JP3337380B2 - 排煙処理方法 - Google Patents

排煙処理方法

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JP3337380B2
JP3337380B2 JP29463596A JP29463596A JP3337380B2 JP 3337380 B2 JP3337380 B2 JP 3337380B2 JP 29463596 A JP29463596 A JP 29463596A JP 29463596 A JP29463596 A JP 29463596A JP 3337380 B2 JP3337380 B2 JP 3337380B2
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    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
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    • B01D53/00Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排煙の脱硫とアン
モニアの除去を小型な装置構成で効率良く実現できる技
術に係り、特にアンモニアの除去率の高い排煙処理方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の排煙処理方法としては、
充填式の吸収塔(気液接触塔)や、スプレー式又は液柱
式の吸収塔を使用し、石灰石等の吸収剤が懸濁した吸収
液と排煙とを気液接触させることにより排煙中の硫黄酸
化物(主に亜硫酸ガス)等を除去するものが知られてい
る。しかし、従来の充填式の排煙処理装置でも、或いは
スプレー式又は液柱式の排煙処理装置であっても、その
基本構成は一つの吸収液タンクに対して一つの気液接触
塔が設置された構成が一般的であり、脱硫の高性能化と
ともに小型化や低コスト化、さらにはメンテナンス性向
上を図る上で限界があった。
【0003】すなわち、高性能化を図ろうとすると、ス
プレー式では基本的にスプレイノズルの設置段数を増や
すことが必要で、液柱式では液柱高さを高くする必要が
あり、また充填式では充填部の高さを高くする必要があ
るため、装置全体の大きさ(特に吸収塔高さ)や装置に
接続されるダクトや配管等の数や設置高さが著しく増加
し、吸収液を組み上げるポンプの容量や動力も相当に高
くなるからである。
【0004】そこで出願人は、このような従来の装置の
限界を越えて高性能化と小型化等を実現した装置を特願
平5−118171号(特開平6−327927号)等
により提案している。これは、吸収液を貯留するタンク
の上部に、二つの液柱式吸収塔(並流式と向流式)を並
べて設置し、排煙が順次各吸収塔に導かれてそれぞれの
吸収塔で排煙と吸収液との気液接触が行われる構成とし
たいわゆる並向流タイプのもので、これにより全体的な
小型化(主に吸収塔高さの低減)や低コスト化(設備コ
ストと運転コストの両者の低減化)とともに、高い脱硫
性能や除塵性能を実現したものである。
【0005】以下、このような並向流タイプの気液接触
装置を使用した従来の排煙処理方法の一例について、図
3により説明する。この排煙処理方法は、石灰石よりな
る吸収剤が懸濁した吸収液(以下、吸収剤スラリとい
う。)が供給されるタンク1と、このタンク1の一側部
から上方に延設され、未処理排煙Aとタンク1内の吸収
剤スラリとを気液接触させる液柱式の導入側吸収塔2
と、タンク1の他側部から上方に延設され、前記導入側
吸収塔2から導出された排煙をタンク1内の吸収剤スラ
リと再度気液接触させる液柱式の導出側吸収塔3とより
なる気液接触装置を用いている。
【0006】ここで、導入側吸収塔2は、未処理排煙A
が上部から導入されて下方に向って流れるいわゆる並流
