以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
<部品実装装置の構成>
図1に、部品実装装置10を示す。部品実装装置10は、回路基材12に対する部品の実装作業を実行するための装置である。部品実装装置10は、装置本体20、基材搬送保持装置22、部品装着装置24、撮像装置26,28、部品供給装置30、ばら部品供給装置32、制御装置(図21参照)34を備えている。なお、回路基材12として、回路基板、三次元構造の基材等が挙げられ、回路基板として、プリント配線板、プリント回路板等が挙げられる。
装置本体20は、フレーム部40と、そのフレーム部40に上架されたビーム部42とによって構成されている。基材搬送保持装置22は、フレーム部40の前後方向の中央に配設されており、搬送装置50とクランプ装置52とを有している。搬送装置50は、回路基材12を搬送する装置であり、クランプ装置52は、回路基材12を保持する装置である。これにより、基材搬送保持装置22は、回路基材12を搬送するとともに、所定に位置において、回路基材12を固定的に保持する。なお、以下の説明において、回路基材12の搬送方向をX方向と称し、その方向に直角な水平の方向をY方向と称し、鉛直方向をZ方向と称する。つまり、部品実装装置10の幅方向は、X方向であり、前後方向は、Y方向である。
部品装着装置24は、ビーム部42に配設されており、2台の作業ヘッド60,62と作業ヘッド移動装置64とを有している。各作業ヘッド60,62は、チャック,吸着ノズル等の部品保持具(図2参照)66を有しており、部品保持具66によって部品を保持する。また、作業ヘッド移動装置64は、X方向移動装置68とY方向移動装置70とZ方向移動装置72とを有している。そして、X方向移動装置68とY方向移動装置70とによって、2台の作業ヘッド60,62は、一体的にフレーム部40上の任意の位置に移動させられる。また、各作業ヘッド60,62は、図2に示すように、スライダ74,76に着脱可能に装着されており、Z方向移動装置72は、スライダ74,76を個別に上下方向に移動させる。つまり、作業ヘッド60,62は、Z方向移動装置72によって、個別に上下方向に移動させられる。
撮像装置26は、下方を向いた状態でスライダ74に取り付けられており、作業ヘッド60とともに、X方向,Y方向およびZ方向に移動させられる。これにより、撮像装置26は、フレーム部40上の任意の位置を撮像する。撮像装置28は、図1に示すように、フレーム部40上の基材搬送保持装置22と部品供給装置30との間に、上を向いた状態で配設されている。これにより、撮像装置28は、作業ヘッド60,62の部品保持具66に保持された部品を撮像する。
部品供給装置30は、フレーム部40の前後方向での一方側の端部に配設されている。部品供給装置30は、トレイ型部品供給装置78とフィーダ型部品供給装置(図示省略)とを有している。トレイ型部品供給装置78は、トレイ上に載置された状態の部品を供給する装置である。フィーダ型部品供給装置は、テープフィーダ(図示省略)によって部品を供給する装置である。
ばら部品供給装置32は、フレーム部40の前後方向での他方側の端部に配設されている。ばら部品供給装置32は、ばらばらに散在された状態の複数の部品を整列させて、整列させた状態で部品を供給する装置である。つまり、任意の姿勢の複数の部品を、所定の姿勢に整列させて、所定の姿勢の部品を供給する装置である。以下に、部品供給装置32の構成について詳しく説明する。なお、部品供給装置30および、ばら部品供給装置32によって供給される部品として、電子回路部品,太陽電池の構成部品,パワーモジュールの構成部品等が挙げられる。また、電子回路部品には、リードを有する部品,リードを有さない部品等が有る。
ばら部品供給装置32は、図3に示すように、本体80と、部品供給器82と、部品散在状態実現装置84と、部品戻し装置86と、撮像装置88と、部品引渡し装置90とを有している。部品供給器82と部品散在状態実現装置84と部品戻し装置86とは、本体80に固定されたフレーム96に組み付けられており、それら部品供給器82と部品散在状態実現装置84と部品戻し装置86とによって、部品供給ユニット98が構成されている。その部品供給ユニット98は、ばら部品供給装置32では、5つ配設されており、それら5つの部品供給ユニット98が、X方向に1列に並んで配設されている。なお、図3は、ばら部品供給装置32の内部構造を示す図である。
(a)部品供給器
部品供給器82は、図4および図5に示すように、部品収納器100とハウジング102とグリップ104とを含む。
(i)部品収納器
部品収納器100は、概して直方体形状をなし、上面と前面とが開口している。部品収納器100の内部は、図6に示すように、1対の傾斜面106,108によって、投入部110と収納部112とに区分けされている。詳しくは、傾斜面106,108は、互いの端部が向かい合うように配設されており、互いの向かい合う端部が下方に位置するように、傾斜面106,108は傾斜している。また、傾斜面106,108の互いに向かい合う端部は、離間しており、傾斜面106,108の互いに向かい合う端部の間には、開口114が形成されている。なお、部品収納器100の開口する前面側に位置する傾斜面106の斜度は、傾斜面108の斜度より緩やかであり、傾斜面106の開口114側の端部は、傾斜面108の開口114側の端部より上方に位置している。また、開口114は、部品収納器100に収容される部品より大きく開口している。
このような構造により、部品収納器100の開口する上面から投入部110に、複数の部品が投入されると、それら複数の部品は、傾斜面106,108を転がり、開口114から収納部112に収納される。なお、収納部112の底面、つまり、部品収納器100の底面は、傾斜面116となっており、部品収納器100の開口する前面に向かって傾斜している。
(ii)ハウジング
ハウジング102は、図4および図5に示すように、1対の側壁120を有している。それら1対の側壁120は、概して矩形をなし、部品収納器100を挟むように、対向して配設されている。各側壁120の後方側の端部には、コの字型に突出する1対の突出部122,124が形成されている。1対の側壁120は、突出部122,124において、連結部材126,128によって連結されている。また、1対の側壁120は、前方側の端部において、連結ロッド130によって連結され、下端部において、連結ロッド132によって連結されている。なお、1対の側壁120の間の寸法は、1対の側壁120によって挟まれる部品収納器100の幅より僅かに長い。
1対の側壁120には、突出部122の基端部において、支持軸134が架け渡されており、部品収納器100は、後方側の下端部において、支持軸134により搖動可能に支持されている。つまり、部品収納器100は、ハウジング102の内部において、支持軸134を中心に搖動する。また、1対の側壁120には、上端部において、棒状のストッパ136が架け渡されており、下端部において、棒状のストッパ138が架け渡されている。部品収納器100は、ストッパ136により、上方への搖動が規制され、ストッパ138により、下方への搖動が規制されている。
部品収納器100の側壁の前方側には、切欠部140が形成されており、その切欠部140に位置するように、1対の側壁120に、ブラシ保持部材142が架け渡されている。これにより、部品収納器100は、ブラシ保持部材142に当接することなく、ハウジング102の内部において搖動する。そのブラシ保持部材142の下端部には、ブラシ144が下方の延び出すように、固定されている。ブラシ144は、板状に成形されており、板状に成形されたブラシ144の幅方向の寸法は、部品収納器100の内部の幅方向の寸法より僅かに小さい。これにより、部品収納器100が上方に搖動する際に、ブラシ144は、部品収納器100の内部に向かって相対的に移動する。
また、1対の側壁120の間には、図5に示すように、部品収納器100の前面の下端部の前方に位置するように、部品排出部材150が固定的に配設されている。部品排出部材150は、傾斜板152と、その傾斜板152の幅方向での両端部に立設された1対の側板(ただし、図5では1対の側板の一方のみが図示されている)154を含む。傾斜板152は、3つの異なる傾斜面によって構成されている。まず、部品収納器100に最も近い第1の傾斜面156は、部品収納器100の傾斜面116と同じ方向に傾斜しており、その傾斜面116と同程度に傾斜している。第1の傾斜面156に連続する第2の傾斜面158は、第1の傾斜面156と同じ方向に傾斜しており、その第1の傾斜面156より急な角度で傾斜している。第2の傾斜面158に連続する第3の傾斜面160は、第2の傾斜面158と同じ方向に傾斜しており、概ね鉛直方向に傾斜している。
