JP2001311701A - X線画像撮影方法及びその撮影装置 - Google Patents

X線画像撮影方法及びその撮影装置

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JP2001311701A JP2000285006A JP2000285006A JP2001311701A JP 2001311701 A JP2001311701 A JP 2001311701A JP 2000285006 A JP2000285006 A JP 2000285006A JP 2000285006 A JP2000285006 A JP 2000285006A JP 2001311701 A JP2001311701 A JP 2001311701A
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    • A61B6/00Apparatus for radiation diagnosis, e.g. combined with radiation therapy equipment
    • A61B6/48Diagnostic techniques
    • A61B6/484Diagnostic techniques involving phase contrast X-ray imaging
    • AHUMAN NECESSITIES
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    • A61B6/00Apparatus for radiation diagnosis, e.g. combined with radiation therapy equipment
    • A61B6/50Clinical applications
    • A61B6/508Clinical applications for non-human patients

Abstract

(57)【要約】 【課題】発散するX線を放射するX線管を用いて拡大撮
影を行うときに、半影によるボケとエッジ強調の関係を
最適化することにより鮮鋭性の優れる拡大撮影画像を得
ることができる。 【解決手段】X線画像撮影方法は、発散するX線を放射
するX線管2を用い、このX線管2から放射するX線を
被写体3に透過させてX線拡大撮影を行い、このX線拡
大撮影で得られるX線画像の半影によるボケ幅をB(μ
m)、X線屈折コントラストによるエッジ強調幅をE
(μm)とすると、9E≧Bであるようにしている。X
線画像撮影装置1は、前記発散するX線を照射するX線
管2と、被写体3を固定するための被写体位置設定具2
0と、被写体3を透過したX線画像を検出するX線画像
検出器4と、を有し、前記ボケ幅をB(μm)、前記エ
ッジ強調幅をE(μm)とするとき、X線管2より照射
されるX線を被写体に透過させてX線拡大撮影を行う
際、9E≧Bとなるように被写体位置設定具20及びX
線画像検出器4を設置可能としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線画像撮影方法
及びX線画像撮影装置に関するものであり、特に発散す
るX線を放射するX線菅を用いて拡大撮影を行うとき
に、X線屈折コントラストによるエッジ強調によって、
鮮鋭性の優れるX線画像を得るX線像撮影方法及びその
撮影装置に関する。
【0002】
【従来の技術】X線が物質を透過する作用を利用するX
線画像は、医用画像診断や非破壊検査等に広く利用され
ている。このX線画像は、X線が被写体を透過するとき
に、被写体を構成する物質の原子量の大きさによってX
線透過量が異なることによる陰影画線である。すなわち
X線源から放射され、被写体を透過したX線量の2次元
分布をX線画像検出器で検出し、被写体のX線吸収コン
トラストに基づくX線画像を形成する。
【0003】
【発明解決しようとする課題】非破壊検査や一般の医療
施設で用いられる発散するX線を放射するX線管の例と
しては、回転陽極X線管等があるが、このX線管では、
熱電子が対陰極に衝突して発生するX線は放射状に広が
る。この性質を利用して、被写体とX線画像検出器との
距離を離すことで、X線画像の拡大撮影が行われてい
る。このとき、X線の焦点サイズが有限の大きさである
ために拡大撮影では、図1に示すように“半影”とよば
れるボケが生ずることはよく知れられている。
【0004】X線源が点光源であるとき、もしくは点光
源とみなせるとき、すなわち、焦点サイズが0もしくは
ほぼ0である場合には、こうした拡大撮影のX線画像に
はボケは生じない。一方、人体など厚い被写体を透過す
るための十分なX線量を得ようとすると、実用上一定の
大きさの焦点サイズが必要となる。従ってX線撮影にお
いてはこの半影によるボケは避けられず、特に、拡大撮
影の場合、X線画像の鮮鋭性が低下する。
【0005】そして、X線拡大撮影の拡大率を上げる
と、ボケ幅はさらに拡大される。例えば胸部スポット撮
影や骨部精密X線撮影などの拡大撮影では、その拡大率
を上げると画像の鮮鋭性が劣化することで、かえって読
影しづらくなり、拡大撮影の効果が半減することにな
る。一方、本発明者らは、被写体を撮影する際、被写体
の屈折率のある部分で、X線の屈折コントラストにより
エッジ強調現象が生じることを見いだした。
【0006】本発明は、以上のような課題に鑑みてなさ
れたものであり、発散するX線を放射するX線管を用い
て拡大撮影を行うときに、半影によるボケとエッジ強調
の関係を最適化することにより鮮鋭性の優れる拡大撮影