式の吸収塔である。また、導出側吸収塔3は、処理済排
煙Bを導出するための排煙導出部(図示略)がその上端
部に形成されて、導入側吸収塔2を通過しタンク1内上
部を経由した排煙が上方に向って流れるいわゆる向流式
の吸収塔である。
【0007】また各吸収塔2,3には、スプレーパイプ
4,5がそれぞれ複数平行に設けられ、これらスプレー
パイプ4,5には、吸収剤スラリを上方に向って液柱状
に噴射するノズル(図示略)が複数形成されている。ま
た、タンク1の外側には、タンク1内の吸収剤スラリを
吸上げる循環ポンプ6,7が設けられ、循環ライン8,
9を介して吸収剤スラリが各スプレーパイプ4,5に送
り込まれ、各ノズルから上向きに噴射される。
【0008】そして図3の場合には、タンク1内のスラ
リを撹拌しつつ酸化用の空気Cを微細な気泡として吹込
むいわゆるアーム回転式のエアスパージャ10を備え、
タンク1内で亜硫酸ガスを吸収した吸収剤スラリと空気
とを効率良く接触させて全量酸化し石膏を得る構成とな
っている。すなわちこの方法では、吸収2又は3でヘ
ッダーパイプ4又は5から噴射され排煙と気液接触して
亜硫酸ガスや粉塵を吸収しつつ流下する吸収剤スラリ
は、いずれもタンク1内においてエアスパージャ10に
より撹拌されつつ吹込まれた多数の気泡と接触して酸化
され、さらには中和反応を起こして石膏を高濃度に含む
スラリとなる。なお、これらの処理中に起きる主な反応
は以下の反応式(1)乃至(3)となる。
【0009】
【化1】(吸収排煙導入部) SO2 +H2O → H+ +HSO3 - (1) (タンク) H+ +HSO3 - +1/2O2 → 2H+ +SO4 2- (2) 2H+ +SO4 2- +CaCO3 +H2O → CaSO4・2H2O +CO2 (3)
【0010】こうしてタンク1内には、定常的には多量
の石膏と吸収剤である少量の石灰石と排煙中から捕集さ
れた僅かな粉塵とが懸濁又は溶存するようになってお
り、このタンク1内のスラリがこの場合循環ライン9か
ら分岐する配管ライン9aにより固液分離機11に供給
され、ろ過されて水分の少ない石膏Dとして採り出され
る。一方、固液分離機11からのろ液は、この場合ろ液
槽12を経由してポンプ13により送り出され、一部が
吸収剤スラリを構成する水分としてタンク1に返送さ
れ、一部が不純物の蓄積を防止すべく脱硫排水Eとして
排出される。
【0011】なお、運転中タンク1には、この場合スラ
リ調整槽15から吸収剤である石灰石がスラリとして供
給される。スラリ調整槽15は、攪拌機16を有し、図
示省略したサイロから投入される粉状の石灰石Fと、供
給された水G(工業用水等)とを攪拌混合してスラリ状
の吸収剤を生成するもので、内部の吸収剤がスラリポン
プ17によりタンク1に適宜供給されるようになってい
る。また、例えばタンク1には、適宜補給水(工業用水
等)が供給され、各吸収塔2,3での蒸発等により漸次
減少する水分が補われる。
【0012】そして運転中には、上記タンク1への補給
水の流量や配管ライン9aからのスラリ抜き出し流量な
どが調整されることによって、タンク1内には、所定濃
度の石膏や吸収剤を含有するスラリが常に一定範囲のレ
ベル内に蓄えられた状態に維持される。また運転中に
は、脱硫率と石膏純度とを高く維持すべく、ボイラ負荷
(排煙Aの流量)や、未処理排煙A中の亜硫酸ガス濃度
や、タンク1内のpHや石灰石濃度等がセンサにより検
出され、これら検出結果に基づいて図示省略した制御装
置によりタンク1への石灰石の供給量等が適宜調節され
る構成となっている。ここで、タンク1内のpHは、亜
硫酸ガスの吸収性能を高く維持しつつ前述した酸化反応
を促進して純度の高い石膏を生成すべく、従来通常は
6.0程度に調整されるようになっている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、出願人
が提案し実用化している上記並向流タイプの気液接触装