(iii)グリップ
グリップ104は、図4に示すように、固定把持部材170と可動把持部材172とによって構成されている。固定把持部材170は、四角筒形状をなし、1つの側面が開口している。固定把持部材170は、開口する側面を1対の側壁120の間に向けた状態で、上端部において、連結部材128に固定され、下端部において、連結部材126に固定されている。また、可動把持部材172も、四角筒形状をなし、1つの側面が開口している。可動把持部材172の幅方向の寸法は、固定把持部材170の幅方向の寸法より僅かに小さい。そして、可動把持部材172は、それの開口する側面と固定把持部材170の開口する側面とが向かい合うように、固定把持部材170の内部に嵌め入れられている。
また、1対の側壁120には、突出部122において、支持軸174が架け渡されており、可動把持部材172が、下端部において、支持軸174により搖動可能に支持されている。つまり、可動把持部材172は、下端部を中心に搖動し、可動把持部材172の上端部が、固定把持部材170に接近・離間する。その可動把持部材172は、上端部において、連結アーム176によって部品収納器100の後面に連結されている。このため、可動把持部材172の搖動に伴って、部品収納器100も搖動する。つまり、可動把持部材172の上端部が固定把持部材170から離間する方向に搖動すると、部品収納器100は、下方に向かって搖動する。一方、可動把持部材172の上端部が固定把持部材170に接近する方向に搖動すると、部品収納器100は、上方に向かって搖動する。
また、固定把持部材170の側面には、切欠部178が形成されている。切欠部178は、固定把持部材170の開口する側面から内部に向かって、概して水平方向に切り欠かれる第1切欠部180と、第1切欠部180の内部側の端部から下方に向かって切り欠かれる第2切欠部182とによって構成されている。一方、可動把持部材172の側面には、切欠部178に係合する係合部材184が固定されている。また、固定把持部材170と可動把持部材172との間には、スプリング(図示省略)が圧縮された状態で配設されている。このため、可動把持部材172は、スプリングの弾性力によって、固定把持部材170から離れる方向に付勢されている。この際、可動把持部材172の係合部材184は、切欠部178の第1切欠部180に係合している。
つまり、通常時において、可動把持部材172は固定把持部材170から離れる方向に付勢されており、可動把持部材172の上端部は、固定把持部材170から離間する方向に搖動している。そして、部品収納器100は、下方に向かって搖動し、図6に示すように、部品収納器100は、ストッパ138に当接する。この際、部品収納器100の傾斜面116の前方側の端部は、傾斜板152の第1の傾斜面156の後方側の端部と、殆ど隙間なく向かい合っている。また、部品収納器100が下方に向かって搖動している際には、ブラシ144は、部品収納器100の内部に向かって相対的に移動しないため、ブラシ144の下端部と部品収納器100の傾斜面116との間は、大きく開口している。このため、通常時には、部品収納器100の収納部112に収納されている部品が、傾斜板152の上面に転がり落ちる。
また、部品供給器82は、フレーム96に着脱可能に取り付けられる。詳しくは、フレーム96は、図4に示すように、1対のサイドフレーム部190を有している。それら1対のサイドフレーム部190は、概して板状をなし、所定距離、離れた状態で向かい合うように配設されている。1対のサイドフレーム部190の間の距離は、部品供給器82の幅方向の寸法、つまり、1対の側壁120の間の距離より僅かに長い。このため、1対のサイドフレーム部190の間に、部品供給器82が挿入される。
また、各サイドフレーム部190の内壁面には、フレーム96の内部に向かって突出する係合ピン192が固定されている。一方、部品供給器82の各側壁120の下縁には、切欠部196が形成されている。また、図5に示すように、各サイドフレーム部190の内壁面には、前後方向に延びるように、長手形状の支持部材200が固定されている。その支持部材200の前方側の端部には、前方に向かうほど下方に向かって傾斜する傾斜面202が形成されている。一方、部品供給器82の各側壁120の外壁面には、係合ピン206が立設されている。そして、1対のサイドフレーム部190の間に、部品供給器82が挿入された際に、係合ピン192が切欠部196に係合し、係合ピン206が支持部材200の傾斜面202において支持される。これにより、部品供給器82が1対のサイドフレーム部190の間において、位置決めされる。
また、図4に示すように、1対のサイドフレーム部190の間において位置決めされた部品供給器82の連結部材126の下方には、フレーム本体部210が配設されている。フレーム本体部210の上面には、図7に示すように、1対の支持ブロック212が、フレーム96の幅方向に並んで固定されている。そして、それら1対の支持ブロック212に係合ロッド214が架け渡されている。また、部品供給器82のグリップ104の可動把持部材172の下端部には、爪部材216が固定されている。爪部材216は、概してL字型をなし、屈曲した先端部が係合ロッド214に向かって延び出している。そして、可動把持部材172がスプリングの弾性力によって固定把持部材170から離れる方向に付勢されている状態、つまり、通常時において、爪部材216の先端部が、係合ロッド214に係合している。これにより、部品供給器82は、1対のサイドフレーム部190の間において位置決めされた状態で、フレーム96にロックされる。
また、作業者が、部品供給器82のグリップ104を把持した場合には、可動把持部材172が、スプリングの弾性力に抗して、固定把持部材170に向かって接近する。この際、可動把持部材172の下端部に固定された爪部材216は、係合ロッド214から離れる方向に搖動する。これにより、爪部材216の係合ロッド214への係合が解除される。このため、作業者が部品供給器82のグリップ104を把持した状態で、部品供給器82を持ち上げることで、部品供給器82がフレーム96から取り外される。
また、グリップ104の固定把持部材170の下端部の内側には、RFID(radio frequency identifierの略)217が配設されている。RFID217は、電波を用いて、近距離無線通信によりID情報を送信するものであり、ID情報として、部品供給器82により供給される部品に関する情報が送信される。一方、フレーム本体部210の上面には、RFID217から送信されたID情報を受信可能な受信器218が配設されている。これにより、ばら部品供給装置32では、フレーム96に部品供給器82が取り付けられている場合に、受信器218によりID情報が受信され、そのID情報に基づいて、部品供給器82により供給される部品が照合される。
(b)部品散在状態実現装置
部品散在状態実現装置84は、図5に示すように、部品支持部材220と部品支持部材移動装置222と供給器振動装置224とを含む。部品支持部材220は、部品支持板226と1対の側壁部228とを含む。部品支持板226は、概して長手形状の板形状をなし、部品供給器82の傾斜板152の下方から前方に延び出すように、配設されている。1対の側壁部228も、板状をなし、部品支持板226の長手方向の両側縁に固定された状態で向かい合っている。なお、各側壁部228は、部品支持板226の上下方向に突出するように、部品支持板226の長手方向の側縁に固定されている。
部品支持部材移動装置222は、スライダ230とスライド機構232とを含む。スライダ230は、部品支持部材220の側壁部228の下端部に固定されている。スライド機構232は、スライダ230を前後方向に電磁モータ(図21参照)236の駆動により移動させる機構である。これにより、部品支持部材220は、部品供給器82の傾斜板152の下端から僅かに下方において、部品支持板226の上面が水平な状態で、前後方向に移動する。なお、部品支持部材220は、図5に示すように、部品支持板226の略全体が露出する部品供給位置と、図8に示すように、部品支持板226全体が部品供給器82の下方に位置する退避位置との間で移動する。