画像を得ることができるX線画像撮影方法及びその撮影
装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決する手段】前記課題を解決し、かつ目的を
達成するために、本発明は、以下のように構成した。
【0008】請求項1の発明は、『発散するX線を放射
するX線管を用い、このX線管から放射するX線を被写
体に透過させてX線拡大撮影を行い、このX線拡大撮影
で得られるX線画像の半影によるボケ幅をB(μm)、
X線屈折コントラストによるエッジ強調幅をE(μm)
とすると、9E≧Bであるようにしたことを特徴とする
X線画像撮影方法。』である。
【0009】請求項2の発明は、『前記X線拡大撮影
は、1.1〜10倍であることを特徴とする請求項1に
記載のX線撮影方法。』である。
【0010】請求項3の発明は、『前記X線管の焦点サ
イズは、0.03mm〜0.3mmであることを特徴と
する請求項1または請求項2に記載のX線画像撮影方
法。』である。
【0011】請求項4の発明は、『前記X線管のX線管
電圧は、50kVp〜150kVpであることを特徴と
する請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のX線
画像撮影方法。』である。
【0012】請求項5の発明は、『前記X線管は、クー
リッジX線管であることを特徴とする請求項1乃至請求
項4のいずれか1項に記載のX線画像撮影方法。』であ
る。
【0013】請求項6の発明は、『前記X線管は、タン
グステン回転陽極X線管であることを特徴とする請求項
1乃至請求項5のいずれか1項に記載のX線画像撮影方
法。』である。
【0014】請求項7の発明は、『平均諧調Gが1.5
〜4.0であるスクリーン・フィルムシステムを用い、
エッジ強調幅Eが9μm以上であることを特徴とする請
求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のX線画像撮
影方法。』である。
【0015】請求項8の発明は、『画素サイズが、1μ
m〜200μmのデジタルX線画像検出器を用い、かつ
エッジ強調幅Eが0.1μmより大きいことを特徴とす
る請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のX線画
像撮影方法。』である。
【0016】請求項9の発明は、『前記被写体が、人体
もしくは人体から摘出された検体であることを特徴とす
る請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のX線画
像撮影方法。』である。
【0017】請求項10の発明は、『発散するX線を照
射するX線管と、前記X線管に対して被写体の位置を設
定するための被写体位置設定具と、前記被写体を透過し
たX線画像を検出するX線画像検出器と、を有し、X線
画像の半影によるボケ幅をB(μm)、X線回折コント
ラストによるエッジ強調幅をE(μm)とするとき、前
記X線管より照射されるX線を被写体に透過させてX線
拡大撮影を行う際、9E≧Bとなるように前記被写体位
置設定具及び前記X線画像検出器を設置可能としたこと
を特徴とするX線画像撮影装置。』である。
【0018】請求項11の発明は、『前記X線管と前記
被写体との距離を0.5m以上離すべく前記被写体位置
設定具を設けることが可能で、且つ前記被写体と前記X
線画像検出器までの距離を1m以上離すことが可能であ
ることを特徴とする請求項10に記載のX線画像撮影装
置。』である。
【0019】請求項12の発明は、『前記X線管の焦点
を起点とする距離の情報を具備したレールもしくは支柱
と、前記X線画像検出器を保持するX線画像検出器用保
持具とを有し、前記被写体位置設定具及び前記X線画像
検出器用保持具は、前記レール又は前記支柱に移動可能
で、且つ一時的に固定可能に設けられていることを特徴
とする請求項11に記載のX線画像撮影装置。』であ
る。
【0020】請求項13の発明は、『50kVp〜15
0kVp管電圧設定が可能なX線管を有し、前記X線管
から0.5m以上離れた位置に被写体位置設定具を配置
し、かつ前記被写体位置設定具から1m以上離れた位置
にX線画像検出器を配置したことを特徴とする請求項1
0乃至請求項12のいずれか1項に記載のX線画像撮影
装置。』である。
【0021】請求項14の発明は、『前記X線拡大撮影
は、1,1〜10倍であることを特徴とする請求項10
乃至請求項13のいずれか1項に記載のX線画像撮影装
置。』である。
【0022】請求項15の発明は、『前記X線管の焦点
サイズは、0.03mm〜0.3mmであることを特徴
とする請求項10乃至請求項14のいずれか1項に記載
のX線画像撮影装置。』である。
【0023】請求項16の発明は、『前記X線管は、ク
ーリッジX線管であることを特徴とする請求項10乃至
請求項15のいずれか1項に記載のX線画像撮影装
置。』である。
【0024】請求項17の発明は、『前記X線管は、タ
ングステン回転陽極X線管であることを特徴とする請求
項10乃至請求項16のいずれか1項に記載のX線画像
撮影装置。』である。
【0025】請求項18の発明は、『前記X線画像検出
器として、平均諧調Gが1.5〜4.0であるスクリー
ン・フィルムシステムを用い、エッジ強調幅Eが9μm
以上であることを特徴とする請求項10乃至請求項17
のいずれか1項に記載のX線画像撮影装置。』である。
【0026】請求項19の発明は、『前記X線画像検出
器として、画素サイズが1μm〜200μmのデジタル
X線画像検出器を用い、かつ前記エッジ強調幅Eが0.
