する(S9)。
ここで、ORP計器の指示値が降下して、設定値と指示値との偏差が所定の範囲となった場合には、過酸化状態が解消に向かっているものと判断して、脱水機(ベルトフィルタ)へ供給する吸収剤スラリ流量を自動調節する(S10)。本工程では、脱水機へ吸収剤スラリを供給するための抜出ポンプの流量を制御し、脱水機(ベルトフィルタ)へ供給する吸収剤スラリ流量を調節する。
一方、ORP計器の指示値が降下せず、かつ設定値と指示値との偏差が所定の範囲とならない場合には、過酸化状態が継続しているものと判断して、脱水機(ベルトフィルタ)へ供給する吸収剤スラリ流量を増加させる(S11)。本工程では、脱水機へ吸収剤スラリを供給するための抜出ポンプの流量を制御し、吸収塔内に存在する吸収剤スラリの入れ替えによって、吸収塔における液質改善を図ることにより、過酸化状態の解消を試みる。
また、脱水機(ベルトフィルタ)へ供給する吸収剤スラリ流量を増加させても過酸化状態が回復しない場合、または適正化となるまで時間を要する場合は、抜出ポンプによる脱水機への吸収剤スラリ供給を停止する(S12)ことが好ましい。この工程では、抜出ポンプから予備タンクに吸収剤スラリを短時間で大量かつ一時的に受け入れ、そのタンク受入相当分(減少分)を、液室内に工水を大量に注入して希釈操作を行うことにより、液質改善を図って過酸化状態の解消を試みる。なお、脱水機への吸収剤スラリ供給を停止することは、石膏の製造中止を意味する。
なお、上述した実施形態で示した具体的数値は一例であり、本実施形態を適用する排煙脱硫装置の形状および規模や、プラントの規模および稼働状態等に応じて、各数値を適宜変更して実施できることは勿論である。
本発明に係る排煙脱硫装置における過酸化状態発生時の対応方法は、主として、発電プラント等で使用されている吸収剤スラリと排煙とを接触させて排煙中の硫黄酸化物を吸収除去する排煙脱硫装置において、吸収塔で過酸化状態が発生して排煙脱硫装置を正常運転できない可能性が発生した場合に、迅速かつ効率よく吸収塔における過酸化状態を解消する際に利用することができる。
本発明の実施形態に係る過酸化状態発生時の対応方法を適用する排煙脱硫装置の模式図である。 本発明の実施形態に係る過酸化状態発生時の対応方法の手順を示すフローチャートである。
符号の説明
10 気液接触装置
20 抜出ポンプ
30 脱水機(ベルトフィルタ)
40 スラリ槽
50 スラリポンプ
60 タンク
61 空気供給手段
62 中空回転軸
63 アーム
64 空気供給管
65 ロータリージョイント
70 導入側吸収塔(接触処理塔)
71 排煙導入部
72 スプレーパイプ
73 スプレーノズル
74 循環ポンプ
75 供給ヘッダ
80 導出側吸収塔
81 排煙導出部
82 ミストエリミネータ

Claims (3)

  1. 吸収剤スラリと排煙とを接触させて排煙中の硫黄酸化物を吸収除去する排煙脱硫装置において吸収塔で過酸化状態が発生した際の対応方法であって、
    吸収塔における運転基準値が所定の範囲を超えた場合に、
    排煙脱硫装置に取り入れる排煙からの煤塵除去量を自動調節する工程と、
    吸収剤スラリ循環量を自動調節する工程と、
    吸収塔へ供給する酸化空気流量を減少させる工程と、
    吸収塔へ供給する吸収剤スラリ流量を自動調節する工程と、
    脱水機へ供給する吸収剤スラリ流量を増加させる工程と、からなる吸収塔過酸化状態解消工程のうちの少なくとも一工程を行うことにより吸収塔における過酸化状態を解消することを特徴とする排煙脱硫装置における過酸化状態発生時の対応方法。
  2. 前記吸収剤スラリとして、石灰石を溶質とするとともに水を溶媒とした炭酸カルシウムスラリを用いることを特徴とする請求項1に記載の排煙脱硫装置における過酸化状態発生時の対応方法。
  3. 前記吸収塔へ供給する酸化空気流量の減少工程は、吸収塔内の酸化還元電位の測定結果に応じて、吸収塔へ酸化空気を供給する空気供給手段の流量制御を行うことにより酸化空気流量を調節するとともに、
    酸化還元電位が運転基準値よりも高い第1の状態では、排煙脱硫装置の運転に最低限必要な酸化空気流量となるような調節を行い、
    該第1の状態と比較して酸化還元電位が運転基準値よりもさらに高い第2の状態では、空気供給手段の運転を停止することを、特徴とする請求項1または2に記載の排煙脱硫装置における過酸化状態発生時の対応方法。
JP2007013400A 2007-01-24 2007-01-24 排煙脱硫装置における過酸化状態発生時の対応方法 Expired - Fee Related JP5019360B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007013400A JP5019360B2 (ja) 2007-01-24 2007-01-24 排煙脱硫装置における過酸化状態発生時の対応方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007013400A JP5019360B2 (ja) 2007-01-24 2007-01-24 排煙脱硫装置における過酸化状態発生時の対応方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008178785A true JP2008178785A (ja) 2008-08-07
JP5019360B2 JP5019360B2 (ja) 2012-09-05