供給器振動装置224は、図5に示すように、カム部材240とカムフォロワ242とストッパ244とを含む。カム部材240は、板状をなし、側壁部228の外側の側面に、前後方向に延びるように固定されている。カム部材240の上端部には、複数の歯245が前後方向に等間隔で形成されている。複数の歯245の各々は、図9に示すように、後方ほど上方に向かう傾斜面246と、その傾斜面246の上端から鉛直方向に下方に延び出す鉛直面248とによって画定されている。
カムフォロワ242は、ブラケット250とレバー252とローラ254とを含む。ブラケット250は、部品供給器82の側壁120の前方側の下端部に固定されている。レバー252は、上下方向に延びるように配設されており、上端部において、部品供給器82の幅方向に平行な軸線周りに搖動可能に、ブラケット250によって保持されている。ローラ254は、部品供給器82の幅方向に平行な軸線周りに回転可能に、レバー252の下端部によって保持されている。なお、レバー252は、コイルばね(図示省略)の弾性力によって前方に向かう方向に付勢されている。
ストッパ244は、ブラケット250に突状に設けられており、コイルばねの弾性力により付勢されたレバー252が、ストッパ244に接触している。つまり、ストッパ244は、レバー252の前方側への搖動を規制している。なお、レバー252は、前方への搖動が規制された状態において、図5に示すように、鉛直方向において下方に延び出す姿勢となっている。
(c)部品戻し装置
部品戻し装置86は、図10に示すように、容器昇降装置260と部品回収容器262と運動変換機構264とシャッタ265とを含む。容器昇降装置260は、エアシリンダ266と昇降部材268とを含む。エアシリンダ266は、ピストンロッド270を有しており、ピストンロッド270が上下方向に伸縮するように、部品支持部材220の前方側に配設されている。そのエアシリンダ266は、スライダ230の前方側の端部に固定されている。これにより、エアシリンダ266は、部品支持部材移動装置222の作動により、部品支持部材220と共に前後方向に移動する。また、昇降部材268は、ピストンロッド270の先端部に固定されており、その昇降部材268の上面に、部品回収容器262が配設されている。これにより、部品回収容器262は、エアシリンダ266の作動により、上下方向に移動する。この際、部品回収容器262は、図10に示すように、部品供給器82より上方に位置する上昇端位置と、図11に示すように、部品支持部材220の部品支持板226より下方に位置する下降端位置との間で移動する。
部品回収容器262は、上面が開口する箱状をなし、昇降部材268の上面において、部品供給器82の幅方向に平行な軸線周りに回動可能に保持されている。これにより、部品回収容器262は、それの底面が水平となり、開口から部品を受け入れ可能な部品受け姿勢(図11における部品回収容器262の姿勢)と、それの底面が鉛直となり、開口から部品を排出可能な部品排出姿勢(図10における部品回収容器262の姿勢)との間で回動する。なお、部品回収容器262は、コイルばね(図示省略)によって、部品受け姿勢となる方向に付勢されている。これにより、部品回収容器262は、通常時において、部品受け姿勢に維持されている。また、部品回収容器262の後壁は、部品排出姿勢において後方ほど下方に向かう傾斜壁とされている。
運動変換機構264は、図5に示すように、突出ピン272と係合ブロック274とを含む。突出ピン272は、部品受け姿勢の部品回収容器262の後方側の端部に配設されており、部品回収容器262の側方での外側に向かって突出している。一方、係合ブロック274は、サイドフレーム部190の前方側の上端部の内側に固定されている。そして、図10に示すように、部品回収容器262が、エアシリンダ266の作動により上昇端位置まで上昇する際に、突出ピン272が係合ブロック274に係合する。これにより、部品回収容器262は、回動し、部品排出姿勢となる。
シャッタ265は、概して板状をなし、それの幅方向の寸法は、部品支持部材220の幅方向の寸法と同程度である。シャッタ265には、上下方向に延びるように長穴278が形成されており、その長穴278には、スライダ230の前方側の端部に固定された突部280がクリアランスのある状態で挿入されている。これにより、シャッタ265は、部品支持部材220と部品戻し装置86との間で、長穴278に沿った方向、つまり、上下方向にスライドする。なお、シャッタ265は、コイルスプリング282によって、上方に向かって付勢されている。
また、図11に示すように、昇降部材268の後方側の端部には、後方に向かって突出する突出部284が形成されている。一方、シャッタ265の下端部には、前方に向かって屈曲された屈曲部286が形成されている。そして、部品回収容器262が下降端位置に下降している状態において、昇降部材268の突出部284が、シャッタ265の屈曲部286に上方から係合している。これにより、シャッタ265は、コイルスプリング282による上方への移動が阻止されている。なお、この際のシャッタ265の上端は、部品支持部材220の部品支持板226より下方に位置している。また、図12に示すように、エアシリンダ266の作動により部品回収容器262が上昇する際には、昇降部材268も上昇する。この際、シャッタ265は、コイルスプリング282の弾性力により、昇降部材268と共に上昇する。さらに、エアシリンダ266の作動により部品回収容器262が上昇し、昇降部材268も上昇すると、シャッタ265も上昇するが、図13に示すように、長穴278の下端部に突部280が当接することで、シャッタ265の上昇は規制される。なお、上昇が規制された状態のシャッタ265の上端は、部品供給器82の傾斜板152より上方に位置している。
(d)撮像装置
撮像装置88は、図3に示すように、カメラ290とカメラ移動装置292とを含む。カメラ移動装置292は、ガイドレール296とスライダ298と電磁モータ(図21参照)299とを含む。ガイドレール296は、部品散在状態実現装置84の上方において、ばら部品供給装置32の幅方向に延びるように、本体80に固定されている。スライダ298は、ガイドレール296に沿ってスライド可能に、ガイドレール296に取り付けられており、電磁モータ299の作動により、任意の位置にスライドする。また、カメラ290は、下方を向いた状態でスライダ298に装着されている。なお、スライダ298に装着されたカメラ290の下方には、部品供給位置にある部品支持部材220が位置している。これにより、カメラ290が、5組の部品供給ユニット98のうちの任意の部品供給ユニット98の部品支持部材220の上方に移動し、部品支持部材220の部品支持板226上の複数の部品を撮像する。
(e)部品引渡し装置
部品引渡し装置90は、図3および図14に示すように、部品保持ヘッド移動装置300と部品保持ヘッド302と2台のシャトル装置304とを含む。
(i)部品保持ヘッド移動装置
部品保持ヘッド移動装置300は、X方向移動装置310とY方向移動装置312とZ方向移動装置314とを含む。Y方向移動装置312は、Yスライダ316と1対のガイドレール318と電磁モータ(図21参照)319とを含む。1対のガイドレール318は、5組の部品供給ユニット98を挟むようにして、Y方向に延びるように、本体80に設けられている。また、Yスライダ316は、両端部において、1対のガイドレール318によりY方向にスライド可能に支持されており、電磁モータ319の駆動によりY方向の任意の位置に移動する。X方向移動装置310は、Xスライダ320と電磁モータ(図21参照)321とを含む。Xスライダ320は、Yスライダ316の側面において、X方向にスライド可能に保持されており、電磁モータ321の駆動によりX方向の任意の位置に移動する。Z方向移動装置314は、Zスライダ322と電磁モータ(図21参照)323とを含む。Zスライダ322は、Xスライダ320の側面において、Z方向にスライド可能に保持されており、電磁モータ323の駆動によりZ方向の任意の位置に移動する。
そして、Zスライダ322に部品保持ヘッド302が装着されている。これにより、部品保持ヘッド302は、部品保持ヘッド移動装置300の作動により、5組の部品供給ユニット98の部品支持部材220の上方において、水平方向の任意の位置に移動するとともに、上下方向に移動可能である。このため、部品保持ヘッド302は、5組の部品供給ユニット98のうちの任意の部品供給ユニット98の部品支持部材220から部品を保持可能な保持位置と、保持位置から退避した退避位置との間で移動する。なお、部品保持ヘッド移動装置300による部品保持ヘッド302の上下方向の移動範囲は、部品支持部材220の部品支持板226の上面と、撮像装置88との間である。つまり、部品保持ヘッド移動装置300による部品保持ヘッド302の移動範囲と、カメラ移動装置292によるカメラ290の移動範囲とは、異なっている。このため、撮像装置88のカメラ290と部品保持ヘッド302とを、5組の部品供給ユニット98のうちの同じ部品供給ユニット98の部品支持部材220の上方において、同時に移動させることが可能である。