1μmより大きいことを特徴とする請求項10乃至請求
項18のいずれか1項に記載のX線画像撮影装置。』で
ある。
【0027】本発明は、図1に示すX線画像撮影装置1
において、発散するX線を放射するX線管2の例である
クーリッジX線管から放射するX線を被写体3に透過さ
せて、X線画像検出器4によりX線画像を得、X線拡大
撮影を行う。X線は電磁波であるゆえに波の性質、すな
わち可視光視と同様に、X線が屈折率の異なる物体、被
写体3を透過すると、その界面で屈折を起こす性質をも
っている。なお、拡大撮影とは、被写体3より拡大され
た画像をX線画像検出器4上に得る撮影である。この場
合の拡大率は長さに対する拡大をいい、例えば、図1の
ような系においては拡大率(倍率)をとする。
【0028】図2で模式的に示すように、屈折率の異な
る界面部分のX線画像検出器4上のX線透過画像では、
X線の屈折によってX線強度が低下する部分と、そして
その屈折したX線が空間を直進してきたX線と重なりあ
ってX線強度が上昇する部分とが生ずる。すなわち、こ
こで得られる陰画画像では、屈折率の異なる界面を境に
してX線強度が低下する部分が白く抜け、X線強度が上
昇する部分がより黒くなる結果、いわゆるエッジ強調画
像が得られる。これはX線屈折コントラストと呼ばれる
現象である。X線の波長は非常に短く、その屈折率は小
さいので、従来の一般に行われているX線画像撮影で
は、このX線屈折コントラストは見過ごされる程度の弱
いものであった。すなわち、従来のX線画像ではX線屈
折コントラストは十分に活用されておらず、X線の吸収
差による吸収コントラストのみのX線画像であった。
【0029】本発明においては、このX線屈折コントラ
ストを課題解決の手段とするものである。すなわち、拡
大撮影で半影による画像のボケが生じても、前記のよう
なエッジ強調を同時に生じせしめることによってこのボ
ケを解消し、鮮鋭性のよい拡大X線撮影画像を得るもの
である。さらに具体的には本発明において次に述べる方
法によって課題を解決した。
【0030】すなわち、例えばクーリッジX線管である
発散するX線を放射するX線管2を用いて拡大撮影を行
うとき、半影によるボケ幅B(μm)と、X線屈折コン
トラスト強調によるエッジ強調幅E(μm)とすると、
9E≧B・・・(1式)である。
【0031】なお、ここでのX線拡大撮影の拡大率は、
1.1〜10倍であることが好ましい。ここで用いられ
るX線管2の焦点サイズは、10μm〜1000μmが
好ましい。また、X線管2のX線管電圧は50kVp〜
150kVpであることが好ましい。X線管2は対陰極
にタングステンを含有することをが好ましい。
【0032】ここでX線焦点とは、X線管2の例えば回
転陽極に電子線が衝突して発生するX線を取り出す、被
写体方向から見た窓のことをいう。この窓の大きさのこ
とを焦点サイズといい、焦点が正方形である場合、その
1辺の長さを、また焦点が正方形以外の長方形のときは
その短辺の長さ、円であるときはその直径を焦点サイズ
とし、JISZ4704に定められているように測定す
ることもできる。また、焦点の形がその他の場合にも、
JISZ4704に定められているように、ピンホール
カメラもしくはテストチャートを用いて測定することが
できる。
【0033】画像を形成するためのX線画像検出器4
は、平均階調Gが1.5〜4.0のスクリーン・フィル
ムシステムを用いることが好ましい。このときエッジ強
調幅Eは、図3に示すように、9μm以上であることが
好ましい。この範囲にすることにより、人間の視覚での
診断の精度を向上させることができる。また、X線画像
検出器4として、デジタルX線画像検出器を用いる場合
には、画素サイズが1μm以上200μm以下であるこ
とが好ましく、このときのエッジ強調幅Eは0.1μm
より大きいことが好ましい。この範囲にすることによ
り、診断の精度を向上させることができる。
【0034】本発明においては、とくに被写体3として
人体もしくは人体から摘出された検体などが好ましい。
以下さらに詳細を述べる。
【0035】まず、本発明で用いるX線源は、X線が放
射状に発散するX線管を用いる。X線が放射状に発散す
るX線管は、被写体とX線画像検出器との距離を調整す
ることにより、X線画像の拡大率を任意に設定すること
ができる。本発明で用いるX線源は、具体的には熱電子
が対陰極に衝突することによりX線が得られるクーリッ
ジX線管であり、特に強いX線を得るには回転陽極を持
つX線管が好ましい。そして、自己バイアスX線管やプ
ラズマX線管等を用いることができる。
【0036】半影によるボケ幅B(μm)は、図1に示
すように、X線管焦点サイズD(μm)、X線焦点から
被写体3までの距離R1(m)、そして被写体3からX
線画像検出器4まで距離R2(m)とすると、幾何光学
的に一意的に決まる。すなわち、 B=D×(R2/R1)・・・(2式) で算出することができる。
【0037】X線屈折コントラストによる界面のエッジ
強調幅E(μm)は、図2に示すように、X線量低下最
大値とX線量増加最大値の半値幅であり、この値は、次
の式によって得たものを使用することができる。
【0038】 E=39×R2(1+0.045/R1)×λ2×√A・・・(3式) このときR1はX線源から被写体3までの距離(m)、
R2は被写体3からX線画像検出器4までの距離
(m)、λはX線量の最大値の波長(A)、Aは被写体
3の物体を円柱とした時の断面の円の直径(mm)であ
る。この実験式は、以下のように求めた。
【0039】基準となる強度分布をまず下記の条件にお
いてモデル的に光線追跡により求めた。
【0040】モデル:プラスチックファイバー直径1m
m 空気との屈折率差:3×10-6(プラスチックのCu特
性X線1.5オングストロームに対する値) 配置:R1:無限大、R2=0.25得られたエッジ部
分の強度分布を図3に示す。これに対してX線屈折コン
トラスト幅(エッジ強調幅)Eが、R2と屈折率差と物
体の直径Aの平方根のそれぞれに比例し、またR1が有
限のときのエッジ強調幅Eの増加量が1/R1に比例す
ることを見出した。
【0041】ここで屈折率差はX線領域で波長(λ)の
2乗に比例する。したがってE=a×R2×(1+b/
R1)×λ2×√Aという式が書ける。a、bは定数で
ある。次に実用的な観点から計算機シミュレイションで
求めた強度分布におけるエッジ強調幅Eから、a=3
9、b=0.045となり、最終的に(3式)が得られ
た。
【0042】また、エッジ強調幅Eの値としては、次式
により求めた値も使用することができる。
【0043】 E=27×(1+R2/R1)1/3×(λ2×R2×√A)2/3・・・(4式) このときR1はX線源から被写体3までの距離(m)、
R2は被写体3からX線画像検出器4までの距離
(m)、λはX線量の最大値の波長(A)、Aは被写体
3の物体を円柱とした時の断面の円の直径(mm)であ
る。
【0044】より一般的には、X線位相コントラストに
より界面のエッジ強調幅は、図2に示すように、X線量
低下最大値とX線量増加最大値の半値幅であり、この値
は空気中に置かれた円柱状物体の場合、理論式E=2.