置を使用した排煙処理方法では、未処理排煙A中にアン
モニアが含まれる場合、向流式の導出側吸収塔3におい
てこのアンモニアがガスとして放散し処理後排煙B中に
多量に含まれて排出されてしまうという改善すべき問題
があった。
【0014】すなわち、例えば火力発電設備の油焚きボ
イラの排煙処理設備では、排煙中に含まれる三酸化硫黄
(SO3)を硫安((NH4)2SO4)として捕集するため
に、通常脱硫装置よりも前流においてアンモニアを排煙
中に注入する処理がなされ、このために脱硫用の吸収塔
に導入される未処理排煙A中には最高100ppm程度
のアンモニアが含まれる。そして、図3に例示したよう
な従来の並向流タイプの気液接触装置では、並流式の導
入側吸収塔2においてこのアンモニアの多くがスラリ中
に溶解して吸収され、導入側吸収塔2の出口部において
は、排煙中のアンモニア濃度は一旦最高10ppm程度
まで低下する。しかし、導出側吸収塔3の上部に噴射さ
れ排煙と接触するスラリのpHが6程度と高いため、こ
の吸収塔3上部でのアンモニアの分圧が高くなりスラリ
中のアンモニアがここで再びガス側に放散されて、結局
処理後排煙B中のアンモニア濃度は最高50ppm程度
になってしまう。
【0015】なお、我が国ではアンモニアは未だ排出規
制の対象にはなっていないが、大気汚染防止の観点から
大気中に放出される処理後排煙B中のアンモニア濃度を
極力少なくすることが望ましく、装置の小型化や高脱硫
性能を実現するとともに、アンモニアの排出量の少ない
排煙処理方法が要望されていた。そこで本発明は、並流
式の吸収塔と向流式の吸収塔を併設してなるタイプの気
液接触装置を使用した基本構成でありながら、処理後排
煙中のアンモニア濃度を低く抑えられる排煙処理装置及
び排煙処理方法を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】すなわち、上記目的を達
成するため、請求項1の排煙処理方法は、排煙中の少な
くとも亜硫酸ガスとアンモニアを吸収液に気液接触させ
て除去する排煙処理装置であって、前記吸収液が供給さ
れるタンクと、このタンクの一側部から上方に延設さ
れ、未処理排煙を下部から導入して前記タンク内の吸収
液と気液接触させる向流式の導入側吸収塔と、前記タン
クの他側部から上方に延設され、前記導入側吸収塔から
導出された排煙を上部から導入して前記タンク内の吸収
液と気液接触させる並流式の導出側吸収塔とを備えた排
煙処理装置を使用して排煙中の少なくとも亜硫酸ガスと
アンモニアを除去する排煙処理方法であって、前記タン
クを各吸収塔毎に区画して各吸収塔の吸収液の性状を別
個独立に制御し、前記導出側吸収塔の吸収液のpHを、
アンモニアの排煙中への放散が起き難い低い値に制御す
ることを特徴とする。
【0017】また、本発明の排煙処理方法は、請求項2
記載の排煙処理方法であって、前記タンクを各吸収塔毎
に区画して各吸収塔の吸収液の性状を別個独立に制御
し、前記導出側吸収塔の吸収液のpHを、アンモニアの
排煙中への放散が起き難い低い値4.0〜5.0に制御
することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の各態
様例を図面に基づいて説明する。第1例 図1は、第1例の排煙処理装置の構成を示す図であり、
まず、この装置構成について説明する。なお、図3の従
来例と同様の要素については、同符号を付して重複する
説明を省略する。
【0019】この排煙処理装置は、吸収剤スラリが供給
されるタンク21と、このタンク21の一側部から上方
に延設され、未処理排煙Aとタンク21内の吸収剤スラ
リとを気液接触させる液柱式の導入側吸収塔22と、タ
ンク21の他側部から上方に延設され、前記導入側吸収
塔22から導出された排煙をタンク21内の吸収剤スラ
リと再度気液接触させる液柱式の導出側吸収塔23とを
備え、これにより排煙が順次各吸収塔に導かれて、向流
式と並流式のそれぞれの吸収塔で排煙と吸収剤スラリと