(ii)部品保持ヘッド
部品保持ヘッド302は、図15に示すように、ヘッド本体330と部品保持具332と保持具旋回装置334と保持具回転装置335と保持具取付装置(図18参照)336とを含む。ヘッド本体330は、Zスライダ322と一体的に形成されている。部品保持具332は、図16に示すように、本体部337と1対の爪部338と爪部スライド装置339とを含む。1対の爪部338は、本体部337の下面から下方に延び出すように配設されており、互いに接近・離間可能にスライドする。また、爪部スライド装置339は、1対の爪部338を接近・離間する方向にスライドさせる。このような構造により、部品保持具332は、1対の爪部338を接近させることで、1対の爪部338によって部品を保持する。また、部品保持具332は、1対の爪部338を離間させることで、1対の爪部338の間から部品を離脱する。
また、保持具旋回装置334は、部品保持具332を旋回させる装置である。詳しくは、図15に示すように、電磁モータ340が、それの出力軸341が上下方向に延びるように、ヘッド本体330に固定されている。また、ねじロッド342が、軸線周りに回転可能に上下方向に延びるように配設されている。そして、そのねじロッド342に、電磁モータ340の回転力が、タイミングプーリ344,346とタイミングベルト348を介して伝達される。ねじロッド342には、ナット350が噛合されており、そのナット350にスライダ352が固定されている。これにより、スライダ352は、ねじロッド342の回転、つまり、電磁モータ340の駆動により上下方向にスライドする。
そのスライダ352には、スプライン軸354が下方に延び出すように固定されており、スプライン軸354の下端部には、レバー356が、一端部において、軸357によって水平軸線周りに回動可能に取り付けられている。そのレバー356の他端部には、保持部材358が固定され、保持部材358によって部品保持具332が保持されている。そのレバー356の側面には、レバー356の回動軸線と直角に交差する方向に突出するアーム360が固定されている。アーム360の先端部側には、ローラ362が取り付けられており、そのローラ362は、レバー356の回動軸線と平行な軸線周りに回転可能とされている。また、ヘッド本体330には、カム部材364が固定されており、そのカム部材364には、水平方向に延びる長穴366が形成されている。そして、カムフォロワとして機能するローラ362が、長穴366に嵌合されており、長穴366に沿って移動する。
このような構造により、スライダ352が上昇端位置にスライドしている際には、図15に示すように、スプライン軸354とレバー356とが同軸上に位置しており、部品保持具332は、旋回することなく、非旋回位置に位置している。そして、スライダ352が、電磁モータ340の駆動により、下降すると、ローラ362が長穴366内を、スプライン軸354から離れる方向に移動する。これにより、レバー356が軸357を中心に回動し、部品保持具332が旋回する。この際、スライダ352が下降端位置にまでスライドすると、図17に示すように、部品保持具332がレバー356とともに、90度旋回し、旋回位置に位置する。このように、部品保持具332は、電磁モータ340の駆動により、非旋回位置と旋回位置との間で旋回する。
保持具回転装置335は、部品保持具332をそれの軸心周りに回転させる装置である。詳しくは、電磁モータ370が、それの出力軸(図示省略)が上下方向に延びるように、ヘッド本体330に固定されており、電磁モータ370の出力軸には、歯車372が取り付けられている。また、スプライン軸354には、それの軸線方向に相対移動可能であるが、相対回転不能な歯車374が嵌合されている。そして、歯車372と歯車374とが噛合している。これにより、電磁モータ370の駆動により、スプライン軸354は軸心周りに回転する。なお、スプライン軸354と歯車374とは、スプライン軸354の軸線方向に相対移動可能であるため、部品保持具332の旋回時に、スプライン軸354が上下方向に移動しても、電磁モータ370の回転力は、スプライン軸354に伝達される。なお、レバー356の内部には、スプライン軸354の回転力を部品保持具332に伝達する伝達機構(図示省略)が内蔵されており、スプライン軸354の回転に伴って、部品保持具332が、それの軸心周りに回転する。
保持具取付装置336は、部品保持具332を保持部材358に着脱可能に取り付けるための装置である。保持具取付装置336は、図18に示すように、凹部376と負圧源378と電磁弁380と正圧源382と電磁弁384とを含む。凹部376は、保持部材358の部品保持具332との当接面に形成されており、負圧室として機能する。その凹部376には、負圧源378と正圧源382とが接続されており、凹部376と負圧源378との経路に電磁弁380が配設され、凹部376と正圧源382との経路に電磁弁384が配設されている。これにより、保持部材358の当接面に部品保持具332が当接し、凹部376が部品保持具332によって塞がれた状態で、電磁弁380の作動により、凹部376に負圧が供給されることで、保持部材358によって部品保持具332が保持される。そして、電磁弁384の作動により、凹部376に正圧が供給されることで、保持部材358によって保持された部品保持具332が離脱する。
部品保持具332は、上述したように、1対の爪部338によって部品を把持するものであり、部品保持具332には、爪部338の大きさ、また、1対の爪部338の間の距離等の異なる複数種類のものがある。このため、ばら部品供給装置32には、図3に示すように、本体80に保持具収容装置386が設けられている。保持具収容装置386には、1対の爪部338の間の距離等の異なる複数種類の部品保持具332が収納されており、必要に応じて、部品保持ヘッド302が、部品保持ヘッド移動装置300によって保持具収容装置386に移動させられ、部品保持ヘッド302に装着されている部品保持具332と、保持具収容装置386に収納されている部品保持具332とが自動で交換される。
(iii)シャトル装置
2台のシャトル装置304の各々は、図3に示すように、部品キャリヤ388と部品キャリヤ移動装置390とを含み、部品供給ユニット98の前方側に横方向に並んで、本体80に固定されている。部品キャリヤ388には、5個の部品受け部材392が、横方向に一列に並んだ状態で装着されており、各部品受け部材392に、部品が載置される。
詳しくは、部品受け部材392は、図19に示すように、部品キャリヤ388の凹部396に着脱可能に嵌合され、凸部398,400により前後方向および横方向にそれぞれ位置決めされている。また、ばら部品供給装置32で供給される部品は、図20に示すように、リードを有する電子回路部品(以下、「リード部品」と略す場合がある)410であり、リード部品410は、部品本体412と2本のリード414とから構成されている。部品本体412は、概してブロック状をなし、2本のリード414は、部品本体412の底面415から垂直に突出している。
部品受け部材392には、部品受容凹部416が形成されている。部品受容凹部416は、段付き形状の凹部であり、部品受け部材392の上面に開口する本体部受容凹部418と、その本体部受容凹部418の底面に開口するリード受容凹部420とから構成されている。なお、リード受容凹部420の開口は、本体部受容凹部418の開口より小さく、リード受容凹部420と本体部受容凹部418との間に、段差面422が形成されている。リード受容凹部420の開口の縁部には、面取りが施され、案内面426が形成されている。そして、その案内面426に沿って、リード部品410の部品本体412が、部品受容凹部416の本体部受容凹部418に挿入される。この際、リード部品410は、リード414が下方を向く姿勢とされており、リード414は、リード受容凹部420に挿入される。つまり、部品本体412の底面415に垂直に交わる側面428を、部品受け部材392の案内面426に沿わした状態で、リード部品410が本体部受容凹部418に挿入され、リード414が、リード受容凹部420に挿入される。なお、リード受容凹部420の深さ寸法は、リード414の長さ寸法より深くされている。このため、リード部品410は、部品本体412の底面415が段差面422によって下方から支持された状態で、部品受容凹部416の内部に載置される。ちなみに、部品受容凹部416の本体部受容凹部418とリード受容凹部420の各々は、部品受容凹部416に載置されるリード部品410の形状、寸法等に応じた形状とされており、複数種類の部品受け部材392が存在する。このため、部品受容凹部416に載置されるリード部品410に応じて、部品キャリヤ388に装着される部品受け部材392を交換することが可能である。