3×(1+R2/R1)1/3×(R2×δ×√A)2/3
よって得ることができる。
【0045】このときδは物体と空気との屈折率差(δ
>0)である。
【0046】この理論式は、物体透過後の波面形状をW
としたとき、物体で屈折したX線に.より引き起こされ
る強度分布がWの2階微分W”を用いてi=(1+R2
/R1)/(1−R2×W”)と表せられることより求
めた。
【0047】δをλ(A)の関数と表し、人体の組成物
に対しては3式のように表すことができる。
【0048】以上の式は、何れもX線の屈折効果を考慮
して得られたものである。
【0049】また、(4式)求めた値の方が(3式)で
求めた値よりも真のエッジ強調幅に近くより好ましい。
【0050】特表平11−50262号公報や科学雑
誌”Nature, vol, 77,2962(19
96)”においては、X線の干渉によるX線画像のエッ
ジ強調効果が論じられている。そこの議論においては、
まず使用されるX線に高い横方向の空間干渉性があるこ
とが前提であり、エッジ強調効果はX線の干渉、すなわ
ちフレネル回折コントラストの第1次近似によるX線の
強度の低下と上昇によるものである。したがって、高い
空間干渉性のX線を得るためにX線源の焦点サイズがで
きるだけ小さく且つ点光源とみなせるように被写体から
X線画像検出器までの距離を十分にとる必要があり、そ
してコントラストが被写体とX線画像検出器との距離
(R2)に対して直接的に変化するので、R2について
一定以上の距離をとる必要があることが論じられてい
る。
【0051】本発明においては、X線の屈折によるコン
トラスト強調現象を用いるものであるゆえに、X線の高
い空間干渉性は特に必要でない。したがって焦点サイズ
については、点光源あるいは点光源と見なせる程度のも
のであることは必須ではない。また、本発明において
は、X線源から被写体までの距離(R1)、そして被写
体とX線画像検出器との距離(R2)は、X線画像の拡
大率や他の因子から決定されるものである。さらに(3
式)もしくは(4式)から求められるエッジ幅と幾何光
学的に求められるボケ幅の関係の(2式)でR1とR2
が決定される。このように本発明の課題の解決にX線の
空間干渉性とはとくに必要とされず、被写体とX線画像
検出器との距離(R2)のみで高コントラストが実現す
るものでもない。したがって本発明で得られる効果は、
前記特許公報並びに科学雑誌で開示されている技術とは
異なるものである。
【0052】また、鮮鋭性のよいX線画像を得るため、
被写体からX線画像検出器を離すことによって散乱X線
を除去する方法が、グレーデル効果として知られてい
る。とくに拡大撮影を行う時はその距離が大きくなるの
で、グレーデル効果を利用している。一方、本発明に係
るX線屈折コントラストは、この散乱X線とはとくに関
係するものではないため、(3式)及び(4)を導くな
かにはX線散乱の因子は組み込まれていない。すなわ
ち、本発明は、従来知られている散乱X線を除去してX
線画像の鮮鋭性を向上せしめるグレーデル効果とは異な
るものである。
【0053】しかしながら、本発明においても散乱線が
問題となる場合、例えば散乱線除去のためのX線グリッ
ドを用いない場合には、被写体とX線画像検出器との距
離を設定するとき、散乱X線の影響も考慮してよいこと
はいうまでもない。(2式)からX線管の焦点サイズが
小さいほどボケ幅は小さいことになる。このときX線屈
折コントラストはより強く観察される。しかし焦点サイ
ズが小さいとX線源からのX線量が低下するために、被
写体3やX線画像検出器4に制限が生ずる。一方焦点サ
イズが大きくなるとX線量は増大するが、半影によるボ
ケ幅Bが大きくなってX線屈折コントラスト効果が得に
くくなる。したがって、こうしたバランスから焦点サイ
ズは少なくとも0.03mm〜0.3mmが好ましい。
本発明において、X線管の焦点からの距離R1は、0.
15m以上そして被写体3とX線画像検出器4との距離
R2は0.15m以上が好ましい。R1が0.15m以
上であるとX線画像に幾何学的歪みがより小さくなる。
また、R2が0.15m以上であると被写体による散乱
X線を拾いにくく、散乱X線による画像の鮮鋭性をより
高められる。
【0054】本発明においては、拡大撮影を行うために
X線画像検出器4に到達するX線が少なくなる。従っ
て、X線のロスを伴う散乱X線除去のためのX線グリッ
ドは用いないことが好ましい。また被写体3が厚い場合
には、R1、R2とも0.5mより大きいことが好まし
い。また、医療用に用いる場合、X線被曝という観点か
ら、X線源から被写体までの距離R1は1m以上、X線
源からX線画像検出器との間の距離R1+R2は1.5
m以上とることが望ましい。X線画像撮影室の大きさや
X線画像検出器4に届くX線量を考慮するとR1+R2
が10m以内が好ましく、さらに、R1+R2は5m以
内とすることがより好ましい。
【0055】(3式)及び(4式)において、被写体3
の位置における検出物の直径AはX線撮影で描写したい
目的によって決定すべき値である。非破壊検査等におい
ては、0.1mm程度の幅のクラッキングを探索する必
要があり、また医療用では、例えば胸部の初期肺がんの
検出には1mm程度の大きさの腫瘍や石灰化陰影を描出
することが望まれている。特に10mmより小さい構造
物の検出に、本発明の拡大撮影は有用である。
【0056】このように(3式)及び(4式)中のAの
値は、X線画像撮影の目的によって選択されるべき値で
あり、本発明ではAは0.1mm以上で10mm以下、
さらには1mm以上で2mm以下を考慮したものであ
る。
【0057】(3式)及び(4式)で示すようにエッジ
強調幅Eは、使用するX線の波長に依存する。(3式)
及び(4式)における波長λ(A)は、使用するX線管
から発生する特性X線を除く連続スペクトルのX線量の
最大値のX線波長である。例えばタングステンを回転陽
極としてもつクーリッジX線管2においてはλ=0.4