の気液接触が順次行われる構成となっている。
【0020】ここで、導入側吸収塔22及び導出側吸収
塔23は、少なくとも気液接触部における流路断面形状
が一定断面形状のもので、タンク21の上方の空間を仕
切るように直立状態に配設された隔24の両側に形成
されている。そして、導入側吸収塔22は、未処理排煙
Aを導入するための排煙導入部25がその下端部に形成
されて排煙が上方に向って流れるいわゆる向流式の吸収
塔であり、導出側吸収塔23は、処理済排煙Bを導出す
るための排煙導出部26がその下端部に形成されて、導
入側吸収塔22を通過し隔24上部の接続空間を経由
した排煙が下方に向って流れるいわゆる並流式の吸収塔
である。
【0021】そして、スラリ状の吸収剤が生成されるス
ラリ調整槽15からの吸収剤の供給量は、ポンプ17に
よりタンク21に吸収剤を供給するライン41に設けら
れた流量調整弁27の以下のような開度調整により行わ
れる。すなわち、石灰石濃度センサ28の検出出力や図
示省略したセンサによる入口亜硫酸ガス濃度の検出値等
に基づくコントローラ29の制御により従来どおり調整
され、これによって、タンク21内のpHは、従来どお
り排煙中の亜硫酸ガスの吸収や酸化反応に最適な値(例
えば6.0程度)に維持される構成となっている。
【0022】なお、導出側吸収塔23の排煙導出部26
には、同伴ミストを捕集除去するためのミストエリミネ
ータ26aが設けられている。この場合、このミストエ
リミネータ26aで捕集されたミストは、このミストエ
リミネータ26aの下端から流れ落ちて直接タンク21
内に戻る構成となっている。またこの場合、導出側吸収
塔23の流路断面積が、導入側吸収塔22に対して相対
的に小さく設定されており、これによって、導出側吸収
塔23において排煙の高流速が実現されて特に粉塵の捕
集が効果的に行われるようになっており、一方導入側吸
収塔22においては大きな気液接触容量が確保されて亜
硫酸ガスの吸収が特に効果的に行われるようになってい
る。
【0023】さらにこの場合には、空気供給管30によ
りタンク21内に酸化用の空気Cが供給され、攪拌機3
1によりタンク21内のスラリが攪拌されるとともに酸
化用の空気Cが微細な気泡となるよう構成されており、
従来例と同様に、タンク21内で亜硫酸ガスを吸収した
吸収剤スラリと空気とが効率良く接触して全量酸化し石
膏が生成される構成となっている。
【0024】次に、上述した排煙処理装置の動作につい
て説明する。以上の構成において、未処理排煙Aは、ま
ず向流式の導入側吸収塔22において、スプレーパイプ
4から液柱状に噴射されたスラリと気液接触し、亜硫酸
ガスとともに粉塵やアンモニアが吸収又は捕集される。
特に、この導入側吸収塔22では、その大きな気液接触
容量によって、ほとんどの亜硫酸ガスとアンモニアが除
去される。
【0025】このため、隔24の上方の接続流路を通
過して導出側吸収塔32の上部に流入する排煙は、アン
モニアや亜硫酸ガスをほとんど含有しないものとなり、
次いで導出側吸収塔23における気液接触で主に残りの
粉塵を捕集除去される。特にこの導入側吸収塔23にお
いては、流路断面が小さく設定され排煙が高速でスラリ
と接触するため、いわゆる衝突除塵が効果的に生じて排
煙中の粉塵が効果的にスラリ中に捕集される。
【0026】しかもこの際、導出側吸収塔23において
スプレーパイプ5から液柱状に噴射された直後のスラリ
は、pHが6.0程度と比較的高いものとなっている
が、導出側吸収塔23の下部に流れ落ちた時点では、排
煙中の亜硫酸ガスが溶け込むことにより、pHは4.0
〜5.0程度に低下している。このため、導出側吸収塔
23の下部の出口付近では、アンモニアの分圧が抑制さ
れ、スラリの液中に溶け込んだアンモニアが逆に排煙中
に放散してしまう従来のような現象が回避される。した
がって最終的には、亜硫酸ガスと粉塵とアンモニアの濃
度が極めて低く抑えられた処理後排煙Bが、導出側吸収