部品キャリヤ移動装置390は、図3に示すように、移動装置本体430と本体スライド装置432とを含む。移動装置本体430は、板状の長手部材であり、前後方向に延びるように、部品供給ユニット98の前方側に配設されている。移動装置本体430の上面には、移動装置本体430の長手方向に延びるように、ガイドレール434が配設されており、そのガイドレール434に部品キャリヤ388が係合されている。これにより、部品キャリヤ388は、ガイドレール434の上面において、ガイドレール434に沿ってスライドする。
本体スライド装置432は、無端ベルト436と電磁モータ(図21参照)438とを含む。移動装置本体430の長手方向の両端には、横方向に平行な軸線周りに回転可能な複数のプーリ(図示省略)が配設されており、無端ベルト436は、それら複数のプーリに巻き掛けられている。そして、電磁モータの駆動により、プーリが回転することで、無端ベルト436が周回する。また、無端ベルト436には、部品キャリヤ388が固定されている。これにより、部品キャリヤ388は、ガイドレール434の上面において、前後方向の任意の位置にスライドする。なお、部品キャリヤ388が、部品供給ユニット98に接近する方向にスライドした際には、部品保持ヘッド移動装置300による部品保持ヘッド302の移動範囲内に位置する部品受取位置までスライドする。一方、部品キャリヤ388が、部品供給ユニット98から離れる方向にスライドした際には、作業ヘッド移動装置64による作業ヘッド60,62の移動範囲内に位置する部品供給位置までスライドする。
また、制御装置34は、図21に示すように、統括制御装置450と、複数の個別制御装置(図では1つのみ図示されている)452と、画像処理装置454とを含む。統括制御装置450は、コンピュータを主体として構成されたものであり、基材搬送保持装置22,部品装着装置24,撮像装置26,撮像装置28,部品供給装置30,ばら部品供給装置32に接続されている。これにより、統括制御装置450は、基材搬送保持装置22,部品装着装置24,撮像装置26,撮像装置28,部品供給装置30,ばら部品供給装置32を統括して制御する。複数の個別制御装置452は、コンピュータを主体として構成されたものであり、基材搬送保持装置22,部品装着装置24,撮像装置26,撮像装置28,部品供給装置30,ばら部品供給装置32に対応して設けられている(図では、ばら部品供給装置32に対応する個別制御装置452のみが図示されている)。ばら部品供給装置32の個別制御装置452は、部品散在状態実現装置84,部品戻し装置86,カメラ移動装置292,部品保持ヘッド移動装置300,部品保持ヘッド302,シャトル装置304に接続されている。これにより、ばら部品供給装置32の個別制御装置452は、部品散在状態実現装置84,部品戻し装置86,カメラ移動装置292,部品保持ヘッド移動装置300,部品保持ヘッド302,シャトル装置304を制御する。また、画像処理装置454は、撮像装置88に接続されており、撮像装置88により撮像された撮像データを処理する。さらに、画像処理装置454は、ばら部品供給装置32の個別制御装置452に接続されている。これにより、ばら部品供給装置32の個別制御装置452は、撮像装置88により撮像された撮像データを取得する。
<部品実装装置の作動>
部品実装装置10は、上述した構成によって、基材搬送保持装置22に保持された回路基材12に対して部品の装着作業が行われる。具体的には、回路基材12が、作業位置まで搬送され、その位置において、クランプ装置52によって固定的に保持される。次に、撮像装置26が、回路基材12の上方に移動し、回路基材12を撮像する。これにより、回路基材12の保持位置の誤差に関する情報が得られる。また、部品供給装置30若しくは、ばら部品供給装置32は、所定の供給位置において、部品を供給する。なお、ばら部品供給装置32による部品の供給に関しては、後で詳しく説明する。そして、作業ヘッド60,62の何れかが、部品の供給位置の上方に移動し、部品保持具66によって部品を保持する。続いて、部品を保持した作業ヘッド60,62が、撮像装置28の上方に移動し、撮像装置28によって、部品保持具66に保持された部品が撮像される。これにより、部品の保持位置の誤差に関する情報が得られる。そして、部品を保持した作業ヘッド60,62が、回路基材12の上方に移動し、保持している部品を、回路基材12の保持位置の誤差,部品の保持位置の誤差等を補正し、回路基材12上に装着する。
<ばら部品供給装置の作動>
(a)ばら部品供給装置によるリード部品の供給
ばら部品供給装置32では、リード部品410が、作業者によって部品供給器82の部品収納器100に投入され、その投入されたリード部品410が、部品供給ユニット98,部品引渡し装置90の作動により、部品キャリヤ388の部品受け部材392に載置された状態で供給される。詳しくは、作業者は、5組の部品供給ユニット98のうちの任意の部品供給ユニット98の部品供給器82の部品収納器100の上面の開口から、同じ種類の複数のリード部品410を投入する。この際、部品支持部材220は、図8に示すように、部品支持部材移動装置222の作動により、部品供給器82の下方の退避位置に移動しており、部品供給器82の前方には、部品回収容器262が位置している。
部品収納器100の上面の開口から投入されたリード部品410は、図6に示すように、部品収納器100の投入部110から、開口114を介して、収納部112に落下する。この際、落下したリード部品410は、傾斜面116を転がり、傾斜面116上に広がる。そして、開口114にリード部品410が詰まって、開口114が塞がれた状態となれば、部品収納器100の上面の開口から投入された複数のリード部品410が、投入部110において、ばら積みの状態となる。なお、傾斜面116に落下したリード部品410が、傾斜板152を超えて転がり落ちた場合であっても、部品供給器82の前方に位置する部品回収容器262に収容される。
部品収納器100へのリード部品410の投入後に、部品支持部材220が、部品支持部材移動装置222の作動により、部品供給器82の下方から前方に向かって移動させられる。この際、カム部材240がカムフォロワ242に至れば、図22に示すように、カムフォロワ242のローラ254が、カム部材240の歯245の傾斜面246に沿って上昇する。そして、ローラ254は、歯245の傾斜面246において歯245を乗り越える。カムフォロワ242のレバー252は、コイルばねの弾性力によって前方に向かう方向に付勢されており、レバー252の前方への付勢は、ストッパ244によって規制されている。このため、部品支持部材220が前方に向かって移動する際には、ローラ254と歯245とが噛み合った状態に維持され、レバー252は前方に向かって回動せず、ローラ254は、歯245を乗り越える。この際、部品供給器82は、ローラ254の歯245の乗り越えにより、昇降する。つまり、ローラ254が歯245に噛み合った状態で、部品支持部材220が前方に向かって移動することで、ローラ254が複数の歯245を乗り越え、部品供給器82が上下方向に連続して振動する。