オングストロームとして計算する(図4)。
【0058】使用するX線管の管電圧によって、X線の
線質、いわゆる被写体に対する透過のしやすさが異な
る。管電圧が高いほど、発生する高いX線エネルギー成
分が増加するので被写体をX線が透過しやすくなり、こ
のため吸収によるX線画像コントラストは低下する。管
電圧が低い場合、X線は透過しにくくなる。したがって
使用目的によってX線管の管電圧を設定する必要があ
る。医用のX線画像診断や非破壊検査では、X線管電圧
は50kVp〜150kVpの範囲が使用される。
【0059】本発明の(1式)の領域は、これらX線エ
ネルギー領域に適した領域である。ここで”kVp”と
は放射されるX線のもっともエネルギーの高いX線成分
を表すもので、一般にX線管から放射されるX線エネル
ギーの指標であり、撮影時にX線管電圧として設定され
る(図4)。
【0060】本発明における横型及び縦型のX線画像撮
影装置を、図5及び図6に模式的に示す。X線画像撮影
装置1で拡大撮影を行なうとき、被写体3の動きに起因
するブレも拡大される。従って、こうしたブレをできる
だけ少なくするために、被写体3を撮影時に固定するた
めの被写体位置設定具20が必要である。被写体位置設
定具20は機械的強度を持たすために、金属もしくは強
化プラスチック樹脂からなる枠を備え、X線が透過する
枠内はX線をできるだけ多く透過するプラスチック樹脂
板を張り付けることが好ましい。その板の厚さは0.0
5mmから数mmが好ましい。被写体3である患者は、
この被写体位置設定具20に身体あるいは身体の一部を
密着することにより、撮影時の動きを最小にすることが
可能となる。
【0061】X線管2の焦点の位置から被写体位置設定
具20までの距離R1及び被写体位置設定具20からX
線画像検出器4までの距離R2は、本発明の範囲内で任
意に設定することができる。この設定を正確に行なうた
めに、X線管2、被写体位置設定具20そしてX線画像
検出器4とを結ぶ、X線管2の焦点を起点とする距離の
情報を具備した距離を刻印したレール21を設置するこ
とが好ましい。X線画像検出器4及びX線画像検出器用
保持具25は、レール21に移動可能で、且つ一時的に
固定可能に設置されている。
【0062】図6ではX線管2が被写体3の上に設置さ
れているが、この逆にX線管2を下にしてX線画像検出
器4を上に設置してもよい。この装置においては被写体
3である患者を寝た状態で撮影することができるように
テーブル22を持つことが好ましい。このテーブル22
に被写体位置設定具20が設けられている。さらに図5
と同様に、X線管2と被写体3までの距離R1そして被
写体3からX線画像検出器4までの距離R2を正確に設
定するために、距離刻印のある支柱23を設置すること
が好ましい。X線画像検出器4及びX線画像検出器用保
持具25は、支柱23に移動可能で、且つ一時的に固定
可能に設置されている。
【0063】なお、被写体位置設定具20として、被写
体を保持する側を示したが、保持しなくても本発明のX
線画像を得るために必要な被写体位置を決めるものであ
ればよく、被写体位置を指示する部材等でもよい。
【0064】X線画像検出器4としては現在種々のもの
が用いられている。例えばハロゲン化銀乳剤を塗布した
写真感光材料とX線蛍光増感紙からなるスクリーン・フ
ィルムシステムを用いることができる。写真感光材料
(フィルム)は乳剤層を支持体の片面あるいは両面に塗
布したものを用いることができる。高い解像度を必要と
するときは片面フィルムが用いることが好ましく、拡大
率が大きい時には高感度の両面塗布フィルムを用いるこ
とが好ましい。写真感光材料とともに用いる蛍光増感紙
(スクリーン)については、X線照射によって青色発光
するものあるいは緑色発光するものが使用できる。特に
X線吸収率のよいテルビウムで賦活したカドリニウムオ
キシサルファイド(Gd22S:Tb、以下GOSとす
る)蛍光体からなる蛍光スクリーンが好ましい。使用す
るスクリーン・フィルムシステムの平均階調Gは1.5
〜4.0が好ましい。また、エッジ強調効果によりX線
画像コントラストが上昇するために、スクリーン・フィ
ルムシステムの平均階調Gは2から3.8がより好まし
く、さらに「カブリ濃度+1.0」より低い領域におい
てラチチュードが広いシステムが好ましい。なお、平均
階調Gとは特性曲線において「カブリ濃度+0.25」
の濃度となる点と「カブリ濃度+2.0」の濃度となる
点の2点を結んだ直線の勾配をいう。カブリとは、露光
を受けなかった部分を現像して得られた濃度である。
【0065】なお、ここでいう特性曲線とは、ハロゲン
化銀写真感光材料を使用する場合に用いるものであり、
例えば、“改訂 写真光学の基礎 −銀塩写真編−”
(日本写真学会編コロナ社1998年)に説明されてい
るように、ハロゲン化銀の乳剤層を露光した後、現像等
の処理を行ってできた写真像の黒化濃度(光学濃度)D
を露光量E(=I×t、Iは露光照度、tは露光時間)
の常用対数に対してプロットしたD−logE曲線のこ
とである。
【0066】スクリーン・フィルムシステムの平均階調
に影響する主因子は、フィルムの特性及びその現像処理
の二つがあげられる。フィルムの場合は乳剤層を構成す
るハロゲン化銀粒子の組成また粒径分布、カブリ抑制剤
などの添加剤、さらに乳剤層中のハロゲン化銀粒子の量
により平均階調が決定される。本発明で使用されるハロ
ゲン化銀写真感光材料については、例えば前述の”改訂
写真工学の基礎−銀塩写真編−”(日本写真学会編コ
ロナ社1998年)に概説されている。また、現像処理
については、現像処理温度を上げることやその処理時間
を延ばすことで平均階調を挙げることができるが、自動
現像処理を行うときには原則的にはフィルムメーカー指
定の現像処理条件で処理することが好ましい。
【0067】なお、エッジ強調幅Eよりスクリーン・フ
ィルムシステムの画像分解能は大きくすることが必要で
ある。また、スクリーン・フィルムシステムでの医用画