塔23から排出される。特にアンモニア濃度は、発明者
の計算によれば、未処理排煙A中の濃度が100ppm
程度の場合でも、処理後排煙Bでは5ppm程度に低く
抑えられる。
【0027】なお、各吸収塔22,23において排煙中
の亜硫酸ガスとともに粉塵やアンモニアを吸収又は捕集
したスラリは、タンク21内に流下する。また、気液接
触により排煙中に飛散したアンモニアを含むミストは、
ミストエリミネータ26aにより捕集されてやはりタン
ク21に戻される。そして、タンク21においては、配
管30や攪拌機31によりスラリ中に吹込まれた微細気
泡によってスラリ中に吸収された亜硫酸ガスが酸化さ
れ、前述の反応式(1)〜(3)の反応によって従来ど
おり石膏が生成され、固液分離機11により分離され
る。また、各吸収塔22,23においてスラリの液中に
吸収された排煙中のアンモニアは、固液分離機11での
固液分離処理により液相側に分離され、最終的にはポン
プ13の吐出側から分岐する配管ラインによって排出さ
れる脱硫排水E中に溶解した状態で系外に排出される。
【0028】このように、本例の排煙処理装置によれ
ば、並流式の吸収塔と向流式の吸収塔を併設してなる気
液接触装置を使用した小型な構成でありながら、亜硫酸
ガスや粉塵を効果的に除去できるとともに、処理後排煙
中のアンモニア濃度も低く抑えられる。このため、排煙
中の有害物による大気汚染の防止が、より実用的かつ万
全に実現できる。また本例の装置では、排煙導入部25
及び排煙導出部26が吸収塔の下端部に配設されている
ため、これに接続するダクトの設置高さが著しく低くで
き、ダクトの設置コストを著しく低減できるという特有
の効果がある。
【0029】第2例 次に、図2により本発明の第2例について説明する。図
2は、本発明の排煙処理方法を実施するための装置構成
を示す図である。なお、図1の第1例と同様の要素につ
いては、同符号を付して重複する説明を省略する。本例
は、タンク21を各吸収塔毎に区画して各吸収塔の吸収
液の性状を別個独立に制御し、導出側吸収塔23の吸収
液のpHを、アンモニアの排煙中への放散が起き難い低
い値(例えば、4.0〜5.0)に積極的に制御するこ
とを特徴とするもので、その他の基本的な装置構成は第
1例と同じである。
【0030】この場合、タンク21内を区画するように
タンク21の底まで伸びる隔壁24aが設けられ、これ
によりタンク21は、導入側タンク21aと導出側タン
ク21bとに分けられている。なお図示省略している
が、酸化用空気Cを供給するための前述の配管30や、
この空気Cを微細化しつつスラリを攪拌する前述の攪拌
機31と同様の手段が、導出側タンク21bにも別個に
設置されている。また、スラリ状の吸収剤が生成される
スラリ調整槽15からの吸収剤の供給は、ポンプ17の
吐出側から二つに分岐する配管ライン(ライン41,4
2)によって、各タンク21a,21bに対して別個に
行われる。
【0031】この場合、導入側タンク21aに吸収剤を
供給するライン41に設けられた流量調整弁27の開度
は、前述したように石灰石濃度センサ28の検出出力や
図示省略したセンサによる入口亜硫酸ガス濃度の検出値
等に基づくコントローラ29の制御により従来どおり調
整され、これによって、導出側タンク21a内のpH
は、従来どおり排煙中の亜硫酸ガスの吸収や酸化反応に
最適な値(例えば6.0程度)に維持される構成となっ
ている。
【0032】一方、導出側タンク21bに吸収剤を供給
するライン42に設けられた流量調整弁43の開度は、
pHセンサ44の検出出力に基づくコントローラ45の
制御により調整され、これによって、導出側吸収塔23
の下部を流れ落ちるスラリのpHが、アンモニアの排煙
中への放散が起き難い低い値(例えば4.0〜5.0)
に維持される構成となっている。
【0033】ここで、pHセンサ44は、スプレーパイ
プ5から噴射され排煙と気液接触しつつ吸収塔23の下