部品収納器100の傾斜面116上に広がっているリード部品410は、部品供給器82の振動と傾斜面116の傾斜により、前方に移動し、傾斜板152を介して、部品支持部材220の部品支持板226の上面に排出される。この際、部品支持部材220の側壁部228によって、部品支持板226の上面からのリード部品410の落下が防止される。また、部品供給器82の振動によって、開口114に詰まっていたリード部品410が、開口114を介して、傾斜面116上に落下し、傾斜板152を介して、部品支持板226の上面に排出される。部品支持部材220の前方への移動に伴って、部品供給器82の下方から露出する部品支持板226の面積が増加し、その増加した面積に相当する部品支持板226に、順次、リード部品410が排出される。なお、ローラ254が歯245を乗り越えるタイミングにおいて、部品供給器82が振動し、部品供給器82から部品支持板226の上面にリード部品410が排出される。また、カム部材240は、部品支持部材220が部品供給位置に到達する前に、カムフォロワ242から外れる。このため、カム部材240がカムフォロワ242から外れ、部品支持部材220が部品供給位置に移動する際には、部品供給器82は振動せず、部品供給器82から部品支持板226の上面にリード部品410は排出されない。これにより、部品供給ユニット98では、部品支持部材220が部品供給位置に到達した状態において、図23に示すように、部品支持部材220の部品支持板226の上面に、複数のリード部品410が散在される。
部品支持部材220が部品供給位置に到達すると、撮像装置88のカメラ290が、カメラ移動装置292の作動により、リード部品410が散在する部品支持板226の上方に移動させられ、リード部品410を撮像する。そして、部品支持板226の上面に散在する複数のリード部品410が、撮像データに基づいて、部品保持具332によってピックアップ可能なリード部品(以下、「ピックアップ対象部品410t」と記載する場合がある)と、部品保持具332によってピックアップ不可能なリード部品(以下、「非ピックアップ対象部品410s」と記載する場合がある)とに分けられる。
具体的には、リード部品410は、上述したように、ブロック状の部品本体412と、部品本体412の底面415から突出する2本のリード414とから構成されている。一方、部品保持具332は、1対の爪部338によって部品を挟持することで、部品を保持する。このため、リード部品410が部品保持具332によって保持される際には、1対の爪部338が、部品本体412のリード414が配設されている底面415以外の面を挟持する必要がある。つまり、1対の爪部338は、部品本体412の1対の側面428を挟持する必要がある。このため、撮像データに基づいて、リード部品410の部品本体412の1対の側面428の位置が検出され、1対の爪部338によって、部品本体412の1対の側面428が挟持される。
ただし、リード部品410が散在される部品支持板226には、部品支持板226からのリード部品410の脱落を防止するための側壁部228が設けられている。このため、側壁部228に近い位置のリード部品410を部品保持具332によって保持する際に、部品保持具332と側壁部228とが干渉する虞がある。そこで、側壁部228から離れた位置のリード部品410が、ピックアップ対象部品410tに区分けされる。しかしながら、側壁部228に近い位置のリード部品410であっても、側壁部228と干渉することなく、部品保持具332によって保持可能な部品も存在する。
詳しくは、例えば、図23に示すように、側壁部228に近い位置のリード部品410のうちの、側面428が側壁部228に接触、若しくは、接近しているリード部品410では、側面428と側壁部228とのクリアランスは、0、若しくは、殆ど存在しない。つまり、側面428と側壁部228との間に、部品保持具332の爪部338を挿入することができない。このため、側面428が側壁部228に接触、若しくは、接近しているリード部品410は、部品保持具332によって保持することができない。
一方、側壁部228に近い位置のリード部品410のうちの、リード部品410の底面415と向かい合う面460が、側壁部228に接触、若しくは、接近しているリード部品410では、側面428と側壁部228との間には、所定のクリアランスが存在する。このため、側面428と側壁部228との間に、部品保持具332の爪部338を挿入し、リード部品410を部品保持具332によって保持することが可能である。さらに言えば、部品保持具332の爪部338によってリード部品410の側面428が挟持されるが、側面428全体が爪部338によって挟持されるわけではなく、側面428の中央部が、爪部338によって挟持される。つまり、側面428の中央部と側壁部228との間に所定のクリアランスが存在すれば、リード部品410を部品保持具332によって保持することが可能である。
このようなことに鑑みて、部品支持板226に散在されたリード部品410が、ピックアップ対象部品410tと非ピックアップ対象部品410sとに区分けされる際に、撮像装置88の撮像データに基づいて、リード部品410の1対の側面428の位置が検出され、各側面428の中央部と側壁部228との離間距離が演算される。そして、離間距離が設定距離以上であるか否かが判定され、離間距離が設定距離以上と判定されたリード部品410が、ピックアップ対象部品410tに区分けされ、離間距離が設定距離未満と判定されたリード部品410が、非ピックアップ対象部品410sに区分けされる。なお、設定距離は、爪部338を挿入可能な距離であればよく、例えば、爪部338の厚さに相当する距離より僅かに長い距離に設定することが可能である。
また、壁面から離れた位置のリード部品410であっても、2個以上のリード部品410が接近している際には、非ピックアップ対象部品410sに区分けされる場合もある。具体的には、図23に示すように、部品支持板226の中央部に、2個のリード部品410が位置し、2個のリード部品410の一方のリード部品410の側面428と、他方のリード部品410の底面415と向かい合う面460とが、接触、若しくは、接近している場合がある。このような場合には、2個のリード部品410の一方のリード部品410の側面428に他方のリード部品410が接触、若しくは、接近しているため、その一方のリード部品410を把持することができない。しかし、2個のリード部品410の他方のリード部品410の側面428には、一方のリード部品410が接触、若しくは、接近していないため、その他方のリード部品410を把持することが可能である。
このため、撮像装置88の撮像データに基づいて、ピックアップの判定が行われる部品の各側面428の中央部と、その部品以外の部品との離間距離が演算される。そして、離間距離が設定距離以上であるか否かが判定され、離間距離が設定距離以上と判定されたリード部品410が、ピックアップ対象部品410tに区分けされ、離間距離が設定距離未満と判定されたリード部品410が、非ピックアップ対象部品410sに区分けされる。
このように、リード部品410の側面428の中央部と側壁部228との離間距離に基づいて、部品支持板226に散在されたリード部品410を、ピックアップ対象部品410tと非ピックアップ対象部品410sとに区分けすることで、部品支持板226から多くのリード部品410をピックアップすることが可能となる。
また、部品支持板226に散在されたリード部品410が、ピックアップ対象部品410tと非ピックアップ対象部品410sとに区分けされると、ピックアップ対象部品410tに対して、撮像データに基づいて、部品支持板226上での位置、リード部品410の姿勢等の情報が取得される。そして、位置情報,姿勢情報等に基づいて、ピックアップ対象部品410tが部品保持具332によって把持される。
詳しくは、部品支持板226上のピックアップ対象部品410tのXY座標上の位置が、撮像データに基づいて、演算される。この際、予め設定された基準位置マーク(例えば、部品支持板226等に予め記されている)を基準として、ピックアップ対象部品410tのXY座標上の位置が演算される。そして、演算されたピックアップ対象部品410tの位置情報に基づいて、部品保持ヘッド移動装置300の作動が制御され、部品保持ヘッド302が、ピックアップ対象部品410tの上方に移動させられる。
また、部品支持板226上のピックアップ対象部品410tの姿勢が、XY座標上での基準線Aと、ピックアップ対象部品410tの基準線Bとのなす角度θとして演算される。具体的には、例えば、XY座標上での基準線Aを、X方向または、Y方向に平行な線と設定し、ピックアップ対象部品410tの基準線Bを、リード414と平行な線と設定した場合に、基準線Aと基準線Bとが反時計回りに交わる角度θが、撮像データに基づいて演算される。そして、演算された角度θに基づいて、保持具回転装置335の作動が制御され、部品保持具332の1対の爪部338と、ピックアップ対象部品410tの1対の側面428とが対抗するように、部品保持具332が回転させられる。これにより、部品保持具332の1対の爪部338によって、ピックアップ対象部品410tが、1対の側面428において把持される。
また、部品保持具332によってピックアップ対象部品410tが保持される際には、部品保持具332は、非旋回位置に位置している。そして、ピックアップ対象部品410tが部品保持具332によって保持された後に、部品保持ヘッド302が部品キャリヤ388の上方に移動させられるが、この際、部品キャリヤ388は、部品キャリヤ移動装置390の作動により、部品受取位置に移動している。そして、部品保持ヘッド302が部品キャリヤ388の上方に移動する際に、部品保持具332は、旋回位置に旋回される。ただし、部品保持具332の旋回方向は、1方向であるため、旋回位置の部品保持具332に保持されたリード部品410のリード414が、鉛直方向での下方を向かない場合がある。このため、旋回位置の部品保持具332に保持されたリード部品410のリード414が、鉛直方向での下方を向くように、部品保持具332による保持姿勢が、部品支持板226上でのピックアップ対象部品410tの姿勢情報に基づいて、演算される。そして、部品保持具332は、演算された保持姿勢でピックアップ対象部品410tを保持できるように、ピックアップ対象部品410tの保持前に、保持具回転装置335によって、回転させられる。つまり、ピックアップ対象部品410tが部品保持具332によって保持される際、つまり、1対の爪部338によって、ピックアップ対象部品410tの1対の側面428が把持される際には、基準線Aと基準線Bとのなす角度θと、部品保持具332による保持姿勢とに基づいて、部品保持具332は、保持具回転装置335によって回転させられる。これにより、旋回位置の部品保持具332に保持されたリード部品410では、リード414が鉛直方向での下方を向いた状態となる。
そして、部品保持ヘッド302が部品キャリヤ388の上方に移動すると、リード414が鉛直方向での下方を向いた状態のリード部品410が、部品受け部材392内に、案内面426に沿って挿入される。これにより、リード部品410は、リード414を鉛直方向での下方に向けた状態で、部品受け部材392に載置される。次に、部品キャリヤ388は、部品キャリヤ移動装置390の作動により、部品供給位置に移動する。部品供給位置に移動した部品キャリヤ388は、作業ヘッド60,62の移動範囲に位置しているため、ばら部品供給装置32では、この位置においてリード部品410が供給される。これにより、部品供給位置での部品キャリヤ388の部品受け部材392に載置されたリード部品410が、作業ヘッド60,62の部品保持具66によって保持される。このように、ばら部品供給装置32では、リード414が下方を向き、リード414が接続された面と対向する面が上方を向いた状態で、リード部品410が供給される。このため、部品保持ヘッド302によって、適切にリード部品410を保持することが可能となる。
また、部品保持ヘッド移動装置300による部品保持ヘッド302の移動範囲と、カメラ移動装置292によるカメラ290の移動範囲とは、上述したように、異なっている。このため、部品保持ヘッド302によるピックアップ対象部品のピックアップ毎に、カメラ290を部品支持部材220上に位置させた状態で、ピックアップ対象部品の位置情報等を得ることが可能である。詳しくは、部品支持部材220上に位置するカメラ290により、部品支持部材220上のリード部品410が撮像される。そして、撮像データに基づいて、部品保持ヘッド302によるピックアップ作業が行われ、ピックアップされたピックアップ対象部品が、部品受け部材392に載置される。この際、部品保持ヘッド302は、シャトル装置304の部品キャリヤ388の上方に移動しており、部品支持部材220の上方に位置していない。このため、部品保持ヘッド302が部品キャリヤ388の上方に移動しているタイミングで、カメラ290によって部品支持部材220上のリード部品410が撮像される。そして、この撮像データに基づいて、部品保持ヘッド302によって、新たなピックアップ対象部品のピックアップ作業が行われる。これにより、最新の情報に基づいて、ピックアップ作業を行うことが可能となり、適切なピックアップ作業を担保することが可能となる。
なお、個別制御装置452は、図21に示すように、部品支持板226上のリード部品410が、ピックアップ対象部品410tと非ピックアップ対象部品410sとの何れであるかの判定を行う機能部として、判定部470を有している。また、個別制御装置452は、判定部470によりピックアップ対象部品410tであると判定されたリード部品410を、部品保持具332によって保持するように、部品保持ヘッド移動装置300と部品保持ヘッド302との作動を制御する機能部として、作動制御部472を有している。
(b)リード部品の部品収納器への回収
また、部品支持部材220上に散在するピックアップ対象部品のピックアップ作業が進むと、部品支持部材220上には、非ピックアップ対象部品が多く残存する。このような場合には、部品支持部材220上のリード部品410は、部品戻し装置86の作動により、部品収納器100に戻される。詳しくは、リード部品410が部品収納器100に戻される際には、まず、部品支持部材220が、部品支持部材移動装置222の作動により、部品供給器82の下方に向かって移動させられる。この際、図24に示すように、部品支持部材220上のリード部品410は、部品供給器82の傾斜板152の第3の傾斜面160によって堰き止められる。このため、部品支持部材220が部品供給器82の下方に向かって移動すると、部品支持部材220上のリード部品410は、部品支持部材220に対して前方に相対移動し、部品回収容器262の内部に掻き落とされる。
なお、部品支持部材220が部品供給器82の下方に向かって移動する際には、カム部材240からカムフォロワ242に部品支持部材220の移動方向と同じ方向の力が作用するが、カムフォロワ242のレバー252は、図9に示すように、コイルばねの弾性力に抗して、回動する。このため、カムフォロワ242のローラ254が、カム部材240の歯245を乗り越える際に、レバー252が回動し、部品供給器82は振動しない。これにより、部品支持部材220が部品供給器82の下方に向かって移動する際に、リード部品410は、部品収納器100から部品支持部材220に排出されない。
部品支持部材220が部品供給器82の下方に移動した後、つまり、部品支持部材220が退避位置に移動した後に、図12に示すように、部品回収容器262が、容器昇降装置260の作動により、上昇する。この際、部品回収容器262の上昇に伴って、シャッタ265がコイルスプリング282の弾性力により上昇し、図13に示すように、部品供給器82の傾斜板152の前方を塞ぐ。これにより、部品供給器82からのリード部品410の排出が防止される。
そして、部品回収容器262が、さらに上昇すると、部品回収容器262に配設された突出ピン272が、サイドフレーム部190の内側に配設された係合ブロック274に係合する。これにより、図10に示すように、部品回収容器262は回動する。この際、部品回収容器262の底面が鉛直となり、部品回収容器262の部品収納器100側の壁面が部品収納器100に向かう傾斜面となる。このため、部品回収容器262内のリード部品410は、全て、部品収納器100の内部に戻される。
なお、ばら部品供給装置32では、部品支持板226上に散在されたリード部品410が、部品保持具332によってピックアップされる際に、側壁部228に近いリード部品410であっても、部品保持具332によってピックアップされる。このため、部品収納器100に戻されるリード部品410の数を少なくすることが可能となる。
また、リード部品410が部品収納器100の内部に戻される際において、リード部品410の戻し作業が行われている部品供給ユニット98と別の部品供給ユニット98において、リード部品410の供給作業を行うことが可能である。詳しくは、カム部材240にカムフォロワ242が係合し、部品供給器82が振動している際に、部品支持部材220上にリード部品410が排出される。このため、部品支持部材220の部品供給器82から離れた側、つまり、前方側の上面にリード部品410は散在している。一方、部品回収容器262は、図25に示すように、部品供給器82に最も接近した位置において、上昇し、部品回収容器262内のリード部品410が、部品収納器100に戻される。このため、リード部品410の戻し作業が行われている部品供給ユニット98と別の部品供給ユニット98の部品支持部材220上でリード部品410のピックアップ作業が行われていても、部品保持ヘッド302と部品回収容器262とは干渉しない。これにより、所定の部品供給ユニット98でのリード部品410の戻し作業と、その所定の部品供給ユニット98と別の部品供給ユニット98でのリード部品410の供給作業とを、同時に行うことが可能である。
(c)リード部品の交換
また、生産対象の回路基材12が変更される際には、供給すべきリード部品410を交換する必要がある。このような場合には、フレーム96から部品供給器82が取り外され、新たな種類のリード部品410に対応する部品供給器82が、フレーム96に装着される。詳しくは、部品支持部材220上のリード部品410が部品収納器100の内部に戻された後に、作業者は、部品供給器82のグリップ104を把持し、図26に示すように、可動把持部材172を固定把持部材170に向かって搖動させる。この際、可動把持部材172の係合部材184は、固定把持部材170の第1切欠部180の内部に進入する。そして、係合部材184が第2切欠部182の上端に至ると、部品供給器82の自重により、係合部材184が第2切欠部182の下端に落ち込む。これにより、可動把持部材172の下端に取り付けられた爪部材216の係合ロッド214への係合が解除され、部品供給器82をフレーム96、つまり、1対のサイドフレーム部190の間から取り外すことが可能となる。
また、グリップ104が把持され、可動把持部材172が固定把持部材170に向かって搖動した際には、部品収納器100は、ハウジング102の内部において、支持軸134を中心に上方に向かって搖動する。この際、図27に示すように、部品収納器100の傾斜面116の前方側の端部が、ブラシ144の先端部と近接、若しくは接触する。これにより、部品供給器82がフレーム96から取り外される際に、部品収納器100の内部からのリード部品410の排出を防止することが可能となる。また、ブラシ144と傾斜面116との間に、リード部品410が挟まった場合であっても、ブラシ144の弾性変形により、リード部品410の破損を防止することが可能となる。さらに言えば、可動把持部材172の係合部材184は固定把持部材170の第2切欠部182の下端に落ち込んでいるため、作業者が部品供給器82をフレーム96から取り外した後に、グリップ104から手を離しても、可動把持部材172はスプリングの弾性力により搖動せず、部品収納器100の位置が維持される。このため、作業者が部品供給器82をフレーム96から取り外した後に、グリップ104から手を離した場合であっても、部品収納器100の傾斜面116と、ブラシ144の先端部とは、近接、若しくは接触しており、部品収納器100の内部からのリード部品410の排出が防止される。
そして、フレーム96から部品供給器82が取り外されると、新たな種類のリード部品410に対応する部品供給器82が、1対のサイドフレーム部190の間に挿入される。この際、図26に示すように、部品供給器82の側壁120の下端部に形成された切欠部196を、サイドフレーム部190の係合ピン192に係合させ、図5に示すように、側壁120の前端部に設けられた係合ピン206を、サイドフレーム部190の支持部材200の傾斜面202に係合させる。これにより、部品供給器82が、1対のサイドフレーム部190の間において位置決めされる。そして、作業者が、グリップ104の係合部材184を第2切欠部182の下端から上端に移動させることで、可動把持部材172は、スプリングの弾性力により固定把持部材170から離れる方向に搖動する。この際、可動把持部材172の下端部に取り付けられた爪部材216が、係合ロッド214に係合する。これにより、部品供給器82は、フレーム96にロックされる。
また、可動把持部材172が固定把持部材170から離れる方向に搖動した際には、部品収納器100は、ハウジング102の内部において、支持軸134を中心に下方に向かって搖動する。この際、図6に示すように、部品収納器100の傾斜面116の前方側の端部が、下方に移動し、ブラシ144の先端部と傾斜面116との間が開口する。これにより、部品収納器100に投入されたリード部品410を、収納部112から排出することが可能となる。このように、ばら部品供給装置32では、部品供給器82を交換することで、供給すべきリード部品410を容易に交換することが可能となる。
なお、部品供給器82が交換された際には、新たにフレーム96に取り付けられた部品供給器82のRFID217からID情報が送信され、フレーム96のフレーム本体部210に設けられている受信器218が、そのID情報を受信する。そして、そのID情報に基づいて、新たにフレーム96に取り付けられた部品供給器82により供給されるリード部品410の照合が行われる。
ちなみに、上記実施例において、ばら部品供給装置32は、部品供給システムの一例である。部品供給器82は、収納部の一例である。撮像装置88は、撮像装置の一例である。部品支持部材220は、部品支持部の一例である。部品支持板226は、部品支持面の一例である。側壁部228は、壁面の一例である。部品保持ヘッド移動装置300は、移動装置の一例である。部品保持具332は、保持具の一例である。爪部338は、爪部の一例である。側面428は、把持面の一例である。個別制御装置452は、制御装置の一例である。判定部470は、判定部の一例である。作動制御部472は、作動制御部の一例である。
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施例では、部品保持具332による保持対象の部品として、リード414を有するリード部品410が採用されているが、リードの無い部品を採用することが可能である。詳しくは、リードの無い部品においても、部品保持具332の1対の爪部338により挟持される1対の面(以下、「挟持予定面」と記載する場合がある)は、予め設定されている。このため、例えば、リードの無い部品が、部品支持板226上に散在されている際に、リードの無い部品の挟持予定面が、側壁部228に接触、若しくは、接近している場合には、部品保持具332によって、その部品を保持することはできない。一方、リードの無い部品の挟持予定面と異なる面が、側壁部228に接触、若しくは、接近しており、挟持予定面と側壁部228との間に所定のクリアランスが有る場合には、部品保持具332によって、その部品を保持することは可能である。このため、部品保持具332による保持対象の部品として、リードの無い部品が採用される場合においても、挟持予定面と側壁部228との間の距離が設定距離以上である部品は、ピックアップ対象部品410tとされ、挟持予定面と側壁部228との間の距離が設定距離未満である部品は、非ピックアップ対象部品410sとされる。
また、上記実施例では、部品を保持する保持具として、爪部338により挟持する部品保持具332、所謂、チャック型の保持具が採用されているが、負圧エアを利用して部品を吸着保持する吸着ノズルを採用することが可能である。吸着ノズルは、部品支持板226に載置された部品の上方を向いた面を吸着保持するが、部品が側壁部228の近くに位置している場合には、吸着ノズルが部品に接近した際に、吸着ノズルと側壁部228とが接触する虞がある。このため、側壁部228との間の距離が設定距離以上である部品は、ピックアップ対象部品410tとされ、側壁部228との間の距離が設定距離未満である部品は、非ピックアップ対象部品410sとされる。これにより、吸着ノズルと側壁部228との接触を防止することが可能となる。なお、この際の設定距離は、吸着ノズルの径方向の大きさ,側壁部228の高さ等に応じて設定することが可能である。
また、上記実施例では、部品支持部材220上のリード部品410が、部品保持ヘッド302の部品保持具332によってピックアップされているが、部品支持部材220上のリード部品410を、作業ヘッド60,62の部品保持具66によりピックアップすることが可能である。具体的には、例えば、作業ヘッド60,62の移動可能範囲を部品支持部材220の上方に拡大することで、部品支持部材220上のリード部品410を、撮像装置26によって撮像することが可能である。これにより、撮像装置26の撮像データに基づいて、リード部品410の位置情報,姿勢情報等が演算される。そして、演算された情報に基づいて、作業ヘッド移動装置64の作動を制御することで、部品支持部材220上のリード部品410を、作業ヘッド60,62の部品保持具66によりピックアップすることが可能となる。ちなみに、部品支持部材220上のリード部品410が作業ヘッド60,62の部品保持具66によりピックアップされる場合には、ばら部品供給装置32の部品供給器82,部品散在状態実現装置84と、撮像装置26と、部品装着装置24とによって、本発明の「部品供給システム」が構成される。