像は、フィルム画像を通常裸眼で直接観察するので、エ
ッジ強調幅が狭すぎると観察できなくなる。そこで、鋭
意検討の結果、スクリーン・フィルムシステムをX線画
像検出器として用いる際には、エッジ強調幅Eは9μm
以上であることが好ましいことが実験的にわかった。
【0068】デジタルX線画像検出器とは、X線画像を
デジタル画像信号として得るものであり、例えば、輝尽
性蛍光体を塗布したイメージングプレートを用いるコン
ピューデッドラジオグラフィ(CR)、X線照射をGO
Sや沃化セシウム蛍光体で受けて発生する光を、フォト
ダイオードを用いて電気信号に変換しTFT等で読み取
る、あるいはX線照射をa−Seで受けてそこで発生す
る電荷を直接にTFTで読み取る平面型X線画像検出器
(FPD)、またGOS蛍光体等でX線照射で得られる
X線像を可視光に変換してCCDやCMOSで読み取る
検出器等がある。
【0069】これらのディジタルX線画像検出器を用い
た撮影システムにおいては、2次元平面を分割してX線
画像情報を読み取る。この読み取る最小面積の四角形の
辺の長さ、あるいは円形の直径が画素サイズとよばれて
いる。例えば、前述のCRにおいては輝尽発光を読み取
る時のピッチに相当し、CCDやCMOSの最小読取
径、またFPDにおいてはシリコン光ダイオードの読み
取り径やX線導電層での発生電荷を収集する最小画素サ
イズにあたる。
【0070】また、図7に示すように、デジタルX線画
像検出器10を用いると、画像処理手段11によって画
像処理し、この画像処理によって拡大・縮小や画像コン
トラストの調整が容易にでき、CRT画像表示装置1
2、画像プリンター13に出力し、あるいは画像記憶装
置14に記憶し、例えば病院内LAN等に送る。このよ
うにデジタルX線画像検出器10を用いることで、本発
明の拡大撮影後に実際の画像サイズに縮小して表示する
ことができる。また、撮影時の拡大率以上に画像を拡大
することも可能である。撮影時以上の拡大を考慮すると
デジタルX線画像検出器10では読み取るエッジ強調幅
Eは0.1μmより大きいことが好ましい。ここでデジ
タルX線画像検出器4においては読取最小画像サイズが
使用目的やシステムの能力によって決められている。
【0071】本発明においては、X線像検出のために輝
尽性蛍光体を用いるとき、画像信号の読み取りはレーザ
ー露光スキャンで行われるのが一般的である。通常、そ
の最小画素サイズは読み取りレーザスポット径と同等の
大きさをとる。この径については1μmより大きいこと
が好ましいが、読み取り速度を高速とするために20μ
m以上とすることがより好ましい。また、読み取り画像
自体の鮮鋭性を高めるために200μm以下とすること
が好ましい。また、本発明に述べているほかのデジタル
X線画像検出器についても同様である。
【0072】X線管としては、現在広く医療現場で使用
されている、陽極である対陰極にタングステンを含有す
るものが好ましい。何故ならば、非破壊検査や人体のX
線画像を得るために、もっとも好ましいX線エネルギー
範囲をとることができるからである。X線の透過性のよ
い魚など小動物を被写体とするときは、例えば陽極が銅
であるX線源が用いられる。
【0073】本発明においては、例えば胸部の5mm以
下の初期肺がんの発見に寄与できる可能性がある。なぜ
ならば、8倍の拡大撮影を行えば2mmの大きさの構造
物が16mmに拡大されて描出されるからである。従来
は、このような大きな拡大撮影を行うと半影によるボケ
によって、かえって判読が難しいが、本発明において
は、鮮明に微細な構造物を描写できるので、判読が容易
になる。
【0074】また、代謝性及びロイマチス性障害の早期
発見のために、手指の末梢骨の拡大撮影が行われてい
る。このとき、鮮鋭性を重視するためにX線蛍光増感紙
(スクリーン)を用いないノンスクリーン撮影を行い、
拡大プリントを行う方法が知られている。ノンスクリー
ン撮影を行なう場合、X線被曝量が多いことが課題であ
る。
【0075】本発明においては、ノンスクリーン撮影よ
り低線量で、鮮鋭性のよい拡大撮影を実現することがで
きる。今日の医療現場ではタングステンX線管の50〜
150kVpのX線が広く使用されている。そしてX線
画像検出器に、スクリーン・フィルムシステムを適用す
ると、医療現場に容易に導入することができる。したが
って、本発明はとくに医療領域への適用が有用である。
【0076】
【発明の実施の形態】[実施例1]X線源として、焦点
サイズが40μmで対陰極がタングステン陽極である浜
松ホトニクス(株)製のX線管L662202及び対陰
極がタングステン陽極で焦点サイズが300μmの
(株)東芝製のX線管DRA−3535HDを用いて、
京都科学社製の胸部ファントム画像の撮影を行った。こ
のときのX線管電圧はいずれも120kVpであった。
X線画像撮影装置の機器の配置は、図5に示す通りであ
る。被写体位置設定具の枠は、幅2cmの塩化ビニル性
で、約0.2mmの厚さの透明ポリエステルフィルムを
枠内に貼り付けた。この被写体位置設定具に胸部ファン
トムを密着させて撮影を行なった。
【0077】X線画像検出器はスクリーン・フィルムシ
ステムを用いた。フィルムはフィルム支持体の片面にヨ
ウ臭化銀乳剤が塗布されているコニカ株式会社製医療用
レントゲンフィルムSRIC、そしてフィルム支持体の
両面にヨウ臭化銀乳剤が塗布されているコニカ株式会社
製医療用レントゲンフィルムSRGを用いた。蛍光増感
紙はコニカ株式会社製のSRO125バック用増感紙を
SRICと組み合わせて用いた。
【0078】また両面フィルムSRGにはコニカ株式会
社製の増感紙SRO250、あるいはSRO1000を
用いた。SRO125とSRICの組み合わせは感度が
最も低いが、解像度が最も高いシステムである。そして
SRGと組み合わせる蛍光増感紙は算用数字が大きいほ
ど感度が高くなる一方、解像度は低下する。なお、SR
ICの平均階調Gは2.6、SRGの平均階調Gは2.