Family

ID=39723094

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007013400A Expired - Fee Related JP5019360B2 (ja) 2007-01-24 2007-01-24 排煙脱硫装置における過酸化状態発生時の対応方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5019360B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012049774A1 (ja) 2010-10-15 2012-04-19 三菱重工業株式会社 排ガス中の水銀処理システム
CN103566748A (zh) * 2013-11-21 2014-02-12 航天环境工程有限公司 烧结机搅拌式湿式排烟脱硫装置
JP2019058850A (ja) * 2017-09-25 2019-04-18 関西電力株式会社 硫黄酸化物を含むガスの脱硫方法および脱硫装置
CN115025599A (zh) * 2022-03-11 2022-09-09 华能(浙江)能源开发有限公司玉环分公司 一种使用脱硫添加剂实现脱硫浆液循环泵节能降耗方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61433A (ja) * 1984-06-14 1986-01-06 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 排煙脱硫方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61433A (ja) * 1984-06-14 1986-01-06 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 排煙脱硫方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012049774A1 (ja) 2010-10-15 2012-04-19 三菱重工業株式会社 排ガス中の水銀処理システム
CN103068469A (zh) * 2010-10-15 2013-04-24 三菱重工业株式会社 废气中的汞的处理系统
JPWO2012049774A1 (ja) * 2010-10-15 2014-02-24 三菱重工業株式会社 排ガス中の水銀処理システム
US8999047B2 (en) 2010-10-15 2015-04-07 Mitsubishi Hitachi Power Systems, Ltd. System for processing mercury in flue gas
JP5716929B2 (ja) * 2010-10-15 2015-05-13 三菱日立パワーシステムズ株式会社 排ガス中の水銀処理システム
CN103068469B (zh) * 2010-10-15 2015-11-25 三菱日立电力系统株式会社 废气中的汞的处理系统
CN103566748A (zh) * 2013-11-21 2014-02-12 航天环境工程有限公司 烧结机搅拌式湿式排烟脱硫装置
JP2019058850A (ja) * 2017-09-25 2019-04-18 関西電力株式会社 硫黄酸化物を含むガスの脱硫方法および脱硫装置
CN115025599A (zh) * 2022-03-11 2022-09-09 华能(浙江)能源开发有限公司玉环分公司 一种使用脱硫添加剂实现脱硫浆液循环泵节能降耗方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5019360B2 (ja) 2012-09-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10704835B2 (en) Method of spray drying and washing and method of controlling air pollution
JP6223654B2 (ja) 排煙脱硫装置
JP6230818B2 (ja) 排ガス処理装置及び排ガス処理方法
JP5953342B2 (ja) 水銀の再排出を低下させるための亜硫酸塩制御
WO2014156984A1 (ja) 海水排煙脱硫装置とその運転方法
JP2014188406A (ja) 海水排煙脱硫装置とその運用方法
EP3311905A1 (en) Coal-fired boiler exhaust gas treatment apparatus and coal-fired boiler exhaust gas treatment method
JP2013086054A (ja) 海水利用の湿式石灰石−石膏法脱硫装置
JP6747167B2 (ja) 硫酸製造システム
JP5019360B2 (ja) 排煙脱硫装置における過酸化状態発生時の対応方法
JP5019359B2 (ja) 排煙脱硫装置における亜硫酸カルシウム濃度上昇時の対応方法
JP5106479B2 (ja) 脱硫装置における水銀再放出抑制方法および装置
TWI531538B (zh) Oxidation tank, seawater desulfurization system and power generation system
JP3332678B2 (ja) 湿式排煙脱硫装置
JP2009172541A (ja) 湿式排煙脱硫装置の酸化用空気供給量制御方法
JP5019361B2 (ja) 排煙脱硫装置における吸収剤スラリ濃度上昇時の対応方法
JP5583037B2 (ja) エアレーション装置及びこれを備えた海水排煙脱硫装置、エアレーション装置の運転方法
JP5019358B2 (ja) 排煙脱硫装置における吸収塔失活時の対応方法
JP3337382B2 (ja) 排煙処理方法
JPH1094714A (ja) 排煙処理方法
JP5991664B2 (ja) 排煙脱硫システム
JPH10118451A (ja) 排煙処理装置及び排煙処理方法
JP3572188B2 (ja) 排煙処理方法
JP3089209B2 (ja) 排煙処理設備の防食方法
JP3068452B2 (ja) 湿式排煙脱硫装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100120

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100305

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110310

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110406

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110606

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120229

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120329

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120606

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5019360

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150622

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150622

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150622

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees