JP2019056699A - ワークのx線測定条件決定方法およびx線測定装置の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】オペレータの経験やスキルに基づくことなく、適切に、X線源、X線検出器およびワークの相対的な位置を取得することが可能なワークのX線測定条件決定方法を提供する。【解決手段】このワークのX線測定条件決定方法は、X線源10とワーク300との間の距離AおよびX線源10とX線検出器20との間の距離Bに対するX線測定装置100の分解能と、X線源10およびX線検出器20の可動幅と、ワーク300の回転半径と、X線検出器20のX線源10に対する接近可能距離とに基づいて、X線源10、X線検出器20およびワーク300の相対的な位置を取得するステップを備える。【選択図】図2
Description
この発明は、ワークのX線測定条件決定方法およびX線測定装置の制御装置に関する。
従来、ワークを透過したX線を検出することによりワークの測定を行うワークのX線測定装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、多数本の伝熱管が配列されている伝熱管群を非破壊検査するための伝熱管群検査装置が開示されている。この伝熱管群検査装置では、多数本の伝熱管群が円筒状の容器の内部に収納されている。また、伝熱管内、伝熱管群内、および、伝熱管群外のいずれか1箇所に放射線源が配置される。
また、この伝熱管群検査装置には、放射線源から出射される放射線(X線など)を検出する放射線検出器が設けられている。放射線検出器は、多数本の伝熱管群が内部に収容されている円筒状の容器の外部に配置されている。また、放射線検出器は、円筒状の容器の外表面の全周に渡って移動可能に構成されている。これにより、放射線源から出射される放射線が、円筒状の容器の全周に渡って放射線検出器により検出される。そして、放射線検出器によって検出された信号(伝熱管群を透過した放射線の強度信号)がCT(コンピュータ・トモグラフィ)処理装置によってCT処理されることによって、伝熱管群の断面が画像化される。
ここで、上記特許文献1に記載のような従来の伝熱管群検査装置(放射線源から出射されるX線などを検出してワークを測定する装置)では、測定対象となるワークの材質、厚みなどにより適切な測定条件が変化する。具体的には、放射線源とワークとの間の距離や、放射線源と放射線検出器との間の距離を変えることによって、測定結果(ワークの画像)の分解能や鮮明度が変化する。そして、従来では、ワークを測定する装置のオペレータが、オペレータの経験やスキルに基づいて、試行を繰り返しながら、適切な測定条件(X線源、X線検出器およびワークの相対的な位置)を決定しなければならないという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、オペレータの経験やスキルに基づくことなく、適切に、X線源、X線検出器およびワークの相対的な位置を取得することが可能なワークのX線測定条件決定方法およびX線測定装置の制御装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面によるワークのX線測定条件決定方法は、測定対象となるワークを回転させながらX線源からワークに対してX線を照射するとともにワークを透過したX線をX線検出器により検出することによりワークの測定を行うX線測定装置におけるワークのX線測定条件決定方法であって、X線源とワークとの間の第1距離およびX線源とX線検出器との間の第2距離に対するX線測定装置の分解能と、X線源およびX線検出器の可動幅と、ワークの回転半径と、X線検出器のX線源に対する接近可能距離とに基づいて、X線源、X線検出器およびワークの相対的な位置を取得するステップと、取得された相対的な位置に対して、X線源から照射するX線の照射条件を取得するステップとを備える。
この発明の第1の局面によるワークのX線測定条件決定方法では、上記のように、X線源とワークとの間の第1距離およびX線源とX線検出器との間の第2距離に対するX線測定装置の分解能と、X線源およびX線検出器の可動幅と、ワークの回転半径と、X線検出器のX線源に対する接近可能距離とに基づいて、X線源、X線検出器およびワークの相対的な位置を取得するステップを備える。ここで、X線測定装置の分解能は、X線源とワークとの間の第1距離、および、X線源とX線検出器との間の第2距離に応じて変化する。たとえば、第1距離が短い場合には、分解能が高くなり、第1距離が長い場合には、分解能が低くなる。また、第2距離が長い場合には、分解能が高くなり、第1距離が短い場合には、分解能が低くなる。つまり、所望の分解能に対して、第1距離および第2距離の組み合わせが決められることになる。また、X線源およびX線検出器の可動幅と、X線検出器のX線源に対する接近可能距離とは、X線測定装置の構成によって予め決められた値である。また、ワークの回転半径は、測定対象となるワーク(およびワークのうちの測定対象となる部分)が決定すれば、予め決められる値である。そこで、上記のように、分解能と、可動幅と、ワークの回転半径と、接近可能距離とに基づいて、X線源、X線検出器およびワークの相対的な位置を取得することによって、予め決められた値から、所望の分解能を満たす相対的な位置(第1距離および第2距離)を取得することができる。すなわち、オペレータの経験やスキルに基づくことなく、適切に、X線源、X線検出器およびワークの相対的な位置を取得することができる。また、オペレータの経験やスキルに基づいて試行を繰り返す必要がないので、適切な測定条件(X線源、X線検出器およびワークの相対的な位置)を迅速に取得することができる。
上記第1の局面によるワークのX線測定条件決定方法において、好ましくは、相対的な位置を取得するステップは、第1距離および第2距離に対するX線測定装置の分解能の条件を満たす範囲のうち、X線源およびX線検出器の可動幅の条件、ワークの回転半径の条件、および、X線検出器のX線源に対する接近可能距離の条件の全てをさらに満たすように、X線源、X線検出器およびワークの相対的な位置を取得するステップを含む。このように構成すれば、可動幅の条件、ワークの回転半径の条件および接近可能距離の条件の全てが満たされた相対的な位置を取得することができるので、オペレータがこれらの条件を加味しながら相対的な位置を調整する手間を省くことができる。
上記第1の局面によるワークのX線測定条件決定方法において、好ましくは、測定対象となるワークの大きさとワークのうちの測定対象となる部分とに基づいたワークの回転半径の入力を受け付けるステップをさらに備える。このように構成すれば、測定対象となるワークが変わった場合でも、ワークの回転半径の入力を再度行うことにより、オペレータの経験やスキルに基づくことなく、適切に、X線源、X線検出器およびワークの相対的な位置を取得することができる。
上記第1の局面によるワークのX線測定条件決定方法において、好ましくは、X線の照射条件を取得するステップは、ワークを検出可能なX線の出射強度の下限と、X線検出器の検出可能なX線の強度の上限と、X線源に流す管電流およびX線源に印加する管電圧とに基づいてX線源から照射されるX線の照射条件を取得するステップを含む。ここで、X線の出射強度の下限と、検出可能なX線の強度の上限とは、X線測定装置の構成によって予め決められた値である。また、管電流および管電圧は、X線源の焦点サイズに対応して変化する。そこで、上記のように、X線の照射条件を取得することによって、X線測定装置の構成によって予め決められた値の範囲内で、適切な管電流および管電圧を取得することができる。
この場合、好ましくは、X線の照射条件を取得するステップは、管電流および管電圧に加えて、ワークを透過しないX線の強度とワークを透過したX線の強度との差と、ワークの異なる部分を透過したX線の強度差とに基づいて、X線の照射条件を取得するステップを含む。ここで、ワークを透過しないX線の強度とワークを透過したX線の強度との差は、画像化されたワークの鮮鋭度(輪郭が明確になること)に影響を及ぼす。また、ワークの異なる部分を透過したX線の強度差は、X線が透過するワークの部分の厚みの異なりに起因して生じる疑似像(アーチファクト)に影響を及ぼす。そこで、上記のように、X線の照射条件を取得することによって、ワークの輪郭の鮮鋭度を維持するとともに疑似像の抑制されたワークの画像を取得するためのX線の照射条件を取得することができる。
上記X線の強度差に基づいてX線の照射条件を取得するワークのX線測定条件決定方法において、好ましくは、X線の照射条件を取得するステップは、管電流をAとし、管電圧をVとし、ワークを透過しないX線の強度をαとし、ワークの第1の部分を透過したX線の強度をβとし、第1の部分とは異なるワークの第2の部分を透過したX線の強度をγとし、a、bおよびcを定数として、下記の式(1)に基づいて、値zを取得するステップを含む。
このように構成すれば、上記の式(1)に基づいて、管電流と管電圧とを変化させた場合の、鮮鋭度の大小、および、疑似像の出現の大小を値zとして容易に数値化することができる。また、定数a、bおよびcの大きさを異ならせることによって、管電流および管電圧と、ワークを透過しないX線の強度とワークを透過したX線の強度との差と、ワークの異なる部分を透過したX線の強度差とを、重み付けした状態で加算することができる。
この場合、好ましくは、上記の式(1)に基づいて最小となる値zを取得するステップは、管電流および管電圧を変化させながら、上記の式(1)に基づいて取得した値zをランキングするステップを含む。このように構成すれば、オペレータがランキングされた値zを参照することができるので、測定条件の選択の幅を広げることができる。
上記X線の強度差に基づいてX線の照射条件を取得するワークのX線測定条件決定方法において、好ましくは、X線の照射条件を取得するステップは、管電流をAとし、管電圧をVとし、ワークを透過しないX線の強度をαとし、ワークの第1の部分を透過したX線の強度をβとし、第1の部分とは異なるワークの第2の部分を透過したX線の強度をγとし、a、bおよびcを定数として、下記の式(2)に基づいて、値zを取得するステップを含む。
このように構成すれば、上記の式(2)に基づいて、管電流と管電圧とを変化させた場合の、鮮鋭度の大小、および、疑似像の出現の大小を値zとして容易に数値化することができる。
上記X線の出射強度の下限、検出可能な強度の上限、管電流および管電圧に基づいてX線の照射条件を取得するワークのX線測定条件決定方法において、好ましくは、X線の照射条件を取得するステップは、ワークに対するX線の照射強度とワークを透過したX線の透過強度との関係に基づいて、管電流および管電圧に対する、ワークを透過しないX線の強度とワークを透過したX線の強度との差を算出するとともに、ワークの異なる部分を透過したX線の強度差を算出するステップを含む。ここで、ワークのX線の照射強度に対する透過強度がわかれば、たとえばランベルトベールの法則(光の物質による吸収を定式化した法則)に基づいて、ワークを透過しないX線の強度とワークを透過したX線の強度との差と、ワークの異なる部分を透過したX線の強度差とを算出することができる。すなわち、上記のように構成することによって、管電流および管電圧を変化させた場合(多数の点)の、ワークを透過しないX線の強度とワークを透過したX線の強度との差と、ワークの異なる部分を透過したX線の強度差とを、計算により容易に算出することができる。
この場合、好ましくは、X線の強度差を算出するステップは、少なくとも2つの大きさの照射強度と、少なくとも2つの大きさの照射強度に対応するX線の透過強度とに基づいて、ワークに対するX線の照射強度とワークを透過したX線の透過強度との関係を取得するステップを含む。ここで、X線の照射強度と透過強度との関係は、ワークの材質(材料定数)によって変化する一方、略線形の関係である。そこで、上記のように、少なくとも2つの大きさの照射強度と、少なくとも2つの大きさの照射強度に対応するX線の透過強度とに基づいて、容易に、ワークに対するX線の照射強度とワークを透過したX線の透過強度との関係を取得することができる。
上記第1の局面によるワークのX線測定条件決定方法において、好ましくは、X線の照射条件を取得するステップは、X線源とワークとの間にX線源から照射されるX線の位相を揃えるためのフィルタが設けられる場合とフィルタが設けられない場合とについて、X線の照射条件を取得するステップを含む。ここで、X線源から照射される光をコヒーレント光(光束内の任意の2点における光波の位相関係が時間的に不変なように一定に保たれた光)にするために、X線源とワークとの間にフィルタが設けられる場合がある。この場合、X線源から照射されたX線がフィルタを透過することに起因して、X線の強度が低下する。そこで、フィルタが設けられる場合とフィルタが設けられない場合とについてX線の照射条件を取得することによって、フィルタが設けられる場合とフィルタが設けられない場合との両方において、X線の照射条件を適切に取得することができる。
上記第1の局面によるワークのX線測定条件決定方法において、好ましくは、測定対象となるワークは、互いに隣り合うように配置される複数のワークを含み、相対的な位置を取得するステップは、測定対象となる複数のワークごとに、X線源、X線検出器およびワークの相対的な位置を取得するステップを含む。このように構成すれば、互いに隣り合うように配置される複数のワークを連続的に(ワークを置き換えることなく)測定することによって、複数のワークを測定するための時間を短縮することができる。
上記第1の局面によるワークのX線測定条件決定方法において、好ましくは、相対的な位置を取得するステップは、測定対象となるワークとワークに対してX線を照射するX線源とを相対的に移動させながらワークを透過したX線をX線検出器により検出する際において、X線源、X線検出器およびワークの相対的な位置を取得するステップを含む。このように構成すれば、1つのワークが比較的大きい場合や、複数のワークが隣り合うように配置されている場合でも、ワークとX線源とを相対的に移動させて検出(測定)を行うことによって、比較的大きい1つのワークの検出(測定)を行うことができるとともに、隣り合うように配置されている複数のワークを連続的に測定することができる。
この発明の第2の局面によるX線測定装置の制御装置は、測定対象となるワークを回転させながらX線源からワークに対してX線を照射するとともにワークを透過したX線をX線検出器により検出することによりワークの測定を行うX線測定装置の制御装置であって、X線源とワークとの間の第1距離およびX線源とX線検出器との間の第2距離に対するX線測定装置の分解能と、X線源およびX線検出器の可動幅と、ワークの回転半径と、X線検出器のX線源に対する接近可能距離とに基づいて、X線源、X線検出器およびワークの相対的な位置を取得する位置取得部と、取得された相対的な位置に対して、X線源から照射するX線の照射条件を取得する照射条件取得部とを備える。
この発明の第2の局面によるX線測定装置の制御装置では、上記のように、X線源とワークとの間の第1距離およびX線源とX線検出器との間の第2距離に対するX線測定装置の分解能と、X線源およびX線検出器の可動幅と、ワークの回転半径と、X線検出器のX線源に対する接近可能距離とに基づいて、X線源、X線検出器およびワークの相対的な位置を取得する位置取得部を備える。ここで、X線測定装置の分解能は、X線源とワークとの間の第1距離、および、X線源とX線検出器との間の第2距離に応じて変化する。たとえば、第1距離が短い場合には、分解能が高くなり、第1距離が長い場合には、分解能が低くなる。また、第2距離が長い場合には、分解能が高くなり、第1距離が短い場合には、分解能が低くなる。つまり、所望の分解能に対して、第1距離および第2距離の組み合わせが決められることになる。また、X線源およびX線検出器の可動幅と、X線検出器のX線源に対する接近可能距離とは、X線測定装置の構成によって予め決められた値である。また、ワークの回転半径は、測定対象となるワーク(およびワークのうちの測定対象となる部分)が決定すれば、予め決められる値である。そこで、上記のように、分解能と、可動幅と、ワークの回転半径と、接近可能距離とに基づいて、X線源、X線検出器およびワークの相対的な位置を取得することによって、予め決められた値から、所望の分解能を満たす相対的な位置(第1距離および第2距離)を取得することができる。すなわち、オペレータの経験やスキルに基づくことなく、適切に、X線源、X線検出器およびワークの相対的な位置を取得することが可能なX線測定装置の制御装置を提供することができる。また、オペレータの経験やスキルに基づいて試行を繰り返す必要がないので、適切な測定条件(X線源、X線検出器およびワークの相対的な位置)を迅速に取得することができる。
上記第2の局面によるX線測定装置の制御装置において、好ましくは、測定対象となるワークは、互いに隣り合うように配置される複数のワークを含み、位置取得部は、測定対象となる複数のワークごとに、X線源、X線検出器およびワークの相対的な位置を取得するように構成されている。このように構成すれば、互いに隣り合うように配置される複数のワークを連続的に(ワークを置き換えることなく)測定することによって、複数のワークを測定するための時間を短縮することができる。
上記第2の局面によるX線測定装置の制御装置において、好ましくは、位置取得部は、測定対象となるワークとワークに対してX線を照射するX線源とを相対的に移動させながらワークを透過したX線をX線検出器により検出する際において、X線源、X線検出器およびワークの相対的な位置を取得するように構成されている。このように構成すれば、1つのワークが比較的大きい場合や、複数のワークが隣り合うように配置されている場合でも、ワークとX線源とを相対的に移動させて検出(測定)を行うことによって、比較的大きい1つのワークの検出(測定)を行うことができるとともに、隣り合うように配置されている複数のワークを連続的に測定することができる。
本発明によれば、上記のように、オペレータの経験やスキルに基づくことなく、適切に、X線源、X線検出器およびワークの相対的な位置を取得することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1〜図15を参照して、第1実施形態によるX線測定装置100(制御装置30)の構成について説明する。
図1〜図15を参照して、第1実施形態によるX線測定装置100(制御装置30)の構成について説明する。
(X線測定装置)
まず、X線測定装置100の構成について説明する。図1に示すように、X線測定装置100は、X線源10を備えている。X線源10は、測定対象となるワーク300に対してX線を照射するように構成されている。また、X線源10には、コリメータ(図示せず)が設けられている。コリメータは、X線源10から照射されるX線(X線束)の照射範囲を絞り込む機能を有する。
まず、X線測定装置100の構成について説明する。図1に示すように、X線測定装置100は、X線源10を備えている。X線源10は、測定対象となるワーク300に対してX線を照射するように構成されている。また、X線源10には、コリメータ(図示せず)が設けられている。コリメータは、X線源10から照射されるX線(X線束)の照射範囲を絞り込む機能を有する。
また、X線測定装置100は、X線検出器20を備えている。X線検出器20は、ワーク300を透過したX線を検出するように構成されている。X線検出器20は、たとえば、FPD(フラットパネルディテクタ)などからなる。X線検出器20は、ワーク300に対して、X線源10側(X1方向側)とは反対側(X2方向側)に配置されている。
また、X線測定装置100は、回転台(図示せず)を備えている。回転台には、ワーク300が載置されるとともに、回転台は、ワーク300を回転するように構成されている。また、回転台は、X方向(X線源10、ワーク300およびX線検出器20が配列される方向)に直交するY方向を軸として回転可能に構成されている。そして、X線測定装置100は、測定対象となるワーク300を回転させながらX線源10からワーク300に対してX線を照射するとともにワーク300を透過したX線をX線検出器20により検出することによりワーク300の測定を行うように構成されている。これにより、X線測定装置100は、ワーク300のCT(コンピュータ・トモグラフィ)画像を生成可能に構成されている。なお、CT画像とは、ワーク300の断層画像を意味しており、CT画像からワーク300の3次元の測定を行うことが可能になる。
(制御装置)
X線測定装置100には、X線測定装置100を制御するための制御装置30が設けられている。制御装置30は、X線源10からのX線の照射や、X線検出器20によるX線の検出を制御するように構成されている。また、制御装置30は、X線源10、X線検出器20およびワーク300の相対的な位置を取得する位置取得部30aと、取得された相対的な位置に対して、X線源10から照射するX線の照射条件を取得する照射条件取得部30bとを含む。なお、位置取得部30aの機能と照射条件取得部30bの機能とについては後述する。また、位置取得部30aおよび照射条件取得部30bは、たとえば、制御装置30に含まれるCPU(central processing unit)により構成されている。
X線測定装置100には、X線測定装置100を制御するための制御装置30が設けられている。制御装置30は、X線源10からのX線の照射や、X線検出器20によるX線の検出を制御するように構成されている。また、制御装置30は、X線源10、X線検出器20およびワーク300の相対的な位置を取得する位置取得部30aと、取得された相対的な位置に対して、X線源10から照射するX線の照射条件を取得する照射条件取得部30bとを含む。なお、位置取得部30aの機能と照射条件取得部30bの機能とについては後述する。また、位置取得部30aおよび照射条件取得部30bは、たとえば、制御装置30に含まれるCPU(central processing unit)により構成されている。
また、X線測定装置100には、測定対象となるワーク300の大きさとワーク300のうちの測定対象となる部分とに基づいたワーク300の回転半径の入力を受け付ける入力部40が設けられている。入力部40は、たとえば、タッチパネル、キーボードなどからなる。
(X線測定条件決定方法)
次に、ワーク300のX線測定条件決定方法について説明する。ここで、ワーク300の最適なX線測定条件は、X線源10から照射されるX線の強度と、X線源10、ワーク300およびX線検出器20の相対的な位置関係と、ワーク300の大きさおよび材質を考慮して取得される。
次に、ワーク300のX線測定条件決定方法について説明する。ここで、ワーク300の最適なX線測定条件は、X線源10から照射されるX線の強度と、X線源10、ワーク300およびX線検出器20の相対的な位置関係と、ワーク300の大きさおよび材質を考慮して取得される。
〈ワークの回転半径の入力〉
まず、図2に示すように、ステップS1において、測定対象となるワーク300の大きさと、ワーク300のうちの測定対象となる部分とに基づいたワーク300の回転半径の入力が受け付けられる。ここで、ワーク300は、上記のように回転台に載置されて回転可能に構成されている。図3に示すように、たとえば、ワーク300が円柱形状を有しているとする。そして、ワーク300の測定対象となる部分が、ワーク300の全体である場合、ワーク300は、円柱形状の中心軸を回転軸として回転される。このため、ワーク300の回転半径は、円柱形状のワーク300の半径r1と一致する。
まず、図2に示すように、ステップS1において、測定対象となるワーク300の大きさと、ワーク300のうちの測定対象となる部分とに基づいたワーク300の回転半径の入力が受け付けられる。ここで、ワーク300は、上記のように回転台に載置されて回転可能に構成されている。図3に示すように、たとえば、ワーク300が円柱形状を有しているとする。そして、ワーク300の測定対象となる部分が、ワーク300の全体である場合、ワーク300は、円柱形状の中心軸を回転軸として回転される。このため、ワーク300の回転半径は、円柱形状のワーク300の半径r1と一致する。
また、図4に示すように、ワーク300(ワーク300a)が直方体形状を有している場合、回転軸方向から見て、ワーク300は、長方形形状(正方形形状)を有する。そして、ワーク300の測定対象となる部分が、部分Pである場合、ワーク300は、部分Pの中心軸を回転軸として回転される。このため、ワーク300の回転半径は、部分Pの中心からワーク300の端部(角部)までの半径r2となる。そして、ワーク300が回転するので、X線源10とワーク300との間の距離の最小値は、X線源10と回転するワーク300とが接触しない最小の距離(つまり、ワーク300の回転半径)となる。なお、ワーク300の回転半径は、オペレータにより入力部40を用いて入力される。
〈相対的な位置の取得〉
次に、第1実施形態では、図2に示すように、ステップS2において、X線源10とワーク300との間の距離AおよびX線源10とX線検出器20との間の距離Bに対するX線測定装置100の分解能と、X線源10およびX線検出器20の可動幅と、ワーク300の回転半径と、X線検出器20のX線源10に対する接近可能距離とに基づいて、X線源10、X線検出器20およびワーク300の相対的な位置が取得される。なお、相対的な位置の取得は、位置取得部30aにより行われる。また、距離Aは、特許請求の範囲の「第1距離」の一例である。また、距離Bは、特許請求の範囲の「第2距離」の一例である。以下、具体的に説明する。
次に、第1実施形態では、図2に示すように、ステップS2において、X線源10とワーク300との間の距離AおよびX線源10とX線検出器20との間の距離Bに対するX線測定装置100の分解能と、X線源10およびX線検出器20の可動幅と、ワーク300の回転半径と、X線検出器20のX線源10に対する接近可能距離とに基づいて、X線源10、X線検出器20およびワーク300の相対的な位置が取得される。なお、相対的な位置の取得は、位置取得部30aにより行われる。また、距離Aは、特許請求の範囲の「第1距離」の一例である。また、距離Bは、特許請求の範囲の「第2距離」の一例である。以下、具体的に説明する。
図1に示すように、ワーク300は、X線源10とX線検出器20との間に配置される。ここで、X方向におけるX線源10とワーク300との間の距離をAとし、X方向におけるX線源10とX線検出器20との間の距離をBとする。
また、図5に示すように、X線測定装置100の分解能は、X線源10とワーク300との間の距離A、および、X線源10とX線検出器20との間の距離Bに応じて変化する。たとえば、距離Aが短いほど、分解能が高くなる。また、距離Bが長いほど、分解能が高くなる。なお、分解能とは、細かいものが見える度合いを意味する。また、距離Aが短いほど、鮮鋭度が高くなる。また、距離Bが短いほど、鮮鋭度が高くなる。なお、鮮鋭度とは、より明確にはっきりと見える度合いを意味する。
そして、図6に示すように、ある一定の分解能を満たす距離Aと距離Bとの組み合わせは、直線L1により表される。すなわち、距離Aと距離Bとの比率が同じであれば、分解能は同じである。つまり、分解能をある一定の値(所望の分解能)に保持した状態で、距離Aおよび距離Bを調節することにより、鮮鋭度が変化する。すなわち、所望の分解能を満たす距離Aと距離Bとの組み合わせにおいて、距離B(距離A)をなるべく短くすることにより、鮮鋭度が高くなる。
ここで、ワーク300とX線検出器20との間の距離C(図1参照)は、所定の距離(C0とする)以上でなければならない。この所定の距離C0は、X線測定装置100において予め決められた値である。このため、距離Cが所定の距離C0以上である条件を満たす距離Aと距離Bとの組み合わせは、図7の直線L2により表される。具体的には、距離B=距離A+距離Cの関係を有する。
また、ワーク300の回転半径は、上記のように、ステップS1において、オペレータにより入力される。つまり、X線源10とワーク300との衝突を避けるためには、X線源10とワーク300とは、ワーク300の回転半径以上、離間している必要がある。図7に示すように、X線源10とワーク300とが最低限離間している距離A0(つまり、ワーク300の回転半径)は、直線L3により表される。
X線検出器20のX線源10に対する距離Bは、所定の値B0以上であることが望ましいとされている。そこで、X線検出器20がX線源10に最も近づくことが可能な距離を接近可能距離B0とする。接近可能距離B0は、図7の直線L4により表される。
そして、第1実施形態では、距離Aおよび距離Bに対するX線測定装置100の分解能の条件を満たす範囲のうち、X線源10およびX線検出器20の可動幅の条件、ワーク300の回転半径の条件、および、X線検出器20のX線源10に対する接近可能距離の条件の全てをさらに満たすように、X線源10、X線検出器20およびワーク300の相対的な位置が取得される。たとえば、図7に示すように、距離Aおよび距離Bに対するX線測定装置100の分解能の条件(直線L1)と、可動幅の条件(直線L2)、ワーク300の回転半径の条件(直線L3)および接近可能距離の条件(直線L4)とのそれぞれの交点P1、P2およびP3が求められる。そして、上記の3つ条件の全てを満たす交点は、交点P2である。そして、この交点P2に対応する距離A(距離A1)および距離B(距離B1)が、取得される最適な、X線源10、X線検出器20およびワーク300の相対的な位置となる。なお、図7の例では、直線L1と直線L3との交点P2が最適なワーク300の配置位置(距離A1、距離B1)として取得されている一方、直線L1と直線L3以外の交点(交点P1,交点P3)が、最適な、X線源10、X線検出器20およびワーク300の相対的な位置として取得される場合もある。
(照射条件の取得)
次に、図2に示すように、ステップS3において、取得された相対的な位置に対して、X線源10から照射するX線の照射条件が取得される。なお、照射条件の取得は、照射条件取得部30bにより行われる。具体的には、第1実施形態では、ワーク300を検出可能なX線の出射強度の下限と、X線検出器20の検出可能なX線の強度の上限と、X線源10に流す管電流およびX線源10に印加する管電圧とに基づいてX線源10から照射されるX線の照射条件が取得される。
次に、図2に示すように、ステップS3において、取得された相対的な位置に対して、X線源10から照射するX線の照射条件が取得される。なお、照射条件の取得は、照射条件取得部30bにより行われる。具体的には、第1実施形態では、ワーク300を検出可能なX線の出射強度の下限と、X線検出器20の検出可能なX線の強度の上限と、X線源10に流す管電流およびX線源10に印加する管電圧とに基づいてX線源10から照射されるX線の照射条件が取得される。
ここで、ワーク300を検出可能なX線の出射強度の下限は、X線測定装置100の構成によって予め決められた(推奨された)値である。すなわち、X線の出射強度が下限の値未満では、ワーク300を適切に検出することができなくなる。また、X線検出器20の検出可能なX線の強度の上限は、X線検出器20の構成によって予め決められた(推奨された)値である。すなわち、X線の強度(ワーク300を透過したX線の強度)が上限の値を超えると、X線を適切に検出することができなくなる。
また、X線源10に流す管電流およびX線源10に印加する管電圧は、管電流の電流値と、管電圧の電圧値との積が小さい(すなわち、X線源10の焦点サイズが小さい)方が望ましい。X線源10の焦点サイズが大きくなる程、X線同士の干渉が大きくなり、画像化されたワーク300の輪郭がぼやけるためである。
また、第1実施形態では、管電流および管電圧に加えて、ワーク300を透過しないX線の強度とワーク300を透過したX線の強度との差と、ワーク300の異なる部分を透過したX線の強度差とに基づいて、X線の照射条件を取得する。ここで、図8〜図10に示すように、ワーク300(ワーク300b)のように、ワーク300の部分によって厚みが異なる場合、X線が透過するワーク300の部分によって透過するX線の強度が異なる。たとえば、ワーク300を透過せずにX線検出器20に検出されたX線の強度をαとする。また、ワーク300のうち、比較的厚みの小さい部分(たとえば、最小の厚みの部分301)を透過してX線検出器20に検出されたX線の強度をβとする。また、ワーク300のうち、比較的厚みの大きい部分(たとえば、厚みの最大の部分302)を透過してX線検出器20に検出されたX線の強度をγとする。なお、X線の強度α、βおよびγは、α>β>γの関係を有する。
ここで、ワーク300を透過しないX線の強度とワーク300を透過したX線の強度との差(α−γ)は、大きいほうが望ましい。画像化されたワーク300の像において、強度差(α−γ)が大きいほど、空気とワーク300との境界が明確になるからである。言い換えると、ワーク300を透過しないX線の強度とワーク300を透過したX線の強度との差の逆数(1/(α−γ))は、小さいほうがよい。
また、ワーク300の異なる部分を透過したX線の強度差(β−γ)は、小さい方が望ましい。強度差(β−γ)が比較的大きい場合、画像化されたワーク300の像において、ワーク300の厚みの大きい部分と小さい部分との境界Mにおいて、疑似像(アーチファクト)が生じるからである。なお、アーチファクトとは、実際の物体ではない二次的に発生した画像を意味する。
そこで、第1実施形態では、管電流をA、管電圧をV、ワーク300を透過しないX線の強度をαとし、ワーク300の部分301を透過したX線の強度をβとし、部分301とは異なるワーク300の部分302を透過したX線の強度をγとし、a、bおよびcを定数として、下記の式(1)に基づいて、最小となる値zが取得される。なお、部分301および部分302は、それぞれ、特許請求の範囲の「第1部分」および「第2部分」の一例である。
なお、上記の式(1)の定数a、bおよびcを調整することにより、上記の式(1)の右辺の第1項、第2項および第3項をそれぞれ重み付けした状態で加算することが可能になる。
また、第1実施形態では、図11に示すように、管電流および管電圧を変化させながら、上記の式(1)に基づいて取得した値zがランキングされる。たとえば、値zが小さい順にランキングされる。
ここで、第1実施形態では、ワーク300に対するX線の照射強度とワーク300を透過したX線の透過強度との関係に基づいて、管電流および管電圧に対する、ワーク300を透過しないX線の強度とワーク300を透過したX線の強度との差(α−γ)が算出されるとともに、ワーク300の異なる部分を透過したX線の強度差(β−γ)が算出される。以下、X線の照射強度とX線の透過強度との関係について説明する。
まず、図12に示すように、X線が物質M1を透過した際のX線の強度の減衰は、下記の式(2)に示されるランベルトベールの式により表される。
ここで、I0は、X線源10から照射されたX線の強度(以下、照射強度という)であり、μは、X線が透過する物質M1に依存した定数(材料定数)であり、xは、X線が透過する物質M1の厚みである。
また、図13に示すように、X線が透過する物質が複数(ここでは2つの物質M1および物質M2)である場合、上記の式(2)に基づいて、下記の式(3)が得られる。
ここで、ξは、X線が透過する物質M2に依存した定数(材料定数)であり、yは、X線が透過する物質M2の厚みである。
次に、材料定数μおよび材料定数ξの算出(評価)方法について説明する。まず、図14に示すような各段において厚みの異なるピラミッド状のサンプル310を準備する。そして、サンプル310の各段にX線を照射するとともに、透過したX線の強度(透過強度)を測定する。
図15に測定の結果を示す。図15に示すように、縦軸を透過強度Iとし、横軸を照射強度I0とした場合、透過強度Iと照射強度I0とは、略線形の関係を有することが実験により確認された。すなわち、上記の式(6)が妥当であることが確認された。
ここで、材料定数μを空気の材料定数とした場合(すなわち、X線がサンプル310(ワーク300)を透過せずにX線検出器20に直接検出された場合)、材料定数μは既知(一定の定数)である。この場合、上記の式(6)の「e」は、材料定数ξに依存する。つまり、上記の式(6)の「e」は、ワーク300の材質に依存する。そして、「e」は、傾きであるので、図15の実験結果から傾きを求めれば、間接的に材料定数ξが求められることになる。
また、第1実施形態では、互いに異なる少なくとも2つの大きさの照射強度のX線をワーク300(サンプル310)に照射してワーク300を透過したX線の透過強度を測定するとともに、少なくとも2つの大きさの照射強度と、少なくとも2つの大きさの照射強度に対応する測定されたX線の透過強度とに基づいて、ワーク300に対するX線の照射強度とワーク300を透過したX線の透過強度との関係が取得される。すなわち、上記のように、透過強度Iと照射強度I0とは、略線形の関係を有するので、少なくとも2点のデータ(2つの照射強度と、これに対する2つの透過強度)があれば、上記の式(6)の傾き「e」が求められる。また、2点よりも多いデータを取得すれば、傾き「e」をより正確に求めることが可能になる。たとえば、5点のデータ(図15の○印参照)が取得される。
そして、傾き「e」が求まれば、上記の式(6)に基づいて、管電流および管電圧を様々な値に変化させながら、ワーク300に対する透過強度Iが計算により算出することが可能になる。そして、その算出結果を上記の式(1)に代入することにより、様々な管電流および管電圧に対する値zが計算により算出される。すなわち、上記のステップS2において取得された相対的な位置(距離A、距離B)に対して、X線源10から照射するX線の照射条件(管電流および管電圧)が取得(算出)される。そして、算出された値zが、図11に示すようにランキングされる。オペレータは、所望の値zを選定することにより、選定された値zに対応する管電流および管電圧が決定される。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、X線源10とワーク300との間の距離AおよびX線源10とX線検出器20との間の距離Bに対するX線測定装置100の分解能と、X線源10およびX線検出器20の可動幅と、ワーク300の回転半径と、X線検出器20のX線源10に対する接近可能距離とに基づいて、X線源10、X線検出器20およびワーク300の相対的な位置を取得するステップを備える。ここで、X線測定装置100の分解能は、X線源10とワーク300との間の距離A、および、X線源10とX線検出器20との間の距離Bに応じて変化する。たとえば、距離Aが短い場合には、分解能が高くなり、距離Aが長い場合には、分解能が低くなる。また、距離Bが長い場合には、分解能が高くなり、距離Aが短い場合には、分解能が低くなる。つまり、所望の分解能に対して、距離Aおよび距離Bの組み合わせが決められることになる。また、X線源10およびX線検出器20の可動幅と、X線検出器20のX線源10に対する接近可能距離とは、X線測定装置100の構成によって予め決められた値である。また、ワーク300の回転半径は、測定対象となるワーク300(およびワーク300のうちの測定対象となる部分)が決定すれば、予め決められる値である。そこで、上記のように、分解能と、可動幅と、ワーク300の回転半径と、接近可能距離とに基づいて、X線源10、X線検出器20およびワーク300の相対的な位置を取得することによって、予め決められた値から、所望の分解能を満たす相対的な位置(距離Aおよび距離B)を取得することができる。すなわち、オペレータの経験やスキルに基づくことなく、適切に、X線源10、X線検出器20およびワーク300の相対的な位置を取得することができる。また、オペレータの経験やスキルに基づいて試行を繰り返す必要がないので、適切な測定条件(X線源10、X線検出器20およびワーク300の相対的な位置)を迅速に取得することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、距離Aおよび距離Bに対するX線測定装置100の分解能の条件を満たす範囲のうち、X線源10およびX線検出器20の可動幅の条件、ワーク300の回転半径の条件、および、X線検出器20のX線源10に対する接近可能距離の条件の全てをさらに満たすように、X線源10、X線検出器20およびワーク300の相対的な位置を取得する。これにより、可動幅の条件、ワーク300の回転半径の条件および接近可能距離の条件の全てが満たされた相対的な位置を取得することができるので、オペレータがこれらの条件を加味しながら相対的な位置を調整する手間を省くことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、測定対象となるワーク300の大きさとワーク300のうちの測定対象となる部分とに基づいたワーク300の回転半径の入力を受け付ける。これにより、測定対象となるワーク300が変わった場合でも、ワーク300の回転半径の入力を再度行うことにより、オペレータの経験やスキルに基づくことなく、適切に、X線源10、X線検出器20およびワーク300の相対的な位置を取得することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、ワーク300を検出可能なX線の出射強度の下限と、X線検出器20の検出可能なX線の強度の上限と、X線源10に流す管電流およびX線源10に印加する管電圧とに基づいてX線源10から照射されるX線の照射条件を取得する。ここで、X線の出射強度の下限と、検出可能なX線の強度の上限とは、X線測定装置100の構成によって予め決められた値である。また、管電流および管電圧は、X線源10の焦点サイズに対応して変化する。そこで、上記のように、X線の照射条件を取得することによって、X線測定装置100の構成によって予め決められた値の範囲内で、適切な管電流および管電圧を取得することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、管電流および管電圧に加えて、ワーク300を透過しないX線の強度とワーク300を透過したX線の強度との差と、ワーク300の異なる部分を透過したX線の強度差とに基づいて、X線の照射条件を取得する。ここで、ワーク300を透過しないX線の強度とワーク300を透過したX線の強度との差は、画像化されたワーク300の鮮鋭度(輪郭が明確になること)に影響を及ぼす。また、ワーク300の異なる部分を透過したX線の強度差は、X線が透過するワーク300の部分の厚みの異なりに起因して生じる疑似像(アーチファクト)に影響を及ぼす。そこで、上記のように、X線の照射条件を取得することによって、ワーク300の輪郭の鮮鋭度を維持するとともに疑似像の抑制されたワーク300の画像を取得するためのX線の照射条件を取得することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、上記の式(1)に基づいて、値zを取得する。これにより、上記の式(1)に基づいて、管電流と管電圧とを変化させた場合の、鮮鋭度の大小、および、疑似像の出現の大小を値zとして容易に数値化することができる。また、定数a、bおよびcの大きさを異ならせることによって、管電流および管電圧と、ワーク300を透過しないX線の強度とワーク300を透過したX線の強度との差と、ワーク300の異なる部分を透過したX線の強度差とを、重み付けした状態で加算することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、管電流および管電圧を変化させながら、上記の式(1)に基づいて取得した値zをランキングする。これにより、オペレータがランキングされた値zを参照することができるので、測定条件の選択の幅を広げることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、ワーク300に対するX線の照射強度とワーク300を透過したX線の透過強度との関係に基づいて、管電流および管電圧に対する、ワーク300を透過しないX線の強度とワーク300を透過したX線の強度との差を算出するとともに、ワーク300の異なる部分を透過したX線の強度差を算出する。ここで、ワーク300のX線の照射強度に対する透過強度(材料定数)がわかれば、たとえばランベルトベールの法則(光の物質による吸収を定式化した法則)に基づいて、ワーク300を透過しないX線の強度とワーク300を透過したX線の強度との差と、ワーク300の異なる部分を透過したX線の強度差とを算出することができる。すなわち、上記のように構成することによって、管電流および管電圧を変化させた場合(多数の点)の、ワーク300を透過しないX線の強度とワーク300を透過したX線の強度との差と、ワーク300の異なる部分を透過したX線の強度差とを、計算により容易に算出することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、少なくとも2つの大きさの照射強度と、少なくとも2つの大きさの照射強度に対応するX線の透過強度とに基づいて、ワーク300に対するX線の照射強度とワーク300を透過したX線の透過強度との関係を取得する。ここで、X線の照射強度と透過強度との関係は、ワーク300の材質(材料定数)によって変化する一方、略線形の関係である。そこで、上記のように、少なくとも2つの大きさの照射強度と、少なくとも2つの大きさの照射強度に対応するX線の透過強度とに基づいて、容易に、ワーク300に対するX線の照射強度とワーク300を透過したX線の透過強度との関係を取得することができる。
[第2実施形態]
図16および図17を参照して、第2実施形態によるX線測定装置200の構成について説明する。第2実施形態では、X線源10とワーク300との間にフィルタ210が設けられている。
図16および図17を参照して、第2実施形態によるX線測定装置200の構成について説明する。第2実施形態では、X線源10とワーク300との間にフィルタ210が設けられている。
図16に示すように、X線測定装置200では、X線源10とワーク300との間に、X線源10から照射されるX線の位相を揃えるためのフィルタ210が設けられている。フィルタ210が設けられていることにより、X線源10からワーク300に対して照射されるX線の照射強度は、フィルタ210が設けられない場合と比べて低下する。そして、第2実施形態では、フィルタ210が設けられる場合とフィルタ210が設けられない場合とについて、上記第1実施形態と同様にX線の照射条件が取得される。つまり、フィルタ210が設けられる場合とフィルタ210が設けられない場合とについて、それぞれ、上記のステップS1〜ステップS3の動作が行われる。そして、図17に示すように、フィルタ210が設けられる場合とフィルタ210が設けられない場合とについて、取得した値zがランキングされる。なお、フィルタ210を使用した状態で、図14に示されるピラミッド状のサンプル310を用いてX線の透過強度を測定することにより、下記の式(7)に示される定数Q(フィルタ210がない状態とある状態との透過強度の差)が求められる。これにより、フィルタ210がある状態からフィルタ210がない状態を、下記の式(7)により算出することができるので、上記のステップS1〜ステップS3を省略することが可能になる。
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記のように、X線源10とワーク300との間にX線源10から照射されるX線の位相を揃えるためのフィルタ210が設けられる場合とフィルタ210が設けられない場合とについて、X線の照射条件を取得する。ここで、X線源10から照射される光をコヒーレント光(光束内の任意の2点における光波の位相関係が時間的に不変なように一定に保たれた光)にするために、X線源10とワーク300との間にフィルタ210が設けられる場合がある。この場合、X線源10から照射されたX線がフィルタ210を透過することに起因して、X線の強度が低下する。そこで、フィルタ210が設けられる場合とフィルタ210が設けられない場合とについてX線の照射条件を取得することによって、フィルタ210が設けられる場合とフィルタ210が設けられない場合との両方において、X線の照射条件を適切に取得することができる。
[第3実施形態]
図18および図19を参照して、第3実施形態によるX線測定装置400の構成について説明する。第3実施形態では、測定対象となるワーク320が複数設けられている。
図18および図19を参照して、第3実施形態によるX線測定装置400の構成について説明する。第3実施形態では、測定対象となるワーク320が複数設けられている。
図18に示すように、第3実施形態によるX線測定装置400では、測定対象となるワーク320は、互いに隣り合うように複数配置されている。具体的には、ワーク320が、上下方向(Y方向)に積層されている。そして、測定対象となるワーク320と、ワーク320に対してX線を照射するX線源10(およびX線検出器20)とを相対的に移動させながらワーク320を透過したX線がX線検出器20により検出される。この際、制御装置330の位置取得部330aによって、測定対象となる複数のワーク320ごとに、X線源10、X線検出器20およびワーク320の相対的な位置が取得される。また、複数のワーク320ごとに、取得された相対的な位置に対して、X線源10から照射するX線の照射条件が取得される。なお、積層された複数のワーク320を静止させた状態で、複数のワーク320に対してX線源10およびX線検出器20を移動(走査)させてもよいし、X線源10およびX線検出器20を静止させた状態で、X線源10およびX線検出器20に対して複数のワーク320を移動させてもよい。なお、複数のワーク320は、全て同じものであってもよいし、一部が(または全てが)異なるものであってもよい。
たとえば、位置P1において、X線源10、X線検出器20およびワーク320aの相対的な位置が取得される。また、取得された相対的な位置に対して、X線源10から照射するX線の照射条件が取得される。そして、ワーク320aにX線を照射するとともに、ワーク320aを透過したX線をX線検出器20により検出する。次に、X線源10およびX線検出器20が、位置P2に移動する。そして、X線源10、X線検出器20およびワーク320bの相対的な位置が取得されるとともに、X線源10から照射するX線の照射条件が取得される。そして、ワーク320bを透過したX線をX線検出器20により検出する。次に、位置P3において、同様の動作(ワーク320cの測定)が行われる。これにより、図19に示すように、X線検出器20により検出された画像Gには、位置P1において検出された画像G1と位置P2において検出された画像G2とが部分的に重複する重複部分G4、および、位置P2において検出された画像G2と位置P3において検出された画像G3とが部分的に重複する重複部分G4が生じる場合がある。この重複部分G4は、画像処理によって、重複しない画像に処理される。
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第3実施形態では、上記のように、測定対象となるワーク320は、互いに隣り合うように複数配置されており、測定対象となる複数のワーク320ごとに、X線源10、X線検出器20およびワーク320の相対的な位置が取得される。これにより、互いに隣り合うように配置される複数のワーク320を連続的に(ワーク320を置き換えることなく)測定することによって、複数のワーク320を測定するための時間を短縮することができる。
また、第3実施形態では、上記のように、測定対象となるワーク320と、ワーク320に対してX線を照射するX線源10とを相対的に移動させながらワーク320を透過したX線をX線検出器20により検出する際において、X線源10、X線検出器20およびワーク320の相対的な位置が取得される。これにより、複数のワーク320が隣り合うように配置されている場合でも、ワーク320とX線源10とを相対的に移動させて検出(測定)を行うことによって、隣り合うように配置されている複数のワーク320を連続的に測定することができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1〜第3実施形態では、上記の式(1)に基づいて(管電流、管電圧、強度α、強度βおよび強度γの全てを考慮して)、X線の照射条件を取得する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、管電流、管電圧、強度α、強度βおよび強度γのうちの、管電流および管電圧のみを考慮して、X線の照射条件を取得してもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、上記の式(1)に基づいて取得された値zを、値zが小さい順にランキングする例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、管電流(または、管電圧)が小さい順にランキングしてもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、ワーク300の材料定数ξが一定である(つまり、ワーク300が1つの材料により形成されている)例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、ワーク300が複数の材料から構成されている場合にも適用することが可能である。
また、上記第1〜第3実施形態では、上記の式(1)に基づいて値zを取得する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、下記の式(8)に基づいて、値zを取得してもよい。
これにより、上記の式(8)に基づいて、管電流と管電圧とを変化させた場合の、鮮鋭度の大小、および、疑似像の出現の大小を値zとして容易に数値化することができる。また、上記の式(1)および式(8)以外の式(a×A×V、b×1/(α−γ)、c×(β−γ)の3項に基づいた式)に基づいて、値zを取得してもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、説明の便宜上、本発明のX線撮影装置の処理を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、処理動作を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
また、上記第3実施形態では、複数のワーク320が上下方向に積層されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図20に示す第1変形例に示すX線測定装置500に示すように、複数のワーク340が水平方向(Z方向)に互いに隣り合うように配置されていてもよい。この場合、複数のワーク340に対して、X線源10およびX線検出器20が水平方向に相対的に移動する。
また、上記第3実施形態では、複数のワーク320が上下方向に積層されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図21に示す第2変形例に示すX線測定装置600に示すように、1つの比較的大きいワーク350に対して、X線源10およびX線検出器20を上下方向(Y方向)に相対的に移動させて、測定を行ってもよい。1つの比較的大きいワーク350は、たとえば、昇降可能な移動部材601上に載置されている。そして、静止状態のX線源10およびX線検出器20に対して、ワーク350が上下方向に移動することにより、ワーク350の全体の測定が可能になる。