45であった。
【0079】X線像撮影後のフィルム現像処理は、コニ
カ株式会社製SRX502自動現像機で35℃の90秒
処理で行った。現像処理後に約9000ルクスの明るさ
のシャウカステン(ライトボックス)にフィルムをかけ
て、裸眼で観察してエッジ強調が認められるかどうかの
判定を行った。
【0080】すなわち、胸部肺野領域のフィルム面とほ
ぼ平行に走行する円筒形の擬似血管像の周りが黒く縁取
りがされているかどうかを判定した。3式中のAの値は
この擬似血管径を用いた。判定ランクは、非常に良く見
えるとき5、良く見えるとき4、認識できるとき3、み
えたとしても極めて弱いとき2、見えないときを1とし
て評価した。その結果を表1に示す。なお、Eとして、
(4式)を用いて求めた値を示す。
【0081】
【表1】 なお、表中の血管径は拡大撮影していないときのX線撮
影で測定したものである。試料のNo.6は9E≧Bを
満たさないので、判定結果は最も低い値1となってい
る。また、試料No.5は(4式)で求めたEの値は上
記の通りであるが、(3式)で求めたEの値は36、9
Eは324であり、9E≧Bを満たしている。
【0082】[実施例2]実施例1と同様に胸部ファン
トムX線像の撮影を行った。コニカ製の輝尽製蛍光体を
用い、レーザースポットサイズ87μmで画像信号を読
み取り、コニカ製レーザイメージャLi−7でコニカ製
片面フィルム67LPにプリントし、自動現像機SRX
502で現像処理を行った。撮影条件はR1=R2=2
mで拡大率2倍、焦点サイズ40μmで、ボケ幅B=4
0μm及び(4式)のAを血管直径1mmとするときエ
ッジ強調幅E=16μmで9E=144μmであり、9
E≧Bであり、Eは0.1μmより大きい。
【0083】撮影後に得られた画像を3倍拡大及び元の
サイズに縮小した画像をプリントした。2枚のプリント
とともに直径1mmの横走行の擬似血管の周りが黒く縁
取られてエッジ強調が認められ、判定は3倍拡大画像が
5、原寸表示が4であった。なおX線量は7.8mAs
であった。
【0084】[実施例3]京都科学製の頭部のファント
ムを用いて頭蓋骨X線像の撮影を行った。このときのX
線管の設定管電圧は70kVpであった。増感紙はSR
O250を用い、フィルムはSRGを用いた。R1=R
2=2mの拡大倍率2倍、焦点サイズ40μmでぼけ幅
B=40μm、3式のAの被写体幅1mmとするとエッ
ジ強調幅E=16μで9E=144μmとなり、9E≧
Bである。また、E≧9μmも満足する。実施例1と同
様の現像処理後にシャウカステン上で画像を裸眼で観察
したとこと、骨部境界部分に明瞭に黒く縁取りをした境
界線が見られた。評価は4であった。このときの36m
Asであった。
【0085】[実施例4]京都科学製の手ファントムを
用いて手指骨X線像の撮影を行った。X線画像撮影装置
の機器の配置は、図6の通りであった。テーブルの一部
がくりぬけられて、この窓に厚さ約0.5mmの透明の
ポリエステル板を張り、この上に手ファントムを置いて
撮影を行なった。
【0086】このときのX線管の設定管電圧は50kV
pであった。増感紙はコニカ株式会社製M100を用
い、フィルムはコニカ株式会社製片面乳剤フィルムCM
Hを用いた。このシステムの平均階調は3.2であっ
た。実施例1と同様の現像処理後にシャウカステン上で
1mm幅(4式のAの値)の骨梁を裸眼で観察し、その
評価結果を表2に示す。
【0087】
【表2】 No.9,10は「認識できる」(3)及び「良く見え
る」(4)の判定である。No.7は9E≧Bを満足し
ておらず判定は「見えない」の(1)、No.8につい
ては、9E≧Bを満足しているがE≧9μmを満足して
おらず判定は「極めて弱い」の(2)となっている。
【0088】
【発明の効果】前記したように、本発明のX線画像撮影
方法及びX線画像撮影装置では、発散するX線を放射す
るX線管を用いて拡大撮影を行うときに、半影によるボ
ケとエッジ強調の関係を最適化することにより鮮鋭性の
優れる拡大撮影画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】X線画像撮影装置を示す図である。
【図2】X線画像撮影のエッジ強調を示す図である。
【図3】エッジ部分の強度分布を示す図である。
【図4】X線管から放射されるX線エネルギーの指標を
示す図である。
【図5】横型のX線画像撮影装置を模式的に示す図であ
る。
【図6】縦型のX線画像撮影装置を模式的に示す図であ
る。
【図7】デジタルX線画像検出器を用いたX線画像の出
力システムを示す図である。
【符号の説明】 1 X線画像撮影装置 2 X線管 3 被写体 4 X線画像検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G001 AA01 BA11 BA18 CA01 DA01 GA01 GA09 GA13 HA12 HA13 JA02 KA03 LA01 4C093 AA01 CA08 EA02 EB04 EB28 EB30

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発散するX線を放射するX線管を用い、こ
    のX線管から放射するX線を被写体に透過させてX線拡
    大撮影を行い、このX線拡大撮影で得られるX線画像の
    半影によるボケ幅をB(μm)、X線屈折コントラスト
    によるエッジ強調幅をE(μm)とすると、9E≧Bで
    あるようにしたことを特徴とするX線画像撮影方法。
  2. 【請求項2】前記X線拡大撮影は、1.1〜10倍であ
    ることを特徴とする請求項1に記載のX線撮影方法。
  3. 【請求項3】前記X線管の焦点サイズは、0.03mm
    〜0.3mmであることを特徴とする請求項1または請
    求項2に記載のX線画像撮影方法。
  4. 【請求項4】前記X線管のX線管電圧は、50kVp〜
    150kVpであることを特徴とする請求項1乃至請求
    項3のいずれか1項に記載のX線画像撮影方法。
  5. 【請求項5】前記X線管は、クーリッジX線管であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に
    記載のX線画像撮影方法。
  6. 【請求項6】前記X線管は、タングステン回転陽極X線
    管であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいず
    れか1項に記載のX線画像撮影方法。
  7. 【請求項7】平均諧調Gが1.5〜4.0であるスクリ
    ーン・フィルムシステムを用い、エッジ強調幅Eが9μ
    m以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項6の
    いずれか1項に記載のX線画像撮影方法。
  8. 【請求項8】画素サイズが、1μm〜200μmのデジ
    タルX線画像検出器を用い、かつエッジ強調幅Eが0.
    1μmより大きいことを特徴とする請求項1乃至請求項
    7のいずれか1項に記載のX線画像撮影方法。
  9. 【請求項9】前記被写体が、人体もしくは人体から摘出
    された検体であることを特徴とする請求項1乃至請求項
    8のいずれか1項に記載のX線画像撮影方法。
  10. 【請求項10】発散するX線を照射するX線管と、 前記X線管に対して被写体の位置を設定するための被写
    体位置設定具と、 前記被写体を透過したX線画像を検出するX線画像検出
    器と、を有し、 X線画像の半影によるボケ幅をB(μm)、X線回折コ
    ントラストによるエッジ強調幅をE(μm)とすると
    き、前記X線管より照射されるX線を被写体に透過させ
    てX線拡大撮影を行う際、9E≧Bとなるように前記被
    写体位置設定具及び前記X線画像検出器を設置可能とし
    たことを特徴とするX線画像撮影装置。
  11. 【請求項11】前記X線管と前記被写体との距離を0.
    5m以上離すべく前記被写体位置設定具を設けることが
    可能で、且つ前記被写体と前記X線画像検出器までの距
    離を1m以上離すことが可能であることを特徴とする請
    求項10に記載のX線画像撮影装置。
  12. 【請求項12】前記X線管の焦点を起点とする距離の情
    報を具備したレールもしくは支柱と、 前記X線画像検出器を保持するX線画像検出器用保持具
    とを有し、 前記被写体位置設定具及び前記X線画像検出器用保持具
    は、前記レール又は前記支柱に移動可能で、且つ一時的
    に固定可能に設けられていることを特徴とする請求項1
    1に記載のX線画像撮影装置。
  13. 【請求項13】50kVp〜150kVp管電圧設定が
    可能なX線管を有し、前記X線管から0.5m以上離れ
    た位置に被写体位置設定具を配置し、かつ前記被写体位
    置設定具から1m以上離れた位置にX線画像検出器を配
    置したことを特徴とする請求項10乃至請求項12のい
    ずれか1項に記載のX線画像撮影装置。
  14. 【請求項14】前記X線拡大撮影は、1,1〜10倍で
    あることを特徴とする請求項10乃至請求項13のいず
    れか1項に記載のX線画像撮影装置。
  15. 【請求項15】前記X線管の焦点サイズは、0.03m
    m〜0.3mmであることを特徴とする請求項10乃至
    請求項14のいずれか1項に記載のX線画像撮影装置。
  16. 【請求項16】前記X線管は、クーリッジX線管である
    ことを特徴とする請求項10乃至請求項15のいずれか
    1項に記載のX線画像撮影装置。
  17. 【請求項17】前記X線管は、タングステン回転陽極X
    線管であることを特徴とする請求項10乃至請求項16
    のいずれか1項に記載のX線画像撮影装置。
  18. 【請求項18】前記X線画像検出器として、平均諧調G
    が1.5〜4.0であるスクリーン・フィルムシステム
    を用い、エッジ強調幅Eが9μm以上であることを特徴
    とする請求項10乃至請求項17のいずれか1項に記載
    のX線画像撮影装置。
  19. 【請求項19】前記X線画像検出器として、画素サイズ
    が1μm〜200μmのデジタルX線画像検出器を用
    い、かつ前記エッジ強調幅Eが0.1μmより大きいこ
    とを特徴とする請求項10乃至請求項18のいずれか1
    項に記載のX線画像撮影装置。
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