部に流下するスラリの一部のpHを測定するようになっ
ている。即ち、スプレーパイプ5の下方には、流下する
スラリの一部を受け止めるスラリ受け46が設けられ、
このスラリ受け46により受け止められてその底部に接
続された配管によりタンク21b内に戻される途上のス
ラリのpHがpHセンサ44により計測される構成とな
っている。また、コントローラ45による制御内容は、
例えばpHセンサ44によるpHの測定値が制御目標値
(例えば4.5)を越えたときには、比例感度に応じた
分だけアルカリ剤として機能する吸収剤の供給量を減少
させ、逆に制御目標値よりも低下したときには、比例感
度に応じた分だけ吸収剤の供給量を増加させるといった
処理内容に設定されている。
【0034】本例によれば、基本的に第1例と同様の作
用により、排煙中の亜硫酸ガスや粉塵とともにアンモニ
アが効果的に除去されるが、この場合には導出側吸収塔
23の下部を流れ落ちる吸収剤スラリのpHを積極的に
低く制御しているので、アンモニアの放散が信頼性高く
回避され、未処理排煙Aの性状変動等があっても処理後
排煙B中のアンモニア濃度が確実に低く維持される。
【0035】例えば、未処理排煙A中の亜硫酸ガスの濃
度がなんらかの要因で異常に低下した場合には、導入側
吸収塔22を出て導出側吸収塔23に入る排煙中にはほ
とんど亜硫酸ガスは残留していない。このためこのよう
な場合には、導出側吸収塔23に噴射され排煙と気液接
触した後の吸収剤スラリでも、pHが十分に低下しない
ためにスラリ液中のアンモニアがガス中に放散してしま
う可能性がある。ところが本例の場合には、導入側吸収
塔23の下部に流れ落ちる吸収剤スラリのpHがpHセ
ンサ44により常にモニターされて、これが上昇し始め
るとコントローラ45の前記制御により吸収剤の供給量
が低減されて、導出側タンク21b内の吸収剤スラリの
pHが通常よりもその分だけ若干低く操作されることに
より、導出側吸収塔23の下部に流れ落ちる吸収剤スラ
リのpHが常時低く維持される。したがって、導出側吸
収塔23の下部(即ち、吸収塔の出口)におけるスラリ
液中からガス中へのアンモニアの放散が確実に回避され
る。
【0036】なお、本発明は上記二つの例に限られず、
各種の態様があり得る。例えば、各吸収塔は、必ずしも
液柱式の吸収塔に限られず、例えば単なるスプレー式或
いは充填式の吸収塔であってもよい。但し、液柱式の吸
収塔は、除塵性能が格段に高いので、排煙中に多量の粉
塵が含まれるような場合には優れている。また、吸収液
のpHの調整は、上記実施例のように吸収剤である石灰
石の供給量により操作する方法に限られず、例えば水酸
化ナトリウム等の薬剤を別途投入して操作する構成でも
よいのはいうまでもない。
【0037】また、導出側吸収塔の吸収液のpHの値
(アンモニアの排煙中への放散が起き難い低い値)は、
実際には、未処理排煙中に含まれるアンモニアの濃度や
処理後排煙中の許容アンモニア濃度(目標値)により、
後述する図4に示す関係に基づいて適宜設定すればよ
い。すなわち、吸収液のpHとNH3の平衡分圧(ガス
中アンモニア濃度)の関係は、図4の実験結果に示され
るように、吸収液中のNH4 +の蓄積量により変化する。
このため、前記pHの値の上限は、未処理排煙中に含ま
れるアンモニアの濃度に応じて変化する吸収液中のNH
4 +の蓄積量と、処理後排煙中の許容アンモニア濃度とか
ら、図4に示す関係から決定すればよい。
【0038】例えば、VR焚き或いはアスファルト焚き
用の脱硫装置の場合、吸収液に蓄積されるアンモニア濃
度は500mmol/l程度であるので、処理後排煙中のアン
モニア濃度を例えば10ppm以下とする場合には、図
4から明らかなようにpH値を5.0以下に保持すれば
充分であり、余裕分を考慮しなければpH5.2程度で
もよい。
【0039】また、石炭焚き用の脱硫装置の場合には、
脱硫装置の前流においてアンモニア注入を通常行わない