また、上記第3実施形態では、複数のワーク320と、X線源10およびX線検出器20と、が直線状(Y方向、Z方向)に相対的に移動する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図22に示す第3変形例に示すX線測定装置700に示すように、円環状(図22の点線上)に配置された複数の回転可能な円盤形状の移動部材701の各々にワーク300を載置して、ワーク300に対して、X線源10およびX線検出器20を円周方向に相対的に移動させて、測定を行ってもよい。
また、図23に示す第4変形例に示すX線測定装置800に示すように、直線状に配置された複数の回転可能な円盤形状の移動部材801の各々にワーク300を載置して、ワーク300に対して、X線源10およびX線検出器20を水平方向(Z方向)に相対的に移動させて、測定を行ってもよい。
また、図24に示す第5変形例に示すX線測定装置900に示すように、複数のワーク360の境界にX線を透過しない遮蔽部材361を配置してもよい。これにより、X線検出器20に検出された画像において、複数のワーク360の境界を容易に認識(視認)することができる。
10 X線源
20 X線検出器
30 制御装置
30a、330a 位置取得部
30b 照射条件取得部
100、200、400、500、600、700、800、900 X線測定装置
210 フィルタ
300、300a、300b、320、320a、320b、320c、340、350、360 ワーク
301 部分(第1の部分)
302 部分(第2の部分)
20 X線検出器
30 制御装置
30a、330a 位置取得部
30b 照射条件取得部
100、200、400、500、600、700、800、900 X線測定装置
210 フィルタ
300、300a、300b、320、320a、320b、320c、340、350、360 ワーク
301 部分(第1の部分)
302 部分(第2の部分)
Claims (16)
- 測定対象となるワークを回転させながらX線源から前記ワークに対してX線を照射するとともに前記ワークを透過したX線をX線検出器により検出することにより前記ワークの測定を行うX線測定装置における前記ワークのX線測定条件決定方法であって、
前記X線源と前記ワークとの間の第1距離および前記X線源と前記X線検出器との間の第2距離に対する前記X線測定装置の分解能と、前記X線源および前記X線検出器の可動幅と、前記ワークの回転半径と、前記X線検出器の前記X線源に対する接近可能距離とに基づいて、前記X線源、前記X線検出器および前記ワークの相対的な位置を取得するステップと、
取得された前記相対的な位置に対して、前記X線源から照射するX線の照射条件を取得するステップとを備える、ワークのX線測定条件決定方法。 - 前記相対的な位置を取得するステップは、前記第1距離および前記第2距離に対する前記X線測定装置の分解能の条件を満たす範囲のうち、前記X線源および前記X線検出器の可動幅の条件、前記ワークの回転半径の条件、および、前記X線検出器の前記X線源に対する接近可能距離の条件の全てをさらに満たすように、前記X線源、前記X線検出器および前記ワークの相対的な位置を取得するステップを含む、請求項1に記載のワークのX線測定条件決定方法。
- 測定対象となる前記ワークの大きさと前記ワークのうちの測定対象となる部分とに基づいた前記ワークの回転半径の入力を受け付けるステップをさらに備える、請求項1または2に記載のワークのX線測定条件決定方法。
- 前記X線の照射条件を取得するステップは、前記ワークを検出可能な前記X線の出射強度の下限と、前記X線検出器の検出可能なX線の強度の上限と、前記X線源に流す管電流および前記X線源に印加する管電圧とに基づいて前記X線源から照射されるX線の照射条件を取得するステップを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のワークのX線測定条件決定方法。
- 前記管電流および前記管電圧に基づいてX線の照射条件を取得するステップは、前記管電流および前記管電圧に加えて、前記ワークを透過しないX線の強度と前記ワークを透過したX線の強度との差と、前記ワークの異なる部分を透過したX線の強度差とに基づいて、前記X線の照射条件を取得するステップを含む、請求項4に記載のワークのX線測定条件決定方法。
- 上記の式(1)に基づいて最小となる値zを取得するステップは、前記管電流および前記管電圧を変化させながら、上記の式(1)に基づいて取得した値zをランキングするステップを含む、請求項6に記載のワークのX線測定条件決定方法。
- 前記X線の照射条件を取得するステップは、前記ワークに対するX線の照射強度と前記ワークを透過したX線の透過強度との関係に基づいて、前記管電流および前記管電圧に対する、前記ワークを透過しないX線の強度と前記ワークを透過したX線の強度との差を算出するとともに、前記ワークの異なる部分を透過したX線の強度差を算出するステップを含む、請求項4〜8のいずれか1項に記載のワークのX線測定条件決定方法。
- 前記X線の強度差を算出するステップは、少なくとも2つの大きさの照射強度と、少なくとも2つの大きさの照射強度に対応するX線の透過強度とに基づいて、前記ワークに対するX線の照射強度と前記ワークを透過したX線の透過強度との関係を取得するステップを含む、請求項9に記載のワークのX線測定条件決定方法。
- 前記X線の照射条件を取得するステップは、前記X線源と前記ワークとの間に前記X線源から照射されるX線の位相を揃えるためのフィルタが設けられる場合と前記フィルタが設けられない場合とについて、前記X線の照射条件を取得するステップを含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載のワークのX線測定条件決定方法。
- 前記測定対象となるワークは、互いに隣り合うように配置される複数の前記ワークを含み、
前記相対的な位置を取得するステップは、前記測定対象となる前記複数のワークごとに、前記X線源、前記X線検出器および前記ワークの相対的な位置を取得するステップを含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載のワークのX線測定条件決定方法。 - 前記相対的な位置を取得するステップは、前記測定対象となるワークと前記ワークに対してX線を照射する前記X線源とを相対的に移動させながら前記ワークを透過したX線を前記X線検出器により検出する際において、前記X線源、前記X線検出器および前記ワークの相対的な位置を取得するステップを含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載のワークのX線測定条件決定方法。
- 測定対象となるワークを回転させながらX線源から前記ワークに対してX線を照射するとともに前記ワークを透過したX線をX線検出器により検出することにより前記ワークの測定を行うX線測定装置の制御装置であって、
前記X線源と前記ワークとの間の第1距離および前記X線源と前記X線検出器との間の第2距離に対する前記X線測定装置の分解能と、前記X線源および前記X線検出器の可動幅と、前記ワークの回転半径と、前記X線検出器の前記X線源に対する接近可能距離とに基づいて、前記X線源、前記X線検出器および前記ワークの相対的な位置を取得する位置取得部と、
取得された前記相対的な位置に対して、前記X線源から照射するX線の照射条件を取得する照射条件取得部とを備える、X線測定装置の制御装置。 - 前記測定対象となるワークは、互いに隣り合うように配置される複数の前記ワークを含み、
前記位置取得部は、前記測定対象となる前記複数のワークごとに、前記X線源、前記X線検出器および前記ワークの相対的な位置を取得するように構成されている、請求項14に記載のX線測定装置の制御装置。 - 前記位置取得部は、前記測定対象となるワークと前記ワークに対してX線を照射する前記X線源とを相対的に移動させながら前記ワークを透過したX線を前記X線検出器により検出する際において、前記X線源、前記X線検出器および前記ワークの相対的な位置を取得するように構成されている、請求項14または15に記載のX線測定装置の制御装置。
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