ので、吸収液中のアンモニア濃度は5mmol/l程度とな
り、現状のプロセス(pHが例えば6.0程度)でも問
題とならないが、例えば脱硫性能向上等の目的で吸収液
中にアンモニア注入を行うような場合には、その程度に
応じて図4の関係に基づいて導出側の吸収塔のpH値を
低く設定すればよい。但し、脱硫性能や石膏品質もより
高く維持すること、及びpHが4未満では装置材料に対
する腐食性が著しく強くなるので耐食性高級材料が必要
となり経済性を損うことを考慮すれば、pH値の下限は
4以上であることが好ましく、また図4からも分るよう
に、油焚きボイラ用の脱硫として処理後排煙中のアンモ
ニア濃度を実用的な条件において信頼性高く10ppm
以下に抑えるためには、pH値の上限を5.0以下とす
るのが好ましい。
【0040】
【発明の効果】本発明では、並流式の吸収塔と向流式の
吸収塔を併設してなる気液接触装置を使用した小型な構
成でありながら、排煙中の亜硫酸ガスを効果的に除去で
きるとともに、処理後排煙中のアンモニア濃度も従来よ
り格段に低く抑えられる排煙処理装置を使用している。
このため、排煙中の有害物による大気汚染の防止が、よ
り実用的かつ万全に実現できる。
【0041】そして、請求項1及び2に記載したよう
に、タンクを各吸収塔毎に区画して各吸収塔の吸収液の
性状を別個独立に制御し、導出側吸収塔の吸収液のpH
を、アンモニアの排煙中への放散が起き難い低い値(例
えば、4.0〜5.0)に制御するようにして、未処理
排煙の性状変動等があっても処理後排煙中のアンモニア
濃度が確実に低く維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1例である排煙処理装置の構成を示
す図である。
【図2】本発明の第2例である排煙処理装置の構成を示
す図である。
【図3】従来の排煙処理装置を示す図である。
【図4】吸収液のpHとNH3の平衡分圧の関係(実験
結果)を示す図である。
【符号の説明】
22 導入側吸収塔 23 導出側吸収塔 21 タンク 21a 導入側タンク 21b 導出側タンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高品 徹 広島市西区観音新町四丁目6番22号 三 菱重工業株式会社広島研究所内 (56)参考文献 特開 平5−220331(JP,A) 特開 平8−117543(JP,A) 特開 平8−951(JP,A) 特開 昭50−74564(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 53/34

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排煙中の少なくとも亜硫酸ガスとアンモ
    ニアを吸収液に気液接触させて除去する排煙処理装置で
    あって、前記吸収液が供給されるタンクと、このタンク
    の一側部から上方に延設され、未処理排煙を下部から導
    入して前記タンク内の吸収液と気液接触させる向流式の
    導入側吸収塔と、前記タンクの他側部から上方に延設さ
    れ、前記導入側吸収塔から導出された排煙を上部から導
    入して前記タンク内の吸収液と気液接触させる並流式の
    導出側吸収塔とを備えた排煙処理装置を使用して排煙中
    の少なくとも亜硫酸ガスとアンモニアを除去する排煙処
    理方法であって、前記タンクを各吸収塔毎に区画して各
    吸収塔の吸収液の性状を別個独立に制御し、前記導出側
    吸収塔の吸収液のpHを、アンモニアの排煙中への放散
    が起き難い低い値に制御することを特徴とする排煙処理
    方法。
  2. 【請求項2】 前記導出側吸収塔の吸収液のpHを4.
    0〜5.0に制御することを特徴とする請求項1記載の
    排煙処理方法。
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